JP2002018247A - 混合物分離膜装置の製造方法及び混合物分離膜装置 - Google Patents
混合物分離膜装置の製造方法及び混合物分離膜装置Info
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Abstract
物分離膜装置の製造方法および分離性能を一層向上させ
た混合物分離膜装置を提供すること。 【解決手段】 多孔質支持基体の表面にZSM−5型ゼ
オライトの結晶を成長させ得る粉末状の種結晶を存在さ
せる工程と、成分中にナトリウムを含まないZSM−5
型ゼオライト膜形成用の母液中に前記多孔質支持基体を
浸漬し、所定時間加熱して前記多孔質支持基体の表面に
前記種結晶を核にしてZSM−5型ゼオライトの結晶を
成長させてZSM−5型ゼオライトの膜を形成する工程
と、を含むことを特徴とする。当該ZSM−5型ゼオラ
イトの膜はナトリウムイオンを含まない膜から成る。
Description
表面に結晶成長して形成されたZSM−5型ゼオライト
膜を備えて成る混合物分離膜装置の製造方法及び混合物
分離膜装置に関する。
パレーション法による液体混合物の分離法は、米国特許
第2953502号明細書等に開示されている。この分
離法は、有機液体中に含有された少量成分の分離に適し
ている。例えば、アルコール発酵槽内からのアルコール
分離や排水中の有機物回収等に適している。
としては、ポリジメチルシロキサン、ポリトリメチルシ
リルプロピン又はこれらの共重合体からなる膜が知られ
ている。しかしながら、このような膜を用いてパーベー
パレーション法により有機液体混合物を分離する場合に
は、膜の選択透過性能が低く、必ずしも効率の良い分離
手段とは言い難い。また、これらの高分子膜は、酸ある
いはアルカリ等の不純物が回収及び/又は精製対象有機
液体中に微量でも含まれていると破壊されるため、実用
化検討もされていないのが実状である。
撥水性のゼオライト膜が開発され、実用化検討が盛んに
行われ始めた。特に、水熱合成法で多孔質支持基体の表
面に製膜されたZSM−5型ゼオライト膜は、安価で選
択透過性も高く、未利用バイオ系廃棄物の再資源化に適
用可能と言われている。
支持基体の表面に備えて成る混合物分離膜装置及びその
製造方法に関する従来技術文献として、特開平8−25
7302号公報が挙げられる。この文献に開示されてい
るZSM−5型ゼオライト膜を備えて成る混合物分離膜
装置は、ZSM−5型ゼオライト膜形成用の母液に管状
の多孔質支持基体を浸漬し、該母液を加熱して水熱合成
法によりZSM−5型ゼオライトの結晶を合成し、且つ
その結晶を成長させて多孔質支持基体の表面にZSM−
5型ゼオライトの膜を形成することにより製造される。
302号公報に開示されているZSM−5型ゼオライト
膜を備えて成る混合物分離膜装置は、その製造方法にお
いて、ZSM−5型ゼオライト膜形成用の母液に、水酸
化ナトリウムに基づくナトリウムを成分に含むアルミノ
シリケートゲルを用いているため、該ナトリウムの存在
によりピンホール等の欠陥のない膜を再現性良く製造で
きる利点があった。しかし、製膜されたZSM−5型ゼ
オライト膜中にナトリウムイオンが残存する結果、該ナ
トリウムイオンの存在によって該ZSM−5型ゼオライ
ト膜が親水性を帯び、その分だけ分離性能が低下し、混
合物分離膜装置として一層の分離性能向上を図る上で何
らかの対策が望まれていた。
ることのできる混合物分離膜装置の製造方法および分離
性能を一層向上させた混合物分離膜装置を提供すること
にある。
め、本願請求項1に記載の発明に係る混合物分離膜装置
の製造方法は、多孔質支持基体の表面にZSM−5型ゼ
オライトの結晶を成長させ得る粉末状の種結晶を存在さ
せる工程と、成分中にナトリウムを含まないZSM−5
型ゼオライト膜形成用の母液中に前記多孔質支持基体を
浸漬し、所定時間加熱して前記多孔質支持基体の表面に
前記種結晶を核にしてZSM−5型ゼオライトの結晶を
成長させてZSM−5型ゼオライトの膜を形成する工程
と、を含むことを特徴とするものである。
膜形成用の母液が、成分としてナトリウムを含んでいな
いため、多孔質支持基体の表面に製膜されたZSM−5
型ゼオライト膜中に従来のようにナトリウムイオンが残
存するということがない。即ち、前記多孔質支持基体の
表面において前記種結晶を核にしてZSM−5型ゼオラ
イトの結晶が成長し、この結晶成長によりZSM−5型
ゼオライトの膜が、当該多孔質支持基体の表面に形成さ
れるのであるが、この結晶成長は、前記母液中の成分を
栄養として進行するため、ナトリウムイオンのないZS
M−5型ゼオライト膜が得られる。従って、当該膜が親
水性を帯びることはなく、混合物分離膜装置としての分
離性能を一層向上できる。
の母液に浸漬する多孔質支持基体の表面には、予め種結
晶、すなわちZSM−5型ゼオライトの結晶を成長させ
得る粉末状の種結晶が付けられているため、従来のよう
に前記母液中に成分としてナトリウムが含まれていなく
てもピンホールなどの欠陥のないZSM−5型ゼオライ
ト膜を形成することができる。
晶が予め付いていることにより、テンプレート剤の必要
量を低減することができる。
多孔質支持基体の表面にZSM−5型ゼオライトの膜を
形成する工程において、最終的にその生成物を焼成する
ことが行われる。この焼成は、ピンホールなどの欠陥の
原因になる未反応物を除去することを目的として行わ
れ、この目的達成の観点から焼成温度及び焼成時間など
の焼成条件が決められる。通常、400℃以上で20〜
40時間焼成され、その際の加熱速度は50℃/h程度
である。
ナ多孔質膜、金属、有機高分子、無機高分子、セラミッ
クスなどが挙げられるが、勿論これらのものに限定され
ない。多孔質支持基体の形状は、パーベーパレーション
法やベーパーミエーション法に用いられる混合物分離膜
装置としては、外径約10mm、長さ20cm〜100
cmのパイプであって、その厚さは0.2mm〜数mm
のもの、或いは外径30mm〜100mm、長さ20c
m〜100cm及びそれ以上の円柱に内径2mm〜12
mm程度の軸方向に多数個あるいは蓮根状に開いたもの
が好ましい。
μm〜10μmがよい。下限の0.05μmを下回ると
透過速度が小さく実用的ではなくなり、上限の10μm
を越えると選択性が低下する。好ましい多孔質支持基体
としては、平均気孔径が0.1μm〜2μm、気孔率が
30%〜50%程度のものが挙げられる。
は、例えば富永博夫編「ゼオライトの科学と応用」講談
社サイエンティフィック社 1987年1月発行 2.
2ゼオライトの基本構造単位と分類 第17頁「表2.
2 代表的な分子ふるいゼオライト」などにより従来か
ら知られた物質である。ZSM−5型ゼオライトの活性
が低下した場合には、焼成することにより回復させるこ
とができる。
記種結晶は、前記母液中の成分との関係において、当該
種結晶を核として、ZSM−5型ゼオライトの結晶を成
長させ、膜化することが可能であればよく、特定の種類
のものに限定されない。例えば、ナノサイズのコロイド
状のシリカライト懸濁物や、大きさが4μm〜20μm
程度のシリカライト結晶粉末などが挙げられる。前者の
懸濁物の一例は、出発原料として、TEOS(テトラエ
トキシシラン)、テンプレート剤としてのTPAOH
(水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液)、水酸化ナ
トリウム溶液及び蒸留水を用いて、水熱合成法により作
ることができる。その組成は、SiO2:TPAOH:
NaOH:H2O=10:1〜3:1〜2:50〜20
0である(モル組成比)。前記種結晶は、該懸濁液の中
に前記多孔質支持基体を浸漬して塗布することによりそ
の表面に付けられる。後者の結晶粉末の一例は、出発原
料として、TEOS、テンプレート剤としてのTPAO
H及び蒸留水を用いて、水熱合成法により作ることがで
きる。その組成は、SiO2:TPAOH:H2O=
1:0.1〜1:50〜200である(モル組成比)。
前記種結晶は、その結晶粉末を蒸留水中に入れ、スラリ
ー状にして、前記多孔質支持基体の表面に塗布すること
により付けられる。前者の種結晶はナトリウムを含んで
いるが、このナトリウムを含む種結晶を用いて当該母液
中で製膜したZSM−5型ゼオライト膜と、後者のナト
リウムを含まない種結晶を用いて当該母液中で製膜した
ZSM−5型ゼオライト膜との間に、後述する実施の形
態で説明するように、分離性能の差は見られず、いずれ
も従来のナトリウムイオンが残存するZSM−5型ゼオ
ライト膜(特開平8−257302号公報)より分離性
能は、向上できた。これは、本発明で用いる前記母液が
その成分にナトリウムを含んでいないため、当該母液中
でZSM−5型ゼオライトの結晶が合成され成長してい
く過程で、ナトリウムを含んでいない種結晶を核とし
て、当該結晶の合成及び成長が進行し、ナトリウムを含
む種結晶を基点としては新たな結晶の合成及び成長が起
こらないからではないかと推定される。
母液は、成分にナトリウムを含まないものであればよ
く、特定の物に限定されない。一例として、請求項2に
記載されたもの、即ち、TEOS、テンプレート剤とし
てのTPAOH及びH2Oを、モル組成比で、Si
O2:TPAOH:H2O=1:0.1〜1:80〜5
00となるように調整したゲルから成るものが挙げられ
る。該母液中に前記多孔質支持基体を浸漬し、所定時間
加熱して前記多孔質支持基体の表面にて前記種結晶を核
にしてZSM−5型ゼオライトの結晶を成長させるが、
その際の加熱は、母液の温度を当該結晶成長反応を進行
できる温度にするために行われ、その観点からその温度
が決められる。具体的には、加熱手段によって前記母液
の温度が前記テンプレート剤の酸化分解に対する耐熱温
度を越えず、且つ100℃以上となるように行われる
(請求項2に記載)。加熱時間は用いる加熱手段によっ
て変わる。尚、実用的には160℃〜180℃程度の温
度に加熱するのが好ましい。
オライト膜形成用の母液として、上記のような成分及び
組成のものとし、更に母液の温度を前記温度範囲となる
ように加熱手段によって加熱することにより、テンプレ
ート剤を有効に機能させつつ前記多孔質支持基体の表面
にて行われるZSM−5型ゼオライトの結晶成長を円滑
に進行させることができる。それでいて、テンプレート
剤の必要量が少なくて足りている。
記載された混合物分離膜装置の製造方法おいて、前記加
熱手段としてマイクロ波を用いることを特徴とするもの
である。本発明によれば、加熱手段として、マイクロ波
を用いたので、水分子が励起状態に活性化され、この状
態でZSM−5型ゼオライトの合成が行われてその結晶
が成長していくため、単に母液の温度が所望の温度に高
められるのと違って、その合成反応速度が増し、必要な
製膜時間を短縮することができる。水熱合成法では10
時間〜48時間もかかるところを0.25時間〜5時間
程度に短縮できることを本発明者は確認している。
合物分離膜装置は、多孔質支持基体と、該多孔質支持基
体の表面に結晶成長して形成されたZSM−5型ゼオラ
イト膜とを備えて成る混合物分離膜装置であって、前記
ZSM−5型ゼオライト膜は、ナトリウムイオンを含ま
ない膜から成ることを特徴とするものである。ここで、
「ナトリウムイオンを含まない」とは、文字通りの濃度
0に限られず、不可避的不純物として存在する範囲まで
は含める意味で用いられている。
イト膜は、ナトリウムイオンを含まない膜から成るた
め、親水性を帯びることはない。従って、分離性能を低
下させる因子がないため、混合物分離膜装置として分離
性能を一層向上することができる。
レーション法、ベーパーパーミエーション法、ガス分離
法のいずれにも使用することができる。本発明のZSM
−5型ゼオライト膜の分離対象となる混合物は、特定の
ものに限定されないが、例えば、水と、メタノール、エ
タノール、プロパノールなどのアルコール類との液体混
合物、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、
四塩化炭素、トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化
水素などの有機溶液と、メタノール、エタノール、プロ
パノールなどのアルコール類との液体混合物、前記アル
コール類とベンゼン、シクロヘキサンなどの芳香族類と
の液体混合物、更に前記液体混合物が2種類またはそれ
以上混合された混合物である。また更に、気体混合物の
分離についても利用でき、例えばブタンの異性体である
n−C4H10とi−C4H10の分離ができる。本発
明の分離膜が、特に優れた選択性を示す液体混合物の例
としては、有機液体混合物、特に水−エタノール混合
物、水−ブタノール混合物などの水−アルコール混合物
が挙げられる。
装置の製造方法の実施の形態を具体的に説明する。図1
は実施の形態1の製法で多孔質ムライト支持基体の表面
にZSM−5型ゼオライト膜を形成したものについての
X線回折図を示すグラフである。図2は実施の形態1の
製法で多孔質ムライト支持基体の表面に製膜された膜表
面のSEM(走査電子顕微鏡)写真である。図3は実施
の形態1の製法によって得られたZSM−5型ゼオライ
ト膜の透過性能を測定した性能評価装置の概略構成図で
ある。図4は実施の形態1の方法で製膜したZSM−5
型ゼオライト膜を有する混合物分離膜装置について行っ
たパーベーパレーションの結果を示すグラフである。
剤としてのTPAOH、水酸化ナトリウム溶液及び蒸留
水を用いて、モル組成比で、SiO2:TPAOH:N
aOH:H2O=10:2.44:1.7:114とな
るように調整したゲルを反応容器中に仕込み、100℃
で48時間水熱合成し、テンプレート(TPAOH)含
有のナノサイズのコロイダルシリカ懸濁物を作成した。
このコロイダルシリカ懸濁物中に管状の多孔質ムライト
支持基体(株式会社ニッカトー製の商品名PMチュー
ブ:直径12cm、長さ20cm、肉厚1.5mm、孔
径1μm、気孔率40%)を浸漬した後、70℃の恒温
槽で乾燥させ、前記多孔質支持基体の表面に種結晶を一
様に塗布した。この種結晶はその製法からナトリウムイ
オンを含んでいる。
型ゼオライト膜形成用の母液は、TEOS、テンプレー
ト剤としてのTPAOH及び蒸留水を用いて、モル組成
比で、SiO2:TPAOH:H2O=1:0.16
7:118となるように調整した。このように調整され
た製膜用ゲルの中に前記種結晶を塗布した多孔質支持基
体を浸漬し、マイクロ波を用いて母液を加熱し170℃
で4時間、ZSM−5型ゼオライトの結晶の合成及び成
長を継続させ、多孔質支持基体の表面にZSM−5型ゼ
オライト膜を形成した。その後、400℃で30時間焼
成した。焼成時の加熱速度は50℃/hとした。
X線回折図を図1に示した。図1から解るように、ピー
クパターンは、市販されているZSM−5型ゼオライト
の結晶粉末のものと良く一致していることから、当該膜
がZSM−5型ゼオライトで形成されていることが確認
された。
イト支持基体の表面に製膜された膜表面のSEM(走査
電子顕微鏡)写真である。膜厚は3μm〜100μm程
度である。この写真から3μm程度の緻密なZSM−5
型ゼオライト結晶が多孔質ムライト支持基体の表面に析
出していることが確認された。
剤としてのTPAOH及び蒸留水を用いて、モル組成比
で、SiO2:TPAOH:H2O=1:0.167:
118となるように調整したゲルを反応容器中に仕込
み、160℃〜170℃で、16時間水熱合成し、テン
プレート(TPAOH)含有の結晶粉末を作成した。こ
の結晶粉末(粉径は4μm〜20μm)と水をスラリー
状に混合し、管状の多孔質ムライト支持基体(株式会社
ニッカトー製の商品名PMチューブ:直径12cm、長
さ20cm、肉厚1.5mm、孔径1μm、気孔率40
%)上に塗布した後、70℃の恒温槽で乾燥させ、前記
多孔質支持基体の表面に種結晶を一様に分布させた。こ
の種結晶はその製法からナトリウムイオンを含んでいな
い。
型ゼオライト膜形成用の母液は、TEOS、テンプレー
ト剤としてのTPAOH及び蒸留水を用いて、モル組成
比で、SiO2:TPAOH:H2O=1:0.16
7:118となるように調整した。このように調整され
た製膜用ゲルの中に前記種結晶を塗布した多孔質支持基
体を浸漬し、マイクロ波を用いて母液を加熱し170℃
で4時間、ZSM−5型ゼオライトの結晶の合成及び成
長を継続させ、多孔質支持基体の表面にZSM−5型ゼ
オライト膜を形成した。その後、400℃で30時間焼
成した。焼成時の加熱速度は50℃/hとした。
X線回折図も図1とほとんど同じであり、当該膜がZS
M−5型ゼオライトで形成されていることが確認され
た。
ゲルの中に前記種結晶を塗布した多孔質支持基体を浸漬
し、マイクロ波を用いて母液を加熱するのを水熱合成に
変えた以外は、実施の形態1と同じにして、多孔質支持
基体の表面にZSM−5型ゼオライト膜を形成した。水
熱合成は、170℃で16時間とした。
X線回折図も図1とほとんど同じであり、当該膜がZS
M−5型ゼオライトで形成されていることが確認され
た。
ゲルの中に前記種結晶を塗布した多孔質支持基体を浸漬
し、マイクロ波を用いて母液を加熱するのを水熱合成に
変えた以外は、実施の形態2と同じにして、多孔質支持
基体の表面にZSM−5型ゼオライト膜を形成した。水
熱合成は、170℃で16時間とした。
X線回折図も図1とほとんど同じであり、当該膜がZS
M−5型ゼオライトで形成されていることが確認され
た。
によって得たZSM−5型ゼオライト膜を有する混合物
分離膜装置によるパーベーパレーション性能を測定し
た。先ず、図3に示したように、ZSM−5型ゼオライ
ト膜を有する混合物分離膜装置1を性能測定装置の分離
セル2に取り付ける。有効膜面積は47cm2であっ
た。
側に配置した透過液室5とからなり、被透過液室4と透
過液室5とは前記混合物分離膜装置1によって隔てられ
ていると共に、恒温槽6内に配置されている。被透過液
室4の一方の端部に被透過液7の供給管8が接続され、
他方の端部に排出管9が接続されている。前記供給管8
にポンプ10を介して被透過液貯槽11が取り付けら
れ、また、排出管9には熱交換器12を介して排出液溜
13が取り付けられている。前記混合物分離膜装置1を
透過した分離液は減圧手段により蒸気相で取り出し、冷
却して固化させ、回収した。即ち、透過液室5に接続し
た分離液取り出し用の配管14を配管14Aと配管14
Bとに分岐し、それぞれ冷却トラップ15A,15Bを
介して真空ポンプ16に接続されている。符号17は窒
素ガス排出管を示し、符号18は切換コックを示す。
2〜30cm3/分で供給し、真空ポンプ16と冷却ト
ラップ15A又は15Bとにより、透過液室5の内圧を
0.1Torrの真空度を維持した。膜の透過性能は、
単位面積、単位時間当たりの全透過量Q(kg/m
2h)と、下記式で定義する分離係数αとにより評価し
た。 α=(PA/PB)/(FA/FB) 上記の式中、FA、FBは、それぞれ供給液中の液体
A、Bの濃度(wt%)であり、PA、PBは、それぞ
れ透過液中の液体A、Bの濃度(wt%)である。
エチルアルコール、Bが水)とし、実施の形態1の方法
で製膜したZSM−5型ゼオライト膜を有する混合物分
離膜装置について行った評価試験結果を表1に示した。
比較し易くするために、ナトリウムイオンが残存してい
る従来のZSM−5型ゼオライト膜を備えて成る混合物
分離膜装置(特開平8−257302号公報)について
の結果も併記した。
ライト膜を有する混合物分離膜装置について行ったパー
ベーパレーションの結果を示すグラフである。
型ゼオライト膜を備えた混合物分離膜装置は、従来のも
のより、膜の透過性能が全透過量Q及び分離係数αのい
ずれにおいても向上していることが解る。
ト膜形成用の母液が、成分としてナトリウムを含んでい
ないため、多孔質支持基体の表面に製膜されたZSM−
5型ゼオライト膜中に従来のようにナトリウムイオンが
残存するということがない。従って、当該膜が親水性を
帯びることはなく、混合物分離膜装置としての分離性能
を一層向上できる。
の母液に浸漬する多孔質支持基体の表面には、予め種結
晶、すなわちZSM−5型ゼオライトの結晶を成長させ
得る粉末状の種結晶が付けられているため、従来のよう
に前記母液中に成分としてナトリウムが含まれていなく
てもピンホールなどの欠陥のないZSM−5型ゼオライ
ト膜を形成することができる。
の表面にZSM−5型ゼオライト膜を形成したものにつ
いてのX線回折図を示すグラフである。
の表面に製膜された膜表面のSEM(走査電子顕微鏡)
写真である。
5型ゼオライト膜の透過性能を測定した性能評価装置の
概略構成図である。
オライト膜を有する混合物分離膜装置について行ったパ
ーベーパレーションの結果を示すグラフである。
置 2 分離セル有意さ
Claims (4)
- 【請求項1】 多孔質支持基体の表面にZSM−5型ゼ
オライトの結晶を成長させ得る粉末状の種結晶を存在さ
せる工程と、 成分中にナトリウムを含まないZSM−5型ゼオライト
膜形成用の母液中に前記多孔質支持基体を浸漬し、所定
時間加熱して前記多孔質支持基体の表面に前記種結晶を
核にしてZSM−5型ゼオライトの結晶を成長させてZ
SM−5型ゼオライトの膜を形成する工程と、を含むこ
とを特徴とする混合物分離膜装置の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記母液は、TEO
S(テトラエトキシシラン)、テンプレート剤としての
TPAOH(水酸化テトラプロピルアンモニウム溶液)
及びH2Oを、モル組成比で、 SiO2:TPAOH:H2O=1:0.1〜1:80
〜500 となるように調整したゲルから成り、 前記加熱は、加熱手段によって前記母液の温度が前記テ
ンプレート剤の酸化分解に対する耐熱温度を越えず、且
つ100℃以上となるように行われることを特徴とする
混合物分離膜装置の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2において、前記加熱手段として
マイクロ波を用いることを特徴とする混合物分離膜装置
の製造方法。 - 【請求項4】 多孔質支持基体と、該多孔質支持基体の
表面に結晶成長して形成されたZSM−5型ゼオライト
膜とを備えて成る混合物分離膜装置であって、 前記ZSM−5型ゼオライト膜は、ナトリウムイオンを
含まない膜から成ることを特徴とする混合物分離膜装
置。
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