JP2011115691A - ゼオライト分離膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エタノール等の有機化合物と水との混合物よりなる被処理流体から水を分離する際などに用いられるゼオライト分離膜、特に、MFI型またはMOR型のゼオライト膜について、これらのゼオライト膜分離に適した状態である、欠陥が少なく、緻密に成長できるとともに、分離対象である水分子を効率的に取り除くことができる、ゼオライト分離膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 ゼオライト分離膜の製造方法は、シリカ原料、アルミナ原料、ナトリウム原料を、SiO2/Al2O3=120〜400、およびH2O/SiO2=12〜50で配合した混合反応溶液を、温度30〜100℃に加熱保持して、予備反応を行わせる。ついで、予備反応後の反応溶液に、予めゼオライト結晶粒子(種結晶)を担持させた支持体を浸漬して、さらに水熱合成反応させることにより、支持体の表面に、MFI型またはMOR型のゼオライト膜を形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】 ゼオライト分離膜の製造方法は、シリカ原料、アルミナ原料、ナトリウム原料を、SiO2/Al2O3=120〜400、およびH2O/SiO2=12〜50で配合した混合反応溶液を、温度30〜100℃に加熱保持して、予備反応を行わせる。ついで、予備反応後の反応溶液に、予めゼオライト結晶粒子(種結晶)を担持させた支持体を浸漬して、さらに水熱合成反応させることにより、支持体の表面に、MFI型またはMOR型のゼオライト膜を形成する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えばエタノール等の有機化合物と水との混合物よりなる被処理流体から水を分離する際に用いられるゼオライト分離膜の製造方法に関するものである。
近年、例えば、トウモロコシ、サトウキビ等のバイオマス原料を利用して発酵生成させるエタノール製造プラントにおいて、エタノール精製工程で使用されるエタノール/水の膜分離装置、および含水有機溶液から水を除去して、組成濃度の高い有機溶液を回収する膜分離装置が開発されている。
従来のゼオライト分離膜の合成方法において、下記の特許文献1には、ゼオライト生成の出発物質としてゼオライト結晶粒子(種結晶)を多孔質セラミック管などの支持体表面に担持させた後、水熱合成によって生成するゼオライト成膜を制御する試みとして、種結晶を支持体に対して流動させることによって、支持体表面の限られた領域に付着させる方法が記載されている。
また、特許文献2には、支持体に担持する種結晶粒子径の違いによって、支持体の細孔内に形成されるゼオライト層の結晶総量を規定する方法が記載されている。
特許文献3には、反応溶液にゼオライト原料以外のフッ素化合物等の鉱化剤を添加して成膜を行う方法が記載されている。
従来の技術においては、多孔質管の表面に生成させるゼオライト成膜を制御する方法としては、ゼオライト結晶を水熱反応によって成長させる反応要因(ゲル液組成、合成時間等)に着目して行われてきた。
しかしながら、これらの反応要因の制御は、反応進行過程で膜厚みを優先することによって、ゼオライト結晶自体の変化を招くことにもなり、容易ではない。例として、ゼオライト膜の緻密性を制御するために、ゼオライト結晶成長の反応時間を長くさせた場合では、ゼオライト膜を緻密化することはできるが、ゼオライト結晶が長時間によって変質して、分離に要する結晶構造から変化してしまうことになる。この結晶構造の変化は、ゼオライトの細孔径を変化させてしまうことになるために、被分離対象である分子径に対して最適なものではなくなり、分離効率が低下する。
さらに、従来の方法では、出発物質であるゼオライト結晶(種結晶)の懸濁液に支持体を浸漬させる方法として、種結晶を含んだスラリーを支持体に対して流動させているが、この方法では流体の流動条件を精密に制御する必要があり、支持体に対する種結晶の付着状態を詳細に規定することが難しい。また、種結晶を含むスラリーを流動させる装置が大がかりとなるために、分離膜の製造量を増すためには適していない。
また、支持体に担持する種結晶粒子径の違いによって、支持体の細孔内に形成されるゼオライト層の結晶総量を規定する方法では、種結晶の粒子径を厳密に整えることが求められるが、工業的な原料は通常、平均粒子径を中心として大および小の方向に粒度分布を持っており、単一な粒子径にすることは技術的な困難を伴って実施することは難しい。
さらに、反応溶液に添加物としてフッ素酸化物を鉱化剤として添加する方法では、ゼオライト層を形成した後処理としてフッ素化合物を洗浄して充分に取り除くことが求められるために、後処理工程の温度が煩雑となるという問題があった。
ところで、ゼオライト種としては、具体的には、A型、FAU型、Y型、MFI型、およびMOR型などが挙げられる。
これらのゼオライト種のうち、A型、FAU型、およびY型のゼオライト種には、シリカ/アルミナ・モル比が小さいために親水性が高いという利点があり、なおかつこれらのA型、FAU型、およびY型のゼオライト種については、種々の製造方法が確立されている。
一方、MFI型、およびMOR型のゼオライト種には、シリカ/アルミナ・モル比が大きいために親水性が低く、耐水性・耐酸性が高いという利点がある。これらのMFI型、およびMOR型のゼオライト種については、これらの結晶骨格を保持する範囲内でのシリカ/アルミナ・モル比の低下が試みられたが、抜本的な親水性の向上は困難との理由により、充分な製造方法が確立されていないという問題があった。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、MFI型またはMOR型のゼオライト膜について、これらのゼオライト膜分離に適した状態である、欠陥が少なく、緻密に成長できるとともに、分離対象である水分子を効率的に取り除くことができる、ゼオライト分離膜の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、セラミック製等の多孔質管(支持体)にゼオライト分離膜を製造する方法において、ゼオライト生成の出発物質であるゼオライト結晶(粒子状種結晶)を支持体に担持させた後、シリカ原料、アルミナ原料およびナトリウム原料を混合した反応溶液SiO2/Al2O3=120〜400、H2O/SiO2=12〜50を、加熱状態に維持し、この加熱維持した後の混合反応溶液を、ゼオライト結晶を担持させた支持体と水熱合成させることによってゼオライト膜を多孔質管の表面に形成させることにより、特に、MFI型またはMOR型のゼオライト膜を膜分離に適した状態である欠陥が少なく緻密に成長できるとともに、分離対象である水分子を効率的に取り除くことができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、多孔質管(支持体)の表面にゼオライト層を形成するゼオライト分離膜の製造する方法であって、
ゼオライト層を形成するためのシリカ原料、アルミナ原料、およびナトリウム原料を、SiO2/Al2O3=120〜400、およびH2O/SiO2=12〜50で配合した混合反応溶液を、温度30〜100℃に加熱保持して、予備反応を行わせ、ついで、予備反応後の反応溶液に、予めゼオライト結晶粒子(種結晶)を担持させた支持体を浸漬して、さらに水熱合成反応させることにより、多孔質管(支持体)の表面に、MFI型またはMOR型のゼオライト膜を形成することを特徴としている。
ゼオライト層を形成するためのシリカ原料、アルミナ原料、およびナトリウム原料を、SiO2/Al2O3=120〜400、およびH2O/SiO2=12〜50で配合した混合反応溶液を、温度30〜100℃に加熱保持して、予備反応を行わせ、ついで、予備反応後の反応溶液に、予めゼオライト結晶粒子(種結晶)を担持させた支持体を浸漬して、さらに水熱合成反応させることにより、多孔質管(支持体)の表面に、MFI型またはMOR型のゼオライト膜を形成することを特徴としている。
上記ゼオライト分離膜の製造方法において、混合反応溶液の予備反応における加熱温度は、35〜75℃であることが好ましい。
また、上記ゼオライト分離膜の製造方法において、多孔質管は、高純度アルミナ製であることが好ましい。
本発明の上記の方法により製造されたゼオライト分離膜は、有機化合物と水との混合物よりなる被処理流体を供給して、水を分離する際に用いられる。
ここで、被処理流体としては、エタノールと水との混合物、またはイソプロパノールと水との混合物よりなるものであることが好ましい。
本発明によるゼオライト分離膜の製造方法は、ゼオライト層を形成するためのシリカ原料、アルミナ原料、およびナトリウム原料を、SiO2/Al2O3=120〜400、およびH2O/SiO2=12〜50で配合した混合反応溶液を、温度30〜100℃に加熱保持して、予備反応を行わせ、ついで、予備反応後の反応溶液に、予めゼオライト結晶粒子(種結晶)を担持させた支持体を浸漬して、さらに水熱合成反応させることにより、多孔質管(支持体)の表面に、MFI型またはMOR型のゼオライト膜を形成するもので、本発明のゼオライト分離膜の製造方法によれば、MFI型またはMOR型のゼオライト膜を膜分離に適した状態である欠陥が少なく緻密に成長できるとともに、分離対象である水分子を効率的に取り除くことができるという効果を奏する。
本発明による水の分離方法は、上記の方法により製造されたゼオライト分離膜に、有機化合物と水との混合物よりなる被処理流体を供給して、水を分離するもので、本発明の水の分離方法によれば、ゼオライト分離膜により、水分子を効率的に取り除くことができるという効果を奏する。
つぎに、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明によるゼオライト分離膜の製造方法は、ゼオライト層を形成するためのシリカ原料、アルミナ原料、およびナトリウム原料を、シリカ/アルミナ・モル比(SiO2/Al2O3)=120〜400、および水/シリカ・モル比(H2O/SiO2)=12〜50で配合した混合反応溶液を、温度30〜100℃に加熱保持して、予備反応を行わせる。
ついで、予備反応後の反応溶液に、予めゼオライト結晶粒子(種結晶)を担持させた支持体を浸漬して、さらに水熱合成反応させることにより、多孔質管(支持体)の表面に、MFI型またはMOR型のゼオライト膜を形成するものである。
ここで、本発明では、合成過程の反応要因(反応溶液組成、合成時間)や種結晶及び洗浄工程に複雑な操作を行うことなく、ゼオライト生成の出発物質であるゼオライト結晶(粒子状)を支持体に担持させた後、合成を行う前段階においてシリカ原料、アルミナ原料およびナトリウム原料を混合した反応溶液のSiO2/Al2O3比=120〜400、H2O/SiO2比=12〜50を加熱状態で維持し、この加熱維持した後の混合反応溶液をゼオライト結晶を担持させた支持体と水熱合成させることによって、ゼオライト膜を多孔質管の表面に形成させる。
このとき、SiO2/Al2O3比が120に満たないと、Si源が不足となるために、支持体表面に形成されるゼオライト層が緻密化しないという問題があり、400を超えると、成膜されるゼオライト種そのもののSi/Al比が高くなって疎水性が増すために、水分子を透過させる効率が低下する問題があるので、120〜400の範囲が好ましい。
また、H2O/SiO2比が12に満たないと、原料であるSiO2の溶解度が不足となるために、膜形成が充分に行えないという問題があり、50を超えると膜形成の進行が遅くなるために、反応時間を長く要することとなり、膜均一性を得られなくなるという問題があるので、12〜50の範囲が好ましい。
本発明の方法によって、ゼオライト膜を膜分離に適した状態である欠陥が少なく緻密に成長できるとともに、分離対象である水分子を効率的に取り除くことができる。
本発明におけるゼオライト分離膜のゼオライト層は、その骨格を構成するSi02/Al2O3モル比が大きなゼオライト種が好ましい。具体的には、ゼオライト種としては、MFI型およびMOR型が挙げられる。
ここで、ゼオライト種としてのMFI型は、構造として10員環を持ったゼオライト種であり、例えばZSM−5(商品名ゼオラム、東ソー株式会社製)や、Silicate−1に代表される。そのシリカ/アルミナ・モル比は、概ね10〜750である。
一方、ゼオライト種としてのMOR型は、12員環の構造を持ったゼオライト種であり、そのシリカ/アルミナ・モル比は、概ね3〜120である。
これらのMFI型、およびMOR型のゼオライト種には、耐水性及び耐酸性が高いという利点がある。
本発明のゼオライト分離膜の製造方法において、多孔質管(支持体)としては、シリカ(SiO2 )/アルミナ(Al2O3)・モル比2〜750を有するセラミック種の微粒子を、混合・焼成して成型したセラミック製多孔質管や、ステンレス鋼(Fe)に代表される金属を成型してなる金属製多孔質管を用いる。特に、多孔質管としては、セラミック製であることが好ましく、さらに多孔質管は、高純度アルミナ製であることが好ましい。
本発明のゼオライト分離膜の製造方法において、混合反応溶液の予備反応における加熱温度は、30〜100℃が適用可能であるが、好ましくは35〜75℃、望ましくは40〜60℃である。
ここで、混合反応溶液の予備反応における加熱温度が、30℃未満であれば、予備反応の進行を遅くなって反応時間が長大となるので、好ましくない。また、混合反応溶液の予備反応における加熱温度が、100℃を超えると、溶媒として使用する水溶液の沸騰・蒸発が起こり、予備反応中の水分量が著しく変化することになるので、好ましくない。
本発明は、MFI型、およびMOR型のゼオライト種について、これらのゼオライト膜分離に適した状態である、欠陥が少なく、緻密に成長できるとともに、分離対象である水分子を効率的に取り除くことができる、ゼオライト分離膜の製造方法を提供するものである。
なお、本発明の方法により製造されたゼオライト分離膜に、有機化合物と水との混合物よりなる被処理流体を供給して、水を分離することにより、水分子を効率的に取り除くことができる。
ここで、被処理流体の処理温度は、特に規定はなく、被処理流体が液体または気体の状態を保持する温度であればよく、通常、10〜160℃である。
例えばエタノール製造プラントにおいて、エタノール精製工程で使用されるエタノール/水の膜分離装置での処理温度は、60〜140℃であり、また例えば含水有機溶液から水を除去して、組成濃度の高い有機溶液を回収する膜分離装置での処理温度は、40〜160℃である。
本発明の方法により製造されたゼオライト分離膜による水の分離方法において、被処理流体は、例えばエタノールと水との混合物、またはイソプロパノールと水との混合物よりなるものである。
つぎに、図面を参照して、本発明の実施例を比較例と共に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3
ゼオライト分離膜の製造
まず、外径16mm、内径12mm、および長さ60mmの高純度アルミナ製多孔質管(日立造船株式会社製)を、出発物質であるMFI型ゼオライト結晶粒子(種結晶)(東ソー株式会社製、商品名 HSZ−840HOA)の懸濁液(1.0g/L)に浸漬した。ゼオライト結晶粒子(種結晶)を担持した多孔質管は、2時間、室温中で放置した後、37℃で1晩乾燥させた。
ゼオライト分離膜の製造
まず、外径16mm、内径12mm、および長さ60mmの高純度アルミナ製多孔質管(日立造船株式会社製)を、出発物質であるMFI型ゼオライト結晶粒子(種結晶)(東ソー株式会社製、商品名 HSZ−840HOA)の懸濁液(1.0g/L)に浸漬した。ゼオライト結晶粒子(種結晶)を担持した多孔質管は、2時間、室温中で放置した後、37℃で1晩乾燥させた。
つぎに、Si源としてシリカ(商品名、スノーテックスS、日産化学株式会社製)、Al源としてアルミン酸ナトリウム(関東化学株式会社製)、およびNa源として水酸化ナトリウム(関東化学株式会社製)を、モル組成比がNa2O:SiO2:Al2O3:H2O=10:36:0.15:960となるように混合して混合反応溶液を得た。
ここで、SiO2/Al2O3モル比=240、H2O/SiO2=26.7であった。
この混合反応溶液を、予備反応温度が、35℃(実施例1)、50℃(実施例2)、および75℃(実施例3)として、それぞれ予備反応時間を4時間で予備反応させた。
その後、予備反応させた各実施例の混合反応溶液と、予めゼオライト結晶粒子(種結晶)を担持させた多孔質管(支持体)を、密閉式の合成容器に入れて、各実施例の混合反応溶液に多孔質管(支持体)を浸漬させ、それぞれ温度180℃で、18時間、水熱合成反応を行った。水熱合成後のゼオライト成膜を有する多孔質管(ゼオライト分離膜)は、純水で洗浄した後、室温で1昼夜乾燥させた。
比較例1
つぎに、比較のために、上記実施例1の場合と同様にゼオライト分離膜を製造するが、実施例1と異なる点は、混合反応溶液を予備加熱することなく、室温(20℃)で、4時間で放置した。
つぎに、比較のために、上記実施例1の場合と同様にゼオライト分離膜を製造するが、実施例1と異なる点は、混合反応溶液を予備加熱することなく、室温(20℃)で、4時間で放置した。
その後、この混合反応溶液を用いて、上記実施例1の場合と同様にゼオライト分離膜を製造した。
つぎに、上記したようにして製造した実施例1〜3および比較例1のゼオライト分離膜を用いて、イソプロパノールと水との混合物よりなる被処理溶液から、水を分離した。
図1に、イソプロパノール/水の浸透気化試験(PV試験)装置を示す。
同図において、(1)は膜分離装置で、イソプロパノールと水との混合物よりなる被処理溶液(4)を収容した溶液槽(2)内に、ゼオライト層を有する分離膜(3)が配置されている。
ここで、上記のようにして製造したゼオライト分離膜(3)は、長さ60mm、膜有効面積10.1cm2を有するものであった。
また、イソプロパノールと水との混合比は、イソプロパノール/水=90重量%/10重量%であり、溶液槽(2)は恒温槽(5)内にあって、イソプロパノールと水との混合溶液は75℃の温度に保持されている。
ゼオライト分離膜(3)は、吸引管(6)を通じて真空ポンプ(7)によって真空吸引されている。吸引管(6)と真空ポンプ(7)との間には、液体窒素(L−N2)トラップ(8)と、真空トラップ(9)とが介在させられている。また、イソプロパノールと水との混合物よりなる被処理溶液(4)を収容した溶液槽(2)内は、マグネティック・スターラー(10)によって均一に攪拌されている。ゼオライト分離膜(3)内に通じる吸引管(6)の途上には、真空計(11)が具備されていて、分離膜(3)内の透過側圧力(真空度)が常時、計測されるようになされている。
こうして、ゼオライト分離膜(3)の膜性能の評価を、液体窒素(L−N2)トラップ(8)において捕集した透過液について、この透過液の重量と、ガスクロマトグラフによる水およびイソプロパノールの濃度より、透過速度、および分離係数を求めた。
そして、図2に、ゼオライト膜性能に及ぼす混合反応溶液予備反応温度の影響の実験結果を、まとめて示した。
この図2の結果より、明らかなように、本発明の実施例1〜3において製造した本発明によるゼオライト分離膜の膜性能のうち透過速度は、比較例1の混合反応溶液を加熱しない20℃に比べて、混合反応溶液を加熱して、予備反応を行った35℃(実施例1)、50℃(実施例2)、75℃(実施例3)の全てにおいて向上していることがわかる。
これは、水熱合成を行う前に、混合反応溶液を予め加熱処理を行うことによって、混合反応溶液中のSi成分、Al成分、および/またはNa成分が、互いにゆるやかに結合した反応中間体を形成するためと推測される。この反応中間体は、支持体表面に担持された種結晶を核とした結晶成長を速やかに進行させることに寄与していると考えられる。
しかしながら、図2の結果から分かるように、混合反応溶液の予備反応温度が高くなりすぎた場合は、この反応中間体の結合状態がゆるやかなものから、しっかりとしたものへと転じるため、ゼオライト結晶の成長に対して好ましくなくなるものと推測される。
1:膜分離装置
2:溶液槽
3:ゼオライト分離膜
4:イソプロパノールと水との混合物よりなる被処理溶液(被処理流体)
5:恒温槽
6:吸引管
7:真空ポンプ
8:液体窒素(L−N2)トラップ
9:真空トラップ
10:マグネティック・スターラー
11:真空計
2:溶液槽
3:ゼオライト分離膜
4:イソプロパノールと水との混合物よりなる被処理溶液(被処理流体)
5:恒温槽
6:吸引管
7:真空ポンプ
8:液体窒素(L−N2)トラップ
9:真空トラップ
10:マグネティック・スターラー
11:真空計
Claims (3)
- 多孔質管(支持体)の表面にゼオライト層を形成するゼオライト分離膜の製造方法であって、
ゼオライト層を形成するためのシリカ原料、アルミナ原料、およびナトリウム原料を、SiO2/Al2O3=120〜400、およびH2O/SiO2=12〜50で配合した混合反応溶液を、温度30〜100℃に加熱保持して、予備反応を行わせ、ついで、予備反応後の反応溶液に、予めゼオライト結晶粒子(種結晶)を担持させた支持体を浸漬して、さらに水熱合成反応させることにより、多孔質管(支持体)の表面に、MFI型またはMOR型のゼオライト膜を形成することを特徴とする、ゼオライト分離膜の製造方法。 - 混合反応溶液の予備反応における加熱温度が、35〜75℃であることを特徴とする、請求項1に記載のゼオライト分離膜の製造方法。
- 多孔質管が、高純度アルミナ製であることを特徴とする、請求項1または2に記載のゼオライト分離膜の製造方法。
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