JP2006061104A - 搬送システム及び収穫装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 収穫した収穫物に関する情報と共に収穫物を収容した容器を特定する特定情報を搬送先へ送信することができる搬送システム及び収穫装置の提供。
【解決手段】 コンバインにて収穫作業を実行する際(S13)、穀粒の水分量及び穀物タンクの重量を計測し、計測された水分量及び穀物タンクの重量を取込む(S14)。そして、平均水分量を算出し(S16)、平均水分量及び穀物タンクの重量を記録する(S17)。一方、排出作業を開始する際(S18:YES)、コンテナ番号を設定したうえで(S20)、排出作業を実行する。そして、排出作業終了後、穀物タンク重量を記録する。そして、記録された情報に基づいて送信情報を生成し、その送信情報を含んだ電子メールを穀物の搬送先である収容施設内の情報処理装置へ送信する(S25)。また、コンテナ番号の情報を含んだバーコードを出力して(S27)搬送するコンテナに添付する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、収穫した収穫物に関する情報と共に収穫物を収容した容器を特定する特定情報を搬送先へ送信することができる搬送システム及び収穫装置に関する。
収穫装置にて収穫された収穫物は、トラックの荷台、コンテナ等に集積されて、所定の搬送先へ搬送される。例えば、収穫した収穫物が籾のような穀粒である場合、その搬送先の一つは乾燥処理施設であり、搬送されてきた穀粒を乾燥させて貯蔵する後処理をその乾燥処理施設にて行う。また、乾燥処理施設へ穀粒が搬送されてきた場合、その穀粒の重量及び水分量を計測することにより、穀物の状態に応じた適切な後処理が一般的に行われている。
しかしながら、前述したような搬送システムでは、乾燥処理施設へ穀粒が搬送された時点で穀粒の重量及び水分量を計測することとなるため、収穫物の状態を計測するために余計な処理時間が必要となり、処理効率が低下するという問題点を有していた。特に、複数の収穫装置からの収穫物が集中した場合には、前述した処理時間のために不要な待ち時間が多くなるという問題点を有していた。
そこで、従来では、収穫装置において重量、水分量等の収穫物の状態に関する情報を予め計測しておき、計測して得られた情報を処理施設へ事前に通知する収穫装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−313638号公報
前述した収穫装置では収穫物の状態に関する情報を事前に通知する構成であるため、処理施設において収穫物の状態を計測せずに済みので、処理効率の向上を図ることができるという利点を有する。しかしながら、現実には、1台のトラックに複数のコンテナを搭載して収穫物を搬送する場合、複数のトラックを用いて収穫物を搬送する場合、複数の圃場で収穫された収穫物が集中する場合等があり、このような場合には、処理施設にて複数の情報が通知されることになる。このため、収穫物が搬送されてきた場合に、その収穫物について事前に通知された情報が何れの情報であるのかを速やかに判別することができない虞があり、結果的に収穫物が集中した場合には処理効率が低下するという問題点を有していた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、収穫物を収容した容器が所定の搬送先へ複数搬送された場合であっても、それぞれの容器に収容されている収穫物に関する情報を速やかに判別することができる搬送システム及び収穫装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、収穫物を収容した容器を特定する特定情報を出力することができる搬送システムを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、収穫物を収容した容器自体にその特定情報を添付することができる搬送システムを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、収穫物情報として収穫物の重量に関する情報を事前に通知することができる搬送システムを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、収穫物情報として収穫物の水分量に関する情報を事前に通知することができる搬送システムを提供することにある。
第1発明に係る搬送システムは、収穫装置により収穫した収穫物を1又は複数の容器に収容して所定の搬送先へ搬送する搬送システムにおいて、前記収穫装置は、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、前記収穫物を収容した容器を特定する特定情報を生成する手段と、取得した収穫物情報及び生成した特定情報を前記搬送先へ送信する手段とを備え、前記搬送先は、前記収穫装置から送信された収穫物情報及び特定情報を受信する受信装置を備えることを特徴とする。
第1発明にあっては、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、収穫物を収容した容器を特定する特定情報を生成する手段とを備え、取得した収穫物情報及び生成した特定情報を搬送先へ送信するようにしているため、搬送先には搬送単位である容器の特定情報とその容器に収容されている収穫物の収穫物情報とが対応付けられた状態で搬送先に送信される。
第2発明に係る搬送システムは、収穫装置により収穫した収穫物を1又は複数の容器に収容して所定の搬送先へ搬送する搬送システムにおいて、前記収穫装置は、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、前記収穫物を収容した容器を特定する特定情報を受付ける手段と、取得した収穫物情報及び受付けた特定情報を前記搬送先へ送信する手段とを備え、前記搬送先は、前記収穫装置から送信された収穫物情報及び特定情報を受信する受信装置を備えることを特徴とする。
第2発明にあっては、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、収穫物を収容した容器を特定する特定情報を受付ける手段とを備え、取得した収穫物情報及び受付けた特定情報を搬送先へ送信するようにしているため、搬送先には搬送単位である容器の特定情報とその容器に収容されている収穫物の収穫物情報とが対応付けられた状態で搬送先に送信される。
第3発明に係る搬送システムは、第1発明及び第2発明に係る搬送システムにおいて、前記収穫装置は、前記特定情報を印刷する手段を更に備えることを特徴とする。
第3発明にあっては、収穫物を収容した容器を特定する特定情報を印刷するようにしているため、特定情報を印刷した記録物を参照することにより、事前に送信した収穫物情報とその収穫物を収容した容器との対応付けが可能となる。
第4発明に係る搬送システムは、第1発明又は第2発明に係る搬送システムにおいて、前記容器は、外部から送信された情報を受信する手段と、該手段にて受信した情報を記憶する記憶手段とを備え、前記収穫装置は、前記記憶手段に記憶させるべき情報として前記特定情報を送信する手段を更に備えることを特徴とする。
第4発明にあっては、収穫物を収容する容器は、収穫装置から送信された特定情報を受信し、受信した特定情報を記憶するようにしているため、収穫物情報に対応させるべき特定情報が容器に添付された状態となる。
第5発明に係る搬送システムは、第1発明乃至第4発明の何れかに記載の搬送システムにおいて、前記収穫装置は、収穫した収穫物の重量を計測する手段を備え、計測した重量を収穫物情報として送信するようにしてあることを特徴とする。
第5発明にあっては、収穫した収穫物の重量を計測して収穫物情報として送信するようにしているため、搬送先には収穫物の重量に関する情報が容器の特定情報と共に事前に通知される。
第6発明に係る搬送システムは、第1発明乃至第4発明の何れかに記載の搬送システムにおいて、前記収穫装置は、収穫した収穫物の水分量を計測する手段を備え、計測した水分量を収穫物情報として送信するようにしてあることを特徴とする。
第6発明にあっては、収穫した収穫物の水分量を計測して収穫物情報として送信するようにしているため、搬送先には収穫物の水分量に関する情報が容器の特定情報と共に事前に通知される。
第7発明に係る収穫システムは、第1発明乃至第6発明の何れかに記載の搬送システムにおいて、前記収穫装置は穀物を収穫するコンバインであることを特徴とする。
第7発明にあっては、収穫装置が穀物を収穫するコンバインであるため、搬送先にはコンバインにて収穫された穀物の情報が送信される。
第8発明に係る収穫装置は、収穫した収穫物を1又は容器へ排出する収穫装置において、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、前記収穫物を収容した容器を特定する特定情報を生成する手段と、取得した収穫物情報及び生成した特定情報を前記搬送先へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
第8発明にあっては、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、収穫物を収容した容器を特定する特定情報を生成する手段とを備え、取得した収穫物情報及び生成した特定情報を搬送先へ送信するようにしているため、搬送先には搬送単位である容器の特定情報とその容器に収容されている収穫物の収穫物情報とが対応付けられた状態で搬送先に送信される。
第9発明に係る収穫装置は、収穫した収穫物を1又は容器へ排出する収穫装置において、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、前記収穫物を収容した容器を特定する特定情報を受付ける手段と、取得した収穫物情報及び受付けた特定情報を前記搬送先へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
第9発明にあっては、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、収穫物を収容した容器を特定する特定情報を受付ける手段とを備え、取得した収穫物情報及び受付けた特定情報を搬送先へ送信するようにしているため、搬送先には搬送単位である容器の特定情報とその容器に収容されている収穫物の収穫物情報とが対応付けられた状態で搬送先に送信される。
第1発明による場合は、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、収穫物を収容した容器を特定する特定情報を生成する手段とを備え、取得した収穫物情報及び生成した特定情報を搬送先へ送信するようにしている。したがって、搬送先には搬送単位である容器の特定情報とその容器に収容されている収穫物の収穫物情報とが対応付けられた状態で搬送先に送信されることとなり、容器が搬送先に搬送された時点で収穫物情報を速やかに取得することができる。その結果、収穫物情報を後処理の際に必要となる情報として利用することができ、後処理の処理効率を向上させることができる。
第2発明による場合は、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、収穫物を収容した容器を特定する特定情報を受付ける手段とを備え、取得した収穫物情報及び受付けた特定情報を搬送先へ送信するようにしている。したがって、搬送先には搬送単位である容器の特定情報とその容器に収容されている収穫物の収穫物情報とが対応付けられた状態で搬送先に送信されることとなり、容器が搬送先に搬送された時点で収穫物情報を速やかに取得することができる。その結果、収穫物情報を後処理の際に必要となる情報として利用することができ、後処理の処理効率を向上させることができる。
第3発明による場合は、収穫物を収容した容器を特定する特定情報を印刷するようにしている。したがって、特定情報を印刷した記録物、ラベル等を作成することができ、これらの記録物、ラベル等を用いることにより、収穫物を収容した容器と事前に送信した収穫物情報との対応付けが可能となり、容器が搬送先に搬送された時点で収穫物情報を速やかに取得することができる。
第4発明による場合は、収穫物を収容する容器は、収穫装置から送信された特定情報を受信し、受信した特定情報を記憶するようにしている。したがって、収穫物情報と対応させるべき特定情報が容器に添付されることとなり、容器が搬送先に搬送された時点で収穫物情報を速やかに取得することができる。
第5発明による場合は、収穫物の重量を計測して収穫物情報として送信するようにしている。したがって、収穫物の重量に関する情報が容器の特定情報と共に事前に通知されることとなり、搬送先では事前に通知された重量の情報に応じた後処理を速やかに実行することができる。
第6発明による場合は、収穫物の水分量を計測して収穫物情報として送信するようにしている。したがって、収穫物の水分量に関する情報が容器の特定情報と共に事前に通知されることとなり、搬送先では事前に通知された水分量の情報に応じた後処理を速やかに実行することができる。
第7発明による場合は、収穫装置が穀物を収穫するコンバインである。したがって、搬送先にはコンバインにて収穫した穀物の情報を送信することができ、搬送先にてその穀物の状態に応じた後処理を速やかに実行することができる。
第8発明による場合は、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、収穫物を収容した容器を特定する特定情報を生成する手段とを備え、取得した収穫物情報及び生成した特定情報を搬送先へ送信するようにしている。したがって、搬送先には搬送単位である容器の特定情報とその容器に収容されている収穫物の収穫物情報とが対応付けられた状態で搬送先に送信されることとなり、容器が搬送先に搬送された時点で収穫物情報を速やかに取得することができる。その結果、収穫物情報を後処理の際に必要となる情報として利用することができ、後処理の処理効率を向上させることができる。
第9発明による場合は、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、収穫物を収容した容器を特定する特定情報を受付ける手段とを備え、取得した収穫物情報及び受付けた特定情報を搬送先へ送信するようにしている。したがって、搬送先には搬送単位である容器の特定情報とその容器に収容されている収穫物の収穫物情報とが対応付けられた状態で搬送先に送信されることとなり、容器が搬送先に搬送された時点で収穫物情報を速やかに取得することができる。その結果、収穫物情報を後処理の際に必要となる情報として利用することができ、後処理の処理効率を向上させることができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る搬送システムの全体構成例を説明する模式図である。図中100は本実施の形態に係る収穫装置としてのコンバインである。コンバイン100は、後述するように穀物を収穫する手段、収穫した穀物の重量及び水分量を計測する手段、収穫した穀物に関する情報を外部へ送信する手段等を備えている。コンバイン100によって収穫された穀物は、トラックのような搬送車両200の荷台に設置したコンテナ210に積載されて、所定の収容施設300へ搬送される。
収容施設300は、例えば、乾燥条件が異なる複数の乾燥室300A,300B,300C,300Dを備えている。穀物を積載したコンテナ210が搬送されてきた場合、そのコンテナ210に積載されている穀物の状態に応じて収容先の乾燥室300A(又は300B,300C,300D)を決定し、決定した乾燥室300A(又は300B,300C,300D)にコンテナ210ごと収容して穀物を保管するようにしている。
本実施の形態では、コンテナ210の収容先を決定する際の判断材料となる情報を含んだ電子メールをコンバイン100にて作成して収容施設300内の情報処理装置400へ送信するようにしている。そのため、コンバイン100は電子メールを外部へ送信する無線通信方式の通信装置110(図6参照)を備えている。コンバイン100から送信された電子メールは、まず、最寄りの基地局BS1に受信される。基地局BS1は、受信した電子メールをゲートウェイ装置GS1及びインターネット網INを介して電子メールサーバMSへ送信する。そして、電子メールサーバMSは、受信した電子メールをインターネット網IN、ゲートウェイ装置GS2、及び基地局BS2を経由させて、収容施設300内の情報処理装置400へ強制配信する。
コンバイン100が作成する電子メールには、コンテナ210の収容先を決定する際の判断材料となる情報としてコンテナ210に積載されている穀物の重量及び水分量に関する情報と、コンテナ210を特定するための情報としてコンテナ番号とを含めるようにしている。ここで、コンテナ番号は英数字からなる任意のコードである。本実施の形態ではコンバイン100がコンテナ番号として用いる複数のコードを予め記憶しており、コンテナ210への穀物の積載が完了した時点でコンバイン100が一のコードを選択することにより、電子メールに含めるコンテナ番号を設定するようにしている。また、本実施の形態では、コンテナ番号の情報を含んだバーコードを生成し、そのバーコードを印刷したラベル211をコンテナ210に添付するようにしている。すなわち、コンバイン100が作成した電子メールに含まれるコンテナ番号と、コンテナ210に添付したラベル211上のバーコードとの間には対応関係が存在する。したがって、収容施設300では、ラベル211が添付されたコンテナ210が搬送されてきた場合、そのラベル211からコンテナ番号を取得すると共に、そのコンテナ番号の情報を含んだ電子メールの内容を参照することによって、コンテナ210に積載されている穀物の情報を容易に取得することができる。また、収容施設300は、取得した情報に基づいて収容先の乾燥室300A(又は300B,300C,300D)を速やかに決定することが可能となる。
図2はコンバイン100の全体構成を示す平面図であり、図3は同じく左側面図である。コンバイン100は、左右一対の走行クローラ2,2にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の進行方向右側には、操縦座席31、走行機体1を操向操作するための操向ハンドル32、走行速度を変更するレバー、刈取作業、脱穀作業、排出作業等の操作を行うためのレバー及びコントローラを備える操縦室3が設けられている。更に、操縦室3の下部にはエンジン6が設けられており、このエンジン6の動力を走行クローラ2,2に伝達させることにより、走行機体1を走行させるように構成されている。
走行機体1の前部には、分草体41、穀稈引起装置42、刈刃43、及び穀稈搬送装置44を備えた刈取前処理装置4が図示しない油圧シリンダを介して昇降可能に装着されている。また、走行機体1の左側にはフィードチェーン51が装備された脱穀装置5が配置されており、刈取前処理装置4から搬送された穀稈の根元部をフィードチェーン51にて受け継いで挟持搬送すると共に、その穀稈の穂先部を脱穀装置5内の扱胴52及び処理胴53にて脱穀するようにしている。なお、排藁は、フィードチェーン51の後端で排藁チェーン55に受け継がれ、走行機体1の後端から圃場へ排出される。
扱胴52の下方には、チャフシーブ等による搖動選別と唐箕ファンの風による風選別とを行うための選別装置が設けられている。選別装置にて選別されて集積された穀粒は、揚穀コンベア72によって穀物タンク7内に集められる。揚穀コンベア72の排出口近傍には、穀物の水分量を計測するための水分センサ74が設置されており、この水分センサ74により穀物タンク7内に貯留される穀物の水分量を計測するようにしている。水分センサ74としては、例えば、直流抵抗式、高周波容量式、赤外線式等のセンサを用いることができる。水分センサ74が計測した計測値は後述する中央処理装置101(図6参照、以下、CPU101と称する)に出力される。
また、穀物タンク7の下側には重量センサ73が設置されており、穀物タンク7の重量を適宜の時間間隔にて計測するようにしている。重量センサ73としては、ロードセル型のセンサを用いることができる。重量センサ73が計測した計測値はCPU101に出力される。
穀物タンク7内の穀物は、エンジン6の動力にて回転するスクリューコンベアを装備した底コンベア71から、排出オーガ8を介して搬送車両200上のコンテナ210に排出される。排出オーガ8は、縦スクリューコンベア81aを内蔵しており、上下長手で縦軸線回りに旋回可能に立設された縦オーガ筒81と、その上端に連接されていて、横スクリューコンベア82aを内蔵する横オーガ筒82とからなる。底コンベア71によって搬送されてきた穀粒は、縦スクリューコンベア81aにより下方から上方へ向けて搬送され、次いで横スクリューコンベア82aにより横オーガ筒82の先端部へ向けて搬送される。横スクリューコンベア82aの先端部へ搬送された穀粒は、横スクリューコンベア82aの先端部に設けられた排出口83を通じて排出される。
なお、穀粒の排出作業を行わない場合、すなわち、排出オーガ8が使用されていない場合には、排出オーガ8の横オーガ筒82が走行機体1の上面に設けた上向き開放状のオーガレスト85に載置される。また、穀粒の排出作業を行う場合、横オーガ筒82を所定位置まで上昇移動させた後、走行機体1の進行方向に対して右側略90度の位置、略真後ろの位置、又は左側略90度の位置まで旋回移動させ、その位置において排出作業を行う。以下では、オーガレスト85に載置されたときの横オーガ筒82の位置を収納位置と呼び、排出作業を行う際に旋回移動させたときの横オーガ筒82の位置を作業位置と呼ぶ。
図4は操縦室3の概略構成を示す平面図である。操縦室3には操縦座席31が設けられている。操縦座席31の前方に位置するフロントコラム30aから上向きに突出するハンドル軸(不図示)には走行機体1を操向操作するための操向ハンドル32が取付けられている。また、操縦座席31から見て左側にあるサイドコラム30b上には、走行機体1の速度を変更する変速レバー33,34、刈取作業及び脱穀作業の開始を指示する作業クラッチレバー35、及び作業者に対して各種情報を表示すると共に、作業者による操作指示を受付ける操作パネル37等が設けられている。
また、操縦座席31の前方右側のフレーム30cには排出オーガ8の旋回移動及び穀粒の排出作業を指示するためのオーガコントローラ36が取り外し可能に装着されている。オーガコントローラ36には、収納位置に停止している排出オーガ8を前述した何れかの作業位置にセットするための自動旋回スイッチ361、作業位置に停止している排出オーガ8を収納位置へ戻すための復帰スイッチ362、排出オーガ8の旋回移動を手動により制御するための手動旋回制御スイッチ363、及び排出オーガ8に対する動力伝達を制御するオーガクラッチ63(図6参照)を接続又は遮断するためのオーガクラッチスイッチ364が配置されている。各スイッチ361〜364が押下操作されたときに出力される操作信号はCPU101(図6参照)へ入力される。
図5は作業クラッチレバー35の作動状態を説明する説明図である。作業クラッチレバー35は、サイドコラム30bに平面視で略L字状に穿設されたガイド溝350に沿って前後方向及び左右方向に摺動可能に設けられている。ガイド溝350の前後長手部350aには、作業クラッチレバー35の前後方向の操作位置に応じて脱穀クラッチ61(図6参照)を作動させるための脱穀クラッチスイッチ351が配設されている。また、ガイド溝350の左右長手部350bには、作業クラッチレバー35の左右方向の操作位置に応じて刈取クラッチ62(図6参照)を作動させるための刈取クラッチスイッチ352が配設されている。
作業クラッチレバー35が二点鎖線で示した位置、すなわち、前後長手部350aにおける後端位置にある場合には、両クラッチスイッチ351,352は後述するCPU101(図6参照)に対してオフ信号を出力する。このときCPU101は、両クラッチスイッチ351,352から入力されたオフ信号に基づいて脱穀クラッチ61及び刈取クラッチ62の作動状態を、脱穀装置5及び刈取前処理装置4への動力伝達が遮断される状態に制御する。
また、作業クラッチレバー35が破線で示した位置、すなわち、前後長手部350aと左右長手部350bとが交わる位置にある場合には、脱穀クラッチスイッチ351はCPU101に対してオン信号を出力し、刈取クラッチスイッチ352はCPU101に対してオフ信号を出力する。このときCPU101は、脱穀クラッチスイッチ351から入力されたオン信号に基づいて脱穀クラッチ61の作動状態を、エンジン6からの動力が脱穀装置5へ伝達される状態に制御する。また、CPU101は、刈取クラッチスイッチ352から入力されたオフ信号に基づいて刈取クラッチ62の作動状態を、刈取前処理装置4への動力伝達が遮断される状態に制御する。
また、作業クラッチレバー35が実線で示した位置、すなわち、左右長手部350bにおける左端位置にある場合には、両クラッチスイッチ351,352はCPU101に対してオン信号を出力する。このときCPU101は、両クラッチスイッチ351,352から入力されたオン信号に基づいて脱穀クラッチ61及び刈取クラッチ62の作動状態を、エンジン6からの動力が脱穀装置5及び刈取前処理装置4へ伝達された状態に制御する。
なお、本実施の形態では、2つのクラッチスイッチ351,352のオン・オフを1つの作業クラッチレバー35の操作により切替える構成としたが、脱穀クラッチスイッチ351をオン・オフする脱穀クラッチレバーと、刈取クラッチスイッチ352をオン・オフする刈取クラッチレバーとを個別に設置し、各レバーの操作により脱穀クラッチスイッチ351及び刈取クラッチスイッチ352のオン・オフを切替える構成であっても良い。
以下では、本実施の形態に係るコンバイン100の制御系の構成、及び情報処理装置40の内部構成について説明する。図6はコンバイン100の制御系の構成、及び情報処理装置400の内部構成を説明するブロック図である。コンバイン100は、脱穀クラッチ61、刈取クラッチ62、オーガクラッチ63、操作パネル37、通信装置110、印刷装置120等のハードウェアを制御する中央処理装置101(CPU101)を備えている。
CPU101には更に、各種の制御プログラムを格納したROM102、制御プログラムの実行中に生成されるデータを一時的に保持するRAM103が接続されている。CPU101は、ROM102に格納されている制御プログラムを必要に応じてRAM103にロードして実行し、各種スイッチ、センサから入力される信号に基づいて前述したハードウェアの動作を制御することにより、コンバイン100を全体として本発明に係る収穫装置として動作させるように構成されている。
CPU101に接続されているスイッチとしては前述した脱穀クラッチスイッチ351、刈取クラッチスイッチ352、オーガクラッチスイッチ364等が挙げられる。脱穀クラッチ61から出力された信号が入力された場合、CPU101は、その信号に基づいて脱穀クラッチ61の作動状態を制御することにより、脱穀装置5を作動又は停止するようにしている。また、刈取クラッチスイッチ352から出力された信号が入力された場合、CPU101は、その信号に基づいて刈取クラッチ62の作動状態を制御することにより、刈取前処理装置4を作動又は停止するようにしている。更に、オーガクラッチスイッチ364から出力された信号が入力された場合、CPU101は、その信号に基づいてオーガクラッチ63の作動状態を制御することにより、穀粒の排出作業を実行又は停止するようにしている。
また、CPU101に接続されているセンサとしては重量センサ73、水分センサ74等が挙げられる。重量センサ73及び水分センサ74は、それぞれ所定の時間間隔にて重量の計測及び水分量の計測を行っており、CPU101から要求を受けた時点で計測値の出力を開始するように構成されている。
通信装置110は、基地局BS1との無線通信を実現するために、例えばPHS(Personal Handyphone System)に準拠した通信インタフェースを有している。通信装置110は、装置内部で作成された電子メールをインターネット網IN、電子メールサーバMS等を介して情報処理装置400へ送信すると共に、情報処理装置400から送信される情報を受信する。通信装置110では、このような各種情報の送受信の制御を行う。
印刷装置120は、例えば、感熱紙にサーマルヘッドを接触させて印刷する感熱式の印刷手段を備えており、データ管理メモリ104に記憶されている情報、通信装置110を通じて受信した情報、CPU101が生成した情報等を感熱紙上に印刷できるようにしている。なお、印刷方式は、感熱式のものに限定する必要はなく、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式等を用いる構成であってもよい。
また、CPU101には、圃場に関する情報、及び作業履歴に関する情報を記憶するためのデータ管理メモリ104が接続されている。データ管理メモリ104は不揮発性の半導体メモリにより構成されており、その記憶領域の一部は、本コンバイン100の作業対象となる圃場についての情報を記憶した圃場情報管理テーブル104a、収穫作業及び排出作業を実施したときの作業履歴を記憶する収穫情報管理テーブル104bとして利用されている。
図7は圃場情報管理テーブル104a及び収穫情報管理テーブル104bの一例を示す概念図である。圃場情報管理テーブル104aは、図7(a)に示すように、圃場を特定するための圃場番号、生産者名、圃場の面積、及び収穫物の品種の情報を互いに関連付けて記憶している。これらの情報は、収穫作業を実施する前のある時点において作業者自身又はサービスマン等により操作パネル37を通じて予め入力される情報である。収穫情報管理テーブル104bは、図7(b)に示すように、作業内容、作業の開始日時、作業の終了時刻、圃場番号、コンテナ番号、穀物タンク7の重量、及び穀物の水分量をレコード番号を識別子として互いに関連付けて記憶する。これらの情報は、収穫作業又は排出作業が行われた場合にCPU101によって記録される情報である。
次いで、情報処理装置400の内部構成について説明する。情報処理装置400はCPU401を備えている。このCPU401には、バス402を介してROM403、RAM404、通信装置406、HDD407、表示装置408、読取装置409等のハードウェアが接続されている。ROM403には、これらのハードウェアを制御する各種制御プログラムが予め格納されている。CPU401は、ROM403に格納された制御プログラムをRAM404上にロードして実行することにより、情報処理装置400の全体を制御するように構成されている。
通信装置406は、基地局BS2との無線通信を実現するために、PHS方式に準拠した通信インタフェースを有している。HDD407は、ディスク状の磁気記録媒体を備えており、その記憶領域の一部は、通信装置406を通じて受信した電子メール、受信した電子メールを表示するためのアプリケーションプログラムを記憶する記憶領域として利用されている。表示装置408は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等で構成されており、通信装置406を通じて受信した電子メール等を表示できるようにしている。
読取装置409は、搬送されてきたコンテナ210に添付されているラベル211からバーコードを読取るための光学式の読取装置である。CPU401は、読取装置409によって読取ったバーコードからコンテナ番号の情報を取得し、取得したコンテナ番号を含んだ電子メールをHDD407から検索する。そして、CPU401は、検索した電子メールに含まれる各種の情報を表示装置408に表示させる。
なお、図6では、コンバイン100側の通信装置110と情報処理装置400側の通信装置406との間で直接的に通信を行っているように図示しているが、実際にはインターネット網IN、電子メールサーバMS等を介して通信を行うことは前述した通りである。また、情報処理装置400側の通信装置406は必ずしも無線通信方式を採用する必要はなく、BS2と有線で接続してもよいことは勿論のことである。
以下、コンバイン100が実行する処理の手順について説明する。図8及び図9はコンバイン100が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。なお、以下の処理は、ROM102に格納された制御プログラムに従ってCPU101が実行する。
CPU101は、まず、収穫作業を開始すべきか否かを判断する(ステップS11)。収穫作業を開始すべきか否かの判断は、作業クラッチレバー35が左右長手部350bの左端位置にある場合に脱穀クラッチスイッチ351及び刈取クラッチスイッチ352から出力されるオン信号が入力されたか否かを判断することによって行われる。すなわち、脱穀クラッチスイッチ351及び刈取クラッチスイッチ352から出力されるオン信号は、収穫作業の開始を指示する操作信号としてCPU101へ入力される。収穫作業を開始すべきでないと判断した場合(S11:NO)、CPU101は、収穫作業の開始を指示する操作信号が入力されるまで待機する。
収穫作業の開始を指示する制御信号が入力されて、収穫作業を開始すべきであると判断された場合(S11:YES)、CPU101は収穫作業の対象となる圃場を特定するための圃場番号を受付ける(ステップS12)。このとき、CPU101は操作パネル37に操作画面を表示し、作業者からの操作を受付けることによって圃場番号の受付けを行う。
図10は操作パネル37に表示される操作画面の一例を示す模式図である。図10(a)は圃場番号を受付ける際に表示される操作画面の一例を示している。図10(a)に示した操作画面には、圃場番号の選択を受付ける選択ボタン371a,371b,371cと、画面に表示されていない選択ボタンを表示するために画面を切替える画面切替ボタン372u,372dとが配置されている。選択ボタン371a,371b,371c及び画面切替ボタン372u,372dはタッチパネル方式のソフトウェアボタンにより構成されており、作業者による押下操作によって選択を受付けることができるようにしている。図10(a)に示した操作画面において選択ボタン371a(又は、371b,371c)が押下操作された場合、圃場番号として「F01」(又は「F02」,「F03」)が入力される。
そして、CPU101は、受付けた圃場番号、作業内容が収穫作業である旨の情報、及び収穫作業の開始日時を互いに関連付けて収穫情報管理テーブル104b内の1つのレコードとして記録する。
次いで、CPU101は脱穀クラッチ61及び刈取クラッチ62の作動状態をエンジン6の動力が脱穀装置5及び刈取前処理装置4に伝達されるように制御することにより、収穫作業を実行する(ステップS13)。次いで、CPU101は、水分センサ74による計測値である穀粒の水分量、及び重量センサ73による計測値である穀物タンク7の重量の取込みを開始する(ステップS14)。CPU101は穀物の水分量及び穀物タンク7の重量を所定の時間間隔にて取込み、取込んだ値をRAM103に一時的に記憶させる。
次いで、CPU101は、収穫作業が終了したか否かを判断する(ステップS15)。収穫作業が終了したか否かの判断は、作業クラッチレバー35が前後長手部350aの後端位置にある場合に脱穀クラッチスイッチ351及び刈取クラッチスイッチ352から出力されるオフ信号が入力されたか否かを判断することによって行われる。すなわち、脱穀クラッチスイッチ351及び刈取クラッチスイッチ352から出力されるオフ信号は、収穫作業の終了を指示する操作信号としてCPU101に入力される。収穫作業が終了していないと判断した場合(S15:NO)、CPU101は処理をステップS13へ戻す。
収穫作業が終了したと判断した場合(S15:YES)、CPU101は、収穫作業の終了時刻をステップS12にて受付けた圃場番号に関連付けて収穫情報管理テーブル104bに記録する。
次いで、CPU101は、ステップS14にて取込みを開始してから収穫作業が終了するまでの間にRAM103に記憶させた水分量の値から平均水分量を算出する(ステップS16)。そして、CPU101は算出した平均水分量と収穫作業の終了時点で取込んだ穀物タンク7の重量の値とを、ステップS12で受付けた圃場番号に関連付けて収穫情報管理テーブル104bに記録する(ステップS17)。
次いで、CPU101は、排出作業を開始すべきか否かを判断する(ステップS18)。排出作業を開始すべきか否かの判断は、オーガコントローラ36のオーガクラッチスイッチ364が押下操作されたときにオーガクラッチスイッチ364から出力される操作信号が入力されたか否かを判断することによって行われる。
排出作業を開始すべきでないと判断した場合(S18:NO)、CPU101は、他の圃場の収穫作業があるか否かを判断する(ステップS19)。他の圃場の収穫作業があると判断した場合(S19:YES)、すなわち、ステップS15にて収穫作業が終了したと判断した後に再度脱穀クラッチスイッチ351及び刈取クラッチスイッチ352から出力されるオン信号が入力された場合、CPU101は、他の圃場の収穫作業があると判断し、処理をステップS12へ戻す。一方、他の圃場の収穫作業がないと判断した場合(S19:NO)、CPU101は処理をステップS18へ戻す。
また、ステップS18において排出作業を開始すべきであると判断した場合(S18:YES)、CPU101は、排出する穀粒を積載するコンテナ210に対してコンテナ番号を設定する(ステップS20)。コンテナ番号の設定は、例えば、予めROM102に記憶させておいた複数の番号から1つの番号を選択することによって行われる。CPU101は、設定したコンテナ番号、作業内容が排出作業である旨の情報、及び排出作業の開始日時を、収穫情報管理テーブル104b内の1つのレコードとして記録する。
次いで、CPU101は、オーガクラッチ63の作動状態をエンジン6の動力が排出オーガ8の縦スクリューコンベア81a及び横スクリューコンベア82aに伝達されるように制御することにより、コンテナ210への排出作業を実行する(ステップS21)。
次いで、CPU101は、排出作業が終了したか否かを判断する(ステップS22)。排出作業が終了したか否かの判断は、オーガコントローラ36のオーガクラッチスイッチ364が再度押下操作されたときにオーガクラッチスイッチ364から出力される操作信号が入力されたか否かを判断することによって行われる。排出作業が終了していないと判断した場合(S22:NO)、CPU101は、処理をステップS21へ戻して排出作業を続けて実行する。
また、排出作業が終了したと判断した場合(S22:YES)、CPU101は、排出作業が終了した時点で取込んだ穀物タンク7の重量の値を、ステップS20で設定したコンテナ番号に関連付けて収穫情報管理テーブル104bに記録する(ステップS23)。
そして、CPU101は、同一コンテナ210への排出作業を続行するか否かを作業者に対して確認する。具体的には、CPU101は、排出作業を続行することを指定する選択ボタン373と排出作業を続行しないことを指定する選択ボタン374とを配置した選択画面(図10(b)参照)を操作パネル37に表示することにより、作業者の意志を確認する。そして、CPU101は、その選択画面を通じて入力された情報に基づいて同一コンテナ210への排出作業を継続するか否かの判断を行う(ステップS24)。同一コンテナ210への排出作業を継続すると判断した場合(S24:YES)、CPU101は、処理をステップS12へ戻して収穫作業及び同一コンテナ210への排出作業を継続して行う。
同一コンテナ210への排出作業を行わないと判断した場合(S24:NO)、CPU101は、圃場情報管理テーブル104aに記録されている情報と収穫情報管理テーブル104bに記録されているレコードとに基づいて、収容施設300へ送信する送信情報を生成する(ステップS25)。
図11は収穫情報管理テーブル104bへの記録例を示す概念図であり、図12はCPU101が生成する送信情報の一例を示す模式図である。収穫作業及び排出作業をそれぞれ一度ずつ行った場合、図11に示したように収穫作業に関する1つのレコードと排出作業に関する1つのレコードとが収穫情報管理テーブル104bに記録されることとなる。例えば、レコード番号「001」で識別されるレコードには、圃場番号が「F01」の圃場について実行した収穫作業であり、その開始日時が「2004年6月20日、12時05分」、終了時刻が「12時20分」であることが記録されている。また、収穫作業が終了した時点での穀物タンク7の重量が「1395kg」であり、収穫した穀物の平均水分量が「21.3%」であることが記録されている。同様に、レコード番号「002」で識別されるレコードには、コンテナ番号を「C01」に設定したコンテナを用いて排出作業を行った旨、その開始日時が「2004年6月20日、13時00分」、終了時刻が「13時20分」であることが記録されている。また、排出作業が終了した時点での穀物タンク7の重量が「95kg」であることが記録されている。
図11に示したレコードに基づいてCPU101が送信情報を生成した場合、送信情報の内容は図12に示したようになる。すなわち、送信情報は、圃場番号、生産者名、収穫物の品種等を含む圃場情報と、収穫日、収穫開始時刻、収穫終了時刻、用いたコンテナのコンテナ番号、コンテナへの積載量、収穫した穀物の水分量等を含む収穫情報とで構成される。なお、コンテナへの積載量に関しては、収穫作業終了時点での穀物タンク7の重量から排出作業終了時点での穀物タンク7の重量を差し引いた正味の排出重量が算出され、送信情報として記録される。
また、複数の収穫作業で収穫した収穫物を1つのコンテナに集積させた場合、収穫情報管理テーブル104bには収穫作業に関する複数のレコードと、排出作業に関する複数のレコードとが記録されることとなる。図13は同一コンテナへの排出作業を継続して行った場合の収穫情報管理テーブル104bの記録例を示す概念図である。図13に示した例では、圃場番号「F01」の圃場から収穫した収穫物をコンテナ番号「C02」のコンテナへ排出し、その後、圃場番号「F02」の圃場から収穫した収穫物を同一のコンテナへ排出したことを示している。すなわち、異なる2つの圃場から収穫し収穫物を1つのコンテナに混載したことを示している。また、このような収穫情報管理テーブル104bに従って送信情報を生成する場合、図14の模式図に示したように、圃場に関する2つの情報、収穫日時に関する2つの情報、集積させたコンテナに関する1つの情報を送信情報に含めるようにしている。
次いで、CPU101は、生成した送信情報を含んだ電子メールを収容施設300へ送信する(ステップS26)。具体的には、CPU101は、ステップS25において生成した送信情報を電子メール本文とし、予め設定してある電子メールアドレスを宛先とした電子メールを作成し、その電子メールを通信装置110を通じて外部へ送信する。通信装置110から外部へ送信された電子メールは、基地局BS1、インターネット網IN、電子メールサーバMS等を経由して収容施設300内の情報処理装置400に送信される。なお、本実施の形態では、送信情報を電子メール本文とする形態としたが、送信情報を電子メールの添付データとして送信する形態であってもよい。また、収穫情報管理テーブル104bをそのまま表形式のデータとして電子メールに添付して送信する形態であってもよい。
次いで、CPU101は、コンテナ番号の情報を含んだバーコードを生成し、生成したバーコードを印刷装置120に印刷させることにより出力する(ステップS27)。出力されたバーコードはコンテナ210に添付されるラベル211として利用される。具体的には、コンテナ210が収容施設300へ搬送する際に作業者の手により添付される。コンテナ210へのラベル211の添付は、ラベル211をコンテナ210自体に直接的に貼り付けるようにしてもよく、また、コンテナ210自体には貼り付けずに搬送する者が携帯するようにしてもよい。
次いで、CPU101は、他のコンテナへの排出作業があるか否かの判断を行う(ステップS28)。他のコンテナへの排出作業があるか否かの判断は、排出作業が終了したと判断した後、更に続けて排出作業を行うためにオーガコントローラ36のオーガクラッチスイッチ364が押下操作されたか否かを判断することによって行われる。他のコンテナへの排出作業があると判断した場合(S28:YES)、CPU101は、処理をステップS20へ戻し、他のコンテナへの排出作業がないと判断した場合(S28:NO)、CPU101は、本ルーチンによる処理を終了する。
なお、本実施の形態では、穀物を収穫するコンバイン100を用いて搬送システムを構築した形態について説明したが、本発明に係る収穫装置は必ずしも穀物を収穫するコンバイン100である必要はなく、野菜、果物等の収穫物を収穫する収穫装置であってもよい。また、本実施の形態では、収穫した穀物をコンテナ210に積載する構成としたが、搬送する際に穀物を収容する容器としてはコンテナ210に限定する必要はなく、収穫袋に収容して搬送する形態であってもよく、搬送車両200の荷台に直接的に積載して搬送する形態であってもよい。
また、本実施の形態では、収穫した穀物に関する情報を取得する手段として重量センサ73及び水分センサ74を設ける構成としたが、重量センサ73及び水分センサ74の他に、収穫した穀物に含まれるタンパク質、アミロース等の成分を計測するセンサ、収穫した穀物の形状及び大きさを計測するセンサ等を備えて、これらのセンサが出力する情報を送信情報に含める構成であってもよい。
また、本実施の形態では、ラベル211にはバーコードを印刷する構成としたが、ラベル211に印刷するバーコードは2次元バーコードであってもよく、バーコード以外の任意のコード又はマークを用いる構成であってもよい。
また、コンテナ210自体にコンテナ番号が予め付されている場合には、排出作業を実行する時点で作業者にそのコンテナ番号を入力させ、入力させたコンテナ番号を送信情報に含めて送信するようにしてもよい。そのため、コンバイン100にコンテナ番号の入力手段又は読取手段を備える構成であってもよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、穀物を積載したコンテナ210を搬送する際、バーコードを印刷したラベル211をコンテナ210に添付するようにしており、そのコンテナ210が収容施設300に搬送されてきた場合、ラベル211に印刷されているバーコードに基づいてコンテナ210を特定するコンテナ番号を取得するようにしていたが、ラベル211を用いる代わりにデータを電子的に記録できるICタグをコンテナ210に取付ける構成であってもよい。
図15は実施の形態2に係る搬送システムの全体構成を説明する模式図である。本実施の形態では、ICタグ212を取付けたコンテナ210を、穀物を積載する容器として利用する。ICタグ212は、無線通信によりデータの送受信を行うアンテナ回路と、受信したデータ及び送信すべきデータを記憶するメモリとを備えている。
本実施の形態に係るコンバイン500の構成は、基本的に実施の形態1で説明したコンバイン100と同様である。すなわち、コンバイン500は、重量センサ73、水分センサ74、データ管理メモリ104、通信装置110等を制御する中央処理装置(CPU)101を備えており、ROM102に格納された制御プログラムをRAM103にロードして実行することにより、ハードウェア全体の制御を行うように構成されている。
また、コンバイン500は、コンテナ210に取付けられたICタグ212にデータを書込む書込装置130を備えている。そのため書込装置130は、無線通信によりデータを送信するための発振回路を備えており、コンテナ210への穀物の排出作業を行う場合にCPU101が設定するコンテナ番号をICタグ212へ送信するように構成されている。
ICタグ212に書込まれたコンテナ番号は、コンテナ210が収容施設300へ搬送されたときに情報処理装置400が備える読取装置410によって読取られる。情報処理装置400は、読取装置410によりコンテナ番号が読取られた場合、そのコンテナ番号を含んだ電子メールをHDD407から検索し、検索した電子メールに含まれる情報を表示装置408に表示するようにしている。すなわち、その電子メールの内容を参照することにより、コンテナ210に積載されている穀物の情報を速やかに取得することができる。
なお、本実施の形態では、コンバイン500にて設定したコンテナ番号をICタグ212に書込む構成としたが、予めコンテナ210に固有のコンテナ番号を付与しておいてICタグ212に記憶させておく構成であってもよい。この場合、ICタグ212に記憶されているデータを読取るための読取装置をコンバイン500に搭載しておき、穀物の排出作業を実施するときにICタグ212からコンテナ番号を取得すればよい。そして、取得したコンテナ番号と積載した穀物に関する情報とを含めた電子メールを作成し、その電子メールを収容施設300内の情報処理装置400に送信することによって前述と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、コンテナ210にICタグ212を取付ける構成としたが、ICタグ212の代わりにICカード、磁気カード等を取付ける構成であってもよい。
実施の形態1に係る搬送システムの全体構成例を説明する模式図である。 コンバインの全体構成を示す平面図である。 コンバインの全体構成を示す左側面図である。 操縦室の概略構成を示す平面図である。 作業クラッチレバーの作動状態を説明する説明図である。 コンバインの制御系の構成、及び情報処理装置の内部構成を説明するブロック図である。 圃場情報管理テーブル及び収穫情報管理テーブルの一例を示す概念図である。 コンバインが実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 コンバインが実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 操作パネルに表示される操作画面の一例を示す模式図である。 収穫情報管理テーブルへの記録例を示す概念図である。 CPUが生成する送信情報の一例を示す模式図である。 同一コンテナへの排出作業を継続して行った場合の収穫情報管理テーブルの記録例を示す概念図である。 CPUが生成する送信情報の一例を示す模式図である。 実施の形態2に係る搬送システムの全体構成を説明する模式図である。
符号の説明
73 重量センサ
74 水分センサ
100 コンバイン
101 中央処理装置
102 ROM
103 RAM
104 データ管理メモリ
104a 圃場情報管理テーブル
104b 収穫情報管理テーブル
110 通信装置
120 印刷装置
400 情報処理装置
401 CPU
406 通信装置
408 表示装置
BS1,BS2 基地局
GS1,GS2 ゲートウェイサーバ
IN インターネット網

Claims (9)

  1. 収穫装置により収穫した収穫物を1又は複数の容器に収容して所定の搬送先へ搬送する搬送システムにおいて、
    前記収穫装置は、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、前記収穫物を収容した容器を特定する特定情報を生成する手段と、取得した収穫物情報及び生成した特定情報を前記搬送先へ送信する手段とを備え、前記搬送先は、前記収穫装置から送信された収穫物情報及び特定情報を受信する受信装置を備えることを特徴とする搬送システム。
  2. 収穫装置により収穫した収穫物を1又は複数の容器に収容して所定の搬送先へ搬送する搬送システムにおいて、
    前記収穫装置は、収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、前記収穫物を収容した容器を特定する特定情報を受付ける手段と、取得した収穫物情報及び受付けた特定情報を前記搬送先へ送信する手段とを備え、前記搬送先は、前記収穫装置から送信された収穫物情報及び特定情報を受信する受信装置を備えることを特徴とする搬送システム。
  3. 前記収穫装置は、前記特定情報を印刷する手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送システム。
  4. 前記容器は、外部から送信された情報を受信する手段と、該手段にて受信した情報を記憶する記憶手段とを備え、前記収穫装置は、前記記憶手段に記憶させるべき情報として前記特定情報を送信する手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送システム。
  5. 前記収穫装置は、収穫した収穫物の重量を計測する手段を備え、計測した重量を収穫物情報として送信するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の搬送システム。
  6. 前記収穫装置は、収穫した収穫物の水分量を計測する手段を備え、計測した水分量を収穫物情報として送信するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の搬送システム。
  7. 前記収穫装置は穀物を収穫するコンバインであることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の搬送システム。
  8. 収穫した収穫物を1又は容器へ排出する収穫装置において、
    収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、前記収穫物を収容した容器を特定する特定情報を生成する手段と、取得した収穫物情報及び生成した特定情報を前記搬送先へ送信する手段とを備えることを特徴とする収穫装置。
  9. 収穫した収穫物を1又は容器へ排出する収穫装置において、
    収穫した収穫物に関する収穫物情報を取得する手段と、前記収穫物を収容した容器を特定する特定情報を受付ける手段と、取得した収穫物情報及び受付けた特定情報を前記搬送先へ送信する手段とを備えることを特徴とする収穫装置。
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