JP2006032325A - リチウム二次電池と該電池に備えられる正極及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 初期抵抗が低く長寿命のリチウム二次電池を構築するのに好適な正極及び該正極の製造方法を提供し、併せて該正極を備えたリチウム二次電池を提供すること。
【解決手段】 本発明により提供されるリチウム二次電池用正極は、集電体と、該集電体上に形成された活物質層を備える。この活物質層に含まれる正極活物質の表面には、有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーを含むコーティング層が形成されている。該コーティング層に導電材を含有するものが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明はリチウムイオン二次電池の製造技術に関し、詳しくはリチウム二次電池に備えられる正極及びその製造方法に関する。
リチウム二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る材料(活物質)を有する正極を備え、該正極と負極の間の電解質(典型的には非水電解液)をリチウムイオンが行き来することにより充放電する二次電池である。
一般にリチウム二次電池に装備される正極は、アルミニウム等から構成される導電性基体(以下「集電体」という。)と該集電体上に形成された活物質層とから構成されている。かかる活物質層は、LiNiO2、LiCoO2等の正極活物質と結着材と必要に応じて用いられる導電材とを含み、ペースト(又はスラリー)状に調製された活物質層形成用組成物(即ち活物質層形成用ペースト)を集電体に塗布することによって形成されている。
活物質層形成用ペーストとして、従来、有機溶剤を溶媒とし且つポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の溶剤系結着材を含む溶剤系ペースト(特許文献3及び4)と、水を溶媒とし且つポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の水系結着材を含む水系ペースト(特許文献1及び2)とが利用されているが、これらペーストの使用は活物質の内容に応じて一長一短があった。
例えば、非水電解液を採用したリチウムイオン二次電池の場合、溶剤系ペースト(即ち溶剤系結着材)の使用は、初期内部抵抗が比較的低く、高い初期出力を実現し得る。その反面、非水電解液の吸収による結着材の膨潤又は溶解によって結着力の低下即ち活物質と集電体との密着性の低下を来たし易いという短所がある。かかる密着性の低下は電池のサイクル特性の劣化(低寿命)を招く虞があるため好ましくない。
他方、水系ペースト(即ち水系結着材)の使用は、水系結着材が非水電解液に不溶であることから活物質の結着性能に優れ、電池の良好なサイクル特性(長寿命)を実現し得る。その反面、正極活物質の内容(例えばLiNixCo1-x2(0≦x≦1)等のリチウム遷移金属複合酸化物)によっては水系ペーストの使用によって典型的には集電体表面又は活物質表面に高電気抵抗性を示す化合物(例えば酸化物、水酸化物)が生成され易く、延いては電池の初期内部抵抗が増大し易いという短所がある。初期内部抵抗の増大は放電特性の低下を招くため好ましくない。
また、リチウム二次電池では、その使用方法や環境変化(例えば過充電、高温暴露)等の影響によって、該電池の内部において酸素が発生する場合がある。かかる酸素の発生を放置すると、電解質を構成する溶媒の酸化、更には電池の過熱等の不具合が生じることがある。特許文献5には、正極活物質から発生する酸素を吸収可能な物質と導電剤との複合材料を有する正極を備えたリチウム二次電池が記載されている。より適切に酸素の発生を抑制し得るリチウム二次電池が提供されれば有益である。
特開2002−42817号公報 特開2000−182606号公報 特開平11−260411号公報 特開平8−106897号公報 特開平11−144734号公報
本発明は、活物質層形成用ペーストを用いてリチウム二次電池の正極に活物質層を形成する場合における前記課題を解消するべく創出されたものであり、前記水系ペーストを用いる場合と溶剤系ペーストを用いる場合それぞれの長所を具備するとともに短所を解消し得る、より高性能な正極を提供すると共に、そのような正極を備えるリチウム二次電池を提供することを目的とする。本発明はまた、前記水系ペーストを用いる場合と溶剤系ペーストを用いる場合それぞれの長所を具備するとともに短所を解消し、更に高温時等における酸素の放出を抑制し得る正極を提供すると共に、そのような正極を備えるリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、リチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)に用いられる正極の製造方法を提供する。即ち、ここで開示される一つの正極製造方法は、リチウム二次電池に用いられる正極の製造方法であって、(1)有機溶剤と、正極活物質であって有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーを含むコーティング材によって表面がコーティングされた活物質と、有機溶剤に対して可溶性(該有機溶剤中に高度に分散し得る性状を包含する。以下同じ。)である少なくとも一種の結着材とを有する活物質層形成用組成物を用意する工程と、(2)その組成物を正極集電体の表面に付与して該集電体上に正極活物質層を形成する工程とを包含する方法である。
ここで開示される正極製造方法では、有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダー(典型的には前記水系ペーストにおいて水系結着材として使用され得るポリマー)によって表面がコーティングされた正極活物質を使用するとともに、該コーティングされた活物質を正極集電体上に付与して活物質層を形成する材料として、有機溶剤(即ち非水系溶媒)と溶剤系結着材とを含む活物質層形成用組成物(典型的にはペースト状に調製される。)を用いる。かかる構成の正極製造方法によると、上述した溶剤系結着材を使用して活物質層を形成した場合と水系結着材を使用して活物質層を形成した場合の両方の長所を兼備したリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)用正極を製造することができる。
従って、本発明により提供される好ましいリチウム二次電池用正極は、集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備える正極であり、ここで活物質層は有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーを含むコーティング層が表面に形成された正極活物質及び有機溶剤に対して可溶性である少なくとも一種の結着材を有する。また、本発明は、そのような正極を備えたリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)を提供する。
ここで開示される正極を備えるリチウム二次電池では、溶剤系の活物質層形成用組成物を使用して活物質層が形成される結果、内部抵抗を低く抑えて高い初期出力を実現することができる。また、前記有機溶剤に対して実質的に不溶性であるバインダーにより活物質がコーティングされ、結着されている結果、非水電解液を採用する場合であっても、その電解液の存在による活物質の密着性(典型的には、活物質二次粒子と集電体との間の密着性、活物質同士(二次粒子間又は一次粒子間)の密着性)の低下を防止することができる。その結果、電池の良好なサイクル特性(長寿命)を実現することができる。
ここで開示される好ましい正極製造方法は、前記使用されるコーティング材が導電材を含むことを特徴とする方法であり、ここで開示される好ましい一つの正極は、前記コーティング層が導電材を含む正極である。前記バインダー及び導電材の合計量を100質量%としたときの導電材の含有率が5〜20質量%であることが特に好ましい。
このような正極を備えるリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)では、良好なサイクル特性(長寿命)を実現しつつ初期内部抵抗の更なる低減を図ることができる。
また、ここで開示される好ましい他の正極製造方法は、平均粒径が5μm〜25μmの範囲にある二次粒子によって実質的に構成されている正極活物質を使用する方法であり、ここで開示される好ましい一つの正極は、平均粒径が5μm〜25μmの範囲にある二次粒子によって実質的に構成されている活物質を有する正極である。
このような活物質を有する正極を備えるリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)では、正極活物質の密着性が高く、高出力が得られやすい。ただし、本発明の実施態様は上記で例示した平均粒径に限定されるものではない。本発明の実施態様には、平均粒径が5μm未満の二次粒子によって実質的に構成されている正極活物質を使用する方法、及び、該活物質を有する正極が包含され得る。
ここで開示される特に好ましい正極製造方法は、活物質の表面に存在するコーティング材の付着物(即ち、前記コーティング層を構成する付着物)の厚みを実質的に0.5μm以下(平均的厚みが0.5μm以下であることをいい、該数値を上回る厚み部分の存在を許容し得る。以下同じ。)とする方法であり、ここで開示される特に好ましい一つの正極は、活物質の表面に存在するコーティング層の厚みが実質的に0.5μm以下であることを特徴とする。
この程度の厚みのコーティング層が形成された活物質を有する正極を備えるリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)では、良好なサイクル特性(長寿命)を実現しつつ高い初期出力を得ることができる。
また、ここで開示される特に好ましい他の正極製造方法は、正極活物質として少なくとも一種のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられる方法であり、ここで開示される特に好ましい一つの正極は、活物質が少なくとも一種のリチウム遷移金属複合酸化物であることを特徴とする正極である。ここで「リチウム遷移金属複合酸化物」とは、活物質として機能し得るリチウム及び一種又は二種以上の遷移金属を構成要素とする金属複合酸化物をいい、他の構成要素(例えばAl)を含むものであってもよい。
この種の複合酸化物を正極活物質とする正極を備えるリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)では、良好なサイクル特性(長寿命)と初期内部抵抗の低減を実現しつつエネルギー密度(放電容量)の向上を図ることができる。
ここで開示される好ましい他の正極製造方法は、前記使用されるコーティング材がセリウム複合酸化物を主成分とする酸素貯蔵材を含むことを特徴とする方法であり、ここで開示される好ましい一つの正極は、前記コーティング層がセリウム複合酸化物を主成分とする酸素貯蔵材を含む正極である。酸素貯蔵材としては、セリウム−ジルコニウム複合酸化物を主成分とするものが特に好ましい。
このように酸素貯蔵材を含む正極を備えるリチウム二次電池は、その使用方法や環境変化(例えば過充電、高温暴露)等の影響によって該正極を構成する他のいずれかの材料(例えば正極活物質)から酸素が発生し得る状況におかれた場合、該酸素を上記酸素貯蔵材に貯蔵(吸収)することができる。このことによって、該酸素が正極から放出される事象を抑制することができる。酸素貯蔵材は正極活物質の表面に配置されているので、かかる酸素貯蔵(酸素放出抑制)機能を効率よく発揮することができる。従って、このような正極を備えるリチウム二次電池では、良好なサイクル特性(長寿命)を実現しつつ初期内部抵抗の低減を図るとともに、正極からの酸素放出を抑制することができる。
また、ここで開示される他の正極製造方法は、前記使用されるコーティング材が前記酸素貯蔵材及び導電材を含むことを特徴とする方法であり、ここで開示される好ましい一つの正極は、前記コーティング層が前記酸素貯蔵材及び導電材を含む正極である。
このような正極を備えるリチウム二次電池では、良好なサイクル特性(長寿命)を実現しつつ初期内部抵抗の更なる低減を図るとともに、正極からの酸素放出を抑制することができる。
ここで開示される特に好ましい正極製造方法は、前記酸素貯蔵材を含むコーティング材を使用する方法であって、活物質の表面に存在するコーティング材の付着物(前記コーティング層を構成する付着物)の厚みを実質的に0.5μm以下とする方法である。また、ここで開示される特に好ましい一つの正極は、前記コーティング層が酸素貯蔵材を含む正極であって、活物質の表面に存在するコーティング層の厚みが実質的に0.5μm以下であることを特徴とする。例えば、該コーティング材の付着物の厚みを実質的に0.1〜0.5μmの範囲とする方法が好ましく、該コーティング層の厚みが実質的に0.1〜0.5μmの範囲にある正極が好ましい。
この程度の厚みのコーティング層が形成された活物質を有する正極を備えるリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)では、良好なサイクル特性(長寿命)及び高い初期出力を得るとともに、正極からの酸素放出を効果的に抑制することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書によって開示されている技術内容と該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示されるリチウム二次電池用正極は、上述の通り、有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーを含むコーティング層が表面に形成された正極活物質を使用し、該活物質を含む溶剤系組成物を用いて所定の集電体の表面に活物質層を形成することによって得られる正極である限り、その構成要素である集電体の組成や形状に特に制限はない。導電性の良好な金属から成る導電性部材が集電体として使用可能であるが、特にリチウムイオン二次電池用の正極集電体としてはアルミニウム(Al)製のものが好ましい。
集電体の形状は、正極及び電池の形状に応じて異なり得るため特に制限はなく、棒状、板状、シート状若しくは箔状等の種々の形態であり得る。例えば、ここで開示されるいずれかの正極を用いて構築されるリチウムイオン二次電池の好ましい一態様として、捲回型電極体を備える電池が挙げられる。この態様において、アルミ箔等の箔状金属から成る集電体が使用される。即ち、捲回型電極体を備える電池では、Al等から成る正極用箔状集電体の表面に導電層と活物質層とを積層させて得た正極シートと、金属(例えば銅)又はカーボン等から成る負極用箔状集電体の表面に適当な負極活物質を付着させて得た負極シートとを、セパレータを介して重ね合わせ、これを捲回して捲回型電極体を作製する。セパレータとしては例えば多孔質ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)シートを用いることができる。そして、この捲回型電極体を電解液(典型的には後述するような非水電解液)とともに適当な容器に収容することによってリチウムイオン二次電池が構築される。なお、種々の形状の集電体自体の作製は、二次電池の製造分野において従来公知の方法であればよく、本発明を特徴付けるものではない。
ここで開示されるリチウム二次電池用正極に用いられる正極活物質は、従来この種の二次電池で用いられているものであればよく、特定の種類の活物質に限定されない。一般的なリチウム二次電池に用いられる層状構造の酸化物系正極活物質、或いはスピネル構造の酸化物系正極活物質等を好ましく用いることができる。例えば、所望する電池がリチウムイオン二次電池である場合、種々のリチウム遷移金属複合酸化物の使用が好ましい。例えば、リチウムコバルト系複合酸化物(典型的にはLiCoO2)、リチウムニッケル系複合酸化物(典型的にはLiNiO2)、リチウムマンガン系複合酸化物(LiMn24)等を正極活物質として用いることができる。遷移金属元素が2種以上含まれる複合酸化物(例えば一般式:LiNixCo1-x2で示される複合酸化物、ここでxは0<x<1を満足する正の実数)であってもよい。或いは、Ni,Co以外の元素を構成要素とするものでもよい。例えば、一般式:Lix(Ni1-yCoy1-zz2で示される複合酸化物(ここでx、y及びzは好ましくは0.9≦x≦1.1、0≦y≦1、0.01≦z≦0.2を満足する数であり、MはAl、Mn、Ti、Mg、Cr、Fe、V、Zn及びBから成る群から選択される少なくとも一種の元素であることが好ましく、Alを含むものが特に好ましい。)であり得る。また、Ni,Co及びMnの三元素を含むリチウム複合酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/32で示される複合酸化物)を用いてもよく、これら三元素に加えてさらに他の一種又は二種以上の遷移金属元素を含むリチウム複合酸化物(即ち、4元素系又はそれ以上のリチウム複合酸化物)を用いてもよい。
上述のコーティング材で表面がコーティングされた種々のリチウム遷移金属複合酸化物(活物質)と有機溶剤と有機溶剤に対して実質的に可溶性である(高度に分散可能な性状であり得る)少なくとも一種の結着材を含む活物質層形成用組成物(典型的にはペースト状に調製されたもの)を使用することにより、高性能なリチウム二次電池用正極及び該正極を備えたリチウム二次電池を提供することができる。
ここで開示されるコーティング材は、有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーを含み、該バインダーによって所定の正極活物質の表面をコーティングし得る内容のものである限りにおいて他の構成要素に制限はない。例えば、従来の活物質層形成用水系ペーストを本発明に係るコーティング材として用いることができる。
「有機溶剤(典型的にはリチウムイオン二次電池等において非水電解液として用いられ得る有機溶剤)に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダー」としては、そのような性状を有する種々のポリマーを使用し得るが、従来、リチウム二次電池の正極の活物質層を形成するのに水系結着材として好適に用いられている種々のポリマーが好適である。例えば、親水性(水溶性)ポリマーであるカルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)等、種々のセルロース誘導体が好適例として挙げられる。これらのうちCMCの使用が好ましい。或いはまた、水分散性ポリマーであるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂、酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)、アラビアゴム等のゴム類が他の好適例として挙げられる。これらのうちPTFE等のフッ素系樹脂が好ましい。
これらポリマー(バインダー)を例えば水に溶解又は分散して成る組成物が、本発明に係るコーティング材として好ましい。
また、活物質層形成用組成物(典型的にはペースト状に調製されたもの)に含有される好適な結着材としては、従来、リチウム二次電池の正極の活物質層を形成するために溶剤系結着材として用いられている種々の有機溶剤可溶性(分散性)ポリマーが挙げられる。この種のポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体(PEO−PPO)等が例示される。PVDF、PVDC等が好ましい。
活物質層形成用組成物及び/又はコーティング材には、導電性(電子伝導性)向上のために必要に応じて種々の導電材を添加することができる。用いる導電材としては、従来この種の二次電池において利用されているものであればよく、特定の導電材に限定されない。例えば、カーボンブラック(アセチレンブラック等)のような炭素(カーボン)粉末、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いることができる。
次に、正極製造方法について説明する。ここで開示される方法は、適当な有機溶剤と、正極活物質であって有機溶剤(典型的にはリチウムイオン二次電池等において非水電解液として用いられ得る有機溶剤)に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーを含むコーティング材によって表面がコーティングされた活物質と、有機溶剤に対して可溶性である少なくとも一種の結着材と、を有する活物質層形成用組成物を用意(典型的には調製)するとともに、かかる組成物を適当な正極集電体の表面に付与(典型的には塗布)して該集電体上に正極活物質層を形成することによって特徴付けられる方法であり、正極製造に要するこれら以外の処理(例えば所定粒径の正極活物質(一次粒子及び二次粒子)の調製や、集電体の成形加工)については従来の正極製造方法と同様であればよい。
コーティング材は、リチウム二次電池用正極の製造に従来用いられてきた水系の活物質層形成用ペーストと同様に調製すればよく、特別な操作を必要としない。例えば、有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダー(CMC、PTFE等)を適当な質量割合で水に添加し、混合することによってペースト(又はスラリー)状のコーティング材を調製することができる。コーティング材には、正極活物質の表面に形成される該コーティング材(主としてバインダー)から成るコーティング層における導電性(電子伝導性)を向上させるべく、導電材を更に含有させることが好ましい。
特に限定しないが、例えば、前記バインダー及び導電材の合計量を100質量%としたときの1〜30質量%が導電材の含有率となるようにこれらを配合することが適当であり、かかる含有率が5〜20質量%であることが好ましい。なお、これらコーティング層を構成する要素と水系溶媒との配合比は特に限定されない。使用するバインダーの種類に応じて好適な流動性(粘度)とバインダー密度が与えられるように適当な配合比であればよい。例えば、コーティング材全体のほぼ80〜95質量%が水系溶媒となるように調製することができる。
上述のようにして調製したコーティング材を使用して目的の正極活物質の表面をコーティングする。コーティング手段としては、粉体を何らかの物質でコーティングする用途に採用され得る従来公知の種々の方法を用いることができる。例えば、正極活物質粉末をコーティング材に浸漬する方法、液状又はミスト状のコーティング材を正極活物質(典型的には粉末)に塗布又は噴霧する方法の採用が好ましい。コーティング材の付与後、適当な条件で正極活物質を乾燥させることによって所望する厚みのコーティング層を活物質表面に形成することができる。
コーティング層の厚みは、使用したコーティング材の組成や正極活物質の性状に応じて異なり得るが、付着物の厚みが実質的に概ね1μm以下(例えば0.005μm〜1μm、典型的には0.01μm〜1μm)となるようにコーティングすることが適当であり、実質的に0.5μm以下(例えば0.01μm〜0.5μm、特に好ましくは0.05μm〜0.5μm)となるようにコーティングすることが好ましい。或いは、コーティング対象である正極活物質(二次粒子)の平均粒径(例えば5μm〜25μm)の概ね0.5〜5%(典型的には1〜3%)に相当するサイズをコーティング層の厚みに設定してもよい。
このような厚み範囲であると内部抵抗の低減と活物質層における良好な導電性(電子伝導性)とに優れる活物質層(正極)を形成することができる。コーティング層に適当量の導電材を含有する場合にはそれによって導電性(電子伝導性)の向上が図られているため、導電材を含有しない場合よりも相対的にコーティング層をより厚く形成することができる。例えば、導電材を含む場合、その好適範囲が実質的に1.5μm以下(例えば0.01μm〜1.5μm、より好ましくは0.05μm〜1μm、特に好ましくは0.1μm〜1μm、例えば0.1μm〜0.5μm)であり得る。
なお、使用する正極活物質は、従来公知の方法で調製・提供されるものをそのまま使用すればよく、特別な処理を必要としない。例えば、リチウム遷移金属複合酸化物から成る活物質は、原子組成に応じて適宜選択されるいくつかの原料化合物を所定のモル比で混合し、適当な手段で焼成することによって調製することができる。また、焼成物を適当な手段で粉砕、造粒及び分級することによって所望する平均粒径及び/又は粒径分布を有する二次粒子、例えば平均粒径が5μm〜25μmの範囲にある二次粒子によって実質的に構成された正極活物質粉体を得ることができる。このような正極活物質粉体の調製方法自体は、本発明を何ら特徴付けるものではないため、詳細な説明は省略する。
このようにして得られたコーティング層付き正極活物質を使用して、活物質層を集電体上に形成する。典型的には、前記コーティング層付き正極活物質と、有機溶剤に対して実質的に可溶性(高度な分散を含む)である少なくとも一種の結着材と、適当な有機溶剤とを有する活物質層形成用組成物を調製し、その組成物を使用して正極集電体上に正極活物質層を形成する。
かかる溶剤系組成物は、好ましくは従来の溶剤系組成物(即ち前記溶剤系ペースト)と同様にペースト状に調製すればよく、特別な処理を要しない。即ち、コーティング層付き正極活物質と、溶剤系結着材(例えばPVDF)を適当な質量割合で適当な有機溶剤に添加し、混合することによってペースト(又はスラリー)状組成物を容易に調製することができる。例えば、活物質と結着材の合計量を100質量%としたときの活物質の含有率が85〜99質量%、結着材の含有率が1〜15質量%となるようにこれらを配合して、適用な有機溶剤に添加することが好ましい。有機溶剤(非水系溶媒)としては、従来の溶剤系ペーストの調製に用いられる有機溶剤が好適に用いられ得る。例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、トルエン、等が例示される。NMPの使用が好ましい。活物質層を構成する要素と有機溶剤との配合比は特に限定されない。例えば、活物質層形成用組成物(ペースト)全体のほぼ40〜90質量%が有機溶剤(例えばNMP)となるように調製することができる。
また、形成する活物質層中の正極活物質と集電体との間における十分な導電経路(導電パス)を確保するため、導電材を更に含有させることが好ましい。使用する導電材の好適例は上述のとおりであるが、コーティング材に含有させるものと同じものであってもよく異なるものであってもよい。特に限定しないが、活物質と導電材と結着材の合計量を100質量%としたときの活物質の含有率が80〜95質量%、導電材の含有率が2〜15質量%、結着材の含有率が1〜15質量%となるようにこれらを配合することが好ましい。
上述のようにして調製した活物質層形成用ペーストを、集電体の表面に付与することによって集電体上に導電層を形成する。典型的には、適当な塗布装置(コーター)を使用して、集電体表面に活物質層形成用ペーストを所定の厚みで層状に塗布することができる。塗布する厚みは、特に限定されず、正極及び電池の形状や用途に応じて適宜異なり得る。例えば、厚み10〜30μm程度の箔状集電体(例えばAl箔)の表面に厚み5μm〜100μm程度(乾燥後)に導電層形成用ペーストを塗布する。塗布後、適当な乾燥機を用いて塗布物を乾燥することによって、集電体表面に所定の厚みの活物質層を形成することができる。こうして得られた正極を、所望によりプレスすることによって、目的とする厚みの正極シートを得ることができる。
本発明によると、ここで開示される製造方法により得られた正極を備えたリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)を製造することができる。従って、本発明は、他の側面として、ここで開示される正極を作製又は用意することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法を提供する。
なお、リチウム二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)を作製する手段は、上述の正極を製造(又は用意)し且つその正極を用いること以外、従来のリチウム二次電池製造方法に準じればよく、特に説明を要する特別な処理を必要としない。
例えば、本発明に係る正極シート(上述の説明文参照)と、適当な負極シート及びセパレータとを用い、従来公知の方法に基づいて、上述したような捲回型その他のシート構造電極を備えるリチウムイオン二次電池を構築することができる。
具体的には、リチウムイオン(Li)を挿入及び脱離可能なグラファイト構造(層状構造)のカーボン材料(即ち負極活物質)を有するリチウムイオン二次電池用負極シート及び上述したセパレータを予め用意する。そして、正極シートと負極シートとをセパレータを介して重ね合わせる(積層する)。この積層物を適当な電池容器に収容する。好ましい態様では、該積層物を捲回して捲回型電極構造体を構成し、それを電池容器に収容する。或いは、複数枚の正極シート及び複数枚の負極シートをそれぞれセパレータを挟んで交互に積層した積層型電極構造体を構成し、それを電池容器に収容してもよい。
このような電極構造体を収容した電池容器に、予め用意しておいた電解液を供給(注入)することにより、正極、負極及びセパレータに電解液を含浸させる。これにより、所望するリチウムイオン二次電池を構築することができる。
典型的には、リチウムイオン二次電池用電解液は、非水系溶媒と該溶媒に添加され溶解しているリチウム塩(支持塩)とを含む非水電解液である。
非水系溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性の溶媒を用いることができる。プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等の、一般に非水系電池(リチウムイオン二次電池等)の電解液等に使用し得るものとして知られている非水系溶媒から選択される一種又は二種以上を用いることができる。
電解液に含有させる支持塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiI等から選択される一種又は二種以上のリチウム化合物(リチウム塩)を用いることができる。
なお、電解液における支持塩の濃度は、従来のリチウムイオン二次電池で使用される電解液と同様でよく、特に制限はない。適当なリチウム化合物(支持塩)を0.1〜5mol/L程度の濃度で含有する電解液を使用することができる。
ここで開示される正極は、前記コーティング層が表面に形成された正極活物質を備える。このコーティング層を利用して、該正極及びこれを用いたリチウム二次電池に更なる機能を付与することができる。即ち、本発明によると、集電体と該集電体上に形成された活物質層とを備え、ここで該活物質層は、有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーとセリウム複合酸化物を主成分とする酸素貯蔵材(典型的には、実質的に該セリウム複合酸化物からなる酸素貯蔵材)とを含むコーティング層が表面に形成された正極活物質、及び、有機溶剤に対して可溶性である少なくとも一種の結着材、を含有する正極が提供される。このような正極は、溶剤系結着材を使用して活物質層を形成した場合と水系結着材を使用して活物質層を形成した場合の両方の長所を兼備し、且つ、高温時等における酸素の放出が抑制されたものであり得る。
上記構成の正極では、酸素貯蔵材がコーティング層の構成要素として正極活物質の表面に配置されているので、正極活物質から発生する酸素を該酸素貯蔵材によって効果的に吸収することができる。従って、良好なサイクル特性(長寿命)と初期内部抵抗の低減とを両立し、且つ、正極からの酸素放出が効果的に抑制されたリチウム二次電池を構築することができる。また、セリウム複合酸化物を主成分とする酸素貯蔵材は、従来から酸素貯蔵物質として知られる他の金属酸化物(例えば酸化鉄、酸化銅等)に比べて、より効率よく酸素を貯蔵し得る。例えば、より厳しい条件下(高温等)においても正極から酸素が放出される現象を抑制し得る。また、より少量の使用によって所望の性能(酸素の放出を抑制する性能)を発揮し得る。このことは、酸素貯蔵材の過剰な添加を不要とし、酸素の放出を抑制する性能と他の電池性能(例えば内部抵抗値)とがより高度にバランスしたリチウム二次電池を構築し得るという観点から好ましい。
前記セリウム複合酸化物としては、正極活物質から酸素が発生し得る条件下(例えば、リチウム遷移金属酸化物では一般に凡そ200℃以上)において酸素を貯蔵(吸収)し得る複合酸化物が好ましい。例えば、セリウム(Ce)と、ジルコニウム(Zr)及びイットリウム(Y)から選択される少なくとも一方と、を構成金属元素として含むセリウム複合酸化物を好ましく選択することができる。セリウム及びジルコニウムを構成金属元素として含むセリウム複合酸化物(即ちセリウム−ジルコニウム複合酸化物、以下「Ce−Zr複合酸化物」と表記することもある。)が特に好ましい。このようなコーティング層に含まれるバインダーとしては、前述した正極と同様のポリマー(親水性又は水溶性ポリマー、水分散性ポリマー等)を例示することができる。また、活物質層に含まれる結着材としては、前述した正極と同様のポリマー(有機溶剤可溶性ポリマー等)を例示することができる。
酸素貯蔵材を構成するCe−Zr複合酸化物は、酸化セリウムに酸化ジルコニウムが固溶した材料(セリア−ジルコニア固溶体と称されることもある。)であり得る。例えば、セリウムとジルコニウムとの原子数の比(Ce/Zr)が凡そ1/10〜10/1の範囲にあるCe−Zr複合酸化物を好ましく使用することができる。上記原子数比(Ce/Zr)が凡そ1/1〜5/1の範囲にあるCe−Zr複合酸化物がより好ましい。
このような酸素貯蔵材としては、従来公知の方法で調製・提供されるセリウム複合酸化物をそのまま使用することができる。例えば、Ce−Zr複合酸化物から成る酸素貯蔵材は、セリウムを含む化合物及びジルコニウムを含む化合物を原子組成に応じて所定のモル比で混合し、適当な手段で焼成することによって調製することができる。また、かかる焼成物を適当な手段で粉砕、造粒及び分級することによって、所望する平均粒径及び/又は粒径分布を有する酸素貯蔵材粉体を得ることができる。例えば、平均粒径が0.05μm〜10μmの範囲にある粒子(典型的には二次粒子)によって実質的に構成された酸素貯蔵材粉体を好ましく用いることができる。このような性状の酸素貯蔵材は、正極活物質等から発生する酸素を効率よく吸収するのに適している。
ここで開示される正極の好ましい一態様では、正極活物質100質量部に対して酸素貯蔵材を例えば凡そ0.05〜30質量部(好ましくは凡そ0.05〜25質量部、より好ましくは凡そ0.1〜20質量部)の割合で有する。例えば、リチウム遷移金属複合酸化物から成る正極活物質を採用する場合、該リチウム遷移金属複合酸化物に含まれるリチウム以外の金属元素の合計原子数100に対して、前記酸素貯蔵材に含まれる金属元素の合計原子数(例えば、実質的にCe−Zr複合酸化物からなる酸素貯蔵材ではセリウムとジルコニウムの合計原子数)が凡そ0.1〜20(より好ましくは凡そ1〜10)の範囲となる割合で該酸素貯蔵材を有する正極とすることができる。正極活物質と酸素貯蔵材とを上記割合で有する正極は、酸素の放出を抑制する性能と、他の性能(例えば、該正極を用いて電池を構築した場合における内部抵抗値)とのバランスに優れたものとなり得る。
ここで開示される正極の好ましい一態様では、前記コーティング層が、前記バインダー及び前記酸素貯蔵材に加えて更に導電材を含む。導電材として好ましく使用し得る材料及びその好ましい含有率は上述した正極と同様である。例えば、前記バインダー及び導電材の合計量を100質量%としたときの導電材の含有率が1〜30質量%となるようにこれらを配合することが適当であり、かかる含有率が5〜20質量%であることが好ましい。また、正極活物質との関係では、通常は、正極活物質100質量部に対する導電材の含有量を3〜20質量部(好ましくは5〜15質量部)程度とすることが適当である。
酸素貯蔵材(又は酸素貯蔵材及び導電材)を含むコーティング層の実質的な厚み(平均的厚み)は、例えば0.5μm以下(典型的には0.01μm〜0.5μm、好ましくは0.05μm〜0.5μm)とすることができ、0.1μm〜0.5μmの範囲とすることが特に好ましい。この程度の厚みとすることにより、良好なサイクル特性(長寿命)と高い初期出力と正極からの酸素放出を抑制する性能とを高いレベルで実現することができる。
このように酸素貯蔵材を含む活物質層を有する正極は、例えば、以下の工程:
有機溶剤と、正極活物質であって有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーとセリウム複合酸化物を主成分とする酸素貯蔵材(例えば、実質的にCe−Zr複合酸化物からなる酸素貯蔵材)とを含むコーティング材によって表面がコーティングされた活物質と、有機溶剤に対して可溶性である少なくとも一種の結着材と、を有する活物質層形成用組成物を用意する工程;及び
前記組成物を正極集電体の表面に付与して該集電体上に正極活物質層を形成する工程;
を包含する正極製造方法によって好ましく製造することができる。かかる製造方法は、酸素貯蔵材を含有するコーティング材を使用する以外は、前述した正極製造方法と同様にして実施することができる。好ましい一つの態様では、コーティング材に含ませる酸素貯蔵材として、平均粒径が0.05μm〜5μmの範囲にある粒子(典型的には二次粒子)によって実質的に構成された酸素貯蔵材粉体を使用する。
有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーとセリウム複合酸化物を主成分とする酸素貯蔵材とを含むコーティング材によって表面がコーティングされた正極活物質は、例えば、水系溶媒と、該水系溶媒に溶解又は分散したバインダーであって有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーと、正極活物質粉末と、セリウム複合酸化物を主成分とする(典型的には、実質的にCe−Zr複合酸化物からなる)酸素貯蔵材粉体と、を含むコーティング用組成物を用意し、該組成物から前記水系溶媒を除去する(即ち、該組成物を乾燥させる)ことによって得ることができる。前記コーティング用組成物に更に導電材を含ませることにより、有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーとセリウム複合酸化物を主成分とする酸素貯蔵材と導電材とを含むコーティング材によって表面がコーティングされた正極活物質を好適に得ることができる。
以下、本発明に関する実験例につき説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例1〜6:リチウムイオン二次電池の製造(1)>
以下のようにして円筒形標準タイプである18650型のリチウムイオン二次電池を製造した。ここでは正極活物質として式:LiNi0.8Co0.15Al0.052で表されるリチウム遷移金属複合酸化物粉末を使用した。なお、この複合酸化物(二次粒子)の平均粒径は約10μmであり、粒径5μm〜25μmの二次粒子に富む正極活物質であった。
カルボキシメチルセルロース(CMC)を水に溶かし、CMC濃度が約1.0質量%であるコーティング材を作製した。このコーティング材を使用して前記複合酸化物の表面に所定の厚みのコーティング層を形成した。即ち、前記複合酸化物粉末を本コーティング材中に浸漬し、次いで空気中で乾燥した。この浸漬処理を繰り返し行うことによってコーティング層の平均的厚みが約0.01μmである活物質(実施例1)、約0.05μmである活物質(実施例2)、約0.1μmである活物質(実施例3)、約0.2μmである活物質(実施例4)、約0.5μmである活物質(実施例5)及び約1μmである活物質(実施例6)を得た。これらコーティング層の厚みが相互に異なる計6種の活物質粉末(実施例1〜6)をそれぞれ使用し、計6種類のリチウムイオン二次電池を以下に示すように製造した。以下、使用した活物質の種類(前記実施例1〜6)に対応させ、計6種類のリチウムイオン二次電池をそれぞれ実施例1、2、3、4、5及び6とする。
前記のようにして得たコーティング層付き活物質、導電材であるアセチレンブラック、及び結着材であるPVDFを有機溶剤(NMP)と混合し、各実施例に係る活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストに含まれる各材料(NMP以外)の凡その質量比は、活物質:85質量%、アセチレンブラック:10質量%、PVDF:5質量%である。
かかるペーストを、正極集電体としての厚み約15μmの長尺状アルミニウム箔の両面に塗布(付着)して乾燥させ、該集電体の両面に厚み約20μmの正極活物質層を形成した。次いで全体の厚みが約40μmとなるようにプレスした。このようにして使用した活物質粉末毎に、計6種の正極シート(実施例1〜6)を作製した。
他方、負極活物質用のカーボン材料として黒鉛粉末(キシダ化学株式会社製品)を使用し、結着材としてCMC及びスチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)を使用して負極活物質層形成用組成物を調製した。即ち、前記負極活物質及び結着材をイオン交換水と混合し、負極活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストに含まれる各材料(水以外)の凡その質量比は、カーボン材料:98質量%、CMC:1質量%、SBR:1質量%である。
そして、かかるペーストを、負極集電体としての厚み約15μmの長尺状銅箔の両面に塗布(付着)して乾燥させ、該集電体の両面に厚み約20μmの負極活物質層を形成した。次いで全体の厚みが約40μmとなるようにプレスした。このようにして負極シートを作製した。
こうして得られた正極シート及び負極シートを2枚のセパレータ(ここでは多孔質ポリエチレンシートを用いた。)とともに積層し、この積層シートを捲回して捲回型電極構造体を作製した。この電極構造体を電解液とともに容器に収容して、直径18mm、高さ65mm(即ち18650型)の円筒型リチウムイオン二次電池を得られた正極シート毎に計6種類作製した(実施例1〜6)。電解液としては従来のリチウムイオン二次電池に用いられる電解液を特に制限なく用いることができるが、ここではエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との3:7(体積比)混合溶媒に1mol/LのLiPF6を溶解させた組成の非水電解液を用いた。
<実施例7〜12:リチウムイオン二次電池の製造(2)>
コーティング材として導電材を含むものを使用した以外は、上述の実施例1〜6と同様の材料及び手順によって、18650型リチウムイオン二次電池を製造した。
即ち、CMCと導電材(アセチレンブラック粉末)とを、CMC及び導電材の合計量を100質量%としたときの導電材の含有率が10質量%となる質量比で水に溶かし、CMC濃度が約1.0質量%であり導電材濃度が約10質量%であるコーティング材を作製した。このコーティング材を使用し、上述の実施例1〜6と同様のプロセスにより、コーティング層の平均的厚みが約0.01μmである活物質(実施例7)、約0.05μmである活物質(実施例8)、約0.1μmである活物質(実施例9)、約0.2μmである活物質(実施例10)、約0.5μmである活物質(実施例11)及び約1μmである活物質(実施例12)を得た。
これらコーティング層の厚みが相互に異なる計6種の活物質粉末(実施例7〜12)をそれぞれ使用して計6種の活物質層形成用ペーストを調製し、それらを使用して計6種の正極シート(実施例7〜12)を作製した。それら正極シートを用いる以外は上述の実施例1〜6と同様の材料(負極シート、セパレータ等)とプロセスによって、計6種類のリチウムイオン二次電池を製造した。以下、使用した活物質の種類(前記実施例7〜12)に対応させ、当該6種類のリチウムイオン二次電池をそれぞれ実施例7、8、9、10、11及び12とする。
<比較例1:リチウムイオン二次電池の製造(3)>
本比較例では、前記コーティング材による処理を施さない前記複合酸化物粉末を正極活物質(即ちコーティング層の無い正極活物質)として使用し、その他の材料及び条件は実施例1〜6と同様にして本比較例に係る活物質層形成用ペースト(溶剤系)を調製した。その後、上述の実施例1〜6と同様の材料とプロセスによって、該ペーストから正極シートを作製し、次いで該正極シートを用いて本比較例に係る18650型リチウムイオン二次電池を製造した。
<比較例2:リチウムイオン二次電池の製造(4)>
本比較例では、前記コーティング材による処理を施さない前記複合酸化物粉末を正極活物質(即ちコーティング層の無い正極活物質)として使用し、水系の活物質層形成用ペーストを調製した。
即ち、コーティング層の無い正極活物質、CMC及びアセチレンブラック粉末をイオン交換水と混合して活物質層形成用ペーストを調製した。この水系ペーストに含まれる各材料(水以外)の凡その質量比は、活物質:87質量%、アセチレンブラック:10質量%、CMC:3質量%である。その後、上述の実施例1〜6と同様の材料とプロセスによって、該ペーストから正極シートを作製し、次いで該正極シートを用いて本比較例に係る18650型リチウムイオン二次電池を製造した。
<試験例1:初期内部抵抗及び耐久性の評価>
各実施例及び比較例で得られたリチウムイオン二次電池について、以下に示す抵抗測定方法によって、初期内部抵抗値(以下「初期抵抗値」という。)を測定した。また、これらの二次電池に下記条件の充放電サイクル試験を行った後に同様の測定方法によって、充放電繰り返し後の内部抵抗値(以下「耐久後抵抗値」という。)の値を測定した。
[初期抵抗値の測定]
環境温度25℃において、1000mA/cm2の定電流で3.75Vまで充電した後に、3.75Vで定電位充電を行い、合計充電時間が1.5時間になるまで充電を続けた。このときの充電状態(State of charge:SOC)は満充電の約60%である。その後、以下の(a)〜(f)の順に充放電を行い、各充放電後の電圧を縦軸とし且つ充放電電流を横軸とした電流(I)−電圧(V)プロット値の一次近似直線の傾きから初期抵抗値を求めた。結果を表1に示す。
(a) 300mA/cm2で10秒間放電する。
(b) 300mA/cm2で10秒間充電する。
(c) 900mA/cm2で10秒間放電する。
(d) 900mA/cm2で10秒間充電する。
(e)2700mA/cm2で10秒間放電する。
(f)2700mA/cm2で10秒間充電する。
[耐久後抵抗値充放電サイクル試験]
環境温度60℃において、電流密度2Cの定電流で4.1Vまで充電し、次いで同じ電流密度で3.0Vまで放電した。このサイクル(2Cの定電流で4.1Vまで充電し、3.0Vまで放電するサイクル)を500回繰り返した。なお、符号「C」は放電時間率を表す。従って、電流密度2Cとは、その電池の電池容量(Ah)に相当する電気量を0.5時間で供給し得る電流密度(A)を意味する。そして、初期抵抗値と同様、充放電後のI−Vプロット値の一次近似直線の傾きから500サイクル充放電後の抵抗値(耐久後抵抗値)を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2006032325
表1に示す結果から明らかなように、本発明によって提供される正極を採用したリチウムイオン二次電池(各実施例)では、溶剤系の活物質層形成用ペーストを使用して正極活物質層が形成された結果、従来の水系の活物質層形成用ペーストを使用して構築された比較例2のリチウムイオン二次電池よりも初期内部抵抗値が低いことが確認された。この結果は、本発明により提供されるリチウムイオン二次電池は初期内部抵抗が低く、高出力を実現し得ることを示すものである。更にコーティング層に導電材を含有させることにより、初期内部抵抗値をより効果的に低減し得ることが確認された。
同時に、各実施例のリチウムイオン二次電池では、本発明のコーティング層を有する正極活物質が使用されている結果、従来の溶剤系の活物質層形成用ペーストを使用して構築された比較例1のリチウムイオン二次電池よりも耐久後抵抗値が著しく低いことが確認された。この結果は、本発明により提供されるリチウムイオン二次電池は充放電サイクル特性に優れ、高耐久性即ち長寿命を実現し得ることを示すものである。
<実施例13:リチウムイオン二次電池の製造(5)>
Ce/Zrが凡そ1/1の原子数比であるセリア−ジルコニア複合酸化物粉末(酸素貯蔵材粉末、平均粒径約1μm)を含むコーティング材を使用した以外は上述の実施例1〜6と同様の材料及び手順によって、18650型リチウムイオン二次電池を製造した。
即ち、リチウム遷移金属複合酸化物粉末(正極活物質粉末)、セリア−ジルコニア複合酸化物粉末(酸素貯蔵材粉末)、導電材としてのアセチレンブラック及びCMCを水(イオン交換水)と混合してコーティング材を調製した。このコーティング材は、正極活物質及び酸素貯蔵材を、該正極活物質を構成するリチウム以外の金属元素(Ni,Co及びAl)の合計原子数100に対し、該酸素貯蔵材を構成する金属元素(Ce及びZr)の原子数が凡そ5となる割合で含有する。即ち、正極活物質に対して約5atom%の酸素貯蔵材を含有する。このコーティング材を穏やかに加熱して水を蒸発させることにより、CMC及び酸素貯蔵材を含み平均的厚みが約0.2μmであるコーティング層が表面に形成された活物質を得た。
このコーティング層付き活物質、導電材としてのアセチレンブラック、及び結着材としてのPVDFを有機溶剤(NMP)と混合し、実施例13に係る活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストに含まれる各材料(NMP以外)の凡その質量比は、活物質:85質量%、アセチレンブラック:10質量%、PVDF:5質量%である。かかるペーストを、正極集電体としての厚み約15μmの長尺状アルミニウム箔の両面に塗布(付着)して乾燥させ、該集電体の両面に厚み約20μmの正極活物質層を形成した。次いで全体の厚みが約40μmとなるようにプレスした。このようにして正極シートを作製した。該正極シートを用いる以外は上述の実施例1〜6と同様の材料(負極シート、セパレータ等)とプロセスによってリチウムイオン二次電池を製造した。
<実施例14:リチウムイオン二次電池の製造(6)>
コーティング材として導電材を含むものを使用した以外は実施例13と同様の材料及び手順によってリチウムイオン二次電池を製造した。
即ち、正極活物質粉末、酸素貯蔵材粉末、導電材(アセチレンブラック粉末)及びCMCを水と混合した。これにより、正極活物質に対して約5atom%の割合で酸素貯蔵材を含有し、且つ、正極活物質100質量部に対して凡そ10質量部の割合で導電材を含有するコーティング材を調製した。このコーティング材を使用し、実施例13と同様のプロセスにより、CMC、酸素貯蔵材及び導電材を含む平均的厚み約0.2μmのコーティング層が表面に形成された活物質を得た。このコーティング層付き活物質を使用して活物質層形成用ペーストを調製し、それを使用して正極シートを作製した。該正極シートを用いた以外は上述の実施例13と同様の材料とプロセスによってリチウムイオン二次電池を製造した。
<比較例3及び4:リチウムイオン二次電池の製造(7)>
水系の活物質層形成用ペーストを用いて正極シートを作製した以外は実施例13及び14と同様の材料及び手順によってリチウムイオン二次電池を製造した。
即ち、実施例13に係るコーティング層付き活物質、導電材としてのアセチレンブラック、及び結着材としてのCMCを水と混合して、比較例3に係る活物質層形成用ペーストを調製した。この水系ペーストに含まれる各材料(水以外)の凡その質量比は、活物質:85質量%、アセチレンブラック:10質量%、CMC:5質量%である。該ペーストを用いた以外は上述の実施例13と同様の材料とプロセスによって、比較例3に係るリチウムイオン二次電池を製造した。
また、実施例13に係るコーティング層付き活物質に代えて実施例14に係るコーティング層付き活物質を用いた以外は比較例3と同様の材料とプロセスによって、比較例4に係るリチウムイオン二次電池を製造した。
<比較例5:リチウムイオン二次電池の製造(8)>
本比較例では、前記コーティング材による処理を施さない前記複合酸化物粉末を正極活物質(即ちコーティング層の無い正極活物質)として使用し、水系の活物質層形成用ペーストを調製した。
即ち、コーティング層の無い正極活物質、CMC及びアセチレンブラック粉末をイオン交換水と混合して活物質層形成用ペーストを調製した。この水系ペーストに含まれる各材料(水以外)の凡その質量比は、活物質:85質量%、アセチレンブラック:10質量%、CMC:5質量%である。その後、上述の実施例13と同様の材料とプロセスによって該ペーストから正極シートを作製し、該正極シートを用いてリチウムイオン二次電池を製造した。
<比較例6及び7:リチウムイオン二次電池の製造(9)>
有機溶剤可溶性のバインダー及び有機溶剤を含むコーティング材を使用した以外は実施例13及び14と同様の材料及び手順によってリチウムイオン二次電池を作製した。
即ち、正極活物質粉末、酸素貯蔵材粉末及びPVDFを有機溶剤(NMP)と混合した。これにより、正極活物質に対して約5atom%の割合で酸素貯蔵材粉末を含有するコーティング材を調製した。このコーティング材を使用して、実施例13と同様のプロセスにより、コーティング層の平均的厚みが約0.2μmである活物質(比較例6)を得た。このコーティング層付き活物質を使用した以外は実施例13と同様の材料とプロセスによって、比較例6に係るリチウムイオン二次電池を製造した。
また、正極活物質粉末、酸素貯蔵材粉末、導電材(アセチレンブラック粉末)及びPVDFを有機溶剤(NMP)と混合した。これにより、正極活物質に対して約5atom%の割合で酸素貯蔵材粉末を含有し、且つ、正極活物質100質量部に対して凡そ10質量部の割合で導電材を含有するコーティング材を調製した。このコーティング材を使用して、実施例13と同様のプロセスにより、コーティング層の平均的厚みが約0.2μmである活物質(比較例7)を得た。このコーティング層付き活物質を使用した以外は実施例13と同様の材料とプロセスによって、比較例7に係るリチウムイオン二次電池を製造した。
<試験例2:初期内部抵抗及び耐久性の評価並びに昇温試験>
実施例13〜14及び比較例3〜7で得られたリチウムイオン二次電池について、試験例1と同様の測定方法によって、初期内部抵抗値(初期抵抗値)及び充放電繰り返し後の内部抵抗値(耐久後抵抗値)の値を測定した。
また、各リチウムイオン二次電池をSOC100%に充電し、この状態で解体して正極シートを取り出した。それらの正極シートと上記組成の電解液とをアルミニウム製の試料皿に入れ、10℃/分の昇温速度で示差走査型熱量計を用いたDSC(Differential Scanning Calorimetry)測定を行った。これにより得られたDSC曲線のピーク位置から酸素の脱離温度(酸素脱離ピーク温度)を読み取った。
得られた結果を表2に示した。この表には、比較例1に係るリチウムイオン二次電池について同様に昇温試験を行った結果を併せて示している。
Figure 2006032325
この表から明らかなように、酸素貯蔵材を含むコーティング層を有する正極活物質を用いた実施例13及び14の正極はいずれも酸素脱離ピーク温度が350℃以上であり、該コーティング層が酸素貯蔵材を含まない実施例4及び10の正極に比べてピーク温度が大幅に上昇した。また、実施例13及び14のリチウムイオン二次電池は、それぞれ実施例4実施例10のリチウムイオン二次電池と同様に、低い初期抵抗値及び耐久後抵抗値を示した。この結果は、実施例13及び14のリチウムイオン二次電池には、実施例4及び10の特長を維持しつつ、更に正極からの酸素放出が抑制されたものであることを示している。コーティング層が導電材を含む実施例14では、導電材を含まない実施例13に比べてより良好な結果が得られた。
一方、酸素貯蔵材を含む比較例3及び4の正極では、酸素貯蔵材を含まない比較例5の正極に比べて酸素脱離ピークが大幅に上昇した。また、酸素貯蔵材を含む比較例6及び7の正極では、酸素貯蔵材を含まない比較例5の正極に比べて酸素脱離ピークが大幅に上昇した。しかし、比較例3及び4のリチウムイオン二次電池は、水系の活物質層形成用ペーストを用いていることから、比較例5のリチウムイオン二次電池と同様に初期内部抵抗が高くなる傾向を示した。また、比較例6及び7のリチウムイオン二次電池は、コーティング層を構成するバインダーとしてPVDF(有機溶媒可溶なバインダー)を用いていることから、該バインダーとしてCMCを用いたリチウムイオン二次電池に比べて耐久後抵抗値が上昇しやすいものであった。
<実施例15〜20:リチウムイオン二次電池の製造(10)>
コーティング層の厚みを異ならせた以外は上述の実施例13と同様の材料及び手順によってリチウムイオン二次電池を製造した。
即ち、正極活物質に対するCMCの含有割合が異なる計6種のコーティング材(目標とするコーティング層の厚みに対応した濃度でCMCを含むコーティング材)を用意した。これらのコーティング材は、いずれも、正極活物質に対して約5atom%の酸素貯蔵材を含有する。これらのコーティング材を穏やかに加熱して水を蒸発させることにより、コーティング層の平均的厚みが約0.01μmである活物質(実施例15)、約0.05μmである活物質(実施例16)、約0.1μmである活物質(実施例17)、約0.3μmである活物質(実施例18)、約0.5μmである活物質(実施例19)及び約1μmである活物質(実施例20)を得た。これらコーティング層の厚みが相互に異なる計6種の活物質粉末(実施例15〜20)をそれぞれ使用した以外がは実施例13と同様の材料とプロセスによって、実施例15〜20に係るリチウムイオン二次電池を製造した。
<試験例3:初期内部抵抗及び耐久性の評価並びに昇温試験>
実施例15〜20により得られたリチウムイオン二次電池について、試験例1と同様の測定方法によって、初期抵抗値及び耐久後抵抗値)の値を測定した。また、試験例2と同様に昇温試験を行い、DSC曲線のピーク位置から酸素脱離ピーク温度を読み取った。得られた結果を表3に示した。
Figure 2006032325
この表から明らかなように、正極活物質に対して約5atom%の酸素貯蔵材を含有する実施例15〜20の正極によると、いずれも350℃以上という高い酸素脱離ピーク温度が実現された。また、コーティング層の厚みが0.1〜0.3μmの範囲にある実施例17及び18のリチウムイオン二次電池は、高い酸素脱離ピーク温度と低い初期抵抗値と良好なサイクル特性(低い耐久後抵抗値)とを、特に高度なレベルでバランスよく実現するものであった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、活物質層形成用組成物やコーティング材には本発明の目的を阻害しない範囲で上述した主要素以外の付加的な構成要素(副成分)を含有させることができる。
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

Claims (22)

  1. リチウム二次電池に用いられる正極であって、
    集電体と、
    該集電体上に形成された活物質層であって、有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーを含むコーティング層が表面に形成された正極活物質、及び、有機溶剤に対して可溶性である少なくとも一種の結着材、を有する活物質層と、
    を備える正極。
  2. 前記コーティング層は導電材を含む、請求項1に記載の正極。
  3. 前記バインダー及び導電材の合計量を100質量%としたときの導電材の含有率が5〜20質量%である、請求項2に記載の正極。
  4. 前記活物質は、平均粒径が5μm〜25μmの範囲にある二次粒子によって実質的に構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の正極。
  5. 前記活物質の表面に存在する前記コーティング層の厚みが実質的に0.5μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の正極。
  6. 前記活物質が少なくとも一種のリチウム遷移金属複合酸化物である、請求項1〜5のいずれかに記載の正極。
  7. 前記コーティング層は、セリウム複合酸化物を主成分とする酸素貯蔵材を含む、請求項1に記載の正極。
  8. 前記セリウム複合酸化物がセリウム−ジルコニウム複合酸化物である、請求項7に記載の正極。
  9. 前記コーティング層は導電材を含む、請求項7又は8に記載の正極。
  10. 前記活物質の表面に存在する前記コーティング層の厚みが実質的に0.5μm以下である、請求項7〜9のいずれかに記載の正極。
  11. リチウム二次電池に用いられる正極の製造方法であって、以下の工程:
    有機溶剤と、正極活物質であって有機溶剤に対して実質的に不溶性である少なくとも一種のバインダーを含むコーティング材によって表面がコーティングされた活物質と、有機溶剤に対して可溶性である少なくとも一種の結着材と、を有する活物質層形成用組成物を用意する工程;及び
    前記組成物を正極集電体の表面に付与して該集電体上に正極活物質層を形成する工程;
    を包含する正極製造方法。
  12. 前記コーティング材は導電材を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記バインダー及び導電材の合計量を100質量%としたときの導電材の含有率が5〜20質量%である、請求項12に記載の方法。
  14. 平均粒径が5μm〜25μmの範囲にある二次粒子によって実質的に構成された正極活物質が用いられる、請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記活物質の表面に存在する前記コーティング材の付着物の厚みを実質的に0.5μm以下とする、請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記活物質として少なくとも一種のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられる、請求項11〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記コーティング材は、セリウム複合酸化物を主成分とする酸素貯蔵材を含む、請求項11に記載の方法。
  18. 前記セリウム複合酸化物がセリウム−ジルコニウム複合酸化物である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記コーティング材は導電材を含む、請求項17又は18に記載の方法。
  20. 前記活物質の表面に存在する前記コーティング材の付着物の厚みを実質的に0.5μm以下とする、請求項17〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 請求項1〜6のいずれかに記載の正極を備えたことを特徴とする、リチウム二次電池。
  22. 請求項7〜10のいずれかに記載の正極を備えたことを特徴とする、リチウム二次電池。
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