JPH1085586A - 機能材料、酸化触媒、燃焼触媒、メタノール改質触媒および電極触媒 - Google Patents

機能材料、酸化触媒、燃焼触媒、メタノール改質触媒および電極触媒

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JPH1085586A
JPH1085586A JP8243830A JP24383096A JPH1085586A JP H1085586 A JPH1085586 A JP H1085586A JP 8243830 A JP8243830 A JP 8243830A JP 24383096 A JP24383096 A JP 24383096A JP H1085586 A JPH1085586 A JP H1085586A
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JP
Japan
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catalyst
functional material
noble metal
metal element
oxygen
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Withdrawn
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JP8243830A
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Toshiyuki Ohashi
俊之 大橋
Tomiaki Furuya
富明 古屋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化雰囲気下で酸素を吸収し、還元雰囲気下
で酸素を放出する能力に優れる機能材料と触媒活性が高
く、触媒活性の持続性にも優れ、エネルギー資源の効率
的な利用と環境汚染物質の低減とを達成する酸化触媒、
燃焼触媒、メタノール改質触媒および電極触媒とを提供
すること。 【解決手段】 化学式:(A xCe 1-x)O2 (式中、
AはY、Scおよびランタノイドからなる群より選択さ
れた少なくとも1種の元素、また、0.1 < x<1)で表
される機能材料と、この機能材料を少なくとも具備した
触媒による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素を吸収する能
力に優れるとともに、吸収した酸素を放出する能力にも
優れる機能材料と、この機能材料を用いることにより高
い触媒活性を実現した酸化触媒、燃焼触媒、メタノール
の改質触媒および固体電解質型燃料電池等に用いられる
電極触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、石油、石炭等の化石燃料に代表さ
れるエネルギー資源の枯渇化や、化石燃料からエネルギ
ーを取り出す際に発生する環境汚染物質の増加が大きな
社会問題となっている。すなわち、化石燃料に代表され
るエネルギー資源の枯渇化は、化石燃料に代わる有力な
エネルギー源が開発されていない現状では人類の活動に
直接影響する。また、環境汚染物質の増加は地球的規模
の生態系の破壊をもたらし、人類のみならず種の多様性
の存立をも危ういものとしている。したがって、エネル
ギー資源の枯渇化を抑制し、環境汚染物質の発生を抑制
して生態系を維持してゆくことは、今後の地球を占う上
から最重要課題となっており、そのためには、エネルギ
ー資源を効率的に利用し、環境汚染物質を低減すること
が必要不可欠である。
【0003】そこで、上述の要求を満たすために、天然
ガスを用いて高効率に発電を行うガスタービン、自動車
の排気ガスを清浄化する排ガス浄化触媒、高い転化率で
生成物を生成する反応触媒および高い変換効率で電気エ
ネルギーを生成する燃料電池等の手段が急ピッチで開発
されている。現在、これらの手段に対しては要求される
スペックに応じて種々の材料が提案されているが、中で
もセリウム化合物は、使用環境中での安定度が高く、酸
化雰囲気下で酸素を吸収し、還元雰囲気下で酸素を放出
するという特性を有することから、重要な材料として広
く用いられている。
【0004】ガスタービンは、メタン等を主成分とする
燃料を酸化反応により燃焼させることが主流となりつつ
あるが、そのために、低温度から酸化反応を開始するパ
ラジウムを触媒成分として用いることが多い。ところ
で、パラジウムは酸化状態(PdO)のときは触媒活性
が高く、金属(Pd)のときは触媒活性が低いという特
性を有している。酸化パラジウムは、酸素分圧と雰囲気
温度とによって支配される平衡によって900℃以上で
酸素を放出して金属(Pd)となる。
【0005】一般に、酸化パラジウムを触媒成分とする
燃焼触媒の触媒反応は、触媒表面に酸素が解離吸着した
Pd−Oの酸化物状態で炭化水素類を酸化し、酸化パラ
ジウム自身は還元されて金属(Pd)となり、金属(P
d)は再び酸化されてPd−Oの酸化物状態を生成し、
これを繰り返して炭化水素類を酸化するレドックス反応
である。通常の炭化水素類の酸化反応では反応量が多く
ないためレドックスサイクルが触媒表面上で円滑に進行
する。しかし、ガスタービンのように燃焼負荷(酸化反
応量)が大きい反応系では、レドックスサイクルのバラ
ンスが崩れて触媒表面に解離吸着したPd−Oの酸素が
容易に消費されるとともに、燃焼触媒の内側に存在して
いるバルクの酸化パラジウム(PdO)の酸素が触媒表
面に移動して燃料の酸化に使用されていると考えられ
る。すなわち、酸化反応の初期状態では、燃焼触媒中の
パラジウムのほとんどが酸化パラジウムであるため高い
触媒活性を呈するが、燃焼反応の進行に伴ってバルクの
酸化パラジウム(PdO)の酸素が消費されるため、触
媒表面に金属(Pd)の割合が増加し、触媒活性が低下
する。そこで、酸化雰囲気下で雰囲気中の酸素を吸収
し、還元雰囲気下で酸素を放出することが可能な酸化セ
リウムをパラジウムとともに共存させることにより、燃
焼触媒の触媒活性を維持することが試みられている。
【0006】また、エンジン性能と燃費を損なうことな
く排ガス中の炭化水素、一酸化炭素あるいは窒素酸化物
の濃度を低減するために、Pt、PdおよびRhからな
る三元触媒が排ガス浄化触媒として用いられているが、
この三元触媒に酸化セリウムを添加することが試みられ
ている。すなわち、酸化セリウムの助触媒効果を発揮さ
せることで、三元触媒中の貴金属使用量を低減させると
ともに、酸化雰囲気下で酸素を吸収し、還元雰囲気下で
酸素を放出することが可能な酸化セリウムの特性によっ
て、自動車の走行モードに起因する空燃比の揺らぎに対
応しようとするものである。
【0007】さらに、メタノールの改質反応に際して
は、(Nd xCe 1-x)O2 (0≦ x≦0.1 )等を、酸
化反応を促進させる反応触媒として利用している。
【0008】また、固体酸化物電解質型燃料電池では、
正極触媒として、1000℃の空気中で安定で、空気、
電解質の両者と大きい接触を持つ構造の、ペロブスカイ
ト型ランタン系遷移金属酸化物に代表される電子導電性
の多孔体が用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
セリウム酸化物やペロブスカイト型ランタン系遷移金属
酸化物等では、酸化雰囲気下で酸素を吸収し、還元雰囲
気下で酸素を放出する能力が低いという問題があった。
【0010】また、従来のセリウム酸化物やペロブスカ
イト型ランタン系遷移金属酸化物等では、酸化雰囲気下
で酸素を吸収し、還元雰囲気下で酸素を放出する能力が
十分ではないため、これらを適用した触媒の触媒活性が
十分に上がらず、また、触媒活性の持続性にも乏しくな
るので、現在、要求されているエネルギー資源の効率的
な利用と、環境汚染物質の低減とを達成することが困難
であるという問題があった。
【0011】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたもので、酸化雰囲気下で酸素を吸収し、還元雰囲
気下で酸素を放出する能力に優れる機能材料を提供する
ことを目的とする。
【0012】また、本発明は、触媒活性が高く、触媒活
性の持続性にも優れ、エネルギー資源の効率的な利用と
環境汚染物質の低減とを達成する酸化触媒、燃焼触媒、
メタノール改質触媒および電極触媒を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、化学式:
(A xCe 1-x)O2 (式中、AはY、Scおよびラン
タノイドからなる群より選択された少なくとも1種の元
素)で表されるセリウム酸化物において、元素Αの割
合、すなわち上記化学式におけるxの値を0.1より増
加させることによって、酸化雰囲気下で酸素を吸収し、
還元雰囲気下で酸素を放出する性能が飛躍的に向上する
ことを見出だし、本発明にいたったものである。
【0014】すなわち、本発明に係る機能材料は、化学
式:(A xCe 1-x)O2 (式中、AはY、Scおよび
ランタノイドからなる群より選択された少なくとも1種
の元素、また、0.1 < x<1)で表されることを特徴と
している。
【0015】本発明の機能材料においては、電子導電性
が高いことから、酸化雰囲気中の酸素は以下の反応によ
って容易に解離し、機能材料に存在する空孔へ取り込ま
れると考えられる。
【0016】1/2O2 (気相中)+2e- (機能材
料)→O2-(空孔) 一方、還元雰囲気の下では、空孔に取り込まれた酸素
(イオン)は、以下の反応によって、容易に機能材料の
外部に放出されると考えられる。
【0017】O2-(空孔)→1/2O2 (気相中)+2
- (機能材料) 上述したように、本発明の機能材料は電子導電性が高い
ので、酸化雰囲気下で酸素を吸収し、還元雰囲気下で酸
素を放出する能力に優れると考えられる。本発明の機能
材料は、400℃で比抵抗100Ω・cm程度の特性を
有している。
【0018】本発明の機能材料において、酸化雰囲気下
で酸素を吸収し、還元雰囲気下で酸素を放出する性能を
良好に発現させるためには、元素Αの割合、すなわち、
上記化学式におけるxの値を0.1〜1の範囲(ただ
し、端点は含まず)に設定すればよい。しかしながら、
上記化学式におけるxの値を0.2〜0.7、より好ま
しくは0.3〜0.7の範囲(端点を含む)に設定する
ことで、酸化雰囲気下で酸素を吸収し、還元雰囲気下で
酸素を放出する性能をより良好に発現させることができ
る。
【0019】また、本発明に係る機能材料を製造するに
あたっては、共沈法を用いて、元素Αをセリア(CeO
2 )へドープすることが好ましい。機能材料の粒子の粒
径としては、好ましくは0.01〜100μm程度であ
るが、0.1〜10μm程度にするとより好ましい。さ
らに、酸化雰囲気下で酸素を吸収し、還元雰囲気下で酸
素を放出する性能を良好に発現させるためには、機能材
料の表面積をなるべく大きくし、反応の場を増加させる
ことが望ましい。実用的には、機能材料の表面積が、B
ET表面積で1〜100[m2 /g]程度であれば、酸
化雰囲気下で酸素を吸収し、還元雰囲気下で酸素を放出
する性能を良好に発現させることができる。
【0020】なお、粒子の粒径とは、図4に示すよう
に、二次元的に認識された、任意の形状の機能材料の粒
子、例えば8を、二次元的に表される仮想粒子9に換算
した際の直径dを指すものとする。すなわち、任意の形
状の機能材料の粒子8の面積を求める。次に、求められ
た面積と等しい面積を有する円形の仮想粒子9を求め、
仮想粒子9の直径dを、機能材料8の粒径とする。上述
した機能材料の粒子の粒径は、仮想粒子9から求めた値
である。また、平均粒径とは、機能材料の集合体におい
て、各機能材料の粒径をもとにして得られる粒径の平均
値に相当する値である。以降、物質の粒径および平均粒
径は、上述した定義にしたがって算出した数値によって
与えるものとする。
【0021】次に、本発明に係る酸化触媒は、化学式:
(A xCe 1-x)O2 (式中、AはY、Scおよびラン
タノイドからなる群より選択された少なくとも1種の元
素、また、0.1 < x<1)で表される機能材料を具備し
たことを特徴としている。
【0022】また、本発明に係る酸化触媒は、化学式:
(A xCe 1-x)O2 (式中、AはY、Scおよびラン
タノイドからなる群より選択された少なくとも1種の元
素、また、0.1 < x<1)で表される機能材料と、貴金
属元素および貴金属元素を含む化合物からなる群より選
択された少なくとも1種の物質とを具備したことを特徴
としている。
【0023】さらに、本発明に係る燃焼触媒は、化学
式:(A xCe 1-x)O2 (式中、AはY、Scおよび
ランタノイドからなる群より選択された少なくとも1種
の元素、また、0.1 < x<1)で表される機能材料と、
貴金属元素および貴金属元素を含む化合物からなる群よ
り選択された少なくとも1種の物質とを具備したことを
特徴としている。
【0024】また、本発明に係るメタノール改質触媒
は、化学式:(A xCe 1-x)O2(式中、AはY、S
cおよびランタノイドからなる群より選択された少なく
とも1種の元素、また、0.1 < x<1)で表される機能
材料と、貴金属元素および貴金属元素を含む化合物から
なる群より選択された少なくとも1種の物質とを具備し
たことを特徴としている。
【0025】さらに、本発明に係る電極触媒は、化学
式:(A xCe 1-x)O2 (式中、AはY、Scおよび
ランタノイドからなる群より選択された少なくとも1種
の元素、また、0.1 < x<1)で表される機能材料と、
貴金属元素および貴金属元素を含む化合物からなる群よ
り選択された少なくとも1種の物質とを具備したことを
特徴としている。
【0026】本発明に係る酸化触媒、燃焼触媒、メタノ
ール改質触媒および電極触媒において、機能材料の特性
は、上述した通りである。また、酸化触媒、燃焼触媒、
メタノール改質触媒および電極触媒とは、機能材料、貴
金属元素または貴金属元素を含む化合物は勿論のこと、
機能材料、貴金属元素または貴金属元素を含む化合物と
他の添加物との混合物、機能材料、貴金属元素または貴
金属元素を含む化合物や前述の混合物を担持した担体、
機能材料、貴金属元素または貴金属元素を含む化合物、
前述の混合物あるいは前述の担体を具備した基材をも総
称する広範な概念である。
【0027】本発明の酸化触媒、燃焼触媒、メタノール
改質触媒および電極触媒は、化学反応に要する酸素を機
能物質にとりこみ、反応過程で酸素が欠乏した局面で酸
素を放出することで、反応過程における酸素の不足を解
消し、常に、化学反応を円滑に進めようとするものであ
る。
【0028】本発明の酸化触媒においては、機能材料を
単独で用いてもよいが、酸化反応をより円滑に進行させ
るために、機能材料と貴金属元素または貴金属元素を含
む化合物とを併用することがより好ましい。本発明の酸
化触媒、燃焼触媒、メタノール改質触媒および電極触媒
において、貴金属元素とは、金、銀および白金族元素
(Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPt)を総称す
るものである。また、貴金属元素を含む化合物とは、例
えば、貴金属元素の酸化物のことである。貴金属元素お
よび貴金属元素を含む化合物の粒子の粒径は、好ましく
は0.01〜100μm程度、より好ましくは0.1〜
10μm程度にする。
【0029】機能材料と貴金属元素または貴金属元素を
含む化合物との割合をどの程度とするかは触媒系によっ
て相違するが、おおよそ以下のように規定される。すな
わち、単位時間当たりに、機能材料から貴金属元素に供
給される酸素原子の合計量が、化学反応の過程で消費さ
れる酸素原子の量よりも多くなる、あるいは同量である
ようにすればよい。一般的には、機能材料を機能材料と
貴金属元素または貴金属元素を含む化合物からなる全体
の40〜90質量%、より好ましくは、50〜75質量
%程度に選択され、残りが貴金属元素または貴金属元素
を含む化合物となる。
【0030】また、本発明の酸化触媒、燃焼触媒、メタ
ノール改質触媒および電極触媒においては、機能材料や
貴金属元素または貴金属元素を含む化合物以外の成分
に、助触媒として、ニッケル、マグネシウム、チタン、
バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜
鉛、モリブデン、ランタノイドを含む希土類(スカンジ
ウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジ
ウム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピ
ウム、ガドニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホル
ミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテ
ニウム)、または、これらの金属の酸化物等を加えても
よい。特に、ニッケルまたはその酸化物を加えた場合に
は触媒活性の向上が大きい。
【0031】このとき、機能材料、貴金属元素または貴
金属元素を含む化合物および助触媒との割合は、触媒系
によって適宜設定されるので特に限定はされないが、一
般的には、機能材料を機能材料、貴金属元素または貴金
属元素を含む化合物および助触媒からなる全体の40〜
90質量%、より好ましくは、50〜75質量%程度に
選択し、貴金属元素または貴金属元素を含む化合物を機
能材料、貴金属元素および助触媒からなる全体の10〜
60質量%、より好ましくは、15〜40質量%程度に
選択する。そして、残りが助触媒となる。また、助触媒
の平均粒径は、0.01〜100μm程度が好ましく、
さらに好ましくは0.1〜10μm程度である。
【0032】また、本発明の酸化触媒、燃焼触媒、メタ
ノール改質触媒および電極触媒においては、機能材料あ
るいは機能材料と貴金属元素または貴金属元素を含む化
合物とを、粒子の形態のまま触媒として用いることも可
能であるが、好ましくは、機能材料あるいは機能材料と
貴金属元素または貴金属元素を含む化合物の粒子を他の
担体に担持させることが好ましい。また、機能材料ある
いは機能材料と貴金属元素または貴金属元素を含む化合
物とに助触媒を添加した場合においても、これらの粒子
を他の担体に担持させることが好ましい。担体は、触媒
としての使用に際し、機能材料、貴金属元素または貴金
属元素を含む化合物および助触媒が凝集する現象を防止
するとともに、自らの内部に形成された細孔によって触
媒活性を向上させること等にも貢献しており、また、触
媒層を形成した場合には触媒層中に細孔を形成する効果
を有する。
【0033】担体を構成する物質としては、酸化物また
は窒化物あるいは炭化物等のセラミックスが挙げられ
る。金属を担体とすると、雰囲気中に含まれる酸素と反
応して金属担体自体が酸化し、最終的に酸化物担体とな
る場合があるが、酸化しないものは金属担体として使用
可能である。これらの中で、金属酸化物、特に遷移金属
元素の酸化物は、機能材料や貴金属元素との間で酸素の
やりとりを行って触媒活性を向上させる助力となりうる
ので好ましい。特に、酸化物の中ではジルコニア(Zr
2 )が望ましく、さらにイットリア(Y2 3 )によ
る安定化を行った立方晶系ジルコニアが望ましい。ま
た、担体は、上記の物質から選択された2種類以上の混
合系でもよい。さらに、本発明に係る機能物質自身を担
体として貴金属元素を担持することもでき、他の物質を
担体として使用しないことも可能である。
【0034】機能材料を担体に担持する場合、機能材料
と担体との割合は特に限定はされないが、一般的には、
機能材料を機能材料と担体からなる全体の30〜70質
量%、より好ましくは、40〜60質量%程度に選択
し、残りを担体とする。また、機能材料と貴金属元素ま
たは貴金属元素を含む化合物とを担体に担持する場合、
機能材料、貴金属元素または貴金属元素を含む化合物お
よび担体との割合は、触媒系によって適宜設定されるの
で特に限定はされないが、一般的には、機能材料を機能
材料、貴金属元素または貴金属元素を含む化合物および
担体からなる全体の30〜60質量%、より好ましく
は、40〜60質量%程度に選択し、貴金属元素または
貴金属元素を含む化合物を機能材料、貴金属元素または
貴金属元素を含む化合物および担体からなる全体の10
〜30質量%、より好ましくは、15〜30質量%程度
に選択する。そして、残りを担体とする。さらに、機能
材料、貴金属元素または貴金属元素を含む化合物および
助触媒を担体に担持する場合、機能材料、貴金属元素ま
たは貴金属元素を含む化合物、助触媒および担体の割合
は、触媒系によって適宜設定されるので特に限定はされ
ないが、一般的には、機能材料を機能材料、貴金属元素
または貴金属元素を含む化合物、助触媒および担体から
なる全体の30〜60質量%、より好ましくは、40〜
60質量%程度に選択し、貴金属元素または貴金属元素
を含む化合物を機能材料、貴金属元素または貴金属元素
を含む化合物、助触媒および担体からなる全体の10〜
30質量%、より好ましくは、10〜20質量%程度に
選択する。そして、助触媒を機能材料、貴金属元素また
は貴金属元素を含む化合物、助触媒および担体からなる
全体の5〜20質量%、より好ましくは、5〜10質量
%程度に選択し、残りを担体とする。
【0035】機能材料と貴金属元素、あるいは機能材
料、貴金属元素または貴金属元素を含む化合物および助
触媒を担体に担持した場合には、機能材料と貴金属元素
または貴金属元素を含む化合物、あるいは機能材料と貴
金属元素または貴金属元素を含む化合物および助触媒と
の距離は近接しているほど好ましいが、特に接触してい
る必要はない。機能材料と貴金属元素または貴金属元素
を含む化合物、あるいは機能材料と貴金属元素または貴
金属元素を含む化合物および助触媒との距離が数nm程
度であれば、貴金属元素または貴金属元素を含む化合物
に対し機能材料の特性は十分に発揮される。
【0036】機能材料、貴金属元素または貴金属元素を
含む化合物または助触媒を担体に担持する方法として
は、ミリング法、含浸法、共沈法あるいはスパッタ法等
が挙げられる。機能材料、貴金属元素または貴金属元素
を含む化合物または助触媒を担体(酸化物または窒化物
あるいは炭化物等のセラミックス)に担持させるには、
単に両者の粉末を混ぜ合わせるだけでもよいが、機能材
料、貴金属元素または貴金属元素を含む化合物または助
触媒と耐熱性物質との接触が密になり、接触面積も増え
て良好な接触が維持される結果、これらの相互作用が高
まることから、ボールミルを用いてミリングするのが好
ましい。混合の際、通常、雰囲気条件は特に限定されな
い。また、含浸法、メッキ法、スパッタ法、共沈法等に
よっても得ることができる。
【0037】また、機能材料、貴金属元素または貴金属
元素を含む化合物または助触媒を担体に担持して粉末と
した場合、この粉末の平均粒度を、0.01〜100μ
m程度とすることが好ましいが、0.1〜10μm程度
とするとより好ましい。ミリング法によって、機能材
料、貴金属元素または貴金属元素を含む化合物または助
触媒を担体に担持して粉末とした場合には、0.01〜
1μm以下の粒径の1次粒子が凝集し、この程度の大き
さの粒径を有する2次粒子を生成していることが好まし
い。
【0038】なお、担体に機能材料あるいは機能材料と
貴金属元素とを担持する際、助触媒も担持する場合に
は、担体と、機能材料あるいは機能材料または貴金属元
素を含む化合物と貴金属元素との混合時に、助触媒を同
時に添加してもよいし、混合した後に改めて添加しても
よい。
【0039】上述したように、本発明の酸化触媒、燃焼
触媒、メタノール改質触媒および電極触媒は、化学反応
に要する酸素を機能物質にとりこみ、反応過程で酸素が
欠乏した局面で酸素を放出することで、反応過程におけ
る酸素の不足を解消し、常に、化学反応を円滑に進めよ
うとするものである。
【0040】ここで、貴金属元素としてパラジウムを用
いた燃焼触媒を例として、触媒反応の過程を説明する。
なお、この燃焼触媒は、燃料の燃焼時において、触媒活
性の高い金属酸化物である酸化パラジウムから奪われる
量に相当する酸素を、酸素イオンの動きやすい機能材料
によって気相中から供給して補うことにより、パラジウ
ムの再酸化速度の遅れを解消し、常に触媒活性の高い酸
化物状態、すなわち酸化パラジウムを維持するものであ
る。すなわち、燃料の燃焼時にレドックスサイクル反応
(燃焼)で酸化パラジウムから酸素が奪われると、パラ
ジウムを担持している機能材料の表面で酸素が解離し、
機能材料を通じて酸素の欠乏したパラジウムに酸素が供
給されるので、パラジウムは常に触媒活性の高い酸化パ
ラジウムの状態に保たれ、長期にわたって触媒活性が維
持されるのである。
【0041】図2は、燃焼触媒1の一部を模式的に拡大
して示したもので、2は酸化パラジウム、3は酸化パラ
ジウム2を担持し、担体としても機能している機能材料
である。4は機能材料3と酸素およびメタン等の可燃性
ガスの存在する気相との接触領域である界面、5は酸化
パラジウム2と機能材料3との接触領域である界面であ
る。そして、図2に示す界面4、機能材料3の内部、界
面5、酸化パラジウム2の4つの領域においては、以下
のように反応が進行すると考えられる。
【0042】(界面4)以下の反応により、酸素が気相
中より機能材料3の内部にある空孔に取り込まれる。
【0043】1/2O2 (気相中)+2e- (機能材料
3)→O2-(機能材料3の内部) (酸化物担体3の内部)機能材料3の内部に界面4から
酸素が取り込まれるのに対し、界面5に接した酸化パラ
ジウム2では燃焼反応の進行に伴い酸素の欠乏が顕著と
なっている。この欠乏が原動力となり、界面4から取り
込まれた酸素が酸素イオンとして界面4から界面5に移
動する。
【0044】(界面5)酸素の欠乏が顕著となってお
り、還元状態の(酸化)パラジウム2に対し、以下の反
応により機能材料3の内部より酸素イオンが供給され
る。
【0045】O2-(機能材料3の内部)+Pd((酸
化)パラジウム2)→PdO(酸化パラジウム2)+2
- (機能材料3) PdOが、メタンとの燃焼反応に再び関与する。
【0046】上記4つの領域での反応を介し、気相〜機
能材料3〜還元状態の(酸化)パラジウム2へと酸素の
供給が順次行われることにより、酸化パラジウム2の再
酸化速度の遅れが解消され、燃焼時の触媒活性に持続性
が得られる。
【0047】なお、ここでは、機能材料とともに貴金属
元素としてパラジウムを用いた燃焼触媒を例として反応
機構を説明したが、本発明に係る酸化触媒、燃焼触媒、
メタノール改質触媒および電極触媒においても同様の機
構によって反応を触媒するものであり、実施の形態とし
ては、特にこの例に限定されるものではない。
【0048】本発明に係る酸化触媒、燃焼触媒、メタノ
ール改質触媒および電極触媒においては、機能材料、貴
金属元素または貴金属元素を含む物質および助触媒は、
粉末として利用したり、上述したように担体に担持させ
た粉末として利用することが可能であるが、必要に応じ
て、これらの粉末を基材上に被着・担持させることが好
ましい。これらの粉末を被着・担持させる基材として
は、たとえば、耐熱セラミック製、もしくは耐熱耐酸化
金属製の板、パイプ、発泡体、ペレットあるいは開口部
が正方形、長方形、三角形あるいは六角形等に仕切られ
たハニカム等が挙げられる。すなわち、基材は、触媒の
使用環境に適合した形状に加工されるが、例えば、自動
車排ガス用触媒では、図3に示した基材6のように、通
風抵抗をより減少させるために、ハニカム壁7を 0.1〜
0.5mm程度にまで薄くしたハニカム構造に構成され
る。
【0049】さらに、ガスタービンの燃焼器に用いる場
合のように、厳しい熱環境下で使用する場合には、基材
にも耐熱性が要求されるので、高温酸化性雰囲気中でも
安定性を有する材質、例えば、アルミナ、シリカ、マグ
ネシア、コーラジェライト、ムライト、α−アルミナ、
ジルコニアスピネル、チタニアなどのセラミック、もし
くはステンレス鋼、ハステロイ、インコネル、その他の
耐熱金属等が挙げられるが、特に厳しい熱環境下で使用
する場合には、 IN738、Mar-M247、 IN939等のNi基耐熱
合金や、 FSX-414、HS-188、 MM509等のCo基耐熱合金を
用いることが有効である。
【0050】機能材料、貴金属元素または貴金属元素を
含む物質または助触媒を含む粉末や、これらの粉末を担
体に担持させた粉末を基材上に被着・担持させるために
は、これらの粉末を含むスラリーを作成して基材上に塗
布し、その後焼結することにより行うことができる。ま
た、機能材料、貴金属元素または貴金属元素を含む物質
または助触媒を含む粉末や、これらの粉末を担体に担持
させた担持体を、基材に対して熔射することによって被
着・担持させた場合には、基材とこれらの粉末とが強固
に結合するため、高温・高速のガスが流れるような過酷
な環境下においても耐摩耗性および耐剥離性に優れた触
媒を得ることができるのでより好ましい。基材上に触媒
層を形成するための溶射としては、プラズマ溶射法やガ
ス溶射法等、各種の溶射方法を適用することができる。
また、熔射によって触媒層を形成した場合には、触媒層
の表面積が小さくなる傾向があるので、上述の粉末にグ
ラファイトやポリエステル等の炭素材を添加して混合物
とし、基材上にこの混合物を溶射して触媒層を形成した
後、触媒層を活性ガス雰囲気中で加熱処理し、炭素材を
燃焼させる処理を行うと、触媒層から炭素材が除去され
る際に触媒層に多数の通路が形成されて触媒層の表面積
が増大し、触媒活性が高くなるので好ましい。
【0051】さらに、触媒層と基材との剥離をより抑制
するために、触媒層と基材との間にニッケル、コバル
ト、鉄およびクロムの少なくとも1つの元素を含むボン
ド層を形成するとより好ましい。このボンド層は緻密で
あればよく、特に形成方式を限定するものではないが、
その密度が実質的にガスが透過しない程度であるように
形成すると好ましい。
【0052】また、本発明の酸化触媒、燃焼触媒、メタ
ノール改質触媒および電極触媒において、機能材料、貴
金属元素または貴金属元素を含む物質または助触媒を含
む粉末や、これらの粉末を担体に担持させた粉末を基材
上に被着・担持させた場合には、基材表面に形成された
触媒層を5〜100μm程度の厚さとし、触媒層の気孔
率をBET表面積で5〜50m2 /g程度とすると、触
媒反応を良好に保つことができるので好ましい。
【0053】なお、本発明の機能材料は、酸素吸収・放
出特性が要求される多方面の分野において適宜適用する
ことができるものであり、酸化触媒、燃焼触媒、メタノ
ール改質触媒および電極触媒への適用に限定されるもの
ではない。
【0054】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面を
用いて詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に
限定されるものではない。
【0055】(実施例1)炭酸セリウム(Ce 2(C0
33 )および炭酸ネオジム(Nd 2(C0 33 )を
出発材料として、化学式:(Nd xCe 1-x)O2 で示
される平均粒径1μmの機能材料を、 xが所定の値、す
なわち、0.01、0.05、0.1、0.15、0.
3、0.4、0.5、0.8および0.9となるように
共沈法によって作成した。これらの機能材料を、それぞ
れ、機能材料Α、機能材料B、機能材料C、機能材料
D、機能材料E、機能材料F、機能材料G、機能材料Η
および機能材料Iとする。
【0056】次に、機能材料Α〜機能材料Iについて、
酸素の吸収および放出特性を明らかにするため、同位体
酸素(18O)を用いて、昇温脱離(TPD)測定を行っ
た。なお、TPD測定は、予め、機能材料Α〜機能材料
Iのセットされたセルを装着した閉塞系において、60
0℃で1時間、300Torrの条件で18Oによる処理
を行い、機能材料Α〜機能材料Iの表面および格子に存
在する酸素(16O)と同位体酸素(18O)とを置換した
機能材料Α〜機能材料Iを用いた。そして、TPD測定
は、酸素21%(窒素バランス)の Airを毎分100m
lの流量で流通させながら行った。
【0057】TPD測定の結果、TPDの活性は、機能
材料Fが最も高く、次いで、機能材料Gと機能材料Eが
高かった。また、 xの値が0.1未満である機能材料
Α、機能材料Βおよび機能材料Cでは、TPDの活性が
低かった。機能材料D、機能材料Hおよび機能材料Iの
TPDの活性は、機能材料E、機能材料Fおよび機能材
料GのTPDの活性と、機能材料Α、機能材料Βおよび
機能材料CのTPDの活性とのほぼ中間に位置し、3つ
とも、ほぼ同じTPDの活性を示した。
【0058】図1に、300〜600℃の温度範囲にお
ける、機能材料Α〜機能材料Iの酸素吸収・放出特性を
示す。図1から明らかなように、酸素吸収・放出特性
は、機能材料Fが1260μmol/gと最も高く、機能材
料Αが420μmol/gと最も低かった。また、機能材料
Dは、機能材料Fと機能材料Αとのほぼ中間に位置する
960μmol/gであった。
【0059】以上の結果から、本発明に係る機能材料
は、機能材料Α、機能材料Βおよび機能材料Cに代表さ
れる従来のセリウム酸化物と比較して、極めて優れた酸
素吸収・放出特性を発揮することが明らかとなった。
【0060】(実施例2)実施例1で作成された機能材
料Α、機能材料Dおよび機能材料Fに、それぞれ平均粒
径1μmのΡdを無電解メッキによって10wt%ずつ
担持して、触媒A、触媒Dおよび触媒Fを作成した。
【0061】次に、触媒A、触媒Dおよび触媒Fについ
て、メタノ一ル改質触媒としての性能を調べるため、反
応器セルにそれぞれ触媒A、触媒Dおよび触媒Fをセッ
トして、大気圧中、反応温度を400℃として、純度9
9%のメタノールを供給した。 その結果、メタノ一ル
の転化率は、触媒Αが69%、触媒Dが81%、触媒F
が95%であり、実施例1で示された酸素吸収・放出特
性に従った結果となった。 以上の結果から、本発明の
機能材料を用いた触媒は、触媒Αに代表される従来のセ
リウム酸化物を用いた触媒と比較して、メタノ一ル改質
触媒として優れた機能を発揮することが明らかとなっ
た。
【0062】(実施例3)実施例1で作製された機能材
料Fと、平均粒径1μmの白金を1wt%担持した黒鉛
とを、乳鉢にて1:4の重量比で乾式混合した後、銅線
とともに加圧成型して10mm×15mm角の電極板を
作製した。
【0063】次いで、電極板を電解セル中の1Μ水酸化
ナトリウム水溶液中に浸漬し、対極に白金板を用いて、
電圧を印加しながら一酸化炭素(CO)を電極板にバブ
リングさせた。すると、COの酸化による電流が流れ、
標準水素電極基準で100mVの過電圧を印加した時、
電流値は0.15mΑであった。
【0064】一方、白金を1wt%担持した黒鉛を用い
て電極板を作製した以外は、全く同様の条件で、電圧を
印加しながら一酸化炭素(CO)を電極板にバブリング
させた。しかしながら、この場合には、標準水素電極基
準で350mVの過電圧を印加しなければ、0.15m
Αの電流値を得ることはできなかった。
【0065】以上の結果から、本発明の機能材料を用い
た触媒は、印加電圧を低下させることを可能とし、電極
触媒として優れた機能を発揮することが明らかとなっ
た。
【0066】(実施例4)平均粒径1μmのα−Αl 2
3 (以下、単にΑl 23 とする)を担体として、P
dをΑl 23 上に無電解メッキによって担持させ、平
均粒径1.5μmの担持体を得た。なお、PdとΑl 2
3 との重量比は1:1である。次に、担持体50重量
部と、実施例1で作成された機能材料F50重量部とを
よく混合し、触媒原料粉末Jを得た。次いで、触媒原料
粉末Jに水を加えてスラリーを作成した。そして、外形
寸法が直径30mm、流れ方向の長さ170mmの、多
数のガス流路を有するハニカム形状の耐熱性金属構造基
材へスラリーを塗布し、乾燥後、900℃、24時間、
大気中で焼成を行って燃焼触媒Kを得た。
【0067】一方、対照として、機能材料Fを加えず、
耐熱構造基材上へ担持されるPd量が燃焼触媒Kと同じ
となるように設定された燃焼触媒Lを、燃焼触媒Kに準
じて作製した。
【0068】そして、燃焼触媒Kおよび燃焼触媒Lを反
応管にそれぞれ充填し、ガスタービン燃焼器の模擬試験
(燃焼試験)を行った。なお、反応管へは、空気を2N
−m3 /min、メタンを60N−L/minの流量でそれぞれ
供給した。また、反応管内の圧力を0.7ΜPaとし、
反応管に供給する空気の温度を変化させて、反応管出口
での燃焼効率を測定した。
【0069】その結果、燃焼効率90%を達成するのに
必要な温度は、燃焼触媒Kを用いた場合には約400℃
であったが、燃焼触媒Lを用いた場合には、約500℃
になるまで燃焼が始まらなかった。
【0070】以上の結果から、本発明の機能材料を用い
た触媒は、低温域から燃料を燃焼させることを可能と
し、燃焼触媒として優れた機能を発揮することが明らか
となった。
【0071】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、化
学式:(A xCe 1-x)O2 (式中、AはY、Scおよ
びランタノイドからなる群より選択された少なくとも1
種の元素)で表されるセリウム酸化物において、元素Α
の割合、すなわち上記化学式におけるxの値を0.1 < x
<1の範囲に規定したので、酸化雰囲気下で酸素を吸収
し、還元雰囲気下で酸素を放出する能力に優れる機能材
料を提供することができる。
【0072】また、本発明によれば、酸化雰囲気下で酸
素を吸収し、還元雰囲気下で酸素を放出する能力に優れ
る機能材料を適用しているので、触媒活性が高く、触媒
活性の持続性にも優れ、エネルギー資源の効率的な利用
と環境汚染物質の低減とを達成した酸化触媒、燃焼触
媒、メタノール改質触媒および電極触媒を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】300〜600℃の温度範囲における、機能材
料Α〜機能材料Iの酸素吸収・放出特性を示した図。
【図2】燃焼触媒1の一部を模式的に拡大して示した
図。
【図3】ハニカム構造に構成された基材を示した図。
【図4】粒子の粒径の算出方法を示した図。
【符号の説明】
1……燃焼触媒 2……酸化パラジウム 3……機能材
料 4……界面 5……界面 6……基材 7……ハニカム
壁 8……任意の形状の粒子 9……仮想粒子
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C01F 17/00 H01M 4/90 X C07C 31/04 B01D 53/36 104A H01M 4/90 B01J 23/56 301M

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式:(A xCe 1-x)O2(式中、
    AはY、Scおよびランタノイドからなる群より選択さ
    れた少なくとも1種の元素、また、0.1 < x<1)で表
    される機能材料。
  2. 【請求項2】 化学式:(A xCe 1-x)O2(式中、
    AはY、Scおよびランタノイドからなる群より選択さ
    れた少なくとも1種の元素、また、0.1 < x<1)で表
    される機能材料を具備したことを特徴とする酸化触媒。
  3. 【請求項3】 化学式:(A xCe 1-x)O2(式中、
    AはY、Scおよびランタノイドからなる群より選択さ
    れた少なくとも1種の元素、また、0.1 < x<1)で表
    される機能材料と、 貴金属元素および貴金属元素を含む化合物からなる群よ
    り選択された少なくとも1種の物質とを具備したことを
    特徴とする酸化触媒。
  4. 【請求項4】 化学式:(A xCe 1-x)O2(式中、
    AはY、Scおよびランタノイドからなる群より選択さ
    れた少なくとも1種の元素、また、0.1 < x<1)で表
    される機能材料と、 貴金属元素および貴金属元素を含む化合物からなる群よ
    り選択された少なくとも1種の物質とを具備したことを
    特徴とする燃焼触媒。
  5. 【請求項5】 化学式:(A xCe 1-x)O2(式中、
    AはY、Scおよびランタノイドからなる群より選択さ
    れた少なくとも1種の元素、また、0.1 < x<1)で表
    される機能材料と、 貴金属元素および貴金属元素を含む化合物からなる群よ
    り選択された少なくとも1種の物質とを具備したことを
    特徴とするメタノール改質触媒。
  6. 【請求項6】 化学式:(A xCe 1-x)O2(式中、
    AはY、Scおよびランタノイドからなる群より選択さ
    れた少なくとも1種の元素、また、0.1 < x<1)で表
    される機能材料と、 貴金属元素および貴金属元素を含む化合物からなる群よ
    り選択された少なくとも1種の物質とを具備したことを
    特徴とする電極触媒。
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