JP2005334751A - 一酸化炭素選択酸化触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温領域において、特に高空間速度条件下においても優れたCO選択酸化活性を示すCO選択酸化触媒を提供する。
【解決手段】 白金およびコバルトが無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒において、前記CO選択酸化触媒におけるコバルトの触媒表面密度DCoが4.00×10−6〜5.00×10−5モル/mであるCO選択酸化触媒により、上記課題は解決される。
【選択図】図1

Description

本発明は、一酸化炭素を選択的に酸化するための、一酸化炭素選択酸化触媒に関する。詳細には、本発明は、低温においても高い一酸化炭素選択酸化活性を示す一酸化炭素選択酸化触媒に関する。
近年、種々の水素−酸素燃料電池が開発されており、中でも、低温(通常100℃以下)で作動可能な固体高分子型燃料電池が注目を集め、自動車用低公害動力源としての実用化が検討されている。
固体高分子型燃料電池では、純粋な水素を燃料源として用いることがエネルギー効率の観点からは好ましいが、安全性やインフラの普及等を考慮すると、アルコール、ガソリン、軽油等の液体を燃料源として用い、これらを改質装置によって水素リッチな改質ガスに転換する方法も有望な候補となる。
炭化水素系液体燃料を燃料源として用いた場合、改質ガス中にはある程度の量の一酸化炭素(本明細書中、「CO」とも称する)が残存する。このCOは、燃料電池の電極に用いられている白金系触媒に対し、触媒毒として作用するので、このCOを例えばCOに転化するなどして除去し、白金系電極触媒に対する被毒を防止する必要がある。具体的には、まずシフト反応(CO+HO→CO+H)を利用し、改質ガス中に含まれるCO濃度を1体積%程度にまで低減し、次いで、貴金属等が無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒を用い、酸素を導入してCOを酸化除去(COに転化)する方法が提案されている。
この場合、CO選択酸化触媒付近において酸化反応が進行して、触媒温度が上昇する。その結果、逆シフト反応(CO+H→CO+HO)によるCO濃度の増加や、メタン化反応(CO+3H→CH+HO、CO+4H→CH+2HO)による水素の消費、といった問題が生じる。このため、熱交換器などを用いてCO選択酸化触媒層の温度を比較的低い温度範囲に維持し、上記の好ましくない反応を抑制する工夫が施されるのが一般的である。
上記の好ましくない反応は、低温条件ほど効果的に抑制されうるため、低温活性に優れる触媒が望まれている。また、自動車に搭載する改質装置を考えると、頻繁な起動停止や激しい負荷変動があることから、雰囲気変動に強い触媒が望まれる。以上の観点から、貴金属系、とりわけ白金系触媒が有望である。反面、白金系触媒の欠点として、低温条件下では白金原子にCOが強く吸着するという吸着被毒現象により、COの除去効率が低下するという問題がある。
かような問題に鑑み、白金系触媒に、鉄やコバルト等の遷移金属をさらに添加して、低温領域におけるCO選択酸化活性を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献1および2を参照)。
特開2001−149781号公報 特開2002−306972号公報
しかしながら、上記の特許文献に記載のCO選択酸化触媒を用いたとしても、低温領域におけるCO選択酸化活性が不充分な場合があった。また、50000h−1、さらには100000h−1を超えるような高空間速度条件下におけるCO選択酸化活性についても明らかではない。
改質装置を車載する場合には、そのサイズが非常に重要であり、改質装置のサイズを左右する触媒のコンパクト化が求められている。この観点からも、低温条件下において高活性を発揮する高性能CO選択酸化触媒の開発が望まれている。
そこで本発明は、低温領域において優れたCO選択酸化活性を示すCO選択酸化触媒を提供することを目的とする。特に本発明は、100000h−1を超えるような高空間速度条件下においても優れたCO選択酸化活性を示すCO選択酸化触媒を提供することを目的とする。
本発明は、白金およびコバルトが無機担体に担持されてなる一酸化炭素選択酸化触媒において、前記一酸化炭素選択酸化触媒におけるコバルトの触媒表面密度DCoが4.0×10−6〜5.0×10−5モル/mである、一酸化炭素選択酸化触媒である。
本発明のCO選択酸化触媒によれば、低温領域におけるCO選択酸化活性が向上しうる。本発明のCO選択酸化触媒は、高空間速度条件下において、特に優れたCO選択酸化活性を発揮しうる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本願発明の第1は、白金およびコバルトが無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒において、前記CO選択酸化触媒におけるコバルトの触媒表面密度DCoが4.00×10−6〜5.00×10−5モル/mである、CO選択酸化触媒である。なお、本願において「CO選択酸化触媒」とは、少なくともCOおよびOを含有するガスに接触して、前記ガス中のCOのCOへの転化を選択的に促進させる触媒をいう。また、本願において「低温」とは、例えば、200℃以下の温度をいい、より詳細には、100〜180℃程度の温度をいう。
上述したように、従来、貴金属である白金が無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒において、遷移金属成分をさらに担持させると、低温領域におけるCO除去性能が向上することが知られている。そこで、本発明者は、遷移金属の中でもコバルトに着目し、白金に加えてコバルトが担持されてなるCO選択酸化触媒のCO除去性能のさらなる向上を目指して、担持成分の担持量を最適化すべく、鋭意研究を行った。
ここで、遷移金属であるコバルトの添加によりCO除去性能が向上するメカニズムはいまだ不明であるが、コバルトの存在により酸素や水などが活性化されて何らかの活性種(本明細書中、「CO酸化活性種」とも称する)が生成し、生成した活性種により白金原子上に吸着されたCOがCOへと酸化されることで、COが除去されるものと推測される。この推測によれば、COを吸着する成分である白金原子の周囲に、COをCOへと酸化除去するのに有効なCO酸化活性種を生成させるコバルト成分を適度な量で存在させることによって、CO選択酸化触媒のCO除去性能を向上させうると考えられる。
上述したように、CO酸化活性種は、酸素や水などがコバルト原子により活性化されることにより生成するものと推測される。ここで、本発明者は、白金原子の周囲においてCO酸化活性種を生成させるコバルト成分が適度な量で存在しているか否かの指標として、CO選択酸化触媒におけるコバルトの触媒表面密度に着目した。また本発明者は、このコバルトの触媒表面密度を制御することによって、CO選択酸化触媒のCO除去性能を向上させうることを見出し、本発明を完成させるに至った。コバルトの触媒表面密度が所定の範囲の値であると、白金原子にCO酸化活性種を有効に供給でき、CO選択酸化触媒のCO除去性能が向上しうる。
本発明において、「コバルトの触媒表面密度DCo」は、CO選択酸化触媒の表面積に対する、担持されたコバルト原子のモル数として定義され、その単位は、例えば「モル/m」で表される。本発明のCO選択酸化触媒において、コバルトの触媒表面密度DCoは、好ましくは4.00×10−6〜5.00×10−5モル/mであり、より好ましくは6.00×10−6〜3.00×10−5モル/m、さらに好ましくは8.00×10−6〜2.00×10−5モル/mである。コバルトの触媒表面密度DCoが小さすぎると、充分な量のCO酸化活性種が生成せず、白金原子上に吸着されたCOが効率的にCOへと転化されない虞がある。一方、コバルトの触媒表面密度DCoが大きすぎると、コバルト原子により白金原子が被覆されてしまい、触媒のCO除去性能が低下する虞がある。
CO選択酸化触媒におけるコバルトの触媒表面密度DCoは、基本的に、コバルト原料の量、用いる無機担体の比表面積、および乾燥、焼成などの担持条件を調整することによって制御されうるが、コバルト原料の種類によっても影響を受ける場合があるため、予めその影響を明確にしておくことが好ましい。
具体的には、例えばコバルト原料の量を減少させ、または無機担体の比表面積を増加させることにより、コバルトの触媒表面密度DCoを減少させうる。一方、コバルト原料の量を増加させ、または無機担体の比表面積を減少させることにより、コバルトの触媒表面密度DCoを増加させうる。
CO選択酸化触媒におけるコバルトの触媒表面密度DCoは、触媒単位質量あたりに担持されるコバルト原子のモル数と、触媒の比表面積とから算出されうる。なお、触媒および無機担体の比表面積は、BET法などの従来周知の方法により測定されうる。また、触媒単位質量あたりに担持されるコバルト原子のモル数は、ICP(誘導結合プラズマ)法などの従来周知の方法により測定されうる。
以下、コバルトの触媒表面密度DCoの算出過程につき、詳細に説明する。
例えば、CO選択酸化触媒の比表面積が54.0m/gであり、コバルト原子の担持量が触媒の全量に対して5.0質量%である場合には、コバルトの触媒表面密度DCoは下記数式1のように算出される。なお、コバルト原子の原子量は58.9である。
Figure 2005334751
続いて、本発明のCO選択酸化触媒の構成について説明する。本発明のCO選択酸化触媒は、無機担体を含み、前記無機担体に、触媒金属として少なくとも白金およびコバルトが担持されてなる。
本発明のCO選択酸化触媒において無機担体に担持される触媒金属としては、白金およびコバルトが必須である。無機担体へのこれらの触媒金属の担持量は特に制限されず、無機担体の量や所望の触媒性能などを考慮して、適宜調節されうる。コバルトの担持量は、例えば、無機担体の比表面積等を考慮した上で、コバルトの触媒表面密度DCoが上述の範囲の値となるようにコバルト原料の量を増減させることによって、適宜調節されうる。
白金の担持量は特に制限されないが、コバルトと同様、白金の触媒表面密度が所定の範囲の値となるように白金原料の量を増減させることによって、適宜調節されうる。ここで本発明のCO選択酸化触媒において、白金の触媒表面密度DPtは、この値に制限されないが、好ましくは2.00×10−7〜7.00×10−6モル/m、より好ましくは4.00×10−7〜6.00×10−6モル/m、さらに好ましくは8.00×10−7〜4.00×10−6モル/mである。ここで、COを酸化するための主たる活性部位は白金であるため、白金の触媒表面密度DPtが小さすぎると触媒のCO除去性能が低下する虞がある。一方、白金は高価であるため、白金の触媒表面密度DPtが大きすぎると、担持量に見合った効果が得られずコスト面で不利になる虞がある。なお、白金の触媒表面密度DPtは、コバルトの触媒表面密度DCoについて上記で説明したのと同様に算出され、また、その値についても、コバルトの場合と同様に制御されうる。
本発明のCO選択酸化触媒は、COを吸着するための白金と、白金原子上に吸着されたCOをCOへと酸化除去するためのCO酸化活性種を生成するコバルトとを用いており、この両成分の担持量のバランスが良好に保たれると、触媒のCO除去性能が優れる。かような観点から、本発明のCO選択酸化触媒において、白金の担持量とコバルトの担持量との合計量に対する、前記コバルトの担持量の質量比(Co/Pt+Co)は、好ましくは0.7より大きく1.0未満であり、より好ましくは0.8〜0.9であり、さらに好ましくは0.8〜0.85である。また、別の表現を用いれば、本発明のCO選択酸化触媒において、白金の担持量に対する、前記コバルトの担持量のモル比(Co/Pt)は、好ましくは8以上100未満であり、より好ましくは13.2〜31.2であり、さらに好ましくは13.2〜19.5である。これらの値が上記した範囲であると、コバルトによりCO酸化活性種が生成する量と、生成したCO酸化活性種が白金により消費される量とのバランスが良好に保たれ、その結果、CO除去性能に優れるCO選択酸化触媒が得られる。また、従来のCO選択酸化触媒よりも白金の担持量が比較的少ないため、コストの面でも有利である。なお、上述した白金担持量とコバルト担持量の合計量に対するコバルト担持量の質量比および白金担持量に対するコバルト担持量のモル比は、触媒を製造する際に用いられる白金原料およびコバルト原料中の白金量、コバルト量から算出され、これらの原料の量を調節することにより制御されうる。また、白金担持量に対するコバルト担持量のモル比(Co/Pt)の値は、上記で説明した白金の触媒表面密度DPtに対するコバルトの触媒表面密度DCoの比(DCo/DPt)の値としても、算出されうる。
無機担体への白金およびコバルトの担持量は、上述のとおり特に制限されないが、後述する好ましい形態を有する無機担体が用いられる場合、コバルトの担持量は、触媒の全量に対して0.5〜12.5質量%程度とするとよい。同様に、白金の担持量は、触媒の全量に対して0.05〜3質量%程度とするとよい。ここで、本発明のCO選択酸化触媒が用いられる際の空間速度条件に応じて、必要とされる白金およびコバルトの担持量は変化しうる。このため、上記の有効な担持量の値には幅が生じるが、例えば、自動車に搭載される場合のように100000h−1を超えるような高空間速度条件下において用いられる場合の好ましい担持量は、触媒の全量に対してコバルトが1.5〜10質量%程度、白金が0.4〜2質量%程度である。これに対し、民生用機器に用いられる場合のように10000h−1を下回るようなそれほど高くない空間速度条件下で用いられる場合の担持量は、触媒の全量に対してコバルトが0.5〜5質量%程度、白金が0.08〜1質量%程度あれば充分である。
なお、本願において触媒成分の担持量とは、特に断りのない限り、金属換算した上での質量をいう。例えば、白金またはコバルトが金属酸化物として含有されている場合には、金属酸化物としての質量ではなく、金属酸化物中の金属原子部分の質量をいう。
本発明のCO選択酸化触媒においては、白金およびコバルトが必須の触媒金属として無機担体に担持され、白金およびコバルトがCO酸化活性種を介して協調することにより、COが効率よく酸化除去されうる。しかしながら、本発明の効果を損なわないのであれば、これら以外の金属成分が無機担体に担持されていてもよい。
例えば、白金に加えて、ルテニウム、ロジウム、パラジウム等の貴金属がさらに担持されていてもよい。また、コバルトに加えて、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム等の希土類金属や、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属が担持されていてもよい。これらの金属の担持量は、特に制限されないが、触媒の全量に対して0.05〜3質量%程度が適当である。
無機担体としては、特に制限されず、担体として機能しうる各種の無機化合物が用いられうる。例えば、アルミナ(α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、ベーマイトアルミナなど)、チタニア、シリカ、シリカアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ゼオライト等の通常用いられる化合物が同様に用いられうる。これらの化合物は、1種のみが単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの無機化合物は、触媒の担体成分として広く用いられており、原料の入手、担体の製造や取扱いが容易である。また、無機担体の形状などは特に制限されず、所望の触媒活性等を考慮して適宜選択されうる。なお、無機担体の比表面積(窒素吸着によるBET比表面積)は、特に制限されないが、好ましくは25〜120m/g、より好ましくは30〜90m/g、さらに好ましくは40〜70m/gである。無機担体の比表面積をかような範囲の値に調節することによって、触媒金属の触媒表面濃度が所望の値に制御され、ひいては触媒のCO除去性能を向上させうる。また、無機担体の粒子径についても、特に制限されないが、好ましくは0.8〜3.5μm、より好ましくは1.5〜2.5μmである。無機担体の粒子径が小さすぎると、飛散性が上昇して取扱いが煩雑となる虞がある。一方、無機担体の粒子径が大きすぎると、触媒の成形性に悪影響を及ぼし、例えば、ハニカムに塗布して用いる場合には、剥離しやすくなるなどの問題が生じる。また、触媒粒子の表面積が低下し、CO除去性能が低下する虞がある。
本発明においては、触媒活性の観点から、無機担体として好ましくはアルミナが用いられる。無機担体としてアルミナを用いることにより触媒活性が向上する詳細なメカニズムは不明であるが、アルミナの有する細孔構造や、表面の酸塩基特性、さらには無機担体とコバルト原子との相互作用等が複雑に関与しているものと推測される。例えば、シリカアルミナやゼオライトはアルミナと比較して表面の酸性が強く、このためコバルト原子により生成したCO酸化活性種が捕捉され、不活性化されやすくなる虞がある。これに対し、表面の酸性が比較的弱いアルミナではこの現象が生じにくいために、触媒活性の低下が起こりにくいのではないかと考えられる。ただし、これはあくまでも推測であり、この推測が実際のメカニズムと異なっていたとしても、本発明の技術的範囲は何ら影響を受けることはない。無機担体としてアルミナが用いられる場合には、硫黄分や塩素分などの不純物の含量が少ない高純度のものが好ましく用いられる。
本発明のCO選択酸化触媒の製造方法は特に制限されず、触媒を製造するための従来周知の知見を適宜参照することで、本発明の触媒は製造されうる。以下、本発明のCO選択酸化触媒の一般的な製造方法について簡単に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の形態のみに制限されない。
CO選択酸化触媒を得るためには、まず、白金原料およびコバルト原料として白金化合物およびコバルト化合物が溶解した溶液を準備する。溶液としては、白金化合物が溶解した溶液とコバルト化合物が溶解した溶液とを別々に準備してもよく、双方の化合物が同時に溶解した溶液を準備してもよく、担持方法に応じて適宜選択されうる。
白金原料およびコバルト原料としては、金属塩の形態の化合物が挙げられ、例えば、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、酢酸塩、塩化物等が例示される。これらの塩は、入手が容易で触媒調製時の原料として広く用いられており、担体へ担持する際の取扱いが容易である。また、水やエタノール等に可溶であるため好ましい。触媒に白金およびコバルト以外の成分を添加する場合には、ここで準備される溶液中に同時に溶解させるとよい。その際には、同様の金属塩等の形態で溶解させうる。上記の成分を溶解させるための溶媒は特に制限されず、例えば、水やエタノール等が用いられうる。
白金化合物およびコバルト化合物が溶解した溶液を用いて白金およびコバルトを無機担体に担持させる方法としては、特に制限されず、各種の公知技術が用いられうる。例えば、含浸法、共沈法、競争吸着法などが挙げられる。処理条件は、採用される方法に応じて適宜選択されうるが、通常は、常温〜80℃程度で0.5〜4時間程度、無機担体と金属含有溶液とを接触させればよい。白金化合物およびコバルト化合物が溶解した溶液における白金濃度およびコバルト濃度は、特に制限されず、所望の担持量や、担持方法に応じて適宜決定されうる。また、白金およびコバルトを担持する順序についても特に制限はなく、いずれか一方を先に無機担体に担持させた後、もう一方を担持させてもよい。あるいは、双方の成分を同時に担持させてもよい。本発明のCO選択酸化触媒を製造する際には、触媒活性の観点から、双方の成分を同時に担持させることが好ましい。
無機担体に触媒金属を担持させた後、必要に応じてこれを乾燥させる。乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、蒸発乾固法や、ロータリーエバポレータ、沿送風乾燥機などによる乾燥等が用いられうる。乾燥時間は、採用される方法に応じて適宜決定されうる。場合によっては、乾燥工程を省略し、焼成工程において乾燥させることとしてもよい。
乾燥後、金属成分が担持された無機担体を焼成する。焼成に用いられる装置や条件(焼成雰囲気、焼成温度、焼成時間)は特に制限されず、従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げれば、焼成条件は、通常、窒素または大気雰囲気下で、400〜600℃にて1〜4時間程度である。この焼成を経て、本発明のCO選択酸化触媒が得られる。
本発明のCO選択酸化触媒は、例えば、CO濃度低減装置に配置される。本発明のCO選択酸化触媒が配置されたCO濃度低減装置は、例えば、固体高分子型燃料電池に供給される水素リッチガス中のCOを選択的に酸化除去するために用いられうる。よって、本願では、上記で説明した本発明のCO選択酸化触媒が配置されてなる、固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置が提供される。なお、本発明のCO選択酸化触媒がCO濃度低減装置に配置される際の形態は特に制限されず、従来公知の技術やその改良技術が適宜採用されうる。例えば、本発明のCO選択酸化触媒を含むスラリーを調製し、このスラリーをハニカム担体に塗布して得られるハニカム担体の形態が例示される。
以下、本発明のCO選択酸化触媒が配置されたCO濃度低減装置について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明のCO選択酸化触媒が配置されたCO濃度低減装置が用いられている燃料電池システムの概略図である。
まず、改質部1に炭化水素などの燃料を供給する。改質部1においては、通常は水蒸気を用いた水蒸気改質によって、燃料は水素リッチな改質ガスへと改質される。また、水蒸気に加えて、酸素を含むガスを同時に供給し、部分酸化反応を併発させたオートサーマル改質によっても、水素リッチな改質ガスが得られる。
次いで、改質部1において得られた改質ガスをシフト反応部2に送り、改質ガス中のCO濃度を1体積%程度にまで低減させる。CO濃度が1体積%程度にまで低減された改質ガスは、続いて本発明のCO選択酸化触媒が配置された、本発明の固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置3に送られ、CO濃度がppmオーダーにまで低減される。
CO濃度低減装置3においてCO濃度がppmオーダーにまで低減された改質ガスと、酸化剤(通常は空気)とを用いて、固体高分子型燃料電池4において発電反応が進行する。固体高分子型燃料電池4からは使用済み燃料および酸化剤が排出される。燃焼部5を設けてこの使用済み燃料および酸化剤を燃焼させ、蒸発部6においてその燃焼熱を利用して水を蒸発させ、改質器1において用いられる水蒸気を発生させることによって、系全体のエネルギー効率を向上させうる。燃料部5および蒸発部6には、必要に応じて炭化水素などを供給してもよい。
上述したように、本発明のCO選択酸化触媒は、低温領域においても優れたCO除去性能を示す。このような触媒を用いて改質ガス中の微量のCOを酸化除去することによって、燃料電池に供給される燃料ガス中のCO濃度が効率的に低減されうる。その結果、燃料電池に用いられる白金電極の寿命を延ばすことが可能となり、燃料電池自動車の実用化に大きく寄与しうる。
以上、本発明のCO選択酸化触媒の好ましい用途として、固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置に配置されて燃料電池システムに用いられる場合を例に挙げて説明したが、本発明のCO選択酸化触媒の用途はこれに制限されず、微量のCOを酸化除去するためのあらゆる用途に適用されうる。本発明のCO選択酸化触媒についての上記以外の用途としては、例えば、トンネル内のような密閉空間内におけるCO除去、エンジンや燃焼器からの排気中のCO除去等が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明の実施の形態をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施例のみには制限されない。
<実施例1>
白金原子の供給源としてジニトロジアンミン白金を準備し、コバルト原子の供給源として硝酸コバルトを準備した。これらを溶媒である蒸留水に所定量添加し、触媒調製溶液を調製した。
一方、無機担体の原料としてベーマイトアルミナの未焼成品を準備した。このベーマイトアルミナの未焼成品を1000℃で6時間、さらに1100℃で4時間焼成し、アルミナ担体を調製した。
上記で調製した触媒調製溶液に、同じく上記で調製したアルミナ担体を含浸させて、アルミナ担体に白金およびコバルトを担持させた。ここで、白金およびコバルトの量は、得られる触媒の全量に対してそれぞれ1.0質量%および5.0質量%(それぞれ金属換算)となるように調節された。白金およびコバルトを担持させたアルミナ担体を、120℃で24時間以上乾燥後、電気炉中で500℃にて2時間焼成し、白金−コバルト担持アルミナ触媒粉末(CO選択酸化触媒)を調製した。ここで調製した触媒粉末の比表面積を、BET法により測定した。
上記の白金担持量およびコバルト担持量とともに、上記で測定した触媒粉末の比表面積の値を下記の表1に示す。また、これらの値から算出される、白金およびコバルトの触媒表面密度(DPt、DCo)の値、白金とコバルトとの合計量に対する、コバルトの質量比(Co/Pt+Co)の値、および、白金の触媒表面密度DPtに対する、コバルトの触媒表面密度DCoの比(Co/Pt)の値についても、同様に下記の表1に示す。
<実施例2〜5および比較例1〜5>
白金担持量およびコバルト担持量、並びに触媒粉末の比表面積を、下記の表1に示す値としたこと以外は、実施例1と同様の手法を用いて、白金−コバルト担持アルミナ触媒粉末(CO選択酸化触媒)を調製した。なお、上記の値から算出される、白金およびコバルトの触媒表面密度(DPt、DCo)の値、白金とコバルトとの合計量に対する、コバルトの質量比(Co/Pt+Co)の値、および、白金の触媒表面密度に対する、コバルトの触媒表面密度の比(Co/Pt)の値についても、同様に下記の表1に示す。
Figure 2005334751
<試験例>
前記実施例1において調製した白金−コバルト担持アルミナ触媒粉末(CO選択酸化触媒)を、30〜45ASTMメッシュを用いて篩分けし、その0.1gを秤量した。一方、ケイ砂を18〜35ASTMメッシュを用いて篩分けし、その0.15gを秤量した。
上記で篩分けおよび秤量した触媒粉末およびケイ砂を混合し、石英反応管(内径:4mm)に充填して、触媒サンプルとした。
上記で得られた触媒サンプルに対し、モデルガス(H:31体積%、CO:15体積%、HO:28体積%、CO:0.45体積%、O:0.6体積%、He:残り)を水以外のガスの空間速度(ガスの総流量(cm/h)/触媒サンプル体積(cm))が約100000h−1となるように供給し、CO除去試験を行った。反応温度は180℃に維持し、触媒サンプルの出口ガス中のCO濃度を測定した。それをもとに、下記数式2により、CO転化率を算出した。
Figure 2005334751
すなわち、CO転化率が高いほど、CO除去性能に優れる触媒であるといえる。
なお、本実施例においては、触媒粉末による反応管中での目詰まりを防止する目的で、触媒粉末をケイ砂で希釈している。このため、空間速度を実際の触媒の体積に対する値に換算すれば、250000h−1程度である。
上記の実施例2〜5および比較例1〜5において調製した触媒粉末についても、上記と同様に触媒サンプルを調製し、CO除去試験を行って、CO転化率を算出した。各実施例および各比較例について算出されたCO転化率の値を、下記の表2に示す。
Figure 2005334751
表2からわかるように、コバルトの触媒表面密度DCoが所定の範囲内の値である本発明のCO選択酸化触媒は、低温条件かつ高空間速度条件下におけるCO除去効率に優れる。
また、実施例1〜4と実施例5との比較から、本発明のCO選択酸化触媒において、白金の触媒表面密度DPtが所定の範囲内の値であると、さらにCO除去効率が向上することが示される。
本発明のCO選択酸化触媒が配置されたCO濃度低減装置が用いられている燃料電池システムの概略図である。
符号の説明
1 改質部、
2 シフト反応部、
3 固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置、
4 固体高分子型燃料電池、
5 燃焼部、
6 蒸発部。

Claims (8)

  1. 白金およびコバルトが無機担体に担持されてなる一酸化炭素選択酸化触媒において、
    前記一酸化炭素選択酸化触媒におけるコバルトの触媒表面密度DCoが4.00×10−6〜5.00×10−5モル/mである、一酸化炭素選択酸化触媒。
  2. 前記一酸化炭素選択酸化触媒における白金の触媒表面密度DPtは、2.00×10−7〜7.00×10−6モル/mである、請求項1に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  3. 前記白金と前記コバルトとの合計量に対する、前記コバルトの質量比は、0.7より大きく1.0未満である、請求項1または2に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  4. 前記白金の担持量に対する、前記コバルトの担持量のモル比は、8以上100未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  5. 前記無機担体の比表面積は、25〜120m/gである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  6. 前記コバルトの担持量は、触媒の全量に対して0.5〜12.5質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  7. 前記白金の担持量は、触媒の全量に対して0.05〜3質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  8. 前記無機担体は、アルミナである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
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