JP2005342689A - 一酸化炭素選択酸化触媒およびその製造方法 - Google Patents

一酸化炭素選択酸化触媒およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温領域において、特に高空間速度条件下においても優れたCO選択酸化活性を示すCO選択酸化触媒を提供する。
【解決手段】 白金およびコバルトが無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒において、前記無機担体が、θアルミナおよびαアルミナを含む、CO選択酸化触媒により、上記課題は解決される。
【選択図】図2

Description

本発明は、一酸化炭素を選択的に酸化するための、一酸化炭素選択酸化触媒に関する。詳細には、本発明は、低温においても高い一酸化炭素選択酸化活性を示す一酸化炭素選択酸化触媒に関する。
近年、種々の水素−酸素燃料電池が開発されており、中でも、低温(通常100℃以下)で作動可能な固体高分子型燃料電池が注目を集め、自動車用低公害動力源としての実用化が検討されている。
固体高分子型燃料電池は、純粋な水素を燃料源として用いることがエネルギー効率の観点からは好ましいが、安全性やインフラの普及等を考慮すると、アルコール、ガソリン、軽油等の液体を燃料源として用い、これらを改質装置において水素リッチな改質ガスに転換する方法も有望な候補である。
炭化水素系液体燃料を燃料源として用いた場合、改質ガス中にはある程度の量の一酸化炭素(本明細書中、「CO」とも称する)が残存する。ところが、このCOは、燃料電池の電極に用いられている白金系触媒に対し、触媒毒として作用する。このため、このCOを例えばCOに転化するなどして除去し、白金系電極触媒に対する被毒を防止する必要がある。具体的には、まずシフト反応(CO+HO→CO+H)を利用し、改質ガス中に含まれるCO濃度を1体積%程度にまで低減し、次いで、貴金属等が無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒を用い、COを酸化除去(COに転化)する方法が提案されている。
この場合、CO選択酸化触媒層において酸化反応が進行するため、触媒温度が上昇する。その結果、逆シフト反応(CO+H→CO+HO)によるCO濃度の増加や、メタン化反応(CO+3H→CH+HO、CO+4H→CH+2HO)による水素の消費、といった問題が生じる。このため、熱交換器などを用いてCO選択酸化触媒の温度を比較的低い温度範囲に維持し、上記の好ましくない反応を抑制する工夫が施されるのが一般的である。
上記の好ましくない反応は、低温条件ほど効果的に抑制されうるため、低温活性に優れる触媒が望まれている。また、自動車に搭載する改質装置を考えると、頻繁な起動停止や激しい負荷変動があることから、雰囲気変動に強い触媒が望まれる。以上の観点から、貴金属系、とりわけ白金系触媒が有望である。反面、白金系触媒の欠点として、低温条件下では白金原子にCOが強く吸着するという吸着被毒現象により、COの除去効率が低下するという問題がある。
かような問題に鑑み、白金の他に、鉄やコバルト等の遷移金属をさらに添加して、低温領域におけるCO選択酸化活性を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献1および2を参照)。
特開2001−149781号公報 特開2002−306972号公報
しかしながら、上記の特許文献に記載のCO選択酸化触媒を用いたとしても、低温領域におけるCO選択酸化活性が不充分な場合があった。また、50000h−1、さらには100000h−1を超えるような高空間速度条件下におけるCO選択酸化活性についても明らかではない。
改質装置を車載する場合には、そのサイズが非常に重要であり、改質装置のサイズを左右する触媒のコンパクト化が求められている。この観点からも、低温条件下において高活性を発揮する高性能CO選択酸化触媒の開発が望まれている。
そこで本発明は、低温領域において優れたCO選択酸化活性を示すCO選択酸化触媒を提供することを目的とする。特に本発明は、100000h−1を超えるような高空間速度条件下においても優れたCO選択酸化活性を示すCO選択酸化触媒を提供することを目的とする。
本発明は、白金およびコバルトが無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒において、前記無機担体が、θアルミナおよびαアルミナを含む、CO選択酸化触媒である。
本発明のCO選択酸化触媒によれば、低温領域におけるCO選択酸化活性が向上しうる。特に、高空間速度条件下において、特に優れたCO選択酸化活性が発現しうる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の第1は、白金およびコバルトが無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒において、前記無機担体が、θアルミナおよびαアルミナを含む、CO選択酸化触媒である。なお、本願において「CO選択酸化触媒」とは、少なくともCOおよびOを含有するガスに接触して、前記ガス中のCOのCOへの転化を選択的に促進させる触媒をいう。また、本願において「低温」とは、例えば、200℃以下の温度をいい、より詳細には、100〜180℃程度の温度をいう。
上述したように、従来、貴金属である白金が無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒において、遷移金属成分をさらに担持させると、低温領域におけるCO除去性能が向上することが知られている。本発明者は、遷移金属の中でコバルトに着目し、白金に加えてコバルトが担持されてなるCO選択酸化触媒のCO除去性能のさらなる向上を図るべく、鋭意研究を行った。
なお、遷移金属であるコバルトの添加によりCO除去性能が向上するメカニズムはいまだ不明であるが、コバルトの存在により酸素や水などが活性化されて何らかの活性種(本明細書中、「CO酸化活性種」とも称する)が生成し、生成した活性種により白金原子上に吸着されたCOがCOへと酸化されることで、COが除去されるものと推測される。
一般に、CO選択酸化触媒は、白金やコバルト等の金属原子が、金属酸化物等の無機担体の表面に担持されてなる構造を有している。ここで、本発明者は、CO選択酸化触媒の活性を向上させうる無機担体として、アルミナ(酸化アルミニウム;Al)に着目した。さらに本発明者は、アルミナの中でも特に、構造や表面状態の異なるθアルミナおよびαアルミナをCO選択酸化触媒の無機担体中に共存させることによって、CO選択酸化触媒のCO除去性能を向上させうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
CO選択酸化触媒の無機担体として用いられるアルミナは、例えば、ベーマイトアルミナ原料を焼成することにより得られる。ベーマイトアルミナはAlO(OH)で表され、表面に存在するOH基(以下「表面存在OH基」とも称する)を多く有する構造を有している。ベーマイトアルミナを焼成する際の条件を調節することによって、得られるアルミナの構造および表面状態が制御されうる。例えば、500℃程度の比較的低温で数時間程度の焼成を行うと、γアルミナが得られる。γアルミナは、比表面積が比較的大きく、その表面には比較的多くのOH基が存在している。これに対し、1200℃程度の比較的高温で数時間程度の焼成を行うと、αアルミナが得られる。αアルミナは、比表面積が小さく、表面存在OH基はほとんど観察されない。さらに、これらの間の温度条件にて焼成を行うと、比表面積および表面存在OH基の量がγアルミナおよびαアルミナの間の値を有するθアルミナが得られる。このように、例えばベーマイトアルミナを焼成して得られるアルミナにおいて、アルミナの有する比表面積と表面存在OH基の量とは、通常は比例関係にある。
上述の通り、コバルトが添加されたCO選択酸化触媒では、CO酸化活性種によりCOがCOへと酸化除去されると推測される。しかしながら、このCO酸化活性種は、アルミナ担体の表面に存在するOH基と反応すると、不活性化されてしまい、CO酸化除去能を失ってしまう。このため、CO酸化活性種を不活性化させないという観点からは、表面にOH基がほとんど存在しないアルミナ(例えば、αアルミナ)が無機担体として採用されることが好ましいと考えられる。
一方、これは触媒一般についても言えることであるが、CO選択酸化触媒においては、無機担体の有する比表面積も重要な要素である。すなわち、アルミナ担体の有する比表面積が大きければ、触媒金属である白金およびコバルトの分散性が向上し、同時に触媒活性も向上する。このため、触媒金属の分散性の向上により触媒活性を向上させるという観点からは、比表面積が比較的大きいアルミナ(例えば、γアルミナ)が無機担体として採用されることが好ましいと考えられる。
上述したように、アルミナの比表面積と表面存在OH基の量とは一般に比例関係にある。このため、触媒活性の観点からは、アルミナの比表面積と表面存在OH基の量とはトレードオフの関係にある。すなわち、CO酸化活性種の不活性化を回避すべく表面存在OH基の量の比較的少ないアルミナ(例えば、αアルミナ)を無機担体として採用すると、比表面積が小さすぎるために触媒金属の分散性に劣り、充分な触媒活性が得られない虞がある。一方、触媒金属の分散性を向上させるべく比表面積の比較的大きいアルミナ(例えば、γアルミナ)を無機担体として採用すると、コバルトにより生成したCO酸化活性種が、アルミナ表面に多量に存在するOH基と反応して不活性化してしまい、やはり充分な触媒活性が得られない虞がある。
これに対し、本発明のCO選択酸化触媒においては、無機担体中にθアルミナおよびαアルミナが共存している。これにより、無機担体の有する比表面積の値と表面存在OH基の量とのバランスが良好に調節され、CO除去性能が向上しうる。
続いて、本発明のCO選択酸化触媒の構成について説明する。本発明のCO選択酸化触媒は、無機担体を含み、前記無機担体には、触媒金属として少なくとも白金およびコバルトが担持されてなる。そして、本発明のCO選択酸化触媒は、前記無機担体がθアルミナおよびαアルミナを含む点に特徴を有する。
本発明において用いられる無機担体は、θアルミナおよびαアルミナを含む無機担体であればよく、その他の具体的な形態は特に制限されない。アルミナは、原料の入手、担体の製造、および取扱いが容易であるという観点から好ましい。また、CO選択酸化触媒における無機担体としてアルミナを用いると、無機担体として他の金属酸化物等を用いた場合と比較して、触媒活性が向上しうる。さらに、本発明においては、上述の通り、θアルミナおよびαアルミナが無機担体中に共存することで、無機担体の有する比表面積の値と表面存在OH基の量とがバランスよく調節されうる。
場合によっては、θアルミナおよびαアルミナ以外の金属酸化物等が無機担体中に含まれてもよい。例えば、θアルミナおよびαアルミナ以外のアルミナ(βアルミナ、γアルミナ、δアルミナなど)、チタニア、シリカ、シリカアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ゼオライト等の金属酸化物が無機担体中に含まれてもよい。
無機担体中に含まれるθアルミナおよびαアルミナの含有量は、特に制限されない。ただし、無機担体中に含有されるθアルミナおよびαアルミナの合計量は、無機担体の全量に対して、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。θアルミナおよびαアルミナの合計量が少なすぎると、無機担体の有する比表面積の値と表面存在OH基の量とをバランスさせるという本発明の効果が充分に得られない虞がある。
無機担体中に含まれるθアルミナおよびαアルミナにおけるそれぞれの含有量の割合についても、特に制限はない。ただし、例えば本発明のCO選択酸化触媒について測定される粉末X線回折パターンを用いて、これらθアルミナおよびαアルミナの含有割合の好ましい範囲が規定されうる。すなわち、本発明のCO選択酸化触媒の粉末X線回折パターンは、下記数式1を満足することが好ましい:
Figure 2005342689
(式中、Iαは、前記X線回折パターンにおいて2θ=57.5±0.4°の位置に現れるピークの高さを表し、Iθは、前記X線回折パターンにおいて2θ=36.8±0.4°の位置に現れるピークの高さを表す。)
上記数式1において規定されるピーク比Iα/Iθは、より好ましくは0.3≦Iα/Iθ≦3.0を満足し、特に好ましくは0.5≦Iα/Iθ≦2.5を満足する。αアルミナとθアルミナとの含有量の比に対応するこのピーク比Iα/Iθがかような範囲の値であると、無機担体の有する比表面積の値と表面存在OH基の量とのバランスが特に優れ、CO選択酸化触媒のCO除去活性が特に向上しうる。ここで、無機担体中のαアルミナの含有量が増加し、θアルミナの含有量が減少すると、前記ピーク値Iα/Iθは増加し、一方、無機担体中のαアルミナの含有量が減少し、θアルミナの含有量が増加すると、前記ピーク値Iα/Iθは減少する。無機担体中のαアルミナおよびθアルミナの含有量は、無機担体を製造する際に適宜制御されうる。なお、本発明のCO選択酸化触媒について粉末X線回折パターンを測定する際の具体的な測定方法は特に制限されず、例えば、市販のX線回折装置を用いて、40kV×300mAの強度で得られたCuKα線による、触媒粉末サンプルの粉末X線回折ピークを測定するなどの方法が採用されうる。
無機担体の形状などは特に制限されず、所望の触媒活性等を考慮して適宜選択されうる。また、無機担体の有する比表面積についても、特に制限はないが、好ましくは25〜90m/g、より好ましくは30〜70m/g、特に好ましくは35〜65m/gである。無機担体の有する比表面積がかような範囲の値であると、表面存在OH基の量が好ましい範囲に調節され、さらに、触媒金属の分散性にも優れる。その結果、CO選択酸化触媒のCO除去性能が向上しうる。無機担体の有する比表面積の値は、無機担体を製造する際にθアルミナおよびαアルミナの含有比を調節することにより、制御可能である。すなわち、θアルミナの含有比が増加すると、無機担体の有する比表面積は増加する。一方、αアルミナの含有比が増加すると、無機担体の有する比表面積は減少する。なお、無機担体の有する比表面積の値は、例えば、窒素吸着によるBET比表面積を測定することにより算出されうる。正確な値が算出されるのであれば、かような手法に制限されず、その他の測定手段が採用されてもよい。
無機担体の有する粒子径についても、特に制限はない。ただし、無機担体の粒子径は、好ましくは0.8〜3.5μm、より好ましくは1.5〜2.5μmである。無機担体の粒子径が小さすぎると、飛散性が上昇して取扱いが煩雑となる虞がある。一方、無機担体の粒子径が大きすぎると、触媒の成形性に悪影響を及ぼし、例えば、ハニカムに塗布して用いる場合には、剥離しやすくなるなどの問題が生じる。また、触媒粒子の表面積が低下し、触媒性能が低下する虞がある。
本発明のCO選択酸化触媒において無機担体に担持される触媒金属としては、白金およびコバルトが必須である。無機担体へのこれらの触媒金属の担時量は特に制限されず、無機担体の量や所望の触媒活性などを考慮して、適宜調節されうる。
本発明のCO選択酸化触媒は、COを吸着するための白金と、白金原子上に吸着されたCOをCOへと酸化除去するためのCO酸化活性種を生成するコバルトとを用いており、この両成分の担持量のバランスが良好に保たれると、触媒のCO除去性能が優れる。かような観点から、本発明のCO選択酸化触媒において、白金の担持量とコバルトの担持量との合計量に対する、前記コバルトの担持量の質量比(Co/Pt+Co)は、好ましくは0.7より大きく1.0未満であり、より好ましくは0.8〜0.9であり、さらに好ましくは0.8〜0.85である。また、別の表現を用いれば、本発明のCO選択酸化触媒において、白金の担持量に対する、前記コバルトの担持量のモル比(Co/Pt)は、好ましくは8以上100未満であり、より好ましくは13.2〜31.2であり、さらに好ましくは13.2〜19.5である。これらの値が上記した範囲であると、CO酸化活性種が生成する量と、生成したCO酸化活性種が消費される量とのバランスが良好に保たれ、その結果、CO除去性能に優れるCO選択酸化触媒が得られる。また、従来のCO選択酸化触媒よりも白金の担持量が比較的少ないため、コストの面でも有利である。なお、白金およびコバルトの担持量に関連する上述した種々の値は、触媒を製造する際に用いられる白金原料およびコバルト原料の量から算出され、これらの原料の量を調節することにより制御されうる。
無機担体への白金およびコバルトの担持量は、上述のとおり特に制限されないが、上述した本発明の好ましい形態の無機担体が用いられる場合、白金の担持量は、触媒の全量に対して0.05〜3質量%程度とするとよい。同様に、コバルトの担持量は、触媒の全量に対して0.5〜12.5質量%程度とするとよい。ここで、本発明のCO選択酸化触媒が用いられる際の空間速度条件に応じて、必要とされる白金およびコバルトの担持量は変動しうる。このため、上記の担持量の値には幅があるが、例えば、自動車に搭載される場合のように100000h−1を超えるような高空間速度条件下において用いられる場合の好ましい担持量は、触媒の全量に対して白金が0.4〜2質量%程度、コバルトが1.5〜10質量%程度である。これに対し、民生用機器に用いられる場合のように10000h−1を下回るようなそれほど高くない空間速度条件下で用いられる場合の担持量は、触媒の全量に対して白金が0.08〜1質量%程度、コバルトが0.5〜5質量%程度あれば充分である。なお、本願において触媒金属の担持量とは、特に断りのない限り、金属換算した上での質量をいう。例えば、白金またはコバルトが金属酸化物として含有されている場合には、金属酸化物としての質量ではなく、金属酸化物中の金属原子部分の質量をいう。
本発明のCO選択酸化触媒においては、白金およびコバルトが必須の触媒金属として無機担体に担持され、白金およびコバルトがCO酸化活性種を介して協調することにより、COが効率よく酸化除去されうる。しかしながら、本発明の効果を損なわないのであれば、これら以外の金属成分が無機担体に担持されていてもよい。
例えば、白金に加えて、ルテニウム、ロジウム、パラジウム等の貴金属がさらに担持されていてもよい。また、コバルトに加えて、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム等の希土類金属や、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属が担持されていてもよい。これらの金属の担持量は、特に制限されないが、触媒の全量に対して0.05〜3質量%程度が適当である。
本発明の第2は、本発明の第1のCO選択酸化触媒の製造方法に関する。この方法においては、θアルミナおよびαアルミナを含む無機担体を、無機担体の原料から一度の焼成により調製する手法を採用する。具体的には、本発明の第2は、無機担体を準備する段階と、触媒金属である白金およびコバルトが溶解した触媒調製溶液を調製する段階と、前記触媒調製溶液に溶解している白金およびコバルトを前記無機担体に担持させる段階と、前記白金およびコバルトが担持された前記無機担体を焼成する段階とを有する、CO選択酸化触媒の製造方法において、前記無機担体を準備する段階は、無機担体の原料を所定の温度で所定の時間焼成することにより、θアルミナおよびαアルミナを含む無機担体を調製する段階を含む、CO選択酸化触媒の製造方法である。以下、工程順に詳細に説明する。
まず、CO選択酸化触媒に用いられる担体を準備する。この段階において準備される無機担体の好ましい形態については、既に説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
本発明の製造方法は、無機担体を準備する段階において、無機担体の原料を所定の温度で所定の時間焼成することにより、θアルミナおよびαアルミナを含む無機担体を調製する段階を含む点に特徴を有する。本発明によれば、原料を焼成することで所望の構造を有する無機担体が一度に調製されうるため、簡便である。
本段階において用いられる無機担体の原料としては、焼成により所望の無機担体となりうる原料であれば特に制限されないが、例えば、ベーマイトアルミナ、ギブサイトなどの水酸化アルミニウムに加えて、γアルミナ、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。新たに開発された材料が原料として用いられてもよい。焼成の具体的な手法については、特に制限されず、触媒調製分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。焼成条件についても特に制限はないが、焼成温度は、好ましくは800〜1200℃、より好ましくは1000〜1100℃であり、焼成時間は、好ましくは0.5〜12時間、より好ましくは4〜8時間である。場合によっては、異なる温度で2回以上焼成を行ってもよい。焼成雰囲気も特に制限されず、空気雰囲気や窒素雰囲気の下で焼成が行われうる。焼成条件を調整することによって、得られる無機担体中に含まれるθアルミナおよびαアルミナの含有比、並びに得られる無機担体の比表面積や表面状態などを制御可能である。例えば、焼成温度を低くするか、または焼成時間を短くすることによって、得られる無機担体中のθアルミナの含有比を増加させうる。これに伴い、無機担体の比表面積は増加し、表面存在OH基の量も増加する。一方、焼成温度を高くするか、または焼成時間を長くすると、得られる無機担体中のαアルミナの含有比を増加させうる。これに伴い、無機担体の比表面積は減少し、表面存在OH基の量も減少する。
必要であれば、焼成後に、得られた無機担体を粉砕し、篩分けすることで、所望の粒径を有する無機担体のみを選別してもよい。
次に、触媒金属である白金およびコバルトが溶解した触媒調製溶液を調製する。この触媒調製溶液は、触媒金属を上記で得られた無機担体に担持させる目的で、後述する担持段階において用いられる。
この触媒調製溶液を調製する段階では、まず、白金原料である白金化合物およびコバルト原料であるコバルト化合物を準備する。さらに、これらの化合物を溶解させるための溶媒を準備する。その後、準備した溶媒に原料である白金化合物およびコバルト化合物を添加し、必要であれば撹拌して、触媒調製溶液を調製する。この際、白金化合物が溶解した触媒調製溶液とコバルト化合物が溶解した触媒調製溶液とを別々に調製してもよく、白金化合物およびコバルト化合物の双方が同時に溶解した触媒調製溶液を調製してもよい。
白金原料である白金化合物およびコバルト原料であるコバルト化合物としては、金属塩の形態の化合物が挙げられ、例えば、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、塩化物等が例示される。これらの塩は、入手が容易で触媒調製時の原料として広く用いられており、担体へ担持する際の取扱いも容易である。
触媒調製溶液の調製に用いられる溶媒としては、水やエタノール等が例示されるが、これらに制限されることはない。
触媒調製溶液中の白金およびコバルトの濃度は特に制限されず、後述する担持段階において用いられる無機担体の量や所望の担持量、担持方法等を考慮して、適宜調節されうる。例えば、担持段階において共含浸法を採用する場合には、白金化合物およびコバルト化合物の双方が同時に溶解した触媒調製溶液を調製すればよい。
製造されるCO選択酸化触媒中に白金およびコバルト以外の成分を添加する場合には、この段階において、触媒調製溶液中に所望の成分を同時に添加するとよい。その際には、先に例示したような金属塩の形態で溶媒中に添加し、溶解させるとよい。
その後、前記触媒調製溶液に溶解している白金およびコバルトを前記無機担体に担持させる。
担持させるための具体的な手法としては、例えば、含浸法、共沈法、競争吸着法などの触媒調製分野において従来公知の手法が採用されうる。処理条件は、採用される手法に応じて適宜選択されうるが、通常は、常温〜80℃で0.5〜4時間程度、無機担体と触媒調製溶液とを接触させればよい。この際、白金およびコバルトを担持させる順序については特に制限はなく、いずれか一方を担持させた後、もう一方を担持させてもよい。あるいは、双方の成分を同時に担持させてもよい。本発明においては、触媒活性を向上させるという観点から、双方の成分を同時に担持させることが好ましい。
無機担体に触媒金属を担持させた後、必要に応じてこれを乾燥させる。乾燥させるための具体的な手法としては、例えば、自然乾燥、蒸発乾固法のほか、ロータリーエバポレータや沿送風乾燥機等を用いた乾燥などが採用されうる。乾燥時間は、採用される手法に応じて適宜設定されうる。場合によっては、この乾燥段階を省略し、後述の焼成段階において乾燥させることとしてもよい。
続いて、白金およびコバルトが担持された無機担体を焼成する。焼成に用いられる装置や条件(焼成雰囲気、焼成温度、焼成時間)は特に制限されず、触媒調製分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、焼成条件は、窒素または大気雰囲気下で、400〜600℃にて1〜4時間である。この焼成を経て、本発明の第1のCO選択酸化触媒が得られる。
上記の方法で得られたCO選択酸化触媒を所望の用途に採用する目的で、得られた触媒に対して、さらに粉砕や篩分けといった加工を施してもよい。
本発明の第3は、本発明の第1のCO選択酸化触媒の製造方法に関するが、上述した本発明の第2の製造方法とは異なる手法を採用する。すなわち、本発明の第3は、θアルミナおよびαアルミナを別々に調製し、これらを混合して所望の無機担体を調製するという手法を採用する。具体的には、本発明の第3は、無機担体を準備する段階と、触媒金属である白金およびコバルトが溶解した触媒調製溶液を調製する段階と、前記触媒調製溶液に溶解している白金およびコバルトを前記無機担体に担持させる段階と、前記白金およびコバルトが担持された前記無機担体を焼成する段階とを有する、CO選択酸化触媒の製造方法において、前記無機担体を準備する段階は、θアルミナの原料を所定の温度で所定の時間焼成してθアルミナを調製する段階と、αアルミナの原料を所定の温度で所定の時間焼成してαアルミナを調製する段階と、前記θアルミナおよび前記αアルミナを混合することにより、前記θアルミナおよび前記αアルミナを含む無機担体を調製する段階とを含む、CO選択酸化触媒の製造方法である。
本発明の第3の製造方法は、本発明の第2の製造方法と比較して、無機担体を準備する段階のみが異なり、その他の段階については本発明の第2で既に説明した通りである。よって以下、本発明の第3の製造方法を説明するにあたっては、無機担体を準備する段階についてのみ詳細に説明することとし、その他の段階については詳細な説明を省略する。
本発明の第3の製造方法は、CO選択酸化触媒に用いられる無機担体を準備する段階において、θアルミナおよびαアルミナを別々に調製し、混合して所望の無機担体を調製する点に特徴を有する。本発明によれば、無機担体中に含まれるθアルミナおよびαアルミナの含有量の割合を容易に制御可能である。
まず、θアルミナを調製する。ここで、θアルミナの原料としては、焼成によりθアルミナとなりうる原料であれば特に制限されないが、例えば、ベーマイトアルミナ、γアルミナが挙げられる。新たに開発された材料が原料として用いられてもよい。焼成の具体的な手法については、特に制限されず、触媒調製分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。焼成条件についても特に制限はないが、焼成温度は、好ましくは800〜1050℃、より好ましくは900〜1000℃であり、焼成時間は、好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜5時間である。焼成雰囲気も特に制限されず、窒素雰囲気や大気雰囲気の下で焼成が行われうる。焼成条件を調整することによって、得られるθアルミナの比表面積などを制御可能である。例えば、焼成温度を高くするか、または焼成時間を長くすると、得られるθアルミナの比表面積は減少し、表面存在OH基の量も減少する。一方、焼成温度を低くするか、または焼成時間を短くすると、得られるθアルミナの比表面積は増加し、表面存在OH基の量も増加する。必要であれば、焼成後に、得られたθアルミナを粉砕、篩分けすることで、所望の粒径を有するθアルミナのみを選別してもよい。
次に、αアルミナを調製する。ここで、αアルミナの原料としては、焼成によりαアルミナとなりうる原料であれば特に制限されず、例えば、θアルミナの原料として上述した原料が同様に用いられうる。また、θアルミナを原料として用いてもよい。焼成条件についても特に制限はないが、焼成温度は、好ましくは1100〜1200℃であり、焼成時間は、好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜4時間である。その他の焼成の具体的な手法や焼成後の後処理については、θアルミナの調製について上述した形態が同様に採用されうるため、ここでは説明を省略する。
その後、上記で別々に調製されたθアルミナおよびαアルミナを混合することにより、θアルミナおよびαアルミナを含む無機担体を調製する。
θアルミナおよびαアルミナの混合比は、所望の担体性能および触媒性能等を考慮することにより、適宜調節されうる。例えば、比表面積が比較的大きく表面存在OH基の量が比較的多い無機担体を調製したい場合には、θアルミナの混合量を増加させればよく、一方、比表面積が比較的小さく表面存在OH基の量が比較的少ない無機担体を調製したい場合には、αアルミナの混合量を増加させればよい。なお、混合するための手法については特に制限はなく、例えば、両粉末をボールミル、あるいはライカイ機を用いて乾式混合する方法や、両粉末を水中に分散させスターラを用いて湿式混合する方法等の従来公知の混合手法が採用されうる。
かような手法により、所望の無機担体の準備が完了し、本発明の第2の欄において説明したような触媒金属の担持段階に用いられる。その後、焼成段階を経て、本発明の第1のCO選択酸化触媒が得られる。本発明の第2の製造方法と同様、得られた触媒に対して種々の加工を施してもよい。
本発明のCO選択酸化触媒は、上述した本発明の第2および第3の製造方法以外の方法により製造されても、勿論よい。例えば、θアルミナおよびαアルミナを含む無機担体が市販されている場合には、かような無機担体を購入してCO選択酸化触媒の製造に用いてもよい。
本発明のCO選択酸化触媒は、例えば、CO濃度低減装置に配置される。本発明のCO選択酸化触媒が配置されたCO濃度低減装置は、例えば、固体高分子型燃料電池に供給される水素リッチガス中のCOを選択的に酸化除去するために用いられうる。よって、本願では、上記で説明した本発明のCO選択酸化触媒が配置されてなる、固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置が提供される。なお、本発明のCO選択酸化触媒がCO濃度低減装置に配置される際の形態は特に制限されず、従来公知の技術やその改良技術が適宜採用されうる。例えば、本発明のCO選択酸化触媒を含むスラリーを調製し、このスラリーをハニカム担体に塗布して得られるハニカム担体の形態が例示される。
以下、本発明のCO濃度低減装置について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明のCO選択酸化触媒が配置されたCO濃度低減装置が用いられている燃料電池システムの概略図である。
まず、改質部1に炭化水素などの燃料を供給する。改質部1においては、通常は水蒸気を用いた水蒸気改質によって、燃料は水素リッチな改質ガスへと改質される。また、水蒸気に加えて、酸素を含むガスを同時に供給し、部分酸化反応を併発させたオートサーマル改質によっても、水素リッチな改質ガスが得られる。
次いで、改質部1において得られた改質ガスをシフト反応部2に送り、改質ガス中のCO濃度を1体積%程度にまで低減させる。CO濃度が1体積%程度にまで低減された改質ガスは、続いて本発明のCO選択酸化触媒が配置された、本発明の固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置3に送られ、CO濃度がppmオーダーにまで低減される。
CO濃度低減装置3においてCO濃度がppmオーダーにまで低減された改質ガスと、酸化剤(通常は空気)とを用いて、固体高分子型燃料電池4において発電反応が進行する。固体高分子型燃料電池4からは使用済み燃料および酸化剤が排出される。燃焼部5を設けてこの使用済み燃料および酸化剤を燃焼させ、蒸発部6においてその燃焼熱を利用して水を蒸発させ、改質器1において用いられる水蒸気を発生させることによって、系全体のエネルギー効率を向上させうる。燃料部5および蒸発部6には、必要に応じて炭化水素などを供給してもよい。
上述したように、本発明のCO選択酸化触媒は、低温領域においても優れたCO除去性能を示す。このような触媒を用いて改質ガス中の微量のCOを酸化除去することによって、燃料電池に供給される燃料ガス中のCO濃度が効率的に低減されうる。その結果、燃料電池に用いられる白金電極の寿命を延ばすことが可能となり、燃料電池自動車の実用化に大きく寄与しうる。
以上、本発明のCO選択酸化触媒の好ましい用途として、固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置に配置されて燃料電池システムに用いられる場合を例に挙げて説明したが、本発明のCO選択酸化触媒の用途はこれに制限されず、微量のCOを酸化除去するためのあらゆる用途に適用されうる。本発明のCO選択酸化触媒についての上記以外の用途としては、例えば、トンネルのような密閉空間内におけるCO除去、エンジンや燃焼器からの排気中のCO除去等が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明の実施の形態をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施例のみには制限されない。
<実施例1>
無機担体の原料としてベーマイトアルミナの未焼成品を準備した。このベーマイトアルミナの未焼成品を1000℃で8時間、さらに1100℃で3時間焼成し、θアルミナおよびαアルミナを含む無機担体(アルミナ担体)を調製した。
一方、白金原子の供給源としてジニトロジアンミン白金を準備し、コバルト原子の供給源として硝酸コバルトを準備した。これらを溶媒である蒸留水に所定量添加し、触媒調製溶液を調製した。
上記で調製した触媒調製溶液に、同じく上記で調製したアルミナ担体を含浸させて、アルミナ担体に白金およびコバルトを担持させた。ここで、白金およびコバルトの担持量は、得られた触媒の全量に対してそれぞれ0.50質量%および2.5質量%(それぞれ金属換算)となるように調節した。白金およびコバルトを担持させたアルミナ担体を、120℃で24時間以上乾燥後、電気炉中で500℃にて2時間焼成し、白金−コバルト担持アルミナ触媒粉末(CO選択酸化触媒)を調製した。
調製したCO選択酸化触媒について、粉末X線回折パターンを測定し、さらに、BET法を用いて比表面積を測定した。なお、粉末X線回折パターンの測定条件は以下の通りである。測定した回折パターンを図2に示す。図2において、「θ」は、θアルミナに対応するX線回折ピークを示し、「α」は、αアルミナに対応するX線回折ピークを示す。
<粉末X線回折パターン測定条件>
・X線回折装置;マックサイエンス社製MXP18VAHF型装置
・X線強度;40kV×300mA
・X線;CuKα線
・スキャンスピード;2θ=10°/min
上記の白金担持量およびコバルト担持量の値とともに、上記の粉末X線回折パターンから算出されるピーク比Iα/Iθ(ただし、Iαは、前記X線回折パターンにおいて2θ=57.5±0.4°の位置に現れるピークの高さを表し、Iθは、前記X線回折パターンにおいて2θ=36.8±0.4°の位置に現れるピークの高さを表す。)の値、上記で測定した触媒粉末の比表面積の値を、下記の表1に示す。また、これらの値から算出される、白金とコバルトとの合計量に対する、コバルトの質量比(Co/Pt+Co)の値、および、白金の担持量に対する、コバルトの担持量のモル比(Co/Pt)の値についても、同様に下記の表1に示す。なお、表1において、本実施例の担体調製方法を「同時焼成法」と記載する。
<実施例2〜6>
無機担体を調製する際の焼成条件(焼成温度および焼成時間)、並びに白金およびコバルトの担持量を、下記の表1に示す値としたこと以外は、実施例1と同様の手法を用いて、白金−コバルト担持アルミナ触媒粉末(CO選択酸化触媒)を調製し、粉末X線回折パターンの測定およびBET法による比表面積の測定を行った。なお、これらの値とともに、実施例1と同様に算出されるパラメータを、下記の表1に示す。
<実施例7>
θアルミナの原料としてベーマイトアルミナの未焼成品を準備した。このベーマイトアルミナの未焼成品を1000℃で4時間焼成して、θアルミナを調製した。
また、上記と同様のベーマイトアルミナの未焼成品をαアルミナの原料として準備し、1200℃で4時間焼成して、αアルミナを調製した。
上記で調製されたθアルミナおよびαアルミナの粉末を適当に調合し、ボールミルを用いて乾式混合して、θアルミナおよびαアルミナを含むアルミナ担体を得た。
白金およびコバルトの担持量を、下記の表1に示す値とし、実施例1と同様の手法を用いて、上記で調製したアルミナ担体に白金およびコバルトを担持させて、白金−コバルト担持アルミナ触媒粉末(CO選択酸化触媒)を調製し、粉末X線回折パターンの測定およびBET法による比表面積の測定を行った。なお、これらの値とともに、実施例1と同様に算出されるパラメータを、下記の表1に示す。また、表1において、本実施例の担体調製方法を「独立焼成−混合法」と記載する。
<実施例8>
無機担体を調製する際のθアルミナの質量に対するαアルミナの質量の比(αアルミナ/θアルミナ)の値、並びに、白金およびコバルトの担持量を、下記の表1に示す値としたこと以外は、実施例7と同様の手法を用いて、白金−コバルト担持アルミナ触媒粉末(CO選択酸化触媒)を調製し、粉末X線回折パターンの測定およびBET法による比表面積の測定を行った。なお、これらの値とともに、実施例1と同様に算出されるパラメータを、下記の表1に示す。
<比較例1>
無機担体の原料であるベーマイトアルミナの未焼成品を、500℃で6時間焼成して得られたγアルミナを無機担体として用いたこと以外は、実施例1と同様の手法を用いて、白金−コバルト担持アルミナ触媒粉末(CO選択酸化触媒)を調製し、粉末X線回折パターンの測定およびBET法による比表面積の測定を行った。なお、これらの値とともに、実施例1と同様に算出されるパラメータを、下記の表1に示す。また、表1において、本比較例の担体調製方法を「独立焼成−非混合法」と記載する。
<比較例2>
無機担体の原料であるベーマイトアルミナの未焼成品を、1000℃で3時間焼成して得られたθアルミナを無機担体として用いたこと以外は、実施例1と同様の手法を用いて、白金−コバルト担持アルミナ触媒粉末(CO選択酸化触媒)を調製し、粉末X線回折パターンの測定およびBET法による比表面積の測定を行った。なお、これらの値とともに、実施例1と同様に算出されるパラメータを、下記の表1に示す。
<比較例3>
無機担体の原料であるベーマイトアルミナの未焼成品を、1200℃で5時間焼成して得られたαアルミナを無機担体として用いたこと以外は、実施例1と同様の手法を用いて、白金−コバルト担持アルミナ触媒粉末(CO選択酸化触媒)を調製し、粉末X線回折パターンの測定およびBET法による比表面積の測定を行った。なお、これらの値とともに、実施例1と同様に算出されるパラメータを、下記の表1に示す。
Figure 2005342689
<試験例>
前記実施例1において調製した白金−コバルト担持アルミナ触媒粉末(CO選択酸化触媒)を、30〜45ASTMメッシュを用いて篩分けし、その0.05gを秤量した。一方、ケイ砂を18〜35ASTMメッシュを用いて篩分けし、その0.20gを秤量した。
上記で篩分けおよび秤量した触媒粉末およびケイ砂を混合し、石英反応管(内径:4mm)に充填して、触媒サンプルとした。
上記で得られた触媒サンプルに対し、モデルガス(H:32体積%、CO:15体積%、HO:33体積%、CO:0.9体積%、O:1.0体積%、He:残り)をガス空間速度(ガスの総流量(cm/h)/触媒サンプル体積(cm))が80000h−1となるように供給し、CO除去試験を行った。反応温度は140℃に維持し、触媒サンプルの出口ガス中のCO濃度を測定した。それをもとに、下記数式2により、CO転化率を算出した。
Figure 2005342689
すなわち、CO転化率が高いほど、CO除去性能に優れる触媒であるといえる。
なお、本実施例においては、触媒粉末による反応管中での目詰まりを防止する目的で、触媒粉末をケイ砂で希釈している。
上記の実施例2〜8および比較例1〜3において調製した触媒粉末についても、上記と同様に触媒サンプルを調製し、CO除去試験を行って、CO転化率を算出した。各実施例および各比較例について算出されたCO転化率の値を、下記の表2に示す。
Figure 2005342689
表2からわかるように、無機担体中にθアルミナおよびαアルミナが共存する本発明のCO選択酸化触媒は、低温条件かつ高空間速度条件下におけるCO除去効率に優れる。
また、無機担体中に含まれるθアルミナおよびαアルミナの含有量の比や、白金およびコバルトの担持量が所定の範囲内の値であると、さらにCO除去効率が向上することが示される。
本発明のCO選択酸化触媒が配置されたCO濃度低減装置が用いられている燃料電池システムの概略図である。 実施例1において製造されたCO選択酸化触媒の粉末X線回折パターンを示す図である。横軸のθはブラッグ角を示し、縦軸は回折X線の強度を示す。
符号の説明
1 改質部、
2 シフト反応部、
3 固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置、
4 固体高分子型燃料電池、
5 燃焼部、
6 蒸発部、
θ θアルミナに対応する回折X線ピーク、
α αアルミナに対応する回折X線ピーク。

Claims (11)

  1. 白金およびコバルトが無機担体に担持されてなる一酸化炭素選択酸化触媒において、
    前記無機担体が、θアルミナおよびαアルミナを含む、一酸化炭素選択酸化触媒。
  2. 触媒の粉末X線回折パターンが、下記数式1を満足する、請求項1に記載の一酸化炭素選択酸化触媒:
    Figure 2005342689
    (式中、Iαは、前記X線回折パターンにおいて2θ=57.5±0.4°の位置に現れるピークの高さを表し、Iθは、前記X線回折パターンにおいて2θ=36.8±0.4°の位置に現れるピークの高さを表す。)
  3. 前記無機担体の比表面積は、25〜90m/gである、請求項1または2に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  4. 前記白金と前記コバルトとの合計量に対する、前記コバルトの質量比は、70質量%より大きく100質量%未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  5. 前記白金の担持量に対する、前記コバルトの担持量のモル比は、8以上100未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  6. 前記白金の担持量は、触媒の全量に対して0.05〜3%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  7. 前記コバルトの担持量は、触媒の全量に対して0.5〜12.5%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  8. 無機担体を準備する段階と、
    触媒金属である白金およびコバルトが溶解した触媒調製溶液を調製する段階と、
    前記触媒調製溶液に溶解している白金およびコバルトを前記無機担体に担持させる段階と、
    前記白金およびコバルトが担持された前記無機担体を焼成する段階と、
    を有する、一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法において、
    前記無機担体を準備する段階は、無機担体の原料を所定の温度で所定の時間焼成することにより、θアルミナおよびαアルミナを含む無機担体を調製する段階を含む、一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法。
  9. 前記θアルミナおよびαアルミナを含む無機担体を調製する段階における焼成条件は、800〜1200℃で0.5〜12時間である、請求項8に記載の製造方法。
  10. 無機担体を準備する段階と、
    触媒金属である白金およびコバルトが溶解した触媒調製溶液を調製する段階と、
    前記触媒調製溶液に溶解している白金およびコバルトを前記無機担体に担持させる段階と、
    前記白金およびコバルトが担持された前記無機担体を焼成する段階と、
    を有する、一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法において、
    前記無機担体を準備する段階は、
    θアルミナの原料を所定の温度で所定の時間焼成してθアルミナを調製する段階と、
    αアルミナの原料を所定の温度で所定の時間焼成してαアルミナを調製する段階と、
    前記θアルミナおよび前記αアルミナを混合することにより、前記θアルミナおよび前記αアルミナを含む無機担体を調製する段階と、
    を含む、一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法。
  11. 前記θアルミナを調製する段階における焼成条件は、800〜1050℃で0.5〜8時間であり、前記αアルミナを調製する段階における焼成条件は、1100〜1200℃で0.5〜8時間である、請求項10に記載の製造方法。
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