JPH08252463A - 燃焼触媒および燃焼器 - Google Patents

燃焼触媒および燃焼器

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JPH08252463A
JPH08252463A JP7055972A JP5597295A JPH08252463A JP H08252463 A JPH08252463 A JP H08252463A JP 7055972 A JP7055972 A JP 7055972A JP 5597295 A JP5597295 A JP 5597295A JP H08252463 A JPH08252463 A JP H08252463A
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catalyst
particles
layer
combustion
heat
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JP7055972A
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Inventor
Kunihiko Sasaki
佐々木  邦彦
Tomiaki Furuya
富明 古屋
Yoshio Hanakada
佳男 羽中田
Toshiyuki Ohashi
俊之 大橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温でも長期間に亘って高い触媒活性を維持
し、かつ圧力損失がちいさく機械的強度の高い燃焼触
媒、およびガスタービン排ガス中の窒素酸化物を低減す
ることが可能な燃焼器の提供を目的とする。 【構成】 耐熱性の担体基材と、前記担体基材面に形成
された多孔性の触媒担体層と、前記多孔性の触媒担体層
に埋設・担持された触媒粒子とから成り、前記触媒粒子
は耐熱性酸化物系の粒子に触媒活性成分および助触媒成
の微粒子を担持させた平均粒径 0.1〜10μm の二重構造
を有する粒子であり、かつ多孔性触媒担体層および触媒
粒子で形成する触媒層で多孔性触媒担体層が触媒層に占
める割合が 5〜25質量%であることを特徴とする。また
燃焼器は、供給される燃料ガスおよび酸素含有ガスの流
路に、互いに区画・独立した多数個のガス流路を有する
前記燃焼触媒配置したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電用ガスタービンな
どの燃焼器に使用可能な燃焼活性が高く、耐熱・耐久性
にすぐれた燃焼触媒およびこの燃焼触媒を具備した燃焼
器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、石油資源などの枯渇化に伴い、代
替エネルギールが要求される一方、エネルギー資源の効
率的な利用に多くの関心が払われるようになってきた。
そして、これらの要求に応えるため、従来のスチームタ
ービン・発電システムに代って、ガスタービン・スチー
ムタービン複合サイクル発電システムの開発が行われて
いる。これは、スチームタービンと、より高温・高出力
のガスタービンとを組み合わせることにより発電効率を
高めるとともに、将来の大体エネルギーとして期待され
る天然ガスや石炭ガス化ガスなどを燃料として利用でき
る利点がある。
【0003】ところで、従来のガスタービンは、燃焼器
内で燃料と空気との混合物をスパークプラグなどで着火
燃焼させるため、局部的には2000℃0 超える高温部を生
じ、窒素酸化物(NOx )が大量に発生して環境汚染の原
因となるという問題がある。さらに詳述すると、図4
は,ガスタービン燃焼器の要部構造例を断面的に示した
ものである。ここで、1は筐体、2は燃料ノズル、3は
スパークプラグ(着火素子)、4は燃焼用空気供給口4
a,冷却用空気供給口4b,および希釈用空気供給口4cな
どを側壁に備え、かつ所要の燃焼ガスをタービンノズル
5に供給する燃焼ガス供給路である。そして、前記燃焼
器においては、燃料ノズル2から噴射された燃料ガスは
燃焼用気体供給口4aから供給された空気と混合され、ス
パークプラグ3によって着火され燃焼する。この高温燃
焼ガスに冷却用空気供給口4bおよび希釈用空気供給口4c
から所要の空気が供給され、所定の温度(タービン入り
口温度)まで冷却された燃焼ガスは、タービンノズル5
を介してタービン内に供給される。
【0004】しかしながら、前記ガスタービン燃焼器か
ら供給される燃焼ガスには、燃焼用気体として空気を使
用するため、燃焼時における窒素酸化物が含まれていて
環境汚染の問題となっていた。つまり、窒素酸化物は、
燃焼温度が1500℃を超えると急激に増加するが、燃焼器
内では燃料濃度分布が存在して燃料濃度の高い部分で
は、局部的に2000℃を超える高温部が生じて、窒素酸化
物が発生する原因になっていた。
【0005】このような問題を解決するため、触媒を用
いて燃料と空気との稀薄混合ガスを効率よく燃焼させる
触媒燃焼方式が提案されている。この方式では、稀薄な
燃料を触媒作用によって燃焼させることが可能なため、
燃焼機内の温度を窒素酸化物が急激に増加する1500℃付
近に維持することができる。したがって、エネルギー効
率を低下させることなく、クリーンな排ガスも可能とな
る。
【0006】なお、この触媒燃焼方式に使用される触媒
としては、一定の機械的な強度を有する耐熱・耐久性の
担体基材の上に形成した多孔性アルミナ層に、パラジウ
ムや白金などの白金系元素から成る触媒活性成分を担持
させたものが知られている。また、前記触媒燃焼方式の
改善および性能の向上を目的として、次ぎのような手段
が講じられている。一つは、触媒活性成分を担持する多
孔性アルミナ層を適正な細孔に多孔性化することであ
る。すなわち、多孔性アルミナ層中に細孔中に埋設・担
持される触媒活性成分が燃焼温度下で凝集・粗大化を起
こさないように、触媒活性成分を安定粒径に設定するす
るとともに、前記多孔性アルミナ層の細孔径を触媒活性
成分の安定粒径よりも小さく設定する手段が挙げられる
(特開昭64− 51147号公報)。二つ目は、触媒活性成分
粒子および助触媒微粒子の集合体から成る触媒粒子の粒
径を 0.1〜10μm 程度の範囲に選択して、触媒機能の高
活性化を図る手段が提案されている(特開平 3−101840
号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記ガスター
ビン燃焼器に使用される燃焼触媒は、実用上、なお次の
ような問題がある。すなわち、ガスタービンの燃焼器内
の燃焼触媒は、高温( 800℃以上),高圧(14ata ),
高流速( 20m/ s以上)8という過酷な雰囲気に曝され
るため、担体基材から触媒層が削られたり、圧力損失が
高かったりするので、燃焼活性が低下したりする。この
ため、触媒成分を担体基材に強固に担持させる必要があ
り、触媒層中の多孔性触媒担体層を形成する耐熱性酸化
物系成分の割合を多くしたり(通常は30質量%以上)、
触媒成分量を減らしたり、燃焼活性を向上させるために
触媒層の多孔度を大きくして、有効表面積の増大を図る
などの工夫がなされている。しかしながら、未だ所望の
触媒特性は得られていない。本発明者らは、このような
問題に対応して鋭意研究を重ねた結果、耐熱性酸化物系
の粒子に触媒活性成分および助触媒成分の微粒子を担持
させた平均粒径 0.1〜10μm の二重構造を有する触媒粒
子を、担体基材上に形成した耐熱性酸化物成分から成る
多孔性触媒担体層に埋設・担持させることにより、次の
ような予想外のことを見出した。すなわち、触媒層にお
いて、多孔性触媒担体層を形成する耐熱性酸化物成分を
低減して触媒成分を担持する細孔形成部を少なくして
も、二重構造を有する触媒粒子を用いた場合は、触媒活
性成分および助触媒成分の微粒子の高温における熱移動
(マイグレーション)や凝集・粗大化が防止,抑制さ
れ、高い触媒活性および燃焼安定性を長期間維持するこ
とを見出した。
【0008】この点さらに詳述すると、従来は、白金,
パラジウム,ロジウムなどの白金族元素などから成る触
媒活性成分を、この触媒活性成分よりも多量の耐熱性酸
化物成分から成る多孔性担体層に高分散・担持させて、
高温における熱移動(マイグレーション)や凝集・粗大
化を防止していた。しかしながら、予め耐熱性酸化物系
の粒子の上に、白金,パラジウム,ロジウムなどの白金
族元素などから成る触媒活性成分およびニッケル,コバ
ルト,マグネシウム,マンガン,チタン,バリウムなど
の助触媒成分の微粒子を担持させて成る平均粒径 0.1〜
10μm の二重構造を有する触媒粒子を用いることによ
り、前記触媒粒子を埋設・担持する多孔性触媒担体層を
形成する耐熱性酸化物系の量を、従来よりも少ない25質
量%以下西ても、高温における熱移動や凝集・粗大化が
容易に防止され、すぐれた触媒機能を呈することを確認
した。
【0009】さらに、前記耐熱性酸化物系の粒子を核と
して、その表面に触媒活性成分の微粒子を担持させて成
る二重構造を有する触媒粒子を用いた場合は、触媒活性
成分のみから成る同一径の触媒粒子に比較して、高温に
おける熱移動や凝集・粗大化が防止れるため、多孔性触
媒担体層に高分散させなくとも燃焼活性の高い触媒が得
られることが確認された。したがって、多孔性触媒担体
層を形成する耐熱性酸化物系の量を大幅に減らして担体
基材の上に触媒を担持差せる形態を採り得るので、高い
触媒活性と圧力損失の低減化とが図られる。
【0010】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、触媒活性を長期間安定に高く維持し、かつ圧力損
失を大幅に低減できる燃焼触媒の提供を目的とする。
【0011】また、本発明は、前記燃焼触媒を用いるこ
とにより、ガスタービンからの窒素酸化物の排出を著し
く低減化できる燃焼器の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る燃焼触媒
は、耐熱性の担体基材と、前記担体基材面に形成された
多孔性の触媒担体層と、前記多孔性の触媒担体層に埋設
・担持された触媒粒子とから成る燃焼触媒において、前
記触媒粒子は耐熱性酸化物系の粒子に触媒活性成分およ
び助触媒成の微粒子を担持させた平均粒径 0.1〜10μm
の二重構造を有する粒子であり、かつ多孔性触媒担体層
および触媒粒子で形成する触媒層で多孔性触媒担体層が
触媒層に占める割合が 5〜25質量%であることを特徴と
する。
【0013】本発明に係る燃焼器は、燃料ガス供給口
と、空気供給口と、前記燃料ガス供給口から供給される
燃料ガスおよび空気供給口から供給される酸素含有ガス
を混合するガス混合部と、前記ガス混合部から流出する
混合ガス流路に配置された触媒構体とを具備して成る燃
焼器であって、前記触媒構体が互いに区画・独立した多
数のガス流路を有する耐熱性の担体基材と、前記担体基
材のガス流路内壁面に設けられた触媒層とから成り、前
記触媒層は耐熱性酸化物系の粒子に触媒活性成分および
助触媒成の微粒子を担持させた平均粒径 0.1〜10μm の
二重構造を成す触媒粒子と、この触媒粒子を担体基材に
担持させるための耐熱性酸化物系から成る多孔性の触媒
担体層とで形成され、かつ多孔性触媒担体層が触媒層中
に占める割合が 5〜25質量%であることを特徴とする。
【0014】本発明に係る燃焼触媒において、耐熱性の
担体基材は、高温・高圧の酸化性雰囲気下で安定な性質
を有するものであれば特に限定されない。そして、この
ような担体基材としては、たとえばコージェライト,ム
ライト,アルミナ,ジルコニア,マグネシア,チタニア
など耐熱性セラミック、あるいはインコネル,ハステロ
イ,ステンレス鋼,アルミニウムを含んだ合金などの耐
熱性金属などが挙げられる。また、前記担体基材の形状
は、燃焼触媒の用とに応じて選択する必要があり、特に
は制限されない。たとえばペレット状,粉末状,粒状,
塊状,ハニカム状などの形状が挙げられる。特に、ガス
タービン燃焼器の燃焼触媒には、ハニカム形状が好まし
い。
【0015】本発明に係る燃焼触媒において、触媒粒子
は、耐熱性酸化物系の粒子の上に、触媒活性成分および
助触媒成分(必要応じて用いる)の微粒子を担持させた
平均粒径 0.1〜10μm の二重構造を有する粒子である。
ここで、触媒粒子の核と成る耐熱性酸化物系としては、
たとえばベリリウム,マグネシウム,カルシウム,スト
ロンチウム,バリウムなどのアルカリ土類酸化物、スカ
ンジウム,イットリウム,ランタノイドなどの希土類酸
化物、チタニウム,ジルコニウム,バナジウム,クロ
ム,マンガン,コバルト,ニッケル,銅などの遷移元素
の酸化物、ボロン,アルミニウム,ガリウムなどのホウ
素族酸化物、シリコン,ゲルマニウムなどの炭素族酸化
物、およびこれらの複合酸化物が挙げられる。ここで、
この耐熱性酸化物系の粒子径xは、0.05μm <x<10μ
m ,好ましくは 0.5μm <x< 5μm が適当であり、ま
た、この量は触媒層中に占める割合が 5〜40質量%,好
ましくは10〜30質量%が適当である。
【0016】さらに、前記触媒活性成分としては、パラ
ジウム,白金,ロジウム,ルテニウム,オスミウム,イ
リジウムなどの白金族元素が好ましく、特に炭化水素な
どの燃焼にはパラジウムが適する。なお、この白金族元
素の微粒子を耐熱性酸化物系粒子の上に担持させる理由
は、白金族元素は 600℃以上の高温では熱移動や凝集・
粗大化を起こして触媒活性を低下するので、それを防止
するためである。ここ出、触媒活性成分の微粒子の層の
厚さyは、0.01μm <y< 3μm ,好ましくは0.03μm
<y< 0.5μm が適当であり、また、触媒層中の触媒活
性成分の量は 1〜25質量%,好ましくは 3〜10質量%が
適当である。
【0017】前記耐熱性の酸化物系粒子への触媒活性成
分の担持方法は、特に限定されるものでないが、以下に
その方法を例示する。たとえば無電解メッキ法,中和法
などの湿式法によって、酸化物系粒子表面に触媒活性成
分を担持させる方法、あるいは熱プラズマ,アーク加
熱,スパッタ法,溶射法などの乾式法によって、酸化物
系粒子表面に触媒活性成分を担持させる方法などが挙げ
られる。
【0018】さらに、前記助触媒成分としては、たとえ
ばベリリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチ
ウム,バリウムなどのアルカリ土類およびその酸化物、
スカンジウム,イットリウム,ランタノイドなどの希土
類およびその酸化物、チタニウム,ジルコニウム,バナ
ジウム,クロム,マンガン,コバルト,ニッケル,銅な
どの遷移元素およびその酸化物、ボロン,アルミニウ
ム,ガリウムなどのホウ素族およびその酸化物、シリコ
ン,ゲルマニウムなどの炭素族およびその酸化物、これ
らの複合酸化物が挙げられる。
【0019】前記助触媒成分の微粒子を触媒活性成分の
微粒子とともに耐熱性の酸化物系粒子の上に担持させる
理由は、助触媒成分の役割が触媒活性成分に酸素を供給
ことや熱移動,凝集・粗大化を防止することにあり、そ
のために触媒活性成分の近傍に存在することが有効であ
るためである。ここで、耐熱性の酸化物系粒子の上に担
持させる助触媒活性成分の微粒子は、酸化物系粒子の距
離z以下の範囲にあることが望ましい。距離zは0.01μ
m <z< 3μm ,好ましくは0.03μm <z< 0.5μm が
適当であり、また、この量は触媒層中に占める割合が 3
〜30質量%,好ましくは 5〜20質量%が適当である。勿
論、耐熱性の酸化物系粒子の上に担持させなくとも、た
とえば触媒層中に単独に添加存在させても同様の効果が
得られ、このときの添加量は、 3〜40質量%が適当であ
る。
【0020】本発明に係る二重構造を有する触媒粒子
は、その粒子径 Aが 0.1μm 〜10μm、好ましくは 0.5
〜 5μm に選択される。その理由は、粒子径が 0.1μm
未満では、触媒活性成分の熱移動,凝集・粗大化の防止
を十分に図ることが困難で、結果的にすぐれた触媒活性
が得られない。また、10μm を超えると、触媒の分散率
が低下して、有効な触媒活性面積を十分に確保すること
が困難となって、すぐれた触媒活性が得られない。
【0021】本発明に係る燃焼触媒において、前記触媒
粒子を埋設・担持する多孔性触媒担体層は、触媒粒子を
担体基材に機械的にも熱的にも強固に保持し、かつ触媒
活性を保つものであれば、いずれの耐熱性酸化物系を用
いてもよい。たとえばベリリウム,マグネシウム,カル
シウム,ストロンチウム,バリウムなどのアルカリ土類
酸化物、スカンジウム,イットリウム,ランタノイドな
どの希土類酸化物、チタニウム,ジルコニウム,バナジ
ウム,クロム,マンガン,コバルト,ニッケル,銅など
の遷移元素の酸化物、ボロン,アルミニウム,ガリウム
などのホウ素族酸化物、シリコン,ゲルマニウムなどの
炭素族酸化物、およびこれらの複合酸化物など、前記触
媒粒子の核となる耐熱性酸化物系などいずれをも用いる
ことができる。そして、多孔性触媒担体層が、前記触媒
層に占める割合は 5〜25質量%が好ましい。その理由
は、 5質量%未満では担体基材への触媒粒子の担持能力
が小さく、また、25質量%を超えても触媒粒子の担持能
力の向上は認められず、反って圧力損失の増加や触媒機
能の低下を引き起こし、長期間に亘っての燃焼触媒の安
定性が得られないからである。
【0022】
【作用】本発明に係る燃焼触媒は、多孔性の耐熱酸化物
系粒子を核とし、この核に触媒活性成分および助触媒成
分を担持させた二重構造を有する粒径 0.1〜10μm の粒
子を触媒粒子とし、加えて、この触媒粒子を埋設・担持
する多孔性の触媒担体層の量を低減させた構成を採って
いる。そして、前記触媒粒子の二重構造化および適正な
粒径の選択と、前記触媒粒子を埋設・担持する多孔性触
媒担体層成分の低減化との相互的な条件設定に伴って、
実用上十分な燃焼触媒活性が確実に確保されるととも
に、担体基材への触媒の強固な担持と圧力損失の低減化
を図ることができる。
【0023】また、本発明に係る燃焼器の場合は、前記
したような作用を呈する燃焼触媒を具備した構成を採っ
ており、たとえばガスタービン燃焼器に利用した場合、
燃焼器内で発生する窒素酸化物を著しく低減できるの
で、環境汚染の防止が図られ、かつガスタービンの高温
化が図られるので、エネルギー資源の効率的な利用がで
きる。
【0024】
【実施例】以下図1,図2および図3を参照して本発明
の実施例を説明する。
【0025】実施例1 9水塩の硝酸アルミニウム 150質量部、6水塩の硝酸ラ
ンタン14質量部、6水塩の硝酸ニッケル40質量部および
6水塩の硝酸マグネシウム60質量部の混合水溶液に、炭
酸カリウムの水溶液を適量加えてpHを約 9に調製して、
前記金属塩を共沈後、水洗,濾取,乾燥などの処理を施
し、混合粉末を得た。
【0026】一方、平均粒径 0.6μm 程度の 8 mol%イ
ットリウム入り安定化ジルコニア粒子25質量部に、平均
粒径0.01μm 程度のパラジウム微粒子10質量部、平均粒
径0.01μm 程度のマグネシウムやニッケルの助触媒粒子
をそれぞれ10質量部づつ担持させて、平均粒径 1μm 程
度の二重構造を有する触媒粒子を用意した。
【0027】次いで、前記混合粉末45質量部および触媒
粒子55質量部の混合系に、有機バインダーおよび水を添
加し、十分に混練してスラリーを調製した。このスラリ
ーを直径30mm,長さ 170mm,セル数 100のコージェライ
ト製ハニカム型担体基材の上に塗布・乾燥後、 900℃で
焼成を行って、ハニカム型燃焼触媒を作成した。このよ
うにして作成した燃焼触媒の多孔性触媒担体層(担体基
材に触媒活性成分を担持する層)は、アルミニウム酸化
物,ランタン酸化物およびアルミニウムとランタンとの
複合酸化物で形成されており、触媒層中に占める割合は
25質量%であった。
【0028】図1は、前記ハニカム型燃焼触媒の一部を
模式的に拡大して示す断面図で、6はハニカム型担体基
材、7は前記ハニカム型担体基材6面に形成された多孔
性の触媒担持層、8は前記多孔性の触媒担持層7に埋設
・担持された耐熱性酸化物系粒子(実施例では安定化ジ
ルコニア粒子)8aの上に触媒成分の微粒子8bを担持して
成る触媒粒子、9は助触媒成分である。
【0029】実施例2 9水塩の硝酸アルミニウム30質量部、6水塩の硝酸ラン
タン 3質量部、6水塩の硝酸ニッケル80質量部および6
水塩の硝酸マグネシウム 120質量部の混合水溶液に、炭
酸カリウムの水溶液を適量加えてpHを約 9に調製して、
前記金属塩を共沈後、水洗,濾取,乾燥などの処理を施
し、混合粉末を得た。この粉末45質量部を用いた外は、
実施例1の場合と同様の方法,条件でハニカム型燃焼触
媒を作成した。
【0030】このようにして作成した燃焼触媒の多孔性
触媒担体層(担体基材に触媒活性成分を担持する層)
は、触媒層中に占める割合が 5質量%であった。
【0031】比較例1,2 前記実施例1のハニカム型燃焼触媒の構成において、担
体基材に触媒粒子を担持する多孔性の触媒担持層(アル
ミニウム酸化物,ランタン酸化物およびアルミニウムと
ランタンとの複合酸化物で形成)が、触媒層中に占める
割合を 4質量%(比較例1)もしくは30質量%(比較例
2)となるようにした以外は、実施例1の場合に準じた
手段でハニカム型燃焼触媒を作成した。
【0032】比較例3 前記実施例1のハニカム型燃焼触媒の構成において、耐
熱性酸化物系の粒子の上に、触媒成分(活性成分および
助触媒成分)の微粒子を担持させた二重構造の粒子とす
る代わりに、触媒成分のみから成る同一径の触媒粒子を
多孔性の触媒担持層に直接担持させた構成とした外は、
実施例1の場合と同様の方法でハニカム型燃焼触媒を作
成した。
【0033】実施例3 上記実施例1〜2および比較例1〜3で構成した各ハニ
カム型燃焼触媒を、ガスタービン燃焼器の模擬装置に組
み込み、燃焼試験により特性評価を行った。試験方法
は、図2に要部構造例を断面的に示したように、空気供
給口10から供給される予め加熱された空気、および燃料
ガス供給口11から供給される燃料ガスを混合するガス混
合部12で均一混合してから、ハニカム型の燃焼触媒13に
供給し、燃焼時間と触媒出口温度都の関係を調べた。図
3はこの結果を示し、また、前記ハニカム型の燃焼触媒
13における多孔性の触媒担持層の割合,厚さ,圧力損失
の関係を表1に示した。なお、図3において、曲線Aは
実施例1のハニカム型燃焼触媒を装着した場合を、曲線
Bは実施例2のハニカム型燃焼触媒を装着した場合を、
曲線aは比較例1のハニカム型燃焼触媒を装着した場合
を、曲線bは比較例2のハニカム型燃焼触媒を装着した
場合を、曲線cは比較例3のハニカム型燃焼触媒を装着
した場合をそれぞれ示す。
【0034】
【表1】 図3および表1から分かるように、実施例1,2のハニ
カム型燃焼触媒の場合は、燃焼温度が高く触媒活性も安
定しており、しかも圧力損失も低いという特長が認めら
れた。一方、比較例1のハニカム型燃焼触媒の場合は、
圧力損失が低く初期の活性は高いが、時間の経過に伴っ
て燃焼温度が低下し、燃焼触媒としての寿命が短いこと
を示した。これは、比較例1の場合は、多孔性触媒担体
層の触媒担持能力が低いため、触媒粒子が削れ取られ
て、触媒活性が失われたものである。逆に、比較例2の
ハニカム型燃焼触媒の場合は、圧力損失が高く、しかも
触媒成分が有効に働かないので燃焼温度が当初から低か
った。また、比較例3のハニカム型燃焼触媒の場合は、
圧力損失が低く初期の燃焼温度は最も高いが、比較例1
の場合と同様に、時間の経過とともに触媒温度が急激に
低下して触媒寿命が最も短かった。この理由は、触媒成
分のみから成る触媒粒子であるため、燃焼によって触媒
粒子が熱移動して、凝集・粗大化を起こしたことによる
ものである。
【0035】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの
変形を採ることが可能である。
【0036】
【発明の効果】上記説明したように本発明に係る燃焼触
媒は、圧力損失が低く、燃焼活性が高くかつ安定性がす
ぐれており長寿命である。したがって、たとえばガスタ
ービン燃焼器のような燃焼負荷が大きい用途にも十分使
用可能であり、その工業的名価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃焼触媒の構造例を模式的に示す
拡大断面図。
【図2】本発明に係る燃焼器の要部構造例を示す断面
図。
【図3】本発明に係る燃焼触媒および本発明外の燃焼触
媒について、燃焼特性例を比較して示す特性図。
【図4】従来のガスタービンの燃焼器の要部構成を示す
断面図。
【符号の説明】
1……筐体 2……燃料ノズル 3……スパー
クプラグ 4……燃焼ガス供給路 4a……燃焼
用空気供給口 4b……冷却用空気供給口4c……希釈
用空気供給口 5……タービンノズル 6……
ハニカム型担体基材 7……多孔性触媒担体層
8……触媒粒子 8a……耐熱性酸化物系粒子
8b……触媒成分(触媒活性成分および助触媒成分)の
微粒子 9……助触媒 10……燃料ガス供給口
11……燃料ガスおよび空気の混合部 12……
ハニカム型燃焼触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 俊之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性の担体基材と、前記担体基材面に
    形成された多孔性の触媒担体層と、前記多孔性の触媒担
    体層に埋設・担持された触媒粒子とから成る燃焼触媒に
    おいて、 前記触媒粒子は耐熱性酸化物系の粒子に触媒活性成分お
    よび助触媒成の微粒子を担持させた平均粒径 0.1〜10μ
    m の二重構造を有する粒子であり、かつ多孔性触媒担体
    層および触媒粒子で形成する触媒層で多孔性触媒担体層
    が触媒層に占める割合が 5〜25質量%であることを特徴
    とする燃焼触媒。
  2. 【請求項2】 燃料ガス供給口と、空気供給口と、前記
    燃料ガス供給口から供給される燃料ガスおよび空気供給
    口から供給される酸素含有ガスを混合するガス混合部
    と、前記ガス混合部から流出する混合ガス流路に配置さ
    れた触媒構体とを具備して成る燃焼器であって、 前記触媒構体が互いに区画・独立した多数のガス流路を
    有する耐熱性の担体基材と、前記担体基材のガス流路内
    壁面に設けられた触媒層とから成り、前記触媒層は耐熱
    性酸化物系の粒子に触媒活性成分および助触媒成の微粒
    子を担持させた平均粒径 0.1〜10μm の二重構造を成す
    触媒粒子と、この触媒粒子を担体基材に担持させるため
    の耐熱性酸化物系から成る多孔性の触媒担体層とで形成
    され、かつ多孔性触媒担体層が触媒層中に占める割合が
    5〜25質量%であることを特徴とする燃焼器。
JP7055972A 1995-03-15 1995-03-15 燃焼触媒および燃焼器 Withdrawn JPH08252463A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100422754B1 (ko) * 2001-08-24 2004-03-12 현대자동차주식회사 내열성 탄화수소 흡착 촉매의 제조 방법
JP2007229672A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Satoo Techno:Kk 気体改質方法、気体改質ネット、気体改質シート、気体改質配管、燃料電池

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