JP2004171907A - リチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、正極活物質の劣化の抑制と導電性の向上とを実現したリチウム二次電池を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、リチウム及び遷移金属を有する複合酸化物を含む正極と、非晶質炭素及び/又は黒鉛を含む負極と、リチウム塩を含む非水電解液とを具備するものであって、リチウム及び遷移金属を有する複合酸化物である正極活物質の表面に、ルイス塩基として働く官能基を有するポリマーであるポリカチオンと、ルイス酸として働く官能基を有するポリマーであるポリアニオンとが形成されることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、リチウム及び遷移金属を有する複合酸化物を含む正極と、非晶質炭素及び/又は黒鉛を含む負極と、リチウム塩を含む非水電解液とを具備するものであって、リチウム及び遷移金属を有する複合酸化物である正極活物質の表面に、ルイス塩基として働く官能基を有するポリマーであるポリカチオンと、ルイス酸として働く官能基を有するポリマーであるポリアニオンとが形成されることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、リチウム二次電池は、高容量・高電圧の動力源として、電気自動車やハイブリット車への用途が期待されている。
【0003】
しかしながら、これらの適用に際しては、リチウム二次電池が長寿命であることと高出力であることとが必須であり、そのためには劣化の抑制と内部抵抗の低減とが必要となる。
【0004】
従来のものは、正極活物質にポリマーを被覆させている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−22733号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の被覆に用いたポリマーは、有機溶媒によるポリマーの電解液への溶出による劣化ついて検討されていない可能性がある。そのため時間経過に伴う効果低下や性能低下を引き起こすことが懸念される。
【0007】
本発明は、正極活物質の劣化の抑制と導電性の向上とを実現したリチウム二次電池を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
ポリマーにおいては、それらが分子内に有する官能基によりポリアニオンとポリカチオンという2種類の分類がされている。これら2種類のポリマーは、それぞれの有機溶媒を用いた溶液に混合すると、ポリアニオンとポリカチオンとが水素結合による強い相互作用をするため、有機溶媒に対して難溶性かつ非膨潤性になる。
【0009】
この性質を利用して、ポリアニオン及びポリカチオンという2種類のポリマーを表面に形成することにより、正極活物質の劣化の抑制と内部抵抗の低減とを達成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の態様により詳細に説明するが、本発明は以下の実施態様のみに限定されるものではない。
【0011】
本形態のリチウム二次電池は、リチウム及び遷移金属を有する複合酸化物を含む正極と、非晶質炭素及び/又は黒鉛を含む負極と、リチウム塩を含む非水電解液とを具備する。そして、リチウム及び遷移金属を有する複合酸化物である正極活物質の表面に、ルイス塩基として働く官能基を有するポリマーであるポリカチオンと、ルイス酸として働く官能基を有するポリマーであるポリアニオンとが形成される。
【0012】
表面に形成させるとは、ポリアニポンとポリカチオンとが表面に存在することであり、必ずしもこれらが積層状態にあることに限定させるものではなく、活物資上にこれらが点在,偏在してもよい。活物資が露出している部分があってもよい場合はある。
【0013】
これらは、活物質上に交互に積層した構造であってもよく、被覆された構造であってもよい。
【0014】
図1を用いて、本形態を説明する。図1は、リチウム二次電池の正極の拡大断面を示したものである。
【0015】
リチウム二次電池の正極は、アルミニウム(Al)集電体5に、活物質1,導電剤3,バインダー樹脂4が混合状態で形成される。活物質1には、被覆ポリマー層2が形成させる。この場合の被覆ポリマー層2は、ポリアニオンとポリカチオンとの2重被覆層を形成している。この場合、活物質1上には、ポリアニオンが形成され、更に、ポリアニオン上にポリカチオンが形成されている。
【0016】
活物質1の粒径は、約10μm程度であり、被覆ポリマー層2の膜厚は、約
10nm程度である。粒径の変化に応じて膜厚も変化するが、膜厚は粒径の約
0.1% 程度であることが好ましい。なお、集電体上に塗布した正極材の厚さは20〜100μmである。
【0017】
ポリアニオンとしては、−COOR(R=H,アルキル基),−SO3H を有するポリマーであり、ポリスチレンスルホン酸,分子内にスルホ基を有するポリマー,ポリアクリレート、及び分子内にカルボキシル基またはエステル基を有するポリマーがあげられる。
【0018】
ポリカチオンとしては、−NHR(R=H,アルキル基)を有するポリマーであり、ポリアニリン,ポリビニルアミン,アミノ基を有するポリマー、及びこれらのポリマーの誘導体があげられる。
【0019】
これらのポリマーについては、異なる単量体を共重合させたものも用いることが可能であり、共重合に用いる単量体として、エチレン,プロピレン,スチレン,エチレンオキシドが挙げられる。これらのポリアニオンとポリカチオンとの組み合わせにより、正極活物質上に電解液に対して安定なポリマー被覆層を形成することができる。
【0020】
正極に用いることのできる正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出できる材料であればよく、例えば、化学式がLiMn2O4,LiMnO3,
LiMn2O3,LiMnO2,LiMn2−xMxO2(但し、MはCo,Ni,Fe,Cr,Zn,Taであり、(x=0.01〜0.1))で表記されるスピネル型マンガン酸リチウム、Li2Mn3MO8(但し、MはFe,Co,Ni,Cu,Zn)で表記されるリチウムマンガン複合酸化物、又はLiの一部をアルカリ土類金属イオンで置換したLiMn2O4等が適用できる。なお、これらの単体でも適用できるが、これらの少なくとも一種以上を混合して、正極用基板に塗布して使用しても一定の効果が期待できる。
【0021】
負極に用いることのできる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出できる材料であればよく、例えば、リチウム金属,リチウム金属と他の金属との合金が使用できる。また、天然黒鉛,石炭や石油ピッチ等を高温で熱処理して得られる黒鉛化炭素のような結晶質カーボン,石油ピッチコークス,石炭ピッチコークス,アセナフチレンピッチコークスを熱処理して得られる非晶質カーボン等がある。さらには、金属担持型のリチウムイオン吸蔵材料なども挙げられる。
【0022】
電解液としては、リチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解したものを用いることができ、必要に応じて各種の添加剤を添加しても良い。
【0023】
リチウム塩は、リチウム二次電池の充放電により、電解液中を移動するリチウムイオンを供給する作用を有する。リチウム塩としては、LiClO4,
LiCF3SO3,LiPF6,LiBF4,LiAsF6 などのうち1種類もしくは2種類以上を選択して用いることができる。
【0024】
有機溶媒としては、カーボネート類,エステル類,エーテル類等を用いることができる。例えば、エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネート,ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトロン,酢酸メチル、1,3−ジオキソラン、1,3−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン,テトラヒドロフランなどを用いることができ、その他にスルホランなどの硫黄化合物,含窒素化合物,含珪素化合物,含フッ素化合物,含リン化合物などの有機溶媒を用いることができる。
【0025】
これらを1種あるいは2種以上を混合した溶媒に、上述のリチウム塩を0.1 〜2モル/リットル溶解させて電解液とする。
【0026】
本形態のリチウム二次電池は劣化しにくいため、長時間放置される用途に適する。他にも高温雰囲気でも安定したサイクル特性を示すことから、50℃以上でも使用可能性がある。
【0027】
また、以下に示すような電気機器に搭載することに適する。
【0028】
例えば、電気自動車,電動式自転車,パソコン,携帯電話,デジタルカメラ,ビデオレコーダー,ミニディスクポータブルプレイヤー,パーソナルデジタルアシスタント,腕時計,ラジオ,電子手帳,電動工具,掃除機,玩具,エレベーター,医療介護用歩行補助機,医療介護用車椅子,医療介護用移動式ベッド,非常用電源,ロードコンディショナー,電力貯蔵システムなどの電源として本形態のリチウム二次電池を用いることができる。また、これら民生用の用途以外に、軍需用や宇宙用としても使用することができる。
【0029】
本形態で示した非水電解液(リチウム)二次電池の形状については、特に限定されず、必要に応じて円筒型形状,角型形状,コイン型形状,ボタン型形状等の種々の形状とすることができる。
【0030】
以下に、本形態の実施例及び比較例を示すことによって具体的に説明する。
【0031】
(実施例1)
ポリアニオンとしてポリアクリル酸ブチル、ポリカチオンとしてポリアニリンを用いて以下のような実験を行った。
<被覆ポリマーの溶解性>
正極活物質材料として、Li2CO3とMnO2 とを所定の割合で混合し、空気中で800℃,24時間焼成後徐冷して、下記の(1)式で表される正極活物質を得た。
【0032】
Li1.08Mn1.92O4 (1)
本実施例におけるポリマーを被覆した正極活物質の製造方法を以下に示す。
【0033】
上述の正極活物質30重量部を、0.2% 相当の被覆ポリマーであるポリアクリル酸ブチルを含むアセトン溶液70重量部に分散させる。得られた分散液を有機ドラフト内で6時間放置した。その後、分散液内で正極活物質は沈降し、上澄み液40重量部を除去した。そして残った沈降物を80℃雰囲気中で12時間乾燥し、ほぼ凝集の無い正極活物質を得た。これは、ポリマー被覆型リチウム二次電池用正極活物質材料である。
【0034】
ここで得られた正極活物質とポリアニリンとを用いて、同様の手順で、ポリマー被覆を繰り返す。これにより、バインダー樹脂溶解用溶媒及び非水電解液の溶媒の双方に溶解しない2層のポリマー被覆層を正極活物質の粉体表面に形成できる。
【0035】
正極活物質上に被覆したポリマーの存在については、拡散反射型赤外吸収スペクトルを測定することにより、ポリマー中に含まれる官能基の特徴的な伸縮振動が観測されることで確認できる。本実施例において、特に、ポリアクリル酸ブチルはカルボニルの伸縮振動が、ポリアニリンはアミンの伸縮振動が、観測されることにより確認された。
【0036】
正極活物質上に被覆したポリマーの有機溶媒への溶解の確認については、得られた活物質1.5kg に対して、それぞれスラリー作製に用いる有機溶媒であるN−メチルピロリドン(NMP)1kgを混合し、3時間混練した後に、NMPを取り出し、それぞれ液体クロマトグラフィーで測定することで、被覆に用いたポリマー溶出の有無を確認できる。
【0037】
本実施例の正極活物質については、被覆に用いたポリマーのNMPへの溶出は確認できなかった。
【0038】
これに対して後述の比較例の正極活物質については、ポリマーの溶出が確認された。
【0039】
このことからポリアニオンとポリカチオンとの組み合わせで被覆することで有機溶媒に対して難溶性の被覆層を形成できることが確認できる。
<非水電解液二次電池の性能>
次に前述の2種(2層)ポリマー被覆をした正極活物質を用いて電池作製をした。
【0040】
〈正極の作製〉
正極については、以下の手順で作製した。
【0041】
バインダー樹脂であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)をNMPに溶解し、濃度10%の溶液を準備した。この溶液40重量部に対し、得られた正極活物質の粉体60重量部を混合し、さらにNMPを加えて混練して正極合剤スラリーを調製し、このスラリーを集電体である厚さ0.02mm のアルミ箔上に塗布し、
120℃の温風を送風することにより乾燥した。
【0042】
同様にして、集電体の裏面にも正極合剤スラリーを塗布・乾燥した。
【0043】
その後、所定の厚みになるようプレス成形した後に減圧乾燥することで正極を得た。これは、正極板となる。
【0044】
〈負極の作製〉
負極については、以下の手順で作製した。
【0045】
バインダー樹脂であるPVDFをNMPに溶解し、濃度10%の溶液を準備した。この溶液50重量部に対し、炭素材料である平均粒径10μmの非晶質炭素の粉体30重量部と活物質粉体50重量部とを混合し、さらに粘度調整のためにNMPを加えて負極合剤スラリーを混練して調製し、このスラリーを集電体である厚さ0.01mm の銅箔上にコーティングし、120℃の温風を送風することにより乾燥させた。
【0046】
同様にして、集電体の裏面にも負極合剤スラリーを塗布・乾燥した。
【0047】
その後、所定の厚みになるようプレス成形した後に減圧乾燥することで負極(板)を得た。
【0048】
〈リチウムイオン非水電解液二次電池の作製〉
得られた負極と正極とをセパレータを介して捲回し、ロール状の電極を形成する。
【0049】
これを電池缶に収納し、減圧乾燥した。
【0050】
次に、電池缶内にジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(1:1:1(体積比))にLiPF6 を1mol/リットルの割合で溶解させた電解液を注入した後に、蓋をかしめることにより、リチウムイオン非水電解液二次電池(直径15mm,長さ65mm)を作製した。
【0051】
充放電器を用い、25℃において充放電を行った。
【0052】
いずれの電池についても電流300mA,充電終了電圧4.2V で4時間の定電流充電を行った。
【0053】
引き続き、いずれの電池についても電流300mAで、3.0V の放電終了電圧まで定電流放電を行った。このときに得られた容量を初期容量とした。
【0054】
次に、同様に充電した後に、50℃で1ヶ月放置した後の放電容量(保存後放電容量(mAh))を測定し、初期放電容量を100%としたときの保存後の容量保持率を求め、1ヶ月後容量保持率とした。
【0055】
本実施例においては、1ヶ月で容量保持率は90〜93%であり、後述の比較例よりも優れていることが確認された。後述する実施例2〜5,比較例1〜6の結果をまとめたものを表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1よりわかるように、ポリアニオンとポリカチオンとを形成した実施例1〜5は、1ヶ月後の容量保持率が何れも90%以上と高い。しかし、ポリアニオンのみを被覆した比較例1〜3,ポリアニオン・ポリカチオンの何れでもないポリマーを2重被覆している比較例4,5,ポリマーを被覆していない比較例6は、何れも1ヶ月後の容量保持率が80〜84%程度低い。
【0058】
さらに、作製した電池についてはサイクル特性についても測定した。
【0059】
50℃で100サイクル充放電を繰り返したときの、初期放電容量を100%としたときの100サイクル後の放電容量率を求めた。本実施例については84〜89%程度を示した。後述の比較例よりも優れていることが確認された。後述する実施例2〜5,比較例1〜6の結果をまとめたものを表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
また、表2よりわかるように、ポリアニオンとポリカチオンとを形成した実施例1〜5は、100サイクル後の容量保持率が何れも84%以上と高い。しかし、ポリアニオンのみを被覆した比較例1〜3,ポリアニオン・ポリカチオンの何れでもないポリマーを2重被覆している比較例4,5,ポリマーを被覆していない比較例6は、何れも100サイクル後の容量保持率が75%以下と低い。
【0062】
また、ポリマーを1種類もしくは2種類被覆したものとポリマー被覆をしないものの間で大きな差異が見られなかった。
【0063】
また、100サイクル充放電を行った電池についてMn溶出について調べるため、これらの電池の電解液について、誘導結合高周波プラズマ(ICP)分光分析を行ったところ、本実施例については、Mnの存在は観測されなかったが、後述の比較例においてはMnの存在は観測され、ポリマー被覆が溶出するため、
Mn溶出の抑制効果が失われてしまうことが判明した。
【0064】
(実施例2)
ポリアニオンとしてポリアクリル酸ブチル,ポリカチオンとしてポリアニリンを用いて実施例1と同様に、ポリマー評価,正極活物質の作製・評価,電池作製・評価を行った。積層回数については各ポリマー2回ずつ、合計4回とした。
【0065】
(実施例3)
ポリアニオンとしてポリアクリル酸,ポリカチオンとしてポリアニリンを用いて実施例1と同様に実験を行った。ポリアクリル酸の溶媒にテトラヒドロフラン(THF)を用いた。積層回数については各ポリマー1回ずつ、合計で2回とした。
【0066】
(実施例4)
ポリアニオンとしてポリアクリル酸ブチル,ポリカチオンとしてポリビニルアミンを用いて実施例1と同様に実験を行った。ポリアクリル酸ブチルの溶媒にTHF,ポリビニルアミンの溶媒にはNMPを用いた。積層回数については各ポリマー1回ずつ、合計で2回とした。
【0067】
(実施例5)
ポリアニオンとしてポリアクリル酸、ポリカチオンとしてポリビニルアミンを用いて実施例1と同様に実験を行った。ポリアクリル酸の溶媒にTHF,ポリビニルアミンの溶媒にはNMPを用いた。積層回数については各ポリマー1回ずつ、合計で2回とした。
【0068】
(比較例1)
ポリアクリル酸ブチルを用いて実施例1と同様にポリマー評価,正極活物質の作製・評価,電池作製・評価を行った。積層回数については1回とした。
【0069】
(比較例2)
比較例1と同様にポリアクリル酸を用いて行った。
【0070】
(比較例3)
比較例1と同様にポリエチレンオキシドを用いて行った。ポリエチレンオキシドの溶媒にアセトニトリルを用いた。
【0071】
(比較例4)
実施例1と同様にポリビニルアルコールとポリアクリロニトリルとを用いて行った。ポリビニルアルコールとポリアクリロニトリルの溶媒にはNMPを用いた。積層回数については各ポリマー1回ずつ、合計で2回とした。
【0072】
(比較例5)
比較例4と同様に行った。積層回数については各ポリマー2回ずつ、合計4回とした。
【0073】
(比較例6)
実施例1に示した正極活物質をポリマー被覆せずに用いて、実施例1と同様の工程で電池作製・評価を行った。
【0074】
(本形態の効果)
この現象を防ぐために各種防止策が行われている。
【0075】
これまでに判明している劣化のメカニズムとして、リチウムコバルト酸化物およびリチウムマンガン酸化物である正極活物質は、リチウム二次電池の充放電に伴う活物質の結晶格子の変化が起こり、そのストレスのため遷移金属がイオンとなって溶出する現象や、活物質の結晶崩壊が起こる。
【0076】
その防止のために、一般的には、遷移金属の一部を他の原子に置換したリチウム複合酸化物にすることで、充放電に伴う結晶格子の変化を低減させているが、本形態では、こうした対策をこうじることなしに活物質の結晶崩壊を抑制できる。こうした対策と共に本形態を採用することも可能である。
【0077】
また、リチウムイオン二次電池においては、電解液として有機溶媒が用いられるが、正極活物質の活性点の存在により電解液が酸化分解を起こし、正極活物質表面に被膜を形成する。このためリチウムイオンのインターカレーションの妨害,内部抵抗の増加,クーロン効率の低下といった現象を引き起こし、劣化の原因となる。しかし、本形態では、こうした問題点も解決できる。
【0078】
さらに、電解質として多く用いられるLiPF6,LiBF4が、電池内に混入した水分と反応してフッ化水素を発生し、正極活物質を構成する金属元素の溶解・活物質上での被膜形成し、内部抵抗の増大を引き起こすが、本形態ではこうした問題点も解決可能である。
【0079】
従来の被覆に用いたポリマーでは、正極活物質の集電体への塗布時において有機溶媒と混合した状態にし、電池に組立後には電解液にさらされるため、ポリマーの有機溶媒によるポリマーの電解液への溶出が起こる可能性がある。そのため時間経過に伴う効果低下や性能低下を引き起こすことが懸念されるが、本形態の電池により解決できる。
【0080】
ポリマーを正極活物質に吸着させることで、正極活物質を構成とするリチウム二次電池を高温保存したときにおいても、正極活物質上に存在するポリマー被覆層の成分が電解液へ溶出することを抑制する。さらに電池の内部抵抗も低減する。
【0081】
なお、正極活物質の集電体への塗布時において有機溶媒と混合した状態にし、電池に組立後には電解液にさらされるが、多層ポリマー被覆層を有機溶媒である電解液に対して難溶性にすることが可能となる。
【0082】
以上のことから、正極活物質上にポリマー被覆した方が、容量維持率が高いことがわかる。特に、実施例1〜5で作製したリチウム二次電池の場合、ポリカチオンとポリアニリンとが強固に結合することを利用して、正極活物質上に多層被覆されることで電解液に対する耐溶解性が向上して、比較例に比べて、より電池性能が改善しているのが見られる。
【0083】
以上のようにリチウムニ次電池の正極活物質表面にポリアニオン・ポリカチオンとが強く相互作用する性質を利用して、それらのポリマーが交互に積層した構造の被膜を形成することで電解液に対する難溶性を向上することが可能になり、正極活物質の劣化抑制の効果が持続することが期待される。
【0084】
なお、ポリマーを正極活物質上に交互に多層積層(被覆)した構造の他、ポリアニオンとポリカチオンとを2層に積層した構造、これらポリマーを正極活物質に付着させた構造等が考えられる。
【0085】
【発明の効果】
本発明により、正極活物質の劣化の抑制と導電性の向上とを実現したリチウム二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リチウム二次電池の正極の拡大断面図である。
【符号の説明】
1…活物質、2…被覆ポリマー層、3…導電剤、4…バインダー樹脂、5…アルミニウム(Al)集電体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、リチウム二次電池は、高容量・高電圧の動力源として、電気自動車やハイブリット車への用途が期待されている。
【0003】
しかしながら、これらの適用に際しては、リチウム二次電池が長寿命であることと高出力であることとが必須であり、そのためには劣化の抑制と内部抵抗の低減とが必要となる。
【0004】
従来のものは、正極活物質にポリマーを被覆させている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−22733号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の被覆に用いたポリマーは、有機溶媒によるポリマーの電解液への溶出による劣化ついて検討されていない可能性がある。そのため時間経過に伴う効果低下や性能低下を引き起こすことが懸念される。
【0007】
本発明は、正極活物質の劣化の抑制と導電性の向上とを実現したリチウム二次電池を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
ポリマーにおいては、それらが分子内に有する官能基によりポリアニオンとポリカチオンという2種類の分類がされている。これら2種類のポリマーは、それぞれの有機溶媒を用いた溶液に混合すると、ポリアニオンとポリカチオンとが水素結合による強い相互作用をするため、有機溶媒に対して難溶性かつ非膨潤性になる。
【0009】
この性質を利用して、ポリアニオン及びポリカチオンという2種類のポリマーを表面に形成することにより、正極活物質の劣化の抑制と内部抵抗の低減とを達成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の態様により詳細に説明するが、本発明は以下の実施態様のみに限定されるものではない。
【0011】
本形態のリチウム二次電池は、リチウム及び遷移金属を有する複合酸化物を含む正極と、非晶質炭素及び/又は黒鉛を含む負極と、リチウム塩を含む非水電解液とを具備する。そして、リチウム及び遷移金属を有する複合酸化物である正極活物質の表面に、ルイス塩基として働く官能基を有するポリマーであるポリカチオンと、ルイス酸として働く官能基を有するポリマーであるポリアニオンとが形成される。
【0012】
表面に形成させるとは、ポリアニポンとポリカチオンとが表面に存在することであり、必ずしもこれらが積層状態にあることに限定させるものではなく、活物資上にこれらが点在,偏在してもよい。活物資が露出している部分があってもよい場合はある。
【0013】
これらは、活物質上に交互に積層した構造であってもよく、被覆された構造であってもよい。
【0014】
図1を用いて、本形態を説明する。図1は、リチウム二次電池の正極の拡大断面を示したものである。
【0015】
リチウム二次電池の正極は、アルミニウム(Al)集電体5に、活物質1,導電剤3,バインダー樹脂4が混合状態で形成される。活物質1には、被覆ポリマー層2が形成させる。この場合の被覆ポリマー層2は、ポリアニオンとポリカチオンとの2重被覆層を形成している。この場合、活物質1上には、ポリアニオンが形成され、更に、ポリアニオン上にポリカチオンが形成されている。
【0016】
活物質1の粒径は、約10μm程度であり、被覆ポリマー層2の膜厚は、約
10nm程度である。粒径の変化に応じて膜厚も変化するが、膜厚は粒径の約
0.1% 程度であることが好ましい。なお、集電体上に塗布した正極材の厚さは20〜100μmである。
【0017】
ポリアニオンとしては、−COOR(R=H,アルキル基),−SO3H を有するポリマーであり、ポリスチレンスルホン酸,分子内にスルホ基を有するポリマー,ポリアクリレート、及び分子内にカルボキシル基またはエステル基を有するポリマーがあげられる。
【0018】
ポリカチオンとしては、−NHR(R=H,アルキル基)を有するポリマーであり、ポリアニリン,ポリビニルアミン,アミノ基を有するポリマー、及びこれらのポリマーの誘導体があげられる。
【0019】
これらのポリマーについては、異なる単量体を共重合させたものも用いることが可能であり、共重合に用いる単量体として、エチレン,プロピレン,スチレン,エチレンオキシドが挙げられる。これらのポリアニオンとポリカチオンとの組み合わせにより、正極活物質上に電解液に対して安定なポリマー被覆層を形成することができる。
【0020】
正極に用いることのできる正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出できる材料であればよく、例えば、化学式がLiMn2O4,LiMnO3,
LiMn2O3,LiMnO2,LiMn2−xMxO2(但し、MはCo,Ni,Fe,Cr,Zn,Taであり、(x=0.01〜0.1))で表記されるスピネル型マンガン酸リチウム、Li2Mn3MO8(但し、MはFe,Co,Ni,Cu,Zn)で表記されるリチウムマンガン複合酸化物、又はLiの一部をアルカリ土類金属イオンで置換したLiMn2O4等が適用できる。なお、これらの単体でも適用できるが、これらの少なくとも一種以上を混合して、正極用基板に塗布して使用しても一定の効果が期待できる。
【0021】
負極に用いることのできる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出できる材料であればよく、例えば、リチウム金属,リチウム金属と他の金属との合金が使用できる。また、天然黒鉛,石炭や石油ピッチ等を高温で熱処理して得られる黒鉛化炭素のような結晶質カーボン,石油ピッチコークス,石炭ピッチコークス,アセナフチレンピッチコークスを熱処理して得られる非晶質カーボン等がある。さらには、金属担持型のリチウムイオン吸蔵材料なども挙げられる。
【0022】
電解液としては、リチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解したものを用いることができ、必要に応じて各種の添加剤を添加しても良い。
【0023】
リチウム塩は、リチウム二次電池の充放電により、電解液中を移動するリチウムイオンを供給する作用を有する。リチウム塩としては、LiClO4,
LiCF3SO3,LiPF6,LiBF4,LiAsF6 などのうち1種類もしくは2種類以上を選択して用いることができる。
【0024】
有機溶媒としては、カーボネート類,エステル類,エーテル類等を用いることができる。例えば、エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネート,ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトロン,酢酸メチル、1,3−ジオキソラン、1,3−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン,テトラヒドロフランなどを用いることができ、その他にスルホランなどの硫黄化合物,含窒素化合物,含珪素化合物,含フッ素化合物,含リン化合物などの有機溶媒を用いることができる。
【0025】
これらを1種あるいは2種以上を混合した溶媒に、上述のリチウム塩を0.1 〜2モル/リットル溶解させて電解液とする。
【0026】
本形態のリチウム二次電池は劣化しにくいため、長時間放置される用途に適する。他にも高温雰囲気でも安定したサイクル特性を示すことから、50℃以上でも使用可能性がある。
【0027】
また、以下に示すような電気機器に搭載することに適する。
【0028】
例えば、電気自動車,電動式自転車,パソコン,携帯電話,デジタルカメラ,ビデオレコーダー,ミニディスクポータブルプレイヤー,パーソナルデジタルアシスタント,腕時計,ラジオ,電子手帳,電動工具,掃除機,玩具,エレベーター,医療介護用歩行補助機,医療介護用車椅子,医療介護用移動式ベッド,非常用電源,ロードコンディショナー,電力貯蔵システムなどの電源として本形態のリチウム二次電池を用いることができる。また、これら民生用の用途以外に、軍需用や宇宙用としても使用することができる。
【0029】
本形態で示した非水電解液(リチウム)二次電池の形状については、特に限定されず、必要に応じて円筒型形状,角型形状,コイン型形状,ボタン型形状等の種々の形状とすることができる。
【0030】
以下に、本形態の実施例及び比較例を示すことによって具体的に説明する。
【0031】
(実施例1)
ポリアニオンとしてポリアクリル酸ブチル、ポリカチオンとしてポリアニリンを用いて以下のような実験を行った。
<被覆ポリマーの溶解性>
正極活物質材料として、Li2CO3とMnO2 とを所定の割合で混合し、空気中で800℃,24時間焼成後徐冷して、下記の(1)式で表される正極活物質を得た。
【0032】
Li1.08Mn1.92O4 (1)
本実施例におけるポリマーを被覆した正極活物質の製造方法を以下に示す。
【0033】
上述の正極活物質30重量部を、0.2% 相当の被覆ポリマーであるポリアクリル酸ブチルを含むアセトン溶液70重量部に分散させる。得られた分散液を有機ドラフト内で6時間放置した。その後、分散液内で正極活物質は沈降し、上澄み液40重量部を除去した。そして残った沈降物を80℃雰囲気中で12時間乾燥し、ほぼ凝集の無い正極活物質を得た。これは、ポリマー被覆型リチウム二次電池用正極活物質材料である。
【0034】
ここで得られた正極活物質とポリアニリンとを用いて、同様の手順で、ポリマー被覆を繰り返す。これにより、バインダー樹脂溶解用溶媒及び非水電解液の溶媒の双方に溶解しない2層のポリマー被覆層を正極活物質の粉体表面に形成できる。
【0035】
正極活物質上に被覆したポリマーの存在については、拡散反射型赤外吸収スペクトルを測定することにより、ポリマー中に含まれる官能基の特徴的な伸縮振動が観測されることで確認できる。本実施例において、特に、ポリアクリル酸ブチルはカルボニルの伸縮振動が、ポリアニリンはアミンの伸縮振動が、観測されることにより確認された。
【0036】
正極活物質上に被覆したポリマーの有機溶媒への溶解の確認については、得られた活物質1.5kg に対して、それぞれスラリー作製に用いる有機溶媒であるN−メチルピロリドン(NMP)1kgを混合し、3時間混練した後に、NMPを取り出し、それぞれ液体クロマトグラフィーで測定することで、被覆に用いたポリマー溶出の有無を確認できる。
【0037】
本実施例の正極活物質については、被覆に用いたポリマーのNMPへの溶出は確認できなかった。
【0038】
これに対して後述の比較例の正極活物質については、ポリマーの溶出が確認された。
【0039】
このことからポリアニオンとポリカチオンとの組み合わせで被覆することで有機溶媒に対して難溶性の被覆層を形成できることが確認できる。
<非水電解液二次電池の性能>
次に前述の2種(2層)ポリマー被覆をした正極活物質を用いて電池作製をした。
【0040】
〈正極の作製〉
正極については、以下の手順で作製した。
【0041】
バインダー樹脂であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)をNMPに溶解し、濃度10%の溶液を準備した。この溶液40重量部に対し、得られた正極活物質の粉体60重量部を混合し、さらにNMPを加えて混練して正極合剤スラリーを調製し、このスラリーを集電体である厚さ0.02mm のアルミ箔上に塗布し、
120℃の温風を送風することにより乾燥した。
【0042】
同様にして、集電体の裏面にも正極合剤スラリーを塗布・乾燥した。
【0043】
その後、所定の厚みになるようプレス成形した後に減圧乾燥することで正極を得た。これは、正極板となる。
【0044】
〈負極の作製〉
負極については、以下の手順で作製した。
【0045】
バインダー樹脂であるPVDFをNMPに溶解し、濃度10%の溶液を準備した。この溶液50重量部に対し、炭素材料である平均粒径10μmの非晶質炭素の粉体30重量部と活物質粉体50重量部とを混合し、さらに粘度調整のためにNMPを加えて負極合剤スラリーを混練して調製し、このスラリーを集電体である厚さ0.01mm の銅箔上にコーティングし、120℃の温風を送風することにより乾燥させた。
【0046】
同様にして、集電体の裏面にも負極合剤スラリーを塗布・乾燥した。
【0047】
その後、所定の厚みになるようプレス成形した後に減圧乾燥することで負極(板)を得た。
【0048】
〈リチウムイオン非水電解液二次電池の作製〉
得られた負極と正極とをセパレータを介して捲回し、ロール状の電極を形成する。
【0049】
これを電池缶に収納し、減圧乾燥した。
【0050】
次に、電池缶内にジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(1:1:1(体積比))にLiPF6 を1mol/リットルの割合で溶解させた電解液を注入した後に、蓋をかしめることにより、リチウムイオン非水電解液二次電池(直径15mm,長さ65mm)を作製した。
【0051】
充放電器を用い、25℃において充放電を行った。
【0052】
いずれの電池についても電流300mA,充電終了電圧4.2V で4時間の定電流充電を行った。
【0053】
引き続き、いずれの電池についても電流300mAで、3.0V の放電終了電圧まで定電流放電を行った。このときに得られた容量を初期容量とした。
【0054】
次に、同様に充電した後に、50℃で1ヶ月放置した後の放電容量(保存後放電容量(mAh))を測定し、初期放電容量を100%としたときの保存後の容量保持率を求め、1ヶ月後容量保持率とした。
【0055】
本実施例においては、1ヶ月で容量保持率は90〜93%であり、後述の比較例よりも優れていることが確認された。後述する実施例2〜5,比較例1〜6の結果をまとめたものを表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1よりわかるように、ポリアニオンとポリカチオンとを形成した実施例1〜5は、1ヶ月後の容量保持率が何れも90%以上と高い。しかし、ポリアニオンのみを被覆した比較例1〜3,ポリアニオン・ポリカチオンの何れでもないポリマーを2重被覆している比較例4,5,ポリマーを被覆していない比較例6は、何れも1ヶ月後の容量保持率が80〜84%程度低い。
【0058】
さらに、作製した電池についてはサイクル特性についても測定した。
【0059】
50℃で100サイクル充放電を繰り返したときの、初期放電容量を100%としたときの100サイクル後の放電容量率を求めた。本実施例については84〜89%程度を示した。後述の比較例よりも優れていることが確認された。後述する実施例2〜5,比較例1〜6の結果をまとめたものを表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
また、表2よりわかるように、ポリアニオンとポリカチオンとを形成した実施例1〜5は、100サイクル後の容量保持率が何れも84%以上と高い。しかし、ポリアニオンのみを被覆した比較例1〜3,ポリアニオン・ポリカチオンの何れでもないポリマーを2重被覆している比較例4,5,ポリマーを被覆していない比較例6は、何れも100サイクル後の容量保持率が75%以下と低い。
【0062】
また、ポリマーを1種類もしくは2種類被覆したものとポリマー被覆をしないものの間で大きな差異が見られなかった。
【0063】
また、100サイクル充放電を行った電池についてMn溶出について調べるため、これらの電池の電解液について、誘導結合高周波プラズマ(ICP)分光分析を行ったところ、本実施例については、Mnの存在は観測されなかったが、後述の比較例においてはMnの存在は観測され、ポリマー被覆が溶出するため、
Mn溶出の抑制効果が失われてしまうことが判明した。
【0064】
(実施例2)
ポリアニオンとしてポリアクリル酸ブチル,ポリカチオンとしてポリアニリンを用いて実施例1と同様に、ポリマー評価,正極活物質の作製・評価,電池作製・評価を行った。積層回数については各ポリマー2回ずつ、合計4回とした。
【0065】
(実施例3)
ポリアニオンとしてポリアクリル酸,ポリカチオンとしてポリアニリンを用いて実施例1と同様に実験を行った。ポリアクリル酸の溶媒にテトラヒドロフラン(THF)を用いた。積層回数については各ポリマー1回ずつ、合計で2回とした。
【0066】
(実施例4)
ポリアニオンとしてポリアクリル酸ブチル,ポリカチオンとしてポリビニルアミンを用いて実施例1と同様に実験を行った。ポリアクリル酸ブチルの溶媒にTHF,ポリビニルアミンの溶媒にはNMPを用いた。積層回数については各ポリマー1回ずつ、合計で2回とした。
【0067】
(実施例5)
ポリアニオンとしてポリアクリル酸、ポリカチオンとしてポリビニルアミンを用いて実施例1と同様に実験を行った。ポリアクリル酸の溶媒にTHF,ポリビニルアミンの溶媒にはNMPを用いた。積層回数については各ポリマー1回ずつ、合計で2回とした。
【0068】
(比較例1)
ポリアクリル酸ブチルを用いて実施例1と同様にポリマー評価,正極活物質の作製・評価,電池作製・評価を行った。積層回数については1回とした。
【0069】
(比較例2)
比較例1と同様にポリアクリル酸を用いて行った。
【0070】
(比較例3)
比較例1と同様にポリエチレンオキシドを用いて行った。ポリエチレンオキシドの溶媒にアセトニトリルを用いた。
【0071】
(比較例4)
実施例1と同様にポリビニルアルコールとポリアクリロニトリルとを用いて行った。ポリビニルアルコールとポリアクリロニトリルの溶媒にはNMPを用いた。積層回数については各ポリマー1回ずつ、合計で2回とした。
【0072】
(比較例5)
比較例4と同様に行った。積層回数については各ポリマー2回ずつ、合計4回とした。
【0073】
(比較例6)
実施例1に示した正極活物質をポリマー被覆せずに用いて、実施例1と同様の工程で電池作製・評価を行った。
【0074】
(本形態の効果)
この現象を防ぐために各種防止策が行われている。
【0075】
これまでに判明している劣化のメカニズムとして、リチウムコバルト酸化物およびリチウムマンガン酸化物である正極活物質は、リチウム二次電池の充放電に伴う活物質の結晶格子の変化が起こり、そのストレスのため遷移金属がイオンとなって溶出する現象や、活物質の結晶崩壊が起こる。
【0076】
その防止のために、一般的には、遷移金属の一部を他の原子に置換したリチウム複合酸化物にすることで、充放電に伴う結晶格子の変化を低減させているが、本形態では、こうした対策をこうじることなしに活物質の結晶崩壊を抑制できる。こうした対策と共に本形態を採用することも可能である。
【0077】
また、リチウムイオン二次電池においては、電解液として有機溶媒が用いられるが、正極活物質の活性点の存在により電解液が酸化分解を起こし、正極活物質表面に被膜を形成する。このためリチウムイオンのインターカレーションの妨害,内部抵抗の増加,クーロン効率の低下といった現象を引き起こし、劣化の原因となる。しかし、本形態では、こうした問題点も解決できる。
【0078】
さらに、電解質として多く用いられるLiPF6,LiBF4が、電池内に混入した水分と反応してフッ化水素を発生し、正極活物質を構成する金属元素の溶解・活物質上での被膜形成し、内部抵抗の増大を引き起こすが、本形態ではこうした問題点も解決可能である。
【0079】
従来の被覆に用いたポリマーでは、正極活物質の集電体への塗布時において有機溶媒と混合した状態にし、電池に組立後には電解液にさらされるため、ポリマーの有機溶媒によるポリマーの電解液への溶出が起こる可能性がある。そのため時間経過に伴う効果低下や性能低下を引き起こすことが懸念されるが、本形態の電池により解決できる。
【0080】
ポリマーを正極活物質に吸着させることで、正極活物質を構成とするリチウム二次電池を高温保存したときにおいても、正極活物質上に存在するポリマー被覆層の成分が電解液へ溶出することを抑制する。さらに電池の内部抵抗も低減する。
【0081】
なお、正極活物質の集電体への塗布時において有機溶媒と混合した状態にし、電池に組立後には電解液にさらされるが、多層ポリマー被覆層を有機溶媒である電解液に対して難溶性にすることが可能となる。
【0082】
以上のことから、正極活物質上にポリマー被覆した方が、容量維持率が高いことがわかる。特に、実施例1〜5で作製したリチウム二次電池の場合、ポリカチオンとポリアニリンとが強固に結合することを利用して、正極活物質上に多層被覆されることで電解液に対する耐溶解性が向上して、比較例に比べて、より電池性能が改善しているのが見られる。
【0083】
以上のようにリチウムニ次電池の正極活物質表面にポリアニオン・ポリカチオンとが強く相互作用する性質を利用して、それらのポリマーが交互に積層した構造の被膜を形成することで電解液に対する難溶性を向上することが可能になり、正極活物質の劣化抑制の効果が持続することが期待される。
【0084】
なお、ポリマーを正極活物質上に交互に多層積層(被覆)した構造の他、ポリアニオンとポリカチオンとを2層に積層した構造、これらポリマーを正極活物質に付着させた構造等が考えられる。
【0085】
【発明の効果】
本発明により、正極活物質の劣化の抑制と導電性の向上とを実現したリチウム二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リチウム二次電池の正極の拡大断面図である。
【符号の説明】
1…活物質、2…被覆ポリマー層、3…導電剤、4…バインダー樹脂、5…アルミニウム(Al)集電体。
Claims (6)
- リチウム及び遷移金属を有する複合酸化物を含む正極と、非晶質炭素及び/又は黒鉛を含む負極と、リチウム塩を含む非水電解液とを具備するリチウム二次電池において、
リチウム及び遷移金属を有する複合酸化物である正極活物質の表面に、ルイス塩基として働く官能基を有するポリマーであるポリカチオンと、ルイス酸として働く官能基を有するポリマーであるポリアニオンとが形成されることを特徴とするリチウム二次電池。 - 請求項1において、前記ポリアニオンが−COOR(R=H,アルキル基),−SO3H を有し、前記ポリカチオンが−NHR(R=H,アルキル基)を有するポリマーであることを特徴とするリチウム二次電池。
- 請求項1において、前記ポリカチオンと前記ポリアニオンとが交互に積層した構造であることを特徴とするリチウム二次電池。
- 請求項1において、前記ポリカチオンと前記ポリアニオンとが前記正極活物質を被膜することを特徴とするリチウム二次電池。
- リチウム及び遷移金属を有する複合酸化物である正極活物質の表面に、ルイス塩基として働く官能基を有するポリマーであるポリカチオンと、ルイス酸として働く官能基を有するポリマーであるポリアニオンとが形成されることを特徴とするポリマー被覆型リチウム二次電池用正極活物質材料。
- 請求項5に記載した材料を用いた正極板。
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