JP2006021648A - タイヤ摩耗のシミュレーション方法、装置、プログラム及び媒体 - Google Patents

タイヤ摩耗のシミュレーション方法、装置、プログラム及び媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 自動車等に使用される空気入りタイヤなどのタイヤについて摩耗による形状変化を考慮したタイヤ摩耗の予測を容易にする。
【解決手段】 形状や構造等のタイヤ設計案から有限要素法によるタイヤをモデル化し(ステップ100)、回転接触解析したのち摩耗エネルギ分布を求めて摩耗させたタイヤモデルを作成し(ステップ104〜108)、再度回転接触解析したのち摩耗エネルギ分布を求めてタイヤモデルの削り量を決定する(ステップ110〜114)。これを繰り返すことで、摩耗形態の進展過程をシミュレーションする。これにより、タイヤの摩耗後の形状を時間または走行距離に対して正確にシミュレートすることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、タイヤ摩耗のシミュレーション方法、装置、プログラム及び媒体にかかり、自動車等に使用される空気入りタイヤなどのタイヤにおける摩耗進展をシミュレートするタイヤ摩耗のシミュレーション方法、装置、プログラム及び媒体に関する。
従来、空気入りタイヤなどのタイヤ開発において、タイヤ摩耗は実際にタイヤを設計・製造し、自動車に装着して走行することで生じた摩耗を実測することにより得ていた。最近では、有限要素法等の数値解析手法や計算機環境の発達により、タイヤ内圧充填状態や荷重状態等を考慮して計算機でタイヤ形状などの計算が可能になってきている。
ところが、タイヤ形状などを模擬する場合、設計時のタイヤをモデル化して計算に用いている。タイヤは、摩耗により、製造時から経時的に変化が伴うものである。このため、タイヤ摩耗を検証するには、実際にタイヤを設計・製造し、試験環境による試験や走行試験に依存するしかなかった。
例えば、計算機を用いて、タイヤ性能の計算を可能とする技術としては、タイヤ形状をモデル化し、走行を模擬する技術が知られている(特許文献1を参照)。この技術では、タイヤ有限要素モデルを用いて、摩擦係数を含む走行条件に従った走行シミュレーションを行うものである。
特開2003−72328号公報
しかしながら、従来の技術は、走行時点における形状のみを模擬したり、走行時点に起因するエネルギを評価したりするにすぎず、摩耗による経時的な形状変化を考慮したものではなかった。また、新品時のタイヤや設計時のタイヤをモデル化したのみのタイヤモデルから形状を予測するのみでは、摩耗による形状変化を考慮できないことから、精度的に不十分な結果しか得ることができなかった。
本発明は、上記事実を考慮して、自動車等に使用される空気入りタイヤなどのタイヤについて摩耗による形状変化を考慮したタイヤ摩耗の予測を容易にすることができるタイヤ摩耗のシミュレーション方法、装置、プログラム及び媒体を得ることが目的である。
上記目的を達成するために本発明は、自動車等に使用される空気入りタイヤなどのタイヤについて摩耗による形状変化を考慮してタイヤ摩耗を予測し、特にタイヤに加わる応力などによりタイヤ表面で生じる摩耗を把握してその解析を可能し、タイヤ摩耗の模擬を容易にしたものである。
具体的には、本発明のタイヤ摩耗のシミュレーション方法は、(a)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定めるステップ、(b)前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行するステップ、(c)前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行するステップ、(d)前記摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量を求めかつ該位置で該削り量を削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ、(e)前記ステップ(d)の変形計算後のタイヤモデルについて、前記ステップ(b)及び前記ステップ(c)の計算をさせた後に前記ステップ(d)を計算させることを所定回繰り返すステップ、(f)前記ステップ(e)の計算結果を出力するステップ、を含んでいる。
本発明では、まず、タイヤ摩耗を模擬するため、タイヤ設計案(タイヤ形状・構造・材料・パターンの変更など)を数値解析上のモデルに落とし込むことで、数値解析が可能なタイヤモデル(数値解析モデル)を作成する。このとき、タイヤには、タイヤに接触する路面から、応力等が与えられる。そこで、路面についてもモデル化を行い、数値解析上のモデルを作成することで、タイヤの挙動について数値解析を行うことができる。ここで、タイヤと路面とは相対的に移動することで、走行することになる。この走行にあたっては、タイヤと路面との間における摩擦が関与する。そこで、数値解析のためには、摩擦係数などを定めることで、走行を模擬することが可能となる。従って、タイヤ摩耗を模擬するためには、効率良く、精度の良いタイヤタイヤ摩耗模擬のための数値解析モデルが不可欠である。
そこで、本発明では、タイヤ摩耗を模擬するため、ステップ(a)において、接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、タイヤモデルと路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定める。
次に、ステップ(b)では、走行条件に基づいて、タイヤモデルの一部を路面モデルに接触させてタイヤモデルを回転させる転動計算を実行し、ステップ(c)では、走行条件に基づいて、転動計算後に、多数要素の各々について路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行する。そして、ステップ(e)では、ステップ(d)の変形計算後のタイヤモデルについて、ステップ(b)及びステップ(c)の計算をさせた後にステップ(d)を計算させることを所定回繰り返し、ステップ(f)においてステップ(e)の計算結果を出力する。
このように、摩耗エネルギを求めて、その摩耗エネルギに対応して摩耗に対応させるべくタイヤモデルを変形し、その変形後のすなわち摩耗後の形状を有するタイヤモデルを再作成することを繰り返すことにより、タイヤの摩耗が進展してゆく過程を正確にシミュレートすることができる。
前記ステップ(d)では、前記削り量について、次の式の制限条件を付与することを特徴とする。
Dn<<D×(4×dEW(r,D)−dEW(r,2D))/(dEW(r,2D)−dEW(r,D))
但し、dEW(r,D)=EW(r,D)−EW(r,0)
dEW(r,2D))=EW(r,2D)−EW(r,0)
EW(r,0)は初期の摩耗エネルギ、rは位置、Dnは求める削り量、Dは単位削り量である。
摩耗に相当する量を切削する場合、極めて微小な削り量で繰り返し計算することにより誤差を抑制した結果を得ることができるが、計算負荷(計算時間)が膨大になる。そこで、上記の式による制限条件を付与することで、精度を維持しつつ繰り返し計算の回数を抑制して計算負荷を抑制することができる。
なお、前記ステップ(c)では、求めた摩耗エネルギに対する前回の摩耗エネルギの差分を摩耗速度とさらに定め、前記多数要素の各々または多数要素に含まれる所定位置の摩耗速度を求めることにより摩耗速度分布の計算をさらに実行することができる。
摩耗エネルギを時系列的に求めれば、その差分は速度に対応することになる。この摩耗速度を求めれば摩耗の進展について傾向を把握することが可能となる。従って、ステップ(c)で、求めた摩耗エネルギに対する前回の摩耗エネルギの差分を摩耗速度とさらに定め、多数要素の各々または多数要素に含まれる所定位置の摩耗速度を求めることにより摩耗速度分布の計算をさらに実行すれば、タイヤモデルの摩耗の傾向を容易に把握することができる。
前記ステップ(a)では、タイヤ周方向に傾斜度の異なる複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、前記ステップ(c)では、前記ブロック毎に、前記摩耗エネルギを求める。
タイヤば多数のブロックの集まりで形成されていると捉えることができる。このブロックごとに摩耗エネルギは異なる場合があり、その差異は偏摩耗などに影響する。そこで、ステップ(a)でタイヤ周方向に傾斜度の異なる複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、ステップ(c)でブロック毎に摩耗エネルギを求めるようにすれば、タイヤを構成するブロックごとに摩耗状態を把握することができる。
前記ステップ(c)では、前記摩耗エネルギとして、前記ブロック毎に、前端部付近の前摩耗エネルギ及び後端部付近の後摩耗エネルギを求め、前摩耗エネルギと後摩耗エネルギとの差分を摩耗進展速度として求め、前記ステップ(f)では、前記傾斜度の時間依存性として、前記摩耗進展速度の変動の時間特性を求める。
タイヤは所謂ヒールアンドトウ摩耗で知られるように、ブロックの前端部及び後端部の影響が大きい場合がある。この摩耗では、ブロックの前端部から後端部で傾斜する形状になる。そこで、ステップ(c)において摩耗エネルギとして、ブロック毎に、前端部付近の前摩耗エネルギ及び後端部付近の後摩耗エネルギを求め、前摩耗エネルギと後摩耗エネルギとの差分を摩耗進展速度として求め、ステップ(f)において傾斜度の時間依存性として、摩耗進展速度の変動の時間特性を求める。従って、ブロックの前後端(踏み込み端と蹴り出し端)の摩耗エネルギの差分から求めた摩耗進展速度から摩耗進展に対する傾斜度の時間依存性を求めることができる。これによって、タイヤの所謂ヒールアンドトウ摩耗が進展してゆく過程を正確にシミュレートすることができる。従って、所謂ヒールアンドトウ摩耗について時間的な進展について正確にシミュレートすることができるので、演算回数を増加することによって、時間に依存したヒールアンドトウ摩耗を容易に予測することができる。
前記ステップ(a)では、タイヤ幅方向に高さの異なる複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、前記ステップ(c)では、前記ブロック毎に、前記摩耗エネルギを求める。
タイヤは、摩耗によりその形状が変化する。摩耗エネルギに対応する摩耗量を切削したタイヤモデルを再作成する場合、演算負荷が増大する場合がある。そこで、ステップ(a)においてタイヤ幅方向に高さの異なる複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定めて、ステップ(c)においてブロック毎に摩耗エネルギを求めるようにすれば、予め定めた複数のブロックによるパターンで演算することができ、演算負荷を減少することができる。
前記ステップ(c)では、前記摩耗エネルギとして、予め定めたブロックを基準に、ブロック毎に、摩耗エネルギを求め、基準ブロックの摩耗エネルギと他ブロックの摩耗エネルギとの差分を段差摩耗進展速度として求め、前記ステップ(f)では、ブロック段差の時間依存性として、前記段差摩耗進展速度の変動の時間特性を求める。
タイヤは、ヒールアンドトウ摩耗に限らずにブロック全体、ブロックの中腹や左右で摩耗量が異なる摩耗を生じる場合がある。例えば、ショルダー片落ち摩耗やセンター摩耗、特定のリブのみ摩耗量が異なるリブ摩耗がある。そこで、ステップ(a)でタイヤ幅方向に高さの異なる複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定めて、ステップ(c)でブロック毎に摩耗エネルギを求めるようにすれば、ブロック間、ショルダー間、リブ間の何れかにおける摩耗を反映したタイヤモデルの摩耗進展を計算することができる。
前記ステップ(a)では、予め定めた走行条件により摩耗したタイヤの実測値によりタイヤモデルを定めることができる。
タイヤ摩耗をシミュレーションする場合、正確に摩耗を把握することが望まれる。そこで、ステップ(a)において摩耗したタイヤの実測値によりタイヤモデルを定めるようにすれば、現実的な摩耗形状をモデル化した計算結果の摩耗エネルギー分布を求めることができるので、実際に使用したタイヤの摩耗状態に則したシミュレーションが可能となり、タイヤ摩耗が進展してゆく過程を実測値に近似して正確にシミュレーションすることができる。
なお、前記タイヤ摩耗のシミュレーション方法は、次の装置によって容易に実現することができる。詳細には、本発明のタイヤ摩耗のシミュレーション装置は、接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定める設定手段と、前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行する転動計算手段と、前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行する摩耗エネルギ分布計算手段と、前記摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量を求めかつ該位置で該削り量を削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行する変形計算手段と、前記変形計算後のタイヤモデルについて、前記転動計算手段及び前記摩耗エネルギ分布計算手段で計算をさせた後に前記変形計算手段で計算させることを所定回繰り返す指示制御を実行する制御手段と、前記制御手段の実行結果を出力する出力手段と、を備えている。
また、コンピュータによってタイヤ摩耗を模擬する場合、接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定めさせ、前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行させ、前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行させ、前記摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量を求めかつ該位置で該削り量を削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行させ、前記変形計算後のタイヤモデルについて、前記転動計算手段及び前記摩耗エネルギ分布計算手段で計算をさせた後に前記変形計算手段で計算させることを所定回繰り返させ、前記制御手段の実行結果を出力させる、各ステップを含むタイヤ摩耗のシミュレーションプログラムをコンピュータに実行させるようにすれば、簡便にタイヤ摩耗を模擬することができる。
さらに、接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定めさせ、前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行させ、前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行させ、前記摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量を求めかつ該位置で該削り量を削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行させ、前記変形計算後のタイヤモデルについて、前記転動計算手段及び前記摩耗エネルギ分布計算手段で計算をさせた後に前記変形計算手段で計算させることを所定回繰り返させ、前記制御手段の実行結果を出力させる、各ステップを含むタイヤ摩耗のシミュレーションプログラムを記憶媒体に記憶するようにし実行させ、データ収集するようにすれば、タイヤ摩耗進展の過程を用いて今後のデータ蓄積に役立てることができる。
以上説明したように本発明によれば、摩耗エネルギを求めて該摩耗エネルギに対応した摩耗に相当する量でタイヤモデルを変形し変形後(摩耗後)のタイヤモデルを再作成することを繰り返すので、タイヤの摩耗が進展してゆく過程を正確にシミュレートすることができる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態は空気入りタイヤの性能としてタイヤ摩耗をシミュレーションする場合に本発明を適用したものである。
図1には本発明の空気入りタイヤ摩耗のシミュレーションを実施するためのパーソナルコンピュータの概略が示されている。このパーソナルコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶された処理プログラムに従ってタイヤの性能を予測するコンピュータ本体12、及びコンピュータ本体12の演算結果等を表示するCRT14から構成されている。
なお、コンピュータ本体12には、記録媒体としてのフレキシブルディスク(FD)が挿抜可能なフレキシブルディスクユニット(FDU)を備えている。なお、後述する処理ルーチン等は、FDUを用いてフレキシブルディスクFDに対して読み書き可能である。従って、後述する処理ルーチンは、予めFDに記録しておき、FDUを介してFDに記録された処理プログラムを実行してもよい。また、コンピュータ本体12にハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)を接続し、FDに記録された処理プログラムを大容量記憶装置(図示省略)へ格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、記録テープ、CDROMやDVD等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDUに代えてまたはさらに対応する読み書き装置を用いればよい。
〔第1実施の形態〕
図2は、本実施の形態のタイヤ摩耗シミュレーションプログラムの処理ルーチンを示すものである。ステップ100では、シミュレーションするタイヤの設計案(タイヤ形状、構造、材料、パターンの変更など)についての初期設定を実施する。この初期設定は、タイヤ摩耗のシミュレーションをするために必要となる、各種モデルやゴムなどの物性、そして各種初期データを設定する処理である。
具体的には、図3に示す初期設定ルーチンが実行される。初期設定ルーチンでは、まず、タイヤ設計案を数値解析上のモデルに落とし込むため、タイヤモデルを作成する。このタイヤモデルの作成は、用いる数値解析手法により若干異なる。本実施の形態では数値解析手法として有限要素法(FEM)を用いるものとする。従って、作成するタイヤモデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割、例えば、メッシュ分割によって複数の要素に分割され、タイヤを数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化したものをいう。この要素分割とはタイヤ及び路面等の対象物を小さな幾つかの(有限の)小部分に分割することをいう。この小部分ごとに計算を行い全ての小部分について計算した後、全部の小部分を足し合わせることにより全体の応答を得ることができる。なお、数値解析手法には差分法や有限体積法を用いても良い。
このタイヤモデルの作成は、タイヤ断面のモデルを作成した後に、パターンをモデル化する。まず、ステップ200において、タイヤ径方向断面のモデル(タイヤ断面データ)を作成する。このタイヤ断面データは、タイヤ外形をレーザー形状測定器等で計測し値を採取する。また、タイヤ内部の構造は設計図面および実際のタイヤ断面データ等から正確なものを採取する。タイヤ断面内のゴム、補教材(ベルト、プライ等、鉄・有機繊維等でできた補強コードをシート状に束ねたもの)をそれぞれ有限要素法のモデル化手法に応じてモデル化する。このようにモデル化したタイヤ径方向断面のモデルを図4に示した。
なお、通常、ベルト層のコード角度を幅方向で同一(例えば、周方向に対して24度)でモデル化するが、本実施の形態では、計算制度向上のために、ベルト層のコードをS字(幅方向端では、周方向に対する角度が大きい方向)として、計算する。これにより精度向上が期待できる。
次のステップ202では、2次元データであるタイヤ断面データ(タイヤ径方向断面のモデル)を周方向に一周分展開し、タイヤの3次元(3D)モデルを作成する。この場合、ゴム部は8節点ソリッド要素、補教材は角度を表現できる異方性シェル要素でモデル化することが望ましい。
次のステップ204では、パターンをモデル化する。このパターンのモデル化は、パターンの一部または全部を別個にモデル化し、上記タイヤモデルにトレッド部分として貼りつけてパターンを作成することや、タイヤ断面データを周方向に展開する際にリブ・ラグ成分を考慮してパターンを作成することを採用できる。このようにして3次元的にモデル化した3Dモデルを図5に示した。
次のステップ206では、少なくとも路面を含むタイヤに関係する物のモデルを作成する。このステップ206では、タイヤの一部および接地面、タイヤが移動・変形する領域を含む路面を分割してモデル化した路面モデルの作成と共に路面状態の入力がなされる。この路面状態とは、路面形状や路面材料である。この路面状態による摩擦の影響については後述する。なお、タイヤと路面との間に介在する流体領域を分割してモデル化してもよい。
次のステップ208では、タイヤ各部のゴム構成材料を設定する。上記のように、構造的には、タイヤ内のゴム、及び補教材をそれぞれ有限要素法によるモデル化を行ったが、そのタイヤ内のゴムすなわち、タイヤ各部のゴム構成材料はまちまちである。そこで、このステップ208においてタイヤ各部のゴム構成材料を設定する。これにより、タイヤを構成する各種データを規定することができる。
次のステップ210では、タイヤ摩耗をシミュレーションするための各種データを読み取る。この各種データは、タイヤ摩耗に関係するデータであり、代表的なものとして路面の摩擦係数μがある。この場合、路面をモデル化してそのモデル化した路面を実際の路面に近似する設定をすることに相当する。路面のモデル化は、路面形状を要素分割してモデル化し、路面の摩擦係数μを選択設定することで路面状態を入力することができる。例えば、路面状態により乾燥(DRY)、濡れ(WET)、氷上、雪上、非舗装等に対応する路面の摩擦係数μが存在するので、摩擦係数μについて適正な値を選択することで、実路面を再現させることができる。
なお、タイヤは、その接地圧に応じて摩擦係数μが変化することが知られている。そこで、本実施の形態では、摩擦係数μと接地圧Pとの関係を予め実験などにより求めた特性(μ−Pカーブ)を、データベース化して、これを用いるものとする。
このステップ210では、タイヤ摩耗をシミュレーションするにあたってのタイヤを使用するときの初期温度や使用荷重を設定することができる。また、タイヤが空気入りタイヤであるときは、内圧の充填率を設定することもできる。
このようにして、初期設定を行った後、以下のようにして、タイヤ摩耗の変化を把握する。
図2のステップ102では、削り量Dn(nは自然数)だけタイヤモデルを切削したタイヤモデルに修正する。なお、ステップ100直後のステップ102の処理は、最初のモデル修正のため、上記ステップ100で定めたモデルをそのまま用いる。次のステップ104では、回転接触解析を実行する。この回転接触解析は、路面に接触したタイヤを回転させたときの変化を解析するものであり、経時変化によって摩耗が進展する可能性を把握するために必要となる処理である。
具体的には、図6に示す処理ルーチンが実行される。まず、ステップ300では、タイヤモデルと理想平面路面モデルとを読み取る。次のステップ302では、タイヤモデルと路面モデルとを接近させて、接触させる。このステップ302では、タイヤモデルを路面モデルに水平に接近(平押し)することを想定する。この平押しは、荷重値またはたわみ量で制御する。なお、キャンバー角を指定する場合は、タイヤモデルを指定するキャンバー角だけ路面モデルに対して傾斜すればよい。次のステップ304では、タイヤモデルの中心点を路面モデルに対して水平方向に移動させる。このとき、タイヤモデルとタイヤモデルの軸とは拘束されており、そしてタイヤモデルと路面モデルとの間に摩擦力が存在するため、タイヤモデルの拘束が解除されてタイヤモデルが回転する。なお、タイヤモデルの中心点の移動方向をタイヤモデルの向きから変化させることで、操舵角による方向指示をした状態について計算上で実現することができる。図7には転動解析したときの各状態について表したタイヤモデル路面モデルとの関係を示した。図7(A)は、タイヤモデルと理想平面路面モデルとが離間した状態を示し、図7(B)はタイヤモデルを理想平面路面モデルに水平に接近(平押し)した状態を示し、図7(C)はタイヤモデルの中心点を路面モデルに対して水平方向に移動させた状態を示している。
図2のステップ106では、上記回転接触解析後の摩耗エネルギ分布を求める。摩耗エネルギEwは、タイヤ踏面の摩擦仕事量に相当し、以下のようにして求めることができる。なお、摩耗エネルギは、摩擦エネルギという場合がある。
すなわち、本出願人により提案されているタイヤ摩耗寿命予測方法(特開平11−326144号公報)にも述べられているように、摩耗エネルギEwは、摩擦力(水平応力:路面から受ける路面の接線方向応力)Tとタイヤ踏面の滑り量Sの乗算から求めることができる(Ew=T・S)。
ここで、本実施の形態におけるFEMでは、モデル内の全ての節点や要素について、応力と節点座標の変位(要素歪み)とを求めることができる。そして、上述のように、タイヤの転動計算では、タイヤモデルを路面モデルに押しつけ、水平方向に移動させようとする。このため、路面モデルとタイヤモデルの接触している領域(踏面)において摩擦力(水平応力)及び垂直応力が生じる。このとき、路面モデルと接触しているタイヤモデルの踏面内の節点は、以下のような挙動をする。
(垂直応力)×(摩擦係数μ)≧(水平応力)
の条件では、タイヤモデルは路面モデルに拘束されて、踏面内の節点は移動せずに、変位はない。
(垂直応力)×(摩擦係数μ)<(水平応力)
の条件では、タイヤモデルは路面モデルに拘束されず、踏面内の節点は路面モデルに対して相対的に移動する。この場合、タイヤモデルは水平応力を緩和する方向に変形し、変位が生じる。
上述のタイヤモデルが路面モデルに接触しているときの変位を滑り量と定める。これは、任意の節点が路面モデルと接触を開始してから接触が終了するまでの間に、節点が路面モデル内で移動した変位を、滑り量として求めるものである。従って、FEMにより求まる応力及び変位から摩耗エネルギを求めることができる。
ところで、摩耗エネルギが同じであっても、タイヤを構成する材料(例えばゴム)の組成が異なれば摩耗量が異なる。そこで、本実施の形態では、材料(例えばゴム)の組成、すなわちゴムの違いを表現するために、ゴムインデックスGiを用いている。なお、本出願人により提案されているタイヤ摩耗寿命予測方法(特開平11−326144号公報)にも述べられているように、ゴムインデックスGiは、摩耗深さWと摩耗エネルギEwの比(Gi=Ew/W)で表すことができる。従って、ゴムインデックスGiは、摩耗深さから求まる摩耗量と、上述の摩耗エネルギEwとの比で表すことができる。このゴムインデックスGiは、予めゴム試験片にて実測した値を記憶しておき、利用する。これにより、ステップ106では、摩耗エネルギEwの分布を求めることができると共に、材料(ゴム)に応じた摩耗量を求めることができる。
このように、周方向にブロックをメッシュ状に分割した際に、そのメッシュ1個部が新規に踏面に入る時間に対して、1回の計算時間の長さを短くすることで、滑り量Sの精度を向上させることが可能となった。この点は、摩耗エネルギの測定をFEM計算に置き換えることが可能になったことを達成するための要因の一つである。
次のステップ108では、タイヤモデルを、微小削り量Dだけ削ったタイヤモデルに修正する。すなわち、削り量Dに対応する距離だけ各節点の座標を移動させる。この削り量Dは、摩耗エネルギEwに対応して設定することが好ましいが、削り量Dの量の程度によって次回の摩耗エネルギEwの分布が大きく変動する場合がある。大量の削り量Dを削ったタイヤモデルで上記転動解析を行うと、誤差を多く含んだ計算結果が求まることになる。そこで、ステップ108では、誤差を多く含んだ計算結果となることを回避するために、予め定めた微小削り量D(例えば0.01mmまたは0.01mm以下の微少量を設定することが好ましい)を削ったタイヤモデルに修正する。この微小削り量Dは、通常は、0.01mm以下の微少量を設定する。
次のステップ110では、上記ステップ104と同様に回転接触解析を実行し、上記削り量だけ削ったタイヤモデルについて転動解析した後の摩耗エネルギEwの分布を次のステップ112において求める。このステップ112で求めた摩耗エネルギEwの分布から、次のステップ114では、摩耗エネルギEwに対応する削り量Dnを次のようにして決定する。
上述のように微小削り量Dを極めて小さくして繰り返し計算することで、誤差を極力抑制した計算結果を得ることができるが、計算負荷(計算時間)が膨大になる。そこで、本実施の形態では、ステップ114において、精度を維持しつつ繰り返し計算の回数を抑制する条件による削り量Dnを求めている。
まず、任意の位置rにおける削り量D(例えば0.01mm)だけ切削した後のタイヤモデルで転動解析して得られる摩耗仕事量分布すなわち摩耗エネルギ分布を、EW(r,D)とする。この場合に、切削する直前のタイヤモデルに対して、削り量Dだけ切削した後のタイヤモデルと、2倍の削り量Dを切削した後のタイヤモデルと、の各々の摩耗エネルギ分布の差分dEWは、次の(1)式及び(2)式で表すことができる。
dEW(r,D)=EW(r,D)−EW(r,0) ・・・(1)
dEW(r,2D))=EW(r,2D)−EW(r,0) ・・・(2)
但し、EW(r,0)は初期(切削直前)の摩耗エネルギ、rは位置、Dは単位削り量である。これらの2式を用いて、次の(3)式を満たす削り量Dnを求める。
Dn<<D・(4・dEW(r,D)−dEW(r,2D))/(dEW(r,2D)−dEW(r,D)) ・・(3)
Dnは求める削り量。
次のステップ116では、繰り返し計算回数nが予め定めた回数Nになったか否か(n=N?)を判断し、否定された場合には、ステップ118において繰り返し計算回数nを1インクリメントした後にステップ102へ戻る。一方、ステップ116で肯定されたときはステップ120へ進み、上述の計算結果を出力する。この計算結果の一例として、最終的に修正されたタイヤモデルを表示するための表示用データがある。この表示用データによって、経時変化によって移行するタイヤについて、応力分布や摩耗エネルギ分布の状態を把握するためのイメージを表示することができる。また、ステップ142では、最終的な各種データ(例えば、設定条件、摩耗量、削り量などのパラメータ)を出力してもよい。
図8には、上記のようにして求めた摩耗エネルギEwの分布をイメージで示した。また、図9には、摩耗エネルギに応じて切削されるタイヤモデルを示し、(A)は、摩耗前すなわち切削前の状態、(B)は摩耗後すなわち切削後の状態を示している。
このように、本実施の形態では、摩耗エネルギを求めて、その摩耗エネルギに対応してタイヤモデルを切削し、その切削後のすなわち摩耗後の形状を有するタイヤモデルを再作成する。この処理を繰り返すことにより、タイヤの摩耗が進展してゆく過程を正確にシミュレートすることができる。従って、本実施の形態では、タイヤの摩耗後の形状を時間または走行距離に対して正確にシミュレートすることができる。
なお、本実施の形態では、上記図2のステップ106において、上記回転接触解析後の摩耗エネルギ分布を求めた後に、その分布から各点の摩耗速度の分布を求めることができる。ここでの各点とは、タイヤモデル内の予め定めた任意の点や領域でよいが、FEMの計算を考慮すると節点が好ましい。
本実施の形態においてステップ106でさらに求める摩耗速度は、摩耗が進行する度合いを表すもので、ここでは、時系列的に求まる摩耗エネルギEwについて、その差分に定数を乗じたものを摩耗速度と定義する。これによって、繰り返し計算の各々の過程で、各点の摩耗速度を求めることができ、摩耗形態の進展過程をシミュレートするときに、タイヤモデルの各点について摩耗速度を把握することができる。これによって、タイヤモデル上で摩耗の進展に関してその速度として把握することができる。
また、図2のステップ112において、さらに摩耗速度を求めても良い。この場合、ステップ106とステップ112の何れの摩耗速度を利用しても良い。また、ここでは摩耗速度は前回の摩耗エネルギEwと現在の摩耗エネルギEwとの差分から求めることが好ましいが、直前と現在の摩耗エネルギEwに限定されるものではない。例えば、一定時間毎に摩耗エネルギEwを比較してもよい。
(実施例)
実際のタイヤを実地試験を行うと共に、そのタイヤのデータで本実施の形態のタイヤ摩耗シミュレーションを行った結果を以下に示す。本例では、モデル化及び実測したタイヤは、タイヤサイズは297/75R22.5のトラックバス用タイヤであり、タイヤショルダー部にブロックパターンを有したタイヤである。また、内圧700kpa、加重25kN、高速道路主体の走行を想定及び実地試験、トラック(2D4)のステア軸装着にて摩耗試験及びシミュレートを行った。
図10には、タイヤの断面形状を示し、(A)は実地試験での摩耗形状の推移を示し、(B)はシミュレート計算により求めた摩耗形状の推移を示している。
本例で用いたタイヤの特徴は、ショルダー部が他のリブより早めに摩耗する点にある。なお、タイヤは走行するとショルダー部付近が膨らむ(走行成長)ため、摩耗性能も変化する。シミュレーションではこの走行成長を考慮していない。トラックバス用のタイヤでは5000kmほど走行することで走行成長は飽和するため、試験前に鉄板路面のドラム上で呼び走行させて総攻勢長が飽和したものを実地試験に投入した。走行距離は15000kmで試験期間は約二ヶ月であった。
また、タイヤ摩耗シミュレーションでは、計算は15ステップ(n=15)で終了した。1ステップに対して要した計算時間は、約2時間であり、合計30時間で摩耗シミュレーション(摩耗進展計算)が終了した。
図10から理解されるように、実地試験に見合うシミュレート結果を得ることができた。
〔第2実施の形態〕
本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。本実施の形態では、タイヤモデルのブロック形状に着目し、ブロックの前後で摩耗量が異なる点を考慮してタイヤ摩耗をシミュレーションしている。
タイヤは、摩耗してくると表面形状が変化する。代表的なものとして、タイヤのブロックの前後で摩耗量が異なる所謂ヒールアンドトウ摩耗が知られている。本実施の形態では、ブロックの前後における摩耗量の差分をヒールアンドトウ段差とし、ヒールアンドトウ段差の量を反映したタイヤモデルを作成し、摩耗進展を予測する。
図11には、タイヤ回転軸と交差する方向のタイヤ断面の一部を示した。ブロックの一方の端部(図11の左側)が、そのブロックが最初に路面と接触する踏み込み端であり、ブロックの他方の端部(図11の右側)が、そのブロックが最後に路面から離間する蹴り出し端である。また、図12には、ヒールアンドトウ摩耗が発生したタイヤについて、タイヤ回転軸と交差する方向のタイヤ断面の一部を示した。ブロックの踏み込み端からブロックの蹴り出し端まで徐々に段差が大きくなるように勾配が生じていることが理解できる。
なお、以下の説明では、踏み込み端からブロックの蹴り出し端までの段差量をテーパ量hとする。また、テーパ量は、踏み込み端からブロックの蹴り出し端までの曲線として関数で表すことができる。
本発明者は、上述の摩耗エネルギEw(=水平応力T・滑り量S)を物理量として、踏面内の任意の点(節点)についてこの摩耗エネルギEwを求める実験から、ヒールアンドトウ摩耗について時間依存性を有するという知見を得た。
すなわち、図13に示すように、ヒールアンドトウ摩耗が生じるタイヤでは、摩耗エネルギEwの分布が、ブロックの踏み込み端よりブロックの蹴り出し端の方が大きな摩耗エネルギEwとなるという実験結果を得た。そこで、ブロックの前後(踏み込み端と蹴り出し端)の摩耗エネルギEwの差分dEwに予め定めた定数kを乗じたものをそのタイヤモデルにおけるヒールアンドトウ摩耗の進展速度Shtと定めた。そして、複数の異なるテーパ量hのタイヤモデル(ブロック)を定めて、上記解析した結果から、差分dEwを求めて、テーパ量hと差分dEwとの対応関係を見いだした。その結果を図14に示した。この関係、すなわちテーパ量hと差分dEwとの対応関係は近似的に次の式で表すことができる。
dh/dt=Sht=k・dEw(h) ・・・(4)
この式からテーパ量hが時間依存性を有することが見いだせる。この時間依存性について求めた結果を、図15に示した。この時間依存性は、タイヤについて言い換えれば走行距離依存性と考えることができる。この場合、定数kの値を変更することで、実現可能である。
以上のことを考慮して、本実施の形態では、まず、図2のステップ114において、ヒールアンドトウ摩耗の進展速度Shtの分布をさらに求める。この計算は、上記回転接触解析後の摩耗エネルギ分布を求めた後に、タイヤモデルの各ブロックについてその前後(踏み込み端と蹴り出し端)について、そのブロックの前後の摩耗エネルギEwの差分dEwを求めかつ、定数kを乗じてヒールアンドトウ摩耗の進展速度Shtを求めることで算出する。
そして、ヒールアンドトウ摩耗の進展速度Shtに対応するテーパ量hのテーパブロックモデルを含めたタイヤモデルを、削り量Dnだけ削ったタイヤモデルとして修正するために決定する。この決定したタイヤモデルを次回のタイヤモデルとする(ステップ102)。なお、ヒールアンドトウ摩耗の進展速度Shtとテーパ量hとの関係は、予め実験的に求めたものをデータベース化したものを採用する。
なお、ここでは、ヒールアンドトウ摩耗の進展速度Shtに対応するテーパ量hのテーパブロックモデルを含めたタイヤモデルを決定しているが、回転接触解析後の摩耗エネルギ分布を求めた後のブロック前後(踏み込み端と蹴り出し端)の摩耗エネルギEwから、対応するテーパ量hのテーパブロックモデルに置き換えることで、切削処理に対応させてもよい。
次に、ステップ120では、上記の(4)式を用いて、時間tに対するテーパ量hの時間依存性をさらに求めて結果として出力する。
このように、本実施の形態では、ブロック前後(踏み込み端と蹴り出し端)の摩耗エネルギEwを求めて、その摩耗エネルギの差分から摩耗進展速度を求めて、その進展速度から摩耗進展に対するテーパ量hの時間依存性を求めている。これによって、タイヤのヒールアンドトウ摩耗が進展してゆく過程を正確にシミュレートすることができる。従って、本実施の形態では、タイヤのヒールアンドトウ摩耗後の形状を時間または走行距離に対して正確にシミュレートすることができる。従って、ヒールアンドトウ摩耗について時間的な進展について正確にシミュレートすることができるので、ヒールアンドトウ摩耗を容易に予測することができる。
(実施例)
実際のタイヤを実地試験を行うと共に、そのタイヤのデータで本実施の形態のタイヤ摩耗シミュレーションを行った結果を以下に示す。本例では、モデル化及び実測したタイヤは、タイヤサイズが195/65R15の乗用車用タイヤであり、タイヤショルダー部にブロックパターンを有したタイヤで、ブロック間の溝深さが6mmのタイヤと4mmのタイヤを採用している。また、これらのタイヤでは、内圧200kpa、加重4.6kNで摩耗試験及びシミュレートを行った。
図16には、実地試験の結果によるヒールアンドトウ段差量の走行距離依存性を示している。図から理解されるように、10000kmまでの走行では、溝深さが4mmのタイヤは溝深さが6mmのタイヤに比べて段差量が少ないが、10000kmを超えると溝深さが4mmのタイヤは段差量が多くなっている。
次に、双方のタイヤについて行ったタイヤ摩耗シミュレーションでは、テーパ量hを0.1〜1.0mmの範囲を0.1mm刻みで解析した。
図17乃至図19には、双方のタイヤについてタイヤ摩耗シミュレーションを行った過程及び結果を示した。図17は、双方のタイヤのショルダー部の拡大図を示すもので、(A)は6mmのタイヤ、(B)は3mmのタイヤを示したものである。図18は、テーパ量hと、ブロックの前後(踏込端と蹴出端)の摩耗エネルギEwの差分dEwの対応を求めたもので、図19は、テーパ量hと走行距離との関係を求めた結果を示したものである。図18から理解されるように、溝深さ4mmのタイヤのシミュレーション結果が差分dEwが小さく得られた。また、図19から理解されるように、ヒールアンドトウ摩耗の進展過程が精度よく予測できた。これは図10の実地試験に見合うシミュレート結果をさらに精度良く表したことに相当する。
〔第3実施の形態〕
本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。本実施の形態では、タイヤモデルのブロック形状に着目するにあたり、ブロック全体、ブロックの中腹や左右で摩耗量が異なる点を考慮してタイヤ摩耗をシミュレーションしている。
すなわち、タイヤは、摩耗してくると表面形状が変化する。上述のヒールアンドトウ摩耗以外で知られているものとして代表的なものには、ショルダー片落ち摩耗やセンター摩耗、そして特定のリブのみ摩耗量が異なるリブ摩耗がある。
本実施の形態では、ブロック間、ショルダー間、リブ間の何れかにおける摩耗量の差分をリブ段差とし、リブ段差の量を反映したタイヤモデルを作成し、摩耗進展を予測する。
図20には、タイヤ径方向のタイヤ断面の一部を示し、(A)は新品時のタイヤ断面、(B)はショルダーリブが段差摩耗した時の断面形状を示した。図から理解されるようにリブ摩耗が発生したタイヤについて、リブ段差が生じていることを理解できる。なお、以下の説明では、このリブ段差の量を段差量haとする。また、本実施の形態では、ショルダーリブが段差摩耗した時を想定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ブロック間、ショルダー間、リブ間の何れかにおける摩耗、すなわちセンターリブやショルダーリブなどの何れでも良い。
本発明者は、ヒールアンドトウ摩耗と同様に、摩耗エネルギEw(=水平応力T・滑り量S)を物理量として、踏面内の任意の点(節点)についてこの摩耗エネルギEwを求める実験から、注目するリブの摩耗について時間依存性を有するという知見を得た。
すなわち、リブ摩耗が生じるタイヤでは、摩耗エネルギEwの分布が、注目リブ(任意のリブ)とその周辺のリブで異なるものである。そこで、任意のリブを注目リブとして該注目リブの摩耗エネルギEw−rbと、その周辺のリブの摩耗エネルギEwの平均Ew−avとの摩耗エネルギEwの差分dEwに予め定めた定数kを乗じたものをそのタイヤモデルにおけるリブ摩耗の進展速度Shtと定めた。そして、複数の異なる段差量haのタイヤモデル(ブロック)を定めて、上記解析した結果から、差分dEwを求めて、段差量haと差分dEwとの対応関係を見いだした。この関係、すなわち段差量haと差分dEwとの対応関係は、上記(4)式と同様に近似的に次の(5)式で表すことができる。
dha/dt=Sht=k・dEw(ha) ・・・(5)
この式から段差量haが時間依存性を有することが見いだせる。この時間依存性は、タイヤについて言い換えれば走行距離依存性と考えることができる。この場合、定数kの値を変更することで、実現可能である。
以上のことを考慮して、本実施の形態では、まず、図2のステップ114において、リブ摩耗の進展速度Shtの分布をさらに求める。この計算は、上記回転接触解析後の摩耗エネルギ分布を求めた後に、タイヤモデルの各リブ(各ブロック)について任意のリブを注目リブとして摩耗エネルギEwを求めかつその周辺のリブについて摩耗エネルギEwの平均を求めると共に、注目リブとその周辺リブの平均摩耗エネルギの差分dEwを求めかつ、定数kを乗じてリブ摩耗の進展速度Shtを求めることで算出する。
そして、リブ摩耗の進展速度Shtに対応する段差量haのリブモデルを含めたタイヤモデルを、削り量Dnだけ削ったタイヤモデルとして修正するために決定する。この決定したタイヤモデルを次回のタイヤモデルとする(ステップ102)。なお、リブ摩耗の進展速度Shtと段差量haとの関係は、予め実験的に求めたものをデータベース化したものを採用する。
なお、ここでは、リブ摩耗の進展速度Shtに対応する段差量haのリブモデルを含めたタイヤモデルを決定しているが、回転接触解析後の摩耗エネルギ分布から、対応する段差量haのリブモデルに置き換えることで、切削処理に対応させてもよい。
次に、ステップ120では、上記の(5)式を用いて、時間tに対する段差量haの時間依存性をさらに求めて結果として出力する。
このように、本実施の形態では、注目リブとその周辺リブの摩耗エネルギEwの差分から摩耗進展速度を求めて、その進展速度から摩耗進展に対する段差量haの時間依存性を求めている。これによって、リブ摩耗が進展してゆく過程を正確にシミュレートすることができる。従って、本実施の形態では、タイヤのリブ摩耗後の形状を時間または走行距離に対して正確にシミュレートすることができる。従って、リブ摩耗について時間的な進展について正確にシミュレートすることができるので、リブ摩耗を容易に予測することができる。
〔第4実施の形態〕
本実施の形態は、上記実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。本実施の形態では、タイヤモデルに対して摩耗の状態を再現するため、実際の走行などで摩耗したタイヤを予め実測し、この実測したタイヤをモデル化した実測モデルを用いて摩耗状態以降の摩耗進展についてシミュレーションするものである。
図21は、実際の走行などで摩耗したタイヤ(摩耗後タイヤ)をレーザ計測装置などの3次元測定器で予め実測し、実測したタイヤをモデル化した実測モデルを示したものである。本実施の形態では、この実測モデルを複数用いてシミュレーションする。この実測モデルは予めデータベース化して記憶しておくものとする。
具体的には、まず、図2のステップ114において削り量Dnを決定してステップ102でモデルを修正するときに、削り量Dnに相当する実測モデルを決定する。これ以降の処理を、実測モデルを用いて行う。なお、実測モデルの決定は、ステップ102で毎回行ってもよく、ステップ114の削り量Dnの決定時やステップ108のモデル修正時に行っても良い。
このように、本実施の形態では、現実的な摩耗形状をモデル化した計算結果の摩耗エネルギー分布を求めることができるので、実際に使用したタイヤの摩耗状態に則したシミュレーションが可能となる。これによって、タイヤ摩耗が進展してゆく過程を実測値に近似して正確にシミュレートすることができる。
(実施例)
実際のタイヤを実地試験を行うと共に、そのタイヤのデータで本実施の形態のタイヤ摩耗シミュレーションを行った結果を以下に示す。本例では、モデル化及び実測したタイヤは、タイヤサイズが195/65R15の乗用車用タイヤであり、タイヤショルダー部に矩形のブロックパターンを有したタイヤで、ショルダー部の溝深さが8mmのタイヤ1と5mmのタイヤ2を採用している。また、これらのタイヤでは、内圧200kpa、加重4.6kNであって一般道を主に走行する場合を想定し、摩耗試験及びシミュレートを行った。
この摩耗実地試験を行って、5000kmまで走行させた後に、両者のヒールアンドトウ段差量を計測した結果を以下の表1に示した。
Figure 2006021648
この表1からタイヤ2(ショルダー部の溝深さが5mmのタイヤ)がタイヤ1(ショルダー部の溝深さが8mmのタイヤ)に比べて偏摩耗性能が高いことが判別できる。この5000km走行後のタイヤについてその摩耗形状をモデル化し、そのモデルで摩耗エネルギ分布を求めた結果を図22にイメージで示した。この図22から、タイヤ1の方がブロック上側での摩耗エネルギが大きく、偏摩耗を起こしやすいことが理解できる。これらの結果から、5000km走行以降も、偏摩耗の進展速度はタイヤ2の方が良好であることが判別でき、摩耗進展を含め、タイヤ2の優位性を確認することができる。
本発明の実施の形態にかかる、タイヤ摩耗のシミュレーションを実施するためのパーソナルコンピュータの概略図である。 本実施の形態にかかり、タイヤ摩耗シミュレーションプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 初期設定処理の流れを示すフローチャートである。 タイヤ径方向断面モデルを示す斜視図である。 タイヤの3次元モデルを示す斜視図である。 回転接触解析処理の流れを示すフローチャートである。 回転接触解析時のタイヤモデル路面モデルとの関係を示し、(A)はタイヤと路面とが離間した状態、(B)はタイヤを路面に平押しした状態、(C)はタイヤの中心点を路面に対して水平方向に移動させた状態を示している。 摩耗エネルギの分布を示すイメージ図である。 摩耗エネルギに応じて切削されるタイヤモデルを示し、(A)は摩耗前、(B)は摩耗後の状態を示している。 タイヤの断面形状を示し、(A)は実地試験での摩耗形状の推移、(B)はシミュレート計算により求めた摩耗形状の推移を示している。 タイヤ断面の一部を示す線図である。 ヒールアンドトウ摩耗が発生したタイヤを示す線図である。 ヒールアンドトウ摩耗が生じたタイヤの摩耗エネルギ分布を示す特性図である。 タイヤモデルのテーパ量と摩耗エネルギの差分との対応関係を示す特性図である。 テーパ量の推移としてテーパ量の時間依存性の特性図である。 ヒールアンドトウ段差量の走行距離依存性の特性図である。 タイヤのショルダー部の拡大図を示し、(A)は溝6mmのタイヤ、(B)は溝3mmのタイヤを示したものである。 テーパ量と、ブロックの前後(踏込端と蹴出端)の摩耗エネルギEwの差分dEwの対応を示す特性図である。 テーパ量と走行距離との関係を示す特性図である。 タイヤ径方向のタイヤ断面の一部を示し、(A)は新品時のタイヤ断面、(B)はショルダーリブが段差摩耗した時の断面形状を示した。 実走行で摩耗したタイヤを実測してモデル化した実測モデルを示す線図である。 摩耗後形状で作成したタイヤモデルで計算した摩耗エネルギ分布を示し、(A)は溝深さ8mm、(B)は溝深さ5mmのものを示した。
符号の説明
10 キーボード
12 コンピュータ本体
14 CRT
30 タイヤモデル
FD フレキシブルディスク(記録媒体)

Claims (10)

  1. 次の各ステップを含むタイヤ摩耗のシミュレーション方法。
    (a)接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定めるステップ。
    (b)前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行するステップ。
    (c)前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行するステップ。
    (d)前記摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量を求めかつ該位置で該削り量を削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行するステップ。
    (e)前記ステップ(d)の変形計算後のタイヤモデルについて、前記ステップ(b)及び前記ステップ(c)の計算をさせた後に前記ステップ(d)を計算させることを所定回繰り返すステップ。
    (f)前記ステップ(e)の計算結果を出力するステップ。
  2. 前記ステップ(d)では、前記削り量について、次の式の制限条件を付与することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。
    Dn<<D×(4×dEW(r,D)−dEW(r,2D))/(dEW(r,2D)−dEW(r,D))
    但し、dEW(r,D)=EW(r,D)−EW(r,0)
    dEW(r,2D))=EW(r,2D)−EW(r,0)
    EW(r,0)は初期の摩耗エネルギ、rは位置、Dnは求める削り量、
    Dは単位削り量
  3. 前記ステップ(a)では、タイヤ周方向に傾斜度の異なる複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、
    前記ステップ(c)では、前記ブロック毎に、前記摩耗エネルギを求める、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。
  4. 前記ステップ(c)では、前記摩耗エネルギとして、前記ブロック毎に、前端部付近の前摩耗エネルギ及び後端部付近の後摩耗エネルギを求め、前摩耗エネルギと後摩耗エネルギとの差分を摩耗進展速度として求め、
    前記ステップ(f)では、前記傾斜度の時間依存性として、前記摩耗進展速度の変動の時間特性を求める
    ことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。
  5. 前記ステップ(a)では、タイヤ幅方向に高さの異なる複数のブロックによるパターン形状を有するタイヤモデルを定め、
    前記ステップ(c)では、前記ブロック毎に、前記摩耗エネルギを求める、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。
  6. 前記ステップ(c)では、前記摩耗エネルギとして、予め定めたブロックを基準に、ブロック毎に、摩耗エネルギを求め、基準ブロックの摩耗エネルギと他ブロックの摩耗エネルギとの差分を段差摩耗進展速度として求め、
    前記ステップ(f)では、ブロック段差の時間依存性として、前記段差摩耗進展速度の変動の時間特性を求める
    ことを特徴とする請求項5に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。
  7. 前記ステップ(a)では、予め定めた走行条件により摩耗したタイヤの実測値によりタイヤモデルを定める
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のタイヤ摩耗のシミュレーション方法。
  8. 接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定める設定手段と、
    前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行する転動計算手段と、
    前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行する摩耗エネルギ分布計算手段と、
    前記摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量を求めかつ該位置で該削り量を削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行する変形計算手段と、
    前記変形計算後のタイヤモデルについて、前記転動計算手段及び前記摩耗エネルギ分布計算手段で計算をさせた後に前記変形計算手段で計算させることを所定回繰り返す指示制御を実行する制御手段と、
    前記制御手段の実行結果を出力する出力手段と、
    を備えたタイヤ摩耗のシミュレーション装置。
  9. コンピュータによって実行される、タイヤ摩耗のシミュレーションプログラムであって、
    接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定めさせ、
    前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行させ、
    前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行させ、
    前記摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量を求めかつ該位置で該削り量を削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行させ、
    前記変形計算後のタイヤモデルについて、前記転動計算手段及び前記摩耗エネルギ分布計算手段で計算をさせた後に前記変形計算手段で計算させることを所定回繰り返させ、
    前記制御手段の実行結果を出力させる、
    ことを特徴とするタイヤ摩耗のシミュレーションプログラム。
  10. コンピュータによって実行される、タイヤ摩耗のシミュレーションプログラムを記録した記録媒体であって、
    接地及び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なように多数要素に分割して形成しかつパターン形状を有するタイヤモデルと、前記タイヤモデルの少なくとも一部に接触するための路面モデルと、前記タイヤモデルと前記路面モデルとの間の摩擦係数を含む走行条件と、を定めさせ、
    前記走行条件に基づいて、前記タイヤモデルの一部を前記路面モデルに接触させて前記タイヤモデルを回転させる転動計算を実行させ、
    前記走行条件に基づいて、前記転動計算後に、前記多数要素の各々について前記路面モデルからの応力と接触部からの滑り量から摩耗エネルギを求めることにより、前記タイヤモデルにおける摩耗エネルギ分布の計算を実行させ、
    前記摩耗エネルギ分布に基づいて、位置及び削り量を求めかつ該位置で該削り量を削ったときの前記タイヤモデルの変形計算を実行させ、
    前記変形計算後のタイヤモデルについて、前記転動計算手段及び前記摩耗エネルギ分布計算手段で計算をさせた後に前記変形計算手段で計算させることを所定回繰り返させ、
    前記制御手段の実行結果を出力させる、
    ことを特徴とするタイヤ摩耗のシミュレーションプログラムを記録した記録媒体。
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