JP2008145200A - 構造体の破壊予測方法及び構造体の破壊予測用コンピュータプログラム - Google Patents

構造体の破壊予測方法及び構造体の破壊予測用コンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】亀裂が進展する過程を評価すること。
【解決手段】評価対象であるタイヤにおける結合界面の界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータを、引張剥離実験又はせん断剥離実験の少なくとも一方に基づいて決定する(ステップS103)。次に、前記タイヤを有限個の要素に分割して作成した解析モデル中の結合界面に、決定した界面ポテンシャルエネルギを含む界面要素を作成し、配置する(ステップS104)。そして、界面ポテンシャルエネルギ関数に基づいて前記界面要素の剛性を計算し(ステップS105)、計算した剛性を解析モデルの全体連立方程式に代入して(ステップS106)、所定の解析条件に基づいて前記全体連立方程式を解くことにより、解析を実行する(ステップS107、ステップS108)。そして、全体連立方程式を解いて得られた前記界面の物理量の大きさから、亀裂の進展の可否を判定し、タイヤの破壊を評価する(ステップS109)。
【選択図】 図2

Description

この発明は、構造体の破壊の予測に関する。
コンピュータの発達にともない、近似解析手法を用いたコンピュータシミュレーションによって、材料や構造体の力学的特性を予測・解析する手法が実用化されるようになっている。このようなコンピュータシミュレーションを用いて構造体の破壊現象を予測することにより、構造体の健全性を評価することが行われている。特許文献1には、J積分値による破壊パラメータを求めるとともに、破壊を阻止する抗力を求め、亀裂進展を把握することで、タイヤの経時変化を予測する技術が開示されている。
特開2005−47295号公報
しかし、特許文献1に開示されているような、J積分値の計算によって亀裂の進展を判定する手法では、亀裂の進展の有無は判別できるが、亀裂が進展した後における亀裂の進展や亀裂が徐々に進展する現象の評価ができない。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、亀裂が進展した後や亀裂が徐々に進展する過程を評価できる構造体の破壊予測方法及び構造体の破壊予測用コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る構造体の破壊予測方法は、構造体の任意部位における破損の発生及び破損進展現象を予測するにあたり、評価対象である前記構造体における結合界面の界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータを、引張剥離実験又はせん断剥離実験の少なくとも一方に基づいて決定する手順と、前記構造体を有限個の要素に分割して作成した解析モデル中の結合界面に、前記パラメータを求めた前記界面ポテンシャルエネルギを含む界面要素を作成し、配置するとともに、前記界面ポテンシャルエネルギ関数に基づいて前記界面要素の剛性を計算する手順と、前記剛性を前記解析モデルの全体連立方程式に代入し、所定の解析条件に基づいて前記全体連立方程式を解く手順と、全体連立方程式を解いて得られた、前記結合界面の物理量の大きさから、亀裂の進展の可否を判定する手順と、を含むことを特徴とする。
この構造体の破壊予測方法は、亀裂が進展する結合界面間における結合強度を表すものとして、非線形のばねに相当する界面ポテンシャルエネルギ関数を導入する。そして、界面ポテンシャルエネルギ関数を、前記結合界面に生成される界面要素に設定して、前記界面要素が要素間に生成された解析モデルを所定の解析条件に基づいて解析する。このように、非線形のばねに相当する界面ポテンシャルエネルギ関数を界面要素に設定することで、亀裂の進展を結合界面同士の結合強度に基づいて判断できるので、亀裂が進展した後における亀裂の進展や亀裂が徐々に進展する過程を精度よく再現し、評価できる。また、複雑な補強材を有する複合材料であっても、非線形のばねに相当する界面ポテンシャルエネルギ関数を界面要素に設定すればよいので、複雑な補強材を有する複合材料で構成される構造体の破壊を精度よく再現し、評価できる。
次の本発明に係る構造体の破壊予測方法のように、前記構造体の破壊予測方法において、前記界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータは、破壊の実験によって得られる荷重点での荷重−変位間の関係と、破壊の解析によって得られる荷重−変位間の関係とが一致するように決定することが好ましい。
次の本発明に係る構造体の破壊予測方法のように、前記構造体の破壊予測方法において、前記構造体の解析モデルに発生した亀裂が進展した後、新しく生成された亀裂面同士が貫通する場合には、新しく生成された前記亀裂面間に相互接触を設定することが好ましい。
次の本発明に係る構造体の破壊予測方法のように、前記構造体の破壊予測方法において、前記破壊の実験及び前記破壊の解析は、引張モード、面内せん断モード、又は面外せん断モードのうち少なくとも一つによる破壊の形態で行うことが好ましい。
次の本発明に係る構造体の破壊予測方法のように、前記構造体の破壊予測方法において、引張モードが支配的である破壊の形態である場合、引張モードのみで前記界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータを決定し、面内せん断モードが支配的である破壊の形態である場合、又は面外せん断モードが支配的である破壊の形態である場合、せん断モードのみで前記界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータを決定することが好ましい。
次の本発明に係る構造体の破壊予測方法のように、前記構造体の破壊予測方法において、前記構造体において亀裂の進展する方向が予め分かっている場合、前記亀裂が進展可能な方向に沿ってのみ、前記界面要素を配置することが好ましい。
次の本発明に係る構造体の破壊予測方法のように、前記構造体の破壊予測方法において、前記構造体に存在するすべての異種材料間、又は、前記構造体において指定した異種材料間、又は、前記解析モデルに存在するすべての要素の境界、又は、前記解析モデルにおいて指定した領域における前記要素の境界のうち少なくとも一つに、前記界面要素を作成し、配置することが好ましい。
次の本発明に係る構造体の破壊予測用コンピュータプログラムは、前記構造体の破壊予測方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
この構造体の破壊予測用コンピュータプログラムによれば、前述の構造体の破壊予測方法が、コンピュータを利用して実現できる。
この発明に係る構造体の破壊予測方法及び構造体の破壊予測用コンピュータプログラムでは、亀裂が進展した後における亀裂の進展や亀裂が徐々に進展する過程を評価できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。なお、本発明は、異種材料の境界における剥離や亀裂の進展のみならず、同種材料中に破壊の起点(例えば亀裂等)が発生し、そこから破壊が進展するような場合についても適用できる。また、以下においては、構造体の例としてタイヤを取り上げるが、本発明は、タイヤ以外の構造物に適用してもよい。なお、本発明は、タイヤのような、複雑な補強材を有する複合材料で構成される構造物の任意部位における破損の発生及び破損の進展現象を数値解析手法で予測する際に好適である。
本実施形態は、構造体の任意部位における破損の発生及び破損進展現象を予測するものであり、次の点に特徴がある。すなわち、亀裂が進展する結合界面間における結合強度を表すものとして、非線形のばねに相当する界面ポテンシャルエネルギを導入する。そして、界面ポテンシャルエネルギを、前記結合界面に生成される界面要素に設定して、前記界面要素が要素間に生成された解析モデルを所定の解析条件に基づいて解析する。
図1−1、図1−2は、本実施形態に係る構造体の破壊予測装置を示す説明図である。この構造体の破壊予測装置50は、処理部52と記憶部54とで構成される。また、この構造体の破壊予測装置50には、入出力装置51が接続されており、ここに備えられた入力部53で、材料定数その他の解析条件を処理部52へ入力する。ここで、入力部53には、キーボード、マウス等の入力デバイスを使用することができる。また、解析結果は、表示装置55に出力することができる。
記憶部54には、本実施形態に係る構造体の破壊予測方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが格納されている。ここで、記憶部54は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、CD−ROM(Read Only Memory)等のような読み出しのみが可能な記憶媒体や、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
図1−2に示すように、処理部52は、解析モデル作成部52Mと、界面設定部52Bと、演算部52Cとを含んで構成される。また、処理部52は、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成されている。本実施形態に係る構造体の破壊予測方法を実行するにあたっては、処理部52が前記コンピュータプログラムを当該処理部52に組み込まれたメモリに読み込んで演算する。その際に処理部52は、適宜記憶部54へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を進める。なお、本実施形態に係る構造体の破壊予測方法を実現するためのコンピュータプログラムの代わりに、専用のハードウェアを用いて本実施形態に係る構造体の破壊予測方法を実現してもよい。
なお、上記コンピュータプログラムは、コンピュータシステムへ既に記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、本実施形態に係る構造体の破壊予測方法を実現できるものであってもよい。また、上記コンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録するとともに、当該コンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本実施形態に係る構造体の破壊予測方法を実行してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものとする。次に、本実施形態に係る構造体の破壊予測方法の手順について説明する。
図2は、本実施形態に係る構造体の破壊予測方法の手順を示すフローチャートである。図3−1、図3−2は、本実施形態に係る構造体の破壊予測方法で用いるタイヤの解析モデルを作成する手順を示す説明図である。本実施形態に係る構造体の破壊予測方法を実行するにあたって、ステップS101において、構造体の破壊予測装置50の処理部52が備える解析モデル作成部52Mは、図3−1に示す、評価対象であるタイヤ1を複数の微小要素(要素)111、112、・・・11nに分割して、図3−2に示す解析モデル10を作成する。ここで、解析モデル10の前記微小要素111、112、・・・11nを、便宜上通常要素という。
次に、ステップS102において、破壊の評価対象となる領域を抽出する。この領域は、評価対象であるタイヤ1において、破壊を評価する領域であり、亀裂の進展する領域、すなわち、破壊の発生する領域である。例えば、カーカスとサイドトレッドゴムとが接する領域や、ベルトとアンダトレッドゴムとが接する領域等のように、異種材料で形成される領域がある。また、キャップトレッドに設けられるリブやブロックが剥離するような場合、キャップトレッド中に破壊を評価する領域が存在する場合のように、同種材料で形成される領域がある。抽出された破壊の評価対象となる領域は、少なくとも座標データが記憶部54に格納される。
破壊を評価する領域を抽出することにより、その領域における破壊のモードや材料定数等の、亀裂の進展を予測する際に必要な情報を得ることができる。破壊のモードは、例えば、引張のモード、面内せん断のモード、面外せん断のモード、あるいはこれらを組み合わせたモードがある。材料定数は、亀裂が進展する領域、すなわち破壊を評価する領域における材料の弾性係数や破壊靭性等がある。破壊を評価する領域を設定したら、ステップS103において、破壊を評価する領域における界面ポテンシャルエネルギ関数を決定する。次に、界面ポテンシャルエネルギ関数の設定手順を説明する。
図4は、本実施形態に係る構造体の破壊予測方法において、界面ポテンシャルエネルギ関数を設定する手順を示すフローチャートである。図5−1は、引張の破壊モードの実験に用いる実験サンプルを示す模式図である。図5−2は、引張の破壊モードの実験に用いる解析モデルを示す模式図である。図6−1は、せん断の破壊モードの実験に用いる実験サンプルを示す模式図である。図6−2は、せん断の破壊モードの実験に用いる解析モデルを示す模式図である。図7は、実験結果及び解析結果の一例を示す説明図である。
構造材料の結合界面が剥離したり切断されたりする過程では、新しく破損表面が生成されるため、エネルギの消費が必要であり、この消費したエネルギを表すポテンシャルエネルギ関数が存在する。このポテンシャルエネルギ関数を界面ポテンシャルエネルギ関数といい、新しく破損界面を生成するために消費されるエネルギを、界面ポテンシャルエネルギという。界面ポテンシャルエネルギ関数を決めるため、本実施形態では、界面ポテンシャルエネルギ関数を界面要素に導入した解析モデルによる解析結果と、試験片の破壊実験(引張剥離実験又はせん断剥離実験)によって得られた実験結果とが一致するように、界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータを定める。
界面ポテンシャルエネルギ関数φは、構造体に作用する荷重をF、この荷重による構造体の変形をuとすると、∂φ/∂u=[F]、∂2φ/∂u2=[Ks]の関係がある。ここで、Ksは、剥離やせん断等によって破壊する部分における結合界面の剛性を表し、後述する界面要素の剛性である。なお、[F]、[Ks]は、いずれも行列式の形で記述されている。
界面ポテンシャルエネルギ関数を設定する際には、ステップS201において、上記ステップS102で抽出された破壊の評価対象領域における界面ポテンシャルエネルギ関数φを定義する。次にステップS202−1において、引張あるいはせん断の破壊実験に用いる試験片を準備する。引張破壊実験に用いる試験片は、図5−1に示す引張用試験片2であり、せん断破壊試験に用いる試験片は、図5−2に示すせん断用試験片3である。
また、ステップS202−2において、解析モデル作成部52Mは、パラメータ設定用解析モデルを作成する。パラメータ設定用解析モデルは、例えば、有限要素法に基づいて作成される。図5−1に示す引張用試験片2からパラメータ設定用解析モデルを作成する場合、解析モデル作成部52Mは、引張用試験片2を複数の微小要素(要素)121、122、・・・12nに分割して、図5−2に示す引張破壊パラメータ設定用解析モデル12を作成する。また、図6−1に示すせん断用試験片3からパラメータ設定用解析モデルを作成する場合、解析モデル作成部52Mは、引張用試験片2を複数の微小要素(要素)131、132、・・・13nに分割して、図6−2に示すせん断破壊パラメータ設定用解析モデル13を作成する。なお、ステップS202−1とステップS202−2の順序は問わない。
ここで、引張破壊及びせん断破壊について説明する。引張破壊(あるいは引張剥離破壊)は、図5−1に示すような破壊のモードであり、引張用試験片2の一部を固定部2Fで固定するとともに、引張用試験片2の一端2Tを固定部2Fから引き離すように荷重Fを与えることによって、亀裂が矢印Yの方向に進展して、引張用試験片2の一部が剥離する破壊のモードである。せん断破壊は、図6−1に示すような破壊のモードであり、せん断用試験片3の一部を固定部3Fで固定するとともに、せん断用試験片3を切断するようにせん断用試験片3の一端3Tに荷重Fを与えることによって、せん断用試験片3の一部がせん断(あるいはせん断剥離)する破壊のモードである。
基本的な破壊形式には、引張(開口)破壊のモード、面内せん断破壊のモード及び面外せん断破壊のモードがある。通常の破壊形式は、これら3種類の基本的な破壊のモードに分けて考えることができる。上述した3種類の独立な破壊のモードの少なくとも2つのモードを組み合わせると、複雑な破壊形式を表すことができる。
例えば、破壊が主に引張(開口)破壊のモードに支配される場合、引張破壊(あるいは引張剥離)の実験のみに基づいて界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータを決定することができる。また、破壊が主にせん断(面内せん断、あるいは面外せん断)モードに支配される場合、せん断破壊(あるいはせん断剥離)の実験のみに基づいて界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータを決定することができる。
本実施形態においては、上述した3種類のモードのうち少なくとも一つに基づいて決定する。これによって、界面ポテンシャルエネルギ関数を容易に決定でき、また、均質材のみならず、カーカスやベルトのような繊維補強材料を含んでいる複合材料であっても、界面ポテンシャルエネルギ関数を容易に決定することができる。
図5−2に示す引張破壊パラメータ設定用解析モデル12は、引張破壊を再現するため、引張用試験片2の結合界面で亀裂が発生、進展して、引張破壊が発生するものとして、引張用試験片2を解析モデル化する。引張破壊パラメータ設定用解析モデル12は、引張用試験片2の結合界面に界面要素20を配置して、この界面要素20に、ステップS201で定義された界面ポテンシャルエネルギ関数φを設定する。そして、引張破壊パラメータ設定用解析モデル12の一端12Tに荷重Fが与えられて、引張破壊が再現される。
図6−2に示すせん断破壊パラメータ設定用解析モデル13は、せん断破壊を再現するため、せん断用試験片3の結合界面で亀裂が発生、進展して、せん断破壊が発生するものとして、せん断用試験片3を解析モデル化する。せん断破壊パラメータ設定用解析モデル13は、せん断用試験片3の結合界面に界面要素21を配置して、この界面要素21に、ステップS201で定義された界面ポテンシャルエネルギ関数φを設定する。そして、せん断破壊パラメータ設定用解析モデル13の一端13Tに荷重Fが与えられて、せん断破壊が再現される。
実際のタイヤの使用状況を考慮するため、引張用試験片2やせん断用試験片3は、新品又は旧品のタイヤからカットして作製することができる。また、評価対象の構造物であるタイヤと同等の材料から作製してもよい。引張破壊パラメータ設定用解析モデル12やせん断破壊パラメータ設定用解析モデル13は、引張用試験片2やせん断用試験片3と同じ寸法に設定することが好ましいが、実験の便利性を考慮した上で、任意の寸法を使用してもよい。
引張あるいはせん断の破壊実験に用いる試験片を準備し、パラメータ設定用解析モデルを作成したら、ステップS203において、パラメータ設定用解析モデルの界面要素に設定した界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータを設定する。次に、ステップS204において、構造体の破壊予測装置50の処理部52が備える演算部52Cは、設定したパラメータや境界条件(荷重や固定等)で、パラメータ設定用解析モデルを解析する。
引張破壊パラメータ設定用解析モデル12やせん断破壊パラメータ設定用解析モデル13に配置する界面要素20は、亀裂が発生し、進展を開始した後における荷重の状態によっては、新しく生成された亀裂面間で貫通が発生するおそれがある。これを防ぐため、解析を開始する前に、亀裂が進展可能な部分に配置した界面要素の節点同士に、相互接触を設定しておくことが好ましい。
パラメータ設定用解析モデルの解析が終了したら、ステップS205において、構造体の破壊予測装置50の処理部52が備える界面設定部52Bは、実験結果と解析結果との相違が所定の範囲内にあるか否かを判定する。なお、ステップS205における判定の前に、引張あるいはせん断の破壊実験は予め済ませておき、結果を記憶部54に格納しておく。ここで、引張あるいはせん断の破壊実験、及びパラメータ設定用解析モデルの解析について説明する。
図7に示すように、本実施形態では、引張用試験片2やせん断用試験片3(以下必要に応じて試験片という)に引張あるいはせん断の荷重Fを与え、荷重Fと変位uとの間の関係を求める。図7の実線EXが、引張あるいはせん断の破壊実験によって得られた荷重−変位の関係である。一方、引張破壊パラメータ設定用解析モデル12やせん断破壊パラメータ設定用解析モデル13(以下必要に応じてパラメータ設定用解析モデルという)も、引張あるいはせん断の破壊実験と同じ条件で解析されて、荷重Fと変位uとの間の関係が求められる。図7の点線AN1、一点鎖線AN2、二点鎖線AN3が、パラメータ設定用解析モデルを解析することによって得られた荷重−変位の関係である。点線AN1、一点鎖線AN2、二点鎖線AN3は、それぞれ界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータが異なる。
このように、界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータを異ならせることによって、パラメータ設定用解析モデルの解析結果が異なる。本実施形態では、実験結果との相違が所定の範囲内にある解析結果が得られた界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータを、界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータとして用いる。図7に示す例では、例えば、実験結果と解析結果との相違が、荷重F及び変位uの全範囲において所定の閾値ΔDの範囲内にある場合に、実験結果と解析結果との相違が所定の範囲内にあると判定し、そのときの界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータを、構造体の破壊予測に用いる界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータとする。図7に示す例では、二点鎖線AN3で示す解析結果が実験結果に対して所定の閾値ΔDの範囲内にあるので、二点鎖線AN3で示す解析結果が得られたときにおける界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータを、構造体の破壊予測に用いる界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータとする。
ステップS205においてNoと判定された場合、すなわち、界面設定部52Bが、実験結果と解析結果との相違が所定の範囲内にないと判定した場合、ステップS206において界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータを変更する。そして、ステップS204に戻って、演算部52Cが、設定したパラメータや境界条件で、パラメータ設定用解析モデルを解析する。なお、変更するのは、界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータのみであり、他の解析条件は変更しない。
ステップS205においてNoと判定された場合、すなわち、界面設定部52Bが、実験結果と解析結果との相違が所定の範囲内にあると判定した場合、ステップS207において、そのときの界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータが、構造体の破壊予測に用いる界面ポテンシャルエネルギ関数φのパラメータとして決定される。そして、ステップS208において、ステップS207で決定されたパラメータを用いて、構造体(本実施形態ではタイヤ)の破壊予測に用いる界面ポテンシャルエネルギ関数φが決定される。
ステップS208において、タイヤの破壊予測に用いる界面ポテンシャルエネルギ関数φが決定されたら、図2に示すステップS104に進む。ステップS104では、ステップS101で作成した解析モデル10に、界面要素が配置される。界面要素は、解析モデル10において亀裂の発生及び進展する部分であり、破壊の起点となる部分である。界面要素は、異種材料の境界や、同種材料中に存在する破壊の起点(例えば亀裂等)から破壊が進展するような領域に配置される。
図8は、界面要素を配置する手順の一例を示すフローチャートである。図9−1〜図9−3は、界面要素を配置する手順の一例を示す説明図である。図9−1には、解析対象の構造体であるタイヤ1の一部の断面構成が示してある。タイヤ1は、第1部材M(例えば、ゴム)と、第2部材W(例えば、ワイヤ等の繊維材料)とが、境界Sで接合されている。このタイヤ1では、破壊の評価対象領域が、境界Sに設定されている。均質材料の場合、破壊の評価対象領域は任意の箇所に設定され、前記破壊の評価対象領域に、界面要素が設定される。
ここで、本実施形態においては、解析モデル10中において、亀裂が発生、進展し、破壊の基点となる領域に界面要素が設定される。すなわち、解析モデル10において界面要素の部分に亀裂が発生し、進展するように取り扱われ、タイヤ1における破壊の評価対象領域に荷重が作用していない場合、タイヤ1の界面領域は体積を持たないことになる。このため、本実施形態において、解析モデル10に配置される界面要素は、荷重を受けないときには体積を持たないように設定される。
界面要素を配置するにあたり、ステップS301において、界面設定部52Bは、図9−2に示すように、解析モデル10の境界Sの部分に境界要素20a、2b・・・2d等を生成する。界面要素20a、20b・・・20d等は、境界S上の共通節点5a、5b・・・5eを利用して作成する。なお、共通節点5a、5b・・・5eは、通常要素111、112、・・・11nを構成する節点でもある。ここで、境界S上に共通節点5a、5b・・・5eがない場合、境界S上に共通節点が生成されるように、解析モデル10の通常要素を新たに生成しなおしてもよい。
図9−3に示すように、本実施形態において、界面要素20a、20b・・・20dは、共通節点5a、5b・・・5eと、共通節点5a、5b・・・5eと同じ位置(すなわちδ=0の位置)に、新たに生成した新節点6a、6b・・・6eとで構成される。なお、δは0でもよく、この場合には、共通節点5a、5b・・・5eと新節点6a、6b・・・6eとの座標情報は同じものとなる。なお、界面要素20a、20b・・・20dを生成しても、第1部材モデルM_mと第2部材モデルW_mとの厚さLは、図9−2に示す解析モデル10Aにおける第1部材モデルM_mと第2部材モデルW_mとの厚さLに等しい。
境界S内に界面要素20a、・・20dが生成されたら(ステップS301、図9−3)、ステップS302において、界面設定部52Bは、生成した界面要素20a、20b・・・20dに隣接する通常要素(11A、11B、11a、11b等)の結合情報(座標や力の関係等)を修正する。これによって、図2のステップS102で抽出した、解析モデル10中における破壊の評価対象領域に、界面要素20a、20b・・・20d(以下、界面要素20という)が配置される。なお、界面要素を配置する手法はこれに限られず、例えば、図1−1に示す構造体の破壊予測装置50が備える表示装置55に解析モデル10を表示して、入力部53を用いたマニュアル操作によって配置してもよい。
図10−1〜図13−2は、界面要素の種類を示す説明図である。本実施形態において、界面要素20は、2つの線、あるいは2つの面から構成され、結合界面的力学特性を表すように、また、荷重を受けないときには体積を持たないように設定する。図10−1に示す界面要素20Aは、線要素の界面要素であり、2個の節点6から構成される。図11−1に示す界面要素20Bは、2次元の界面要素であり、4個の節点6から構成される。図12−1に示す界面要素20Cは、8個の節点6から構成される3次元の界面要素であり、図13−1に示す界面要素20Dは、6個の節点6から構成される3次元の界面要素である。界面要素20A〜20Dは、荷重Fが負荷されていない場合には体積が0である。しかし、図3−2に示す解析モデル10の解析が開始され、荷重Fが負荷されると、図10−2、図11−2、図12−2、図13−2に示すように、その荷重Fに応じて変位が発生し、それに応じて体積が増加する。
図14−1、図14−2は、解析モデル中に界面要素を配置した例を示す模式図である。図14−1、図14−2は、タイヤを解析モデル化したものであり、図14−1には、タイヤのサイド部分における亀裂の発生、及び任意方向への亀裂の進展を評価するために、解析モデル10中に界面要素20を配置した例を示す。図14−2には、タイヤのベルトエッジ部分における亀裂の発生、及び任意方向への亀裂の進展を評価するために、解析モデル10のベルト15の周辺に界面要素20を配置した例を示す。
図14−1、図14−2に示す解析モデル10では、解析モデル10に含まれる要素(通常要素)の境界のうち、指定した領域に存在する要素の境界に界面要素20を配置した例を示す。このように、解析モデル10に含まれる要素のうち、指定した領域に界面要素20を配置すれば、界面要素20を配置する手間を低減でき、また、計算の負荷を低減させることによって計算効率が向上する。なお、解析モデル10に含まれるすべての要素の境界に界面要素20を配置してもよく、このようにすれば、解析精度を向上させることができる。また、界面要素20は、構造体であるタイヤに存在するすべての異種材料間に配置してもよく、タイヤにおいて指定した異種材料間に配置してもよい。
さらに、構造体であるタイヤにおいて、発生した亀裂が進展する方向が予め分かっている場合、亀裂が進展可能な方向に沿ってのみ、界面要素20を配置してもよい。このようにすれば、亀裂の進展しない方向に界面要素20を配置する必要はないので、界面要素20の配置の負荷を低減できる。また、計算の負荷を低減できるので、計算効率が向上する。
上記手法によって解析モデル10中における破壊の評価対象領域に界面要素を配置したら(ステップS104:図2)、界面設定部52Bは、図2に示すステップS105で、界面要素20の剛性[Ks]を計算する。ここで、ステップS104とステップS105との順序は問わず、界面要素20の剛性[Ks]を計算してから、界面要素20を解析モデル10内における破壊の評価対象領域へ配置してもよい。
界面要素20の剛性[K]を計算したら、ステップS106において、解析モデル作成部52Mは、図3−2に示す解析モデル10を表す全体連立方程式(解析モデル全体連立方程式という)に界面要素20の剛性[Ks]を代入する。ここで、解析モデル全体連立方程式は、式(1)で表され、また、界面要素の剛性[Ks]を代入した解析モデル全体連立方程式(修正全体連立方程式という)は、式(2)で表される。ここで、[K]は解析モデル10の通常要素の剛性であり、[F]は解析モデル10に与えられる荷重であり、[u]は前記荷重によって解析モデル10に発生する変位である。[K]、[Ks]、[F]、[u]は、いずれも行列式である。
[K]=[F][u]・・・(1)
{[K]+[Ks]}=[F][u]・・・(2)
ステップS106で修正全体連立方程式を作成したら、ステップS107で荷重Fの大きさや方向等の解析条件が設定される。そして、ステップS108で、構造体の破壊予測装置50の処理部52が備える演算部52Cは、前記解析条件で修正全体連立方程式を解くことにより、解析モデル10が破壊する過程を解析する。
図15−1〜図15−3は、解析中における亀裂の進展を示す説明図である。解析モデル10の解析中、発生した亀裂が進展すると、図15−1に示すように、亀裂面25A、25Bが新たに生成される。このとき、荷重の作用する方向によっては、図15−2に示すように、新たに生成された亀裂面25A、25B同士が貫通して、正しい解析が行えなくなるおそれがある。このため、本実施形態では、新たに生成された亀裂面25A、25B同士が貫通することを回避するため、解析モデル作成部52Mは、解析モデル10に発生した亀裂が進展した後、新しく生成された亀裂面25A、25B同士が貫通する場合には、新しく生成された前記亀裂面25A、25B間に相互接触を設定する。これによって、図15−3に示すように、新しく生成された亀裂面25A、25B同士の貫通を回避できる。
解析が終了したら、ステップS109で破壊の評価をする。これは、解析モデル10に配置した界面要素20を構成する節点間における結合力、応力、ひずみ、反力等の、界面要素20を構成する節点間の結合の強さを表す物理量に基づいて評価する。例えば、界面要素20を構成する節点間における結合力の大きさによって、界面要素20に亀裂が発生したか否かを判定したり、前記結合力の大きさによって、亀裂の進展を評価したりする。ステップS110では、ステップS109の破壊の評価結果に基づき、例えば、タイヤ1の耐久性を予測する。
以上、本実施形態では、構造体の任意部位における破損の発生及び破損進展現象を予測するにあたり、亀裂が進展する結合界面間における結合強度を表すものとして、非線形のばねに関数を、前記結合界面に生成される界面要素に設定して、前記界面要素が要素間に生成された解析モデルを所定の解析条件に基づいて解析する。このように、非線形のばねに相当する界面ポテンシャルエネルギ関数を界面要素に設定することで、亀裂の進展を結合界面同士の結合強度に基づいて判断できるので、亀裂が進展した後における亀裂の進展や亀裂が徐々に進展する過程を評価できる。また、複雑な補強材を有する複合材料であっても、非線形のばねに相当する界面ポテンシャルエネルギ関数を界面要素に設定すればよいので、複雑な補強材を有する複合材料で構成される構造体の破壊を簡易に評価できる。
また、本提案の方法により、界面ポテンシャルエネルギ関数を界面要素に導入した解析モデルによる解析結果と、剥離実験又はせん断実験の実験結果に一致するように、基づいて界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータを決定する。これによって、界面結合強度の大きさによって亀裂の発生や進展を判定できるので、亀裂の駆動力である破壊物理量パラメータを計算し、それらと限界値との比較に基づいて亀裂進展判定したり、解析途中で解析モデルを修正したりする必要はない。その結果、簡易な手法で、亀裂の発生や進展を評価することができる。
以上のように、本発明に係る構造体の破壊予測方法及び構造体の破壊予測用コンピュータプログラムは、構造体の破壊のシミュレーションに有用であり、特に、亀裂が進展した後における亀裂の進展や亀裂が徐々に進展する過程を評価することに適している。
本実施形態に係る構造体の破壊予測装置を示す説明図である。 本実施形態に係る構造体の破壊予測装置を示す説明図である。 本実施形態に係る構造体の破壊予測方法の手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る構造体の破壊予測方法で用いるタイヤの解析モデルを作成する手順を示す説明図である。 本実施形態に係る構造体の破壊予測方法で用いるタイヤの解析モデルを作成する手順を示す説明図である。 本実施形態に係る構造体の破壊予測方法において、界面ポテンシャルエネルギ関数を設定する手順を示すフローチャートである。 引張の破壊モードの実験に用いる実験サンプルを示す模式図である。 引張の破壊モードの実験に用いる解析モデルを示す模式図である。 せん断の破壊モードの実験に用いる実験サンプルを示す模式図である。 せん断の破壊モードの実験に用いる解析モデルを示す模式図である。 実験結果及び解析結果の一例を示す説明図である。 界面要素を配置する手順の一例を示すフローチャートである。 界面要素を配置する手順の一例を示す説明図である。 界面要素を配置する手順の一例を示す説明図である。 界面要素を配置する手順の一例を示す説明図である。 界面要素の種類を示す説明図である。 界面要素の種類を示す説明図である。 界面要素の種類を示す説明図である。 界面要素の種類を示す説明図である。 界面要素の種類を示す説明図である。 界面要素の種類を示す説明図である。 界面要素の種類を示す説明図である。 界面要素の種類を示す説明図である。 解析モデル中に界面要素を配置した例を示す模式図である。 解析モデル中に界面要素を配置した例を示す模式図である。 解析中における亀裂の進展を示す説明図である。 解析中における亀裂の進展を示す説明図である。 解析中における亀裂の進展を示す説明図である。
符号の説明
1 タイヤ
2 引張用試験片
3 せん断用試験片
10 解析モデル
12 引張破壊パラメータ設定用解析モデル
13 せん断破壊パラメータ設定用解析モデル
20、20a、20b、20c、20d 界面要素
50 構造物の破壊予測装置
51 入出力装置
52 処理部
52B 界面設定部
52C 演算部
52M 解析モデル作成部
53 入力部
54 記憶部
55 表示装置

Claims (8)

  1. 構造体の任意部位における破損の発生及び破損進展現象を予測するにあたり、
    評価対象である前記構造体における結合界面の界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータを、引張剥離実験又はせん断剥離実験の少なくとも一方に基づいて決定する手順と、
    前記構造体を有限個の要素に分割して作成した解析モデル中の結合界面に、前記パラメータを求めた前記界面ポテンシャルエネルギを含む界面要素を作成し、配置するとともに、前記界面ポテンシャルエネルギ関数に基づいて前記界面要素の剛性を計算する手順と、
    前記剛性を前記解析モデルの全体連立方程式に代入し、所定の解析条件に基づいて前記全体連立方程式を解く手順と、
    全体連立方程式を解いて得られた、前記結合界面の物理量の大きさから、亀裂の進展の可否を判定する手順と、
    を含むことを特徴とする構造体の破壊予測方法。
  2. 前記界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータは、破壊の実験によって得られる荷重点での荷重−変位間の関係と、破壊の解析によって得られる荷重−変位間の関係とが一致するように決定されることを特徴とする請求項1に記載の構造体の破壊予測方法。
  3. 前記構造体の解析モデルに発生した亀裂が進展した後、新しく生成された亀裂面同士が貫通する場合には、新しく生成された前記亀裂面間に相互接触を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体の破壊予測方法。
  4. 前記破壊の実験及び前記破壊の解析は、引張モード、面内せん断モード、又は面外せん断モードのうち少なくとも一つによる破壊の形態で行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の構造体の破壊予測方法。
  5. 引張モードが支配的である破壊の形態である場合、引張モードのみで前記界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータを決定し、
    面内せん断モードが支配的である破壊の形態である場合、又は面外せん断モードが支配的である破壊の形態である場合、せん断モードのみで前記界面ポテンシャルエネルギ関数のパラメータを決定することを特徴とする請求項4に記載の構造体の破壊予測方法。
  6. 前記構造体において亀裂の進展する方向が予め分かっている場合、前記亀裂が進展可能な方向に沿ってのみ、前記界面要素を配置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造体の破壊予測方法。
  7. 前記構造体に存在するすべての異種材料間、又は、前記構造体において指定した異種材料間、又は、前記解析モデルに存在するすべての要素の境界、又は、前記解析モデルにおいて指定した領域における前記要素の境界のうち少なくとも一つに、前記界面要素を作成し、配置することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の構造体の破壊予測方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の構造体の破壊予測方法をコンピュータに実行させることを特徴とする構造体の破壊予測用コンピュータプログラム。
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