JP7417063B2 - タイヤモデル作成方法、およびタイヤモデル作成装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、タイヤの表面に格子面を設け、格子面の形状を測定することによってタイヤの形状を測定するタイヤの形状測定装置が記載されている。特許文献1のタイヤの形状測定装置は、タイヤを回転させる回転手段と、回転手段によって回転するタイヤの格子面の画像を、異なる場所から入力するための複数の画像入力手段と、複数の画像入力手段によって入力した複数の格子面の画像から格子面の各点の位置を求める位置算出手段と、位置算出手段によって測定された格子面の各点の位置から、格子面が設けられたタイヤの形状を再生するタイヤ形状再生手段とよりなる。
特許文献1に、タイヤの転動時のサイド部形状が示されている(特許文献1の図6参照)。しかしながら、特許文献1ではトレッドと路面との接触領域まで測定できておらず、数値シミュレーションに必要なタイヤの変形状態を精密にモデル化できない。
接地台の断面形状は長さがタイヤ接地形状の接地長方向の距離に対応し、接地台の断面形状は長さと直交する方向の幅がタイヤ接地形状の接地幅方向の距離に対応しており、接地台の断面形状の長さ、および接地台の断面形状の幅のうち、少なくとも一方が、接地台の断面形状の長さが、タイヤ接地形状の接地長方向の距離の95~120%であるか、接地台の断面形状の幅が、タイヤ接地形状の接地幅方向の距離の95~120%であることが好ましい。
接地台の高さは、5mm~タイヤ直径の範囲であることが好ましい。
シミュレーション用タイヤモデルは、多角形で構成されることが好ましい。
計測工程は、レーザー光または超音波を用いて、タイヤ外形状を計測する工程であることが好ましい。
接地台の断面形状は長さがタイヤ接地形状の接地長方向の距離に対応し、接地台の断面形状は長さと直交する方向の幅がタイヤ接地形状の接地幅方向の距離に対応しており、接地台の断面形状の長さ、および接地台の断面形状の幅のうち、少なくとも一方が、接地台の断面形状の長さが、タイヤ接地形状の接地長方向の距離の95~120%であるか、接地台の断面形状の幅が、タイヤ接地形状の接地幅方向の距離の95~120%であることが好ましい。
接地台の高さは、5mm~タイヤ直径の範囲であることが好ましい。
作成部で作成されるシミュレーション用タイヤモデルは、多角形で構成されることが好ましい。
計測部は、レーザー光または超音波を用いて、タイヤ外形状を計測することが好ましい。
なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
図1は本発明の実施形態のタイヤモデル作成方法に利用されるタイヤモデル作成装置の一例を示す模式図である。図2(a)はタイヤが接地台に載置された状態を示す模式図であり、(b)はタイヤが接地台に載置された状態を示す模式的斜視図である。
本実施形態のタイヤモデル作成方法には、図1に示すタイヤモデル作成装置10が用いられる。タイヤモデル作成方法は、図1に示すタイヤモデル作成装置10に限定されるものではない。また、タイヤモデル作成方法の各工程を手順としてコンピューターに実行させるためのプログラムが利用される。以下、タイヤモデル作成装置10のことを、単に作成装置10という。
接地台12は、所定の空気圧のタイヤ30を、所定の荷重負荷で接地台12に接触させた状態を再現するものである。例えば、195/65R15サイズのタイヤ30において、内圧(空気圧)230kPa、接地荷重(荷重負荷)4.5kNで接地台12に接触させる。なお、タイヤ30が所定の空気圧であることと、タイヤ30を所定の荷重負荷で接地台12に接触させることを合わせて、所定の設定条件で接地台12に接触させるともいう。
接地台12は、金属、樹脂、木材等のタイヤトレッドゴムよりも弾性率が大きい材質で構成することが好ましい。上述のように、タイヤトレッドゴムよりも弾性率が大きい材料で構成することにより、タイヤ30の計測時に所定の負荷荷重で接地台12に接地させても、接地台12の変形を抑制できる。これにより、タイヤ30の接地台12との接地領域の不要な変形を抑制でき、計測の再現安定性を確保することができ、高い計測精度を維持できる。
軸部16bは、タイヤ30を着脱可能にかつタイヤ30を回転可能に支持するものである。駆動部16aは、軸部16bをタイヤ30の中心軸Cと直交する第1の方向(タイヤ30の径方向)に移動可能に支持すると共に、軸部16bを介してタイヤ30に第1の方向に向かって荷重Wを加えるように構成されている。なお、タイヤ30に対して荷重Wを加える機構は、特に限定されるものではなく、従来公知の様々な構成を利用することができる。
なお、作業者がノギス等の計測器を用いてタイヤ30を計測して計測データを取得してもよい。
ここで、図2(a)はタイヤが接地台に載置された状態を示す模式図であり、(b)はタイヤが接地台に載置された状態を示す模式的斜視図である。
図2(a)および(b)はタイヤ30が、所定の設定条件で接地台12に接触された状態を示す。接地台12を用いることにより、タイヤ30は接地面に相当する領域で支持されることになるため、タイヤ30の接地端30eが覆われることがなくなり、計測できない領域をなくすことができる。これにより、例えば、タイヤ30のトレッドと路面との接触領域まで測定することができる。このため、シミュレーション用タイヤモデル32(図3(a)、(b)参照)について高い計測精度を維持できる。
上述のように、タイヤの空力的影響を調査するために、タイヤの変形状態を精密にモデル化する必要があるが、タイヤモデル作成装置(タイヤモデル作成方法)では、タイヤの変形状態を精密にモデル化することができる。このように、モデル精度向上により計算精度を向上させることができ、タイヤの変形状態に関する計測精度を向上させることができる。
さらに、メッシュ作成ソフトを用いて、タイヤ30の表面形状を示すCADデータに対してメッシュ生成を行う。メッシュ作成ソフトとしては、例えば、HyperMESH(登録商標)が用いられる。
シミュレーション用タイヤモデルにおいて、多角形でタイヤ外形状を表現することにより、タイヤ形状の近似精度を保ちつつ汎用性が高い、例えば、STL(Standard Triangulated Language)形式、NASTRAN形式等のフォーマットへの変換が可能となる。例えば、図4(a)および(b)に示すように、三角形の要素33で構成されたタイヤモデル32を得ることができる。図4(a)および(b)に示すタイヤモデル32はSTL形式である。
なお、シミュレーション用タイヤモデルを構成する要素は、例えば、2次元平面では四辺形要素、3次元体では四面体ソリッド要素、五面体ソリッド要素、六面体ソリッド要素等のソリッド要素、三角形シェル要素、四角形シェル要素等のシェル要素、面要素等のコンピューターで解析可能な要素としてもよい。このようにして分割された要素は、コンピューターによる解析の過程においては、3次元モデルでは3次元座標を用いて、2次元モデルでは2次元座標を用いて逐一特定される。
必要に応じて、タイヤが装着される車両を再現するモデルを上述のシミュレーション用タイヤモデルに組み込んでもよい。この際、タイヤモデル、リムモデル(ホイールモデル)、およびタイヤ回転軸モデルを、予め設定された境界条件に基づいて一体化したモデルを作成することもできる。
また、メモリ26は、計測部20で計測されて得られた、タイヤ外形状の3次元データ等の計測データが記憶されるものである。作成部24は、メモリ26から計測データを読み出し、シミュレーション用タイヤモデルを作成する。
表示部28は、例えば、タイヤモデル作成方法で得られた、タイヤを表す、コンピューターで数値解析可能な要素で構成されたシミュレーション用タイヤモデルを表示するものであり、公知の各種のディスプレイが用いられる。また、表示部28には各種情報を出力媒体に表示するためのプリンタ等のデバイスも含まれる。
また、制御部22は、入力部27を介して入力される各種の情報等も表示部28に表示させることもできる。
図5(a)はタイヤのタイヤ接地形状の取得方法の第1の例を示す模式図であり、(b)はタイヤのタイヤ接地形状を示す模式図であり、(c)は接地台の断面形状を示す模式図であり、(d)はタイヤのタイヤ接地形状の取得方法の第2の例を示す模式図である。
接地台12は、上述のように、タイヤ接地形状を断面形状とするものである。タイヤ接地形状は、計測対象のタイヤを所定の内圧とし、かつ所定の荷重負荷時におけるタイヤ接地形状である。すなわち、接地台12の断面形状は、計測条件と同じ状態のタイヤ接地形状である。接地台12は、上述のように、所定の空気圧のタイヤ30を所定の荷重負荷で接地台12に接触させた状態を再現するものである。
図5(b)に示すタイヤ接地形状を示す画像42を用いて接地台12を作製する。接地台12の作製方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、3Dプリンタを用いることができる。これに以外に、図5(b)に示すタイヤ接地形状を示す画像42を断面形状として、1つの部材から削り出して接地台12を作製することもできる。
また、図5(c)に示すように接地台12の断面形状の長さをLcとする。断面形状の長さLcはタイヤ接地形状の接地長方向Lの距離Ltに対応する。
接地台12の断面形状において長さLcと直交する方向の幅をDcとする。断面形状の幅Dcはタイヤ接地形状の接地幅方向Dの距離をDtに対応する。
接地台12の断面形状の長さLc、および接地台12の断面形状の幅Dcのうち、少なくとも一方において、接地台12の断面形状の長さLcが、タイヤ接地形状の接地長方向Lの距離Ltの95~120%であるか、接地台12の断面形状の幅Dcが、タイヤ接地形状の接地幅方向Dの距離Dtの95~120%であることが好ましい。
すなわち、0.95Lt≦Lc≦1.2Lt、および0.95Dt≦Dc≦1.2Dtのうち、少なくとも一方であることが好ましい。このように、接地台12の断面形状は、タイヤ接地形状に対して許容範囲を有することが好ましい。
タイヤ接地形状を取得する際と、タイヤ外形状の計測時とでは、負荷荷重および空気圧が同じに設定しても誤差が生じることがある。しかしながら、許容範囲を設定することにより、タイヤ接地時の荷重、またはタイヤ空気圧の誤差等により、タイヤ接地状態が変化する場合があるが、その誤差を吸収することができる。
なお、タイヤ接地形状を示す画像42の形状と、接地台12の断面形状とは合同でもよい。また、上述のように接地台12の断面形状は、タイヤ接地形状に対して許容範囲を設けてもよいが、この場合、接地台12の断面形状はタイヤ接地形状と相似形であることが好ましい。
なお、透明な平板40を用いて、タイヤ接地形状の取得することに限定されるものではなく、図5(d)に示す曲面41aを有する板41を用いてもよい。タイヤ接地形状を取得するにあたり想定される路面状況等に応じて、平面、曲面以外の面とすることができる。
タイヤは、主溝、ラグ溝、サイプ等があるため、例えば、図6(a)に示すように、タイヤ接地形状を示す画像43は溝43aがある。図6(a)に示すタイヤ接地形状を示す画像43を、接地台12の断面形状に用いた場合、図6(b)に示す形状の接地台12が得られる。この接地台12はタイヤ接地形状の溝が反映されたものである。
図8(a)~(e)は本発明の実施形態のタイヤモデル作成方法を工程順に示す模式的斜視図である。上述のように、タイヤモデル作成方法は作成装置10が用いられる。
まず、例えば、図8(a)に示すように、タイヤリムに装着され、かつ空気圧が所定の内圧にされたタイヤ30を、平板40の表面40aに載置する。そして、タイヤ30の中心軸Cと直交する第1の方向に向かって所定の荷重Wを加え、タイヤ30を所定の荷重負荷で接地台12の表面12aに接触させる。この場合、軸部16bにタイヤ30を取り付けた後、駆動部16aにより、タイヤ30を所定の荷重負荷で平板40の表面40aに接触させる。この場合、例えば、195/65R15サイズのタイヤ30において、内圧230kPa、接地荷重(荷重負荷)4.5kNで平板40の表面40aに接触させる。
次に、図8(b)に示すようにタイヤ30のタイヤ接地形状を示す画像43を得る(取得工程)。
次に、タイヤ接地形状を断面形状とする接地台を、例えば、3Dプリンタを用いて作製する(作製工程)。この場合、例えば、図8(c)に示す接地台12が作製される。
次に、図8(d)に示すように、タイヤ30を接地台12に載せた状態で、タイヤ外形状を計測し、タイヤ外形状の計測データを得る(計測工程)。接触工程および計測工程では、タイヤ接地形状の取得工程と同じく、例えば、195/65R15サイズのタイヤ30において、内圧230kPa、接地荷重(荷重負荷)4.5kNで接地台12に接触させる。
計測工程において、タイヤ外形状は、上述のように、例えば、レーザー光または超音波を用いて計測することが好ましい。
なお、図9(a)および(b)に示す例では、タイヤ100を平板102に接地させているが、タイヤ100と、平板102との間の領域103は計測が困難である。この領域103が存在することにより、タイヤ100のトレッドと路面との接触領域まで測定することができず、タイヤモデルの形状精度が低下する。結果として低精度のタイヤモデルを用いたシミュレーションの精度の低下を招く。このため、計測が困難な領域103をなくす必要がある。
タイヤモデル作成方法では、接地台12を、上述のようにタイヤ30が接地している領域の大きさにすることにより、上述の領域103(図9(a)および(b)参照)をなくすことができ、タイヤ30のトレッドと路面との接触領域まで測定することができる。これにより、タイヤモデルの形状精度が向上し、結果として高精度のタイヤモデルを用いた、高い精度のシミュレーションを実施できる。
なお、タイヤ外形状の計測データを使用した、シミュレーション用タイヤモデルの作成方法は、上述のとおりであるため、その詳細な説明は省略する。
12 接地台
12a 表面
16 タイヤ支持部
16a 駆動部
16b 軸部
20 計測部
22 制御部
24 作成部
26 メモリ
27 入力部
28 表示部
30 タイヤ
30b 外周面
32 シミュレーション用タイヤモデル(タイヤモデル)
32e 接地端部
33 要素
40 平板
40a 表面
41 板
41a 曲面
42、43、44 画像
43a 溝
44c 輪郭
100 タイヤ
102 平板
103 領域
C 中心軸
H 距離
h 高さ
Claims (10)
- 計測対象のタイヤを所定の内圧とし、かつ所定の荷重負荷時におけるタイヤ接地形状を取得する取得工程と、
前記タイヤ接地形状を断面形状とする接地台を作製する作製工程と、
前記接地台に前記タイヤを前記所定の内圧とし、かつ前記所定の荷重負荷で接触させる接触工程と、
前記タイヤを前記接地台に載せた状態で、タイヤ外形状を計測する計測工程と、
前記タイヤ外形状の計測データを使用して、タイヤを表す、コンピューターで数値解析可能な要素で構成されたシミュレーション用タイヤモデルを作成する作成工程とを有することを特徴とするタイヤモデル作成方法。 - 前記接地台の前記断面形状は、輪郭が閉曲線で構成されている形状である、請求項1に記載のタイヤモデル作成方法。
- 前記接地台の前記断面形状は長さが前記タイヤ接地形状の接地長方向の距離に対応し、前記接地台の前記断面形状は長さと直交する方向の幅が前記タイヤ接地形状の接地幅方向の距離に対応しており、
前記接地台の前記断面形状の長さ、および前記接地台の前記断面形状の幅のうち、少なくとも一方が、
前記接地台の前記断面形状の長さが、前記タイヤ接地形状の前記接地長方向の前記距離の95~120%であるか、前記接地台の前記断面形状の幅が、前記タイヤ接地形状の前記接地幅方向の前記距離の95~120%である、請求項1または2に記載のタイヤモデル作成方法。 - 前記シミュレーション用タイヤモデルは、多角形で構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤモデル作成方法。
- 前記計測工程は、レーザー光または超音波を用いて、前記タイヤ外形状を計測する工程である、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤモデル作成方法。
- 計測対象のタイヤを所定の内圧とし、かつ所定の荷重負荷時におけるタイヤ接地形状を断面形状とする接地台に、前記タイヤを前記所定の内圧とし、かつ前記所定の荷重負荷で接触させた状態で、タイヤ外形状を計測する計測部と、
前記タイヤ外形状の計測データを使用して、タイヤを表す、コンピューターで数値解析可能な要素で構成されたシミュレーション用タイヤモデルを作成する作成部とを有することを特徴とするタイヤモデル作成装置。 - 前記接地台の前記断面形状は、輪郭が閉曲線で構成されている形状である、請求項6に記載のタイヤモデル作成装置。
- 前記接地台の前記断面形状は長さが前記タイヤ接地形状の接地長方向の距離に対応し、前記接地台の前記断面形状は長さと直交する方向の幅が前記タイヤ接地形状の接地幅方向の距離に対応しており、
前記接地台の前記断面形状の長さ、および前記接地台の前記断面形状の幅のうち、少なくとも一方が、
前記接地台の前記断面形状の長さが、前記タイヤ接地形状の前記接地長方向の前記距離の95~120%であるか、前記接地台の前記断面形状の幅が、前記タイヤ接地形状の前記接地幅方向の前記距離の95~120%である、請求項6または7に記載のタイヤモデル作成装置。 - 前記作成部で作成されるシミュレーション用タイヤモデルは、多角形で構成される、請求項6~8のいずれか1項に記載のタイヤモデル作成装置。
- 前記計測部は、レーザー光または超音波を用いて、前記タイヤ外形状を計測する、請求項6~9のいずれか1項に記載のタイヤモデル作成装置。
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