JP2006008804A - 接着剤、その製造方法および使用方法、および、この接着剤を用いたホース - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便かつ広範に使用することができ、気体遮断性に優れた接着剤を提供する。
【解決手段】本発明は、ゴム成分、層状鉱物フィラー、および溶媒を含有する接着剤であって、層状鉱物フィラーが層間剥離して接着剤中に分散していることを特徴とする接着剤である。この接着剤を例えば樹脂層の表面に塗布すると、乾燥後に形成される接着層中に層間剥離した層状鉱物フィラーがナノ分散している状態が実現するため、気体は層間剥離によって形成された各層の間を迂回しながら透過しなければならなくなり、優れた気体遮断効果が得られる。本発明はまた、積層された管状の樹脂層と管状のゴム層とを少なくとも含むホースであって、樹脂層とゴム層が上述の接着剤により接着されていることを特徴とするホースを提供する。
【選択図】なし。
【解決手段】本発明は、ゴム成分、層状鉱物フィラー、および溶媒を含有する接着剤であって、層状鉱物フィラーが層間剥離して接着剤中に分散していることを特徴とする接着剤である。この接着剤を例えば樹脂層の表面に塗布すると、乾燥後に形成される接着層中に層間剥離した層状鉱物フィラーがナノ分散している状態が実現するため、気体は層間剥離によって形成された各層の間を迂回しながら透過しなければならなくなり、優れた気体遮断効果が得られる。本発明はまた、積層された管状の樹脂層と管状のゴム層とを少なくとも含むホースであって、樹脂層とゴム層が上述の接着剤により接着されていることを特徴とするホースを提供する。
【選択図】なし。
Description
本発明は、気体または液体(以下、「流体」という。)の遮断性に優れた接着剤、およびその製造方法に関する。本発明はまた、流体遮断性が要求される製品における樹脂製またはゴム製の部品を接着するために上記接着剤を使用する方法に関する。本発明はさらに、上記接着剤を使用した流体の遮断性に優れたホースに関する。
自動車用クーラーの配管等に使用される冷媒輸送用ホースは、一般に、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロスルホン酸ポリエチレンゴム等から構成される管状の内側ゴム層と、その上を覆うポリエステル繊維やナイロン繊維等から構成される管状補強層と、さらにその上を覆うエチレン−プロピレンゴムやクロロプレンゴム等から構成される管状の外側ゴム層とからなる構成を有している。これらのホースでは、上述のゴム層の気体透過性が大きいことから、ホース内を流れるフロン等の冷媒が外部に漏洩してしまう。環境汚染防止の観点から、ホース内を流れる流体がホースを透過してホース外部に漏洩するのを防止する性能(以下、「流体遮断性」という。)が高いのが好ましい。
この漏洩を防止するために、上記ゴム層の内側に気体不透過性に優れた樹脂層を設けたホースが提案されている。例えば、特開平5−52280号公報(特許文献1)は、ポリアミドを主体とした樹脂組成物からなる内側樹脂層と非極性ゴム材料からなる外側ゴム層とから構成される内管層と、その上を覆う繊維補強層と、さらにその上を覆う外管層からなる冷媒輸送用ホースを開示している。このようなホースにおいて、内側の樹脂層と外側のゴム層とは一般的に塩化ゴム系接着剤等により接着されている。
また、ゴム層または樹脂層に扁平形状の無機充填材を高分散させ、該無機充填材により流体を遮断することも検討されている。例えば、特開平11−159667号公報(特許文献2)は、クレーを炭素数6以上の有機オニウムイオン(例;へキシルアンモニウムイオン、ステアリルアンモニウムイオン、トリオクチルアンモニウムイオン)とイオン結合させて得た有機化クレーを樹脂またはゴムに混合し、得られた組成物によって冷媒輸送用ホースを形成している。元来親水性のクレー表面が有機オニウムイオンによりある程度疎水化するため、ポリマーのマトリックス中での有機化クレーの分散性が良好になり、ホースの流体遮断性を高めることができると記載されている。
さらに、本発明者等は、改善された高い流体遮断性を得る目的で、層状鉱物フィラーを用いた高分子組成物に関して鋭意研究を重ねてきた。その結果、層状鉱物フィラーを層間剥離させて例えば1枚1枚の層を形成し、これを高分子中に分散させるナノ分散技術を既に開発している。例えば、本出願人の出願である特開2004−010860号公報(特許文献3)では、イソブチレンを主成分とする共重合体の臭素化物からなるゴム中にジメチルジアルキルアンモニウム塩で処理したマイカを分散させた高い流体遮断性を示すゴム組成物を開示しており、特開2004−011872号公報(特許文献4)では、上記ゴム組成物を使用して形成した流体遮断性の高い冷媒輸送用高圧ホースを開示している。上述の層状鉱物フィラーのナノ分散による流体遮断性の向上の機構は、以下のように考えられている。すなわち、層状鉱物が層間剥離して形成された扁平フィラーがゴムマトリックス中に相互に平行に配向した結果、ゴム組成物中に無数の壁が形成され、この組成物を透過するガス分子がその壁を迂回しながら拡散するため、見かけ上透過すべき組成物の厚さが増加した状態になるためであると考えられている。
上述の樹脂層を内部に設けたホースの流体遮断性は、樹脂層のないものに比較すると大幅に向上するものの、フロン以外の炭酸ガス等の冷媒は依然として漏洩する。また、樹脂層やゴム層に層状フィラーを混入して形成したホースの場合にも流体遮断性は大幅に向上するものの、層状フィラーの種類や配合量等によってはホースの可撓性を低下させ、またホース形成のためのゴム組成物および樹脂組成物の粘度を大幅に増大させる場合がある。従って、簡便に流体遮断性が確保されると共に広く使用可能な方法があれば、その方が望ましい。
そこで、本発明の目的は、広範に使用可能でありかつ簡便に流体遮断性が確保される方法を提供することである。
本発明者等は、自ら開発した上述のナノ分散技術を利用して簡便に流体遮断性を確保する方法を鋭意検討してきた。その結果、樹脂層とゴム層とを接着するために使用されている塩化ゴム系接着剤等の接着剤に層状鉱物フィラーをナノ分散させることにより上記課題が解決されることを発見した。
従って、本発明はまず、ゴム成分、層状鉱物フィラー、および溶媒を含有する接着剤であって、層状鉱物フィラーが層間剥離して接着剤中に分散していることを特徴とする接着剤に関する。実質的な接着成分であるゴム成分は、塩化ゴム、塩素化ポリエチレン、およびクロロスルホン化ポリエチレンの少なくとも1種であるのが望ましい。層状鉱物フィラーは、マイカ、タルク、クレー、有機化マイカ、有機化タルク、および有機化クレーから選択されるのが好ましい。
この接着剤は、層状鉱物フィラーを接着剤に使用される溶媒に分散させた後にゴム成分、好適には同一の溶媒に分散させたゴム成分、と混合することにより得ることができる。例えば、層状鉱物フィラーが有機化マイカ、有機化タルク、および有機化クレーから選択された場合には、これらをキシレン等の有機溶媒に分散させた後にゴム成分と混合し、層状鉱物フィラーが有機化されていないマイカ、タルク、およびクレーから選択された場合には、これらを水に分散させた後にゴム成分と混合する。層状鉱物フィラーを溶媒に分散させる段階で層状鉱物フィラーが層間剥離して例えば1枚1枚の層に分離するため、得られた接着剤において層状鉱物フィラーが良好に分散する。従って、この接着剤を例えば樹脂層の表面に塗布すると、乾燥後に形成される接着層中に層間剥離した層状鉱物フィラーがナノ分散している状態が実現する。その結果、流体は層間剥離した各層の間を迂回しながら透過しなければならなくなる。このことは膜厚を大幅に厚くしたことに相当する流体遮断効果を与える。層状鉱物フィラーが層間剥離して形成された層のアスペクト比が50以上であると、極めて良好な流体遮断性が得られるため特に好ましい。
本発明の接着剤において、層状鉱物フィラーはゴム成分に対して100質量%以下の量で含有されているのが好ましい。層状鉱物フィラーの配合量が上述の範囲を超えると、接着剤本来の要求性能である接着性能が低下する傾向が認められている。
この接着剤は、樹脂製部品と樹脂製部品、樹脂製部品とゴム製部品、または、ゴム製部品とゴム製部品を接着するために簡便かつ広範に使用することができ、特に樹脂製部品とゴム製部品とを良好に接着可能である。また接着後に得られた製品の流体遮断性も極めて優れている。接着剤の乾燥後に形成される接着層の厚みは0.005〜0.5mmの範囲が好ましい。この範囲内で部品間の接着強度に優れている接着層が得られ、かつ流体遮断性に優れた製品が得られる。
本発明の接着剤をホースの製造に使用すると、流体遮断性に優れると共に可撓性や振動耐久性等の機械的特性にも優れたホースが得られる。
従って、本発明はまた、積層された管状の樹脂層と管状のゴム層とを少なくとも含むホースであって、樹脂層とゴム層が上述の接着剤により接着されていることを特徴とするホースに関する。また、管状の樹脂層、その上を覆う管状の内側ゴム層、さらにその上を覆う管状の繊維の補強層、およびさらにその上を覆う管状の外側ゴム層を少なくとも含む高圧ホースであって、少なくとも樹脂層と内側ゴム層とが上述の接着剤により接着されていることを特徴とするホースに関する。
上記樹脂層を形成するための樹脂組成物はポリアミド樹脂を含むのが好ましく、さらに、上記樹脂層を形成するための樹脂組成物および上記ゴム層を形成するためのゴム組成物の少なくとも一方が、テトラメチルアンモニウム塩と層状鉱物フィラーとを含むのが好ましい。特に流体遮断性が高く、かつ可撓性、振動耐久性等の機械的強度においても問題のないホースが得られることがわかっている(本出願人による特願2003−288570号明細書参照)。この場合、ゴム層は、イソブチレンを主成分とした共重合体、イソブチレンを主成分とした共重合体のハロゲン化物、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンド、および天然ゴムから選択された少なくとも1種から選択されるのが好ましい。
本発明のホースは、特に気体の輸送のために好適に使用することができる。
本発明の接着剤は、流体遮断性が要求される製品における樹脂製またはゴム製の部品を接着するために、簡便かつ広範に使用することができる上に、層状鉱物フィラーが接着剤中で例えば1枚1枚の層に層間剥離して分散しているため、乾燥後に形成される接着層中に層間剥離した各層がナノ分散している状態を実現することができ、そのため極めて優れた流体遮断性を示す製品を得ることができる。
また、本発明におけるホースは、流体遮断性が優れている上に、可撓性や振動耐久性等の機械的特性にも優れている。
本発明の接着剤は、基本的構成として、ゴム成分、層状鉱物フィラー、および溶媒を含有する。そして、層状鉱物フィラーが層間剥離して接着剤中に分散されている。
溶媒としては、有機溶媒、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル等の酢酸エステル、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール、トリクロロエタン、臭化イソプロピル等のハロゲン化炭化水素等のほか、水も使用することができる。
実質的な接着成分であるゴム成分は、上述のような溶媒に溶解または分散可能なものであれば良く、例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、塩化ゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等を例示することができるが、接着性の点で塩化ゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレンが好ましい。これらのゴム成分は、公知の乳化重合、懸濁重合、溶液重合によって得ることができる。また、本発明では、ゴム成分と溶媒とを予め含む市販接着剤、例えば市販の塩化ゴム系接着剤(ケムロック(ロード社)、メタロック(東洋化学研究所)等)を、層状鉱物フィラーを分散させる出発材料として使用することもできる。
本発明の接着剤における層状鉱物フィラーとしては、クレー、マイカ、カオリンクレー、タルク等を挙げることができ、中でも形状が扁平状であるマイカ、タルクおよびクレーを含んでいると、接着剤の流体遮断性をさらに向上させることができるため好ましい。特に、層状鉱物フィラーが層間剥離することにより形成された層のアスベスト比が50以上になる層状鉱物フィラーを使用すると、極めて優れた流体遮断性を示す接着剤が得られる。これらの層状鉱物フィラーの平均粒径は一般的には20μm以下であり、特に0.1〜8μmであるのが好ましい。
クレーとは、一般に、1種あるいは2種以上の粘土鉱物、即ち層状ケイ酸塩から成る微細な粒子であり、Si4+イオンが酸化物イオン(O2−)に対して4配位をとる4面体が構成する層と、Al3+、Fe2+、Fe3+、Mg2+などのイオンがO2−および水酸化物イオン(OH−)に対して6配位をとる8面体層とが1:1あるいは2:1で結合し、さらにそれらが積み重なって層状構造を構成するものが一般的である。クレーとしては、例えば、カオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト、ゼオライト、バーミキュライト、ベントナイト等を挙げることができる。
マイカ(雲母)は、完全な基底劈開により特徴付けられる斜晶系層状珪酸塩であり、複雑なアルミノケイ酸カリウムであり、その一般化学組成式はXY2〜3Zn4O10(OH、F)2[但し、XがBa、Ca、(H3O)、K、Na、(NH4)を表し、YがAl、Cr3+、Fe2+、Fe3+、Li、Mg、Mn2+、V3+を表し、ZがAl、Be、Fe、Siを表す]で表される。
タルクは、ケイ酸マグネシウムで、一般にMg2Si4O10(OH)2で表される。
これらの層状鉱物フィラーは有機化して使用することができる。有機化には有機オニウムイオンを使用することができ、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、ヘキシルアンモニウム塩、ステアリルアンモニウム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩等を有機化のために使用することができる。この形態の場合には、層状鉱物フィラーの各層間に上記有機オニウムイオンが存在しているのがより好ましく、層状鉱物フィラーと上記有機オニウムイオンがイオン結合しているのが特に好ましい。有機オニウムイオンで処理された層状鉱物フィラーは、特開平9−87432号公報に記載された実施例を参考として製造することができる。
本発明の接着剤は、層状鉱物フィラー、好適にはマイカ、タルク、クレー、有機化マイカ、有機化タルク、および有機化クレーから選択された層状鉱物フィラー、を接着剤に使用される溶媒に分散させ、その後にゴム成分、好適には同一の溶媒に分散させたゴム成分、と混合することにより得ることができる。
実際のホースの製造工程等で市販の塩化ゴム系接着剤等を使用する場合には、通常、市販接着剤に対して1:1程度の割合で、接着剤に使用されている溶媒と同一の溶媒で希釈した後に使用される。この希釈工程において使用される希釈剤に層状鉱物フィラーを分散させ、その後で市販接着剤と良く撹拌混合することにより、極めて容易に本発明の接着剤を得ることができる。層状鉱物フィラーが有機化マイカ、有機化タルク、および有機化クレーから選択された場合には、有機溶媒を使用した市販接着剤を選択する。例えば、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩で有機化処理した層状鉱物フィラーは、キシレン等の有機溶媒中で極めて良好に層間剥離してほぼ1枚1枚の層に分離してナノ分離するが、この場合には、キシレン等の有機溶媒を使用した市販接着剤を選択し、層状鉱物フィラーをナノ分散させた希釈剤と良く撹拌混合することにより、本発明の接着剤を得ることができる。層状鉱物フィラーが有機化されていないマイカ、タルク、およびクレーから選択された場合には、水性の市販接着剤を選択する。層状鉱物フィラーが水中で層間剥離してほぼ1枚1枚の層に分離してナノ分散するため、混合後に得られる接着剤において層状鉱物フィラーがゴム成分中に極めて良好に分散する。
本発明の接着剤では、層状鉱物フィラーがゴム成分に対して100質量%以下の量で含有されているのが望ましい。ゴム成分に対して100質量%を超える層状鉱物フィラーが配合されていると、接着剤本来の要求特性である接着性能が低下する傾向にあることがわかっている。また、本発明の接着剤を樹脂面に適用した場合には、塗工性能にも悪影響が生じることがわかっている。即ち、層状鉱物フィラーの混合によって接着剤の粘度が大幅に向上するため、樹脂面に均等に接着剤を塗布することが困難になる。検討の結果、層状鉱物フィラーがゴム成分に対して100質量%を超えると、著しい塗工性能の低下が認められた。
本発明の接着剤は、ゴム成分、溶媒、層状鉱物フィラーの他、他の無機フィラー、例えば、カーボンブラック、カオリン、炭酸カルシウム、シリカ、シリカゲル、ゼオライトおよび活性炭等を含むことができる。また、必要に応じて、老化防止剤、シランカップリング剤、加硫剤等を含むこともできる。
本発明の接着剤は、流体遮断性が要求される製品、例えば高圧ホース、における樹脂製部品と樹脂製部品、樹脂製部品とゴム製部品、または、ゴム製部品とゴム製部品を接着するために使用することができる。
ゴム製部品を構成するゴムとしては、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴムラテックス、シリコーンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルのブレンド等を使用することができ、これらのゴムは、公知の乳化重合、懸濁重合、溶液重合によって得ることができる。これらのゴムは単独で使用することもでき、混合物として使用することもできる。また、これらのゴムと通常の熱可塑性樹脂等のポリマーを併用しても良い。
樹脂製部品を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、アイオノマー、ポリオレフィンと軟質相がNBR、EPDM等で硬質相がポリオレフィンの熱可塑性エラストマーの積層体(同時押出し)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリオキシメチレン、ポリケトン(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン等)等を使用することができ、これらの樹脂は、公知の乳化重合、懸濁重合、溶液重合によって得ることができる。これらの樹脂は単独で使用することもでき、混合物として使用することもできる。
樹脂製部品は、接着前に、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、酸処理、フレーム処理等により表面処理しておくと、接着性が向上するため好ましい。特にコロナ放電処理、およびプラズマ放電処理が好ましい。コロナ放電処理の場合は、周波数5〜50kHzが好適に用いられ、20〜30kHzがより好適に用いられる。5kHzより低いと安定で均一な処理ができず、電力消費量が大きくなり、電極耐久性も悪くなる。電圧は3〜100kVの範囲が好適である。電圧が3kVより低いと放電の発生維持が困難である。雰囲気としては、空気、不活性ガス、酸素、窒素が使用される。プラズマ放電処理の場合は、周波数1kHz〜30MHzが好適に用いられる。1kHzより低いと安定で均一な放電が得られない。電圧は0.5〜30kVが好適である。雰囲気としては、各種不活性ガスや反応性ガスを1〜105Paの圧力で用いることができる。
本発明の接着剤の樹脂製部品またはゴム製部品の表面への塗布にあたっては、ディップ法、バーコート法、スピンコート法等、公知の方法を特に制限なく使用することができる。接着剤の乾燥後に形成される接着層の厚みが0.005〜0.5mmの範囲になるように塗布するのが好ましい。この範囲より薄いと、充分な接着強度と流体遮断性が得られず、この範囲より厚いと接着により得られた製品の可撓性が低下する場合がある。
本発明の接着剤は、ゴムホースに特に好適に適用することができる。従って、本発明はまた、積層された管状の樹脂層と管状のゴム層とを少なくとも含むホースであって、樹脂層とゴム層が上記接着剤により接着されていることを特徴とするホースを提供する。また、管状の樹脂層、その上を覆う管状の内側ゴム層、さらにその上を覆う管状の繊維の補強層、およびさらにその上を覆う管状の外側ゴム層を少なくとも含む高圧ホースであって、少なくとも樹脂層と内側ゴム層とが上記接着剤により接着されていることを特徴とするホースをも提供する。高圧ホースにおいて、ゴム層間に本発明の接着剤が適用されていても良い。
本発明のホースにおいて、ゴム層の形成のためのゴム組成物に含まれるゴム(ゴムまたはラテックス)としては、上述のゴムが特に制限なく使用可能であり、また樹脂層の形成のための樹脂組成物中の樹脂としても上述の樹脂が特に制限なく使用可能である。特に流体遮断性が高いホースを得たい場合には、ポリアミド樹脂を含有する樹脂層とするのが好ましい。
本発明のホースの形成において使用されるゴム組成物および樹脂組成物は、テトラメチルアンモニウム塩と上述の層状鉱物フィラーとを含んでいるのが好ましい。テトラメチルアンモニウム塩と上述の層状鉱物フィラーとを併用すると、層状鉱物フィラーのゴムおよび樹脂のマトリックス内での分散性が向上する上に、テトラメチルアンモニウム塩が流体の分子を吸着するため、ホースの流体遮断性をさらに向上させることができる。また、ゴム組成物および樹脂組成物の粘度の上昇が少ない。さらに得られたゴム層および樹脂層の機械特性(引張応力、引張強度、引張伸び)の低下がほとんど見られず、層状鉱物フィラーの量を増大させてもゴム層および樹脂層としての可撓性がほとんど損なわれない。この形態の場合には、層状鉱物フィラーがテトラメチルアンモニウム塩で処理されているのが好ましく、層状鉱物フィラーの各層間にテトラメチルアンモニウム塩が存在しているのがより好ましく、層状鉱物フィラーとテトラメチルアンモニウムイオンがイオン結合しているのが特に好ましい。
テトラメチルアンモニウム塩は、ゴムまたは樹脂のマトリックスの量に対して0.5〜50質量%の量で添加されているのが好ましい。この範囲で、テトラメチルアンモニウム塩添加による流体遮断性の好適な向上効果が認められる。上記層状鉱物フィラーの添加量は、ゴムまたは樹脂のマトリックスの量に対して一般には5〜100質量%である。層状鉱物フィラーの量が5質量%より少ないと層状鉱物フィラーの添加による流体遮蔽性の向上が充分に得られず、100質量%より多いと分散が困難となり好ましくない。
層状鉱物フィラーを使用する場合、特に親水性の層状鉱物フィラーを使用する場合には、ゴムおよび樹脂の分子鎖の主として側鎖に極性基を導入するのが好ましい。極性基としては、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、エーテル、カルボニル、アシル、カルボキシル、COOR(R:低級アルキル)、SO3HおよびSO3Cl、エポキシ、アミノ、アミド、メルカプト、イミノ等を挙げることができる。これらの極性基は、公知の慣用的な方法、例えば極性基を含有するモノマーを共重合する方法、共重合体と変性剤とを反応させることにより共重合体中に極性基を導入する方法などにより導入することができる。また、ゴムとして、ブチルゴムのようなイソブチレンを主成分とした共重合体、塩化ブチルゴム、臭化ブチルゴム、臭素化イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体のようなイソブチレンを主成分とした共重合体のハロゲン化物、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンド、天然ゴムおよびこれらの混合物を使用すると、層状鉱物フィラーの分散性がよくかつ優れた流体遮断性を示すホースが得られるため好ましい。特に、イソブチレンを主成分とした共重合体(ブチルゴム等)、イソブチレンを主成分とした共重合体のハロゲン化物を使用するのが好ましい。
上記イソブチレンを主成分とした共重合体のハロゲン化物において、イソブチレンの他のモノマーは、一般に炭素炭素2重結合を1個または2個有する炭化水素である。炭素炭素2重結合を1個有する炭化水素としては、エチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、スチレン、アルキルスチレン(例、4−メチルスチレン)等を挙げることができ、炭素炭素2重結合を2個有する炭化水素としては、イソプレン、ブタジエン等を挙げることができる。共重合体のイソプレンの割合は、80〜99モル%が好ましく、特に90〜99モル%が好ましい。ハロゲン化は一般に他のモノマー単位に対してなされる。ハロゲン化を行なう際のハロゲンとしては塩素、臭素が好ましい。例えば、イソブチレン−イソプレン共重合体を塩素化した場合、イソブチレン−クロロイソプレン共重合体となる。ハロゲン化ゴム中のハロゲン含有量は、0.5〜1.5モル%が好ましく、特に0.75〜1.2モル%が好ましい。
本発明で使用することができる塩素化ブチルゴムとしては、塩素化(イソブチレン−イソプレン共重合体)(いわゆる塩素化ブチルゴム)または塩素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)を挙げることができ、特に塩素化(イソブチレン−イソプレン共重合体)が好ましい。本発明で使用することができる好ましい臭化ブチルゴムとしては、臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)または臭素化(イソブチレン−イソプレン共重合体)(いわゆる臭素化ブチルゴム)を挙げることができ、特に臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)が好ましい。
本発明では、加硫が十分になされたゴム組成物を使用することにより、圧縮歪みや可撓性等の機械的特性に優れるとともに多くの種類の流体の輸送において優れた流体遮断性を示すホースが得られ、特に高圧ホースとして有効に使用することができる。
加硫(架橋)を行なうための架橋剤としては、種々の市販の化合物(例:硫黄系加硫剤、有機過酸化物)を使用することができる。
硫黄系加硫剤としては、粉末硫黄、高分散性硫黄、不溶性硫黄等の、一般にゴム用加硫剤として用いられている硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム類、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸塩類、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム等のキサントゲン酸塩類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド類、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール類等を挙げることができる。架橋剤の使用量は、ゴムの量に対して0.5〜5.0質量%、特に1.0〜2.5質量%が好ましい。
また加硫促進剤として、TMTD(テトラメチルジスルフィド)等のチウラム系、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)等のジチオカルバミン酸塩類を使用することができる。
さらに、これらと組み合わせて、有機過酸化物、キノンジオキシム、多官能性アクリルモノマー{例、トリメチロールエタントリアクリレート(TMETA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールエーテルヘキサアクリレート(DPEHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(DPEHA)、ジメチロールプロパンジアクリレート(TMPTA)、ステアリルアクリレート(SA)}、トリアジンチオールを用いることができる。
有機過酸化物としては、例えば、過酸化水素水、クメンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレラート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゼン、ビニルトリス(t−ブチルペルオキシ)シランなどを使用することができる。ジクミルペルオキシドが好ましい。使用量は、ゴムの量に対して、0.2〜8.0質量%、特に0.3〜2.0質量%が好ましい。
なお、ブチルゴムの場合は酸化亜鉛とステアリン酸等の高級脂肪酸と硫黄との併用が好ましく、またジエン系ゴムに関しては有機過酸化物が好ましい。
また、臭化ブチルゴムの架橋(加硫)を行なうための架橋剤としては、一般に酸化亜鉛が使用され、必要により上述の種々の市販の化合物(上述の硫黄系架橋剤、有機過酸化物、加硫促進剤等)を使用することができる。架橋剤の量は、ゴムに対して一般には0.05〜5.0質量%、好ましくは0.1〜4.0質量%であり、有機過酸化物の量は、ゴムに対して一般には0.1〜1.0質量%、好ましくは0.3〜0.5質量%である。またステアリン酸等の高級脂肪酸との併用が好ましい。
本発明のホースの形成に使用されるゴム組成物および樹脂組成物は、さらに他の無機フィラーを含んでいても良い。その例としては、カーボンブラック、カオリン、炭酸カルシウム、シリカ等の他、シリカゲル、ゼオライト、活性炭等の他の流体吸着性粒子を挙げることができる。また、必要に応じて可塑剤、老化防止剤、加工助剤としてのオイル、樹脂、防着剤、シランカップリング剤等を含むこともできる。
本発明のホースの形成に使用される上述のゴム組成物および樹脂組成物は、これらを汎用の混練機、例えばバンバリーミキサーに投入して混練することにより得ることができる。混練機の温度は、一般に50〜160℃、好ましくは50〜120℃である。混練の時間は一般に5〜15分間である。
本発明のホースは、1層の樹脂層と1層のゴム層が積層された単純な構造のホースであってもよく、このようなホースは公知の慣用的な押出成形等によって製造することができる。例えば、押出機の先端に設けた高剛性のマンドレル上に、樹脂層を形成し、ついで本発明の接着剤、特に加硫接着剤を塗布する。さらに内側ゴム層を成形し、加硫後にマンドレルを引き抜く。
また、本発明のホースは、以下のような複数のゴム層を含む主として高圧ホースとして使用されるものであってもよい。
本発明の代表的な高圧ホースの構造の1例を図1に示す。管状の内管樹脂層15、その表面を覆う管状の内側ゴム層11、その表面を覆う管状の繊維の補強層12a、その表面を覆う管状の中間ゴム層13、その表面を覆う管状の補強層12b、そしてその表面を覆う管状の外側ゴム層14から構成されている。外側ゴム層14は、一般には耐侯性を付与するためにエチレン−プロピレンゴム(EPDM)により形成されている。管状の繊維の補強層12a,12bは、一般に有機繊維の編組構造体である。有機繊維としてはビニロン、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミド等を挙げることができる。これらの繊維をスパイラル状またはブレード状に編みあげたものが好ましい。これらの繊維は、一般に56〜778tex(500〜7000d)、特に222〜556tex(2000〜5000d)を有することが好ましい。このような複数のゴム層を有するホースは、慣用の方法で製造することができる。例えば、押出機の先端に設けた高剛性のマンドレル上に、内管樹脂層を形成し、ついで本発明の接着剤、特に加硫接着剤を塗布し、接着層16を形成する。さらに内側ゴム層を成形する。次いで、この内側ゴム層上に、スパイラル編み上げ機により、例えば4000d(デニール)のPET糸を20本スパイラルし、中間ゴム層を挿入後、更に同数のPET糸を逆方向にスパイラルし、補強層の形成を完了する。押出機によりその表面に外側ゴム層を形成し、その後、適当な条件にて加硫し、マンドレルを抜き出し、高圧ホースを得る。
本発明のホースは、多くの種類の流体、例えば水、燃料油、酸素、アセチレン、空気、二酸化炭素、フッ化炭化水素等の輸送のために広範に使用することができ、特に気体の輸送のために、例えば冷媒輸送用の配管として好適に使用することができる。
以下実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜5、比較例1、2]
1.接着剤の作成
塩化ゴムを主たる固形分として含有する加硫接着剤(溶媒:キシレン)と、以下の層状鉱物フィラーとを使用した。
1.接着剤の作成
塩化ゴムを主たる固形分として含有する加硫接着剤(溶媒:キシレン)と、以下の層状鉱物フィラーとを使用した。
A−1:モンモリロナイトをジメチルジステアリルアンモニウムイオンで有機化処理した有機化クレー(ナノコアー社製I28E)
A−2:マイカをジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウムイオンで有機化処理した有機化マイカ(コープケミカル社製ソマシフMEE)
A−3:非有機化マイカ(コープケミカル社製ソマシフME100)
A−2:マイカをジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウムイオンで有機化処理した有機化マイカ(コープケミカル社製ソマシフMEE)
A−3:非有機化マイカ(コープケミカル社製ソマシフME100)
まず、上記加硫接着剤を100mL秤量し、次いでキシレン100mLを秤量した。さらに、100mLの加硫接着剤の固形分100重量部に対して以下の表に示す質量比(重量部)になるように上記層状鉱物フィラーを秤量した。秤量した層状鉱物フィラーとキシレンとを充分に撹拌混合して希釈剤を得た。この過程でA−1とA−2のフィラーは層間剥離するが、A−3のフィラーは層間剥離しない。次いで、層状鉱物フィラーを含む希釈剤と加硫接着剤とを撹拌混合することにより、実施例1〜5および比較例1、2において使用する接着剤を得た。
2.接着サンプルの作成
樹脂組成物として宇部興産社製6ナイロン1022Bを使用し、押出し機によって樹脂フィルムを作成した。このフィルムの膜厚は100μmであった。
樹脂組成物として宇部興産社製6ナイロン1022Bを使用し、押出し機によって樹脂フィルムを作成した。このフィルムの膜厚は100μmであった。
ゴム組成物として、以下の配合の組成物を使用した。
塩素化ブチルゴムCl−IIR1066(JSR製);100重量部
FEFカーボンブラック;50重量部
ステアリン酸;1重量部
酸化亜鉛;5重量部
加硫促進剤TMTD:1重量部
FEFカーボンブラック;50重量部
ステアリン酸;1重量部
酸化亜鉛;5重量部
加硫促進剤TMTD:1重量部
これらを1Lバンバリーミキサーを用いて120℃で約5分間攪拌し、均一な組成物を得、1mmに圧延したゴムシートを作成した。
樹脂フィルムを良く洗浄し、コロナ放電処理を行った。得られた樹脂フィルム表面に、調製した接着剤を乾燥後の膜厚が10μmになるように塗布した。そしてゴムシートを貼り合わせ、加硫プレスにて圧着しながら加硫した。加硫条件は、150℃で1時間である。
3.接着性の評価
得られたゴム/樹脂接着試験片を幅2.5cmに短冊状に裁断し、樹脂層とゴム層の界面に沿って数cmスライスし、樹脂部とゴム部をチャックして180度剥離試験を実施し、接着強度を観察した。充分な強度を示すものを〇、実用に耐え得る強度を示すものを△として評価した。
得られたゴム/樹脂接着試験片を幅2.5cmに短冊状に裁断し、樹脂層とゴム層の界面に沿って数cmスライスし、樹脂部とゴム部をチャックして180度剥離試験を実施し、接着強度を観察した。充分な強度を示すものを〇、実用に耐え得る強度を示すものを△として評価した。
4.気体遮蔽性の評価
気体遮蔽性を評価するために、GTRテック(株)製ガス透過試験機(GTR30A、ガス:酸素)を用い、100℃、ガス供給側圧力0.2MPaの差圧法によりガス透過量測定を行なった。評価は、比較例1に対する相対比により行なった。
気体遮蔽性を評価するために、GTRテック(株)製ガス透過試験機(GTR30A、ガス:酸素)を用い、100℃、ガス供給側圧力0.2MPaの差圧法によりガス透過量測定を行なった。評価は、比較例1に対する相対比により行なった。
以下の表に結果をまとめて示す。
本発明の接着剤を使用したゴム/樹脂接着片は、極めて優れた気体遮断性および接着強度を示すことがわかる。
11 管状の内側ゴム層
12a,12b 補強層
13 管状の中間ゴム層
14 管状の外側ゴム層
15 管状の内管樹脂層
16 接着層
12a,12b 補強層
13 管状の中間ゴム層
14 管状の外側ゴム層
15 管状の内管樹脂層
16 接着層
Claims (16)
- ゴム成分、層状鉱物フィラー、および溶媒を含有する接着剤であって、前記層状鉱物フィラーが層間剥離して接着剤中に分散していることを特徴とする接着剤。
- 層状鉱物フィラーがゴム成分に対して100質量%以下の量で含有されていることを特徴とする、請求項1に記載の接着剤。
- 層状鉱物フィラーが、マイカ、タルク、クレー、有機化マイカ、有機化タルク、および有機化クレーから選択された少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または2に記載の接着剤。
- 層状鉱物フィラーが層間剥離することにより形成された層のアスペクト比が50以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤。
- 前記ゴム成分が、塩化ゴム、塩素化ポリエチレン、およびクロロスルホン化ポリエチレンの少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤の製造方法であって、層状鉱物フィラーを溶媒に分散させた後にゴム成分と混合することを特徴とする方法。
- 前記溶媒が有機溶媒であり、前記層状鉱物フィラーが有機化マイカ、有機化タルク、および有機化クレーから選択された少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
- 前記溶媒が水であり、前記層状鉱物フィラーが有機化されていないマイカ、タルク、およびクレーから選択された少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤を、樹脂製部品と樹脂製部品、樹脂製部品とゴム製部品、または、ゴム製部品とゴム製部品を接着するために使用する方法。
- 接着剤の乾燥後に形成される接着層の厚みが0.005〜0.5mmの範囲であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
- 積層された管状の樹脂層と管状のゴム層とを少なくとも含むホースであって、
前記樹脂層とゴム層が請求項1〜5に記載の接着剤により接着されていることを特徴とするホース。 - 管状の樹脂層、その上を覆う管状の内側ゴム層、さらにその上を覆う管状の繊維の補強層、およびさらにその上を覆う管状の外側ゴム層を少なくとも含むホースであって、
少なくとも樹脂層と内側ゴム層とが請求項1〜5に記載の接着剤により接着されていることを特徴とするホース。 - 前記樹脂層を形成するための樹脂組成物がポリアミド樹脂を含むことを特徴とする、請求項11または12に記載のホース。
- 前記樹脂層を形成するための樹脂組成物および前記ゴム層を形成するためのゴム組成物の少なくとも一方が、テトラメチルアンモニウム塩と層状鉱物フィラーとを含むことを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載のホース。
- 前記テトラメチルアンモニウム塩と層状鉱物フィラーとを含むゴム組成物におけるゴム成分が、イソブチレンを主成分とした共重合体、イソブチレンを主成分とした共重合体のハロゲン化物、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンド、および天然ゴムから選択された少なくとも1種であることを特徴とする、請求項14に記載のホース。
- 気体輸送用であることを特徴とする、請求項10〜15のいずれかに記載のホース。
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