JP3930464B2 - ゴム組成物、並びにこれを用いた球技用ボール及び自転車用タイヤチューブ - Google Patents

ゴム組成物、並びにこれを用いた球技用ボール及び自転車用タイヤチューブ Download PDF

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本発明は、ゴムホース、ガスケット、パッキング材、タイヤ、タイヤチューブ、球技用ボール等の製造に有用な高分子組成物、並びにこれを用いた球技用ボール及び自転車用タイヤチューブに関する。
ゴム等の高分子にクレー、マイカ等の扁平形状の層状鉱物フィラーを配合することは、従来からガスバリヤ性等の向上を目的として行われている。即ち、扁平形状の層状鉱物フィラーはガスを通さないので、高分子にこれを添加することにより、その体積分率だけ得られる高分子組成物のガスバリヤ性は向上する。
しかしながら、このような層状鉱物フィラーを用いても、ガスバリヤ性の向上には限界があり、逆にその添加量の増大と共に高分子組成物用の配合物の加工性(押出性)の悪化、配合物の質量の増大、さらに得られる高分子組成物の強度、伸びが低下するとの問題がある。
特許文献1には、有機化クレーと無水カルボキシル基を有する変性ブチルゴムとを用いてポリマー組成物を得る方法が開示されている。これを用いて冷媒輸送用ホースを得ている。このホースは振動吸収性、流体遮断性に優れたものであることが記載されている。この公報で用いられる有機化クレーは、クレーに有機オニウムイオンをイオン結合させたもので、有機オニウムイオンとしては、炭素数6以上のアンモニウムイオン(例、へキシルアンモニウムイオン、ステアリルアンモニウムイオン、トリオクチルアンモニウムイオン)が使用されている。
特開平11−159667号公報
本発明者等は、層状鉱物フィラーを用いて高いガスバリヤ性(低い気体透過率)を有する高分子組成物を得るために鋭意研究を重ねてきた。既に、本出願人は、層状鉱物フィラーを層間剥離させて、1枚1枚の層を高分子中に分散させる、ナノ分散技術を開発し、種々出願を行っている。即ち、層状鉱物フィラーをナノ分散させることにより、少量のフィラーを用いて優れたガスバリヤー性を有する高分子組成物を得ている。
例えば、本出願人の出願である特願2002−169950号明細書において、ジメチルアルキルアンモニウム塩で処理したマイカを用いた優れたガスバリヤー性を有する高分子組成物を記載している。即ち、前記特許文献1に記載のアンモニウムイオンを用いた場合は、マイカをナノ分散させることが困難であったが、上記特定の化合物を用いることによりナノ分散を可能としたものである。
尚、ナノ分散によるガスバリヤ性の向上の機構は、層状剥離した扁平フィラーが高分子中に相互に平行関係で高度に配向し、その結果、組成物中に無数の壁が形成され、この組成物を透過するガス分子が、その壁を迂回しながら拡散するため、見かけ上透過すべき組成物の厚さが増加した状態になるためとされている。このため、層状剥離した扁平フィラーの配向が不充分であったり、押出、複合化、架橋等の加工工程において、その配向が不均一となったり、破損した場合充分なガスバリヤ性が得られないと考えられる。
層状鉱物フィラーを用いて高いガスバリヤ性を有するゴム組成物を得るために、本発明者等がさらに検討したところ、前記特定のジメチルアルキルアンモニウム塩で処理したマイカを用いたゴム組成物であっても、ガスバリヤ性をさらに向上させようとした場合に、硬くなって、ゴムの可撓性が失われる場合があること、またマイカ等の層状鉱物フィラーを増量した場合に、粘度が過度に上昇する場合があることが明らかになった。
従って、本発明の目的は、ガスバリヤ性及び機械特性に優れたゴム組成物を提供することにある。
また、本発明は、ガスバリヤ性、機械特性に優れ、且つ簡易な装置を用いて得ることができる高分子組成物を提供することにある。
さらに、本発明は、ガス洩れが起こり難く、機械特性に優れた球技用ボールを提供することにある。
さらにまた、本発明は、ガス洩れが起こり難く、機械特性に優れた自転車用タイヤチューブを提供することにある。
本発明者等は、ガスバリヤ性、機械特性にも優れたゴム組成物を得るために鋭意検討を重ねてきた。その結果、層状鉱物フィラー及びゴムを含むゴム組成物にこれまで知られていない特定のアンモニウム化合物を導入した場合に、機械的物性を低下させることなく非常に優れたガスバリヤ性が得られることが明らかになった。しかも、この化合物を用いることにより、マイカ等の層状鉱物フィラーを増量した場合でも、これに伴う粘度の上昇が小さいとの驚くべき効果が得られることも明らかになった。これにより、ゴム組成物の製造が容易になるだけでなく、ゴム組成物のフィラー量の設定に際しての自由度が向上し、様々な物性のゴム組成物の設計が容易になるとの利点も得られる。このような効果は、前記のガス分子の迂回拡散理論だけでは説明がつかないものである。
上記知見を基に本発明者等がさらに検討を重ねたところ、層状鉱物フィラーを含まないゴム組成物、即ち上記特定のアンモニウム化合物とゴムとからなるゴム組成物であっても、相当優れた機械的物性及びガスバリヤ性を示すことも明らかになった。この現象を説明する明確な機構は今のところ不明である。
従って、本発明は、
テトラメチルアンモニウムハロゲン化物で処理された層状鉱物フィラーが、ゴム中に分散されていることを特徴とするゴム組成物にある。
上記ゴム組成物において、層状鉱物フィラーの層間にテトラメチルアンモニウムハロゲン化物が存在していることが好ましい。特に、層状鉱物フィラーとテトラメチルアンモニウムハロゲン化物のテトラメチルアンモニウムイオンがイオン結合している状態をさらに含むことが好ましい。またテトラメチルアンモニウム塩が分散されていることも好ましい。
上記ゴム組成物は、一般に層状鉱物フィラーが、その平面が相互に平行に配列している。
テトラメチルアンモニウムハロゲン化物は、特に、クロリド、ブロミドであることが好ましい。
層状鉱物フィラーは、一般にマイカ、タルク及びクレーから選択される少なくとも1種であり、これらの2種以上の混合物でも良い。
本発明で使用されるゴムとしては、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム、天然ゴムから選択される少なくとも1種であることが好ましく、これらの2種以上の混合物でも良い。ハロゲン化ブチルゴムが好ましく、特にイソブチレンを主成分とする共重合体のハロゲン化物であることが好ましい。ハロゲン化ブチルゴムは、特に臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)であることが好ましい。
前記したゴム組成物のいずれかを架橋して得られる架橋ゴム組成物であることが好ましく、そのガス透過係数(フロンR134aを用いて、温度100℃、圧力0.2MPaにて測定)は5×10-11cc・cm/cm2・秒・cmHg以下であることが好ましい。
テトラメチルアンモニウムハロゲン化物(以下テトラメチルアンモニウム塩とも言う)の層状鉱物フィラーに対する添加量は、一般に層状鉱物フィラーに対して、0.1〜50質量%であり、0.5〜50質量%、さらに0.5〜30質量%、特に1〜30質量%が好ましい。
また、本発明は、以上に記載のいずれかのゴム組成物を含む球技用ボールにもある。
上記球技用ボールにおいて、ゴム組成物をボールの最内層(例、テニスボールではコア;サッカーボールでは中空の球形状のゴムチューブ)に含むことが好ましい。また、球技用ボールはテニスボール又はサッカーボールであることが好ましい。
さらに、本発明は、以上に記載のいずれかのゴム組成物を含む自転車用タイヤチューブにもある。
本発明のゴム組成物では、高分子中に特定のアルキルアンモニウム塩であるテトラメチルアンモニウム塩を含んでいる。これにより、本発明のゴム組成物は、優れたガスバリヤ性と、ゴム組成物に必要な可撓性を備えている。
特に、層状鉱物フィラー及び高分子を含むゴム組成物にこれまで知られていない特定のアンモニウム化合物が導入された本発明の組成物は、機械的物性を低下させることなく非常に優れたガスバリヤ性を得ている。また、この化合物を用いることにより、マイカ等の層状鉱物フィラーを増量した場合でも、これに伴う粘度の上昇が小さいことから、ゴム組成物の製造が容易になるだけでなく、ゴム組成物のフィラー量の設定に際しての自由度が向上し、様々な物性のゴム組成物の設計が容易になるとの利点も得られる。
本発明の球技用ボール(特に、少なくともその最内層)及び本発明の自転車用タイヤチューブは、上記ゴム組成物を主成分として作製されるもので、ガスバリヤー性に優れており、このためボール内部或いはチューブ内部の空気或いは窒素等のガスを外部に散逸し難いので、空気等のさらなる注入を行うことなく長期間使用できるとの利点を有する。また、このような球技用ボール及び自転車用タイヤチューブは、前記のように機械特性にも優れているので弾力性(反発性能)と強靱性を兼ね備えたものでもある。
本発明のゴム組成物は、ゴム中に、テトラメチルアンモニウム塩が分散された基本構成を有する。この場合、さらに層状鉱物フィラーが分散されていることが好ましい。本発明では、これまで知られていない特定の4級アンモニウム塩であるテトラメチルアンモニウム塩をゴム等の高分子中に分散させることによって、優れたガスバリヤ性及び機械特性を得ている。
本発明のゴム組成物に見られるガスバリヤ性の優れた特徴は、得られたゴム組成物のガスバリヤ性(気体透過率)の測定を開始してから平衡状態(ゴム組成物を通過するガスの単位時間当たりの量が一定値になる状態)になるまでの時間が、汎用のゴム組成物に比べて長いこと、及び平衡状態に達してもなお、従来のゴム配合物に比較して高いガスバリヤ性を維持することである。
本発明のゴム組成物は、層状鉱物フィラーを使用した場合、扁平フィラーがゴム中に相互に平行関係で配向していると考えられるが、機械特性(引張応力、引張強度、引張伸び)の低下がほとんど見られず、フィラー量を増大させてもゴムとしての可撓性をほとんど損なわないことから、ガスバリヤ性を大きく向上させる機構としては、扁平フィラーが超微分散しているためと言うよりも、むしろ扁平フィラーは適度な大きさで分散しているが、扁平フィラーがテトラメチルアンモニウム塩で処理されることによりガスを吸着する、或いは吸蔵する等の性質も寄与しているものと推測される。しかしながら、上記のように長期に亘り優れたガスバリヤ性を保持することから、上記の吸着、吸蔵以外の機構も寄与していると推定している。
本発明のゴム組成物は、一般に、テトラメチルアンモニウムハロゲン化物及びゴム等を、又は層状鉱物フィラー、テトラメチルアンモニウム塩及び高分子等を、或いはテトラメチルアンモニウム塩で処理された層状鉱物フィラー及び高分子等を、バンバリー等のインターナルミキサー等の通常の混練機を用いて混合することによって得られるものであり、さらにこれに架橋剤を加えると、架橋ゴム組成物が得られる
本発明で使用される層状鉱物フィラーとしては、クレー、マイカ、カオリンクレー、タルク等を挙げることができ、中でも形状が扁平状であるクレー、マイカ、タルクが好ましい。層状鉱物フィラーの平均粒径20μm以下、さらに0.1〜15μmの範囲、特に0.1〜8μmが好ましい。
クレーとは、一般に、1種あるいは2種以上の粘土鉱物からなる平均粒径20μm以下、さらに0.1〜15μmの範囲、特に0.1〜8μmの微細な粒子である。粘土鉱物とは、微細な層状ケイ酸塩であり、Si4+イオンが酸化物イオン(O2−)に対して4配位をとる4面体が構成する層と、Al3+、Fe2+、Fe3+、Mg2+などのイオンがO2−および水酸化物イオン(OH)に対して6配位をとる8面体層とが1:1あるいは2:1で結合し、さらにそれらが積み重なって層状構造を構成するものが、一般的である。粘土鉱物としては、例えば、カオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト、ゼオライト、バーミキュライトなどを挙げることができる。
マイカ(雲母)は、完全な基底劈開により特徴付けられる斜晶系層状珪酸塩であり、複雑なアルミノケイ酸カリウムであり、その一般化学組成式はXY2〜3Zn10(OH、F)[但し、XがBa、Ca、(HO)、K、Na、(NH)を表し、YがAl、Cr3+、Fe2+、Fe3+、Li、Mg、Mn2+、V3+を表し、ZがAl、Be、Fe、Siを表す]で表される。マイカの平均粒径は平均粒径20μm以下、さらに0.1〜15μmの範囲、特に0.1〜8μmが好ましい。
タルクは、ケイ酸マグネシウムで、一般にMgSi10(OH)で表される。
上記層状鉱物フィラーの添加量は、ゴムに対して5〜200質量%、特に10〜150質量%、さらに20〜130質量%が好ましい。フィラーの量が5質量%より少ないと、気体遮蔽性の効果が充分に得られず、200質量%より多いと、分散が困難となり好ましくない。
上記層状鉱物フィラーに加えて他の無機フィラーを使用しても良い、その例としては、カオリン、炭酸カルシウム、シリカ等を挙げることができる。
本発明の特徴的要件は、前記のように、テトラメチルアンモニウムハロゲン化物で処理された層状鉱物フィラーがゴム中に含まれていることである。テトラメチルアンモニウムハロゲン化物は、特に、クロリド、ブロミドであることが好ましい。また、テトラメチルアンモニウムハロゲン化物の層状鉱物フィラーに対する添加量は、一般に層状鉱物フィラーに対して、0.1〜50質量%であり、0.5〜50質量%、さらに0.5〜30質量%、特に1〜30質量%が好ましい。
本発明で使用されるゴム(ゴム又はゴムラテックス)は、例えば天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴムラテックス、シリコーンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックスが挙げられる。アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルのブレンド、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴムが好ましい。これらは、単独でも、混合物としても使用することができる。特に、ハロゲン化ブチルゴムが好ましい。
上記ハロゲン化ブチルゴムは、イソブチレンを主体とする他のモノマーとの共重合体で、ハロゲン化されたものである。他のモノマーとしては、一般に炭素炭素2重結合を1個又は2個有する炭化水素である。炭素炭素2重結合を1個有する炭化水素としては、エチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、スチレン、アルキルスチレン(例、4−メチルスチレン)等を挙げることができ、炭素炭素2重結合を2個有する炭化水素としては、イソプレン、ブタジエン等を挙げることができる。共重合体のイソプレンの割合は、80〜99モル%が好ましく、特に90〜99モル%が好ましい。ハロゲン化は一般に他のモノマー単位に対してなされる。ハロゲン化を行う際のハロゲンとしては塩素、臭素が好ましい。例えば、イソブチレン・イソプレン共重合体を塩素化した場合、イソブチレン・クロロイソプレン共重合体となる。ハロゲン化ゴム中のハロゲン含有量は、0.5〜1.5モル%が好ましく、特に0.75〜1.2モル%が好ましい。
本発明で使用することができる塩素化ブチルゴムとしては、塩素化(イソブチレン・イソプレン共重合体)(いわゆる塩素化ブチルゴム)又は塩素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)を挙げることができ、特に塩素化(イソブチレン・イソプレン共重合体)が好ましい。
本発明で使用することができる臭化ブチルゴムは、イソブチレンを主体とする他のモノマーとの共重合体で、臭素化されたものである。前記ハロゲン化ブチルゴムで述べたように、他のモノマーとしては、一般に炭素炭素2重結合を1個又は2個有する炭化水素である。炭素炭素2重結合を1個有する炭化水素としては、エチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、スチレン、アルキルスチレン(例、4−メチルスチレン)等を挙げることができ、炭素炭素2重結合を2個有する炭化水素としては、イソプレン、アルキルスチレン等を挙げることができる。共重合体のイソブチレンの割合は、80〜99モル%が好ましく、特に90〜99モル%が好ましい。臭化ゴム中の臭素含有量は、0.5〜1.5モル%が好ましく、特に0.75〜1.2モル%が好ましい。
本発明で使用することができる好ましい臭化ブチルゴムとしては、臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)又は臭素化(イソブチレン−イソプレン共重合体)(いわゆる臭素化ブチルゴム)を挙げることができ、特に臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)が好ましい。
本発明では、上記ゴム以外の通常の熱可塑性樹脂等のポリマーを用いても良いし、上記ゴムと熱可塑性樹脂等のポリマーとを併用しても良い。
架橋(加硫)を行なうための架橋剤としては、種々の市販の化合物を使用することができる。
硫黄系加硫剤としては、粉末硫黄、高分散性硫黄、不溶性硫黄等の、一般にゴム用加硫剤として用いられている硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム類、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸塩類、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム等のキサントゲン酸塩類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド類、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール類等を挙げることができる。
また加硫促進剤として、TMTD(テトラメチルジスルフィド)等のチウラム系、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)等のジチオカルバミン酸塩類を使用することができる。
架橋剤の使用量は、高分子(一般にゴム)に対して0.5〜4.0質量%、特に1.0〜2.5質量%が好ましい。
有機過酸化物として、例えば、過酸化水素水、クメンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレラート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゼン、ビニルトリス(t−ブチルペルオキシ)シランなどを使用することができる。ジクミルペルオキシドが好ましい。使用量は、高分子(一般にゴム)に対して、0.2〜8.0質量%、特に0.25〜4.0質量%、さらに0.3〜2.0質量%が好ましい。
なお、ブチルゴムでは酸化亜鉛とステアリン酸等の高級脂肪酸と硫黄との併用が好ましく、またジエン系ゴムに関しては有機過酸化物が好ましい。
また、臭化ブチルゴムの架橋(加硫)を行なうための架橋剤としては、一般に酸化亜鉛が使用され、必要により(例えば、他のゴム材料の使用の際)上述の種々の市販の化合物(例、硫黄、有機過酸化物)を使用することができる。またステアリン酸等の高級脂肪酸との併用が好ましい。
また加硫促進剤として、TMTD(テトラメチルジスルフィド)等のチウラム系、EZ(ジエチルジチオカルバミン産亜鉛)等のジチオカルバミン酸塩類を使用することができる。
さらに、これらと組み合わせて、有機過酸化物、キノンジオキシム、多官能性アクリルモノマー{例、トリメチロールエタントリアクリレート(TMETA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールエーテルヘキサアクリレート(DPEHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(DPEHA)、ジメチロールプロパンジアクリレート(TMPTA)、ステアリルアクリレート(SA)}、トリアジンチオールを用いることができる。
架橋剤の使用量は、ゴムに対して0.05〜5.0質量%、特に0.1〜4.0質量%が好ましい。
有機過酸化物の使用量は、ゴムに対して、0.1〜1.0質量%、特に0.1〜0.8質量%、さらに0.3〜0.5質量%が好ましい。
次に本発明の高分子組成物の製造方法を、高分子としてゴムを用いた場合を例にとって説明する。
先ず、層状鉱物フィラー、テトラメチルアンモニウムハロゲン化物及びゴムを含むゴム組成物は以下のように作製される。
本発明のテトラメチルアンモニウム塩で処理されたマイカ等の層状鉱物フィラーは、特開平9−87432号公報に記載の実施例の方法を参考にして製造することができる。本発明の高分子組成物は、例えば、これをゴム等と混合するか、或いは予めテトラメチルアンモニウム塩で混合処理された層状鉱物フィラーをゴム等と混合し、その後の適当な処理を行うことにより得られる。
例えば、この処理又は混合処理された層状鉱物フィラーと、原料ゴムとを汎用の混練機、例えばブラベンダー型ミキサーに投入する。混練機の温度は、処理又は混合された層状鉱物フィラーがゴムに分散可能な温度に設定することが好ましく、一般に50〜160℃、好ましくは50〜120℃である。混練の時間も、層状鉱物フィラーがゴムに微分散可能な時間であればよく、一般に5〜15分間である。このような条件で混練し、高分子組成物を得る。この高分子組成物を、適当な架橋剤及び/又は架橋促進剤をロールを用いて添加し、適当な条件下で架橋して架橋高分子組成物を得るか、或いは架橋する必要がなければそのまま射出成形などの方法で成形する。
また、層状鉱物フィラーを用いない、テトラメチルアンモニウム塩及びゴムを含む高分子組成物は以下のように作製される。
例えば、テトラメチルアンモニウム塩と、原料ゴムとを汎用の混練機、例えばブラベンダー型ミキサーに投入する。混練機の温度は、テトラメチルアンモニウム塩がゴムに分散可能な温度に設定することが好ましく、一般に50〜160℃、好ましくは50〜120℃である。混練の時間も、一般に1〜15分間である。このような条件で混練し、高分子組成物を得る。この高分子組成物を、適当な架橋剤及び/又は架橋促進剤をロールを用いて添加し、適当な条件下で架橋して架橋高分子組成物を得るか、或いは架橋する必要がなければそのまま射出成形などの方法で成形する。
本発明のゴム組成物は、その気体遮蔽性を生かして、ゴムホース、ガスケット、パッキング材、タイヤ、タイヤチューブ、球技用ボール等に使用される。
本発明の球技用ボール(特にテニスボール、サッカーボール、ハンドボール)及び自転車用タイヤチューブは、上記高分子組成物を用いて得られるもので、封入されている空気、窒素等のガスをほとんど洩らさずに長期間維持することができ、且つ必要な弾力性等の機械特性も兼ね備えている。
例えば、テニスボールは、一般に、ゴム製で中空球体であるコアと、このコアの表面を覆う2枚のフェルト部(「メルトン」とも称される)とを備えている。フェルト部はダンベル形状であり、接着剤(ゴム糊)によってコアの表面に貼り付けられる。フェルト部同士の間隙は、シーム糊で埋められる。このシーム糊は、コアに貼り付けられる前のフェルトに、例えば、特公昭63−21544公報に開示された方法によって付着され、このシーム糊が架橋されることにより、シーム部が形成される。フェルト部の表面が毛羽立っているので、シーム部の外面は、テニスボール仮想球面(フェルト部外面を含む球面であり、シーム部が存在しないと仮定されたときの球面)よりも半径方向中心寄りに位置する。すなわち、シーム部の外面はフェルト部の外面から陥没している。
本発明のテニスボールの一例を図1に示す。図1には、テニスボールの一部切り欠き正面図が示されている。テニスボール1は、コア2と、2枚のフェルト部3と、シーム部4とを備えている。コア2は中空の球体であり、本発明の高分子組成物を含む架橋ゴム(すなわち弾性材料)から形成されている。コア2の厚みは通常3〜4mmの範囲である。コア2には、80KPa程度の内圧(対大気圧)がかけられている。これにより、テニスボール1に反発性能が付与される。フェルト部3は、コア2の表面を被覆している。フェルト部3は、接着剤(ゴム糊)等によってコア2の表面に貼り付けられている。個々のフェルト部3の形状は、ダンベル状である。シーム部4は、隣接するフェルト部3、3の間隙に位置している。シーム部4の外面は、フェルト部3の外面(外周面)から陥没している。シーム部は、一般に天然ゴム、ポリイソプレン等の基材ゴムに、酸化チタン等の着色剤が配合されたゴム組成物からなる。一方、フェルト部は有彩色(通常は黄色)に染色されている。
フェルト部3、シーム部4および接着剤にも、本発明のゴム組成物を使用することができる。
テニスボール1は、前述したゴム組成物等を用いて常法により製造することができる。例えば、本発明のゴム組成物をハーフシェル用金型に入れて加硫成形し、半球のハーフシェル加硫体を得た後、このハーフシェル加硫体2個をその中空内にアンモニウム塩と亜硝酸塩との混合物によるガス発生剤を入れた状態で球状になるように貼り合わせ、さらに圧縮成型してコア2を作製する。
また、他方で、まず織りフェルトをダンベル状に裁断し、フェルト部3を形成する。次に、所定配合のゴム組成物をナフサ等の有機溶剤に溶解し、シーム糊を得る。このシーム糊に、多数枚が重ね合わされたフェルト部3を浸漬する。浸漬により、フェルト部3の裁断面(側面)にシーム糊が付着する。このフェルト部3を、接着剤によりコア2に貼り付け、加圧・加熱する。これによりシーム糊が架橋し、シーム部4が形成されてテニスボール1が得られる。
次に、サッカーボールについて説明する。サッカーボールは、その構造の違いから縫いボールと貼りボールの2種類に大別される。縫いボールとは、複数枚の皮革パネルを、その周辺を内側に折り曲げて縫い合わせ、これにゴムチューブを収納した構造を有する。球形を保つために皮革パネルの裏面に複数枚の布が接着されて補強層が形成される。他方、貼りボールとは、ゴムチューブの表面に数千メートル分のナイロン糸をランダムな方向に巻き、球形を維持する補強層を形成した後、この補強層上に皮革パネルを接着するのである。
通常、縫いボールの方が、縫い目部分の溝が狭くかつ深いことからグリップ性すなわち手に持ったとき掴みやすいこと、蹴球時のボールコントロール性、飛距離に優れること、及び感触が柔らかいことからボールが体にぶつかったとき或いは蹴球時における衝撃が抑えられるという利点がある。このため、最近では、縫いボールの方が広く使用されるようになりつつある。なお、皮革層としては、天然皮革、人工皮革その他の皮革様の材料が使用される。
図2及び図3に本発明のサッカーボール(縫いボール)の一例、それぞれ斜視図及び図2のII−II断面図(バルブの鍔状部分の断面)を示す。5はサッカーボールを示し、6は、空気非透過性を有する弾性材料にて球形中空体に形成されたチューブ、7は、チューブ6に圧搾空気を注入するためのゴム製バルブであり、チューブ6に加硫接着等により結合されている。8は、バルブ7の中央に装着されたムシゴムであり、空気注入針(図示せず)が差し込まれる細い孔9が途中まで形成されている。10は、この孔9の下部に形成された切欠部で、針はこの切欠部を突き抜けて、チューブ6内に差し込まれ、空気が注入される。11は、バルブ7の上端にチューブ6表面より僅か(約2mm)突出して形成された薄い円板状の鍔状部分である。
12は、複数牧の多角形皮革パネル、具体的には12枚の5角形皮革パネル13と20枚の6角形皮革パネル14よりなる表皮層であり、各皮革パネル13、14の周辺は内側に折り込まれて糸にて縫い合わされ、球形に構成されている。皮革パネル13、14は、表面の皮革層16とその下面に接着された複数枚、図示の例では4枚の布よりなる補強層17にて構成される。皮革層16として、天然皮革、人工皮革が使用される。
補強層17を構成する布は、縦糸と横糸を交差させて織った織布が使用され、4枚の布はその縦糸方向が、交互に直交するごとく配置されている。補強層17は、パッキング材と称せられ、ボール5に真球性、形状維持性、耐久性を付与するとともにチューブ6を保護する作用をなすのである。補強層17には、布の間にCR、ポリウレタン、EPDM等の発泡材よりなる衝撃緩衝層を介在させることも、またポリエステルフィルム、PVCフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等強度の高いフィルムよりなる強化層を介在させることもできる。
本発明のゴム組成物は、一般にチューブ6に使用される。
次いで本発明の自転車用タイヤチューブについて説明する。本発明の自転車用タイヤチューブは、前記本発明の高分子組成物から形成されており、従って反発弾性が大きく走行性能は良く、空気の保持性も大きいものである。
本発明のチューブは、本発明のゴム組成物を2軸押出機により、混練、チューブ成形を一連の作業で行うことにより製造でき、或いは、通常のゴム用混練機であるバンバリーミキサー、ニーダー等で混練した後、通常の押出成形機(例、環状ダイスを有するもの)を用いることにより製造することができる。一般に、チューブの折り径が20〜40mm厚さが300〜500μmである。更に、組成物の耐熱性、耐候性の向上或いは増量等を目的として、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム等の無機充填剤を混合することができる。また、必要に応じて熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、粘着付与剤、帯電防止剤、発泡剤等の添加も可能である。更に、パラフィン系オイル或いはナフテン系オイルと呼ばれる鉱物油系軟化剤の添加により、成形加工時の流動加工性を向上させ、組成物に柔軟性を付与することができる。
以下実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例で使用される材料は以下の通りである。
(A)ゴム
Exxpro3433: 臭化ブチルゴム{臭化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)、臭素含有率0.75モル%;商品名Exxpro3433;エクソンケミカル(株)製}
Exxpro3745: 臭化ブチルゴム{臭化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)、臭素含有率1.2モル%;商品名Exxpro3745;エクソンケミカル(株)製}
天然ゴム:天然ゴム各種等級の国際品質包装標準のグレードがRSS#3のもの
(B)アンモニウム塩
TMAC:テトラメチルアンモニウムクロリド{商品名TMAC100%結晶粉末;ライオン・アグゾ(株)製}
(C)層状粘土鉱物
マイカ: 非有機化合成マイカ{ソマシフME−100;コープケミカル(株)製}
TMAマイカ: TMAC処理マイカ{マイカ90質量%;コープケミカル(株)製}
有機化マイカ: ジメチルジアルキル(C18)アンモニウム・合成マイカ{マイカ60質量%;商品名ソマシフMAE;コープケミカル(株)製}
タルク: 商品名MISTRON VAPOR;日本ミストロン(株)製
モンモリロナイト: 商品名クニピア−F;クニミネ工業(株)製
(D)カーボンブラック
カーボンブラック: 商品名シーストF;東海カーボン(株)製
(E)架橋剤/架橋促進剤
促進剤TMTD: 商品名サンセラーTT−G;三新化学工業(株)製
促進剤Z: 商品名ノクセラーCZ−G;大内新興化学工業(株)製
ZnO: 商品名酸化亜鉛銀嶺SR;東邦亜鉛(株)製
イオウ: 商品名Z硫黄;鶴見化学工業(株)製
リターダー: 商品名サントガードPVI;日本モンサント(株)製
(F)添加剤
イルガノックス: フェノール系酸化防止剤{商品名イルガノックス1010;チバスペシャリティーケミカル社製}
アクチング: 商品名アクチングSL;吉富製薬(株)製
Si−69: 商品名Si−69;DEGUSSA社製
ステアリン酸
[実施例1〜3、比較例1〜3](実施例2のみ本発明の実施例に当たる)
(1)ゴム組成物及びシートの作製
表1に示す配合(単位:質量部)で、(A)ゴム、(B)アンモニウム塩(必要により)及び(C)層状鉱物フィラー(必要により)を混合し、ブラベンダー型ミキサーを用いて120℃で約5分間攪拌し、均一な混合物を得た。層状鉱物フィラーの量は、全てほぼ30質量部となるように設定した。
得られた混合物に、上記(E)架橋剤/架橋促進剤をロールを用いて添加し、ゴム圧延用ロールを用いて圧延処理する。得られた圧延シートを表面が十分平滑なスラブシート用金型を用いて160℃、60分の条件下において架橋させ、1mm厚のスラブシートサンプルを得る。
<評価方法>
1)機械特性
JIS−K6301に従い引張試験を行い、引張応力(Md50、Md100、Md300はそれぞれ伸び50%、100%、300%時の応力)、引張強さ(Tb)、及び引張伸び(Eb)を測定した。
2)ガスバリヤ性の評価
(1)気体透過性を評価するために、GTRテック(株)製ガス透過試験機(GTR30A、ガス:フロンR134a)を用い、100℃、ガス供給側圧力0.2MPaの差圧法によりガス透過測定を行なった。
但し、試験を開始した後、12時間経過後にガス透過測定を行ない、ガス透過係数(cc・cm/cm・秒・cmHg)を得た。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0003930464
上記結果より、マイカのみ用いた比較例1のゴム組成物は、可撓性、ガス透過係数が充分でなく、有機化マイカ(本発明とは異なるアルキルアンモニウム塩を用いたもの)を用いた比較例2は、有機化マイカを多量に用いることによりガス透過係数をある程度下げることは可能であるが、若干可撓性を損なう傾向にある。実施例1、2では、機械特性を維持しながら、ガス透過係数を下げることが可能で、特にTMACで処理済みのTMAマイカを用いた場合は優れていることが分かる。
またマイカを用いない比較例3及び実施例3のゴム組成物では、テトラメチルアンモニウム塩を用いた実施例3のものは低いガス透過係数を示し、マイカを用いないでもガスバリヤ性を示すことが確認された。さらに、実施例3のガス透過係数の値は、12時間後も、40時間経過しても変化は見られなかった。
2)(2) さらに、実施例1と実施例2のゴム組成物について、定常状態を確認するために、測定開始までの時間を変更してガス透過測定を行なった。以下の結果を得た。
Figure 0003930464
上記結果から、実施例1及び2のゴム組成物は、ガス透過係数が低く、且つ容易に上昇せず、上昇するのに時間(定常状態までの時間)を要し、その上昇幅も少ないことが分かる。
2)(3) さらに、比較例1と実施例2のゴム組成物について、水素ガスの透過性を評価するために、GTRテック(株)製ガス透過試験機(GTR30A、ガス:水素ガス)を用い、温度、圧力を変化させて、差圧法によりガス透過測定を行ない、温度依存性、圧力依存性を評価した。
Figure 0003930464
[実施例4〜7] (これらの実施例は本発明の実施例に当たらない参考例である)
(1)ゴム組成物及びシートの作製
表2に示す配合(単位:質量部)で、(A)ゴム、(B)アンモニウム塩、(C)層状鉱物フィラー、(D)カーボンブラック及び(F)添加剤を混合し、ブラベンダー型ミキサーを用いて120℃で約5分間攪拌し、均一な混合物を得た。
得られた混合物に、上記(E)架橋剤/架橋促進剤をロールを用いて添加し、ゴム圧延用ロールを用いて圧延処理する。得られた圧延シートを表面が十分平滑なスラブシート用金型を用いて160℃、60分の条件下において架橋させ、1mm厚のスラブシートサンプルを得る。
<評価方法>
1)機械特性
JIS−K6301に従い引張試験を行い、引張応力(Md100、Md200、Md300はそれぞれ伸び100%、200%、300%時の応力)、引張強さ(Tb)、及び引張伸び(Eb)、並びに硬度を測定した。
尚、硬度は、JIS−K6301のスプリング式硬さ試験(A形)に従い引張試験を行った。
2)ガスバリヤ性の評価
(1)気体透過性を評価するために、GTRテック(株)製ガス透過試験機(GTR30A、ガス:フロンR134a)を用い、100℃、ガス供給側圧力0.2MPaの差圧法によりガス透過測定を行なった。
但し、試験を開始した後、12時間経過後にガス透過測定を行ない、ガス透過係数(cc・cm/cm・秒・cmHg)を得た。
得られた結果を表2に示す。
Figure 0003930464
上記結果より、本発明の特定のアルキルアンモニウム塩を用いることにより、種々の層状鉱物フィラーの分散性が向上し、低いガス透過係数で、且つ機械特性においても優れた高分子組成物が得られることが分かる。
2)(2) さらに、実施例6、7のゴム組成物について、定常状態を確認するために、測定開始までの時間を変更してガス透過測定を行なった。以下の結果を得た。
Figure 0003930464
上記結果から、実施例6、7のゴム組成物は、ガス透過係数が低く、且つ容易に上昇せず、上昇するのに時間(定常状態までの時間)を要し、その上昇幅も少ないことが分かる。
[実施例8〜9及び比較例4] (実施例8のみ本発明の実施例に当たる)
(1)ゴム組成物及びシートの作製
表3に示す配合(単位:質量部)で、(A)ゴム、必要により(B)アンモニウム塩、及び(C)層状鉱物フィラーを混合し、ブラベンダー型ミキサーを用いて120℃で約5分間攪拌し、均一な混合物を得た。
得られた混合物に、上記(E)架橋剤/架橋促進剤をロールを用いて添加し、ゴム圧延用ロールを用いて圧延処理する。得られた圧延シートを表面が十分平滑なスラブシート用金型を用いて155℃、20分の条件下において架橋させ、1mm厚のスラブシートサンプルを得る。
<評価方法>
1)ガスバリヤ性の評価
(1)気体透過性を評価するために、東洋精機(株)製ガス透過試験機M−C1(ガス:空気)を用い、60℃、圧力差1気圧の差圧法により、測定時間1時間でガス透過測定を行なった。
但し、試験を開始した後、2、6、9及び12時間経過後にガス透過測定を行ない、ガス透過係数(cc・cm/cm・秒・cmHg)を得た。
前記配合及び得られた結果を表3に示す。
Figure 0003930464
2)ボールのリバウンド性の評価
比較例4及び実施例8のゴム組成物を用いて、下記のようにして、大気圧+0.04Paの圧力の空気が注入された、厚さ3.3mm、外径65mmの球状のボールを作製した。
上記の押出成形により得られたシートをほぼボール半個分の大きさに切断した。次に、切断した押出し成形物をハーフシェル用金型に入れて加硫成形し、半球のハーフシェル加硫体を得た。その後、ハーフシェル加硫体2個をその中空内にアンモニウム塩と亜硝酸塩との混合物によるガス発生剤を入れた状態で球状になるように貼り合わせ、圧縮成形してコア(ボール)を作製した。
得られたボールを30℃で5日、10日、20日間放置後、254cmの高さから落下させ、リバウンドした高さの254cmからの低下値を測定した。
得られた値を表4に示す。
Figure 0003930464
表3及び表4より、実施例8、9で得られたゴム組成物は、優れたガスバリヤ性を有し、これを用いてテニスボールのコア(ボール)を作製した場合も空気の洩れがほとんど発生しないことが分かった。テニスボール、サッカーボール等の球技用ボールを製造した場合も、上記と同様に空気の洩れのほとんど生じないボールを作製することができると考えられる。
[実施例10〜11及び比較例5] (実施例10のみ本発明の実施例に当たる)
(1)ゴム組成物及びシートの作製
表5に示す配合(単位:質量部)で、(A)ゴム、必要により(B)アンモニウム塩、及び(C)層状鉱物フィラーを混合し、ブラベンダー型ミキサーを用いて120℃で約5分間攪拌し、均一な混合物を得た。
得られた混合物に、上記(E)架橋剤/架橋促進剤をロールを用いて添加し、ゴム圧延用ロールを用いて圧延処理する。得られた圧延シートを表面が十分平滑なスラブシート用金型を用いて155℃、20分の条件下において架橋させ、1mm厚のスラブシートサンプルを得る。
<評価方法>
1)ガスバリヤ性の評価
(1)気体透過性を評価するために、東洋精機(株)製ガス透過試験機M−C1(ガス:空気)を用い、60℃、圧力差1気圧の差圧法により、測定時間1時間でガス透過測定を行なった。
但し、試験を開始した後、2、6、9及び12時間経過後にガス透過測定を行ない、ガス透過係数(cc・cm/cm・秒・cmHg)を得た。
前記配合及び得られた結果を表5に示す。
Figure 0003930464
2)チューブの空気漏れの評価
比較例5及び実施例10のゴム組成物を用いて、下記のようにして、厚さ450μmのチューブを作製し、これに空気を内圧7MPaとなるように封入し、直径500mmの空気入りチューブを作製した。
シリンダー、ダイ共に100℃に設定した44φの同方向2軸押出機に上記ゴム組成物を投入した。スクリュー回転数200rpm、約20kg/時の押出量でリップ径約22φの環状ダイスからチューブ状に押出し、約15m/分の速度で巻き取ることによって折径28mm、厚さ450μmのチューブを製造した。
得られた空気封入チューブを30日間放置し、圧力の変化を調査した。
比較例5のチューブは圧力が20%減少したが、実施例10のチューブは圧力の減少は見られなかった。
上記結果より、実施例10、11で得られたゴム組成物は、優れたガスバリヤ性を有し、これを用いて自転車用タイヤチューブを作製した場合も空気の洩れがほとんど発生しないことが分かった。
図1は、本発明のテニスボールの一例の一部切り欠き正面図である。 図2は、本発明のサッカーボールの一例の斜視図である。 図3は、図2のII−II断面図(バルブの鍔状部分の断面)である。
符号の説明
1 テニスボール
2 コア
3 フェルト部
4 シーム部
5 サッカーボール
6 チューブ
7 ゴム製バルブ
8 ムシゴムで
9 細い孔
10 切欠部
11 円板状の鍔状部分
12 多角形皮革パネル
16 皮革層
17 補強層

Claims (15)

  1. テトラメチルアンモニウムハロゲン化物で処理された層状鉱物フィラーが、ゴム中に分散されていることを特徴とするゴム組成物。
  2. 層状鉱物フィラーの層間に、テトラメチルアンモニウムハロゲン化物が存在している請求項1に記載のゴム組成物。
  3. さらに、層状鉱物フィラーとテトラメチルアンモニウムハロゲン化物のテトラメチルアンモニウムイオンがイオン結合している状態を含んでいる請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. テトラメチルアンモニウムハロゲン化物が分散されている請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. テトラメチルアンモニウムハロゲン化物がテトラメチルアンモニウムクロリドである請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物
  6. 層状鉱物フィラーが、マイカ、タルク及びクレーから選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. ゴムが、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム、天然ゴムから選択される少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. ゴムが、イソブチレンを主成分とする共重合体のハロゲン化物又は天然ゴムからなる請求項7に記載のゴム組成物
  9. ハロゲン化ブチルゴムが、イソブチレンを主成分とする共重合体のハロゲン化物からなる請求項7又は8に記載のゴム組成物。
  10. ハロゲン化ブチルゴムが、臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)である請求項9に記載のゴム組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかのゴム組成物を含む球技用ボール。
  12. ゴム組成物をボールの最内層に含む請求項11に記載の球技用ボール。
  13. テニスボールである請求項11又は12に記載の球技用ボール。
  14. サッカーボールである請求項11又は12に記載の球技用ボール。
  15. 請求項1〜10のいずれかのゴム組成物を含む自転車用タイヤチューブ。
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