JP7275559B2 - テニスボール用ゴム組成物 - Google Patents
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E=(M20-M5)/(20-5)
ここで、M20は、引張歪み20%における引張応力であり、M5は引張歪み5%における引張応力である。
80質量部の天然ゴム(商品名「SMR CV60」)、20質量部のポリブタジエンゴム(JSR社製の商品名「BR01」)、66質量部のタルクA(イメリス社製の商品名「Mistron HAR」)、5質量部の酸化亜鉛(正同化学社製の商品名「酸化亜鉛2種」)及び0.5質量部のステアリン酸(日油社製の商品名「つばき」)をバンバリーミキサーに投入して、90℃で5分間混練した。得られた混練物を40℃以下に冷却後、3.6質量部の硫黄(三新化学社製の商品名「サンフェルEX」、20%オイル含有)、1質量部の加硫促進剤1(三新化学社製の商品名「サンセラーD」)、1質量部の加硫促進剤2(大内新興化学社製の商品名「ノクセラーCZ」)及び1.9質量部の加硫促進剤3(大内新興化学社製の商品名「ノクセラーDM」)を添加して、オープンロールを用いて50℃で3分間混練することにより、実施例1のゴム組成物を得た。
基材ゴム、扁平状充填剤及び他の充填剤の量を、下表1-5に示されるものに変更し、実施例1と同様の方法にて、実施例2-15及び比較例1-7のゴム組成物を製造した。なお、炭素系充填剤を配合する場合は、予め、100質量部の基材ゴムと、50質量部の炭素系充填剤とをバンバリーミキサーを用いて90℃で5分間混練してマスターバッチを準備した後、このマスターバッチを、下表1-5に示される配合となるように添加して、それぞれのゴム組成物を得た。
NR:天然ゴム、商品名「SMR CV60」
BR:JSR社製のポリブタジエンゴム、商品名「BR01」
タルクA:イメリス社製の商品名「Mistron HAR」、平均粒子径(D50)6.7μm、扁平度(DL)100
表面処理クレーA:ホージュン社製の4級アンモニウムカチオン変性ベントナイトクレー、商品名「エスベンNX80」、平均粒子径(D50)2μm、扁平度(DL)50、変性率約45質量%
表面処理クレーB:ホージュン社製の4級アンモニウムカチオン変性ベントナイトクレー、商品名「レボナイト400」、平均粒子径(D50)5μm、扁平度(DL)40、変性率約35%質量%
グラファイト:イメリス社製の商品名「SFG44」、平均粒子径(D50)49μm、扁平度(DL)120、BET比表面積5m2/g
グラフェン:XG Sciences社製の商品名「xGn-M-5」、平均粒子径(D50)5μm、扁平度(DL)700
タルクB:日本タルク社製の商品名「SSS」、平均粒子径(D50)13μm、扁平度(DL)20
クレー:イメリス社製のカオリンクレー、商品名「ECKALITE120」、平均粒子径(D50)4μm、扁平度(DL)20、BET比表面積18m2/g
マイカ:ヤマグチマイカ社製の商品名「SYA-21」、平均粒子径(D50)27μm、扁平度(DL)90、BET比表面積2m2/g
カーボンブラック:キャボットジャパン社製の商品名「ショウブラックN330」、平均粒子径(D50)0.03μm、扁平度(DL)1、BET比表面積79m2/g
シリカ:東ソー・シリカ社製の商品名「ニプシールVN3」、平均粒子径(D50)20μm、扁平度(DL)1、BET比表面積200m2/g
珪藻土:昭和化学工業社製の商品名「Radiolite500」、平均粒子径(D50)35μm、扁平度(DL)1
炭酸マグネシウム:神島化学工業社製の商品名「金星」、平均粒子径(D50)6μm、扁平度(DL)10
炭酸カルシウム:白石カルシウム社製の商品名「BF300」、平均粒子径(D50)8μm、扁平度(DL)1、BET比表面積0.27m2/g
酸化亜鉛:正同化学社製の商品名「酸化亜鉛2種」、平均粒子径(D50)0.6μm、扁平度(DL)1、BET比表面積4m2/g
ステアリン酸:日油社製の商品名「つばき」
イオウ:三新化学社製の不溶性硫黄、商品名「サンフェルEX」、20%オイル含有
加硫促進剤1:三新化学社製の1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、商品名「サンセラーD」
加硫促進剤2:大内新興化学社製のN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、商品名「ノクセラーCZ」
加硫促進剤3:大内新興化学社製のジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、商品名「ノクセラーDM」
実施例1-15及び比較例1-7のゴム組成物の硫黄含有量を、第17改正日本薬局方、一般試験法に記載の酸素フラスコ燃焼法に準じて測定した。各ゴム組成物10mgを燃焼させた後、合計55mLのメタノールを添加し、次いで0.005mol/Lの過塩素酸溶液20mLを正確に添加した。10分間放置して得られた溶液を、イオンクロマトグラフィー(島津製作所製のHIC-SP)を用いて測定することにより、硫黄含有量を定量した。得られた硫黄含有量(wt.%)が、下表6-10に示されている。
実施例1-15及び比較例1-7のゴム組成物をそれぞれモールドに投入して、160℃で2分間プレス加硫することにより、厚さ2mmの3号ダンベル型試験片を作製した。JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に準じて、23±1℃で引張試験をおこなって、引張歪み10%における引張応力M(MPa)を測定した。また、次式に従って、引張歪み5%から20%の領域における引張弾性率E(MPa)を求めた。
E=(M20-M5)/(20-5)
ここで、M20は、引張歪み20%における引張応力であり、M5は引張歪み5%における引張応力である。得られた引張応力M、引張弾性率E及びそれらの積M×Eが、下表6-10に示されている。
実施例1-15及び比較例1-7のゴム組成物をモールドに投入して、160℃で2分間プレス加硫することにより、それぞれ、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製した。この加硫ゴムシートを切断して、それぞれ、幅4mm、長さ30mmの試験片を準備した。各試験片の0℃における損失正接を、粘弾性スペクトロメーター(ユービーエム社製のE4000)を用いて、引張モード、初期歪み10%、周波数10Hz、振幅0.05%で測定した。得られた損失正接がtanδ(0℃)として、下表6-10に示されている。
実施例1-15及び比較例1-7のゴム組成物をそれぞれモールドに投入して、160℃で2分間、プレス加硫することにより、厚さ2mm、幅4mm、長さ30mmの試験片3枚を準備し、各試験片を23℃の温度下で2週間保管した。その後、「ASTM-D 2240-68」の規定に準拠して、それぞれ3枚に重ね合わせた試験片に、タイプAデュロメータを装着した自動硬度計(前述の「デジテストII」)を押し付けることにより硬度を測定した。得られたショアA硬度がHaとして下表6-10に示されている。
実施例1-15及び比較例1-7のゴム組成物を用いて、それぞれ、厚さ2mm、幅4mm、長さ30mmの試験片を準備した。JIS K7126-1「プラスチック-フィルム及びシート-ガス透過度試験方法-第1部:差圧法」に準じて、各試験片の厚さ方向の窒素ガス透過係数(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)を測定した。測定には、GTRテック社製のガス透過試験機「GTR-30ANI」を使用した。測定条件は、サンプル温度40℃、測定セルの透過断面積15.2cm2、差圧0.2MPaとした。測定はすべて23±0.5℃の室内でおこなった。得られた窒素ガス透過係数に1010を乗じた数値が、G(×1010)として下表6-10に示されている。
実施例1のゴム組成物を、モールドに投入して、150℃で4分間加熱することにより、2枚のハーフシェル(厚さ3.6±0.4mm)を形成した。1枚のハーフシェルに塩化アンモニウム、亜硝酸ナトリウム及び水を投入した後、他のハーフシェルと接着し、150℃で4分間加熱することにより、球状のコアを形成した。このコアの表面に、その断面にシーム糊を付着させた2枚のフェルト部(ミリケン社製、厚み3.1mm)を貼り合わせることにより、テニスボールを得た。同様にして、実施例2-15及び比較例1-7のゴム組成物からなるコアをそれぞれ備えたテニスボールを製造した。各テニスボールの直径は65±1mmであり、その内圧は0.08±0.02MPaであった。
国際テニス規格のルール(ITF CS 01/01)に準じて、テニスボールがテニスコートに衝突する直前の速度(入射速度)Vi(m/s)と、衝突直後の速度(反射速度)Vf(m/s)との比(Vf/Vi)を求めた。具体的には、ボール発射装置(シルバー精工社製の商品名「テニサーPM100」)を用いて、テニスコート(住友ゴム工業社製の商品名「オムニコートLT20」)に向かってテニスボールを発射し、スピードガン(Applied Concepts社製の商品名「Stalter Sports2」)を用いて、入射速度Vi(m/s)及び反射速度Vf(m/s)を測定し、比(Vf/Vi)を算出した。測定は、温度19℃、相対湿度57%の条件下でおこなった。発射時のテニスボールの速度を30±2(m/s)とし、回転数を毎秒3回転未満とし、テニスコートへの入射角度を16±2°(degree)とした。各テニスボールについて3回測定したときの平均値が、Vi(m/s)、Vf(m・s)及び比(Vf/Vi)として、下表6-10に示されている。比(Vf/Vi)が大きい程評価が高い。
A:比(Vf/Vi)が0.72以上
B:比(Vf/Vi)が0.70以上0.72未満
C:比(Vf/Vi)が0.70未満
製造後、大気圧下、気温20±2℃、相対湿度60%の環境下に24時間保存したテニスボールを、50名のプレーヤーにテニスラケットで打撃させ、その打球感を聞き取った。「打球感が良い」と回答したプレーヤーの数に基づき、以下の格付けをおこなった。この結果が、下表6-10に示されている。
A:40人以上
B:30-39人
C:20-29人
D:19人以下
4・・・コア
6・・・フェルト部
8・・・シーム部
Claims (13)
- 少なくとも基材ゴムと、扁平状充填剤とを含むゴム組成物であって、
上記ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムの、JIS K6251に準拠して温度23±1℃で測定される、引張歪み10%における引張応力Mと、引張歪み5%から20%の領域における引張弾性率Eとの積M×Eが、2.0(MPa) 2 以上20(MPa) 2 以下であるテニスボール用ゴム組成物。 - 上記扁平状充填剤の平均粒子径D50が0.01μm以上50μm以下であり、この平均粒子径D50を、その平均厚さTで除すことにより求められる扁平度DLが20以上200以下である請求項1に記載のゴム組成物。
- 上記扁平度DLが20以上200以下である扁平状充填剤の量が、上記基材ゴム100質量部に対して、5質量部以上150質量部以下である請求項2に記載のゴム組成物。
- 上記扁平状充填剤が、タルク、カオリンクレー、グラファイト、グラフェン、ベントナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト、マイカ、炭酸マグネシウム、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ノントロナイト、バーミキュライト、イライト及びアロフェンからなる群から選択される請求項1から3のいずれかに記載のゴム組成物。
- カップリング剤をさらに含み、
上記カップリング剤が、上記扁平状充填剤との相互作用が可能な官能基Xと、上記基材ゴムとの相互作用が可能な官能基Yとを有し、一般式X-Yで示される化合物であり、
上記官能基Xが、アルコキシシリル基(-Si-R 1 3-n (OR 2 ) n )、4級アンモニウム基(-N + R 3 R 4 R 5 Z)及びエポキシ基からなる群から選択され、ここで、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 及びR 5 は、それぞれ独立に炭素数1~30の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アルキルフェニル基、アルケニルフェニル基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルケニル基であり、nは1~3の自然数であり、Zは陰イオンであり、
上記官能基Yが、炭素数1~30の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルケニル基である、請求項1から4のいずれかに記載のゴム組成物。 - 上記扁平状充填剤が、上記カップリング剤で表面処理されている請求項5に記載のゴム組成物。
- 上記表面処理された扁平状充填剤に含まれる上記カップリング剤の量が、1質量%以上50質量%以下である請求項6に記載のゴム組成物。
- 上記扁平状充填剤に該当しない他の充填剤をさらに含み、
上記他の充填剤が、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、珪藻土、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ビスマス及び硫酸バリウムからなる群から選択される請求項1から7のいずれかに記載のゴム組成物。 - 上記基材ゴムが、ブタジエンゴム及び天然ゴムを含んでおり、この基材ゴム中のブタジエンゴムの配合量Bの天然ゴムの配合量Nに対する質量比B/Nが、1.4以下である請求項1から8のいずれかに記載のゴム組成物。
- 硫黄含有量が0.01質量%以上10質量%以下である請求項1から9のいずれかに記載のゴム組成物。
- その0℃における損失正接tanδが、0.10以下である請求項1から10のいずれかに記載のゴム組成物。
- ショアA硬度Haが20以上88以下である請求項1から11のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1から12のいずれかに記載のゴム組成物を用いて得られるコアを備えたテニスボール。
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