JP7073644B2 - テニスボール用ゴム材料及びテニスボール - Google Patents

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Description

本発明は、テニスボール用ゴム材料に関する。詳細には、本発明は、硬式テニスに用いられるテニスボール用ゴム材料及びテニスボールに関する。
テニスボールは、ゴム材料からなるコアを備えている。このコアは、中空の球体である。硬式テニスに用いられるテニスボールでは、コアの内部に、大気圧よりも40kPaから120kPa高い圧力の圧縮ガスが充填されている。このテニスボールは、加圧テニスボール(プレッシャーボール)とも称される。
加圧テニスボールでは、大気圧よりも高いコアの内圧により、優れた反発性能が付与される。一方、コアの内圧が大気圧よりも高いことに起因して、充填された圧縮ガスが徐々にコアから漏出する。ガスの漏出によって、コアの内圧が大気圧付近まで減少する場合がある。コアの内圧が減少したテニスボールは、反発性能に劣る。
テニスのプレーでは、反発性能の高いテニスボールが有利である。また、競技用のテニスボールの場合、公平性の観点から、国際テニス連盟により、その外形、重量、反発性能(リバウンド)等が所定範囲内に制限されている。適正な反発性能を、長期間維持できるテニスボールが求められている。
特開昭61-143455号公報では、ガスの漏出を防止するための材料として、鱗片状ないし平板状充填剤を配合したゴム材料が提案されている。
特開昭61-143455号公報
特開昭61-143455号公報が開示するゴム材料では、鱗片状又は平板状充填剤が、ガスの透過を阻害して漏出防止に寄与する。しかし、その配合量によっては、得られるコアの硬化や重量増加をもたらすため、前述の規格を満たす反発性能が得られない場合があった。適正な反発性能を有し、かつガスの漏出が低減されたテニスボールの製造に適したゴム材料は、未だ提案されていない。
本発明の目的は、反発性能を低下することなく、ガスの漏出を低減することができるテニスボール用ゴム材料及びテニスボールの提供にある。
本発明に係るテニスボール用ゴム材料は、基材ゴムと、その平均粒子径D50(μm)を、その平均厚さT(μm)で除すことにより求められる扁平度DLが50以上である充填剤とを含んでいる。このゴム材料の窒素ガス透過係数GPS(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)と、20℃における損失正接tanδSとは、下記式(1)及び(2)を満たしている。
GPL / GPS ≧ 1.02 (1)
ここで、式(1)中、GPLは、この充填剤を、扁平度DLが20であるカオリンクレーに置換して得られるゴム材料の窒素ガス透過係数(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)である。
|tanδL-tanδS| ≦ 0.03 (2)
ここで、式(2)中、tanδLは、この充填剤を、扁平度DLが20であるカオリンクレーに置換して得られるゴム材料の、20℃における損失正接である。
好ましくは、この充填剤は、無機充填剤である。好ましくは、この無機充填剤は、タルク、カオリンクレー、グラファイト、グラフェン、ベントナイト、ハロサイト、モンモリロナイト、マイカ、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ノントロナイト、バーミキュライト、イライト及びアロフェンからなる群から選択される。
好ましくは、このゴム材料の窒素ガス透過係数GPSは、1.0×10-12(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)以上2.0×10-7(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)以下である。
好ましくは、このゴム材料の20℃における損失正接tanδSは、0.001以上0.150以下である。
本発明に係るテニスボールは、ゴム材料からなるコアを備えている。このゴム材料は、基材ゴムと、その平均粒子径D50(μm)を、その平均厚さT(μm)で除すことにより求められる扁平度DLが50以上である充填剤とを含んでいる。このゴム材料の窒素ガス透過係数GPS(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)と、20℃における損失正接tanδSとは、下記式(1)及び(2)を満たしている。
GPL / GPS ≧ 1.02 (1)
ここで、式(1)中、GPLは、この充填剤を、扁平度DLが20であるカオリンクレーに置換して得られるゴム材料の窒素ガス透過係数(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)である。
|tanδL-tanδS| ≦ 0.03 (2)
ここで、式(2)中、tanδLは、この充填剤を、扁平度DLが20であるカオリンクレーに置換して得られるゴム材料の、20℃における損失正接である。
本発明に係るゴム材料は、扁平度DLが50以上の充填剤を含んでいる。このゴム材料の窒素ガス透過係数は、適正である。このゴム材料からなるコアでは、ガスの透過が効率的に阻害される。このゴム材料の20℃における損失正接は、適正である。このゴム材料からなるコアによって、テニスボールに好適な反発性能が付与される。このゴム材料は、適正な反発性能を有し、かつガスの漏出が低減されたテニスボールの製造に適している。
図1は、本発明の一実施形態に係るテニスボールの一部切り欠き断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るテニスボール2が示された一部切り欠き断面図である。このテニスボール2は、中空のコア4と、このコア4を被覆する2枚のフェルト部6と、この2枚のフェルト部6の間隙に位置するシーム部8とを有している。コア4の厚みは、通常、3mmから4mm程度である。コア4の内部には、圧縮ガスが充填されている。コア4の表面には、2枚のフェルト部6が、接着剤により貼り付けられている。
コア4は、ゴム材料からなる。本発明の一実施形態に係るゴム材料が、このコア4の形成に好適に用いられる。このゴム材料は、基材ゴムと、その平均粒子径D50(μm)を、その平均厚さT(μm)で除すことにより求められる扁平度DLが50以上である充填剤とを含んでいる。
この充填剤は、多数の扁平粒子からなる。このゴム材料において、多数の扁平粒子は、ゴム成分のマトリックスに分散している。分散する多数の扁平粒子によって、ゴム材料内部の気体分子の移動が阻害される。扁平度DLが50以上の充填剤をなす扁平粒子による気体分子の移動阻害効果は、大きい。この充填剤を含むゴム材料のガス透過係数は、十分に小さい。
さらに、このゴム材料では、その窒素ガス透過係数GPS(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)が、下記式(1)を満たしている。
GPL / GPS ≧ 1.02 (1)
ここで、式(1)中、GPLは、扁平度DLが50以上の充填剤を、扁平度DLが20であるカオリンクレーに置換して得られるゴム材料の窒素ガス透過係数(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)である。本願明細書において、窒素ガス透過係数GPS及びGPLは、JIS K7126-1に記載の差圧法に準拠して測定される。なお、測定方法の詳細については、後述する。
上記式(1)を満たすゴム材料からなるコア4では、圧縮ガスの漏出が低減される。このコア4を備えたテニスボール2は、ガスの漏出に起因する反発性能の低下が少ない。このテニスボール2では、長期間、適正な反発性能が維持される。この観点から、窒素ガス透過係数GPLと、窒素ガス透過係数GPSとの比(GPL/GPS)は、1.05以上が好ましく、1.10以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、好ましい比(GPL/GPS)は5.00以下である。
また、このゴム材料では、その20℃における損失正接tanδSが、下記式(2)を満たしている。
|tanδL-tanδS| ≦ 0.03 (2)
ここで、式(2)中、tanδLは、扁平度DLが50以上の充填剤を、扁平度DLが20であるカオリンクレーに置換して得られるゴム材料の、20℃における損失正接である。本願明細書において、損失正接tanδS及びtanδLは、粘弾性スペクトロメーターで得られるtanδの温度分散曲線の20℃における値を意味する。なお、測定方法の詳細については、後述する。
ゴム材料の20℃における損失正接tanδは、このゴム材料からなるコア4及びこのコアを備えたテニスボール2の反発性能と相関する。上記式(2)を満たすゴム材料では、扁平度DLが50以上の充填剤に起因する反発性能の低下が抑制される。このゴム材料からなるコア4を備えることにより、テニスボール2に適正な反発性能が付与されうる。この観点から、損失正接tanδLと損失正接tanδSとの差の絶対値|tanδL-tanδS|は、0.025以下が好ましく、0.010以下がより好ましく、理想的には0である。
ガス透過係数低減の観点から、扁平度DLが70以上の充填剤が好ましく、扁平度DLが100以上の充填剤がより好ましく、扁平度DLが140以上の充填剤がさらに好ましく、扁平度DLが200以上の充填剤が特に好ましい。扁平度DLの上限は特に限定されないが、基材ゴムとの混合性の観点から、1000以下が好ましい。なお、充填剤をなす複数の扁平粒子が、凝集又は多層化して集合体を形成している場合、扁平度DLは、この集合体を含んだ状態で測定して得られる平均粒子径D50及び平均厚さTから算出される。
本願明細書において、平均粒子径D50(μm)とは、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、セイシン企業社製のLMS-3000)によって測定される粒度分布において、小径側から累積して50体積%となる平均粒子径を意味する。ガス透過係数低減の観点から、充填剤の平均粒子径D50は0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1.0μm以上が特に好ましい。基材ゴムとの混合性の観点から、平均粒子径D50は50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下が特に好ましい。
本願明細書において、充填剤の平均厚さT(μm)は、透過型電子顕微鏡等の顕微鏡観察により測定される。具体的には、充填剤から採取した複数の粒子を、透過型電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製のH-9500)で観察して得られた画像から、この充填剤の平均粒子径D50と同等の大きさの粒子を選択してその厚さを測定する。12個の粒子について得られた測定値の平均値が、この充填剤の平均厚さTとされる。
ガス透過係数低減の観点から、充填剤の平均厚さTは、1.00μm以下が好ましく、0.50μm以下がより好ましく、0.20μm以下が特に好ましい。基材ゴムとの混合性の観点から、平均厚さTは0.002μm以上が好ましく、0.005μm以上がより好ましく、0.010μm以上が特に好ましい。
前述の式(1)を満たす限り、このゴム材料の窒素ガス透過係数GPSは特に限定されないが、ガスの漏出防止の観点から、GPSは、2.0×10-7(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)以下が好ましく、1.0×10-8(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)以下がより好ましく、1.0×10-9(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)以下が特に好ましい。反発性能の観点から、好ましいGPSは、1.0×10-12(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)以上である。
前述の式(2)を満たす限り、このゴム材料の20℃における損失正接tanδSは特に限定されないが、反発性能の観点から、tanδSは、0.150以下が好ましく、0.125以下がより好ましく、0.100以下が特に好ましい。ガス透過係数低減の観点から、好ましいtanδSは、0.001以上である。
扁平度DLが50以上である充填剤の配合量は、このゴム材料の窒素ガス透過係数GPSと20℃における損失正接tanδSとが、前述の式(1)及び(2)を満たすように、適宜選択されうる。好ましくは、この充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、1質量部以上150質量部以下である。配合量が1質量部以上であるゴム材料からなるコア4では、ガスの漏出が抑制されうる。この観点から、充填剤の量は5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上が特に好ましい。配合量が150質量部以下の場合、基材ゴムと充填剤との混合が容易である。また、このゴム材料からなるコア4は、テニスボール2に適正な反発性能を付与しうる。加工性及び反発性能の観点から、充填剤の量は120質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、80質量部以下が特に好ましい。
扁平度DLが50以上の充填剤が選択される限り、その種類は特に限定されないが、ガス透過係数低減及び加工性の観点から、無機充填剤が好適に用いられる。このような無機充填剤として、タルク、カオリンクレー、グラファイト、グラフェン、ベントナイト、ハロサイト、モンモリロナイト、マイカ、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ノントロナイト、バーミキュライト、イライト、アロフェン等が挙げられる。タルク、カオリンクレー、グラファイト及びグラフェンがより好ましい。ゴム材料が、2以上の無機充填剤を含んでもよい。
本発明の目的が阻害されない限り、ゴム材料が、他の充填剤を含んでもよい。この他の充填剤として、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等の粒子状充填剤が例示される。これらの充填剤から求められる扁平度DLが50未満であってもよい。通常、粒子状充填剤について求められる扁平度DLは1から5程度である。
扁平度DLが50以上の充填剤と、他の充填剤とを併用する場合、ガス透過率低減の観点から、扁平度DLが50以上の充填剤の割合が、充填剤全量の5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であってもよい。
好適な基材ゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリクロロプレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体、イソブチレン-イソプレン共重合体及びアクリルゴムが例示される。これらのゴムの2種以上が併用されてもよい。天然ゴム及びポリブタジエンがより好ましい。
このゴム材料は、必要に応じて、加硫剤、加硫促進剤及び加硫助剤を含みうる。加硫剤として、例えば、粉末硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄等の硫黄;モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド等の硫黄化合物が挙げられる。加硫剤の配合量は、その種類に応じて調整されるが、反発性能の観点から、基材ゴム100質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。加硫剤の配合量は5.0質量部以下が好ましい。
好適な加硫促進剤として、例えば、グアニジン系化合物、スルフェンアミド系化合物、チアゾール系化合物、チウラム系化合物、チオウレア系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、アルデヒド-アミン系化合物、アルデヒド-アンモニア系化合物、イミダゾリン系化合物、キサンテート系化合物等が挙げられる。反発性能の観点から、加硫促進剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、1.0質量部以上が好ましく、2.0質量部以上がより好ましい。加硫促進剤の配合量は6.0質量部以下が好ましい。
加硫助剤としては、ステアリン酸等の脂肪酸、亜鉛華等の金属酸化物、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩が例示される。本発明の効果を阻害しない範囲で、ゴム材料が、さらに老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、軟化剤、加工助剤、着色剤等の添加剤を含んでもよい。
本発明の目的が達成される限り、このゴム材料を製造する方法は、特に限定されない。例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等既知の混練機に、基材ゴムと、充填剤と、適宜選択された他の薬剤とを投入して混練することにより、このゴム材料を製造してもよい。混練条件は、ゴム材料の配合により選択されるが、好ましい混練温度は50℃以上180℃以下である。
このゴム材料を用いて、前述したテニスボール2を製造する方法も、特に限定されない。例えば、このゴム材料を所定の金型中で加硫成形することにより、半球状のハーフシェル2個を形成する。この2個のハーフシェルを、その内部にアンモニウム塩及び亜硝酸塩とを含む状態で、貼り合わせた後、圧縮成形することにより、中空の球状体であるコア4を形成する。コア4の内部では、アンモニウム塩及び亜硝酸塩の化学反応により窒素ガスが発生する。この窒素ガスにより、コア4の内圧が高められる。次に、予め、ダンベル状に裁断し、その断面にシーム糊を付着させたフェルト部6を、このコア4の表面に貼り合わせることにより、テニスボール2が得られる。なお、ゴム材料からハーフシェルを形成する時の架橋条件は、このゴム材料の配合により選択されるが、好ましい架橋温度は140℃以上180℃以下である。架橋時間は2分以上60分以下が好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
80質量部の天然ゴム(商品名「SMR CV60」)、20質量部のポリブタジエンゴム(JSR社の商品名「BR01」)、0.51質量部のステアリン酸(日油社の商品名「つばき」)及び5質量部の酸化亜鉛(正同化学社の商品名「酸化亜鉛2種」)に、充填剤として、4.99質量部のシリカ(東ソー・シリカ社の商品名「ニプシールVN3」)、15質量部のカーボンブラック(キャボットジャパン社の商品名「ショウブラックN330」)及び56質量部のタルク(100)(イメリス社の商品名「Mistron HAR」、扁平度100)をバンバリーミキサーに投入して、90℃で5分間混練した。得られた混練物に、3.6質量部の硫黄(三新化学社の商品名「サンフェルEX」、20%オイル含有)、1質量部の加硫促進剤DPG(三新化学社の商品名「サンセラーD」)、1質量の加硫促進剤CZ(大内新興化学社の商品名「ノクセラーCZ」)及び1.88質量部の加硫促進剤DM(大内新興化学社の商品名「ノクセラーDM」)を添加して、オープンロールを用いて50℃で3分間混練することにより、実施例1のゴム材料を得た。
[実施例2-11及び比較例1-7]
充填剤の種類及び配合量を表1-4に示されるものに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2-11及び比較例1-7のゴム材料を得た。
[ガス透過率測定]
実施例1-11及び比較例1-7のゴム材料を、それぞれモールドに投入して、160℃で2分間、プレス加硫することにより、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製した。JIS K7126-1に記載の差圧法に準拠して、得られた加硫ゴムシートの厚さ方向の窒素ガス透過係数(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)を測定した。測定には、GTRテック社製のガス透過試験機「GTR-30ANI」を使用した。測定条件は、サンプル温度40℃、測定セルの透過断面積15.2cm、差圧0.2MPaとした。測定はすべて23±0.5℃の室内でおこなった。実施例1-11について得られた窒素ガス透過係数が、GPSとして、下記表1-4に示されている。比較例1-7について得られた窒素ガス透過係数が、GPLとして、下記表1-4に示されている。下記表1-4に示されたGPL/GPSは、実施例について得られたGPSと、それぞれ対応する比較例のGPLとの比である。
[粘弾性測定]
実施例1-11及び比較例1-7のゴム材料を、それぞれモールドに投入して、160℃で2分間プレス加硫して、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製した。各加硫ゴムシートを切削して得た幅4mm×長さ20mmの試験片の20℃における損失正接を、粘弾性スペクトロメーター(ユービーエム社製のE4000)を用いて、引張モード、初期歪み10%、周波数10Hz、振幅0.05%で測定した。実施例1-11について得られた損失正接が、tanδSとして、下記表1-4に示されている。比較例1-7について得られた損失正接が、tanδLとして、下記表1-4に示されている。下記表1-4に示された|tanδL-tanδS|は、実施例について得られたtanδSと、それぞれ対応する比較例のtanδLとの差の絶対値である。
Figure 0007073644000001
Figure 0007073644000002
Figure 0007073644000003
Figure 0007073644000004
表1-4に記載された化合物の詳細は、以下の通りである。
SMR CV60:天然ゴム
BR01:JSR社のポリブタジエンゴム
ステアリン酸:日油社の商品名「つばき」
酸化亜鉛:正同化学社の商品名「酸化亜鉛2種」
シリカ:東ソー・シリカ社の商品名「ニプシールVN3」
カーボンブラック:キャボットジャパン社の商品名「ショウブラックN330」
タルク(100):イメリス社の商品名「Mistron HAR」、平均粒子径(D50)6.7μm、平均厚さ(T)0.07μm、扁平度(DL)100
カオリンクレー(20):イメリス社の商品名「ECKALITE120」、平均粒子径(D50)2.0μm、平均厚さ(T)0.1μm、扁平度(DL)20
カオリンクレー(125):イメリス社の商品名「Hydrite SB100S」、平均粒子径(D50)1.0μm、平均厚さ(T)0.008μm、扁平度(DL)125
グラファイト(140):イメリス社の商品名「C-THERM-011」、平均粒子径(D50)21μm、平均厚さ(T)0.15μm、扁平度(DL)140
グラファイト(110):イメリス社の商品名「P44」、平均粒子径(D50)17μm、平均厚さ(T)0.15μm、扁平度(DL)110
グラファイト(120):イメリス社の商品名「SFG44」、平均粒子径(D50)24μm、平均厚さ(T)0.2μm、扁平度(DL)120
グラフェン(700):XG Sciences社の商品名「xGn-M-5」、平均粒子径(D50)5.0μm、平均厚さ(T)0.007μm、扁平度(DL)700
硫黄:三新化学社の不溶性硫黄、商品名「サンフェルEX」、20%オイル含有
加硫促進剤DPG:三新化学社の1,3-ジフェニルグアニジン、商品名「サンセラーD」
加硫促進剤CZ:大内新興化学社のN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、商品名「ノクセラーCZ」
加硫促進剤DM:大内新興化学社のジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、商品名「ノクセラーDM」
[テニスボールの製造]
実施例1のゴム材料を、モールドに投入して、150℃で4分間加熱することにより、2枚のハーフシェルを形成した。1枚のハーフシェルに塩化アンモニウム、亜硝酸ナトリウム及び水を投入した後、他のハーフシェルと接着し、150℃で4分間加熱することにより、球状のコアを形成した。このコアの表面に、その断面にシーム糊を付着させたフェルト部2枚を貼り合わせることにより、テニスボールを製造した。同様に、実施例2-11のゴム材料を用いて、それぞれテニスボールを製造した。
[リバウンド高さの測定]
実施例1-11のゴム材料を用いて製造された各テニスボールを、製造直後に、気温20℃、相対湿度60%の環境下で、245cmの高さからコンクリート性の床面に自由落下させ、跳ね上がり(リバウンド)の高さ(cm)を測定した。各4回の測定してその平均値を算出した結果、実施例1-11のゴム材料から製造されたテニスボールのリバウンド高さは、いずれも、国際テニス連盟の規格(134.62cm以上147.32cm)を満たすものであった。
また、実施例1-11のゴム材料を用いて製造された各テニスボールを、大気圧下、室温で30日間保存した後、前述した方法で、リバウンド高さを測定した。各4回測定して得られた平均値は、製造直後のリバウンド高さとほぼ同等であった。
(まとめ)
表1-4に示されるように、実施例1-11のゴム材料の窒素ガス透過係数GPS及び20℃における損失正接tanδSは、いずれも上記式(1)及び(2)を満たしている。これら実施例1-11のゴム材料を使用して、適正な反発性能を有し、かつガスの漏出が低減されたテニスボールを製造することができた。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたゴム材料は、圧縮ガスが充填された種々の中空ボールの製造にも適用されうる。
2・・・テニスボール
4・・・コア
6・・・フェルト部
8・・・シーム部

Claims (8)

  1. 基材ゴムと、その平均粒子径D50(μm)を、その平均厚さT(μm)で除すことにより求められる扁平度DLが70以上である充填剤とを含んでおり、テトラメチルアンモニウム塩を含まず、
    上記充填剤が、タルク、カオリンクレー、グラファイト及びグラフェンからなる群から選択され、
    その窒素ガス透過係数GPS(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)と、その20℃における損失正接tanδSとが、下記式(1)及び(2)を満たすテニスボール用ゴム材料。
    GPL / GPS ≧ 1.02 (1)
    (ここで、式(1)中、GPLは、上記充填剤を、扁平度DLが20であるカオリンクレーに置換して得られるゴム材料の窒素ガス透過係数(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)である。)
    |tanδL-tanδS| ≦ 0.03 (2)
    (ここで、式(2)中、tanδLは、上記充填剤を、扁平度DLが20であるカオリンクレーに置換して得られるゴム材料の、20℃における損失正接である。)
  2. 上記窒素ガス透過係数GPSが、1.0×10-12(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)以上2.0×10-7(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)以下である請求項に記載のゴム材料。
  3. 上記20℃における損失正接tanδSが、0.001以上0.150以下である請求項1又は2に記載のゴム材料。
  4. 上記充填剤の平均厚さTが0.010μm以上である、請求項1からのいずれかに記載のゴム材料。
  5. 上記窒素ガス透過係数GPLと、上記窒素ガス透過係数GPSとの比(GPL/GPS)が5.00以下である、請求項1からのいずれかに記載のゴム材料。
  6. ゴム材料からなる中空のコアを備えており、
    上記ゴム材料が、基材ゴムと、その平均粒子径D50(μm)を、その平均厚さT(μm)で除すことにより求められる扁平度DLが70以上である充填剤とを含んでおり、テトラメチルアンモニウム塩を含まず、
    上記充填剤が、タルク、カオリンクレー、グラファイト及びグラフェンからなる群から選択され、
    上記ゴム材料の窒素ガス透過係数GPS(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)と、上記ゴム材料の20℃における損失正接tanδSとが、下記式(1)及び(2)を満たすテニスボール。
    GPL / GPS ≧ 1.02 (1)
    (ここで、式(1)中、GPLは、上記充填剤を、扁平度DLが20であるカオリンクレーに置換して得られるゴム材料の窒素ガス透過係数(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)である。)
    |tanδL-tanδS| ≦ 0.03 (2)
    (ここで、式(2)中、tanδLは、上記充填剤を、扁平度DLが20であるカオリンクレーに置換して得られるゴム材料の、20℃における損失正接である。)
  7. 上記充填剤の平均厚さTが0.010μm以上である、請求項に記載のテニスボール。
  8. 上記窒素ガス透過係数GPLと、上記窒素ガス透過係数GPSとの比(GPL/GPS)が5.00以下である、請求項6又は7に記載のテニスボール。
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