JP4794879B2 - ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ホース、ガスケット、パッキング材などに有用な無機フィラーをを含有するゴム組成物及びその製造方法に関する。
ゴムにクレー等の無機フィラーを配合することは、従来からガスバリア性等の向上を目的として行われている。このように、ゴムに、例えばクレイを分散させる方法は種々知られている。例えば、(1)クレーを4級アンモニウム塩などの界面活性剤を用いて有機化処理した「有機化クレー」と、半固体状のゴムを有機溶媒に一旦溶解したものとを十分混合したした後に有機溶媒を乾燥させゴム/クレー配合物を乾燥させてゴム/クレー配合物を得る「有機化クレー/有機溶媒法」が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この方法には以下のような欠点がある。即ち、クレーの有機化処理に多数の工程が必要であり、有機溶媒中に有機化クレーが良好に分散するときとしないときがあり、ばらつきが大きい。
(2)「有機化クレー」と半固体状のゴムとを、二軸混練機などの高温高せん断型ミキサーを用いて混合することにより、ゴム/クレー配合物を得る「有機化クレー/高せん断ミキサー法」は、(1)と同様にクレーの有機化処理に多数の工程が必要であり、さらに、ゴム/クレーの分散状態は、二軸混練中のせん断力のみに依存するため、分散性にばらつきがある、二軸混練機などの大型で高額な設備を必要とする、二軸混練機中に残った原材料は廃棄処理されるので、材料のロスが大きいという欠点を持つ。
(3)有機化処理されていないクレー(未処理クレー)を水に浸漬して得られるクレー/水スラリーとゴム又はポリマーとを、高温高せん断型ミキサーを用いて混合し、水を混合中に気化脱水することによりゴム/クレー配合物を得る「クレー水スラリー/高せん断型ミキサー法」(例えば、特許文献2参照。)も知られている。この方法では、有機溶剤は使用されないが、水スラリーを高温の二軸混練機へ注入する設備が必要であること、二軸混練機などの大型で高額な設備を必要とすること、二軸混練機中に残った原材料は廃棄処理されるので、材料のロスが大きいこと等の欠点がある。
(4)クレー水スラリーと、ラテックスとを混合することにより得られるラテックス/クレー水スラリーを乾燥させてゴム/クレー配合物を得る「ラテックス/クレー水スラリー法」も知られている。この方法では、有機溶剤は使用されず、クレー水スラリーとラテックスの混合は容易であり、条件をうまく設定すればかなり広範囲の混合条件においても良好な分散状態のゴム/クレー配合物が得られる。しかし、得られる成形品のガスバリアが充分でなく、実用化レベルにまで至っていないのが現状である(例えば、特許文献3参照。)。
特開平1−198645号公報 特開2000−239397号公報 特開2003−321551号公報
クレー等の無機フィラーは、気体遮蔽性(ガスバリヤ性)の向上、即ちガス透過率の低減化、或いは機械的特性の向上のためゴム或いはポリマーに一般に添加されている。しかしながら、上記のクレー含有ゴム組成物においては、クレーの微分散、均一分散が充分でない場合があり、クレーを含有しているにもかかわらず気体透過率が充分に低下していない。また(3)、(4)のように比較的低い気体透過率が得られる場合でも、クレーの分散が充分でないためか、実用化レベルの気体透過率が得られていない。また、クレーの含有量を多くすることで、改善は見られるが多すぎた場合、透明性、機械特性等が低下するとの問題があった。
本発明は、これらの従来技術の欠点を克服し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、
本発明は、透明性、優れた機械特性を有するとともに、気体透過率が低減されたゴム組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。すなわち、
<1> ゴム有機溶剤溶液を乳化した後、有機溶媒を留去したゴムの乳化分散液と、水スラリー状の扁平状無機フィラーとを混合して乾燥する工程を含むゴム組成物の製造方法であって、前記扁平状無機フィラーの含有量が、ゴム100質量部に対して5〜100質量部であり、前記ゴムの乳化分散液中の乳化剤量を、ゴム100質量部に対して0.1〜3質量部に調整し、乾燥したゴム組成物を、加硫工程の前の成形加工工程において、1.0mm以下の厚みに圧延する工程を少なくとも1回含むことを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
<2> 前記ゴムが、ブチルゴム及び臭素化ブチルゴムの少なくとも1つであることを特徴とする前記<1>に記載のゴム組成物の製造方法である。
<3> 前記ゴムの乳化分散液中の乳化剤が、オレイン酸カリウムであることを特徴とする前記<1>または<2>に記載のゴム組成物の製造方法である。
<4> 前記扁平状無機フィラーが、クレーであることを特徴とする前記<1>から<3>のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法である。
本発明によれば、透明性、優れた機械特性を有するとともに、気体透過率が低減されたゴム組成物及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明のゴム組成物は、ホース、ガスケット、パッキング材等に有利に使用される。
<ゴム組成物の製造方法>
本発明のゴム組成物の製造方法は、ゴム有機溶剤溶液を乳化した後、有機溶媒を留去したゴムの乳化分散液と、水スラリー状の扁平状無機フィラーとを混合して乾燥する工程を含むゴム組成物の製造方法であって、前記扁平状無機フィラーの含有量が、ゴム100質量部に対して5〜100質量部であり、前記ゴムの乳化分散液中の乳化剤量を、ゴム100質量部に対して0.1〜3質量部に調整し、乾燥したゴム組成物を、加硫工程の前の成形加工工程において、1.0mm以下の厚みに圧延する工程を少なくとも1回含むことを特徴としている。以下、各工程について説明するとともに、各工程で使用される各配合物について説明する。
本発明において使用されるゴムの乳化分散液は、ゴム有機溶剤溶液を乳化した後、有機溶媒を留去した乳化分散液であり、天然のゴムラテックス或いは乳化重合により得られたラテックスとは異なる。即ち、気相重合、溶液重合、塊状重合等で得られたゴム又は合成ゴムを有機溶剤に溶解させた後、有機溶媒を留去して乳化分散液としたものである。従って、特に乳化重合に不向きな合成ゴムに好適である。
上記ゴムの例として、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムが挙げられる。中でも優れた性能を有し、ホース等の材料に汎用材料的に使用されている材料の観点からアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴムが好ましく、特にブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴムが好ましい。ブチルゴム(IIR)は一般にイソブチレンと少量のイソブレンとの共重合体であり、ハロゲン化されたタイプもある。上記合成ゴムは、通常の気相重合法、溶液重合法、塊状重合法等の重合手法を用いることにより得られる。上記ゴムに加えて、通常の熱可塑性樹脂等のポリマーを併用してもよい。
このような特定のゴムの乳化分散液を用いることにより、後述する無機フィラーの分散が良好となり、例えば無機フィラーとしてクレーを用いた場合、少量のクレーで優れたガスバリヤ性を発揮することができ好ましい。
前記ゴムの乳化分散物に使用される乳化剤は、通常水に溶解して使用する。乳化剤としては、特に限定されることはなく、例えば、アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤又は分散安定剤等を適宜、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記アニオン系乳化剤として、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ロジン酸カリウム、オレイン酸アンモニウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等の脂肪酸石鹸等を挙げることができる。
本発明において、アニオン系乳化剤も上述のように水相に存在させて使用することができるが、上記脂肪酸石鹸を添加するときには、脂肪酸を有機溶剤中に添加しておき、その中和に必要な水酸化アルカリ金属を水中に添加しておき、乳化にあたって有機溶液相と水相とを混合する際にその境界面で両者を反応させて脂肪酸石鹸を形成させることにより乳化を行ってもよい。上記カチオン系乳化剤として、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンアルキルアミンの酢酸塩等を挙げることができる。またノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体、ポングリセリンエステル等を挙げることができる。また分散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸共重合体等の高分子系分散剤等を挙げることができる。これらの乳化剤の中で、得られたゴム組成物が優れたガスバリア性を示す乳化剤としてロジン酸カリウム、オレイン酸アンモニウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウムを挙げることができ、さらに好ましくはオレイン酸カリウムを挙げることができる。
本発明においては、使用する乳化剤の使用量はゴム組成物の性能面から、乳化分散液中のゴム100質量部に対して0.1〜3の質量部としており、より好ましくは0.1〜2質量部である。0.1質量部より少ない場合、乳化することができなくなる。又、3質量部より多い場合、乳化は可能であるが、ゴム組成物のガスバリア性が低下する場合が多く好ましくない。
本発明において使用される無機フィラーとしては、クレー、マイカ、カオリンクレー、タルク、炭酸カルシウム、シリカ等を挙げることができ、これらを単独で又は2種以上を混合して用いることができる。無機フィラーの中でも形状が扁平状であるクレー、マイカ、カオリンクレー、タルクが好ましく、特にクレーが好ましい。無機フィラーの平均粒径は15μm以下であることが好ましく、8〜0.01μmであることがより好ましい。
無機フィラーの量は、ゴム100質量部に対して5〜100質量部、特に5〜80質量部、さらに5〜50質量部が好ましい。無機フィラーの量が5質量部より少ないと、気体遮蔽性の効果が充分に得らないことがあり、100質量部より多いと、分散が困難となることがある。
本発明において、前記無機フィラーは、無機フィラーの水スラリー状で混合されることが好ましい。無機フィラーを水スラリー状とする手法としては、特に限定はなく、例えば、まず無機フィラーを水に浸漬し、攪拌する。水の量は、無機フィラーが水に分散し、攪拌が容易になる量であればよく、例えばクレーの場合、通常20gのクレーに対して、総容積が800〜1200ml、好ましくは900〜1100mlになる量である。攪拌には、スターラーミキサーなどの汎用の混合機を用いることができる。攪拌時間は、無機フィラーが水に充分浸漬する時間であればよく、無機フィラーの量にもよるが、通常0.5〜36時間である。
前記ゴムの乳化分散液と、水スラリー状の扁平状無機フィラーとを混合する方法は特に限定されず、たとえば1)ゴムの乳化分散液と水に分散した無機フィラーとを別々に調製し混合する方法、2)乳化剤と無機フィラーを併用して製造されたゴムの乳化分散液と別途調製された水に分散した無機フィラーを混合する方法、等を挙げることができる。さらにこれに架橋剤を加えると、架縮ゴム組成物が得られる。
例えば、乳化剤と無機フィラーを分散剤として製造されたゴムの乳化分散液を得る方法として、無機フィラーを分散した水分散に所定量の乳化剤を添加した分散液と、ゴムを溶解した有機溶剤溶液とを混合後、乳化を行い、その後有機溶剤を留去することにより無機フィラーと乳化剤を分散剤として製造されたゴムの乳化分散液を得る。
次いでこれらのゴムの乳化分散液と無機フィラーの水分散液を所定濃度になるように混合する。混合は、スターラーミキサーなどの汎用の混合機を用いることができる。混合は、ゴムの乳化分散液が変質しない限りの高温で行なうこともできるが、室温が好ましい。混合時間は、ゴムの乳化分散液と無機フィラーの水分散液が均一に混合される時間であればよく、混合物の粘度にもよるが、通常0.5〜30分間である。
攪拌後、混合物を乾燥することで、ゴム組成物を得る。乾燥方法は特に限定はなく、前記混合物から固形物を取り出すことができればよく、例えば、前記混合物を直接乾燥機に掛ける乾燥法や、前記混合物に凝固剤を添加し、一旦固形物を取り出した後乾燥することができる。乾燥方法しては、熱風乾燥、真空乾燥、伝熱乾燥、高周波乾燥、マイクロ波乾燥、加熱蒸気乾燥、等を利用することができ、これらの中でもドラムドライヤーを用いて乾燥した場合、生産効率、性能面でも優れたゴム組成物を得ることができる。この理由としては定かではないが、ドラムドライヤーを用いて乾燥した場合、薄膜状で乾燥が進むために、薄いシートとしてゴム組成物が得られ、このシート内で、クレーが層状に配列しやすくするために、ガスバリア性の遮断効果がよくなると推測される。これらの乾燥によりゴム組成物を得る。
本発明においては、加硫工程の前の成形加工工程において、ゴム組成物を1.0mm以下に圧延する工程を少なくとも1回含む。圧延されたゴム組成物の厚みはより好ましくは0.7mm以下である。圧延する方法としては特に限定はされないが、通常ロール等の成形機を用いて行うことができる。また、圧延時の温度として、圧延効果を挙げるために、ゴムシートの温度を50℃〜100℃の範囲にすることが好ましい。ゴム組成物を1.0mm以下に圧延することでガスバリア性が向上する理由として、ゴム組成物を薄膜化することでシー卜内で、クレーが層状に配列しやすくするために、ガスの遮断効果が一層よくなっていると推測される。圧延する回数は好ましくは1〜30回、さらに好ましくは1〜20回である。回数が多いほど効果は期待されるが経済的でなくなる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、上述の本発明のゴム組成物の製造方法により製造されるゴム組成物である。本発明のゴム組成物は、透明性、優れた機械特性を有するとともに、気体透過率が低減されている。
本発明のゴム組成物は、その気体遮蔽性を生かして、ホース、ガスケット、パッキング材等に有利に使用される。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)ゴムの乳化分散液の作製
臭素化ブチルゴム(商品名;ポリサーX2、バイエル社製、臭素含有量1.8質量%、残存二重結合量0%)30gをトルエン200gに溶解した。別途、水150gにオレイン酸カリウム0.9gを添加し溶解した溶液を調製した。これらの二つの溶液をTKホモミキサー(M型、特殊機化工業社(株)製)を用いて回転数12000rpmで2分間攪拌混合し乳化した。この浮化液を減圧下、加熱することにより、トルエンを留去し、ブチルゴムの乳化分散液(固形分20質量%)を得た。得られたブチルゴムの乳化分散液の平均粒子径は1.2μmであった。
(2)ゴム組成物及びシートの作製
9gのクレー(クニミネ工業(株)製:クニピアF)を純水に浸漬し1000mlとして、汎用のスターラーミキサーで2時間撹拌して、クレー水スラリーを得た。このスラリーと上記(1)のブチルゴムの乳化分散液とを混合し、スターラーミキサーを用いて約10分間撹拌し、均一な混合物を得た。
得られた混合物を、60cm×25cm、深さ5cmの容器に取り出し、80℃のファン付き恒温槽中で24時間乾燥し、ゴム組成物を得た。これにロールを用いて1.5gの亜鉛華と0.3gのテトラメチルチウラムジスルフィドを添加した。続いてゴム圧延用ロールの温度を調整し、ゴム組成物の温度60℃、厚みが0.7mmになるように設定して5回、圧延処理をした。
得られた圧延シートを表面が十分平滑な金型を用いて160℃、20分の条件下において架橋させ、1mm厚のシートサンプルを得た。
[実施例2]
(1)ゴムの乳化分散液の作製
臭素化ブチルゴム(商品名;ポリサーX2、バイエル社製、臭素含有量1.8質量%、残存二重結合量0%)30gをトルエン200gに溶解した。別途、水150gにオレイン酸カリウム0.6gとクレー(クニミネ工業(株)製:クニピアF)0.3gを分散し、汎用のスターラーミキサーを用いて2時間撹拌して分散した溶液を作製した。これらの二つの溶液をTKホモミキサー(M型、特殊機化工業社(株)製)を用いて回転数12000rpmで2分間攪拌混合し乳化した。この乳化液を減圧下、加熱することにより、トルエンを留主し、ブチルゴムの乳化分散液(固形分20質量%)を得た。得られたブチルゴムの乳化分散液の平均粒子径は1.1μmであった。
(2)ゴム組成物及びシートの作製
8.7gのクレー(クニミネ工業(株)製:クニピアF)を蒸留水に浸漬し1000mlとして、汎用のスターラーミキサーで2時間撹拌して、クレー水スラリーを得た。このスラリーと218gの上記(1)のブチルゴムの乳化分散液とを混合し、スターラーミキサーを用いて約10分間攪拌し、均一な混合物を得た。
得られた混合物を、60cm×25cm、深さ5cmの容器に取り出し、80℃のファン付き恒温槽中で24時間乾燥しゴム組成物を得た。これにロールを用いて1.5gの亜鉛華と0.3gのテトラメチルチウラムジスルフィドを添加した。続いてゴム圧延用ロールの温度を調整し、ゴム組成物の温度60℃、厚みが0.7mmになるように設定して5回、圧延処理をした。
得られた圧延シートを表面が十分平滑な金型を用いて160℃、20分の条件下において架橋させ、1mm厚のシートサンプルを得た。
[実施例3]
実施例1において、クレーの添加量を15gに変更したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物及びシートを製造した。
[参考例1]
臭素化ブチル30gにロールを用いて1.5gの亜鉛華と0.3gのテトラメチルチウラムジスルフィドを添加した。得られたシートを表面が十分平滑な金型を用いて160℃、20分の条件下において架橋させ、1mm厚のシートサンプルを得た。
[比較例1]
実施例1において、乳化分散液の調製で用いるオレイン酸カリウムの量を1.5gに変更したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物及びシートを製造した。
[比較例2]
実施例1において、ゴム組成物及びシートの作製においてロール圧延時、ゴム組成物の厚みを1.5mmになるように圧延処理を行なったこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物及びシートを製造した。
<評価方法>
1)機械特性
JIS−K6301に従い引張試験を行い、引張応力(Md100、Md300はそれぞれ伸び100%、300%時の応力)、引張強さ(Tb)、及び引張伸び(Eb)を測定した。結果を表1に示す。
2)気体透過性
気体透過性を評価するため、GTRテック(株)製ガス透過試験機(GTR30A、ガス:フロンR134a)を用い、100℃、ガス供給側圧力0.2MPaの差圧法により気体透過測定を行った。
但し、試験を開始した後、12時間経過後に気体透過測定を行い、気体透過係数(cc−cm/cm2・秒・cmHg)を得た。
Figure 0004794879
表1より、実施例1〜3はいずれも、機械特性が優れるとともに、気体透過率が低減されているのに対し、乳化剤の量がゴム100質量部に対して5質量部含む比較例1は気体透過率が低減されず、圧延する工程における厚みを1.5mmとして比較例2は優れた機械特性が得られなかったことが分かる。

Claims (4)

  1. ゴム有機溶剤溶液を乳化した後、有機溶媒を留去したゴムの乳化分散液と、水スラリー状の扁平状無機フィラーとを混合して乾燥する工程を含むゴム組成物の製造方法であって、
    前記扁平状無機フィラーの含有量が、ゴム100質量部に対して5〜100質量部であり、
    前記ゴムの乳化分散液中の乳化剤量を、ゴム100質量部に対して0.1〜3質量部に調整し、乾燥したゴム組成物を、加硫工程の前の成形加工工程において、1.0mm以下の厚みに圧延する工程を少なくとも1回含むことを特徴とするゴム組成物の製造方法。
  2. 前記ゴムが、ブチルゴム及び臭素化ブチルゴムの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
  3. 前記ゴムの乳化分散液中の乳化剤が、オレイン酸カリウムであることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物の製造方法。
  4. 前記扁平状無機フィラーが、クレーであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のゴム組成物の製造方法。
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