JP2006137859A - ポリマーラテックスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性に優れ、かつ少ない乳化剤の使用量で機械的安定性に優れたポリマーラテックスを製造する方法を提供する。
【解決手段】ポリマーを溶解した有機溶剤溶液と、乳化剤を溶解した水に層状ケイ酸塩を混合分散した層状ケイ酸塩水分散液とを混合し、乳化した後有機溶剤を留去するポリマーラテックスの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリマーラテックスの製造方法に関する。さらに詳しくは、生産性に優れ、かつ少ない乳化剤の使用量で機械的安定性に優れたポリマーラテックスを製造する方法に関する。
ポリマーラテックスの製造方法としては、SBRラテックスやNBRラテックスのようにモノマーより直接乳化重合により製造する方法(例えば、特許文献1)、一旦ポリマーとしたものを有機溶剤に溶解後、ポリエチレングリコールの有機燐酸エステルと、アルキル硫酸塩又はアルキルベンゼンスルホン酸塩との混合物からなる乳化剤を含んだ水を加えて乳化したのち、溶剤を除去することで製造する方法(例えば、特許文献2)等が挙げられる。
乳化重合法は、モノマーから乳化重合により直接ラテックスを得ることができるので、安価で大量の生産が可能であるが、乳化重合で直接製造できないようなポリマーについては製造できない。一方、後者の方法は、有機溶剤に溶解できるポリマーはすべてラテックス化できるが、製造プロセスが煩雑なためコスト面で適応できるポリマーが限定される。又、製造プロセスとして、どうしても乳化剤を多く使用することが必要なため、ポリマーラテックスから得られる材料の性能面の低下が問題となる。このため少しでも生産性を高くして製造すると共に、乳化剤の種類や使用量の適正化を行い、ポリマーラテックスから得られる材料の性能低下をいかに抑えるかが常に求められている。たとえば特許文献3には、熱可塑性エラストマーのアニオン性乳化分散液の製造方法として、特定の異種イオン性界面活性剤を3種類併用することによって、乳化性が向上し、経日安定性および機械的安定性が改良されることが開示されているが、実質的に使用できるポリマーや乳化剤が限定され、又、使用する乳化剤量も多く特殊な用途での使用に限定される。
特開昭53−109591号公報 特公昭45−34261号公報 特開2003−253135号公報
本発明の目的は、生産性に優れ、かつ少ない乳化剤の使用量で機械的安定性に優れたポリマーラテックスを製造する方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、ポリマーを溶解した有機溶剤溶液と、乳化剤を溶解した水に層状ケイ酸塩を混合分散した層状ケイ酸塩水分散液とを混合し、乳化した後有機溶剤を留去するポリマーラテックスの製造方法に関する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリマーとしては、後述する有機溶剤に溶解可能なものであれば特に限定はなく、合成ゴム、樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
具体的には、合成ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム(BIIR)、塩素化ブチルゴム(CIIR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)、エチレン/プロピレンゴム(EPR)、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、アクリロニトリル/ブタジエンゴムを水素化したゴム(水素化NBR)、エピクロロヒドリンゴム(CHR)、塩素化ポリエチレン(CM)等が挙げられる。
樹脂としては、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリ乳酸樹脂、ナイロン、共重合ナイロン、ポリエステル、脂肪族系ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン/アクリル酸エステル系共重合体等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレン等のブロック共重合体等が挙げられる。
中でもポリマーラテックスを用いて得られる材料の耐水性、接着性、機械的強度等の性能を向上することができる観点から、合成ゴムが好ましく、ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン/プロピレン/ジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴムを水素化したゴムがより好ましい。
合成ゴム、樹脂、熱可塑性エラストマーは、それぞれ、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明に用いられる有機溶剤としては、特に限定されることはないが、例えば、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、へプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等が挙げられる。
アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類およびケトン類は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
有機溶剤の使用量は、ポリマー100重量部に対して50〜3000重量部が好ましい。より好ましくは、ポリマー100重量部に対して200〜2000重量部である。
有機溶剤の使用量は、ポリマー100重量部に対して50重量部未満であると、ポリマーが溶解しにくい場合や、溶液粘度が高く乳化がしにくい場合がある。また、ポリマー100重量部に対して3000重量部を超えると、溶解や乳化は容易であっても、多くの有機溶剤を除去する必要があり、経済的でなく好ましくない。
ポリマーを有機溶剤に溶解する方法としては、特に限定されないが、通常の攪拌機のついたジャケット付き反応槽に、所定量の有機溶剤とポリマーを入れ連続して攪拌することでポリマーの有機溶剤溶液を得ることができる。又、この際、溶解を促進するために30〜120℃の温度に加温してもよい。
本発明に用いられる層状ケイ酸塩としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等のスメクタイトやパーミキュライト等が挙げられる。中でも、スメクタイト、とりわけモンモリロナイトが好適に用いられる。
層状ケイ酸塩の使用量は、特に限定されないが、ポリマー100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部であることが望ましい。
層状ケイ酸塩の使用量がポリマー100重量部に対して0.1重量部未満の場合、添加効果がみられない場合があり、100重量部を超える場合、ラテックス化は可能であるが添加部数に見合う効果がなく効率的ではない。
本発明に用いられる乳化剤としては、特に限定されることはなく、例えば、アニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤又は高分子系分散剤等を適宜、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記アニオン系乳化剤として、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩又は脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム等の脂肪酸石鹸等を挙げることができる。
アニオン系乳化剤は通常水相に存在させて本発明の方法を実施するが、上記脂肪酸石鹸を添加するときには、脂肪酸を有機溶剤中に添加しておき、その中和に必要な水酸化アルカリ金属を水中に添加しておき、乳化にあたって有機溶液相と水相とを混合する際にその境界面で両者を反応させて脂肪酸石鹸を形成させることにより乳化を行ってもよい。
上記カチオン系乳化剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンの酢酸塩等を挙げることができる。
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体、ポリグリセリンエステル等を挙げることができる。
高分子系分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、スチレン無水マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
乳化剤の使用量は、ポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部、より好ましくは0.1〜5重量部であることが望ましい。
乳化剤の使用量がポリマー100重量部に対して0.1重量部未満の場合、乳化が困難になるおそれがある。また、ポリマー100重量部に対して10重量部を超える場合、乳化は可能であるが、ポリマーラテックスより得られる材料の性能が低下する場合が多く好ましくない。
本発明に用いられる水の使用量は、ポリマー有機溶剤溶液の100重量部に対して20〜500重量部が好ましく、25〜200重量部がより好ましい。
水の使用量が、ポリマーの有機溶剤溶液100重量部に対して20重量部未満であると、乳化することができない場合がある。また、水の使用量が、ポリマーの有機溶剤溶液100重量部に対して500重量部を超えると、乳化は容易であっても、多くの水を除去する必要があり、経済的でなく好ましくない。
層状ケイ酸塩水分散液の製造方法としては、あらかじめ所定量の水に乳化剤を溶解させた後、層状ケイ酸塩を分散させる方法、水と層状ケイ酸塩を先に分散させた後、乳化剤を後で添加する方法のどちらでも可能である。また分散方法には特に限定はなく、いわゆるミキサー、高圧分散機、超音波分散機、等の汎用の手段で分散できる。乳化剤および層状ケイ酸塩を分散させる温度は、特に限定されないが、通常、20〜80℃の範囲である。
本発明においては、上記方法により得られたポリマーの有機溶剤溶液と層状ケイ酸塩水分散液とを混合し、乳化した後有機溶剤を留去することによりポリマーラテックスを製造することができる。
本発明における乳化方法は、特に限定されないが、適当な剪断力を有する乳化機、例えば、ホモジナイザー、コロイドミルなどを用いて攪拌混合する方法、超音波分散機などを用いて分散し、混合する方法などにより行うことができるが、通常、攪拌混合により行う方が好ましい。乳化温度は、特に限定されないが、通常、5〜70℃程度である。
本発明においては、さらに、乳化を行った後、引き続き有機溶剤を留去することでポリマーラテックスを得ることができる。本発明における有機溶剤の留去方法は、例えば、減圧下、加熱などの通常の方法により行うことができる。これらの留去方法における減圧、加熱等の条件は、使用する有機溶媒の種類に応じて適宜設定することができる。また、必要に応じて、ラテックスが所望の濃度になるまで、加熱濃縮、遠心分離又は湿式分離などの操作により濃縮することもできる。
本発明により得られるポリマーラテックスは、層状ケイ酸塩を乳化剤と併用しているために、乳化剤の含有量を、層状ケイ酸塩を併用しない場合に比べて減らすことができる。したがって、上記ポリマーラテックスを用いて得られる材料において、多量の乳化剤の含有が原因で生じる耐水性、接着性、機械的強度等の性能低下を抑制することができる。
本発明により得られるポリマーラテックスは、乳化剤の含有量が低いにもかかわらず、層状ケイ酸塩を含有するために分散安定性に優れているので、層状ケイ酸塩を併用しない場合に比べて、高濃度のポリマーを含有することができる。
本発明により得られるポリマーラテックスは、層状ケイ酸塩の分散安定性効果への寄与が大きいので機械的安定性に優れており、ポンプ移送時や加工時のせん断による凝集を防止することができる。従って、本発明により得られるポリマーラテックスは、自動車シート、マットなどの繊維加工用ラテックス、紙、フィルム、成形材料等への塗工用ラテックス、フォームラバー用原料、RFL接着剤用のラテックス、あるいはホース、ベルト、ガスケット、パッキング等の成形材料の原料等として、工業的価値の大きいものである。
本発明のポリマーラテックスの製造方法は、層状ケイ酸塩の分散安定性効果への寄与が大きいため、ラテックスの生産性を向上することができ、又、機械的安定性が向上したラテックスを生産することができるので、工業的価値の大きいものである。更に、本発明により得られるポリマーラテックスは、層状ケイ酸塩を乳化剤と併用しているために、乳化剤の使用量が低減されている。したがって、本発明のポリマーラテックスの製造方法は、ポリマーラテックスを用いて得られる材料の耐水性、接着性、機械的強度等の性能を向上することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
攪拌機を備えた内容量500mlのビーカーに純水124gを入れ、回転数150rpmで攪拌しながらスメクタイト(クニピアF:クニミネ工業株式会社製)0.3gを入れ、40℃の温度下に2時間攪拌した。次いで、乳化剤としてオレイン酸カリウム0.6gを入れ、10分攪拌し、層状ケイ酸塩水分散液を得た。
一方、内容積500ml容のセパラブルフラスコに臭素化ブチルゴム(BIIR)30gとトルエン220gを入れ、撹拌下、70℃で5時間を要して溶解し、ポリマーの有機溶剤溶液を得た。
ポリマーの有機溶剤溶液と層状ケイ酸塩水分散液を混合し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製、M型)を用いて、回転数12000rpm、温度40℃で2分間攪拌混合し乳化した。引き続き、得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下、40〜70℃に加熱することにより、トルエンを留去し、臭素化ブチルゴムのラテックスを得た。
実施例2
攪拌機を備えた内容量500mlのビーカーに純水124gを入れ、回転数150rpmで攪拌しながらスメクタイト(クニピアF:クニミネ工業株式会社製)0.35gを入れ、40℃の温度下に2時間攪拌した。次いで、乳化剤としてオレイン酸カリウム0.7gを入れ、10分攪拌し、層状ケイ酸塩水分散液を得た。
一方、内容積500ml容のセパラブルフラスコに臭素化ブチルゴム35g、とトルエン215gを入れ撹拌下、70℃で5時間溶解してポリマーの有機溶剤溶液を得た。
ポリマーの有機溶剤溶液と層状ケイ酸塩水分散液を混合し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製、M型)を用いて、回転数12000rpm、温度40℃で2分間攪拌混合し乳化した。
引き続き、得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下、40〜70℃に加熱することにより、トルエンを留去し、臭素化ブチルゴムのラテックスを得た。
実施例3
攪拌機を備えた内容量500mlのビーカーに純水124gを入れ、回転数150rpmで攪拌しながらスメクタイト(クニピアF:クニミネ工業株式会社製)0.3gを入れ、40℃の温度下に2時間攪拌した。次いで、乳化剤としてオレイン酸カリウム1.1gを入れ、10分攪拌し、層状ケイ酸塩水分散液を得た。
一方、内容積500ml容のセパラブルフラスコにエチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)27.5gとトルエン222.5gを入れ、撹拌下、70℃で5時間を要して溶解し、ポリマーの有機溶剤溶液を得た。
ポリマーの有機溶剤溶液と層状ケイ酸塩水分散液を混合し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製、M型)を用いて、回転数12000rpm、温度40℃で2分間攪拌混合し乳化した。引き続き、得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下、40〜70℃に加熱することにより、トルエンを留去し、エチレン/プロピレン/ジエンゴムのラテックスを得た。
実施例4
攪拌機を備えた内容量500mlのビーカーに純水124gを入れ、回転数150rpmで攪拌しながらスメクタイト(クニピアF:クニミネ工業株式会社製)0.3gを入れ、40℃の温度下に2時間攪拌した。次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム1.6gを入れ、10分攪拌し、層状ケイ酸塩水分散液を得た。
一方、内容積500ml容のセパラブルフラスコにクロロスルホン化ポリエチレンゴム( CSM)40gとトルエン210gを入れ、撹拌下、80℃で5時間を要して溶解し、ポリマーの有機溶剤溶液を得た。
ポリマーの有機溶剤溶液と層状ケイ酸塩水分散液を混合し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製、M型)を用いて、回転数12000rpm、温度40℃で2分間攪拌混合し乳化した。引き続き、得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下、40〜70℃に加熱することにより、トルエンを留去し、クロロスルホン化ポリエチレンゴムのラテックスを得た。
実施例5
攪拌機を備えた内容量500mlのビーカーに純水124gを入れ、回転数150rpmで攪拌しながらスメクタイト(クニピアF:クニミネ工業株式会社製)0.3gを入れ、40℃の温度下に2時間攪拌した。次いで、乳化剤としてオレイン酸カリウム 0.9gとジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.6gを入れ、10分攪拌し、層状ケイ酸塩水分散液を得た。
一方、内容積500ml容のセパラブルフラスコにアクリロニトリル/ブタジエンゴムを水素化したゴム(水素化NBR)30gとトルエン176gとイソプロピルアルコール44gを入れ、撹拌下、70℃で5時間を要して溶解し、ポリマーの有機溶剤溶液を得た。
ポリマーの有機溶剤溶液と層状ケイ酸塩水分散液を混合し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製、M型)を用いて、回転数12000rpm、温度40℃で2分間攪拌混合し乳化した。引き続き、得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下、40〜70℃に加熱することにより、トルエンとイソプロピルアルコールを留去し、アクリロニトリル/ブタジエンゴムを水素化したゴムのラテックスを得た。
比較例1〜3
実施例1において、下表に示す様に層状ケイ酸塩を用いないで、得られるラテックスにおけるポリマー溶解濃度を10重量%、12重量%、14重量%となるようにした以外は実施例1と同様にしてラテックス化を試みたが、凝集物となってラテックスは得られなかった。
比較例4および5
実施例1において、下表に示す様に層状ケイ酸塩を用いないで、オレイン酸カリウムをポリマー100重量部あたり、それぞれ5重量部、8重量部とした以外は実施例1と同様にしてラテックスを得た。評価結果を下表に示す。
得られたラテックスを以下の方法で評価した。評価結果を表1に示した。
(1)重量平均粒子径
レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2000J、島津製作所社製)を用いて測定した。
(2)機械的安定性
クラクソン式機械的安定度試験機(株式会社 上島製作所)を用いて評価した。機械的安定度は、得られたラテックスの固形分を50重量%に調整後、所定容器に80g取り、直径20.9mm、厚み1.57mmの円板で14000rpmの高速で攪拌し、ラテックス中に目で判定できる凝集物が生成した時間で表す。
通常、凝集物が生成するまでの時間が攪拌開始後15分以上であれば、機械的安定性は優れていると判断できる。
Figure 2006137859
表1から、層状ケイ酸塩を使用した実施例1および2の方法によれば、乳化剤の使用量が少なくても容易にポリマーラテックスを製造することができる。一方、層状ケイ酸塩を使用していない比較例1、2および3の方法によれば、乳化剤の使用量が少ないとポリマーラテックスを製造することができないことがわかる。さらに、比較例1でポリマー溶解濃度をさらに低くしてもポリマーラテックスを製造できない点、比較例4、5の層状ケイ酸塩を使用しない場合、機械的安定性に優れたポリマーラテックスを得るためには乳化剤量がポリマー100重量部あたり5重量部以上必要なことより層状ケイ酸塩の添加効果は明らかである。
本発明のポリマーラテックスの製造方法は、層状ケイ酸塩の分散安定性効果への寄与が大きいため、ラテックスの生産性を向上することができ、又、機械的安定性が向上したラテックスを得ることができるので、工業的価値の大きいものである。又、本発明により得られるポリマーラテックスは、層状ケイ酸塩を乳化剤と併用しているために、乳化剤の使用量が低減されている。したがって、本発明のポリマーラテックスの製造方法は、ポリマーラテックスを用いて得られる材料の耐水性、接着性、機械的強度等の性能を向上することができる。本発明の製造方法により得られるラテックスは、自動車シート、マットなどの繊維加工用ラテックス、紙、フィルム、成形材料等への塗工用ラテックス、フォームラバー用原料、RFL接着剤用のラテックス、あるいはホース、ベルト、ガスケット、パッキング等の成形材料の原料として使用することができる。

Claims (5)

  1. ポリマーを溶解した有機溶剤溶液と、乳化剤を溶解した水に層状ケイ酸塩を混合分散した層状ケイ酸塩水分散液とを混合し、乳化した後有機溶剤を留去するポリマーラテックスの製造方法。
  2. ポリマーが合成ゴムである請求項1記載のポリマーラテックスの製造方法。
  3. 乳化剤の使用量が、ポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部である請求項1または2記載のポリマーラテックスの製造方法。
  4. 層状ケイ酸塩の使用量が、ポリマー100重量部に対して0.1〜100重量部である請求項1ないし3いずれか1項に記載のポリマーラテックスの製造方法。
  5. 層状ケイ酸塩が、スメクタイトである請求項1ないし4いずれか1項に記載のポリマーラテックスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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