JP7176396B2 - テニスボール用ゴム組成物 - Google Patents
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Description
80質量部の天然ゴム(商品名「SMR CV60」)、20質量部のポリブタジエンゴム(JSR社製の商品名「BR01」)、66質量部のタルク1(イメリス社製の商品名「Mistron HAR」)、5質量部の酸化亜鉛(正同化学社製の商品名「酸化亜鉛2種」)及び0.5質量部のステアリン酸(日油社製の商品名「つばき」)をバンバリーミキサーに投入して、90℃で5分間混練した。得られた混練物を40℃以下に冷却後、3.6質量部の硫黄(三新化学社製の商品名「サンフェルEX」、20%オイル含有)、1質量部の加硫促進剤1(三新化学社製の商品名「サンセラーD」)、1質量部の加硫促進剤2(大内新興化学社製の商品名「ノクセラーCZ」)及び1.88質量部の加硫促進剤3(大内新興化学社製の商品名「ノクセラーDM」)を添加して、オープンロールを用いて50℃で3分間混練することにより、実施例1のゴム組成物を得た。
下表1-6に示される組成に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、実施例2-15及び比較例1-15のゴム組成物を製造した。なお、炭素系充填剤を配合する場合は、予め、100質量部の基材ゴムと、50質量部の炭素系充填剤とをバンバリーミキサーを用いて90℃で5分間混練してマスターバッチを準備した後、このマスターバッチを、下表1-6に示される組成となるように添加して、それぞれのゴム組成物を得た。
NR:天然ゴム、商品名「SMR CV60」
BR:JSR社製のポリブタジエンゴム、商品名「BR01」
タルク1:イメリス社製の商品名「Mistron HAR」、平均粒子径(D50)6.7μm、扁平度(DL)100
マイカ:ヤマグチマイカ社製の商品名「SYA-21」、平均粒子径(D50)27μm、扁平度(DL)90
グラファイト:イメリス社製の商品名「SFG44」、平均粒子径(D50)49μm、扁平度(DL)120
グラフェン:XG Sciences社の商品名「xGnP-M-5」、平均粒子径(D50)5μm、扁平度(DL)700
タルク2:日本タルク社製の商品名「L-1」、平均粒子径(D50)5μm、扁平度(DL)30
タルク3:日本タルク社製の商品名「K-1」、平均粒子径(D50)8μm、扁平度(DL)33
タルク4:日本タルク社製の商品名「SSS」、平均粒子径(D50)13μm、扁平度(DL)20
クレー:イメリス社製のカオリンクレー、商品名「ECKALITE120」、平均粒子径(D50)4μm、扁平度(DL)20
炭酸マグネシウム:神島化学工業社製の商品名「金星」、平均粒子径(D50)6μm、扁平度(DL)10
カーボンブラック:キャボットジャパン社製の商品名「ショウブラックN330」、平均粒子径(D50)0.03μm、扁平度(DL)1
シリカ:東ソー・シリカ社製の商品名「ニプシールVN3」、平均粒子径(D50)20μm、扁平度(DL)1
炭酸カルシウム:白石カルシウム社製の商品名「BF300」、平均粒子径(D50)8μm、扁平度(DL)1
酸化亜鉛:正同化学社製の商品名「酸化亜鉛2種」、平均粒子径(D50)0.6μm、扁平度(DL)1
ステアリン酸:日油社製の商品名「つばき」
イオウ:三新化学社製の不溶性硫黄、商品名「サンフェルEX」、20%オイル含有
加硫促進剤1:三新化学社製の1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、商品名「サンセラーD」
加硫促進剤2:大内新興化学社製のN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、商品名「ノクセラーCZ」
加硫促進剤3:大内新興化学社製のジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、商品名「ノクセラーDM」
実施例1-15及び比較例1-15のゴム組成物の硫黄含有量を、第17改正日本薬局方、一般試験法に記載の酸素フラスコ燃焼法に準じて測定した。各ゴム組成物10mgを燃焼させた後、合計55mLのメタノールを添加し、次いで0.005mol/Lの過塩素酸溶液20mLを正確に添加した。10分間放置して得られた溶液を、イオンクロマトグラフィー(島津製作所製のHIC-SP)を用いて測定することにより、硫黄含有量を定量した。得られた硫黄含有量(wt.%)が、下表7-12に示されている。
実施例1-15及び比較例1-15のゴム組成物をそれぞれモールドに投入して、160℃で2分間プレス加硫することにより、厚さ2mmの3号ダンベル型試験片を作製した。JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に準じて、23±1℃で引張試験をおこない、各試験片の引張歪み10%、30%、70%及び100%における引張弾性率並びに破断点伸びをそれぞれ測定した。
E1=(E30-E10)/(30-10) (式1)
E2=(E100-E70)/(100-70) (式2)
ここで、E10は、引張歪み10%における引張弾性率であり、E30は引張歪み30%における引張弾性率であり、E70は引張歪み70%における引張弾性率であり、E100は引張歪み100%における引張弾性率である。得られた引張弾性率E1、E2及び比(E2/E1)が、下表7-12に示されている。また、得られた破断点伸びが、EB(%)として、下表7-12に示されている。
実施例1-15及び比較例1-15のゴム組成物を用いて、それぞれ、厚さ2mm、直径60mmの円盤状の試験片を準備した。JIS K7126-1「プラスチック-フィルム及びシート-ガス透過度試験方法-第1部:差圧法」に準じて、各試験片の厚さ方向の窒素ガス透過係数(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)を測定した。測定には、GTRテック社製のガス透過試験機「GTR-30ANI」を使用した。測定条件は、サンプル温度40℃、測定セルの透過断面積15.2cm2、差圧0.2MPaとした。測定はすべて23±0.5℃の室内でおこなった。得られた窒素ガス透過係数が、G(×10-9)として下表7-12に示されている。
実施例1-15及び比較例1-15のゴム組成物をそれぞれモールドに投入して、160℃で2分間、プレス加硫することにより、厚さ2mm、幅4mm、長さ30mmの試験片を各3枚作製した。各試験片を23℃の温度下で2週間保管した後、「ASTM-D 2240-68」の規定に準拠して、それぞれ3枚に重ね合わせた試験片に、タイプAデュロメータを装着した自動硬度計(前述の「デジテストII」)を押し付けることにより硬度を測定した。得られたショアA硬度がHaとして下表7-12に示されている。
実施例1のゴム組成物を、モールドに投入して、150℃で4分間加熱することにより、2枚のハーフシェル(厚さ3.2±0.4mm)を形成した。1枚のハーフシェルに塩化アンモニウム、亜硝酸ナトリウム及び水を投入した後、他のハーフシェルと接着し、150℃で4分間加熱することにより、球状のコアを形成した。このコアの表面に、その断面にシーム糊を付着させたフェルト部2枚を貼り合わせることにより、テニスボール(直径65±1mm)を得た。コアの内圧は、180kPaであった。同様にして、実施例2-15及び比較例1-15のゴム組成物からなるコアをそれぞれ備えたテニスボールを製造した。
製造後、大気圧下、気温20±2℃、相対湿度60%の環境下に24時間保存したテニスボールを、50名のプレーヤーにテニスラケットで打撃させ、その打球感を聞き取った。「打球感が良い」と回答したプレーヤーの数に基づき、以下の格付けをおこなった。この結果が、下表6-10に示されている。
A:40人以上
B:30-39人
C:20-29人
D:19人以下
製造後、大気圧下、気温20±2℃、相対湿度60%の環境下で24時間保存したテニスボールのDF値(フォワードデフォメーション値)を、国際テニス連盟の規定に準拠して測定した。具体的には、テニスボールの中心を通って互いに直交する3つの方向(X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向)から、各3回、1インチ圧縮することにより、コンディショニングをおこなって残留応力を除去した。その後、テニスボールに80.07N荷重をかけたときの変形量(mm)をDF値として測定した。測定時の温度は、25℃であった。X軸、Y軸及びZ軸の3方向から荷重したときの変形量をそれぞれ測定して、その平均値を算出した。その後、同じテニスボールをハンマリング試験機で30回打撃した後、再度、DF値の測定を行なった。
A:5.0%未満
B:5.0%以上15.0%未満
C:15.0%以上25.0%未満
D:25.0%以上
製造後、大気圧下、気温20±2℃、相対湿度60%の環境下で24時間保存したテニスボールと、同条件で、3ヶ月間保存したテニスボールとについて、それぞれ、その内圧(大気圧との差)を測定した。3ヶ月保存後のテニスボールの内圧の、24時間保存後のテニスボールの内圧に対する比率(内圧低下率(%))を算出し、以下の判定基準により耐久性(内圧の低下しにくさ)を評価した。この評価結果が、耐久性2として下表7-12に示されている。
A:15%未満
B:15%以上20%未満
C:20%以上25%未満
D:25%以上
4・・・コア
6・・・フェルト部
8・・・シーム部
Claims (12)
- 基材ゴムと、高扁平充填剤とを含むゴム組成物であって、
上記高扁平充填剤の平均粒子径D50が1μm以上50μm以下であり、この平均粒子径D50を、その平均厚さTで除すことにより求められる扁平度DLが40以上200以下であり、
上記基材ゴム100質量部に対する上記高扁平充填剤の量が、5質量部以上100質量部以下であり、
上記ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムの、JIS K6251に準拠して温度23±1℃で測定される引張歪み10%から30%の領域における引張弾性率がE1とされ、引張歪み70%から100%の領域における引張弾性率がE2とされるとき、比(E2/E1)が0.60以上1.00未満であるテニスボール用ゴム組成物。 - 上記高扁平充填剤に該当しない充填剤をさらに含み、
上記高扁平充填剤及び上記高扁平充填剤に該当しない充填剤の合計量が、上記基材ゴム100質量部に対して、20質量部以上150質量部以下である請求項1に記載のゴム組成物。 - 上記高扁平充填剤に該当しない充填剤の平均粒子径D50が0.01μm以上50μm以下である請求項2に記載のゴム組成物。
- 上記高扁平充填剤と上記高扁平充填剤に該当しない充填剤との合計量に対する上記高扁平充填剤の割合が、30質量%以上である請求項2又は3に記載のゴム組成物。
- 上記高扁平充填剤に該当しない充填剤が、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クレー、タルク、炭酸マグネシウム、マイカ、水酸化マグネシウム、珪藻土、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化ビスマスからなる群から選択される請求項2から4のいずれかに記載のゴム組成物。
- 上記高扁平充填剤が、タルク、グラファイト及びグラフェンからなる群から選択される請求項1から5のいずれかに記載のゴム組成物。
- 上記基材ゴムが、ブタジエンゴム及び天然ゴムを含んでおり、この基材ゴム中のブタジエンゴムの配合量Bの天然ゴムの配合量Nに対する質量比B/Nが、1.4以下である請求項1から6のいずれかに記載のゴム組成物。
- その40℃における窒素ガス透過係数Gが、1.5×10-9(cm3・cm/cm2/sec/cmHg)以下である請求項1から7のいずれかに記載のゴム組成物。
- 硫黄含有量が0.01質量%以上10質量%以下である請求項1から8のいずれかに記載のゴム組成物。
- ショアA硬度Haが20以上88以下である請求項1から9のいずれかに記載のゴム組成物。
- JIS K6251に準拠して得られる破断点伸びEB(%)と、上記硬度Haとの積EB×Haが、1,000以上100,000以下である請求項10に記載のゴム組成物。
- 請求項1から11のいずれかに記載のゴム組成物を用いて得られるコアを備えたテニスボール。
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