JP2004016532A - テニスボール - Google Patents

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Koichi Fujisawa
藤澤 光一
Kazuhisa Fushihara
伏原 和久
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Abstract

【課題】コア2からのガスの漏出が少なく、しかも破損しにくいテニスボール1の提供。
【解決手段】テニスボール1は、コア2と、フェルト部3と、シーム部4とを備えている。コア2は、中空の球体である。コア2は、ゴム組成物が架橋されることによって形成されている。ゴム組成物は、基材ゴムとゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体に由来する複合体とが混練されることで得られる。この三元共重合体は、ゴム成分、ポリオレフィン成分及びナイロン成分のグラフト重合によって得られる。この複合体では、ゴム成分とポリオレフィン成分とからなるマトリクス中に微細なナイロン繊維が分散している。複合体の配合量は、ゴム100質量部に対して20質量部以上60質量部以下である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬式テニスに用いられるテニスボールに関する。詳細には、本発明は、テニスボールのコアの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テニスボールは、ゴム製で中空のコアと、このコアを被覆する2枚のフェルト部(「メルトン」とも称される)とを備えている。コアには、圧縮ガスが充填されている。圧縮ガスによってコアの内圧が高められており、これによってテニスボールに適度な反発性能と好ましい打球感とが付与されている。通常コアの内圧と大気圧との差は、60KPaから120KPa程度である。
【0003】
このテニスボールは、容器(金属製缶又はPETボトル)に収納されて工場から出荷され、流通する。容器の内圧は大気圧よりも高められており、これによってコアからのガスの漏出が抑制される。
【0004】
プレーヤーが容器を開封すると、テニスボールは大気圧下に曝される。大気圧下ではコアからガスが徐々に漏出し、コアの内圧が大気圧に近づく。開封から長時間が経過したテニスボールは、反発性能が低いのでテニスのプレーに適さない。使用頻度が少なく、外観上は新品と比べて遜色ない場合であっても、開封から長時間が経過したテニスボールは廃棄される必要がある。
【0005】
ガスの漏出が抑制されたテニスボールが、種々提案されている(特開昭61−143455号公報及び特表平7−508907号公報を参照のこと)。しかしながら、これらのテニスボールにおいても、ガス漏出の抑制は未だ十分ではない。
【0006】
コアの内圧が大気圧とほぼ同等とされたテニスボールも市販されている。このテニスボールは、「プレッシャーレスボール」と称されている。プレッシャーレスボールではガスの漏出がほとんど無いので、反発性能の低下が抑制される。しかしながら、プレッシャーレスボールは打球感に劣る。公式試合では、プレッシャーレスボールは使用されていない。
【0007】
テニスボールがラケット及び地面と繰り返し衝突することにより、コアが破損することがある。特開平10−323408号公報には、ポリアミド短繊維の配合によって耐久性が高められたコアが開示されている。しかし、このコアの耐久性は未だ十分ではない。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、コアからのガスの漏出が少なく、しかも破損しにくいテニスボールの提供をその目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るテニスボールは、ゴム組成物が架橋されてなる中空のコアと、このコアを被覆するフェルト部とを備えている。このゴム組成物は、ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体に由来しかつナイロン短繊維を含有する複合体を含んでいる。この複合体の配合量は、ゴム100質量部に対して20質量部以上60質量部以下である。
【0010】
このゴム組成物は、基材ゴムと複合体とが混練されることで得られる。複合体に含まれるナイロン繊維は、補強効果を奏する。ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体に由来するナイロン繊維は、単体で基材ゴムに添加される補強繊維に比べてマトリクスとの結合力が強く、マトリクスへの分散も均一である。このテニスボールでは、コアからのガスの漏出を複合体が抑制する。このテニスボールでは、容器が開封された後も内圧が低下しにくい。ガス漏出が抑制される理由は詳細には不明であるが、複合体に含まれるナイロン繊維がガス通過を妨げるためと推測される。このテニスボールでは、複合体によってコアの強度が高められる。このテニスボールは破損しにくい。
【0011】
内圧低下の抑制と強度との観点から、ゴム組成物におけるナイロン繊維の量はゴム100質量部に対して7質量部以上20質量部以下が好ましい。好ましくは、ナイロン繊維の平均繊維直径は0.05μm以上1.0μm以下である。好ましくは、ナイロン繊維の平均繊維長さは1μm以上1000μm以下である。
【0012】
好ましくは、ゴム組成物の主成分は天然ゴムであり、ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体におけるゴム成分も天然ゴムである。このテニスボールでは、ナイロン繊維とマトリクスとの結合力がさらに高い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るテニスボール1が示された一部切り欠き断面図である。このテニスボール1は、コア2と、フェルト部3と、シーム部4とを備えている。コア2は、中空の球体である。コア2の厚みは、通常3mmから4mm程度である。フェルト部3は、コア2の表面を被覆している。フェルト部3は、接着剤によってコア2の表面に貼り付けられている。貼り付けられる前のフェルト部3の形状は、ダンベル状である。シーム部4は、フェルト部3同士の間に位置している。
【0015】
コア2は、ゴム組成物が架橋されることによって形成されている。好適な基材ゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリクロロプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体及びアクリルゴムが例示される。これらのゴムの2種以上が併用されてもよい。好ましい基材ゴムは、天然ゴム、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体である。反発性能、強度及びコストの観点から、天然ゴムが特に好ましい。
【0016】
ゴム組成物は、基材ゴムとゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体に由来する複合体とが混練されることで得られる。この三元共重合体は、ゴム成分、ポリオレフィン成分及びナイロン成分のグラフト重合によって得られる。この複合体では、ゴム成分とポリオレフィン成分とからなるマトリクス中に微細なナイロン繊維が分散している。この複合体は、日本レオロジー学会誌Vol.25(1997)に掲載された論文「ゴム・ポリオレフィン・ナイロン三元グラフト共重合体より調整されたミクロ分散系極細繊維強化複合体の開発(New Type Fine Fiber Reinforced Rubber Composites Prepared from Rubber/polyolefin/Nylon Graft Copolymer)」に開示されている。
【0017】
基材ゴムと複合体とが混練される場合、その混練温度は、ポリオレフィン成分の軟化点よりも高温であってナイロン成分の軟化点よりも低温に設定される。混練により基材ゴムとポリオレフィン成分との相転移が生じ、ポリオレフィン成分が基材ゴム中に分散する。このゴム組成物が架橋されることで、マトリクス中に分散した微細なナイロン繊維で補強されたコア2が得られる。ナイロン繊維の補強効果によりコア2の強度が向上する。このコア2は、繰り返しの打撃によっても破損しにくい。ナイロン繊維は微細でしかも均一に分散しているので、このナイロン繊維はコア2からのガスの漏出防止に寄与する。このテニスボール1では、長期間にわたって内圧が維持される。
【0018】
基材ゴムと複合体との混練温度は、ポリオレフィン成分の軟化点よりも5℃以上、特には20℃以上高温であることが好ましい。また、混練温度は、ナイロン成分の軟化点よりも5℃以上、特には20℃以上低温であることが好ましい。混練温度制御の容易の観点から、ポリオレフィン成分の軟化点とナイロン成分の軟化点とが10℃以上、特には40℃以上異なるゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体が用いられるのが好ましい。本明細書において「軟化点」とは、「JIS K 6924−2」の規定に準拠して測定されたビカート軟化温度を意味する。
【0019】
この複合体の製造では、まずゴム、ポリオレフィン及び反応剤が密閉型混練機で混練され、反応生成物が得られる。この反応生成物では、ポリオレフィンがマトリクスを形成し、ゴムがドメインを形成する。次に、この反応生成物、ナイロン及び反応剤が二軸押出機によって混練され、ゴム成分、ポリオレフィン成分及びナイロン成分を含む三元共重合体が得られる。この三元共重合体では、ゴム成分及びポリオレフィン成分からなるマトリクス中にナイロン粒子が分散している。ナイロン粒子の径は、通常は2μmから3μmである。次に、三元共重合体が、ドラフトがかけられつつ二軸押出機のノズルから押し出され、ストランドが得られる(紡糸工程)。この紡糸工程によりナイロン粒子が延伸され、繊維状となる。こうして、複合体が得られる。
【0020】
複合体の配合量は、ゴム100質量部に対して20質量部以上60質量部以下である。本明細書において配合量の基準とされるゴムの量は、基材ゴムの量と複合体に含まれるゴム成分の量との合計である。配合量が上記範囲未満であると、コア2のガス漏出防止性能及び強度が不十分となることがある。この観点から、配合量は23質量部以上がより好ましく、25質量部以上が特に好ましい。配合量が上記範囲を超えると、テニスボール1の打球感が不十分となることがある。この観点から、配合量は55質量部以下がより好ましく、40質量部以下が特に好ましい。
【0021】
ゴム組成物におけるナイロン繊維の量は、ゴム100質量部に対して7質量部以上20質量部以下が好ましい。ナイロン繊維の量が上記範囲未満であると、コア2のガス漏出防止性能及び強度が不十分となることがある。この観点から、ナイロン繊維の量は10質量部以上がより好ましく、12質量部以上が特に好ましい。ナイロン繊維の量が上記範囲を超えると、テニスボール1の打球感が不十分となることがある。この観点から、ナイロン繊維の量は18質量部以下がより好ましく、16質量部以下が特に好ましい。
【0022】
分散性及び補強効果の観点から、平均繊維直径が0.05μm以上1.0μm以下、特には0.10μm以上0.8μm以下であり、平均繊維長さが1μm以上1000μm以下、特には50μm以上500μm以下であるナイロン繊維が好ましい。ナイロン繊維のアスペクト比は、10以上200以下、特には50以上200以下が好ましい。
【0023】
ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体の好ましいゴム成分としては、天然ゴム成分、ポリイソプレン成分、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体成分、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体成分及び水添アクリロニトリル−ブタジエン共重合体成分が挙げられる。2種以上のゴム成分が併用されてもよい。これらのゴム成分は、ナイロンとの混練時及び紡糸時にゲル化しにくい。基材ゴムが天然ゴムの場合は、混練性及び分散性の観点から、天然ゴム成分を含む三元共重合体が好ましい。
【0024】
ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体の好ましいポリオレフィン成分としては、低密度ポリエチレン成分、高密度ポリエチレン成分及びポリプロピレン成分が挙げられる。2種以上のポリオレフィン成分が併用されてもよい。これらのポリオレフィン成分は結晶性を備えている。このオレフィン成分に由来する結晶ラメラのアンカー効果により、ナイロン繊維とマトリクスとの結合が強化されると推測される。テニスボール1の打球感及び反発性能の観点から、低密度ポリエチレン成分が特に好ましい。
【0025】
ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体の好ましいナイロン成分としては、ナイロン−6成分及びナイロン−66成分が挙げられる。両者が併用されてもよい。これらのナイロン成分が用いられることにより、ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体が簡便かつ低コストで得られうる。
【0026】
ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体におけるポリオレフィン成分の量は、ゴム成分100質量部に対して20質量部以上130質量部以下が好ましい。ポリオレフィン成分の量が上記範囲未満であると、ポリオレフィンの微結晶によるアンカー効果が薄れ、コア2の強度が不十分となることがある。この観点から、ポリオレフィン成分の量は35質量部以上が特に好ましい。ポリオレフィン成分の量が上記範囲を超えると、基材ゴムへのナイロン繊維の分散性が不十分となることがある。この観点から、ポリオレフィン成分の量は110質量部以下が特に好ましい。
【0027】
ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体におけるナイロン成分の量は、ゴム成分100質量部に対して50質量部以上150質量部以下が好ましい。ナイロン成分の量が上記範囲未満であると、コア2のガス漏出防止性能及び強度が不十分となることがある。この観点から、ナイロン成分の量は60質量部以上が特に好ましい。ナイロン成分の量が上記範囲を超えると、テニスボール1の打球感が不十分となることがある。この観点から、ナイロン成分の量は120質量部以下が特に好ましい。
【0028】
好ましいゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体の具体例としては、大和ポリマー株式会社から市販されている商品名「SHP」シリーズが挙げられる。「SHP」シリーズのグレードとしては、下記の表1に示されるものが例示される。
【0029】
【表1】
Figure 2004016532
【0030】
ゴム組成物の架橋形態は特には制限されないが、通常は硫黄架橋が採用される。硫黄の配合量は、ゴム100質量部に対して0.5質量部以上5.0質量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、コア2の強度が不十分となることがある。この観点から、配合量は1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上が特に好ましい。配合量が上記範囲を超えると、テニスボール1の打球感が損なわれることがある。この観点から、配合量は4.0質量部以下がより好ましく、3.5質量部以下が特に好ましい。
【0031】
強度向上、比重調整等の目的で、ゴム組成物に充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ及びカーボンブラックが例示される。
【0032】
ゴム組成物には、必要に応じ、加硫促進剤、架橋助剤、軟化剤、補強剤、老化防止剤、着色剤、加工助剤等が配合されてもよい。
【0033】
テニスボール1の製造では、まずゴム組成物から半球状のハーフシェルが成形される。次に、2つのハーフシェルが貼り合わされることで、コア2が得られる。貼り合わせ前には、コア2に塩化アンモニウムのタブレット、亜硝酸ナトリウムのタブレット及び水が投入される。コア2の架橋時にはこれらタブレット及び水が加熱され、塩化アンモニウムと亜硝酸ナトリウムとが化学反応を起こす。化学反応によって窒素ガスが発生する。この窒素ガスによってコア2の内圧が高められる。もちろん、他の手段によって内圧が高められてもよい。新品段階でのコア2の内圧と大気圧との差は、通常は60KPa以上120KPa以下である。新品段階の内圧とは、加圧された容器に収納されて通常の流通経路で販売され、容器が開封された直後のテニスボール1の内圧を意味する。このコア2に接着剤によってフェルト部3が貼り合わされ、テニスボール1が得られる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0035】
[実施例1]
天然ゴム90質量部、ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体に由来する複合体(前述の商品名「SHP LA1060」)25質量部、酸化亜鉛10質量部、クレー40質量部、炭酸マグネシウム30質量部、シリカ4質量部、ステアリン酸1質量部、加硫促進剤としてのN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーCZ」)2質量部、他の加硫促進剤としての1,3−ジフェニルグアニジン(大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーD」)2質量部、及び硫黄2.5質量部を密閉式混練機で混練し、ゴム組成物を得た。複合体には38質量%の天然ゴムが含まれているので、このゴム組成物のゴムの量は100質量部である。複合体には33質量%のナイロン繊維が含まれているので、このゴム組成物は8質量部のナイロン繊維を含んでいる。
【0036】
次に、このゴム組成物をプラグ状に予備成形し、この予備成形体を150℃の成形型に投入して4分間加熱し、ハーフシェルを成形した。次に、このハーフシェルの合わせ面に接着剤を塗布した。次に、このハーフシェルに、0.2gの塩化アンモニウムタブレットと0.3gの亜硝酸ナトリウムタブレットと1.5gの水とを投入した。次に、このハーフシェルに他のハーフシェルを貼り合わせて球状とし、これらハーフシェルを150℃の成形型に投入し、4分間加熱してコアを得た。このコアに、側面にゴム糊を付着させたダンベル状のフェルト部2枚を接着剤で貼り合わせ、135℃の成形型に投入して14分間加熱し、実施例1のテニスボールを得た。
【0037】
[実施例2及び3並びに比較例2及び3]
天然ゴム、複合体及び硫黄の配合量を下記の表1に示されるようにした他は実施例1と同様にして、実施例2及び3並びに比較例2及び3のテニスボールを得た。
【0038】
[比較例1]
複合体を配合せず、天然ゴム及び硫黄の配合量を下記の表1に示されるようにした他は実施例1と同様にして、比較例1のテニスボールを得た。
【0039】
[比較例4]
天然ゴム及び硫黄の配合量を下記の表1に示される通りとし、複合体に代えて天然ゴムとポリアミド繊維とが100:50の質量比で混合された混合物(宇部興産社の商品名「UBEPOL−HE0100」)27質量部を配合した他は実施例1と同様にして、比較例4のテニスボールを得た。
【0040】
[フォワードデフォメーションの測定]
テニスボールを互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸のそれぞれの方向に2.54cm圧縮する予備圧縮を行った。この予備圧縮を3回繰り返した後2時間以内に、気温が20℃であり相対湿度が60%である環境下で、スチーブンスコンプレッションテスターにてフォワードデフォメーションを測定した。具体的には、テニスボールに15.57Nの初期荷重をかけた時点を出発点とし、80.07Nの終荷重をかけた時点を最終点として、出発点と最終点との間のテニスボールの変形量(mm)を測定した。測定は、X軸、Y軸及びZ軸の方向にテニスボールを変形させて行い、この平均値をフォワードデフォメーションの値とした。この結果が、下記の表2に示されている。
【0041】
[リターンデフォメーションの測定]
上記フォワードデフォメーションの測定における最終点からさらに荷重をかけて変形量を2.54cmとした時点を出発点とし、80.07Nの荷重となるまで復元させた時点を最終点として、出発点と最終点との間のテニスボールの復元変形量(mm)を測定した。測定は、X軸、Y軸及びZ軸の3方向にテニスボールを変形させて行い、この平均値をリターンデフォメーションの値とした。この結果が、下記の表2に示されている。
【0042】
[バウンド高さの測定]
テニスボールをX軸、Y軸及びZ軸(互いに直交する3本の軸)方向に2.54cmずつ圧縮する予備圧縮を行った。この予備圧縮を3回繰り返した後2時間以内に、気温が20℃であり相対湿度が60%である環境下で、テニスボールを254cmの高さからコンクリート製基板の表面に自由落下させた。そして、跳ね上がった高さ(cm)を測定した。この高さは、テニスボール最高点におけるテニスボールの最下部分から基板表面までの距離である。測定を4回行い、平均値を算出した。この結果が、下記の表2に示されている。
【0043】
[内圧の測定]
気温が20℃であり相対湿度が60%であり気圧が大気圧である環境下に、製造直後のテニスボールを24時間保持して、その内圧(大気圧との差)を測定した。このテニスボールを上記環境下にさらに2ヶ月間保持し、その内圧を測定した。10個の測定結果の平均値が、下記の表2に示されている。
【0044】
[耐久性の評価]
エアーガンにてテニスボールを発射し、25m/sの速度で金属板に衝突させた。この衝突をテニスボールが破損するまで繰り返し、破損までの衝突数を測定した。この結果が、比較例1の衝突回数が100とされたときの指数として、下記の表2に示されている。
【0045】
[打球感の評価]
テニスボールを50名の上級プレーヤーにテニスラケットで打撃させ、打球感を評価させた。打球感がよいと回答したプレーヤーが40名以上のものを「◎」とし、25名以上39名以下のものを「○」とし、24名以下のものを「×」とした。この結果が、下記の表2に示されている。
【0046】
【表2】
Figure 2004016532
【0047】
表1において、比較例1、2及び4のテニスボールでは、内圧の低下が大きい。しかも、比較例1、2及び4のテニスボールは耐久性に劣っている。一方、比較例3のテニスボールは、打球感が劣っている。これに対し、各実施例のテニスボールは、内圧維持性能及び打球感の両方に優れている。この評価結果より、本発明の優位性は明らかである。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のテニスボールではコアからのガスの漏出が少ない。このテニスボールは、繰り返しの打撃によっても破損しにくい。このテニスボールは長持ちするので、経済性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るテニスボールが示された一部切り欠き断面図である。
【符号の説明】
1・・・テニスボール
2・・・コア
3・・・フェルト部
4・・・シーム部

Claims (4)

  1. ゴム組成物が架橋されてなる中空のコアと、このコアを被覆するフェルト部とを備えており、
    このゴム組成物が、ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体に由来しかつナイロン短繊維を含有する複合体を含んでおり、
    この複合体の配合量がゴム100質量部に対して20質量部以上60質量部以下であるテニスボール。
  2. 上記ゴム組成物におけるナイロン繊維の量がゴム100質量部に対して7質量部以上20質量部以下である請求項1に記載のテニスボール。
  3. 上記ナイロン繊維の平均繊維直径が0.05μm以上1.0μm以下であり、平均繊維長さが1μm以上1000μm以下である請求項1又は請求項2に記載のテニスボール。
  4. 上記ゴム組成物の基材ゴムが天然ゴムであり、ゴム−ポリオレフィン−ナイロン三元共重合体におけるゴム成分が天然ゴムである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のテニスボール。
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