JP2003175128A - ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
撃時のフィーリングなどの諸特性を犠牲にすることな
く、耐摩耗性及び耐擦過傷性に優れたゴルフボールを提
供する。 【解決手段】 コアと、該コアを被覆するカバーからな
るゴルフボールにおいて、前記カバーはオレフィン系樹
脂に、ゴム成分とポリオレフィン成分さらにナイロン成
分よりなる三元複合体を混合した組成物で構成され、前
記オレフィン系樹脂は、オレフィン系熱可塑性樹脂、ア
イオノマー樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマーま
たはそれらの変性体であり、前記三元複合体はオレフィ
ン系樹脂100質量部に対し、1〜50質量部混合され
る。
Description
能、耐カット性および打撃時のフィーリングなどの諸特
性を犠牲にすることなく、耐摩耗性及び耐擦過傷性を改
善したゴルフボールに関する。
し、これにバラタカバーを被覆したゴルフボールは打球
感、コントロール性に優れていることから上級ゴルファ
ーおよびプロゴルファーに広く使用されていた。しかし
係るゴルフボールの構造は製造工程が複雑であること
や、耐カット性、耐摩耗性及び耐擦過傷性に劣ることか
ら、これらの諸特性が総合的に優れた種々のゴルフボー
ルの開発が進められている。
性および打撃時の感触を改善するため、長さ0.1mm
以上の炭素繊維、炭化ケイ素繊維、またはボロン繊維な
どを少なくとも5wt%含むゴムまたは樹脂よりなる直
径36.0〜38mmのソリッドコアを有するゴルフボ
ールが提案されている。
特性、スピン性能および耐カットを改善するため、トラ
ンスポリイソプレンを主成分とするカバー材に、アミド
基を有する微細繊維を配合したゴルフボール用カバー組
成物が提案されている。
ディンプル方式のゴルフボールの性能、すなわち飛距離
を最大限に引き出すカバー材料として、トランスポリイ
ソプレンを主成分とするカバー材100質量部に、トラ
ンスポリブタジエン5〜42質量部、アミド基を有する
微細繊維1〜15質量部および天然ゴム5〜30質量部
を配合したゴルフボール用カバー組成物が提案されてい
る。
ルの飛距離を改善するために、トランス−1,4−ポリ
イソプレンベースのカバー材中に無機単結晶繊維を配合
したカバー材を用いた糸巻きゴルフボールが提案されて
いる。
質を含有する固形ゴムセンターと軟質カバー材を用いる
ことにより、打球感を改善するとともにショートアイア
ンでのスピン量を増大させることが開示されている。こ
の技術では固形ゴムセンターの外側に耐油性ゴムや高い
硬度のアイオノマー樹脂を用いているため、反発性能お
よび打球感になお改善の余地がある。
塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを主材とし繊維状
ホウ酸アルミニウムウイスカーを配合し、反発性、耐久
性および耐カット性の改善を意図した技術が提案されて
いる。しかしかかる技術は、上記ウイスカーの配合によ
りカバー材の反発性能を低下することとなる。
ーの基材樹脂が、アイオノマー樹脂とエポキシ基を含有
するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体、またはエポキシ基を
含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体との2成分の加熱
混合物を主成分として構成され、カバーを構成する組成
物の曲げ剛性率が50〜300MPaで、かつショアD
硬度は40〜60であることを特徴とするゴルフボール
が提案されている。かかる技術は打球感、スピン性能、
飛行性能の改善を意図したものであるが耐カット性は改
善の余地がある。
久性を向上させるため、アイオノマー樹脂を主材とする
樹脂材料にホウ酸アルミニウムウイスカーを配合した樹
脂組成物よりなるゴルフボール用カバー組成物が提案さ
れている。
なフィーリングと耐久性さらに反発性を改善するため、
カバー材として、エチレン−不飽和カルボン酸系共重合
体に、表面にエポキシ基またはカルボキシル基または酸
無水物基を有するゴム状ポリマーのコア(a)とガラス
状ポリマーのシェル(b)からなるコアシェルポリマー
を配合した組成物が提案されている。
5(1997)には、プラスチック分野の用途として、
ゴム・ポリオレフィン・ナイロン三元グラフト共重合体
より調整されたミクロ分散系極細繊維強化複合体の開発
が報告されている。
能、耐カット性、フィーリング、更に耐摩耗性および耐
擦過傷性を総合的に改善することはできない。
フボールの課題であった、反発性能等の諸特性とともに
耐擦過傷性および耐摩耗性に優れたゴルフボールに関す
る。
を被覆するカバーからなるゴルフボールにおいて、前記
カバーはオレフィン系樹脂に、ゴム成分とポリオレフィ
ン成分さらにナイロン成分よりなる三元複合体を混合し
た組成物であることを特徴とするゴルフボールである。
前記オレフィン系樹脂として、オレフィン系熱可塑性樹
脂、アイオノマー樹脂、オレフィン系熱可塑性エラスト
マーまたはそれらの変性体のポリマー基材が使用され
る。
0質量部に前記三元複合体を1〜50質量部混合した組
成物であることが好ましい。そしてカバーのショアーD
硬度は、好ましくは40〜56である。
該コアを被覆するカバーより構成される。そして該カバ
ーはポリマー成分としてオレフィン系樹脂に、ゴム成分
とポリオレフィン成分さらにナイロン成分よりなる三元
複合体を混合した組成物であることを特徴とする。
物に使用されるオレフィン系樹脂は、最も広義に解釈さ
れるものとしオレフィンを重合単位として含むポリマー
である。例えば、オレフィン系熱可塑性樹脂、アイオノ
マー樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマーまたはそ
れらの変性体である。
フィン系熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂及び
メタクリル樹脂等が使用できる。
脂としては、たとえばα−オレフィンと炭素数3〜8の
α,β−不飽和カルボン酸との共重合体であってそのカ
ルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和して
得られる二元共重合体がある。またα−オレフィンと炭
素数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数2〜2
2のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合
体で、そのカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオ
ンで中和して得られるものが挙げられる。
マー樹脂のベースポリマーがα−オレフィンと炭素数3
〜8のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の場
合、α−オレフィンが80〜90重量%で、α,β−不
飽和カルボン酸が10〜20重量%であることが好まし
い。ベースポリマーがα−オレフィンと炭素数3〜8の
α,β−不飽和カルボン酸と炭素数2〜22のα,β−
不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の場合、α
−オレフィンが70〜85重量%で、α,β−不飽和カ
ルボン酸が5〜30重量%、α,β−不飽和カルボン酸
エステルが25重量%以下であることが好ましい。また
これらのアイオノマー樹脂はメルトインデックス(M
I)が0.1〜20、特に0.5〜15であることが好
ましい。カルボン酸含量またはカルボン酸エステル含量
を上記範囲とすることにより反発性を高めることができ
る。
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどが
用いられ、特にエチレンが好ましい。炭素数3〜8の
α,β−不飽和カルボン酸としては、たとえばアクリル
酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸
などか用いられ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ま
しい。また、不飽和カルボン酸エステルとしては、アク
リル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのメ
チル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエス
テルなどが用いられ、特にアクリル酸エステル、メタク
リル酸エステルが好ましい。
ボン酸との共重合体またはα−オレフィンとα,β−不
飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルと
の三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を
中和する金属イオンとしては、ナトリウムイオン、リチ
ウムイオン、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カリウ
ムイオンなどがある。
アクリル酸またはメタクリル酸との共重合体中のカルボ
キシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの
である場合は、そのメルトインデックスが3〜7で、曲
げ剛性率が200〜400MPaのいわゆる高剛性でか
つハイフロータイプのものであることが好ましい。
例示すると、三井デュポンケミカル(株)から市販され
ている二元共重合体のアイオノマー樹脂としてハイミラ
ン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハ
イミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Z
n)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7
318(Na)、ハイミランAM7315(Zn)、ハ
イミランAM7317(Zn)、ハイミランAM731
1(Mg)、ハイミランMK7320(K)があり、ま
た三元共重合体のアイオノマー樹脂として、ハイミラン
1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)、ハイ
ミランAM7316(Zn)などがある。
オノマー樹脂としては、サーリン8945(Na)、サ
ーリン8940(Na)、サーリン9910(Zn)、
サーリン9945(Zn)、サーリン7930(L
i)、サーリン7940(Li)、三元共重合体系アイ
オノマー樹脂として、サーリンAD8265(Na)、
サーリンAD8269(Na)などがある。
ー樹脂としては、アイオテック7010(Zn)、アイ
オテック8000(Na)などがある。なお、上記商品
名の後の括弧内に記載したNa、Zn、K、Li、Mg
などは、これらの中和金属イオン種を示している。ま
た、本発明において、カバーの組成物に用いられるアイ
オノマー樹脂は、上記例示のものを2種以上混合しても
よいし、上記例示の1価の金属イオンで中和したアイオ
ノマー樹脂と2価の金属イオンで中和したアイオノマー
樹脂を2種以上混合して用いてもよい。
発明でオレフィン系熱可塑性エラストマーとは、分子鎖
中にオレフィン単位を含むもので、いわゆるスチレン系
熱可塑性エラストマーを含む概念であり、分子内にソフ
トセグメントとハードセグメントを有するブロック共重
合体を含む。ソフトセグメントとして共役ジエン化合物
から得られる、ブタジエンブロックあるいはイソプレン
ブロック等の単位である。ここで共役ジエン化合物とし
ては、たとえばブタジエン、イソプレン、1,3−ペン
タジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の
中から1種または2種以上が選択でき、中でもブタジエ
ン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。ハー
ドセグメントを構成する成分としては、エチレン、プロ
ピレン、スチレンおよびその誘導体、たとえばα−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン
等の中から1種または2種以上が選択された化合物から
得られるポリエチレンブロック、ポリプロピレンブロッ
クまたはスチレンブロック等である。
は、たとえばスチレン−イソプレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体(SIBS構造)、スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体(SBS構造)、
そのブタジエンの二重結合部分を水素添加したスチレン
−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(S
EBS構造)、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SIS構造)、そのイソプレン二重結合部
分を水素添加したスチレン−エチレン−プロピレン−ス
チレンブロック共重合体(SEPS構造)、スチレン−
エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体
(SEEPS構造)およびそれらを変性したもの等が挙
げられる。
BS構造、SIS構造、SEPS構造、SEEPS構造
におけるスチレン(またはその誘導体)の含量は共重合
体中10〜50重量%、特に15〜45重量%の範囲が
好ましい。10重量%より少ない場合、カバーは軟らか
くなり耐カット性は低下する傾向にあり、一方50重量
%より多い場合は、打球感およびコントロール性が充分
維持できない。
造、SEBS構造、SIS構造、SEPS構造、SEE
PS構造の共重合体の一部にエポキシ基、水酸基、酸無
水物、カルボキシル基から選択される官能基で変性され
た変性体を使用できる。
エンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(SBS構造)とは、両末端にポリス
チレンを持つブロック共重合体で、その中間層がエポキ
シ基を含有するポリブタジエンであり、そのポリブタジ
エン部分の二重結合の一部または全部に水素添加したも
のであってもよく、また、エポキシ基を含有するポリイ
ソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体(SIS構造)とは、両末端にポ
リスチレンを持つブロック共重合体で、その中間層がエ
ポキシ基を含有するポリイソプレンであり、そのポリイ
ソプレン部分の二重結合の一部または全部に水素添加し
たものであってもよい。
ストマーは、エポキシ基当量が200〜3000の範囲
のものが使用できる。かかるエポキシ化された熱可塑性
エラストマーをアイオノマー樹脂等と混合する際、アイ
オノマー樹脂の遊離のカルボキシル基と反応が生じ、カ
バー組成物の強度は高くなり、耐カット性が一層改善さ
れる。エポキシ等量が200未満の場合、上記耐カット
性の効果は少なく、一方、エポキシ基当量が3000よ
り多い場合は、エポキシ基とアイオノマー樹脂中の遊離
のカルボキシル基との反応量が多くなりすぎ、流動性が
悪くなって、ボールの成形が困難になるおそれがある。
水酸基、酸無水物およびカルボキシル基についても前記
ブロック共重合体の分子鎖の中間部分または末端に導入
される。
本発明のカバーのポリマー成分は、二種類以上のオレフ
ィン系樹脂を混合して用いることができる。例えば、オ
レフィン系熱可塑性エラストマーをオレフィン系熱可塑
性樹脂、またはアイオノマー樹脂に混合できる。例え
ば、オレフィン系熱可塑性エラストマーをポリマー成分
100質量部に対して、50質量部以下混合すること
で、スピン性能を高いレベルに維持できる。
をアイオノマー樹脂と混合することにより、カバー組成
物に適度の剛性を付与し良好な打撃感が得られる。特に
アイオノマー樹脂を官能基変性のスチレン系熱塑性エラ
ストマーを混合した場合、アイオノマー樹脂のカルボキ
シル基と上記変性官能基等との反応または相互作用によ
ってカバー組成物の反発性能を維持しながら耐カット性
を向上できる。ここでアイオノマー樹脂(A成分)とオ
レフィン系熱可塑性エラストマー(B成分)の混合比
(B成分/A成分)は重量比で5/95〜50/50の
範囲が採用できる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ACS樹脂およ
びポリアミド等の汎用樹脂、さらにウレタン系熱可塑性
エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、およ
びアミド系熱可塑性エラストマー等がオレフィン系樹脂
の30質量%以下の範囲で混合できる。
る、三元複合物はゴム成分とポリオレフィン成分さらに
ナイロン成分の三成分から構成され、これらの三成分は
お互いに化学結合したもので、ゴムとポリオレフィンか
らなるマトリックス中に微細なナイロン繊維が均一に分
散した複合材料である。
ン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、NBRの水素添
加物(H−NBR)などで、ナイロンと混練、反応時、
および紡糸時の高温下においてゲル化が起こらないもの
に限定される。特に、エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム(EPDM)が好適である。
エチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンが使用
されるが、特にポリプロピレンが好ましい。
イロン66、ナイロン11、ナイロン12が使用され、
特にナイロン6が好ましい。そしてこれらの組み合わせ
成分比は、ゴルフボールカバー材の要求特性に応じて、
適宜調整し得る。この三元複合体は宇部興産(株)によ
って開発され、三和ポリマー社販売による商品名がSH
Pとして知られており、組成比によって、以下のグレー
ドがある。 PA3060: EPDM/PP/ナイロン6=100/100/100 HA1060: NR/HDPE/ナイロン6=100/75/87 LA1060: NR/LDPE/ナイロン6=100/75/87 LA3080: EPDM/LDPE/ナイロン6=100/40/10
5 LA5060: H−NBR/LDPE/ナイロン6=100/100/
100 Z040NB: NBR/LDPE/ナイロン6=100/75/75 ここで、NRは天然ゴム、HDPEは高密度ポリエチレ
ン、LDPEは低密度ポリエチレン、NBRはアクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、H−NBRは水素添加NB
Rを意味する。そして組成比は質量部で示している。
維の平均径は通常、10μm以下、好ましくは、0.0
5〜1μmの範囲であり、三元複合体のマトリックスで
は、ポリオレフィン成分(例えばHDPE)が連続相を
形成している。
は、通常次の3工程で製造される。 (1) ゴム成分−ポリオレフィン成分の混練・反応工
程。
ナイロンの混練・反応工程。 (3) 紡糸工程。
密閉型混練機に投入して、混練・反応物を得る。ここで
ポリオレフィンが海、ゴムが島の海島構造を形成する。
ついでこの混練り・反応物とナイロンを反応剤とともに
二軸押出機にフィードし、ゴム−ポリオレフィン−ナイ
ロンの三元グラフト重合体、すなわち三元複合体を得
る。グラフト率の調整により、ナイロンは、例えば2〜
3μmの粒子としてゴム−ポリオレフィンマトリックス
の中に均一に分散する。
ズルから押し出し、ドラフトをかけつつ引き取る。この
紡糸工程により押し出し物ストランド中のナイロン粒子
が変形し繊維状に変換する。ナイロン繊維径はドラフト
比に依存するが、生産性を考慮して、通常0.2〜0.
3μmに制御される。これらの工程で、ポリオレフィン
相は海を形成しているため、粘着性は軽減されペレット
化が可能となる。
日本レオロジー学会誌、Vol.25(1997)27
5頁〜282頁の記載に基づき製造し、さらに組成物を
調整することができる。
合>本発明では、三元複合体は、オレフィン系樹脂10
0質量部に対して、1〜50質量部の範囲である。好ま
しくは、5〜40質量部、特に10〜30質量部であ
る。この場合、三元複合体に含まれるナイロン短繊維の
量は、オレフィン系樹脂の補強効果に影響する。三元複
合体の配合量が1質量部未満の場合、ナイロン短繊維に
よる補強効果は少なく、一方50質量部を超えるとカバ
ー組成物の硬度が高くなり、弾性率が低下する。
は、必須ではないが、有機短繊維、例えばナイロン繊
維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等
が使用できる。この場合、反発性能を低下させることな
く、耐カット性を向上することができる。
好ましくは10〜500μmの範囲であり、直径は0.
05〜5μm、好ましくは0.1〜1μmの範囲であ
る。有機短繊維の長さが、上記範囲に満たない場合、曲
げ方向の力に弱く、強度が上がらず、耐カット性が改善
できない。また有機短繊維の直径が上記範囲に満たない
場合、単に充填材として作用するにすぎない。一方、有
機短繊維の長さおよび直径が上記範囲を超えると、カバ
ー材料の粘度が上昇し、成形性を損なう。なお、本発明
において有機短繊維とはパルプ状に細かく裁断した繊維
を含む概念である。
部に対して、0.5〜20質量部の範囲である。0.5
質量部未満の場合、有機短繊維の配合による効果は少な
く、20質量部を超えるとカバー組成物の粘度が高くな
り、成形性に悪くなり、割れやすくなる。なお、短繊維
補強ゴムを用いる場合は、ゴムをポリマー成分に含め
て、有機短繊維の配合量を上記範囲に設定する。
物には、主成分としての上記オレフィン系樹脂の他に必
要に応じて、硫酸バリウム等の充填剤や二酸化チタン等
の着色剤や、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤ならびに蛍光材料または蛍光増白剤等を、ゴルフボ
ールカバーによる所望の特性が損なわれない範囲で配合
してもよい。
は、スラブ試験片で測定したショアD硬度が40〜5
6、好ましくは44〜50を有する。ショアD硬度が4
0未満では軟らかくなりすぎ、耐カット性に劣り、ショ
アD硬度が56を超えると逆に、打球感が硬くなり、さ
らに打撃時のスピン量は小さくなる。ここでショアD硬
度はASTMD−2240に準じて測定する。
ー組成物は、オレフィン系樹脂、すなわちオレフィン系
熱可塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ア
イオノマー樹脂等と前記三元複合体(例えばSHP)を
密閉型混練り機に投入し混練りする。このとき混練り温
度は三元複合体のナイロンの融点よりも低い温度で行な
う必要がある。ナイロンの融点よりも高いと繊維が溶融
し、繊維による補強が失われる。しかし混練温度がポリ
オレフィンの温度よりも低いと三元複合体はゴム中に分
散せずペレットのまま残る。この混練り中にマトリック
ス側において、ポリオレフィンとゴムの相転移がおこ
り、ポリオレフィンはゴム中に微細に分散する。つい
で、その他の配合剤を加えて混合することで、カバー用
組成物が得られる。
アはゴム組成物の架橋物で構成されるが、そのゴム組成
物のゴム成分としては、シス−1,4−構造を有するブ
タジエンゴムを基材とするのが適している。ただし、上
記ブタジエンゴムの他にたとえば天然ゴム、スチレンブ
タジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブ
チルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロ
ピレン−ジエンゴム、アクリルニトリルゴムなどをゴム
成分100質量部に対して40質量部以下でブレンドし
たものであってもよい。
ル酸、メタクリル酸などのα,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸と金属酸化物とをゴム組成物の調製中に反応さ
せてα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩にし
たもの、あるいはアクリル酸亜鉛、メタアクリル酸亜鉛
などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩、
さらに多官能モノマー、N,N′−フェニルビスマレイ
ミド、イオウなどを架橋剤として用いられる。特にα,
β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩が好適に使用
される。
ン酸の金属塩を使用する場合、その配合量はゴム成分1
00質量部に対して20〜40質量部が好ましい。一方
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸と金属酸化物とを
ゴム組成物の調製中に反応させる場合、その配合量は
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を15〜30質量
部と、該α,β−エチレン性不飽和カルボン酸に対して
酸化亜鉛などの金属酸化物を15〜35質量%が好まし
い。
たとえば硫酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、酸化
亜鉛などの無機粉末の1種または2種以上を使用するこ
とができる。これらの充填剤の配合量はゴム成分100
質量部に対して5〜50質量部の範囲が好ましい。ま
た、作業性の改善や硬度調整などの目的で軟化剤や液状
ゴムなどを適宜配合してもよいし、また老化防止剤を適
宜配合してもよい。
ルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの有機
過酸化物が用いられる。これらの架橋開始剤の配合量は
ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部、特に
0.3〜3質量部が好ましい。
重、硬度等の特性の異なった複合層とすることもでき
る。この場合、コアの配合は上記配合の記述に限定され
るものではない。
は、10kgから130kgに荷重を負荷した状態での
圧縮変形量は、好ましくは2.0mm〜5.0mm特に
2.5mm〜4.0mmの範囲である。2.0mm未満
の場合、打撃感が悪くなる傾向にあり、一方、5.0を
超えると反発性に不利となる。
っては、上述の配合剤をロール、ニーダー、バンバリな
どを用いてミキシングし、金型を用いて加圧下で145
℃〜200℃、好ましくは150℃〜175℃で10分
〜40分間加硫してコアを作製する。得られたコアはカ
バーとの密着をよくするため、表面に接着剤を塗布した
りあるいは表面を粗面化することができる。
は36.8〜41.4mm、好ましくは37.8〜4
0.8mmの範囲で設計される。36.8mm未満では
カバー層が厚くなり反発性が低下し、一方41.4mm
を越えると、カバー層が薄くなり成形が困難となる。
をコアーに成形するには公知の方法を用いて行なうこと
ができる。カバー組成物を予め半球殻状のハーフシェル
に形成し、それを2枚用いてコアを包み、130〜17
0℃で1〜5分間加圧成形するか、または上記カバー組
成物を直接コア上に射出成形してコアを包み込む方法を
用いてもよい。カバーの厚さは0.7〜3.0mm、好
ましくは1.0〜2.5mmである。0.7mmより小
さいと繰返し打撃した場合にカバー割れが起こりやすく
なる欠点を有し、3.0mmより大きいと打球感が悪く
なる。さらに、カバー成形時、必要に応じてディンプル
を多数表面上に形成する。本発明のゴルフボールは美観
を高め、商品価値を上げるために、通常ペイント仕上
げ、マーキングスタンプ等を施して市場に投入される。
明のゴルフボールは、コアとして糸巻き芯、単一層、複
数層のソリッドコアが使用され、糸巻きボールあるいは
ソリッドボールのいずれにも採用し得る。
もできるが複数層のカバーとして構成することもでき
る。そして本発明のゴルフボールは、通常ボール直径4
2.67〜43.00mmの範囲でボール重量45.0
0〜45.93gの範囲に設計される。
ら130kgに荷重を負荷した状態での圧縮変形量は、
2.0mm〜4.0mm、好ましくは2.5mm〜3.
5mの範囲である。2.0mm未満の場合、打撃感が悪
くなる傾向にあり、一方、4.0を超えると、打撃時の
感触が柔かくなり、さらに反発性が不利となる。
ゴム組成物を混練し、金型内で170℃で15分間、加
熱成形することにより直径40.0mmの球状ソリッド
コアを作製した。得られたソリッドコアの物性を表1に
示す。
シングし、二軸押し出し機でシリンダー温度180℃で
押し出した。押し出し温度はナイロンの融点以下である
ことが重要である。押出条件は、次の通りである。
された。
ーフシェルを射出成形し、これを2枚用いて上記のコア
を包み、金型内で150℃でプレス熱圧縮成形し、冷却
後、ゴルフボールを取り出した。その後、表面にペイン
トを塗装して、直径42.8mm、重量45.4gを有
するゴルフボールを作製した。
スラブ片のショアD硬度、コア(ゴルフボール)の圧縮
変形量、ゴルフボールの耐摩耗性及び耐擦過傷性を評価
した。
物から作成された厚さ約2mmの熱プレス成形シートを
23℃で2週間保存後、スプリング式硬度計ショアD型
を用いて3枚以上重ねて測定した。
gから終荷重130kgを負荷した時までの変形量(m
m)を測定した。
数)が小さい程、耐摩耗性に優れている。
け、ヘッドスピード36m/sでゴルフボールの2箇所
を各1回打撃し、2箇所打撃部を観察し、3段階で評価
した。
らない。 △: ボール表面に傷が区っきり残り若干毛羽立ちがみ
られる。
1、比較例2のゴルフボールの測定結果を示す。
複合体を配合しないカバー組成物を用いており、耐擦過
傷性及び耐摩耗性はかなり劣っている。
に三元複合体を配合したカバー組成物であり、さらに実
施例4はポリオレフィン系樹脂に三元複合体を配合した
カバー組成物である。いずれのゴルフボールも耐擦過傷
性及び耐摩耗性に優れている。
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
にオレフィン系樹脂と前記三元複合体の混合物を使用し
たため、反発性能等の諸特性を低下することなく耐擦過
傷性及び耐摩耗性を向上することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 コアと、該コアを被覆するカバーからな
るゴルフボールにおいて、前記カバーはオレフィン系樹
脂に、ゴム成分とポリオレフィン成分さらにナイロン成
分よりなる三元複合体を混合した組成物であることを特
徴とするゴルフボール。 - 【請求項2】 オレフィン系樹脂が、オレフィン系熱可
塑性樹脂、アイオノマー樹脂、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマーまたはそれらの変性体である請求項1記載の
ゴルフボール。 - 【請求項3】 カバーはオレフィン系樹脂100質量部
に前記三元複合体を1〜50質量部混合した組成物であ
る請求項1記載のゴルフボール。 - 【請求項4】 カバーのショアーD硬度が40〜56で
あることを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。
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