JP2003126300A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JP2003126300A
JP2003126300A JP2001326422A JP2001326422A JP2003126300A JP 2003126300 A JP2003126300 A JP 2003126300A JP 2001326422 A JP2001326422 A JP 2001326422A JP 2001326422 A JP2001326422 A JP 2001326422A JP 2003126300 A JP2003126300 A JP 2003126300A
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golf ball
mass
rubber
zinc oxide
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JP2001326422A
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Satoshi Mano
聡 真野
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴルフボールのソリッドコアに用いられる
ゴム組成物において、共架橋剤の均一分散性を改善し、
共架橋剤によるゴム分子主鎖へのグラフト重合点と、ゴ
ム分子主鎖相互間の架橋密度を適度に調整し、反撥性と
耐久性を一層改善したゴルフボールを提供する。 【解決手段】 少なくとも1層よりなるソリッドコア
と、該ソリッドコアを被覆するカバーとを有するゴルフ
ボールにおいて、前記ソリッドコアの少なくとも1層
は、基材ゴム100質量部に対して、共架橋剤が5〜7
0質量部、酸化亜鉛が1〜40質量部配合されており、
該酸化亜鉛の平均粒度が200nm以下であることを特
徴とする。そしてソリッドコアには基材ゴム100質量
部に対して、有機硫黄化合物が0.05〜5.0質量部
配合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴルフボール、特に
反撥性及び耐久性に優れたソリッドゴルフボールに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴルフボールのコアはポリブタジ
エンを主体とするゴム成分に、共架橋剤として不飽和カ
ルボン酸金属塩等、更に有機過酸化物等の架橋開始剤を
混合したゴム組成物を加熱し、ゴム分子主鎖間に架橋お
よびグラフト重合体を形成することにより製造される。
そして上記不飽和カルボン酸金属塩として一般にアクリ
ル酸亜鉛が用いられている。ゴム組成物の加熱によっ
て、ジクミルパーオキサイドのような架橋開始剤が開裂
し遊離基を生成し、この遊離基がゴム分子主鎖や共架橋
剤を攻撃してゴム分子主鎖への共架橋剤のグラフト重合
や、ゴム分子主鎖間の架橋が形成されると考えられる。
不飽和カルボン酸金属塩等の共架橋剤のゴム組成物中に
おける分散状態およびゴム分子主鎖への架橋反応は、架
橋後のゴム組成物の基本物性、さらにこれをソリッドコ
アに用いたゴルフボールの特性に大きく影響する。
【0003】そこで従来アクリル酸亜鉛の粒子表面を高
級脂肪酸あるいは高級脂肪酸金属塩でコーティングし、
ゴム組成物中でのアクリル酸亜鉛の分散性を向上するこ
とが提案されている(特開昭59−141961号公
報、特開昭60−92781号公報)。
【0004】また、平均粒度5μm以下の不飽和カルボ
ン酸金属塩や、粒度分布が0.1〜5μmで、平均粒度
が1〜4.5μmの不飽和カルボン酸塩を共架橋剤に用
いて、ゴム組成物中での不飽和カルボン酸金属塩の分散
性を高めることも提案されている(特開平8−1966
61号公報、特開平9−235413号公報、特開平1
1−57068号公報、特開平11−57069号公
報)。
【0005】一方、この様な共架橋剤が配合されるソリ
ッドコアのゴム組成物には重量調整剤として、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛等の充填剤が所定量配
合される場合がある。そして充填剤の粒子径を調整する
技術として、次の先行技術がある。
【0006】特開平9−220300号公報には、平均
粒子径が30〜1000μmの珪酸ジルコニウム、硫酸
バリウム、クローム鉄鉱および酸化鉄から選ばれた1種
または2種以上の重量調整剤を用いるもので、平均粒子
径を大きくすることによって重量調整剤の接触面積を減
少せしめ、ゴルフボールの反撥性を高める技術が開示さ
れている。
【0007】特開平9−149952号公報では、ゴル
フボールを打撃する際のソリッドコアが高速変形を受け
るときのゴムのミクロブラウン運動に着目して、粒子径
が0.1〜50μmの硫酸バリウムを配合することで、
コアの反撥性を高めることが開示されている。
【0008】特開平2000−79184号公報では、
ボール特性、成形性を損うことなく、安価な重量調整剤
を用いて原料のコストダウンを図る目的で、酸化亜鉛、
炭酸カルシュウム、硫酸バリウムを所定量配合するとと
もに、分散性の面から炭酸カルシウムの平均粒子径を4
0μm未満、硫酸バリウムの平均粒子径は30μm未満
にすることが提案されている。
【0009】一方、反撥性を改善する為、α,β−不飽
和カルボン酸金属塩に有機硫黄化合物を併用する技術が
提案されている(特開平2−297384号公報、特開
平4−109970号公報、特開平9−122273号
公報、特開平10−244019号公報、特開2000
−102627号公報)。かかる技術において、有機硫
黄化合物を添加すると、有機硫黄化合物が架橋開始剤の
遊離基を捕捉し、架橋開始剤の働きを抑制してしまうた
めに、反応時間が長くなったり、添加しない場合に比べ
架橋開始剤を多量に配合する必要があり、耐久性等の性
能を犠牲にする場合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はゴルフボール
のソリッドコアに用いられるゴム組成物において、共架
橋剤の均一分散性を改善し、共架橋剤によるゴム分子主
鎖へのグラフト重合点と、ゴム分子主鎖相互間の架橋密
度を適度に調整し、反撥性と耐久性を一層改善したゴル
フボールを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
層よりなるソリッドコアと、該ソリッドコアを被覆する
カバーとを有するゴルフボールにおいて、前記ソリッド
コアの少なくとも1層は、基材ゴム100質量部に対し
て、共架橋剤が5〜70質量部、酸化亜鉛が1〜40質
量部配合されており、該酸化亜鉛の平均粒度が200n
m以下であることを特徴とするゴルフボールである。
【0012】そして前記ソリッドコアには基材ゴム10
0質量部に対して、有機硫黄化合物が0.05〜5.0
質量部、配合されていることが好ましい。また、共架橋
剤は(メタ)アクリル酸亜鉛であることが好ましい。
【0013】また有機硫黄化合物は、好適にはジスルフ
ィド類、チオフェノール類またはチオフェノール類の二
価の金属塩が使用される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係るゴルフボールは、ソ
リッドコアにアイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂等のカ
バー材を被覆して構成され、前記ソリッドコアのゴム組
成物は共架橋剤と架橋助剤としての酸化亜鉛が配合され
ている。 <共架橋剤>本発明において、共架橋剤は炭素数3〜8
個のα,β−不飽和カルボン酸、および/またはその金
属塩が用いられる。α,β−不飽和カルボン酸として、
たとえばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸等が挙げられるが、特に反撥性を高めるうえでアク
リル酸が好適である。また上記金属塩として、亜鉛、ナ
トリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等
の金属塩が挙げられ、特に亜鉛塩が好ましい。共架橋剤
として、特にメタアクリル酸亜鉛またはアクリル酸亜鉛
が好適に用いられ、前記共架橋剤の2種類以上を併用す
ることもできる。
【0015】共架橋剤のソリッドコアのゴム組成物への
配合量は、基材ゴム成分100質量部に対して5〜70
質量部、好ましくは10〜40質量部の範囲である。5
質量部未満では充分な架橋密度が得られず、一方70質
量部を超えると、硬くなりすぎるとともに、ゴム分子の
主鎖に共架橋剤が均一にグラフト重合されず反撥性に不
利となる。共架橋剤の平均粒子径は0.1〜20μmが
好ましく、さらに0.5〜10μm、特に1.0〜8μ
m、さらに1.0〜5μmが好ましい。 <酸化亜鉛>本発明に使用される酸化亜鉛は小径の酸化
亜鉛であり、平均粒子径は200nm以下であり、さら
に100nm以下、特に80nm以下が好ましい。平均
粒子径を200nm以下にすることにより、ゴム組成物
中での均一分散が可能となり、共架橋剤との相互作用に
よる、架橋助剤としての機能を一層効果的に達成でき
る。しかし平均粒子径が小さすぎると、混合工程等にお
いて空気中に飛散する不都合が生じるため、1nm以
上、さらに5nm以上、特に10nm以上とすることが
好ましい。
【0016】なお本発明においては、前記小径の酸化亜
鉛とともに、大径の酸化亜鉛を併用することも可能であ
る。この大径の酸化亜鉛の平均粒子径は200nmを超
え、1000nm以下の範囲のものが使用される。
【0017】大径の酸化亜鉛(A)と小径の酸化亜鉛
(B)との合計(A+B)配合量はゴム基材100質量
部に対し、1〜40質量部、さらに3〜30質量部、特
に10〜20質量部が好ましい。1質量部未満の場合、
酸化亜鉛の超微細粒子の効果は期待できず、一方40質
量部を超えるとアクリル酸亜鉛等の共架橋剤の配合量を
減少する必要があり、高い反撥性が得られない。
【0018】小径の酸化亜鉛の配合量(A)の、酸化亜
鉛全体の配合量(A+B)に対する割合(A)/(A+
B)は、0.1以上、さらに0.3以上、特に0.5以
上とすることが好ましい。 <有機硫黄化合物>本発明において、有機硫黄化合物と
は金属を含有する有機硫黄化合物を含む概念である。有
機硫黄化合物としては、例えばチオフェノール類、ジス
ルフィッド類が使用でき、これらの有機硫黄化合物はフ
ッ素、塩素、臭素およびヨウ素等のハロゲン基、メチル
基およびエチル基等のアルキル基、アセチル基、シアノ
基等の各種置換基を含むことができる。
【0019】また金属を含有する有機硫黄化合物として
は、例えばチオフェノール類の亜鉛、マグネシウム等の
金属塩が使用できる。更にこれらのチオフェノール類の
金属塩は、前記フェニル基にメチル基およびエチル基等
のアルキル基、ハロゲン基、アセチル基、シアノ基等の
各種置換基を含むことができる。
【0020】有機硫黄化合物のソリッドコアのゴム組成
物への配合量は、有機硫黄化合物換算でゴム成分100
質量部に対して0.05〜5.0質量部、さらに0.1
〜3.0質量部、特に好ましくは0.3〜1.5質量部
の範囲である。
【0021】有機硫黄化合物のS−S結合またはC−S
結合は加熱下で解離して遊離基を生成しやすく、これが
ゴム分子主鎖および共架橋剤に作用して架橋形態に影響
を及ぼす。したがって有機硫黄化合物が0.05質量部
未満の場合、有機硫黄化合物の配合の効果は認められ
ず、一方5.0質量部を超えると架橋密度が低下し、ソ
フト感が得られず、また反撥性も向上しない。
【0022】有機硫黄化合物を配合すると、アクリル酸
亜鉛等の共架橋剤の架橋形態が反撥の高い構造になると
考えられる。架橋助剤として機能する酸化亜鉛の粒子径
を小さくすることで、その比表面積が大きくなり、有機
硫黄化合物とアクリル酸亜鉛等の共架橋剤との反応の際
の相互作用が高められ、より高い反撥性が得られる。 <基材ゴム>ソリッドコアのゴム組成物に用いられるゴ
ム成分としては、天然ゴム、合成ゴムいずれのジエン系
ゴムを用いてもよいが、好ましくはシス−1,4結合を
40%以上、好ましくは70%以上、特に90%以上含
有するハイシスポリブタジエンゴムを用いることが好ま
しい。また、必要に応じて上記ハイシスポリブタジエン
ゴムに、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(I
R)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレン・
プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM)などのジ
エン系ゴムを混合することができる。 <有機過酸化物>有機過酸化物は主に架橋開始剤として
配合され、ゴム分子主鎖間に架橋を形成する。そして有
機過酸化物による架橋形態が、主に反撥性に寄与するた
め、有機過酸化物の配合量は所望のソリッドコアの特性
を勘案して決定する。有機過酸化物は、例えばジクミル
パーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が用いられ、こ
れらのうちジクミルパーオキサイドが好ましい。有機過
酸化物の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.
1〜5.0質量部、好ましくは0.3〜3.0質量部で
ある。0.1質量部未満の場合、架橋密度が低く、硬度
が不充分であり、反撥性が充分でない。一方5.0質量
部を超えると架橋密度が高くなり、硬くなりすぎる。 <充填剤など>充填剤としては、主として比重調整のた
めに用いられる酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ムなどの金属塩、タングステン粉末あるいはモリブデン
粉末などの高比重金属粉末が挙げられ、更に必要に応じ
て老化防止剤などを配合してもよい。 <ソリッドコア>ソリッドコアの外径は、32.8〜4
1.2mmとすることが望ましく、特に33.6〜40
mmの範囲が好ましい。ソリッドコアの外径が32.8
mmよりも小さい場合は相対的にカバーが厚くなり、カ
バーを厚くすると反撥性が低下する傾向があるからであ
る。一方、ソリッドコアの外径が41.2mmよりも大
きい場合はカバーが薄くなり、その結果ゴルフボールの
成形が困難になるとともに耐久性が悪くなる。
【0023】さらにソリッドコアは初荷重98Nから終
荷重1275Nをかけたときの変形量が2.5〜5.0
mm、好ましくは2.8〜4.5mm、特に3.0〜
4.5mmの範囲に調整される。2.5mm未満の場
合、硬度が高く打球感が好ましくない。一方、5.0m
mを超えると柔らかくなりすぎ、耐久性および反撥性に
劣る。
【0024】本発明では、ソリッドコアはソリッドコア
単体のほか、ソリッドコアに糸ゴムを巻きつけた糸巻き
コアのいずれも採用できる。ソリッドコアとしては単一
層のコアはもとより、2層以上の多層コアであってもよ
い。
【0025】なお、本発明のゴルフボールのソリッドコ
アを複数コアとする場合、前述の特徴を有するソリッド
コア組成物の体積V1の、ゴルフボール全体の体積V2
に対する割合V1/V2は0.3以上、さらに0.5以
上、特に0.6以上にするのが好ましい。またV1/V
2はカバーを一定厚さで耐久性を維持するため、0.9
以下、さらに0.8以下とするのが好ましい。 <カバー>本発明のゴルフボールは前記ソリッドコアに
カバーを被覆して構成される。ここで前記カバー組成物
はトランス1,4−ポリイソプレン、アイオノマー樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエス
テル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エ
ラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポ
リスチレン系熱可塑性エラストマー等を単独または混合
して用いることができる。
【0026】前記トランス1,4−ポリイソプレンとは
ポリマー分子中、トランス構造が60%以上含まれるも
のをいう。トランス構造が60%未満のものでは結晶部
分が少なく、したがって軟化点が低すぎてカバーとして
の基本特性が満足できない。
【0027】また、アイオノマー樹脂としては、たとえ
ば、α−オレフィンと炭素数3〜8のα,β−不飽和カ
ルボン酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも
一部を金属イオンで中和して得られるものや、α−オレ
フィンと炭素数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸と炭
素数2〜22のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの
三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金
属イオンで中和して得られるものなどが挙げられる。上
記のα−オレフィンとしては、たとえば、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどが用いられ、
特にエチレンが好ましく、炭素数3〜8のα,β−不飽
和カルボン酸としては、たとえば、アクリル酸、メタク
リル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸などが用い
られ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。ま
た、炭素数2〜22の不飽和カルボン酸エステルとして
は、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、
マレイン酸などのメチル、エチル、プロピル、n−ブチ
ル、イソブチルエステルなどが用いられ、特にアクリル
酸エステル、メタクリル酸エステルが好ましい。
【0028】そして、上記α−オレフィンと炭素数3〜
8のα,β−不飽和カルボン酸との共重合体またはα−
オレフィンと炭素数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸
と炭素数2〜22のα,β−不飽和カルボン酸エステル
との三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部
を中和する金属イオンとしては、たとえば、ナトリウム
イオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、マグネシウムイ
オン、カリウムイオンなどが挙げられる。
【0029】アイオノマー樹脂の具体例としては、三井
デュポンポリケミカル社製のハイミラン1555、ハイ
ミラン1557、ハイミラン1605、ハイミラン16
52、ハイミラン1702、ハイミラン1705、ハイ
ミラン1706、ハイミラン1707、ハイミラン18
55、ハイミラン1856などがある。またデュポン社
製のサーリン8945、サーリン9945、サーリンA
D8511、サーリンAD8512、サーリンAD85
42がある。またエクソン社製のアイオテック701
0、アイオテック8000等がある。
【0030】なお本発明のカバー組成物には耐久性と反
撥性を高める観点から、熱可塑性樹脂または熱可塑性エ
ラストマーを主体とするポリマー成分と組み合わせて使
用することが好ましい。熱可塑性エラストマーの具体例
として、例えば東レ(株)社から市販されているポリア
ミド系熱可塑性エラストマーの商品名、ペパックス25
33、東レ・デュポン(株)から市販されているポリエ
ステル系熱可塑性エラストマーの商品名、ハイトレル3
548またはハイトレル4047、BASFポリウレタ
ンエラストマー社から市販されているポリウレタン系熱
可塑性エラストマーの商品名、エラストランET880
等が挙げられる。なお、アイオノマー樹脂がカバー組成
物のポリマー成分中に50重量%以上、好ましくは70
重量%以上とすることにより耐久性と反撥性が向上す
る。
【0031】ここでカバーの厚さは0.8〜5.0m
m、さらに1.0〜4.0mm、特に1.0〜2.0m
mの範囲が好ましい。0.8mm未満ではカバー強度、
耐久性が低下し、一方5.0mmを超えるとカバー成分
のボール全体における体積分率が大きくなってボールの
反撥性が低下するからである。
【0032】前記カバー用組成物には、必要に応じて、
硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の充填剤、二酸化チタ
ンなどの着色剤を配合することができる。さらに繊維強
化ゴム、繊維強化樹脂、無機単結晶成分、比重調整剤、
金属粉、金属酸化物、顔料、色粉、蛍光増白剤、滑剤、
紫外線吸収剤、光安定剤あるいは老化防止剤などを適宜
混合することが可能である。
【0033】次に本発明のゴルフボールの製造方法は、
ソリッドコアの前記ゴム組成物をロールなどの混練機を
用いて温度130〜240℃、圧力2.9〜11.8M
Paで時間15〜60分間、加熱下で加圧成形する。
【0034】一方、カバー組成物をロールやニーダーに
よって混練する。そして、カバー組成物を前記ソリッド
コアに被覆するには予め半殻状のハーフシェルを作製
し、それを2枚用いてソリッドコアを包み、130〜1
70℃で1〜5分間、加圧成形するか、上記カバー組成
物をソリッドコア上に直接射出成形してソリッドコアを
被覆する。
【0035】
【実施例】以下、本発明のゴルフボールを実施例に基づ
いて詳細に説明する。
【0036】(1) ソリッドコアの作製 表1に示すゴム組成物をニーダーおよびロールを用いて
混練し、160℃で30分間、加熱加圧成形し、外径は
38.2mm、質量34.6gのソリッドコアを製造し
た。混練時は、ゴム組成物の温度が100℃を超えない
ように温度を制御した。
【0037】(2) カバー組成物およびゴルフボール
の製造 表2で示すカバー材料を、二軸混練型押出機によりミキ
シングして、ペレット状のカバー用組成物を調整した。
押し出し条件は、スクリュー径は45mm、スクリュー
回転数200rpm、スクリューL/Dは35であり、
組成物は押し出し機のダイの位置で200〜260℃に
加熱された。
【0038】そして射出成形で前記ソリッドコアに厚さ
2.3mmのカバーを被覆し、その上にウレタン製のク
リアペイントを塗布した。得られたゴルフボールは直径
42.8mm、重さ45.4gであった。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】なお、表1中、アクリル酸亜鉛は平均粒子
径6μmのものを用い、ジクミルパーオキサイドは日本
油脂社製のパークミルDを用いた。
【0042】得られたソリッドコアおよびゴルフボール
の物性測定は次の方法で行ない、その結果を表1に示
す。
【0043】(i) コアコンプレッション(圧縮変形
量) ソリッドコアおよびゴルフボールに初荷重98Nから終
荷重1275Nかけたときのソリッドコアの変形量(m
m)を測定した。
【0044】(ii) コア反撥係数 重さ198.4gのアルミニウム製円柱を用いて初速度
40m/sでソリッドコアを打ち出し、ゴルフボールを
打撃した際のゴルフボールの打ち出し速度から計算し
た。数値が大きい程、反撥性に優れていることを示す。
【0045】(iii) ボール耐久性 ゴルフボールをツルーテンパー社製スイングロボットに
メタルヘッド製の1番クラブ(W#1ドライバー)を取
り付け、ヘッドスピード45m/sに設定して、各ゴル
フボールを打撃し、衝突板に衝突させ、割れるまでの衝
突回数を測定し、比較例1を100として指数で示す。
数値が大きいほど耐久性に優れていることを示す。
【0046】(iv) 酸化亜鉛の粒子径 堀場製作所(株)のレーザー回折/散乱式粒度分布測定
装置LA−910で測定した。レーザー回折/散乱式粒
度分布測定法による個数基準に基づく平均粒度を測定し
た。なお溶媒(水)の屈折率1.33、酸化亜鉛の屈折
率1.9を用いた。
【0047】比較例1〜3は酸化亜鉛の平均粒度が50
0nmのものを変量して配合した例であり、比較例4は
さらに有機硫黄化合物を配合したものである。
【0048】実施例1〜3は小径の酸化亜鉛のみを配合
量を変量したものである。また実施例4は小径と大径の
酸化亜鉛を混合したもので、実施例5は、さらに有機硫
黄化合物を配合したものである。また実施例6は小径
と、大径の酸化亜鉛を混合して使用し、かつさらに有機
硫黄化合物を配合したものである。
【0049】コアコンプレッション、コア反撥係数、ボ
ールコンプレッションおよびボール耐久性を表1に示
す。一方、図1にはコア反撥係数とコアコンプレッショ
ンの関係を示す。
【0050】コアは、コンプレッション(変形量)が大
きくなれば、打撃時の衝撃が少なく打撃感がよくなり、
またコア反撥係数が大きくなれば飛距離が向上する。し
かしながら、一般にコアコンプレッション(変形量)が
大きくなれば、反撥係数は低下する傾向にある。例え
ば、配合の種類に応じて、図1に示す如く、コアコンプ
レッションと反撥性の関係は左から右方向に下降傾斜す
るグラフとなり、このグラフ上では実質的に同じ特性の
ものであることを意味する。
【0051】図1において、グラフAは有機硫黄化合物
を配合した実施例5および6をプロットしたものであ
り、グラフBは有機硫黄化合物を配合しない実施例1〜
4をプロットしたものである。グラフAまたはグラフB
に属する実施例はそれぞれコンプレション(打撃感)お
よび反撥係数(飛距離)の総合特性で、ほぼ同程度の特
性を有している。
【0052】比較例4は有機硫黄化合物が配合されてお
り、実施例5、6(グラフA)と比較されるものである
が、比較例4はグラフAより左下に大きくずれている。
つまり、グラフA上のゴルフボールと比較した場合、同
じコンプレッションであれば反撥係数が小さくなり、同
じ反撥係数であればコンプレッションが大きくなり打撃
時の衝撃が大きくなる。比較例4はコンプレッション
(衝撃性)と反撥係数(飛距離)の総合性能において実
施例より大きく劣ることが明らかである。
【0053】比較例1,2および3は有機化合物が配合
されておらず、実施例1、2、3および4(グラフB)
と比較されるものであるが、比較例1、2、3はグラフ
Bより左下にずれている。つまり、グラフB上のゴルフ
ボールと比較した場合、同じコンプレッションであれば
反撥係数が小さくなり、同じ反撥係数であればコンプレ
ッションが大きくなり打撃時の衝撃は大きくなる。比較
例1〜3はコンプレッション(衝撃性)と反撥係数(飛
距離)の総合性能において実施例よりも劣ることが明ら
かである。
【0054】なお、実施例1、2、3、5はそれぞれ比
較例1、2、3、4と酸化亜鉛が異なるのみで他の配合
において共通するが、実施例1は比較例1より、実施例
2は比較例2より、実施例3は比較例3より、実施例5
は比較例4より耐久性がよくなっている。実施例2は酸
化亜鉛の配合量が異なる比較例1、3、4より耐久性が
悪くなっているが、これは実施例2のコアコンプレッシ
ョンが大きいためであり、実施例2と酸化亜鉛の配合量
が同じでコンプレッションが同レベルである比較例2と
比較すると、明らかに耐久性がよく、本発明による耐久
性の向上が認められる。
【0055】なお、今回開示された実施の形態および実
施例はすべての点で例示であって制限的なものではない
と考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明
ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の
範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含ま
れることが意図される。
【0056】
【発明の効果】本発明はソリッドコアのゴム組成物に配
合される共架橋剤と架橋助剤としての酸化亜鉛の相互作
用によって、共架橋剤がゴム組成物中に均一に分散して
グラフト重合密度を調節できる。さらに、過酸化物等の
架橋開始剤は遊離基を生成し、共架橋剤によるグラフト
重合反応と同時並行してしゴム分子主鎖間の架橋を形成
する。さらに本発明は、有機硫黄化合物を配合すること
により、反撥性に有利な架橋形態を形成することができ
反撥性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ボールのコンプレッションと反撥係数の関係
を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1層よりなるソリッドコア
    と、該ソリッドコアを被覆するカバーとを有するゴルフ
    ボールにおいて、 前記ソリッドコアの少なくとも1層は、基材ゴム100
    質量部に対して、共架橋剤が5〜70質量部、酸化亜鉛
    が1〜40質量部配合されており、該酸化亜鉛の平均粒
    度が200nm以下であることを特徴とするゴルフボー
    ル。
  2. 【請求項2】 ソリッドコアには基材ゴム100質量部
    に対して、有機硫黄化合物が0.05〜5.0質量部配
    合されていることを特徴とする請求項1記載のゴルフボ
    ール。
  3. 【請求項3】 共架橋剤は(メタ)アクリル酸亜鉛であ
    ることを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。
  4. 【請求項4】 有機硫黄化合物はジスルフィド類、チオ
    フェノール類またはチオフェノール類の二価の金属塩で
    あることを特徴とする請求項2記載のゴルフボール。
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