JP2002253703A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JP2002253703A
JP2002253703A JP2001056585A JP2001056585A JP2002253703A JP 2002253703 A JP2002253703 A JP 2002253703A JP 2001056585 A JP2001056585 A JP 2001056585A JP 2001056585 A JP2001056585 A JP 2001056585A JP 2002253703 A JP2002253703 A JP 2002253703A
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golf ball
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weight
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Satoshi Mano
聡 真野
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明により、優れた反発性能および飛行性
能を有し、かつ良好な打球感を有するゴルフボールを提
供する。 【解決手段】 本発明は、1層以上のコアと該コア上に
被覆形成された1層以上のカバーから成るゴルフボール
において、該コアの少なくとも1層が、(a)基材ゴム、
(b)共架橋剤、(c)有機過酸化物、および(d)フラーレ
ンまたはその誘導体を含有するゴム組成物を加硫成形し
て成るゴルフボールに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた反発性能お
よび飛行性能を有し、かつ良好な打球感を有するゴルフ
ボールに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフボールには大きく分けて、耐久性
および飛距離に優れるソリッドゴルフボールとコントロ
ール性能および打球感に優れる糸巻きゴルフボールがあ
る。前者のソリッドゴルフボールには、コアをカバー材
で被覆したツーピースゴルフボールをはじめとし、コア
とカバーの間に1層以上の中間層を介在させた多層構造
を有するゴルフボールがある。
【0003】上記ソリッドゴルフボールのコアには通
常、基材ゴムとしてのポリブタジエンに、α,β‐不飽
和カルボン酸の金属塩および有機過酸化物を配合したゴ
ム組成物の加硫成形物が用いられている。上記ゴム組成
物において、α,β‐不飽和カルボン酸の金属塩は、遊
離基開始剤としての有機過酸化物によってポリブタジエ
ン主鎖にグラフトされ、共架橋剤として働く。このよう
なゴム組成物の加硫成形物は三次元架橋構造を形成する
ため、コアが適度な硬さと耐久性を有し、このコアを用
いたソリッドゴルフボールは優れた耐久性と良好な反発
性能、飛行性能を示すことも知られている。
【0004】しかしながら、このようなソリッドゴルフ
ボールは、従来の糸巻きゴルフボールと比較すると、打
球感が著しく硬く、アプローチショットでのコントロー
ル性に劣っていた。そこで打球感を改良する試みとし
て、コアの硬度を低く軟らかくすることが行われてき
た。しかしながら、打球感は改良されるが、反発性能が
低下するため十分な飛距離が得られていない。また、コ
ントロール性を改良する試みとして、カバーを軟質化す
ることが提案された(特開平7−51406号公報)。し
かしながら、スピン性能は向上するがカバー自体の反発
性能が低下して、ゴルフボールとして満足される飛行性
能が得られていないという問題があった。
【0005】そこで、従来のコア用ゴム組成物に添加剤
として種々の有機硫黄化合物を配合することによって、
ソリッドゴルフボールの反発性能および打球感を両立さ
せる試みがなされている(特開平10‐244019号
公報、特許第2778229号公報、特許第26690
51号公報)。しかしながら、未だ反発性能と打球感の
両立という観点で満足のいくものは得られておらず、更
に打球感の向上と共に、飛行性能に優れたゴルフボール
ヘの要求がますます高まりつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のゴルフボールの有する問題点を解決し、優れた
反発性能および飛行性能を有し、かつ良好な打球感を有
するゴルフボールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、コア用のゴム組成
物に、添加剤としてのフラーレンまたはその誘導体を用
いることによって、優れた反発性能および飛行性能を有
し、かつ良好な打球感を有するゴルフボールが得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、1層以上のコアと該コア
上に被覆形成された1層以上のカバーから成るゴルフボ
ールにおいて、該コアの少なくとも1層が、(a)基材ゴ
ム、(b)共架橋剤、(c)有機過酸化物、および(d)フラ
ーレンまたはその誘導体、を含有するゴム組成物を加硫
成形して成るゴルフボールに関する。
【0009】ここで、フラーレンとは、歪んだsp
素どうしの共有結合により閉じた三次元的な中空球殻状
構造を有する炭素同素体であり、分子構造は5角形と6
角形より成る多面体である。フラーレンの中でも、最も
代表的なものはサッカーボールの形をしたC60であ
り、1985年にH.W.クロトー(Croto)とR.E.
スモーリー(Smally)とによって発見された。上記
のような構造を含むフラーレンまたはその誘導体をコア
用のゴム組成物に用いることにより、フラーレンがラジ
カル連鎖反応である架橋形態に関与すると考えられる。
【0010】上記のように、通常のゴルフボールのコア
に用いられるゴム組成物にフラーレンまたはその誘導体
を用いると、コアを硬くすることなく、即ち良好な打球
感を確保しつつ、反発性能を向上させるものと考えられ
る。
【0011】本発明のゴルフボールでは1層以上のコア
の上に1層以上のカバーを被覆する。コアは基本的に、
基材ゴム、共架橋剤、有機過酸化物、フラーレンまたは
その誘導体、充填材等を含有するゴム組成物を、通常の
ソリッドコアに用いられる方法、条件を用いて加熱圧縮
加硫することにより得られる。
【0012】本発明に用いられる基材ゴムとしては、従
来からソリッドゴルフボールに用いられている天然ゴム
および/または合成ゴムが用いられ、特にシス‐1,4‐
結合少なくとも40%以上、好ましくは80%以上を有
するいわゆるハイシスポリブタジエンゴムが好ましく、
所望により上記ポリブタジエンゴムには、天然ゴム、ポ
リイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチ
レン‐プロピレン‐ジエンゴム(EPDM)等を配合し
てもよい。
【0013】共架橋剤としては、アクリル酸またはメタ
クリル酸等のような炭素数3〜8個のα,β‐不飽和カ
ルボン酸、またはその亜鉛、マグネシウム塩等の一価ま
たは二価の金属塩が挙げられるが、高い反発性を付与す
るアクリル酸亜鉛が好適である。配合量は基材ゴム10
0重量部に対して、15〜45重量部、好ましくは20
〜35重量部である。45重量部より多いと硬くなり過
ぎて打球感が悪くなり、15重量部未満では、適当な硬
さを得るために有機過酸化物の配合量を増加する必要が
あり、高い反発性が得られない。
【0014】有機過酸化物は架橋剤または硬化剤として
作用し、例えばジクミルパーオキサイド、1,1‐ビス
(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロ
ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、ジ‐t‐ブチルパーオキサイドが挙
げられ、ジクミルパーオキサイドが好適である。配合量
は、基材ゴム100重量部に対して、0.2〜5.0重
量部、好ましくは0.5〜2.5重量部である。0.2
重量部未満では軟らかくなり過ぎて高い反発性が得られ
ず、5.0重量部を越えると適当な硬さを得るために共
架橋剤の配合量を減少する必要があり、高い反発性が得
られない。かかる有機過酸化物は、熱により分解してラ
ジカルを生じ、上記共架橋剤と基材ゴムとの間の架橋度
を高めて反発性を向上させるものである。
【0015】充填材は、主として最終製品として得られ
るゴルフボールの比重を1.0〜1.5の範囲に調整す
るための比重調整剤として配合されるが、ゴルフボール
のコアに通常配合されるものであればよく、例えば無機
充填材(具体的には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カ
ルシウム)、高比重金属粉末(例えば、タングステン粉
末、モリブデン粉末等)およびそれらの混合物が挙げら
れる。特に好ましいのは、加硫助剤としての機能も発揮
する酸化亜鉛である。酸化亜鉛を用いる場合、配合量
は、基材ゴム100重量部に対して、3〜30重量部、
好ましくは10〜25重量部であり、30重量部を超え
ると適切な硬さにするために上記アクリル酸亜鉛等の共
架橋剤の配合量を減少する必要があり、高い反発性が得
られなくなる。3重量部未満では上記のような比重調整
が困難となり、ボール重量も小さくなり過ぎる。
【0016】本発明のコア用のゴム組成物に用いられる
フラーレンまたはその誘導体は、C 60、C70、C
74、C76、C78、C80、C84等のフラーレ
ン、ハロゲンが導入されたC6048、C60Cl
24、C60Br24、水酸基が導入されたC60(O
H)24、水素付加したC6024等のフラーレン誘
導体およびそれらの2種以上の組合せから成る群から選
択される。上記フラーレンまたはその誘導体の具体例と
して、東京化成(株)製のフラーレンC60、C70、ス
トレム・ケミカルズ社(Strem Chemicals, Inc.)製のフ
ラーレンC84、ジョンソン・マティ社(Johnson Matth
ey Company)製のfullerene powder, hydroxylated, C
60(OH)(n=20〜28)等が挙げられる。上記フラ
ーレンまたはその誘導体の配合量は、基材ゴム100重
量部に対して、0.05〜3.0重量部、好ましくは
0.1〜2.0重量部である。0.05重量部未満では
反発性を向上する効果が十分に発揮できない。3.0重
量部を越えると圧縮変形量が大きくなって反発性が低下
する。
【0017】更に本発明のゴルフボールのコアには、老
化防止剤またはしゃく解剤、その他ソリッドゴルフボー
ルのコアの製造に通常使用し得る成分を適宜配合しても
よい。尚、老化防止剤は、基材ゴム100重量部に対し
て、0.2〜0.5重量部が好ましい。
【0018】コアは前述のゴム組成物を、混練ロール等
の適宜の混練機を用いて均一に混練し、金型内で加硫成
形することにより得ることができる。この際の条件は特
に限定されないが、通常は130〜240℃、圧力2.
9〜11.8MPa、15〜60分間で行われる。
【0019】本発明のゴルフボールのコアは初期荷重9
8Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したと
きまでの変形量2.5〜5.5mm、好ましくは2.8
〜4.5mm、より好ましくは3.0〜4.5mmを有
することが望ましい。2.5mmより小さいとコアが硬
くなり過ぎて、得られたゴルフボールの打球感が悪くな
り、5.5mmより大きいとコアが軟らかくなり過ぎ
て、得られたゴルフボールの耐久性が低下し、また反発
性が悪くなり飛距離が低下する。
【0020】本発明では、コアの直径は32.8〜4
0.8mm、好ましくは33.6〜40.0mmである
ことが望ましい。32.8mmより小さいと反発性が低
下して飛距離が低下し、40.8mmより大きいとカバ
ーが薄くなり過ぎて、耐久性が低下する。
【0021】本発明のゴルフボールに用いられるコア
は、単層構造であっても2層以上の多層構造であっても
よいが、上記のような配合を有する層(コア部分)の体
積がコア全体の50%以上、好ましくは59%以上、よ
り好ましくは70%以上であるように設定することが望
ましい。上記体積が50%未満では、上記のような配合
を有する層により得られる効果が十分に発揮できない。
上記のようにして得られたコア上には、次いでカバーを
被覆する。
【0022】本発明のゴルフボールに用いられるカバー
は、単層構造であっても2層以上の多層構造であっても
よい。本発明のカバーは熱可塑性樹脂、特に通常ゴルフ
ボールのカバーに用いられるアイオノマー樹脂を基材樹
脂として含有する。上記アイオノマー樹脂としては、エ
チレンとα,β‐不飽和カルボン酸との共重合体中のカ
ルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和した
もの、またはエチレンとα,β‐不飽和カルボン酸とα,
β‐不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカ
ルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和した
ものである。上記のα,β‐不飽和カルボン酸として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレ
イン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸とメ
タクリル酸が好ましい。また、α,β‐不飽和カルボン
酸エステル金属塩としては、例えばアクリル酸、メタク
リル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、エチル、プ
ロピル、n‐ブチル、イソブチルエステル等が用いら
れ、特にアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルが
好ましい。上記エチレンとα,β‐不飽和カルボン酸と
の共重合体中や、エチレンとα,β‐不飽和カルボン酸
とα,β‐不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体
中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和する金属イ
オンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグ
ネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウ
ム、錫、ジルコニウム、カドミウムイオン等が挙げられ
るが、特にナトリウム、亜鉛、マグネシウムイオンが反
発性、耐久性等からよく用いられ好ましい。
【0023】上記アイオノマー樹脂の具体例としては、
それだけに限定されないが、ハイミラン(Hi‐mil
an)1555、ハイミラン1557、ハイミラン16
05、ハイミラン1652、ハイミラン1702、ハイ
ミラン1705、ハイミラン1706、ハイミラン17
07、ハイミラン1855、ハイミラン1856(三井
デュポンポリケミカル社製)、サーリン(Surly
n)8945、サーリン9945、サーリンAD851
1、サーリンAD8512、サーリンAD8542(デ
ュポン社製)、アイオテック(Iotek)7010、8
000(エクソン(Exxon)社製)等を例示すること
ができる。これらのアイオノマーは、上記例示のものを
それぞれ単独または2種以上の混合物として用いてもよ
い。
【0024】更に、本発明のカバーの好ましい材料の例
としては、上記のようなアイオノマー樹脂のみであって
もよいが、アイオノマー樹脂と熱可塑性エラストマーや
ジエン系ブロック共重合体等の1種以上とを組合せて用
いてもよい。上記熱可塑性エラストマーの具体例とし
て、例えば東レ(株)から商品名「ペバックス」で市販さ
れている(例えば、「ペバックス2533」)ポリアミ
ド系熱可塑性エラストマー、東レ・デュポン(株)から商
品名「ハイトレル」で市販されている(例えば、「ハイ
トレル3548」、「ハイトレル4047」)ポリエス
テル系熱可塑性エラストマー、BASFポリウレタンエ
ラストマーズ社から商品名「エラストラン」(例えば、
「エラストランET880」)ポリウレタン系熱可塑性
エラストマー等が挙げられる。
【0025】上記ジエン系ブロック共重合体は、ブロッ
ク共重合体または部分水添ブロック共重合体の共役ジエ
ン化合物に由来する二重結合を有するものである。その
基体となるブロック共重合体とは、少なくとも1種のビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと少な
くとも1種の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBとから成るブロック共重合体である。また、部分
水添ブロック共重合体とは、上記ブロック共重合体を水
素添加して得られるものである。ブロック共重合体を構
成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、
α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、p‐t‐ブチル
スチレン、1,1‐ジフェニルスチレン等の中から1種
または2種以上を選択することができ、スチレンが好ま
しい。また、共役ジエン化合物としては、例えばブタジ
エン、イソプレン、1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメ
チル‐1,3‐ブタジエン等の中から1種または2種以
上を選択することができ、ブタジエン、イソプレンおよ
びこれらの組合せが好ましい。上記ジエン系ブロック共
重合体の具体例としては、例えばダイセル化学工業(株)
から商品名「エポフレンド」市販されているもの(例え
ば、「エポフレンドA1010」)、(株)クラレから商
品名「セプトン」で市販されているもの(例えば、「セ
プトンHG‐252」)等が挙げられる。
【0026】上記の熱可塑性エラストマーやジエン系ブ
ロック共重合体等の配合量は、カバー用の基材樹脂10
0重量部に対して、0〜60重量部、好ましくは10〜
40重量部である。60重量部より多いとカバーが軟ら
かくなり過ぎて反発性が低下したり、またアイオノマー
樹脂との相溶性が悪くなって耐久性が低下しやすくな
る。
【0027】本発明に用いられるカバーには、上記樹脂
以外に必要に応じて、コアに用いたものと同様の充填材
や、種々の添加剤、例えば二酸化チタン等の顔料、分散
剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加して
もよい。
【0028】上記カバーを被覆する方法についても、特
に限定されるものではなく、通常のカバーを被覆する方
法で行うことができる。カバー用組成物を予め半球殻状
のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコアを包
み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、ま
たは上記カバー用組成物を直接コア上に射出成形してコ
アを包み込む方法が用いられる。
【0029】上記カバーの厚さは、1.0〜5.0m
m、好ましくは1.4〜4.6mmであり、より好まし
くは1.4〜2.5mmである。1.0mmより小さい
と薄くなり過ぎて耐久性が低下し、反発性能も低下し、
5.0mmより大きいと打球感が悪くなる。
【0030】カバー成形時に、必要に応じて、ボール表
面にディンプルを形成し、また、カバー成形後、ペイン
ト仕上げ、スタンプ等も必要に応じて施し得る。
【0031】本発明のゴルフボールに用いられるコア
は、単層構造であっても2層以上の多層構造であっても
よいが、コア中の前述のようなフラーレンまたはその誘
導体を含有する層の体積がゴルフボール全体の30%以
上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上
であるように設定することが望ましい。上記体積が30
%未満では、上記のような層により得られる効果が十分
に発揮できない。また、上記体積が大きくなり過ぎると
カバーが薄くなり過ぎてカバーの耐久性低下を招きやす
くなるので、上限値は90%以下、好ましくは85%以
下、より好ましくは80%以下であることが望ましい。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0033】コアの作製 (実施例1〜12および比較例1〜5)以下の表1〜2
(実施例)および表3(比較例)に示した配合のコア用ゴム
組成物を混練ロールにより混練し、160℃で30分間
金型内で加熱プレスすることにより直径38.2mmの
コアを得た。得られたコアの圧縮変形量および反発係数
を測定し、その結果を表5〜6(実施例)および表7(比
較例)に示した。
【0034】(実施例13) (i)内層コア用球状加硫成形物の作製 以下の表2に示した配合の内層コア用ゴム組成物を混練
ロールにより混練し、160℃で25分間金型内で加熱
プレスすることにより直径32.0mmの内層コア用球
状加硫成形物を得た。 (ii)外層コア用半加硫半球殻状成形物の作製 以下の表2に示した配合の内層コア用ゴム組成物を混練
ロールにより混練し、中子部分の外径が(i)で作製した
内層コア用球状加硫成形物の直径に等しい中子金型内
で、160℃で2分間加熱プレスすることによって、外
層コア用の半加硫半球殻状成形物を得た。
【0035】(iii)2層コアの作製 上記(i)で作製した内層コア用球状加硫成形物を、(ii)
で作製した2つの外層コア用の半加硫半球殻状成形物で
挟んで、金型内で160℃で25分間加熱プレスするこ
とによって、直径38.2mmを有する2層コアを作製
した。得られた2層コアの圧縮変形量および反発係数を
測定し、その結果を表6(実施例)に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】(注1)商品名、JSR(株)製のハイシス
ポリブタジエンゴム (注2)東京化成工業(株)製のフラーレンC60 (注3)東京化成工業(株)製のフラーレンC70 (注4)ストレム・ケミカルズ社(Strem Chemicals, Inc.)
製のフラーレンC84 (注5)フラーレン・カタログ(Fullerene Catalog)のC
6048 (注6)ジョンソン・マティ社(Johnson Matthey Company)
製のfullerene powder, hydroxylated, C60(OH)
、n=20〜28 (注7)ジョンソン・マティ社(Johnson Matthey Company)
製のfullerene powder, hydrogenated, C60
【0040】カバー用組成物の調製 以下の表4に示すカバー用配合材料を二軸混練押出機に
よりミキシングし、ペレット状のカバー用組成物を得
た。押出条件は、 スクリュー径 45mm スクリュー回転数 200rpm スクリューL/D 35 であり、配合物は押出機のダイの位置で200〜260
℃に加熱された。
【0041】
【表4】
【0042】(注8)商品名、三井デュポンポリケミカル
(株)製の亜鉛イオン中和エチレン‐メタクリル酸共重
合体系アイオノマー樹脂 (注9)商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製のナ
トリウムイオン中和エチレン‐メタクリル酸共重合体系
アイオノマー樹脂 (注10)商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製のナ
トリウムイオン中和エチレン‐メタクリル酸共重合体系
アイオノマー樹脂
【0043】実施例1〜13および比較例1〜5 得られたカバー用組成物を予め半球殻状のハーフシェル
に成形し、それを2枚用いてコアを包み、加圧成形する
ことによりカバー厚さ2.3mmのカバー層を形成し、
表面にペイントを塗装して、直径42.8mmを有する
ゴルフボールを得た。得られたゴルフボールの飛距離を
測定し、打球感を評価し、その結果を以下の表5〜6
(実施例)および表7(比較例)に示した。試験方法は以下
の通り行った。
【0044】(試験方法) コア圧縮変形量 コアに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重127
5Nを負荷したときまでの変形量(mm)を測定した。
この変形量が小さい程、一般にコアが硬いことを示す。
【0045】コア反発係数 各コアに198.4gの金属製円筒物を40m/秒の速
度で衝突させ、衝突前後の上記円筒物およびコアの速度
を測定し、それぞれの速度および重量から各コアの反発
係数を算出した。測定は各コアについて12個ずつ行っ
て、その平均値を各コアの反発係数とした。
【0046】飛距離 ツルーテンパー社製スイングロボットにメタルヘッド製
ウッドl番クラブ(W#1、ドライバー)を取付け、ヘ
ッドスピード35m/秒に設定して各ゴルフボールを打
撃し、落下点までの飛距離(キャリー)を測定した。測
定は各ゴルフボールについて12個ずつ行って、その平
均値を各ゴルフボールの結果とした。
【0047】打球感 ゴルファー10人により、ウッド1番クラブ(ドライバ
ー、W#1)を用いた実打テストを行い、打撃時の衝撃
の大きさにより評価し、最も多い評価を各ゴルフボール
の打球感とした。判定基準は以下の通りとした。 判定基準 ○ … 打撃時の衝撃が小さくて打球感がソフトで良好で
ある △ … 打撃時の衝撃が普通である × … 打撃時の衝撃が大きくて打球感が悪い
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】以上の結果から、実施例1〜13および比
較例1〜5について、コアの圧縮変形量(X軸)と反発
係数(Y軸)との関係をグラフ化したものが図1であ
る。図1において、X軸方向、即ちグラフ中で右へいく
ほど、圧縮変形量が大きくなり、打撃時の衝撃が小さく
なって打球感に優れたゴルフボールであることを示す。
また、Y軸方向、即ちグラフ中で上へいくほど、反発係
数が大きくなり、飛距離の向上したゴルフボールである
ことを示す。従って、グラフ中で右上へいくほど、打球
感と反発性(飛距離)に優れたゴルフボールである。図か
ら明らかなように、コア用ゴム組成物に本発明のフラー
レンまたはその誘導体を含有する実施例1〜13はすべ
て、上記フラーレンまたはその誘導体を含有しない比較
例1〜5のゴルフボールに比べて、プロットがグラフ中
で右上の領域にある。
【0052】一般にゴルフボールは、要求される性能に
応じて、圧縮変形量の値が様々に設定される。しかしな
がら、図1では、どのような圧縮変形量値を有する場合
でも、実施例は比較例に比べて反発係数が大きくなって
いる。つまり、同等の圧縮変形量(打球感)を有するゴ
ルフボールでは、実施例のゴルフボールの方が反発性が
優れている。言い換えると、同等の反発性(飛距離)を有
するゴルフボールでは、実施例のゴルフボールの方が圧
縮変形量が大きく、打球感が良好である。
【0053】これを実証するため、同等の反発係数を有
する実施例6および比較例4、並びに同等の圧縮変形量
を有する実施例10および比較例3について打球感を評
価し、その結果を以下の表8にコアの圧縮変形量と反発
係数およびボールの飛距離と共に示す。試験方法は前述
の通りとした。
【0054】
【表8】
【0055】表8から明らかなように、実施例6および
比較例4のゴルフボールは反発係数は同等であるが、圧
縮変形量が非常に大きな実施例6のゴルフボールの方が
比較例4のゴルフボールより、打球感が非常に良好であ
る。また、実施例10および比較例3のゴルフボールは
圧縮変形量は同等であり、打球感も同等であるが、実施
例10のゴルフボールの方が比較例3のゴルフボールよ
り、反発係数および飛距離は大きな値を示している。
【0056】更に、本発明のフラーレンまたはその誘導
体を用いた実施例のゴルフボールは、そのようなフラー
レンまたはその誘導体を用いずに、有機硫黄化合物、例
えばジフェニルジスルフィドを用いた比較例のゴルフボ
ールに比較して、高い反発係数を示している(例えば、
実施例4と比較例4等)。詳細な機構については不明で
あるが、フラーレンがラジカル連鎖反応である架橋形態
に関与すると考えられる。
【0057】
【発明の効果】本発明のゴルフボールは、コア用のゴム
組成物に、フラーレンまたはその誘導体を用いることに
よって、優れた反発性能および飛行性能を有し、かつ打
球感を向上させ得たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゴルフボールのコアの圧縮変形量
(X軸)とコアの反発係数(Y軸)との関係を表すグラ
フ図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1層以上のコアと該コア上に被覆形成さ
    れた1層以上のカバーから成るゴルフボールにおいて、 該コアの少なくとも1層が、 (a)基材ゴム、(b)共架橋剤、(c)有機過酸化物、およ
    び(d)フラーレンまたはその誘導体、を含有するゴム組
    成物を加硫成形して成るゴルフボール。
  2. 【請求項2】 前記コアが、(a)基材ゴム100重量部
    に対して、前記(b)共架橋剤15〜45重量部、(c)有
    機過酸化物0.2〜5重量部、(d)フラーレンまたはそ
    の誘導体0.05〜3重量部および(e)充填材2〜30
    重量部を含有するゴム組成物を加硫成形して成る請求項
    1記載のゴルフボール。
  3. 【請求項3】 前記(d)成分が、C60、C70、C
    74、C76、C78、C80、C84、C
    6048、C60Cl24、C60Br24、C60
    (OH)24、C6024およびそれらの2種以上の組
    合せから成る群から選択される請求項1〜2のいずれか
    1項記載のゴルフボール。
  4. 【請求項4】 前記(a)基材ゴムがシス‐1,4‐結合
    40%以上を有するポリブタジエンゴムである請求項1
    〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
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