JP4585193B2 - 高圧ホース - Google Patents

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Description

本発明は、ガスケット、パッキング材、タイヤ、タイヤチューブ等の製造に有用なゴム組成物、並びにこれを用いたゴムホース及び高圧ホース、特に作動システム用高圧ホースに関する。
高圧ホースは、高圧水による洗浄用途や、工作機械、建設機械、自動車等あらゆる分野の作動システムに使用されている。このような作動システムに用いられる高圧ホースは一般にワイヤーブレード(W/B)ホースであり、鉱物系と水系に大別される。鉱物系油を用いる油圧システムに用いられるW/Bホース材料には、まず耐油性が要求され、120℃程度の温度までの使用環境においてはニトリルゴム(NBR)が一般的に使用され(例、特許文献1)、トラック用パワーステアリングオイルのようにさらに高い使用温度環境が要求される場合には水素添加NBR(H−NBR)が使用される。
しかしながら、火災等災害対策及びリサイクル用途では、作動油としての鉱物系油の使用が敬遠され、水/グリコール、リン酸エステル等の水系が用いられる。また、同様に水系を用いた高圧洗浄ホースの用途もある。ところが、鉱物油系に用いられるNBRは水分の透過が大きく補強層である金属ワイヤーを劣化させるとの問題があり、使用することができない。このため、この用途にはエチレンプロピレン系ゴム(EPR,EPDM、EPT等)が一般に用いられている。
このため、作動システム用ホースは、鉱物系、水系のそれぞれにおいて使い分けられており、鉱物系/水系の両方に使用できる作動ホースはまだ得られていない。しかしながら、このような兼用ホースに対する市場の要求は高い。
特開2001−289370号公報
従って、本発明の目的は、本発明は、耐油性、耐水性に優れた高圧ホース、特に作動システム用高圧ホースを提供することにある。
また、本発明は、耐水性及び耐油性に優れたゴムホースを提供することにある。
さらに上記高圧ホース及びゴムホースの作成に有利に使用される、水バリヤ性(耐水性)及び鉱物油バリヤ性(耐油性)に優れたゴム組成物を提供することにある。
また、本発明は、水バリヤ性(耐水性)及び鉱物油バリヤ性(耐油性)に優れ、且つ作業性が良好で経済的に有利なゴム組成物を提供することにもある。
本発明者等は、層状鉱物フィラーを用いて良好な耐水性につながる高い水バリヤ性(低水分透過率)と耐油性とを有する高分子組成物を得るために検討してきた。その中から、疎水性で且つ有機化表面処理されていない通常の層状鉱物フィラーを特定の種類のゴムを用いて混練してゴム組成物を得た場合、層状鉱物フィラーを大量に使用することにより、作業性が良好にも拘わらず低い水分透過率が得られ、またゴム特有の性質の劣化もほとんど見られないことを見出した。また層状鉱物フィラーを増量することによる粘度上昇も少なかった。
従って、本発明は、管状の内側ゴム層、その周囲に設けられた管状の金属ワイヤー補強層、及びその周囲に設けられた管状の外側ゴム層を含む高圧ホース(特に作動システム用高圧ホース)において、
少なくとも内側ゴム層が、ポリマー及び該ポリマー中に分散された層状鉱物フィラーを含むゴム組成物であって、ポリマーがニトリルゴム(NBR)を質量で70%以上含有し、そして層状鉱物フィラーが疎水性で且つ有機化表面処理されておらず、さらにポリマーに対して80質量%以上含有してなるゴム組成物から形成されていることを特徴とする高圧ホースにある。

本発明における上記疎水性は、以下のように定義される。即ち、フィラー2gを、pH7.0/25℃の水100mlの入ったメスシリンダに10回に分けて加える。この時先に加えたフィラーがほとんど沈着した後次のフィラーを加える。これを24時間放置後、器底の塊の見かけ容積を測定し、10ml以下のものを疎水性とする。
上記ゴム組成物において、NBRが、アクリロニトリル繰り返し単位を25質量%以上(さらに25〜40質量%の範囲、特に30〜40質量%の範囲)含有していることが好ましい。これにより得られるゴム組成物が充分な耐油性を有し、ゴム物性(ゴム弾性等)を損なうことがない。またポリマーの100質量%が、ニトリルゴム(NBR)であることが好ましい。
上記層状鉱物フィラーは、ポリマーに対して80質量%以上(さらに80〜200質量%の範囲、特に100〜150質量%の範囲)で含有している。これにより低気体遮蔽性、低水分透過性が得られる。本発明の組成物では、層状鉱物フィラーを大量に使用しても、ゴム組成物のゴム特性の低下がほとんど見られない。層状鉱物フィラーが、マイカ、クレー及びタルクから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明は、上記のゴム組成物を架橋して得られる架橋された高分子組成物にもある。
本発明のゴム組成物では、ニトリルゴムを主成分とするポリマー中に、疎水性で且つ非表面処理タイプの有機化処理されていない層状鉱物フィラーが大量に適度に分散している。これにより耐油性(主にニトリルゴムによる)と、低水分透過性(主に層状鉱物フィラーによる)とが両立したものとなっている。しかも、本発明のゴム組成物は、このような優れた特性を有しながら、ゴム本来の特性(弾性等の機械特性)の劣化がほとんど見られない。さらに本発明のゴム組成物は、ニトリルゴムと非表面処理タイプの層状鉱物フィラーとを簡単に混練することにより得ることができるので経済的であり、また生産性においても向上している。
従って、本発明のゴム組成物は、水分透過性が低く、ゴム本来の機械特性に優れ、且つ作業性が良好で経済的に有利なものであるということができる。このため、特に、本発明のゴム組成物は、耐油性と低水分透過性を兼ね備えた、ゴムホース、高圧ホースへの使用に好適である。
本発明のゴム組成物は、ポリマー中に、疎水性で且つ非表面処理タイプの層状鉱物フィラーが大量に適度に分散した基本構成を有する。
本発明の高分子組成物では、疎水性で且つ有機化表面処理されていない層状鉱物フィラーがニトリルゴムを主成分とするポリマー中に相互にほぼ平行関係で配向していると考えられるが、層状鉱物フィラーが比較的大きな粒子形状(一般に4〜7μm)で分散していると考えられるため、ゴム本来の機械特性(例、引張応力、引張強度、引張伸び)の低下がほとんど見られない。またこのように、層状鉱物フィラーを比較的大量に使用することができることから水分透過性を大幅に低下させることができ、またNBR自体が耐油性も有することから、本発明のゴム組成物は低水分透過性(耐水性)、耐油性に優れ、このような用途のゴムホース、高圧ホースに好適である。
本発明のゴム組成物は、一般に、ポリマー(主にブロック状NBR)及び非表面処理タイプの層状鉱物フィラー等を、バンバリー等のインターナルミキサー等の通常の混練機を用いて80〜150℃程度で混合することによって得られるものであり、さらにこれに架橋剤を加えると、架橋ゴム組成物が得られる。
本発明で使用される、非表面処理、即ち有機化表面処理がされていない層状鉱物フィラーとしては、有機化表面処理がされていない、クレー、マイカ、カオリンクレー、タルク等を挙げることができ、中でも形状が扁平状であるクレー、マイカが好ましい。層状鉱物フィラーの平均粒径20μm以下、さらに0.1〜15μmの範囲、特に1.0〜8.0μmが好ましい。
クレーとは、一般に、1種あるいは2種以上の粘土鉱物からなる平均粒径20μm以下、さらに0.1〜15μmの範囲、特に0.1〜8μmの微細な粒子である。粘土鉱物とは、微細な層状ケイ酸塩であり、Si4+イオンが酸化物イオン(O2−)に対して4配位をとる4面体が構成する層と、Al3+、Fe2+、Fe3+、Mg2+などのイオンがO2−および水酸化物イオン(OH)に対して6配位をとる8面体層とが1:1あるいは2:1で結合し、さらにそれらが積み重なって層状構造を構成するものが、一般的である。粘土鉱物としては、例えば、カオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト、ゼオライト、バーミキュライトなどを挙げることができる。
マイカ(雲母)は、完全な基底劈開により特徴付けられる斜晶系層状珪酸塩であり、複雑なアルミノケイ酸カリウムであり、その一般化学組成式はXY2〜3Zn10(OH、F)[但し、XがBa、Ca、(HO)、K、Na、(NH)を表し、YがAl、Cr3+、Fe2+、Fe3+、Li、Mg、Mn2+、V3+を表し、ZがAl、Be、Fe、Siを表す]で表される。マイカの平均粒径は平均粒径20μm以下、さらに0.1〜15μmの範囲、特に1.0〜8.0μmが好ましい。
タルクは、ケイ酸マグネシウムで、一般にMgSi10(OH)で表される。
上記層状鉱物フィラーの添加量は、ポリマーに対して80質量%以上、さらに80〜200質量%、特に100〜150質量%が好ましい。フィラーの量が80質量%より少ないと、水分バリヤ性、即ち低水分透過率(耐水性)の効果が充分に得られず好ましくない。過剰の添加はゴム物性を損なう場合がある。
上記層状鉱物フィラーに加えて他の無機フィラーを使用しても良い、その例としては、カオリン、炭酸カルシウム、シリカ等を挙げることができる。
本発明で使用されるポリマーは、ニトリルゴム(NBR;アクリロニトリル・ブタジエン・ゴム)が、ポリマーの少なくとも70質量%を占める。90〜100質量%、特に100質量%を占めることが好ましい。NBRが、アクリロニトリル繰り返し単位を25質量%以上、25〜40質量%の範囲、特に30〜40質量%の範囲含有していることが好ましい。これにより得られる組成物の優れた耐油性、低い水分透過率(耐水性)の両立が可能となる。
本発明のゴム組成物では、疎水性で且つ有機化表面処理がされていない層状鉱物フィラー(一般に疎水性)がNBR中に、適度な粒径で分散しているため、大幅な粘度上昇を起こさず、大量のフィラーが分散することができ、ゴム特有の特性を保持しながら、低水分透過率(耐水性)をも有することができると考えられる。本発明のゴム組成物中で分散状態にある層状鉱物フィラーの平均粒径は4〜7μmにあると考えられる。
NBR以外に使用することができる他のポリマーとして、一般にゴム(ゴム又はゴムラテックス)であり、その例として、例えば天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴムラテックス、シリコーンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックスが挙げられる。これらは、単独でも、混合物としても使用することができる。
本発明のポリマーとして、上記ゴム以外の通常の熱可塑性樹脂を用いても良いし、上記ゴムと熱可塑性樹脂とを併用しても良い。
架橋(加硫)を行うための架橋剤としては、種々の市販の化合物を使用することができる。
硫黄系加硫剤としては、粉末硫黄、高分散性硫黄、不溶性硫黄等の、一般にゴム用加硫剤として用いられている硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム類、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸塩類、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム等のキサントゲン酸塩類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド類、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール類等を挙げることができる。
また加硫促進剤として、TMTD(テトラメチルジスルフィド)等のチウラム系、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)等のジチオカルバミン酸塩類を使用することができる。
上記の架橋剤の使用量は、ポリマー(一般にNBR)に対して0.5〜4.0質量%、特に1.0〜2.5質量%が好ましい。
有機過酸化物として、例えば、過酸化水素水、クメンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレラート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゼン、ビニルトリス(t−ブチルペルオキシ)シランなどを使用することができる。ジクミルペルオキシドが好ましい。使用量は、ポリマー(一般にNBR)に対して、0.2〜8.0質量%、特に0.25〜4.0質量%、さらに0.3〜2.0質量%が好ましい。
また加硫促進剤として、TMTD(テトラメチルジスルフィド)等のチウラム系、EZ(ジエチルジチオカルバミン産亜鉛)等のジチオカルバミン酸塩類を使用することができる。
さらに、これらと組み合わせて、有機過酸化物、キノンジオキシム、多官能性アクリルモノマー{例、トリメチロールエタントリアクリレート(TMETA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールエーテルヘキサアクリレート(DPEHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(DPEHA)、ジメチロールプロパンジアクリレート(TMPTA)、ステアリルアクリレート(SA)}、トリアジンチオールを用いることができる。
架橋剤の使用量は、ポリマー(一般にNBR)に対して0.05〜5.0質量%、特に0.1〜4.0質量%が好ましい。
有機過酸化物の使用量は、ポリマー(一般にNBR)に対して、0.1〜1.0質量%、特に0.1〜0.8質量%、さらに0.3〜0.5質量%が好ましい。
次に本発明のゴム組成物の製造方法を説明する。
層状鉱物フィラーと、原料ゴムとを汎用の混練機、例えばバンバリー型ミキサーに投入する。混練中の温度は、層状鉱物フィラーがゴムに分散可能な温度に設定することが好ましく、一般に50〜180℃、好ましくは80〜150℃である。混練の時間も、層状鉱物フィラーがゴムに分散可能な時間であればよく、一般に5〜15分間である。このような条件で混練し、ゴム組成物を得る。このゴム組成物を、適当な架橋剤及び/又は架橋促進剤をバンバリー型ミキサー等を用いて添加し、適当な条件下で架橋して架橋ゴム組成物を得る。
本発明のゴムホースは、本発明の上記ゴム組成物を用いて公知の方法で管状に成形することにより得ることができる。
また、本発明の高圧ホースについては、その代表的な構造の1例を図1に示す。管状の内側ゴム層11、その表面をスパイラル状に巻かれたワイヤ補強層12a、その表面を覆う管状の中間ゴム層13、その表面をスパイラル状に巻かれたワイヤ補強層12b、そしてその表面を覆う管状の外側ゴム層14から構成されている。5層構造の高圧ホースである。内側ゴム層11は、有機化表面処理されていないタイプの層状鉱物フィラーがNBR含有ポリマー中に分散されてなるゴム組成物から形成されている。中間ゴム層13もこの内側ゴム層11と同じゴム組成物から形成されても良いが、他の組成物でも良い。
本発明の高圧ホースの代表的な構造の別の1例を図2に示す。管状の内側ゴム層21、その表面をブレード構造に巻かれたワイヤ補強層22、さらにその表面を覆う管状の外側ゴム層24から構成されている。3層構造の高圧ホースである。内側ゴム層21は、疎水性で且つ有機化表面処理されていないタイプの層状鉱物フィラーが、NBR含有ポリマー中に分散されてなるゴム組成物から形成されている。
内側ゴム層11,21は、圧送する鉱物油、水等の揮発成分が透過するのを抑制する機能を有する。
管状のワイヤ補強層12,22は、一般に金属繊維の螺旋状又は編組構造体である。金属繊維としては軟線、ヤーン、硬鋼線、ステンレス鋼等を挙げることができ、鋼線に対して黄銅メッキ、亜鉛メッキ等の適宜のメッキを施してもよい。これらの金属繊維をスパイラル状又はブレード状に編みあげたものが好ましい。これらの繊維の太さ(直径)は、一般に0.15〜1.0μmの範囲である。
本発明の内側ゴム層等を形成するゴム組成物は、疎水性で且つ有機化表面処理されていないタイプの層状鉱物フィラーが、NBR含有ポリマー中に大量に分散されているため、ガス、水分等の透過性が一段と抑制される。したがって、水蒸気の透過が抑えられるため、金属ワイヤの腐食が抑制されることから、結果的に耐水性の向上につながっている。上記ゴム組成物を含む高圧ホースは、耐油性を維持しつつ、且つ水系作動システムにおいてもワイヤの腐食が発生し難いことから、この水系にも適用し得るものである。
以下実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。
[I]使用材料は以下の通りである。
(A)ポリマー
A1:NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、
JSR(株)製、N230(アクリロニトリル繰返し単位含有率:35質量%)
(B)層状鉱物フィラー
B1:疎水性非有機化クレー、日本ミストロン(株)製、ミストロンペーパー
B2:疎水性非有機化マイカ、コープケミカル(株)製、ソマシフMK−100
B3:疎水性有機化マイカ、コープケミカル(株)製、ソマシフMEE
B4:親水性非有機化天然モンモリロナイト・クレー、クニミネ工業(株)製、
クニピアF
(C)他の材料
C1:FEFカーボンブラック
C2:可塑剤(エーテルエステル系可塑剤)
C3:硫黄
C4:促進剤CZ
C5:促進剤TT
C6:ステアリン酸
C7:酸化亜鉛
[II]サンプルの作製方法
サンプル、高圧ホースの作製方法を下記の実施例、比較例に示す。
[実施例1〜2、比較例1〜3]
(1)ゴム組成物及びシートの作製
表記の質量の(A)ポリマー、(B)層状鉱物フィラー及び(C)他の材料を、100℃でバンバリー型ミキサーを用いて混練し、ゴム組成物を得た。
(2)高圧ホースの作製
内側ゴム層を、得られたゴム組成物を押出機を用いて押し出すことにより形成した。得られたチューブ状内側ゴム層は厚さ2.0mmであった。
次いで得られたチューブ状内側ゴム層上に、補強層としてワイヤ(直径0.35mm)を合計40本巻いて、ブレード構造に巻かれたワイヤ補強層を形成した。
上記補強層の外周に外側ゴム層を押出被覆した(厚さ1.2mm)。
以上のようにして高圧ホースを製造した。得られたホースの寸法は内径が11.0mm、外径が19.0mmであった。
[III]評価方法
1)ゴム組成物の柔軟性及び作業性の評価
ゴム組成物を用いて高圧ホースを製造する作業中にその作業者により評価した。
2)水分遮蔽性
ステンレス製の筒(内径2cm)に水を充填し、厚さ1mmの上記の加硫したゴムシートで蓋をする。これを100℃のオーブンに入れて、24時間毎に重量を測定し、水分の透過量を測定した。
3)高圧ホースの耐久性(熱老化性)評価
得られた高圧ホースに、水系媒体として水を30MPaで加圧封入し、80℃のオーブンに500時間保管した。その後、ホースの破裂圧測定と、ワイヤの腐食状態を目視で観察した。
3)高圧ホースの耐久性(熱老化性)評価
上記評価結果を下記の表1に示す。
Figure 0004585193
以上に示したように、本発明の実施例で得られるゴムシート及び高圧ホースは水分バリヤ性に優れているので、高圧ホースでは錆の発生もほとんどなく、破裂圧低下率も小さい。高価な有機化表面処理マイカを使用した比較例1のゴムシート及び高圧ホースに遜色のないものである。但し、比較例1の有機化表面処理マイカを使用した場合、使用が大量なため作業性、ゴムの柔軟性が大幅に低下した。親水性のフィラーを用いた比較例2、フィラーを用いない比較例3では全く劣悪の特性である。
本発明の高圧ホースの代表的な構造の1例の斜視図である。 本発明の高圧ホースの代表的な構造の別の1例を斜視図である。
符号の説明
11,21 管状の内側ゴム層
12a,12b,22 補強層
13 管状の中間ゴム層
14,24 外側ゴム層

Claims (5)

  1. 管状の内側ゴム層、その周囲に設けられた管状の金属ワイヤー補強層、及びその周囲に設けられた管状の外側ゴム層を含む高圧ホースにおいて、
    少なくとも内側ゴム層が、ポリマー及び該ポリマー中に分散された層状鉱物フィラーを含むゴム組成物であって、ポリマーがニトリルゴム(NBR)を質量で70%以上含有し、そして層状鉱物フィラーが疎水性で且つ有機化表面処理されておらず、さらにポリマーに対して80質量%以上含有してなるゴム組成物から形成されていることを特徴とする高圧ホース。
  2. 層状鉱物フィラーがポリマーに対して80〜200質量%の範囲で含有している請求項1に記載の高圧ホース。
  3. NBRが、アクリロニトリル繰り返し単位を25〜40質量%の範囲で含有している請求項1又は2に記載の高圧ホース。
  4. 層状鉱物フィラーが、マイカ、クレー及びタルクから選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の高圧ホース。
  5. ゴム組成物が架橋されている請求項1〜3のいずれかに記載の高圧ホース。
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