JP2004011872A - 冷媒輸送用高圧ホース - Google Patents

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Katsuhiko Tsunoda
角田 克彦
Shigehiko Mashita
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Abstract

【課題】容易に得ることができる、冷媒の気体透過率が低減された冷媒輸送用高圧ホースを提供すること、及び冷媒の気体透過率が低減され且つ柔軟な冷媒輸送用高圧ホースを提供すること。
【解決手段】有機化マイカが、イソブチレンを主成分とする共重合体の臭素化物からなるゴム中に分散されてなるゴム組成物から形成されている管状ゴム層を含むことを特徴とする冷媒輸送用高圧ホース;及び管状の内側ゴム層、その上を覆う管状の繊維の補強層、及びその上を覆う管状の外側ゴム層を含む冷媒輸送用高圧ホースにおいて、少なくとも内側ゴム層が、有機化マイカが、イソブチレンを主成分とする共重合体の臭素化物からなるゴム中に分散されてなるゴム組成物から形成されていることを特徴とする冷媒輸送用高圧ホース。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用クーラー等に有利に使用することができる冷媒輸送用高圧ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用クーラーの配管等に使用される冷媒輸送用高圧ホースも、一般の高圧ホースと同様に管状の複数層から構成される。即ち、管状の内側ゴム層と、その上を覆う管状の繊維が、例えば螺旋状に巻かれた補強層、さらにその上を覆う管状の外側ゴム層の基本構成を有する。補強層は、求められる強度に応じて、複数層設けられ、その際補強層の間には一般に中間層が設けられる。そして、冷媒輸送用では、フロン等の冷媒の漏洩を防止するために、上記内側ゴム層の内側に更にポリアミドからなるガスバリヤ層が設けられている(特開平7−171930号公報参照)。
【0003】
一方、特開平11−159667号公報には、ポリアミドからなるバリヤ層の代わりに有機化クレーと無水カルボキシル基を有する変性ブチルゴムとから成る内側ゴム層を含む冷媒輸送用ホース、更に内側ゴム層の内側にさらに有機化クレーとナイロンから成るガスバリヤ層を有する冷媒輸送用ホースが開示されている。これらのホースは振動吸収性、流体遮断性に優れたものであることが記載されている。この公報では、クレーのほかに使用できるフィラーとしてマイカも記載されているが具体的な配合、効果は示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者等の検討によれば、特開平11−159667号公報でも使用されているナイロンのガスバリヤ層を有する場合、ホース自体がこの層の存在のために硬くなり、ホース本来に求められるしなやかさが低下すること、またこの層を接着するための接着工程が増えること、そして潤滑油として使用されるポリアルキレングリコールにより劣化しやすく耐久性が低下すること等の問題があることが判明した。
【0005】
一方、上記ガスバリヤ層を設けない場合、本発明者等の検討によれば、特開平11−159667号公報の有機化クレーと無水カルボキシル基を有する変性ブチルゴムを用いて、通常の混練機(バンバリーミキサー等)でゴム組成物を得ようとすると、クレー等の層状粘土物を超微分散状態にすることが困難であることが判明した。またマイカについては、気体透過率を低減することが一般的に知られているが、これをゴムに加えて気体透過率をどの程度低減することができるかについては報告はない。
【0006】
本発明は、冷媒の透過(損失)が低減され且つ容易に得ることができる冷媒輸送用高圧ホースを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、冷媒の透過率が低減され且つ柔軟で作業性に優れた冷媒輸送用高圧ホースを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有機化マイカが、イソブチレンを主成分とする共重合体の臭素化物からなるゴム中に分散されてなるゴム組成物から形成されている管状ゴム層を含むことを特徴とする冷媒輸送用高圧ホース;及び
管状の内側ゴム層、その上を覆う管状の繊維の補強層、及びその上を覆う管状の外側ゴム層を含む冷媒輸送用高圧ホースにおいて、
少なくとも内側ゴム層は、有機化マイカがイソブチレンを主成分とする共重合体の臭素化物からなるゴム中に分散されてなるゴム組成物から形成されていることを特徴とする冷媒輸送用高圧ホースにある。
【0009】
上記ホースにおいて、有機化マイカが、アルキルアンモニウム塩で処理されたマイカが好ましく、特に、ジメチルジアルキルアンモニウム塩で処理されたマイカが分散性の点で好ましい。
【0010】
イソブチレンを主成分とする共重合体の臭素化物が、臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)又は臭素化(イソブチレン−イソプレン共重合体)(いわゆる臭素化ブチルゴム)が好ましく、特に臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)が好ましい。有機化マイカの表面の有機化処理量が、80ミリ当量(meq)/100gであることが好ましい。尚、この有機化マイカの表面の有機化処理量は、マイカに存在する無機カチオンをアンモニウム塩等の有機カチオンで交換した時の、マイカ100g当たりの有機カチオンで交換されたカチオンの当量数である。また有機化マイカが、ゴムに対して10〜50質量%含まれていることが好ましい。さらに上記組成物は架橋していることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の冷媒輸送用高圧ホースに使用されるゴム組成物は、イソブチレンを主体とするゴムであって、臭素化されたものである特定の臭化ゴムと、特定の無機フィラーであるマイカ(雲母)がゴム中に超微分散するように、相溶性の極めて良好な有機化処理されたマイカとを用いている。即ち、本発明者の特定の組成のゴム組成物は、原料のゴム、フィラー及びその他の材料を、通常の混練機であるバンバリー等のインターナルミキサーにより簡易に混練して分散することができ、且つマイカを極めて微分散状態にすることができるものである。本発明のゴム組成物では、マイカが、極めて微細な鱗片状粒子として分散されており、このため気体分子はこの微細で多数の鱗片状粒子に幾度と無く衝突するため、このマイカ含有ゴム組成物の層(例えば内側ゴム層)を簡単に透過することができない。したがって、本発明のゴム組成物から形成されるゴム層は、気体遮蔽性が高度に優れたものである。そして特にフロン、フレオン、ユーコン、ゲネトロン等のフッ化炭素等の冷媒に対して優れた遮蔽性を示す。
【0012】
本発明の代表的な冷媒輸送用高圧ホースの構造の1例を図1に示す。管状の内側ゴム層11、その表面を覆う管状の繊維の補強層12a、その表面を覆う管状の中間ゴム層13、その表面を覆う管状の補強層12b、そしてその表面を覆う管状の外側ゴム層14から構成されている。内側ゴム層11は、有機化マイカが、本発明の臭素化されたイソブチレンを主体とするゴム中に分散されてなるゴム組成物から形成されている。中間ゴム層13は、前記ゴム組成物から形成されるものでも良いが、一般にマイカ/クレー等を含まないブチルゴム/ハロゲン化ブチルゴム組成物を含むものである。
【0013】
図2に、上記図1の高圧ホースの内側ゴム層11の内側に、さらに管状の内管ゴム層15が設けられた、別の代表的な冷媒輸送用高圧ホースの構造の1例を示す。即ち、管状の内管ゴム層15、その表面を覆う管状の内側ゴム層11、その表面を覆う管状の繊維の補強層12a、その表面を覆う管状の中間ゴム層13、その表面を覆う管状の補強層12b、そしてその表面を覆う管状の外側ゴム層14から構成されている。内管ゴム層15は、マイカ/クレー等を含んでも、含まなくても良いブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムから構成される。
【0014】
図3に、ナイロン等のポリアミドを内層に適用した従来の冷媒輸送用高圧ホースを示す。管状のナイロンガスバリヤ層16、その表面を覆う管状の内管ゴム層15、その表面を覆う管状の繊維の補強層12a、その表面を覆う管状の中間ゴム層13、その表面を覆う管状の補強層12b、そしてその表面を覆う管状の外側ゴム層14から構成されている。これは従来の冷媒輸送用高圧ホースであるが、先に述べたようにホースとして硬く、柔軟性が充分でなく、さらにはナイロンとゴムの接着処理、カシメ金具との接着処理等も必要とするものであった。
【0015】
本発明では、形状が鱗片状である有機化マイカが特定の臭素化ゴム中に超微細に分散した、冷媒等の気体遮蔽性に優れたゴム組成物を内側ゴム層に用いているため、従来必要とされたナイロンのガスバリヤ層を設けなくても良いことから、柔軟性に優れ、カシメ金具との接着処理等も必要としない高圧ホースを得ることができたものである。
【0016】
管状の繊維の補強層12a,12bは、一般に有機繊維の編組構造体である。有機繊維としてはビニロン、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミド等を挙げることができる。これらの繊維をスパイラル状又はブレード状に編みあげたものが好ましい。これらの繊維は、一般に56〜778tex(500〜7000d)、特に222〜556tex(2000〜5000d)を有することが好ましい。
【0017】
本発明の内側ゴム層等を形成するゴム組成物は、上記のように、一般に有機化マイカと本発明の特定の臭化ゴムとをバンバリー等のインターナルミキサー等の通常の混練機を用いて混合することによって得られる。さらにこれに架橋剤を加えると、架橋ゴム組成物が得られる。
【0018】
上記有機化マイカは、アルキルアンモニウム塩(例えば、テトラアルキルアンモニウム塩或いはポリオキシアルキレントリアルキルアンモニウム塩)で処理されたマイカが好ましい。特にジメチルジアルキルアンモニウム塩(但し、このアルキルは炭素原子数1〜20個、特に6〜20個有する)で処理されたマイカが好ましい。例えば、ジメチルジアルキル(C18)アンモニウム・合成マイカ、ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム・合成マイカ、トリオクチルメチルアンモニウム・合成マイカを挙げることができる。
【0019】
有機化マイカの表面の有機化処理量が、80ミリ当量(meq)/100g以上、特に100ミリ当量(meq)/100g以上であることが好ましい。処理前のマイカは、表面及び内部に別のカチオンと交換できる無機カチオン基を有しており、この基に上記アンモニウム塩等の特定の有機カチオンを反応させたものが本発明で使用される有機化マイカである。
【0020】
本発明の有機化処理前のマイカ(雲母)は、完全な基底劈開により特徴付けられる斜晶系層状珪酸塩であり、複雑なアルミノケイ酸カリウムであり、その一般化学組成式はXY2〜3Zn10(OH、F)[但し、XがBa、Ca、(HO)、K、Na、(NH)を表し、YがAl、Cr3+、Fe2+、Fe3+、Li、Mg、Mn2+、V3+を表し、ZがAl、Be、Fe、Siを表す]で表される。マイカの平均粒径は2μm以下、好ましくは0.01〜1μmの範囲が好ましい。
【0021】
有機化マイカの量は、ゴムに対して10〜50質量%、特に10〜40質量%が好ましい。有機化マイカの量が10質量%より少ないと、気体遮蔽性の効果が充分に得られず、50質量%より多いと、分散が困難となり好ましくない。本発明のゴム組成物では、一般に、ゴムに対してマイカを30質量%含有するゴム組成物のガス透過係数の、有機化マイカを含まないゴム組成物のガス透過係数に対する比として、0.15程度を得ることができる。尚、本発明の有機化マイカの寸法も、上記処理前マイカと実質的に同一である。
【0022】
上記臭化ゴムは、イソブチレンを主体とする他のモノマーとの共重合体で、臭素化されたものである。他のモノマーとしては、一般に炭素炭素2重結合を1個又は2個有する炭化水素である。炭素炭素2重結合を1個有する炭化水素としては、エチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、スチレン、アルキルスチレン(例、4−メチルスチレン)等を挙げることができ、炭素炭素2重結合を2個有する炭化水素としては、イソプレン、ブタジエン等を挙げることができる。他のモノマーとしてイソプレン、アルキルスチレンが好ましい。共重合体のイソブチレンの割合は、80〜99モル%が好ましく、特に90〜99モル%が好ましい。臭化ゴム中の臭素含有量は、0.5〜1.5モル%が好ましく、特に0.75〜1.2モル%が好ましい。
【0023】
本発明で使用することができる好ましい臭化ゴムとしては、臭素化(イソブチレン−イソプレン共重合体)(いわゆる臭素化ブチルゴム)又は臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)を挙げることができ、特に臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)が好ましい。
【0024】
上記有機化マイカに加えて他の無機フィラーを使用しても良い、その例としては、クレー、カオリンクレー、タルク、炭酸カルシウム、シリカ等を挙げることができ、中でも形状が扁平状であるクレー、カオリンクレー、タルクが好ましく、特にクレーが好ましい。
【0025】
上記臭化ゴムに加えて他のゴムを使用しても良い。そのゴムの例として、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴムラテックス、シリコーンゴムラテックス、ウレタンゴムラテックスが挙げられる。アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)が好ましい。
【0026】
上記臭化ゴムに加えて、通常の熱可塑性樹脂等のポリマーを併用しても良い。
【0027】
上記臭化ゴムの架橋(加硫)を行なうための架橋剤としては、一般に酸化亜鉛が使用され、必要により(例えば、他のゴム材料の使用の際)種々の市販の化合物(例、硫黄、有機過酸化物)を使用することができる。またステアリン酸等の高級脂肪酸との併用が好ましい。
【0028】
また加硫促進剤として、TMTD(テトラメチルジスルフィド)等のチウラム系、EZ(ジエチルジチオカルバミン産亜鉛)等のジチオカルバミン酸塩類を使用することができる。
【0029】
さらに、これらと組み合わせて、有機過酸化物、キノンジオキシム、多官能性アクリルモノマー{例、トリメチロールエタントリアクリレート(TMETA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールエーテルヘキサアクリレート(DPEHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(DPEHA)、ジメチロールプロパンジアクリレート(TMPTA)、ステアリルアクリレート(SA)}、トリアジンチオールを用いることができる。
【0030】
硫黄系加硫剤及び加硫促進剤としては、粉末硫黄、高分散性硫黄、不溶性硫黄等の、一般にゴム用加硫剤として用いられている硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム類、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸塩類、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム等のキサントゲン酸塩類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド類、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール類等を挙げることができる。これらは併用することができる。
【0031】
架橋剤の使用量は、ゴムに対して0.1〜4.0質量%、特に0.1〜2.5質量%が好ましい。
【0032】
有機過酸化物として、例えば、過酸化水素水、クメンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレラート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゼン、ビニルトリス(t−ブチルペルオキシ)シランなどを使用することができる。ジクミペルオキシドが好ましい。使用量は、ゴムに対して、0.1〜1.0質量%、特に0.1〜0.8質量%、さらに0.3〜0.5質量%が好ましい。
【0033】
次に本発明で使用されるゴム組成物の製造方法について説明する。
【0034】
有機化マイカ、例えばジメチルジアルキルアンモニウム塩で処理されたマイカは、特開平9−87432号公報に記載の実施例の方法を参考にして製造することができる。
【0035】
この有機化マイカと、原料ゴムの特定の臭化ゴムとを汎用の混練機、例えばブラベンダー型ミキサーに投入する。混練機の温度は、有機化マイカが臭化ゴムに微分散可能な温度に設定することが好ましく、一般に100〜160℃、好ましくは110〜140℃である。混練の時間も、有機化マイカが臭化ゴムに微分散可能な時間であればよく、一般に5〜15分間である。このような条件で混練し、ゴム組成物を得る。このゴム組成物を、適当な架橋剤及び/又は架橋促進剤をロールを用いて添加し、適当な条件下で架橋して架橋ゴム組成物を得るか、或いは架橋する必要がなければそのまま押出成形などの方法で成形する。
【0036】
本発明のゴム組成物は、一般にカーボンブラックを含んでいる。例えば、カーボンブラック標準品種であるSAF,ISAF,HAF、FEF、GPF、SRF(以上ゴム用ファーネス),MTカーボンブラック(熱分解カーボン)を挙げることができる。ゴムに対して一般に0.1〜80質量%、好ましくは0.1〜70質量%の量で使用される。
【0037】
更に可塑剤を加えても良い。
【0038】
本発明のゴム組成物は、成形されて冷媒輸送用高圧ホースとすることができる。
【0039】
本発明の冷媒輸送用高圧ホースは、公知の方法で製造することができる。例えば、以下のように行うことができる。
【0040】
内管(内側ゴム層)押出機の先端に設けた高剛性のマンドレル上に、内側ゴム層を成形する。次いで、この内側ゴム層上に、スパイラル編み上げ機により、例えば4000d(デニール)のPET糸を20本スパイラルし、中間ゴム層を挿入後、更に同数のPET糸を逆方向にスパイラルし、補強層の形成を完了する。その表面に、押出機によりその表面に外側ゴム層を形成し、その後、適当な条件にて加硫し、マンドレルを抜き出し、高圧ホースを得る。
【0041】
本発明において中間層は、前記ゴム組成物から形成されるものでも良いが、一般にマイカ/クレー等を含まないブチルゴム/ハロゲン化ブチルゴム組成物を含むものである。また外側ゴム層は、前記ゴム組成物から形成されるものでも良いが、一般に耐候性を付与するためにEPDM系(エチレンプロピレン系)ゴム組成物を含むものである。
【0042】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。
【0043】
[比較例1〜18、実施例1〜3]
使用材料は以下の通りである。
(A)ゴム
A−1:ブチルゴム;IIR268(JSR(株)製)
A−2:塩化ブチルゴム;Cl−IIR1066(JSR(株)製)
A−3:臭化ゴム;Exxpro−MDX−89−1{臭化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)、臭素含有率1.2モル%;エクソンケミカル(株)製}
【0044】
(B)層状粘土鉱物
B−1:非有機化モンモリロナイト;クニピアF(クニミネ工業(株)製)
B−2:トリメチルモノステアリル(C17)アンモニウム・モンモリナイト;Nanocor 128E( ナノコア (株)製)
B−3:ジメチルジアルキル(C14〜18)アンモニウム・モンモリナイト;Nanocor 143E( ナノコア (株)製)
B−4:非有機化合成マイカ;MK−100(コープケミカル(株)製)
B−5:ジメチルジアルキル(C18)アンモニウム・合成マイカ;有機処理合成マイカソマシフMAE(有機化処理量120meq/100g、コープケミカル(株)製)
B−6:ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム・合成マイカ;有機処理合成マイカソマシフMPE(有機化処理量120meq/100g、コープケミカル(株)製)
B−7:トリオクチルメチルアンモニウム・合成マイカ;有機処理合成マイカソマシフMTE(有機化処理量120meq/100g、コープケミカル(株)製)
上記C17等の数字はそのアンモニウム塩の総単層原子数を表す。
【0045】
(C)架橋剤/架橋促進剤
C−1:硫黄1.5質量%(ゴムに対して)、酸化亜鉛3質量%(同)、ステアリン酸1質量%(同)、TMTD1質量%(同)
C−2:酸化亜鉛5質量%(同)、ステアリン酸1質量%(同)、TMTD:1質量%(同)
【0046】
(1)ゴム組成物及びシートの作製
上記(A)ゴム100gの上記(B)層状粘土鉱物の30gとを混合し、ブラベンダー型ミキサーを用いて120℃で約5分間攪拌し、均一な混合物を得る。
【0047】
得られた混合物に、上記(C)架橋剤/架橋促進剤をロールを用いて添加し、ゴム圧延用ロールを用いて加硫しながら圧延処理する。得られた圧延シートを表面が十分平滑なスラブシート用金型を用いて160℃、30分の条件下において架橋させ、1mm厚のスラブシートサンプルを得る。
【0048】
(2)冷媒輸送用高圧ホース
実施例1〜3及び比較例1〜18で得られたゴム組成物を用いて、図1の構造を有する高圧ゴムホースを製造した。内側ゴム層は実施例1〜3及び比較例1〜18で得られたゴム組成物を用い、補強層はPET繊維を用いた。
【0049】
内側ゴム層を、実施例1〜3及び比較例1〜18で得られたゴム組成物を押出機を用いて押し出すことにより形成した。得られたチューブ状内側ゴム層は厚さ2.0mmであった。
【0050】
次いで得られたチューブ状内側ゴム層上に、補強層としてPET繊維(4000d(デニール))を合計40本スパイラルに編み上げた。
【0051】
上記補強層の外周に内側ゴム層と同じ組成の中間層を押出被覆した。上記と同様にこの内側ゴム層の外周に補強層を形成した。
【0052】
上記補強層の外周に外側ゴム層を押出被覆した(厚さ1.2mm)。
【0053】
以上のようにして冷媒輸送用高圧ホースを製造した。得られたホースの寸法は内径が11.0mm、外径が19.0mmであった。
【0054】
<評価方法>
1)気体遮蔽性(ガスバリヤ性)の評価
気体透過性を評価するために、GTRテック(株)製ガス透過試験機(GTR30A、ガス:フロンR134a)を用い、100℃、ガス供給側圧力0.2MPaの差圧法によりガス透過測定を行なった。
【0055】
得られたシートのサンプルのガス透過係数の、クレーを含まないサンプルが示すガス透過係数に対する比が、0.6を超え1.0以下を×、0.4を超え0.6以下を○、そして0.4以下を◎とした。
【0056】
2)柔軟性の評価
得られたホースの柔軟性を評価するため、R100のマンドレルにホースを巻き付け、その時の荷重を測定した。荷重が10N以下の場合を◎とした。
【0057】
【表1】
Figure 2004011872
【0058】
以上示したように、ゴムとして本発明の特定の臭化ゴム(イソブチレンを主体とするゴムで臭素化されたもの)を用い且つ有機化マイカを用いた時のみ優れた気体遮蔽性が得られた。どちらの種類を変更しても良好な気体遮蔽性は得られなかった。特にゴムとして特定の臭化ゴムを用い且つ有機化マイカとしてジメチルジアルキル(C18)アンモニウム・合成マイカを用いた時は、一段と優れた気体遮蔽性が得られた。またフィラーによるホースの柔軟性の差異は見られず、全て良好であった。
【0059】
【発明の効果】
本発明の冷媒輸送用高圧ホースに使用されるゴム組成物は、有機化マイカが、極めて微細な鱗片状粒子として本発明の特定の臭化ゴム中に分散されており、このためこの組成物から形成されたゴム層では気体分子がこの微細で多数の鱗片状粒子に極く多数回衝突するため、このマイカ含有ゴム層を簡単に透過することができない。したがって、本発明の冷媒輸送用高圧ホースは、気体遮蔽性が高度に優れたものである。また、本発明の冷媒輸送用高圧ホースは、ガスバリヤ層が無くても優れた冷媒遮蔽性を有するため、ホースのしなやかさを保持することができ、カシメ等の作業性にも優れたものである。
【0060】
更にまた、本発明の冷媒輸送用高圧ホースに使用されるゴム組成物の有機化マイカと特定の臭化ゴムの組み合わせにより、分散が極めて容易であり、従って通常の簡易な混練機で極めて微細な分散状態を得ることができる。このため本発明の冷媒輸送用高圧ホースも高い生産性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷媒輸送用高圧ホースの代表的な構造の1例を示す斜視図である。
【図2】本発明の冷媒輸送用高圧ホースの代表的な構造の別の1例を示す斜視図である。
【図3】従来の冷媒輸送用高圧ホースの代表的な構造の1例を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 管状の内側ゴム層
12a,12b 補強層
13 管状の中間ゴム層
14 外側ゴム層
15 管状の内管ゴム層
16 ナイロンガスバリヤ層

Claims (8)

  1. 有機化マイカが、イソブチレンを主成分とする共重合体の臭素化物からなるゴム中に分散されてなるゴム組成物から形成されている管状ゴム層を含むことを特徴とする冷媒輸送用高圧ホース。
  2. 管状の内側ゴム層、その上を覆う管状の繊維の補強層、及びその上を覆う管状の外側ゴム層を含む冷媒輸送用高圧ホースにおいて、
    少なくとも内側ゴム層が、有機化マイカがイソブチレンを主成分とする共重合体の臭素化物からなるゴム組成物から形成されていることを特徴とする冷媒輸送用高圧ホース。
  3. 有機化マイカが、アルキルアンモニウム塩で処理されたマイカである請求項1又は2に記載の冷媒輸送用高圧ホース。
  4. アルキルアンモニウム塩が、ジメチルジアルキルアンモニウム塩である請求項3に記載の冷媒輸送用高圧ホース。
  5. イソブチレンを主成分とする共重合体の臭素化物が、臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)である請求項1〜4のいずれかに記載の冷媒輸送用高圧ホース。
  6. 有機化マイカの表面の有機化処理量が、80ミリ当量/100g以上である請求項1〜5のいずれかに記載の冷媒輸送用高圧ホース。
  7. 有機化マイカが、ゴムに対して10〜50質量%含まれている請求項1〜6のいずれかに記載の冷媒輸送用高圧ホース。
  8. 組成物が架橋されている請求項1〜7のいずれかに記載の冷媒輸送用高圧ホース。
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