JP2009197856A - 冷媒輸送用ホース - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた柔軟性を有し、且つエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)系樹脂を含む内層とその外側の中間層との間の接着性に優れ、耐久性が向上した冷媒輸送用ホースを提供すること。
【解決手段】ポリアミドを含む管状の最内層、最内層を覆うエチレン・ビニルアルコール共重合体を含む管状の内層、及び内層を覆う管状の中間層を含む冷媒輸送用ホースであって、中間層が、臭素化ブチルゴムを含むことを特徴とする冷媒輸送用ホース。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のカークーラーや室内用エアコン等の配管ホースに使用される冷媒の輸送用ホース、特に冷媒として二酸化炭素を用いた場合に有用な冷媒輸送用ホースに関する。
自動車のカークーラーや室内用エアコン等の各種のクーラーシステムの配管に使用される冷媒輸送用ホースは、一般に管状のゴム内層とゴム外層の間に繊維補強層を介在させた複層構造を有する。そして、フロンガス冷媒によるオゾン破壊の問題や、数年間の冷媒無補給を要求されると言うクーラーシステムの性能上の問題から、冷媒輸送用ホースには優れた耐冷媒透過性が求められるが、一般的にゴム層は耐冷媒透過性が不十分である。
その対策として、耐冷媒透過性の高い金属層や樹脂層(特にエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を用いたもの)等からなる冷媒不透過層を複層構造中に設けることが有効であると考えられる。しかしながら、この場合、金属層やEVOH樹脂層がゴム層に比較して硬いことから耐屈曲耐久性が低下し、コンプレッサーの振動や自動車の走行振動に起因する曲げ応力の負荷によってクラック等を生じたり、冷媒不透過層とこれに隣接するゴム層との間で剥離を生じ易くなるとの問題がある。
これまでは、冷媒としては主として比較的高分子量のフロン系冷媒が対象とされてきたが、最近では、フロン等に比較して著しく低分子量(高透過性)で、オゾンを発生しないことから二酸化炭素冷媒が注目されている。この二酸化炭素冷媒を使用する場合は、二酸化炭素が透過性の高いことから、さらに向上した耐冷媒透過性が要求される。また二酸化炭素を使用した場合、高圧であることから、さらに向上した耐圧性が要求される。
前記のEVOH層を用いた二酸化炭素冷媒輸送用ホースとして、特許文献1(特許第3905225号公報)には、EVOH薄膜層、EVOH薄膜層よりも外周側に、ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム又は塩素化ポリエチレンのいずれかであるゴム製の低透水性層を備えると共に、前記EVOH薄膜層の内外両側に隣接して、ポリアミド樹脂層を備えていることを特徴とする二酸化炭素冷媒輸送用ホースが提案されている。
特許第3905225号公報
上記特許文献1に記載されている冷媒輸送用ホースは、二酸化炭素冷媒の高透過性に対して有効であるが、本発明者の検討によると、向上した耐圧性も要求されることから、高い圧力下では、EVOH薄膜層とその外周側のゴム製の低透水性層との接着性が十分でない場合があることが明らかとなった。また厳しい使用条件においては柔軟性においても問題があることも判明した。
従って、本発明は、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)系樹脂を含む内層とその外側の中間層との間の接着性に優れ、耐圧性、耐久性が向上した冷媒輸送用ホースを提供することを目的とする。
また本発明は、優れた柔軟性を有し、且つエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)系樹脂を含む内層とその外側の中間層との間の接着性に優れ、耐圧性、耐久性が向上した冷媒輸送用ホースを提供することを目的とする。
さらに本発明は、冷媒に二酸化炭素を用いた冷媒輸送用ホースを提供することを目的とする。
上記目的は、
ポリアミドを含む管状の最内層、最内層を覆うエチレン・ビニルアルコール共重合体を含む管状の内層、及び内層を覆う管状の中間層を含む冷媒輸送用ホースであって、
中間層が、臭素化ブチルゴムを含むことを特徴とする冷媒輸送用ホース;
にある。
本発明の冷媒輸送用ホースの好ましい態様を以下に列記する。
(1)エチレン・ビニルアルコール共重合体が、エラストマー(特にポリオレフィン)変性されている。ホースの柔軟性がさらに向上する。
(2)内層の表面が、放電処理されている。例えば、コロナ放電、プラズマ放電、グロー放電等の放電処理を行う。コロナ放電処理が好ましい。内層と中間層との間の接着性が向上する。また、加硫後の中間層の接着性も向上する。
(3)内層の表面に、接着剤が塗布されている。内層と中間層との間の接着性が向上する。
(4)中間層が、有機繊維からなる補強層により覆われている。有機繊維としてアラミド繊維が好ましい。二酸化炭素を使用した場合に高い耐圧性が要求されるため、アラミドの使用が好ましい。
(5)補強層が、アクリルゴム又はアクリル樹脂を含む管状の外層により覆われている。アクリルゴムは、エチレンアクリレートと他のモノマーとの共重合体が好ましい。またアクリル樹脂として、エチレンアクリレートと他の(メタ)アクリレート又はエチレンとの共重合体が好ましい。二酸化炭素を使用した場合の高い耐熱性(160〜170℃)を満たしやすい。
(6)冷媒として二酸化炭素が用いられる。
(7)補強層が、巻回し(スパイラル)構造を有し、その密度は片側で75%以上である。二酸化炭素を使用した場合の高い耐圧性を満たしやすい。巻回し(スパイラル)構造は、両側(一方向及び反対方向)有することが好ましい。
(8)補強層が、偏組(ブレード)構造を有し、その密度は90%以上である。二酸化炭素を使用した場合の高い耐圧性を満たしやすい。
(9)内層のエラストマー変性エチレン・ビニルアルコール共重合体におけるエラストマーの含有率が10〜45重量%であることが好ましい。
(10)エチレン・ビニルアルコール共重合体のエチレン含有量が28〜40モル%である。
本発明では、EVOHを含む内層とその外周側の中間層との接着性が極めて優れており、このためこの内層と中間層との間での剥離は高圧下でさえほとんど起こらず、本発明の冷媒輸送用ホースは耐圧性、耐久性に優れたものである。特に、内層表面を放電処理することにより、或いは内層と中間層との間に接着剤を用いることにより一層の接着性の向上が得られる。
また、内層にエラストマー変性エチレン・ビニルアルコール共重合体を用いた場合には、ことにより高い柔軟性を確保することができ、優れた柔軟性と、耐圧性、耐久性を有する冷媒輸送用ホースを得ることができる。
さらに、耐圧、耐熱性を向上させるために、中間層上に有機繊維の補強層を設けた場合、本発明の中間層は、加硫後において下側の内層と共に補強層とも強力に接着するので優れた耐久性をもたらす。
本発明について、図面を参照しながら以下に詳しく説明する。
図1に、本発明の冷媒輸送用ホースの代表的な構成の1例を示す。管状の最内層11、その表面を覆う管状の内層12、その表面を覆う管状の中間層13、その表面を覆う管状の繊維の補強層14、そしてその表面を覆う管状の外層15から構成されている。最内層11は、ガス不透過性に比較的優れたポリアミドを含む管状層であり、内層12はガス不透過性に特に優れたエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)を含む薄い管状層であり、中間層13は内層を強力に保護する耐熱性に優れた臭素化ブチルゴムを含む管状層である。最内層11と内層12との組合せにより特に優れたガス不透過性が得られる。中間層13を覆う補強層14は、有機繊維、耐圧性の観点から好ましくはアラミド繊維の層であり、補強層14を覆う外層15は、一般に耐熱性に優れたアクリル樹脂を含む層である。
本発明では、補強層14及び管状の外層15が設けられなくても冷媒輸送用ホースの機能は有するが、冷媒に二酸化炭素に使用した場合は、ガスの透過抑制と共に、耐圧、耐熱性が要求されるため、補強層14及び管状の外層15を設けることが好ましい。さらに、補強層14と管状の外層15との間に、中間層及び補強層を設けても良い。
本発明の冷媒輸送用ホースでは、EVOHを含む内層12とその外周側の中間層13との接着性が極めて優れており、例えば、ホースを長期使用しても、この内層と中間層との間での剥離はほとんど起こらないことから、本発明の冷媒輸送用ホースは耐圧性、耐久性に優れたものである。特に、内層表面を放電処理することにより、より一層の接着性の向上が見られる。これは臭素化ブチルゴムが、表面活性化された内層表面に一段と強力に接着するためと考えられる。また内層と中間層との間に接着剤を用いることによりの接着性の向上が見られる。これは臭素化ブチルゴムが、一般的な接着剤との親和性が高いためと考えられる。
また、特に、内層にポリオレフィン変性エチレン・ビニルアルコール共重合体を用いることにより高い柔軟性を確保することができ、優れた柔軟性と耐久性を有する冷媒輸送用ホースを得ることができる。また、このように高い柔軟性を確保することにより、伸びが小さく、引張強度の高いアラミド繊維の使用が容易となる。
最内層11は、ポリアミドを含む管状層である。一般にポリアミドを主成分とする層である。ポリアミド樹脂層は、冷媒透過抑制、そしてEVOHの内層の曲げ破壊を防止するために、及び/又は内層の界面での接合面剥離を防止するために、内層の内側に隣接して設けられる。ポリアミドの好ましい例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等を挙げることができる。最内層11の厚さは、100〜1000μm、特に200〜500μmが好ましい。
内層はガス(特に二酸化炭素)透過係数の低い層であり、その材料としてはエチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物(エチレンビニルアルコール共重合物(以下EVOHとも言う))が一般に使用される。EVOHは、ガス透過係数が低いことに加えて、ホースへの加工のし易さ、加工後の柔軟性、振動吸収性等の諸特性を満足する。
本発明では、エチレン・ビニルアルコール共重合体が、エラストマー変性されていることが好ましい。これにより柔軟性が向上する。
エラストマー変性EVOH樹脂は、エチレン・ビニルアルコール共重合体に柔軟性付与剤としてのエラストマーを添加してポリマーアロイとしたものである。
エチレン・ビニルアルコール共重合体のエチレン/ビニルアルコール組成割合としては、エチレンが多く、ビニルアルコールが少ないとその性状はポリエチレンに近くなり、柔軟性は向上するものの、融点が下がり、更にガスバリヤー性が損なわれる。逆にエチレンが少なく、ビニルアルコールが多いと柔軟性は損なわれるが、融点が上昇し、ガスバリヤー性が大きく向上する。よってエチレン含量は、28〜40モル%程度であることが好ましい。エチレン・ビニルアルコール共重合体としては、1種を単独で用いても良く、分子量、組成比等の異なるものの2種以上を組み合わせて用いても良い。
エラストマーとしては、エチレン・ブテン共重合体、EPR(エチレン−プロピレン共重合体)、変性エチレン・ブテン共重合体、EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合体)、変性EEA、変性EPR、変性EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、アイオノマー、α−オレフィン共重合体、変性IR(イソプレンゴム)、変性SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体)、ハロゲン化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体、エチレン−アクリル酸変性体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びその酸変性物、及びそれらを主成分とする混合物等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。エラストマーとしては、エチレン・ブテン共重合体、EPR(エチレン−プロピレン共重合体)、変性エチレン・ブテン共重合体等のポリオレフィンが好ましい。
エラストマーとしては、特に、無水マレイン酸などの酸無水物、グリシジルメタクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル、エポキシ及びその変性体などで変性したものが、エチレン・ビニルアルコール共重合体をベースポリマーとする微細なアロイ構造を得ることができ好ましい。
本発明のエラストマー変性EVOH樹脂中のエラストマー含有量は、少な過ぎるとエラストマーを配合したことによる柔軟性、耐久性の改善効果を十分に得ることができず、多過ぎるとガスバリヤー性が低下するため、エラストマー変性EVOH樹脂中の含有率で10〜45重量%、特に10〜35重量%であることが好ましい。エラストマー変性EVOH樹脂中のエラストマーの含有量が多過ぎると、後述の海島構造において海相と島相とが逆転し、ガスバリヤー性が著しく低下するため、好ましくない。
なお、エラストマーとして酸変性エラストマー等の変性エラストマーを用いた場合、混練り(分散)時に少ない比エネルギー及び高い混練り技術を必要としないという効果が得られるが、その配合量が多いと樹脂のゲル化を引き起こし、押出し時、肌荒れ等の外観不良(フィッシュアイ)を引き起こすため、エラストマーとして変性エラストマーを用いる場合、エラストマー変性EVOH樹脂中の変性エラストマーの含有量は20重量%以下、例えば5〜20重量%とすることが好ましい。
特に、本発明では、エラストマー変性EVOH樹脂中のエラストマーのうちの40〜100重量%を酸変性エラストマーとしたものが好ましい。
エチレン・ビニルアルコール共重合体と前述のエチレン系エラストマー等の各種エラストマーとは元来相溶しない。本発明のエラストマー変性EVOH樹脂の内層は、このような非相溶系において相溶状態、即ち、良好な分散状態を形成することにより、一般に得られる。この相溶状態の形成には、エラストマーの少なくとも一部が無水マレイン酸等により変性されていることが重要であり、良好な分散形態を得るために用いるエラストマーの全体の平均の酸価(酸変性率)は3.0mg−CH3ONa/g以上であることが好ましい。
エチレン・ビニルアルコール共重合体にエラストマーを配合することにより、柔軟性、耐久性は改善されるものの、ガスバリヤー性の低下は一般に避けられない。しかしながら、エチレン・ビニルアルコール共重合体とエラストマーとの微細なアロイ構造をとることにより、特に、エチレン・ビニルアルコール共重合体の海相内にエラストマーの島相が分散すると共に、このエラストマーの島相内にエチレン・ビニルアルコール共重合体が散点状に分散した構造であることにより、エラストマーを配合したことによるガスバリヤー性の低下を抑制することができ、好ましい。
特に、エチレン・ビニルアルコール共重合体(海相を構成するエチレン・ビニルアルコール共重合体とエラストマーの島相内に散点状に存在するエチレン・ビニルアルコール共重合体相との合計)に対するエラストマーの島相内に散点状に存在するエチレン・ビニルアルコール共重合体相の割合(以下、その割合を「散点状分散率」と称す。)が5〜40重量%の範囲であることが好ましい。この割合が5重量%未満では、エラストマーの島相内にエチレン・ビニルアルコール共重合体相を散点状に存在させることによる効果を十分に得ることができず、逆に40重量%を超えると、海相としてのエチレン・ビニルアルコール共重合体相が少なくなり過ぎてガスバリヤー性が低下するおそれがある。
また、エラストマーの島相の大きさ及びこのエラストマー島相内のエチレン・ビニルアルコール共重合体相の大きさは、エラストマー島相の大きさがほぼ0.4〜1.5μm、エチレン・ビニルアルコール共重合体相の大きさが0.05〜0.5μmの範囲であることが好ましい。
本発明の内層には、必要に応じて老化防止剤、酸化劣化剤等の添加剤を加えても良い。内層12の厚さは、10〜100μm、特に10〜50μmが好ましい。
本発明のエラストマー変性EVOH樹脂、特に前述のような海島構造のモルフォロジーを有するEVOH樹脂は、例えば、次の(1)又は(2)の方法で製造することができる。
(1) エチレン・ビニルアルコール共重合体とエラストマーとを所定の配合比にして混練りし、マスターバッチを作った後、そのマスターバッチとエチレン・ビニルアルコール共重合体を混練りする方法。
(2) エチレン・ビニルアルコール共重合体及びエラストマーブレンド物を高剪断により溶融混練りする方法。
上記ガス不透過性の内層12は、100℃における二酸化炭素に対するガス透過係数が2×10-10cc.cm/cmHg.cm2.sec以下、好ましくは1×10-10cc.cm/cmHg.cm2.sec以下、更に好ましくは7×10-11cc.cm/cmHg.cm2.sec以下であることが好ましい。なお、このガス透過係数は、JIS K 7126「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」に準じて測定された値である。二酸化炭素に対するガス透過係数が2×10-10cc.cm/cmHg.cm2.secを超えると、冷媒輸送システムの使用条件において、CO2を主成分とする冷媒ガス透過量が大きいホースとなり、冷媒輸送システム系外にCO2を放出するため、CO2を主成分とする冷媒ガスを早期に補充する必要が生じ、冷媒システムの実用性が低下する。
本発明における、内層12の表面を覆って保護する管状の中間層13は、耐熱性に優れた臭素化ブチルゴムからなる層である。臭素化ブチルゴム(Br−IIR)は、イソブチレンを主体とする他のモノマーとの共重合体で、臭素化されたものである。他のモノマーとしては、一般に炭素炭素2重結合を1個又は2個有する炭化水素である。炭素炭素2重結合を1個有する炭化水素としては、エチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、スチレン、アルキルスチレン(例、4−メチルスチレン)等を挙げることができ、炭素炭素2重結合を2個有する炭化水素としては、イソプレン、ブタジエン等を挙げることができる。共重合体のイソプレンの割合は、80〜99モル%が好ましく、特に90〜99モル%が好ましい。ハロゲン化は一般に他のモノマー単位に対してなされる。例えば、イソブチレン・イソプレン共重合体を臭素化した場合、イソブチレン・クロロイソプレン共重合体となる。臭素化ゴム中の臭素含有量は、0.5〜1.5モル%が好ましく、特に0.75〜1.2モル%が好ましい。
本発明で使用することができる臭化ブチルゴムは、イソブチレンを主体とする他のモノマーとの共重合体で、臭素化されたものも好ましい。前記臭素化ブチルゴムで述べたように、他のモノマーとしては、一般に炭素炭素2重結合を1個又は2個有する炭化水素である。炭素炭素2重結合を1個有する炭化水素としては、エチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、スチレン、アルキルスチレン(例、4−メチルスチレン)等を挙げることができ、炭素炭素2重結合を2個有する炭化水素としては、イソプレン、アルキルスチレン等を挙げることができる。共重合体のイソブチレンの割合は、80〜99モル%が好ましく、特に90〜99モル%が好ましい。臭化ゴム中の臭素含有量は、0.5〜1.5モル%が好ましく、特に0.75〜1.2モル%が好ましい。
本発明で使用することができる好ましい臭化ブチルゴムとしては、臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)、臭素化(イソブチレン−イソプレン共重合体)(いわゆる臭素化ブチルゴム)を挙げることができ、特に臭素化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)が好ましい。
中間層13は、臭化ブチルゴム以外に下記のゴム材料を併用しても良い。例えば、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(C1−IIR)、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、イソブチレン−ブロモパラメチルスチレン共重合体、EPR(エチレン−プロピレン共重合体)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、水素添加NBR、アクリルゴム、これらのゴムの2種以上のブレンド物或いは、これらのゴムを主成分とするポリマーとのブレンド物、好ましくはブチル系ゴム、EPDM系ゴムを挙げることができる。中間層13には、ゴムに材料に加えて、通常用いられる充填剤、加工助剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等の配合処方を適用することができる。
中間層13の厚さは、0.5〜5μm、特に0.5〜3mmが好ましい。
ガス不透過性の内層12と中間層13とを接着させる場合、内層の表面にコロナ放電、プラズマ放電、グロー放電等の放電処理を行うことが好ましい。特にコロナ放電処理(条件:周波数10〜100kHz)が好ましい。中間層の接着性が向上する。加硫後の中間層の接着性も向上する。また、紫外線照射等の電磁波照射処理を行っても良い。
本発明の冷媒輸送用ホースにおいては、中間層13の外側に補強層14及び外層15を設けることができ、これによりホースの耐圧性、耐熱性が更に向上する。
補強層14は、中間層13の外側に設けられるもので、一般に、ホース内を流れる二酸化炭素媒体により発生する圧力に強度的に耐え得るもので構成される。補強層4に使用される、優れた耐圧性を有し且つホースの柔軟性を阻害しない材料としては、ビニロン、ポリエステル、ナイロン、アラミド等からなる有機繊維を挙げることができる。特に、二酸化炭素を使用した場合に高い耐圧性が要求されるため、アラミドが好ましい。繊維の太さは、600d〜4500dのものが好適である。
中間層13の外周に必要な厚みにスパイラル状、ブレード状等所望の形状に巻回するか、編組して補強層14を形成する。なお、この補強層14は更に耐圧性を向上させる目的で多層に構成してもよく、この場合、接着剤や樹脂等による別の中間層を介することができる。別の中間層の材料としては、前記の中間層の臭化ブチルゴム以外のゴム材料を挙げることができる。繊維との接着性が確保でき、耐熱性を有するゴムが好ましい。
本発明では、補強層が、巻回し(スパイラル)構造を有している場合、その密度(片側)は75%以上であることが好ましい。また補強層が、偏組(ブレード)構造を有している場合、その密度は90%以上であることが好ましい。これにより、二酸化炭素を使用した場合に要求される高い耐圧性を満たすことが容易となる。
上記密度は、巻回し(スパイラル)構造の場合、中間層表面を片側一方向の補強層1層で完全に被覆した場合が100%であり、片側ずつ規定する。両側の補強層2層(一方向と反対方向)で完全に被覆した場合は、それぞれ100%となる。巻回し(スパイラル)構造は、両側(一方向及び反対方向)有することが好ましい。
また、偏組(ブレード)構造の上記密度は、中間層表面を補強層1層で完全に被覆した場合が100%、補強層2層で完全に被覆した場合が200%となるように定義される。例えば、補強層1層で中間層を半分に被覆した場合は50%で、補強層2層で中間層を半分に被覆した場合は100%である。
補強層の厚さは、0.5〜3mm、特に0.5〜2mmが好ましい。
また、上記のように、耐圧、耐熱性を向上させるために、中間層上に有機繊維の補強層を設けた場合、本発明の中間層は、加硫後において補強層を強力に接着するので優れた耐久性をもたらす。
外層15は、補強層14のばらけを防止し、また耐候性や耐熱性等、ホースの設置場所により必要とされる耐環境性を高める目的で、補強層14の外側に設けられる。外層15を構成する材料としては、このような目的に合致し、ホース全体の柔軟性を損なわないものが好ましい。例えば、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(C1−IIR)、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、イソブチレン−ブロモパラメチルスチレン共重合体、EPR(エチレン−プロピレン共重合体)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、水素添加NBR、アクリルゴム、エチレン・アルキルアクリレート共重合体、アクリル樹脂、これらのゴムの2種以上のブレンド物或いは、これらのゴムを主成分とするポリマーとのブレンド物、好ましくはブチル系ゴム、EPDM系ゴムを挙げることができる。アクリルゴム及びアクリル樹脂が好ましい。アクリルゴムは、エチルアクリレート及び/又はブチルアクリレート(好ましくはエチルアクリレート)と他のモノマー(好ましくは2−クロロエチルビニルエーテル、メチルビニルケトン)との共重合体が好ましい。またアクリル樹脂として、エチルアクリレートと他の(メタ)アクリレート又はエチレンとの共重合体が好ましい。アクリルゴムの加硫には、エチルテトラミン、テトラエチレンテトラミンが一般に使用される。
外層15には、ゴムに材料に加えて、通常用いられる充填剤、加工助剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等の配合処方を適用することができる。外層15の厚さは、0.5〜5mm、特に0.5〜3mmが好ましい。強度と柔軟性のバランスの点から好ましい。
また、必要に応じて、各層間に接着剤、接着ゴムを用いたり、或いは1層以上のゴム、アイオノマー樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂の層を介して接着を強固なものとすることもできる。接着剤としては、塩化ゴム系接着剤、塩酸ゴム系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、イソシアネート系接着剤等、一般に用いられているゴム用加硫接着剤であればいずれも使用できる。本発明では、接着剤の使用が好ましい。接着剤を使用した場合、その厚さは一般に5〜100μm、特に5〜30μmが好ましい。
中間層及び外層の架橋(加硫)を行なうための架橋剤としては、種々の市販の化合物を使用することができる。最内層、内層にも使用しても良い。
硫黄系加硫剤としては、粉末硫黄、高分散性硫黄、不溶性硫黄等の、一般にゴム用加硫剤として用いられている硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム類、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリルジチオカルバミン酸ピペコリン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸塩類、ブチルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム等のキサントゲン酸塩類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド類、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール類等を挙げることができる。
また加硫促進剤として、TMTD(テトラメチルジスルフィド)等のチウラム系、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)等のジチオカルバミン酸塩類を使用することができる。
架橋剤の使用量は、ゴムに対して0.5〜4.0質量%、特に1.0〜2.5質量%が好ましい。
有機過酸化物として、例えば、過酸化水素水、クメンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレラート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゼン、ビニルトリス(t−ブチルペルオキシ)シランなどを使用することができる。ジクミルペルオキシドが好ましい。使用量は、ゴムに対して、0.2〜8.0質量%、特に0.25〜4.0質量%、さらに0.3〜2.0質量%が好ましい。
なお、ブチルゴムでは酸化亜鉛とステアリン酸等の高級脂肪酸と硫黄との併用が好ましく、またジエン系ゴムに関しては有機過酸化物が好ましい。
また、臭化ブチルゴムの架橋(加硫)を行なうための架橋剤としては、一般に酸化亜鉛が使用され、必要により(例えば、他のゴム材料の使用の際)上述の種々の市販の化合物(例、硫黄、有機過酸化物)を使用することができる。またステアリン酸等の高級脂肪酸との併用が好ましい。
また加硫促進剤として、TMTD(テトラメチルジスルフィド)等のチウラム系、EZ(ジエチルジチオカルバミン産亜鉛)等のジチオカルバミン酸塩類を使用することができる。
さらに、これらと組み合わせて、有機過酸化物、キノンジオキシム、多官能性アクリルモノマー{例、トリメチロールエタントリアクリレート(TMETA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールエーテルヘキサアクリレート(DPEHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(DPEHA)、ジメチロールプロパンジアクリレート(TMPTA)、ステアリルアクリレート(SA)}、トリアジンチオールを用いることができる。
架橋剤の使用量は、ゴムに対して0.05〜5.0質量%、特に0.1〜4.0質量%が好ましい。
有機過酸化物の使用量は、ゴムに対して、0.1〜1.0質量%、特に0.1〜0.8質量%、さらに0.3〜0.5質量%が好ましい。
また、各層は、カーボンブラックを含んでも良い。例えば、カーボンブラック標準品種であるSAF、ISAF,HAF、FEF、GPF、SRF(以上ゴム用ファーネス),MTカーボンブラック(熱分解カーボン)を挙げることができる。ゴムに対して一般に0.1〜80質量%、好ましくは0.1〜70質量%の量で使用される。
本発明の冷媒輸送用高圧ホースは、公知の方法で製造することができる。例えば、以下のように行うことができる。
最内層(最内管)材料を、押出機の先端に設けた高剛性のマンドレル上に、押出して最内層を成形する。内層(内管)及び中間層も同様に順次形成する。或いは最内層材料、内層材料及び中間層材料を、共押出機の先端に設けた高剛性のマンドレル上に、共押出し、最内層、内層及び中間層の積層体を形成する。次いで、この中間層上に、スパイラル編み上げ機により、例えば4000d(デニール)のアラミド繊維(糸)を20本スパイラルし、更に同数のPET糸を逆方向にスパイラルし、補強層の形成を完了する。その表面に、押出機によりその表面に外層を形成し、その後、適当な条件にて加硫し、マンドレルを抜き出し、高圧ホースを得る。この場合の加硫条件は、一般に、130〜180℃で、60〜120分である。
以下実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜3]
ポリアミド(6−ナイロン、1022B、宇部興産(株)製)を含む下記の最内層形成用組成物を、押出機を用いて265℃で押出し、マンドレル上に被覆し、ポリアミドの最内層(厚さ270μm)を形成した。次に、エラストマー変性エチレン・ビニルアルコール共重合体を含む下記の内層形成用組成物を、押出機を用いて245℃で押出し、マンドレル上の上記最内層上に被覆し、エラストマー変性エチレン・ビニルアルコール共重合体の内層(厚さ30μm)を形成した。
上記内層表表面にコロナ放電処理を施した(条件:出力900W、周波数50kHz、時間3秒)。
臭化ブチルゴム{臭化(イソブチレン−4−メチルスチレン共重合体)、臭素含有率1.2モル%;商品名Exxpro3745;エクソンケミカル(株)製}を含む下記の中間層形成用組成物を、押出機を用いて80℃で押出し、マンドレル上の内層上に被覆し、臭化ブチルゴムの中間層(厚さ1400μm)を形成した。これにより、ポリアミドの最内層、エラストマー変性エチレン・ビニルアルコール共重合体の内層及び臭化ブチルゴムの中間層からなる管状積層体を得た。
得られた管状積層体の中間層上に、1100dtex/4で拠り回数10回/10cmのアラミド補強糸を22本引き揃えてスパイラル状に巻き付け(密度:85.9%を両側)、この補強層上に下記の外層形成用組成物を押出し、外層を厚み1.3mmに押し出し、150℃で45分間加硫して、厚さの外層を形成した。これにより内径11mm、外径19mmの冷媒輸送用ホースを得た。
(最内層形成用組成物の配合)
ポリアミド 100質量部
FEFカーボン 65質量部
ステアリン酸 1質量部
アロマオイル 5質量部
亜鉛華 5質量部
(内層形成用組成物の配合)
(実施例1)
エチレン・ビニルアルコール共重合体1) 80質量部
ポリオレフィン2) 20質量部
(実施例2)
エチレン・ビニルアルコール共重合体1) 80質量部
ポリオレフィン2) 10質量部
酸変性ポリオレフィン3) 10質量部
(実施例3)
エチレン・ビニルアルコール共重合体1) 70質量部
ポリオレフィン2) 10質量部
酸変性ポリオレフィン3) 20質量部
注)
1)エチレン・ビニルアルコール共重合体:クラレ製「L−101B」
2)ポリオレフィン:三井化学社製 α−オレフィンポリマー「タフマーA−1050」
3)酸変性ポリオレフィン:三井化学社製 マレイン酸変性α−オレフィンポリマー
「タフマーMH7010」
(中間層形成用組成物の配合)
臭素化ブチルゴム 100質量部
FEFカーボン 20質量部
イルガノックス 1質量部
アクチングSL 5質量部
Si−69 5質量部
ステアリン酸 1質量部
促進剤TMTD 1質量部
ZnO 5質量部
注)
イルガノックス: フェノール系酸化防止剤{商品名イルガノックス1010;チバスペシャリティーケミカル社製}
アクチング: 商品名アクチングSL;吉富製薬(株)製
Si−69: 商品名Si−69;DEGUSSA社製
促進剤TMTD: 商品名サンセラーTT−G;三新化学工業(株)製
ZnO: 商品名酸化亜鉛銀嶺SR;東邦亜鉛(株)製
(外層形成用組成物の配合)
エチレン・アクリレート共重合体 100質量部
FEFカーボン 100質量部
ステアリン酸 1質量部
パラフィンオイル 70質量部
亜鉛華 5質量部
ジクミルペルオキシド(40%含有物) 10質量部
[比較例1]
実施例1において、中間層を、最内層の組成物で形成した以外は、同様にして冷媒輸送用ホースを得た。
[評価]
実施例及び比較例で得られた冷媒輸送用ホースのガスバリヤー性及び耐久性の評価を行った。
(ガスバリヤー性)
ガスバリヤー性の評価をホースガス透過試験により実施した。
ホースガス透過試験は、得られたホースに二酸化炭素冷媒を0.61g/m3の割合で封入し、100℃雰囲気におく。そして、24時間後の重量と、96時間後の重量を測定し、その重量差を100℃、72時間の冷媒ガス漏洩量とする。この時の漏洩量が10g/m以上であると、漏洩量が多すぎて冷媒の補給を頻繁に行わねばならず、実用に供しえないものである。
測定の結果、実施例1は4.0g/m、実施例2は4.0g/m、実施例3は8.2g/mであり、二酸化炭素漏洩量は極めて少なく良好な結果だった。一方、比較例1は20g/mであり、漏洩量が大きく、実用に供しえなかった。
(耐久性)
耐久性の評価を下記のように行った。
得られたホースを、繰り返し加圧試験により調査した。
0〜140℃、0〜3.3MPa、20CPMの条件で、ホース内面にPAGオイルにて繰り返し加圧し、ホース等の割れ、気密性の確保を確認した。
比較例1のホースは、繰り返し数5万回でワレが見られたが、実施例のホースには見られなかった。ワレは、中間層と補強層との間で発生していることを顕微鏡で確認した。
本発明の冷媒輸送用ホースの代表的な構成の1例である。
符号の説明
11 管状の最内層
12 管状の内層
13 管状の中間層
14 繊維の補強層
15 管状の外層

Claims (8)

  1. ポリアミドを含む管状の最内層、最内層を覆うエチレン・ビニルアルコール共重合体を含む管状の内層、及び内層を覆う管状の中間層を含む冷媒輸送用ホースであって、
    中間層が、臭素化ブチルゴムを含むことを特徴とする冷媒輸送用ホース。
  2. 内層のエチレン・ビニルアルコール共重合体が、エラストマー変性されている請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  3. 内層の表面が、放電処理されている請求項1又は2に記載の冷媒輸送用ホース。
  4. 内層の表面に、接着剤が塗布されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷媒輸送用ホース。
  5. 中間層が、有機繊維からなる補強層により覆われている請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷媒輸送用ホース。
  6. 有機繊維がアラミド樹脂からなる請求項5に記載の冷媒輸送用ホース。
  7. 補強層が、アクリルゴム又はアクリル樹脂を含む管状の外層により覆われている請求項5又は46記載の冷媒輸送用ホース。
  8. 冷媒として二酸化炭素が用いられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の冷媒輸送用ホース。
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