JP4893877B2 - 冷媒輸送用ホース - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒輸送用ホースに関する。
近年、カーエアコン等に使用される冷媒輸送用のホースとして、ガス透過性の低いポリアミド等の樹脂材料とゴム材料とを組合せた樹脂とゴムとの積層体が一般的に用いられるようになってきた。
本願出願人はこれまでに接着剤等を使用せずに樹脂とゴムとを接合するホースを提案している(特許文献1)。
また従来接着剤を使用せずに最内層と中間ゴム層とを接着させるホースとして特許文献2が提案されている。
特許第4365454号公報 特開2000−220770号公報
しかしながら本願発明者らが検討したところ樹脂層とゴム層とを直接接着させることについてその接着性に関し改善の余地があることが分かった。
したがって本発明の目的はガスバリア層とゴム層との接着性に優れたホースを提供することにある。
本願発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、
ガスバリア層とその外表面に隣接したゴム層とからなる内管層を備える冷媒輸送用ホースであって、
前記ゴム層が、原料ゴム:100質量部に対して、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂:1〜15質量部と、ハイドロタルサイト:1〜8質量部とを含有するゴム組成物からなり、
前記原料ゴムが、BIMS、ならびにブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムである共重合ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
前記ガスバリア層が、ポリアミドとカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとをブレンドして得られる変性ポリアミドを含有するポリアミド樹脂組成物からなる冷媒輸送用ホースが、ガスバリア層とゴム層との接着性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の1〜14を提供する。
1. ガスバリア層とその外表面に隣接したゴム層とからなる内管層を備える冷媒輸送用ホースであって、
前記ゴム層が、原料ゴム:100質量部に対して、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂:1〜15質量部と、ハイドロタルサイト:1〜8質量部とを含有するゴム組成物からなり、
前記原料ゴムが、BIMS、ならびにブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムである共重合ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
前記ガスバリア層が、ポリアミドとカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとをブレンドして得られる変性ポリアミドを含有するポリアミド樹脂組成物からなる冷媒輸送用ホース。
2. 前記ゴム組成物が、さらに、前記原料ゴム:100質量部に対して、カーボンブラック:30〜80質量部を配合し、
前記カーボンブラックは、N2SA≧75m2/gであり、かつDBP吸油量≧90cm3/100gである上記1に記載の冷媒輸送用ホース。
3. 前記原料ゴムが、BIMSと、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムである共重合ゴムと、さらにEPDMとを含み、
前記原料ゴムにおける前記BIMSの含有量が5〜40質量部であり、前記BIMSと前記共重合ゴムとの含有量の合計が20〜80質量部であり、EPDMの含有量が80〜20質量部である上記1または2に記載の冷媒輸送用ホース。
4. 前記ポリアミド樹脂組成物がさらにハイドロタルサイトを含有する上記1〜3のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
5. 前記ポリアミド樹脂組成物に含有される前記ハイドロタルサイトの量が、前記変性ポリアミド100質量部に対して、0.5〜20質量部である上記4に記載の冷媒輸送用ホース。
6. 前記共重合ゴムがハロゲン化ブチルゴムである、上記1〜5のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
7. 前記ポリアミドが、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4−6、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12およびポリアミドMXD−6ならびにこれらの中の2種以上のコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1つである、上記1〜6のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
8. 前記ゴム組成物に含有される前記ハイドロタルサイトは、表面処理がなされていない上記1〜7のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
9. 前記ゴム組成物に含有される前記ハイドロタルサイトが、原料ハイドロタルサイトを焼成することによって製造されるものである上記1〜8のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
10. 前記ガスバリア層と前記ゴム層との間に接着剤層を有さない、上記1〜9のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
11. 前記ガスバリア層と前記ゴム層とが直接接着している上記1〜10のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
12. 前記内管層の上に補強層があり、前記補強層の上に外管層がある上記1〜11のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
13. 前記ポリアミド樹脂組成物に含有される前記ハイドロタルサイトは、表面処理がなされていない上記4〜12のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
14. 前記ポリアミド樹脂組成物に含有される前記ハイドロタルサイトが、原料ハイドロタルサイトを焼成することによって製造されるものである上記4〜13のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
本発明の冷媒輸送用ホースは、ガスバリア層とゴム層との接着性に優れる。
図1は、本発明のホースの好適実施例の斜視図である。
本発明について詳細に説明する。
本発明の冷媒輸送用ホースは、ガスバリア層とその外表面に隣接したゴム層とからなる内管層を備える冷媒輸送用ホースであって、前記ゴム層が、原料ゴム:100質量部に対して、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂:1〜15質量部と、ハイドロタルサイト:1〜8質量部とを含有するゴム組成物からなり、前記原料ゴムが、BIMS、ならびにブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムである共重合ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、前記ガスバリア層が、ポリアミドとカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとをブレンドして得られる変性ポリアミドを含有するポリアミド樹脂組成物からなる冷媒輸送用ホースである。
以下、本発明の冷媒輸送用ホースを「本発明のホース」ということがある。
本発明のホースは、ガスバリア層とその外表面に隣接したゴム層とからなる内管層を備える冷媒輸送用ホースである。このガスバリア層とゴム層との間には接着剤からなる層は存在しない。前記内管層のみからなり他の層を有さない場合でも本発明のホースに含まれる。本発明のホースの構成は後に具体例を用いて説明するが、従来のものと同様であってよい。
<ゴム層>
ゴム層について説明する。
ゴム層は、原料ゴム:100質量部に対して、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂:1〜15質量部と、ハイドロタルサイト:1〜8質量部とを含有するゴム組成物を用いて形成され、前記原料ゴムが、BIMS、ならびにブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムである共重合ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
ハイドロタルサイトは強力なハロゲンキャッチャーである。このため、ハイドロタルサイトは、ゴム層(ゴム組成物)に含有されるハロゲン化物(例えば、ハロゲン化ブチルゴム、BIMS、ハロゲン化されたアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂)が有するハロゲン(例えば、塩素原子、臭素原子)をハロゲン化物から積極的に引き抜くことができる。その結果、ガスバリア層(ポリアミド樹脂組成物)中のカルボキシル基含有変性ポリオレフィンが有するカルボキシル基とゴム層(ゴム組成物)との反応量がガスバリア層とゴム層との界面において、ハイドロタルサイトを含有しない場合よりも多くなる。
そのため、ガスバリア層とゴム層との架橋密度が上がり、ガスバリア層とゴム層との接着性が優れると考えられる。
初めに、原料ゴムについて説明する。
原料ゴムはBIMS、ならびにブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムである共重合ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。原料ゴムはフェノール系樹脂によって架橋できるものとすることができる。
前記原料ゴムが含むことができるBIMSについて説明する。
BIMSは、p−アルキルスチレンとイソモノオレフィンとの共重合ゴムの臭素化物である。BIMSとしては、例えば、p−アルキルスチレン(PAS)含有量が5〜25質量%、臭素(Br)含有量が1.5質量%以上であり、p−アルキルスチレン単位と臭素単位との質量比が0.15≦Br/PAS≦0.40である、炭素原子数4〜7のイソモノオレフィンとp−アルキルスチレンとの共重合ゴムの臭素化物であるものが挙げられる。具体的には、臭素化イソブチレンp−メチルスチレン共重合ゴムが挙げられる。BIMSのムーニー粘度(ML1+8、125℃)は30以上である。
炭素原子数4〜7のイソモノオレフィンは、例えばイソブチレンが挙げられる。p−アルキルスチレンは、例えばp−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の炭素原子数1〜5のアルキル基をパラ位に有するスチレンが挙げられる。BIMSにおけるp−アルキルスチレンの含有量は、p−アルキルスチレンのアルキル基の臭素化物も含め、p−アルキルスチレン骨格を有するもの全てについて、5〜25質量%、好ましくは5〜10質量%である。5質量%以上であると、耐冷媒透過性等に優れる。25質量%以下であると、ゴム組成物が低温で脆化することもなく、耐寒性に優れる。
BIMSには、市販品があり、例えば、ExxonMobil Chemical Company製のEXXPROシリーズが挙げられる。具体的には、イソブチレンとp−メチルスチレンとの共重合ゴムの臭素化物である同社製のExxpro 3745が挙げられる。
前記原料ゴムが含むことができる前記共重合ゴムについて説明する。
前記共重合ゴムは、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムであり、ハロゲン化ブチルゴムであることが好ましい。得られる本発明のホースの接着性がより優れ、耐久性が高まるからである。
ブチルゴムとしては、一般的なイソブチレン・イソプレンゴムを使用でき、特に制限されないが、そのイソプレンの含有量は不飽和度として0.6〜2.5モル%、分子量はムーニー粘度で35〜60(125℃)であることが好ましい。
ハロゲン化ブチルゴムとしては塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等が挙げられる。これらのハロゲン化ブチルゴムも、一般的なものを使用することができるが、塩素化ブチルゴムの場合、塩素含有量は1〜2.5質量%、イソプレンの含有量は不飽和度として0.6〜2.5モル%、分子量はムーニー粘度で30〜60(125℃)であることが好ましい。また、臭素化ブチルゴムの場合、臭素含有量は1〜2.5質量%、イソプレンの含有量は不飽和度として0.6〜2.5モル%、分子量はムーニー粘度で25〜55(125℃)であることが好ましい。
原料ゴムはさらにEPDMを含有することができる。
前記原料ゴムがさらに含むことができるEPDMは、エチレン、プロピレンおよびジエンを含むモノマーを重合させることによって得られる一般的な共重合体ゴムであれば特に限定されない。市販品としては、三井化学社製の三井EPT 4070を例示することができる。プロピレン含有量は、10〜70mol%であるのが好ましく、15〜50mol%であるのがより好ましい。ジエン成分は、例えば、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンが挙げられる。中でも、架橋速度の速いエチリデンノルボルネンが好ましい。ジエン成分の量は、ヨウ素価で3〜25であるのが好ましく、5〜20であるのがより好ましい。
原料ゴムの組み合わせは、ガスバリア層とゴム層の接着性とゴム層自身のガスバリア性能のバランスに優れるという観点から、BIMSと、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムである共重合ゴムと、さらにEPDMとを含む場合が好ましい。
ガスバリア層とゴム層との接着性により優れるという観点から、原料ゴムにおけるBIMSの含有量は5〜40質量部であるのが好ましい。
ガスバリア層とゴム層との接着性により優れるという観点から、原料ゴムにおけるBIMSとブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムである共重合ゴムとの含有量の合計は20〜80質量部であるのが好ましい。
ガスバリア層とゴム層との接着性により優れるという観点から、原料ゴムにおけるEPDMの含有量は80〜20質量部であるのが好ましい。
ここでBIMSの含有量が5質量部未満では、必要とするゴム付きが得られ難い。すなわち、ガスバリア層の表面に接着ゴム層(後述のゴム付きで評価される。)を必要な厚さで形成することが困難になる。また40質量部を超えると、必要とする接着力が得られにくい。すなわち、ガスバリア層の表面にゴム層を強固に接着することが困難になる。
また、上記のEPDMの含有量は、70〜50質量部であることがより好ましい。EPDMの含有量が20質量部未満では、必要とする接着力およびゴム付きが得られ難い。また80質量部を超えると、加硫速度が遅くなりホースの生産性が低下する。
次に、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂について説明する。
アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂は、前記原料ゴムの架橋剤として作用し、原料ゴムを架橋させることができる。
アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂には、ハロゲン化されたアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂(ハロゲン化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂)も含まれる。なかでもガスバリア層とゴム層との接着性により優れるという観点から、ハロゲン化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂が好ましく、臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂がより好ましい。
アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂としては、例えば田岡化学工業社製のタッキロール250−I等の市販品を使用することができる。
アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂の配合量は、ガスバリア層とゴム層との接着性に優れるという観点から、前記原料ゴムの100質量部に対して1〜15質量部であり、2〜10質量部であることが好ましく、2〜7質量部であることがより好ましい。1質量部未満であると必要とする接着力が得られ難い場合がある。すなわち、ガスバリア層の表面にゴム層を強固に接着することが困難になる可能性がある。また15質量部を超えるとゴム層の物性(硬さ)が損なわれる場合がある。
ハイドロタルサイトについて以下に説明する。
ゴム組成物に含有されるハイドロタルサイトは特に制限されない。ハイドロタルサイトは天然物、合成物のいずれであってもよい。具体的には例えば、
Mg3ZnAl2(OH)12CO3・wH2O(wは正の実数を表す。)、
MgxAly(OH)2x+3y-2CO3・wH2O(但しxは1〜10、yは1〜10、wは正の実数を表す。)、
MgxAly(OH)2x+3y-2CO3[但しxは1〜10、yは1〜10を表す。具体的には例えばMg4.3Al2(OH)12.6CO3(商品名DHT−4A−2、協和化学工業社製)]、
Mg1-xAlx3.83x(0.2≦x<0.5。具体的には例えばMg0.7Al0.31.15(商品名KW−2200、協和化学工業社製)])が挙げられる。
ハイドロタルサイトはなかでも、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れ、ハロゲンキャッチ能力が高いという観点から、ハイドロタルサイトが有するOH量が少ないもの(例えば、水和物ではないもの、上記式中wH2Oを有さないもの。)、Mg1-xAlx3.83xが好ましく、Mg0.7Al0.31.15がより好ましい。化学構造中のOH量が少ないハイドロタルサイトは、例えば、原料ハイドロタルサイト(例えば、合成によって得られたハイドロタルサイト)を焼成する(高温の条件下)ことによって製造することができる。
ハイドロタルサイトとして市販品を使用することができる。ハイドロタルサイトの市販品としては例えば、協和化学工業社製のDHTシリーズ(DHT−4A、DHT−4A−2:焼成処理はされているが後述するKWシリーズのKW−2200程は強熱されていない、DHT−4C)、同社製のKWシリーズ(DHTシリーズをより高温で焼成処理を行ったグレード、DHTシリーズよりハロゲンキャッチ能力が高い傾向にある。KW−2000、KW−2100、KW−2200)、堺化学工業社製STABIACE HTシリーズが挙げられる。
ハイドロタルサイトが合成物である場合その製造方法としては例えば従来公知のものが挙げられる。
ハイドロタルサイトとして、表面処理がなされているハイドロタルサイト、表面処理がなされていないハイドロタルサイト(ハイドロタルサイトの表面が無処理であるもの)を使用することができる。ハイドロタルサイトを表面処理する際に使用される表面処理剤としては例えば脂肪酸(高級脂肪酸を含む。)、脂肪酸エステルが挙げられる。
ハイドロタルサイトは、そのハロゲンキャッチ能力が高く、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れるという観点からは、表面処理がなされていないハイドロタルサイトであるのが好ましい。表面処理がなされていないハイドロタルサイトの市販品としては、例えば、KW−2200(協和化学工業社製)、DHT−4C(協和化学工業社製)が挙げられる。
また、ハイドロタルサイトは、引張強さ(TB)[MPa]、切断時伸び(EB)[%]、100%モジュラス(M100)のような、ゴム層の機械的物性に優れるという観点からは、表面処理がなされているハイドロタルサイトが好ましく、高級脂肪酸で表面処理されているハイドロタルサイトがより好ましい。表面処理がなされているハイドロタルサイトの市販品としては例えば、DHT−4A(高級脂肪酸によって表面処理されている。協和化学工業社製)、DHT−4A−2(Mg4.3Al2(OH)12.6CO3が高級脂肪酸によって表面処理されている。協和化学工業社製)が挙げられる。
ハイドロタルサイトは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、ゴム組成物に含有されるハイドロタルサイトの量は、原料ゴム100質量部に対して、1〜8質量部である。このような範囲の場合、ガスバリア層とゴム層との接着性に優れ、加硫時間、及びゴム層の物性が適切な範囲となる。
また、ハイドロタルサイトの量は、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れ、加硫時間が適切な長さとなるという観点から、原料ゴム100質量部に対して、2〜6質量部であるのが好ましく、2〜4質量部であるのがより好ましい。
ゴム組成物は、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れ、ゴム層の補強性に優れるという観点から、さらにカーボンブラックを含有するのが好ましい。
本発明で用いることができるカーボンブラックのコロイダル特性は、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れ、ゴム層の補強性に優れるという観点から、N2SA≧75m2/g、かつDBP吸油量≧90cm3/100gであるのが好ましい。N2SAが75m2/g未満またはDBP吸油量が90cm3/100g未満であると、ガスバリア層の表面にゴム層を強固に接着することが困難になる。
2SAは80〜150m2/gであることが好ましく、80〜120m2/gであることがより好ましい。
DBP吸油量は95〜140cm3/100gであることが好ましく、100〜130cm3/100gであることがより好ましい。
ここでN2SAとはカーボンブラックの表面に吸着する窒素分子量を意味し、具体的にはJIS K 6217−2に規定の方法で測定して求めた値を意味するものとする。
また、DBP吸油量はカーボンブラックの凝集体に吸収される油分量を意味し、具体的にはJIS K 6217−4に規定の方法で測定して求めた値を意味するものとする。
2SA≧75m2/g、かつDBP吸油量≧90cm3/100gであるカーボンブラックとしては、例えば、ISAF、HAF以上のグレードのものが挙げられる。
前記カーボンブラックの配合量は、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れるという観点から、原料ゴムの100質量部に対して30〜80質量部であるのが好ましく、40〜65質量部であることがより好ましい。30質量部未満であると必要とする接着力が得られにくい。すなわち、ガスバリア層の表面にゴム層を強固に接着することが困難になる。また80質量部を超えると未加硫ゴムの粘度が高くなり、加工性を阻害する。
ゴム組成物(ゴム層)は原料ゴム、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、ハイドロタルサイトおよびカーボンブラックの他に、さらに、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂以外の架橋剤、亜鉛華(ZnO)、加硫助剤、加硫促進剤、添加剤を含んでもよい。
加硫助剤としては、例えば、アセチル酸、プロピオン酸、ブタン酸、ステアリン酸、アクリル酸、マレイン酸等の脂肪酸;アセチル酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ブタン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、アクリル酸亜鉛、マレイン酸亜鉛等の脂肪酸亜鉛が挙げられる。
加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)等のチウラム系;ヘキサメチレンテトラミン等のアルデヒド・アンモニア系;ジフェニルグアニジン等のグアニジン系;ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)等のチアゾール系;シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアマイド等のスルフェンアミド系のものが挙げられる。
添加剤としては、例えば、クレー等の充填剤、カーボンブラック以外の補強剤、パラフィン系オイル等の軟化剤、可塑剤、加工助剤、老化防止剤、顔料、粘着付与剤、滑剤、分散剤等が挙げられる。
ゴム組成物を製造する方法は特に限定されない。例えば、BIMS、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴム、ならびにEPDMに、必要に応じて、カーボンブラック、上記の添加剤を加え、ロール、バンバリーミキサー等により混合し、引き続いて、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、ハイドロタルサイト、必要に応じてその他の亜鉛華、加硫助剤、加硫促進剤を加えて混合することで得ることができる。
得られたゴム組成物から得られた加硫シートの引張強さ(TB)は隣接部材との強度バランスに優れるという観点から、6MPa以上であるのが好ましく、8〜25MPaであるのがより好ましい。引張強さ(TB)の測定方法は実施例に示すものと同様である。隣接部材との強度バランスとは、ゴム層の強度と、ゴム層に隣接するガスバリア層、またはゴム層に隣接することができる、補強層、外管層との強度とのバランスをいう。例えば添付の図1に示すような、ガスバリア層(樹脂)/ゴム層(ハイドロタルサイト配合)/補強層(例えば繊維またはワイヤ)/外管層の構造を有するホースにおいては、ガスバリア層および補強層がゴム層と隣接する。このような場合、ゴム層の強度が低い(6MPa未満)と、ゴム層がそれよりも硬いガスバリア層と補強層とに挟まれた状態となり、ホースが繰り返しの振動のような疲労を受けた場合に、ゴム層が破壊しやすくなる。ゴム組成物から得られた加硫シートの引張強さ(TB)が上記の範囲である場合、ホースが繰り返しの振動のような疲労を受けた場合、隣接部材との強度バランスに優れるのでゴム層が破壊しにくくなる。
ゴム層はゴム組成物を例えば管状に押出し成形することによって形成することができる。
ゴム層の厚さは特に限定されないが、0.5〜3.0mmが好ましい。
<ガスバリア層>
ガスバリア層について説明する。
本発明のホースにおけるガスバリア層は、ポリアミドとカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとをブレンドして得られる変性ポリアミドを含有するポリアミド樹脂組成物を用いて形成される。
変性ポリアミドを製造する際に使用されるポリアミドは特に限定されない。なかでも、耐冷媒透過性により優れるという観点から、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4−6、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12およびポリアミドMXD−6ならびにこれらの2種以上のコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
変性ポリアミドを製造する際に使用されるカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィンやジエンモノマーを単独重合または共重合したポリオレフィンに無水マレイン酸などの酸無水物をグラフト重合することにより官能基を約0.1〜10モル%導入した変性ポリオレフィンが好ましく用いられる。
ポリアミドとカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとのブレンド比(質量比)はガスバリア層とゴム層との接着性により優れるという観点から、90/10〜50/50が好ましく、85/15〜65/35がより好ましい。カルボキシル基含有変性ポリオレフィンの割合が大きくなると本発明のホースの柔軟性はよくなるが耐冷媒透過性が低下する可能性があり、また小さくなると耐冷媒透過性はよくなるがゴム層との接着性および柔軟性が劣る傾向にある。
変性ポリアミドは、ポリアミドとカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとをブレンドして得られるものであれば特に制限されない。変性ポリアミドはポリアミドとカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとのアロイとすることができる。
変性ポリアミドとしては、例えばポリアミド6と無水マレイン酸変性ポリオレフィンとをアロイ化したものと考えられるデュポン社製のザイテルST801、ザイテルST811、ザイテルST811HSなどのザイテルSTシリーズなどがあげられる。
本発明はポリアミド樹脂組成物が変性ポリアミドのみを含有する場合も包含する。変性ポリアミドのみを用いてガスバリア層を形成することができる。
ポリアミド樹脂組成物は、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れるという観点から、さらにハイドロタルサイトを含有するのが好ましい。
ポリアミド樹脂組成物に含有することができるハイドロタルサイトはゴム組成物に含有されるハイドロタルサイトと同義である。ポリアミド樹脂組成物に含有することができるハイドロタルサイトとして、ゴム組成物に含有されるハイドロタルサイトと同様に表面処理がなされているもの、表面処理がなされていないものも使用することができる。
ハイドロタルサイトはなかでも、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れ、ハロゲンキャッチ能力が高いという観点から、ハイドロタルサイトが有するOH量が少ないもの、Mg1-xAlx3.83xが好ましく、Mg0.7Al0.31.15がより好ましい。
ハイドロタルサイトは、そのハロゲンキャッチ能力が高く、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れるという観点からは、表面処理がなされていないハイドロタルサイトであるのが好ましい。
また、ハイドロタルサイトは、柔軟性(ガスバリア層およびホース全体の柔軟性のことであり、ホース自身の曲げ剛性が低く、エンジンルーム内での取り回し性がよい。)、非振動伝達性(冷媒圧縮用コンプレッサーからの振動が車のボディー側に伝わりにくく、車内への振動や騒音の影響が少ない。)に優れるという観点から、表面処理がなされているハイドロタルサイトが好ましく、高級脂肪酸で表面処理されているハイドロタルサイトがより好ましい。
ポリアミド樹脂組成物に含有することができるハイドロタルサイトはゴム組成物に含有されるハイドロタルサイトと同じであっても異なっていてもよい。ゴム組成物に含有されるハイドロタルサイトとポリアミド樹脂組成物に含有することができるハイドロタルサイトとの組み合わせ(両者が別々の場合、前者をゴム組成物に含有されるハイドロタルサイト、後者をポリアミド樹脂組成物に含有することができるハイドロタルサイトとして以下表記する。)としては、例えば、両者がMgxAly(OH)2x+3y-2CO3・wH2Oである組み合わせ、両者がハイドロタルサイトが有するOH量が少ないものである組み合わせ、両者がMg1-xAlx3.83xである組み合わせ、両者が表面処理されている組み合わせ、両者が表面処理されていない組み合わせ、MgxAly(OH)2x+3y-2CO3・wH2OとMg1-xAlx3.83xとの組み合わせ、Mg1-xAlx3.83xとMgxAly(OH)2x+3y-2CO3・wH2Oとの組み合わせ、表面処理されているものと表面処理されていないものとの組み合わせ、表面処理されていないものと表面処理されているものとの組み合わせが挙げられる。
ポリアミド樹脂組成物に含有されるハイドロタルサイトの量は、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れ、柔軟性(ガスバリア層およびホース全体の柔軟性のことであり、ホース自身の曲げ剛性が低く、エンジンルーム内での取り回し性がよい。)、非振動伝達性(冷媒圧縮用コンプレッサーからの振動が車のボディー側に伝わりにくく、車内への振動や騒音の影響が少ない。)に優れるという観点から、変性ポリアミド100質量部に対して、0.5〜20質量部であるのが好ましい。
また、ポリアミド樹脂組成物に含有されるハイドロタルサイトの量は、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れ、柔軟性、非振動伝達性に優れ、これらの接着性と柔軟性と非振動伝達性とのバランスがよいという観点から、変性ポリアミド100質量部に対して、1〜15質量部であるのが好ましく、2〜15質量部であるのがより好ましく、3〜15質量部であるのがさらに好ましく、3〜8質量部であるのが特に好ましい。
ポリアミド樹脂組成物がハイドロタルサイトを含有する場合、ゴム組成物に含有されるハイドロタルサイトとポリアミド樹脂組成物に含有されるハイドロタルサイトとの合計量は、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れ、柔軟性、非振動伝達性に優れ、これらの接着性と柔軟性と非振動伝達性とのバランスがよいという観点から、原料ゴムと変性ポリアミドとの合計量100質量部に対して、0.75〜14質量部であるのが好ましく、2〜8質量部であるのがより好ましい。
ポリアミド樹脂組成物がハイドロタルサイトを含有する場合、ゴム組成物に含有されるハイドロタルサイトとポリアミド樹脂組成物に含有されるハイドロタルサイトとの質量比(ゴム組成物:ポリアミド組成物)は、ガスバリア層とゴム層との接着性により優れ、柔軟性、非振動伝達性に優れ、これらの接着性と柔軟性と非振動伝達性とのバランスがよいという観点から、(1〜8):(0.5〜20)であるのが好ましく、(3〜8):(2〜10)であるのがより好ましい。
ポリアミド樹脂組成物は、必要に応じて本発明の目的を損わない範囲で、添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、補強剤、老化防止剤、可塑剤、顔料(染料)、粘着付与剤、滑剤、分散剤、加工助剤が挙げられる。
ポリアミド樹脂組成物はその製造について特に制限されない。例えば、変性ポリアミドおよびハイドロタルサイトと、必要に応じて使用することができる添加剤とを、2軸混練押出機を用いて混合する方法が挙げられる。
混合温度は、混合加工性に優れるという観点から、180〜300℃であるのが好ましく、200〜280℃であるのがより好ましい。
ポリアミド樹脂組成物から形成される硬化物(例えば、シート)のヤング率は、300MPa以下であるのが好ましく、270MPa以下であるのがより好ましい。
硬化物のヤング率が300MPa以下である場合、柔軟性、非振動伝達性に優れる。硬化物のヤング率が300MPaを超える場合、ホース自身の曲げ剛性が高くなり、エンジンルーム内での取り回し性が悪く、冷媒圧縮用コンプレッサーの振動が車のボディー側に伝わってしまい、振動と音の面で問題が発生しやすい。
本発明においては、変性ポリアミド100質量部に対するハイドロタルサイトの量が0.5〜20質量部であることによって、硬化物のヤング率を300MPa以下とすることができる。
本発明においてヤング率は、ポリアミド樹脂組成物を用いて230℃の条件下シートを作製し、シートから幅5mm、長さ80mm、厚さ0.15mmの大きさの試験片を切り出して試験体(実施例の試験体)とし、得られた試験体について50mm/分の引張速度でJIS K 7161に準じて測定されたものである。
ガスバリア層はポリアミド樹脂組成物を例えば管状に押出し成形することによって形成することができる。
ガスバリア層の厚さは特に限定されないものの、0.01〜0.50mmが好ましく、0.05〜0.30mmがより好ましく、0.05〜0.20mmがさらに好ましい。このような範囲であると、成形作業性および耐冷媒透過性ならびに可撓性がより良好となる傾向がある。
本発明のホースは、ガスバリア層とその外表面に隣接したゴム層とからなる内管層を備える。ガスバリア層とゴム層とは隣接し直接接着することができるので、ガスバリア層とゴム層との間に接着剤層を介する必要はない。
内管層が上記に説明したような特定成分を特定含有量で含むゴム層およびガスバリア層からなるものでないと、接着剤を使用することなしにガスバリア層とゴム層とを強固に加硫(架橋)接着することはできない。すなわち、高接着性(高接着力および高ゴム付き)を発現することはできない。
本発明のホースの内径および外径ならびに長さは特に限定されない。
例えばホースの内径は5〜20mmであることが好ましく、7〜17mmであることがより好ましい。
本発明のホースは前記内管層を備えるものであれば、その他に、さらに補強層や外管層を有するものであってもよい。
本発明のホースは、内管層の上に補強層があり、補強層の上に外管層があるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
補強層としては、ブレード状で形成されたものでもスパイラル状で形成されたものでもよく、特に限定されない。用いる材料としては、糸、ワイヤ等を挙げることができる。補強糸としては、ビニロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維等で製造された糸が例示できる。また、補強用ワイヤとしては、硬鋼線が例示され、さらに具体的には、防錆および接着性付与のためにブラスメッキワイヤまたは亜鉛メッキワイヤが例示される。
外管層は前記内管層や前記補強層の外側に形成されるものであり、その材質、構造、厚さ等を特に限定されず、一般に用いられているゴム組成物、樹脂、金属ワイヤ等を使用できる。ゴム組成物として内管層のゴム層に使用されるゴム組成物と同様のものを用いることもできる。ゴム組成物にはアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂以外の架橋剤、充填剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤、軟化剤、粘着付与剤、滑剤、分散剤、加工助剤等が適宜配合されていてもよい。樹脂としては、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。また、ホースの柔軟性を確保し、非振動伝達性を損なわない範囲において、重量増加による振動吸収性能の向上や強度向上のため、金属や繊維を含有することもできる。外管層は、例えばソリッド状、スポンジ状とすることができる。また、外管層は、例えば、筒状であって本発明のホースを挿入して用いるタイプ、スパイラル状、スプリング状であって本発明のホースに巻き付けて用いるタイプとすることができる。
外管層の厚さは、1〜5mmであるのが好ましく、0.5〜3mmがより好ましく、1〜2mmがさらに好ましい。
外管層が複数層で形成されていてもよい。
本発明のホースの構成を添付の図を用いて説明する。本発明は添付の図面に限定されない。
図1は本発明のホースの好適実施例を示す図である。
図1において本発明のホース1は、ガスバリア層21とその外表面に隣接したゴム層22とからなる内管層2を備えている。ガスバリア層21とゴム層22の間には、接着剤層は存在しない。しかし、本発明においてはゴム層がハイドロタルサイトを含有することによってガスバリア層とゴム層とは強固に接着することができる。
この好適実施例ではゴム層22の上面に補強層3を有し、さらに、その上面に外管層4を有している。本発明のホースは内管層2だけを有するものであってもよい。
本発明のホースは前記内管層を備えるものであれば特に限定されず、図1を用いて説明した好適実施例における外管層のさらに外側に他の層を有するものであってもよい。
また、本発明のホースは上記のように補強層を必ずしも有している必要はないが、補強層を備えていると、ホースの引張り破断強度、使用可能圧力範囲および金具装着性が向上するので好ましい。特に、本発明のホースを、高圧流体を輸送するホースに用いる場合は、補強層を有することが好ましい。
本発明のホースの製造方法について説明する。
本発明のホースの製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えばガスバリア層およびゴム層はそれぞれを押出し成形、共押出し成形させることによって得ることができる。ここで、ゴム層は上記のゴム組成物を用いて形成されるものであればよい。ガスバリア層は上記のポリアミド樹脂組成物を用いて形成されるものであればよい。例えば前述の図1を用いて説明した好適実施態様のホースの場合であれば、ガスバリア層の外表面にゴム層を積層し、さらに編組またはスパイラル巻などにより補強層、ついで外管層(外側ゴム層)を積層した後、全体を加硫することによって得ることができる。加硫(架橋)は約150〜180℃の条件下で行なうことができる。
また、他の製造方法としては、マンドレル上に、ガスバリア層、ゴム層、補強層および外管層をこの順に積層させた後に、マンドレル上の積層体を140〜190℃の条件下において、30〜180分間、プレス加硫、蒸気加硫、オーブン加硫(熱気加硫)または温水加硫することにより加硫接着させて、ホースを製造することができる。
本発明のホースは、ガスバリア層とゴム層との接着性に優れるので、気体や液体がガスバリア層とゴム層との接着界面に滞留してその部分のガスバリア層に膨れが発生することがない。また、本発明のホースはガスバリア層とゴム層とを接着剤等で接着させる必要がないので、接着剤等に含まれる溶剤による環境への悪影響を解消し、ホースの製造工程を減らしてコストを下げることができる。
本発明のホースに対して使用することができる冷媒含有組成物は特に制限されない。例えばフッ素系化合物のような冷媒と潤滑剤とを含有する組成物が挙げられる。
冷媒含有組成物に含有される冷媒としては、例えば、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(構造式:CF3−CF=CH2、HFO−1234yf)のような二重結合を有するフッ素系化合物;HFC−134a(構造式:CF3−CFH2)のような飽和ハイドロフルオロカーボンが挙げられる。
冷媒含有組成物に含有される潤滑油は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
本発明のホースは、冷媒を輸送するために使用することができるホースであり、例えば、エアコン用ホース(例えば、カーエアコン)のような流体輸送用ホースに適用することができる。また、本発明のホースは、エアコン用ホース以外にも例えば温水用ホース(温調機器用)に使用することができる。
以下に、実施例を用いて本発明のホースについてより詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<ゴム組成物の製造>
以下に示す成分(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、ステアリン酸亜鉛、ハイドロタルサイトを除く。)を各表に示す量(質量部)で用いてロール、バンバリーミキサーによって混練し、引き続いてこれらに臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、ステアリン酸亜鉛、ハイドロタルサイトを同表に示す量(質量部)で加えてこれらを混練してゴム組成物を製造した。
・ブチルゴム(IIR):EXXON BUTYL 268、日本ブチル株式会社製
・臭素化ブチルゴム(Br−IIR):EXXON BROMOBUTYL 2255、日本ブチル株式会社製
・BIMS:Exxpro 3745、EXXONMOBIL CHEMICAL COMPANY製
・EPDM:三井EPT4070、三井化学社製
・カーボンブラック[C.B(ISAF)]:ショウブラックN220、昭和キャボット社製。N2SA≧75m2/gでありかつDBP吸油量≧90cm3/100gであるカーボンブラック
・カーボンブラック[C.B(HAF)]:ショウブラックN330、昭和キャボット社製、N2SA≧75m2/gでありかつDBP吸油量≧90cm3/100gであるカーボンブラック
・St Acid:ステアリン酸、ルナックYA、花王株式会社製
・ハイドロタルサイト1:KW−2200、協和化学工業社製。Mg0.7Al0.31.15、表面処理なし、焼成処理あり
・ハイドロタルサイト3:DHT−4A、協和化学工業社製。Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、高級脂肪酸によって表面処理されている。焼成処理なし。
・パラフィン油:プロセスオイル123、昭和シェル石油社製
・ステアリン酸亜鉛:ステアリン酸亜鉛、正同化学工業社製
・臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂:タッキロール250−I、田岡化学工業株式会社製
<ポリアミド樹脂組成物の製造>
以下に示す原料を各表に示す量(質量部)で用い、これらを2軸混練押出機を用いて均一に混合し、同表に示すポリアミド樹脂組成物2〜5を製造した。なお、ポリアミド樹脂組成物1は、変性ポリアミド(ポリアミド6とカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとのアロイ)[商品名Zytel ST811HS、デュポン社製]100質量部である。
・変性ポリアミド:ポリアミド6とカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとのアロイ[商品名Zytel ST811HS、デュポン社製]
・ハイドロタルサイト2:KW−2200、協和化学工業社製。Mg0.7Al0.31.15、表面処理なし、焼成処理あり
・ハイドロタルサイト4:DHT−4A、協和化学工業社製。Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、高級脂肪酸によって表面処理されている。焼成処理なし。
<評価>
ゴム組成物の押し出し加工性試験、ゴム組成物の物性、ポリアミド樹脂組成物のヤング率、ゴム組成物/ポリアミド樹脂組成物接着試験、デラミネーション試験を以下に示す方法で評価した。結果を各表に示す。
[ゴム組成物の押し出し加工性試験]
上記のようにして得られた各ゴム組成物の最低ムーニー粘度を測定した。最低ムーニー粘度はJIS K 6300−1のムーニースコーチ試験で、125℃において測定した値(Vm)を意味するものとする。
また、小型スクリュー式押し出し機(スクリューは圧縮タイプを使用)に、丸棒状となるヘッドを組み付け、ヘッド、シリンダー温度を80℃、回転数を60rpmにて押し出し性を確認した。そして外観等、ホースとして使用可能なレベルにある形状のものを「○」、使用不可レベルにあるものを「×」として示した。
[ゴム組成物の物性]
上記のようにして得られた各ゴム組成物を150℃のプレス成型機を用い、面圧3.0MPaの圧力下で45分間加硫して、2mm厚の加硫シートを作製した。このシートからJIS3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、引張速度500mm/分での引張試験をJIS K6251に準拠して行い、引張強さ(TB)[MPa]、切断時伸び(EB)[%]、100%モジュラス(M100)[MPa]を室温にて測定した。
本発明において引張強さ(TB)は6MPa以上である場合冷媒輸送用ホースとして適切である。
また、JIS K6253のタイプAデュロメータに準じて、各ゴム組成物の硬化物の室温における硬さ(HS)を測定した。
[ポリアミド樹脂組成物のヤング率]
上記のようにして得られたポリアミド樹脂組成物を230℃の条件下で電熱プレスを用いてシートを作製し、シートから幅5mm、長さ80mm、厚さ0.15mmの大きさの試験片を切り出し、これを試験体とした。
得られた試験体について50mm/分の引張速度でJIS K 7161に準じてヤング率を測定した。
[ホースの製造]
各実施例および各比較例のゴム組成物およびポリアミド樹脂組成物を用いてなるホースを製造した。
具体的には、初めに、上記のようにして得られたポリアミド樹脂組成物を、押出し機を用いてマンドレル(外径11mm)の上に引き落として成形し、厚さ0.1mmのガスバリア層を形成した。
次に上記のようにして得られたゴム組成物を用いて、上記で得たガスバリア層の外表面に、厚さ1.4mmのゴム層を形成した。ガスバリア層の外表面にゴム層を積層した後、全体を加硫することによって内管層のみからなるホースを得た。加硫条件は約150〜180℃で蒸気圧をかけ加硫を行った。そして、肉厚が1.5mmであって外径が14mmのホースを得た。
なお、比較例1−1については、ガスバリア層とゴム層とを接着剤(Chemlok 402X、Lord Corporation製)を用いて接着した。
[ゴム組成物/ポリアミド樹脂組成物の接着性試験]
上記のようして得た各ホースについて、剥離スピード50mm/分でゴム層を剥離したときの接着力およびゴム付きを測定した。
ここで接着力は幅25mm当たりの接着力(N)を意味する。また、接着力が40N/25mm以上のものを「○」、接着力が40N/25mm未満のものを「×」として評価した。
ゴム付きはその面積と厚さについて評価された。
ゴム付き(面積)は、上記の接着力の評価後の剥離されたガスバリア層上において、ゴム層から剥がれたゴムが付着している面積比(%)を意味する。
ゴム付き(厚さ)は、ゴム層から剥がれてガスバリア層に付いたゴムの厚さを目視にて評価し、「厚い」、「やや厚い」、「薄い」、「界面」(ガスバリア層とゴム層との界面で剥離したものを意味する。)で示した。
ゴム付きの判定は、ゴム付きが厚いものを「○(良好)」、ゴム付きがやや厚いものを「△」、「薄い」ものおよび「界面」で剥離したものを「×」と評価してこれを記した。
[デラミネーション試験]
上記と同様の方法で、ホースの内径11mm、外径14mm(ホースの肉厚は1.5mmである)、長さ50cmのホースを製造した。
次に、ホースに冷媒(HFC−134a)を封入後、ホースの両末端に金具を装着して封をしたものを90℃のオーブン中に24時間放置した。ここで冷媒は0.6g/cm3となるように封入した。
次に冷媒を解放後、ただちに120℃のオーブンに入れ、24時間放置した。
そして、その後、ホースを半分に切り(縦割り)、樹脂(ガスバリア層)の剥離を確認した。樹脂の剥離がなかったものを「○」、樹脂の剥離が発生したものを「×」として示す。
Figure 0004893877
Figure 0004893877
Figure 0004893877
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第1表、第2表に示す結果から明らかなように、ガスバリア層とゴム層とを接着剤で接着した比較例1−1は、ゴム付きが薄くなり、デラミネーション試験において樹脂の剥離が生じ、ガスバリア層とゴム層との接着が不十分であることがわかった。
ゴム組成物がハイドロタルサイトを含有しない、比較例1−2は、界面剥離したためゴム付きがなく、ガスバリア層とゴム層との接着が不十分であることがわかった。ゴム組成物がハイドロタルサイトを含有しない、比較例2、4は、ゴム付きが薄いかまたはやや厚く、ガスバリア層とゴム層との接着が不十分であることがわかった。ゴム組成物がハイドロタルサイトを含有しない、比較例3は、ガスバリア層とゴム層との間の接着力(ポリアミド樹脂組成物とゴム組成物との間の接着力。以下同様。)が低く、接着性に劣った。
原料ゴム100質量部に対してハイドロタルサイトの量が8質量部を超える比較例5は、接着性は優れるものの、ゴム層の引張強さ(TB)が6MPa未満となり冷媒輸送用ホースとして使用することができない。
原料ゴム100質量部に対してハイドロタルサイトの量が1質量部未満である比較例6は、ゴム付きがやや厚く、ガスバリア層とゴム層との接着が不十分であることがわかった。
なお、比較例2は特許文献2に記載の態様に相当する。また、比較例4は特許文献1に記載の態様に相当する。
これに対して、実施例1〜14、20、21は、ガスバリア層とゴム層との間の接着力が高く、接着性に優れ、ガスバリア層のヤング率が適切なものとなる。
なかでも、原料ゴムが、BIMSとハロゲン化ブチルゴムとしてBr−IIRとさらにEPDMとを含む実施例3〜14、20、21は接着力が高く接着性により優れる。
また、実施例1〜14、20、21はデラミネーション試験でも樹脂の剥離が生じることがない。
実施例4と実施例20とを比較すると、表面処理されていないハイドロタルサイトを含有する実施例4は表面処理されているハイドロタルサイトを含有する実施例20よりもガスバリア層とゴム層との間の接着力が高く接着性により優れる。実施例10と実施例21との比較においても同様のことが言える。
また、実施例20は実施例4よりもゴム組成物の引張強さ(TB)[MPa]、切断時伸び(EB)[%]、100%モジュラス(M100)、硬度のような機械的強度が高い。実施例10と実施例21との比較においても同様のことが言える。
実施例4と実施例10とを比較すると、ゴム組成物およびポリアミド樹脂組成物の両方がハイドロタルサイトを含有する実施例10は、実施例4よりもガスバリア層とゴム層との間の接着力が高く接着性により優れる。実施例20と実施例21との比較においても同様のことが言える。
[実施例15]<補強層および外管層を有するホース1の製造>
外径11mmの熱可塑性樹脂製マンドレルの表面に樹脂押出し機を用いて、実施例4のポリアミド樹脂組成物1でガスバリア層を0.15mmの厚さに押出し(押出し温度240℃)、その表面に厚さ1.2mmのゴム層(実施例4のゴム組成物)を押出して内管層とし、その上に総糸量80,000dtexのPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維を交互にスパイラル状に巻きつけた2層の補強層を形成し、その上に厚さ1.0mmのカバーゴム層(下記のブチルゴム系組成物Aを使用した。)を押し出して押出し外管層とし、更にその上に周知のポリメチルペンテン樹脂を押出し外皮とし、得られた管状の積層体を160℃の条件下で100分間加硫した後、管状積層体から外皮とマンドレルを取り除いてホースを製造した。得られたホースをホース1とする。ホース1はガスバリア層とゴム層との接着性に優れる。
ブチルゴム系組成物A(カバーゴム層):ブチルゴム100質量部、カーボンブラック(HAF)80質量部、ステアリン酸3質量部、パラフィン油10質量部、酸化亜鉛2質量部、および臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂8質量部を含有する組成物。
[実施例16]<ホース2の製造>
実施例4で使用されたポリアミド樹脂組成物1を実施例7で使用されたポリアミド樹脂組成物2に代えたほかは実施例15と同様にしてホース2を製造した。ホース2はガスバリア層とゴム層との接着性に優れる。
[実施例17]<ホース3の製造>
実施例4で使用されたポリアミド樹脂組成物1を実施例10で使用されたポリアミド樹脂組成物3に代えたほかは実施例15と同様にしてホース3を製造した。ホース3はガスバリア層とゴム層との接着性に優れる。
[実施例18]<ホース4の製造>
実施例10で使用されたゴム組成物を実施例9で使用されたゴム組成物に代えたほかは実施例17と同様にしてホース4を製造した。ホース4はガスバリア層とゴム層との接着性に優れる。
[実施例19]<ホース5の製造>
実施例10で使用されたゴム組成物を実施例11で使用されたゴム組成物に代えたほかは実施例17と同様にしてホース5を製造した。ホース5はガスバリア層とゴム層との接着性に優れる。
1 本発明のホース
2 内管層
21 ガスバリア層
22 ゴム層
3 補強層
4 外管層

Claims (14)

  1. ガスバリア層とその外表面に隣接したゴム層とからなる内管層を備える冷媒輸送用ホースであって、
    前記ゴム層が、原料ゴム:100質量部に対して、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂:1〜15質量部と、ハイドロタルサイト:1〜8質量部とを含有するゴム組成物からなり、
    前記原料ゴムが、BIMS、ならびにブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムである共重合ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記ガスバリア層が、ポリアミドとカルボキシル基含有変性ポリオレフィンとをブレンドして得られる変性ポリアミドを含有するポリアミド樹脂組成物からなる冷媒輸送用ホース。
  2. 前記ゴム組成物が、さらに、前記原料ゴム:100質量部に対して、カーボンブラック:30〜80質量部を配合し、
    前記カーボンブラックは、N2SA≧75m2/gであり、かつDBP吸油量≧90cm3/100gである請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  3. 前記原料ゴムが、BIMSと、ブチルゴムおよび/またはハロゲン化ブチルゴムである共重合ゴムと、さらにEPDMとを含み、
    前記原料ゴムにおける前記BIMSの含有量が5〜40質量部であり、前記BIMSと前記共重合ゴムとの含有量の合計が20〜80質量部であり、EPDMの含有量が80〜20質量部である請求項1または2に記載の冷媒輸送用ホース。
  4. 前記ポリアミド樹脂組成物がさらにハイドロタルサイトを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
  5. 前記ポリアミド樹脂組成物に含有される前記ハイドロタルサイトの量が、前記変性ポリアミド100質量部に対して、0.5〜20質量部である請求項4に記載の冷媒輸送用ホース。
  6. 前記共重合ゴムがハロゲン化ブチルゴムである、請求項1〜5のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
  7. 前記ポリアミドが、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4−6、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12およびポリアミドMXD−6ならびにこれらの中の2種以上のコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜6のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
  8. 前記ゴム組成物に含有される前記ハイドロタルサイトは、表面処理がなされていない請求項1〜7のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
  9. 前記ゴム組成物に含有される前記ハイドロタルサイトが、原料ハイドロタルサイトを焼成することによって製造されるものである請求項1〜8のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
  10. 前記ガスバリア層と前記ゴム層との間に接着剤層を有さない、請求項1〜9のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
  11. 前記ガスバリア層と前記ゴム層とが直接接着している請求項1〜10のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
  12. 前記内管層の上に補強層があり、前記補強層の上に外管層がある請求項1〜11のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
  13. 前記ポリアミド樹脂組成物に含有される前記ハイドロタルサイトは、表面処理がなされていない請求項4〜12のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
  14. 前記ポリアミド樹脂組成物に含有される前記ハイドロタルサイトが、原料ハイドロタルサイトを焼成することによって製造されるものである請求項4〜13のいずれかに記載の冷媒輸送用ホース。
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