JP2003278957A - ホース構造体およびその製法 - Google Patents

ホース構造体およびその製法

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JP2003278957A
JP2003278957A JP2002086834A JP2002086834A JP2003278957A JP 2003278957 A JP2003278957 A JP 2003278957A JP 2002086834 A JP2002086834 A JP 2002086834A JP 2002086834 A JP2002086834 A JP 2002086834A JP 2003278957 A JP2003278957 A JP 2003278957A
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Akira Hirai
亮 平井
Ayumi Ikemoto
歩 池本
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可撓性ホースとスリーブとが加締めによらずと
も強固に連結され、かつ優れたシール性を備えたホース
構造体およびその製法を提供する。 【解決手段】可撓性ホース1の端部をスリーブ12端部
に外嵌してなるホース構造体であって、上記可撓性ホー
ス1の最内層が下記の(A)を主成分とし(B)を含有
するゴム組成物加硫体によって形成されており、かつ上
記スリーブ12端部の外周面にクロロスルホン化ポリエ
チレン系接着剤層13が形成されて、上記可撓性ホース
1端部内周面と加熱圧着されている。また、上記ホース
構造体の製法であって、スリーブ12端部外周面にクロ
ロスルホン化ポリエチレン系接着剤を塗布した後、上記
(A)を主成分とし(B)を含有するゴム組成物によっ
て形成された最内層を備えた可撓性ホース1の端部を、
上記スリーブ12端部に外嵌し加熱圧着する。 (A)エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム。 (B)アクリル系モノマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性ホースとス
リーブとを連結してなるホース構造体およびその製法に
関するものであり、特に自動車のカークーラーやエアコ
ン等の冷媒輸送配管用高圧ホースの分野に用いられるホ
ース構造体およびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エアコンホース等の冷媒輸送用高圧ホー
スとして用いられる可撓性ホースは、ゴム層,樹脂層,
補強糸層等が積層された多層構造をとることが、一般的
である。そして、上記可撓性ホースの最内層の形成材料
としては、通常、各種ゴム・樹脂材料が用いられるが、
特に、高温高圧条件下であっても安定性を有する点か
ら、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(以下、
「EPDM」と略す)が好ましく用いられる。また、上
記可撓性ホースは、金属等からなるスリーブと連結する
ことによりホース構造体を構成するが、その連結部分で
は、ホース内に流れる流体が漏れることのないよう、例
えば、上記可撓性ホース端部をスリーブ端部に外嵌した
後、クランプ等で加締めたり、さらに、上記外嵌時にお
いて、スリーブ端部外周面とスリーブ端部内周面との間
にシール剤を介在させることにより、シール性を向上さ
せることが行われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなクランプ等による加締作業は面倒であるため、こ
のような煩雑な作業の省略化が望まれてきたものの、従
来のシール剤には、高温高圧条件下において上記可撓性
ホースとスリーブとを強固に接着し、かつホースの可撓
性に追従しうるものがなかったため、上記シール剤を用
いた場合であっても、やはり加締作業を省略することは
できなかった。また、上記可撓性ホースの最内層の材質
やホース内を流れる流体によってはシール困難な場合も
あった。さらに、上記可撓性ホースの最内層は、上記外
嵌時において、既に加硫されており(最内層を未加硫状
態にし、スリーブを嵌入して加硫接着することは、作業
性等の点で不利であるため、通常では行われない)、未
加硫時には存在していた二重結合が殆ど残っていないた
め、可撓性ホースとスリーブとの両者の接着性は悪く、
特に上記最内層がEPDMからなる場合では、ジエンの
含有率が比較的低く化学的反応点に乏しいため、シール
剤に対しても1次結合を生成することが難しかった。し
たがって、上記両者を連結してなるホース構造体の技術
分野において、加締作業を要さず、かつ高温高圧条件下
であっても満足できるシール性は、未だ得られていない
のが現状である。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、可撓性ホースとスリーブとが加締めによらずと
も強固に連結され、かつ優れたシール性を備えたホース
構造体およびその製法の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、可撓性ホースの端部をスリーブ端部に外
嵌してなるホース構造体であって、上記可撓性ホースの
最内層が下記の(A)を主成分とし(B)を含有するゴ
ム組成物加硫体によって形成されており、かつ上記スリ
ーブ端部の外周面にクロロスルホン化ポリエチレン系接
着剤層が形成されて、上記可撓性ホース端部内周面と加
熱圧着されているホース構造体を第1の要旨とする。 (A)EPDM。 (B)アクリル系モノマー。
【0006】また、本発明は、上記第1の要旨のホース
構造体の製法であって、スリーブ端部外周面にクロロス
ルホン化ポリエチレン系接着剤を塗布した後、下記の
(A)を主成分とし(B)を含有するゴム組成物によっ
て形成された最内層を備えた可撓性ホースの端部を、上
記スリーブ端部に外嵌し加熱圧着するホース構造体の製
法を第2の要旨とする。 (A)EPDM。 (B)アクリル系モノマー。
【0007】すなわち、本発明者らは、前記課題を解決
すべく鋭意研究を重ねた結果、クロロスルホン化ポリエ
チレン系接着剤を外周面に塗布したスリーブ端部に対
し、EPDMを主成分とし、かつアクリル系モノマーを
含有するゴム組成物の加硫体からなる最内層を有する可
撓性ホースの端部を外嵌し、この外嵌した個所において
可撓性ホースとスリーブとの両者を加熱圧着することに
よりホース構造体を構成すると、上記可撓性ホース最内
層中の未反応の共架橋剤(アクリル系モノマー)と、ク
ロロスルホン化ポリエチレン系接着剤とが反応し、その
結果、上記可撓性ホースの最内層が、EPDMを主成分
とする加硫体であるにもかかわらず、スリーブ端部との
間に強固な接着力が得られ、しかも上記クロロスルホン
化ポリエチレン系接着剤からなる層がホースの可撓性に
追従しうるため優れたシール性が得られることを見出
し、本発明に到達した。そして、上記ホース構造体の製
法では、上記ホース構造体の製造時に、クランプ等によ
る加締作業も不要となるため、作業の簡略化を達成でき
ることも突き止めた。
【0008】なお、本発明のホース構造体を構成する可
撓性ホースの最内層は、単層構造の場合はその層を、2
層以上の多層構造の場合はその最内層を意味する。
【0009】つぎに、本発明について詳しく説明する。
【0010】本発明のホース構造体は、図1に示すよう
に、可撓性ホース1の端部をスリーブ12端部に外嵌し
てなるものであって、上記可撓性ホース1の最内層が、
EPDMを主成分としアクリル系モノマーを含有するゴ
ム組成物加硫体によって形成されており、かつ上記スリ
ーブ12端部の外周面にクロロスルホン化ポリエチレン
系接着剤層13が形成されて、上記可撓性ホース1端部
内周面と加熱圧着されてなるものである。なお、図1で
は、上記スリーブ12端部とクロロスルホン化ポリエチ
レン系接着剤層13との間にフェノール系プライマー層
14が介在しており、上記可撓性ホース1とスリーブ1
2との間において、より強固な接着性が得られている。
【0011】ここで、本発明のホース構造体を構成する
可撓性ホース1の一例を、図2に示す。この可撓性ホー
ス1は、最内層としてゴム製内層2を有し、かつその外
周に、樹脂層3a,中間ゴム層3b,補強糸層3c,外
皮ゴム層3dが順次積層形成されて5層構造をとってい
る。そして、上記ゴム製内層2が、特定のゴム組成物の
加硫体によって形成されている。
【0012】上記ゴム製内層2の形成材料として用いら
れる特定のゴム組成物とは、先にも述べたように、EP
DMを主成分としアクリル系モノマーを含有するゴム組
成物である。ここで「主成分」とは、組成物を実質的に
構成する主たる成分のことであって、その使用量のみが
関係するものでなく組成物全体の物性・特性に大きな影
響を与えるもののことを意味する。通常、上記EPDM
は、組成物全体の30重量%以上を占めている。また、
上記EPDMは、ゴム組成物の基材として用いられるも
のであれば特に限定するものではないが、ヨウ素価が6
〜30の範囲、エチレン比率が48〜70重量%の範囲
のものが好ましく、特に好ましくはヨウ素価が10〜2
4の範囲、エチレン比率が50〜60重量%の範囲のも
のである。
【0013】上記EPDMに用いられるジエン系モノマ
ーとしては、特に限定はないが、炭素数5〜20のジエ
ン系モノマーが好ましく、具体的には、1,4−ペンタ
ジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエ
ン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4
−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロ
オクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−
エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ブチリ
デン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボル
ネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等があげ
られる。これらジエン系モノマー(第3成分)のなかで
も、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン
−2−ノルボルネン(ENB)が好ましい。
【0014】上記ゴム製内層2の形成材料として用いら
れるEPDMの加硫剤としては、過酸化物加硫剤を用い
ても、硫黄系加硫剤を用いてもよい。上記硫黄系加硫剤
としては、例えば、硫黄、塩化硫黄等があげられる。ま
た、上記過酸化物加硫剤としては、例えば、2,4−ジ
クロロベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシ
ド、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジベンゾイルペルオキシヘキサン、n−ブチル−4,
4′−ジ−t−ブチルペルオキシバレレート、ジクミル
パーオキサイド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、
ジ−t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン、
t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
−t−ブチルペルオキシヘキシン−3、1,3ビス−
(t−ブチルパーオキシ−イソ−プロピル)ベンゼン等
があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて
用いられる。なかでも、硫黄、ジ−t−ブチルペルオキ
シ−ジイソプロピルベンゼンが好適に用いられる。
【0015】上記加硫剤の配合割合は、過酸化物加硫剤
を用いた場合、上記EPDM100重量部(以下、
「部」と略す)に対して、1.5〜20部の範囲が好ま
しい。また、硫黄系加硫剤を用いた場合では、上記EP
DM100部に対して、0.5〜2.0部の範囲が好ま
しい。すなわち、加硫剤が上記特定の範囲未満である
と、架橋が不充分で、ホースの強度に劣り、逆に上記特
定の範囲を超えると、硬くなりすぎ、ホースの柔軟性に
劣る傾向がみられるからである。
【0016】上記ゴム製内層2の形成材料としてEPD
Mとともに用いられるアクリル系モノマーとしては、特
に限定されるものではなく、例えば、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリル
シアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ジアリルフタレート、1,3- ブチレンジメタクリ
レート、1,6- ヘキサンジオールジメタクリレート、
ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4- ブ
タンジオールジアクリレート、1,6- ヘキサンジオー
ルジアクリレート等の共架橋剤があげられ、これらは、
単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、
加硫速度の点から、エチレングリコールジメタクリレー
トが好ましく用いられる。
【0017】上記アクリル系モノマーの配合量は、上記
EPDM100部に対して1〜10部の範囲に設定され
ていると好ましく、より好ましくは1.5〜5部の範囲
である。すなわち、上記アクリル系モノマーの配合量が
1部未満であると、スリーブ12端部に対し所望する接
着力が得られなくなる傾向がみられ、逆に、10部を超
えると、上記ゴム製内層2のゴム物性(ホースの柔軟
性)が悪くなるおそれがあるからである。
【0018】なお、上記ゴム製内層2の形成材料には、
上記各成分に加えて、カーボンブラック、プロセスオイ
ル等を配合することが好ましい。
【0019】また、上記ゴム製内層2の形成材料には、
必要に応じて、老化防止剤、加工助剤、架橋促進剤、白
色充填剤、反応性モノマー、発泡剤等を適宜配合しても
差し支えない。
【0020】このゴム製内層2の厚みは、通常、0.5
〜4mm、好ましくは1〜3mmである。
【0021】つぎに、上記ゴム製内層2の外周に形成さ
れる樹脂層3a,中間ゴム層3b,補強糸層3c,外皮
ゴム層3dについて説明する。
【0022】上記樹脂層3aとしては、例えば、ポリア
ミド樹脂層とエチレン−ビニルアルコールコポリマー
(EVOH)層とポリアミド樹脂層とがこの順で積層し
形成された3層構造のものがあげられる。なお、上記ポ
リアミド樹脂層の材料としては、具体的には、ナイロン
6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナ
イロン612、ナイロン6とナイロン66との共重合体
またはこれら2種類以上のブレンド体等が好適に用いら
れる。そして、この樹脂層3aの厚み(上記3層の全厚
み)は、通常、0.1〜1.5mm、好ましくは0.3
〜1.2mmである。
【0023】上記中間ゴム層3bの形成材料としては、
例えば、EPDM,ブチルゴム(IIR),ハロゲン化
ブチルゴム(Cl−IIR,Br−IIR),ニトリル
ブタジエンゴム(NBR),ヒドリンゴム(CHC),
クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM),ニトリ
ル・塩化ビニルゴム(NBR・PVC)があげられ、単
独でもしくは2種類以上併せて用いられる。なかでも、
ガスおよび水のバリア性の点から、IIRおよびハロゲ
ン化ブチルゴムが好ましい。また、上記ゴムに対し、加
硫剤や加硫促進剤等の各種添加剤が、配合される。そし
て、この中間ゴム層3bの厚みは、通常、0.3〜2m
m、好ましくは0.5〜1.5mmである。
【0024】上記補強糸層3cは、ホースに対し耐圧性
を付与するものであり、これによりホース内に流れる流
体を高圧力で送ることが可能となる。この補強糸層3c
は、アラミド繊維,ポリアミド繊維,ポリエステル繊維
等の合成繊維や、麻や綿等の天然素材の糸,ワイヤー等
の金属製糸を用い、ブレード編みやスパイラル編み等に
よって形成される。
【0025】上記外皮ゴム層3dは、ホースに耐候性や
耐摩耗性等の特性を付与するために形成されるものであ
り、EPM,EPDM,ヒドリンゴム,クロロスルホン
化ポリエチレンゴム,ニトリル・塩化ビニルゴム,クロ
ロプレンゴムが使用される。また、この外皮ゴム層3d
の厚みは、通常、0.5〜4mm、好ましくは1〜3m
mである。
【0026】そして、前記図2に示した可撓性ホース1
は、例えば、つぎのようにして製造することができる。
すなわち、まず、先に述べた各層の材料を、それぞれ、
ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用
いて混練することにより調製する。つぎに、マンドレル
表面上に、ゴム製内層2,樹脂層3a,中間ゴム層3b
がこの順に積層形成されるよう上記調製された各層の材
料を押し出し成形し、ついで、上記中間ゴム層3bの外
周に、合成糸等を用い、編組機により補強糸層3cを形
成する。そして、この補強糸層3cの外周に、所定の未
加硫ゴムを押出成形し、外皮ゴム層3dを形成する。こ
のようにして形成した未加硫の5層構造のホースを加熱
加硫した後、マンドレルをこれから引き抜くことによ
り、目的とする可撓性ホース1を作製することができ
る。なお、上記加硫の条件は、例えば、150〜170
℃×20〜90分である。
【0027】本発明のホース構造体の構成部材として上
記可撓性ホース1とともに用いられるスリーブ12は、
特に限定されるものではなく、例えば、鉄,鉄合金(S
US等),アルミニウム,アルミニウム合金,銅等から
なる金属製のものや、ポリスチレン,塩化ビニル樹脂,
塩化ビニリデン樹脂,ポリエステル樹脂,メラミン樹脂
等からなる樹脂製のものがあげられる。特に、上記スリ
ーブ12外周面に亜鉛ニッケルメッキを施せば、耐食性
が向上し、さらに上記可撓性ホース1とスリーブ12と
の間において、より強固な接着性が得られるため、好ま
しい。
【0028】また、スリーブ12端部の外周面と、この
端部に外嵌する可撓性ホース1端部の内周面との間に
は、前述のようにクロロスルホン化ポリエチレン系接着
剤層13が介在している。上記クロロスルホン化ポリエ
チレン系接着剤層13の形成材料としては、特に限定さ
れるものではなく、例えば、クロロスルホン化ポリエチ
レンゴム(CSM)が用いられる。
【0029】上記クロロスルホン化ポリエチレン系接着
剤層13の形成材料としては、これ以外にも、例えば、
CSMの側鎖にアルキル基を導入したアルキル化CSM
(ACSM)等も用いることができる。
【0030】上記クロロスルホン化ポリエチレン系接着
剤層13の厚みは、通常5μm以上、好ましくは10〜
12μmに形成される。
【0031】また、上記スリーブ12端部とクロロスル
ホン化ポリエチレン系接着剤層13との間にフェノール
系プライマー層14が介在していると、上記可撓性ホー
ス1とスリーブ12との間において、より強固な接着性
が得られるため、好ましい。そして、上記フェノール系
プライマー層14の形成材料としては、具体的には、東
洋化学研究所社製のメタロックPH−50等が用いら
れ、通常5μm以上、好ましくは10〜12μmの厚み
に形成される。
【0032】つぎに、本発明のホース構造体の製法につ
いて説明する。
【0033】すなわち、まず、スリーブ12を準備し、
これの端部外周面に対し、必要に応じフェノール系プラ
イマーを塗布した後、クロロスルホン化ポリエチレン系
接着剤を塗布する。ついで、前述のようにして得られた
可撓性ホース1を用意し、これの端部を、上記接着剤が
塗布されたスリーブ12の端部に外嵌する。そして、こ
の外嵌した個所を、面圧5%以上、好ましくは面圧30
%程度で、かつ約160〜170℃×20〜40分で加
熱圧着し、上記接着剤を強固に作用させることにより、
目的とするホース構造体を作製することができる。
【0034】なお、上記ホース構造体における圧着個所
に対し、必要に応じて、クランプ等による加締めを行っ
てもよい。このようにしてクランプ等で加締めた場合で
あっても、クロロスルホン化ポリエチレン系接着剤層が
比較的軟質であるため、応力分散がなされ、加締安定性
につながる。
【0035】また、本発明において、上記可撓性ホース
1は、先に例示したような多層構造でなく、単層構造で
あってもよい。この場合には、その層が、本発明におけ
る最内層を意味する。
【0036】本発明のホース構造体は、例えば、クーラ
ーやエアコン等の冷媒輸送配管用高圧ホース等として用
いられるほか、自動車等の車両におけるエンジンとラジ
エータとの接続に用いられるラジエーターホースやエン
ジンとヒーターコアとの接続に用いられるヒーターホー
ス等のエンジン冷却系ホースの配管分野において好適に
用いることができる。
【0037】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0038】
【実施例1】〔最内層形成材料〕特定のゴム(A成分)
として、EPDM(住友化学工業社製、エスプレン50
1A)〔ヨウ素価:12、エチレン比率:50重量%、
ムーニー粘度(ML1+4 100℃):43〕100
部と、カーボンブラック(東海カーボン社製、シースト
SO)100部と、プロセスオイル(出光興産社製、ダ
イアナプロセスPW−380)60部と、過酸化物加硫
剤であるジ−t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベ
ンゼン(日本油脂社製、ペロキシモンF−40)6.6
部と、アクリル系モノマー(B成分)としてエチレング
リコールジメタクリレート(精工化学社製、ハイクロス
ED−P)3部とを配合し、ロールを用いて混練して、
ゴム組成物を調製した。
【0039】〔ホースの作製〕まず、マンドレル表面上
に、上記ゴム組成物(最内層形成材料)からなるゴム製
内層(厚み2mm)と、ナイロン6製層とEVOH製層
とナイロン6製層とからなる3層の樹脂層(厚み0.9
mm)と、ブチルゴムからなる中間ゴム層(厚み0.9
mm)とがこの順に積層形成されるよう、各層の材料を
押し出し成形し、ついで、上記中間ゴム層の外周に、ア
ラミド糸を編組してなる補強糸層を形成し、さらにこの
外周にEPDMを押出成形して外皮ゴム層(厚み2m
m)を形成し、160℃×45分加熱した後、マンドレ
ルをこれから引き抜くことにより、目的とするホース
(図2参照)を製造した。
【0040】
【実施例2】実施例1の最内層形成材料におけるアクリ
ル系モノマー(B成分)の配合割合を5部とし、かつ過
酸化物加硫剤に代えて硫黄1部を配合し、ゴム組成物を
調製した。そして、それ以外は、実施例1と同様にして
ホースを作製した。
【0041】
【実施例3】実施例1の最内層形成材料におけるアクリ
ル系モノマー(B成分)として、エチレングリコールジ
メタクリレート(ハイクロスED−P、精工化学社製)
1部を配合し、ゴム組成物を調製した。そして、それ以
外は、実施例1と同様にしてホースを作製した。
【0042】
【実施例4】実施例1の最内層形成材料におけるアクリ
ル系モノマー(B成分)の配合割合を10部とした。そ
して、それ以外は、実施例1と同様にしてホースを作製
した。
【0043】
【比較例1】実施例1の最内層形成材料においてアクリ
ル系モノマー(B成分)を配合しないこと以外は、実施
例1と同様にしてホースを作製した。
【0044】
【比較例2】実施例2の最内層形成材料においてアクリ
ル系モノマー(B成分)を配合しないこと以外は、実施
例1と同様にしてホースを作製した。
【0045】このようにして得られた実施例品および比
較例品のホースを用いて、下記の基準に従い、各特性の
評価を行った。これらの結果を、後記の表1に示した。
【0046】〔引張強さ(TB)、伸び(EB)〕上記
ゴム組成物を160℃で45分間プレス加硫し、厚み2
mmの加硫ゴムシートを作製した。次に、JIS 5号
ダンベルを打ち抜き、JIS K 6251に準じ、引
張強さ(TB)および伸び(EB)を評価した。
【0047】〔接着性〕上記ホースの最内層(ゴム製内
層)から接着評価用試料(幅20mm、長さ100m
m)を切り出した。つぎに、亜鉛ニッケルメッキが施さ
れた鉄板を準備し、この表面にフェノール系プライマー
(東洋化学研究所社製、メタロックPH−50)を10
μmの厚みに塗布し、さらにこの上からクロロスルホン
化ポリエチレン系接着剤(東洋化学研究所社製、メタロ
ックXF−916)を10μmの厚みに塗布し、この個
所に、上記接着評価用試料を、面圧30%で、かつ16
0℃×45分で加熱圧着した。そして、これを引張試験
機(JIS B 7721)に取り付けて、上記試料側
を固定して鉄板側を毎分50mmの速度で引張り、接着
力(kg/25mm)を評価した。また、その際に上記
試料と鉄板(クロロスルホン化ポリエチレン系接着剤
層)との剥離状態も目視により観察し、上記試料のゴム
が破壊したものを○、上記試料とクロロスルホン化ポリ
エチレン系接着剤層との界面が剥離したものを×として
評価した。
【0048】
【表1】
【0049】上記結果から、全実施例品のホースは、そ
の最内層のゴムが、クロロスルホン化ポリエチレン系接
着剤層を介し、鉄板と極めて高い接着力を示すことがわ
かる。また、上記最内層のゴムが、硫黄加硫によるもの
であるか過酸化物加硫によるものであるかに関わらず、
鉄板に対し高い接着力を示すことがわかる。これに対し
て、比較例品のホースでは、実施例品に比べ上記接着力
に劣り、クロロスルホン化ポリエチレン系接着剤層との
間で界面剥離を生じることがわかる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明のホース構造体
は、可撓性ホースの端部をスリーブ端部に外嵌してなる
ものであって、上記可撓性ホースの最内層がEPDMを
主成分としアクリル系モノマーを含有するゴム組成物加
硫体によって形成されており、かつ上記スリーブ端部の
外周面にクロロスルホン化ポリエチレン系接着剤層が形
成されて、上記可撓性ホース端部内周面と加熱圧着され
ている。そのため、上記可撓性ホースの最内層がEPD
Mを主成分とする加硫体であるにもかかわらず、可撓性
ホースとスリーブとが強固に接着され、しかも上記クロ
ロスルホン化ポリエチレン系接着剤層がホースの可撓性
に追従しうるため優れたシール性をも有する。また、上
記のように完全に接着することにより、例え高圧条件下
であっても流体の漏れを生じない。さらに、加締形状に
左右されないため、インサート・スリーブ形成の簡素化
を図ることができる。そして、上記ホース構造体の製法
では、上記ホース構造体の製造時に、クランプ等による
加締作業を行わなくてもよいため、作業の簡略化を達成
できる。
【0051】特に、上記スリーブ端部とクロロスルホン
化ポリエチレン系接着剤層との間にフェノール系プライ
マー層が介在していると、可撓性ホースとスリーブとの
間の接着力がより向上する。
【0052】また、上記可撓性ホースの最内層形成用ゴ
ム組成物におけるアクリル系モノマーの配合割合を所定
の範囲に設定すると、上記最内層のゴム物性を損なうこ
となく可撓性ホースとスリーブとの間において所望する
接着力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホース構造体の一実施例の構成図であ
る。
【図2】5層構造の可撓性ホースの構成図である。
【符号の説明】
1 可撓性ホース 12 スリーブ 13 クロロスルホン化ポリエチレン系接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H111 AA02 BA12 BA13 BA15 BA34 CA08 CA53 CB06 CB14 CB22 CB27 DA07 DB09 DB12 4F100 AB01B AK04G AK75A AL06G AT00B BA02 CB00 DA11 DB02 EJ06A EJ65B GB32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性ホースの端部をスリーブ端部に外
    嵌してなるホース構造体であって、上記可撓性ホースの
    最内層が下記の(A)を主成分とし(B)を含有するゴ
    ム組成物加硫体によって形成されており、かつ上記スリ
    ーブ端部の外周面にクロロスルホン化ポリエチレン系接
    着剤層が形成されて、上記可撓性ホース端部内周面と加
    熱圧着されていることを特徴とするホース構造体。 (A)エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム。 (B)アクリル系モノマー。
  2. 【請求項2】 上記スリーブ端部とクロロスルホン化ポ
    リエチレン系接着剤層との間にフェノール系プライマー
    層が介在している請求項1記載のホース構造体。
  3. 【請求項3】 上記可撓性ホースの最内層形成用ゴム組
    成物における上記(B)成分の配合割合が、上記(A)
    成分100重量部に対し1〜10重量部の範囲に設定さ
    れている請求項1または2記載のホース構造体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のホ
    ース構造体の製法であって、スリーブ端部外周面にクロ
    ロスルホン化ポリエチレン系接着剤を塗布した後、下記
    の(A)を主成分とし(B)を含有するゴム組成物によ
    って形成された最内層を備えた可撓性ホースの端部を、
    上記スリーブ端部に外嵌し加熱圧着することを特徴とす
    るホース構造体の製法。 (A)エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム。 (B)アクリル系モノマー。
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