JP2019194487A - 水素充填用ホース - Google Patents

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Abstract

【課題】内面層の傷の拡大を抑制し、かつ、ホース構成部材の層間に入り込んだホース流通気体が膨張して層間が膨れる不具合を防止できる水素充填用ホースを提供する。【解決手段】同軸状に積層された内面層2と外面層4との間に同軸状に積層された補強層3を備えて、内面層2が90℃における乾燥水素ガスのガス透過係数が1×10-8cc・cm/cm2・sec.・cmHg以下の熱可塑性樹脂により形成されていて、かつ、同軸状に積層された複数の分割層2a、2bを有していて、隣り合って積層されている分割層2a、2bどうしの境界面が互いが相溶なく接触している界面Mになっていて、最内周分割層2aの気体透過度Tの大きさを、その他のすべての分割層2bの気体透過度の大きさ以下に設定することで、最内周分割層2aを透過した気体を内面層2に残留させ難くしてホース1の外部に流出させる。【選択図】図1

Description

本発明は、水素充填用ホースに関し、さらに詳しくは、内面層の傷の拡大を抑制できるとともに、ホースの構成部材どうしの層間に入り込んだホース流通気体が膨張して層間が膨れる不具合を防止できる水素充填用ホースに関するものである。
近年、燃料電池自動車等の開発が盛んに行なわれている。これに伴って、水素ステーションに設置されたディスペンサから燃料電池自動車等に水素ガスを充填するホースの開発も進められている。この水素充填用ホースには、優れた耐水素ガス透過性が求められるため、内面層には所定の耐水素ガス透過性能を有する熱可塑性樹脂が使用されている(例えば、特許文献1参照)。基本的に、水素充填用ホースには非常に低温の水素ガスが流れるが、何等かの原因で異物が混入することも想定される。この異物が内面層に衝突して内面層に傷が入ると、経時的に傷が拡大してホースの使用が困難になることもある。
また、様々なホースにおいては、ホースを流れる気体が内面層を透過して、ホースの構成部材どうしの層間に入り込んで残留することがある。このように気体が残留している状態でホース内圧が低下すると、残留気体が減圧膨張することにより層間が膨れるという不具合が発生する。この不具合によって内面層が剥離してホースを使用できなくなることがある。
特開2010−31993号公報
本発明の目的は、内面層の傷の拡大を抑制できるとともに、ホースの構成部材どうしの層間に入り込んだホース流通気体が膨張して層間が膨れる不具合を防止できる水素充填用ホースを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の水素充填用ホースは、同軸状に積層された内面層および外面層と、前記内面層と前記外面層との間に同軸状に積層された補強層とを備えて、前記内面層が90℃における乾燥水素ガスのガス透過係数が1×10-8cc・cm/cm2・sec.・cmHg以下の熱可塑性樹脂により形成されている水素充填用ホースにおいて、前記内面層が同軸状に積層された複数の分割層を有し、隣り合って積層されている前記分割層どうしの境界面が互いが相溶なく接触している界面になっていて、複数の前記分割層のうちの最内周分割層の気体透過度の大きさが、その他のすべての前記分割層の気体透過度の大きさ以下に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、内面層が複数の分割層を有していて、隣り合って積層されている分割層どうしの境界面が互いが相溶なく接触している界面になっているので、仮に、最内周分割層の内周面に傷が入っても、その傷は最内周分割層と隣り合って積層されている分割層との界面よりも外周側に拡大し難くなる。それ故、内面層の傷の拡大を抑制するには有利になっている。
また、耐水素ガス透過性能に優れた内面層が、同軸状の積層された複数の分割層を有する仕様になっていても、最内周分割層の気体透過度の大きさが、その他のすべての分割層の気体透過度の大きさ以下に設定されているので、最内周分割層を透過した気体は内面層に残留し難くなり、円滑にホースの外部に流出する。そのため、最内周分割層を透過した気体はホースの構成部材どうしの層間に残留し難くなり、ホース内圧が低下しても層間が膨れる不具合の発生を防止できる。
本発明の水素充填用ホースの実施形態を一部切開して例示する側面図である。 図1のホースの一部を拡大して横断面視で例示する説明図である。 水素ステーションに設置されたディスペンサを例示する説明図である。 図1のホースを構成する各層の気体透過度の大きさの大小関係を例示するグラフ図である。 図1のホースを構成する各層の気体透過度の大きさの大小関係を例示する別のグラフ図である。 図1のホースを構成する各層の気体透過度の大きさの大小関係を例示する別のグラフ図である。 図1のホースを構成する各層の気体透過度の大きさの大小関係を例示する別のグラフ図である。 図1のホースを構成する各層の気体透過度の大きさの大小関係を例示する別のグラフ図である。 水素充填用ホースの別の実施形態を一部切開して例示する側面図である。 内面層の製造工程を例示する説明図である。 内面層の別の製造工程を例示する説明図である。 内面層のさらに別の製造工程を例示する説明図である。
以下、本発明の水素充填用ホースを図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1、2に例示する本発明の水素充填用ホース1(以下、ホース1という)の実施形態は、内周側から順に、内面層2(2a、2b)、補強層3(3a、3b、3c)、外面層5が同軸状に積層されている。図面の一点鎖線CLは、ホース軸心を示している。
このホース1は図3に例示するように、水素ステーションに設置されるディスペンサ6に装備される場合には、ホース1の両端にホース金具7が加締めて取付けられる。ホース1を通じてディスペンサ6から車両8へ低温(例えばマイナス40°〜マイナス20°)で高圧(例えば20MPa〜87.5MPa)の水素hが供給、充填される。
ホース1の最内周に配置される内面層2の内側が気体(水素h)の流路になる。そこで、内面層2は、90℃における乾燥水素ガスのガス透過係数が1×10-8cc・cm/cm2・sec.・cmHg以下である熱可塑性樹脂により形成されている。このガス透過係数は、JIS K7126に準拠して測定した値である。この熱可塑性樹脂としては、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11等)、フッ素樹脂、ポリアセタール、エチレンビニルアルコール共重合体等を例示することができる。
このように水素ガスバリア性が良好な樹脂を内面層2に用いることにより、優れた耐水素ガス透過性を得ることができる。内面層2の内径(即ち、ホース1の内径)は特に限定されないが、例えば、4.5mm以上12mm以下、より好ましくは5mm以上9mm以下に設定される。内面層2の内径が大きくなる程、水素hの流量を増大させるには有利になり、内径が小さくなる程、耐圧性を確保するには有利になる。
内面層2の層厚は例えば、0.5mm以上2.0mm以下、より好ましくは0.5mm以上1.5mm以下に設定される。内面層2の寸法変化を抑制するには層厚を厚くすることが好ましい。一方、ホース1の柔軟性を確保するには、内面層2の層厚を薄くすることが好ましい。内面層2の耐久性および水素hの流量を確保するには、内面層2の層厚を0.5mm以上1.5mm以下、内径を5mm以上9mm以下にするとよい。内面層2の詳細については後述する。
補強層3は補強線材4により形成されていて、ホース1に要求される耐圧性能、曲げ性能等に基づいて、適切な材料や構造等が選択される。この実施形態では補強層3が3層であるが、ホース1に要求される性能に基づいて、例えば、1、2、4層など、適切な層数に設定される。
この実施形態の補強層3は、補強線材4が編み目状に織り込まれたブレード構造になっている。それぞれの補強層3a、3b、3cを形成する補強線材4は、ホース軸心CLに対して所定の編組角度A1、A2、A3で編組されている。この編組角度A1、A2、A3は、ホース軸心CLに対するそれぞれの補強線材4の巻き付け角度を平均した値である。
それぞれの補強層3における編組角度A1、A2、A3は、45°以上60°以下が好ましい。編組角度A1、A2、A3が45°未満ではホース内圧が作用した際のホース1の径方向の変化量が過大になり、60°超ではホース1の長手方向の変形量が過大になる。
それぞれの編組角度A1、A2、A3は同じにすることも異ならせることもできる。より効率的に各補強層3を機能させるためには、例えば、それぞれの編組角度A1、A2、A3の平均値を49°以上58°以下に設定する。
補強線材4としては例えば鋼線ワイヤ等で形成された金属線材や天然繊維や樹脂繊維等で形成された繊維線材を用いる。補強線材4の外径は、例えば0.2mm以上1.2mm以下、より好ましくは0.25mm以上0.40mm以下である。
ホース1の最外周に配置される外面層5には、ホース1に要求される性能(耐候性、耐摩耗性、柔軟性等)や使用環境等に基づいて、適切な材料が選択され、適切な層厚が設定される。外面層5は熱可塑性樹脂から成る単層構造にすることも、ゴムと熱可塑性樹脂との複層構造にすることもできる。外面層5を形成する熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン、ポリエステル等を例示することができ、ゴムとしては、クロロプレンアクリロゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム等を例示することができる。
外面層5の層厚は例えば、0.2mm以上1.5mm以下、より好ましくは0.5mm以上1.0mm以下に設定される。外面層5の外径(即ち、ホース1の外径)は特に限定されないが、例えば、12mm以上18mm以下、より好ましくは13mm以上17mm以下に設定される。外面層4の層厚が大きくなる程、ホース1の耐候性を確保するには有利になり、層厚を小さくする程、柔軟性を確保するには有利になる。ホース1の耐候性と柔軟性を両立させるには、外面層4の層厚および外径を上述した範囲に設定することが好ましい。
このホース1では上述した内面層2が、同軸状に積層された複数の分割層2a、2bを有していることが特徴の1つである。この実施形態では、内面層2は、最内周に配置されている最内周分割層2aと、その外周側に配置された分割層2bとの2層構造になっている。内面層2は3層以上の分割層で構成することもできるが2層〜3層であれば概ね十分である。
隣り合って積層されている分割層2a、2bどうしの境界面は、互いが相溶なく接触している界面Mになっている。隣り合う分割層2a、2bは、互いの境界面が界面Mになっていれば、同じ熱可塑性樹脂により形成することも、異なる熱可塑性樹脂により形成することもできる。例えば、最内周分割層2aをエチレンビニルアルコール(EVOH)として分割層2bをナイロン11にする、最内周分割層2aをエチレンビニルアルコール(EVOH)として分割層2bをナイロン6にする、最内周分割層2aをポリアミド(MXD6)として分割層2bをナイロン11にする、最内周分割層2aおよび分割層2bをナイロン11にする、などの組合せを例示できる。
例えば、ホース1を流れる気体に何等かの原因で異物が混入していて、その異物が最内周分割層2aに衝突すると最内周分割層2aに傷が生じる。高圧で水素hを充填するホース1では、ホース内圧が高いので、異物が混入していれば傷が生じ易く、また、ホース1の経時使用によって最初に生じた傷が基点となって傷が徐々に拡大し易くなる。
ところが、このホース1では、最内周分割層2aの内周面に傷が入っても、その傷は分割層2bとの境界面が、互いが相溶なく接触している界面Mになっているので、界面Mよりも外周側に拡大し難くなっている。即ち、傷に対しては、最内周分割層2aと分割層2bとは界面Mによって分断されている構造になっている。分割層2bは基点となる傷が存在しなければ傷が生じて拡大することはない。それ故、内面層2の傷の拡大を抑制するには有利になっている。
基点となる傷が、最内周分割層2aを貫通して分割層2bまで到達して生じると、分割層2bにも経時的に傷が拡大する。そのため、基点となる傷が分割層2bに達することを回避するために、最内周分割層2aの層厚は4μm以上に設定されていることが好ましく、20μm以上がより好ましい。ただし、最内周分割層2aは一般的に弾性率が高い材質が使用されるので、層厚が大きくなるとホース1の曲げ剛性が大きくなって柔軟性に悪影響が生じる。そこで、最内周分割層2aの層厚の上限は例えば0.1mmにするとよい。
このホース1では、内面層2を構成する分割層2a、2bのうちの最内周分割層2aの気体透過度Tの大きさ(図4〜8ではN値)が、その他のすべての分割層2bの気体透過度Tの大きさ以下に設定されていることも1つの特徴である。尚、ホース1の構成部材の中では、内面層2が最も気体透過度Tが小さい部材であり、補強層3および外面層5は内面層2よりも気体透過度Tが大きいことを前提としている。
気体透過度T(mm3/mm2・sec・MPa)は、透過係数P(mm3・mm/mm2・sec・MPa)を、気体を透過させる層の層厚tで除して算出される(T=P/t)。透過係数Pとは、単位時間、単位面積、単位圧力当たりにその層を透過する気体の量であるので、気体透過度Tは層厚tに依存しない指標になる。透過係数Pは具体的には、JIS K 7126−1に規定されたガス透過度試験方法に準拠して取得する。試験温度は室温、透過させる気体としては空気を用いて気体透過度を取得する。
この実施形態では図4に例示するように、気体透過度Tが、最内周分割層2a、分割層2b、補強層3a、3b、3c、外面層5の順に大きくなっている。したがって、このホース1は、ホース内周側から外周側に配置される層になるに連れて気体が透過し易い仕様になっている。
内面層2の内側を気体(主に水素h)が流れた際に、その気体が最内周分割層2aを透過して、ホース1の構成部材どうしの層間に入り込む。このホース1では、最内周分割層2aを透過して層間に入り込んだ気体は、各層を円滑に透過してホース1の外部に流出する。
詳述すると、最内周分割層2aの内側に高圧の気体が流れて、気体が最内周分割層2aを透過して最内周分割層2aと分割層2bとの層間に入り込んでも、分割層2bの気体透過度Tは、最内周分割層2aの気体透過度Tと同じまたはそれ以上なので、最内周分割層2aを透過した気体は、分割層2bも円滑に透過する。また、補強層3および外面層5の気体透過度Tは、最内周分割層2aの気体透過度Tよりも大きいので、最内周分割層2aを透過した気体は、補強層3および外面層5も円滑に透過して、ホース1の外部に流出する。
即ち、内面層2が複数の分割層2a、2bで構成されているが、最内周分割層2aを透過した気体がホース1の構成部材どうしの層間(主に最内周分割層2aと分割層2bとの層間)に残留し難くなる。したがって、ホース1に気体を流すことを停止してホース内圧が低下しても層間に残留した気体が膨張することがなく、或いは、膨張したとしても僅かで済む。それ故、層間で膨張する気体に起因して層間が膨れる不具合の発生を防止することができ、最内周分割層2aとその外周側の層とが層間剥離(主に最内周分割層2aと分割層2bとの層間剥離)する不具合を回避するには有利になる。
この実施形態のように最内周分割層2a、分割層2b、補強層3、外面層5について、ホース1の外周側に位置する層になるに連れて気体透過度Tの大きさが大きく設定されていると、最内周分割層2aを透過した気体をより円滑にホース1の外部に流出させ易くなる。最内周分割層2a、分割層2bの気体透過度Tの大きさは、図4に例示した大小関係に限定されず、内面層2を構成する分割層のうちで、最内周分割層2aの気体透過度の大きさが、その他のすべての分割層2bの気体透過度Tの大きさ以下に設定されていればよい。
図5に例示するように、最内周分割層2aとその他の分割層2bの気体透過度Tを同じ大きさ(N値)にすることもできる。気体透過度Tは図6〜図8に例示するように設定することもできる。図6では、それぞれの補強層3a、3b、3cの気体透過度Tが同じに設定されている。
本発明は図9に例示するホース1の実施形態のように、補強層3が補強線材4をホース軸心CLに対して螺旋状に巻回されたスパイラル構造にすることもできる。それぞれの補強層3a、3b、3c、3dを形成する補強線材4は、ホース軸心CLに対して所定の編組角度A1、A2、A3、A4でスパイラル状に巻き付けられている。それぞれの補強層3a、3b、3c、3dは、積層順に補強線材4の巻き付け方向を交互に異ならせている。
補強層3以外は、先の実施形態と同様であり、同様のアレンジをすることもできる。したがって、このホース1においても内面層2が同軸状に積層された複数の分割層2a、2bを有している。分割層2a、2bどうしの境界面は互いが相溶なく接触している界面Mになっている。そして、内面層2では、最内周分割層2aの気体透過度Tの大きさが、その他のすべての分割層2bの気体透過度Tの大きさ以下に設定されている。
この内面層2は、様々な方法によって製造することができる。図10に例示するように一方の押出機9aから樹脂を押出して円筒状の最内周分割層2aを成形しつつ、他方の押出機9bから樹脂を押出して円筒状の分割層2bを成形する。この時、分割層2bを最内周分割層2aの外周面に押し出して積層させる。いわゆる、共押出しによって内面層2を製造することができる。
または、図11に例示するように、一方の押出機9aから樹脂を押出して円筒状の最内周分割層2aを成形する。そして、予め成形されている最内周分割層2aの外周面に、他方の押出機9bから樹脂を押出して円筒状の分割層2bを成形して最内周分割層2aの外周面に積層させて内面層2を製造することもできる。
或いは、図12に例示するように、一方の押出機9aから樹脂を押出して円筒状の最内周分割層2aを成形し、他方の押出機9bから樹脂を押出して円筒状の分割層2bを成形しておく。そして、予め成形されている最内周分割層2aの外周面に、予め成形されている分割層2aを積層させて内面層2を製造することもできる。
尚、最内周分割層2aと分割層2bとの間に接着剤(接着層)を介在させて両者を接合することもできる。このような接着層は無視することもできるが、層厚が最内周分割層2aよりも厚い場合などは、内面層2を構成する分割層であると見なす。
図1、2に例示したホース1と同様に、内面層2を分割層2a、2bの2層構造にしたホース(実施例)と、内面層2を単層構造にしたことだけを実施例と異ならせたホース(比較例)を製造し、それぞれのホースの内面層2の最内周面に所定の傷(深さ0.2μm程度)を予め形成したものを試験サンプルとして用意した。尚、実施例の分割層2a(層厚0.1mm)、分割層2b(層厚0.9mm)の材質はそれぞれ、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ナイロン11であり、比較例の内面層2(層厚1mm)の材質はエチレンビニルアルコール(EVOH)であった。
それぞれの試験サンプルの内部に−40℃の水素ガスを流通した状態にして、雰囲気温度常温の条件下、70MPaと大気圧との内圧を交互に15分サイクルで付与して内面層2の傷の拡大を確認した。その結果、比較例において傷が内面層2を貫通したサイクル回数の時に、実施例では傷が分割層2bには拡大していないことが確認できた。
1 水素充填用ホース
2 内面層
2a 最内周分割層
2b 分割層
3(3a、3b、3c、3d) 補強層
4 補強線材
5 外面層
6 ディスペンサ
7 ホース金具
8 車両
9a、9b 押出機
CL ホース軸心
M 界面

Claims (6)

  1. 同軸状に積層された内面層および外面層と、前記内面層と前記外面層との間に同軸状に積層された補強層とを備えて、前記内面層が90℃における乾燥水素ガスのガス透過係数が1×10-8cc・cm/cm2・sec.・cmHg以下の熱可塑性樹脂により形成されている水素充填用ホースにおいて、
    前記内面層が同軸状に積層された複数の分割層を有し、隣り合って積層されている前記分割層どうしの境界面が互いが相溶なく接触している界面になっていて、複数の前記分割層のうちの最内周分割層の気体透過度の大きさが、その他のすべての前記分割層の気体透過度の大きさ以下に設定されていることを特徴とする水素充填用ホース。
  2. 前記最内周分割層の気体透過度の大きさが、その他のすべての前記分割層の気体透過度の大きさよりも小さく以下に設定されている請求項1に記載の水素充填用ホース。
  3. 前記内面層において外周側に位置する分割層になるに連れて気体透過度の大きさが大きく設定されている請求項1または2に記載の水素充填用ホース。
  4. 前記最内周分割層の層厚が4μm以上に設定されている請求項1〜3のいずれかに記載の水素充填用ホース。
  5. 隣り合って積層されている前記分割層が同じ熱可塑性樹脂により形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の水素充填用ホース。
  6. 隣り合って積層されている前記分割層が異なる熱可塑性樹脂により形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の水素充填用ホース。
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