JP5044912B2 - ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物に関する。より詳しくは、マリンホース、高圧ホース、タンクシール、耐油ベルト等の、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)が用いられ、かつ、耐寒性が要求される用途に使用することができるゴム組成物に関する。
マリンホースや高圧ホース、タンクシール、耐油ベルトは、耐油性(耐膨潤性)の観点から、内面ゴム層(ゴムチューブ層)、外面ゴム層(カバーゴム層)等の材料には、一般的に、結合アクリロニトリル量が高〜極高のNBRが用いられている。
しかしながら、NBR中の結合アクリロニトリル量の増加に伴い、ゴムのぜい化温度が高く(−15〜−20℃程度)なることから、極低温(−35〜−40℃程度)下においては、内面ゴム層での亀裂発生による流体の漏れ等が懸念されるため、極寒冷地での使用が困難になるといった耐寒性の問題があった。
そこで、上記問題を解決すべく、特許文献1には、NBRの結合アクリロニトリル量をある程度大きい量で維持しつつ耐寒可塑剤を添加したNBR系ゴム組成物で内面ゴム層が形成されたホースが提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載のホースでは、使用時に耐寒可塑剤が流体によって抽出され、更に流体が内面ゴム層の内部に浸透してしまう結果、耐寒性がより悪化するといった問題があった。
特開平11−304058号公報
そこで、本発明は、耐油性および耐寒性がいずれも優れるゴム組成物ならびに当該組成物を用いたホース、タンクシールおよび耐油ベルトを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、NBRに対して石英とカオリナイトの凝集体を添加した特定のゴム組成物が、耐油性および耐寒性がいずれも優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(8)に記載のゴム組成物ならびに当該組成物を用いたホース、タンクシールおよび耐油ベルトを提供する。
(1)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)と、石英およびカオリナイトの凝集体と、カーボンブラックとを含有し、
上記凝集体の含有量が、上記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して1〜100質量部であり、
上記カーボンブラックの含有量が、上記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して10〜150質量部であホース用ゴム組成物。
(2)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)と、石英およびカオリナイトの凝集体と、カーボンブラックとを含有し、
上記凝集体の含有量が、上記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して1〜100質量部であり、
上記カーボンブラックの含有量が、上記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して10〜150質量部であるタンクシール用ゴム組成物。
(3)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)と、石英およびカオリナイトの凝集体と、カーボンブラックとを含有し、
上記凝集体の含有量が、上記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して1〜100質量部であり、
上記カーボンブラックの含有量が、上記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して10〜150質量部である耐油ベルト用ゴム組成物。
)上記NBRの結合アクリロニトリル量が、15〜55質量%である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物。
)上記NBRの含有量が、25〜60質量%である、上記(1)〜()のいずれかに記載のゴム組成物。
(6)少なくとも内面ゴム層と補強層とを備え、該内面ゴム層が上記(1)、(4)および(5)のいずれかに記載のゴム組成物からなるホース。
(7)少なくとも外面ゴム層と補強層とを備え、該外面ゴム層が上記(、(4)および(5)のいずれかに記載のゴム組成物からなるタンクシール。
(8)少なくともカバーゴム層と補強層とを備え、該カバーゴム層が上記()〜(5)のいずれかに記載のゴム組成物からなる耐油ベルト。
以下に説明するように、本発明によれば、耐油性および耐寒性がいずれも優れる耐寒用ゴム組成物を提供することができ、極寒冷地においても、ホース(例えば、マリンホース等)、タンクシール、耐油ベルト等の材料に使用することができるため非常に有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)と、石英およびカオリナイトの凝集体と、を含有するホース、タンクシールまたは耐油ベルトに用いられるゴム組成物である。
次に、NBRと、石英およびカオリナイトの凝集体について詳述する。
<NBR>
本発明のゴム組成物に用いるNBRは特に限定されないが、耐油性の観点から、結合アクリロニトリル量が15〜55質量%であるのが好ましく、25〜45質量%であるのがより好ましく、28〜40質量%であるのが更に好ましい。
また、本発明のゴム組成物中の上記NBRの含有量(ゴム組成物全体の質量に対する質量割合)は、25〜60質量%であるのが好ましく、35〜45質量%であるのが好ましい。含有量がこの範囲であると、得られる本発明のゴム組成物の耐油性がより良好となるため好ましい。
本発明においては、このようなNBRとして市販品を用いることができ、その具体例としては、perbunan1845(結合アクリロニトリル量18%、Bayer社製)、Nipol 1043(結合アクリロニトリル量29%、日本ゼオン社製)、Nipol 1042(結合アクリロニトリル量33%、日本ゼオン社製)、Nipol DN3335(結合アクリロニトリル量33%、日本ゼオン社製)、Nipol 1041(結合アクリロニトリル量41%、日本ゼオン社製)、Nipol DN005(結合アクリロニトリル量44%、日本ゼオン社製)等が挙げられ、これらを1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
<凝集体>
本発明のゴム組成物に用いる凝集体は、石英およびカオリナイトの凝集体であれば特に限定されない。
本発明においては、このような凝集体として市販品を用いることができ、その具体例としては、シリチン(シリチンZ86、シリチンV85、シリチンN82、シリチン85、シリチンN87、AKTISIL PF216(いずれもホフマンミネラル社製))等が好適に挙げられる。なお、人工的に製造された同様の構造を有するものを用いることもできる。
このような凝集体を用いることより、得られる本発明のゴム組成物は、耐油性のみならず耐寒性も良好なものとなる。これは、石英(シリカ)のみを含有させる態様にあっては得られるゴム組成物中の石英が凝集し、低温下でのゴム分子のミクロブラウン運動が抑制されることを考慮すると、上記凝集体中の板状のカオリナイトが、石英によるゴム分子のミクロブラウン運動の抑制を防ぐため、極低温下においてもゴム組成物の柔軟性が良好なものとなり、低温ぜい化温度が低下したためと考えられる。
本発明においては、上記凝集体を構成する石英とカオリナイトの質量比(石英:カオリナイト)は、特に限定されないが、極低温下においてもゴム組成物の柔軟性がより良好となる観点から、12:1〜1:1であることが好ましく、9:1〜2:1であることがより好ましい。
また、本発明においては、上記凝集体は、石英とカオリナイトの他に酸化鉄、リン成分、硫黄成分等を含んでいてもよい。この凝集体は、1種または2種以上を併用して用いてもよい。
更に、本発明においては、上記凝集体の含有量が、上記NBR100質量部に対して1〜100質量部であるのが好ましく、10〜40質量部であるのがより好ましい。含有量がこの範囲であると、得られる本発明のゴム組成物の耐寒性がより良好となり、加工性も良好となるため好ましい。なお、「加工性が良好」とは、本発明のゴム組成物の調製が容易、または、該ゴム組成物をホース、タンクシール、耐油ベルト等の材料に使用する際の加工が容易であることを意味する。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有するのが好ましい態様の一つである。
本発明に用いられるカーボンブラックは特に限定されず、具体的には、例えば、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)、HAF(High Abrasion Furnace)、FEF(Fast Extruding Furnace)、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi−Reinforcing Furnace)、FT(Fine Thermal)、MT(Medium Thermal)等を用いることができる。
より具体的には、上記SAFとしてはシースト9(東海カーボン社製)、ISAFとしてはショウワブラックN220(昭和キャボット社製)、HAFとしてはシースト3(東海カーボン社製)、FEFとしてはHTC#100(中部カーボン社製)等が例示される。また、GPFとしては旭#55(旭カーボン社製)、シースト5(東海カーボン社製)、SRFとしては旭#50(旭カーボン社製)、三菱#5(三菱化学社製)、FTとしては旭サーマル(旭カーボン社製)、HTC#20(中部カーボン社製)、MTとしては旭#15(旭カーボン社製)等が例示される。
このようなカーボンブラックのうち、窒素吸着比表面積が15〜150m2/g、好ましくは20〜50m2/gのカーボンブラックであることが好ましい。
窒素吸着比表面積は、カーボンブラックがゴム分子との吸着に利用できる表面積を窒素の吸着によって測定した値であり、上記範囲であると、カーボンブラックを多量に配合しても製品性能(特に、硬度)が損なわれず、しかもポリマー分率が小さくなるため、耐油性のみならず耐寒性がより良好となるため好ましい。
本発明において所望により用いることができるカーボンブラックの含有量は、上記NBR100質量部に対して10〜150質量部であるのが好ましく、50〜120質量部であるのがより好ましく、60〜100質量部であるのが更に好ましい。含有量がこの範囲であると、硬度が良好となり、耐油性のみならず耐寒性がより良好となるため好ましい。
本発明のゴム組成物は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、カーボンブラック以外の充填剤を含有してもよい。カーボンブラック以外の充填剤としては、具体的には、例えば、T−クレー、カオリンクレー、ろう石クレー、セリサイトクレー、焼成クレー等のソフトクレー;けいそう土;重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ等が挙げられる。
また、このような充填剤の含有量は、上記NBR100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、より好ましくは15〜30質量部である。含有量がこの範囲であると、耐油性および耐寒性がより良好となるため好ましい。
また、本発明のゴム組成物は、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添加剤、例えば、硫黄、酸化亜鉛等の加硫剤;TMTD等の有機含硫黄化合物、ジクミルペルオキシド等の有機過酸化物等;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)等のスルフェンアミド類、メルカプトベンゾチアゾール等のチアゾール類、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム、ステアリン酸等の加硫促進剤;TMDQ等のケトン・アミン縮合物、DNPD等のアミン類、スチレン化フェノール等のモノフェノール類等の老化防止剤;DBP、DOP等のフタール酸誘導体、DBS等のセバシン酸誘導体、といったモノエステル類等の可塑剤;パラフィン系オイル等(プロセスオイル等)の軟化剤;加硫助剤;難燃剤;耐候剤;耐熱剤等を含有してもよい。
本発明のゴム組成物の製造方法は特に限定されず、上記NBRおよび上記凝集体ならびに所望により含有することができるカーボンブラック、充填剤、各種添加剤を配合した未加硫ゴム組成物を、適宜成形して公知の方法、装置を用いて、混練等により調製することができる。
本発明のホースは、少なくとも内面ゴム層と補強層とを備え、該内面ゴム層が上述した本発明のゴム組成物からなるホースである。
このようなホースとしては、マリンホースや高圧ホースが例示され、具体的には、ホース本体および取付フランジから構成され、該ホース本体が、内面ゴム層と補強層と中間ゴム層と浮力材層とカバーゴム層とをこの順に備えるマリンホースが好適に例示される。
マリンホースの好適な実施態様の一例を図1および図2を用いて説明する。図1は本発明のホースの好適な実施態様の一例を示す外観図であり、図2は図1に示すA−A線矢視方向の要部断面図である。
図1および図2に示すように、ホース10は、ホース本体11と取付フランジ12とから構成され、取付フランジ12は、複数のホース10を相互に連結するためにホース本体11の両端部に設けられている。
ホース本体11は、最内層に内面ゴム層112が設けられ、その外側(外周側)に、ホース10内を通過する油等の液体を保持する補強層113が設けられている。
また、補強層113の外側に、内部にボディーワイヤ114aが埋設された中間ゴム層114が設けられ、ホース本体11をカバーするためのカバーゴム層115が施されて一体に構成されている。
更に、カバーゴム層115の内側には、浮力材層116が充填され、海上等に容易に浮かぶようになっている。
一方、取付フランジ12は、その円筒部121の外周面の周方向に沿ってホース本体11を取り付けるためのリング部122a、122b、122cが一体に設けられている。
ホース本体11の端部は、締結ワイヤ113b、114bによって取付フランジ12のリング部122a〜122c間に固定され、ホース本体11を形成するそれぞれの層の端部が接着接合されている。締結ワイヤ113b、114bは、補強層113および中間ゴム層114の端部に設けられている。
次に、内面ゴム層ならびに補強層、中間ゴム層、浮力材層およびカバーゴム層について詳述する。
<内面ゴム層>
上記内面ゴム層は、本発明のゴム組成物により形成され、1層単独で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
本発明においては、上記内面ゴム層の厚さは、マリンホースが用いられる用途(例えば、輸送する流体の種類)によって適宜変更することができるため特に限定されないが、原油等のアロマ成分を多く含む流体を輸送する場合は4〜12mm程度であるのが好ましい。
<補強層>
上記補強層は、マリンホースに用いられる従来公知の補強層を用いることができ、1層単独で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。図3は、補強層の構成を説明する図である。
図2および図3に示すように、複数の補強層113は、それぞれ、ホース本体11の長手方向に対して傾斜して配列したコード113aを複数有している。また、補強層113は、ホース長手方向に対する配向角度(θ1)の異なるコード113aが互いに交差するように積層され、積層数がそれぞれ等しくなるように構成されている。
また、コード113aの配向角度θ1は、30度<θ1<60度であるのが好ましく、35度<θ1≦55度であるのがより好ましい。コード113aの配向角度θ1がこの範囲であれば、ホース本体11の可撓性および柔軟性が優れる。
このような補強層としては、具体的には、例えば、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、芳香族ポリアミド繊維、スチールワイヤー等からなるコードを撚り合わせて構成されるものが挙げられる。
本発明においては、上記補強層の厚さは、マリンホースが用いられる用途(例えば、輸送する流体の種類)によって適宜変更することができるため特に限定されないが、原油等のアロマ成分を多く含む流体を輸送する場合は5〜25mm程度であるのが好ましい。
<中間ゴム層>
上記中間ゴム層は、マリンホースに用いられる従来公知の中間ゴムを用いることができ、1層単独で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
このような中間ゴム層を形成するゴム材料としては、具体的には、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)等が挙げられ、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、天然ゴム(NR)を用いることが得られるマリンホースの強度を保つという理由から好ましい。
本発明においては、上記中間ゴム層は、ゴム単独で形成されていてもよいが、マリンホースとしての性能を確保できる観点から、各種添加剤を含有させたゴム組成物により形成されていてもよい。
必要に応じて含有させてもよい添加剤としては、内面ゴム層を形成するゴム組成物として上記で例示した各種添加剤が挙げられる。
また、本発明においては、上記中間ゴム層の厚さは、マリンホースが用いられる用途(例えば、輸送する流体の種類)によって適宜変更することができるため特に限定されないが、原油等のアロマ成分を多く含む流体を輸送する場合は5〜15mm程度であるのが好ましい。
<浮力材層>
上記浮力材層は、マリンホースに用いられる従来公知の浮力材層を用いることができ、1層単独で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
このような浮力材層を形成する材料としては、具体的には、例えば、発泡性のフローター等が挙げられる。
本発明においては、上記浮力材層の厚さは、マリンホースが用いられる用途(例えば、輸送する流体の種類)によって適宜変更することができるため特に限定されないが、原油等のアロマ成分を多く含む流体を輸送する場合は100〜200mm程度であるのが好ましい。
<カバーゴム層>
上記カバーゴム層は、マリンホースに用いられる従来公知のカバーゴム層を用いることができ、1層単独で形成されていても、複数層で形成されていてもよい。
このようなカバーゴム層を形成するゴム材料としては、具体的には、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)等が挙げられ、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、天然ゴム(NR)を用いることが、得られるマリンホースの耐磨耗性および強度の保持に優れるという理由から好ましい。
本発明においては、上記カバーゴム層は、ゴム単独で形成されていてもよいが、マリンホースとしての性能を確保できる観点から、各種添加剤を含有させたゴム組成物により形成されていてもよい。
必要に応じて含有させてもよい添加剤としては、内面ゴム層を形成するゴム組成物として上記で例示した各種添加剤が挙げられる。
また、本発明においては、上記カバーゴム層の厚さは、マリンホースが用いられる用途(例えば、輸送する流体の種類)によって適宜変更することができるため特に限定されないが、原油等のアロマ成分を多く含む流体を輸送する場合は5〜15mm程度であるのが好ましい。
マリンホースの製造方法は特に限定されず、マリンホースの製造方法として従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、マンドレル上に、上記内面ゴム層、上記補強層、上記中間ゴム、上記浮力材層および上記カバーゴム層をこの順に積層させた後に、加硫させて製造する方法が好適に例示される。
本発明のホースは、上述した本発明のゴム組成物により形成される内面ゴム層を備えることにより、耐油性および耐寒性がともに優れ、極寒冷地でも使用することが可能となる。
本発明のタンクシールは、少なくとも外面ゴム層と補強層とを備え、該外面ゴム層が上述した本発明のゴム組成物からなるタンクシールである。上述した本発明のゴム組成物により形成される外面ゴム層を備えることにより、耐油性および耐寒性がともに優れ、極寒冷地でも使用することが可能となる。
具体的には、本出願人が特開2001−48286号公報で提案している大型浮屋根式石油貯蔵タンクにおけるタンクシールが好適に例示される。
本発明の耐油ベルトは、少なくともカバーゴム層と補強層とを備え、該カバーゴム層が上述した本発明のゴム組成物からなる耐油ベルトである。上述した本発明のゴム組成物により形成されるカバーゴム層を備えることにより、耐油性および耐寒性がともに優れ、極寒冷地でも使用することが可能となる。
以下に実施例を挙げ、本発明のゴム組成物について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1〜3、比較例1〜7)
下記表1に示すNBR1〜5(括弧内の数値は結合アクリロニトリル量)の100質量部に対して、下記表1に示す組成成分(質量部)を配合したものを用い、148℃×60分の加硫条件で、面圧3.0MPaでプレス加硫させた試験体を作製した。
なお、実施例1、2、比較例3および4では、結合アクリロニトリル量の異なる2種のNBRを含有しているが、いずれの例においても結合アクリロニトリル量の合計は、36%である。
Figure 0005044912
Figure 0005044912
なお、上記各組成成分としては、以下に示すものを用いた。
・NBR1(44%):Nipol DN005(日本ゼオン社製)
・NBR2(41%):Nipol 1041(日本ゼオン社製)
・NBR3(33%):Nipol 1042(日本ゼオン社製)
・NBR4(29%):Nipol 1043(日本ゼオン社製)
・NBR5(33%):Nipol DN3335(日本ゼオン社製)
・カーボンブラック1:FT(旭カーボン社製)
・カーボンブラック2:FEF(三菱化学社製)
・シリカ:ニップシールAQ(東ソー・シリカ社製)
・シリチン:シリチンZ86、ホフマンミネラル社製
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:RD(大内新興化学社製)
・可塑剤1:アジピン酸ジオクチル(三菱化成ビニル社製)
・可塑剤2:フタル酸ジオクチル(新日本理化社製)
・硫黄:油処理硫黄(軽井沢精錬所)
・加硫促進剤:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(ノクセラーCZ、大内新興化学工業社製)
・リターダー(スコーチ遅延剤):PVI(FLEXSYS社製)
上記で得られた各種試験体について、以下に示す、破断強度、破断伸び、JIS A硬度ならびに耐油性および耐寒性の評価を行った。その結果を上記表1および図4〜6に示す。
<破断伸び、破断強度>
3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、引張速度500mm/分での引張試験をJIS K6251-1993に準拠して行い、破断強度(TB)[MPa]、および、破断伸び(EB)[%]を室温にて測定した。
<JIS A硬度>
上記と同様の各ダンベル状3号形試験片について、JIS K6253-1997に準じてJIS A硬度を測定した。
<耐油性>
耐油性の評価は、得られた各種試験体を流体(イソオクタン/トルエン=55/45の混合溶液)に室温下で1週間浸漬させ、浸漬後の破断強度、破断伸びおよびJIS A硬度ならびに浸漬前後の体積変化率(%)を測定することにより行った。
<耐寒性>
耐寒性の評価は、得られた各種試験体の低温ぜい化温度を測定することにより行った。低温ぜい化温度は、JIS K6261-1997の「低温衝撃ぜい化試験」に準じて測定した。
表1、図4〜6に示す結果より、実施例1、2および3で得られたゴム組成物からなる硬化物は、それぞれ比較例3、4および5で得られたゴム組成物からなる硬化物と比べて、耐油性は同等以上、耐寒性はより向上していることが分かる。
一方、比較例6および7の結果から、低温ぜい化温度を4℃程度下げるためには、結合アクリロニトリル量を33%から29%にする必要があるものの、単に結合アクリルニトリルを小さくするだけでは体積変化率が大きく変化してしまい、耐油性が劣る結果となることが分かる。この耐寒性(低温ぜい化温度)と耐油性のバランスは図6に示す通りである。
したがって、耐油性を同等以上に保持しつつ、耐寒性を向上させた実施例1〜3の効果は非常に有用な効果であることが分かる。
図1は、本発明のホースの好適な実施態様の一例を示す外観図である。 図2は、図1に示すA−A線矢視方向の要部断面図である。 図3は、補強層の構成を説明する図である。 図4は、実施例における結合アクリロニトリル量と低温ぜい化温度との関係を示すグラフである。 図5は、実施例における結合アクリロニトリル量と体積変化率との関係を示すグラフである。 図6は、実施例における低温ぜい化温度と体積変化率との関係を示すグラフである。
符号の説明
10:ホース
11:ホース本体
12:取付フランジ
112:内面ゴム層
113:補強層
113a:コード
113b:締結ワイヤ
114:中間ゴム層
114a:ボディワイヤ
114b:締結ワイヤ
115:カバーゴム層
116:浮力材層
121:円筒部
122a、122b、122c:リング部

Claims (8)

  1. アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)と、石英およびカオリナイトの凝集体と、カーボンブラックとを含有し、
    前記凝集体の含有量が、前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して1〜100質量部であり、
    前記カーボンブラックの含有量が、前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して10〜150質量部であホース用ゴム組成物。
  2. アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)と、石英およびカオリナイトの凝集体と、カーボンブラックとを含有し、
    前記凝集体の含有量が、前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して1〜100質量部であり、
    前記カーボンブラックの含有量が、前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して10〜150質量部であるタンクシール用ゴム組成物。
  3. アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)と、石英およびカオリナイトの凝集体と、カーボンブラックとを含有し、
    前記凝集体の含有量が、前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して1〜100質量部であり、
    前記カーボンブラックの含有量が、前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)100質量部に対して10〜150質量部である耐油ベルト用ゴム組成物。
  4. 前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)の結合アクリロニトリル量が、15〜55質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)の含有量が、25〜60質量%である、請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 少なくとも内面ゴム層と補強層とを備え、該内面ゴム層が請求項1、4および5のいずれかに記載のゴム組成物からなるホース。
  7. 少なくとも外面ゴム層と補強層とを備え、該外面ゴム層が請求項2、4および5のいずれかに記載のゴム組成物からなるタンクシール。
  8. 少なくともカバーゴム層と補強層とを備え、該カバーゴム層が請求項〜5のいずれかに記載のゴム組成物からなる耐油ベルト。
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