JP4411941B2 - 空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物 - Google Patents

空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物 Download PDF

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本発明は、空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物および該ゴム組成物を用いた空気浮上式コンベヤベルトに関する。
空気浮上式コンベヤベルトは、ベルト支持体に穿設した空気吹出孔から空気を吹き出すことにより、その一部がベルト支持体から浮上した状態で走行し、キャリーローラーとの抵抗が少なくなり、それにより動力ロス(消費電力)を低減させることができる省エネルギー型のコンベヤベルトである。
この種のコンベヤベルトとしては、1対のプーリ間に掛け回した無端の可撓性ベルトの往路部分を同軸状に配設した内外2重の円管のうちの内側円管内に挿通させるとともに、復路部分を外側円管と内側円管との間に挿通させて、往路および復路がそれぞれ樋状すなわちトラフ形状をなすようにしてベルトを走行させ、かつ、内外の円管の下部に一定間隔で穿設された空気吹込み口より空気を内方に吹き込んでベルトを浮上させることにより、ベルトの走行抵抗を軽減させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、ベルトの往路部分を挿通させる円管と、復路部分を挿通させる円管とを、上下に平行に配設したものも知られている。
しかしながら、このような空気浮上式コンベヤベルトであっても、ベルトが垂直方向に凸型に湾曲して走行する部分、ベルトにおけるプーリから完全に樋状となる部分までのトラフ変換部、ベルトの往路の始端部におけるシュートから被搬送物が投下される部分等においては、ベルトを形成する下面カバーゴム層がベルト支持体に接触することによりベルトの駆動抵抗が増大したり、ベルト支持体の金属表面にゴム成分が粘着して黒く汚れたりする問題があった。
このような問題を解決する空気浮上式コンベヤベルト用のゴムもしくはゴム組成物として、特許文献2には、「円管形状の搬送管と、前記搬送管の内部底面に断面円弧状に弾性変形された状態で配置され、かつ、空気の圧力により浮上した状態で送行するコンベアベルトとを備えた搬送装置において用いられるコンベアベルト用ゴム組成物であって、前記ゴム組成物に含まれるポリマーは、天然ゴムを20〜50重量%、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を45〜70重量%、及び、ブタジエンゴム(BR)を5〜30重量%の割合で含有することを特徴とする空気浮上コンベアベルト用ゴム組成物」が提案されており、
特許文献3には、空気浮上式コンベヤベルトの下カバーゴム層に用いるゴムとして、「天然ゴムを含まないか又は20重量%以下の量で含む合成ゴムを主成分とするゴム」を用いることが提案されており、
特許文献4には、「(A)ゴム成分に(B)摩擦粘着防止剤を配合したことを特徴とする空気浮上式ベルトコンベアのベルト用ゴム組成物」が提案されている。
しかしながら、上記特許文献2〜4に記載のゴムもしくはゴム組成物を用いた空気浮上式コンベヤベルトにおいても、現在の要求特性を十分に満たしておらず、低粘着性および低摩擦性には改善の余地があった。
特開平7−206122号公報 特開平11−292235公報 特開2001−354314号公報 特開2002−211725号公報
そこで、本発明は、低粘着性および低摩擦性を向上させ、下面カバーゴム層の裏面表面に用いるのに適した空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物および該ゴム組成物を用いた空気浮上式コンベヤベルトを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、従来公知のコンベヤベルトや空気浮上式コンベヤベルト用のゴム組成物に用いられていたブタジエンゴム(BR)を含有せずに、天然ゴム(NR)およびスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)のみからなる特定のゴム成分とカーボンブラックとを含有するゴム組成物が、低粘着性および低摩擦性を向上させ、下面カバーゴム層の裏面表面に好適に用いることができる空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物になることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記(1)〜(3)に記載の空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物および該ゴム組成物を用いた下記(4)に記載の空気浮上式コンベヤベルトを提供する。
(1)天然ゴム(NR)とスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)とからなるゴム成分を含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物であって、
上記ゴム成分が、上記天然ゴム(NR)を20質量%超75質量%以下含有し、上記スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を80質量%未満25質量%以上含有し、
上記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを70〜95質量部含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物(第1の態様)。
(2)天然ゴム(NR)とスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)とからなるゴム成分を含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物であって、
上記ゴム成分が、上記天然ゴム(NR)を25〜30質量含有し、上記スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を75〜70質量%含有し、
上記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを55〜95質量部含有る空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物。
(3)加硫後の硬度が52〜68である上記(1)または(2)に記載の空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物。
(4)上面カバーゴム層、補強層および下面カバーゴム層からなる空気浮上式コンベヤベルトであって、該下面カバーゴム層の少なくとも裏面表面(ローラと接触する面)が、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物により形成される空気浮上式コンベヤベルト(第2の態様)。
以下に説明するように、本発明によれば、低粘着性および低摩擦性を向上させ、下面カバーゴム層の裏面表面に用いるのに適した空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物を提供することができるため有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の態様に係る空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物(以下、単に「本発明のゴム組成物」という場合がある。)は、天然ゴム(NR)とスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)とからなるゴム成分を含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物であって、上記ゴム成分が、上記天然ゴム(NR)を20質量%超75質量%以下含有し、上記スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を80質量%未満25質量%以上含有し、上記ゴム成分100質量部に対してカーボンブラックを所定量含有する空気浮上式コンベヤベルト用ゴム組成物である。
また、上記ゴム成分における天然ゴム(NR)の含有量は、25〜50質量%であることが好ましく、25〜30質量%であることがより好ましい。同様に、上記ゴム成分におけるスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)の含有量は、75〜50質量%であることが好ましく、75〜70質量%であることがより好ましい。
天然ゴム(NR)およびスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)の含有量が上述の範囲であれば、得られる本発明のゴム組成物の低粘着性および低摩擦性が向上し、さらに加工時(特に工場における圧延加工時)において、シート状に成形しやすいという特性(以下、「圧延加工性」ともいう。)も有するため好ましい。低粘着性および低摩擦性の向上は、上述したように、上記特許文献等に記載の公知の空気浮上式コンベヤベルト用のゴム組成物に用いられるブタジエンゴム(BR)を含有させないことで見出される効果であって、具体的には、ロール粘着測定による耐ロール粘着性およびトルク値が良好となり、いわゆる摩擦粘着防止剤や摩擦軽減剤などの添加剤は添加しなくても済むといった非常に有益な効果である。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを70〜95質量部含有し、特に、上記ゴム成分が天然ゴム(NR)を25〜30質量含有し、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を75〜70質量%含有する場合には、上記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを55〜95質量部含有する。
カーボンブラックの含有量がこの範囲であれば、得られる本発明のゴム組成物のモジュラス、破断強度、破断伸びなどの引張特性や耐摩耗性を良好に保持でき、加硫後の硬度がベルトカバーゴムとして機能するのに好適(具体的には、52〜68)となるため好ましい。ここで、硬度とは、JIS−K6253-1997 のデュロメータ硬さ試験のタイプAにより規定されるJIS硬度(HS)をいう。
上記カーボンブラックとしては、具体的には、例えば、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)、HAF(High Abrasion Furnace)、FEF(Fast Extruding Furnace)、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi−Reinforcing Furnace)、FT(Fine Thermal)、MT(Medium Thermal)等が挙げられる。より具体的には、上記SAFとしてはシースト9(東海カーボン社製)、ISAFとしてはショウブラックN220(昭和キャボット社製)、HAFとしてはシースト3(東海カーボン社製)、FEFとしてはHTC#100(新日化カーボン社製)等が例示される。また、GPFとしては旭#55(旭カーボン社製)、シーストV(東海カーボン社製)、SRFとしては旭#50(旭カーボン社製)、三菱ダイアブラックR(三菱化学社製)、FTとしては旭#15(旭カーボン社製)、HTC#20(新日化カーボン社製)等が例示される。
これらのうち、粒子径が小さいISAFを用いることが、得られる本発明のゴム組成物のベルトカバーゴムとして必要なモジュラス、破断強度等の物性をさらに向上させることができるため好ましい。
また、本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対し、加硫剤を0.1〜10質量部含有していることが好ましく、0.3〜5質量部含有していることがより好ましい。
加硫剤の含有量がこの範囲であれば、得られる本発明の第2の態様に係る空気浮上式コンベヤベルト(以下、単に「本発明のコンベヤベルト」という。)の耐疲労性能が良好となるため好ましい。
上記加硫剤としては、イオウ系、有機過酸化物系、金属酸化物系、フェノール樹脂、キノンジオキシム等の加硫剤が挙げられる。
イオウ系加硫剤としては、具体的には、例えば、粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等が挙げられる。
有機過酸化物系の加硫剤としては、具体的には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が挙げられる。
その他として、酸化マグネシウム、リサージ、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、ポリ−p−ジニトロソベンゼン、メチレンジアニリン等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、上記各成分以外に、必要に応じて、加硫促進剤、加硫助剤、加硫遅延剤、配合剤等の各種添加剤を含有させてもよい。
加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニア系、グアニジン系、チオウレア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオカルバミン酸塩系等の加硫促進剤が挙げられる。
アルデヒド・アンモニア系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ヘキサメチレンテトラミン(H)等;グアニジン系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ジフェニルグアニジン等;チオウレア系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、エチレンチオウレア等;チアゾール系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、2−メルカプトベンゾチアゾールおよびそのZn塩等;チウラム系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、テトラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド等;ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、Na−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等がそれぞれ挙げられる。
加硫助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華、ステアリン酸やオレイン酸およびこれらのZn塩等が挙げられる。
加硫促進剤および加硫助剤の含有量は、上記ゴム成分100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。
加硫遅延剤としては、具体的には、例えば、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸等の有機酸;N−ニトロソージフェニルアミン、N−ニトロソーフェニル−β−ナフチルアミン、N−ニトロソ−トリメチル−ジヒドロキノリンの重合体等のニトロソ化合物;トリクロルメラニン等のハロゲン化物;2−メルカプトベンツイミダゾール;サントガードPVI等が挙げられる。
加硫遅延剤の含有量は、上記ゴム成分100質量部に対し、0.1〜0.3質量部であることが好ましく、0.1〜0.2質量部であることがより好ましい。
配合剤としては、例えば、上述したカーボンブラック以外の補強剤(充填剤)、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変成付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、防錆剤、接着付与剤、帯電防止剤、フィラー(充填剤)、加工助剤等が挙げられる。
これらの配合剤は、ゴム用組成物用の一般的なものを用いることができる。それらの配合量も特に制限されず、任意に選択できる。
本発明のゴム組成物の製造は、上述したゴム成分、カーボンブラックおよび配合剤を、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練し、ついで、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤もしくは加硫遅延剤を加え混練ロール機等で混練して行うことができる。
また、本発明のゴム組成物は、通常行われる条件で加硫することができる。具体的には、例えば、温度140〜150℃程度、0.5時間の条件下、加熱することにより行われる。
本発明のコンベヤベルトは、上面カバーゴム層、補強層および下面カバーゴム層からなる空気浮上式コンベヤベルトであって、該下面カバーゴム層の少なくとも裏面表面が、上述した本発明の第1の態様に係る空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物により形成される空気浮上式コンベヤベルトである。
以下に、図1を用いて本発明のコンベヤベルトを説明するが、本発明のコンベヤベルトの構造は、下面カバーゴム層の裏面表面に上述した本発明のゴム組成物を用いていれば特にこれに限定されない。
図1は、本発明のコンベヤベルトの好適な実施態様の一例を模式的に示した断面図である。図1において、1はコンベヤベルト、2は上面カバーゴム層、3は補強層、4は下面カバーゴム層、5は運搬物搬送面、11および16は外層、12および15は内層である。
図1に示すように、コンベヤベルト1は、補強層3を中心層とし、その両側に上面カバーゴム層2と下面カバーゴム層4が設けられており、上面カバーゴム層2は外層11と内層12の2層から構成され、下面カバーゴム層4は外層16と内層15の2層から構成されている。ここで、上面カバーゴム層2および下面カバーゴム層4の外層と内層(外層11と内層12、外層16と内層15)は、それぞれ互いに異なるゴム組成物を用いて形成されていてもよい。
図1において、上面カバーゴム層2は、外層11と内層12の2層から構成されているが、本発明においては、上面カバーゴム層2を構成する層の数は、2に限定されず、1でもよく、3以上であってもよい。そして、3以上の場合にも、これらの層は、互いに異なるゴム組成物を用いて形成されてもよい。また、下面カバーゴム層4も同様である。
上面カバーゴム層2の運搬物搬送面5を構成する外層11は、耐熱性、耐摩耗性、耐油性等に優れたゴム組成物から形成されるのが望ましいため、上面カバーゴム層2は2層から構成されていることが好ましい。
下面カバーゴム層4の裏面表面を構成する外層16は上述した本発明のコンベヤベルトカバー用ゴム組成物により形成され、また、下面カバーゴム層4の内層15は製造コストや補強層3との接着性が重視されることから他のゴム組成物から形成されるのが望ましいため、カバーゴム層4は2層から構成されていることが好ましい。
補強層3の芯体は特に限定されず、通常のコンベヤベルトに用いられるものを適宜選択して用いることができ、その具体例としては、綿布と化学繊維または合成繊維とからなるものにゴム糊を塗布、浸潤させたもの、RFL処理したものを折り畳んだもの、特殊織のナイロン帆布、スチールコード等が挙げられ、これらを一種単独で用いてもよく、2種以上のものを積層して用いてもよい。
また、補強層3の形状は特に限定されず、図1に示すようにシート状であってもよく、ワイヤー状の補強線を並列に埋込むものであってもよい。
上面カバーゴム層2の内層12および下面カバーゴム4の内層15を形成するゴム組成物は特に限定されず、通常のコンベヤベルトに用いられるゴム組成物を適宜選択して用いることができ、一種単独で用いてもよく、2種以上のものを混合して用いてもよい。
上面カバーゴム層2の外層11を形成するゴム組成物は特に限定されず、通常のコンベヤベルトに用いられるゴム組成物を、該外層に要求される基本特性(例えば、耐熱性、耐摩耗性、耐油性等)に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明のコンベヤベルトの製造方法は特に限定されず、通常用いられる方法等を採用することができる。
具体的には、まず、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等を用いて原料を混練りした後、カレンダー等を用いて各カバーゴム層用にシート状に成形し、次に、得られた各層を補強層を挟み込むように所定の順序で積層し、150〜170℃の温度で10〜60分間加圧する方法が好適に例示される。
本発明のコンベヤベルトは、低粘着性および低摩擦性が向上した本発明のコンベヤベルトカバー用ゴム組成物を下面カバーゴム層の外層に用いるため、消費電力の低減ができるため有用である。
以下に実施例を挙げ、本発明のコンベヤベルトカバー用ゴム組成物についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
参考例1、実施例26、参考例7、実施例8およびならびに比較例1〜4)
ゴム成分100質量部に対して、下記表1に示す組成成分(質量部)で、各コンベヤベルトカバー用ゴム組成物を調製した。得られた各ゴム組成物について、以下に示す耐ロール粘着、トルク値(指数)、硬度(HS)および圧延加工性の評価を行った。その結果を下記表1に示す。
なお、上記ゴム成分および各組成成分としては、以下に示すものを用いた。
・天然ゴム(NR):RSS#3
・スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR):Nipol 1502(日本ゼオン社製)
・ブタジエンゴム(BR):Nipol BR1220(日本ゼオン社製)
・カーボンブラック1:ISAF(ショウブラックN220、昭和キャボット社製)
・カーボンブラック2:HAF(ショウブラックN335、昭和キャボット社製)
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:ノクラック 6C(大内新興化学工業社製)
・ワックス:パラフィンワックス(サンノック、大内新興化学工業社製)
・伸展油:アロマオイル(マシン油22、昭和シェル社製)
・硫黄:油処理硫黄(細井化学工業社製)
・加硫促進剤1:ノクセラーCZ−G(大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:サンセラーTT(三新化学工業社製)
<耐ロール粘着>
耐ロール粘着の評価は、得られた各ゴム組成物を下面ゴム層の裏面表面に用いて製造した各コンベヤベルトについて、ロール粘着試験装置を用いて、下記の設定条件でコンベヤベルトとドライブロールとを干渉させた表面の状態を目視することにより行い、目視で確認しがたいレベルの粘着であれば◎、目視で確認できるレベルの粘着であれば○、目視によりかなりの粘着が確認できれば×とした。
・ドライブロール径:φ160mm
・ドライブロール周速度:217m/min
・試験引張:4.0N/mm
・ベルト巻き付け角:30°
・面圧:0.015MPa
<トルク値(指数)>
上述した耐ロール粘着の評価におけるドライブロールにかかるトルク値を測定した。なお、下記表1中の数値は、比較例1のトルク値を100として指数表示した。この値が小さい程、比較例1に比べ消費電力の低減が図れることを示す。
<硬度(HS)>
得られた各ゴム組成物を加硫した各加硫ゴム組成物を厚さ10mmに切り出し、JIS−K6253-1997 のデュロメータ硬さ試験のタイプAに準じて、23℃における硬度(HS)を測定した。
<圧延加工性>
圧延加工性の評価は、得られた各ゴム組成物の圧延時の表面タックを目視することにより行い、表面タックが大きく圧延加工時に貼りあわせできるものを○とし、表面タックが小さく、圧延加工時に貼りあわせが難しいものを×とした。
表1に示す結果より、参考例1、実施例26、参考例7、実施例8および9に示すゴム組成物は、これらのゴム組成物を下面ゴム層の裏面表面に用いて製造したコンベヤベルトの耐ロール粘着が良好となり、トルク値も同等以上に改善されることから、比較例1〜4のゴム組成物、特に、比較例1および2のゴム組成物に比べて低粘着性および低摩擦性が向上していることが明らかとなった。また、硬度および圧延加工性についても比較例と同等程度に保持しうることが分かった。
図1は、本発明のコンベヤベルトの好適な実施態様の一例を模式的に示した断面図である。
符号の説明
1:コンベヤベルト
2:上面カバーゴム層
3:補強層
4:下面カバーゴム層
5:運搬物搬送面
11、16:外層
12、15:内層

Claims (4)

  1. 天然ゴム(NR)とスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)とからなるゴム成分を含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物であって、
    前記ゴム成分が、前記天然ゴムを20質量%超75質量%以下含有し、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴムを80質量%未満25質量%以上含有し、
    前記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを70〜95質量部含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物。
  2. 天然ゴム(NR)とスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)とからなるゴム成分を含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物であって、
    前記ゴム成分が、前記天然ゴムを25〜30質量%含有し、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴムを75〜70質量%含有し、
    前記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを55〜95質量部含有る空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物。
  3. 加硫後の硬度が52〜68である請求項1または2に記載の空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物。
  4. 上面カバーゴム層、補強層および下面カバーゴム層からなる空気浮上式コンベヤベルトであって、該下面カバーゴム層の少なくとも裏面表面が、請求項1〜3のいずれかに記載の空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物により形成される空気浮上式コンベヤベルト。
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