JP4411941B2 - 空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物 - Google Patents
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Description
この種のコンベヤベルトとしては、1対のプーリ間に掛け回した無端の可撓性ベルトの往路部分を同軸状に配設した内外2重の円管のうちの内側円管内に挿通させるとともに、復路部分を外側円管と内側円管との間に挿通させて、往路および復路がそれぞれ樋状すなわちトラフ形状をなすようにしてベルトを走行させ、かつ、内外の円管の下部に一定間隔で穿設された空気吹込み口より空気を内方に吹き込んでベルトを浮上させることにより、ベルトの走行抵抗を軽減させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、ベルトの往路部分を挿通させる円管と、復路部分を挿通させる円管とを、上下に平行に配設したものも知られている。
特許文献3には、空気浮上式コンベヤベルトの下カバーゴム層に用いるゴムとして、「天然ゴムを含まないか又は20重量%以下の量で含む合成ゴムを主成分とするゴム」を用いることが提案されており、
特許文献4には、「(A)ゴム成分に(B)摩擦粘着防止剤を配合したことを特徴とする空気浮上式ベルトコンベアのベルト用ゴム組成物」が提案されている。
上記ゴム成分が、上記天然ゴム(NR)を20質量%超75質量%以下含有し、上記スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を80質量%未満25質量%以上含有し、
上記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを70〜95質量部含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物(第1の態様)。
上記ゴム成分が、上記天然ゴム(NR)を25〜30質量含有し、上記スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を75〜70質量%含有し、
上記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを55〜95質量部含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物。
本発明の第1の態様に係る空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物(以下、単に「本発明のゴム組成物」という場合がある。)は、天然ゴム(NR)とスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)とからなるゴム成分を含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物であって、上記ゴム成分が、上記天然ゴム(NR)を20質量%超75質量%以下含有し、上記スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)を80質量%未満25質量%以上含有し、上記ゴム成分100質量部に対してカーボンブラックを所定量含有する空気浮上式コンベヤベルト用ゴム組成物である。
また、上記ゴム成分における天然ゴム(NR)の含有量は、25〜50質量%であることが好ましく、25〜30質量%であることがより好ましい。同様に、上記ゴム成分におけるスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)の含有量は、75〜50質量%であることが好ましく、75〜70質量%であることがより好ましい。
カーボンブラックの含有量がこの範囲であれば、得られる本発明のゴム組成物のモジュラス、破断強度、破断伸びなどの引張特性や耐摩耗性を良好に保持でき、加硫後の硬度がベルトカバーゴムとして機能するのに好適(具体的には、52〜68)となるため好ましい。ここで、硬度とは、JIS−K6253-1997 のデュロメータ硬さ試験のタイプAにより規定されるJIS硬度(HS)をいう。
これらのうち、粒子径が小さいISAFを用いることが、得られる本発明のゴム組成物のベルトカバーゴムとして必要なモジュラス、破断強度等の物性をさらに向上させることができるため好ましい。
加硫剤の含有量がこの範囲であれば、得られる本発明の第2の態様に係る空気浮上式コンベヤベルト(以下、単に「本発明のコンベヤベルト」という。)の耐疲労性能が良好となるため好ましい。
イオウ系加硫剤としては、具体的には、例えば、粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等が挙げられる。
有機過酸化物系の加硫剤としては、具体的には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が挙げられる。
その他として、酸化マグネシウム、リサージ、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、ポリ−p−ジニトロソベンゼン、メチレンジアニリン等が挙げられる。
アルデヒド・アンモニア系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ヘキサメチレンテトラミン(H)等;グアニジン系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ジフェニルグアニジン等;チオウレア系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、エチレンチオウレア等;チアゾール系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、2−メルカプトベンゾチアゾールおよびそのZn塩等;チウラム系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、テトラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド等;ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、具体的には、例えば、Na−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等がそれぞれ挙げられる。
加硫促進剤および加硫助剤の含有量は、上記ゴム成分100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。
加硫遅延剤の含有量は、上記ゴム成分100質量部に対し、0.1〜0.3質量部であることが好ましく、0.1〜0.2質量部であることがより好ましい。
これらの配合剤は、ゴム用組成物用の一般的なものを用いることができる。それらの配合量も特に制限されず、任意に選択できる。
また、本発明のゴム組成物は、通常行われる条件で加硫することができる。具体的には、例えば、温度140〜150℃程度、0.5時間の条件下、加熱することにより行われる。
以下に、図1を用いて本発明のコンベヤベルトを説明するが、本発明のコンベヤベルトの構造は、下面カバーゴム層の裏面表面に上述した本発明のゴム組成物を用いていれば特にこれに限定されない。
図1に示すように、コンベヤベルト1は、補強層3を中心層とし、その両側に上面カバーゴム層2と下面カバーゴム層4が設けられており、上面カバーゴム層2は外層11と内層12の2層から構成され、下面カバーゴム層4は外層16と内層15の2層から構成されている。ここで、上面カバーゴム層2および下面カバーゴム層4の外層と内層(外層11と内層12、外層16と内層15)は、それぞれ互いに異なるゴム組成物を用いて形成されていてもよい。
上面カバーゴム層2の運搬物搬送面5を構成する外層11は、耐熱性、耐摩耗性、耐油性等に優れたゴム組成物から形成されるのが望ましいため、上面カバーゴム層2は2層から構成されていることが好ましい。
下面カバーゴム層4の裏面表面を構成する外層16は上述した本発明のコンベヤベルトカバー用ゴム組成物により形成され、また、下面カバーゴム層4の内層15は製造コストや補強層3との接着性が重視されることから他のゴム組成物から形成されるのが望ましいため、カバーゴム層4は2層から構成されていることが好ましい。
また、補強層3の形状は特に限定されず、図1に示すようにシート状であってもよく、ワイヤー状の補強線を並列に埋込むものであってもよい。
具体的には、まず、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等を用いて原料を混練りした後、カレンダー等を用いて各カバーゴム層用にシート状に成形し、次に、得られた各層を補強層を挟み込むように所定の順序で積層し、150〜170℃の温度で10〜60分間加圧する方法が好適に例示される。
(参考例1、実施例2〜6、参考例7、実施例8および9ならびに比較例1〜4)
ゴム成分100質量部に対して、下記表1に示す組成成分(質量部)で、各コンベヤベルトカバー用ゴム組成物を調製した。得られた各ゴム組成物について、以下に示す耐ロール粘着、トルク値(指数)、硬度(HS)および圧延加工性の評価を行った。その結果を下記表1に示す。
・天然ゴム(NR):RSS#3
・スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR):Nipol 1502(日本ゼオン社製)
・ブタジエンゴム(BR):Nipol BR1220(日本ゼオン社製)
・カーボンブラック1:ISAF(ショウブラックN220、昭和キャボット社製)
・カーボンブラック2:HAF(ショウブラックN335、昭和キャボット社製)
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:ノクラック 6C(大内新興化学工業社製)
・ワックス:パラフィンワックス(サンノック、大内新興化学工業社製)
・伸展油:アロマオイル(マシン油22、昭和シェル社製)
・硫黄:油処理硫黄(細井化学工業社製)
・加硫促進剤1:ノクセラーCZ−G(大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:サンセラーTT(三新化学工業社製)
耐ロール粘着の評価は、得られた各ゴム組成物を下面ゴム層の裏面表面に用いて製造した各コンベヤベルトについて、ロール粘着試験装置を用いて、下記の設定条件でコンベヤベルトとドライブロールとを干渉させた表面の状態を目視することにより行い、目視で確認しがたいレベルの粘着であれば◎、目視で確認できるレベルの粘着であれば○、目視によりかなりの粘着が確認できれば×とした。
・ドライブロール径:φ160mm
・ドライブロール周速度:217m/min
・試験引張:4.0N/mm
・ベルト巻き付け角:30°
・面圧:0.015MPa
上述した耐ロール粘着の評価におけるドライブロールにかかるトルク値を測定した。なお、下記表1中の数値は、比較例1のトルク値を100として指数表示した。この値が小さい程、比較例1に比べ消費電力の低減が図れることを示す。
得られた各ゴム組成物を加硫した各加硫ゴム組成物を厚さ10mmに切り出し、JIS−K6253-1997 のデュロメータ硬さ試験のタイプAに準じて、23℃における硬度(HS)を測定した。
圧延加工性の評価は、得られた各ゴム組成物の圧延時の表面タックを目視することにより行い、表面タックが大きく圧延加工時に貼りあわせできるものを○とし、表面タックが小さく、圧延加工時に貼りあわせが難しいものを×とした。
2:上面カバーゴム層
3:補強層
4:下面カバーゴム層
5:運搬物搬送面
11、16:外層
12、15:内層
Claims (4)
- 天然ゴム(NR)とスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)とからなるゴム成分を含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物であって、
前記ゴム成分が、前記天然ゴムを20質量%超75質量%以下含有し、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴムを80質量%未満25質量%以上含有し、
前記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを70〜95質量部含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物。 - 天然ゴム(NR)とスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)とからなるゴム成分を含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物であって、
前記ゴム成分が、前記天然ゴムを25〜30質量%含有し、前記スチレン−ブタジエン共重合ゴムを75〜70質量%含有し、
前記ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを55〜95質量部含有する空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物。 - 加硫後の硬度が52〜68である請求項1または2に記載の空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物。
- 上面カバーゴム層、補強層および下面カバーゴム層からなる空気浮上式コンベヤベルトであって、該下面カバーゴム層の少なくとも裏面表面が、請求項1〜3のいずれかに記載の空気浮上式コンベヤベルトカバー用ゴム組成物により形成される空気浮上式コンベヤベルト。
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