JP2002356585A - ゴム組成物、その製造方法および加硫物 - Google Patents

ゴム組成物、その製造方法および加硫物

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JP2002356585A
JP2002356585A JP2001163871A JP2001163871A JP2002356585A JP 2002356585 A JP2002356585 A JP 2002356585A JP 2001163871 A JP2001163871 A JP 2001163871A JP 2001163871 A JP2001163871 A JP 2001163871A JP 2002356585 A JP2002356585 A JP 2002356585A
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rubber
mooney viscosity
rubber composition
composition
nitrile group
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JP2001163871A
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Yoshinori Fujii
義徳 藤井
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニトリル基含有共重合体ゴムとアクリルゴム
とを含有し、加工性に優れ、加硫すると耐摩耗性、耐油
性に優れ、十分な強度を有する加硫物となるゴム組成物
を提供することにある。 【解決手段】 ムーニー粘度x、ヨウ素価120以下の
ニトリル基含有共重合ゴムX重量部とムーニー粘度yの
アクリルゴムY重量部とを230〜380℃でせん断力
を加えることによって、ムーニー粘度が(x×X+y×
Y)/(X+Y)−10より小さくなるまで混練したも
のを含有するゴム組成物(ただし、30≦x≦200、
5≦y≦150、5≦X≦95、Y=100−Xであ
る)を加硫用材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト材料などと
して有用なゴム組成物、その製造方法およびその加硫物
に関する。
【0002】
【従来の技術】ヨウ素価の低いニトリル基含有共重合体
ゴムは、耐油性、耐熱性、耐候性、強度特性のバランス
がよいゴムであり、自動車用途のゴム材料を中心にさま
ざまな用途に使用されている。しかし、このようなニト
リル基含有共重合体ゴムは、混練や成形加工が困難な場
合があった。
【0003】ヨウ素価が低いニトリル基含有共重合体ゴ
ムの加工性を改良する方法としては、高剪断力を加える
ことによりムーニー粘度を低下させる方法が提案されて
いる(特開平3−122103号)。しかし、この方法
では、高剪断力を加えた後、徐々にゲル化が進行し、ム
ーニー粘度が上昇してしまい、長期間保存すると加工性
改良の効果がなくなるという問題があった。
【0004】そこで、ムーニー粘度を低下させた後、長
期間保存しても、ゲル化が進行しないようにするため
に、高剪断力を加える時点で老化防止剤を配合しておく
方法が提案されている(WO97/36956号公
報)。しかし、この方法では用途によっては加硫物の強
度特性が不十分になる場合があるという問題があった。
【0005】ところで、ヨウ素価の低いニトリル基含有
共重合体ゴムとアクリルゴムとの組成物は、耐油性や耐
寒性などに優れ、良好な加工性を有していることが知ら
れている(特開平4−279645号公報)。また、か
かるゴム組成物に有機過酸化物とビスマレイミド化合物
とを配合することにより、加硫物の耐熱性、耐磨耗性、
屈曲疲労性などを改良することも提案されている(特開
平2−3438号公報)。しかし、このようなニトリル
基含有共重合体ゴムとアクリルゴムは溶融時の粘度差が
大きいため、両者を均一に混合することは困難であり、
加硫物の強度不足が生じやすく、破断しやすいなどの問
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、十分
な強度を有し、耐油性、耐摩耗性に優れた加硫物の材料
となる、ニトリル基含有共重合体ゴムとアクリルゴムと
を含有する加工性に優れたゴム組成物を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討の結果、ニトリル基含有共重合
体ゴムとアクリルゴムとを高剪断力を加えて混練すれ
ば、加硫物が十分な強度を有し、加工性に優れたゴム組
成物が得られることを見出し、この知見に基づき本発明
を完成するに至った。
【0008】かくして、本発明によれば、第一の発明と
して、ムーニー粘度x、ヨウ素価120以下のニトリル
基含有共重合ゴムX重量部とムーニー粘度yのアクリル
ゴムY重量部とをせん断力を加えることによって、ムー
ニー粘度が(x×X+y×Y)/(X+Y)−10より
小さくなるまで混練したゴム組成物(A)(ただし、3
0≦x≦200、5≦y≦150、5≦X≦95、Y=
100−Xである)が提供され、第二の発明として、ム
ーニー粘度x、ヨウ素価120以下のニトリル基含有共
重合ゴムとムーニー粘度yのアクリルゴムY重量部とを
230〜380℃でせん断力を加えることによって、ム
ーニー粘度が(x×X+y×Y)/(X+Y)−10
(ただし、30≦x≦200、5≦y≦150、5≦X
≦95、Y=100−Xである)より小さくなるまで混
練するゴム組成物(A)の製造方法が提供される。さら
に、第三の発明として、ムーニー粘度x、ヨウ素価12
0以下のニトリル基含有共重合ゴムX重量部とムーニー
粘度yのアクリルゴムY重量部とをせん断力を加えるこ
とによって、ムーニー粘度が(x×X+y×Y)/(X
+Y)−10より小さくなるまで混練したゴム組成物
(A)(ただし、30≦x≦200、5≦y≦150、
5≦X≦95、Y=100−Xである)と充填材とを含
有するゴム組成物(B)が提供され、第四の発明とし
て、ムーニー粘度x、ヨウ素価120以下のニトリル基
含有共重合ゴムとムーニー粘度yのアクリルゴムY重量
部とを230〜380℃でせん断力を加えることによっ
て、ムーニー粘度が(x×X+y×Y)/(X+Y)−
10(ただし、30≦x≦200、5≦y≦150、5
≦X≦95、Y=100−Xである)より小さくなるま
で混練した後、ゴム組成物(A)に充填材を配合して混
練するゴム組成物(B)の製造方法、そして第五の発明
として、ゴム組成物(A)またはゴム組成物(B)を加
硫してなる加硫物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるニトリル基含
有共重合ゴムは、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系
単量体(a)をこれと共重合可能な他の単量体(b)と
共重合して得られるヨウ素価が120以下のゴムであ
る。
【0010】α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量
体(a)と共重合可能な単量体(b)としては、共役ジ
エン系単量体(b1)、非共役ジエン系単量体、α−オ
レフィン系単量体、エチレン性不飽和カルボン酸エステ
ル系単量体、芳香族ビニル系単量体、エチレン性不飽和
カルボン酸系単量体、エチレン性不飽和多価カルボン酸
無水物系単量体などが例示される。α,β−エチレン性
不飽和ニトリル系単量体と共役ジエン系単量体(b1)
を共重合した場合には、ヨウ素価が大きすぎる共重合ゴ
ムが得られる場合が多いが、その場合は、共重合ゴムの
構造中の炭素−炭素不飽和結合を公知の方法で水素添加
することによって飽和させ、ヨウ素価を低くすればよ
い。
【0011】α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量
体(a)としては、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられ、ア
クリロニトリルが好ましい。ニトリル基含有共重合ゴム
中のα,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体(a)単
位含有量は、好ましくは10〜60重量%、より好まし
くは13〜60重量%、特に好ましくは15〜55重量
%である。
【0012】共役ジエン系単量体(b1)としては、
1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げ
られ、1,3−ブタジエンが好ましい。ニトリル基含有
共重合ゴムが、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単
量体、共役ジエン系単量体(b1)および必要に応じて
他の共重合可能な単量体を共重合し、水素添加したもの
である場合、共重合ゴム中の共役ジエン系単位(b1)
含有量は、好ましくは30〜90重量%、より好ましく
は40〜87重量%、特に好ましくは50〜85重量%
である。
【0013】非共役ジエン系単量体としては、好ましく
は炭素数が5〜12のものであり、1,4−ペンタジエ
ン、1,4−ヘキサジエンなどが例示される。α−オレ
フィンは、好ましくは炭素数が2〜12のものであり、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが例示され
る。エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体とし
ては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、メトキシメチル(メタ)アクリレート、α
−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノエチル、
フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、ジメチルアミ
ノメチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル
(メタ)アクリレート、フルオロベンジル(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。芳香族ビニル系単量体とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジ
ン、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ
安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレンなどが挙げられる。エチレン性不飽和カルボン
酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。エチ
レン性不飽和多価カルボン酸無水物系単量体としては、
無水マレイン酸が挙げられる。
【0014】ニトリル基含有共重合ゴムの重合方法は特
に限定されず、公知の方法で重合すればよい。
【0015】本発明で用いられるニトリル基含有共重合
ゴムのムーニー粘度x(ML1+4,100℃)は、30
〜200、好ましくは40〜180、特に好ましくは5
0〜150である。
【0016】ニトリル基含有共重合ゴムの重量平均分子
量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィによ
るスチレン換算値で好ましくは70,000〜700,
000、より好ましくは100,000〜500,00
0であり、分子量分布Mw/Mnは好ましくは1.5〜
5、より好ましくは2〜3.5である。
【0017】ニトリル基含有共重合ゴムのヨウ素価は1
20以下、好ましくは60以下、特に好ましくは30以
下である。ヨウ素価が高すぎると本発明の加硫物が高温
で劣化しやすくなる。ヨウ素価が高すぎる場合は、前述
のように、水素添加反応を行うことにより、分子鎖中の
不飽和結合を飽和させて、ヨウ素価を低下させればよ
い。
【0018】本発明で用いるアクリルゴムは、特に限定
されない。アクリルゴムは、アクリル酸エステル系単量
体(c)単位を主構成単位としたゴムである。アクリル
ゴム中のアクリル酸エステル系単量体(c)単位含有量
は50重量%以上であれば特に限定されない。例えば、
単量体(c)単位以外の単位として、加硫性単量体
(d)単位を含有していると、本発明の加硫物の機械的
強度を特に改善することができる。
【0019】アクリル酸エステル系単量体(c)は、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアク
リレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレー
トなどアクリル酸エステル系単量体;メトキシメチルア
クリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエ
チルアクリレート、ブトキシエチルアクリレートなどの
アルキルアルコキシ基を有するアクリル酸エステル系単
量体;などが挙げられる。
【0020】加硫性単量体(d)としては、例えば、ブ
タジエン、イソプレン、シクロペンタジエンなどの共役
ジエン系単量体;エチリデンノルボルネン、ビニリデン
ノルボルネンなどの不飽和ノルボルネン系単量体;2−
ブテニル(メタ)アクリレート、3−メチル−2−ブテ
ニル(メタ)アクリレート、3−メチル−2−ペンチル
(メタ)アクリレート、3−メチル−2−ヘキセニル
(メタ)アクリレートなどのアルケニル(メタ)アクリ
レート;テトラヒドロ−3−メチルベンジル(メタ)ア
クリレート、テトラヒドロ−3−メチルベンジル(メ
タ)アクリレート、テトラヒドロベンジル(メタ)アク
リレート、テトラヒドロベンジル(メタ)アクリレート
などのアルキル置換テトラヒドロベンジル(メタ)アク
リレート;などのほか、ジシクロペンテニルアクリレー
ト、アリルアクリレート、トリイソシアヌレートなどを
挙げることができる。
【0021】アクリルゴムは、本発明の効果を実質的に
阻害しない範囲で、これらの単量体単位以外に、アクリ
ル酸エステル系単量体(c)と共重合可能な単量体単位
を含有していてもよい。その具体例としては、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、アクリルアミド、塩化ビニル、アクリル酸、アクリ
ル酸エステル、ポリアルキレングリコールアクリル酸エ
ステルなどのモノビニル単量体;メチルメタアクリレー
ト、エチルメタアクリレート、メタクリロニトリル、塩
化ビニリデンなどのモノビニリデン単量体;などが挙げ
られる。
【0022】アクリルゴムの製造方法は特に限定され
ず、公知の方法で重合すればよい。
【0023】本発明で用いるアクリルゴムのムーニー粘
度y(ML1+4,100℃)は、5〜150、好ましく
は10〜100、特に好ましくは30〜60である。
【0024】アクリルゴムの重量平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィによるスチレン換
算値で、好ましくは150,000〜3,000,00
0、より好ましくは200,0000〜2,000,0
00であり、特に好ましくは300,000〜1,00
0,000であり、分子量分布Mw/Mnは、好ましく
は1.5〜7、より好ましくは2.5〜5である。
【0025】本発明のゴム組成物(A)は、ニトリル基
含有共重合ゴムとアクリルゴムとを重量比で、5:95
〜95:5、好ましくは15:85〜85:15、より
好ましくは20:80〜80:20になるように配合
し、ムーニー粘度xのニトリル基含有共重合ゴムX重量
部とムーニー粘度yのアクリルゴムY重量部とを、ムー
ニー粘度(ML1+4,100℃)が下記計算式1の値よ
りより10以上小さくなるまで、好ましくは15以上小
さくなるまで、より好ましくは20以上小さくなるまで
せん断力を加えて混練したものである。 計算式1: (x×X+y×Y)/(X+Y)
【0026】本発明のゴム組成物(A)の製造方法は、
ニトリル基含有共重合ゴムとアクリルゴムとを、酸素供
与体の実質的不存在下に、230〜380℃、好ましく
は240〜360℃、より好ましくは260〜340℃
の温度で、好ましくは500〜6,500s-1、より好
ましくは600〜4,900s-1、特に好ましくは80
0〜4,500s-1のせん断速度でせん断力を加えて、
上記のムーニー粘度になるように混練するものである。
温度が低すぎるとムーニー粘度を十分に低下させられ
ず、逆に高すぎるとゴムが劣化する場合がある。せん断
速度が小さすぎてもムーニー粘度を十分に低下させられ
ず、逆に大きすぎると摩擦によりゴムの温度が制御でき
ずに高温になる。
【0027】ここで、酸素供与体の実質的不存在下での
混練とは、せん断による分子の切断によって生じたラジ
カルに対して酸素を供与して酸化して安定化させる酸素
供与体とニトリル基含有共重合ゴムおよびアクリルゴム
とを、接触させずに混練することをいう。例えば、酸
素、過酸化物、硝酸塩などの酸素供与体と実質的に接触
しないように混練すればよく、必ずしも不活性ガス雰囲
気下での処理に限定されるものではない。
【0028】せん断力を加えて混練する方法としては、
単軸または多軸スクリューを有する押出機を用いる方法
が好ましい。押出機としては、二軸スクリュー押出機が
特に好ましく用いられる。押出機のスクリュー溝のある
部分の長さは、スクリュー外径に対して好ましくは10
〜100倍、特に好ましくは30〜50倍である。
【0029】せん断力を加えて混合する際に加熱による
ゴムの劣化を抑制するため、老化防止剤を配合すること
が好ましい。老化防止剤としては、オクチル化ジフェニ
ルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、4,4’−ビ
ス(ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのジアリ
ール系老化防止剤;ジフェニル−p−フェニレンジアミ
ン、ジナフチル−p−フェニレンジアミンなどのジアリ
ール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤;N−イソ
プロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、
N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロ
ピル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなど
のアルキル・アリール−p−フェニレンジアミン系老化
防止剤;アニリン・アセトン縮合生成物、ジフェニルア
ミン・アセトン縮合生成物などのアミン・ケトン系老化
防止剤、メルカプトベンゾイミダゾール、メルカプトメ
チルベンゾイミダゾール、これらの亜鉛塩などのメルカ
プトベンゾイミダゾール系老化防止剤;2,2’−メチ
レンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)などのビスフェノール系老化防止剤などが挙げ
られる。老化防止剤を使用する場合、その使用量は、
α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体とアクリル
ゴムの合計量100重量部に対し、好ましくは1〜10
重量部、より好ましくは2〜7重量部、特に好ましくは
2.5〜5重量部である。
【0030】本発明のゴム組成物(A)は、上記の製造
方法により得られたものであり、このゴム組成物の重量
平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
によるスチレン換算値で、好ましくは20,000〜8
00,000であり、より好ましくは100,000〜
600,000であり、分子量分布Mw/Mnが好まし
くは1.5〜4.5、より好ましくは2〜3.5であ
る。
【0031】本発明のゴム組成物(A)では、ニトリル
基含有共重合ゴムとアクリルゴムの少なくとも一部が相
溶化しており、完全に分離することはできない。両者の
分離の有無は、例えば以下のようにして判断される。ニ
トリル基含有共重合ゴムとアクリルゴムの両方を溶解す
る溶剤、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメ
チルホルムアミドなどに溶解して均一な、好ましくは1
〜5重量%溶液、より好ましくは2〜3重量%溶液を調
製し、振とう機で十分に振とうし、静置する。両者が完
全に分離する場合は、十分な時間が経過すると比重差に
より濃度勾配が生じ、最終的には比重の軽いニトリル基
含有共重合ゴム溶液相と比重の重いアクリルゴム相に分
離し、その各相を分析しても実質的に一種類のゴムしか
検出できない。しかし、本発明のゴム組成物を同様に処
理すると、二層に分離しない場合があり、分離した場合
でも少なくとも比重の軽いニトリル基含有共重合ゴム溶
液相はアクリルゴムを含有している。
【0032】また、本発明のゴム組成物(A)を、赤外
吸収スペクトル検出器を用いてゲルパーミエーションク
ロマトグラフィ分析すると、2,000〜10,000
に相当する低分子量アクリルゴム成分が検出される場合
がある。この低分子量成分は、本発明のゴム組成物
(A)の代わりに、原料であるアクリルゴムを分析した
場合には検出されない。
【0033】さらに、1HパルスNMRでは、本発明の
ゴム組成物(A)と、単にニトリル基含有共重合ゴムと
アクリルゴムとをロール混練したものとを比較すると、
明らかに異なる分析結果を示す。
【0034】これらのことから、ニトリル基含有共重合
体ゴム(a)とアクリルゴム(b)が反応して生成した
新しい構造の分子が本発明のゴム組成物(A)に含有さ
れていることが示唆される。
【0035】本発明のゴム組成物(B)は、充填材を含
有する。充填材としては、カーボンブラックやシリカな
どの補強性充填材、炭酸カルシウムやクレイなどの非補
強性充填材などが挙げられる。本発明のゴム組成物にお
ける充填材含有量は、ニトリル基含有共重合ゴム(a)
とアクリルゴム(b)の合計量100重量部に対して、
好ましくは0〜250重量部、より好ましくは10〜2
00重量部、特に好ましくは20〜150重量部であ
る。
【0036】本発明のゴム組成物(B)は、本発明の効
果を実質的に阻害しない範囲で、加工助剤、プロセス
油、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、シランカップリン
グ剤、エチレン性不飽和カルボン酸金属塩、着色剤、ゴ
ム、樹脂などの配合剤を含有していてもよい。
【0037】本発明のゴム組成物(B)の製造方法は、
ニトリル基含有共重合ゴムとアクリルゴムとの二者のみ
を混練してゴム組成物(A)を調製した後、充填材、そ
の他の配合剤を加えて再度混練する、二段階からなる方
法が好ましい。これは、ニトリル基含有共重合ゴムとア
クリルゴムとを混練する際に、充填材などの配合剤を配
合し、混練すると、ムーニー粘度に影響を与え、ニトリ
ル基含有共重合ゴムとアクリルゴムとの二者のみのムー
ニー粘度が不明となるためである。
【0038】本発明のゴム組成物(A)またはゴム組成
物(B)は、加硫剤を配合することによって、加熱によ
り加硫物を得ることができる。加硫剤は、特に限定され
ず、硫黄系加硫剤、有機過酸化物系加硫剤など、ゴムの
加硫に用いられる加硫剤が例示される。さらに、加硫剤
に加えて、加硫促進剤や加硫助剤を配合してもよい。加
硫剤、加硫促進剤、加硫助剤の種類、配合量は特に限定
されず、本発明の効果が阻害されない範囲で、加硫物の
用途、要求性能、ニトリル基含有共重合ゴムの種類と特
性、アクリルゴムの種類と特性、ニトリル基含有共重合
ゴムとアクリルゴムの割合などに応じて適宜選択すれば
よい。加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤などは、加熱によ
り反応するので、ニトリル基含有共重合ゴムとアクリル
ゴムとのみを混練してムーニー粘度を調整した後に、反
応しない温度で混練する必要がある。例えば、充填材を
加えてゴム組成物(B)を調製する場合、ゴム組成物
(B)の調製のための混練において、加硫剤などの反応
する温度に達する場合は、加硫剤、加硫促進剤、加硫助
剤などは、反応しない温度で、ゴム組成物(B)の調製
後に混練する必要がある。
【0039】本発明の加硫物は、ゴム組成物(A)また
はゴム組成物(B)を加硫したものである。この加硫物
は、ニトリル基含有共重合ゴムと比較すると耐油性に優
れ、アクリルゴムと比較すると耐摩耗性に優れ、両者を
単にロール混練した組成物の加硫物に比べると小さな伸
びでは破断しないなど、様々な優れた特性を有する。
【0040】本発明のゴム組成物(A)およびゴム組成
物(B)は優れた加工性を有し、また、加硫物は上記の
ような特性を有することから、加硫物は、ベルト材;シ
ール材;ホース材;ロール材;ダイヤフラム材;防振
材;電線被覆材;ブーツ材;タイヤ材料など、広範囲に
利用することができる。特に、繊維との複合体としての
使用、例えば、自動車用Vベルト、ポリ・リブベルト、
歯付伝導ベルトなどのようなベルト材としての使用に適
している。
【0041】本発明の加硫物と複合させる繊維として
は、木綿のような天然繊維、レーヨンのような再生繊
維、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、芳香族ポリア
ミド繊維のような合成繊維、スチル繊維、ガラス繊維、
カーボン繊維などが挙げられる。これらの繊維はステー
プル、フイラメントまたはコード状、ロープ状、帆布、
すだれ状などの形態で抗張体として本発明のゴム組成物
(A)またはゴム組成物(B)に埋設し、ゴム組成物
(A)またはゴム組成物(B)を加硫して加硫物との複
合体として用いられる。繊維の種類および形態は使用目
的に応じて適宜決定することができる。これらの繊維と
ゴム加硫物との複合化の方法も特に限定されず、公知の
方法を用いればよい。
【0042】また、本発明のゴム組成物(A)は、ニト
リル基含有共重合体ゴムとアクリルゴムとの少なくとも
一部が分離困難な状態になり、両者が均一に分散してい
るため、相溶化剤としても使用できる。例えば、エチレ
ン−プロピレン系共重合ゴム、フッ素化ゴム、シリコン
ゴムなどはアクリルゴムと相溶性があるが、ニトリル基
含有共重合体ゴムとは相溶性がない。これらのゴムとニ
トリル基含有共重合体ゴムと混合する際に、本発明のゴ
ム組成物(A)を加えることによって、両者を相溶化さ
せることができる。
【0043】また、ニトリル基含有共重合体ゴムとアク
リルゴムとがゴム組成物(A)およびゴム組成物(B)
中で均一に分散しているため、両者の割合を調整するこ
とにより、加工性が改良された変性ニトリル基含有共重
合体ゴム組成物、高強度化された変性アクリルゴム加硫
物などとしても使用できる。
【0044】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
を具体的に説明する。なお、実施例および比較例中の組
成に関する部および%は、特に断りのない限り重量基準
である。なお、加工性の評価は、下記のように、バンバ
リーを用いた混練時の電力消費量およびロールバギング
の発生の状況によって行った。
【0045】実施例1 アクリロニトリル単位量36.2%、ムーニー粘度8
5、ヨウ素価11のアクリロニトリル−ブタジエン共重
合ゴム水素添加物1(重量平均分子量288,000、
分子量分布(Mw/Mn)2.6)70部、ムーニー粘
度57のアクリルゴム1(ポリエチルアクリレート、重
量平均分子量2,432,000、分子量分布(Mw/
Mn)3.6)30部およびポリ(2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン)(老化防止剤)3部
を二軸押出機に供給し、300℃、100rpm(80
0s-1)の条件下でせん断力を加えて十分に混練してゴ
ム組成物Aを得、ムーニー粘度、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィによる分子量の測定を行った。ムーニ
ー粘度は60であった。なお、計算式1の値は78.6
となり、ムーニー粘度はそれより15以上小さい。
【0046】ゴム組成物Aを、ASTM D 2230
−77のA法に従ってガーベダイ押し出し試験により評
価した。
【0047】バンバリーを用いて、回転数100rp
m、ローターの回転数比1.12でゴム組成物A100
部を投入して1分間素練りを行い、カーボンブラック
(東海カーボン社製、シースト116)60部を一括で
投入して3分間混練し、一旦バンバリーを停止し、投入
口のまわりに付着したカーボンをはけで掻き落とした
後、再び1分間混練を行い、カーボンブラック混合物A
を得た。この間の電力消費量を測定した。
【0048】カーボンブラック混合物A160部、滑剤
(大日本インキ工業社製、グレッグG−8205)1
部、ステアリン酸1部、有機過酸化物系加硫剤(ハーキ
ュレス社製、Vul−cup 40KE)5部およびT
AIC2部を60℃のロールに投入し、加硫性組成物A
を得た。
【0049】加硫性組成物Aを、プレス成形にて170
℃で20分加熱して厚さ2mmのシート状試験片を得
た。加硫物の引張強さ、伸び、100%引張応力および
200%引張応力は、JIS K6251に準じて測定
した。
【0050】加硫物の圧縮永久ひずみは、JIS K6
262に従って、25%の圧縮率で、175℃、70時
間の圧縮条件で測定した。 直径29.0mm、厚さ1
2.5mmの試験片は、170℃、20分間、プレス加
硫した後、170℃の環境下に4時間放置して二次加硫
して製造した。
【0051】加硫ゴム組成物の耐油性は、厚さ2mmの
シート状加硫物から打ち抜いた25mm×15mm角の
試験片を用い、試験用潤滑油No.3(IRM903に
相当)に40℃、140時間浸せきした後、JIS K
6258に準じて体積変化率を測定した。
【0052】ピコ摩耗試験は、JIS K6264に従
ってピコ摩耗容量を測定した。
【0053】その結果を表1に示す。
【0054】また、ゴム組成物A〜Nをそれぞれ、テト
ラヒドロフランに溶解し、24時間振とう機で振とうし
て、均一な2重量%溶液を調製した。その溶液100ミ
リリットルを72時間放置し、2相に分離した。界面部
分10ミリリットルをサンプリングし、下記のパルスN
MR分析を行った。結果を表1に示す。
【0055】パルスNMRスペクトロメーター(観測
核;H、共鳴周波数;20MHz、測定温度25℃、
積算回数:1024回)を用いて、パルス系列ソリッド
エコー法で、分子運動と直接関係した(スピン−スピン
緩和時間)Tを、T2l(100〜300μsの緩和
時間の比率であり、分子運動性が高い成分量に関わ
る)、T2m(30〜100μsの緩和時間の比率であ
り、分子運動性が中間の成分と関わる)、T2s(10
〜30μsの緩和時間の比率であり、分子運動性が低
い、運動性が束縛されている成分に関わる)に分けて測
定した。
【0056】実施例2 アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム水素添加物1
の配合量を30部、アクリルゴム1の配合量を70部に
する以外は、実施例1と同様に配合し、十分に混練し、
ゴム組成物Bを得た。ゴム組成物Aの代わりにゴム組成
物Bを用いる以外は、実施例1と同様に処理して、カー
ボンブラック混合物Aの代わりにカーボンブラック混合
物Bを、加硫性組成物Aの代わりに加硫性組成物Bを得
た。カーボンブラック混合物Bおよび加硫性組成物Bに
ついて測定した結果を表1に示す。なお、ゴム組成物B
のムーニー粘度は53であった。計算式1の値は、6
5.4であり、ムーニー粘度はそれより10以上小さ
い。
【0057】実施例3 せん断力を加える条件を300℃、200rpm(16
00s-1)にする以外は実施例1と同様にし、十分に混
練し、ゴム組成物Cを得た。ゴム組成物Aの代わりにゴ
ム組成物Cを用いる以外は、実施例1と同様に処理し
て、カーボンブラック混合物Aの代わりにカーボンブラ
ック混合物Cを、加硫性組成物Aの代わりに加硫性組成
物Cを得、カーボンブラック混合物Cおよび加硫性組成
物Cについて測定した結果を表1に示す。なお、ゴム組
成物Cのムーニー粘度は53であった。計算式1の値
は、78.6であり、ムーニー粘度はそれより20以上
小さい。
【0058】実施例4 アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム水素添加物1
の配合量を30部、アクリルゴム1の配合量を70部に
する以外は実施例1と同様に配合し、せん断力を加える
条件を300℃、200rpm(1600s-1)にする
以外は実施例1と同様に処理して十分に混練し、ゴム組
成物Dを得た。ゴム組成物Aの代わりにゴム組成物Dを
用いる以外は、実施例1と同様に処理して、カーボンブ
ラック混合物Aの代わりにカーボンブラック混合物D
を、加硫性組成物Aの代わりに加硫性組成物Dを得た。
カーボンブラック混合物Dおよび加硫性組成物Dについ
て測定した結果を表1に示す。なお、ゴム組成物Dのム
ーニー粘度は43であった。計算式1の値は、65.4
であり、ムーニー粘度はそれより20以上小さい。
【0059】実施例5 アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム水素添加物1
の代わりにアクリロニトリル単位量36.2%、ムーニ
ー粘度145、ヨウ素価11のアクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合ゴム水素添加物2(重量平均分子量46
8,000、分子量分布(Mw/Mn)3.5)を用い
る以外は実施例1と同様に配合し、せん断力を加える条
件を300℃、300rpm(2400s-1)にする以
外は実施例1と同様に処理して十分に混練し、ゴム組成
物Eを得た。ゴム組成物Aの代わりにゴム組成物Eを用
いる以外は、実施例1と同様に処理して、カーボンブラ
ック混合物Aの代わりにカーボンブラック混合物E、加
硫性組成物Aの代わりに加硫性組成物Eを得、カーボン
ブラック混合物Eおよび加硫性組成物Eについて測定し
た結果を表1に示す。なお、ゴム組成物Eのムーニー粘
度は45であった。計算式1の値は118.6であり、
ムーニー粘度はそれより20以上小さい。
【0060】実施例6 アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム水素添加物1
の代わりにアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム水
素添加物2を、アクリルゴム1の代わりにムーニー粘度
55のアクリルゴム2(重量平均分子量1,104,0
00、分子量分布(Mw/Mn)6.1)を用いる以外
は実施例1と同様に配合し、せん断力を加える条件を3
00℃、300rpm(2400s-1)にする以外は実
施例1と同様に処理し、十分に混練し、ゴム組成物Fを
得た。ゴム組成物Aの代わりにゴム組成物Fを用いる以
外は、実施例1と同様に処理して、カーボンブラック混
合物Aの代わりにカーボンブラック混合物F、加硫性組
成物Aの代わりに加硫性組成物Fを得、カーボンブラッ
ク混合物Fおよび加硫性組成物Fについて測定した結果
を表1に示す。なお、ゴム組成物Fのムーニー粘度は4
5であった。計算式1の値は118であり、ムーニー粘
度はそれより20以上小さい。
【0061】比較例1〜4 アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム水素添加物
1、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム水素添加
物2、アクリルゴム1、アクリルゴム2をそれぞれ単独
で用い、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒ
ドロキノリン)(老化防止剤)3部を配合し、60℃の
ロールで混練して、それぞれゴム組成物G〜Jを得た。
ゴム組成物Aの代わりにそれぞれゴム組成物G〜Jを用
いる以外は、実施例1と同様に処理して、カーボンブラ
ック混合物Aの代わりにカーボンブラック混合物G〜
J、加硫性組成物Aの代わりに加硫性組成物G〜Jを
得、カーボンブラック混合物G〜Jおよび加硫性組成物
G〜Jについて測定した結果を表1に示す。
【0062】比較例5 せん断力を加えて二軸押出機で混合する代わりに60℃
のロールで混練する以外は、実施例1と同様に処理し
て、ゴム組成物Kを得た。ゴム組成物Aの代わりにゴム
組成物Kを用いる以外は、実施例1と同様に処理して、
カーボンブラック混合物Aの代わりにカーボンブラック
混合物K、加硫性組成物Aの代わりに加硫性組成物Kを
得、カーボンブラック混合物Kおよび加硫性組成物Kに
ついて測定した結果を表1に示す。
【0063】比較例6 せん断力を加えて二軸押出機で混合する代わりに60℃
のロールで混練する以外は、実施例2と同様に処理し
て、それぞれゴム組成物Lを得た。ゴム組成物Aの代わ
りにゴム組成物Lを用いる以外は、実施例1と同様に処
理して、カーボンブラック混合物Aの代わりにカーボン
ブラック混合物L、加硫性組成物Aの代わりに加硫性組
成物Lを得、カーボンブラック混合物Kおよび加硫性組
成物Kについて測定した結果を表1に示す。
【0064】比較例7 せん断力を加えて二軸押出機で混合する代わりに60℃
のロールで混練する以外は、実施例5と同様に処理し
て、それぞれゴム組成物Mを得た。ゴム組成物Aの代わ
りにゴム組成物Mを用いる以外は、実施例1と同様に処
理して、カーボンブラック混合物Aの代わりにカーボン
ブラック混合物M、加硫性組成物Aの代わりに加硫性組
成物Mを得、カーボンブラック混合物Mおよび加硫性組
成物Mについて測定した結果を表1に示す。
【0065】比較例8 せん断力を加えて二軸押出機で混合する代わりに60℃
のロールで混練する以外は、実施例6と同様に処理し
て、それぞれゴム組成物Nを得た。ゴム組成物Aの代わ
りにゴム組成物Nを用いる以外は、実施例1と同様に処
理して、カーボンブラック混合物Aの代わりにカーボン
ブラック混合物N、加硫性組成物Aの代わりに加硫性組
成物Nを得、カーボンブラック混合物Nおよび加硫性組
成物Nについて測定した結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】なお、GPCチャート波形分離面積比の欄
において、×は赤外吸収スペクトルによる検出では明確
な分離が検出できなかったことを表し、−は赤外吸収ス
ペクトルによる検出を行っていないことを表す。
【0068】実施例7、比較例9 ゴム組成物FおよびNをそれぞれテトラヒドロフランに
溶解し、均一な3重量%溶液を調製した。その溶液を2
4時間放置したところ、2相に分離した。各相の中央部
からサンプリングし、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィと熱分解ガスクロマトグラフィ分析を行い、別途
作成した検量線との比較から、サンプル中の含有物の組
成、含有物の分子量、分子量分布(Mw/Mn)を求め
た。結果を表2に示す。
【0069】比較例10 ムーニー粘度43のアクリロニトリル−ブタジエン共重
合ゴム水素添加物(重量平均分子量87,000、分子
量分布(Mw/Mn)2.7)70部とムーニー粘度1
5のアクリルゴム(重量平均分子量463,000、分
子量分布(Mw/Mn)2.7)30部およびポリ
(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン)(老化防止剤)3部を60℃でロール混練したゴム
組成物Oを得た。
【0070】ゴム組成物Fの代わりにゴム組成物Oを用
いる以外は実施例7と同様に処理した。結果を表2に示
す。
【0071】
【表2】
【0072】なお、ゴム組成物A、B、C、D、G、
I、KおよびLについて、ゲルパーミエーションによる
分子量測定の際、赤外線吸収スペクトルで溶出ゴムを検
出したところ、本発明のゴム組成物の内、アクリルゴム
の割合の高いB、Dでは、分子量2,000〜10,0
00の低分子アクリルゴム成分の波形が明確に分離して
検出された。
【0073】比較例のゴム組成物G〜Nは、ガーベダイ
押し出し試験の評価およびバンバリー混練時の電力消費
量から、加工性に劣ることがわかる。また、ニトリル基
含有共重合ゴムとアクリルゴムの両方を含有しているゴ
ム組成物K〜Nの加硫物は、引張強さ、伸びおよび10
0%引張応力に劣り、また、200%に伸ばす前に破断
してしまうことから、機械的強度に劣り、耐摩耗性に劣
ることがわかる。
【0074】それらと比較すると、本発明のゴム組成物
A〜Fは、加工性に優れ、その加硫物は、機械的強度に
優れ、耐摩耗性にも優れていることがわかる。
【0075】また、ゴム組成物AとK、BとL、Cと
K、DとL、EとM、FとNを比較すると、H1パルス
NMRの結果が異なっており、本発明のゴム組成物は、
単にロール混練しただけのゴム組成物とでは、ゴムの構
造が異なっていると考えられる。このことは、比較例9
および10では、ニトリル基含有共重合ゴムとアクリル
ゴムとが完全に分離できているのに対し、実施例7で
は、両者を完全には分離できなくなっていることから、
また、ゲルクロマトグラフィーの溶出ゴムを赤外吸収ス
ペクトルで検出した結果、本発明のゴム組成物からは分
子量2,000〜10,000の低分子量が検出される
場合があるが、比較例のゴム組成物からは検出されない
ことからも示唆される。
【0076】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は加工性に優れ、ま
たそれを加硫した加硫物は、耐摩耗性、耐油性に優れ、
強度に優れるため破断しにくいなど、様々な優れた特性
を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16G 1/06 F16G 1/06 // B29K 21:00 B29K 21:00 B29L 30:00 B29L 30:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムーニー粘度x、ヨウ素価120以下の
    ニトリル基含有共重合ゴムX重量部とムーニー粘度yの
    アクリルゴムY重量部とをせん断力を加えることによっ
    て、ムーニー粘度が(x×X+y×Y)/(X+Y)−
    10より小さくなるまで混練したゴム組成物(A)(た
    だし、30≦x≦200、5≦y≦150、5≦X≦9
    5、Y=100−Xである)。
  2. 【請求項2】 ムーニー粘度x、ヨウ素価120以下の
    ニトリル基含有共重合ゴムとムーニー粘度yのアクリル
    ゴムY重量部とを230〜380℃でせん断力を加える
    ことによって、ムーニー粘度が(x×X+y×Y)/
    (X+Y)−10(ただし、30≦x≦200、5≦y
    ≦150、5≦X≦95、Y=100−Xである)より
    小さくなるまで混練するゴム組成物(A)の製造方法。
  3. 【請求項3】 ムーニー粘度x、ヨウ素価120以下の
    ニトリル基含有共重合ゴムX重量部とムーニー粘度yの
    アクリルゴムY重量部とをせん断力を加えることによっ
    て、ムーニー粘度が(x×X+y×Y)/(X+Y)−
    10より小さくなるまで混練したゴム組成物(A)(た
    だし、30≦x≦200、5≦y≦150、5≦X≦9
    5、Y=100−Xである)と充填材とを含有するゴム
    組成物(B)。
  4. 【請求項4】 ムーニー粘度x、ヨウ素価120以下の
    ニトリル基含有共重合ゴムとムーニー粘度yのアクリル
    ゴムY重量部とを230〜380℃でせん断力を加える
    ことによって、ムーニー粘度が(x×X+y×Y)/
    (X+Y)−10(ただし、30≦x≦200、5≦y
    ≦150、5≦X≦95、Y=100−Xである)より
    小さくなるまで混練してゴム組成物(A)を調製した
    後、ゴム組成物(A)に充填材を配合して混練する請求
    項3記載のゴム組成物(B)の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のゴム組成物(A)または
    請求項3記載のゴム組成物(B)を加硫してなる加硫
    物。
  6. 【請求項6】 ベルト材、シール材、ホース材、ロール
    材、ダイヤフラム材、防振材、電線被覆材、ブーツ材ま
    たはタイヤ材料である請求項5記載のゴム組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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