JP6868409B2 - ゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルト - Google Patents

ゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルト Download PDF

Info

Publication number
JP6868409B2
JP6868409B2 JP2017017690A JP2017017690A JP6868409B2 JP 6868409 B2 JP6868409 B2 JP 6868409B2 JP 2017017690 A JP2017017690 A JP 2017017690A JP 2017017690 A JP2017017690 A JP 2017017690A JP 6868409 B2 JP6868409 B2 JP 6868409B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
rubber
rubber composition
nbr
conveyor belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017017690A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018123259A (ja
Inventor
寿彦 藏田
寿彦 藏田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2017017690A priority Critical patent/JP6868409B2/ja
Publication of JP2018123259A publication Critical patent/JP2018123259A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6868409B2 publication Critical patent/JP6868409B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Belt Conveyors (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、ゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルトに関するものである。
コンベアベルトは、鉱石、土砂、セメント等の資材や、穀物、果物等の食品、あるいは商品が梱包された箱や袋等の多種多様な運搬物をその上に載せ、所定区間を安定して連続輸送する輸送手段として様々な場所で使用されるベルトコンベア装置の構成部品である。また、コンベアベルトについては、油性物や、油で処理された運搬物の搬送を行うこともあるため、高い耐油性が要求される。
そのため、コンベアベルトの耐油性向上を目的として、種々の技術が開発されており、その中でも、ゴム成分として耐油性に優れたアクリロニトリルブタジエンゴムを用いる技術が多くみられる。
また、コンベアベルトを構成するゴム組成物については、上述した耐油性に加えて、他のゴム部材との加硫時の接着性(以下、「加硫接着性」という。)についても向上が望まれている。例えば、経済的な理由等から、コンベアベルトの補強材として布製補強帆布が用いられる場合には、この布製補強帆布を芯体とする接着ゴムと、該接着ゴムの上下面に加硫接着された運搬物と接するカバーゴム(耐油性を有するゴム)との、高い加硫接着性が要求される。
ゴム組成物の耐油性及び加硫接着性を両立するための技術としては、例えば特許文献1に、アクリロニトリルの含有量が高いアクリロニトリルブタジエンゴムとアクリロニトリルの含有量が低いアクリロニトリルブタジエンゴムとをブレンドした、耐油性コンベアベルト用ゴム組成物が開示されている。
特開2001−288301号公報
上述した特許文献1に開示された技術によって、ゴム組成物の耐油性及び加硫接着性の両立が可能となった。
ただし、ゴム組成物をコンベアベルト等の工業部品へ適用することを考えた場合、さらなる性能向上の観点から、耐油性及び加硫接着性をより高いレベルで両立できることが望まれていた。また、ゴム組成物の工業部品への適用を考慮すると、上述した耐油性及び加硫接着性の向上に加えて、耐寒性や、ゴム表面のタック(以下、「粘着性」という。)等の特性についても、さらなる改善が望まれていた。
そこで、本発明の目的は、耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性に優れた、ゴム組成物及びコンベアベルト用ゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、耐油性、耐寒性及び耐剥離性に優れたコンベアベルトを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を行った。そして、ゴム成分について、アクリロニトリル含有量の異なる少なくとも三種のアクリロニトリルブタジエンゴムから構成し、各アクリロニトリルブタジエンゴムの質量比を特定の範囲とすることによって、耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性のいずれについても優れたゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、アクリロニトリル含有量が35質量%超え且つ50質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムA(NBR−A)、アクリロニトリル含有量が30質量%超え且つ35質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムB(NBR−B)、及び、アクリロニトリル含有量が15質量%超え且つ30質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムC(NBR−C)を含み、前記ゴム成分における総アクリロニトリル含有量が25〜35質量%であり、前記ゴム成分における前記NBR−Aの含有量が60質量%以下であり且つ前記NBR−Cの含有量が15〜50質量%であることを特徴とする。
上記構成により、優れた耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性を実現できる。
また、本発明のゴム組成物では、前記ゴム成分における総アクリロニトリル含有量が30〜35質量%であることが好ましい。耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性をより高いレベルで両立できるためである。
さらに、本発明のゴム組成物では、溶解パラメータ(SP値)が17〜30の範囲である可塑剤を、さらに含むことが好ましく、該可塑剤の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5〜30質量部であることがより好ましい。優れた機械特性を実現できるためである。
さらにまた、本発明のゴム組成物では、前記可塑剤が、アジペート系の可塑剤であることが好ましく、該アジペート系の可塑剤が、ジアルキルポリグリコールアジペートであることがより好ましい。より優れた機械特性を実現できるためである。
本発明のコンベアベルト用ゴム組成物は、上述した本発明のゴム組成物からなることを特徴とする。
上記構成によって、優れた耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性を実現できる。
本発明のコンベアベルトは、上述したコンベアベルト用ゴム組成物を用いたことを特徴とする。
上記構成により、優れた耐油性、耐寒性及び耐剥離性を実現できる。
本発明によれば、耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性に優れた、ゴム組成物及びコンベアベルト用ゴム組成物を提供できる。また、本発明によれば、耐油性、耐寒性及び耐剥離性に優れたコンベアベルトを提供できる。
<ゴム組成物>
以下に、本発明のゴム組成物の一実施形態について詳細に説明する。
(ゴム成分)
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、アクリロニトリル含有量が35質量%超え且つ50質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムA(NBR−A)、アクリロニトリル含有量が30質量%超え且つ35質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムB(NBR−B)、及び、アクリロニトリル含有量が15質量%超え且つ30質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムC(NBR−C)を含む。
ここで、アクリロニトリルブタジエンゴムとは、アクリロニトリル(AN)とブタジエンとの共重合体であり、以下の構造式で示される。
─(CH─CH−CN)─(CH─CH=CH─CH
そして、本発明のゴム組成物では、前記ゴム成分における総アクリロニトリル含有量が25〜35質量%であり、前記ゴム成分における前記NBR−Aの含有量が60質量%以下であり且つ前記NBR−Cの含有量が15〜50質量%であることを特徴とする。
アクリロニトリルブタジエンゴムは、アクリロニトリル含有量が大きいほど、耐油性については高い効果が得られるものの、耐寒性や加硫接着性等については効果が劣ることとなる。そのため、アクリロニトリル含有量の異なる三種のアクリロニトリルブタジエンゴムである、NBR−A、NBR−B及びNBR−Cを、それぞれ上記範囲にすることで、耐油性についてはNBR−Aによって確保し、耐寒性及び粘着性については主にNBR−Cによって確保し、そして、加硫接着性については、NBR−B及びNBR−Cによって確保することが可能となる。
また、上述のNBR−Bが、NBR−AとNBR−Cとの物性の差によって生じる、分散性の悪化や、効果(耐油性、耐寒性、加硫接着性、粘着性)のバラツキを抑え、バランスを図る役目を果たすことができる。そのため、本発明のゴム組成物は、例えば一種や二種のアクリロニトリルブタジエンゴムを含有し且つアクリロニトリル含有量を調整したゴム成分を含むものに比べて、同じアクリロニトリル含有量であっても、より優れた耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性をバランス良く実現できる。
ここで、前記ゴム成分における総アクリロニトリル含有量を25〜35質量%としたのは、高いレベルで耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性の両立させるためであり、前記総アクリロニトリル含有量が25質量%未満の場合には、十分な耐油性を得ることができず、前記総アクリロニトリル含有量が35質量%を超えると、耐寒性、加硫接着性及び粘着性が低下する。
また、同様の観点から、前記ゴム成分における総アクリロニトリル含有量は、30〜35質量%であることが好ましく、32〜34質量%であることがより好ましい。
また、前記ゴム成分における前記NBR−Aの含有量は、上述したように、60質量%以下であり、20〜50質量%であることが好ましく、30〜40質量%であることがより好ましい。前記NBR−Aの含有量が60質量%超えの場合には、優れた耐油性は得られるものの、耐寒性や、加硫接着性の低下を招くためである。
なお、前記NBR−Aについては、一種類のアクリロニトリルブタジエンゴムから構成しても良いし、複数種のアクリロニトリルブタジエンゴムから構成することもできる。ただし、複数種のアクリロニトリルブタジエンゴムから構成する場合には、いずれのアクリロニトリルブタジエンゴムについても、アクリロニトリル含有量が35質量%超え且つ50質量%以下となる。
さらに、前記ゴム成分における前記NBR−Bの含有量は、特に限定はされないが、耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性をより高いレベルで両立させる観点から、5〜80質量部であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることが特に好ましい。前記NBR−Bの含有量が5質量%未満の場合には、NBR−AとNBR−Cの分散性が悪化し、機械特性や加硫接着性が低下するおそれがあり、一方、前記NBR−Bの含有量が80質量%を超えると、NBR−A、NBR−Cを必要量添加できなくなることがあるため、加硫接着性の低下を招くおそれがある。
なお、前記NBR−Bについては、一種類のアクリロニトリルブタジエンゴムから構成しても良いし、複数種のアクリロニトリルブタジエンゴムから構成することもできる。ただし、複数種のアクリロニトリルブタジエンゴムから構成する場合には、いずれのアクリロニトリルブタジエンゴムについても、アクリロニトリル含有量が30質量%超え且つ35質量%以下となる。
さらにまた、前記ゴム成分における前記NBR−Cの含有量は、上述したように、15〜50質量%であり、15〜40質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。前記NBR−Cの含有量が15質量%未満の場合には、十分な耐寒性、加硫接着性及び粘着性や、汎用ゴムへの接着性が得られず、前記NBR−Cの含有量が50質量%を超えると、優れた耐寒性、加硫接着性及び粘着性は得られるものの、耐油性の低下を招くためである。
なお、前記NBR−Cについては、一種類のアクリロニトリルブタジエンゴムから構成しても良いし、複数種のアクリロニトリルブタジエンゴムから構成することもできる。ただし、複数種のアクリロニトリルブタジエンゴムから構成する場合には、いずれのアクリロニトリルブタジエンゴムについても、アクリロニトリル含有量が15質量%超え且つ30質量%以下となる。
なお、ゴム成分中に、複数のアクリロニトリルブタジエンゴムが含まれるか否か、各アクリロニトリルブタジエンゴムのアクリロニトリル含有量がどの程度であるかについては、例えば、ゴム組成物の粘弾性温度分布測定や、ニトリル基の分布を分析することで把握することが可能である。
また、前記アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR−A、NBR−B、NBR−C)の製造方法については、特に限定はされない。たとえば、アクリロニトリルとブタジエンを乳化重合し、凝固・乾燥することで製造することもできるし、市販品を購入することで調達することも可能である。
また、本発明では、前記ゴム成分が、発明の目的を損なわない範囲であれば、上述したNBR−A、NBR−B及びNBR−Cに加えて、天然ゴムや、種々の合成ゴムを含むことができる。合成ゴムの具体例としては、イソプレンゴムやスチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、エポキシ化天然ゴム、アクリレートブタジエンゴム等の合成ゴム及びこれら天然ゴム又は合成ゴムの分子鎖末端が変性されたもの等を挙げることができ、これらの中から適宜選択して用いることができる。
なお、前記ゴム成分が、天然ゴムや、種々の合成ゴムを含有する場合であっても、上述した範囲でNBR−A、NBR−B及びNBR−Cを混合することで、本発明の効果を得ることは可能である。
(可塑剤)
本発明のゴム組成物は、優れた耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性を有しつつ、より優れた機械特性(機械的な強度、硬さ、靱性等)を得るという観点から、上述したゴム成分に加えて、溶解パラメータ(SP値)が17〜30の範囲である可塑剤をさらに含むことが好ましい。
前記ゴム成分に含まれる、アクリロニトリルブタジエンゴム、その中でもアクリロニトリル含有量が高いNBR−Aについては、ゴム成分としてブレンドした際の他ゴムとの混和性が低く、機械特性等の物性を低下させるおそれがある。そのため、SP値が17〜30の可塑剤を用いて、前記NBR−A等のアクリロニトリル含有量が高いニトリルブタジエンゴムを選択的に可塑化させることによって、優れた耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性を実現できるとともに、ゴム組成物の機械特性を大きく向上させることができ、ゴム組成物の加工性についても向上が可能となる。
ここで、前記可塑剤のSP値を17〜30の範囲としたのは、上述したアクリロニトリル含有量が高いアクリロニトリルブタジエンゴムのSP値と近い範囲にするためである。前記可塑剤のSP値が、上記範囲を外れた場合には、機械特性の向上が望めないことに加えて、可塑剤によるブルームが発生し、耐寒性や、粘着性等を低下させるおそれがある。また、同様の観点から、前記可塑剤のSP値は、20〜27であることがより好ましく、20〜25であることが特に好ましい。
なお、前記SP値(δ)とは、一般に液体のモル蒸発エネルギー(ΔEv)およびモル体積(V)より、次式によって定義される。
SP値(δ)=(ΔEv/V)0.5
さらに、SP値はFedors法によれば化学構造のみから推算することができる(ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)第4版(J,Brandrup他編集)の「溶解パラメーター値(Solubility Parameter Values)」を参照)。なお、本発明においてSP値とは、Fedors法よって算出される値を意味する。
また、前記可塑剤の種類については、SP値が17〜30のものであれば特に限定されない。例えば、アジペート系の可塑剤、フタレート系の可塑剤、トリメリテート系の可塑剤、脂肪酸系の可塑剤、ポリエステル系の可塑剤、多価アルコール系の可塑剤等を用いることができる。
また、アクリロニトリル含有量が高いアクリロニトリルブタジエンゴムを選択的に可塑化させて、より優れた機械特性を得ることができる点からは、上述した可塑剤の中でも、アジペート系の可塑剤を用いることが好ましい。
さらに、前記アジペート系の可塑剤については、その中でもジアルキルポリグリコールアジペートを用いることが好ましい。より優れた機械特性を得ることができるためである。
ここで、前記ジアルキルポリグリコールアジペートは、以下の式で示す構造を有する。
R-O-(CH2CH2O)n-CO(CH2)4CO-(OCH2CH2)m-O-R
さらにまた、上記アルキルポリグリコールアジペートの中でも、特に優れた機械特性が得られるという点からは、ジブトキシエトキシエチルアジペートを用いることが特に好ましい。
また、前記ゴム組成物における前記可塑剤の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して5〜30質量部であることが好ましく、5〜25質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることが特に好ましい。
前記可塑剤の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部未満の場合、可塑剤の含有量が少なすぎるために、可塑化効果を十分に得られず耐寒性が低下するおそれがあり、一方、前記可塑剤の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して30質量部を超える場合、可塑剤の量が多くなりすぎるため、可塑剤のブルーム等の発生や、機械特性の低下を招くおそれがある。
(その他の成分)
また、本発明のゴム組成物は、上述した、ゴム成分及び可塑剤に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で、カーボンブラック、充填材、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、亜鉛華(ZnO)、老化防止剤、酸化防止剤、発泡剤、オイル、滑剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含むことができる。
ここで、前記カーボンブラックについては、ゴム工業の分野で通常使用されているものを使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、本発明においては、FEF級以上の微細な粒径を有するものを好適に用いることができる。これは、耐摩耗性を発揮するためである。また、これらのカーボンブラックは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記カーボンブラックの含有量は、作業性や、耐摩耗性を高いレベルで実現する点からは、前記ゴム成分100質量部に対して、25〜80質量部であることが好ましく、40〜60質量部であることがより好ましい。
前記充填材についても、特に限定されるものではないが、耐引裂き性能等の物性を向上させることができる点から、充填材としてシリカを用いることが好ましい。
該シリカとしては、ゴム工業の分野において通常使用されているものを使用することができ、特に限定されるものではないが、本発明においては、疎水化処理シリカを好適に用いることができる。この疎水化処理シリカとしては、窒素吸着比表面積(BET法による)が150〜500mm2/g、特に150〜350mm2/gの範囲の湿式シリカ100質量部に対して、動粘度が1×10-6〜1m2/sの範囲のシリコーンオイル0.1〜50質量部を配合して表面処理して得られるものが好ましい。前記湿式シリカの比表面積が150 mm2/g未満では、所望の破壊特性が得られないおそれがあり、500mm2/gを超えると、ゴム成分への分散性が低下するおそれがある。なお、上記シリカのDBP吸収量は、特に限定はされないが、150〜350ml/100gであることが好ましい。
また、前記シリカを配合する場合、その配合量は、作業性や物性の低下を防ぐ点から、前記ゴム成分100質量部に対して、3〜15質量部であることが好ましく、5〜10質量部であることがより好ましい。
さらに、前記シリカをゴム組成物に含有させる際、公知のシランカップリング剤を適宜添加することもでき、これによりゴム成分への分散性を向上させることが可能である。
また、前記シリカ以外の充填材としては、例えば、ホワイトカーボン、微粒子ケイ酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク等の充填材が挙げられる。その配合量としては、前記ゴム成分100質量部に対し、3〜25質量部程度である。
前記加硫剤は、従来公知のものを用いることができ、特に限定されるものではないが、本発明においては、硫黄を好適に用いることができる。その含有量は前記ゴム成分100質量部に対し通常0.6〜2.5質量部、特に1.0〜2.3質量部とすることが好ましい。加硫剤の配合量が0.6質量部未満であると、十分な加硫効果が得られないおそれがあり、一方、2.5質量部を超えると、伸び、引張強さ及び耐引裂き性能等の低下を招くおそれがある。
前記オイルは、本発明においては必ずしも必要としないが、作業性の向上のために適宜添加することができる。このオイルは、従来公知のものを用いることができ、特に制限されるものではないが、具体例として、アロマティック油、ナフテニック油、パラフィン油等のプロセスオイルや、やし油等の植物油、アルキルベンゼンオイル等の合成油等を挙げることができ、使用の際にはこれらの中から1種単独で又は2種以上を適宜選択使用すればよい。前記オイルの配合量は、前記ゴム成分100質量部に対し、0〜10質量部、特に0〜5質量部とすることが好ましい。10質量部を超えた場合は、引張強さ、耐摩耗性、耐引裂き性能の低下を招くおそれがある。
前記加硫促進剤としては、従来公知のものを用いることができ、特に制限されるものではないが、例えばCBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBSI(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンイミド)等のスルフェンアミド系の加硫促進剤;DPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤;テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;ジアルキルジチオリン酸亜鉛等の加硫促進剤等が挙げられる。その配合量としては、前記ゴム成分100質量部に対し、0.5〜3質量部程度である。
なお、本発明のゴム組成物を得る際、上述した各成分の配合方法に特に制限はなく、全ての成分原料を一度に配合して混練しても良いし、2段階あるいは3段階に分けて各成分を配合して混練を行ってもよい。なお、混練に際してはロール、インターナルミキサー、バンバリーローター等の公知の混練機を用いることができる。
<コンベアベルト用ゴム組成物>
本発明のコンベアベルト用ゴム組成物は、上述した本発明のゴム組成物からなることを特徴とする。
上述した本発明のゴム組成物をコンベアベルト用ゴム組成物に用いることで、優れた耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性を実現できる。
<コンベアベルト>
本発明のコンベアベルトは、上述した本発明のコンベアベルト用ゴム組成物を用いたことを特徴とする。
コンベアベルトに本発明のコンベアベルト用ゴム組成物を用いることによって、優れた耐油性及び耐寒性を実現できる。また、本発明のコンベアベルト用ゴム組成物は、加硫接着性に優れるため、コンベアベルトのカバーゴム等に用いた際、他のゴム部材との接着性が高く、耐剥離性に優れる。
また、コンベアベルト用ゴム組成物を適用するコンベアベルト部材については、特に限定されないが、カバーゴムに用いることが好ましい。耐油性及び耐寒性を大きく向上できるためである。なお、前記カバーゴムについては、本発明のコンベアベルト用ゴム組成物を、上面及び下面のカバーゴムのうちのいずれか一方のカバーゴムのみに用いることもできるし、両面のカバーゴムに用いることもできる。ただし、搬送物に接する面の防汚性を高める点からは、少なくとも上面のカバーゴムに上述のコンベアベルト用ゴム組成物を適用することが好ましい。
本発明のコンベアベルトの製造方法については、特に限定はされず、公知の方法によって製造することができる。例えば、コンベアベルト用ゴム組成物を押出成形(カレンダー等の公知の成形方法)によりシート状に成形し、補強材である帆布やスチールコードを芯材として、これを被覆するようにシート状ゴム成形物(コンベアベルト用ゴム組成物)を貼り合わせた後、常法に従い加硫硬化させることにより得ることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜16、比較例1〜7)
表1の成分組成に従って、ゴム組成物のサンプルを調製した。なお、各成分の配合量については、ゴム成分100質量部に対する質量部で示している。
(評価)
上述の各サンプルのゴム組成物について、(1)耐油性、(2)耐寒性、(3)加硫接着性、(4)機械特性及び(5)粘着性の評価を行った。
(1)耐油性(体積変化率)
ゴム組成物の各サンプルについて、150℃で30分間プレス加硫した後、縦20mm、横40mm、厚さ2mmの短冊状の試験片を作製した。作製した試験片を、70℃の試験油(IRM903、日本サン石油社製)に72時間浸漬し、浸漬後の体積変化率(%)を測定した。
測定結果を表1に示す。体積変化率については、値が0に近いほど膨潤や収縮がなく、耐油性が良好であることを示す。
(2)耐寒性(脆化温度)
ゴム組成物の各サンプルについて、150℃で30分間プレス加硫した後、縦6mm、横40mm、厚さ2mmの短冊状の試験片を作製した。その後、作製した試験片の脆化温度(℃)を、JIS K 6261:2006の「低温衝撃ぜい化試験」に準拠して測定した。
測定結果を表1に示す。脆化温度については、値が低いほど耐寒性が良好であることを示す。
(3)加硫接着性
(3−1)同種ゴム同士の接着性
ゴム組成物の各サンプルについて、シート状に2枚成形した後に貼り合わせ、その後、150℃で30分間プレス加硫した。加硫後、テンシロンにより両シートを剥離させ、剥離に至る際の力(N/mm)を測定した。
測定結果を表1に示す。剥離に至る際の力については、値が大きいほど接着性が良好であることを示す。
(3−2)汎用ゴムとの接着性
表2の成分組成に従って、汎用ゴムのゴム組成物のサンプルを調製した(なお、各成分の配合量については、ゴム成分100質量部に対する質量部で示している。)後、シート状に成型した。そして、ゴム組成物の各サンプルについて、シート状に成形したものと貼り合わせた後、150℃で30分間プレス加硫した。加硫後、テンシロンにより両シートを剥離させ、剥離に至る際の力(N/mm)を測定した。
測定結果を表1に示す。剥離に至る際の力については、値が大きいほど接着性が良好であることを示す。
(4)機械特性(引張破断強度)
ゴム組成物の各サンプルについて、150℃で30分間プレス加硫した後、JIS K 6251:2010に準拠した2mm厚さのダンベル状3号形試験片を作成し、該試験片について25℃における破断時の引張破断強度(MPa)を測定した。
測定結果を表1に示す。引張破断強度については、値が大きいほど機械特性が良好であることを示す。
(5)粘着性(ゴムタック)
ゴム組成物の各サンプルについて、縦25mm、横150mm、厚さ3mmの短冊状の試験片を作製した。これらを貼り合わせ1日放置した後に、テンシロンにて両シートを剥離させ、剥離に至る際の力(mN/mm)を測定した。
測定結果を表1に示す。ゴムタックについては、値が大きいほど粘着性が良好であることを示す。
Figure 0006868409
Figure 0006868409
※1 N220S(JSR(株)製)、アクリロニトリル含有量:40質量%
※2 NANCAR1051(南帝化学工業社製)、アクリロニトリル含有量:41質量%
※3 N230S(JSR(株)製)、アクリロニトリル含有量:35質量%
※4 NANCAR1032(南帝化学工業社製)、アクリロニトリル含有量:33質量%
※5 N250S(JSR(株)製)、アクリロニトリル含有量:20質量%
※6 旭#65(旭カーボン(株)製)
※7 TP-95(HALLSTAR社製)、SP値:22
※8 サンソサイザーDOA(新日本理化(株)製)、SP値:17
※9 TP-90B(HALLSTAR社製)、SP値:26
※10 A/O MIX(JX日鉱日石エネルギー(株)製)、SP値:16以下
※11 RSS#4
※12 JSR1500(JSR(株)製)
※13 ステアリン酸50S(新日本理化(株)製)
※14 Selected microcrystalline wax(精工化学(株)製)
※15 N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ノクラック6C(大内新興化学工業(株)製)
※16 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、NOCCELER CZ-G(大内新興化学工業(株)製)
表1の結果から、各実施例のゴム組成物は、いずれも、(1)耐油性、(2)耐寒性、(3)加硫接着性、(4)機械特性、及び、(5)粘着性の全ての評価項目についてバランス良く良好な結果を示すことがわかった。一方、比較例のゴム組成物については、いずれかの評価項目で不十分な結果を示すことがわかった。
また、可塑剤の適正化が図られた実施例1〜15のゴム組成物については、実施例16に比べて機械特性がさらに優れていることがわかった。
本発明によれば、耐油性、耐寒性、加硫接着性及び粘着性に優れた、ゴム組成物及びコンベアベルト用ゴム組成物を提供できる。また、本発明によれば、耐油性、耐寒性及び耐剥離性に優れたコンベアベルトを提供できる。

Claims (8)

  1. ゴム成分として、
    アクリロニトリル含有量が35質量%超え且つ50質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムA(NBR−A)、
    アクリロニトリル含有量が30質量%超え且つ35質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムB(NBR−B)、及び、
    アクリロニトリル含有量が15質量%超え且つ30質量%以下であるアクリロニトリルブタジエンゴムC(NBR−C)を含み、
    前記ゴム成分における総アクリロニトリル含有量が25〜35質量%であり、
    前記ゴム成分における前記NBR−Aの含有量が60質量%以下であり、前記NBR−Bの含有量が5〜80質量%であり且つ前記NBR−Cの含有量が15〜50質量%であることを特徴とする、ゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分における総アクリロニトリル含有量が30〜35質量%であることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. Fedors法よって算出される溶解パラメータ(SP値)が17〜30 (MPa) 0.5 の範囲である可塑剤を、さらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記可塑剤の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5〜30質量部であることを特徴とする、請求項3に記載のゴム組成物。
  5. 前記可塑剤が、アジペート系の可塑剤であることを特徴とする、請求項3又は4に記載のゴム組成物。
  6. 前記アジペート系の可塑剤が、ジアルキルポリグリコールアジペートであることを特徴とする、請求項5に記載のゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物からなることを特徴とする、コンベアベルト用ゴム組成物。
  8. 請求項7に記載のコンベアベルト用ゴム組成物を用いたことを特徴とする、コンベアベルト。
JP2017017690A 2017-02-02 2017-02-02 ゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルト Active JP6868409B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017017690A JP6868409B2 (ja) 2017-02-02 2017-02-02 ゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017017690A JP6868409B2 (ja) 2017-02-02 2017-02-02 ゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018123259A JP2018123259A (ja) 2018-08-09
JP6868409B2 true JP6868409B2 (ja) 2021-05-12

Family

ID=63111096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017017690A Active JP6868409B2 (ja) 2017-02-02 2017-02-02 ゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6868409B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113321859B (zh) * 2021-06-16 2023-08-04 南京金三力橡塑有限公司 塑料滤清器用超低温、耐油丁腈橡胶材料及其制备方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02163139A (ja) * 1988-12-16 1990-06-22 Nok Corp ニトリルゴム配合物
JP4424815B2 (ja) * 2000-04-04 2010-03-03 株式会社ブリヂストン 耐油性コンベアベルト
JP5044912B2 (ja) * 2005-09-14 2012-10-10 横浜ゴム株式会社 ゴム組成物
JP5293105B2 (ja) * 2008-11-18 2013-09-18 株式会社ブリヂストン ホース内管用ゴム組成物及び油圧ホース
JP2011098999A (ja) * 2009-11-04 2011-05-19 Yokohama Rubber Co Ltd:The コンベヤベルト用ゴム組成物およびコンベヤベルト
JP6389055B2 (ja) * 2014-04-16 2018-09-12 株式会社ブリヂストン ホース用ゴム組成物及び油圧ホース

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018123259A (ja) 2018-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6055422B2 (ja) コンベアベルト用ゴム組成物、コンベアベルトカバー用ゴム及びコンベアベルト
JP5938050B2 (ja) コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルト
CN106414589A (zh) 防振橡胶组合物和防振橡胶
AU2015329435A1 (en) Rubber composition for conveyor belts, and conveyor belt
JPWO2019124462A1 (ja) ゴム組成物及びゴム成形品
JP6351586B2 (ja) ゴム組成物及びその加硫成形体
JP2012057001A (ja) コンベヤベルト用ゴム組成物およびコンベヤベルト
JP6697960B2 (ja) コンベヤベルト用ゴム組成物及びコンベヤベルト
JP6868409B2 (ja) ゴム組成物、コンベアベルト用ゴム組成物及びコンベアベルト
JP2018080531A (ja) 防舷材用ゴム組成物
JP6185275B2 (ja) コンベアベルト用ゴム組成物、その組成物を用いたコンベアベルトカバー用ゴム及びコンベアベルト
JP2004346220A (ja) コンベヤベルト用ゴム組成物およびコンベヤベルト
JP5453736B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびその製造法
JP6904328B2 (ja) コンベヤベルト用ゴム組成物およびコンベヤベルト
JPWO2018110396A1 (ja) ゴム組成物、コンベアベルト用カバーゴム、及び、コンベアベルト
JP2016102150A (ja) タイヤビードインシュレーション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP5082571B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2015189794A (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
CN106905576A (zh) 一种耐寒传动胶带底胶及其制备方法
JP2009091375A (ja) ゴム組成物
JP2010189495A (ja) 防舷材用ゴム組成物及びそれを用いた防舷材
JP2007146088A (ja) ゴム組成物
JP2002179231A (ja) ベルトコンベアのベルト用ゴム組成物、ベルト及びベルトコンベア
JP2007169430A (ja) サイドウォール用ゴム組成物およびそれからなるサイドウォールを有するタイヤ
WO2015147258A1 (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201023

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6868409

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150