JP2005536653A - シクロデキストリン残基を含む有機ケイ素化合物 - Google Patents

シクロデキストリン残基を含む有機ケイ素化合物 Download PDF

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Abstract

シクロデキストリン残基を含む、式(I):ASiO(4−a−b−c−d/2)(式中、Aは同一であっても異なっていてもよく、式(II):CD−R(式中、CD、R、X、a、b、cおよびdは請求項1に記載した意味を有する)の1つの残基を表している)のユニットを含有する有機ケイ素化合物、それらの製造方法並びにそれらの使用。

Description

本発明は、シクロデキストリン残基を含む有機ケイ素化合物、その製造、特に織物仕上げにおけるその使用、並びにシクロデキストリン残基を含む有機ケイ素化合物をベースとする架橋性材料に関する。
有機ケイ素化合物、特にオルガノシランおよびオルガノシロキサンは既に長年にわたり知られており、特に繊維柔軟剤として使用されている。
シクロデキストリンは、6、7もしくは8個のα(1−4)結合無水グルコースユニットから構成される環状オリゴ糖である。酵素によるデンプン分解によって製造されたα−、β−、またはγ−シクロデキストリンは、それらの疎水性空洞の直径が相違し、一般に多数の親油性物質を包含するのに適している。
シクロデキストリン誘導体は、シクロデキストリンのOH基の化学修飾によって製造される。これについての例は、酸化プロピレンを用いたヒドロキシプロピル化およびハロゲン化メチルを用いたメチル化である。このようにして入手されたシクロデキストリン誘導体は、本質的に天然シクロデキストリンより強度に水溶性であり、疎水性物質を包含して水溶性複合体を形成することによりそのようなそれ自体は非水溶性である物質を水性媒体中で可溶化することができる。さらに独国特許第195 20 967号では、繊維材料または皮革の仕上げに使用できる、少なくとも1つの窒素含有複素環を備える反応性シクロデキストリン誘導体が記載されている。非置換またはメチル基もしくはヒドロキシプロピル基により置換されたシクロデキストリンはバインダー系を用いた場合にしか繊維基質上に固定できないが、モノクロロトリアジン誘導体は反応性染料に完全に類似してセルロース性繊維基質のOH基との典型的な共有結合を形成することができる。もっともこのためには「染色条件」が遵守されなければならない。すなわちセルロースは、一般にアルカリによる活性化された後の高温でしかこの結合を達成するために十分な反応能力を有していない。このとき競合反応として、クロロトリアジン残基の加水分解が発生する。そのために染色技術から、反応性染料は多くの場合に約50%の収率しか引き出せず、残り半分は加水分解によって失われることが知られている。モノクロロトリアジン官能性シクロデキストリン用いたセルロース性繊維基質の分解の場合にも同様の比率を考慮に入れなければならない。
共有結合したシクロデキストリン残基を含む有機ケイ素化合物は、クロマトグラフィー分離分析の分野において知られている。例えばシリカゲルのような担体物質に固定化されたシクロデキストリンを含有するポリマーは、特に有機化合物からエナンチオマーを分離するためのキラル固定相として役立つ。これとともに特殊なシロキサン−シクロデキストリン−コポリマーはコンタクトレンズ材料として、またはイオン感受性電極中で使用されている。これについては、例えば独国特許第43 24 636号、米国特許第5,268,442号、米国特許第5,403,898号および欧州特許第586 322号を参照されたい。いずれの場合にも、極めてわずかな収率でしか所望の物質が提供されない、加水分解反応に基づく多段階式の時間を浪費する合成法が対象である。
さらに、ポリマー鎖内にシクロデキストリンを含むブロックコポリマーが知られている。これらのコポリマーは、2種の方法で製造できる。M.B. Aliら, Mater. Sci. Eng. C 1998, C6, 53は、ヒドロキシメチルシロキシユニットを含有するポリオルガノシロキサンを用いてシクロデキストリン分子の1つ以上のヒドロキシ基を脱水素下で直接に分解している。入手された材料は、イオン感受性電極における膜ゲルとして使用される。これに対してMaciejewskiら(ポーランド国特許出願第178362号)は、HCL分離下で推移する、クロロシランを用いるOH基含有シクロデキストリン誘導体の重縮合の方を好んでいる。どちらの場合もシクロデキストリン分子がポリマー網目の一体構成要素であり、シロキサンブロック間の結合鎖ないし分岐部位として機能するシクロデキストリン−ケイ素−ブロックコポリマーが発生する。SiOC結合によって条件付けられて、これらのコポリマーは非中性条件下では加水分解安定性ではない。上記に記載した方法のまた別の短所は技術的に相当に大きな問題を引き起こす水素の遊離であり、ポーランド国特許出願第178362号の場合には統計学的作用によってしか制御されない一貫性のないコポリマー組成である。
これまでに挙げた方法とともに、文献には炭素誘導体または炭酸誘導体を介しての結合についての散発的な例も見いだされる。シクロデキストリン分子のヒドロキシ基による酸触媒性エポキシド開環もまた既に以前に報告されている。これについての例は、S.K. Youngら(Polym. Prepr. 2001, 42, 162)、M. Tanakaら(Fresenius Z. Anal. Chem. 1983, 316, 54)並びに独国特許第42 08 402号である。この場合も同様に、費用のかかる試薬並びに多段階に及ぶ合成方法が短所である。
本発明の対象は、シクロデキストリン残基を含む、式(I):
SiO(4−a−b−c−d/2) (I)、
(式中、
Aは同一であっても異なっていてもよく、式
CD−R− (II)
(式中、CDは一価もしくは多価の、誘導体化されていてよいシクロデキストリン残基を表しており、Rは、酸素、メルカプト−、アミン−、カルボニル−、カルボキシル−、スルホキシド−もしくはスルホニル基で中断されていてよい二価の、置換されていてよい炭化水素残基を表している)の1つの残基を表している、
Rは同一であっても異なっていてもよく、酸素原子、硫黄原子および/または窒素原子で中断されていてよい、置換されていてよい炭化水素残基を表している、
Xは同一であっても異なっていてもよく、式−OR(式中、Rは水素原子であるか、または、エーテル酸素原子によって置換されていてよい、置換されていてよい炭化水素残基である)の残基を表している、
aは0、1もしくは2、好ましくは0もしくは1である、
bは0、1、2もしくは3である、
cは0、1、2もしくは3、好ましくは0もしくは1である、および
dは0、1、2もしくは3、好ましくは0であるが、
ただし、
− a+b+c+dの合計は≦4であり、
− 有機ケイ素化合物は1分子当たり少なくとも1つの残基Aを有しており、
− 式(I)のユニットの最高90%、好ましくは最高50%、より好ましくは最高30%で、最も好ましくは式(I)のユニットの0%でa+b+c+dの合計が0であり、
− a+b+c+d=4を備える式(I)の有機ケイ素化合物の場合は、残基Rがトリアジニレン残基を表すことはあり得ない、
− a+b+c+d≦3を備える式(I)のユニットからの有機ケイ素化合物の場合は、残基Rは純粋脂肪族ではない、すなわち炭化水素−炭化水素単結合だけから構成されており、そしてカルボン酸エステル、チオールカルボン酸エステル、カルボン酸アミド、チオンカルボン酸アミド、ウレタン、S−チオウレタンもしくは尿素誘導体のような結合したα−カルボン酸誘導体もしくはα−炭酸誘導体の有機ケイ素化合物を備えるω−SiC−様であってよい、
− a+b+c+d≦3を備える式(I)のユニットからの有機ケイ素化合物の場合は、残基Rは−CH−CHOH−CH−O−(CH−、−(CH−、−Ar−(CH−、−Ar−O−(CH−、−Ar−S−(CH−、−Ar−NH−(CO)−(CH−、もしくは−(CO)−Ar−O−(CH−(式中、eは同一の0〜16であり、Arは同一のフェニレン−、ピリジレン−もしくはフラニレン残基である)の群から選択された非二価炭化水素残基を表す可能性があるが、このときRへのCDの化学結合のために使用されるシクロデキストリン−酸素原子はS、NHもしくはNR(Rは上記で残基Rについて記載と同一の意味を有する)に対して置換できることを前提とする)のユニットを含有する有機ケイ素化合物である。
本発明の範囲内では、オルガノポリシロキサンにはポリマー、オリゴマーさらにダイマーのシロキサンも含まれるものとする。
本発明による有機ケイ素化合物は、シラン、すなわちa+b+c+d=4を備える式(I)の化合物であっても、シロキサン、すなわちa+b+c+d≦3を備える式(I)のユニットを含有する化合物であってもよい。本発明による有機ケイ素化合物は、好ましくはオルガノポリシロキサン、より好ましくは式(I)のユニットから構成されるオルガノポリシロキサンである。
残基Rの例は、メチル−、エチル−、n−プロピル−、イソ−プロピル−、1−n−ブチル−、2−n−ブチル−、イソ−ブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、イソ−ペンチル−、ネオ−ペンチル−、tert−ペンチル残基のようなアルキル残基;n−ヘキシル残基のようなヘキシル残基;n−ヘプチル残基のようなヘプチル残基;n−オクチル残基のようなオクチル残基および2,2,4−トリメチルペンチル残基のようなイソ−オクチル残基;n−ノニル残基のようなノニル残基;n−デシル残基のようなデシル残基;n−ドデシル残基のようなドデシル残基;n−オクタデシル残基のようなオクタデシル残基;シクロペンチル−、シクロヘキシル−、シクロヘプチル残基のようなシクロアルキル残基およびメチルシクロヘキシル残基;ビニル−、1−プロペニル−および2−プロペニル残基のようなアルケニル残基;フェニル−、ナフチル−、アントリル−およびフェナントリル残基のようなアリール残基;o−、m−、p−トリール残基のようなアルカリル残基;キシリル残基およびエチルフェニル残基;並びにベンジル残基、α−およびβ−フェニルエチル残基のようなアラルキル残基である。
置換残基Rの例は、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル残基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロ−イソプロピル残基、ヘプタフルオロイソプロピル残基のようなハロゲンアルキル残基およびo−、m−およびp−クロロフェニル残基のようなハロゲンアリール残基、アミノプロピル−、アミノエチルアミノプロピル−、シクロヘキシルアミノプロピル−、ジメチルアミノプロピル−、ジエチルアミノプロピル残基のようなアミノアルキル残基もしくはアセチル化アミノプロピル残基、例えば3−ヒドロキシプロピル−および4−ヒドロキシブチル残基のような、または例えば第一級、第二級もしくは第三級アルコールの、または例えばフェノール−もしくはオイゲノール残基のような芳香族アルコールのヒドロキシ官能残基、3−メルカプトプロピル残基のようなメルカプト官能残基、カルボン酸官能残基並びに、それらの誘導体または塩、例えば酢酸−、3−カルボキシ−プロピル−、4−カルボキシ−ブチル−、10−カルボキシ−デシル−、3−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラニル)−プロピル−、3−(エタン−1、2−ジカルボン酸)−プロピル−、3−アクリロキシ−プロピル−、3−メタクリロキシ−プロピル−もしくはウンデセンシリルエステル残基、プロピオンアルデヒド残基のような
Figure 2005536653
のカルボニル官能残基からなる群のエポキシ官能残基、例えばプロピルポリグリコール残基のようなアルキルポリグリコール残基のようなポリグリコール官能残基、ホスホネートアルキル残基のようなホスホネート官能残基、シララクトン官能残基、例えばそれらにおいて1から10単糖ユニットから構成されていてよいグリコシド残基がアルキレン−もしくはオキシアルキレンスペーサーを介して結合されているようなグリコシド官能残基、並びに欧州特許第612 759号第2頁第11行から第3頁第53行に挙げられている残基である。
残基Rは、好ましくは場合によってはヒドロキシ−、メルカプト−、アミン−、カルボニル−、カルボキシル−もしくはオキシラニル基と置換された1から18個の炭素原子を備える炭化水素残基であり、より好ましくは場合によってはヒドロキシ−、メルカプト−、アミン−、カルボニル−、カルボキシル−もしくはオキシラニル基と置換された1から11個の炭素原子を備える炭化水素残基であり、最も好ましくはメチル−、ヒドロキシプロピル−、メルカプトプロピル−、3−グリシドキシ−プロピル−、アミノプロピル−およびアミノエチルアミノプロピル−、10−カルボキシ−デシル−、3−アクリロキシ−プロピル−並びに3−メタクリロキシプロピル残基である。
本発明による有機ケイ素化合物がオルガノポリシロキサンである場合は、全残基Rの少なくとも50%、より好ましくは少なくとも90%がメチル残基を表している。
残基Rの例は、残基Rについて記載した例である。
残基Rは、好ましくは水素原子または1から8個の炭素原子を備えるアルキル残基であり、より好ましくは水素原子、メチル−またはエチル残基である。
残基Xは、好ましくはヒドロキシル残基、メトキシ−もしくはエトキシ残基である。
Xは、好ましくはヒドロキシル残基、メトキシ−もしくはエトキシ残基である。
残基CDは、任意のこれまでに知られているシクロデキストリン、ないしは酸素に結合した1個以上の水素原子が化学結合によって置換されているシクロデキストリン誘導体であってよい。残基CDは、好ましくは一般式
Figure 2005536653
(式中、Rは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、Rについて記載した意味を備える一価の残基またはRについて記載した意味を有する二価の残基を表しており、そしてwは同一で5、6もしくは7である)の残基CDである。
残基Rは、好ましくは水素、場合によってはアミン−、カルボニル−、カルボキシル−もしくはオキシラニル基と置換された一価もしくは多価の炭化水素残基、場合によってはヒドロキシ−、メルカプト−、アミン−、アンモニウム−、カルボニル−、カルボキシル−、オキシラニル−もしくは反応性スルホン酸誘導体基と置換されていてよいポリエーテル残基、またはハロゲントリアジン官能残基である。
残基Rは、好ましくは水素原子、一価アルキル残基、アセチル残基、アミノ−、エポキシ−、ビニルスルホニル−、2−スルホオキシエチル−スルホニル−、2−クロロエチル−スルホニル−および(メタ)クリロイル官能性アルキル−もしくはポリエーテル残基並びにハロゲントリアジン官能残基であり、より好ましくは水素原子、メチル−、エチル−もしくはプロピル残基、アセチル残基、β−アミノエチル−、β−(N−メチル)アミノエチル−、γ−アミノプロピル−、γ−(N−tert−ブチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−およびγ−(N−シクロヘキシル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル残基、グリシドキシプロピル残基、3−(ビニルスルホニル)−プロピル−、ビニルスルホニル−、(2−スルホオキシエチル)スルホニル−、(2−クロロエチル)スルホニル−、ρ−ビニルスルホニル−フェニル−、ρ−(2−スルホオキシエチル)スルホニル−フェニル−およびω−ビニルスルホノイル−ポリオキシプロピル残基、アクリロイル−、2−(N−アクリルアミド)エチル−、3−(N−アクリルアミド)−プロピル−および2−ヒドロキシ−3−メタクリロイル−オキシプロピル残基並びに4−クロロ−6−ONa−トリアジニル残基である。
残基Rの例は、−C−O−CH−CHOH−CH−、−C−O−(CO)10−CH−CHOH−CH−、−C−O−C10−O−CH−CHOH−CH−、−C−C(OCH)−O−CH−CHOH−CH−、−C−S−CH−CHOH−CH−、−C−NH−CH−CHOH−CH−、−C−NH−C−NH−CH−CHOH−CH−、−C1020−COO−CH−CHOH−CH−、−C−NH−CH−CHOH−CH−O−C−、−C−NH−C−NH−CH−CHOH−CH−O−C−、−C−O−CH−CHOH−CH−NH−C−、−C−O−CH−CHOH−CH−N(CH)−C−、−C−O−CH−CHOH−CH−NH−C−、−C−O−CH−CHOH−CH−NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−CH−CHOH−CH−N(t−Bu)−CH−CHOH−CH−、−C−O−CH−CHOH−CH−N(C11)−CH−CHOH−CH−、−C−O−(CO)−CH−CH−NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−(CO)−CH(CH)−CH−NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−CH−CH−(CO)NH−C−、−C−S−CH−CH−(CO)NH−C−、−C−NH−CH−CH−(CO)NH−C−、−C−NH−C−CH−CH−(CO)NH−C−、−C1020−COO−CH−CH−(CO)NH−C−、−C−C(OCH)−O−CH−CH−(CO)NH−C−、−C−O−C10−O−CH−CH−(CO)NH−C−、−C−O−CH−CH−(CO)NH−C−、−C−S−CH−CH−(CO)NH−C−、−C−NH−CH−CH−(CO)NH−C−、−C−NH−C−CH−CH−(CO)NH−C−、−C1020−COO−CH−CH−(CO)NH−C−、−C−C−(OCH)−O−CH−CH−(CO)NH−C−,C−O−C10−O−CH−CH−(CO)NH−C−、−C−O−CH−CH−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−S−CH−CH−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−NH−CH−CH−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−NH−C−CH−CH−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、C1020−COO−CH−CH−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−C(CH)−O−CH−CH−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−C10−O−CH−CH−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−CH−CH−COO−C−、−C−S−CH−CH−COO−C−、−C−NH−CH−CH−COO−C−、−C−NH−C−CH−CH−COO−C−、−C1020−COO−CH−CH−COO−C−、−C−C(OCH)−O−CH−CH−COO−C−、−C−O−C10−O−CH−CH−COO−C−、−C−O−CH−CH−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C−S−CH−CH−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C−NH−CH−CH−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C−NH−C−CH−CH−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C1020−COO−CH−CH−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C−C(OCH)−O−CH−CH−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C−O−C10−O−CH−CH−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C−O−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−S−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−NH−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−NH−C−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C1020−COO−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−C(OCH)−O−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−O−C10−O−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−O−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−S−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−NH−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−NH−C−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C1020−COO−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−C(OCH)−O−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−O−C10−O−CH−CH(CH)−(CO)NH−C−、−C−O−CH−CH
(CH)−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−S−CH−CH(CH)−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−NH−CH−CH(CH)−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−NH−C−CH−CH(CH)−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C1020−COO−CH−CH(CH)−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−C(OCH)−O−CH−CH(CH)−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−C10−O−CH−CH(CH)−(CO)NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−CH−CH(CH)−COO−C−、−C−S−CH−CH(CH)−COO−C−、−C−NH−CH−CH(CH)−COO−C−、−C−NH−C−CH−CH(CH)−COO−C−、−C1020−COO−CH−CH(CH)−COO−C−、−C−C(CH)−O−CH−CH(CH)−COO−C−、−C−O−C10−O−CH−CH(CH)−COO−C−、−C−O−CH−CH(CH)−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C−S−CH−CH(CH)−COO−CH−(OC0−10−、−C−NH−CH−CH(CH)−COO−CH−CHOH−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C−NH−C−CH−CH(CH)−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C1020−COO−CH−CH(CH)−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C−C(OCH)−O−CH−CH(CH)−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C−O−C10−O−CH−CH(CH)−COO−CH−CHOH−CH−(OC0−10−、−C−O−CO−C−NH−C−、−C−O−CO−C−N(CH)−C−、−C−O−CO−C−NH−C−、−C−O−CO−C−NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−CO−C−N(t−Bu)−CH−CHOH−CH−、−C−O−CO−C−N(C11)−CH−CHOH−CH−、−C−O−CO−C−NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−CO−C−NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−CO−CH(CH)CH−NH−C−、−C−O−CO−CH(CH)CH−N(CH)−C−、−C−O−CO−CH(CH)CH−NH−C−、−C−O−CO−CH(CH)CH−NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−CO−CH(CH)CH−N(t−Bu)−CH−CHOH−CH−、−C−O−CO−CH(CH)CH−N(C11)−CH−CHOH−CH−、−C−O−CO−CH(CH)CH−NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−CO−CH(CH)CH−NH−CH−CHOH−CH−、−C−O−C−SO−C−、−C−O−(C10−C−SO−C−、−C−O−C10−O−C−SO−C−、−C−C(OCH)−C−SO−C−、−C−S−C−SO−C−、−C−NH−C−SO−C−、−C−NH−C−C−NH−C−SO−C−、−C1020−COO−C−SO−C−、−C−O−C−SO−C−(OC0−10−、−C−O−(CO)10−C−SO−C−(OC0−10−、−C−O−C10−O−C−SO−C−(OC0−10−、−C−C−(OCH)−C−SO−C−(OC0−10−、−C−S−C−SO−C−(OC0−10−、−C−NH−C−SO−C−(OC0−10−、−C−NH−C−NH−C−SO−C−(OC0−10−、C1020−COO−C−SO−C−(OC0−10−であり、
場合によっては例えばイミノプロピル−、イミノエチルアミノプロピル−、オキシプロピル−、メルカプトプロピル−、O−カルボキシデシル−およびグリコシドオキシ−プロピル残基で置換されたトリアジニレン残基のような置換されたトリアジニレン残基および6−ONa−トリアジニル−2,4−エン残基であるが、好ましくはイミノプロピル−、イミノエチルアミノプロピル−、オキシプロピル−、メルカプトプロピル−およびO−カルボキシデシル残基で置換されたトリアジニレン残基である。
本発明による有機ケイ素化合物は、好ましくは少なくとも1,000g/mol、より好ましくは2,000から50,000g/モルの平均分子量Mを有する。
本発明による有機ケイ素化合物は、室温、したがって20℃では好ましくは液状、ワックス状または固体である。
本発明により製造されたオルガノシロキサンは、室温、したがって20℃では好ましくは200から100,000mm/s、より好ましくは500から20,000mm/sの粘度を有する。
本発明によるシクロデキストリン残基を含む有機ケイ素化合物がオルガノシロキサンである場合は、好ましくは式
3−fSiO(SiRO)(SiRAO)SiR3−f (III)
(式中、AおよびRは上記でそれらについて記載した意味を有しており、fは0もしくは1であり、gおよびhは個々に相互から独立して0もしくは1から500の整数であるが、ただし少なくとも1つの残基Aが各1つの分子を含有しており、gユニット(SiR0)およびhユニット(SiRAO)が分子内で任意に分布していてよいことを条件とする)のオルガノシロキサンである。
また別の例は、式(III)のオルガノポリシロキサン以外に適切な環状化合物並びに環状化合物および直鎖状化合物の混合物である。
本発明によるシクロデキストリン残基を含む有機ケイ素化合物の例は下記の通りである:
例I:
Figure 2005536653
例II:
Figure 2005536653
例III:
Figure 2005536653
例IV:
Figure 2005536653
例V:
Figure 2005536653
例VI:
Figure 2005536653
例VII:
Figure 2005536653
例VIII:
Figure 2005536653
例IX:
Figure 2005536653
例X:
Figure 2005536653
例XI:
Figure 2005536653
例XII:
Figure 2005536653
例XIII:
Figure 2005536653
例XIV:
Figure 2005536653
例XV:
Figure 2005536653
例XVI:
Figure 2005536653
例XVII:
Figure 2005536653
例XVIII:
Figure 2005536653
例XIX:
Figure 2005536653
例XX:
Figure 2005536653
例XXI:
Figure 2005536653
例XXII:
Figure 2005536653
例XXIII:
Figure 2005536653
例XXIV:
Figure 2005536653
例XXV:
Figure 2005536653
例XXVI:
Figure 2005536653
例XXVII:
Figure 2005536653
例XXVIII:
Figure 2005536653
例XXIX:
Figure 2005536653
例XXX:
Figure 2005536653
例XXXI:
Figure 2005536653
例XXXII:
Figure 2005536653
(式中、Meはメチル残基を表しており、Rは同一であっても異なっていてもよく、上記に記載した意味を有しており、xは0から10の間の整数であり、γは1から500の整数であり、そしてzは0から10の間の整数である。)
本発明によるシクロデキストリン残基を含む有機ケイ素化合物は、任意の方法によって、例えばa)縮合反応、b)、例えばモノクロロトリアジン官能性シクロデキストリン(誘導体)とヒドロキシ−、メルカプト−、アミノ−もしくはカルボキシル基を有する有機ケイ素化合物との求核置換反応、c)例えばアミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)とエポキシ官能性有機ケイ素化合物との、ないしエポキシ官能性シクロデキストリン(誘導体)とヒドロキシ−、メルカプト−もしくはアミノ官能性有機ケイ素化合物とのエポキシド環開環反応、またはd)例えばアミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)と(メタ)クリル官能性有機ケイ素化合物またはヒドロキシ−、メルカプト−もしくはアミノ官能性有機ケイ素化合物と(メタ)クリル酸−およびビニルスルホン酸(誘導体)−官能性シクロデキストリン(誘導体)とのマイケル反応様付加反応によって製造することができる。
本発明による有機ケイ素化合物は、反応物の官能基に依存して個々に様々な種類および法法で製造することができる。
本発明のまた別の対象は、本発明による有機ケイ素化合物を製造するための方法(方法1)であって、ハロゲントリアジン官能性シクロデキストリン(誘導体)を、アミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物と反応させることを特徴とする方法である。
本発明により使用される有機ケイ素化合物は、任意のアミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物であってよい。
本発明による方法1に使用される有機ケイ素化合物は、好ましくは式
SiO(4−a −b−c−d/2) (I)、
(式中、R、X、b、cおよびdはそれらについて上記に記載した意味の1つを有しており、Aは同一であっても異なっていてもよく、アミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を表しており、およびaは上記の意味の1つを有するが、ただしa+b+c+dの合計が≦3であり、そして有機ケイ素化合物が1分子当たり少なくとも1つの残基Aを有することを条件とする)のユニットからなる有機ケイ素化合物である。
残基Aは、好ましくはメルカプト−もしくはヒドロキシ基で置換された炭化水素残基および例えばメルカプトプロピル−およびヒドロキシプロピル残基のようなそれらの誘導体、アミノ基で置換された炭化水素残基および例えばアミノプロピル−、アミノプロピルアミノエチル残基およびシクロヘキシルアミノプロピル残基のようなそれらの誘導体、並びにカルボン酸基ないしはその誘導体で置換された炭化水素残基、例えば酢酸残基、酪酸残基、ウンデセン酸残基のようなアルカン酸残基、例えばコハク酸無水物残基のような酸無水物、および例えばウンデセンシリルエステル残基のようなエステルで置換された炭化水素残基であるが、より好ましくはアミノ基で置換された炭化水素残基および例えばアミノプロピル−、アミノプロピルアミノエチル残基およびシクロヘキシルアミノプロピル残基のようなそれらの誘導体である。
本発明により使用される式(I)のユニットからなる有機ケイ素化合物の好ましいおよびより好ましい種は、言うまでもなく既に上記で本発明による有機ケイ素化合物に関連して記載したような類似の構造である。
本発明により使用されるアミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物は、市販の製品であるか、ないしはケイ素化学において一般的な方法にしたがって製造可能である。
本発明により使用されるハロゲントリアジン官能性シクロデキストリン(誘導体)は、1つ以上の同一または異なる反応性ハロゲントリアジン基を有する任意のこれまでにも知られているシクロデキストリン(誘導体)である。
本発明により使用されるハロゲントリアジン官能性シクロデキストリン(誘導体)の例は、一般式
Figure 2005536653
(式中、
は同一であっても異なっていてもよく、上記でそれについて記載した意味の1つを有する、
YおよびZは同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子、残基−OR(Rは上記と同一の意味を有する)、−OHもしくは−ONaを表すが、ただし残基YもしくはZの少なくとも1つがハロゲン原子を表していなければならないことを条件とする)のシクロデキストリン(誘導体)である。
本発明により使用されるハロゲントリアジン官能性シクロデキストリン(誘導体)は、好ましくはハロゲントリアジン環の第4位および第6位にフルオロ−もしくはクロロ−置換基並びに多くても1つのOH−もしくはONa−基を有するシクロデキストリン(誘導体)である。より好ましくは、(4−クロロ−6−ONa−トリアジニル)−シクロデキストリン(誘導体)である。
本発明により使用されるハロゲントリアジン官能性シクロデキストリン(誘導体)は、市販の製品であるか、ないしは化学において一般的な方法にしたがって製造可能である。
本発明による方法1では、ハロゲントリアジン官能性シクロデキストリン(誘導体)は本発明により使用されるアミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物の総重量に個々に関連して、好ましくは0.1から90重量%、より好ましくは0.1から50重量%、最も好ましくは1から30重量%で使用されるが、このときシクロデキストリンのモル量は本発明により使用される有機ケイ素化合物内で上記に記載した官能基の最高95モル%に達してもよい。
本発明による方法1は、触媒反応を含めて、または含めずに実施できるが、好ましくは塩基性触媒反応を含める。
場合によっては使用される触媒としては、本発明により使用される有機ケイ素化合物の基Aの求核性を脱プロトン化によって上昇させるすべての知られている化合物が適合する。そのような触媒の例は、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、アルカリ水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物、アルカリアルコラートおよびアルカリアミドであり、好ましくはアルカリ水酸化物である。
本発明による方法1において触媒が使用される場合、その量は本発明により使用される式(I)のユニットからなる有機ケイ素化合物の1モルの反応性基Aに関連して好ましくは0.001から1モルである。
本発明のまた別の対象は、本発明による有機ケイ素化合物を製造するための方法(方法2)であって、エポキシ官能性シクロデキストリン(誘導体)を、アミノ−、メルカプト−、カルボキシ−、無水物−、ヒドロキシ−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物と反応させることを特徴とする方法である。
本発明により使用される有機ケイ素化合物は、任意のアミノ−、メルカプト−、カルボキシ−、無水物−、ヒドロキシ−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物であってよい。
本発明による方法2に使用される有機ケイ素化合物は、好ましくは式:
SiO(4−a −b−c−d/2) (I)、
(式中、
R、X、b、cおよびdはそれらについて上記に記載した意味を有しており、Aは同一であっても異なっていてもよく、アミノ−、メルカプト−、カルボキシ−、無水物−、ヒドロキシ−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を表しており、およびaは上記の意味の1つを有するが、ただしa+b+c+dの合計が≦4であり、そして有機ケイ素化合物が1分子当たり少なくとも1つの残基Aを有することを条件とする)のユニットからなる有機ケイ素化合物である。
残基Aは、好ましくはメルカプト−もしくはヒドロキシ基で置換された炭化水素残基および例えばメルカプトプロピル−およびヒドロキシプロピル残基のようなそれらの誘導体、アミノ基で置換された炭化水素残基および例えばアミノプロピル−、アミノプロピルアミノエチル残基およびシクロヘキシルアミノプロピル残基のようなそれらの誘導体、並びにカルボン酸基ないしはその誘導体で置換された炭化水素残基、例えば酢酸残基、酪酸残基、ウンデセン酸残基のようなアルカン酸残基、例えばコハク酸無水物残基のような酸無水物、および例えばウンデセンシリルエステル残基のようなエステルで置換された炭化水素残基であるが、より好ましくはアミノ基で置換された炭化水素残基および例えばアミノプロピル−、アミノプロピルアミノエチル残基およびシクロヘキシルアミノプロピル残基のようなそれらの誘導体である。
本発明により使用される式(I)のユニットからなる有機ケイ素化合物の好ましいおよびより好ましい種は、言うまでもなく既に上記で本発明による有機ケイ素化合物に関連して記載したような類似の構造である。
本発明により使用されるアミノ−、メルカプト−、カルボキシ−、無水物−、ヒドロキシ−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物は、市販の製品であるか、ないしはケイ素化学において一般的方法にしたがって製造可能である。
本発明により使用されるエポキシ官能性シクロデキストリン(誘導体)は、1つ以上の同一または異なるエポキシ官能基を有する任意のこれまでにも知られているシクロデキストリン(誘導体)であってよい。
本発明により使用されるエポキシ官能性シクロデキストリン(誘導体)の例は、グリコシドプロピル−シクロデキストリン、4,5−エポキシペンチル−シクロデキストリン、6,7−エポキシヘプチル−シクロデキストリンおよび8,10−エポキシウンデシル−シクロデキストリンであり、好ましくはグリコシドオキシプロピル−シクロデキストリンである。
本発明により使用されるエポキシ官能性シクロデキストリン(誘導体)は、市販の製品であるか、ないしは化学において一般的な方法にしたがって製造可能である。
本発明による方法2では、エポキシ官能性シクロデキストリン(誘導体)は本発明により使用されるアミノ−、メルカプト−、カルボキシ−、無水物−、ヒドロキシ−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物の総重量に個々に関連して、好ましくは0.1から90重量%、より好ましくは0.1から50重量%、最も好ましくは1から30重量%で使用されるが、このときシクロデキストリンのモル量は本発明により使用される有機ケイ素化合物内の上記に記載した官能基の最高95モル%に達してもよい。
本発明による方法2は、触媒反応を含めて、または含めずに実施できるが、好ましくは触媒反応を含める。
場合によっては使用される触媒としてはエポキシ環−開環反応を触媒するすべての知られている化合物が適合する。例えばリン酸、硫酸、塩酸、氷酢酸およびギ酸のようなブレンステッド酸、例えば過塩素酸リチウム、ホウフッ化亜鉛、塩化鉄(II)および塩化亜鉛(IV)のようなルイス酸、例えばナトリウムメチレートおよびアルカリアミドのようなブレンステッド塩基、並びに塩化アンモニウム、臭化テトラアルキルアンモニウムおよびヨウ化アルカリが適合する。
本発明による方法において触媒が使用される場合、その量は本発明により使用されるエポキシ官能性シクロデキストリン(誘導体)の1モルのエポキシ基に関連して好ましくは0.0001から1モル、より好ましくは0.001から0.5モルである。
本発明のまた別の対象は、本発明による有機ケイ素化合物を製造するための方法(方法3)であって、アミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)を、エポキシ官能性ポリシロキサンと反応させることを特徴とする方法である。
本発明により使用される有機ケイ素化合物は、任意のエポキシ基を有する有機ケイ素化合物であってよい。
本発明による方法3に使用される有機ケイ素化合物は、好ましくは式:
SiO(4−a −b−c−d/2) (I)、
(式中、
R、X、b、cおよびdはそれらについて上記に記載した意味を有しており、Aはエポキシ官能残基を表しており、aは上記に記載した意味の1つを有するが、ただしa+b+c+dの合計が≦4であり、有機ケイ素化合物が1分子当たり少なくとも1つの残基Aを有することを条件とする)のユニットからなる有機ケイ素化合物である。
残基Aは、好ましくは1から18個の炭素原子を備えるエポキシ官能残基であり、より好ましくは3−グリシドキシプロピル残基である。
本発明により使用される式(I)のユニットからなる有機ケイ素化合物の好ましいおよびより好ましい種は、言うまでもなく既に上記で本発明による有機ケイ素化合物に関連して記載したような類似の構造である。
本発明により使用されるエポキシ官能性有機ケイ素化合物は、市販の製品であるか、ないしはケイ素化学において一般的な方法にしたがって製造可能である。
本発明により使用されるアミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)は、1つ以上の同一もしくは異なるアミノ基およびそれらの誘導体で置換された炭化水素残基、例えばβ−アミノ−エチル−、β−(N−メチル)アミノエチル−、β−(N−エチル)アミノエチル−、γ−アミノプロピル−、γ−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−、γ−(N−メチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−、γ−(N−エチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−、γ−(N−tert−ブチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−、γ−(N−シクロヘキシル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−(γ−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ−)プロピル−および3−{γ−(N−エチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ−}プロピル残基を含む、任意のこれまでにも知られているシクロデキストリン(誘導体)であってよい。
本発明により使用されるシクロデキストリン(誘導体)を有するアミノ基およびそれらの誘導体で置換された炭化水素残基は、好ましくはβ−アミノエチル−、β−(N−メチル)アミノエチル−、γ−アミノプロピル−、γ−(N−tert−ブチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−およびγ−(N−シクロヘキシル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル残基である。
本発明により使用されるアミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)は、市販の製品であるか、ないしは化学において一般的な方法にしたがって製造可能である。
本発明による方法3では、アミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)は本発明により使用されるエポキシ基を有する有機ケイ素化合物の総重量に個々に関連して、好ましくは0.1から90重量%、より好ましくは0.1から50重量%、最も好ましくは1から30重量%で使用されるが、このときシクロデキストリンのモル量は本発明により使用される有機ケイ素化合物内のエポキシ官能基の最高95モル%に達してもよい。
本発明による方法3は、触媒反応を含めて、または含めずに実施できるが、好ましくは触媒反応を含める。
触媒としてはエポキシ環−開環反応を触媒する、例えばリン酸、硫酸、塩酸、氷酢酸およびギ酸のようなブレンステッド酸、例えば過塩素酸リチウム、ホウフッ化亜鉛、塩化鉄(II)および塩化亜鉛(IV)のようなルイス酸、例えばナトリウムメチレートおよびアルカリアミドのようなブレンステッド塩基、並びに塩化アンモニウム、臭化テトラアルキルアンモニウムおよびヨウ化アルカリのようなすべての知られている化合物が適合する。
本発明による方法3において触媒が使用される場合は、その量は本発明により使用されるオルガノポリシロキサンの1モルのエポキシ基に関連して、好ましくは0.0001から1モル、より好ましくは0.001から0.5モルである。
本発明のまた別の対象は、本発明による有機ケイ素化合物を製造するための方法(方法4)であって、ビニルスルホニル官能性シクロデキストリン(誘導体)、または、ビニルスルホニル誘導体−官能基、例えば2−スルホオキシエチル−スルホニル−および2−クロロエチル−スルホニル基を有するシクロデキストリン(誘導体)を、アミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物と反応させることを特徴とする方法である。
本発明により使用される有機ケイ素化合物は、任意のアミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物であってよい。
本発明による方法4に使用される有機ケイ素化合物は、好ましくは式
SiO(4−a −b−c−d/2) (I)、
(式中、
R、X、b、cおよびdはそれらについて上記に記載した意味を有しており、Aは同一であっても異なっていてもよく、アミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン残基を表しており、およびaは上記の意味の1つを有するが、ただしa+b+c+dの合計が≦4であり、そして有機ケイ素化合物が1分子当たり少なくとも1つの残基Aを有することを条件とする)のユニットからなる有機ケイ素化合物である。
残基Aは、好ましくはメルカプト−もしくはヒドロキシ基で置換された炭化水素残基および例えばメルカプトプロピル−およびヒドロキシプロピル残基のようなそれらの誘導体、アミノ基で置換された炭化水素残基および例えばアミノプロピル−、アミノプロピルアミノエチル残基およびシクロヘキシルアミノプロピル残基のようなそれらの誘導体、並びにカルボン酸基ないしはその誘導体で置換された炭化水素残基、例えば酢酸残基、酪酸残基、ウンデセン酸残基のようなアルカン酸残基、例えばコハク酸無水物残基のような酸無水物、および例えばウンデセンシリルエステル残基のようなエステルで置換された炭化水素残基であるが、より好ましくはアミノ基で置換された炭化水素残基および例えばアミノプロピル−、アミノプロピルアミノエチル残基およびシクロヘキシルアミノプロピル残基のようなそれらの誘導体である。
本発明により使用される式(I)のユニットからなる有機ケイ素化合物の好ましいおよびより好ましい種は、言うまでもなく既に上記で本発明による有機ケイ素化合物に関連して記載したような類似の構造である。
本発明により使用されるアミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物は、市販の製品であるか、ないしはケイ素化学において一般的方法にしたがって製造可能である。
本発明により使用されるビニルスルホニル官能性シクロデキストリン(誘導体)ないしは例えば2−スルホオキシエチル−スルホニル−および2−クロロエチル−スルホニル基のようなビニルスルホニル誘導体官能基を使用できるシクロデキストリン(誘導体)は、任意のこれまでにも知られている1つ以上の同一もしくは異なる反応性ビニルスルホニル基もしくはビニルスルホニル基−誘導体、例えば2−スルホオキシエチル−スルホニル−および2−クロロエチルスルホニル基を有するシクロデキストリン(誘導体)であってよい。
本発明により使用されるビニルスルホニル官能性ないしは2−スルホオキシエチル−スルホニル−もしくは2−クロロエチル−スルホニル−官能性シクロデキストリン(誘導体)の例は、一般式:
Figure 2005536653
又は
Figure 2005536653
(式中、
は同一であっても異なっていてもよく、それについて上記に記載した意味の1つを有する、
は同一であっても異なっていてもよく、水素原子またはRについて上記に記載した意味の1つを有する、
Eは−CH=CH、−C−OSOHもしくは−C−Clである、
i、jおよびkは同一であっても異なっていてもよく、0もしくは1から100の整数、好ましくは0もしくは1から20の整数を表す、および
lは0もしくは1から35の整数、好ましくは0もしくは1から12の整数である)のシクロデキストリン(誘導体)である。
本発明により使用されるビニルスルスホニル官能性ないしは2−スルホオキシエチル−スルホニル−または2−クロロエチル−スルホニル−官能性シクロデキストリン(誘導体)は、好ましくは3−(ビニルスルスホニル)−プロピルオキシ−シクロデキストリン、ビニルスルホノイル−シクロデキストリン、(2−スルホオキシエチル)スルホノイル−シクロデキストリン、(2−クロロエチル)スルホノイル−シクロデキストリン、ρ−ビニルスルスホニル−フェノキシ−シクロデキストリンおよびρ−(2−スルホオキシエチル)スルホニル−フェノキシ−シクロデキストリン、並びにポリエーテル基のω−位にビニル−スルホノイル−、(2−スルホオキシエチル)−スルホノイル−もしくは(2−クロロエチル)スルホノイル−基を有するポリプロポキシル化シクロデキストリンである。
本発明により使用されるビニルスルホニル官能性ないし2−スルホオキシエチル−スルホニル−もしくは2−クロロエチル−スルホニル−官能性シクロデキストリン(誘導体)は、市販の製品であるか、ないしは化学において一般的な方法にしたがって製造可能である。
本発明による方法4では、本発明により使用されるビニルスルスホニル官能性ないしは2−スルホオキシエチル−スルホニル−もしくは2−クロロエチル−スルホニル−官能性シクロデキストリン(誘導体)は本発明により使用されるアミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物の総重量に個々に関連して、好ましくは0、1から90重量%、より好ましくは1から50重量%、最も好ましくは1から30重量%で使用されるが、このときシクロデキストリンのモル量は本発明により使用される有機ケイ素化合物内のエポキシ官能基の最高95モル%に達してもよい。
本発明による方法4は、触媒反応を含めて、または含めずに実施できるが、触媒としてはマイケル反応様付加反応を触媒するすべての知られている化合物を使用できる。
本発明による方法4は、好ましくは触媒反応を含めて、より好ましくは塩基性触媒反応を含めて実施できる。
酸性触媒反応のためには、例えばリン酸、硫酸、塩酸、酢酸、プロピオン酸およびギ酸のようなブレンステッド酸もしくはそれらの水溶液並びに過塩素酸リチウム、ホウフッ化亜鉛、塩化鉄(II)および塩化亜鉛(IV)のようなルイス酸を使用できる。
塩基性触媒としては、本発明により使用される有機ケイ素化合物の基Aの求核性を脱プロトン化によって上昇させる、例えば水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、アルカリ水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物、アルカリアルコラートおよびアルカリアミドのようなすべての知られている化合物が適合するが、アルカリ水酸化物が好ましい。
本発明による方法4において触媒が使用される場合は、その量は本発明により使用される有機ケイ素化合物の1モルの反応性基Aに関連して好ましくは0.001から1モルである。
本発明のまた別の対象は、本発明による有機ケイ素化合物を製造するための方法(方法5)であって、アクリル−もしくはメタクリル官能性シクロデキストリン(誘導体)を、アミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有するオルガノポリシロキサンと反応させることを特徴とする方法である。
本発明により使用される有機ケイ素化合物は、任意のアミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物であってよい。
本発明による方法5に使用される有機ケイ素化合物は、好ましくは式:
SiO(4−a −b−c−d/2) (I)、
(式中、
R、X、b、cおよびdはそれらについて上記に記載した意味を有しており、Aは同一であっても異なっていてもよく、アミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン残基を表しており、およびaは上記の意味の1つを有するが、ただしa+b+c+dの合計が≦4であり、そして有機ケイ素化合物が1分子当たり少なくとも1つの残基Aを有することを条件とする)のユニットからなる有機ケイ素化合物である。
残基Aは、好ましくはメルカプト−もしくはヒドロキシ基で置換された炭化水素残基および例えばメルカプトプロピル−およびヒドロキシプロピル残基のようなそれらの誘導体、アミノ基で置換された炭化水素残基および例えばアミノプロピル−、アミノプロピルアミノエチル残基およびシクロヘキシルアミノプロピル残基のようなそれらの誘導体、並びにカルボン酸基ないしはその誘導体で置換された炭化水素残基、例えば酢酸残基、酪酸残基、ウンデセン酸残基のようなアルカン酸残基、例えばコハク酸無水物残基のような酸無水物、および例えばウンデセンシリルエステル残基のようなエステルで置換された炭化水素残基であるが、より好ましくはアミノ基で置換された炭化水素残基および例えばアミノプロピル−、アミノプロピルアミノエチル残基およびシクロヘキシルアミノプロピル残基のようなそれらの誘導体である。
本発明により使用される式(I)のユニットからなる有機ケイ素化合物の好ましいおよびより好ましい種は、言うまでもなく既に上記で本発明による有機ケイ素化合物に関連して記載したような類似の構造である。
本発明により使用されるアミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物は、市販の製品であるか、ないしはケイ素化学において一般的方法にしたがって製造可能である。
本発明により使用されるアクリル−もしくはメタクリル官能性シクロデキストリン(誘導体)は、1つ以上の同一または異なる反応性アクリル−もしくはメタクリル基を有する任意のこれまでにも知られているシクロデキストリン(誘導体)である。
本発明により使用されるアクリル−もしくはメタクリル官能性シクロデキストリン(誘導体)についての例は、一般式:
Figure 2005536653
(式中、
CDは上記でそれについて記載した意味を有する、
mおよびnは同一であっても異なっていてもよく、0から100の整数、好ましくは0から10の整数を表す、および
oは1から35の整数、好ましくは1から12の整数である)のシクロデキストリン(誘導体)である。
本発明により使用されるアクリル−もしくはメタクリル官能性シクロデキストリン(誘導体)は、好ましくはアクリロイル−シクロデキストリン、2−(アクリルアミド)エチルオキシ−シクロデキストリンおよび3−(アクリルアミド)プロピルオキシ−シクロデキストリン並びに2−ヒドロキシ−3−メタクリロイル−オキシプロピル−シクロデキストリンである。
本発明による方法5では、アクリル−もしくはメタクリル官能性シクロデキストリン(誘導体)は本発明により使用されるアミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物の総重量に個々に関連して、好ましくは0.1から90重量%、より好ましくは1から50重量%、最も好ましくは1から30重量%で使用されるが、このときシクロデキストリンのモル量は本発明により使用される有機ケイ素化合物内のエポキシ官能基の最高95モル%に達してもよい。
本発明により使用されるアクリル−もしくはメタクリル官能性シクロデキストリン(誘導体)は、市販の製品であるか、ないしは化学において一般的な方法にしたがって製造可能である。
本発明による方法5は触媒反応を含めて、または含めずに実施できるが、触媒としてはマイケル反応様付加反応を触媒する、例えばリン酸、硫酸、塩酸、氷酢酸、プロピオン酸およびギ酸のようなブレンステッド酸もしくはそれらの水溶液、例えば過塩素酸リチウム、ホウフッ化亜鉛、塩化鉄(II)および塩化亜鉛(IV)のようなルイス酸、並びに例えば水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、アルカリ水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物のようなブレンステッド塩基のようなすべての知られている化合物が適合する。
本発明による方法5は、好ましくは触媒反応を含めて実施されるが、このとき触媒は本発明により使用されるアクリル−もしくはメタクリル官能性シクロデキストリン(誘導体)の二重結合の各1モル当たり好ましくは0.001から1モルの量で使用される。
本発明のまた別の対象は、本発明による有機ケイ素化合物を製造するための方法(方法6)であって、アミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)をアクリル−もしくはメタクリル基を有する有機ケイ素化合物と反応させることを特徴とする方法である。
本発明により使用される有機ケイ素化合物は、任意のアクリル−もしくはメタクリル基を有する有機ケイ素化合物であってよい。
本発明による方法6に使用される有機ケイ素化合物は、好ましくは式:
SiO(4−a −b−c−d/2) (I)、
(式中、
R、X、b、cおよびdはそれらについて上記に記載した意味を有しており、Aはアクリル−もしくはメタクリル官能残基を表しており、およびaは上記に記載した意味の1つを有するが、ただしa+b+c+dの合計が≦4であり、有機ケイ素化合物が1分子当たり少なくとも1つの残基Aを有することを条件とする)のユニットからなる有機ケイ素化合物である。
残基Aの例は、3−アクリロキシ−プロピル−および3−メタクリロキシプロピル残基である。
本発明により使用される式(I)のユニットからなる有機ケイ素化合物の好ましいおよびより好ましい種は、言うまでもなく既に上記で本発明による有機ケイ素化合物に関連して記載したような類似の構造である。
本発明により使用されるアクリル−もしくはメタクリル官能性有機ケイ素化合物は、市販の製品であるか、ないしはケイ素化学において一般的な方法にしたがって製造可能である。
本発明により使用されるアミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)は、1つ以上の同一もしくは異なるアミノ基およびそれらの誘導体で置換された炭化水素残基、例えばβ−アミノ−エチル−、β−(N−メチル)アミノエチル−、β−(N−エチル)アミノエチル−、γ−アミノプロピル−、γ−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−、γ−(N−メチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−、γ−(N−エチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−、γ−(N−tert−ブチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−、γ−(N−シクロヘキシル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−(γ−アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−)プロピル−および3−{γ−(N−エチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−}プロピル残基を含む、任意のこれまでにも知られているシクロデキストリン(誘導体)であってよい。
アミノ基およびそれらの誘導体で置換された炭化水素残基は、好ましくはβ−アミノエチル−、β−(N−メチル)アミノエチル−、γ−アミノプロピル−、γ−(N−tert−ブチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−およびγ−(N−シクロヘキシル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル残基である。
本発明による方法6では、アミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)は本発明により使用されるエポキシ基を有する有機ケイ素化合物の総重量に個々に関連して、好ましくは0.1から90重量%、より好ましくは0.1から50重量%、最も好ましくは1から30重量%で使用されるが、このときシクロデキストリンのモル量は本発明により使用される有機ケイ素化合物内のアクリル−もしくはメタクリル官能基の最高95モル%に達してもよい。
本発明により使用されるアミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)は、市販の製品であるか、ないしは化学において一般的な方法にしたがって製造可能である。
本発明による方法6は触媒反応を含めて、または含めずに実施できるが、このとき触媒としてはマイケル反応様付加反応を触媒する、例えばリン酸、硫酸、塩酸、氷酢酸、プロピオン酸およびギ酸のようなブレンステッド酸もしくはそれらの水溶液、例えば過塩素酸リチウム、ホウフッ化亜鉛、塩化鉄(II)および塩化亜鉛(IV)のようなルイス酸、並びに例えば水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、アルカリ水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物のようなブレンステッド塩基のようなすべての知られている化合物が適合する。
本発明による方法6は、好ましくは触媒反応を含めて実施されるが、触媒は本発明により使用されるアクリル−もしくはメタクリル官能性シクロデキストリン(誘導体)の二重結合の各1モル当たり好ましくは0.001から1モルの量で使用される。
本明細書に記載した本発明によるすべての方法の長所は、相互とは無関係に、それらが高度の柔軟性で容易に実施できること、そしてシラン、すなわちa+b+c+d=4を備える式(I)の化合物上でも、ポリシロキサン、すなわちa+b+c+d≦3を備える式(I)のユニットを含有する化合物上でも使用できることにある。
その他に、本発明による方法は、シクロデキストリン含量並びにポリマー構造およびポリマー鎖長ないしはシラン構造の修飾によって、本発明による有機ケイ素化合物の、例えば直接性、親水性、疎水性、自己乳化能のような特性を単純な方法で完全に目的に合わせて個々に調節できるという長所を有する。
本発明による方法1から6は、相互から独立して個々にバッチ方式で、半連続的に、もしくは完全連続的に実施することができる。
本発明による方法1から6では、反応は好ましくは1相もしくは2相反応として実施される。以下では、本発明によるすべての方法を同様に使用することができる3種の可能な変形態様について記載する:
− 高度の剪断力を発生させる装置を使用して反応混合物を同時に均質化させながら反応させるために必要なエネルギーを機械的に取り込む2相反応(変形態様A)、
− 分散液の反応による2相反応(変形態様B)、または
− 反応物に対して不活性の非プロトン性溶媒を使用する1相反応(変形態様C)。
機械的エネルギー取り込みを含む2相反応(変形態様A)
1もしくは2種の反応物に対して不混和性溶媒を使用する変形態様Aにしたがって本発明による有機ケイ素化合物を用いたシクロデキストリン(誘導体)の反応が行われ、触媒を含める、もしくは含めない方法に個々にしたがった適切な混合方法を用いて2相が発生する。
本発明により使用されるシクロデキストリン(誘導体)のために適合する溶媒は、シクロデキストリン(誘導体)の反応性基に対して不活性である、例えば有機非プロトン性溶媒、水、電解質水溶液、アルカリ水溶液、酸水溶液または上記に記載の非プロトン性有機溶媒と水性系との有機混合物水溶液である。好ましい有機非プロトン性溶媒はジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドである。好ましい水性系は、酸水溶液およびアルカリ水溶液である。
本発明により使用されるシクロデキストリン(誘導体)中で溶解される溶媒は、好ましくは水性系であり、より好ましくは1から50重量%の水溶液である。
本発明により使用される有機ケイ素化合物のために適合する溶媒は、反応物の反応性基に対して不活性である溶媒であり、例えば本発明により使用されるシクロデキストリン(誘導体)の溶媒または溶媒混合液と不混和性である有機非プロトン性溶媒、例えばトルオール、ヘキサン、シクロデキストリンもしくはダイマー、オリゴマーもしくはポリマーのシロキサン、特に例えばヘキサメチルジシロキサンもしくはオクタメチルシクロテトラシロキサンである。
本発明の範囲内では、溶媒の不混和性という概念は25℃および周囲大気圧下での最高1重量%までの混和性であると理解されたい。
本発明による変形態様Aにしたがった反応は、好ましくは0から200℃、より好ましくは50から150℃、最も好ましくは70から10℃で、そして好ましくは周囲大気圧下、したがって900から1100hPaの圧力下で実施される。反応時間は、好ましくは5分間から2時間、より好ましくは5から45分間である。
本発明による変形態様Aにしたがった反応によると、2種の非混和性の相を可能な限り均質化し、したがって大きな内側の反応面を作り出す、すべての知られている連続的混合方法も使用することができる。相を分散させるために適合する方法は、あらゆる種類の攪拌装置、好ましくは超音波ゾンデもしくは超音波浴および高速攪拌装置であり、より好ましくは例えばUltra−Turrax(Janke & Kunnel, IKA Labortechnik Ultra−Turrax T50, 1100W, 10,000 U/min)または非中心性溶解システム(Molteni, Labmax, 6,000U/min)のような高速攪拌装置である。
本発明による変形態様Aにしたがった方法には、本発明により入手されたシクロデキストリンを含有する有機ケイ素化合物をもはやそれ以上精製する必要がないという長所がある。その他に、変形態様Aにしたがった方法には、例えば第一級アルコールのような溶解媒介剤なしで、および例えば界面活性剤のような表面活性化物質なしで実施できるという長所がある。
分散液の反応による2相反応(変形態様B)
本発明による有機ケイ素化合物に対する出発化合物の本発明による反応は、例えばマイクロエマルジョンもしくはマクロエマルジョンのような分散も実施できるが、本発明により使用される有機ケイ素化合物は水性染液中の分散液であり、例えば適切な乳化剤によるような知られている種類および方法によって安定化される。
本発明により使用されるシクロデキストリン(誘導体)は適切な溶媒中に、好ましくは水もしくは希釈電解質水溶液中に溶解させられ、分散液に添加される、または分散液から取り出される。変形態様Bにしたがった反応は、任意選択で触媒を含める、または含めない方法に個々にしたがって同様に推移する。
本発明による変形態様Bにしたがった反応は、好ましくは0から100℃、より好ましくは10から50℃、最も好ましくは20から35℃で、そして好ましくは周囲大気圧下、したがって900から1,100hPaの圧力下で実施される。反応時間は好ましくは1から200時間であるが、このとき分散液を個々に混合することができる。
本発明により使用される有機ケイ素化合物を含有する分散液は、任意のこれまでに知られている種類および方法により製造することができる。このとき例えば、これまでにも分散液を製造するために使用されている、例えば非イオン性、アニオン性、カチオン性もしくは両性乳化剤のようなすべての乳化剤を使用することができる。本発明により使用される分散液は、好ましくは1から50重量%の有機ケイ素化合物の一部分を有する。
本発明による変形態様Bにしたがった方法には、本発明により入手されたシクロデキストリンを含有する有機ケイ素化合物は反応の終了後には乳化剤の形状で直接的に沈積し、使用目的に従って個々に乳化剤として直接的に適用することができるという長所がある。
だが反応の終了後には本発明による有機ケイ素化合物を含有する分散液の精製が所望である場合は、それ自体は知られている方法によって、例えば濃縮電解質溶液を用いての分散液の破壊または例えばアセトンのような水溶性極性溶媒の添加によって行うことができる。次に好ましくは油相が分離され、引き続いて例えば20重量%の塩化ナトリウム溶液のような濃縮電解質液との複数回の振とうによって精製される。このようにして入手した本発明による有機ケイ素化合物は好ましくは次に乾燥される。
1相反応(変形態様C)
本発明による有機ケイ素化合物にとっての出発化合物の本発明による反応は、均質にさせることもできる。本発明にしたがって使用されるシクロデキストリン(誘導体)は、共通して反応物に対して不活性で非プロトン性有機溶媒または有機溶媒水溶液混合物中、好ましくはジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドもしくはヘキサメチルリン酸トリアミド中、より好ましくはジメチルスルホキシド中に溶解させられる。変形態様Cにしたがった反応は、任意選択で触媒を含める、または含めない方法に個々にしたがって同様に推移する。
本発明による変形態様Cにしたがった反応は、好ましくは0から100℃、より好ましくは60から80℃で、そして好ましくは周囲大気圧下、したがって900から1,100hPaの圧力下で実施される。反応時間は、好ましくは15分間から5時間である。
本発明による有機ケイ素化合物は、次に例えば溶媒または溶媒混合液の単純な蒸留によって単離することができる。
本発明による変形態様Cにしたがった反応には、単純な装置を使用する単純な種類および方法で実施することができ、本発明による有機ケイ素化合物を純粋な形状で入手できるという長所がある。
本発明による変形態様A、BもしくはCにしたがって実施されるすべての方法には、それらが極めて単純に実施することができ、および本発明による有機ケイ素化合物を再生可能で、好ましくは90から99%の極めて高い収率で製造できるという長所がある。
本発明による有機ケイ素化合物は、好ましくは変形態様AもしくはBにしたがって、場合によっては個々に平衡化ステップと組み合わせて実施される。
所望である場合は、本発明による方法にしたがって入手されるシクロデキストリン残基を含有する有機ケイ素化合物は、好ましくは直鎖状の末端にあるトリオルガノシロキシ基を有するオルガノポリシロキサン、直鎖状の末端にあるヒドロキシル基を有するオルガノポリシロキサン、環状のオルガノポリシロキサン並びにジオルガノシロキサン−およびモノオルガノシロキサンユニットからの混合重合体からなる群から選択されたオルガノポリシロキサンを用いて平衡化することができ、それによって例えば所望の分子量の調節並びに分子中のシクロデキストリン基の適切な分布および場合によってはまた別の官能基の導入が可能になる。
直鎖状の末端にあるトリオルガノシロキシ基を有するオルガノポリシロキサンとして、好ましくは式:
SiO(SiR O)SiR (IV)、
のオルガノポリシロキサン、直鎖状の末端にあるヒドロキシル基を有するオルガノポリシロキサンとして、式:
HO(SiR O)H (V)、
のオルガノポリシロキサン、環状オルガノポリシロキサンとしての式:
(SiR O)H (VI)、
および混合重合物としての式:
SiO1/2、R SiOおよびRSiO3/2
のユニットからのオルガノポリシロキサンが使用される(上記の式中、
は同一であっても異なっていてもよく、Rについて上記に記載した意味の1つを有する、
pは0もしくは1から1,500の整数である、
qは0もしくは1から1,500の整数である、および
rは3から12の整数である)。
場合によっては実施される平衡化において使用されるオルガノポリシロキサンおよび本発明により製造された有機ケイ素化合物の量の比率は、場合によっては実施される平衡化において発生する有機ケイ素化合物中のシクロデキストリン基の所望の比率および所望の平均鎖長だけによって決定される。
場合によっては実施される平衡化では、好ましくは平衡化を促進する塩基性触媒が使用される。
そのような触媒の例は、例えば含量が5から20重量%のNaOHもしくはKOHを含むメタノール溶液中の水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、アルカリ水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物、並びにシラノレートである。この場合に好ましいのは、使用される有機ケイ素化合物の総重量に関連して、好ましくは50から10,000重量ppm(百万分の1)、より好ましくは500から2,000重量ppmの量で使用されるアルカリ水酸化物である。本発明による平衡化において入手された混合物を精製する前に、触媒は無効にすることができる。
場合によっては実施される平衡化は、好ましくは50から150℃、より好ましくは70から120℃で、そして好ましくは周囲大気圧下、したがって900から1,100hPaの圧力下で実施される。平衡化は、これより高いもしくは低い圧下でも実施することができる。
平衡化は、所望である場合は、水と混合できない例えばトルオールのような溶媒中で実施できるが、これは好ましくはない。だがこのような有機溶媒が使用される場合は、使用される有機ケイ素化合物の総重量に関連して5から20重量%の含量が好ましい。
本発明による有機ケイ素化合物ないしは本発明により製造された有機ケイ素化合物には、この他にそれらが安定性である、つまり室温および周囲大気圧下で少なくとも1年間は保存安定性であるという長所がある。
本発明のまた別の長所は、本発明による、ないしは本発明により製造された有機ケイ素化合物を物質中、溶液中もしくはエマルジョンおよび分散液の形状で使用できることにある。
本発明による有機ケイ素化合物ないしは本発明により製造された有機ケイ素化合物は、これまでにもシクロデキストリン(誘導体)ないし有機ケイ素化合物のために使用されている多数の目的のために使用できる。その長所は、本発明による有機ケイ素化合物ないしは本発明により製造された有機ケイ素化合物が、シクロデキストリンの特性を例えばシリコーンのような有機ケイ素化合物の特性と一体化することにある。したがって本発明による有機ケイ素化合物は、例えば親水性、いわゆるホスト−ゲスト作用のようなシクロデキストリンの特性と組み合わせて例えば疎水性化、汚れ除去、保護、ソフトな手触りのようなシリコーンの特性が同時に促進されるあらゆるところで使用できる。
本発明による有機ケイ素化合物ないしは本発明により製造された有機ケイ素化合物は、有効成分担体として、臭気吸収剤もしくは芳香物質として、繊維柔軟剤として、相メディエーターとして、消泡剤として、化粧品もしくはシャンプー剤への添加物として、例えば自動車用エナメル剤のようなエナメル手入れ剤において、硬質表面を改質するために、および自己硬化性充填剤およびシーリング剤中の添加物として使用できる。
本発明による有機ケイ素化合物ないしは本発明により製造された有機ケイ素化合物は、有機繊維、好ましくは織物材料および比較の仕上げのために特に適合する。
本発明のまた別の対象は、有機繊維を処理するための方法であって、本発明による有機ケイ素化合物ないしは本発明により製造された有機ケイ素化合物を、処理すべき繊維ないしはテキスタイル平面構成物上に施与することを特徴とする方法である。
これは、例えばスプレー法、しかし好ましくは水性系からのフーラード塗布法によって行うことができる。このためには、本発明による有機ケイ素化合物ないしは本発明により製造されたシクロデキストリン残基を含む有機ケイ素化合物のエマルジョンが繊維状の表面形状、例えば布地、メリヤス、もしくはいわゆる不織布上、またはファイバーケーブル上に塗布される。スプレー工程では、これはスプレーヘッド、スプレーバーまたは例えば繊維工業で知られているWeko機械のような円板型スプレー装置を用いて行うことができる。
いわゆるフーラード塗布法では、繊維基質は浸漬浴に導入され、引き続いてローラー対を用いて定義された染液吸収率で圧搾される。処理染液の濃縮および染液吸収率によって、繊維基質への本発明によるシクロデキストリン残基を含む有機ケイ素化合物の負荷を制御することができる。
本発明によるシクロデキストリン基を有する有機ケイ素化合物の繊維製品への導入が芳香物質を永久的に塗布するという目的を有する場合、シクロデキストリンへの芳香物質の負荷は、以下の実施例において説明するように、シクロデキストリン基を有する有機ケイ素化合物を製造するための一連の本発明による方法で実施することができる。本発明により仕上げたセルロース性基質からの繊維製品は、有益にも心地よい繊維製品の手触りを示し、香料および芳香物質を長期間にわたり貯蔵してこれを体温および水分が作用した後に初めて緩徐かつ適切に放出することができる。負荷されていないシクロデキストリンを適用した場合、ないしは芳香物質の放出後には、このように仕上げられた物質は臭気を吸収する、したがって清涼化作用を引き起こすことができる。芳香物質の代わりに、当然ながら例えば殺虫剤、除草剤、医学的もしくは生物学的に有効な物質のような他の作用物質を知られている方法でゲスト分子としてシクロデキストリン内に包埋することができる。
本発明による有機繊維を処理するための方法には、本発明による有機ケイ素化合物ないしは本発明により製造された有機ケイ素化合物によって処理された有機繊維が心地よいソフトな手触りを有するという長所がある。
本発明による有機ケイ素化合物ないしは本発明により製造された有機ケイ素化合物には、その他にそれらを例えばエマルジョンからの水性媒体中で直接に適用できるという長所がある。
本発明による有機繊維を処理するための方法には、シクロデキストリン残基を含む有機ケイ素化合物が一連のインサイチューで相互に反応する抽出物からの直接の本発明による方法の変形態様Bにしたがった繊維製品仕上げを実施できることにある。
本発明のまた別の対象は、以下
(A)オルガニルオキシ基並びにヒドロキシ残基から選択される少なくとも2つの加水分解可能ないしは縮合可能な残基を備えるオルガノポリシロキサンと、
(B)オルガニルオキシ基並びにヒドロキシ残基、および/またはそれらの部分加水分解物ないしはそれらの部分縮合物から選択される少なくとも2つの加水分解可能ないしは縮合可能な残基を備えるシクロデキストリン基を有する有機ケイ素化合物、場合によっては
(C)少なくとも2つのSi−結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、オルガニルオキシ基並びにヒドロキシ残基から選択される少なくとも2つの加水分解可能ないしは縮合可能な残基を備えるアミノ基を有する有機ケイ素化合物とから選択される架橋剤、および場合によっては
(D)縮合触媒
を含有する有機ケイ素化合物をベースとする架橋性材料である。
本発明による材料で使用される成分(A)は、これまでに架橋性材料においても使用されていた任意のオルガノポリシロキサンであってよい。
本発明により使用されるオルガノポリシロキサン(A)は、好ましくは一般式
(R3'O)3−e'4' e'SiO−[R4' SiO]f'−SiR4' e'(OR3'3−e' (I’)、
(式中、
e’は0、1もしくは2である、
4'は、同一または異なっている、ハロゲン原子、アミノ基、エーテル基、エステル基、エポキシ基、シアノ基もしくは(ポリ)グリコール残基で置換されていてよいSiC−結合炭化水素残基を表しており、後者はオキシエチレン−および/またはオキシプロピレンユニットから構成されている、および
3'は同一であっても異なっていてもよく、水素原子またはR4'について上記に記載した意味の1つを有する、
F’は10から100000、好ましくは20から20000、より好ましくは30から2000の整数であるが、ただしe’はR3'が水素原子である場合にのみ数値2を有していてよいことを条件とする)のオルガノポリシロキサンであってよい。
残基R4'の例は、アルキル残基、例えばメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソ−プロピル−、1−n−ブチル−、2−n−ブチル−、イソ−ブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、イソ−ペンチル−、ネオ−ペンチル−、tert−ペンチル残基;ヘキシル残基、例えばn−ヘキシル残基;ヘプチル残基、例えばn−ヘプチル残基;オクチル残基、例えばn−オクチル残基およびイソ−オクチル残基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル残基;ノニル残基、例えばn−ノニル残基;デシル残基、例えばn−デシル残基;ドデシル残基、例えばn−ドデシル残基;オクタデシル残基、例えばn−オクタデシル残基;シクロアルキル残基、例えばシクロペンチル−、シクロヘキシル−、シクロヘプチル残基およびメチルシクロヘキシル残基;アルケニル残基、例えばビニル−、1−プロペニル−および2−プロペニル残基;アリール残基、例えばフェニル−、ナフチル−、アントリル−およびフェナントリル残基;アルカリル残基、例えばo−、m−、p−トリール残基;キシリル残基およびエチルフェニル残基;並びにアラルキル残基、例えばベンジル残基、α−およびβ−フェニルエチル残基である。
置換された残基R4'の例は、ハロゲンアルキル残基、例えば3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル残基、2,2,2,2,2’,2’−ヘキサフルオロ−イソプロピル残基、ヘプタフルオロイソプロピル残基およびハロゲンアリール残基、例えばo−、m−およびp−クロロフェニル残基、アミノプロピル残基、アミノエチルアミノプロピル残基、シクロヘキシルアミノプロピル残基、N−アルキル−およびN,N−ジアルキルアミノプロピル残基である。
残基R4'は、好ましくは場合によっては1から18個の炭素原子を備えるアミノ基で置換された炭化水素残基、より好ましくは1から4個の炭素原子を備える非置換炭化水素残基、最も好ましくはメチル−またはエチル残基である。
残基R3'の例は、残基R4'について記載した例である。
残基R3'は、好ましくは水素原子または1から8個の炭素原子を備えるアルキル残基であり、より好ましくは水素原子、メチル−またはエチル残基である。
式(I’)内の数f’の平均値は、好ましくは式(I’)のオルガノポリシロキサンが温度が25℃であるときに測定して100から100,000mm/s、好ましくは2,000から50,000mm/sの粘度を有するように選択される。
式(I’)には記載されてはいないが、ジオルガノシロキサンユニットの10モル%までは他のシロキサンユニット、例えばR4' SiO1/2−、R4'SiO3/2−およびSiO4/2−ユニット(式中、R4'は上記でそれについて記載された意味を有する)によって置換されてよい。
本発明による材料に使用される各末端基(A)に少なくとも2つのオルガニルオキシ残基ないしはヒドロキシ残基を備えるジオルガノポリシロキサンの例は、(MeO)MeSiO[SiMeO]50−2000SiMe(OMe)、(EtO)MeSiO[SiMeO]50−2000SiMe(OEt)、(HO)MeSiO[SiMeO]50−2000SiMe(OH)、(MeO)MeSiO[SiMeO]50−2000[SiMeAmO]1−20SiMe(OMe)、(EtO)MeSiO[SiMeO]50−2000[SiMeAmO]1−20SiMe(OEt)および(HO)MeSiO[SiMeO]50−2000[SiMeAmO]1−20SiMe(OH)(式中、Meはメチル残基、Amはアミノプロピル−、アミノエチルアミノプロピル−もしくはシクロヘキシルアミノ残基を表している)である。
本発明による材料に使用されるオルガノポリシロキサン(A)は市販の製品であるか、ないしはケイ素化学において知られている方法、例えば適切なオルガニルオキシシランを用いたα,ω−ジヒドロオキシポリオルガノシロキサンの反応によって製造することができる。
成分(A)は、好ましくは水性エマルジョンの形状で使用される。水性エマルジョンは、適切な乳化剤を用いる知られている方法にしたがって製造できる一般的エマルジョンであってよい。適切な乳化剤は、例えばアルキルフェノールエトキシレートもしくは脂肪族アルコールのエトキシレートである。エマルジョンの形状にある成分(A)が使用される場合は、その固体含量はほぼ任意であってよいが、一般的にはそのようなエマルジョンの固体含量は15から55重量%である。
成分(A)は、例えばアルキルベンゾールスルホン酸による触媒反応を用いるオリゴマーの予備段階からのエマルジョン重合によってもエマルジョン中で直接に製造することができる。
本発明による材料に使用される有機ケイ素化合物(B)は、好ましくは式:
A’a'R’b'X’c'SiO(4−a'−b'−c')/2 (II’)
(式中、
A’は同一であっても異なっていてもよく、式
CD’−R2'− (III’)
(式中、
CD’は一価の、誘導体化されていてよいシクロデキストリン残基を表しており、R2'は、酸素、メルカプト−、アミン−、カルボニル−、カルボキシル−、スルホキシド−もしくはスルホニル基で中断されていてよい二価の、置換されていてよい炭化水素残基を表している)の1つの残基を表している、
R’は同一であっても異なっていてもよく、酸素原子および/または窒素原子によって中断されていてよい、置換されていてよい炭化水素残基を表している、
X’は同一であっても異なっていてもよく、式−OR1'(式中、R1'は水素原子であるか、または、エーテル酸素原子によって置換されていてよい、置換されていてよい炭化水素残基である)の残基である、
a’は0、1もしくは2、好ましくは0もしくは1である、
b’は0、1、2もしくは3である、および
c’は0、1、2もしくは3である、
ただしa’+b’+c’の合計が≦4であり、有機ケイ素化合物が1分子当たり少なくとも1つの残基A’および少なくとも2つの残基X’を有することを条件とする)のユニットを含有する有機ケイ素化合物である。
有機ケイ素化合物(B)は、シラン、すなわちa’+b’+c’=4を備える式(II’)の化合物であっても、シロキサン、すなわちa’+b’+c’≦3を備える式(II’)のユニットを含有する化合物であってもよい。本発明により使用される有機ケイ素化合物は、好ましくはシランである。成分(B)がシロキサンである場合は、成分(B)は好ましくは式(II’)のユニットから構成されるシロキサンである。
残基R’の例は、アルキル残基、例えばメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソ−プロピル−、1−n−ブチル−、2−n−ブチル−、イソ−ブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、イソ−ペンチル−、ネオ−ペンチル−、tert−ペンチル残基;ヘキシル残基、例えばn−ヘキシル残基;ヘプチル残基、例えばn−ヘプチル残基;オクチル残基、例えばn−オクチル残基およびイソ−オクチル残基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル残基;ノニル残基、例えばn−ノニル残基;デシル残基、例えばn−デシル残基;ドデシル残基、例えばn−ドデシル残基;オクタデシル残基、例えばn−オクタデシル残基;シクロアルキル残基、例えばシクロペンチル−、シクロヘキシル−、シクロヘプチル残基およびメチルシクロヘキシル残基;アルケニル残基、例えばビニル−、1−プロペニル−および2−プロペニル残基;アリール残基、例えばフェニル−、ナフチル−、アントリル−およびフェナントリル残基;アルカリル残基、例えばo−、m−、p−トリール残基;キシリル残基およびエチルフェニル残基;並びにアラルキル残基、例えばベンジル残基、α−およびβ−フェニルエチル残基である。
置換された残基R’の例は、ハロゲンアルキル残基、例えば3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル残基、2,2,2,2,2’,2’−ヘキサフルオロ−イソプロピル残基、ヘプタフルオロイソプロピル残基およびハロゲンアリール残基、例えばo−、m−およびp−クロロフェニル残基、アミノプロピル−、アミノエチルアミノプロピル−、シクロヘキシルアミノプロピル−、ジメチルアミノプロピル−およびジエチルアミノプロピル残基である。
残基R’は、好ましくは場合によっては1から18個の炭素原子を備えるアミン基で置換された炭化水素残基、より好ましくは1から6個の炭素原子を備えるアミン基で置換された置換炭化水素残基、最も好ましくはメチル残基、アミノプロピル−およびアミノエチルアミノプロピル残基である。
成分(B)がシロキサンである場合は、全残基Rの少なくとも50%、より好ましくは少なくとも90%はメチル残基を表している。
残基R1'の例は、残基R’について記載された例である。
残基R1'は、好ましくは水素原子または1から8個の炭素原子を備えるアルキル残基であり、より好ましくは水素原子、メチル−またはエチル残基である。
X’は、好ましくはヒドロキシル残基、メトキシ−もしくはエトキシ残基である。
残基CD’は、任意のこれまでに知られているシクロデキストリンないしシクロデキストリン誘導体であってよいが、この場合には酸素に結合した1個の水素原子は化学結合によって置換されている。残基CDは、好ましくは一般式:
Figure 2005536653
(式中、R3''は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、R’について記載した意味を備える一価の残基またはR2'について記載した意味を有する二価の残基を表しており、そしてw’は同一で5、6もしくは7である)の残基CDである。
残基R3''は、好ましくは水素、場合によってはアミン−、カルボニル−、カルボキシル−もしくはオキシラニル基で置換された一価もしくは多価の炭化水素残基、場合によってはヒドロキシ−、メルカプト−、アミン−、アンモニウム−、カルボニル−、カルボキシル−、オキシラニル−もしくは反応性スルホン酸誘導体基と置換されてよいポリエーテル残基、またはハロゲントリアジン官能残基である。残基Rは、より好ましくは水素原子、一価アルキル残基、アセチル残基、アミノ−、エポキシ−、ビニルスルホニル−、2−スルホオキシエチル−スルホニル−、2−クロロエチル−スルホニル−およびメタクリロイル官能性アルキル−もしくはポリエーテル残基並びにハロゲントリアジン官能残基であり、最も好ましくは水素原子、メチル−、エチル−もしくはプロピル残基、アセチル残基、β−アミノエチル−、β−(N−メチル)アミノエチル−、γ−アミノプロピル−、γ−(N−tert−ブチル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル−およびγ−(N−シクロヘキシル)アミノ−2−ヒドロキシ−プロピル残基、グリシドキシプロピル残基、3−(ビニルスルホニル)−プロピル−、ビニルスルホニル−、(2−スルホオキシエチル)スルホニル−、(2−クロロエチル)スルホニル−、ρ−ビニルスルホニル−フェニル−、ρ−(2−スルホオキシエチル)スルホニル−フェニル−およびω−ビニルスルホニル−ポリオキシプロピル残基、アクリロイル−、2−(N−アクリルアミド)エチル−、3−(N−アクリルアミド)−プロピル−および2−ヒドロキシ−3−メタクリロイル−オキシプロピル残基並びに4−クロロ−6−ONa−トリアジニル残基である。
残基R2'の例は、上記で残基Rについて記載した例である。残基R2'は、好ましくは−CH−O−CH−CHOH−CH−、C−NH−CH−CHOH−CH−O−C−、CNHCNHCHCHOHCHOC−、場合によっては置換トリアジニレン残基、例えばイミノプロピル−ないしはイミノエチルアミノプロピル残基で置換されたトリアジニレン残基および2−ONa−トリアジニル−1,4−エン残基であり、より好ましくはイミノエチルアミノプロピル残基で置換されたトリアジニレン残基である。
本発明により使用される有機ケイ素化合物(B)は、好ましくは少なくとも1,000g/mol、より好ましくは2,000から50,000g/molの平均分子量Mを有する。
本発明により使用される成分(B)は、室温、したがって20℃で好ましくは液状である。
本発明により使用される成分(B)は、シロキサンである場合は20℃では好ましくは100から10,000mm/s、より好ましくは200から4,000mm/sの粘度を有する。
本発明により使用される成分(B)およびオルガノシロキサンは、好ましくは直鎖状である。
本発明により使用される成分(B)の例は、トリメチルシロキシ末端基の代わりに、それによって化合物が個々に少なくとも2つの加水分解可能ないしは縮合可能な基を有する末端基を有するように変形されている、実施例に記載した種である。
本発明により使用された成分(B)は、例えば上記に記載した任意の方法にしたがって製造することができる。
成分(B)がシランである場合は、これらは好ましくは水溶液の形状で使用される。
成分(B)がシロキサンである場合は、これらは好ましくはエマルジョンの形状で使用される。水性エマルジョンは、適切な乳化剤を用いる知られている方法にしたがって製造できる一般的エマルジョンであってよい。適切な乳化剤は、例えばアルキルフェノールエトキシレートもしくは脂肪族アルコールのエトキシレートである。エマルジョンの形状にある成分Bが使用される場合は、その固体含量はほぼ任意であってよいが、一般的にはそのようなエマルジョンの固体含量は15から55重量%である。
本発明による材料は、100重量部のオルガノポリシロキサン(A)に個々に関連して、好ましくは2から60重量部、より好ましくは20から50重量部の量で成分(B)を含有する。
本発明による材料で場合によっては使用される触媒(D)は、これまでに縮合によって架橋性材料においても触媒として使用されている任意の化合物であってよい。
場合によっては使用される触媒(D)の例は、金属化合物、例えばチタン酸ブチルおよび有機スズ化合物、例えばジ−オクチル−酢酸スズ、並びにカルボン酸である。
本発明による材料は、100重量部のオルガノポリシロキサン(A)に個々に関連して、好ましくは0.1から10.0重量部、より好ましくは0.5から5.0重量部の量で縮合触媒(D)を含有する。
上記に記載した成文(A)、(B)および場合によっては(D)に追加して、本発明による材料はまた別の物質、例えば好ましくは架橋剤(C)を含有していてよい。
このような架橋剤としては、知られている方法でジアルコキシアミノシラン、トリアルコキシアミノシランおよびそれらの部分加水分解物、Si結合水素ないしはその平衡物を備えるオルガノポリシロキサンのエマルジョンが機能できる。
本発明による材料が架橋剤(C)を含有する場合は、量は好ましくは100重量部のオルガノポリシロキサン(A)に関連して0.1から10重量部である。
本発明による材料は、好ましくは
(A)式(I’)のオルガノポリシロキサンと、
(B)シクロデキストリン残基を含む式(II)のユニットを含有する有機ケイ素化合物と、
(C)架橋剤と、並びに場合によっては
(D)触媒と、を含有する材料である。
本発明による材料は、より好ましくは以下
(A)式(I’)のオルガノポリシロキサン100重量部、
(B)シクロデキストリン残基を含む式(II’)のユニットを含有する有機ケイ素化合物20から60重量部、
(C)ジ−およびトリアルコキシアミノシランないしはそれらの部分加水分解物から選択される架橋剤1から10部
から構成される材料である。
本発明による材料の個々の構成要素は、たとえそのような構成要素の少なくとも2種の相違する種類からなる混合物であっても、そのような構成要素の1つの種類であってよい。
本発明による材料を調製するために、物質中ないしはエマルジョン形、好ましくはエマルジョン形にある個々の材料の全構成要素を任意の順番で相互に混合することができる。この混合は、室温および周囲大気圧下、したがって90から1,100Hpaの圧力下で実施できる。所望の場合は、この混合は高温においても、例えば35から90℃の範囲内の温度でも実施できる。
本発明による架橋性材料には、単純な種類および方法で製造できるという長所がある。
本発明による架橋性材料には、容易に取り扱える、特に室温においてエマルジョン形で保存安定性であるという長所がある。
本発明による材料の架橋は、それ自体は知られている方法で熱活性化によって実施することができる。
本発明による材料の架橋は、好ましくは100から200℃、より好ましくは120から190℃、最も好ましくは140から160℃の温度で実施される。架橋は、好ましくは100から1100hPaの圧力で、より好ましくは周囲圧力で実施される。
本発明による材料は、エマルジョンないしは水溶液であり、架橋工程は乾燥工程を含んでいる。当産業において一般に実施されているように、乾燥/縮合は塗布に続けて実施される。
本発明による材料は、すべての使用目的に合わせて使用することができ、エラストマーへ架橋されたオルガノポリシロキサン材料のために使用できる。
本発明による材料は、特に有機繊維、好ましくは繊維製品および皮革の仕上げのために、より好ましくは例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンもしくはセルロース繊維のような材料からのフリースおよびファイバーフィル(繊維充填材)の仕上げのために適合する。
本発明のまた別の対象は、有機繊維を処理するための方法であって、本発明による材料を、処理すべき繊維上に施与し、架橋させることを特徴とする方法である。
本発明によるエマルジョン形ないしは水溶液である架橋性材料は、好ましくは処理すべき繊維上に施与され、水分の除去後に架橋させられる。
本発明による方法では、処理すべき有機繊維、より好ましくはファイバーフィル、最も好ましくはフィラメント形にある繊維は本発明による材料を含有する水性処理洗液を用いたスプレー法または浸漬法によって湿潤化される。このとき処理染液中の構成要素の濃度並びに染液吸収率によって繊維上のケイ素濃度を制御することができる。この処理は、フィラメントをカールする、またはジグザグ形を付与する機械的装置であるいわゆる捲縮機の前、中もしくは後に行うことができる。下流にある乾燥機では、次に乾燥かつ架橋させられる。一般には、10から30分間の間隔は110から190℃の温度においてである。次にファイバーフィルを製造するために、フィラメントは好ましくは切断によって短繊維に変化させられる。
繊維製品へのシクロデキストリン基を有する有機ケイ素化合物の本発明による導入が芳香物質を半永久的に適用するという目的を有する場合は、シクロデキストリンへの芳香物質の負荷は、既に水性媒体中において一連の本発明による材料を製造する方法で実施することができる。本発明により仕上げられフリースまたはファイバーフィルは、有益にも心地よいソフトな手触りおよび背面小割れを示し、香料および芳香物質を長期間にわたり貯蔵してこれを体温および水分が作用した後に初めて緩徐かつ適切に放出することができる。負荷されていないシクロデキストリンを適用した場合、ないしは芳香物質の放出後には、このように仕上げられた物質は臭気を吸収する、したがって清涼化作用を引き起こすことができる。芳香物質の代わりに、当然ながら例えば手入れ用もしくは昆虫忌避剤のような他の作用物質を知られている方法でゲスト分子としてシクロデキストリン内に包埋することができる。
本発明による材料には、仕上げるべき繊維基質上で初めて適切に製造できるという長所がある。
本発明による材料を用いて処理された基質には、それらが好ましい、肌に優しいソフトな手触りを有するという長所がある。
本発明による材料を用いて処理された基質には、その他に、シクロデキストリンを用いて知られている方法で達成可能な作用も柔軟化および背面小割れ促進性ケイ素作用を達成できるという長所がある。
有機繊維を処理するための本発明による方法には、シクロデキストリンを単純な方法で洗浄抵抗性で非反応性繊維、例えばポリエステルもしくはポリプロピレン上にも固定することができるという長所がある。
下記の実施例では、他に特に記載しない限りは、部および百分率についてのすべての記載は重量に関連付けられている。他に特に記載しない限り、下記の実施例は、周囲大気圧下で、したがって約1,000hPaで、そして室温で、したがって約20℃ないしは室温で反応物を1つにまとめたときに追加の加熱または冷却なしで調整される温度で実施される。実施例に記載したすべての粘度の記載値は、25℃の温度に関連している。
アミン数は下記では、1gの物質を中和するために必要である1mLの1N HClの数に一致する数であると理解されなければならない。
実施例1
下記で詳細に説明する種類の、アミノアルキル官能化された、トリメチルシリル基で終了するシリコーン油100gをガラス製ビーカー内に入れた。Ultra−Turrax(Janke & Kunnel, IKA Labortechnik Ultra−Turrax T 50, 1100W, 10,000U/min)を用いて、個々に1.2倍の量の水に溶解させた第1表に記載した量のシクロデキストリンを分散させ、反応混合物を90から120分間にわたりしっかりと練り上げた。このとき温度は、使用されるシリコーン油の粘度によって約50から80℃へ上昇した。残留水を蒸留した後にシクロデキストリンを含有するシリコーン油が得られたが、これは数ヵ月間にわたり決してシクロデキストリンの凝集または沈殿を示さなかった。
Figure 2005536653
※ 使用されたシリコーン油の総重量に関連して
実施例1aからdに使用されたシクロデキストリンは
Figure 2005536653
(商標名CAVASOL(登録商標)W7 MCTを付けてWacker−Chemie社(D−ミュンヘン)から市販で入手できる)である。シロキサンAおよびBについて下記に記載するが、式中Meはメチル残基を表している。
シロキサンA:
Figure 2005536653
シロキサンB:
Figure 2005536653
実施例2
下記で詳細に説明する種類の、トリメチルシリル基で終了するシリコーン油100gをガラス製ビーカー内に入れた。非中心性溶解システム(Molteni, Labmax, 6,000U/min)を用いて、実施例2bからeでは5分間にわたり使用したシリコーン油のH−酸性基の数と等価である量の補助塩基を分散させた。次に、第2表に記載した量のシクロデキストリンを個々に1.2倍の量の水に溶解させ、これを90から120分間にわたり練り上げた。残っている残留水を蒸留した後に、数ヵ月間にわたり決してシクロデキストリンの凝集または沈殿を示さないシクロデキストリンを含有するシリコーン油が得られた。
Figure 2005536653
※ 使用されたシリコーン油の総重量に関連して
a)補助塩基:トリエチルアミン
b)50%の水溶液;固体としてCDを添加する
c)補助塩基:BuOK
実施例2aからeで使用されたシクロデキストリンは実施例1に記載されている。シロキサンCからGについて下記に記載するが、式中Meはメチル残基を表している。
シロキサンC:
Figure 2005536653
シロキサンD:
Figure 2005536653
シロキサンE:
Figure 2005536653
シロキサンF:
Figure 2005536653
シロキサンG:
Figure 2005536653
実施例3
− トリメチルシリル基および約150の平均鎖長並びに第3表に記載のアミン数を備える17.5重量%のアミノエチルアミノプロピル官能化オルガノポリシロキサンと、および約
− 12から18Cの原子の鎖長分布を備える10重量%のエトキシル化脂肪酸と、並びに
− 72.5重量%の水と、からなる100gのエマルジョンに室温で、個々に1gの水に溶解させた第3表に記載の量のシクロデキストリンが攪拌しながら添加した。個々に入手されたエマルジョンは、次に7日間にわたり室温で保存し、引き続き20%の塩化ナトリウム溶液を用いて分解した。このように入手したシクロデキストリンを含有するシリコーン油をさらに10回、各100gの20% NaCl溶液を用いて洗浄した。残留水を蒸留した後にシクロデキストリンを含有するシリコーン油が得られたが、このシリコーン油は数ヵ月間にわたり決してシクロデキストリンの凝集または沈殿を示さなかった。
Figure 2005536653
実施例3aおよび3bで使用されたシクロデキストリンは実施例1に記載されている。
実施例4
実施例1に記載したシリコーン油(アミノプロピル官能化された、トリメチルシリル基で終了する)100gを250mLのジメチルスルホキシド中に溶解させた。これに実施例1に記載したシクロデキストリン5.3gの溶液を25mLのジメチルスルホキシド中に添加した。この反応混合物を1時間にわたり80℃へ加温した。引き続き80℃および完全真空下で溶媒を蒸留した。数ヵ月間にわたりシクロデキストリンの凝集または沈殿を決して示さない500から600mm/sの粘度を備えるシクロデキストリンを含有するシリコーン油を入手した。
実施例5
実施例2においてシロキサンGと記載されたシリコーン油(ウンデカン酸官能化されており、トリメチルシリル基で終了する)100gを250mLのジメチルスルホキシド中に懸濁させ、カルボキシル基と同等量のKOHと混合し、室温で30分間攪拌した。これに20mLのジメチルスルホキシドに溶解した実施例1に記載したシクロデキストリン4.1gの溶液を添加し、この反応混合液を1時間にわたり80℃へ加温した。引き続き製造した固体(KCl)を濾過により除去し、80℃での完全真空下で蒸留によって溶媒を除去した。1030mm/sの粘度を備えるシクロデキストリンを含有するシリコーン油が入手されたが、このシリコーン油は数ヵ月間にわたりシクロデキストリンの凝集または沈殿を決して示さなかった。
実施例6
下記で詳細に説明する種類の、アミノアルキル官能化した、トリメチルシリル基で終了するシリコーン油100gをガラス製ビーカー内に入れた。実施例1に記載したUltra−Turraxを用いて、個々に1.2倍の量の水に溶解させた第4表に記載した量のシクロデキストリンを分散させ、この反応混合物を90から120分間にわたりしっかりと練り上げた。このとき温度は、使用されるシリコーン油の粘度によって約50から80℃へ上昇した。残留水を蒸留した後にシクロデキストリンを含有するシリコーン油が得られたが、このシリコーン油は数ヵ月間にわたり決してシクロデキストリンの凝集または沈殿を示さなかった。
Figure 2005536653
※ 使用されたシリコーン油の総重量に関連して
実施例6aおよび6bに使用されたシクロデキストリンは
Figure 2005536653
(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)から「BETA W7 MAHP 0.1/0.4」として、平均0.9モルのメタクリレート/シクロデキストリンの含量を有する)である。シロキサンCおよびDについて下記に記載するが、式中Meはメチル残基を表している。
シロキサンC:
Figure 2005536653
シロキサンD:
Figure 2005536653
実施例7
100部のモノクロロトリアジニル官能性β−シクロデキストリン(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)からCAVASOL(登録商標)W 7 MCTの名称で入手可能)を700部の蒸留水中に溶解し、この水溶液をクエン酸によりpH5へ調整した。7部の香油(Cosmaderm社(D−ラーデンブルク)から「Black Magie Y5」の名称で入手可能)を攪拌しながら添加した。シクロデキストリン中へ沈積することによって、水溶性香油は水溶液中で消失する。この溶液を、ヒドロキシジメチル基で終了するジメチル/メチルを備える、アミン数0.6および粘度1,000mm/sの直鎖状アミノエチルアミノプロピル−シロキサンの17部を含有する80部のマイクロエマルジョン並びに6.6部の乳化剤(イソ−C13脂肪族アルコール×5〜8EO)(マイクロエマルジョンはWacker−Chemie社(D−ミュンヘン)から「Finish 46016 VP」の名称で入手可能)と混合し、10分間攪拌した。
柔軟剤としての優れた性能特性および長期持続性の芳香を備える、0.08の残留アミン数を備えるシクロデキストリン基を有するオルガノポリシロキサンをエマルジョン形で入手した。
このようにして入手したエマルジョン0.65kgをフーラード法で98%のウールおよび2%のエラスタン繊維(スパンデックス)の混紡織物1kg上に送り込んだが、このとき65%の染液吸収が生じた。引き続いて、最初は90℃で3分間、そして次に150℃で3分間乾燥させた。
このように処理した繊維基質は心地よい手触りを有し、沈着させた香油は数ヵ月間にわたり貯蔵できるが、体温および水分が同時に作用する場合は、着用条件下でも適量に配分して放出することができる。
実施例8
実施例1に記載した方法を繰り返して実施したが、香油として8部のローズ油(Kurt Kitzing社(D−ヴァラーシュタイン)から「131650型」の名称で入手可能)を使用するように変更した。塗布は、Tシャツに仕立てられる綿織物上で実施した。この繊維基質は1ヵ月間持続する芳香を特徴とした。
実施例9
100部のモノクロロトリアジニル官能性β−シクロデキストリン(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)からCAVASOL(登録商標)W 7 MCTの名称で入手可能)を800部の水中に溶解し、クエン酸によりpH5へ調整した。この溶液に7部の香油(Cosmaderm(D−ラーデンブルク)から「Fragrance Patricia Y」の名称で入手可能)と混合し、5分間攪拌した。この時間の経過後、香油は非水溶性にもかかわらずシクロデキストリンの空洞内に沈着したが、外見上は水性系から消失した。この溶液を30部の粘度4,000mm/sおよびアミン数0.15を備える35%のエマルジョン(アミノエチルアミノプロピル−官能性シリコーン)並びに5部の乳化剤(C13−脂肪族アルコールエトキシレート)、架橋剤としての0.3部のポリアルコキシオリゴシロキサンおよびジアルキルスズジラウレート(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)から「Finish CT 45 E」の名称で入手可能)をベースとする0.5部の触媒と混合した。この処理染液を綿/エラスタン混紡(98:2ツイル)上で70%の染液吸収率でフーラード法により塗布し、90℃で3分間並びに150℃で3分間乾燥させた。結果として心地よい手触りおよび長期持続性芳香を備える織物が生じた。
実施例10
実施例9に記載した方法を繰り返して実施したが、香油としては6部のDrohm社(ドイツ)製のCitral 54450を使用する点を変更した。結果として心地よい新鮮な芳香を備える繊維基質が生じた。
実施例7から10によって仕上げた衣類を長時間にわたり着用すると、すべての芳香が緩徐に放出される。この衣類はその後通常の家庭用洗濯物に混ぜることができる。タンブラー乾燥中には、タンブラー内へ香料を添加することによってシクロデキストリンの空洞へ香油を新たに充填することが可能である。これは、基質複合体であるシクロデキストリンアミノシリコーンが繊維基質上で耐洗濯性で固定されたことを証明されている。
架橋性材料
実施例11
成分(B1)の製造
1,560部のモノクロロトリアジニル官能性β−シクロデキストリン(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)からCAVASOL(登録商標)W 7 MCTの名称で入手可能)を3,000部の水中に溶解し、クエン酸によりpH5へ調整した。この溶液を222部のトリメトキシアミノプロピルアミノエチルシラン(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)から「Silan GF 91」の名称で入手可能)と混合し、室温で10分間攪拌した。このときモノクロロトリアジン残基はアミノシランの第一級アミン基と求核置換反応によって反応した。このように入手した反応溶液は、水性成分Bとして直接使用できる。
成分(B2)の製造
1,560部のモノクロロトリアジニル官能性β−シクロデキストリン(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)からCAVASOL(登録商標)W 7 MCTの名称で入手可能)を2000部の水中に溶解し、クエン酸によりpH5へ調整した。この溶液を159部のジエトキシ(メチル)アミノプロピルシラン(Degussa社(ドイツ)から「Dynasilan 1505」の名称で入手可能)と混合し、室温で10分間攪拌した。このように入手した反応溶液は、水性成分Bとして直接使用できる。
成分(B3)の製造
100部のモノクロロトリアジニル官能性β−シクロデキストリン(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)からCAVASOL(登録商標)W 7 MCTの名称で入手可能)を700部の水中に溶解し、クエン酸によりpH5へ調整した。この溶液を180部のマイクロエマルジョン(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)から「Finish 46016 VP」の名称で入手可能)と混合し、分解させるために15分間攪拌した。上記のマイクロエマルジョンは17部の、Si(CHOH末端基を備えるアミン数0.6および粘度1000mm/sのアミノエチルアミノプロピル官能性シリコーン油、6.6部の乳化剤(8EOを備えるC13脂肪族アルコール)および水から構成されるが、このときエマルジョンは酢酸を用いてpH5.5へ調整される。
a)20gの上記で製造した成分B1およびエマルジョン重合によって発生した油粘度100,000mm/sのSiOH基の末端にあるジメチルポリシロキサンの50%エマルジョンを1Lの蒸留水中に溶解し、架橋剤として2gのアミノプロプロピルトリエトキシシランを添加した。この染液を用いて1kgのポリエステル−フィブリル(Trevira社(ドイツ)製のTrevira(登録商標)292型、6.7dtex、繊維長60mm)に吸収させ、適切な圧搾によって100%の染液吸収率が達成される。これによりシリコーン塗布率は約0.19%(架橋性材料の量)になった。フィブリルは150℃で5分間、続いて190℃で5分間乾燥かつ縮合させた。例えば芳香物質を作用させることができて臭気結合特性を有する、ソフトでしわになりにくいフィブリルが生じた。
b)a)に記載した方法を繰り返して実施したが、20gの成分B1の代わりに25gの成分B2を使用する点を変更した。これによりシリコーン塗布率は約0.23%(架橋性材料の量)になった。例えば芳香物質を作用させることができて臭気結合特性を有するソフトでしわになりにくいフィブリルが生じた。
c)a)に記載した方法を繰り返して実施したが、20gの成分B1の代わりに70gの成分B3を使用する点を変更した。これによりシリコーン塗布率は約0.2%(架橋性材料の量)になった。例えば芳香物質を作用させることができて臭気結合特性を有するソフトでしわになりにくいフィブリルが生じた。
実施例12
35%の、粘度1000mm/sおよびアミン数0.3を備える反応性、すなわちSi(CHOH−末端基にあるアミノ油を含有するエマルジョン(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)から「Finish CT 78 E」の名称で入手可能)からなる60gのアミノ官能性柔軟剤並びに成分B2を脱イオン水で500mLへ希釈した。架橋剤として2gのトリメトキシ−アミノエチルアミノプロピルシラン(Wacker−Chemie(D−ミュンヘン)から「Silan GF 91」の名称で入手可能)を添加した水性混合物へ4gの香油(Cosnaderm社(ドイツ)から「Fragrance Lavender−Y」の名称で入手可能)を攪拌しながら添加した。このとき非水溶性香油は、シクロデキストリン残基中に沈積するので染液中で消失する。染液をフィブリルフリース上に吹き付けたが、このとき染液吸収率は10%に達し、これは0.45%のシリコーン塗布率に相当した。このフリースを引き続き130℃で30分間乾燥させた。
長時間持続する顕著な心地よい芳香を備えるソフトでしわになりにくいフリースが発生した。芯用フリースとして、芳香物質の放出後には臭気結合特性を示した。
実施例13
20gの、アミノ官能性のSiOH−末端基を有するポリジメチルシロキサンのエマルジョン(Wacker−Chemie(D−ミュンヘン)から「Finish CT 78 E」の名称で入手可能)および200gの成分B3を含有する染液を脱イオン水により1Lへ希釈した。これに架橋剤としての0.2gのポリアルコキシオリゴシロキサン(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)から「V42」の名称で入手可能)および触媒としての0.25gの25%のジオクチルスズジラウレートのエマルジョン(Wacker−Chemie社(D−ミュンヘン)から「C38」の名称で入手可能)を添加した。この染液をポリエステル−メッシュ製品上にフーラード法により塗布した。これは好ましくは室温での繊維製品の処理浴への浸漬および引き続いての2つのローラーから構成される絞り装置の通過であると理解されている。それにより65%の染液吸収率が調整された。処理された繊維製品を引き続き160℃で3分間乾燥させた。いわゆる新鮮化作用、すなわち臭気結合特性を備えるソフトで弾性のあるかさのある平面構成物が発生した。

Claims (15)

  1. シクロデキストリン残基を含む、式(I):
    SiO(4−a−b−c−d/2) (I)、
    (式中、
    Aは同一であっても異なっていてもよく、式
    CD−R− (II)
    (式中、CDは一価もしくは多価の、誘導体化されていてよいシクロデキストリン残基を表しており、Rは、酸素、メルカプト−、アミン−、カルボニル−、カルボキシル−、スルホキシド−もしくはスルホニル基で中断されていてよい二価の、置換されていてよい炭化水素残基を表している)の1つの残基を表している、
    Rは同一であっても異なっていてもよく、酸素原子、硫黄原子および/または窒素原子で中断されていてよい、置換されていてよい炭化水素残基を表している、
    Xは同一であっても異なっていてもよく、式−OR(式中、Rは水素原子であるか、または、エーテル酸素原子によって置換されていてよい、置換されていてよい炭化水素残基である)の残基を表している、
    aは0、1もしくは2である、
    bは0、1、2もしくは3である、
    cは0、1、2もしくは3である、および
    dは0、1、2もしくは3である、
    ただし、
    − a+b+c+dの合計は≦4であり、
    − 有機ケイ素化合物は1分子当たり少なくとも1つの残基Aを有しており、
    − 式(I)のユニットの最高90%、好ましくは最高50%、より好ましくは最高30%、最も好ましくは式(I)のユニットの0%ではa+b+c+dの合計が0であり、
    − a+b+c+d=4を備える式(I)の有機ケイ素化合物の場合は、残基Rがトリアジニレン残基を表すことはあり得ない、
    − a+b+c+d≦3を備える式(I)のユニットからの有機ケイ素化合物の場合は、残基Rは純粋脂肪族ではない、すなわち炭化水素−炭化水素単結合だけから構成されており、そしてカルボン酸エステル、チオールカルボン酸エステル、カルボン酸アミド、チオンカルボン酸アミド、ウレタン、S−チオウレタンもしくは尿素誘導体のような結合したα−カルボン酸誘導体もしくはα−炭酸誘導体の有機ケイ素化合物を備えるω−SiC−様であってよい、
    − a+b+c+d≦3を備える式(I)のユニットからの有機ケイ素化合物の場合は、残基Rは−CH−CHOH−CH−O−(CH−、−(CH−、−Ar−(CH−、−Ar−O−(CH−、−Ar−S−(CH−、−Ar−NH−(CO)−(CH−、もしくは−(CO)−Ar−O−(CH−(式中、eは同一の0〜16であり、Arは同一のフェニレン−、ピリジレン−もしくはフラニレン残基である)の群から選択された非二価炭化水素残基であってよいが、このときRへのCDの化学結合のために使用されるシクロデキストリン−酸素原子はS、NHもしくはNR(Rは上記で残基Rについて記載と同一の意味を有する)に対して置換されていてよいことを条件とする)のユニットを含有する有機ケイ素化合物。
  2. シラン、すなわちa+b+c+d=4を備える式(I)の化合物であることを特徴とする、シクロデキストリン残基を含む請求項1記載の有機ケイ素化合物。
  3. シロキサン、すなわちa+b+c+d≦3を備える式(I)のユニットを含有する化合物であることを特徴とする、シクロデキストリン残基を含む請求項1記載の有機ケイ素化合物。
  4. ハロゲントリアジン官能性シクロデキストリン(誘導体)を、アミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物と反応させることを特徴とする、請求項1から3の一項以上に記載の有機ケイ素化合物の製造方法(方法1)。
  5. エポキシ官能性シクロデキストリン(誘導体)を、アミノ−、メルカプト−、カルボキシ−、無水物−、ヒドロキシ−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物と反応させることを特徴とする、請求項1から3の一項以上に記載の有機ケイ素化合物の製造方法(方法2)。
  6. アミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)をエポキシ官能性ポリシロキサンと反応させることを特徴とする、請求項1から3の一項以上に記載の有機ケイ素化合物の製造方法(方法3)。
  7. ビニルスルホニル官能性シクロデキストリン(誘導体)、または、ビニルスルホニル誘導体−官能基、例えば2−スルホオキシエチル−スルホニル−および2−クロロエチル−スルホニル基を有するシクロデキストリン(誘導体)を、アミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物と反応させることを特徴とする、請求項1から3の一項以上に記載の有機ケイ素化合物の製造方法(方法4)。
  8. アクリルもしくはメタクリル官能性シクロデキストリン(誘導体)を、アミノ−、メルカプト−、ヒドロキシ−、カルボキシ−、無水物−、グリコシド−、フェノール−、ポリグリコール−、ホスホナト−もしくはシララクトン基を有する有機ケイ素化合物と反応させることを特徴とする、請求項1から3の一項以上に記載の有機ケイ素化合物の製造方法(方法5)。
  9. アミノ官能性シクロデキストリン(誘導体)をアクリルもしくはメタクリル基を有する有機ケイ素化合物と反応させることを特徴とする、請求項1から3の一項以上に記載の有機ケイ素化合物の製造方法(方法6)。
  10. 有機繊維の処理方法において、請求項1から3の一項以上に記載の、ないしは請求項4、5、6、7、8もしくは9の一項の方法によって製造された有機ケイ素化合物を、処理すべき繊維ないしはテキスタイル平面構成物上に施与することを特徴とする、有機繊維の処理方法。
  11. 有機ケイ素化合物をベースとする架橋性材料において、以下
    (A)オルガニルオキシ基並びにヒドロキシ残基から選択される少なくとも2つの加水分解可能ないしは縮合可能な残基を備えるオルガノポリシロキサン、
    (B)オルガニルオキシ基並びにヒドロキシ残基、および/またはそれらの部分加水分解物ないしはそれらの部分縮合物から選択される少なくとも2つの加水分解可能ないしは縮合可能な残基を備えるシクロデキストリン基を有する有機ケイ素化合物、場合によっては
    (C)少なくとも2つのSi−結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンと、オルガニルオキシ基並びにヒドロキシ残基から選択される少なくとも2つの加水分解可能ないしは縮合可能な残基を備えるアミノ基を有する有機ケイ素化合物とから選択される架橋剤、および場合によっては
    (D)縮合触媒
    を含有することを特徴とする、有機ケイ素化合物をベースとする架橋性材料。
  12. オルガノポリシロキサン(A)が一般式
    (R3'O)3−e'4' e'SiO−[R4' SiO]f'−SiR4' e'(OR3'3−e' (I’)、
    (式中、
    e’は0、1もしくは2である、
    4'は、同一または異なっている、ハロゲン原子、アミノ基、エーテル基、エステル基、エポキシ基、シアノ基もしくは(ポリ)グリコール残基で置換されていてよいSiC−結合炭化水素残基を表しており、後者はオキシエチレン−および/またはオキシプロピレンユニットから構成されている、および
    3'は同一であっても異なっていてもよく、水素原子またはR4'について上記に記載した意味の1つを有する、
    F’は10から100000の整数であるが、ただしe’はR3'が水素原子である場合にのみ数値2を有していてよいことを条件とする)のオルガノポリシロキサンであることを特徴とする、請求項11記載の架橋性材料。
  13. 有機ケイ素化合物(B)が一般式
    A’a'R’b'X’c'SiO(4−a'−b'−c')/2 (II’)
    (式中、
    A’は同一であっても異なっていてもよく、式
    CD’−R2'− (III’)
    (式中、
    CD’は一価の、誘導体化されていてよいシクロデキストリン残基を表しており、R2'は、酸素、メルカプト−、アミン−、カルボニル−、カルボキシル−、スルホキシド−もしくはスルホニル基で中断されていてよい二価の、置換されていてよい炭化水素残基を表している)の1つの残基を表している、
    R’は同一であっても異なっていてもよく、酸素原子および/または窒素原子によって中断されていてよい、置換されていてよい炭化水素残基を表している、
    X’は同一であっても異なっていてもよく、式−OR1'(式中、R1'は水素原子であるか、または、エーテル酸素原子によって置換されていてよい、置換されていてよい炭化水素残基である)の残基である、
    a’は0、1もしくは2である、
    b’は0、1、2もしくは3である、および
    c’は0、1、2もしくは3である、
    ただしa’+b’+c’の合計が≦4であり、有機ケイ素化合物が1分子当たり少なくとも1つの残基A’および少なくとも2つの残基X’を有することを条件とする)のユニットを含有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする、請求項11もしくは12記載の架橋性材料。
  14. 以下
    (A)式(I’)のオルガノポリシロキサン100重量部
    (B)シクロデキストリン残基を含む式(II’)のユニットを含有する有機ケイ素化合物20から60重量部
    (C)ジ−およびトリアルコキシアミノシランないしはそれらの部分加水分解物から選択される架橋剤1から10部
    から構成される材料であることを特徴とする、請求項11から13の一項以上に記載の架橋性材料。
  15. 有機繊維の処理方法において、請求項11から14の一項以上に記載の材料を、処理すべき繊維上に施与し、架橋させることを特徴とする、有機繊維の処理方法。
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