グルコキナーゼ(GK)は哺乳動物において見出される4種のヘキソキナーゼのうちの1種である[Colowick, S.P., in The Enzymes, Vol. 9 (P. Boyer, ed.) Academic Press, New York, NY, pages 1-48, 1973]。ヘキソキナーゼはグルコース代謝の最初の段階、すなわちグルコースのグルコース−6−リン酸への変換を触媒する。グルコキナーゼは限定された細胞分布を有し、主に膵臓β細胞及び肝実質細胞において見出される。加えて、GKは、全身グルコースホメオスタシスにおいて重要な役割を演じることが知られているこれらの2種類の細胞における、グルコース代謝の律速酵素である[Chipkin, S.R., Kelly, K.L., and Ruderman, N.B. in Joslin's Diabetes (C.R. Khan and G.C. Wier, eds.), Lea and Febiger, Philadelphia, PA, pages 97-115, 1994]。GKが最大活性の半分を示すグルコースの濃度は約8mMである。他の3種のヘキソキナーゼは、かなり低い濃度(<1mM)でグルコースにより飽和される。したがって、GK経路を通るグルコース流量は、炭水化物含有食の後、血中グルコースの濃度が空腹時濃度(5mM)から食後濃度(約10〜15mM)に増加するに従って上昇する[Printz, R.G., Magnuson, M.A., and Granner, D.K. in Ann. Rev. Nutrition Vol. 13 (R.E. Olson, D.M. Bier, and D.B. McCormick, eds.), Annual Review. Inc., Palo Alto, CA, pages 463-496, 1993]。これらの知見は、一世紀以上前に、GKがβ細胞及び肝細胞におけるグルコースセンサーとして機能するという仮説に寄与した(Meglasson, M.D. and Matschinsky, F.M. Amer, J. Physiol. 246, E1-E13, 1984)。近年、トランスジェニック動物における研究により、GKが実際に全身グルコースホメオスタシスにおいて重要な役割を演じることが確認されている。GKを発現しない動物は、重篤な糖尿病により誕生の数日以内に死亡するが、GKを過剰発現する動物は、向上したグルコース耐性を有する(Grupe, A., Hultgren, B., Ryan, A. et al., Cell 83, 69-78, 1995; Ferrie, T., Riu, E., Bosch, F. et al., FASEB J., 10, 1213-1218, 1996)。グルコース暴露の増加は、β細胞のGKと共役してインスリン分泌を増加させ、肝細胞のGKと共役してグリコーゲン沈着を増加させ、そして、おそらくグルコース産生を減少させる。
若者のII型成人発病型糖尿病(MODY−2)が、GK遺伝子における突然変異による機能損失により引き起こされるという発見は、GKがヒトにおいてグルコースセンサーとしても機能することを示唆する(Liang. Y., Kesavan, P., Wang, L. et al.. Biochem. J. 309, 167-173, 1995)。ヒトにおいてグルコース代謝を調節するGKの重要な役割を裏付ける更なる証拠が、増加した酵素活性を伴うGKの突然変異形態を発現した患者の確認によって提供された。これらの患者は、血漿インスリン濃度が不適切に上昇したことに関連する空腹時低血糖症を示した(Glaser, B., Kesavan, P., Heyman, M. et al., New England J. Med. 338, 226-230, 1998)。GK遺伝子の突然変異は、大多数のII型糖尿病の患者には見出されないが、GKを活性化させ、それによりGKセンサー系の感受性を向上させる化合物は、全てのII型糖尿病に特徴的な高血糖症の処置において依然として有用である。グルコキナーゼ活性化物質は、β細胞及び肝細胞におけるグルコース代謝の流量を増加させ、共役してインスリン分泌を増加させる。そのような薬剤はII型糖尿病の処置に有用であろう。
本発明は式I:
〔式中、R1及びR2は、独立して、水素、ハロ、アミノ、ヒドロキシアミノ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、−OR5、
ペルフルオロ−低級アルキル、低級アルキルチオ、ペルフルオロ−低級アルキルチオ、低級アルキルスルホニル、ペルフルオロ−低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル又はスルホンアミドであり;
R3は、炭素原子4〜5個の非分岐鎖状アルキル鎖、又は炭素原子3〜4個と酸素若しくは硫黄原子の1個の非分岐鎖状ヘテロアルキル鎖であり、ここで、鎖は、それが結合している炭素原子と組み合わされて、5員又は6員環を形成し、
鎖がヘテロ原子を含有しない場合、鎖の炭素員の1個は、ヒドロキシ、オキソ、ヒドロキシイミノ、メトキシイミノ、ハロ、メトキシ及びアセトキシからなる群より選択される部分の1個で置換されているか、又は鎖の炭素員の1個は、1個のヒドロキシ及び1個の低級アルキルでジ置換されているか、若しくはハロゲンでジ置換されており、
鎖がOヘテロ原子を含有する場合、鎖は非置換であり、そして
鎖がSヘテロ原子を含有する場合、鎖は非置換であるか、又は鎖のSヘテロ原子員は、オキソ基で置換されており;
R4は、
であるか;或いは示されているアミン基に環炭素原子により結合する非置換又はモノ置換の5員又は6員芳香族複素環であり、ここで、5員又は6員芳香族複素環は、硫黄、酸素又は窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、そのうちの1個のヘテロ原子は、結合環炭素原子に隣接する窒素であり;前記モノ置換芳香族複素環は、前記結合炭素原子に隣接する以外の環炭素原子上の位置で、低級アルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ペルフルオロ−低級アルキル、アミドオキシム、又は
からなる群より選択される置換基でモノ置換されており;
nは、0、1、2、3又は4であり;
R5は、水素、低級アルキル又はペルフルオロ−低級アルキルであり;R6は、低級アルキルであり;そしてR7は、水素又は低級アルキルであり;
*は、不斉炭素原子を表す〕で示されるアミドを包含する化合物、或いは
薬学的に許容されうるその塩を提供する。
式Iの化合物は、インビトロでグルコキナーゼを活性化することが見出されている。グルコキナーゼ活性化物質は、II型糖尿病の処置においてインスリン分泌を増加させるために有用である。
本発明は、また、式Iの化合物と、薬学的に許容されうる担体及び/又は佐剤とを含む医薬組成物に関する。更に、本発明は、治療上活性な物質としてのそのような化合物の使用、ならびにII型糖尿病の治療又は予防用の医薬を調製するためのその使用に関する。本発明は、更に、式Iの化合物の製造方法に関する。その上、本発明は、II型糖尿病の予防的又は治療的処置の方法であって、式Iの化合物をヒト又は動物に投与することを含む方法に関する。
より詳細には、本発明は式I:
〔式中、R1及びR2は、独立して、水素、ハロ、アミノ、ヒドロキシアミノ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、−OR5、
ペルフルオロ−低級アルキル、低級アルキルチオ、ペルフルオロ−低級アルキルチオ、低級アルキルスルホニル、ペルフルオロ−低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル又はスルホンアミドであり;
R3は、炭素原子4〜5個の非分岐鎖状アルキル鎖、又は炭素原子3〜4個と酸素若しくは硫黄原子の1個の非分岐鎖状ヘテロアルキル鎖であり、ここで、鎖は、それが結合している炭素原子と組み合わされて、5員又は6員環を形成し、
鎖がヘテロ原子を含有しない場合、鎖の炭素員の1個は、ヒドロキシ、オキソ、ヒドロキシイミノ、メトキシイミノ、ハロ、メトキシ及びアセトキシからなる群より選択される部分の1個で置換されているか、又は鎖の炭素員の1個は、1個のヒドロキシ及び1個の低級アルキルでジ置換されているか、若しくはハロゲンでジ置換されており、
鎖がOヘテロ原子を含有する場合、鎖は非置換であり、そして
鎖がSヘテロ原子を含有する場合、鎖は非置換であるか、又は鎖のSヘテロ原子員は、オキソ基で置換されている)であり;
R4は、
であるか;或いは示されているアミン基に環炭素原子により結合する非置換又はモノ置換の5員又は6員芳香族複素環であり、ここで、5員又は6員芳香族複素環は、硫黄、酸素又は窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、そのうちの1個のヘテロ原子は、結合環炭素原子に隣接する窒素であり;前記モノ置換芳香族複素環は、前記結合炭素原子と隣接する以外の環炭素原子上の位置で、低級アルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ペルフルオロ−低級アルキル、アミドオキシム、又は
からなる群より選択される置換基でモノ置換されており;
nは、0、1、2、3又は4であり;
R5は、水素、低級アルキル又はペルフルオロ−低級アルキルであり;R6は、低級アルキルであり;そしてR7は、水素又は低級アルキルであり;
*は、式Iの全部又は大部分の化合物において不斉である炭素原子を表す〕で示されるアミドを包含する化合物、或いは
薬学的に許容されうるその塩を提供する。
式Iの化合物において、「*」は、式Iの大部分又は全部の化学種において不斉である炭素原子を示す。式Iの化合物は、ラセミ化合物として、又は示されている不斉炭素において単離された「R」若しくは「S」配置のいずかで存在することができる。「R」鏡像異性体が好ましい。
本明細書中で使用されるように、用語「低級アルキル」は、1〜7個の炭素原子を有する直鎖状と分岐鎖状の両方のアルキル基を含み、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルであり、好ましくはメチル及びエチルである。本明細書中で使用されるように、用語「ハロゲン又はハロ」は、特記のない限り、4種全てのハロゲン、すなわちフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を示す。 本明細書中で使用されるように、「ペルフルオロ低級アルキル」は、低級アルキル基の全ての水素がフルオロに置換されているか、交換されているあらゆる低級アルキル基を意味する。そのうち、好ましいペルフルオロ低級アルキル基は、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及びヘプタフルオロプロピル等であり、トリフルオロメチルが特に好ましい。
本明細書中で使用されるように、用語「アリール」は、アリール単核芳香族炭化水素基、例えば、フェニル、トリル等(これらは、非置換であるか、又はハロゲン、ニトロ、低級アルキル又は低級アルコキシ置換基で1つ以上の位置で置換されていることができる)及び多核アリール基、例えば、ナフチル、アントリル及びフェナントリル(これらは、非置換であるか、又は1個以上の上記の基で置換されていることができる)を意味する。好ましいアリール基は、置換及び非置換の単核アリール基であり、特にフェニルである。 本明細書中で使用されるように、用語「低級アルコキシ」は、1〜7個の炭素原子を有する直鎖状と分岐鎖状の両方のアルキル基を含み、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシであり、好ましくはメトキシ及びエトキシである。用語「アリールアルキル」は、水素原子の1個がアリール基に置き換わっている、アルキル基、好ましくは低級アルキルを意味する。アリールアルキル基の例は、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−クロロベンジル、4−メトキシベンジル等である。
本明細書中で使用されるように、用語「低級アルカン酸」は、2〜7個の炭素原子を含む低級アルカン酸、例えば、プロピオン酸、酢酸等を意味する。用語「低級アルカノイル」は2〜7個の炭素原子を有する一価アルカノイル基、例えば、プロピオノイル、アセチル等を意味する。用語「アロイン酸」は、アリールが上記で定義されたとおりであり、またアルカン酸が1〜6個の炭素原子を含む、アリールアルカン酸を意味する。用語「アロイル」は、アリールが、前記で定義されたとおりであって、COOH部分の水素基が除去されている、アロイン酸を意味する。そのうち、好ましいアロイル基はベンゾイルである。
合成反応の間、遊離カルボン酸又はヒドロキシ基のような種々の官能基を、従来の加水分解しうるエステル又はエーテル保護基を介して保護してもよい。本明細書中で使用されるように、用語「加水分解しうるエステル又はエーテル保護基」は、加水分解されてそれぞれカルボキシ又はヒドロキシ基が得られる、カルボン酸又はアルコールの保護に従来より使用されるあらゆるエステル又はエーテルを示す。これらの目的に有用な例示的なエステル基は、アシル部分が、低級アルカン酸、アリール低級アルカン酸又は低級アルカンジカルボン酸から誘導されるものである。そのうち、そのような基を形成するために使用できる活性化された酸は、酸無水物、酸ハロゲン化物であり、好ましくはアリール又は低級アルカン酸から誘導される酸塩化物又は酸臭化物である。無水物の例としては、無水酢酸及び安息香酸無水物のようなモノカルボン酸から誘導される無水物、及び低級アルカンジカルボン酸無水物、例えば無水コハク酸であり、ならびにクロロホルマート、例えば、クロロギ酸トリクロロメチルとクロロギ酸エチルが好ましい。アルコールの適切なエーテル保護基は、例えば、4−メトキシ−5,6−ジヒドロキシ−2H−ピラニルエーテルのようなテトラヒドロピラニルエーテルである。他は、ベンジル、ベンズヒドリル若しくはトリチルエーテルのようなアロイルメチルエーテルであるか、又はα−低級アルコキシ低級アルキルエーテル、例えば、メトキシメチル若しくはアリルエーテルであるか、又はトリメチルシリルエーテルのようなアルキルシリルエーテルである。
用語「アミノ保護基」は、開裂して遊離アミノ基が得られる、あらゆる従来のアミノ保護基を意味する。好ましい保護基は、ペプチド合成に使用される従来のアミノ保護基である。特に好ましくは、pH約2〜3の穏やかな酸性条件下で開裂されうるアミノ保護基である。特に好ましいアミノ保護基には、カルバミン酸t−ブチル(BOC)、カルバミン酸ベンジル(CBZ)及び9−フルオレニルメチルカルバマート(FMOC)が挙げられる。
R4により定義される芳香族複素環は、酸素、窒素及び硫黄からなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、示されるアミド基のアミンに環炭素で結合している、非置換又はモノ置換の5員又は6員芳香族複素環でありうる。芳香族複素環は、結合環炭素原子に隣接する第1の窒素ヘテロ原子を含み、また存在する場合は、他のヘテロ原子は硫黄、酸素又は窒素でありうる。そのような芳香族複素環には、例えば、ピリダジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル及びピラゾリルが挙げられる。そのうち、好ましい芳香族複素環は、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、チアゾリル、オキサゾリル及びイミダゾリルである。R4を構成するこれらの芳香族複素環は、環炭素原子を介してアミド基に結合して、式Iで示されるアミドを形成する。アミド結合を介して結合されて式Iの化合物を形成する、芳香族複素環の環炭素原子は、どのような置換基も有することができない。
R4が、非置換又はモノ置換の5員芳香族複素環である場合、好ましい環は、結合環炭素に隣接する窒素ヘテロ原子と、結合環炭素に隣接するか又は前記第1ヘテロ原子に隣接する第2ヘテロ原子とを含有するものである。好ましい5員芳香族複素環は、2又は3個のヘテロ原子を含有し、チアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル及びチアジアゾリルが特に好ましい。芳香族複素環が6員ヘテロ芳香族である場合、環は示されているアミン基に環炭素原子で結合し、1個の窒素ヘテロ原子は結合環炭素原子に隣接している。好ましい6員芳香族複素環には、例えば、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル及びトリアジニルが挙げられる。
本明細書中で使用されるように、用語「薬学的に許容されうる塩」は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の無機又は有機の両方の薬学的に許容されうる酸の任意の塩を包含する。用語「薬学的に許容されうる塩」は、また、アミン塩、トリアルキルアミン塩等のあらゆる薬学的に許容されうる塩基塩を包含する。そのような塩は、標準的な技術を使用して当業者により極めて容易に形成することができる。
R3と、R3が結合している炭素原子との組み合わせにより形成される5員又は6員環(以下、−CH<R3と呼ばれる)は、極性基である。5員又は6員環は、全て炭素原子からなってもよいし、又は酸素若しくは硫黄から選択される1個のヘテロ原子を含有してもよい。5員又は6員環がヘテロ原子を含有する場合、環における全ての炭素原子は水素原子で飽和される。ヘテロ原子がSである場合、S原子は、場合によりオキソ基で置換されている。5員又は6員環がヘテロ原子を含有しない場合、鎖の炭素員の1個は、ヒドロキシ、オキソ、ヒドロキシイミノ、メトキシイミノ、ハロ、メトキシ及びアセトキシからなる群より選択される部分の1個で置換されているか、又は鎖の炭素員の1個は、1個のヒドロキシ及び1個の低級アルキルでジ置換されているか、若しくはハロゲンでジ置換されている。そのような5員又は6員環には、テトラヒドロ−フラン、テトラヒドロ−ピラン、テトラヒドロ−チオピラン、1−オキソ−テトラヒドロ−1−チオピラン、ケト−シクロアルキル、ヒドロキシ−シクロアルキル、メトキシ−シクロアルキル、ヒドロキシイミノ−シクロアルキル、メトキシイミノ−シクロアルキル、ハロ−シクロアルキル及びジハロ−シクロアルキルが挙げられる。
本発明の1つの実施態様において、化合物I−A(ここで、
R1は、水素、ハロ又はペルフルオロ−低級アルキルであり;
R2は、ハロ又は低級アルキルスルホニルであり;
R3は上記と同義であり;
R4は、示されているアミン基に環炭素原子により結合する非置換又はモノ置換の5員又は6員芳香族複素環であり、ここで、5員又は6員芳香族複素環は、硫黄又は窒素から選択される1又は2個のヘテロ原子を含み、そのうちの1個のヘテロ原子は、結合環炭素原子に隣接する窒素であり;前記モノ置換芳香族複素環は、前記結合炭素原子に隣接する以外の環炭素原子上の位置で、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、ペルフルオロ−低級アルキル、アミドオキシム、又は
からなる群より選択される置換基でモノ置換されているか;又は
nは、0、1、2、3又は4であり;
R6は、低級アルキルであり;そしてR7は、水素又は低級アルキルである);又は
薬学的に許容されうるその塩が提供される。
化合物I−Aの他の好ましい実施態様において、R4は、−CO−NH−R6であり、R3は、a)炭素原子3個と酸素原子1個の鎖、b)炭素原子3個と硫黄原子1個の鎖、c)炭素原子4個の鎖、d)炭素原子4個と酸素原子1個の鎖、e)炭素原子4個と硫黄原子1個の鎖、又はf)炭素原子5個の鎖のうちの1つである。基−CH<R3は、場合により上記で定義されたように更に置換されていてもよい。
化合物I−Aの他の更に好ましい実施態様において、R4は、非置換チアゾリルであり、R3は、a)炭素原子3個と酸素原子1個の鎖、b)炭素原子3個と硫黄原子1個の鎖、c)炭素原子4個の鎖、d)炭素原子4個と酸素原子1個の鎖、e)炭素原子4個と硫黄原子1個の鎖、又はf)炭素原子5個の鎖のうちの1つである。基−CH<R3は、場合により上記で定義されたように更に置換されていてもよい。
化合物I−Aの更に好ましい実施態様において、R4は、非置換又はモノ置換ピラジニルであり、R3は、a)炭素原子3個と酸素原子1個の鎖、b)炭素原子3個と硫黄原子1個の鎖、c)炭素原子4個の鎖、d)炭素原子4個と酸素原子1個の鎖、e)炭素原子4個と硫黄原子1個の鎖、又はf)炭素原子5個の鎖のうちの1つである。基−CH<R3は、場合により上記で定義されたように更に置換されていてもよい。
化合物I−Aのまた更に好ましい実施態様において、R4は、置換ピリジニルであり、R3は、a)炭素原子3個と酸素原子1個の鎖、b)炭素原子3個と硫黄原子1個の鎖、c)炭素原子4個の鎖、d)炭素原子4個と酸素原子1個の鎖、e)炭素原子4個と硫黄原子1個の鎖、又はf)炭素原子5個の鎖のうちの1つである。基−CH<R3は、場合により上記で定義されたように更に置換されていてもよい。
別の好ましい実施態様において、本発明は、式I〔式中、R1及びR2は、独立して、水素、クロロなどのハロ、トリフルオロメチルなどのペルフルオロ−低級アルキル、又はメチルスルホニルなどの低級アルキルスルホニルであり;R3は、炭素原子4〜5個の非分岐鎖状アルキル鎖、又は炭素原子3〜4個と酸素若しくは硫黄原子の1個との未分岐鎖状ヘテロアルキル鎖であり、ここで、鎖は、それが結合している炭素原子と組み合わされて、5員又は6員環を形成し、また(1)鎖がヘテロ原子を含有しない場合、鎖の炭素員の1個は、ヒドロキシ、オキソ、ヒドロキシイミノ、メトキシイミノ、フルオロなどのハロ、メトキシ、及びアセトキシからなる群より選択される部分の1個で置換されているか;又は鎖の炭素員の1個は、ヒドロキシ1個及びメチルなどの低級アルキル1個でジ置換されているか、若しくはフルオロなどのハロゲンでジ置換されており;(2)鎖がOヘテロ原子を含有する場合、鎖は非置換であり;そして(3)鎖がSヘテロ原子を含有する場合、鎖は非置換であるか、又は鎖のSヘテロ原子員はオキソ基で置換されており;R4は、−C(O)NHR6であるか、又は示されているアミン基に環炭素原子により結合している非置換若しくはモノ置換の5員若しくは6員芳香族複素環であり、ここで、5員若しくは6員芳香族複素環は、硫黄及び窒素から選択される1若しくは2個のヘテロ原子を含み、そのうちの1個のヘテロ原子は、結合環炭素原子に隣接する窒素であり;前記モノ置換芳香族複素環は、前記結合炭素原子に隣接する以外の環炭素原子上の位置で、メチルなどの低級アルキル、クロロ及びブロモなどのハロ、シアノ、アミドオキシム、又は−(CH2)n−OR7若しくは−(CH2)n−C(O)OR7からなる群より選択される置換基でモノ置換されており;nは、0又は1であり;R6は、メチルなどの低級アルキルであり;R7は、水素又はメチルなどの低級アルキルであり;*は、式Iの全部又は大部分の化合物において不斉である炭素原子を表す〕で示される化合物、又は薬学的に許容されうるその塩に関する。
好ましくは、R1及びR2は、互いに独立して、水素、クロロなどのハロ、トリフルオロメチルなどのペルフルオロ−低級アルキル、又はメチルスルホニルなどの低級アルキルスルホニルである。より好ましくは、R1は、水素、クロロなどのハロ、又はトリフルオロメチルなどのペルフルオロ−低級アルキルであり、そしてR2は、クロロなどのハロ、又はメチルスルホニルなどの低級アルキルスルホニルである。
R3と、R3が結合している炭素原子との組み合わせにより形成される好ましい5員又は6員環は、テトラヒドロフラン−2−イル及びテトラヒドロフラン−3−イルなどのテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラン−2−イル及びテトラヒドロピラン−3−イルなどのテトラヒドロピラニル、テトラヒドロ−チオピラン−3(R)−イル及び1−オキソ−ヘキサヒドロ−1λ4−チオピラン−3(R)−イルなどのテトラヒドロ−チオピラニル、並びにシクロペンチル、2−ヒドロキシ−シクロペンチル、3−ヒドロキシ−シクロペンチル、4−ヒドロキシ−シクロペンチル、2−オキソ−シクロペンチル、3−オキソ−シクロペンチル、4−オキソ−シクロペンチル、2−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル、3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル、4−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル、2−メトキシイミノ−シクロペンチル、3−メトキシイミノ−シクロペンチル、4−メトキシイミノ−シクロペンチル、2−フルオロシクロペンチル、3−メトキシ−シクロペンチル、3−アセトキシ−シクロペンチル、2,2−ジフルオロ−シクロペンチル、3,3−ジフルオロ−シクロペンチル、及び3−ヒドロキシ−3−メチル−シクロペンチルなどのシクロアルキルである。
好ましい実施態様において、R4は、示されているアミン基に環炭素原子により結合している非置換又はモノ置換の5員又は6員芳香族複素環であり、ここで、5員又は6員芳香族複素環は、硫黄及び窒素から選択される1又は2個のヘテロ原子を含み、そのうちの1個のヘテロ原子が、結合環炭素原子に隣接する窒素であり;前記モノ置換芳香族複素環は、前記結合炭素原子に隣接する以外の環炭素原子上の位置で、メチルなどの低級アルキル、クロロ若しくはブロモなどのハロ、シアノ、アミドオキシム、−(CH2)n−OR7、又は−(CH2)n−C(O)OR7からなる群より選択される置換基でモノ置換されている。別の好ましい実施態様において、R4は、基−C(O)NHR6であり、ここで、R6は、メチルなどの低級アルキルである。
最も好ましい5員又は6員芳香族複素環のR4は、チアゾール−2−イルなどのチアゾリル、ピラジン−2−イルなどのピラジニル、及びピリジン−2−イルなどのピリジニルである。上記の5員又は6員芳香族複素環は、場合により、結合炭素原子に隣接する以外の環炭素原子上の位置で、メチルなどの低級アルキル、クロロ及びブロモなどのハロ、シアノ、アミドオキシム、−(CH2)n−OR7、及び−(CH2)n−C(O)OR7(ここで、nは0又は1であり、そしてR7は水素又はメチルなどの低級アルキルである)からなる群より選択される置換基でモノ置換されていてもよい。
別の好ましい実施態様において、R5は、水素、メチルなどの低級アルキル、又はトリフルオロメチルなどのペルフルオロ−低級アルキルである。
別の好ましい実施態様において、R6は、メチルなどの低級アルキルである。
別の好ましい実施態様において、R7は、水素、又はメチルなどの低級アルキルである。
別の好ましい実施態様では、nは、0又は1である。
本発明の好ましい化合物は、
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素、
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素、
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素、
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素、
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素、
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素、
1−〔2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−メトキシ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
3−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−(チアゾール−2−イルカルバモイル)−エチル〕−シクロペンチルエステル、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−フルオロ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2,2−ジフルオロ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3,3−ジフルオロ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド、
6−〔2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニルアミノ〕−ニコチン酸メチルエステル、
6−〔2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニルアミノ〕−ニコチン酸、
N−(5−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオンアミド、
2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((S)−3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((R)−3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−メトキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−3−メチル−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−〔5−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−ピラジン−2−イル〕−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−チオピラン−3(R)−イル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(1−オキソ−ヘキサヒドロ−1λ4−チオピラン−3(R)−イル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−ヒドロキイミノシ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−メトキシイミノ−シクロヘキシル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−メトキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
及び薬学的に許容されうるその塩からなる群より選択される。
本発明のより好ましい化合物は、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−〔5−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−ピラジン−2−イル〕−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((R)−3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−ヒドロキイミノシ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
及び薬学的に許容されうるその塩からなる群より選択される。
本発明の最も好ましい化合物は、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((R)−3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド又は2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、及び場合により薬学的に許容されうるその塩である。
式Iの化合物は、式Vの化合物から出発して、下記の反応シーケンスにより製造することができる。
(式中、R1、R2、R3、R4及びR6は、上記と同義である)。
R1及びR2の一方が、水素、ニトロ、メルカプト、メチルチオ、トリフルオロメチルチオ、メチルスルホニル、アミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、メトキシ、トリフルオロメトキシ、メチル、トリフルオロメチル及びカルボキシであり、他方が水素である式V及びVIで示されるカルボン酸又はその低級アルキルエステルは、市販されている。カルボン酸のみが入手可能であり、また必要であれば更なる化学的修飾によりR1及びR2において所望の置換基を得るため、カルボン酸を、任意の通常のエステル化の方法を使用して低級アルキルアルコールの対応するエステルに変換することができる。
このスキームにおける全ての反応は、式VI又はVIIIで示されるカルボン酸の低級アルキルエステルで実施されるか、又は式V又はIXで示されるカルボン酸それ自体で実施してもよい。
R1及びR2のうちの1つがアミノである式Vの化合物は、式Iの化合物に変換する前又は後のいずれかにおいて、他の置換基に変換することができる。この点において、アミノ基をジアゾ化して対応するジアゾニウム化合物を得ることができ、それをインシトゥで所望の低級アルキルチオール又はペルフルオロ−低級アルキルチオールと反応させ(例えば、Baleja, J. D. Synth. Comm. 1984, 14, 215; Giam, C. S.; Kikukawa, K., J. Chem. Soc, Chem. Comm. 1980, 756; Kau, D.; Krushniski, J. H.; Robertson, D. W, J. Labelled Compd Rad. 1985,22, 1045; Oade, S.; Shinhama, K.; Kim, Y. H., Bull Chem Soc. Jpn. 1980, 53, 2023; Baker, B. R.; et al, J. Org. Chem. 1952, 17, 164を参照すること)、置換基の一方が低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオであり、他方が水素である式Vの対応する化合物を得ることができる。所望であれば、次に低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオ化合物を、酸化により式Vの対応する低級アルキルスルホニル又はペルフルオロ−低級アルキルスルホニル置換化合物に変換することができる。アルキルチオ置換基を酸化してスルホンにする任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。一方、低級アルキルチオ化合物も酸化により式Vの対応する低級アルキルスルフィニル化合物に変換することができる。アルキルチオ置換基を酸化してスルホキシドにする任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
R1及びR2の一方が水素であり、他方がスルホンアミドである式Vの化合物を製造することを望む場合、メルカプト置換基を酸化して−SO3H基にすることができ、次にそれを−SO2Clに変換することができ、次にそれをアンモニアと反応させてスルホンアミド置換基−SO2−NH2を形成する。
式Vの化合物の低級アルキル又はペルフルオロ−低級アルキル基を有する化合物を製造することを望む場合、式Vの対応するハロ置換化合物を出発材料として使用することができる。芳香族ハロ基を対応するアルキル基に変換する任意の常法(例えば、Katayama, T.; Umeno, M., Chem. Lett. 1991, 2073; Reddy, G. S.; Tam., Organometallics, 1984, 3, 630; Novak, J.; Salemink, C. A., Synthesis, 1983, 7, 597; Eapen, K. C.; Dua, S. S.; Tamboroski, C., J. Org Chem. 1984, 49, 478; Chen, Q, -Y.; Duan, J. -X. J. Chem. Soc. Chem. Comm. 1993, 1389 ; Clark, J. H.; McClinton, M. A.; Jone, C. W.; Landon, P.; Bisohp, D.; Blade, R. J., Tetrahedron Lett. 1989, 2133; Powell, R. L.; Heaton, C. A,米国特許第5,113,013号を参照すること)を使用して、この変換を実施することができる。
R1及びR2の一方又は両方がヒドロキシアミノである式Vの化合物では、対応するニトロ化合物を出発材料として使用することができ、それをR1及び/又はR2がヒドロキシアミノである対応する化合物に変換することができる。ニトロ基を対応する芳香族ヒドロキシアミノ化合物に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
R1及びR2の両方が、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ及びメトキシである式V又はVIで示されるカルボン酸又はエステルは、市販されている。R1がトリフルオロメチルであり、R2がフルオロである式Vで示されるカルボン酸、及びR1がニトロであり、R2がクロロである式Vで示されるカルボン酸も、市販されている。カルボン酸のみが入手可能である場合、それらを、任意の通常のエステル化の方法を使用して、低級アルキルアルコールの対応するエステルに変換することができる。
R1及びR2の両方がニトロである式Vの化合物を得るためには、3,4−ジニトロトルエンを出発材料として使用することができる。この化合物を対応する3,4−ジニトロフェニル酢酸に変換することができる。アリールメチル基を対応するアリール酢酸に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施することができる(例えば、Clark, R. D.; Muchowski, J. M.; Fisher, L. E.; Flippin, L. A.; Repke, D. B.; Souchet, M, Synthesis, 1991, 871を参照すること)。R1及びR2の置換基の両方がアミノである式Vの化合物は、上記記載の式Vの対応するジニトロ化合物から得ることができる。ニトロ基をアミンに還元する任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
R1及びR2がアミン基である式Vの化合物を使用し、ジアゾ化反応を介して、R1及びR2の両方がヨード又はブロモである式Vの対応する化合物を製造することができる。アミノ基をヨード又はブロモ基に変換する任意の常法(例えば、Lucas, H. J.; Kennedy, E. R. Org. Synth. Coll. Vol, II 1943, 351を参照すること)を使用して、この変換を実施することができる。
R1及びR2の両方が低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオ基である式Vの化合物を製造することを望む場合、R1及びR2がアミノである式Vの化合物を出発材料として使用することができる。アリールアミノ基をアリール低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオ基に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。R1及びR2が低級アルキルスルホニル又は低級ペルフルオロアルキルスルホニルである式Vの化合物を製造することを望む場合、R1及びR2が低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオである式Vの対応する化合物を出発材料として使用することができる。アルキルチオ置換基を酸化してスルホンにする任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。一方、R1及びR2が低級アルキルスルフィニルである式Vの化合物を製造することを望む場合、R1及びR2が低級アルキルチオである式Vの対応する化合物を出発材料として使用することができる。アルキルチオ置換基を酸化してスルホキシドにする任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
R1及びR2の両方が、低級アルキル又はペルフルオロ−低級アルキル基に置き換わっている式Vの化合物を製造することを望む場合、式Vの対応するハロ置換化合物を出発材料として使用することができる。芳香族ハロ基を対応する低級アルキル又はペルフルオロ−低級アルキル基に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
R1及R2の一方がニトロであり、他方がハロである式Vの化合物に対応するカルボン酸は、文献により既知である(4−クロロ−3−ニトロフェニル酢酸については、Tadayuki, S.; Hiroki, M.; Shinji, U.; Mitsuhiro, S.日本国特許71−99504号, Chemical Abstracts 80: 59716を参照すること;4−ニトロ−3−クロロフェニル酢酸については、Zhu, J.; Beugelmans, R.; Bourdet, S.; Chastanet, J.; Rousssi, G. J. Org. Chem. 1995, 60, 6389; Beugehnans, R.; Bourdet, S.; Zhu, J. Tetrahedron Lett. 1995, 36, 1279を参照すること)。これらのカルボン酸を、任意の通常のエステル化の方法を使用して、対応する低級アルキルエステルに変換することができる。したがって、R1及びR2の一方がニトロであり、他方が低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオである式Vの化合物を製造することを望む場合、R1及びR2の一方がニトロであり、他方がクロロである対応する化合物を出発材料として使用することができる。この反応において、低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオを用いる芳香族塩素基の求核置換の任意の常法を使用することができる(例えば、Singh, P.; Batra, M. S.; Singh, H, J. Chem. Res.-S 1985 (6), S204; Ono, M.; Nakamura, Y.; Sata, S.; Itoh, I, Chem. Lett, 1988, 1393; Wohrle, D.; Eskes, M.; Shigehara, K.; Yamada, A, Synthesis, 1993, 194 ; Sutter, M.; Kunz, W,米国特許第第5,169,951号を参照すること)。R1及びR2の一方がニトロであり、他方が低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオである式Vの化合物をひとたび入手すれば、それらを、従来の酸化の手順を使用して、R1及びR2の一方がニトロであり、他方が低級アルキルスルホニル又はペルフルオロ−低級アルキルスルホニルである式Vの対応する化合物に変換することができる。R1及びR2の一方がアミノであり、他方が低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオである式Vの化合物を製造することを望む場合、R1及びR2の一方がニトロであり、他方が低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオである対応する化合物を出発材料として使用することができる。芳香族ニトロ基をアミンに還元する任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。R1及びR2の一方が低級アルキルチオであり、他方がペルフルオロ−低級アルキルチオである式Vの化合物を製造することを望む場合、R1及びR2の一方がアミノであり、他方が低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオである対応する化合物を出発材料として使用することができる。芳香族アミノ基をジアゾ化し、インシトゥーで所望の低級アルキルチオールと反応させる任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。R1及びR2の一方が低級アルキルスルホニルであり、他方がペルフルオロ−低級アルキルスルホニルである式Vの化合物を製造することを望む場合、R1及びR2の一方が低級アルキルチオであり、他方がペルフルオロ−低級アルキルチオである対応する化合物を出発材料として使用することができる。芳香族チオ基を酸化して対応するスルホン基にする任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
R1及びR2の一方がハロであり、他方が低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオである式Vの化合物を製造することを望む場合、R1及びR2の一方がアミノであり、他方が低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオである対応する化合物を出発材料として使用することができる。芳香族アミノ基をジアゾ化し、それをインシトゥーで芳香族ハロゲン化物に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。R1及びR2の一方がハロであり、他方が低級アルキルスルホニル又はペルフルオロ−低級アルキルスルホニルである式Vの化合物を製造することを望む場合、R1及びR2の一方がハロであり、他方が低級アルキルチオ又はペルフルオロ−低級アルキルチオである対応する化合物を出発材料として使用することができる。芳香族チオ基を酸化して対応するスルホンにする任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
R1及びR2の一方がニトロであり、他方がアミノである式Vの化合物を製造することを望む場合、R1及びR2の一方がニトロであり、他方がクロロである式Vの化合物を出発材料として使用することができる。フェニル環上のクロロ置換基をヨード置換基に変換することができ(例えば、Bunnett, J. F.; Conner, R. M.; Org. Synth. Coll Vol V, 1973, 478; Clark, J. H.; Jones, C. W. J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1987,1409を参照すること)、それを次にアジド移動剤と反応させて対応するアジドを形成することができる(例えば、Suzuki, H.; Miyoshi, K.; Shinoda, M. Bull. Chem. Soc. Jpn, 1980, 53, 1765を参照すること)。次にこのアジドを、アジドをアミンに変換する慣用の還元剤で還元してアミン置換基を形成する通常の方法により、還元することができる(例えば、Soai, K.; Yokoyama, S.; Ookawa, A. Synthesis, 1987,48を参照すること)。
R1及びR2の両方がシアノである式Vの化合物を製造することを望む場合、この化合物は、上記記載のように、R1及びR2がアミノである化合物からジアゾ化を介してジアゾニウム塩を得て、続いてそれをシアノ基移動剤と反応させることにより、製造することができる。R1及びR2の一方がシアノであり、他方がシアノではない式Vの化合物を製造することを望む場合、R1及びR2の一方がニトロであり、他方がクロロである式Vの化合物を出発材料として使用することができる。この出発材料を使用して、最初にニトロをアミノ誘導体に還元する。ニトロ基をアミンに還元する任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。次にアミノ基を、ジアゾ化によりジアゾニウム塩を得て、続いてそれをシアノ基移動剤と反応させることにより、シアノ基に変換する。次にハロを、上記記載のように、任意のその他の所望のR1及びR2置換基に変換することができる。
R1又はR2の1つが−C(O)−OR6である式Vの化合物を製造することを望む場合、この化合物は、R1及びR2のうちの1つがアミノ基である対応する化合物から、アミノ基をジアゾニウム塩に変換し、そのジアゾニウム塩をハロゲン化水素酸と反応させて対応するハロゲン化物を形成し、対応するハロゲン化物からグリニャール試薬を形成し、最後にグリニャール試薬をカルボン酸塩源と反応させて対応する酸を得て、次にそれをエステル化しうることにより形成することができる。一方、R1及びR2の両方が−C(O)−OR6である式Vの化合物を製造することを望む場合、この化合物は、R1及びR2の両方がアミノ基である式Vの対応する化合物から、上記記載のようにして得ることができる。同様に、式Vの化合物のアミノ基は、アミノ基を単に硫酸中の硝酸ナトリウムと反応させて、アミノ基をヒドロキシ基に変換し、その後、所望であればヒドロキシ基をエーテル化することにより、R1若しくはR2のいずれか、又はR1及びR2の両方がOR5である対応する化合物に変換することができる。
R1が水素であり、R2が低級アルキルスルホニルである式Vの化合物を製造することを望む場合、既知の4−メルカプトフェニル酢酸を出発材料として使用してもよい。R1が水素であり、R2がメルカプトである式Vの化合物は、通常の方法(例えば、ハロゲン化アルキルを用いる)によりアルキル化して、式Vの対応する低級アルキルチオ化合物にしてもよい。次に低級アルキルチオ化合物を酸化により式Vの対応する低級アルキルスルホニル化合物に変換することができる。アルキルチオ置換基を酸化して対応するスルホン基にする任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
一方、R1がトリフルオロメチルであり、R2が低級アルキルスルホニルである式Vの化合物を製造することを望む場合、既知の4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸を出発材料として使用することができる。この反応において、低級アルキルチオールを用いる芳香族フッ素基の求核置換の任意の常法を使用して、この変換を実施することができる(例えば、Boswell, G. E.; Licause, J. F. J. Org. Chem. 1995, 6592; Sheikh, Y. M. et al. J. Org. Chem. 1982, 4341; Brown, F. C. et al. J. Org. Chem. 1961, 4707を参照すること)。R1がトリフルオロメチルであり、R2が低級アルキルチオである式Vの化合物を入手すると、それを、従来の酸化手順を使用して、R1がトリフルオロメチルであり、R2が低級アルキルスルホニルである式Vの対応する化合物に変換することができる。
R1がハロであり、R2が低級アルキルスルホニルである式Vの化合物を製造することを望む場合、既知の2−ハロチオフェノールを出発材料として使用することもできる。この反応シーケンスにおいて、メルカプト基を通常の方法(例えば、低級ハロゲン化アルキルを用いる)によりアルキル化して、対応する2−ハロ−1−低級アルキルチオベンゼンにしてもよい。次にこれらの化合物を、対応する3−ハロ−4−(低級アルキルチオ)−フェニル酢酸に変換することができる。最初に2−ハロ−1−低級アルキルチオベンゼンを、フリーデル−クラフトアシル化を介して、(低級アルキル)塩化オキサリル(例えば、塩化メチルオキサリル又は塩化エチルオキサリル)によりアシル化して、低級アルキルチオ官能基に対してパラ位置にα−ケト−カルボン酸エステルを得る。次にα−ケトカルボン酸エステルを任意の常法により加水分解して、α−ケトカルボン酸エステルをα−ケトカルボン酸に変換する。得られるα−ケトカルボン酸のウオルフ−キシュナー還元により、R1がハロであり、R2が低級アルキルチオである式Vの化合物を得ることになる(例えば、同様の反応シーケンスは、Levine, S. D. J. Med. Chem. 1972, 1029を参照すること)。次に低級アルキルチオ化合物を酸化により式Vの対応する低級アルキルスルホニル化合物に変換することができる。アルキルチオ置換基を酸化して対応するスルホン基にする任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
式VIIのハロゲン化アルキルを使用するアルキル化反応では、式Vのカルボン酸を、直接アルキル化することができるか、又は最初に任意の通常のエステル化の方法を使用して式VIの低級アルキルアルコールの対応するエステルに変換し、次にアルキル化することができる。反応シーケンスのアルキル化工程において、式VIIのハロゲン化アルキルを、式Vのジアニオンと反応させて式IXの化合物を得るか、又は式VIのアニオンと反応させて式VIIIの化合物を得る。式V及びVIの化合物は、有機酸及びα炭素原子を有する有機酸誘導体を表し、そして式VIIの化合物はハロゲン化アルキルであるので、アルキル化は、このカルボン酸のα炭素原子において起こる。この反応を、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する、任意の常法により実施される。一般に、これらのアルキル化反応において、ハロゲン化アルキルを、酢酸のジアニオン又は酢酸エステルから発生するアニオンと反応させる。アニオンは、リチウムジイソプロピルアミド又はn−ブチルリチウムのような強有機塩基、ならびに他の有機リチウム塩基を使用して発生させることができる。この反応を実施するにあたり、テトラヒドロフランのような低沸騰エーテル溶媒を低温(−80℃〜約−10℃が好ましい)で使用する。しかし、−80℃から室温までの任意の温度を使用することができる。必要であれば、アルキル化反応は、式VIIのハロアルキル化サブユニットの代わりに、トリフラートアルキル化サブユニットを使用して、進行させてもよい。これらのトリフラートアルキル化反応は、合成有機化学の分野で周知の手順に従って実施することができる。
R4がCONH−R6であり、R6が低級アルキルである式Iの化合物を製造することを望む場合、式VIIIのメチルエステルを低級アルキル尿素と反応させて式Iの化合物を得る。この反応を、メチルエステルを低級アルキル尿素と反応させる任意の常法を使用することにより実施して、対応する縮合生成物を形成する。必要な低級アルキル尿素は、市販されているか(例えば、メチル尿素、エチル尿素、n−プロピル尿素、n−ブチル尿素)、又は化学文献において既知である。
R4が非置換又はモノ置換の5員又は6員芳香族複素環である式Iの化合物を製造することを望む場合、カルボン酸エステルを酸に変換する任意の通常の手順により、式VIIIの化合物を式IXの化合物に変換することができる。次に式IXの化合物を、通常のペプチドカップリングにより式Xの化合物と縮合して、式Iの化合物を得る。この反応を実施するに際し、第一級アミンをカルボン酸と縮合させる任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。一方、式VIIIの化合物も通常の手順により式Xの化合物と縮合させて、式Iの化合物を得ることができる。この反応を実施するに際し、第一級アミンをカルボン酸エステルと縮合させる任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
式Xの複素芳香族アミノ化合物は市販されているか、又は化学文献において既知であるか、又は化学文献で報告されている標準の合成変換の適応を使用して当業者により調製することができる。例えば、置換基の1つが−(CH2)nCOOR7(ここで、n=1、2、3又は4であり、そしてR7は、水素又は低級アルキルである)である式Xの複素芳香族化合物は、対応するカルボン酸−(CH2)nCOOR7(ここで、n=0であり、そしてR7は水素である)から製造することができる。任意の通常の炭素同族体化の方法を使用して低級カルボン酸をその高級同族体に変換することができ(例えば、Skeean, R. W.; Goel, O. P. Synthesis, 1990, 628を参照すること)、次に任意の通常のエステル化の方法を使用してそれを対応する低級アルキルエステルに変換することができる。次に置換基の1つが−(CH2)nC(=O)NHR7(ここで、n=0、1、2、3又は4であり、そしてR7は、水素又は低級アルキルである)である式Xの複素芳香族化合物を上記カルボン酸により製造することができる。カルボン酸を対応するアミドに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に低級アルキルアミドを、任意の通常のアミド還元法により、置換基の1つが−(CH2)nNHR7である式Xの対応するアミンに変換することができる。置換基の1つが−(CH2)nOR7(ここで、n=1、2、3又は4である)である式Xの複素芳香族化合物は、上記の対応する低級アルキルエステルから製造することができる。低級アルキルエステルを、任意の通常のエステル還元法を使用して、対応するアルコールに変換することができる。
そのような上記記載のアミン及びアルコールを、縮合工程を実施する前に選択的に保護しなければならないであろう。アミノ基及びアルコール基を任意の通常の酸除去基で保護することができる。次に保護基を、カップリング工程の後でアミン及びアルコール基から除去して、式Iの目的の化合物を得る。
置換基の1つが−C(O)C(O)OR7又は−C(O)−OR7であり、そしてR7が低級アルキルである式Xの複素芳香族化合物は、対応するハロゲンから製造することができる。芳香族又は複素芳香族ハロゲンをそのオキソ酢酸低級エステル又はエステル誘導体に変換する任意の通常のアシル化の方法(例えば、Hayakawa, K ; Yasukouchi, T.; Kanematsu, K. Tetrahedron Lett, 1987, 28, 5895)を使用することができる。一方、式Xの化合物の低級アルキル又はペルフルオロ−低級アルキル基を有する化合物を製造することを望む場合、式Xの対応するハロ置換化合物を出発材料として使用することができる。芳香族ハロ基を対応する低級アルキル基又はペルフルオロ−低級アルキル基に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
置換基の1つがシアノである式Xの複素芳香族化合物、又は5員若しくは6員芳香族複素環の置換基の1つがシアノである式Iの化合物を製造することを望む場合、対応するハロゲン(特にブロモ)を出発材料として使用することができる。ハロゲンをシアニドに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。一方、5員又は6員芳香族複素環の置換基の1つがアミドオキシムである式Iの化合物を製造することを望む場合、この官能基を縮合工程の後で対応するシアノ基から形成することが最良である。シアノからアミドオキシムを形成する任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
R3と、R3が結合している炭素原子との組み合わせにより形成される5員又は6員環(以下、−CH<R3と呼ばれる)は、極性基である。5員又は6員環は、全て炭素原子からなるか、又は酸素若しくは硫黄から選択される1個のヘテロ原子を含んでもよい。
−CH<R3が2−テトラヒドロフランである式VIII又はIXの化合物を製造することを望む場合、市販の出発材料2−ブロモメチル−テトラヒドロフランをアルキル化工程でハロゲン化アルキルとして使用してもよい。カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。−CH<R3が2−テトラヒドロフランである式VIII又はIXの化合物を製造する他の化学的な方法は、市販のアルコールである(テトラヒドロフラン−2−イル)−メタノールからのものである。このアルコールをヨウ化物に変換してもよい。アルコールをヨウ化物に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にハロゲン化アルキルを上記記載のようにアルキル化工程に使用してもよい。
−CH<R3が2(R)−テトラヒドロフランである式VIII又はIXの化合物を製造することを望む場合、市販の出発材料(R)−(+)−テトラヒドロ−2−フル酸を使用してもよい。この反応シーケンスにおいて、この酸を対応するアルコールに還元してもよい。カルボン酸をアルコールに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に得られるアルコールをアルキル化工程のために対応するトリフラートに変換することができる。アルコールをトリフラートに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよく、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキルトリフラートでアルキル化する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。
−CH<R3が3−テトラヒドロフランである式VIII又はIXの化合物を製造することを望む場合、市販の出発材料テトラヒドロ−3−フランメタノールを使用してもよい。この反応シーケンスにおいて、最初にこのアルコールを対応するトシラートに変換することができる。アルコールをトシラートに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に得られるトシラートを対応するヨウ化物に変換してもよい。トシラートをヨウ化物に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に続くアルキル化反応を、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する、任意の常法により実施してもよい。
−CH<R3が2−テトラヒドロピランである式VIII又はIXの化合物を製造することを望む場合、市販の出発材料2−ブロモメチル−テトラヒドロ−ピランをハロゲン化アルキルとして使用してもよい。次にアルキル化反応を、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する、任意の常法により実施してもよい。
−CH<R3が3(R)−テトラヒドロピランである式VIII又はIXの化合物を製造することを望む場合、市販の出発材料3,3′−チオジプロピオナートを使用してもよい。この反応シーケンスにおいて、塩基を使用してジエステルを環化することができる。塩基促進環化の任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。得られるチオピランを酵素的に還元してもよい。キラル還元の任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。得られるアルコールを対応する炭化水素に還元することができる。アルコール還元の任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に残留エステルをアルコールに還元してもよい。エステルをアルコールに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にこのアルコールをヨウ化アルキルに変換することができる。アルコールをヨウ化物に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にアルキル化反応を、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する、任意の常法により実施してもよい。
−CH<R3が3−(1−オキソ−ヘキサヒドロ−1λ4−チオピラン−3(R)−イルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、−CH<R3において3−(R)−テトラヒドロ−チオピランサブユニットを有する式Iの形態のものであってよい。チオ−エーテルを酸化してスルホキシドにすることができる。アルキルチオ置換基を酸化してスルホキシドにする任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
−CH<R3が4−テトラヒドロピランである式VIII又はIXの化合物を製造することを望む場合、既知の出発材料(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−メタノールを使用してもよい。この反応シーケンスにおいて、このアルコールをトシラートに還元してもよい。アルコールをトシラートに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にトシラートをヨウ化物に変換する。アルコールをヨウ化物に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にアルキル化反応を、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する、任意の常法により実施してもよい。
−CH<R3が2−ヒドロキシ−シクロペンチルである式VIII又はIXの化合物を製造することを望む場合、市販の出発材料2−オキソ−シクロペンタンカルボン酸エチルエステルを使用してもよい。この反応シーケンスにおいて、このケトンをアルコールに還元してもよい。ケトンをアルコールに還元する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に得られるアルコールを、アルコールのための標準保護基を使用して保護することができる。アルコールを保護アルコールに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。エステルを対応する第一級アルコールに還元してもよい。エステルをアルコールに還元する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。得られるアルコールをヨウ化物に変換することができる。アルコールをヨウ化物に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にアルキル化反応を、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する、任意の常法により実施してもよい。あるいはまた、−CH<R3が2−オキソ−シクロペンチルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、−CH<R3において2−ヒドロキシ−シクロペンチルサブユニットを有する式Iの形態のものであってよい。このアルコールを酸化してケトンにしてもよい。アルコールを酸化してケトンにする任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。
同様に、
(a)所望の3−オキソ−シクロヘキシル−CH<R3基を、エチル3−オキソシクロヘキサン−1−カルボキシラートから得ることができる。
(b)所望の2−オキソ−シクロヘキシル−CH<R2基を、2−シクロヘキサノンカルボキシラートから得ることができる。
−CH<R3が2−ヒドロキシイミノ−シクロペンチルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、−CH<R3において2−オキソ−シクロペンチルサブユニットを有する式Iの形態のものであってよい。次にケトンをヒドロキシイミノに変換してもよい。ケトンをヒドロキシイミノに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。一方、−CH<R3が2−メトキシイミノ−シクロペンチルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、また、−CH<R3において2−オキソ−シクロペンチルサブユニットを有する式Iの形態のものであってもよい。このケトンをメトキシイミノに変換してもよい。ケトンをメトキシイミノに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。
−CH<R3が2,2−ジフルオロ−シクロペンチルである式VIIIの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、−CH<R3において2−オキソ−シクロペンチルサブユニットを有する式VIIIの形態のものであってよい。次にケトンをジフルオロに変換してもよい。ケトンをジフルオロに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。
−CH<R3が3−ヒドロキシ−シクロペンチルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料3−ヨードメチル−シクロペンタノン(J. Org. Chem. 1981, 46, 2412-2414)を使用してよい。このケトンアルコールに還元することができる。ケトンをアルコールに還元する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。アルコールを、アルコールのための標準保護基を使用して保護してもよい。アルコールを保護アルコールに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にアルキル化反応を、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する、任意の常法により実施してもよい。式VIIIの化合物を、通常の方法により式Xの化合物と縮合させて、式Iの化合物を得る。この反応を実施するに際し、第一級アミンをカルボン酸エステルと縮合させる任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。次にアルコール保護基を除去してよい。アルコール保護基を除去する任意の常法を使用してよい。
−CH<R3が3−メトキシ−シクロペンチルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、−CH<R3において3−ヒドロキシ−シクロペンチルサブユニットを有する式Iの形態のものであってよい。このアルコールをメチルエーテルに変換することができる。アルコールをメチルエーテルに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。一方、−CH<R3が3−アセトキシ−シクロペンチルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、また、−CH<R3において3−ヒドロキシ−シクロペンチルサブユニットを有する式Iの形態のものであってよい。このアルコールをアセトキシ基に変換することができる。アルコールをアセトキシに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。
−CH<R3が3−フルオロ−シクロペンチルである式VIIIの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、−CH<R3において3−ヒドロキシ−シクロペンチルサブユニットを有する式VIIIの形態のものであってよい。このアルコールをフルオロに変換することができる。アルコールをフルオロに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。
−CH<R3が3−オキソ−シクロペンチルである式VIII又はIXの化合物を製造することを望む場合、出発材料3−ヨードメチル−シクロペンタノン(J. Org. Chem. 1981, 46, 2412-2414)を使用してよい。このケトンを、ケトンのための標準保護基を使用して保護することができる。ケトンを保護ケトンに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にアルキル化反応を、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する、任意の常法により実施してもよい。次にケトンの保護基を除去することができる。ケトン保護基を除去する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。3−オキソ−シクロペンチル環の分岐鎖点で立体化学がR又はSのいずれかで定義されている化合物を製造することを望む場合、出発材料は、2−シクロペンテン−1−オンの適切なキラル保護形態であってよい。次にこの材料を標準的方法により適切な保護ヨウ化物に変換することができる。
−CH<R3が3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、−CH<R3において3−オキソ−シクロペンチルサブユニットを有する式Iの形態のものであってよい。このケトンをヒドロキシイミノに変換してもよい。ケトンをヒドロキシイミノに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。一方、−CH<R3が3−メトキシイミノ−シクロペンチルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、また、−CH<R3において3−オキソ−シクロペンチルサブユニットを有する式Iの形態のものであってもよい。このケトンをメトキシイミノに変換してもよい。ケトンをメトキシイミノに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。
−CH<R3が3,3−ジフルオロ−シクロペンチルである式VIIIの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、−CH<R3において3−オキソ−シクロペンチルサブユニットを有する式VIIIの形態のものであってよい。次にこのケトンをジフルオロに変換してもよい。ケトンをジフルオロに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。
−CH<R3が3−ヒドロキシ−3−メチル−シクロペンチルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、−CH<R3において3−オキソ−シクロペンチルサブユニットを有する式Iの形態のものであってよい。次にこのケトンを、ケトンを低級アルキル第三級アルコールに変換する任意の常法により、3−ヒドロキシ−3−メチル化合物に変換してもよい。
−CH<R3が4−オキソ−シクロヘキシルである式VIII又はIXの化合物を製造することを望む場合、市販の出発材料4−シクロヘキサノンカルボン酸エチルエステルを使用してもよい。標準的な保護基を使用して、このケトンを保護してもよい。ケトンを保護する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に得られるエステルをアルコールに還元してもよい。エステルをアルコールに還元する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。このアルコールをヨウ化物に変換することができる。アルコールをヨウ化物に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にアルキル化反応を、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する、任意の常法により実施してもよい。次にケトン保護基を除去してよい。ケトン保護基を除去する任意の常法を使用してよい。
−CH<R3が4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、−CH<R3において4−オキソ−シクロヘキシルサブユニットを有する式Iの形態のものであってよい。次にこのケトンをヒドロキシイミノに変換してもよい。ケトンをヒドロキシイミノに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。一方、−CH<R3が4−メトキシイミノ−シクロヘキシルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、また、−CH<R3において4−オキソ−シクロヘキシルサブユニットを有する式Iの形態のものであってよい。次にこのケトンをメトキシイミノに変換してもよい。ケトンをメトキシイミノに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。
−CH<R3が4−ヒドロキシ−シクロヘキシルである式Iの化合物を製造することを望む場合、出発材料は、−CH<R3において4−オキソ−シクロヘキシルサブユニットを有する式Iの形態のものであってよい。このケトンをアルコールに還元してもよい。ケトンをアルコールに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。
−CH<R3が3−テトラヒドロピランである式VIII又はIXの化合物を製造することを望む場合、市販の出発材料ジヒドロ−ピラン−3−オンを使用してもよい。この反応シーケンスにおいて、このケトンをアルコールに還元してもよい。ケトンをアルコールに還元する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。アルコールをメシラートに変換する。アルコールをメシラートに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にメシラートをシアノ基に置き換えてもよい。メシラートをシアノに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に得られるシアノを酸に変換してもよい。シアノを酸に加水分解する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に酸をアルコールに還元する。酸をアルコールに還元する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にこのアルコールをヨウ化物に変換してもよい。アルコールをヨウ化物に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にアルキル化反応を、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する、任意の常法により実施してもよい。
同様に、
(a)所望の2−テトラヒドロチオフラン−CH<R3基を、4−ブチロチオラクトンから製造することができる。
(b)所望の3−テトラヒドロチオフラン−CH<R3基を、テトラヒドロチオフェン−3−オンから製造することができる。
(c)所望の4−テトラヒドロチオピラン−CH<R3基を、テトラヒドロチオピラン−4−オンから製造することができる。
−CH<R3が2−テトラヒドロチオピランである式VIII又はIXの化合物を製造することを望む場合、市販の出発材料エチル2−オキソチアン−3−カルボキシラートを使用してもよい。この反応シーケンスにおいて、このエステルを酸に変換してもよい。エステルを酸に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に酸を脱カルボキシ化してもよい。脱カルボキシ化する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にこのケトンをアルコールに還元してもよい。ケトンをアルコールに還元する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。アルコールをメシラートに変換する。アルコールをメシラートに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にメシラートをシアノ基に置き換えてもよい。メシラートをシアノに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に得られるシアノを酸に変換してもよい。シアノを酸に加水分解する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次に酸をアルコールに還元する。酸をアルコールに還元する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にこのアルコールをヨウ化物に変換してもよい。アルコールをヨウ化物に変換する任意の常法を使用して、この変換を実施してもよい。次にアルキル化反応を、カルボン酸又はカルボン酸の低級アルキルエステルのα炭素原子をアルキル化する、任意の常法により実施してもよい。
式Iの化合物は不斉炭素原子を有し、それを介して基−CH2−CH<R3及び酸アミド置換基が結合している。本発明によると、この基の好ましい立体配置はRである。
式Iの化合物のR又はS異性体を製造することを望む場合、これらの化合物を通常の化学的な手段により所望の異性体として単離できる。好ましい化学的な手段は、式Vで示されるフェニル酢酸の不斉アルキル化のためのキラル助剤としてのプソイドエフェドリンの使用である(例えば、Myers, A. G. et al. J. Am. Chem. Soc. 1997,6496を参照すること)。式IXの所望のR酸を形成するため、最初に、プソイドエフェドリンの所望の鏡像異性体として1R,2R−(−)−プソイドエフェドリンを使用し、式Vの化合物をプソイドエフェドリンアミドに変換する。カルボン酸をカルボキシアミドに変換する任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。プソイドエフェドリンアミドを、ハロゲン化アルキルを用いて高度にジアステレオ選択的にアルキル化して、式IXに対応するα−置換アミド生成物を得ることができる。これらの高度にジアステレオ選択的に豊富化したアミドを、カルボキシアミドをカルボン酸に変換する通常の酸加水分解の方法により、式IXの高度に鏡像異性的に豊富化したRカルボン酸に変換することができる。式IXのこれらのRカルボン酸を式IのR異性体に変換することができる。この反応を実施するに際し、第一級アミンをカルボン酸と縮合させる任意の常法を使用して、この変換を実施することができる。
式Iの化合物のR又はS異性体を製造する他の化学的な手段は、式IXの化合物を光学的に活性な塩基と反応させることである。任意の光学的に活性な通常の塩基が、この分割を実施するために使用できる。そのうち、好ましい光学的に活性な塩基は、α−メチルベンジルアミン、キニーネ、デヒドロアビエチルアミン及びα−メチルナフチルアミンなどの光学的に活性なアミン塩基である。光学的に活性な有機アミン塩基により有機酸を分割するために使用されるあらゆる従来の技術が、この反応を実施するために使用できる。分割工程において、式IXの化合物を、不活性有機溶媒媒体中、光学的に活性な塩基と反応させて、式IXの化合物のR及びS異性体の両方を有する光学的に活性なアミンの塩を得る。これらの塩の形成において、温度及び圧力は重要ではなく、塩の形成は、室温及び大気圧下で実施できる。R及びS塩は、分別結晶などの任意の常法により分離できる。結晶化した後、酸を用いる加水分解により、各々の塩をR及びS配置の式IXの化合物にそれぞれ変換できる。そのうち、好ましい酸は、希酸水溶液、すなわち硫酸水溶液又は塩酸水溶液などの約0.001N〜2N酸性水溶液である。この分割方法により得られる式IXの配置は、反応シーケンスの全体を通して実施され、式Iの所望のR又はS異性体が得られる。
式IXの化合物のラセミ体の分割も、対応するジアステレオマーエステル又はアミドの形成により達成することができる。これらのジアステレオマーエステル又はアミドは、式IXで示されるカルボン酸をキラルアルコール又はキラルアミンとカップリングさせることにより調製できる。この反応は、カルボン酸をアルコール又はアミンとカップリングさせる任意の常法を使用して実施することができる。次に、式IXの化合物の対応するジアステレオマーを、任意の通常の分離の方法を使用して分離することができる。次に、得られる純粋なジアステレオマーエステル又はアミドを加水分解して、対応する純粋なR又はS異性体を得ることができる。加水分解反応は、従来の既知の方法を使用し、ラセミ化することなくエステル又はアミドを加水分解することにより実施できる。最後にR及びS異性体の分離は、式VIIIの化合物に対応する任意の低級アルキルエステルの酵素的エステル加水分解を使用して達成することもでき(例えば、Ahmar, M.; Girard, C.; Bloch, R, Tetrahedron Lett, 1989, 7053を参照すること)、その結果、対応するキラル酸及びキラルエステルが形成される。エステル及び酸は、エステルから酸を分離する任意の常法により分離することができる。この分割方法により得られる式VIIIの配置は、反応シーケンスの全体を通して実施され、式Iの所望のR又はS異性体が得られる。
実施例に記載された化合物を含む式Iの全ての化合物は、生物活性例Aの手順によりインビトロでグルコキナーゼを活性化した。このように、これらはインスリン分泌を増加させるグルコース代謝の流量を増加させる。したがって、式Iの化合物は、インスリン分泌を増加させるのに有用なグルコキナーゼ活性化物質である。
下記の化合物を生物活性例Bで記載されたアッセイに従って試験し、これらが、経口投与されたとき、インビボで優れたグルコキナーゼ活性化物質を有することが見出された:
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−〔5−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−ピラジン−2−イル〕−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((R)−3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−プロピオンアミド、
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド、
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−ヒドロキイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド。
グルコキナーゼを活性化させる能力に基づき、上記式Iの化合物は、II型糖尿病の処置用医薬として使用できる。したがって、前述したように、式Iの化合物を含有する医薬も本発明の目的であり、そのような医薬の調製方法であって、式Iの化合物の1種以上と所望であれば他の治療上有用な物質の1種以上とをガレヌス製剤の投与形態にすること、例えば、式Iの化合物を薬学的に許容されうる担体及び/又は佐剤と組み合わせることによりガレヌス製剤の投与形態にすることを含む方法も、同様に本発明の目的である。
医薬組成物は、例えば錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬若しくは軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で経口投与してもよい。投与は、例えば坐剤を使用して直腸的に;例えば軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤又は液剤を使用して局部的又は経皮的に;例えば注射剤を使用して非経口的に、例えば静脈内、筋肉内、皮下、髄腔内又は経皮的に実施することもできる。更に、投与は舌下的又はエアゾールとして例えばスプレーの形態で実施することができる。錠剤、コーティング錠、糖衣錠又は硬ゼラチンカプセル剤の調製のため、本発明の化合物を薬学的に不活性な無機又は有機の賦形剤と混合してもよい。錠剤、糖衣錠又は硬ゼラチンカプセル剤に適切な賦形剤の例には、乳糖、トウモロコシデンプン若しくはその誘導体、タルク又はステアリン酸若しくはその塩が挙げられる。軟ゼラチンカプセル剤に使用される適切な賦形剤には、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体又は液体ポリオール等が含まれるが、活性成分の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤に賦形剤が全く必要ない場合もある。液剤及びシロップ剤の調製のため使用してもよい賦形剤には、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖及びグルコースが挙げられる。注射剤のため使用してもよい賦形剤には、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセリン及び植物油が挙げられる。坐剤及び局部又は経皮適用のため使用してもよい賦形剤には、例えば、天然若しくは硬化油、ロウ、脂肪、及び半固体又は液体ポリオールが挙げられる。医薬組成物は、また、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、着臭剤、浸透圧を変える塩、緩衝剤、被膜剤又は酸化防止剤を含んでよい。前述のように、これらも他の治療上有用な薬剤を含んでよい。調製物の製造に使用される全ての佐剤が非毒性であることが、前提条件である。
使用の好ましい形態は、静脈内、筋肉内又は経口投与であり、最も好ましくは経口投与である。式Iの化合物が有効量として投与される用量は、特定の活性成分の性質、患者の年齢及び要件並びに投与方法によって決まる。一般的に、1日当たり約1〜100mg/kg体重の用量が考慮される。
本発明は下記の実施例によりさらに良好に理解されるが、この実施例は説明目的のためであり、請求項に記載されている本発明を制限するものではない。
実施例
実施例1
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素
0℃に冷却した塩化メチレン(80mL)中のトリフェニルホスフィン(11.90g、45.41mmol)及びイミダゾール(6.18g、90.82mmol)の溶液を、ヨウ素(11.53g、45.41mmol)でゆっくりと処理し、続いて塩化メチレン(5mL)中の(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−メタノール(4.0mL、41.28mmol)の溶液を滴加した。得られた反応混合物を25℃に温め、4時間撹拌した。次に反応混合物を水(25mL)で希釈し、反応混合物を更に塩化メチレン(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下25℃で濃縮した。得られた固体をペンタン(4×50mL)で洗浄し、シリカゲルパッドで濾過した。濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、80/20 ペンタン/エーテル)に付して、2−ヨードメチル−テトラヒドロ−フラン(2.09g、25%)を、明澄な無色の液体として得た:EI-HRMS m/e C5H9IO (M+)の計算値211.9698、実測値211.9708。
メタノール(71mL)中の(3,4−ジクロロ−フェニル)−酢酸(14.0g、0.07mol)の溶液を、触媒量の濃硫酸で処理した。反応混合物を12時間加熱還流した。反応を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、50/50 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、(3,4−ジクロロ−フェニル)−酢酸メチルエステル(15.0g、定量)を、白色の固体として得た:融点30〜32℃;EI-HRMS m/e C9H8Cl2O2(M+)の計算値217.9901、実測値217.9907。
テトラヒドロフラン(30mL)中のジイソプロピルアミン(0.59mL、4.51mmol)の溶液をアルゴン雰囲気下−78℃に冷却し、次にヘキサン(1.8mL、4.51mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で15分間撹拌し、その後、テトラヒドロフラン(3mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1mL)中の(3,4−ジクロロ−フェニル)−酢酸メチルエステル(825mg、3.76mmol)の溶液を、カニューレを介してゆっくりと加えた。鮮黄色の溶液を−78℃で1時間撹拌し、その後、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(0.5mL)中の2−ヨードメチル−テトラヒドロ−フラン(798mg、3.76mmol)の溶液を、カニューレを介して加えた。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次に25℃に温め、それを14時間撹拌した。次に反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加えてクエンチし、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、90/10 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(501mg、44%)を、無色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C14H16Cl2O3(M+)の計算値302.0477、実測値302.0464。
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(617mg、2.04mmol)の溶液、メチル尿素(302mg、4.07mmol)、並びにマグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、4.63mL、3.06mmol)を、100℃で8時間加熱した。この後、反応混合物を真空下で濃縮し、酢酸エチル(50mL)に溶解し、次にシリカゲルパッドで濾過した。次に有機物を真空下で濃縮して、粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、80/20 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素を、白色の固体として得た:EI-HRMS m/e C15H18Cl2N2O3 (M+)の計算値344.0694、実測値344.0699。
実施例2
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
−78℃に冷却し新たに調製したリチウムジイソプロピルアミド(0.31M原液中の23mL、7.13mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン/1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(8.5mL、3:1)中の(3,4−ジクロロ−フェニル)−酢酸(696mg、3.39mmol)で処理した。得られた溶液を−78℃で45分間撹拌した。この時点で、反応を1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(2mL)中の2−ブロモメチル−テトラヒドロ−フラン(672mg、4.07mmol)の溶液で処理した。反応混合物を−78℃で2時間撹拌した。次に反応を25℃に温め、25℃で18時間撹拌した。次に反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液の滴加によりクエンチした。過剰量の溶媒を真空下で除去した。残渣を水(50mL)で希釈し、溶液が酸性になるまで1N塩酸水溶液で処理した。得られた溶液を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機物を飽和塩化リチウム水溶液(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、50/50ヘキサン/氷酢酸入り酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−プロピオン酸(692.3mg、70.8%)を、白色の固体として得た:融点100〜102℃、FAB-HRMS m/e C13H14Cl2O3 (M+H)+の計算値289. 0399、実測値289.0404。
N,N−ジメチルホルムアミド(3.55mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−プロピオン酸(204.5mg、0.70mmol)、2−アミノチアゾール(71mg、0.70mmol)、及びベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(314mg、0.70mmolの溶液を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(260μL、1.49mmol)で処理した。混合物を窒素下25℃で18時間撹拌した。この時点で、反応を水(50mL)で希釈した。この溶液を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、50/50 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(232.2mg、88.4%)を、白色の固体として得た:融点69〜71℃;EI-HRMS m/e C16H16Cl2N2O2S (M+)の計算値370.0309、実測値370.0309。
実施例3
2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
アルゴン下、氷浴で冷却した無水テトラヒドロフラン(100mL)中の(R)−(+)−テトラヒドロ−2−フロ酸(8.0g、68.9mmol)の溶液を、ボラン−ジメチルスルフィド(19.6mL、207.0mmol)を滴加して処理した。反応を25℃に温め、それを2時間撹拌し、次に氷浴で0℃に再冷却した。次に反応を、水の滴加によりクエンチした。反応を更に水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、25/75ヘキサン/酢酸エチル)に付して、(R)−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−メタノール(5.91g、84%)を、無色の油状物として得た:[α]23 589=−16.69°(c=5.2、クロロホルム)。
塩化メチレン(35mL)中の(R)−(テトラヒドロ−チオピラン−3−イル)−メタノール(1.0g、9.8mmol)の溶液を、−78℃に冷却し、次に2,6−ルチジン(1.71mL、14.7mmol)で、続いて無水トリフルオロメタンスルホン酸(1.98mL、11.76mmol)で処理した。反応を−78℃で40分間撹拌し、次にヘキサン(40mL)で希釈した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×25mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、トリフルオロメタンスルホン酸(R)−テトラヒドロ−フラン−2−イルメチルエステルを、粗油状物として得た。
メタノール(100mL)中の4−(メチルチオ)フェニル酢酸(6.91g、37.9mmol)の溶液を、濃硫酸(1mL)でゆっくりと処理した。得られた反応混合物を19時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた残渣を酢酸エチル(200mL)で希釈した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3×300mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×100mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(7.28g、98%)を、黄色の液体として得て、それを更に精製しないで使用した:EI-HRMS m/e C10H12O2S (M+)の計算値196.0558、実測値196.0559。
無水テトラヒドロフラン(30mL)中のジイソプロピルアミン(1.21mL、8.62mmol)の溶液をアルゴン下−78℃に冷却し、次にヘキサン(3.3mL、8.25mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(10mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(3.34mL)中の(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(1.47g、7.5mmol)の溶液を滴加して処理した。反応混合物は色が金色に変化し、−78℃で1時間撹拌した。次に反応混合物を、無水テトラヒドロフラン(10mL)中のトリフルオロメタンスルホン酸(R)−テトラヒドロ−フラン−2−イルメチルエステル(2.30g、9.8mmol)の溶液で処理した。反応混合物を25℃に温め、それを16時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)でクエンチし、次に真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水性残渣を酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40M、シリカ、9/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸メチルエステル(0.810g、39%)を、淡黄色の油状物として得た:[α]23 589=−10.87°(c=0.46、クロロホルム);EI-HRMS m/e C15H20O3S (M+)の計算値280.1133、実測値280.1130。
メタノール(10mL)中の2−(4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸メチルエステル(0.693g、2.47mmol)の溶液を、0.8M水酸化リチウム水溶液(4.01mL、4.94mmol)で処理した。反応混合物を25℃で16時間撹拌し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。残留水層を10%塩酸水溶液でpH=2に酸性化し、次に酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、純粋な2−(4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸(0.653g、99%)を、明黄色の油状物として得て、放置し結晶化させた:融点105〜107℃;[α]23 589=−14.93°(c=0.75、クロロホルム);EI-HRMS m/e C14H18O3S (M+)の計算値266.0976、実測値266. 0976。
塩化メチレン(10ml)中の2−(4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸(0.075g、0.28mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(0.186g、0.42mmol)、及び2−アミノチアゾール(0.042g、0.42mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.12mL、0.84mmol)で25℃にて処理した。得られた反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応混合物を水(10mL)で希釈し、塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(1×10mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(1×10mL)、1N塩酸水溶液(1×10mL)並びに飽和塩化ナトリウム水溶液(1×10mL)で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、2/3 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(0.068g、70%)を、淡黄色の泡状物として得た:[α]23 589=−32.91°(c=0.24、クロロホルム);EI-HRMS m/e C17H20N2O2S2 (M+)の計算値348.0966、実測値348.0968。
ギ酸(0.20mL、5.25mmol)中の2−(4−メタンスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(0.061g、0.18mmol)の溶液を、0℃に冷却し、次に30%過酸化水素水溶液(0.10mL、0.875mmol)で処理した。得られた溶液を0℃で5分間撹拌し、次に25℃に温め、それを1時間撹拌した。反応を0℃に再冷却し、次に10%重亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチした。反応混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、2/3 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(0.062g、70%)を、白色の泡状物として得た:[α]23 589=−33.0°(c=0.20、クロロホルム);EI-HRMS m/e C17H20N2O4S2 (M+)の計算値380.0864、実測値380.0873。
実施例4
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオンアミド
アルゴン下0℃に冷却したクロロホルム(180mL)中の三塩化アルミニウム(54.9g、412mmol)の溶液を、クロロホルム(180mL)中のクロロオキソ酢酸メチル(24.3mL、264mmol)の溶液を滴加して処理した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次にクロロホルム(180mL)中の2−クロロチオアニソール(39.4g、247mmol)の溶液を滴加して処理した。反応混合物は赤色に変化した。得られた反応混合物を25℃に温め、4時間撹拌した。次に反応混合物をゆっくりと氷(700mL)に注いだ。得られた黄色の混合物を15分間撹拌し、次にセライトで濾過してアルミニウム塩を除去した。次に濾液を塩化メチレン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×50mL)で洗浄した。次に有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−オキソ−酢酸メチルエステル(36.4g、60%)を、明黄色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C10H9ClO3S (M+)の計算値243.9961、実測値243.9958。
トルエン(120mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−オキソ−酢酸メチルエステル(61.7g、252mmol)の溶液を50℃で加熱した。次にこの加熱した溶液を、温度を60℃より低く保持するように注意しながら、3M水酸化ナトリウム水溶液(105mL、313mmol)を滴下漏斗により滴加して処理した。添加が完了した後、反応混合物を50℃で更に1.5時間撹拌し、その間に黄色の沈澱物が形成し始めた。この後、熱を取り外し、温かい溶液を濃塩酸(10.6mL、290mmol)を滴加して処理した。得られた反応混合物を25℃に冷却し、次に25℃で16時間撹拌した。固体を濾過し、次に水(50mL)及びトルエン(50mL)で洗浄した。固体を吸引により1時間乾燥し、次に高真空デシケーターで乾燥させて、(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−オキソ−酢酸(57.22g、98%)を、白色の固体として得た:融点166℃(分解);FAB-HRMS m/e C9H7ClO3S (M+Na)+の計算値252.9702、実測値252.9700。
機械式撹拌機を備えた反応フラスコにヒドラジン水和物(8.5mL、273mmol)を装填した。ヒドラジン水和物を−50℃に冷却し、次に(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−オキソ−酢酸(12.6g、54.6mmol)を用いて一度で処理した。発熱が起こり温度が上がった。次に得られた乳白色の混合物を80℃に加熱した。80℃に達した後、発熱体を除去し、次に反応混合物を水酸化カリウム(2.09g、31.7mmol)を用いて一度で処理した。発熱を観察した。次に反応を、反応温度が80℃に再び冷却するまで、25℃で撹拌した。この時点で、水酸化カリウム(2.09g、31.7mmol)の更なる部分を加えた。再度、発熱を観察し、得られた反応混合物を80℃に再び冷却した。80℃で一度に、水酸化カリウム(2.09g、31.7mmol)の3つ目の部分を反応混合物に加えた。別の発熱を観察し、80℃に再び冷却した後、水酸化カリウム(2.09g、31.7mmol)の4つ目で最後の部分を加えた。この時点で、発熱体を加え、反応混合物を100℃で16時間加熱した。得られた均質な反応混合物を25℃に冷却し、次に水(12mL)で希釈した。次に反応混合物を、追加の水(12mL)及びジエチルエーテル(40mL)ですすぎながら、分液漏斗に移した。層を分離し、水層をフラスコに移した。有機層を水(2×15mL)で抽出した。水層を合わせヘプタン(20mL)で処理し、得られた反応混合物を激しく撹拌した。次にこの撹拌した溶液を、温度を氷浴で50℃より低く保持しながら、30分かけて濃塩酸(26mL)を滴加して処理した。濁った懸濁液が形成され、この懸濁液を25℃で3時間撹拌した。形成された固体を濾過により回収し、次に1N塩酸水溶液(2×6mL)、ヘプタン(1×12mL)及びヘプタン/ジエチルエーテル(15mL、4:1)の溶液で順次洗浄した。得られた個体を高真空下で乾燥させて、(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸(10.48g、89%)を、オフホワイトの固体として得た:融点105.6〜108.4℃; EI-HRMS m/e C9H9ClO2S (M+)の計算値216.0012、実測値216.0022。
メタノール(150mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸(7.00g、32.30mmol)の溶液を、濃硫酸(2.8mL、52.65mmol)でゆっくりと処理した。得られた反応混合物を1.5時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。残渣を酢酸エチル(500mL)で希釈した。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×200mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×200mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(7.41g、99.4%)を、明黄色の油状物として得た: EI-HRMS m/e C10H11ClO2S (M+)の計算値230.0168、実測値230. 0166。
塩化メチレン(10mL)中の(R)−(テトラヒドロ−チオピラン−3−イル)−メタノール(実施例3と同様にして調製、0.418g、4.095mmol)の溶液を、−78℃に冷却し、次に2,4,6−コリジン(830μL、6.3mmol)で、続いて無水トリフルオロメタンスルホン酸(830μL,4.91mmol)で処理した。反応を−78℃で40分間撹拌し、次にヘキサン(20mL)で希釈した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×10mL)で洗浄し、合わせた有機抽出物を硫酸マングネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、トリフルオロメタンスルホン酸(R)−テトラヒドロ−フラン−2−イルメチルエステルを、粗油状物として得た。
無水テトラヒドロフラン(10mL)中のジイソプロピルアミン(0.55mL、3.94mmol)の溶液をアルゴン下−78℃に冷却し、次にヘキサン(1.51mL、3.78mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(3.5mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.2mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(0.72g、3.15mmol)の溶液を滴加して処理した。反応混合物は金色に変化し、−78℃で1時間撹拌した。次に反応混合物を、無水テトラヒドロフラン(2mL)中のトルフルオロメタンスルホン酸(R)−テトラヒドロ−フラン−2−イルメチルエステル(0.959g、4.10mmol)の溶液で処理した。反応混合物を25℃に温め、それを52時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(25mL)でクエンチし、次に真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水性残渣を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、9/1 ヘキサン/酢酸エチルから85/15 ヘキサン/酢酸エチルで溶離)に付して、2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸メチルエステル(0.519g、52%)を、淡黄色の油状物として得た:[α]23 589=−19.02°(c=0.51、クロロホルム);EI-HRMS m/e C15H19ClO3S (M+)の計算値314.0743、実測値314.0743。
メタノール(7mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸メチルエステル(0.519g、1.65mmol)の溶液を、0.8M水酸化リチウム水溶液(40.7mL、33.0mmol)で処理した。反応混合物を25℃で1.5時間撹拌し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。残留水層を10%塩酸水溶液でpH=2に酸性化し、次に酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、純粋な2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸(0.495g、95.8%)を、明黄色の油状物として得て、それを放置し結晶化させた:融点93〜96℃; [α]23 589=−23.70°(c=0.46、クロロホルム); EI-HRMS m/e C14H17ClO3S (M+)の計算値300.0587、実測値300.0579。
塩化メチレン(5mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸(60mg、0.2mmol)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド(3滴)で処理し、次に0℃に冷却した。次に反応混合物を塩化メチレン(110μL、0.22mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液で処理した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次に25℃に温めた。反応を真空下で濃縮して溶媒及び過剰量の塩化オキサリルを除去した。得られた残渣を無水テトラヒドロフラン(5mL)に再溶解し、テトラヒドロフラン(1mL)及びピリジン(65μL、0.8mmol)中の2−アミノピラジン(57mg、0.6mmol)の溶液を滴加して処理した。得られた反応混合物を0℃で45分間撹拌した。次に反応混合物を水(2mL)で希釈し、塩化メチレン(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、1/4 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3(R)−(テトラヒドロ−フラン−2−イル)−プロピオンアミド(50mg、66.1%)を、無色のガムとして得た:[α]23 589=−43.33°(c=0.45、クロロホルム);EI-HRMS m/e C18H20ClN3O2S (M+)の計算値377.0965、実測値377.0979。
ギ酸(0.19mL、4.8mmol)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオンアミド(0.060g、0.16mmol)の溶液を、0℃に冷却し、次に30%過酸化水素水溶液(0.10mL、0.8mmol)で処理した。得られた溶液を0℃で30分間撹拌し、次に10%重亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチした。反応混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をメタノール(1mL)に溶解し、水(0.5mL)中の過マンガン酸カリウム(0.028g、0.176mmol)の溶液を滴加して処理した。暗褐色の溶液を25℃で30分間撹拌し、次にメタノール(10mL)で希釈した。反応混合物を濾過して固体を除去し、濾液を真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、1/1 ヘキサン/酢酸エチル〜1/4 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオンアミド(44mg、67.1%)を、無色のガムとして得た:C18H20ClN3O4S (M+) 409.0863、実測値409.0868。
実施例5
2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオンアミド
メタノール(40mL)中の(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−酢酸(4.90g、22.06mmol)の溶液を、濃硫酸(7滴)で処理した。反応混合物を2時間加熱還流した。次に反応を真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×50mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×50mL)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−酢酸メチルエステル(5.02g、96%)を、無色の油状物として得た。
アルゴン下−78℃に冷却した無水テトラヒドロフラン(45mL)中のジイソプロピルアミン(1.86mL、13.29mmol)の溶液を、ヘキサン(5.10mL、12.75mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(15mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(6.5mL)中の(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−酢酸メチルエステル(2.51g、10.63mmol)の溶液を滴加して処理した。反応混合物は金色に変化し、−78℃で1時間撹拌した。この時点で、反応を無水テトラヒドロフラン(15mL)中のトルフルオロメタンスルホン酸(R)−テトラヒドロ−フラン−2−イルメチルエステル(実施例3と同様にして調製、3.23g、13.81mmol)の溶液で処理した。反応混合物を25℃に温め、それを16時間撹拌した。次に反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)でクエンチし、次に真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水性残渣を酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40M、シリカ、85/15 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸メチルエステル(2.50g、39%)を、無色の油状物として得た:[α]23 589=−18.62°(c=0.29、クロロホルム);EI-HRMS m/e C15H20O3S (M+Na)+の計算値343.0928、実測値343.0927。
無水N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の2−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸メチルエステル(1.97g、6.15mmol)の溶液を、アルゴン下25℃にてナトリウムチオメトキシド(0.680g、9.27mmol)で注意深く処理し、次に100℃で3時間過熱した。次に反応混合物を真空下で濃縮して、N,N−ジメチルホルムアミドを除去した。残留残渣を飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)に懸濁し、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。次に得られた残渣をメタノール(40mL)に溶解し、0.8M水酸化リチウム水溶液(20.60mL、16.7mmol)で処理した。反応混合物を25℃で16時間撹拌し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。残留水層を10%塩酸水溶液でpH=2に酸性化し、次に酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、純粋な2−(4−メチルスルファニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸(1.71g、83%)を、明黄色の油状物として得た:[α]23 589=−23.26°(c=0.49、クロロホルム);EI-HRMS m/e C15H17F3O3S (M-H2O)+の計算値316.0744、実測値316.0749。
塩化メチレン(5mL)中の2−(4−メチルスルファニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオン酸(67mg、0.20mmol)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド(3滴)で処理して、次に0℃に冷却した。次に反応混合物を、塩化メチレン(0.11mL、0.22mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液で処理した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、25℃に温め、次に真空下で濃縮して溶媒及び過剰量の塩化オキサリルを除去した。得られた残渣を無水テトラヒドロフラン(5mL)に再溶解し、テトラヒドロフラン(2mL)及びピリジン(0.065mL、0.80mmol)中の2−アミノピラジン(57mg、0.60mmol)の溶液を滴加して処理した。得られた反応混合物を25℃で1.5時間撹拌した。次に反応混合物を水(50mL)で希釈し、塩化メチレン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、1/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メチルスルファニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオンアミド(51mg、61%)を、無色のガムとして得た:EI-HRMS m/e C19H20F3N3O2S (M)+の計算値411.1228、実測値411.1229。
0℃に冷却したギ酸(0.16mL、3.0mmol)中の2−(4−メチルスルファニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオンアミド(0.054g、0.13mmol)の溶液を、30%過酸化水素水溶液(0.08mL、0.65mmol)で処理した。得られた溶液を0℃で30分間撹拌し、次に10%重亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチした。反応混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をメタノール(1mL)に溶解し、水(0.5mL)中の過マンガン酸カリウム(0.023g、0.143mmol)の溶液を滴加して処理した。暗褐色の溶液を25℃で30分間撹拌し、次にメタノール(10mL)で希釈した。反応混合物を濾過して固体を除去し、濾液を真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、7/3 ヘキサン/酢酸エチル〜1/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−2(R)−イル)−プロピオンアミド(33mg、57.3%)を、無色のガムとして得た:EI-HRMS m/e C19H20F3N3O4S (M)+の計算値443.1127、実測値443.1137。
実施例6
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−プロピオンアミド
塩化メチレン(45mL)中のテトラヒドロ−3−フランメタノール(3.0g、29.4mmol)の溶液を、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(3.99g、32.31mmol)及びp−トルエンスルホニルクロリド(5.60g、29.37mmol)で25℃にて処理し、反応混合物を25℃で一晩撹拌した。次に反応を分液漏斗に移し、次に1N塩酸水溶液(30mL)及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄した。次に有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40M、シリカ、60/40 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、トルエン−4−スルホン酸テトラヒドロ−フラン−3−イルメチルエステル(6.57g、97%)を、無色の油状物として得た:(ES)+-HRMS m/e C12H16O4S (M+Na)+ の計算値279.0661、実測値279.0664。
トルエン−4−スルホン酸テトラヒドロ−フラン−3−イルメチルエステル(6.50g、25.36mmol)、ヨウ化ナトリウム(11.02g、73.54mmol)並びにアセトン(200mL)の溶液を60℃で16時間加熱した。次に得られた懸濁液を10℃に冷却し濾過した。塩を冷アセトン(50mL)ですすいだ。次に濾液及び洗液を真空下で濃縮して濃密なスラリーを得た。このスラリーに塩化メチレン(100mL)を加え、沈殿物を濾取し、塩化メチレン(20mL)で洗浄した。次に濾液及び洗液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、シリカゲルパッドで濾過し、次に真空下で濃縮して、3−ヨードメチル−テトラヒドロ−フランを、明黄色の油状物として得た。
テトラヒドロフラン(10mL)中のジイソプロピルアミン(0.84mL、5.98mmol)の溶液をアルゴン雰囲気下−78℃に冷却し、次にヘキサン(2.29mL、5.72mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を78℃で15分間撹拌した。この時点で、反応をテトラヒドロフラン(5mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(0.75mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(実施例4と同様にして調製、1.20g、5.20mmol)の溶液でゆっくりと処理した。鮮黄色の溶液を−78℃で1時間撹拌し、その後、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(0.69mL)及びテトラヒドロフラン(5mL)中の3−ヨードメチル−テトラヒドロ−フラン(2.21g、10.4mmol)の溶液を、カニューレを介して加えた。次に反応混合物を25℃に温め、それを48時間撹拌した。次に反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加えてクエンチし、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。次に有機層を合わせ、10%硫酸水溶液(25mL)及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(25mL)で洗浄した。次に合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40M、シリカ、75/25 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−3−イル−プロピオン酸メチルエステル(663mg、41%)を、明黄色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C15H19ClO3S (M+)の計算値314.0743、実測値314.0729。
ギ酸(0.79mL)及びテトラヒドロフラン(2.89mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−3−イル−プロピオン酸メチルエステル(663mg、2.11mmol)の溶液を、氷浴にて0℃に冷却し、次に30%過酸化水素水溶液(1,19mL、10.53mmol)で処理した。次に反応を25℃にゆっくりと温め、25℃で16時間撹拌した。この時点で、反応を0℃に冷却し、次に飽和亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチした。この溶液を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、50/50 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−プロピオン酸メチルエステル(729mg、100%)を、白色のロウ状の固体として得た:(ES)+-HRMS m/e C15H19ClO5S (M+Na)+ の計算値369.0534、実測値369.0536。
エタノール(20mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−プロピオン酸メチルエステル(729mg、2.10mmol)の溶液を、水(7mL)中の水酸化カリウム(694mg、10.51mmol)の溶液で処理した。反応を25℃で3時間撹拌し、真空下で濃縮してエタノールを除去し、次に1N塩酸水溶液でpH=2に酸性化した。次に得られた混合物を塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−プロピオン酸(654mg、94%)を、白色の泡状物として得た:(ES)+-HRMS m/e C14H17ClO5S (M+Na)+の計算値355.0377、実測値355.0382。
0℃に冷却した塩化メチレン(5mL)中のトリフェニルホスフィン(118mg、0.45mmol)の溶液を、N−ブロモスクシンイミド(91mg、0.51mmol)で処理した。完全に溶解した後、次に冷却した紫色の溶液を2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−プロピオン酸(100mg、0.30mmol)で処理した。得られた反応混合物を0℃で20分間撹拌し、次に25℃に温め、それを更に30分間撹拌した。次に紫色の反応混合物を2−アミノピラジン(43mg、0.45mmol)及びピリジン(0.07mL、0.90mmol)で処理し、25℃で16時間撹拌した。次に反応を水(10mL)で希釈し、塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、1.5/98.5 塩化メチレン/メタノール)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−フラン−3−イル)−プロピオンアミド(46mg、37%)を、明橙色の泡状物として得た:(ES)+-HRMS m/e C18H20ClN3O4S (M+H)+の計算値410.0936、実測値410.0940。
実施例7
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニル〕−3−メチル尿素
アルゴン雰囲気下−78℃に冷却したテトラヒドロフラン(120mL)中のジイソプロピルアミン(2.63mL、18.2mmol)の溶液を、ヘキサン(9.1mL、18.2mmol)中のn−ブチルリチウム2.0M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で15分間撹拌し、その後、テトラヒドロフラン(20mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(6mL)中の(3,4−ジクロロ−フェニル)−酢酸メチルエステル(実施例1と同様にして調製、3.62g、16.5mmol)の溶液を、カニューレを介してゆっくりと加えた。鮮黄色の溶液を−78℃で1時間撹拌し、その後、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(4mL)中の2−ブロモメチル−テトラヒドロ−ピラン(2.5mL、19.8mmol)の溶液を、カニューレを介して加えた。次に反応混合物を25℃に温め、それを16時間撹拌した。次に反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加えてクエンチし、次に酢酸エチル(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、90/10 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(4.68g、89%)を、無色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C15H18Cl2O3 (M+)の計算値316.0633、実測値316.0625。
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(374mg、1.19mmol)、メチル尿素(176mg、2.38mmol)、並びにマグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、2.5mL、1.78mmol)の溶液を100℃で8時間加熱した。時間の経過とともに、反応混合物は外見が濁ってきた。この時点で、反応を真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(10mL)に溶解し、次にシリカゲルパッドで濾過した。次に濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、95/5 ヘキサン/酢酸エチル〜60/40 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニル〕−3−メチル尿素(76mg、19%)の2対のジアステレオマーを、白色の固体として得た:(1)第1の対のジアステレオマー:融点172.8〜174.2℃;EI-HRMS m/e C16H20Cl2N2O3 (M+) の計算値358.0851、実測値358.0848;(2)第2の対のジアステレオマー:EI-HRMS m/e C16H20Cl2N2O3 (M+)の計算値358.0851、実測値358.0848。
実施例8
1−〔2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素
メタノール(509mL)中の4−(メタンスルホニル)フェニル酢酸(43.63g、0.204mol)の溶液を、濃硫酸(2mL)でゆっくりと処理した。得られた反応混合物を19時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。残渣を酢酸エチル(800mL)で希釈した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×200mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、1/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、4−(メタンスルホニル)フェニル酢酸メチルエステル(45.42g、98%)を、黄色の油状物として得て、それを25℃で長時間放置してクリーム色の固体に凝固させた:融点78〜80℃;EI-HRMS m/e C10H12O4S (M+)の計算値228.0456、実測値228.0451。
アルゴン雰囲気下−78℃に冷却したテトラヒドロフラン(30mL)中のジイソプロピルアミン(0.67mL、4.82mmol)の溶液を、ヘキサン(1.93mL、4.82mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で15分間撹拌した。この時点で、反応をテトラヒドロフラン(6mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(2mL)中の(4−メタンスルホニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(1.00g、4.38mmol)の溶液で処理した。鮮黄色の溶液を−78℃で1時間撹拌し、その後、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1mL)中の2−ブロモメチル−テトラヒドロ−ピラン(0.67mL、5.26mmol)の溶液をカニューレを介して加えた。次に反応混合物を25℃に温め、それを16時間撹拌した。次に反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加えてクエンチし、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40M、シリカ、70/30 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(157mg、11%)を、無色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C16H22O5S (M+)の計算値326.1188、実測値326.1189。
2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(75mg、0.23mmol)、メチル尿素(34mg、0.46mmol)、マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、0.49mL、0.35mmol)、及びメタノール(0.5mL)の溶液を、100℃で8時間加熱した。時間の経過とともに、反応混合物は外見が濁ってきた。この時点で、反応を真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(10mL)に溶解し、次にシリカゲルパッドで濾過した。濾液を真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、30/70 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、1−〔2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素(5mg、6%)を、無色の油状物として得た:FAB-HRMS m/e C17H24N2O5S (M+H)+の計算値369.1484、実測値369.1495。
実施例9
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
エタノール(150mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(実施例7と同様にして調製、4.68g、14.75mmol)を、水(16mL)中の水酸化カリウム(1.66g、29.50mmol)の溶液で処理して、反応を25℃で1時間撹拌した。次に反応を水(50mL)で希釈し、真空下で濃縮してエタノールを除去し、次に1N塩酸水溶液でpH=2に酸性化した。次に生成物を塩化メチレン(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、90/10 塩化メチレン/メタノール+1%酢酸)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(3.91g、87%)を、明澄な無色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C14H16Cl2O3 (M+)の計算値302.04765、実測値302.0473。
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(81mg、0.27mmol)の溶液を、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(112mg、0.29mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.14mL、0.80mmol)、及び2−アミノチアゾール(40mg、0.40mmmol)で処理した。反応を25℃で16時間撹拌した。この時点で、反応を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をを水(1×10mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(1×10mL)、1N塩酸水溶液(1×10mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、90/10 ヘキサン/酢酸エチル〜60/40 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(35mg、34%)を、明黄色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C17H18Cl2N2O2S (M+)の計算値384.0466、実測値384.0468。
実施例10
2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
−78℃に冷却したテトラヒドロフラン(80mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(実施例9と同様にして調製、2.56g、8.44mmol)の溶液を、トリエチルアミン(1.30mL、9.65mmol)で、続いてトリメチルアセチルクロリド(1.10mL、8.84mmol)で処理した。得られた白色のスラリーを−78℃で15分間、次に0℃で45分間撹拌した。別のフラスコで、−78℃に冷却したテトラヒドロフラン(40mL)中の(S)−4−イソプロピル−2−オキサゾリジノン(1.04g、8.04mmol)の溶液を、ヘキサン(3.4mL、8.44mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。溶液を−78℃で10分間撹拌し、次に25℃に温め、それを更に10分間撹拌した。この時点で、1番目の反応混合物を−78℃に再冷却した。2番目の反応混合物をカニューレを介し5分間かけて1番目の反応混合物に加えた。次に合わせた反応混合物を−78℃で15分間撹拌し、次に25℃に温め、それを更に1.5時間撹拌した。この時点で、反応を飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液(25mL)を加えてクエンチし、次に酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×15mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、ヘキサン〜80/20 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2つの生成物を得た:(1)3−〔2(S)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニル〕−4(S)−イソプロピル−オキサゾリジン−2−オン(506mg、15%)を、明澄な無色の油状物として得た;及び(2)3−〔2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニル〕−4(S)−イソプロピル−オキサゾリジン−2−オン(560mg、17%)を、明澄な無色の油状物として得た。
0℃に冷却したテトラヒドロフラン(30mL)及び水(10mL)中の3−〔2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニル〕−4(S)−イソプロピル−オキサゾリジン−2−オン(560mg、1.40mmol)の溶液を、30%過酸化水素水溶液(0.7mL)及び水酸化リチウム(117mg、2.80mmol)で処理した。反応を0℃で1時間撹拌した。この時点で、反応を、亜硫酸ナトリウム水溶液(0.71g、4mL中5.6mmol)で、続いて0.5N重炭酸ナトリウム水溶液(13mL)を加えてクエンチした。次にテトラヒドロフランを真空下で除去した。残渣を水(60mL)で希釈し、塩化メチレン(3×20mL)で抽出した。次に水層を5N塩酸水溶液でpH=2に酸性化し、次に酢酸エチル(4×25mL)で抽出した。次に合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(203mg、48%)を、明澄な無色の油状物として得た。
塩化メチレン(10mL)中の2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(80mg、0.26mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロ−ホスフェート(177mg、0.40mmol)、及び2−アミノチアゾール(40mg、0.40mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.11mL、0.79mmol)で25℃にて処理した。得られた反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応混合物を水(10mL)で希釈し、塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を水(1×10mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(1×10mL)、1N塩酸水溶液(1×10mL)、並びに飽和塩化ナトリウム水溶液(1×10mL)で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、95/5 ヘキサン/酢酸エチル〜70/30 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2(R)−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(57mg、57%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C17H18Cl2N2O2S (M+)の計算値384.066、実測値384.1467。
実施例11
2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
エタノール(5mL)中の2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(実施例8と同様にして調製、75mg、0.23mmol)の溶液を、水(1mL)中の水酸化カリウム(32mg、0.58mmol)の溶液で処理した。反応を25℃で3時間撹拌した。次に反応を真空下で濃縮してエタノールを除去し、次に1N塩酸水溶液でpH=2に酸性化した。次にこの溶液を塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、ヘキサン〜60/40 ヘキサン/酢酸エチル+1%酢酸)に付して、2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(60mg、85%)を、白色の固体として得た:FAB-HRMS m/e C15H20O5S (M+H)+の計算値313.1109、実測値313.1111。
塩化メチレン(5mL)中の2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(60mg、0.19mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロ−ホスファート(127mg、0.29mmol)、及び2−アミノチアゾール(28mg、0.29mmol)の溶液を、トリエチルアミン(0.08mL、0.58mmol)で25℃にて処理した。得られた反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応混合物を水(10mL)で希釈し、塩化メチレン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を水(1×10mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(1×10mL)、1N塩酸水溶液(1×10mL)並びに飽和塩化ナトリウム水溶液(1×10mL)で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、20/80 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(54mg、71%)を、無色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C18H22N2O4S2 (M+)の計算値394.1021、実測値394.1021。
実施例12
2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
無水塩化メチレン(140mL)及び2,6−ルチジン(5.23mL、45.02mmol)中の(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−メタノール(3.40g、29.26mmol)の溶液を、アルゴン下−78℃に冷却し、次に無水トリフルオロメタンスルホン酸(5.78mL、35.11mmol)で処理した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次にヘキサン(200mL)で希釈した。次に混合物を50%重炭酸ナトリウム水溶液(150mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、トリフルオロメタンスルホン酸テトラヒドロ−ピラン−2−イルメチルエステルを、粗油状物として得て、それを更に精製しないで使用した。
アルゴン下−78℃に冷却した無水テトラヒドロフラン(140mL)中のジイソプロピルアミン(7.04mL、49.97mmol)の溶液を、ヘキサン(19.8mL、49.5mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(25mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(8.5mL)中の(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−酢酸(5.00g、22.51mmol)の溶液を滴加して処理した。反応混合物は金色に変化し、−78℃で1時間撹拌した。この時点で、反応を無水テトラヒドロフラン(100mL)中のトルフルオロメタンスルホン酸テトラヒドロ−ピラン−2−イルメチルエステル(7.26g、29.26mmol)の溶液で処理した。反応混合物を25℃に温め、それを30分間撹拌した。次に反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)でクエンチし、次に真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水性残渣を、1N塩酸水溶液を用いてpH=2に酸性化した。残留水層を酢酸エチル(2×250mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、3/7 ヘキサン/酢酸エチル〜1/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(5.20g、72%)を、黄色のガムとして得た:EI-HRMS m/e C15H16F4O3 (M+Na)+の計算値343.0931、実測値343.0928。
無水N,N−ジメチルホルムアミド(90mL)中の2−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(5.20g、16.24mmol)の溶液を、95%水素化ナトリウム(410mg、17.05mmol)でアルゴン下25℃にて注意深く処理した。反応混合物を25℃で30分間撹拌し、次にナトリウムチオメトキシド(2.40g、32.48mmol)で処理した。この混合物を100℃で4.5時間加熱し、次に真空下で濃縮してN,N−ジメチルホルムアミドを除去した。残渣を水(100mL)で希釈し、次に1N塩酸水溶液を用いてpH=2に酸性化した。得られた水層を酢酸エチル(2×600mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、98/2 クロロホルム/メタノール〜9/1 クロロホルム/メタノール)に付して、2−(4−メチルスルファニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(5.70g、100%)を、黄色のガムとして得た:EI-HRMS m/e C16H19F3O3S (M+Na)+の計算値371.0899、実測値371.0902。
0℃に冷却したギ酸(1.20mL、30mmol)及びテトラヒドロフラン(1.0mL)中の2−(4−メチルスルファニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(348mg、1.0mmol)の溶液を、30%過酸化水素水溶液(1.34mL、10mmol)で処理した。得られた溶液を25℃に温め、それを24時間撹拌した。次に反応を0℃に再冷却し、飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、次に酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(378mg、100%)を、無色のガムとして得た:EI-HRMS m/e C16H19F3O5S (M+Na)+ の計算値403.0797、実測値403.0803。
塩化メチレン(1mL)中の2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(50mg、0.13mmol)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド(3滴)で処理し、次に0℃に冷却した。次に反応混合物を塩化メチレン(0.08mL、0.156mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液で処理した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、25℃に温め、次に真空下で濃縮して溶媒及び過剰量の塩化オキサリルを除去した。得られた残渣を無水テトラヒドロフラン(1mL)に再溶解し、テトラヒドロフラン(1mL)及び2,6−ルチジン(0.08mL、0.65mmol)中の2−アミノチアゾール(28mg、0.27mmol)の溶液を滴加して処理した。得られた反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応混合物を水(50mL)で希釈し、塩化メチレン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、7/3 ヘキサン/酢酸エチル〜6/4 ヘキサン/酢酸エチル〜1/1ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(37mg、61%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C19H21F3N2O4S2 (M+H)+の計算値463.0968、実測値463.0974。
実施例13
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
メタノール(0.5mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(実施例61と同様にして調製、30.0mg、0.064mmol)の溶液を、水素化ホウ素ナトリウム(6.03mg、0.16mmol)で処理した。反応混合物を25℃で5分間撹拌した。次に反応を酢酸エチル(5mL)で希釈し、水の滴加によりクエンチした。次に反応を更なる水(5mL)で希釈し、真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られたスラリーを酢酸エチル(3×5mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12S、シリカ、3/7 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(29.0mg、96.3%)を、明黄色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C20H23Cl2N3O4S (M+H)+の計算値472.0859、実測値472.0866。
実施例14
2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオンアミド
塩化メチレン(1mL)中の2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(実施例12と同様にして調製、50mg、0.13mmol)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド(3滴)で処理して、次に0℃に冷却した。次に反応混合物を塩化メチレン(0.08mL、0.156mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液で処理した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、25℃に温め、次に真空下で濃縮して溶媒及び過剰量の塩化オキサリルを除去した。得られた残渣を無水テトラヒドフラン(1mL)に再溶解し、テトラヒドロフラン(1mL)及び2,6−ルチジン(0.02mL、0.157mmol)中の2−アミノピラジン(15mg、0.156mmol)の溶液を滴加して処理した。得られた反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応混合物を水(50mL)で希釈し、塩化メチレン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、7/3 ヘキサン/酢酸エチル〜1/1ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオンアミド(13mg、22%)を、無色のガムとして得た:EI-HRMS m/e C20H22F3N3O4S (M+Na)+ の計算値480.1175、実測値480.1177。
実施例15
6−〔2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニルアミノ〕−ニコチン酸メチルエステル
6−アミノニコチン酸(4.0g、28.9mmol)、メタノール(75mL)、及び濃塩酸(4mL)の混合物を16時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた個体を水(20mL)及びpHをpH=8に調整するのに充分な重炭酸ナトリウムで処理した。次に溶液を酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、6−アミノニコチン酸メチルエステル(3.12g、71%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C7H8N2O2(M+)の計算値152.0586、実測値152.0586。
塩化メチレン(6mL)中の2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオン酸(実施例12と同様にして調製、300mg、0.79mmol)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド(7滴)で処理して、次に0℃に冷却した。次に反応混合物を塩化メチレン(0.48mL、0.95mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液で処理した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、25℃に温め、次に真空下で濃縮して溶媒及び過剰量の塩化オキサリルを除去した。得られた残渣を無水テトラヒドフラン(6mL)に再溶解し、テトラヒドロフラン(5mL)及び2,6−ルチジン(0.48mL、3.95mmol)中の6−アミノニコチン酸メチルエステル(252mg、1.67mmol)溶液を滴加して処理した。得られた反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応混合物を水(100mL)で希釈し、塩化メチレン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、7/3 ヘキサン/酢酸エチル〜1/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、6−〔2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニルアミノ〕−ニコチン酸メチルエステル(227mg、55%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C23H25F3N2O6S (M+H)+の計算値537.1277、実測値537.1284。
実施例16
6−〔2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニルアミノ〕−ニコチン酸
メタノール(0.40mL)中の6−〔2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニルアミノ〕−ニコチン酸メチルエステル(実施例15と同様にして調製、21mg、0.04mmol)の溶液を、1N水酸化ナトリウム水溶液(0.20mL、0.20mmol)で処理した。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。次に反応混合物を水で希釈し、真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた水性残渣を1N塩酸水溶液でpH=2に酸性化し、次に酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、純粋な6−〔2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニルアミノ〕−ニコチン酸(15mg、75%)を、無色のガムとして得た:EI-HRMS m/e C22H23F3O6S (M+H)+の計算値501.1302、実測値501.1305。
実施例17
N−(5−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオンアミド
0℃に冷却したエチルエーテル(6mL)中の6−〔2−(4−メチルスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオニルアミノ〕−ニコチン酸メチルエステル(実施例15と同様にして調製、129mg、0.25mmol)を、ジエチルエーテル(0.30mL、0.30mmol)中の水素化アルミニウムリチウム1.0M溶液で処理した。橙色の反応混合物を0℃で1時間撹拌した。次に反応を水(10mL)を滴加してクエンチし、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、8/2 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、N−(5−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−2−(4−メタンスルホニル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−プロピオンアミド(44mg、36%)を、クリーム色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C22H25F3N2O5S (M+H)+の計算値487.1509、実測値487.1514。
実施例18
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−チオピラン−3(R)−イル)−プロピオンアミド
ギ酸(6.54mL、92.30mmol)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(実施例4と同様にして調製、1.00g、4.33mmol)のスラリーを、0℃に冷却し、次に30%過酸化水素水溶液(1.47mL、13.85mmol)で処理した。得られた溶液を25℃に温め、それを15時間撹拌した。反応を氷浴で冷却し、生成物を水(100mL)の添加によって沈澱させた。固体を濾取し、水で洗浄し、吸引により乾燥させて、純粋な(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(1.11g、97.5%)を、白色の固体として得た:融点54〜57℃;EI-HRMS m/e C10H11ClO4S (M+)の計算値262.0066、実測値262.0060。
エチレングリコールジメチルエーテル(200mL)中のジメチル3,3′−チオジプロピオナート(30.00g、144.0mmol)の溶液を、窒素下、水素化ナトリウム(7.00g、145.8mmol)で処理し、反応を1.5時間加熱還流した。次に反応混合物を25℃に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でゆっくりと処理した。次に溶媒を真空下で除去し、得られた残渣を水(500mL)で希釈し、酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。次に合わせた有機抽出物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×150mL)、続いて飽和塩化ナトリウム水溶液(1×150mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(2バッチにて実施)(FLASH 40M、シリカ、9/1 ヘキサン/ジエチルエーテル)に付して、4−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−3−カルボン酸メチルエステル(12.89g、51.4%)を、無色の油状物として得た。
水(700mL)中のパン酵母(Saf-Instant yeast、30g)の懸濁液をショ糖(142g)で処理した。混合物を25℃で6時間撹拌した。この時点で、4−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−3−カルボン酸メチルエステル(4.06g、23.31mmol)を加えた。得られたスラリーを25℃で22時間撹拌し、次にセライトパッドで濾過した。濾液を酢酸エチル(5×300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×150mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40M、シリカ、3/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、4(S)−ヒドロキシ−テトラヒドロ−チオピラン−3(R)−カルボン酸メチルエステル(4.08g、99.3%)を、無色の油状物として得た:[α]23 589 =+37.76°(c=2.9、メタノール)
無水テトラヒドロフラン(50mL)中の4(S)−ヒドロキシ−テトラヒドロ−チオピラン−3(R)−カルボン酸メチルエステル(1.00g、5.674mmol)の溶液を、アルゴン下、1,1′−チオカルボニルジイミダゾール(2.085g、11.35mmol)及びピリジン(6.88μL、8.511mmol)で処理した。反応混合物を25℃で36時間撹拌し、次に酢酸エチル(100mL)で希釈した。得られた溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×50mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×50mL)で順次洗浄した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40M、シリカ、4/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、4(S)−(イミダゾール−1−カルボチオイルオキシ)−テトラヒドロ−チオピラン−3(R)−カルボン酸メチルエステル(901mg、55.4%)を、ベージュ色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C11H14N2O3S2 (M+)の計算値286.0446、実測値286.0438。
ジオキサン(82.59mL)中の水素化トリブチルスズ(1.702mL、6.292mmol)の溶液を、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(110.7mg、0.661mmol)で処理した。反応混合物を2時間加熱還流した。次に反応を、ジオキサン(3mL)中の4(S)−(イミダゾール−1−カルボチオイルオキシ)−テトラヒドロ−チオピラン−3(R)−カルボン酸メチルエステル(901mg、3.146mmol)の溶液で処理した。反応を更に30分間加熱還流し、次に氷浴で冷却した。溶媒を真空下で除去した。得られた残渣をアセトニトリル(100mL)に懸濁し、ヘキサン(3×30mL)で洗浄した。得られた溶液を真空下で濃縮し、アルゴン下で無水テトラヒドロフラン(18.07mL)に溶解し、氷浴で冷却し、次にテトラヒドロフラン(3.159mL、3.159mmol)中の水素化アルミニウムリチウム1.0M溶液で処理した。反応を0℃で20分間撹拌し、次に酢酸エチル(30mL)を加えてクエンチした。次に反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で処理し、層を分離した。次に水層を酢酸エチル(2×25mL)で洗浄し、合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、7/3 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、(R)−(テトラヒドロ−チオピラン−3−イル)−メタノール(291mg、69.7%)を、無色の油状物として得た:[α]23 589=−4.87°(c=0.78、メタノール);EI-HRMS m/e C6H12OS (M+)の計算値132.0609、実測値132.0614。
−78℃に冷却した塩化メチレン(16.82mL)中の(R)−(テトラヒドロ−チオピラン−3−イル)−メタノール(180mg、1.36mmol)の溶液を、2,6−ルチジン(192.8μL、1.66mmol)、続いて無水トリフルオロメタンスルホン酸(268.0μL、1.63mmol)で処理した。反応を−78℃で10分間撹拌し、次にヘキサン(20mL)で希釈した。混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×10mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた残渣をアセトン(17mL)に溶解し、ヨウ化ナトリウム(612.3mg、4.086mmol)で処理した。反応混合物を25℃で10分間撹拌し、次に真空下濃縮した。残渣を塩化メチレン(25mL)に懸濁した。この混合物を水(1×15mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12S、シリカ、97/3 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、3(R)−ヨードメチル−テトラヒドロ−チオピラン(139mg、42.2%)を、明黄色の油状物として得て、特徴付けしないで、それをアルキル化反応に直ちに使用した。
窒素下で−78℃に冷却した無水テトラヒドロフラン(3mL)中、ヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン(564.0μL、1.128mmol)及びN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン(157.0μL、1.040mmol)中のリチウムジイソプロピルアミド2.0M溶液を、(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(269.4mg、1.02mmol)で処理した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次に0℃に温めた。次に反応を、無水テトラヒドロフラン(1mL)中の3(R)−ヨードメチル−テトラヒドロ−チオピラン(71.00mg、0.293mmol)の溶液で処理し25℃に温め、それを19時間撹拌した。次に反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)でクエンチし、次に真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水性残渣を酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、4/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3(R)−(テトラヒドロ−チオピラン−3−イル)−プロピオン酸メチルエステル(96mg、86.9%)を、無色の油状物として得た:[α]23 589=+10.93°(c=0.76、メタノール);EI-HRMS m/e C16H21ClO4S2 (M+)の計算値376.0570、実測値376.0574。
メタノール(4.75mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3(R)−(テトラヒドロ−チオピラン−3−イル)−プロピオン酸メチルエステル(247mg、0.655mmol)の溶液を、0.8M水酸化リチウム水溶液(7.27mL、5.895mmol)で処理した。反応混合物を25℃で1.5時間撹拌し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。残留水層を10%塩酸水溶液でpH=2に酸性化し、次に酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、純粋な2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3(R)−(テトラヒドロ−チオピラン−3−イル)−プロピオン酸(227.0mg、95.5%)を、明黄色の泡状物として得た:[α]23 589=+12.21°(c=0.79、メタノール)。
塩化メチレン(1mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3(R)−(テトラヒドロ−チオピラン−3−イル)−プロピオン酸(52mg、0.143mmol)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド(0.1mL)で処理し、次に0℃に冷却した。反応混合物を塩化メチレン(143μL、0.286mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液で処理した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、25℃に温め、次に真空下で濃縮して溶媒及び過剰量の塩化オキサリルを除去した。得られた残渣を無水テトラヒドフラン(1mL)に再溶解し、テトラヒドロフラン(1mL)及びピリジン(57.8μL、0.715mmol)中の2−アミノピラジン(27.2mg、0.286mmol)の溶液を滴加して処理した。得られた反応混合物を25℃で30分間撹拌した。次に反応混合物を水(2mL)で希釈し、塩化メチレン(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、1/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3(R)−(テトラヒドロ−チオピラン−3−イル)−プロピオンアミド(44mg、69.8%)を、無色のガムとして得た:EI-HRMS m/e C19H22ClN3O3S2 (M+H)+の計算値440.0864、実測値440.0867。
実施例19
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(1−オキソ−ヘキサヒドロ−1λ4−チオピラン−3(R)−イル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
0℃に冷却したギ酸(68.5μL、1.816mmol)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−チオピラン−3(R)−イル)−プロピオンアミド(実施例18と同様にして調製、10.0mg、0.0227mmol)を、30%過酸化水素水溶液(7.7μL,0.068mmol)で処理した。得られた溶液を0℃で10分間撹拌した。反応を10%亜硫酸ナトリウム水溶液(1mL)を加えてクエンチし、次に酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12S、シリカ、93/7 クロロホルム/メタノール)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(1−オキソ−ヘキサヒドロ−1λ4−チオピラン−3(R)−イル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(10.0mg、96.5%)を、ベージュ色のガムとして得た:EI-HRMS m/e C19H22ClN3O4S2 (M+Na)+の計算値478.0632、実測値478.0632。
実施例20
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド
塩化メチレン(30mL)中の(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−メタノール(1.0g、8.61mmol、WO99/00385に従って調製)の溶液を4−(ジメチルアミノ)ピリジン(1.17g、9.47mmol)及びp−トルエンスルホニルクロリド(1.64g、8.61mmol)で25℃にて処理し、次に25℃で一晩撹拌した。次に反応を分液漏斗に移し、1N塩酸水溶液(10mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、75/25 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、トルエン−4−スルホン酸テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチルエステル(1.77g、76%)を、無色の油状物として得た。
アセトン(26mL)中のトルエン−4−スルホン酸テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチルエステル(1.77g、6.55mmol)及びヨウ化ナトリウム(2.85g、18.99mmol)の溶液を、60℃に16時間加熱した。次に得られた懸濁液を10℃に冷却し濾過した。塩を冷アセトン(5mL)ですすぎ、濾液及び洗液を真空下で濃密なスラリーに濃縮した。このスラリーを塩化メチレン(10mL)で処理した。得られた沈殿物を濾過により除去し、塩化メチレン(10mL)で洗浄した。次に濾液及び洗液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、シリカゲルパッドで濾過し、次に真空下で濃縮して、4−ヨードメチル−テトラヒドロ−ピランを、明黄色の油状物として得た。
アルゴン雰囲気下、−78℃に冷却したテトラヒドロフラン(6mL)中のジイソプロピルアミン(0.33mL、2.38mmol)の溶液を、ヘキサン(0.95mL、2.38mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で15分間撹拌し、その後、テトラヒドロフラン(1mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(0.5mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(実施例4と同様にして調製、500mg、2.17mmol)の溶液をゆっくりとカニューレを介して加えた。緑がかった黄色の溶液を−78℃で1時間撹拌し、その後、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(0.5mL)中の4−ヨードメチル−テトラヒドロ−ピラン(588mg、2.60mmol)の溶液を、カニューレを介して加えた。次に反応混合物を25℃に温め、それを16時間撹拌した。次に反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加えてクエンチした。この溶液を酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を10%硫酸水溶液(2×50mL)及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、75/25 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオン酸メチルエステル(431mg、61%)を、黄色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C16H21ClO3S (M+)の計算値328.0900、実測値328.0898。
0℃に冷却したギ酸(0.23mL)及びテトラヒドロフラン(0.5mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオン酸メチルエステル(200mg、0.61mmol)の溶液を、30%過酸化水素水溶液(0.35mL、3.04mmol)で処理した。反応を25℃にゆっくりと温め、それを16時間撹拌した。次に反応混合物を0℃に冷却し、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、次に酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、60/40 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオン酸メチルエステル(190mg、87%)を、無色の油状物として得た:(ES)+-HRMS m/e C16H21ClO5S (M+Na)+の計算値383.0690、実測値383.0692。
エタノール(10mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオン酸メチルエステル(190mg、0.53mmol)の溶液を、水(4mL)中の水酸化カリウム(174mg、2.64mmol)の溶液で処理した。反応を25℃で2.5時間撹拌した。次に反応を真空下で濃縮してエタノールを除去し、次に1N塩酸水溶液でpH=2に酸性化した。次に得られた溶液を塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオン酸(167mg、92%)を、白色の泡状物として得た:(ES)+-HRMS m/e C15H19ClO5S (M+Na)+の計算値369.0534、実測値369.0536。
0℃に冷却した塩化メチレン(12mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオン酸(165mg、0.48mmol)の溶液を、塩化メチレン(0.27mL、0.55mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液を滴加して処理した。反応を0℃で30分間撹拌した。この時点で、反応を真空下で濃縮して明黄色の油状物を得た。この油状物をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、次にテトラヒドロフラン(10mL)及びピリジン(0.19mL、2.4mmol)に溶解した2−アミノピラジン(91mg、0.95mmol)の溶液で処理した。次に反応を25℃で16時間撹拌した。この時点で、反応を水(15mL)で希釈し、塩化メチレン(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、25/75 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−ピラジン−2−イル−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド(100mg、50%)を、白色の泡状物として得た:(ES)+-HRMS m/e C19H22ClN3O4S (M+H)+の計算値424.1093、実測値424.1095。
実施例21
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド
0℃に冷却した塩化メチレン(25mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオン酸(実施例20と同様にして調製、470mg、1.36mmol)の溶液を、塩化メチレン(0.78mL、1.56mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液で処理し、次に0℃で30分間撹拌した。この時点で、反応を真空下で濃縮して明黄色の油状物を得た。この油状物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、次にテトラヒドロフラン(20mL)及びピリジン(0.55mL、6.78mmol)中の2−アミノ−5−ブロモピラジン(472mg、2.71mmol、Tetrahedron 1988, 44, 2977-2983に従って調製)の溶液で処理した。次に反応を25℃で16時間撹拌した。この時点で、反応を水(15mL)で希釈し、塩化メチレン(3×25mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、40/60 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド(477mg、70%)を、黄色の泡状物として得た:(ES)+-HRMS m/e C19H21ClBrN3O4S (M+H)+の計算値502.0198、実測値502.0205。
実施例22
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中のN−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド(実施例21と同様にして調製、325mg、0.65mmol)の溶液を、シアン化カリウム(105mg、1.62mmol)、ヨウ化銅(I)(307mg、1.62mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(22mg、0.02mmol)、及び18−クラウン−6(25mg、0.09mmol)で25℃にて処理した。次にこの反応混合物をアルゴン下150℃に5時間加熱した。この時点で、反応を25℃に冷却し、半分の容量に濃縮し、次にクロロホルム(40mL)を全ての塩が溶液から沈澱するまで加えた。塩をセライトパッドで濾過により除去し、クロロホルムで洗浄した。次に濾液を真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、30/70 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド(219mg、76%)を、白色の泡状物として得た:(ES)+-HRMS m/e C20H21ClN4O4S (M+H)+の計算値449.1045、実測値449.1046。
実施例23
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−〔5−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−ピラジン−2−イル〕−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド
エタノール(2mL)及び水(1mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−シアノ−ピラジン−2−イル)−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド(実施例22と同様にして調製、151mg、0.34mmol)の溶液を、ヒドロキシルアミン塩酸塩(28mg、0.40mmol)及び炭酸ナトリウム(35mg、0.34mmol)で処理した。反応を70℃で3時間加熱した。この時点で、反応を真空下で濃縮し、次に10%メタノール/クロロホルム(3×30mL)で抽出した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、20/80 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−〔5−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−ピラジン−2−イル〕−3−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−プロピオンアミド(110mg、68%)を、白色の固体として得た:融点137.2〜140.5℃;(ES)+-HRMS m/e C20H24ClN5O5S (M+H)+の計算値482.1260、実測値482.1263。
実施例24
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素
0℃に冷却したエタノール(106.7mL)中の2−オキソ−シクロペンタンカルボン酸エチルエステル(10g、64.0mmol)の溶液を、98%水素化ホウ素ナトリウム(686mg、17.78mmol)で処理した。反応を0℃で30分間撹拌した。この時点で、反応混合物を水(53mL)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×100mL)中に抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−ヒドロキシ−シクロペンタンカルボン酸エチルエステル(8.5g、83.9%)を、明澄な液体として得た。
塩化メチレン(147.5mL)中の2−ヒドロキシ−シクロペンタンカルボン酸エチルエステル(3.5g、22.12mmol)の溶液を、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(3.03mL、33.1mmol)及びピリジニウムp−トルエンスルホナート(556mg、2.21mmol)で処理した。この溶液を25℃で5時間撹拌した。次に反応を半飽和塩化ナトリウム水溶液(2×75mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、90/10 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンタンカルボン酸エチルエステル(4.7g、87.7%)を、明澄な液体として得た:EI-HRMS m/e C13H22O4(M+)の計算値242.1518、実測値242.1521。
0℃に冷却したテトラヒドロフラン(19.4mL)中の水素化アルミニウムリチウム(883mg、23.27mmol)のスラリーを、2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンタンカルボン酸エチルエステル(4.7g、19.59mmol)で処理した。反応を25℃で18時間撹拌した。この時点で、反応を氷/水に注いだ。この混合物をセライトパッド(塩化メチレンを溶離剤として)で濾過した。有機物を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、〔2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−メタノール(3.25g、83.6%)を、明澄な液体として得た:EI-HRMS m/e C11H20O3 (M+)の計算値200.1412 、実測値200.1412。
0℃に冷却した塩化メチレン(8.32mL)中のトリフェニルホスフィン(1.70g、6.49mmol)及びイミダゾール(884mg、12.98mmol)の溶液を、ヨウ素(1.64g、6.49mmol)で処理した。ヨウ素が完全に溶解した後、〔2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−メタノール(1.0g、4.99mmol)の溶液を反応混合物に加えた。反応を0℃で1時間、25℃で2時間撹拌した。この時点で、反応を水(100mL)に注ぎ、塩化メチレン(1×30mL)で抽出した。有機物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(1×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で25℃にて濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、80/20 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(2−ヨードメチル−シクロペンチルオキシ)−テトラヒドロフラン(1.17g、75.8%)を、明澄な液体として得た:EI-HRMS m/e C11H19IO2 (M+)の計算値309.0352、実測値309.0348。
−78℃に冷却したリチウムジイソプロピルアミド(0.31M原液中の10.4mL、3.22mmol)の新たに調製した溶液を、テトラヒドロフラン/1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(7.33mL、3:1)中の3,4−ジクロロフェニル酢酸メチルエステル(実施例1と同様にして調製、642mg、2.93mmol)で処理した。得られた溶液を−78℃で45分間撹拌した。次に1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1mL)中の2−(2−ヨードメチル−シクロペンチルオキシ)−テトラヒドロフラン(1.0g、3.22mmol)の溶液を加えた。反応混合物を−78℃で2時間撹拌した。次に反応を25℃に温め、25℃で16時間撹拌した。次に反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を滴加してクエンチした。この応混合物を水(100mL)に注ぎ、塩化メチレン(3×50mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、90/10 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−〔2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオン酸メチルエステル(880mg、74.8%)を、淡黄色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C20H26Cl2O4 (M+)の計算値400.1208、実測値400.1203。
マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、2.85mL、1.99mmol)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−〔2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオン酸メチルエステル(400mg、0.99mmol)及びメチル尿素(110.7mg、1.49mmol)を、110℃で6時間加熱還流した。次に反応混合物を真空下で濃縮し、セライトプラグ(酢酸エチルを溶離剤として)で濾過した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、100%酢酸エチル)に付して、1−{2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−〔2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオニル}−3−メチル−尿素(52mg、11.8%)を、白色の固体として得た:融点68〜70℃;FAB-HRMS m/e C21H28Cl2N2O4 (M+H)+の計算値443.1504、実測値443.1499。
エタノール(1.01mL)中の1−{2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−〔2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオニル}−3−メチル−尿素(45mg、0.10mmol)の溶液を、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(2.5mg、0.01mmol)で処理した。反応混合物を55℃で5時間加熱した。この時点で、反応を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、100%酢酸エチル)に付して、1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素(30.4mg、83.4%)を、白色の固体として得た:融点62〜64℃;FAB-HRMS m/e C16H20Cl2N2O3 (M+H)+の計算値359.0929、実測値359.0929。
実施例25
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
エタノール(57.3mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−〔2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオン酸メチルエステル(実施例24と同様にして調製、2.3g、5.73mmol)の溶液を、25℃にてピリジニウムp−トルエンスルホナート(144mg、0.57mmol)で処理した。得られた溶液を18時間加熱還流した。この時点で、反応を25℃に冷却し真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、50/50 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(1.84g、100%)を、明澄な油状物として得た:EI-HRMS m/e C15H18Cl2O3 (M+Na)+の計算値339.0527、実測値339.0528。
マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、2.60mL、1.81mmol)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(262.2mg、0.82mmol)及び2−アミノチアゾール(165mg、1.65mmol)の混合物を、100℃に18時間加熱した。この時点で、反応混合物を25℃に冷却し、セライトパッド(酢酸エチルを溶離剤として)で濾過した。次に濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(174mg、54.6%)を、白色の固体として得た:融点86〜88℃;EI-HRMS m/e C17H18Cl2N2O2S (M+Na)+の計算値407.0358、実測値407.0361。
実施例26
3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
無水テトラヒドロフラン(4.4mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.4mL)中のジイロプロピルアミン(846μL、6.04mmol)の溶液を、−78℃に冷却し、次にヘキサン(2.4mL、6.04mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(4.4mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.4mL)中の(4−メタンスルホニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(実施例8と同様にして調製、1.06g、4.64mmol)の溶液で処理した。得られた反応混合物を−78℃で45分間撹拌し、次に反応混合物を少量の無水テトラヒドロフラン中の2−(2−ヨードメチル−シクロペンチルオキシ)−テトラヒドロピラン(実施例24と同様にして調製、1.87g、6.04mmol)の溶液で処理した。反応混合物を−78℃で撹拌し、次に25℃に温め、それを68時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、次に真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水性残渣を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、7/3 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−〔2−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオン酸メチルエステル(859.2mg、45%)を、明黄色の油状物として得た:FAB-HRMS m/e C21H30O6S (M+H)+の計算値411.1841、実測値411.1831。
2−アミノチアゾール(314.3mg、3.14mmol)及び2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−〔2−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオン酸メチルエステル(859.2mg、2.09mmol)を、マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、12mL、8.37mmol)で処理した。得られた反応混合物を24時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次にセライトパッドで濾過した。セライトパッドを、洗液が薄膜クロマトグラフィーによる生成物の欠如を示すまで、酢酸エチルで充分に洗浄した。次に濾液を10%塩酸水溶液(3×100mL)で洗浄した。次に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、1/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−〔2−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(377.4mg、38%)を、黄色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C23H30N2O5S2 (M+)の計算値478.1596、実測値478.1604。
エタノール(7.3mL)中の2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−〔2−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(350.8mg、0.73mmol)の溶液を、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(18.4mg、0.073mmol)で処理した。得られた反応混合物を60℃で4時間加熱した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。得られた黄色の残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈し、次に飽和塩化ナトリウム水溶液(1×100mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、1/3 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(77.0mg、27%)を、白色の固体として得た:融点205〜206℃;EI-HRMS m/e C18H22N2O4S2 (M+)の計算値394.1021、実測値394.1018。
実施例27
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素
塩化メチレン(0.78mL)中の1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素(実施例24と同様にして調製、28.1mg、0.07mmol)の溶液を、クロロクロム酸ピリジニウム(塩基性アルミナの20wt.%、101mg、0.09mmol)で処理した。反応混合物を25℃で4時間撹拌した。この時点で、反応をセライトプラグ(酢酸エチルを溶離剤として)で濾過した。濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、100%酢酸エチル)に付して、1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素(21.9mg、78.4%)を、白色の泡状物として得た:融点63〜65℃;FAB-HRMS m/e C16H18Cl2N2O3 (M+H)+の計算値357.0773、実測値357.0780。
実施例28
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(4.2mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(実施例25と同様にして調製、162.5mg、0.42mmol)の溶液を、クロロクロム酸ピリジニウム(塩基性アルミナの20wt.%、545mg、0.50mmol)で処理した。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。この時点で、反応をセライトプラグ(酢酸エチルを溶離剤として)で濾過した。濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、50/50 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(64.8mg、40.1%)を、明褐色の固体として得た:融点79〜81℃;EI-HRMS m/e C17H16Cl2N2O2S (M+H)+の計算値383.0383、実測値383.0384。
実施例29
2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(1.8mL)中の3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(実施例26と同様にして調製、72.4mg、0.184mmol)の溶液を、クロロクロム酸ピリジニウム(塩基性アルミナの20wt.%、237.3mg、0.22mmol)で処理した。得られた反応混合物を25℃で3時間撹拌し、この時、薄膜クロマトグラフィーが少量の3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミドを示した。次に反応混合物を更なる量のクロロクロム酸ピリジニウム(塩基性アルミナの20wt.%、237.3mg、0.220mmol)で処理した。反応混合物を25℃で4時間撹拌し、次にセライトパッドで濾過した。セライトパッドを、洗液が薄膜クロマトグラフィーによる生成物の欠如を示すまで、酢酸エチルで充分に洗浄した。次に濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、3/7 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(10.2mg、14%)を白色の固体として得た:融点228〜230℃;EI-HRMS m/e C18H20N2O4S2 (M+)の計算値392.0865、実測値392.0871。
実施例30
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
アセトン(65mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸(実施例4と同様にして調製、10.48g、48.4mmol)と炭酸カリウム(20.1g、145.1mmol)の混合物を−10℃に冷却した。次に淡黄色のスラリーを、温度を−10℃未満に保持しながら、トリメチルアセチルクロリド(6.25mL、50.8mmol)を滴加により処理した。得られた反応混合物を−10℃で15分間撹拌し、次に0℃に温め、それを10分間撹拌した。反応混合物を−10℃に再冷却し、次に(1R、2R)−(−)−プソイドエフェドリン(11.99g、72.5mmol)で処理すると、発熱が生じた。反応混合物を−10℃で10分間撹拌し、次に25℃に温め、それを1時間撹拌した。その後、薄層クロマトグラフィー分析により反応が完了したことを示した。次に反応混合物を水(50mL)でクエンチし、次に酢酸エチル(1×100mL)で抽出した。有機層を水(2×40mL)で洗浄した。水層を合わせて酢酸エチル(2×50mL)で逆抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗物質を酢酸エチル(45mL)及びヘキサン(80mL)から再結晶させて、2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−アセトアミド(13.75g、78%)を、明黄色の固体として得た:融点111.5〜112.9℃;[α]23 589=−97.2°(c=0.104、クロロホルム);FAB-HRMS m/e C19H22ClNSO2 (M+H)+の計算値364.1138、実測値364.1142。
−45℃に冷却したテトラヒドロフラン(45.8mL)中の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシリザン(14.5mL、68.7mmol)の溶液を、ヘキサン(25.8mL、63.2mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。得られた溶液を−45℃で30分間撹拌した。この時点で、反応をテトラヒドロフラン(45.86mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−アセトアミド(10.0g、27.48mmol)の溶液で処理した。添加が完了すると、反応を0℃に温め、0℃で30分間撹拌した。この時点で、反応を−45℃に再冷却し、次に1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(8.4mL)中の2−(2−ヨードメチル−シクロペンチルオキシ)−テトラヒドロピラン(実施例24と同様にして調製、12.8g、41.22mmol)で処理した。この時点で、反応を0℃に温め、それを3時間撹拌した。この時点で、反応を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で希釈した。相を分配した。水相を酢酸エチル(3×50mL)中に抽出した。合わせた有機物を10%塩酸水溶液及び重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル)−N−メチル−3−〔2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオンアミド(10.6g、70.6%)を、黄色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C30H40ClNO4S (M+Na)+の計算値568.2259、実測値568.2262。
エタノール(19.1mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル)−N−メチル−3−〔2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオンアミド(1.04g、1.91mmol)の溶液を、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(48mg、0.19mmol)で処理した。得られた溶液を55℃に2時間加熱した。この時点で、反応を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル)−N−メチル−プロピオンアミド(0.82g、93.0%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C25H32ClNO3S (M+Na)+の計算値484.1684、実測値484.1674。
塩化メチレン(15.7mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル)−N−メチル−プロピオンアミド(3.63g、7.85mmol)、N−メチルモルホリンN−オキシド(2.76g、23.5mmol)、及び粉末モレキュラーシーブの混合物を、25℃にてペルテン酸テトラプロピルアンモニウム(276mg、0.78mmol)で処理した。得られた反応混合物を25℃で20分間撹拌した。この時点で、反応をシリカバッド(酢酸エチルを溶離剤として)で濾過した。濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−メチル−N−(1(R)−メチル−2−オキソ−2(R)−フェニル−エチル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド(2.75g、76.5%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C25H28ClNO3S (M+)の計算値457.1478、実測値457.1489。
ジオキサン(9.38mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−メチル−N−(1(R)−メチル−2−オキソ−2(R)−フェニル−エチル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド(2.75g、6.0mml)の溶液を、18M塩酸水溶液(9.38mL)で処理した。次に反応を120℃に18時間加熱した。この時点で、反応を25℃に冷却し、水(100mL)で希釈し、90/10 塩化メチレン/メタノール溶液(3×100mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(1.54g、82%)を、黄色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C15H17ClO3S (M+)の計算値312.0587、実測値312.0581。
0℃に冷却した2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(683.2mg、2.18mmol)、ギ酸(2.47mL、65.5mmol)、及び水(0.41mL)の溶液を、30%過酸化水素水溶液(1.11mL、10.9mmol)で処理した。反応を0℃で1時間撹拌した。この時点で、反応を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液で処理した。得られた溶液を水(50mL)に注ぎ、次に塩化メチレン(3×50mL)中に抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルフィニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(724mg、100%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C15H17ClO4S (M+Na)+の計算値351.0428、実測値351.0433。
水(1.83mL)中の過マンガン酸カリウム(101mg、0.64mmol)の溶液を、メタノール(5.8mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルフィニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(191.5mg、0.58mmol)で処理した。反応を25℃で1時間撹拌した。この時点で、反応をメタノールで希釈し、次にセライトパッドで濾過した。濾液を真空下で濃縮し、アセトニトリルで共沸した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、90/10 塩化メチレン/氷酢酸入りメタノール)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(87mg、43%)を、オフホワイトの泡状物として得た:EI-HRMS m/e C15H17ClO5S (M-H2O)+の計算値326.0379、実測値326.0378。
0℃に冷却した塩化メチレン(3.62mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(125mg、0.36mmol)の溶液を、塩化メチレン(0.20mL、0.39mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液及びN,N−ジメチルホルムアミド数滴で処理した。反応混合物を0℃で10分間、25℃で20分間撹拌した。次に反応混合物を、テトラヒドロフラン(1.81mL)中の2−アミノピラジン(76mg、0.80mmol)及びピリジン(0.06mL、0.80mmol)の溶液で処理した。この溶液を25℃で1時間撹拌した。この時点で、反応を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(77.6mg、50.7%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C19H20ClN3O4S (M+)の計算値421.0863、実測値421.0868。
実施例31
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
0℃に冷却したエタノール(0.32mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(実施例30と同様にして調製、13.5mg、0.03mmol)の溶液を、水素化ホウ素ナトリウム(1.2mg、0.03mmol)で処理した。反応混合物を0℃で20分間撹拌した。この時点で、反応を水(25mL)で希釈した。層を分離した。水層を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(10.1mg、75.5%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C19H22ClN3O4S (M+Na)+の計算値446.0912、実測値446.0916。
実施例32
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(63.8mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル)−N−メチル−プロピオンアミド(実施例30と同様にして調製、3.63g、7.85mmol)、N−メチルモルホリンN−オキシド(7.37g、15.95mmol)、及び粉末モレキュラーシーブ(32g)の混合物を、0℃にてペルテン酸テトラプロピルアンモニウム(1.12mg、3.19mmol)で処理した。得られた混合物を0℃で1時間、25℃で3時間撹拌した。この時点で、反応をシリカパッド(酢酸エチルを溶離剤として)で濾過した。濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−メチル−N−(1(R)−メチル−2−オキソ−2(R)−フェニル−エチル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド(5.03g、68.8%)、及び2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルホニル−フェニル)−N−メチル−N−(1(R)−メチル−2−オキソ−2(R)−フェニル−エチル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド(1.29g、16.5%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C25H28ClNO5S (M+Na)+の計算値512.1269、実測値512.1273。
ジオキサン(4.43mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルホニル−フェニル)−N−メチル−N−(1(R)−メチル−2−オキソ−2(R)−フェニル−エチル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド(1.29g、2.63mmol)の溶液を、18M塩酸水溶液(4.43mL)で処理した。次に反応を120℃に18時間加熱した。この時点で、反応を25℃に冷却し、水(50mL)で希釈し、90/10塩化メチレン/メタノール溶液(3×100mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メチルスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(563.3mg、62.1%)を,明褐色の泡状物として得た。0℃に冷却した塩化メチレン(16.4mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(563.3mg、1.6mmol)の溶液を、塩化メチレン(0.90mL、1.80mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液及びN,N−ジメチルホルムアミド数滴で処理した。反応混合物を0℃で10分間、25℃で20分間撹拌した。次に反応混合物を、テトラヒドロフラン(8.2mL)中の2−アミノピラジン(342mg、3.60mmol)及びピリジン(0.3mL、3.60mmol)の溶液で処理した。この溶液を25℃で18時間撹拌した。この時点で、反応を真空下で濃縮した。残渣を塩化メチレン(100mL)に溶解し、1N塩酸水溶液(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(198.8mg、28.9%)を、明澄な油状物として得た。
ピリジン(0.69mL)及びメタノール(0.69mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(99.3mg、0.23mmol)の溶液を、ヒドロキシルアミン塩酸塩(24.5mg、0.35mmol)で25℃にて処理した。反応混合物を12時間加熱還流した。この時点で反応を25℃に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(75mL)に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液(1×50mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(5.6mg、5.4%)を、白色のロウ状物として得た:(ES)--HRMS m/e C19H21ClN4O4S (M-H)-の計算値435.0899、実測値435.0902。
実施例33
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−メトキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
ピリジン(0.69mL)及びメタノール(0.69mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(実施例32と同様にして調製、99.5mg、0.23mmol)の溶液を、メトキシアミン塩酸塩(30mg、0.35mmol)で25℃にて処理した。反応混合物を12時間加熱還流した。この時点で反応を25℃に冷却し、真空下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(75mL)に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液(1×50mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(2−メトキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(92.7mg、87.2%)を、白色のロウ状物として得た:融点74〜76℃;FAB-HRMS m/e C20H23ClN4O4S (M+Na)+の計算値473.1021、実測値473.1024。
実施例34
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2,2−ジフルオロ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(2.6mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(実施例25と同様にして調製、408.5mg、1.28mmol)、N−メチルモルホリンN−オキシド(679mg、5.79mmol)、及び粉末モレキュラーシーブ(1.29g)の混合物を、25℃にてペルテン酸テトラプロピルアンモニウム(45mg、0.12mmol)で処理した。得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。この時点で、反応をセライトパッド(酢酸エチルを溶離剤として)で濾過した。濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(278.2mg、68.5%)を、明澄な油状物として得た:EI-HRMS m/e C15H16Cl2O3(M+)の計算値314.0476、実測値314.0476。
塩化メチレン(0.43mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(270mg、0.85mmol)の溶液を、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(0.17mL、1.28mmol)で処理した。得られた混合物を60℃で18時間加熱した。この時点で、反応を25℃に冷却し、水(50mL)で希釈した。この溶液を塩化メチレン(3×30mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2,2−ジフルオロ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル、278.2mg、68.5%)を、明褐色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C15H16Cl2F2O2 (M+)の計算値336.0495、実測値336.0510。
マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、0.28mL、0.19mmol)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2,2−ジフルオロ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(265mg、0.73mmol)と2−アミノチアゾール(18mg、0.18mmol)の混合物を、110℃に18時間加熱した。この時点で反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、50/50 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2,2−ジフルオロ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(8.3mg、23%)を、黄色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C17H16F2Cl2N2OS (M+H)+の計算値405.0402、実測値405.0407。
実施例35
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素
メタノール(143mL)中の3−ヨードメチル−シクロペンタノン(12.84g、57.31mmol、J. Org. Chem. 1981, 46, 2412-2414に従って調製)の溶液を、0℃に冷却し、次に水素化ホウ素ナトリウム粉末(2.38g、63.04mmol)でゆっくりと処理した。得られた反応混合物を0℃で40分間撹拌し、次に水(100mL)でゆっくりとクエンチした。次に反応混合物を真空下で濃縮しメタノールを除去した。得られた水性残渣をジエチルエーテル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、100%塩化メチレン)に付して、3−ヨードメチル−シクロペンタノール(7.71g、59%)を、緑色の液体として得た:EI-HRMS m/e C6H11IO (M+)の計算値225.9855、実測値225.9856。
塩化メチレン(171mL)中の3−ヨードメチル−シクロペンタノール(7.71g、34.10mmol)の溶液を、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(4.7mL、51.16mmol)及びピリジニウムp−トルエンスルホナート(857.1mg、3.41mmol)で処理した。得られた反応混合物を25℃で24時間撹拌した。次に反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×200mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、19/1石油エーテル/ジエチルエーテル)に付して、2−(3−ヨードメチル−シクロペンチルオキシ)−テトラヒドロピラン(7.91g、75%)を、黄色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C11H19IO2 (M+)の計算値310.0430、実測値310.0433。
−78℃に冷却したリチウムジイソプロピルアミド(0.31M原液中の23mL、7.13mmol)の新たに調製した溶液を、テトラヒドロフラン/1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(16.15mL、3:1)中の(3,4−ジクロロ−フェニル)−酢酸メチルエステル(実施例1と同様にして調製、1.42g、6.48mmol)で処理した。得られた溶液を−78℃で45分間撹拌した。次に1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1mL)中の2−(3−ヨードメチル−シクロペンチルオキシ)−テトラヒドロピラン(2.21g、7.13mmol)の溶液を加えた。反応混合物を−78℃で2時間撹拌した。次に反応を25℃に温め、25℃で18時間撹拌した。次に反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を滴加してクエンチした。この混合物を水(100mL)に注ぎ、塩化メチレン(3×50mL)で抽出した。有機物を飽和塩化リチウム水溶液(1×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、70/30 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−〔3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオン酸メチルエステル(2.12g、81.6%)を、明澄な油状物として得た:EI-HRMS m/e C20H26Cl2O4 (M+Na)+の計算値423.1106、実測値423.1093。
マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、11.4mL、7.97mmol)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−〔3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオン酸メチルエステル(1.60mg、3.98mmol)及びメチル尿素(443mg、5.98mmol)を、100℃で18時間加熱還流した。次に反応混合物を真空下で濃縮し、セライトプラグ(100%酢酸エチルを溶離剤として)で濾過した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、50/50 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、1−{2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−〔3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオニル}−3−メチル−尿素(160.6mg、9.1%)を、白色の固体として得た:融点62〜65℃;FAB-HRMS m/e C21H28Cl2N2O4 (M+Na)+の計算値465.1324、実測値465.1324。
エタノール(3.4mL)中の1−{2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−〔3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオニル}−3−メチル−尿素(150.7mg、0.33mmol)の溶液を、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(8.54mg、0.03mmol)で処理した。反応混合物を60℃に18時間加熱した。この時点で、反応を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、80/20 塩化メチレン/メタノール)に付して、1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素(102.2mg、83.7%)を、白色の固体として得た:融点82〜84℃;FAB-HRMS m/e C16H20Cl2N2O3 (M+H)+の計算値359.0929、実測値359.0936。
実施例36
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
メタノール(6.4mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−〔3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオン酸メチルエステル(実施例35と同様にして調製、1.03g、2.57mmol)の溶液を、Amberlyst(登録商標)15イオン交換樹脂(77mg)で処理した。得られた反応混合物を25℃で16時間撹拌し、次に45℃で1時間加熱した。反応混合物を25℃に冷却し、次に樹脂を濾取し、次に酢酸エチルで充分に洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(807.7mg、99%)を、黄色の油状物として得て、それを更に精製しないで使用した。
マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、0.22mL、0.15mmol)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(25mg、0.08mmol)と2−アミノチアゾール(9.4mg、0.09mmol)の混合物を、110℃に18時間加熱した。この時点で、反応混合物を25℃に冷却し、次にセライトパッド(塩化メチレンを溶離剤として)濾過した。濾液を1N塩酸水溶液で洗浄した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次に真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(16.4mg、54%)を、明褐色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C17H18Cl2N2O2S (M+H)+の計算値385.0537、実測値385.0542。
実施例37
3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
−78℃に冷却した無水テトラヒドロフラン(4.5mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.5mL)中のジイソプロピルアミン(810μL、5.78mmol)の溶液を、ヘキサン(2.3mL、5.78mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(4.5mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.5mL)中の(4−メタンスルホニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(実施例8と同様にして調製、1.10g、4.82mmol)の溶液で処理した。得られた反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次に反応混合物を少量の無水テトラヒドロフラン中の2−(3−ヨードメチル−シクロペンチルオキシ)−テトラヒドロピラン(実施例35と同様にして調製、1.94g、6.26mmol)の溶液で処理した。反応混合物を−78℃で10分間撹拌し、次に25℃に温め、それを3日間撹拌した。反応混合物を水(50mL)でクエンチし、次に真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水性残渣を更に水(100mL)で希釈し、次に酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、7/3 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−〔3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオン酸メチルエステル(1.07g、54%)を、黄色の油状物として得た:FAB-HRMS m/e C21H30O6S (M+H)+の計算値411.1841、実測値411.1851。
2−アミノチアゾール(259mg、2.58mmol)及び2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−〔3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオン酸メチルエステル(1.06g、2.58mmol)を、マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、14.76mL、10.32mmol)で処理した。次に反応混合物を真空下で濃縮してメタノールの容量が約1/2になった。得られた反応混合物を24時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次にセライトパッドで濾過した。セライトパッドを、洗液が薄膜クロマトグラフィーによる生成物の欠如を示すまで、酢酸エチルで充分に洗浄した。次に濾液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、1/2 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−〔3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(494mg、40%)を、黄色の泡状物として得た:融点68〜70℃(泡状物から〜ゲル状物へ);FAB-HRMS m/e C23H30N2O5S2 (M+H)+の計算値479.1674、実測値479.1666。
エタノール(9.4mL)中の2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−〔3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(450mg、0.94mmol)の溶液を、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(24mg、0.094mmol)で処理した。得られた反応混合物を60℃で4時間加熱した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。得られた黄色の残渣を酢酸エチル(100mL)で希釈し、次に飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、1/3〜1/7 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(318mg、86%)を、白色の泡状物として得た:融点69〜72℃;FAB-HRMS m/e C18H22N2O4S2 (M+H)+の計算値395.1099、実測値395.1091。
実施例38
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
新たに蒸留したテトラヒドロフラン(50mL)中の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(3.75mL、17.24mmol)の溶液を、−45℃にてヘキサン(7.0mL、16.1mmol)中のn−ブチルリチウム2.3M溶液でゆっくりと処理した。得られた反応溶液を−40℃で45分間撹拌し、次にテトラヒドロフラン(10mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−アセトアミド(実施例30と同様にして調製、2.5g、6.87mmol)の溶液で、カニューレを介してゆっくりと処理した。黄色の溶液を得て、反応を0℃に温め、それを30分間撹拌した。この反応溶液を−50℃に冷却し、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(5mL)で処理し、続いてテトラヒドロフラン(10mL)中の2−(3−ヨードメチル−シクロペンチルオキシ)−テトラヒドロピラン(実施例35と同様にして調製、3.2g、10.3mmol)の溶液を滴加して処理した。添加後、反応溶液を0℃に温め、それを2時間撹拌し、次に25℃にあたため、それを更に2時間撹拌した。反応溶液を塩化メチレン(100mL)で希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、40〜60% 酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル)−N−メチル−3−〔3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオンアミド(3.4g、90.7%)を、白色の固体として得た。
ジオキサン(20mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル)−N−メチル−3−〔3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオンアミド(0.96g、1.758mmol)の溶液を、9N硫酸水溶液(1.5mL)で処理した。得られた反応溶液を15時間加熱還流した。別のフラスコで、ジオキサン(20mL)及び9N硫酸水溶液(1.5mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル)−N−メチル−3−〔3−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−シクロペンチル〕−プロピオンアミド(1g、1.83mmol)の溶液を、7時間加熱還流した。2つの反応を合わせ、塩化メチレン(100mL)で希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、8〜10% メタノール/塩化メチレン)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸(496mg、43.9%)を、オフホワイトの泡状物として得た。
ギ酸(35mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸(350mg、1.11mmol)の溶液を、25℃にて30%過酸化水素水溶液(1mL、7.89mmol)で処理した。次に混合物を25℃で一晩撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させた。得られた残渣をトルエンで共沸して水を除去し、次にN,N−ジメチルホルムアミドで共蒸発させてギ酸を除去して、粗2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ホルミルオキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸(430mg、103%)を、オフホワイトの固体として得た。
トルエン(10mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ホルミルオキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸(380mg、1.01mmol)の溶液を、0℃にてN,N−ジメチルホルムアミド(0.008mL)で、続いて塩化メチレン(0.75mL)中の塩化オキサリル2.0M溶液で処理した。反応混合物を0℃で30分間、25℃で1.5時間撹拌した。反応フラスコの底にある高粘度の油状物は決して可溶化しないように見えた。追加の塩化メチレン(10mL)を25℃で、続いてN,N−ジメチルホルムアミド(0.002mL)及び塩化オキサリル(0.3mL)を加えた。反応混合物を25℃で更に45分間撹拌し、次に真空下で濃縮した。残渣を無水テトラヒドロフラン(5mL)に溶解し0℃に冷却した。次にこの冷溶液を、無水テトラヒドロフラン(5mL)中の2−アミノピラジン(142mg、1.5mmol)及びピリジン(0.121mL、1.5mmol)の溶液でカニューレを介して処理した。得られた反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次に塩化メチレン(100mL)で希釈した。有機層を1Mクエン酸水溶液(2×100mL)、飽和重炭酸ナトリウム溶液(1×100mL)、及び飽和塩化ナトリウム溶液(1×100mL)で順次洗浄した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、ギ酸3−〔2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)−エチル〕−シクロペンチルエステル(375mg、82%)を、オフホワイトの固体として得た。
メタノール(50mL)中のギ酸3−〔2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)−エチル〕−シクロペンチルエステル(375mg、0.83mmol)の溶液に、0℃で15分間アンモニアガスを泡立てた。得られた反応溶液を0℃で15分間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、1〜5% メタノール/塩化メチレン)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(260mg、62.5%)を、オフホワイトの固体として得た。
実施例39
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−メトキシ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
アセトニトリル(6.1mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(実施例36と同様にして調製、194.1mg、0.61mmol)、炭酸銀(320.6mg、1.16mmol)、テトラフルオロホウ酸銀(131.0mg、0.67mmol)、及びヨードメタン(72μL、1.16mmol)の溶液を、25℃で48時間撹拌した。次に得られた反応混合物を24時間加熱還流した。次に反応混合物をセライトパッドで濾過し、セライトパッドを酢酸エチルで充分に洗浄した。濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、10%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−メトキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(68.8mg、34%)を、黄色の油状物として得て、それを更に精製しないで使用した。
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−メトキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(118.3mg、0.36mmol)及び2−アミノチアゾール(35.8mg、0.36mmol)を、マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、2.6mL、1.79mmol)で処理した。次に得られた反応混合物を30時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次にセライトで濾過した。セライトを酢酸エチルで充分に洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、40%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−メトキシ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(9.6mg、7%)を、白色のガラスとして得た:(ES)+-HRMS m/e C18H20Cl2N2O2S (M+H)+の計算値399.0696、実測値399.0700。
実施例40
酢酸3−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−(チアゾール−2−イルカルバモイル)−エチル〕−シクロペンチルエステル
ピリジン(2mL)及び塩化メチレン(1mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(実施例36と同様にして調製、147.8mg、0.38mmol)及び無水酢酸(72μL、0.77mmol)の溶液を、25℃で20時間撹拌した。得られた反応混合物を真空下で濃縮した。反応が完了しなかったので、残渣をピリジン(1.8mL)及び無水酢酸(1.4mL、14.84mmol)に再溶解し、次に25℃で更に7時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、次に酢酸エチル(50mL)で希釈した。有機層を1N塩酸水溶液(3×50mL)、水(50mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、35%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、酢酸3−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−(チアゾール−2−イルカルバモイル)−エチル〕−シクロペンチルエステル(80.8mg、49%)を、白色の固体として得た:融点49〜52℃;(ES)+-HRMS m/e C19H20Cl2N2O3S (M+H)+の計算値427.0645、実測値427.0648。
実施例41
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−フルオロ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(0.28mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(実施例36と同様にして調製、180mg、0.56mmol)の溶液を、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(0.11mL、0.85mmol)で処理した。得られた混合物を25℃で18時間撹拌した。この時点で反応を水(50mL)で希釈した。この溶液を塩化メチレン(3×30mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、50/50ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−フルオロ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(71.2mg、39.3%)を、明黄色の油状物として得た。
マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、0.63mL、0.43mmol)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−フルオロ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(70mg、0.24mmol)と2−アミノチアゾール(26.3mg、0.26mmol)の混合物を、110℃に18時間加熱した。この時点で反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、70/30 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−フルオロ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(2.3mg、2.7%)を、明黄色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C17H17Cl2N2OS (M+H)+の計算値387.0496、実測値387.0499。
実施例42
1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素
塩化メチレン(1.68mL)中の1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素(実施例35と同様にして調製、60.5mg、0.17mmol)の溶液を、クロロクロム酸ピリジニウム(塩基性アルミナの20wt.%、218mg、0.20mmol)で処理した。反応混合物を25℃で4時間撹拌した。この時点で、反応をセライトプラグ(酢酸エチルを溶離剤として)で濾過した。濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、90/10 塩化メチル/メタノール)に付して、1−〔2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオニル〕−3−メチル−尿素(45.8mg、76.1%)を、白色の固体として得た:融点70〜74℃;FAB-HRMS m/e C16H18Cl2N2O3 (M+H)+の計算値357.0773、実測値357.0768。
実施例43
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
ベンゼン(524mL)中の3−ヨードメチル−シクロペンタノン(実施例35と同様にして調製、23.47g、0.10mol)、1,3−プロパンジオール(39.86g、0.52mol)、オルトギ酸トリメチル(13.61g、0.1257mol)、及びp−トルエンスルホン酸一水和物の溶液を、6時間加熱還流した。反応を25℃に冷却し、水(1L)で希釈し、ジエチルエーテル(2×400mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、15%ジエチルエーテル/石油エーテル)に付して、2−ヨードメチル−6,10−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカン(18.77g、63%)を、黄色の油状物をとして得た。
無水テトラヒドロフラン(26mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(8mL)中のジイソプロピルアミン(2.5mL、17.80mmol)の溶液を、窒素下−78℃に冷却し、次にヘキサン(7.1mL、17.80mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で45分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(26mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(8mL)中の(3,4−ジクロロ−フェニル)−酢酸メチルエステル(実施例1と同様にして調製、3.00g、13.69mmol)の溶液を滴加して処理した。反応混合物は暗黄色に変色し、−78℃で10分間、次に0℃で30分間撹拌した。次に反応混合物を−78℃に冷却し、その時点で、無水テトラヒドロフラン(13mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(8mL)中の2−ヨードメチル−6,10−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカン(5.79g、20.54mmol)の溶液を滴加した。反応混合物を−78℃で15分間撹拌し、次に25℃に温め、それを20時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)でクエンチし、次に真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水性残渣を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和塩化リチウム水溶液(2×200mL)、水(200mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、15%酢酸エチル/ヘキサン)に付して2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(6,10−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(3.92g、77%)を、黄色の油状物として得た。
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(6,10−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(1.00g、2.68mmol)を、マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、19mL、13.39mmol)で処理した。次に反応混合物を2−アミノチアゾール(348.7mg、3.48mmol)で処理した。次に得られた反応混合物を28時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次にセライトで濾過した。セライトを酢酸エチルで充分に洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、25〜50%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、粗2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(6,10−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(768.5mg)を、黄色の油状物として得て、それを更に精製しないで使用した。
テトラヒドロフラン(8.7mL)及び5%塩酸水溶液(3.9mL)中の粗2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(6,10−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−2−イル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(768.5mg、1.74mmol)の溶液を、25℃で64時間撹拌した。得られた反応溶液を真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去し、次に酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機層を1%塩酸水溶液(50mL)、水(50mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、50%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(481.9mg、2工程を経て47%)を、白色の固体として得た:融点146〜148℃;(ES)+-HRMS m/e C17H16Cl2N2O2S (M+H)+の計算値383.0383、実測値383.0385。
実施例44
2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(3mL)中の3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(実施例37と同様にして調製、155mg、0.393mmol)の溶液を、クロロクロム酸ピリジニウム(塩基性アルミナの20wt.%、508mg、0.471mmol)で処理した。得られた反応混合物を25℃で3時間撹拌し、この時点で、薄層クロマトグラフィーが、少量の3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミドを示した。次に反応混合物を追加のクロロクロム酸ピリジニウム(塩基性アルミナの20wt.%、127mg、0.118mmol)で処理した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次にセライトパッドで濾過した。セライトパッドを、洗液が薄膜クロマトグラフィーによる生成物の欠如を示すまで、酢酸エチルで充分に洗浄した。次に濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、1/3 ヘキサン/酢酸エチル〜100%酢酸エチル)に付して、2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(46mg、30%)を、白色の泡状物として得た:融点94〜97℃;FAB-HRMS m/e C18H20N2O4S2 (M+H)+の計算値393.0943、実測値393.0948。
実施例45
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
窒素下で−78℃に冷却した無水テトラヒドロフラン(19.5mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(6.5mL)中のジイソプロピルアミン(1.9mL、13.64mmol)の溶液を、ヘキサン(5.5mL、13.64mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で45分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(19.5mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(6.5mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(実施例4と同様に調製、2.42g、10.49mmol)の溶液を滴加して処理した。反応混合物は鮮黄色に変化した。反応混合物を−78℃で15分間、次に0℃で更に30分間撹拌し、次に−78℃に再冷却した。この時点で、無水テトラヒドロフラン(10mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(3mL)中の2−ヨードメチル−6,10−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカン(実施例43と同様にして調製、3.85g、13.64mmol)の溶液を滴加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に25℃に温め、それを24時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水性残渣を酢酸エチル(200mL)で希釈し、有機層を飽和塩化リチウム水溶液(2×200mL)、水(200mL)、並びに飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、25%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(6,10−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(2.27g、56%)を、黄色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C19H25ClO4S (M)+の計算値384.1162、実測値384.1181。
0℃に冷却した塩化メチレン(8mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(6,10−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(1.18g、3.07mmol)を、塩化メチレン(8mL)中の3−クロロペルオキシ安息香酸(〜70%、70%に基づき1.51g、6.13mmol)と重炭酸ナトリウム(1.03g、12.26mmol)の混合物でゆっくりと処理した。濃厚な反応混合物を塩化メチレン(8mL)で希釈し、次に25℃に温め、それを4時間撹拌した。反応混合物を塩化メチレン(200mL)及び水(200mL)で希釈した。有機相を0℃に冷却し、次に飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液(200mL)でゆっくりと処理した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)、水(100mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、50%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(6,10−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(1.22g、95%)を、無色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C19H25ClO6S (M)+の計算値416.1060、実測値416.1054。
テトラヒドロフラン(14.5mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(6,10−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(1.21g、2.90mmol)の溶液を、5%塩酸水溶液(6.4mL)で処理し、25℃で29時間撹拌した。次に反応を真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。得られた水性残渣を水(200mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ 50%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(1.03g、99%)を、無色の油状物として得た:EI-HRMS m/e C16H19ClO5S (M)+の計算値358.0642、実測値358.0630。
メタノール(7.1mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(1.02g、2.84mmol)の溶液を、1N水酸化ナトリウム水溶液(6.0mL、6.0mmol)で処理した。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次に反応混合物を真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた水性残渣を水(100mL)で希釈し、1N塩酸水溶液でpH=3に酸性化し、次に酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた黄色の油性固体を酢酸エチル/石油エーテルで粉砕して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(800.0mg、82%)を、白色の固体として得た:融点164〜167℃;(ES)+-HRMS m/e C15H17ClO5S (M+H)+の計算値345.0558 、実測値345.0561。
0℃に冷却した塩化メチレン(8.6mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(2滴)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(594.8mg、1.725mmol)の溶液を、塩化オキサリル(226μL、2.587mmol)で処理した。反応混合物を0℃で15分間、次に25℃で2時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して赤い油状物を得た。この赤い油状物をテトラヒドロフラン(4.03mL)に溶解し、0℃に冷却し、次にテトラヒドロフラン(4.3mL)中の2−アミノピラジン(246.1mg、2.587mmol)及びピリジン(209μL、2.587mmol)の溶液でゆっくりと処理した。得られた反応混合物を0℃で15分間撹拌し、次に25℃で2時間撹拌した。反応混合物を1Nクエン酸水溶液(20mL)でクエンチし、次に酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×100mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、80%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(207.3mg、28%)を、淡黄色の泡状物として得た:融点93〜96℃(泡状物から〜ゲル状物へ)(ES)+-HRMS m/e C19H20ClN3O4S (M+H)+の計算値422.0936、実測値422.0938。
実施例46
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(10mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(実施例38と同様にして調製、60mg、0.142mmol)の溶液を、Dess-Martin ペルヨージナン(132.5mg、0.312mmol)で処理した。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。次に反応混合物を塩化メチレン(10mL)で希釈し、1Mクエン酸水溶液(10mL)で洗浄した。水層のpHを5に調整した。次に水層を塩化メチレン(20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、50〜100%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(45mg、75%)を、オフホワイトの固体として得た。
実施例47
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((S)−3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
工程1
(S,S)−ヒドロベンゾイン(10.0g、46.7mmol)、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(1.4g、5.6mmol)、2−シクロペンテン−1−オン(20mL、238.7mmol)、及びシクロヘキサン(200mL)の溶液を、Dean-Starkトラップを用いて反応中に形成された水を除去しながら、4時間加熱還流した。次に混合物を氷浴で20分間冷却し、不溶物を濾過助剤に通して濾取した。得られた溶液を10%重炭酸カリウム水溶液(2×25mL)及び水(2×25mL)で洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。乾燥した溶液を、シリカゲル60のパッド(230〜400メッシュの26g)に通した。パッドを追加のヘキサン(475mL)で更に溶離した。得られた溶液を真空下で濃縮して、2(S),3(S)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノン−6−エン(10.55g、81%)を、白色の固体として得た。
工程2
窒素雰囲気下−15℃に冷却した1,2−ジクロロエタン(85mL)及びジエチル亜鉛(6.5mL、63.4mmol)の溶液を、ヨードクロロメタン(8.9mL、122mmol)で、シリンジを介して、温度が−7℃(約5分間かけて)に上昇するような速度で処理した。混合物を、更なる発熱が見られなくなるまで−7℃〜−13℃にて更に15分間冷却しながら撹拌した。次に反応を〜0℃で10分間撹拌し、次に−35℃に再冷却した。この時点で、1,2−ジクロロエタン(51mL)中の2(S),3(S)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノン−6−エン(8.5g、30.5mmol)の溶液を、シリンジを介し10分間かけて加えた。反応温度は添加中、−26℃に上昇した。次に反応を−26℃で30分間撹拌した。この時点で、反応を−35℃に再冷却し、10%重炭酸カリウム水溶液(17mL)を、温度を−12℃未満に保持しながら滴加した。次に冷却浴を取り外し、反応を25℃に温め、それを1.5時間撹拌した。液体をデカントし、白色の糊状残渣をtert−ブチルメチルエーテル(2×100mL)でスラリーにした。上澄みをデカントし、合わせた有機溶液を10%重炭酸カリウム水溶液(2×100mL)及び20%塩化ナトリウム水溶液(1×100mL)で洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を真空下で除去して、1(R),5(S)−ビシクロ〔3.1.0〕ヘキサン−2−スピロ−2′(4(S),5(S)−ジフェニルジオキソラン)(8.91g、99%)を、白色の固体として得た。HPLC(Chiralpak AD-RH、150×5mm、220nm、0.5cc/分、80分、流動相 5エタノール/5メタノール/4水、Rt1(R),5(S)=20.24分、1(S),5(R)=27.83分)は、87領域%の純度及び91%の分離を示した。
工程3
塩化メチレン(25mL)中の1(R),5(S)−ビシクロ〔3.1.0〕ヘキサン−2−スピロ−2′(4(S),5(S)−ジフェニルジオキソラン)(2.51g、8.58mmol)と無水炭酸カリウム(2.99g、21.6mmol)の混合物を、窒素下−8℃に冷却し、次にヨウ化シリルトリメチル(1.52mL、10.7mmol)でシリンジを介して7分間かけて処理した。反応を−6℃〜−8℃で1時間撹拌した。この時点で、30%チオ硫酸ナトリウム水溶液(25mL、30mmol)を、冷反応に5分間かけて加えた。発熱が沈静化した時、浴を取り外し、反応を25℃で1.5時間撹拌した。層を分離し、水相を塩化メチレン(25mL)で抽出した。合わせた抽出物を水(2×25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、粗生成物(3.34g、92.7%)を、白色の固体として得た。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、2%エチルエーテル/石油エーテル)に付して、7(R)−ヨードメチル−2(S),3(S)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノナン(2.445g、67.7%)を、白色の固体として得た。
工程4
−20℃に冷却したテトラヒドロフラン(20mL)中の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(3.18mL、15.05mmol)の溶液を、ヘキサン(5.8mL、14.5mg当量)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で、温度を−15℃未満に保持するような速度で10分間かけて処理した。混合物を更に5分間撹拌した。次に冷反応混合物を、テトラヒドロフラン(22mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2−フェニル−エチル)−N−メチルアセトアミド(実施例30と同様にして調製、2.77g、7.61mmol)の溶液で、シリンジを介し8分間かけて、温度を−15℃未満に保持するような速度で処理した。次に反応を−7℃に20分間かけてゆっくりと温め、次にテトラヒドロフラン(10mL)中の7(R)−ヨードメチル−2(S),3(S)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノナン(2.42g、5.76mmol)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.7mL、14.1mmol)の溶液を6分間かけて加えた。発熱により添加の間、温度が−4℃に上昇した。反応を0℃に温め、それをさらに3時間撹拌した。この時点で、反応をトルエン(70mL)と20%塩化アンモニウム水溶液(50mL、187mmol)の混合物に注ぎ、次に激しく撹拌した。有機層を分離し、20%塩化アンモニウム水溶液(50mL、187mmol)で再洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(2(S),3(S)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノン−7(S)−イル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2−フェニル−エチル)−N−メチル−プロピオンアミド(3.86g)を、過重な褐色の半固体として得た。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、1/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(2(S),3(S)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノン−7(S)−イル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2−フェニル−エチル)−N−メチルプロピオンアミドを、黄色の泡状物(2.28g、60.4%)として得た。
工程5
2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(2(S),3(S)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノン−7(S)−イル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2−フェニル−エチル)−N−メチル−プロピオンアミド(2.28g、3.47mmol)、1,4−ジオキサン(4.56mL)、及び9N硫酸水溶液(4.5mL)の混合物を、18時間加熱還流した。この時点で反応を5℃に冷却し、水(12mL)で希釈した。水性部分をデカントした。得られた粘性油状物をtert−ブチルメチルエーテル(30mL)に溶解し、水(3×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。合わせた水相を酢酸エチル(20mL)で逆抽出した。合わせた有機物を、水(3×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、粗生成物(1.76g)を、過重な褐色の半固体として得た。この物質を、1:1 酢酸エチル:ヘキサンで再結晶させて、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−((S)−3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(422.1mg、38.8%)を、オフホワイトの固体として得た。HPLC(Zorbax XDB-C8 150×5mm、20〜100%アセトニトリル/水 20分間、20分間ラン、220nm、1cc/分 Rt=10.3分)は、98.5領域%の純度を示し、並びにHPLC(Chiralpak AD-RH、150×5mm、70%エタノール/水、30分間ラン、230nm、0.5cc/分、2(R),3(S)のRt=15.2分;2(R),3(R)=22.1分)は、90%の分離を表した。
工程6
25℃で撹拌した2(R)−(3−クロロ−4−メチルフルファニル−フェニル)−3−((S)−3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(189mg、0.598mmol)及びアセトン(5mL)の溶液を、アセトン(26mL、1.3mmol)中のジメチルジオキシラン0.05M溶液で処理した。1時間後、揮発物を真空下で除去して2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((S)−3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(172.4mg、83%)を、白色の固体として得た。
工程7
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((S)−3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(544mg、1.58mmol)、塩化メチレン(7mL)、トルエン(5mL)、及び触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド(10μL、0.13mmol)の混合物を、窒素下、塩化オキサリル(1.4mL、16.3mmol)で処理した。反応を1時間撹拌した(ガス発生)。この時点で、次に反応を真空下25℃で部分的に蒸発させて、過剰量の塩化オキサリルを除去した。残渣をトルエン(2×4mL)で共蒸発させ、真空下で濃縮して、約4mLとした。得られた褐色のスラリーを、−10℃に冷却した2−アミノピラジン(189mg、1.99mmol、塩化メチレン(4mL)、及びピリジン(170μL、2.1mmol)の混合物に、カニューレを介して15分かけて加えた。反応を25℃に温め、それを18時間撹拌した。この時点で、反応を水(700μL)、続いて1Mクエン酸水溶液(5mL、5mmol)でクエンチした。次に反応を酢酸エチル(40mL)、1Mクエン酸水溶液(20mL)で希釈し、充分に混ぜ、相を分離した。有機相を1Mクエン酸水溶液(3×5mL)で洗浄した。合わせた水相を酢酸エチル(30mL)で逆抽出した。合わせた有機相を10%重炭酸カリウム水溶液(3×25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、粗生成物(506.6mg、76%)を、褐色の泡状物として得た。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((S)−3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(442mg、66%)を、褐色の泡状物として得た。HPLC(Zorbax XDB-C8 150×5mm、20〜100%アセトニトリル/水 20分間、20分間ラン、220nm、1cc/分 Rt=7.7分)は、95.3領域%の純度を示し、並びにHPLC(Chiralpak AD-RH、150×5mm、5エタノール/5メタノール/4水、60分間ラン、220nm、0.5cc/分、2(R),3(S)のRt=25.2分;2(R),3(R)=39.2分)は、90.5%の分離を表した。
実施例48
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((R)−3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((R)−3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミドを、(R,R)−ヒドロベンゾイン(Wang,Z.-M.; Sharpless, K. B. J. OrgChem. 1994, 59, 8302)で出発して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((S)−3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(実施例47)と同様の方法で調製した。
工程1
2(R),3(R)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノン−6−エンを、トルエン中の2−シクロペンテン−1−オン及び(R,R)−ヒドロベンゾインから、収率91.5%で白色の固体として、同様にして得た。
工程2
1(S),5(R)−ビシクロ〔3.1.0〕ヘキサン−2−スピロ−2′−(4(R),5(R)−ジフェニルジオキソラン)を、ペンタンからの結晶化の後、2(R),3(R)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノン−6−エンから、収率68%で、同様にして得た。HPLC(Zorbax XDB-C8 150×5mm、5〜100%アセトニトリル/水+0.1%トリフルオロ酢酸、Rt 18.0分)は、96.5領域%の純度を示した。
工程3
7(S)−ヨードメチル−2(R),3(R)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノナンを、1(S),5(R)−ビシクロ〔3.1.0〕ヘキサン−2−スピロ−2′−(4(R),5(R)−ジフェニルジオキソラン)から、25℃にて収率71.7%で白色の固体として、同様にして得た。
工程4
2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(2(R),3(R)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノン−7(R)−イル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2−フェニル−エチル)−N−メチルプロピオンアミドを、7(S)−ヨードメチル−2(R),3(R)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノナンから、収率65%で、同様にして得た。
工程5
2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−((R)−3−オキソ−シクロペニル)−プロピオン酸を、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(2(R),3(R)−ジフェニル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.4〕ノン−7(R)−イル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2−フェニル−エチル)−N−メチルプロピオンアミドから、収率72%で黄色の泡状物として、同様にして得た。
工程6
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((R)−3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸を、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−((R)−3−オキソ−シクロペニル)−プロピオン酸から、収率90%で白色の固体として、同様にして得た。
工程7
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((R)−3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミドを、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−((R)−3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸から、収率43%で白色の泡状物として、同様にして得た。HPLC(Chiralpak AD-RH、150×5mm、5エタノール/5メタノール/4水、60分間ラン、220nm、0.5cc/分、2(R),3(S)のRt=25.4分;2(R),3(R)=38.9分)は、95.9領域%の純度及び>99%の分離を示した。
実施例49
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド
0℃に冷却した塩化メチレン(10mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸(実施例45と同様にして調製、1.05g、3.04mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(5滴)の溶液を、塩化オキサリル(0.39mL、4.57mmol)で処理した。反応混合物を0℃で1時間、次に25℃で1時間撹拌した。次に溶液を真空下で濃縮して、橙−褐色のゲル状物を塩化メチレン(5mL)に溶解した。得られた溶液を、塩化メチレン(5mL)及びピリジン(0.37mL、4.57mmol)中の2−アミノ−5−ブロモピラジン(0.79g、4.57mmol、Tetrahedron 1988, 44, 2977-2983に従って調製)の溶液に、0℃で滴下漏斗を介して滴加した。反応混合物を0℃で30分間、次に25℃で3時間撹拌した。反応混合物を1Nクエン酸水溶液(10mL)でクエンチし、15分間撹拌した。次に反応を1Nクエン酸水溶液(50mL)及び酢酸エチル(75mL)で希釈した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)、水(50mL)、並びに飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸マグネウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40M、シリカ、50%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド(0.622g、41%)を、黄−橙色の泡状物として得た:融点97〜103℃(泡状物から〜ゲル状物へ);(ES)+-HRMS m/e C19H19BrClN3O4S (M+H)+の計算値500.0041、実測値500.0048。
実施例50
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
メタノール(1.1mL)及びピリジン(1.1mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(実施例43と同様にして調製、144.6mg、0.38mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(39.7mg、0.57mmol)の溶液を、3時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(75mL)で希釈した。有機層を1N塩酸水溶液(75mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(75mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、70%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(138.9mg、92%)を、白色の泡状物として得た:融点98〜101℃(泡状物から〜ゲル状物へ);(ES)+-HRMS m/e C17H17Cl2N3O2S (M+H)+の計算値398.0492、実測値398.0496。
実施例51
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
メタノール(0.85mL)及びピリジン(0.85mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(実施例45と同様にして調製、121.9mg、0.29mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(30.4mg、0.43mmol)の溶液を、5時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。得られた残渣を、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を1N塩酸水溶液(2×50mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、80〜100%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(68.8mg、55%)を、白色の固体として得た:融点205〜207℃;(ES)+-HRMS m/e C19H21ClN4O4S (M+H)+の計算値437.1045、実測値437.1048。
実施例52
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−プロピオンアミド
メタノール(0.90mL)及びピリジン(0.90mL)中のN−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド(実施例49と同様にして調製、190mg、0.38mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(40mg、0.57mmol)の溶液を、3時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。得られた残渣を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を1N塩酸水溶液(50mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、75%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシイミノ−シクロペンチル)−プロピオンアミド(150mg、77%)を、黄色の泡状物として得た:融点100〜106℃;(ES)+-HRMS m/e C19H20BrClN4O4S (M+H)+の計算値515.0150、実測値515.0154。
実施例53
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
メタノール(1.2mL)及びピリジン(1.2mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(実施例43と同様にして調製、159.9mg、0.41mmol)及びメトキシアミン塩酸塩(52.3mg、0.62mmol)の溶液を、3.5時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。得られた残渣を、酢酸エチル(75mL)で希釈し、1N塩酸水溶液(75mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(75mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、50%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(168.2mg、98%)を、白色の泡状物として得た:融点69〜72℃(泡状物から〜ゲル状物へ);(ES)+-HRMS m/e C18H19Cl2N3O2S (M+H)+の計算値412.0648、実測値412.0652。
実施例54
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
メタノール(512μL)及びピリジン(512μL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(実施例45と同様にして調製、73.5mg、0.17mmol)及びメトキシアミン塩酸塩(21.8mg、0.26mmol)の溶液を、5時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。得られた残渣を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、70%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(61.2mg、78%)を、白色の泡状物として得た:融点85〜87℃;(ES)+-HRMS m/e C20H23ClN4O4S (M+H)+の計算値451.1202、実測値451.1207。
実施例55
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−プロピオンアミド
メタノール(0.90mL)及びピリジン(0.90mL)中のN−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオンアミド(実施例49と同様にして調製、190mg、0.38mmol)及びメトキシアミン塩酸塩(48mg、0.57mmol)の溶液を、3時間加熱還流した。反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。得られた残渣を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を1N塩酸水溶液(50mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、50%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−メトキシイミノ−シクロペンチル)−プロピオンアミド(61.2mg、78%)を、黄色の泡状物として得た:融点91〜97℃;(ES)+-HRMS m/e C20H22BrClN4O4S (M+H)+の計算値529.0307、実測値529.0310。
実施例56
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3,3−ジフルオロ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド
塩化メチレン(2.25mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(実施例36と同様にして調製、356.4mg、1.12mmol)、N−メチルモルホリンNーオキシド(197mg、1.68mmol)、及び粉末モレキュラーシーブ(1.12g)の混合物を、25℃にてペルテン酸テトラプロピルアンモニウム(20mg、0.05mmol)で処理した。得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。この時点で、反応をセライトパッド(酢酸エチルを溶離剤として)で濾過した。濾液を真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、75/25 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(261.3mg、73.8%)を、明澄な油状物として得た:EI-HRMS m/e C15H16Cl2O3 (M+Na)+の計算値337.0370、実測値337.0371。
塩化メチレン(0.41mL)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(2−オキソ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(261.3mg、0.83mmol)の溶液を、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(0.16mL、1.24mmol)で処理した。得られた混合物を60℃で18時間加熱した。この時点で、反応を25℃に冷却し、水(50mL)で希釈した。この溶液を塩化メチレン(3×30mL)で抽出した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、90/10 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3,3−ジフルオロ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(79.4mg、28.4%)を、黄色の油状物として得た。
マグネシウムメトキシドのメタノール溶液(7.4wt.%、0.63mL、0.44mmol)中の2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3,3−ジフルオロ−シクロペンチル)−プロピオン酸メチルエステル(75mg、0.22mmol)と2−アミノチアゾール(27mg、0.26mmol)の混合物を、110℃に18時間加熱した。この時点で、反応混合物を25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、230〜400メッシュ、70/30 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−(3,3−ジフルオロ−シクロペンチル)−N−チアゾール−2−イル−プロピオンアミド(44.2mg、49%)を、オフホワイトの固体として得た:融点154〜156℃;FAB-HRMS m/e C17H16F2Cl2N2OS(M+H)+の計算値405.0402、実測値405.0404。
実施例57
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−3−メチル−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
0℃に冷却したエーテル(2.53mL、7.59mmol)中の臭化メチルマグネシウム3.0M溶液を、テトラヒドロフラン(1mL)中の2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−オキソ−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(実施例45と同様にして調製、0.10g、0.237mmol)の溶液を滴加して処理した。得られた溶液を0℃で30分間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)でクエンチし、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)と酢酸エチル(25mL)に分配した。水層を酢酸エチル(25mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、80%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(3−ヒドロキシ−3−メチル−シクロペンチル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(37mg、35%)を、黄色の泡状物として得た:融点78〜84℃(泡状物から〜ゲル状物へ);(ES)+-HRMS m/e C20H24ClN3O4S (M+H)+の計算値438.1249、実測値438.1254。
実施例58
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
トルエン(150mL)中の4−シクロヘキサノンカルボン酸エチルエステル(5.00g、29.38mmol)及びエチレングリコール(2.13mL、38.19mmol)の溶液を、Dean-Starkトラップ中で1時間加熱還流し、次にp−トルエンスルホン酸一水和物(56.74mg、0.294mmol)で処理した。反応溶液を更に30分間加熱還流し、25℃に冷却し、真空下で濃縮した。得られた油状物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、水(2×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、純粋な1,4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカン−8−カルボン酸エチルエステル(6.25g、99.3%)を、無色の油状物として得た。
テトラヒドロフラン(40mL)中の1,4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカン−8−カルボン酸エチルエステル(2.00g、9.33mmol)の溶液を、0℃でテトラヒドロフラン(10.0mL、10.0mmol)中の水素化アルミニウムリチウム1.0M溶液を滴加して処理した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次に酢酸エチルを滴加してクエンチした。次に反応を飽和塩化アンモニウム水溶液(25mL)で希釈し、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、純粋な(1,4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−8−イル)−メタノール(1.60g、99.9%)を、無色の油状物として得た。
塩化メチレン(50mL)中の(1,4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−8−イル)−メタノール(1.60g、9.29mmol)の溶液を、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(1.26g、10.22mmol)及びp−トルエンスルホニルクロリド(1.86g、9.75mmol)で処理した。反応混合物を25℃で2時間撹拌し、次に飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×25mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた油状物をアセトン(30mL)に溶解し、ヨウ化ナトリウム(4.73g、31.53mmol)で処理した。反応を2時間加熱還流し、25℃に冷却し、次に真空下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル(50mL)に懸濁し、水(2×15mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、19/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、8−ヨードメチル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカン(2.32g、88.6%)を、無色の油状物として得た。
窒素下、−78℃に冷却した無水テトラヒドロフラン(5.0mL)中のジイソプロピルアミン(0.23mL、1.63mmol)の溶液を、ヘキサン(0.65mL、1.63mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に無水テトラヒドロフラン(3.0mL)及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.0mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル(実施例4と同様にして調製、340mg、1.48mmol)の溶液を滴加して処理した。反応混合物は暗色に変化し、−78℃で1時間撹拌し、その時点で、少量の無水テトラヒドロフラン中の8−ヨードメチル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカン(500mg、1.78mmol)の溶液を滴加した。反応混合物を25℃に温め、それを24時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、次に真空下で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水性残渣を10%塩酸水溶液を用いて酸性化した。得られた水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S シリカ、8/2 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(1,4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−8−イル)−プロピオン酸メチルエステル(315mg、55%)を、黄色の粘性油状物として得た:EI-HRMS m/e C19H25ClO4S (M+)の計算値384.1162、実測値384.1169。
0℃に冷却した塩化メチレン(22mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(1,4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−8−イル)−プロピオン酸メチルエステル(746mg、1.93mmol)の溶液を、塩化メチレン(11mL)中の3−クロロペルオキシ安息香酸(70%等級、955mg、3.86mmol)と重炭酸ナトリウム(652mg、7.72mmol)の予め混合した溶液を、滴加して処理した。反応混合物を25℃で4.5時間撹拌し、その後、反応混合物を塩化メチレン(100mL)で希釈し、水(100mL)で洗浄した。有機相を0℃に冷却し、10%亜硫酸ナトリウム水溶液(100mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)、及び50%塩化ナトリウム水溶液(100mL)で順次洗浄した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S シリカ、6/4 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メチルスルホニル−フェニル)−3−(1,4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−8−イル)−プロピオン酸メチルエステル(680mg、84%)を、無色のガムとして得た:EI-HRMS m/e C19H25ClO64S (M+Na)+の計算値439.0953、実測値439.0957。
アセトン(15mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルホニル−フェニル)−3−(1,4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−8−イル)−プロピオン酸メチルエステル(667mg、1.60mmol)の溶液を、10%塩酸水溶液(1.8mL)で処理した。反応混合物を25℃で24時間撹拌した。次に反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、純粋な2−(3−クロロ−4−メチルスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオン酸メチルエステル(600mg、100%)を、無色のガムとして得て、それを更に精製しないで使用した:EI-HRMS m/e C17H21ClO5S (M+Na)+の計算値395.0690、実測値395.0692。
メタノール(7.0mL)及び水(3.0mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオン酸メチルエステル(590mg、1.58mmol)の溶液を、水酸化リチウム(980mg、31.6mmol)で処理した。反応混合物を25℃で2時間撹拌し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。残留水層を水(25mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で洗浄した。次に水層を1N塩酸水溶液でpH=3に酸性化し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、純粋な2−(3−クロロ−4−メチルスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオン酸(550mg、97%)を、無色のガムとして得た:EI-HRMS m/e C16H19ClO5S (M+Na)+の計算値381.0534、実測値381.0537。
塩化メチレン(10mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオン酸(267mg、0.75mmol)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド(3滴)で処理して、次に0℃に冷却した。次に反応混合物を塩化メチレン(0.45mL、0.90mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液で処理した。反応混合物を25℃で30分間撹拌し、次に真空下で濃縮して溶媒及び過剰量の塩化オキサリルを除去した。得られた残渣を無水テトラヒドフラン(10mL)に再溶解し、テトラヒドロフラン(10mL)及びピリジン(0.30mL、3.75mmol)中の2−アミノピラジン(143mg、1.50mmol)の溶液を滴加して処理した。得られた反応混合物を25℃で2時間撹拌した。次に反応混合物を1Nクエン酸水溶液(25mL)で希釈し、濃縮してテトラヒドロフランを除去した。次に残留水性残渣をクロロホルム/メタノールの3/2溶液(2×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、3/2 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(266mg、81%)を、オフホワイトの泡状物として得た:EI-HRMS m/e C20H22ClN3O4S (M+H)+の計算値436.1093、実測値436.1099。
実施例59
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
塩化メチレン(10mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオン酸(実施例58と同様にして調製、267mg、0.75mmol)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド(3滴)で処理して、次に0℃に冷却した。次に反応混合物を塩化メチレン(0.45mL、0.90mmol)中の塩化オキサリル2.0M溶液で処理した。反応混合物を25℃で30分間撹拌し、次に真空下で濃縮して溶媒及び過剰量の塩化オキサリルを除去した。得られた残渣を無水テトラヒドロフラン(10mL)に再溶解し、テトラヒドロフラン(10mL)及びピリジン(0.30mL、3.75mmol)中の2−アミノ−5−ブロモピラジン(261mg、1.50mmol、Tetrahedron 1988, 44, 2977-2983に従って調製)の溶液を滴加して処理した。得られた反応混合物を25℃で2時間撹拌した。次に反応混合物を1Nクエン酸水溶液(25mL)で希釈し、次に濃縮してテトラヒドロフランを除去した。次に残留水性残渣をクロロホルム/メタノールの3/2溶液(2×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40M、シリカ、35/65 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(193mg、50%)を、黄色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C20H21BrClN3O4S (M+H)+の計算値514.0198、実測値514.0200。
実施例60
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
アセトン(65mL)中の(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸(実施例4と同様にして調製、10.48g、48.4mmol)と炭酸カリウム(20.1g、145.1mmol)の混合物を、−10℃に冷却した。次に淡黄色のスラリーを、温度を−10℃未満に保持しながら、トリメチルアセチルクロリド(6.25mL、50.8mmol)を滴加して処理した。得られた反応混合物を−10℃で15分間撹拌し、次に0℃に温め、それを10分間撹拌した。反応混合物を−10℃に再冷却し、次に(1R,2R)−(−)−プソイドエフェドリン(11.99g、72.5mmol)で処理すると、発熱した。反応混合物を−10℃で10分間撹拌し、次に25℃に温め、それを1時間撹拌した。この時点で、次に反応混合物を水(50mL)でクエンチし、次に酢酸エチル(1×100mL)で抽出した。有機層を水(2×40mL)で洗浄した。水層を合わせ、酢酸エチル(2×50mL)で逆抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗物質を酢酸エチル(45mL)及びヘキサン(80mL)から再結晶させて、2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−アセトアミド(13.75g、78%)を、明黄色の固体として得た:融点111.5〜112.9℃;[α]23 589=−97.2°(c=0.104、クロロホルム);FAB-HRMS m/e C19H22ClNSO2 (M+H)+の計算値364.1138、実測値364.1142。
−78℃に冷却したテトラヒドロフラン(35mL)中の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(9.73mL、46.07mmol)の溶液を、ヘキサン(18.00mL、45.0mmol)中のn−ブチルリチウム2.5M溶液で処理した。反応混合物を−78℃で15分間撹拌し、次に温度を−65℃未満に保持しながら、テトラヒドロフラン(35mL)中の2−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−N−〔2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル〕−N−メチル−アセトアミド(6.45g、17.72mmol)の溶液でゆっくりと処理した。得られた黄色−橙色の反応混合物を−78℃で15分間撹拌し、次に0℃に温め、それを20分間撹拌した。次に反応混合物を−78℃に再冷却し、次に1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(3.0m)及びテトラヒドロフラン(10mL)中の8−ヨードメチル−1,4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカン(実施例58と同様にして調製、10.00g、35.4mmol)の溶液で処理した。得られた反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次に25℃に温め、それを16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、次に飽和塩化アンモニウム水溶液(1×50mL)で洗浄した。次に水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。次に得られた物質を酢酸エチルに再溶解した。この有機相を10%硫酸水溶液(2×100mL)及び10%重炭酸ナトリウム水溶液(2×100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、2/3 ヘキサン/酢酸エチル〜1/4 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(1、4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−8−イル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル)−N−メチル−プロピオンアミド(9.11g、99.0%)を、白色の泡状物として得た:[α]23 589=−79.49°(c=0.39、クロロホルム)EI-HRMS m/e C28H36ClNO4S (M+H)+の計算値518.2127、実測値518.2123。
0℃に冷却した塩化メチレン(70mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メチルスルファニル−フェニル)−3−(1、4−ジオキサ−スピロ〔4.5〕デカ−8−イル)−N−(2(R)−ヒドロキシ−1(R)−メチル−2(R)−フェニル−エチル)−N−メチル−プロピオンアミド(6.30g、12.16mmol)の溶液を、塩化メチレン(70mL)中の3−クロロペルオキシ安息香酸(70%、6.00g、24.32mmol)と重炭酸ナトリウム(4.09g、48.64mmol)の予め混合した溶液で、10分間かけて滴加して処理した。得られた混合物を25℃に温め、それを2時間撹拌した。反応混合物を塩化メチレン(100mL)で希釈し、0℃に再冷却し、塩化メチレン(35mL)中の3−クロロペルオキシ安息香酸(70%、3.00g、12.16mmol)及び重炭酸ナトリウム(2.05g、24.32mmol)の追加溶液を滴加して処理した。得られた混合物を25℃に温め、それを2時間撹拌した。次に反応混合物を塩化メチレン(1L)で希釈し、水(1×500mL)で洗浄し、0℃に冷却し、次に飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液(1×500mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×500mL)、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×500mL)で順次洗浄した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。次に得られた白色の泡状物をジオキサン(40mL)に溶解し、9N硫酸水溶液(40mL)で処理し、105℃で16時間加熱した。次に反応混合物を氷浴で0℃に冷却し、生成物を水(500mL)の添加により沈澱させた。懸濁液を、最初濁っている上澄みが明澄で明黄色になるまで0℃で撹拌した。固体を濾取し、吸引により乾燥させた。固体物質を、熱い氷酢酸(40mL)に溶解し、熱い溶液を水(25mL)で処理して、結晶化を開始させた。混合物を25℃に冷却し、次に追加量の水(50mL)で処理した。25℃で1時間撹拌した後、固体を濾過により回収した。固体を五酸化リンを用いて高真空デシケーター中で乾燥させて、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオン酸(4.10g、94%)を、オフホワイトの固体として得た:融点129〜131℃;[α]23 589=−42.22°(c=0.36、クロロホルム)EI-HRMS m/e C16H19ClO5S (M+Na)+の計算値381.0534、実測値381.0536。
0℃に冷却した塩化メチレン(4.0mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオン酸(200mg、0.56mmol)及びトリフェニルホスフィン(195mg、0.73mmol)の溶液を、少量ずつに分けたN−ブロモスクシンイミド(128mg、0.73mmol)で処理した。N−ブロモスクシンイミドの添加完了後、反応混合物を25℃に30分間かけて温めた。次に鮮橙色の反応混合物を、2−アミノ−5−ブロモピラジン(200mg、1.12mmol、Tetrahedron 1988, 44, 2977-2983に従って調製)及び2,6−ルチジン(0.28mL、2.24mmol)で処理した。得られた反応混合物を25℃で4時間撹拌した。次に反応混合物を、塩化メチレン(25mL)で希釈し、10%塩酸水溶液(1×20mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×20mL)、及び水(1×20mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、65/35 ヘキサン/酢酸エチルから4/6 ヘキサン/酢酸エチルで溶離)に付して、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(120mg、42%)を、オフホワイトの泡状物として得た:[α]23 589=−24.6°(c=0.50、クロロホルム);EI-HRMS m/e C20H21BrClN3O4S (M+Na)+の計算値536.0017、実測値536.0022。
実施例61
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
塩化メチレン(420mL)中の2−アミノピラジン(23.86g、0.2509mol)の溶液を、0℃に冷却し、次にN−クロロスクシンイミド(33.50g、0.2509mol)で処理した。反応混合物を0℃で24時間撹拌した。得られた暗色の反応混合物を水(500mL)で希釈し、次に真空下で濃縮して塩化メチレンを除去した。水層を、生成物が水層に存在しないことが薄層クロマトグラフィーにより決定されるまで、酢酸エチルで続けて抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Merck Silica gel 60、70〜230メッシュ、25%酢酸エチル/ヘキサン)に付して、2−アミノ−5−クロロピラジン(2.66g、8.2%)を、黄色の固体として得た:融点126〜128℃;EI-HRMS m/e C4H4ClN3 (M+)の計算値129.0094、実測値129.0090。
0℃に冷却した塩化メチレン(4.0mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクヘキシル)−プロピオン酸(実施例60と同様にして調製、200mg、0.56mmol)及びトリフェニルホスフィン(192mg、0.73mmol)の溶液を、少量ずつに分けたN−ブロモスクシンイミド(128mg、0.73mmol)で処理した。N−ブロモスクシンイミドの添加完了後、反応混合物を25℃に30分間かけて温めた。次に鮮橙色の反応混合物を2−アミノ−5−クロロピラジン(145mg、1.12mmol)及び2,6−ルチジン(0.28mL、2.24mmol)で処理した。得られた反応混合物を25℃で4時間撹拌した。次に反応混合物を、塩化メチレン(25mL)で希釈し、10%塩酸水溶液(1×20mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×20mL)、及び水(1×20mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、13/7 ヘキサン/酢酸エチル〜2/3 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(137mg、52%)を、明黄色の泡状物として得た:[α]23 589=−27.35°(c=0.49、クロロホルム);EI-HRMS m/e C20H21Cl2N3O4S (M+H)+ の計算値470.0703、実測値470.0705。
実施例62
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
塩化メチレン(40mL)中の5−メチルピラジン−2−カルボン酸(2.76g、20mmol)と塩化オキサリル(1.83mL、2.66g、21mmol)の混合物を、N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)で処理し、混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、油性固体を得た。固体を0℃でアセトン(120mL)に溶解し、次に水(50mL)中のアジ化ナトリウム(1.03g、20mmol)を滴加した。添加が完了した後、撹拌を0℃で30分間続けた。次に混合物を氷冷水(100mL)に注ぎ、塩化メチレン(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(1×100mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液の混合物(1:1、1×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。混合物を濾過し、真空下で濃縮して、5−メチル−ピラジン−2−カルボニルアジド(1.46g、45%)を、褐色の固体として得た。5−メチル−ピラジン−2−カルボニルアジド(500mg、3.07mmol)を、ベンジルアルコール(0.63mL、663mg、6.14mmol)と25℃で合わせた。次に混合物を油浴で90℃にゆっくりと加熱すると、すぐにガスが激しく発生した。油浴の温度を、ガスの発生が停止するまで保持した。油浴の温度を120℃に上昇させ、撹拌をその温度で10分間続けた。混合物を冷却し、ジエチルエーテル/ヘキサン(1:4)で粉砕して、(5−メチルピラジン−2−イル)−カルバミン酸フェニルエステル(438mg、58%)を、黄色の固体として得た。(5−メチルピラジン−2−イル)−カルバミン酸フェニルエステル(500mg、2.2mmol)と10%パラジウム担持炭(212mg)をエタノール(30mL)中で混合した。反応容器を水素でフラッシュし、混合物を25℃で水素下(1atm)1時間撹拌した。過剰量の水素を反応容器から排気し、混合物をセライトパッドで濾過した。濾液を真空下で濃縮して、2−アミノ−5−メチルピラジン(183mg、76%)を、褐色の固体として得て、それを更に精製しないで使用した。
0℃に冷却した塩化メチレン(5.0mL))中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオン酸(実施例60と同様にして調製、263mg、0.73mmol)及びトリフェニルホスフィン(250mg、0.95mmol)の溶液を、少量ずつに分けたN−ブロモスクシンイミド(167mg、0.95mmol)で処理した。N−ブロモスクシンイミドの添加が完了した後、反応混合物を25℃に30分間かけて温めた。次に鮮橙色の反応混合物を、2−アミノ−5−メチルピラジン(160mg、1.46mmol)及び2,6−ルチジン(0.36mL、2.92mmol)で処理した。得られた反応混合物を25℃で4時間撹拌した。次に反応混合物を、塩化メチレン(25mL)で希釈し、10%塩酸水溶液(1×20mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×20mL)、及び水(1×20mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、65/35 ヘキサン/酢酸エチル〜3/7 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(158mg、48%)を、白色の泡状物として得た:[α]23 589=−41.52°(c=0.33、クロロホルム);EI-HRMS m/e C20H21Cl2N3O4S (M+H)+の計算値450.1249、実測値450.1253。
実施例63
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
0℃に冷却した塩化メチレン(6.0mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオン酸(実施例60と同様にして調製、300mg、0.84mmol)及びトリフェニルホスフィン(288mg、1.09mmol)の溶液を、少量ずつに分けたN−ブロモスクシンイミド(192mg、1.09mmol)で処理した。N−ブロモスクシンイミドの添加完了後、反応混合物を25℃に30分間かけて温めた。次に鮮橙色の反応混合物を2−アミノ−5−クロロピリジン(220mg、1.68mmol)及び2,6−ルチジン(0.42mL、3.36mmol)で処理した。得られた反応混合物を25℃で4時間撹拌した。次に反応混合物を、塩化メチレン(25mL)で希釈し、10%塩酸水溶液(1×20mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×20mL)、及び水(1×20mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、65/35 ヘキサン/酢酸エチル〜1/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(265mg、67%)を、白色の泡状物として得た:[α]23 589=−35.71°(c=0.35、クロロホルム);EI-HRMS m/e C21H22Cl2N2O4S (M+H)+の計算値469.0750、実測値469.0754。
実施例64
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
0℃に冷却した塩化メチレン(6.0mL)中の2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオン酸(実施例60と同様にして調製、300mg、0.84mmol)及びトリフェニルホスフィン(288mg、1.09mmol)の溶液を、少量ずつに分けたN−ブロモスクシンイミド(192mg、1.09mmol)で処理した。N−ブロモスクシンイミドの添加完了後、反応混合物を25℃に30分間かけて温めた。次に鮮橙色の反応混合物を2−アミノ−5−ピコリン(182mg、1.68mmol)及び2,6−ルチジン(0.42mL、3.36mmol)で処理した。得られた反応混合物を25℃で4時間撹拌した。次に反応混合物を、塩化メチレン(25mL)で希釈し、10%塩酸水溶液(1×20mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×20mL)、及び水(1×20mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、65/35 ヘキサン/酢酸エチル〜4/6 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(231mg、61%)を、白色の泡状物として得た:[α]23 589=−26.22°(c=0.45、クロロホルム);EI-HRMS m/e C22H25ClN2O4S (M+H)+ の計算値449.1297、実測値449.1302。
実施例65
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
メタノール(0.5mL)及びピリジン(0.5mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(19mg、0.27mmol)の溶液を、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(実施例58と同様にして調製、80mg、0.18mmol)で処理した。反応混合物を2時間加熱還流し、25℃に冷却し、真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた残渣を、酢酸エチル(10mL)に懸濁し、水(1×5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、35/65 ヘキサン/酢酸エチル〜1/1 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(65mg、80%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C20H23ClN4O4S (M+H)+の計算値451.1202、実測値451.1206。
実施例66
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
メタノール(0.5mL)及びピリジン(0.5mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(13mg、0.18mmol)の溶液を、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(実施例59と同様にして調製、62mg、0.12mmol)で処理した。反応混合物を2時間加熱還流し、25℃に冷却し、真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた残渣を、酢酸エチル(10mL)に懸濁し、水(1×5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、3/7 ヘキサン/酢酸エチルから8/2 ヘキサン/酢酸エチルで溶離)に付して、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(51mg、80%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C20H22BrClN4O4S (M+H)+の計算値529.0307、実測値529.0308。
実施例67
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
メタノール(0.2mL)及び2,6−ルチジン(0.2mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(7.0mg、0.099mmol)の溶液を、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(実施例60と同様にして調製、34mg、0.066mmol)で処理した。反応混合物を25℃で30分間撹拌し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた残渣を、酢酸エチル(10mL)に懸濁し、水(1×5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、65/35 ヘキサン/酢酸エチル〜2/3 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(30mg、85.8%)を、白色の泡状物として得た:[α]23 589=−21.43°(c=0.35、クロロホルム);EI-HRMS m/e C20H22BrClN4O4S (M+H)+の計算値529.0307、実測値529.0314。
実施例68
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
メタノール(0.2mL)及び2,6−ルチジン(0.2mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(7.0mg、0.099mmol)の溶液を、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(実施例61と同様にして調製、31mg、0.066mmol)で処理した。反応混合物を25℃で30分間撹拌し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた残渣を、酢酸エチル(10mL)に懸濁し、水(1×5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12S、シリカ、13/7 ヘキサン/酢酸エチル〜2/3 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピラジン−2−イル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(30mg、93.7%)を、白色の泡状物として得た:[α]23 589=−23.24°(c=0.37、クロロホルム);EI-HRMS m/e C20H22Cl2N4O4S (M+H)+の計算値485.0812、実測値485.0822。
実施例69
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−プロピオンアミド
メタノール(0.5mL)及び2,6−ルチジン(0.5mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(17.0mg、0.24mmol)の溶液を、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(実施例62と同様にして調製、34mg、0.066mmol)で処理した。反応混合物を25℃で30分間撹拌し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた残渣を、酢酸エチル(10mL)に懸濁し、水(1×5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、65/35 ヘキサン/酢酸エチル〜酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−プロピオンアミド(75mg、100%)を、白色の泡状物として得た:[α]23 589=−30.0°(c=0.32、クロロホルム);EI-HRMS m/e C21H25ClN4O4S (M+H)+の計算値465.1358、実測値465.1365。
実施例70
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
メタノール(0.7mL)及び2,6−ルチジン(0.7mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(26.0mg、0.36mmol)の溶液を、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(実施例63と同様にして調製、114mg、0.24mmol)で処理した。反応混合物を25℃で30分間撹拌し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた残渣を、酢酸エチル(10mL)に懸濁し、水(1×5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、65/35 ヘキサン/酢酸エチル〜2/8 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(105mg、90%)を、白色の粉末として得た:[α]23 589=−23.03°(c=0.33、クロロホルム);EI-HRMS m/e C21H23Cl2N3O4S (M+H)+の計算値484.0859、実測値484.0862。
実施例71
2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−プロピオンアミド
メタノール(0.7mL)及び2,6−ルチジン(0.7mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(26.0mg、0.36mmol)の溶液を、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(実施例64と同様にして調製、105mg、0.23mmol)で処理した。反応混合物を25℃で30分間撹拌し、次に真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた残渣を、酢酸エチル(10mL)に懸濁し、水(1×5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 40S、シリカ、65/35 ヘキサン/酢酸エチル〜2/8 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2(R)−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−ヒドロキシイミノ−シクロヘキシル)−N−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−プロピオンアミド(67mg、63%)を、白色の泡状物として得た:[α]23 589=−7.84°(c=0.37、クロロホルム);EI-HRMS m/e C22H26ClN3O4S (M+H)+の計算値464.1406、実測値464.1409。
実施例72
2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−メトキシイミノ−シクロヘキシル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド
メタノール(0.5mL)及びピリジン(0.5mL)中のメトキシルアミン塩酸塩(23mg、0.27mmol)の溶液を、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(実施例58と同様にして調製、80mg、0.18mmol)で処理した。反応混合物を2時間加熱還流し、25℃に冷却し、真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた残渣を、酢酸エチル(10mL)に懸濁し、水(1×5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、35/65 ヘキサン/酢酸エチル)に付して、2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−メトキシイミノ−シクロヘキシル)−N−ピラジン−2−イル−プロピオンアミド(68mg、81%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C21H25ClN4O4S (M+H)+の計算値465.1358、実測値465.1364。
実施例73
N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−メトキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド
メタノール(0.5mL)及びピリジン(0.5mL)中のメトキシルアミン塩酸塩(16mg、0.18mmol)の溶液を、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(実施例59と同様にして調製、62mg、0.12mmol)で処理した。反応混合物を2時間加熱還流し、25℃に冷却し、真空下で濃縮してメタノールを除去した。得られた残渣を、酢酸エチル(10mL)に懸濁し、水(1×5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。Biotageクロマトグラフィー(FLASH 12M、シリカ、7/3 ヘキサン/酢酸エチルから4/6 ヘキサン/酢酸エチルで溶離)に付して、N−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−2−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェニル)−3−(4−メトキシイミノ−シクロヘキシル)−プロピオンアミド(51mg、80%)を、白色の泡状物として得た:EI-HRMS m/e C21H24BrClN4O4S (M+H)+の計算値543.0463、実測値543.0464。
生物活性例A:インビトログルコキナーゼ活性
グルコキナーゼアッセイ:共役酵素としてLeuconostoc mesenteroidesからのグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH、0.75〜1kunits/mg; Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)によって、グルコース−6−リン酸の産生と共役させてNADHを生成させる(スキーム2)ことにより、グルコキナーゼ(GK)をアッセイした。
ヒト肝GK1を、グルタチオンS−トランスフェラーゼ融合タンパク質(GST−GK)[Liang et al, 1995]として大腸菌(E. coli)に発現させ、製造元(Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)により提供された手順を使用して、グルタチオン−セファロース 4Bアフィニティーカラム上でクロマトグラフィーにより精製した。以前の研究により、生来のGKとGST−GKの酵素特性が実質的に同一であることが示されている(Liang et al, 1995; Neet et al., 1990)。
アッセイは、Costar製(Cambridge, MA)の平底96ウエル組織培養プレート中、最終インキュベーション容量120μlを用いて25℃で実施した。インキュベーション混合物は、25mMヘペス緩衝液(pH7.1)、25mM KCl、5mM D−グルコース、1mM ATP、1.8mM NAD、2mM MgCl2、1μMソルビトール−6−リン酸、1mMジチオトレイトール、試験薬剤若しくは10%DMSO、18unit/ml G6PDH、及びGKを含有した(下記を参照)。有機試薬は、全て純度>98%であり、Sigma Chemical社製(St Louis, MO)のD−グルコース及びヘペス以外はBoehringer Mannheim社製であった。試験化合物をDMSOに溶解し、容量12μlのGST−GKを除いたインキュベーション混合物に加えて、最終DMSO濃度10%を得た。この混合物を、SPECTRAmax 250 マイクロプレート分光光度計(Molecular Devices Corporation, Sunnyvale, CA)の温度制御チャンバーで10分間プレインキュベートして、温度平衡を得て、次にGST−GK 20μlを加えて反応を開始させた。
酵素を加えた後、GK活性の尺度として、340nmにおける光学濃度(OD)の増加が、10分間にわたるインキュベーションの間に観察された。十分なGST−GKを加えて、10%DMSOを含有するが、試験化合物を含有しないウエル中、10分間にわたるインキュベーションの間にOD340を0.08から0.1ユニットへ増加させた。予備実験は、GK活性を5倍増加させる活性化物質の存在下においてさえも、GK反応がこの時間の間は直線状であったことを確立した。対照ウエルのGK活性を、試験GK活性化物質を含有するウエルの活性と比較し、GK活性を50%増加させる活性化物質の濃度、すなわちSC1.5を計算した。合成実施例に記載された式Iの化合物は、全て、30μM以下のSC1.5を有した。
参考文献:
Liang, Y., Kesavan, P., Wang, L., Niswender, K., Tanizawa, Y., Permut, M. A., Magnuson, M., and Matschinsky, F. M. Variable effects of maturity-onset-diabetes-of-youth (MODY)-associated glucokinase mutations on the substrate interactions and stability of the enzyme.,Biochem. J. 309: 167-173, 1995.
Neet, K., Keenan, R. P., and Tippett, P. S. Observation of a kinetic slow transition in monomeric glucokinase.,Biochemistry 29; 770-777, 1990.
生物活性例B:インビボ活性
インビボスクリーンプロトコールにおけるグルコキナーゼ活性化物質
C57BL/6Jマウスには、2時間の絶食の後、胃管栄養法によりグルコキナーゼ(GK)活性化物質を50mg/kg体重で経口投与した。血中グルコースの測定を、投与後の6時間の試験期間の間に5回行った。
マウス(N=6)を体重測定し、経口処置の2時間前から絶食させた。GK活性化物質は、Gelucireビヒクル(エタノール:Gelucire 44/14:PEG400適量 4:66:30v/w/v)中6.76mg/mlの製剤とした。マウスには、50mg/kg投与量に相当する体重1g当たり7.5μlの製剤を経口投与した。投与の直前に、動物の尾の僅かな部分(約1mm)を切開し、分析のために15μlの血液をヘパリン処置した毛細管に収集して、投与前(0時間)血中グルコースの読み取り値を得た。GK活性化物質を投与した後、同じ尾の傷から投与の1、2、4及び6時間後に、追加の血中グルコースの読み取り値を得た。結果は、ビビクルで処置した6匹のマウスとGK活性化物質で処置した6匹のマウスとの平均血中グルコース値を、6時間の試験期間の間に比較することにより解釈した。連続した2回の評価の時点でビヒクルに対して血中グルコースが統計的に有意な(p£0.05)減少を示したとき、化合物は、活性であると考慮された。
製剤例A
下記の成分を含有する錠剤は従来の方法により調製できる:
成分 mg/錠剤
式Iの化合物 10.0〜100.0
乳糖 125.0
トウモロコシデンプン 75.0
タルク 4.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
製剤例B
下記の成分を含有するカプセル剤は従来の方法により調製できる:
成分 mg/カプセル
式Iの化合物 25.0
乳糖 150.0
トウモロコシデンプン 20.0
タルク 5.0