JP2005529246A - 加工した繊維および編織布表面構造 - Google Patents

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Abstract

(a)マイクロカプセル封入された活性成分および(b)結合剤の混合物が適用されていることを特徴とする特別の繊維および編織布の表面構造を開示する。

Description

本発明は、一般に編織布、特に、向上した着用快適性を有する新規な仕上げを施した繊維および編織布、それらの製造方法、ならびに、編織布仕上げのための、マイクロカプセル封入された活性成分と結合剤との混合物の使用に関する。
「着用快適性」という用語は、特に、肌着類またはパンティーストッキングのような肌に直接着ける衣類が快適であること、即ち皮膚を刺激したり赤くしたりしないことに対する、もはや容易に満足しない消費者サイドの期待の高まりを意味する。それだけでなく、消費者は、そのような衣類が、疲労の兆候を克服するのを助けることおよびさわやかな香りを付与することあるいは肌荒れを防止することにおいて、皮膚の状態にプラスの作用を有することも期待している。
従って、着用中に皮膚に移動して皮膚に所望の作用を生じる美容活性成分を使用して、編織布、特に婦人用パンティーストッキング(これは、特に魅力的な消費者部門であると考えられる)を仕上げる試みが絶えずなされている。現在、対応する活性成分が着用物から皮膚に移動する際に所望の作用が現れるにすぎない(即ち、多少とも長期間着用した後は、活性成分が衣類に存在しない)ことは極めて当然なことである。これは、そのような製品の製造会社が活性成分を選択する際に満たすべきいくつかの条件があることを意味する。なぜなら、性能、適用しうる量、特に経費を考慮しつつ、その作用を体験しうる製品および消費者が高くなった価格を支払う気持ちになる製品を得る妥協点を見い出さなければならないからである。所望の作用を有する美容活性成分は一般に高価であるため、そして最終製品の仕上げに付加的コストを要するために、完成最終製品と着用者皮膚との接触以外に活性成分の不必要な損失が存在しないことが製造会社にとって特に重要である。なぜなら、そのような損失は消費者が高い代償を払った付加的着用快適性の有効期間をより短くするからである。活性成分の特に好ましくない損失形態は、そのように仕上げた繊維および編織布を洗濯する際に生じる。そのような損失を完全に防止することはできないが、対応する製品の製造会社は、活性成分が容易に溶解されないかまたは機械的に除去されないように、活性成分を繊維に適用することに特に関心を払っている。
従って、使われることが多い含浸法(活性成分を繊維または編織布に直接適用する)に代わって、マイクロカプセル封入された活性成分の使用が最近かなり増加している。その背景には、膜の孔からの制御放出によるかまたは膜の機械的分解によって着用中に活性成分を放出する水溶性カプセルに、水溶性または水分散性活性成分を収容するという考え方がある。この方法によって、多くの洗濯サイクルの過程に生じる損失を、カプセル封入されていない活性成分を使用した場合と比較して、実際にかなり減少させることができる。しかし、このようにして得られる結果は、これまで全般的に満足のいくものではなかった。なぜなら、カプセル封入された活性成分は、繊維フィブリル間にゆるく保持されるだけであり、従って、洗濯過程の間に、例えば機械的作用によって、簡単に洗い落とされるからである。
従って、本発明が解決しようとする課題は、上記の短所を有さず、即ち、洗濯中に生じる活性成分の有意な損失を伴わずに、多くの洗濯サイクルを経ても有利な特性を示す活性成分で仕上げした繊維および編織布を提供することである。
本発明は、
(a)マイクロカプセル封入された活性成分、および
(b)結合剤、
の混合物で仕上げされていることを特徴とする特別な繊維および編織布に関する。
驚くべきことに、マイクロカプセル封入された活性成分と結合剤の混合物で繊維および編織布を仕上げたときの効果は、マイクロカプセル(従って活性成分)が繊維により強固に付着し、従って、マイクロカプセルが繊維フィブリルに直接付着していない同等仕上げの最終製品と比較して、洗濯過程中に迅速に溶解するかまたは洗い落とされることがないことが見い出された。その結果、耐久衣類の場合および同回数の洗濯サイクル後において、従来製品と比較して付加的なケア作用が消費者によってより長い時間にわたって認識される仕上げ繊維および編織布が得られる。
市販の皮膚ケア調製物は、平均してわずか2重量%の活性成分を含有するにすぎないが、本発明に従って処理した繊維および編織布の特に有利な点は、適用したマイクロカプセルが約20〜30重量%の相当に多い活性成分含有量を有することである。
活性成分
活性成分の選択は、基本的に限定的でなく、皮膚に与えるべき特定の作用だけに依存する。好ましい活性成分は、加湿特性を有し、蜂巣炎を防止し、そして/または自己褐変性である。代表例は、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、カロテン、カフェイン、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその断片化生成物、β-グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、キトサン、ジヒドロキシアセトン、メントール、スクアラン、精油(例えばホホバ油)、植物性タンパク質およびその加水分解生成物、植物エキス、例えば、プルーナスエキス、バンバラナッツエキス、およびビタミン複合体である。特に、
・スクアラン、
・キトサン、
・メントール、
・レチノール(ビタミンA)、
・カフェイン、
・植物性タンパク質およびその加水分解生成物、
・カロテン、および
・ホホバ油、
を使用するのが好ましいが、その理由は、それらが
・ヒドロリピッド層の平衡に寄与し、
・水分損失、従ってシワを予防し、
・皮膚を生き生きさせ、疲労の兆候を防止し、
・皮膚に柔軟な弾力のある感触を与え、
・皮膚のかわき、栄養分の補給および循環を向上させ、
・酸化ストレス、環境毒素、皮膚の老化およびフリーラジカルに対して作用し、
・水分および日光によって生じる脂肪の損失を補い、
・紫外線フィルターの耐水性を向上させ、
・均質な褐変を確実にし、そして最後に、
・抗微生物特性を示す、
からである。
マイクロカプセル中の活性成分のパーセント含有量は、1〜30重量%であってよく、好ましくは5〜25重量%、特に15〜25重量%である。
マイクロカプセル
「マイクロカプセル」とは、少なくとも1つの連続膜で囲まれた少なくとも1個の固体または液体コアを含有する直径約0.0001〜約5mmの球形凝集体であると当業者には理解される。より正確には、それらは皮膜形成ポリマーで被覆された微細分散液体または固体相であり、その製造において、ポリマーを、乳化およびコアセルベーションまたは界面重合の後に、マイクロカプセル封入される物質上に堆積させる。他の方法において、液体活性物質をマトリックス(マイクロスポンジ)に吸収させ、それを、微粒子として、皮膜形成ポリマーでさらに被覆してよい。ナノカプセルとしても知られる顕微鏡的に小さいカプセルを、粉末と同じ方法で乾燥させることができる。単一コアのマイクロカプセルの他に、連続膜物質に分散させた2個またはそれ以上のコアを含有する多コア凝集体(微小球としても知られる)も存在する。それに加えて、単一コアまたは多コアのマイクロカプセルを、さらに第2、第3などの膜で囲んでもよい。膜は、天然、半合成または合成の物質からなっていてよい。天然の膜物質は、例えば、アラビアゴム、寒天、アガロース、マルトデキストリン、アルギン酸およびその塩、例えばアルギン酸ナトリウムまたはカルシウム、脂肪および脂肪酸、セチルアルコール、コラーゲン、キトサン、レシチン、ゼラチン、アルブミン、シェラック、多糖類、例えばデンプンまたはデキストラン、ポリペプチド、タンパク質水解物、ショ糖およびワックスである。半合成の膜物質は、特に化学的に改質されたセルロース、特にセルロースエステルおよびエーテル、例えば、セルロースアセテート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、およびデンプン誘導体、特にデンプンエーテルおよびエステルである。合成の膜物質の例は、ポリマー、例えば、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンである。
既知のマイクロカプセルの例は、下記の市販製品である(膜物質を括弧内に示す):Hallcrest Microcapsules(ゼラチン、アラビアゴム)、Coletica Thalaspheres(海洋コラーゲン)、Lipotec Millicapseln(アルギン酸、寒天)、Induchem Unispheres(ラクトース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Unicerin C30(ラクトース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Kobo Glycospheres(改質デンプン、脂肪酸エステル、リン脂質)、Softspheres(改質寒天)、Kuhs Probiol Nanospheres(リン脂質)、PrimaspheresおよびPrimasponges(キトサン、アルギン酸塩)およびPrimasys(リン脂質)。
キトサンマイクロカプセルおよびその製造方法は、本願の出願人によって出願された先の特許出願(WO01/01926、WO01/01927、WO01/01928、WO01/01929)の対象である。平均直径0.0001〜5mm、好ましくは0.001〜0.5mm、特に0.005〜0.1mmを有し、膜および活性成分を含有するマトリックスからなるマイクロカプセルを、例えば、下記のようにして得ることができる:
(a1)ゲル形成剤、キトサンおよび活性成分からマトリックスを調製し;
(a2)任意に、マトリックスを油相に分散させ;そして
(a3)任意に分散させたマトリックスを、アニオンポリマーの水溶液で処理し、工程中に油相を任意に除去する;または
(b1)ゲル形成剤、アニオンポリマーおよび活性成分からマトリックスを調製し;
(b2)任意に、マトリックスを油相に分散させ;そして
(b3)任意に分散させたマトリックスを、キトサン水溶液で処理し、工程中に油相を任意に除去する;または
(c1)水性活性成分調製物を乳化剤の存在下に油成分で処理して、o/w型エマルジョンを形成させ;
(c2)このようにして得たエマルジョンを、アニオンポリマーの水溶液で処理し;
(c3)このようにして得たマトリックスを、キトサン水溶液に接触させ;そして
(c4)このようにして得たカプセル封入生成物を水性相から取り出す。
ゲル形成剤
本発明の目的に好ましいゲル形成剤は、40℃より高い温度において、水溶液中にゲルを形成しうる物質である。そのようなゲル形成剤の代表例は、ヘテロ多糖類およびタンパク質である。好ましい熱ゲル化ヘテロ多糖類は、紅藻から得られる寒天の形態で存在しうるアガロースである(30重量%までの非ゲル形成アガロペクチンと共に存在していてもよい)。アガロースの主要成分は、交互β-1,3-およびβ-1,4-グリコシド結合を有するD-ガラクトースおよび3,6-無水-L-ガラクトースの直鎖型多糖である。ヘテロ多糖類は、好ましくは110,000〜160,000の分子量を有し、無臭かつ無味である。好適な代替物質は、ペクチン、キサンタン(キサンタンゴムを包含する)、およびそれらの混合物である。他の好ましい種類は、1重量%水溶液において、80℃未満で溶融せず40℃より高い温度で再固化する物質である。熱ゲル化タンパク質の群からの例は、種々のゼラチンである。
キトサン
キトサンは、親水コロイドの群に属するバイオポリマーである。化学的に、これらは、分子量が異なる部分的に脱アセチル化されたキチンであり、該キチンは下記の理想化したモノマー単位を含有する:
Figure 2005529246
生物学的pHにおいて陰に荷電している大部分の親水コロイドと対比して、キトサンは、この条件下においてカチオンバイオポリマーである。陽に荷電したキトサンは、反対に荷電した表面と相互作用することができ、従って美容ヘアケアおよびボディケア製品ならびに医薬調製物において使用される。キトサンは、キチン、好ましくは安価な原材料として大量に得られる甲殻類の殻残渣から製造される。Hackmannらによって最初に記載された方法において、一般に、先ず、塩基の添加によってキチンを除タンパク質化し、無機酸の添加によって鉱物質を除去し、最後に、強塩基の添加によって脱アセチルし、分子量を広い範囲で分布させる。好ましい種類は、平均分子量10,000〜500,000ダルトンまたは800,000〜1,200,000ダルトンを有し、そして/またはブルックフィールド粘度(グリコール酸中1重量%)5,000mPas未満、脱アセチル度80〜88%および灰分0.3重量%未満を有する。水中へのより高い溶解度のために、一般に、キトサンをその塩の形態で、好ましくはグリコール酸塩として使用する。
油相
膜を形成する前に、マトリックスを油相に任意に分散させてよい。この目的に好適な油の例は、下記のものである:6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を含有する脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C6-22脂肪酸と直鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、分岐鎖C6-13カルボン酸と直鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシルおよびエルカ酸エルシル。下記の油も好適である:直鎖C6-22脂肪酸と分岐鎖アルコール(特に2-エチルヘキサノール)とのエステル;ヒドロキシカルボン酸と直鎖または分岐鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル(特にリンゴ酸ジオクチル);直鎖および/または分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオールまたは三量体トリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル;C6-10脂肪酸に基づくトリグリセリド;C6-18脂肪酸に基づく液体モノ/ジ/トリグリセリド混合物;C6-22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(特に安息香酸)とのエステル;C2-12ジカルボン酸と、1〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルコール、または2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールとのエステル;植物油;分岐鎖第一級アルコール;置換シクロヘキサン;直鎖および分岐鎖C6-22脂肪アルコールカーボネート;ゲルベカーボネート;安息香酸と直鎖および/または分岐鎖C6-22アルコールとのエステル[例えばFinsolv(登録商標)TN];アルキル基あたりに6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の対称または非対称のジアルキルエーテル;エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物;シリコーン油;および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素(例えば、スクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサン)。
アニオンポリマー
アニオンポリマーの機能は、キトサンで膜を形成することである。好ましいアニオンポリマーは、アルギン酸の塩である。アルギン酸は、カルボキシルを含有する多糖と、下記の理想化したモノマー単位との混合物である:
Figure 2005529246
アルギン酸またはアルギン酸塩の平均分子量は、150,000〜250,000である。アルギン酸の塩、およびそれらの完全または部分的な中和生成物は、特に、アルカリ金属塩、好ましくはアルギン酸ナトリウム(「アルギン」)、ならびにアンモニウムおよびアルカリ土類金属塩であると理解される。混合アルギン酸塩、例えばナトリウム/マグネシウムまたはナトリウム/カリウムアルギン酸塩が特に好ましい。しかし、本発明の選択的態様においては、アニオンキトサン誘導体、例えば、カルボキシル化、特にスクシニル化生成物もこの目的に好適である。または、平均分子量5,000〜50,000ダルトンのポリ(メタ)アクリレート、および種々のカルボキシメチルセルロースも使用することができる。アニオンポリマーの代わりに、アニオン界面活性剤または低分子量無機塩、例えばピロ燐酸塩も、膜の形成に使用することができる。
乳化剤
好適な乳化剤は、例えば、下記の群の少なくとも1つからのノニオン界面活性剤である:
・直鎖C8-22脂肪アルコール、C12-22脂肪酸、およびアルキル基に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノール、およびアルキル基に8〜22個の炭素原子を有するアルキルアミンへの、2〜30モルエチレンオキシドおよび/または0〜5モルプロピレンオキシドの付加生成物;
・アルキル基に8〜22個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、およびそれらのエトキシル化類似体;
・ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油への1〜15モルエチレンオキシドの付加生成物;
・ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油への15〜60モルエチレンオキシドの付加生成物;
・グリセロールおよび/またはソルビタンと、12〜22個の炭素原子を有する不飽和直鎖または飽和分岐鎖の脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル、ならびに、それらと1〜30モルエチレンオキシドとの付加生成物;
・ポリグリセロール(平均自己縮合度2〜8)、ポリエチレングリコール(分子量400〜5,000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)と、12〜22個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の直鎖または分岐鎖の脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸との部分エステル、ならびに、それらと1〜30モルのエチレンオキシドとの付加生成物;
・ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル、および/または、6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくはグリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル;
・モノ、ジおよびトリアルキルホスフェートおよびモノ、ジおよび/またはトリ-PEG-アルキルホスフェートならびにそれらの塩;
・羊毛蝋アルコール;
・ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;
・ブロックコポリマー、例えばポリエチレングリコール-30 ジポリヒドロキシステアレート;
・ポリマー乳化剤、例えば、GoodrichからのPemulen型(TR-1、TR-2);
・ポリアルキレングリコール;および
・グリセロールカーボネート。
エチレンオキシド付加生成物
脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノールまたはヒマシ油へのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物は、既知の市販製品である。それらは同族体混合物であって、該混合物の平均アルコキシル化度は、付加反応が行われる際のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと基質との量比に対応する。エチレンオキシドとグリセロールとの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、化粧品配合物用の脂質層増強剤として既知である。
アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド
アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、それらの製造およびそれらの使用は、先行技術から既知である。それらは、特に、グルコースまたはオリゴ糖と、8〜18個の炭素原子を有する第一級アルコールとの反応によって製造される。グルコシド単位に関しては、環状糖単位がグリコシド結合によって脂肪アルコールに結合しているモノグリコシド、および好ましくは約8までのオリゴマー化度を有するオリゴマーグリコシドの両方が好適である。オリゴマー化度は、統計学的平均値であり、そのような工業生成物に一般的な同族体分布はこれに基づいている。
部分グリセリド
好適な部分グリセリドの代表例は、下記のものである:ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、および製造工程からの少量のトリグリセリドをなお含有している場合があるそれらの工業混合物。上記の部分グリセリドへの、1〜30モル、好ましくは5〜10モルエチレンオキシドの付加生成物も好適である。
ソルビタンエステル
好適なソルビタンエステルは、下記のものである:ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレート、ソルビタンセスキリシノレート、ソルビタンジリシノレート、ソルビタントリリシノレート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノタルタレート、ソルビタンセスキタルタレート、ソルビタンジタルタレート、ソルビタントリタルタレート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタンセスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエート、およびそれらの工業混合物。上記のソルビタンエステルへの、1〜30モル、好ましくは5〜10モルエチレンオキシドの付加生成物も好適である。
ポリグリセロールエステル
好適なポリグリセロールエステルの代表例は、下記のものである:ポリグリセリル-2 ジポリヒドロキシステアレート[Dehymuls(登録商標) PGPH]、ポリグリセリン-3 ジイソステアレート[Lameform(登録商標) TGI]、ポリグリセリル-4 イソステアレート[Isolan(登録商標) GI 34]、ポリグリセリル-3 オレエート、ジイソステアロイル ポリグリセリル-3 ジイソステアレート[Isolan(登録商標) PDI]、ポリグリセリル-3 メチルグルコース ジステアレート[Tego Care(登録商標) 450]、ポリグリセリル-3 蜜蝋[Cera Bellina(登録商標)]、ポリグリセリル-4 カプレート(ポリグリセロールカプレートT2010/90)、ポリグリセリル-3 セチルエーテル[Chimexane(登録商標) NL]、ポリグリセリル-3 ジステアレート[Cremophor(登録商標) GS 32]およびポリグリセリル ポリリシノレエート[Admul(登録商標) WOL 1403]、ポリグリセリル ジメレート イソステアレートおよびこれらの混合物。他の好適なポリエステルの例は、トリメチロールプロパンまたはペンタエリトリトールと、ラウリン酸、ココ脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとのモノ、ジおよびトリエステルである(これらは1〜30モルエチレンオキシドと任意に反応していてよい)。
アニオン乳化剤
代表的なアニオン乳化剤は、下記のものである:12〜22個の炭素原子を有する脂肪族脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸、および12〜22個の炭素原子を有するジカルボン酸、例えばアゼライン酸またはセバシン酸。
両性およびカチオン乳化剤
他の好適な乳化剤は、双性イオン界面活性剤である。双性イオン界面活性剤は、少なくとも1個の第四アンモニウム基および少なくとも1個のカルボキシレートおよび1個のスルホネート基を分子中に有する界面活性化合物である。特に好適な双性イオン界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(これらは、アルキルまたはアシル基に8〜18個の炭素原子を有する)、およびココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルペタインのCTFA名で知られる脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。両性界面活性剤も好適な乳化剤である。両性界面活性剤は、C8/18アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の-COOHまたは-SOH基を分子中に有し、分子内塩を形成しうる界面活性化合物である。好適な両性活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(これらは、アルキル基に8〜18個の炭素原子を含有する)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18アシルサルコシンである。最後に、他の好適な乳化剤はカチオン界面活性剤であり、エステルクアット(esterquat)型のカチオン界面活性剤(好ましくはメチルで四級化したジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩)が特に好ましい。
マイクロカプセルの製造方法
マイクロカプセルを製造するために、通常は、ゲル形成剤、好ましくは寒天の1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%水溶液を調製し、還流下に加熱する。キトサン0.1〜2重量%、好ましくは0.25〜0.5重量%、および活性物質0.1〜25重量%、好ましくは0.25〜10重量%を含有する第2の水溶液を、沸騰温度、好ましくは80〜100℃において添加する(この混合物をマトリックスと呼ぶ)。従って、マイクロカプセルへの活性物質の装填も、カプセルの重量に基づいて0.1〜25重量%である。所望であれば、水不溶性成分、例えば無機顔料を、この段階で添加して、通常は水性または水性/アルコール分散液の形態において粘度を調節することができる。それに加えて、活性成分を乳化させるかまたは分散させるために、乳化剤および/または可溶化剤をマトリックスに添加することも有効である。ゲル形成剤、キトサンおよび活性成分からのマトリックスの調製後に、マトリックスを強力剪断によって油相に任意に極微細分散させて、次のカプセル封入工程において小さい粒子を形成させることもできる。これに関して、マトリックスを40〜60℃の温度に加熱し、一方、油相を10〜20℃に冷却するのが特に有利であることがわかった。実際のカプセル封入、即ちマトリックス中のキトサンをアニオンポリマーに接触させることによる膜の形成を、最後の必須の段階で行う。このために、油相に任意に分散させたマトリックスを、約1〜50重量%、好ましくは10〜15重量%のアニオンポリマー水溶液で洗浄し、必要であれば、その際にまたは後に油相を除去するのが好ましい。得られた水性調製物は、通常、1〜10重量%のマイクロカプセル含有量を有する。いくつかの場合において、ポリマー溶液が、他の成分、例えば乳化剤または防腐剤を含有することが好都合なこともある。濾過した後に、好ましくは約1mmの平均直径を有するマイクロカプセルを得る。カプセルを篩にかけて、均一サイズ分布を確実にするのが好ましい。このようにして得たマイクロカプセルは、製造に関連した限度内のあらゆる形を有しうるが、実質的に球形であるのが好ましい。別法によれば、アニオンポリマーをマトリックスの製造に使用してもよく、キトサンを使用してカプセル封入を行ってもよい。
本発明に従ってマイクロカプセルを製造するための別法は、初めにo/w型エマルジョンを調製することを含んでなる。該エマルジョンは、油成分、水および活性成分に加えて、有効量の乳化剤を含有する。マトリックスを形成させるために、適量のアニオンポリマー水溶液を、激しく撹拌しながらこの調製物に添加する。キトサン溶液を添加することによって膜を形成させる。全工程を、弱酸性pH3〜4で行うのが好ましい。必要であれば、無機酸の添加によってpHを調節する。膜の形成後に、例えば、トリエタノールアミンまたは他の塩基を添加することによって、pHを5〜6に上げる。これによって粘度の増加を生じ、この粘度は、下記のような他の増粘剤を添加することによって維持することができる:多糖類、特に、キサンタンゴム、グアールゴム、寒天、アルギン酸塩およびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、比較的高い分子量の脂肪酸のポリエチレングリコールモノおよびジエステル、ポリアクリレート、ポリアクリルアミドなど。最後に、例えば、デカンテーション、濾過または遠心分離によって、マイクロカプセルを水性相から分離する。
結合剤
本発明に従って使用するのに好適な結合剤は、下記からなる群から選択することができる:
(b1)高分子メラミン化合物;
(b2)高分子グリオキサール化合物;
(b3)高分子シリコーン化合物;
(b4)エピクロロヒドリン架橋ポリアミドアミン;
(b5)ポリ(メタ)アクリレート;
(b6)ポリアルキレングリコール;および
(b7)高分子フルオロカーボン。
繊維および編織布を含浸させるマイクロカプセル封入活性成分調製物の製造のために、結合剤(b1)〜(b4)を使用するのが好ましいが、加圧適用によって適用される調製物のためには結合剤(b5)〜(b7)が好ましい。
高分子メラミン化合物
メラミン(同義語:2,4,6-トリアミノ-1,3,5-トリアジン)は、通常は、ジシアノジアミンの三量化によって、または下記の式で示される二酸化炭素およびアンモニアの除去による尿素の環化によって製造される:
Figure 2005529246
本発明におけるメラミンは、メラミンと、ホルムアルデヒド、尿素、フェノールまたはそれらの混合物とのオリゴマーまたはポリマー縮合生成物であると理解される。
高分子グルオキサール化合物
グリオキサール(同義語:オキサアルデヒド、エタンジアール)は、銀触媒の存在下での空気によるエチレングリコールの蒸気相酸化において生成する。本発明におけるグリオキサールとは、グリオキサールの自己縮合生成物(「ポリグリオキサール」)であると理解される。
高分子シリコーン化合物
好適なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、およびアミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ、弗素-、グリコシド-および/またはアルキル-改質シリコーン化合物であり、それらは室温で液体および樹脂状の両方であってよい。他の好適なシリコーン化合物は、平均鎖長200〜300のジメチルシロキサン単位を有するジメチコーンと水素化シリケートとの混合物であるシメチコーンである。
エピクロロヒドリン架橋ポリアミドアミン
「フィブラボーン」または「湿潤紙力増強用樹脂」としても知られるエピクロロヒドリン架橋ポリアミドアミンは、編織布および製紙工業において周知である。これらは、下記の2つの方法の1つによって製造するのが好ましい:
i)ポリアミノアミドを、(a)先ず、四級化に利用できる窒素に基づいて5〜30モル%の量の四級化剤と反応させ、(b)次に、得られた四級化ポリアミノアミドを、非四級化窒素の含有量に対応するモル量のエピクロロヒドリンで架橋するか、または
ii)ポリアミノアミドを、(a)先ず、架橋に利用できる窒素に基づいて5〜40モル%の量のエピクロロヒドリンと10〜35℃で反応させ、(b)中間生成物をpH8〜11に調節し、全モル比が架橋に利用できる窒素に基づいて90〜125モル%になるように、より多くのエピクロロヒドリンを用いて20〜45℃で架橋する。
ポリ(メタ)アクリレート
ポリ(メタ)アクリレートは、アクリル酸、メタクリル酸、および任意にそれらのエステル(特に低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、異性体ブタノール、シクロヘキサノールなどとのエステル)の単独重合および共重合生成物であると理解され、それらは既知の方法、例えば紫外線中でのラジカル重合によって得られる。ポリマーの平均分子量は、一般に100〜10,000、好ましくは200〜5,000、特に400〜2,000ダルトンである。
ポリアルキレングリコール
ポリアルキレングリコールは、エチレン、プロピレンおよび任意にブチレンオキシドの単独重合および共重合生成物である。アルキレンオキシドの縮合は、アルカリ触媒の存在下に既知の方法で行うことができるが、酸触媒が好ましい。例えばエチレンおよびプロピレンオキシドの混合物を使用する場合、ポリマーはブロックまたはランダム分布を有することができる。ポリマーの平均分子量は、一般に100〜10,000、好ましくは200〜5,000、特に400〜2,000ダルトンである。
使用量
マイクロカプセルと結合剤の重量部による比は90:10〜10:90であってよく、好ましくは75:25〜25:75、特に60:40〜40:60である。異なる形態の付着を、製造方法およびマイクロカプセルと結合剤の比によって達成することができる。より少ない量の結合剤を使用した場合(例えば、マイクロカプセルと結合剤の重量比が>50:50)、マイクロカプセルが結合剤の単一層中のフィブリルに付着するので、着用の際に膜と皮膚表面とが直接的に接触する。この付着形態(「キャリヤー(carrier)型」)の場合、活性成分が機械的摩擦によって極めて速く放出されることが明らかである。その反対に、より多い量の結合剤を使用した場合(例えば、マイクロカプセルと結合剤の重量比が<50:50)、通常それは、マイクロカプセルを繊維に結合させるだけでなく、それらを覆うかまたはそれらに被覆を与えるのにも充分である(「イグルー(igloo)型」)。このように仕上げた繊維のマイクロカプセルは、着用中に皮膚表面と直接接触しないので、それらはより少ない量で放出されるが、より長い時間にわたって活性である(図1および図2を参照)。調製物は、固体含有量5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、特に15〜30重量%を有する水性分散液の形態で一般に市販される。
産業上の利用
マイクロカプセル封入活性成分および結合剤の調製物は、繊維およびあらゆる種類の編織布(即ち最終製品および半完成製品の両方)を、製造工程中または製造工程後に仕上げして、皮膚への着用快適性を向上させるために使用される。繊維または編織布を構成する材料の選択は、ほとんど限定されない。好適な材料は、あらゆる一般的な天然および合成の材料およびそれらのブレンド、特に、綿、ポリアミド、ポリエステル、ビスコース、ポリアミド/ライクラ、綿/ライクラ、および綿/ポリエステルである。編織布の選択も同様に限定されないが、皮膚に直接接触する製品、特に、下着、水着、寝巻き、ストッキングおよびパンティーストッキングを仕上げするのが合理的である。
適用法
本発明は、繊維および編織布を仕上げるための第1の方法であって、基材を、マイクロカプセル封入活性成分および結合剤を含有する水性調製物で含浸させることを含んでなる方法に関する。含浸は、例えば、市販の洗濯機において繊維または編織布を本発明の調製物で処理するか、または浸漬浴を使用して調製物を適用することによって行うことができる。
また本発明は、繊維および編織布を仕上げるための第2の方法であって、マイクロカプセル封入活性成分および結合剤を含有する水性調製物を、加圧適用によって適用することを含んでなる方法に関する。この方法においては、処理される繊維/編織布を、マイクロカプセル封入活性成分および結合剤を含有する浸漬浴に通し、調製物をプレスでの加圧下に適用する。
使用される濃度は、通常、液体または浸漬浴に基づいて1〜90重量%、好ましくは5〜60重量%である。含浸は、同量のマイクロカプセル封入活性成分を繊維または編織布に装填するために、加圧適用より高い濃度を一般に必要とする。
最後に、本発明は、繊維および編織布を仕上げるための、
(a)マイクロカプセル封入された活性成分、および
(b)結合剤、
を含有する混合物の使用に関する。
製造例H1
撹拌機および還流冷却器を取り付けた500mlの3口フラスコにおいて、寒天(3g)を水(200ml)に沸騰温度で溶解させた。先ず、グリセロール(10g)およびタルカム(2g)の水中(100gに達する量)均質分散液、次に、キトサン[Hydagen(登録商標)DCMF、グリコール酸中1重量%、Cognis, Duesseldorf/FRG](25g)、スクアラン(5g)、Phenonip(登録商標)(フェノキシエタノールおよびパラベンを含有する防腐剤混合物)(0.5g)およびポリソルベート-20[Tween(登録商標)20、ICI](0.5g)の水中(100gに達する量)調製物を、激しく撹拌しながら約30分間で該混合物に添加した。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、0.5重量%のアルギン酸ナトリウム溶液に滴下した。篩にかけた後に、平均直径1mmのマイクロカプセル8重量%を含有する水性調製物を得た。最後に、マイクロカプセル(それらの固体含有量に基づく)を、ポリエチレングリコール(M=5,000)と40:60の重量比で混合した。
製造例H2
撹拌機および還流冷却器を取り付けた500mlの3口フラスコにおいて、寒天(3g)を水(200ml)に沸騰温度で溶解させた。先ず、グリセロール(10g)およびタルカム(2g)の水中(100gに達する量)均質分散液、次に、キトサン[Hydagen(登録商標)DCMF、グリコール酸中1重量%、Cognis, Duesseldorf/FRG](25g)、トコフェロール(5g)、Phenonip(登録商標)(フェノキシエタノールおよびパラベンを含有する防腐剤混合物)(0.5g)およびポリソルベート-20[Tween(登録商標)20、ICI](0.5g)の水中(100gに達する量)調製物を、激しく撹拌しながら約30分間で該混合物に添加した。得られたマトリックスを濾過し、50℃に加熱し、事前に15℃に冷却しておいた2.5倍容量のパラフィン油に、激しく撹拌しながら分散させた。次に、分散液を、ラウリル硫酸ナトリウム1重量%およびアルギン酸ナトリウム0.5重量%を含有する水溶液、次に0.5重量%Phenonip水溶液で洗浄し、油相をこの工程において除去した。篩にかけた後に、平均直径1mmのマイクロカプセル8重量%を含有する水性調製物を得た。最後に、マイクロカプセル(それらの固体含有量に基づく)を、ポリメタクリレート(M=8,000)と50:50の重量比で混合した。
製造例H3
撹拌機および還流冷却器を取り付けた500mlの3口フラスコにおいて、寒天(3g)を水(200ml)に沸騰温度で溶解させた。先ず、グリセロール(10g)およびタルカム(2g)の水中(100gに達する量)均質分散液、次に、キトサン[Hydagen(登録商標)DCMF、グリコール酸中1重量%、Cognis, Duesseldorf/FRG](25g)、カフェイン(5g)、Phenonip(登録商標)(フェノキシエタノールおよびパラベンを含有する防腐剤混合物)(0.5g)およびポリソルベート-20[Tween(登録商標)20、ICI](0.5g)の水中(100gに達する量)調製物を、激しく撹拌しながら約30分間で該混合物に添加した。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、ナトリウムラウレススルフェート(Sodium Laureth Sulfate)の15重量%溶液に滴下した。篩にかけた後に、平均直径1mmのマイクロカプセル9重量%を含有する水性調製物を得た。最後に、マイクロカプセル(それらの固体含有量に基づく)を、メラミン/ホルムアルデヒド縮合物(M=8,000)と50:50の重量比で混合した。
製造例H4
撹拌機および還流冷却器を取り付けた500mlの3口フラスコにおいて、寒天(3g)を水(200ml)に沸騰温度で溶解させた。先ず、グリセロール(10g)およびタルカム(2g)の水中(100gに達する量)均質分散液、次に、キトサン[Hydagen(登録商標)DCMF、グリコール酸中1重量%、Cognis, Duesseldorf/FRG](25g)、メントール(5g)、Phenonip(登録商標)(フェノキシエタノールおよびパラベンを含有する防腐剤混合物)(0.5g)およびポリソルベート-20[Tween(登録商標)20、ICI](0.5g)の水中(100gに達する量)調製物を、激しく撹拌しながら約30分間で該混合物に添加した。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、15重量%のピロ燐酸ナトリウム溶液に滴下した。篩にかけた後に、平均直径1mmのマイクロカプセル8重量%を含有する水性調製物を得た。最後に、マイクロカプセル(それらの固体含有量に基づく)を、ポリエチレングリコール(M=5,000)と70:30の重量比で混合した。
製造例H5
撹拌機および還流冷却器を取り付けた500mlの3口フラスコにおいて、寒天(3g)を水(200ml)に沸騰温度で溶解させた。先ず、グリセロール(10g)およびタルカム(2g)の水中(100gに達する量)均質分散液、次に、キトサン[Hydagen(登録商標)DCMF、グリコール酸中1重量%、Cognis, Duesseldorf/FRG](25g)、β-カロテン(5g)、Phenonip(登録商標)(フェノキシエタノールおよびパラベンを含有する防腐剤混合物)(0.5g)およびポリソルベート-20[Tween(登録商標)20、ICI](0.5g)の水中(100gに達する量)調製物を、激しく撹拌しながら約30分間で該混合物に添加した。得られたマトリックスを濾過し、50℃に加熱し、事前に15℃に冷却しておいた2.5倍容量のパラフィン油に、激しく撹拌しながら分散させた。次に、分散液を、15重量%ピロ燐酸ナトリウム溶液、次に0.5重量%Phenonip水溶液で繰り返し洗浄し、油相をこの工程において除去した。篩にかけた後に、平均直径1mmのマイクロカプセル10重量%を含有する水性調製物を得た。最後に、マイクロカプセル(それらの固体含有量に基づく)を、ポリエチレングリコール(M=5,000)と70:30の重量比で混合した。
製造例H6
撹拌機および還流冷却器を取り付けた500mlの3口フラスコにおいて、ゼラチン(3g)を水(200ml)に沸騰温度で溶解させた。先ず、グリセロール(10g)およびタルカム(2g)の水中(100gに達する量)均質分散液、次に、キトサン[Hydagen(登録商標)DCMF、グリコール酸中1重量%、Cognis, Duesseldorf/FRG](25g)、大豆タンパク質(5g)およびPhenonip(登録商標)(0.5g)の水中(100gに達する量)調製物を、激しく撹拌しながら約30分間で該混合物に添加した。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、Hydagen(登録商標)SCD(スクシニル化キトサン、Cognis)の0.5重量%溶液に滴下した。篩にかけた後に、平均直径1mmのマイクロカプセル8重量%を含有する水性調製物を得た。最後に、マイクロカプセル(それらの固体含有量に基づく)を、ポリエチレングリコール(M=5,000)と70:30の重量比で混合した。
製造例H7
撹拌機および還流冷却器を取り付けた500mlの3口フラスコにおいて、寒天(3g)を水(200ml)に沸騰温度で溶解させた。先ず、グリセロール(10g)およびタルカム(2g)の水中(100gに達する量)均質分散液、次に、キトサン[Hydagen(登録商標)DCMF、グリコール酸中1重量%、Cognis, Duesseldorf/FRG](25g)、ホホバ油(5g)、Phenonip(登録商標)(フェノキシエタノールおよびパラベンを含有する防腐剤混合物)(0.5g)およびポリソルベート-20[Tween(登録商標)20、ICI](0.5g)の水中(100gに達する量)調製物を、激しく撹拌しながら約30分間で該混合物に添加した。得られたマトリックスを濾過し、60℃に加熱し、0.5重量%のアルギン酸ナトリウム溶液に滴下した。次に、同じ直径のマイクロカプセルを得るために調製物を篩にかけた。最後に、マイクロカプセル(それらの固体含有量に基づく)を、ポリエチレングリコール(M=5,000)と70:30の重量比で混合した。
製造例H8
撹拌装置において、防腐剤[Phenonip(登録商標)](0.5g)を、2重量%のカルボキシメチルセルロース水性調製物(50g)に溶解し、混合物をpH3.5に調節した。次に、トコフェロール(1g)およびソルビタンモノステアレート+20EO[Eumulgin(登録商標)SMS 20、Cognis Deutschland GmbH](0.5g)からなる混合物を、激しく撹拌しながら添加した。次に、グリコール酸中の1重量%キトサン溶液[Hydagen(登録商標)CMF、Cognis Deutschland GmbH]を、撹拌を続けながら、0.075重量%(調製物に基づく)のキトサン濃度になる量で添加した。次に、トリエタノールアミンの添加によってpHを5.5に上げ、形成されたマイクロカプセルをデカンテーションした。最後に、マイクロカプセル(それらの固体含有量に基づく)を、ポリエチレングリコール(M=5,000)と40:60の重量比で混合した。
製造例H9
撹拌装置において、防腐剤[Phenonip(登録商標)](0.5g)を、ポリアクリル酸[Pemulen(登録商標)TR-2]の2重量%水性調製物(50g)に溶解し、pH3にした。次に、メタノール(1g)およびソルビタンモノラウレート+15EO[Eumulgin(登録商標)SML 15、Cognis Deutschland GmbH](0.5g)からなる混合物を、激しく撹拌しながら添加した。次に、グリコール酸中の1重量%キトサン溶液[Hydagen(登録商標)CMF、Cognis Deutschland GmbH]を、撹拌を続けながら、0.01重量%(調製物に基づく)のキトサン濃度になる量で添加した。次に、トリエタノールアミンの添加によってpHを5.5に上げ、形成されたマイクロカプセルをデカンテーションした。最後に、マイクロカプセル(それらの固体含有量に基づく)を、ポリエチレングリコール(M=5,000)と40:60の重量比で混合した。
製造例H10
撹拌装置において、防腐剤[Phenonip(登録商標)](0.5g)を、ポリアクリル酸[Pemulen(登録商標)TR-2]の2重量%水性調製物(50g)に溶解し、pH3にした。次に、カフェイン(1g)およびココグルコシド[Plantacare(登録商標)APG 1200、Cognis Deutschland GmbH](0.5g)からなる混合物を、激しく撹拌しながら添加した。グリコール酸中の1重量%キトサン溶液[Hydagen(登録商標)CMF、Cognis Deutschland GmbH]を、撹拌を続けながら、0.01重量%(調製物に基づく)のキトサン濃度になる量で添加した。次に、トリエタノールアミンの添加によってpHを5.5に上げ、形成されたマイクロカプセルをデカンテーションした。最後に、マイクロカプセル(それらの固体含有量に基づく)を、ポリエチレングリコール(M=5,000)と40:60の重量比で混合した。
適用例1
市販のパンティーストッキングを、圧力適用によって製造例H8のマイクロカプセル調製物で仕上げをし、30人のボランティアによって8〜48時間にわたって試験した。残留活性成分含有量を8時間間隔で測定した。比較のために、結合剤を添加していない同じマイクロカプセルで仕上げをしたパンティーストッキングを使用して同じ試験を行った。結果を表1に挙げ、それぞれの平均値を示す。
Figure 2005529246
マイクロカプセルと結合剤との混合物による仕上げの効果は、活性成分がより遅く放出されることであることがわかる。
適用例2
市販のパンティーストッキングを、圧力適用によって製造例H8のマイクロカプセル調製物で仕上げをし、(a)洗濯機(30分間、20℃、1g/L軽質洗剤)および(b)手(15分間、20℃、1g/L軽質洗剤)によって、30回洗濯した。各洗濯サイクル後の残留活性成分含有量を測定した。比較のために、結合剤を添加していない同じマイクロカプセルで仕上げをしたパンティーストッキングを使用して同じ試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005529246
マイクロカプセルと結合剤との混合物による仕上げの効果は、洗濯機および手での洗濯の両方において、活性成分がより遅く洗い落とされることであることがわかる。
適用例3
市販のパンティーストッキングを、圧力適用によって製造例H10のマイクロカプセル調製物で仕上げをし、10人のボランティアによって6時間にわたって試験した。次に、未処理状態に対して、皮膚の含水をCorneometer 805 PCにより測定した。比較のために、結合剤を添加していない同じマイクロカプセルで仕上げをしたパンティーストッキングを使用して同じ試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2005529246
本発明の製造例H10の場合、平均して、より高い含水度が得られたことがわかる。
繊維上のキャリヤー型付着形態を示す図である。 繊維上のイグルー型付着形態を示す図である。

Claims (13)

  1. (a)マイクロカプセル封入された活性成分、および
    (b)結合剤、
    の混合物で仕上げされていることを特徴とする繊維および編織布。
  2. 下記からなる群から選択されるマイクロカプセル封入された活性成分で仕上げされていることを特徴とする請求項1に記載の繊維および編織布:
    トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、カロテン、カフェイン、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその断片化生成物、β-グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、キトサン、ジヒドロキシアセトン、メントール、スクアラン、精油、植物性タンパク質およびその加水分解生成物および植物エキスおよびその混合物。
  3. マイクロカプセルが1〜30重量%の活性成分含有量を有することを特徴とする請求項1または2に記載の繊維および編織布。
  4. 膜および活性成分含有マトリックスからなり、下記のようにして得られる、平均直径0.0001〜5mmのマイクロカプセルで仕上げされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維および編織布:
    (a1)ゲル形成剤、キトサンおよび活性成分からマトリックスを調製し;
    (a2)任意に、マトリックスを油相に分散させ;そして
    (a3)任意に分散させたマトリックスを、アニオンポリマーの水溶液で処理し、工程中に油相を任意に除去する;または
    (b1)ゲル形成剤、アニオンポリマーおよび活性成分からマトリックスを調製し;
    (b2)任意に、マトリックスを油相に分散させ;そして
    (b3)任意に分散させたマトリックスを、キトサン水溶液で処理し、工程中に油相を任意に除去する;または
    (c1)水性活性成分調製物を乳化剤の存在下に油成分で処理して、o/w型エマルジョンを形成させ;
    (c2)このようにして得たエマルジョンを、アニオンポリマーの水溶液で処理し;
    (c3)このようにして得たマトリックスを、キトサン水溶液に接触させ;そして
    (c4)このようにして得たカプセル封入生成物を水性相から取り出す。
  5. 平均直径0.001〜0.5mmのマイクロカプセルを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維および編織布。
  6. 下記からなる群から選択される結合剤で仕上げされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の繊維および編織布:
    高分子メラミン化合物、高分子グリオキサール化合物、高分子シリコーン化合物、エピクロロヒドリン架橋ポリアミドアミン、ポリアルキレングルコール、ポリ(メタ)アクリレートおよび高分子フルオロカーボンおよびこれらの混合物。
  7. 重量比90:10〜10:90で2成分を含有するマイクロカプセルおよび結合剤の混合物で仕上げされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維および編織布。
  8. 繊維および編織布の仕上げ方法であって、基材を、マイクロカプセル封入された活性成分および結合剤を含有する水性調製物で含浸させることを含んでなる方法。
  9. 繊維および編織布の仕上げ方法であって、マイクロカプセル封入された活性成分および結合剤を含有する水性調製物を、加圧適用によって適用することを含んでなる方法。
  10. マイクロカプセル封入された活性成分および結合剤を水性分散液の形態で使用することを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
  11. 水性分散液が5〜90重量%の固体含有量を有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 適用する水性分散液を1〜60重量%の濃度に希釈することを特徴とする請求項10または11に記載の方法。
  13. 繊維および編織布材料の仕上げのための、
    (a)マイクロカプセル封入された活性成分、および
    (b)結合剤、
    を含有する混合物の使用。
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