JP2005517394A - ウイルス保存のための組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ウイルスの保存のための組成物に関し、この組成物は、ウイルス及び脂質を含む。

Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、ウイルスの保存のための組成物に関する。本発明は、更にウイルスの保存のための組成物を調製するための方法にも関する。
以下の説明から、本発明によるウイルス組成物が、遺伝子治療又はワクチン接種のためのウイルス粒子の放出の目的のための、最も可能性のある医薬組成物であることが明白になるものである。然しながら、本発明が、医薬組成物へのその適用のみに制約されないことは認識されるべきである。
発明の背景
遺伝子治療は、遺伝子物質の細胞への移植及び治療目的のためのその物質のこれらの細胞内での発現を広く表す。目的は、所望するタンパク質を適当な量で、そして適切な場所で生産することである。治療的な核酸を細胞に放出するための各種の方法が開発されているが、これらの方法の多くは、標的細胞への治療的核酸の比較的効率の悪い移植によって制約されている。ウイルスは感受性のある細胞に感染することが非常に効率的であるために、ウイルスは、いまや治療的核酸を遺伝子治療の目的で細胞に移植するための有用なベヒクルとして認識されている。
ウイルスは、概括的に特徴的な二つのグループ:形質導入された細胞のゲノムに組込まれるもの及びそうではないものに分類される。組込まれるウイルスは、そのウイルスのゲノムを宿主のDNAに挿入して、長期の遺伝子発現を向上する。然しながら、組込まれないウイルスにおいて、ウイルスのゲノムは、形質導入された細胞の核中のエピソームとして染色体外性的に存在する。ウイルスの複製の能力にもよるが、ウイルスのゲノムは、それぞれの娘細胞に忠実に継体するか、又は細胞分裂中に最終的に失われるかのいずれかである。
レトロウイルス及びアデノ随伴ウイルス(AAV)は、宿主DNAに組込まれて、形質導入及び宿主ゲノムへの組込みに続いて、安定した水準の発現を与えることができる。標的DNAが複製されるときに、移植された染色体DNAに包埋された挿入治療的遺伝子も同様に複製される。従って、これらのベクターによる形質導入は、永続的な遺伝子発現を行うことができる。これは、安定した水準の遺伝子発現が効力を向上することができる、腫瘍ワクチン術において利益がある。
対照的に、アデノウイルス及びワクシニアウイルスベクターは、宿主DNAに組込まれず、しかしエピソームとして存在する。従って、導入された遺伝子は、標的細胞のゲノムへの実際の組込みを伴わずに発現する。一般的に、組込まれないウイルスは、一過性の遺伝子発現が所望される場合に使用される。
遺伝子治療の目的のために核酸を細胞に放出するために使用することができるウイルスの例は、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レトロウイルス、単純ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、シンドビスウイルス、HIV−1、トリ白血症ウイルス、肉腫ウイルス、エプスタイン−バーウイルス、パピローマウイルス、フォーミーウイルス、インフルエンザウイルス、ニューカッスル病ウイルス、センダイウイルス、リンパ性脈絡髄膜炎ウイルス、ポリオーマウイルス、細網内皮症ウイルス、タイレルウイルス、並びに他の種類のRNA及びDNAウイルスを含む。
ワクチン接種の目的のための弱毒性又は不活性化ウイルスの使用も公知である。更に、ウイルスは、研究及び診断の道具としても更に重要性を増しつつある。遺伝子治療、ワクチン接種、並びに研究及び診断のための道具として増大するウイルスの重要性は、ウイルスの効力を犠牲にすることなく、製造、輸送、貯蔵及び操作することができるウイルス組成物を開発することを必要としている。例えば、ワクチン接種のためのウイルス組成物は、ウイルスの免疫原性、又はウイルスの構成要素の免疫原性を維持することが可能でなければならない。遺伝子治療に使用されるウイルスの組成物の場合、治療的導入遺伝子を保持する生存ウイルス製剤の効力を維持することが必須である。
ウイルスは、タンパク質の外被によってカプセル化された核酸からなる生物学的存在であるために、これらは、タンパク質及び核酸を分解又は不活性化することがある同じ化学的及び物理的な過程に対して感受性である。特に、生きたウイルスは、ウイルスの外被若しくはカプセル化された核酸の1又は2以上の成分の空間的構造或いは一体性についてのいかなる変化も感染力の喪失を導くことがあるために、しばしば損傷に対して非常に敏感である。このように、ワクチン接種又は遺伝子治療のためのウイルスの組成物を含有する生物医薬製品は、通常物理化学的分解を回避し、そして生物学的活性を維持するために、厳しい条件が必要である。このような組成物中のウイルスの分解は、ウイルスの単離、製造、精製、調剤、貯蔵、輸送又は配布中に起こることがある。従って、ウイルスの生物薬剤学的組成物は、温度、pH、圧力、酸化剤、イオン性含有物、光線、放射線、超音波、剪断力、撹拌及び相の変化(例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥又は冷凍乾燥間に起こるような)のような要素に対して、ウイルスの保護を与えるように処方しなければならない。
既に考察した要素に加えて、ウイルス濃度、カプセル化された核酸のサイズ及び構造、容器の組成、ヘッドスペースのガス、及び冷凍−解凍のサイクルの数のような他の要素は、全てウイルス組成物の活性に影響することがある。
結果として、生物医薬製剤中へ多くのウイルスを使用することは、ウイルスの組成物の不安定性、特に製造、輸送、貯蔵及び使用前の操作中に起こる不安定性によってしばしば制約される。例えば、液体組成物は、貯蔵された場合にしばしば不安定であり、そして時間と共にウイルス活性の有意な喪失を示す。更なる活性の喪失は、組成物が撹拌、剪断力又は機械的措置にかけられた場合に起こることがある。
凍結乾燥、噴霧乾燥又は冷凍乾燥された状態のウイルス組成物の貯蔵に関して、液体から固体状態への相の変化におけるウイルス活性の喪失が更に生じることもある。ウイルス活性の喪失は、更に再構成においても起こることができる。このようなウイルス組成物の使用は、再構成に際して、ウイルス組成物を一般的に再構成まで通常室温で長期間放置されなければならないという不利益を有する。
更に、低温の貯蔵条件が常に利用可能ではないために、ウイルス製剤を氷点以上の温度で長期間保存することができる処方を開発することに利益があるものである。実際に、氷点以下の温度で貯蔵しなくてはならず、しかも、標準的な冷凍庫の温度(例えば−10℃ないし−20℃)でかなりの時間貯蔵することができないウイルス組成物は、多くのウイルスの広範囲な臨床的使用に重大な支障をきたす。
各種の異なった条件に暴露されるにもかかわらず、組成物の所望するpHを長期間維持することができるウイルス組成物を開発する必要がある。
最後に、高濃度のウイルスも、治療の目的のために更に漸増的に要求されている。然しながら、組成物中のウイルスの濃度は、ウイルスを保存する能力に対して更なる問題を与える。特に、ウイルスが高濃度であることは、凝集及び/又は沈殿により、ウイルスの不安定性の有意な原因となることがある。更に、ウイルスを遠心する場合に、ウイルスを濃縮する過程で負荷される機械的剪断力に、少なくとも一部は起因して、ウイルス活性の喪失が起こることがある。
従って、多くのウイルスにおいて、具体的な欠点は、ウイルスを、例えば、製造、輸送、貯蔵及び使用前の操作の間に、受容可能に保存する組成物を処方することができない、ということである。このようなウイルス組成物の活性を保存に伴う能力の欠如は、しばしば遺伝子治療、ワクチン接種、又は他の目的のためのその使用を妨げる。
従って、ウイルスの改良された保存のための組成物を提供することが本発明の目的である。
本明細書を通して、本発明の種々の面を記載する目的のために、文書について引用することがありえる。然しながら、本明細書中に引用されるどのような参考文献も、従来技術を構成するものであることを容認するものではない。具体的には、本明細書におけるどのような文書について言及することが、オーストラリア又は他のどの国においての当該技術における一般的技術常識の一部を構成するものであることを容認するものではない、ことは理解されるべきある。参考文献の考察はこれらの著者が主張するものを記述するものであり、本出願人は、本明細書中に引用するいずれもの文書の正確さ及び適切さに反論する権利を留保する。
発明の概要
本発明は、ウイルスの保存のための組成物を提供し、組成物は、ウイルス及び脂質を含む。
本発明は、更にウイルスの保存のための組成物を製造する方法を提供し、この方法は、ウイルス及び脂質を含む液体組成物を調製する工程を含む。
本発明において、組成物中のウイルスの活性は、脂質を組成物中に含めることによって保存することができることが見出されている。
本発明による組成物は、液体又は固体状態のウイルスの改良された保存性を提供する。組成物中のウイルスの改良された保存性は、広い範囲の貯蔵温度、及び広い範囲の貯蔵期間にわたって明白である。組成物は、撹拌、剪断力及び機械的処理の影響に対するウイルスの改良された保存も更に提供する。
本発明による組成物は、生存ウイルス粒子の保存のために使用することができるが、組成物は、弱毒性ウイルス粒子、不活性化ウイルス粒子、生育不能ウイルス粒子、合成ウイルス、或いは生存、不活性化、生育不能又は合成ウイルスの1又は2以上の構成要素の保存性の改善のためにも更に使用することができることは理解されることである。
組成物が、遺伝子治療の目的のためのウイルスの放出、或いはワクチン接種のためのウイルス又はウイルスの構成要素の放出のような医学的適用のための医薬組成物のために使用することができるだけでなく、本発明の組成物は、更に研究及び診断への適用のためのウイルス製剤の保存のような非医学的適用のための生存、弱毒性、不活性化、生育不能及び合成ウイルス粒子の保存のための組成物のために使用することもできることも更に認識されるものである。
本明細書を通して使用されるものである各種の用語は、当業者によってよく理解されるものである意味を有する。然しながら、言及の容易さのために、これらの用語のいくつかを以下に定義するものである。
本明細書を通して使用される場合の用語“保存”は、ウイルスの所望する活性(感染力、形質導入、免疫原性のような)が、一定時間にわたって実質的に減少しない、又はウイルスの所望する活性が、特定の処置後に実質的に減少しないことを意味すると理解されるべきである。例えば(i)本発明による組成物中のウイルスの活性は、組成物が一定期間貯蔵された場合、実質的に減少することがない;及び/又は(ii)本発明による組成物中のウイルスの活性は、組成物が、撹拌され、剪断力にかけられ、又は他の種類の機械的措置、相変化或いはウイルスの活性を減少することができる他の条件にかけられた後、実質的に減少することがない。
本発明の状況において、ウイルスを保存する組成物の能力は、脂質を含有しない同様な組成物に対して改良されていると理解されるべきである。従って、本発明による組成物は、脂質を含有しない同様な組成物より高いウイルスの活性を一定期間にわたって示すものであるか、或いは特定の処置(例えば撹拌、剪断又は機械的措置)後のウイルスの活性を示すものである。
これに関連して、本発明の各種の形態による組成物中のウイルスの保存の証明は、適した生物学的アッセイによって達成されるものである。ウイルスを保存するための組成物の能力を決定するに際して、認識されるであろうように、生物学的系の可変性の程度が与えられた場合、どのような生物学的アッセイにおいて十分な反復を行うことが、組成物がウイルスを保存することができることを統計的に証明するのに必要である。
本明細書を通して使用される場合の用語“ウイルス”は、天然の、組換えの、in
vitroでパッケージされた又は合成のウイルスのいずれのウイルスをも意味すると理解すべきである。
本明細書を通して使用される場合の用語“ウイルス組成物”は、治療目的のためのウイルス(又はウイルスの一部分)の保存のために、又は一般的にウイルス(又はウイルスの一部分)の保存のために使用することができるいずれもの組成物を意味すると理解されるべきである。用語は、本発明による組成物を包含するだけではなく、更に賦形剤のような他のどのような添加剤を伴う本発明による組成物をも包含する。
本明細書を通して使用される場合の用語“脂質”は、脂肪酸及び脂肪酸の誘導体、リン脂質を含むグリセリン誘導脂質、スフィンゴシン誘導脂質(セラミド、セレブロシド、ガングリオシド及びスフィンゴミエリンを含む)及び糖脂質、テルペン及びその誘導体、長鎖アルコール並びにワックスのいずれをも意味すると理解すべきである。このような脂質に言及する場合、これらの分子が、両親媒性であり、そして実質的に疎水性の部分にカプリングした実質的に親水性の部分を含有するものであることは認識されるものである。親水性の部分は、1又は2以上の実質的に親水性の基を含有するものであり、そして疎水性の部分は、1又は2以上の実質的に疎水性の基を含有するものである。
本明細書を通して使用される場合の用語“界面活性剤”は、二つの非混和性相間の界面張力を減少することができるいずれもの化合物を意味すると理解されるべきである。これに関連して、界面活性剤の機能を持つ分子が、特定の組成物中で1又は2以上の更なる機能を更に行うこともできることは理解されるものである。従って、分子が界面活性剤の能力を有することの証明は、分子が二つの非混和性相間の界面張力を減少する能力を有するか否かを試験するための、当技術において既知の適した方法によって達成されるものである。
発明の一般的な説明
先に記述したように、本発明による組成物は、ウイルス粒子の改良された保存のための組成物を提供する。好ましくは、ウイルス粒子は、ヒトアデノウイルスのようなマストアデノウイルス及びヒツジアデノウイルスのようなアタデノウイルスを含むアデノウイルス;ヘルペスウイルス;ワクシニア、ニワトリポックス、ブタポックス及びヒツジポックスを含むポックスウイルス;パポーバウイルス;オルトヘパドナウイルス;アデノ随伴ウイルスを含むパルボウイルス;ビルナウイルス;レオウイルス;フラビウイルス;ポリオウイルスを含むピコルナウイルス;シンドビスウイルス及びセムリキ森林熱ウイルスを含むトガウイルス;フィロウイルス;パラミクソウイルス;ラブドウイルス;アレナウイルス;ブニヤウイルス;オルトミクソウイルス;レンチウイルスを含むレトロウイルスからなる群の一つ又はそれより多くから選択される。更に好ましくは、ウイルス粒子は、ウイルスのアデノウイルス科から誘導される。更に好ましくは、ウイルスは、アタデノウイルスである。最も好ましくは、ウイルスは、ヒツジアタデノウイルスである。
本発明の各種の形態の目的のために、ウイルスは、好ましくは組換えウイルスである。更に好ましくは、遺伝子治療の目的のための用途を有する組換えウイルスである。特に好ましい態様において、ウイルスは、アデノウイルスベクターOAdV623又はこのベクターの誘導体のような組換えヒツジアデノウイルスである。OAdV623は、免疫抑制性プロドラッグ、フルダラビンの毒性の2−フルオロ−アデニン産物への転換を触媒するプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)遺伝子をコードする。アデノウイルスベクターOAdV623は、Lockett L.J.and Both G.W.(2002)Virology 294:333−341に記載されているとおりである。
本発明による組成物は、細胞に感染するか又はそれを形質導入する能力を保持するウイルス粒子の保存のために、或いは弱毒化された、不活性化された、生育不能である、in vitroのパッケージによって製造された、又は合成起源であるウイルス粒子の保存のために使用することができる。組成物は、ウイルスの外被の1又は2以上の構成要素の保存のような、ウイルスの一部分の保存のためにも使用することができる。好ましくは、ウイルス粒子は、生存ウイルス粒子である。
これに関連して、弱毒性ウイルスは、その病原性が生物学的、物理的又は化学的方法によって低下されたウイルスを意味するものと理解されるべきである。例えば、ウイルスの病原性は、半許容宿主により継代することによって弱毒化することができる。
不活性化ウイルスは、ウイルス粒子が許容宿主に感染する能力をもはや保持しないように、処置によって不活性化されたウイルス粒子を意味すると理解されるべきである。ウイルス粒子を不活性化することができる処置の例は、熱又は化学修飾である。
生育不能ウイルスは、許容宿主の細胞に感染するか又はそれを形質導入することができないウイルス粒子を意味すると理解されるべきである。
合成ウイルスは、タンパク質及び/又は脂質の外被でパッケージされたいずれもの核酸を意味すると理解されるべきである。
本発明による組成物は、医学的適用のために使用されるウイルスの保存のために使用することができる。好ましくは、本発明による組成物は、遺伝子治療の目的のために使用されるウイルスの保存のためのものである。更に好ましくは、本発明による組成物は、遺伝子治療のために前立腺細胞への治療的核酸の放出のために使用されるウイルスの保存のためのものである。
本発明による組成物は、ワクチン接種のような免疫原性の反応を誘発する目的のために使用されるウイルスの保存のためにも使用することができる。これに関連して、組成物が、ウイルス全体の保存のために、或いはウイルス外被の一部を構成する1又は2以上のポリペプチドの保存のような、1又は2以上のウイルスの免疫原性構成要素の保存のために使用できることは理解されるであろう。
本発明による組成物が、医学的適用のために使用されるウイルスの保存のために使用される場合、組成物は、更に医薬的に受容可能な塩、アミノ酸、ポリペプチド、ポリマー、溶媒、緩衝液及び増量剤のような1又は2以上の医薬的に受容可能な添加剤を含むこともできる。
本発明による組成物は、好ましくは液体又は固体の組成物であることができる。液体組成物の場合、組成物は、好ましくは実質的に水性の組成物であるか或いは1又は2以上の他の溶媒から構成される組成物であることができる。最も好ましくは、組成物は実質的に水性の組成物である。
固体の組成物の場合、組成物は、凍結乾燥された組成物、冷凍乾燥された組成物又は噴霧乾燥された組成物であることができる。
組成物は、ホウケイ酸ガラスのようなウイルスの保存に適した容器中で貯蔵することができる。本発明による組成物は、更に空気、アルゴン又は窒素を含むウイルスの保存に適したガス雰囲気下で貯蔵することもできる。
本発明による組成物は、更に研究的適用のための生存、弱毒性、不活性化、生育不能又は合成ウイルスの保存のために使用することもできる。例えば、組成物は、免疫学的研究のためのウイルス製剤の使用のような、研究的適用に使用するウイルス粒子の保存のために使用することができる。組成物は、更に培養中の細胞への感染又は形質導入のためのウイルス製剤の使用のような分子生物学的研究における使用のためのウイルス製剤の保存のために使用することもできる。
同様な様式で、本発明による組成物は、更に診断的適用の陽性及び陰性試験の標準としてのウイルス製剤の使用のような、診断的適用に使用するウイルス粒子の保存のために使用することもできる。
ウイルスの活性に関連して、ウイルスの活性は、当技術において既知のどのような適切なアッセイによって測定することができる。このようなアッセイは、ウイルス活性の直接的及び間接的の両方の、生物学的及び物理化学的アッセイを含む。直接的アッセイの例としては、産物中の感染性ウイルス粒子の数の測定、ウイルスにより持ち込まれるレポーター遺伝子又は他の導入遺伝子の発現、適切な細胞株をウイルスによる感染又は形質導入した後の細胞の不活性化又は細胞の生存、或いは適したモデルへのウイルス粒子又は構成要素の投与に続いて生産された成分の量(例えばワクチン接種の場合の免疫反応)を含む。間接的なアッセイの例は、産物中のインタクトな及び非凝集ウイルス粒子の数又はウイルス粒子のサイズの測定(ウイルス凝集の指標として)を含む。
例えば、生存ウイルス粒子の活性の決定において、所定の量のウイルスによる感染又は形質導入の後に不活性化された許容細胞の数は、適切などのようなアッセイによっても決定することができる。別の方法として、ウイルス活性の間接的な測定として、産物中のインタクトな及び非凝集ウイルス粒子の数は、アニオン交換HPLCによって決定することができ、そして粒子サイズは、光散乱分析によって決定することができる。
組成物中のウイルスの濃度は、ウイルスを保存する組成物の能力に更に影響することもある。好ましくは、組成物中のウイルスの濃度は、1×10ないし1×1014個のウイルス粒子/mlの範囲である。更に好ましくは、ウイルスの濃度は、1×10ないし5×1012個のウイルス粒子/mlの範囲である。
本発明の各種の形態の組成物中の脂質は、どのような脂肪酸又は脂肪酸の誘導体、リン脂質を含むグリセリン誘導脂質、スフィンゴシン誘導脂質(セラミド、セレブロシド、ガングリオシド及びスフィンゴミエリンを含む)及び糖脂質、テルペン及びその誘導体、長鎖アルコール並びにワックスのいずれのものでも良い。脂質は、実質的に疎水性の部分にカプリングした(直接又はスペーサーによって)実質的に親水性の部分を含有する両親媒性分子である。親水性の部分は、1又は2以上の実質的に親水性の基を含有するものであり、そして疎水性の部分は、1又は2以上の実質的に疎水性の基を含有するものである。
本発明の各種の形態による組成物中に存在する脂質は、カチオン性脂質、アニオン性脂質、両性イオン性脂質、非イオン性脂質又はこれらの脂質のいずれもの組合せであることができる。
カチオン性脂質の例は、トリフルオロ酢酸2,3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミンカルボキシアミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウム(DOSPA)、ジオクタデシルアミノグリシルスペルミン(DOGS)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミルスペルミン(DPPES)、1,3−ジオレオイルオキシ−2−(6−カルボキシ−スペルミル)−プロピルアミド(DOSPER)、塩化ジオレイルジメチルアンモニウム(DODAC)、塩化N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム(DOTMA)、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、臭化1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウム(DMRIE)、3β−(N−((N’,N’−ジメチルアミノ)エタン)カルバモイル)−コレステロール(DC−Chol)、臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDAB)、塩化1−[2−(オレオイルオキシ)−エチル]−2−オレイル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウム(DOTIM)、ビス(オレオイル)−トリメチルアミノメチルホスホネート、1,2−ジミリストイルグリセロールペンタリシン塩、N,N’,N’’,N’’’−テトラメチル−N,N’,N’’,N’’’−テトラパルミチルスペルミン(TMTPS)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)並びに次の商標名のカチオン性脂質:Lipofectamine(DOSPA:DOPE 3:1重量/重量)、Lipofectin(DOTMA:DOPE 1:1重量/重量)、Lipofectace(DDAB:DOPE 1:1.25重量/重量)、Transfectam、Cellfectin(TMTPS:DOPE 1:1.5モル/モル)、Superfect、LipoTaxi、DMRIE−C(DMRIE/コレステロール:1:1)及びトリリシン−カルプリロイル(carpryloyl)−トリス−トリラウレート(T−型;CS087)を含む。
アニオン性脂質の例は、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](DOPS)、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセリン(DMPG)、及び1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[ポリ(エチレングリコール)2000](PEG2000 DMPE)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[ポリ(エチレングリコール)2000](PEG2000 DPPE)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[ポリ(エチレングリコール)2000](PEG2000 DSPE)のようなPEG−PE脂質を含む。
両性イオン性/中性の脂質の例は、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC)、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC)及び1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DMPE)を含む。
好ましくは、脂質はカチオン性脂質である。更に好ましくは、脂質は、1又は2以上のアミノ残基を含む親水性部分を有するカチオン性脂質である。更に好ましくは、脂質は、アミノ酸から誘導された1又は2以上の基を含む親水性部分を有するカチオン性脂質である。更に好ましくは、脂質は、リシン、アルギニン又はヒスチジンのような正に荷電されたアミノ酸から誘導される1又は2以上の基を含む親水性部分を有するカチオン性脂質である。最も好ましくは、脂質は、1又は2以上のリシン基を含む親水性部分を有するカチオン性脂質である。
特に好ましい態様において、脂質は、ポリカチオン性脂質である。好ましくは、脂質は、二つ又はそれより多いアミノ残基を含む親水性部分を有するポリカチオン性脂質である。更に好ましくは、脂質は、アミノ酸から誘導される二つ又はそれより多い基を含む親水性部分を有するポリカチオン性脂質である。更に好ましくは、脂質は、リシン、アルギニン又はヒスチジンのような正に荷電されたアミノ酸から誘導される二つ又はそれより多い基を含む親水性部分を有するポリカチオン性脂質である。最も好ましくは、脂質は、三つのリシン基を含む親水性部分を有するポリカチオン性脂質である。
本発明による組成物中の脂質の疎水性部分は、1又は2以上の疎水性基を含む。疎水性基は、制約されるものではないが、アシル、アルキル、又はアルコキシ鎖を含む。好ましくは、1又は2以上の疎水性基は、脂肪酸のアシル基から誘導される。更に好ましくは、1又は2以上のアシル基は、3ないし24個の炭素原子の長さの炭素鎖を有する。最も好ましくは、1又は2以上のアシル基は、ラウリル酸基である。
好ましくは、本発明による組成物中の脂質は、二つ又はそれより多い疎水性基を含む疎水性部分を有する。更に好ましくは、脂質は、三つの疎水性基を含む疎水性部分を有する。最も好ましくは、脂質は、三つのラウリル酸基を含む疎水性部分を有する。
本発明による組成物中の脂質は、更に親水性部分及び疎水性部分間にスペーサー基を含むこともできる。スペーサー基は、親水性及び疎水性部分を共有的に接合する原子のどのような組合せ又は一連の原子を含むことができる。好ましくは、スペーサー領域は、1ないし30個の炭素−炭素共有単結合に相当する鎖長を有する。
好ましい態様において、本発明による組成物中の脂質は、以下の一般式:
Figure 2005517394
によるトリス−複合カチオン性脂質(又はその塩)から誘導される。
この一般式において、Xは、親水性部分を表し、Yは、スペーサー基(存在することも又は存在しないこともできる)を表し、そしてR、R及びRは、脂肪酸のアシル基である。好ましくは、スペーサー基Yが、分子中に存在する。最も好ましくは、スペーサー基は、1ないし30個の炭素−炭素共有単結合に相当する鎖長を有する。
最も好ましくは、本発明の各種の形態による組成物中の脂質は、分子、トリリシン−カルプリロイル−トリス−トリラウレート(T−型;CS087)、又はその塩であり、その構造は、以下の式:
Figure 2005517394
のとおりである。
ウイルスを保存するために、組成物中の脂質の濃度は、好ましくは0.1μMないし1mMの範囲である。更に好ましくは、脂質の濃度は、1μMないし500μMである。最も好ましい態様において、脂質の濃度は、5μMないし100μMである。
組成物中の脂質がトリリシン−カルプリロイル−トリス−トリラウレート(CS087)である場合、脂質の濃度は、好ましくは10ないし50μMである。最も好ましくは、組成物中のトリリシン−カルプリロイル−トリス−トリラウレートの濃度は、10μMである。
組成物中の界面活性剤の存在が、ウイルスを保存する組成物の能力を更に改良することができることも更に見出されている。界面活性剤は、二つの非混和性相間の界面張力を減少することができるいずれもの分子である。好ましくは界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。
分子が界面活性剤として機能することができるか否かの決定は、二つの非混和性相間の界面張力を減少する分子の機能を試験することができる、当技術において既知の適した方法によることができる。
好ましくは、界面活性剤は、0.0001%ないし50容量/容量%の範囲の濃度で組成物中に存在する。更に好ましくは、界面活性剤は、0.001%ないし10容量/容量%の範囲の濃度で組成物中に存在する。
好ましい態様において、非イオン性界面活性剤は、オキシエチレン基及びヒドロキシ基を含む分子である。最も好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ポリソルベート80又はポリエチレングリコール400、或いはこれらの非イオン性界面活性剤のいずれもの組合せである。
ポリソルベート80が組成物中に使用される場合、ポリソルベート80の濃度は、好ましくは0.0001ないし1容量/容量%である。更に好ましくは、組成物中のポリソルベート80の濃度は、0.001ないし0.1容量/容量%である。最も好ましくは、組成物中のポリソルベート80の濃度は、0.005容量/容量%である。
ポリエチレングリコール400が組成物中に使用される場合、濃度は、好ましくは0.001ないし50容量/容量%である。更に好ましくは、ポリエチレングリコール400の濃度は、0.01ないし10容量/容量%である。更に好ましくは、ポリエチレングリコール400の濃度は、0.01ないし5容量/容量%である。最も好ましくは、組成物中のポリエチレングリコール400の濃度は、0.5容量/容量%である。
組成物のpHも、更にウイルスの保存を改良するために選択することができる。pHは、更に組成物の患者への治療目的の投与と適合性であるように選択することができる。好ましくは、組成物のpHは、4ないし10の範囲である。更に好ましくは、pHは、5ないし9の範囲である。本発明の最も好ましい形態において、組成物のpHは、6ないし8.5の範囲である。
本発明による組成物のpHは、医薬的に受容可能な緩衝液で緩衝することによって得ることができる。好ましくは、緩衝液は、酢酸、安息香酸、グルコン酸、グリセリン酸及び乳酸を含む一塩基酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、炭酸、グルタミン酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸を含む二塩基酸、クエン酸及びリン酸を含む多塩基酸からなる群から選択される1又は2以上の緩衝液から選択される。緩衝液は、更にアンモニア又は塩化アンモニウム、ジエタノールアミン、グリシン、トロメタミン(トリス及びサム(Tham)としても知られる)を含む塩基からなる群から選択される1又は2以上の緩衝液から選択することもできる。
好ましくは、緩衝液は、トリス基剤緩衝液、マレイン酸水素ナトリウム緩衝液、コハク酸緩衝液、又はリン酸緩衝液からなる群から選択される1又は2以上の緩衝液からも選択される。トリス基剤緩衝液及びマレイン酸水素ナトリウム緩衝液が特に好ましい。
先に記述したように、本発明による組成物は、ウイルスの保存のための組成物を提供する。一つの態様において、本発明は、ウイルスが貯蔵に対して安定であるウイルスの保存のための組成物を提供し、組成物はウイルス及び脂質を含む。本発明のこの形態の組成物は、液体の形態或いは凍結乾燥、噴霧乾燥又は冷凍乾燥された形態であることができる。
好ましくは、液体の形態の組成物の貯蔵の温度は、0℃ないし30℃の範囲である。更に好ましくは、貯蔵の温度は、2℃ないし25℃の範囲である。最も好ましくは、貯蔵の温度は、2℃ないし8℃の範囲である。
組成物中のウイルスが固体の状態で貯蔵される場合、組成物は、好ましくは−20℃ないし30℃で貯蔵される。
本発明の各種の形態による組成物が改良された保存を示す期間に関して、本発明による組成物は、24ヶ月より長い期間貯蔵することができる。好ましくは貯蔵の期間は12ヶ月又はそれより長い。更に好ましくは、貯蔵の期間は6ヶ月又はそれより長い。更に好ましくは、貯蔵の期間は3ヶ月又はそれより長い。更に好ましくは、貯蔵の期間は1週間又はそれより長い。最も好ましくは、貯蔵の期間は1日又はそれより長い。
更に好ましい態様において、本発明は、組成物が1回又はそれより多い撹拌、剪断力又は機械的措置にかけられた場合にウイルスが安定である、ウイルスの保存のための組成物を提供し、組成物はウイルス及び脂質を含む。
これに関連して、先に考察したように、本発明の各種の形態の組成物の改良された保存は、脂質を含有しない組成物と比較されるものである。即ち、ウイルスの活性は、組成物が上述の温度で及び/又は上述の期間貯蔵された場合、或いは上述の条件にかけられた場合、脂質を含有しない組成物と比較して、時間と共に実質的に減少しないものである。ウイルスの活性は、感染力、形質導入の能力又は免疫原性のような組成物中のウイルスの所望する活性であることができる。
本発明による組成物は、更にヒト又は動物の患者に投与するために適した剤形であることもできる。剤形は、本発明による組成物を含み、そして他の医薬的に受容可能な添加物を更に含むことができる。
このような医薬的に受容可能な添加物の剤形への添加は、標的細胞を感染又は形質導入するウイルスの能力を改良する、或いはウイルスの投与によって誘発される活性を改良することができる。例えば、局所的なバイスタンダーの不活性化は、細胞−細胞の伝達を向上する医薬的又は遺伝子的薬剤の同時投与によって向上することができる。もう一つの例は、腫瘍細胞の免疫原性を増加するサイトカインをコードするDNAの同時投与である。もう一つの例は、免疫反応を向上するためにワクチン中にアジュバント化合物を含めることである。
本発明は、更にウイルスの保存のための組成物を製造する方法も提供し、この方法は、ウイルス及び脂質を含む液体組成物を調製する工程を含む。
認識されるものであるように、本発明の各種の形態による方法は、上記で詳細に考察したような組成物と同じ好ましい特徴を具体化するものである。
ウイルスの調製に関連して、ウイルスは、いずれもの適した様式によって精製することができる。好ましくは、ウイルスは、イオン交換クロマトグラフィー又はHPLCを含むクロマトグラフィー的方法、或いはCsCl遠心を含む遠心によって、ウイルスが感染された許容細胞及び/又はその上清から回収された後で精製される。好ましくは、ウイルスは、クロマトグラフィー的方法によって精製される。CsCl遠心によって精製される場合、ウイルスは、感染された細胞からのCsClの段階的勾配による遠心及びCsClの勾配と平衡するまでの遠心によって回収された後で調製される。ウイルスがこの様式によって精製された場合、CsClは、好ましくはカラムクロマトグラフィーによって除去される。
好ましくは、このようにして形成された濃縮されたウイルスは、適した緩衝液を含む溶液で希釈される。更に好ましくは、溶液は、非イオン性界面活性剤を更に含む。好ましい態様において、濃縮されたウイルスは、トリス緩衝液、並びにポリエチレングリコール400及び/又はポリソルベート80を含む溶液で希釈される。特に好ましい態様において、濃縮されたウイルスは、10mMのトリス緩衝液、及び2%のポリエチレングルコール400を含む溶液(pH8で)で希釈される。次いで好ましくは、ウイルスを含有する溶液(懸濁液として存在することができる)は、所望しない微生物を除去するために濾過される。最も好ましくは、溶液は、0.2ミクロンのメンブランフィルターを通して濾過される。
本発明による組成物の調製において、脂質は、好ましくは最初にウイルスの希釈のために使用されるものと同一の溶液中に分散される。好ましくは、脂質を含有する溶液(懸濁液として存在することができる)は、所望しない微生物を除去するために濾過される。最も好ましくは、溶液は、0.2ミクロンのメンブランフィルターを通して濾過される。
ウイルスの保存のための組成物を調製するために、ウイルスの希釈された溶液(懸濁液として存在することができる)は、次いで脂質を含む溶液(懸濁液としても存在することができる)と混合され、それぞれの相対的比率は、ウイルス及び脂質の所望する最終濃度を達成するように選択される。従って、本発明による方法は、組成物が、ウイルスを含む溶液を、脂質を含む溶液と混合することによって形成されるウイルスの保存のための組成物を製造するための方法を提供する。
このようにして形成された組成物は、適した密閉容器内で貯蔵される。好ましくは組成物は、ホウケイ酸ガラス瓶中で貯蔵される。更に、組成物は、適したガス又はガスの混合物下で貯蔵することができる。
好ましい態様の説明
以下に、上記の本発明の一般的な理論を具体化する実施例についての言及が行われる。然しながら、以下の説明が、上記の説明の一般性を制約するものではないことは理解されるべきである。
実施例1
ウイルスの保存のための組成物の調製
CsClで精製したOAdV623ウイルスを、ポリエチレン試験管中の、10mMのトリス、8.5%のスクロース、2%のPEG緩衝液を含有するpH8の緩衝液中に、最終濃度の2倍で懸濁した。CS087は、冷凍乾燥した固体として供給され、これを最初にエタノール中に溶解し、そして次いでエタノールを除去して、フィルムを生成した。フィルムを、ポリスチレン試験管内の、10mMのトリス、8.5%のスクロース、2%のポリエチレングリコール400を含有するpH8.0の緩衝液中に、最終濃度の2倍で分散した。
OAdV623及びCS087の懸濁液を別個に0.2μmのメンブランフィルターを通して濾過した。等量のOAdV623及びCS087を無菌的に混合した。次いで懸濁液を概略40rpmで60ないし90分間18℃−20℃で穏やかに連続して撹拌して、ウイルスの混合を確実にした。次いで最終産物を、洗浄し、そしてオートクレーブにかけたI型ホウケイ酸ガラス瓶中に無菌的に入れ、そして適当な温度で貯蔵した。
実施例2
冷蔵温度における各種のウイルス組成物の貯蔵安定性
冷蔵温度(概略4℃)で貯蔵された各種のOAdV623組成物(概略6×10VP/ml)の安定性を、0日目及び7日間の貯蔵後の細胞不活性化の程度を決定することによって評価した。細胞の不活性化は、pH8及びpH6で貯蔵された組成物に対して決定した。
OAdV623は、免疫抑制プロドラッグフルダラビンの、2−フルオロ−アデニン毒性産物への転換を触媒するPNP遺伝子をコードする。これは、PNPを生産する細胞及び付近の細胞の近接近隣バイスタンダー効果によるある程度までの死となる。OAdV623による形質導入及びリン酸フルダラビンによる処置に続くPC3細胞株のような感受性のある細胞の死は、OAdV623製剤の効力の直接の表示である。
細胞の不活性化の程度を決定するために、関係する組成物中のウイルスのアリコートを解凍し、そして概略6×10個のウイルス粒子を、培養中の1×10個のPC3細胞を形質導入するために使用した。次いでリン酸フルダラビンとして細胞に供給されたプロドラッグフルダラビンを、活性な2−フルオロアデニンに転換することによってPC3細胞を不活性化するウイルスの能力を、定量的に決定した。細胞の不活性化を、ウイルスで処置しない細胞の標準曲線と比較した処置したウェル中の生存細胞の数を測定するMTSアッセイ(Promega)によって決定した。
使用した各種の成分の濃度は以下のとおりである:
10mMのトリス
10mMのマレイン酸水素ナトリウム
8.5%のスクロース
50μMのCS087
2%(容積/容積)のポリエチレングリコール400(PEG400)
0.005%(容積/容積)のポリソルベート80(PS80)。
全ての組成物を、トリス又はマレイン酸緩衝液で所望するpHに緩衝した。
(a)pH8における安定性
Figure 2005517394
表から理解できるように、トリス/スクロース組成物への脂質の添加は、ウイルスを4℃で7日間貯蔵した場合のウイルスの保存を向上した。トリス/スクロース/脂質の組成物への非イオン性界面活性剤の添加は、ウイルスの保存を更に向上した。従って、貯蔵後のウイルスの保存は、脂質、そして特に脂質及び非イオン性界面活性剤の添加によって改良された。
(b)pH6における安定性
Figure 2005517394
表から理解できるように、マレイン酸/スクロース組成物への脂質の添加は、ウイルスを4℃で7日間貯蔵した場合のウイルスの保存を向上した。マレイン酸/スクロース/脂質の組成物への非イオン性界面活性剤の添加も、脂質又は界面活性剤のいずれもを含まない組成物と比較して更にウイルスの保存を向上した。従って貯蔵後のウイルスの保存は、非イオン性界面活性剤を伴う又は伴わない脂質の添加によって改良された。
実施例3
貯蔵並びに穏やかな撹拌、輸送及び多数回の冷凍−解凍サイクルにかけられた場合における各種のウイルス組成物の保存
貯蔵(−80℃)並びに穏やかな撹拌、輸送及び多数回の冷凍−解凍サイクル(−80℃から概略0℃の湿り氷温度、及び−80℃から20℃)にかけられた場合における各種のウイルス組成物(pH8)の保存。
貯蔵並びに穏やかな撹拌、輸送及び多数回の冷凍−解凍サイクルにかけられた場合に保存されるべき各種のOAdV623組成物の能力を、製剤が以下:
・11週間の貯蔵期間、
・ドライアイス中に梱包し、そして概略1時間の路上の輸送、
・冷凍−解凍サイクル、
・穏やかな撹拌による混合(例えばピペットで上下)、
・冷凍、ドライアイス中に梱包、そして再度概略1時間の路上の輸送、
・2週間の更なる貯蔵期間、及び
・2回目の冷凍−解凍サイクル
にかけられた後の細胞の不活性化の程度を決定することによって評価した。
貯蔵温度は、−80℃であった。最初の冷凍−解凍サイクルにおいて、ウイルスを湿り氷(概略0℃)で合計6時間解凍した。2回目の冷凍−解凍サイクルにおいて、ウイルスを20℃で30分間解凍した。
最初にウイルスのバッチをトリス/スクロース中に回収し、そして効力を細胞不活性化アッセイを使用して決定した。次いでこのバッチから4種類の製剤を以下のように調製した:
製剤A:OAdV623(1×1012VP/ml)を、トリス/スクロース中で−80℃で11週間貯蔵した。この製剤をその後ドライアイス中に梱包し、そして輸送し、解凍し、穏やかな撹拌で混合し、そして湿り氷(概略0℃)上で6時間保持してから、−80℃で再度冷凍し、ドライアイス中に梱包し、そして再度輸送し、そして次いで更に2週間貯蔵した。OAdV623を1×1012VP/mlで含有するこの製剤を、次いで細胞不活性化アッセイの直前に、20℃で30分間で再度解凍した。
製剤B:OAdV623(1×1012VP/ml)を、トリス/スクロース中で−80℃で11週間貯蔵した。この製剤をその後ドライアイス中に梱包し、そして輸送し、湿り氷(概略0℃)上で2時間で解凍し、脂質と穏やかに撹拌しながら混合し、室温(概略20℃)に30分間保持し、そして次いで湿り氷上で3.5時間静置してから、−80℃で再度冷凍し、ドライアイス中に梱包し、そして再度輸送し、そして次いで更に2週間貯蔵した。OAdV623を5×1011VP/mlで含有するこの製剤を、次いで細胞不活性化アッセイの直前に、20℃で30分間で再度解凍した。
製剤C:OAdV623(1×1012VP/ml)を、トリス/スクロース中で−80℃で11週間貯蔵した。この製剤をその後ドライアイス中に梱包し、そして輸送し、湿り氷(概略0℃)上で2時間で解凍し、脂質/PEG400と穏やかに撹拌しながら混合し、室温(概略20℃)に30分間保持し、そして次いで湿り氷上で3.5時間静置してから、−80℃で再度冷凍し、ドライアイス中に梱包し、そして再度輸送し、そして次いで更に2週間貯蔵した。OAdV623を5×1011VP/mlで含有するこの製剤を、次いで細胞不活性化アッセイの直前に、20℃で30分間で再度解凍した。
製剤D:トリス/スクロース中のOAdV623(1×1012VP/ml)を、脂質/PEG400と室温(概略20℃)で30分間混合した。このトリス/スクロース/脂質/PEG400中のOAdV623(5×1011VP/ml)製剤を、−80℃で11週間貯蔵した。この製剤をその後ドライアイス中に梱包し、そして輸送し、解凍し、穏やかな撹拌によって混合し、そして湿り氷(概略0℃)上で6時間保持してから、−80℃で再度冷凍し、ドライアイス中に梱包し、そして再度輸送し、そして次いで更に2週間貯蔵した。OAdV623を5×1011VP/mlで含有するこの製剤を、次いで細胞不活性化アッセイの直前に、20℃で30分間で再度解凍した。
細胞の不活性化の程度を決定するために、2×10ないし2×10個の範囲のウイルス粒子を、培養中の5×10個のPC3細胞を形質導入するために使用した。次いでリン酸フルダラビンとして細胞に供給されたプロドラッグフルダラビンを、活性な2−フルオロアデニンに転換することによってPC3細胞を不活性化するウイルスの能力を、定量的に決定した。細胞の不活性化を、ウイルスで処置しない細胞の標準曲線と比較した、処置したウェル中の生存細胞の数を測定するMTSアッセイ(Promega)によって決定した。
最終的な製剤中の各種の成分の濃度は以下のとおりである:
10mMのトリス
8.5%のスクロース
10μMのCS087
0.5%(容積/容積)のポリエチレングリコール400(PEG400)。
全ての組成物を、トリス又はマレイン酸緩衝液で所望するpHに緩衝した。
結果を以下の図に示す:
Figure 2005517394
注記:回収後の、そして製剤の調製前の2×10−7のウイルス粒子の投入における細胞不活性化の%は、55%であった。
理解できるように、トリス/スクロース/脂質/PEG400を含有する組成物(製剤D)は、貯蔵、撹拌、輸送及び冷凍−解凍の影響に対してウイルスに最大の保護を与えた。対照的に、脂質又はPEG400のいずれもを含まないトリス/スクロースを含有する組成物(製剤A)は、貯蔵、撹拌、輸送及び冷凍−解凍の影響に対してウイルスに最小の保護を与えた。
最後に、本発明の記載された組成物及び方法の各種の改変及び変更が、本発明の範囲及び思想から逸脱することなく、当業者にとって明白であることは認識されるものである。本発明は、具体的な好ましい態様に関して記載されてきたが、特許請求されるとおりの本発明が、このような具体的な態様に不当に制約されるべきではないことは理解されるべきである。実際に、ウイルス学、分子生物学、低温生物学の分野、又は関連する分野の当業者にとって明白である本発明を行うために記載された様式の各種の改変は、本発明の範囲内であることを意図している。

Claims (73)

  1. ウイルスの保存のための組成物であって、ウイルス及び脂質を含む、前記組成物。
  2. 前記脂質が、カチオン性脂質、アニオン性脂質、両性イオン性脂質、非イオン性脂質又はこれらの脂質のいずれかの組合せである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記脂質が、カチオン性脂質である、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記カチオン性脂質が、1又は2以上のアミノ残基を含む親水性部分を有する、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記1又は2以上のアミノ残基がアミノ酸から誘導される、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記1又は2以上のアミノ酸が、リシン、アルギニン又はヒスチジンである、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記カチオン性脂質が、ポリカチオン性脂質である、請求項3ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記ポリカチオン性脂質が、三つのリシンアミノ酸を含む親水性部分を有する、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記脂質が、1又は2以上の疎水性基を含む疎水性部分を有する、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記1又は2以上の疎水性基が、アシル、アルキル又はアルコキシ基を含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記アシル基が、3ないし24個の炭素原子の長さの炭素鎖を有する、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記アシル基が、ラウリン酸基である、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記脂質が、三つの疎水性基を含む疎水性部分を有する、請求項9ないし12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記脂質が、親水性部分及び疎水性部分間に更にスペーサー基を含む、請求項9ないし13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 前記スペーサー基が、1ないし30個の炭素−炭素共有単結合に相当する鎖長を有する、請求項14に記載の組成物。
  16. 前記脂質が、トリス−複合カチオン性脂質である、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 前記トリス−複合カチオン性脂質が、以下の化学式:
    Figure 2005517394
    [式中:
    −Xは、正に荷電された親水性部分であり;
    −Yは、1ないし30個の炭素−炭素共有単結合に相当する鎖長を有するスペーサーであるか、又は存在せず;そして
    −R、R、及びRは、同一であるか又は異なり、そして脂肪酸から誘導されたアシル基である]
    を有するか又はその塩である、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記トリス−複合脂質が、以下の化学式:
    Figure 2005517394
    を有する、請求項17に記載の組成物。
  19. 前記脂質の濃度が、0.1μMないし1mMの範囲である、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の組成物。
  20. 前記脂質の濃度が、1μMないし500μMの範囲である、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の組成物。
  21. 前記脂質の濃度が、5μMないし100μMの範囲である、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 前記脂質の濃度が、10μMである、請求項18に記載の組成物。
  23. 前記組成物が、更に界面活性剤を含む、請求項1ないし22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である、請求項23に記載の組成物。
  25. 前記非イオン性界面活性剤が、オキシエチレン基及びヒドロキシ基を含む分子である、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート80又はポリエチレングリコール400である、請求項25に記載の組成物。
  27. 前記界面活性剤の濃度が、0.0001%ないし10容量/容量%の範囲である、請求項23ないし26のいずれか1項に記載の組成物。
  28. 前記ポリソルベート80の濃度が、0.0001%ないし1容量/容量%の範囲である、請求項26に記載の組成物。
  29. 前記ポリソルベート80の濃度が、0.005容量/容量%である、請求項26に記載の組成物。
  30. 前記ポリエチレングリコール400の濃度が、0.01%ないし10容量/容量%の範囲である、請求項26に記載の組成物。
  31. 前記ポリエチレングリコール400の濃度が、0.5容量/容量%である、請求項26に記載の組成物。
  32. 前記ウイルスが、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、パポーバウイルス、オルトヘパドナウイルス、パルボウイルス、ビルナウイルス、レオウイルス、フラビウイルス、ピコルナウイルス、トガウイルス、フィロウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、アレナウイルス、ブニヤウイルス、オルトミクソウイルス、及びレトロウイルスからなる群の一つ又はそれより多くから誘導されたウイルスである、請求項1ないし31のいずれか1項に記載の組成物。
  33. 前記ウイルスが、ウイルスのアデノウイルス科から誘導される、請求項32に記載の組成物。
  34. 前記ウイルスが、ヒツジアタデノウイルス(atadenovirus)である、請求項33に記載の組成物。
  35. 前記ウイルスが、OAdV623又はOAdV623の誘導体である、請求項34に記載の組成物。
  36. 前記組成物中の前記ウイルスの濃度が、1×10ないし1×1014個のウイルス粒子/mlの範囲である、請求項1ないし35のいずれか1項に記載の組成物。
  37. 前記組成物中の前記ウイルスの濃度が、1×10ないし5×1012個のウイルス粒子/mlの範囲である、請求項1ないし35のいずれか1項に記載の組成物。
  38. 前記組成物のpHが、4ないし10の範囲である、請求項1ないし37のいずれか1項に記載の組成物。
  39. 前記組成物のpHが、6ないし8.5の範囲である、請求項1ないし37のいずれか1項に記載の組成物。
  40. 前記ウイルスが、貯蔵に対して安定である、請求項1ないし39のいずれか1項に記載の組成物。
  41. 前記組成物が液体の形態で貯蔵された場合に、前記ウイルスが貯蔵に対して安定である、請求項40に記載の組成物。
  42. 前記組成物が、0℃ないし30℃で貯蔵される、請求項40又は41のいずれか1項に記載の組成物。
  43. 前記組成物が、2℃ないし25℃で貯蔵される、請求項40又は41のいずれか1項に記載の組成物。
  44. 前記組成物が、2℃ないし8℃で貯蔵される、請求項40又は41のいずれか1項に記載の組成物。
  45. 前記組成物が、凍結乾燥、噴霧乾燥又は冷凍乾燥された形態で貯蔵される、請求項40に記載の組成物。
  46. 前記組成物が、−20℃ないし30℃で貯蔵される、請求項45に記載の組成物。
  47. 前記組成物が、12ヶ月又はそれより長く貯蔵される、請求項1ないし46のいずれか1項に記載の組成物。
  48. 前記組成物が、3ヶ月又はそれより長く貯蔵される、請求項1ないし46のいずれか1項に記載の組成物。
  49. 前記組成物が、1週間又はそれより長く貯蔵される、請求項1ないし46のいずれか1項に記載の組成物。
  50. 前記組成物が、1日又はそれより長く貯蔵される、請求項1ないし46のいずれか1項に記載の組成物。
  51. 組成物が1回又はそれより多い撹拌、剪断力或いは機械的措置にかけられた場合、前記ウイルスが安定である、請求項1ないし39のいずれか1項に記載の組成物。
  52. ウイルスの保存のための組成物を製造する方法であって、ウイルス及び脂質を含む液体組成物を調製する工程を含む、前記方法。
  53. 前記脂質が、カチオン性脂質である、請求項52に記載の方法。
  54. 前記カチオン性脂質が、ポリカチオン性脂質である、請求項53に記載の方法。
  55. 前記脂質が、トリス−複合カチオン性脂質である、請求項53又は54のいずれか1項に記載の方法。
  56. 前記トリス−複合カチオン性脂質が、以下の化学式:
    Figure 2005517394
    [式中:
    −Xは、正に荷電された親水性部分であり;
    −Yは、1ないし30個の炭素−炭素共有単結合に相当する鎖長を有するスペーサーであるか、又は存在せず;そして
    −R、R、及びRは、同一であるか又は異なり、そして脂肪酸から誘導されたアシル基である]
    を有するか又はその塩である、請求項55に記載の方法。
  57. 前記トリス−複合脂質が、以下の化学式:
    Figure 2005517394
    を有する、請求項56に記載の方法。
  58. 前記組成物が、更に界面活性剤を含む、請求項52ないし57のいずれか1項に記載の方法。
  59. 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である、請求項58に記載の方法。
  60. 前記非イオン性界面活性剤が、オキシエチレン基及びヒドロキシ基を含む分子である、請求項59に記載の方法。
  61. 前記非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート80又はポリエチレングリコール400である、請求項60に記載の方法。
  62. 前記ウイルスが、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、パポーバウイルス、オルトヘパドナウイルス、パルボウイルス、ビルナウイルス、レオウイルス、フラビウイルス、ピコルナウイルス、トガウイルス、フィロウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、アレナウイルス、ブニャウイルス、オルトミクソウイルス、及びレトロウイルスからなる群の一つ又はそれより多くから誘導されたウイルスである、請求項52ないし61のいずれか1項に記載の方法。
  63. 前記ウイルスが、ウイルスのアデノウイルス科から誘導される、請求項62に記載の方法。
  64. 前記ウイルスが、クロマトグラフィー又は遠心を含む方法によって精製される、請求項52ないし63のいずれか1項に記載の方法。
  65. 前記組成物が、ウイルスを含む溶液を、脂質を含む溶液と混合することによって形成される、請求項52ないし64のいずれか1項に記載の方法。
  66. 前記ウイルスが、貯蔵に対して安定である、請求項52ないし65のいずれか1項に記載の方法。
  67. 前記組成物が液体の形態で貯蔵された場合に、前記ウイルスが貯蔵に対して安定である、請求項66に記載の方法。
  68. 前記組成物が、凍結乾燥、噴霧乾燥又は冷凍乾燥された形態で貯蔵された場合、ウイルスが保存に対して安定である、請求項66に記載の方法。
  69. 組成物が1回又はそれより多い撹拌、剪断力或いは機械的措置にかけられた場合、前記ウイルスが安定である、請求項52ないし65のいずれか1項に記載の方法。
  70. ウイルスの保存のための組成物であって、ウイルス、トリス−複合カチオン性脂質、及び非イオン性界面活性剤を含む、前記組成物。
  71. ウイルスの保存のための組成物であって、アデノウイルス、ポリカチオン性脂質、及びポリソルベート80又はポリエチレングリコール400を含む、前記組成物。
  72. ウイルスが貯蔵に対して安定である、ウイルスの保存のための組成物であって、ウイルス及び脂質を含む、前記組成物。
  73. 前記組成物が1回又はそれより多い撹拌、剪断力或いは機械的措置にかけられた場合、ウイルスが安定である、ウイルスの保存のための組成物であって、ウイルス及び脂質を含む、前記組成物。
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