JP2005516312A - カード個人化システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

カード及び他の機密性のある身分証明ドキュメントに個人化するシステム及び方法。カード個人化システム及び方法は改善されたデータ保全性、システム信頼性及びシステム性能を提供する。モジュール内部におけるカードの取り扱い及び処理の改善、モジュール間におけるカード転送の改善、モジュールの制御の改善、並びにその他の改善が説明され、それらの改善は全て、個別に又は一体となって、それらの目標を実現するのに寄与する。

Description

本発明は、個人識別(identity)ドキュメントを作成し、個人化(personalize)するためのシステム及び方法に関する。特に、本発明は、金融カード(例えば、クレジットカード及びデビットカード)、運転免許証、国民識別カード、及びカード保持者に固有の情報及び/又は他のカード情報又はドキュメント情報によって個人化された他のカードなどのデータ保持プラスチックカードを作成し、個人化するためのシステム及び方法に関する。
個人化カード及び他の個人化された個人識別ドキュメントを作成する際に使用されるカード個人化システム及び方法は、そのようなドキュメントを発行している機関により採用されている。そのようなシステム及び方法により個人化されることが多い個人識別ドキュメントは、金融カード(例えば、クレジットカード及びデビットカード)、運転免許証、国民識別カード、並びにドキュメント保持者とされる人に固有の情報によって個人化された他のカード及びドキュメントなどのプラスチックカード及び複合カードを含む。
カード個人化システム及び方法は、小規模な個別のカード個人化及び作成を目的として設計されることが可能である。それらのシステムにおいては、個人化されるべき1枚のカードが個人化機械に投入され、個人化機械は、通常、印刷及びラミネート加工などの1つ又は2つの個人化/作成能力を含む。
大規模なカードを大量に作成する場合には、機関は、カードごとの処理時間を全体として短縮するように複数のカードを同時に処理するために複数の処理ステーション又はモジュールを採用するシステムを利用することが多い。そのようなシステムの例には、ミネソタ州ミネアポリスのDataCard Corporationより入手可能であるDataCard 9000シリーズ、米国特許出願第4,825,054号に開示されているシステム、並びに米国特許第5,266,781号に開示されているシステム及びその後継システムなどがある。これらの種類のシステムの各々に共通しているのは、個人化/作成されるべき比較的多数のカードを保持することが可能な投入部、個人化/作成動作を実行するために各カードが案内される複数の個人化/作成ステーション、及び個人化済みカードを保持する出力部である。カードに対して通常実行される個人化及び作成の動作は、カードの磁気ストライプへのデータのプログラミング、単色及び/又はカラー印刷、カード中の集積回路チップのプログラミング、エンボス加工、並びに様々なトップコート及び保護層の貼り付けを含む。通常、データ情報、並びに投入部、個人化/作成ステーション及び出力部を動作させるための命令を転送するためにコントローラが採用される。
DataCard 9000シリーズのような一括カード個人化作成システムにおいては、データ保全性(例えば、正確なデータが適正なカードに配置されていることを保証すること)と、システムの信頼性及び性能が重要である。個人化プロセス及びプロセスを実現するために使用されるモジュールの改善を含めた、これらの領域における改善は、いずれも、一括カード個人化作成システムの有用性を向上させる。
以下に説明する通り、本発明は上述の既存のカード個人化システム及び以前のカード個人化システムの1つ以上に対して改善を行う。
米国特許第4,825,054号明細書 米国特許第5,266,781号明細書
本発明は、カード及び他の機密性のある身分証明ドキュメントに個人化するシステムを提供する。更に、本発明は、カード及び機密性のあるドキュメントに個人化する方法を提供する。本発明の1つの目的は、データ保全性、信頼性及び性能が改善されたカード個人化システムを提供することである。
本発明の一実施形態においては、カード個人化システムは、システムの一端に、供給されるべき複数枚のカードを保持し、システムにより個人化するためにそれらのカードを投入する投入部を含む。投入部は、各々のカードを1つのモジュールが先行するモジュールの下流側に位置するように順次配列された複数のカード処理モジュールへ送り出す。カード個人化システムの一端に出力部が配置され、出力部はカード処理モジュールにより個人化されたカードを回収する。投入部、複数の処理モジュール及び出力部は一体となって、各カードをシステムを通して前進させることができるカード軌道を規定する。コントローラは投入部、各々の処理モジュール及び出力部に動作接続され、それらと通信している。処理情報及びデータ情報はコントローラへ転送され、コントローラから投入部、処理モジュール及び出力部へ転送される。
一実施形態では、システムは、少なくとも1つのモジュールがそのモジュールにより処理されるべき次のカードの投入を受け入れる前に処理済カードを排出するように動作すべく配列され、構成されている。システムは、モジュールがカードの個人化を完了した後、次のモジュールがそのカードを受け入れる準備を終えた(すなわち、次のモジュールが既にそのカードを処理し、カードを排出し終わった)ならば、カードを次のモジュールへ出力できるように動作すべく配列され、構成されているのが好ましく、カードがモジュールを出た後、そのモジュールは隣接する上流側モジュールから別のカードを受け入れられる状態になる。
システムの各モジュールは、あるモジュールへのカードの投入が処理済みカードがそのモジュールから出た後に初めて起こるか、又はモジュールにカードが入っていないときに起こるように動作し、システムの複数のモジュールによるカード転送はカスケード配列で構成されることがより好ましい。
一実施形態では、処理モジュールは装着機構で支持されている。装着機構は、モジュールの堅固な結合及び適正な整列を可能にするために、共通の支持構造を含む。
一実施形態では、各々の処理モジュールは、その内部に組み込まれ、コントローラと通信する状態指示器を含む。状態指示器はシステムのオペレータステーションにも組み込まれている。状態指示器は各々のモジュールの配置及び動作状態を提示する。
一実施形態では、システムの動作を制御するために使用されるコントローラはネットワーキングシステムを形成する。ネットワーキングシステムはコントローラに常駐しており、システム内に接続されているカード処理モジュールごとに、コントローラにおいて構成上の調整を実行できる。
一実施形態では、複数の処理モジュールは磁気ストライプモジュール、エンボス加工モジュール、スマートカードプログラミングモジュール、プリンタモジュール、レーザーモジュール、グラフィックスモジュール及びクリーニングモジュールを含むが、それらに限定されない。
一実施形態では、カードに個人化する方法は、投入部からカードをピックアップすることと、カードをカード軌道に挿入することと、カードを第1の処理モジュールに投入することとを含む。カードはカード軌道に沿って順次配列されている後続する処理モジュールへ転送される。カードは、1つ以上の処理モジュールにより個人化された後に出力部で回収される。各々の処理モジュールは一度に1枚のカードに個人化するので、一度に1枚のカードが各処理モジュールを通過することになり、処理モジュールはカスケード構成でカードを転送してゆく。各々のシステム構成要素との間でデータ及び他の情報を転送し、システムの動作を監視するために、コントローラが設けられている。
本発明は、データ保全性、信頼性及び性能が改善されたカード個人化システム及び方法の利点を提供する。
本発明を特徴付けるこれらの利点及び新規な特徴、並びにその他の様々な利点及び新規な特徴は以下の詳細な説明の中で指摘される。本発明、その利点及びその使用により得られる目的を更に良く理解するために、本発明に従った装置の特定の例が示され且つ説明されている、本発明の別の一部を成す図面及びそれに付随する説明も参照すべきである。
図面を参照すると、図面中、同じ図中符号は全ての図を通して対応する部分を表す。
図示されている実施形態の以下の説明においては、その一部を形成し、本発明を実施できる実施形態が例として示されている添付の図面を参照する。本発明の趣旨の範囲から逸脱せずに構造の変更を実施しても差し支えないため、他の実施形態も利用できることを理解すべきである。
図1及び図2は、組み立てが完了した形態のカード個人化システム10の一実施形態の斜視図を示す。以下、システム10と呼ばれるカード個人化システム10はオペレータステーション20と、投入ホッパ30と、複数の処理モジュール40と、出力ホッパ50とを含む。
オペレータステーション20は、上面に形成された作業面21を有するハウジング27を含む。図1及び図2に破線で示されているシステムコントローラ22はハウジング27の内部にある。コントローラ22はシステム10の動作を制御し、投入ホッパ30、モジュール40及び出力ホッパ50との間でデータを送受信する。コントローラ22は、データを転送し、情報を処理するのに適するコンピュータ又は何らかの中央処理装置であることが可能である。オペレータインタフェース手段23、23aは、コントローラへの制御指令及びデータ入力を可能にするためにコントローラ22のデータポートシステム23bに接続されている。図1及び図2に示すように、インタフェース手段23、23aはキーボード及びマウスであるのが好ましい。しかし、他の適切なインタフェース手段を採用しても良いことは理解されるであろう。各モジュール40は、それぞれのモジュールの機能及び動作を制御する独自のモジュールコントローラ(図示せず)を更に含む。
更に、オペレータステーション20は、コントローラ22、投入及び出力ホッパ30、50、並びに処理モジュール40の動作に関連するデータの表示及び観測を可能にするために、インタフェース又はモニタ25を含む。図1及び図2に示すように、モニタ25は支え24を介してステーション20に装着されているのが好ましく、この支え24はポールであっても良いが、それに限定されない。更に、システム10の動作状態を指示するために、支え24の最上部に状態指示器80が採用されていても良い。
図2に示すように、データ及び制御指令はコントローラ22とシステム10の様々な構成要素との間でデータ回線97を介して通信される。データ回線97は、データ及び指令がコントローラ22から直接に受信されるように、コントローラ22から各システム構成要素へ走っているのが好ましい。例えば、投入ホッパ30の各投入機構に制御及び/又はデータ入力を供給するために、1対のデータ回線97が投入ホッパ30に接続している。同様に、データ及び制御投入を第1のモジュール40に供給するために、少なくとも1本のデータ回線97が第1のモジュールに接続している。
図1及び図2に示すように、作業面21には緊急停止ボタン29が設けられている。このボタン29を押すと、システム10の動作が停止される。更に、カード詰まりを解消する場合などにシステムオペレータが一時的にシステム動作を休止させ、その後、単にボタンを押すだけでシステム動作を再開できるようにするために、システム10は少なくとも1つの休止/再開ボタン28を含むのが好ましい。休止/再開ボタン28はシステム10の都合の良いどの場所に配置されていても良い。好ましい実施形態では、休止/再開ボタン28は投入ホッパ30及び出力ホッパ50のそれぞれに設けられている(図では、出力ホッパ50のボタンのみが見えている)。希望に応じて、モジュール40のうちの1つ以上及び/又はオペレータステーション20に休止/再開ボタンを設けることも可能であろう。キーボード23又はマウス23a及びモニタ25にも休止/再開能力を組み込むことが可能であろう。
投入ホッパ30はその上流側39aでオペレータステーション20の側面に取り外し自在に結合されている。投入ホッパ30は、供給されるべき複数枚のカード37aを保持する少なくとも1つのトレイ37を含むのが好ましい。投入ホッパ30は、システム10内へ自動的に送り込むことができるカードの枚数を増すために、複数のトレイ37を含むのが好ましい。カバー31は投入ホッパ30の内側を保護する。投入ホッパ30の動作状態を指示するために、投入ホッパ30に状態指示器35が設けられている。指示器35は光指示器であっても良いが、それに限定されない。
投入ホッパ30は、トレイ37の1つに保持されている複数枚のカードの中から1枚のカード37aをピックアップし、そのカードを隣接する下流側の処理モジュール40へ移送して、カードの個人化を開始することにより動作する。投入ホッパ30からカードをピックアップする代わりの手段として、オペレータステーション20の作業面21の、投入ホッパ30の上流側に、投入ホッパのカード追跡/カード搬送機構と連通する受け入れカードスロット26が設けられている。カードスロット26を使用して、システム10内へ1枚のカードを投入することにより、選択カードの個人化をイネーブルし且つ/又はエラーが起こった場合などに以前にピックアップされたカードをシステムに再度挿入することができる。本発明の原理に従った投入ホッパの詳細については、以下に更に説明する。
複数の処理モジュール40は投入ホッパ30の下流側39bに配置されている。複数の処理モジュール40は順次配列されるように構成されており、各処理モジュールは先行する処理モジュール又は投入ホッパ30の下流側に順次接続されている。特に、図1及び図2に示すように、第1の処理モジュールは投入ホッパ30の下流側39bに接続され、続く処理モジュールはそれぞれその下流側に順次配列されている。
投入ホッパ30の場合と同様に、各処理モジュール40はカバー41と、状態指示器45とを含む。カバー41は、ユーザ又はオペレータが各々の処理モジュール40の内側を見ることができるように、透明な面43を含んでいても良い。状態指示器はそれぞれ対応する処理モジュール40の動作状態を標示し、光指示器であっても良いが、それに限定されない。システム10においては多様な処理モジュール40が採用されるが、そのうちのいくつかについては以下に本発明の原理に従って更に詳細に説明する。
システム10に含まれていても良い処理モジュール40の例には、カード上の磁気ストライプにデータを書き込み、磁気ストライプからデータを読み取る磁気ストライプモジュール(後述する)、カードにエンボス加工文字を形成するエンボス加工モジュール(後述する)、カードの集積回路チップをプログラミングするスマートカードプログラミングモジュール、単色印刷又は多色印刷を実行するプリンタモジュール、カードに対してレーザー個人化を実行するレーザーモジュール(後述する)、カードに単色データ及び画像を添付するグラフィックスモジュール(後述する)、カードをクリーニングするクリーニングモジュール(後述する)、カードにトップコートを施すトッピングモジュール、及びカードに穴を開ける又は切り取るため及び/又はカードを特定の形状に打ち抜くためのカードパンチングモジュールがある。
各々の処理モジュール40は装着機構60を介してシステム10に結合されている。図3は、装着機構60の特徴を最も良く示している。図3に示すように、互いに取り外された状態の2つの隣接する装着機構60a及び60bが示されている。装着機構60aは装着機構60bと同等の部品を含むことが理解されるであろう。装着機構60a、60bはフレーム67a、67bを含む。フレーム67a、67bは、それぞれ、処理モジュールに対して構造上の支えを形成するための上部73a、73bと、下部71a、71bとを含む。上部73a、73bには、処理モジュールが配置され、保持されるほぼ平坦な面を有するプラットフォーム65a、65bが設けられている。
図3は、装着機構60aの下流側75aと、装着機構60bの上流側75bとを示す。しかし、各装着機構60a、60bが上流側と下流側を含むことは理解されるであろう。図示されるように、装着機構60bは、隣接する装着機構60aの対応する1対の位置決め穴(図示せず)に嵌合する1対の位置決めピン63bを含む。位置決め穴と位置決めピン63bは、隣接する装着機構60a、60bの適正な整列を確保し、それにより、カード個人化システムの処理モジュールの適切な整列を確保するために装着機構を整列させ、結合する手段を構成する。更に、装着機構60bの下部71bに取り付け穴63dが配置され、装着機構60aの下部71aに同様の取り付け穴(図示せず)が配置されている。取り付け穴63dは、隣接する装着機構を一体に固着する共通のねじ63c(図3には1つのねじのみが見えている)により結合される。装着機構60a、60bの上部73a、73bにも、取り付け穴(図示せず)及び取り付けねじ63a(図3には1つのねじのみが見えている)の同様な構造が設けられている。取り付け穴を結合するために適切などのようなねじ又は他の固着手段が採用されても差し支えないことは理解されるであろう。更に、それぞれ隣接する装着機構60a、60bの適正な結合と整列を行うために、位置決めピン及び穴の他の構成が採用されても良いことも理解されるであろう。
装着機構60bの上流側75bで、装着機構60a、60bの上部73a、73bにブラケット61が装着されている。ブラケット61は、隣接する装着機構60a、60bが互いに結合されるときに、隣接するモジュールの間でブラケット61が共用されるように、共通の支持構造を形成する。ブラケット61は、処理モジュールの処理機構を装着するための取り付け構造を形成するのが好ましい。装着機構60aはその上流側にブラケット61に類似するブラケットを更に含むことが理解されるであろう。更に、同じ共用結果を実現するために、装着機構60a、60bの下流側にブラケット61が配置されても良いことは理解されるであろう。隣接する装着機構の間の共通のブラケット61は、更に、そのブラケット61を共有し、装着機構に装着されている処理モジュールの間のカード経路の整列を改善する働きもする。2つの隣接する処理モジュールは60a、60bなどのそれぞれ対応する装着機構に装着され、処理モジュールの共通の装着支持構造としてブラケット61を共用する。このような構造は処理モジュールの間でカード経路の整列を維持する。
60a、60bなどの装着機構に装着された各々の処理モジュール40は、特定の処理モジュールを装着するために9.0インチ、6.25インチ又は12.5インチ、あるいはそれらを組み合わせた幅を持つフレームを有するように構成されているのが好ましい。12.5インチのフレームは2つの6.25インチフレーム及びそれに対応するカバー、並びに正面パネル及び背面パネルを使用するのが好ましい。
図2で最も良く見られるように、投入ホッパ30、各モジュール40及び出力ホッパ50はその背面に少なくとも1つのパネル94を更に含む。パネル94はホッパ又はモジュールの背面から外側上向きに曲がっており、その他のパネル94と共に、トラフ又は通路96を規定している。トラフ96は、システムの背面に沿って電気ケーブル及びデータケーブルなどを通すのに都合の良い場所を提供する。各ホッパ30、50及びモジュール40は、その背面に、電力、データ及び制御信号をそれぞれ対応するホッパ又はモジュールコントローラに供給するために、ホッパ又はモジュールの内部まで電力ケーブル及びデータケーブルを引き込むことができる少なくとも1つの通路95を含む。システム10に対する電力は、図2に示すようにオペレータステーション20の背面に設けられた電力プラグイン90に接続する電力ケーブル(図示せず)から入力される。システム10が単一の電力プラグインにより供給される電力より多くの電力を要求する場合には、下流側モジュール40のうちの1つに追加の電力プラグインを設けることができる。この場合、システムの上流側部分は電力プラグイン90を介して電力を供給され、システムの下流側部分はモジュール40と関連する電力プラグインを介して電力を供給されることになる。
各々の処理モジュール40によりカードが個人化された後、カードは完成したカードを回収して、積み重ねる出力ホッパ50へ排出される。出力ホッパ50は最も下流側の処理モジュール40の後に配置されている。出力ホッパ50は少なくとも1つの回収トレイ57、より好ましくは複数の回収トレイ57を含む。適切に個人化されたカードを回収するために1つの回収トレイ57が使用され、処理中のエラーによる不適切に個人化されたカード又は欠陥カードを回収するために第2のトレイ57bが使用されるのが好ましい。投入ホッパ30及び処理モジュール40の場合と同様に、出力ホッパはカバー51と、状態指示器55とを含む。カバー51及び状態指示器55は投入ホッパ30のカバー及び状態指示器と同様に動作するので、ここではそれ以上説明されない。本発明の原理に従った出力ホッパ50の更に詳細な説明は以下に提示される。
図4は、カードに個人化する好ましい1つの方法80のフローチャートを示す。方法80は、投入部から一度に1枚ずつ複数のカードをピックアップすること及びそれらのカードを一度に1枚ずつ第1の処理モジュールへ転送すること(81)を含む。第1の処理モジュールでは、第1の処理モジュールを通って各カードが転送される間に、カードに個人化情報が与えられる(83)。1枚のカードが第1の処理モジュールにより個人化される動作が終了した後、カードは少なくとも1つの別の処理モジュールへ転送される(85)。少なくとも1つの別の処理モジュール又は次の処理モジュールは第1の処理モジュールの下流側に続いて配列されている。追加の処理モジュールも順次配列されていることは理解されるであろう。次の処理モジュールを使用して、各々のカードに一度に1枚ずつ個人化情報が与えられる(87)。
処理モジュールは、各々の処理モジュールを通してカードを転送するためにカスケードシーケンスを採用する(89)。特に、あるモジュールがカードに個人化することを完了したとき、次のカードが上流側モジュールからそのモジュールへ転送されてくる前に、そのカードはモジュールから完全に送り出される。その後、続くカードが上流側モジュールへ転送され、それ以降も同様である。カードは、最も下流側のモジュールから最も上流側のモジュールへ一度に1枚ずつカスケード方式で転送される。このように、1つのモジュールの中には一度に1枚のカードしか入らない。この結果、制御アルゴリズムを簡略化することにより、システムの保全性は向上し、モジュール内でカード又はそのデータが混同される確率は低下する。しかし、スマートカードプログラミングモジュールなどのいくつかのモジュールにおいては、複数枚のカードを同時に処理することができる。
システム保全性を更に向上させ、どの時点でも2枚のカード又はカードの一部が入っているモジュールが存在しないことを保証するために、システム10の各モジュールは入口光電セル及び出口光電セルを含む。入口光電セルは1枚のカードがモジュールに入ったことを検証し、出口光電セルは1枚のカードがモジュールを出たことを検証する。モジュールの入口光電セル及び出口光電セルは、カードがそれぞれ対応するモジュールに入っている時点又はモジュールから出ている時点をモジュールがわかるように、対応するモジュールコントローラに接続されている。モジュールコントローラはこのカード状態情報をシステムコントローラ22へ通信する。モジュール自体にある入口ローラ又は上流側モジュールのローラなどの手段がカードを対応するモジュールの中へ移送する。同様に、モジュールの出口ローラ又はモジュールのカード搬送システムなどの手段がカードを次のモジュールへ転送する。
カードが処理モジュールにより個人化された後、カードは出力部91で回収される。カードに個人化するときに投入部、処理モジュール及び出力部との間で処理情報及びデータ情報を転送し、それらの情報を監視するために、図1及び図2に示し、説明したコントローラ22及びモジュールコントローラなどのコントローラが動作される(93)。
様々に異なる種類のモジュール40のうちのいずれか1つのモジュール40、すなわち、単一の磁気ストライプモジュール、単一のレーザーモジュール、単一のグラフィックスモジュールなどに関して、システム10を説明してきた。多くの場合、個々の個人化モジュールがその特定の個人化タスクを完了するまでに要する時間は長くなるため、下流側個人化モジュールへ次のカードを送り出す前に、すぐ隣接する上流側モジュールは個人化タスクが完了するまで待っていなければならない。すぐ隣接する上流側モジュールが待機していなければならないため、更に上流側のモジュールも第1のモジュールの個人化タスクが完了するのを待っていなければならないであろう。実際には、1つのモジュールにおける個人化タスクが長時間かかると、システム10はその1つのモジュールの個人化が完了するまで休止することになる。
この状況を回避するために、システム10において同一のモジュールを並列させて、いずれか1種類の複数のモジュールを使用することができる。同じ種類の複数のモジュールを使用することにより、各モジュールに類似の個人化タスクを実行することを割り当てることができる。従って、例えば、レーザー個人化タスクを実行することを割り当てられている第1のモジュールがその個人化タスクを完了していなくても、第1のレーザーモジュールで個人化が完了するのを待つのではなく、すぐ隣接する上流側モジュールからの次のカードを第2のレーザーモジュールへ転送することが可能である。システムの休止を防止するために、必要に応じて、特定の個人化タスクを実行する追加のモジュールを追加できる。類似の個人化タスクを実行するモジュールをグループとしてまとめるというこの概念はカードのスループットを増加させる。
更に、1種類の複数のモジュールを使用する場合、各モジュールに異なる個人化タスクを割り当てることも可能である。例えば、複数のレーザーモジュールが使用される場合、1つのレーザーモジュールは1行分の情報をカードに個人化するために使用され、その後、カードは2行目の情報をカードに個人化するために使用される次のレーザーモジュールへ転送されても良い。必要に応じて、他の個人情報をカードに記入するために、追加のレーザーモジュールへカードを転送することができる。従って、長い個人化タスクを別個のタスクセグメントに分割でき、1つのモジュールにより全ての個人化タスクを実行するのではなく、各モジュールがそれらのタスクセグメントのうちの1つを処理するように割り当てられる。これによっても、カードのスループットは向上する。
処理モジュール
次に、本発明の原理に従ったカード個人化システム10のそれぞれの処理モジュールの特徴及びその改善点を示すための説明をする。
本発明の一部を成し、本発明を実施できる実施形態が例として示されている添付の図面を参照する。本発明の趣旨の範囲から逸脱せずに構造上の変更を行っても差し支えないため、他の実施形態も利用できることを理解すべきである。
投入ホッパ
投入ホッパは、供給されるべきカードを提供し、後続する処理モジュールにより処理され、個人化されるべきカードを投入するために必要とされる。投入ホッパ30は、処理されるべき複数枚の積み重ねられたカードを保持するトレイを含む。更に、カードはカード軌道に入るように選択され、下流側処理モジュールに投入される。通常、カードは、カードトレイから各カードをピックアップするためのローラアセンブリ及び吸引カップを使用して選択される。通常、カードスタックに力を加え、カードがピックアップされるたびに、その後、カードスタックを絶えず元の状態に戻すために、カードプッシャが採用される。しかし、これらの構造は、ピックアップされるべき各々のカードに向かって回転する分離ローラを採用し、吸引カップにより発生される減圧空気のみを使用して、カード供給トレイからカードをピックアップし、引っ張る。更に、カードスタックに力を加えるために、カードプッシャと共に通常はばね荷重が採用されている。
これらの構造はその目的には適しているであろうが、更に改善を加えることができる。カード個人化システムにより処理されるべきカードを保持し、投入するために、より高い信頼性と効率を提供する投入ホッパは依然として必要とされている。以下の説明は、本発明の原理に従って投入ホッパの既存の構造に対して実行された改善及び特徴を示す。
図1及び図2に示すように、システム10の投入ホッパ30は、全てのモジュール40の上流側でカードを投入するために、オペレータステーション20にすぐ隣接して、そのすぐ下流側に配置されている。システム内の、投入ホッパ30の下流側の、2つ以上のモジュール40の間に1つ以上の同様の投入ホッパが配置されていても良いことは理解されるであろう。この構成では、カードを投入ホッパの場所でシステムのカード経路に差し込むことができるので、カードは1つ以上のモジュール40を迂回することになる。従って、モジュール40の間を含めて、カード個人化システム10の中に複数の投入ホッパが存在することが可能である。
図5〜図15は、本発明による投入ホッパ200を示す。モジュール200は1時間に3000枚までのカードを投入することが可能であるのが好ましい。
図5及び図6は、投入ホッパ200の好ましい一実施形態の側面図と、平面図を示す。投入ホッパ200は、正面部215aと、背面部215bと、上部211aと、底部211bと、上流側側部219a及び下流側側部219b(図6に最も良く示されている)とをそれぞれ有するフレーム210を含む。フレーム210は、正面部215aから背面部215bへ延出する溝穴213を含む。少なくとも1つのカードトレイ230は正面部231aと、背面部231bと、上部235aと、底部235bと、側部233a、233bとを含む。カードトレイ230はフレーム210の上部211aに配置され、フレーム210の正面部215aから背面部215bまでの長さに沿って延出している。トラフ247は、下流側処理モジュールにより処理するためにピックアップされる前に保持されるべき複数枚のカードに対するスペースを形成する。カードトレイ230も、カードトレイ230の正面部231aから背面部231bに向かって延出する溝穴237を含む。カードトレイ230の溝穴237はフレーム210の溝穴213に対応している。図5及び図6に示すように、1つのトレイ230が例示されている。しかし、カードトレイ230のような複数のカードトレイが採用されていても良いことは理解されるであろう。投入ホッパ200はカードトレイ230のようなカードトレイを2つ1組で採用するのが好ましい。
カードプッシャ260はフレーム210及び対応するカードトレイ230に動作結合されている。カードプッシャ260はフレーム210とカードトレイの溝穴213、237をそれぞれ貫通している。更に、カードプッシャ260は溝穴213及び237に沿って前後に移動自在である。カードプッシャ260はハンドルを有するバックストップ265を含み、支持構造263を有するフレーム261に回動自在に係合されている。バックストップ265は、下部279bの部分265bの幅より広い幅を有する部分265aを有する上部279aを含む。また、部分265aの幅はフレーム210及びカードトレイ230の2つの溝穴213及び237の幅より広い。部分265aは、使用中にカードトレイ230がフレーム210から外れるのを防止する。カードトレイ230は、カードプッシャ260、特に部分265aが溝穴213及び237から取り出されたときに、カードプッシャ260がフレーム及びトレイの正面に向かって動くことにより作動される解放機構220を使用して解放される。図9から図14はカードトレイ230の解放を最も良く示している。
図6aは、カードプッシャ260のバックストップ265の好ましい一実施形態を示す。バックストップ265の内部では、上部軸275a及び付勢部材275cが上部279aの中に入っている。下部軸275bは、下部軸275bに動作結合されたローラ277を有する下部279bにある。通常はフレーム261に対するバックストップ265の回動位置を不作動にするために、上部軸275a、下部軸275b及びローラ277は付勢部材275cにより付勢されている。付勢部材275cはばねとして示されている。しかし、他の付勢部材が採用されても差し支えないことは理解されるであろう。フレーム261に対するバックストップ265の回動位置を機能させるために、ローラ277、下部軸275b及び上部軸265aはバックストップ265の上部279aに向かって上方へ押し出されても良い。特徴及び詳細については、以下に図9から図14で更に論じる。
図7及び図8は、カードトレイ230からのカード290のピックアップの好ましい一実施形態を示す。図7は、能動真空ライン289aに動作接続され、ピッカ駆動装置287aにより駆動される吸引カップ289を示す。真空ライン289aはL字継手である部分として示されており、継手289aから何らかの適切なラインが延出し、従来の真空源(図示せず)に接続していれば良いことが理解されるであろう。能動(active)真空ライン289aは、吸引カップ289に至る能動真空(制御負圧)の供給路を開閉するための弁を含むのが好ましい。弁は、吸引カップ289に至る能動真空ラインを開放するために使用されるソレノイド弁であるのがより好ましい。吸引カップ289は、カードトレイ230から1枚のカードをピックアップするために、矢印Aにより示すように、カードトレイ230に向かって移動する。分離ローラ253bはカード290と接触し、矢印Bにより示すように、カード290から外側の方向へ回転する。分離ローラ253bの回転はカード290をカードスタック291から外側の方向へ湾曲させ、それにより、能動真空が加えられている吸引カップ289を使用するカードトレイ230からのカード290のピックアップが容易になる。分離ローラ253bは、カードスタック291から1枚のカードを引き離すためにカード290の縁部における密接なカード面接触を分断するように、前述の通り回転する。
図8は、カード290と接触している吸引カップ289を示し、矢印Cは吸引カップ289を使用してカード290が引っ張られている方向を表す。更に、能動真空源に接続可能である真空弁ラインが吸引カップ289に動作接続されている。図8に示すように、分離ローラ253bはカード290を選択して湾曲させ、吸引カップ289は真空弁ライン289aを介して能動真空を採用して、カード290をカード経路250へまっすぐに引き戻す(矢印C)。カード290は保持器243を通過して引っ張られ、カードトレイ230から出る。保持器243はクリップであるのが好ましい。カード290がカード経路250に入ったならば、タブベルト255がカード290のようなカードをカード経路250に沿って入口ローラ253aまで下流へ移動させる。タブベルト255は、カードと接触し、カードをカード経路255に沿って送り出すタブ付き部分255aを含む。カード経路250に沿った下流側へのカードの移送を容易にするのを助けるために、溝穴251aを含むカードガイド251が使用されるのが好ましい。入口ローラ253aは290のようなカードを下流側処理モジュールに投入する。
図9から図14は、カードトレイ230を開放しているときの溝穴213及び237に沿ったカードプッシャ260の位置を表す。フレーム210の正面部215aにおいて、ロック部材221はロック受け入れ位置239でカードトレイ230に解除自在に係合されている。ロック部材221は、カードトレイ230がフレーム210の上部に配置され、投入ホッパ200が使用中であるときにカードトレイ230に係合されるのが好ましい。フレーム210の正面部215aには解放機構220も配置されており、これは底部211bで結合されている。
図5に最も良く示されているように、解放機構220は傾斜部225と、湾曲部材223と、フィンガ部分227とを含む。図9は、解放機構220の傾斜部225に近づきつつある(矢印D)カードプッシャ260を示す。図10は、傾斜部220と接触しているカードプッシャ260のローラ277を示す。ローラ277が傾斜部225に沿ってフレーム210の正面部215aに向かって動くと、ローラは同時に上方へ押し出されて、カードプッシャ260のバックストップ265に入るであろう。更に、先に図6aで説明したような上部軸275a及び下部軸275bもバックストップ265の内部で上方へ動く。ばね275cも押し上げられるため、上部軸275aは回動ポイント267を解放し、バックストップ265は回動自在位置へと作動される。
図10、図11及び図12に示すように、カードプッシャ260が傾斜部に沿って動き、湾曲部材223と接触すると、同時にバックストップ265は前述のように回動位置に入り、動作可能になる。バックストップ265は湾曲部材223の周囲に沿って移動して、カードプッシャのバックストップ265を使用中の常時直立位置から平伏位置に向かって回動させる。バックストップ265が平伏位置にあるとき、カードプッシャ260はカードトレイ230のスペース237aを通って動き、溝穴213及び237を空いた状態にする。同時に、図12及び図13に示すように、支持ブロック273はロック部材221の懸垂部分221aと接触する。カードプッシャ260がフレーム210の正面部215aに向かって動くにつれて、支持ブロック273は懸垂部分221aとの接触によってロック部材221をカードトレイ230のロック受け入れ部分239から離間させるように押す。図12から図14は、溝穴213、237から押し出されたカードプッシャ260及び解除位置にあるロック部材を示す。
解放機構220のフィンガ部分227及びバックストップ265の湾曲部材271は、カードプッシャ260を元の使用時の直立位置に回復させる。カードプッシャ260がフレーム210の背面部215bに向かって動くにつれて、バックストップ265の湾曲部材271はフィンガ部分227と接触し(図1及び図14)、フィンガ部分227の周囲に沿って移動して、バックストップ265を元の直立位置まで回動させることができる。
投入ホッパ200は、それぞれの機能を動作させるために次に示すモータ及び駆動機構を採用している。タブベルトモータ283は、カードを移動させるためにタブベルト255を駆動する。分離モータ285及び分離ローラ駆動部285aは、カードをピックアップするために分離ローラ253bを駆動する。更に、ピッカーモータ287及び駆動部287aはカードトレイ230のカード供給部291に対して吸引カップ289を接離するように移動させる。カードプッシャ260は、プッシャを投入ホッパ200のフレーム210及びカードトレイ230の溝穴213及び237に沿って移動させるためにモータ281及び駆動部281aを含む。
図15は、処理モジュールまで下流側へ搬送されるべきカード(図7及び図8にも示す)をピックアップする方法800の好ましい一実施形態のフローチャートを示す。吸引カップはカードスタック補給部まで前進される(801)。カードを適切につかむために、吸引カップに能動真空が供給される。分離ローラがピックアップされるべきカードを位置決めすることを可能にするように、カードプッシャによりカードスタック補給部に加えられていた力がゆるめられる(803)。分離ローラはカード(805)から離間するように回転し、カードの縁部と接触して、カードをカードスタック補給部から離間するように外側へ湾曲させる。カードは能動真空を加えられた吸引カップと、分離ローラの回転を使用することによりピックアップされる。カードは、カードをカードスタック補給部からほぼ直線方向に引き出すことによりピックアップされる(図8)。カードはカード経路に向かって引っ張られる。カードトレイから一度に1枚のカードがカード経路に入るようにピックアップされるのが好ましい。カードが下流側への転送のためにカード経路に入ることができる(811)ように、能動真空は解放される(809)。先の図に示すように、カードをカード経路250のようなカード経路に沿って下流側へ転送するために、255のようなタブベルトが採用されても良い。
カードがカードスタック補給部から解放された後、カードプッシャは残る補給用カードに対して適切な力を回復し、カードスタック補給部を分離ローラに対して再び当接させても良い。カード補給部で利用できるカードの枚数が多いほど、カードスタックを分離ローラに再び当接させるために要求される力の量は少なくなる。カードスタック補給部が少なくなるにつれて、カードスタック補給部を元の状態に落ち着かせるためにカードプッシャにより必要とされる力の量は増す。カードスタックに力を加え、カードの補給部を元の状態に落ち着かせるとき、カードプッシャは、例えば、モータにより、能動的に駆動されるのが好ましい。カードスタックが元の状態に戻された後、分離ローラは次のピックアップに備えて次のカードに向って内側へ回転して、カードスタックを再び整列させる。投入ホッパの設定を制御する際に必要なデータ情報を提供するために、先に説明したようなコントローラが使用されるのが好ましい。
投入モジュールの個々のモータ及びソレノイド制御部、例えば、ピッカーモータ、弁を介する真空起動、分離モータ及びプッシャモータは本発明の信頼性に寄与している。投入モータは、異なる厚さ及び異なる材質、GSMパンチアウト及びエンボス加工カードの組み合わせを含む数多くの異なる種類のカードをピックアップする。ピックアップされるべき種類のカードをカードごとにソフトウェア変更を行うことにより信頼性をもって転送する個別モータ制御及びシステム方法であり、以前の投入装置は機械的な調整が必要であった。
本発明の投入ホッパは、信頼性及び効率を向上させた改善された投入モジュールを提供する。他の利点に加えて、本発明の投入ホッパはカードをカードスタック補給部から効率良くピックアップして、処理モジュールまで下流側へ転送させることができる。分離ローラの構成と、加えられる能動真空は、カードをピックアップするための確実な構造を提示する。更に、能動的に駆動されるカードプッシャは、更に信頼性を増す次のカードピックアップに備えてカード補給部をリセットするための改善された構造を提供する。カードトレイに組み込まれた解放機構及びロック機能は、投入ホッパをカード個人化システムと共に使用する場合の利便性を提供し、安全性を向上させる。
磁気ストライプモジュール
磁気ストライプモジュール100は図16〜図20に詳細に示されている。好ましい構成においては、図1に示すように、磁気ストライプモジュール100は投入ホッパ200のすぐ下流側に配置されている。しかし、モジュール100は投入ホッパ200のすぐ後ろだけではなく、システム内の任意の場所に配置されることが可能であろう。好ましい構成では、磁気ストライプモジュール100は投入ホッパ200からカードを受け取り、コントローラ22により命令された場合には、各カードの磁気ストライプにデータをプログラムする。モジュール100は、適切なプログラミングが行われたか否かを判定するために、プログラミング後に磁気ストライプを読み取るようにも設計されている。カードが磁気ストライプを有していないか、又はカードへの磁気ストライププログラミングが不要である場合には、単純にモジュール100を通過して、カードを次のモジュールへ送り出すことができる。モジュール100は1時間に3000枚までのカードをプログラミング可能であるのが好ましい。
図16〜図20は、モジュール100の内部の詳細を示す。各カードは、1対の駆動ローラ102a、102bから構成される入口駆動アセンブリを介してモジュールに入る。各々の駆動ローラ102a、102bは、ステッパモータなどのモータ104により、駆動軸によりローラ102a、102bに結合されている歯車106a、106bを介して回転自在に駆動される。駆動ローラ102aなどの、駆動ローラ102a、102のうちの一方は、カードとの十分な駆動接触を維持し且つカードに存在している可能性があるエンボス加工に対応するために、他方の駆動ローラに向かってばね付勢されている。
図16及び図20に最も良く示されている下部投入ガイド108は、カードが入ってくるときにカードをモジュール100内へ案内するのを助ける。カードをモジュール100を通して規定されたカード経路に沿って案内するために、モジュール100の入口から出口まで上部案内軌道110a及び下部案内軌道110bが延出している。案内軌道110a、110bは、カードの平面がほぼ垂直に向いた状態で、モジュール100を通過する一貫した進行経路を維持するために、各カードの上下の縁部領域を受け入れる。
ローラ102a、102bを通過した後、カードは次にモジュール100の残る部分を通るカードを駆動する駆動アセンブリ112と係合する。図16、図17及び図20には一部が見えているが、図18に最も良く示されている駆動アセンブリ112は、駆動ベルト114と、ベルトに固定された複数のタブ116とを含むタブベルト駆動機構を具備しているのが好ましい。
以前の駆動機構は、カードを移動させるためにキャリッジ又は駆動ローラを利用していた。キャリッジ機構は比較的複雑であり、多数の部品を必要とし、駆動モータとキャリッジとの間に比較的複雑な結合を必要とし、磨耗しやすいすべり部品を有し、搬送速度を低下させる比較的高い慣性を有する。更に、カードを出口まで移動させた後、次のカードをピックアップするために、キャリッジは入口まで戻されなければならない。これに対し、駆動ローラはエンボス加工を含むカードの領域では使用不可能である。更に、駆動ローラ機構は、特に駆動モータをローラに結合する部分に比較的多数の部品を有し、ねじりコンプライアンスを導入し、カードを1組の駆動ローラから別の組の駆動ローラへ転送するときに問題を生じ、カードと適正に係合するために何らかの摩擦特性を要求し、駆動ローラは汚染されやすく、定期的に洗浄させる必要があり、また、駆動ローラ軸は書き込みヘッド及び読み取りヘッドの配置を制限する。
タブベルト駆動機構を使用することにより、キャリッジ機構又は駆動ローラ機構の使用の結果として起こる欠陥の多くが排除される。タブベルトは部品が少なく単純であり、駆動モータとベルトの結合がより直接的であり、磨耗しやすいすべり部品はなく、慣性は比較的低いため、速度が増し、エンボス加工カードと共に使用でき、駆動ローラよりコンプライアンスが少なく、駆動ローラを使用した場合に見られるような「ハンドオフ」の問題がなく、ベルトとカードとの摩擦に依存せず、書き込みヘッド及び読み取りヘッドの配置に対する制限は少なくなる。
更に、駆動ローラを使用する場合と比較して、タブベルトを使用すると、より良いプログラミングが実現されることが判明している。これは、駆動ローラがタブベルトより大きなねじりコンプライアンスを有することと、カードの速度の変化を大きくし、プログラミング品質を低下させるような付加的な構成部品を含んでいることに起因するものである。
好ましい実施形態では、ベルト114に3つのタブ116が設けられており、タブはベルト114上に等間隔で配列されているが、図18にはそのうちの2つのタブのみが見えている。複数のタブを使用すると、以下の説明から明らかになるように、タブのカードピックアップ時間を短縮することにより、駆動アセンブリ112の速度が増すので、モジュール100の速度も増す。更に、タブが2つ又は1つになってもベルトは動作するため、複数のタブは信頼性を向上させる。しかし、速度が低下しても、それで十分であるならば、1つのタブなど、タブの数を少なくして利用することは可能である。
図17及び図18に示すように、ベルト114はベルト114を駆動する駆動プーリ118と係合している。駆動プーリ118はモータ120、好ましくはDCサーボモータにより回転自在に駆動される。更に、ベルト114はモジュール100の入口及び出口に隣接して配置されたアイドラプーリ122、124に掛け渡されている(図16〜図18を参照)。ベルト114が回転すると、カードが駆動ローラ102a、102bによりモジュールの中へ送り込まれた後に、タブ116がカードの後方縁部と係合できるように、図16及び図20に示す通り、アイドラプーリ122は駆動ローラ102bの上方に配置されている。更にベルト114が回転すると、カードはモジュール100を通ってモジュール出口まで送り出され、次のモジュールによりピックアップ可能になる。
ベルト114は磨耗しやすく、必要に応じて交換されなければならない。更に、タブ116はベルト114から剥がれ落ち且つ/又は損傷する可能性があるので、ベルトの交換が必要になる。従って、ベルト114は必要に応じて容易に交換できるように装着されている。図18からわかるように、ベルトの交換が必要な場合、ベルトを持ち上げてプーリとの係合から外し、新たなベルトと交換することができる。タブ116が剥がれ落ちたか否かを判定するために、動作中、ベルト114は、タブ116又はそれがないことを感知し、タブが欠落しているときには、ベルトを交換すべきであることをシステムオペレータに通知できるようにコントローラ22へ信号を送信するタブセンサ126を通過する。
センサ126がベルトの除去を妨害するのを防止するために、センサ126及びセンサ126が装着されている取り付けブロック128は、図18に示す動作位置と除去位置(図示せず)との間で移動自在であるように装着されている。ブロック128には溝穴130が形成されており、押さえねじ132は溝穴130を貫通して、モジュールの支持プレート134に設けられている適切なねじ穴(図示せず)と螺合する(図17)。ブロック128は回動軸129に関して回動自在であり、ブロック128及びそれに装着されているセンサ126の回動は溝穴130の端部により制限される。付勢ばね136は、ブロック128に固定されているプレート138に一端部で結合されると共に、他端部ではプレート134に固定されている支柱140に結合されている。使用中、ブロック128は、付勢ばね136及び適正なベルトの張力を維持するために締め付けられる押さえねじ132により、図18に示す位置まで回動される。ベルトの除去が必要である場合には、ブロック128を回動できるように押さえねじ132はゆるめられる。次に、センサ126又はプレート138からの妨害なくベルト114を除去できるように、ブロック128は支柱140から離間するように位置決めされる。
更に図18に示すように、ベルト114の一部の背後にバックアップバー142が配置されている。ベルト114にタブ116があるということは、ベルトのそれらの領域が使用されるタブの大きさに応じてより堅固になるということを意味している。それらの剛性の高い部分は、いずれかのプーリの周囲に沿って湾曲するときに駆動速度の変化を生じさせる。タブが大きくなり且つ/又はプーリが小さくなるほど、速度変化は大きくなる。従って、大きなプーリと小さなタブを使用するのが最も良い。しかし、タブが小さくなるにつれて、タブは弱くなり、特にカードの動きが妨げられるおそれがある場合には、カードの後方縁部に確実な駆動を加えるほど十分な剛性を持たなくなるであろう。その結果、小さなタブは湾曲し、カードの後ろに回り込み、カード詰まりを発生させる。従って、タブの背面は、カードをモジュール100を通して前方へ駆動しているときにタブをより剛性にするように構成されている。タブの背面には、その剛性を増すための肉厚部分が設けられているのが好ましい。タブ116の正面はほぼ平坦であり、カードの後方縁部との最適の前方駆動係合を形成するためにベルト114に対してほぼ直角にベルト114から突出している。
しかし、以下に更に説明するように、カードをモジュール100内部で逆方向に駆動するためにベルトを反転させる必要が頻繁に生じる。カードの反転中、タブの肉厚の背面はカードの前方縁部と接触する。タブ116の背面にある肉厚部分はタブをカードの背後で滑らせる可能性がある。バックアップバー142は、反転中のタブ116及びベルト114の後方への動きを制限し、タブの背面とカードの前方縁部との接触を維持することにより、これを防止する。
モジュール100は別個の書き込みユニット144及び読み取りユニット146を更に含む。書き込みユニット144は読み取りユニット146の上流側に配置され、書き込みユニット144はカード上の磁気ストライプに所定のデータをプログラミングし、その後、読み取りユニット146は磁気ストライプのデータを読み取って、プログラミング動作の適不適を判定する。書き込みユニット144によりカードの磁気ストライプにプログラムされるべきデータはコントローラ22によりモジュール100に提供され、そのデータはカードの所期の用途に特有のものである。読み取りユニット146は、書き込みユニット144の書き込み動作の何らかの欠陥を判定するために磁気ストライプのデータを読み取る。
従来の多くのシステムは、書き込みと読み取りの双方に単一の書き込み/読み取りユニットを利用している。それらのシステムにおいては、当初、カードは書き込みパスでユニットを通して駆動される。その後、カードは反転され、読み取りパスのためにユニットを通って逆方向に駆動されなければならない。前進と逆戻りの動きが必要であるため、プログラミング動作時間が長くなり、そのようなシステムの全体としてのスループット率は低下してしまう。加えて、前進と逆戻りの動きはモジュール及びカード自体の磨耗を増す。更に、利用される単一のヘッドを書き込み機能と読み取り機能の双方に対して最適化することは不可能であるので、最適の書き込みと読み取りを実現できないであろう。
別個の書き込みユニット144及び読み取りユニット146は、読み取り動作のためにカードの進行方向を反転させることを不要にし、その結果、モジュール100のスループット率は向上し、磨耗は減少する。更に、ユニット144、146で使用される書き込みヘッドと読み取りヘッドは書き込み動作及び読み取り動作を最適化するように選択されることが可能である。図20に示すように、書き込みユニット144と読み取りユニット146は、それぞれ、カードの、磁気ストライプとは反対の側を支持するために書き込みヘッド及び読み取りヘッド(図示せず)に対向して配置される、ローラなどの押圧装置148を含む。カードの磁気ストライプは書き込みヘッド及び読み取りヘッドに面し、ヘッドと押圧装置148との間を通過する。書き込みユニット及び読み取りユニットの構成と動作は当業者には良く知られており、その詳細な説明はなされない。別個の書き込みユニットと読み取りユニットを利用する装置は米国特許第4,937,438号に開示されている。
書き込みユニット144及び読み取りユニット146と、上部案内軌道110aはプレート150の上で支持されている。使用中、プレート150は図16及び図17に示すように水平位置に支持され、押さえねじ154により1対の支え152に固定されている。プレート150の後方端部から1対のピン156が延出している。ピン156は、ユニット144、146の書き込みヘッド及び読み取りヘッドへの接近を容易にするために、プレート150を図20に示すサービス位置に配置させる。支え152は、ピン156を受け入れるように位置決めされている、図18に示す穴158を含む。ねじ154をゆるめることにより、プレート150は図20に示す位置まで垂直に回転することができ、ピン156は穴158と整列して、その中に受け入れられる状態になり、それにより、プレート150はサービス位置に維持される。
書き込みユニット144がプログラミングを終了すると、カードはベルト114及びタブ116により読み取りユニット146へ搬送される。磁気ストライプのプログラミングは申し分ないと読み取りユニット146が判定した場合、カードはベルト114により出口に向かって送り出され、そこで、カードは次のモジュールがその個人化動作を完了するのを待つ。次のモジュールがプログラム済みカードを受け入れられる状態になると、ベルト114はカードをモジュール100から送り出すことを完了する。駆動ベルト114は、タブ116がカードの先端部を次のモジュールの投入ローラと係合させるように配列されている。これにより、モジュール100に出口ローラを設ける必要がなくなる。
磁気ストライプのプログラミングにエラーが発生したと読み取りユニット146が判定した場合には、カード上の磁気ストライプが読み取りユニット146又は書き込みユニット144を再び通過できるように、ベルト114を反転させて、カードを書き込みユニット144へ戻すことができる。磁気ストライプが再度プログラミングされたならば、そのプログラミング動作の適不適を判定するために、カードはもう一度読み取りユニット146を通過するように駆動されることが可能である。
モジュール100がカードを排出して、次のモジュールに渡すことができない場合、詰まったカードをカード軌道から除去するための容易な方法をオペレータに提供するために、イジェクト機構160も設けられている。このような事態は、モジュール100内の障害又は下流側モジュールにおける障害のために起こりうるであろう。米国特許第4,518,853号は、イジェクト機構が電子制御の下で欠陥を含んでプログラムされたカードを回収する場所として機能するような、磁気ストライプ符号化装置のカードイジェクト機構を開示している。
本発明のイジェクト機構は図19に最も良く示されている。好ましい実施形態では、イジェクト機構160は、読み取りユニット146及びコントローラ22により供給される信号に基づいて、システムオペレータにより手動操作で作動されるように設計されている。
図19を参照すると、イジェクト機構160は、下部案内軌道110aを遮断し、読み取りユニット146から下流側でカードの底縁部を支持する回動ドア162を具備する。ドア162は、回動軸170に関して回動運動するように支え166、168により回動自在に支持される回動ブロック164の端部に結合されている。スペーサ172は回動ブロックの底部に結合され、プレート134と係合して、図19に示すドア162及びブロック164の標準位置、すなわち、非排出位置を規定するためのストッパとして機能する。ばね174は、回動ブロック164を非排出位置へ付勢させるために、ブロック164に結合されている。
図19に最も良く示されている作動機構176はプレート134の下方に配置され、ドア162を排出位置へ回動するためにイジェクト機構160と接触するように構成されている。作動機構176はプレート134に設けられた穴178を通って上方へ突出し、機構176が上方へ動かされたときに回動ブロック164及びドア162を軸170に関して回動させるためにブロック164と接触する。作動機構176の作動は、システムオペレータがコントローラ22と関連するボタン、好ましくはキーボード23のボタンを押すことにより起こるのが好ましい。
作動機構を使用するのではなく、システムオペレータはモジュール100の中に手を入れることにより手動操作でドア162を回動させることを求められる場合がある。この場合、カードを排出させるべき場合に、システムオペレータがドア162を手動操作で回動させて、カードを排出させるためにモジュール100の中へ侵入している間、システムは休止されているのが好ましい。
ドア162が排出位置まで回動すると、カードはプレート134の溝180を通って落下することが可能である。排出されたカードは、保持ビン184に至るシュート182に落ちる。ドア162が一部開いている(例えば、カードが溝180を通って完全には落下しなかった)か否かを検出するために、センサ186が設けられるのが好ましい。更に、保持ビン184におけるカードの有無を検出するために、ビン184内にセンサ188が設けられている。ドア162が一部開いているか又はビン184内でカードが検出された場合、カードが取り除かれるまで、システムの動作は進行しない。
レーザーモジュール
レーザーモジュール700は図21〜図26に詳細に示されている。モジュール700は、カード所有者の名前のようなカード所有者情報などの情報、又はカード発行当局のロゴ又は名称などの情報がカードに投射されるレーザービームによりカードに追加されるようなカードに対するレーザー個人化を実行するように設計される。レーザー個人化及びレーザーがカード上に個人化情報を生成するプロセスは当業者には良く知られている。カードがレーザー個人化を要求しない場合、単純にカードをモジュール700を通して次のモジュールへ渡すことができる。レーザーモジュール700は1時間に3000枚までのカードに個人化するように設計されているのが好ましい。
図21〜図22に目を転じると、レーザーモジュール700の詳細が示されている。レーザー個人化システムで従来行われていたように、レーザーシステムを含むモジュールの内部及びカードが個人化されるモジュールの領域は、全てのレーザー光を囲い込むことにより、担当者がレーザー光にさらされるのを防止するように設計されている。カードは、モジュール700の光を漏らさない領域の壁704に設けられた投入口702を通ってモジュール700に入る。第1の対の入口駆動ローラ706a、706bはカードの先端部と係合し、カードのモジュール700内への投入を完了させる第2の対の入口駆動ローラ708a、708bまでカードを送り出す。
図22に示され、また、図21には破線で示すように、駆動ローラ706a、706bは、ローラ706a、706bがその高さに沿ってカードのほぼ全面と係合するように、壁704の高さのほぼ全てにわたり延出している。更に、各ローラ706a、706bはモータ708、好ましくはステッパモータにより、駆動ベルト710及び歯車712a、712bを含む駆動機構を介して回転自在に駆動される。更に、正面のローラ706aは、レーザー光をモジュール700の内部に封じ込めるために背面のローラ706bに向かって付勢されている。
各ローラ708a、708bもモータ708により適切な駆動列機構を介して回転自在に駆動される。ローラ708a、708bは、以下に説明するカードプッシャ機構714をカードの後方縁部と係合させて、カードを個人化領域に完全に押し入れ、個人化領域から完全に押し出すために、ローラ706a、707bより短くなっている。
第1の対の出口駆動ローラ716a、716bは個人化の後にカードの先端部と係合し、カードを次のモジュール内へ送り出す第2の対の出口駆動ローラ718a、718bまでカードを出力口717を通して送り出す。ローラ716a、716bは、ローラ706a、706bと同様に、その高さに沿ってカードのほぼ全面と係合し、正面のローラ716aはレーザー光をモジュール700の内部に封じ込めるために背面のローラ716bに向かって付勢されている。各出口ローラ716a、716b、718a、718bもモータ720、好ましくはステッパモータ708により、適切な駆動列を介して駆動される。
ローラ706a、706bとモジュール700の出力部との間で、カードはその上方縁部及び底縁部で上部案内軌道722及び底部案内軌道724によりそれぞれ案内される。案内軌道722、724はモジュール700を通過する一貫した進行経路を維持し、カードの平面はほぼ垂直に向いている。
図21〜図22は、カード面の適切な部分にレーザービーム730を投射するように位置決めされたレーザー機構728により個人化される準備が整った状態で、個人化領域726にあるカードを示す。有効な個人化を実現するために、領域726においてカードを精密に、再現性をもって位置決めすることが要求される。領域726においてカードの整列ミスが生じると、カードの正しくない場所に個人情報が記入されることになる。
カードは、駆動アーム734の一端部から後方へ突出する押し出しピン732を含むカードプッシャ機構714により個人化領域へ押し入れられる。アーム734の他端部は、モータ738、好ましくはステッパモータにより駆動される駆動軸736に結合され、その駆動軸により回転自在に駆動される。
カードは、カードの上方縁部でカードストッパ740を回動させ且つカードの後方縁部で軌道742を回動させることにより、個人化領域726を案内される。カードストッパ740と軌道742は案内軌道722、724とは別個であり、また、ローラ708a、708b、716a、716bを支持する構造とも別である。これにより、カードストッパ740及び軌道742、更にはそれらにより保持されているカードは適切な機構(図示せず)により傾斜され且つ/又は回転されることが可能になる。それらの動きは、個人化されるべきカード面が完全には平坦でない場合に、レーザービーム730が個人化されるべきカード面に対して垂直にカード面と接触することを保証するために必要であることが多い。
カードストッパ740は、カードを領域726内に再現性をもって精密に位置決めするように構成されている。図21〜図23に示されるストッパ740は回動ピン744に装着され、ピン744の軸に関して回動運動する。更に、ストッパ740は、カードを下方の軌道742の中へ強制的に押すことにより、個人化中にカードを所定の位置に確実に保持するために、適切な付勢機構(図示せず)により下方へ(すなわち、ピン744に関して反時計回り方向に)付勢されている。
図23に示すように、ストッパ740はカードの上方縁部が進む溝746を規定している。溝746は溝746の始まりにある水平部分748と、下向きに傾斜した部分750と、上向きに傾斜した部分752と、溝746の出口端部に隣接する下向きに傾斜した部分754とを含む。溝746は、最初にカードが以下に説明するようなプッシャ機構714により準備部分又は未加工部分に押し入れられた後、ストッパ740の付勢力によって、カードが強制的に最終個人化位置へ押し戻されるような形状になっている。
カードが最初に個人情報領域726に入るとき、プッシャ機構714のアーム734は上方へ回転されて、ローラ708a、708bにカードを部分的に領域726内へ送り出させる。カードの後方縁部がローラ708a、708bのニップに近づくにつれて、軸736はモータ738により回転されて、ピン732を降下させ、カードの後方縁部と係合させる。後方縁部がニップから離れると、ピン732はカードを領域726内の、準備、未加工位置へ通し始める。
カードがピン732により押された後、ストッパ740の溝746に入っているカードの上方縁部は、溝746の傾斜部分と共に、ストッパ740に加わっている付勢力に抗して、ストッパ740を押し上げる(すなわち、ストッパ740は時計回り方向に回動する)。カードの上方正面縁部が溝746の傾斜部分754と係合するまでカードはピン732により押され、係合した時点で、ピン732は停止し、その後、カードから離れて上方に戻る。傾斜部分754は、ストッパ740を下方へ付勢させる付勢力を受けて、その後、カードをカードの最終個人化位置まで後方へ移動させる。従って、プッシャ機構714はカードを領域726内に大まかに位置決めするだけで良く、その後、ストッパ740がカードを領域726の一貫して再現可能な位置に最終的に精密に位置決めする。
レーザー機構728による個人化が完了した後、ピン732は再びカードの後方縁部を押し始める。ピン732により押し続けることにより、カードの先端部はストッパ740及び溝746から強制的に離間し、ローラ716a、716bのニップに入る。これが起こると、ローラ716a、716bはカードの出力を引き継ぎ、この後にモジュール700から次のモジュールへ排出するためにカードをローラ718a、718bへ送り出す。他のモジュールの場合と同様に、次のモジュールが現在カードの個人化を実行し、そのカードを送り出すことができる状態になるまで、カードはモジュール700から出るのを待つ。
レーザー機構728の詳細は図24〜図27に示されている。レーザー機構728は、レーザー個人化システムで使用されていた以前のレーザー機構より容易にセットアップできるように構成されている。更に、レーザー機構728は以前のレーザー機構と比較して部品の数が少なく、レーザー機構が移動されるときでも、レーザー調整を維持するように設計されている。
レーザー機構728は、レーザー個人化プロセスの間に互いに位相がずれた状態で動作される、図24〜図26に詳細に示す1対のレーザー760、762を利用するのが好ましい。位相がずれた状態で動作される2つのレーザー760、762を使用することにより、単一のレーザーを使用する場合と比較して、レーザー個人化プロセスの速度はほぼ2倍になる。各レーザー760、762は、図27に示すように、モジュール700の背後に装着された独自の電源764、766を必要とする。
図24〜図26に示すように、各レーザー760、762はレーザービーム730を出力し、それらのビームはビームスプリッタキューブ768を通過し、次にビームエキスパンダ770において拡張され、その後、集束レンズ744を介してガルボ(galvo)機構772により偏向されて、カード上に到達する。ビームエキスパンダ770の後のビーム730の通過を選択的に阻止するために、閉鎖位置で示される安全停止シャッタ776が設けられている。レーザー、ビームスプリッタキューブ、ビームエキスパンダ、ガルボ機構、集束レンズ及び安全停止シャッタの構成と動作は当業者には良く知られており、ここでは詳細な説明を省略する。
レーザー760、762はレーザーの容易且つ正確な調整が可能であるように装着されている。各レーザー760、762は、少なくとも2本の軸に沿って調整されるように、その前端部及び後端部の双方で以下に説明するように調整自在に装着されている。特に、レーザー760は「x」軸及び「z」軸に沿って調整されるように装着され、レーザー762は「x」軸及び「y」軸に沿って調整されるように装着されている。レーザー762の場合、ビームスプリッタキューブ768で反射した後、「y」方向は「z」方向と同じである。
まず、図28〜図29を参照して、レーザー調整の概念を説明する。以前のレーザーシステムでは、レーザーのうちの1つ以上が移動された場合、レーザービームがビームエキスパンダに入射する前に共通の軸を通過するようにレーザーの適正な位置決めを実現するために、骨の折れるプロセスが要求されていた。このように調整が困難であるのは、各レーザーを2本の軸に沿って調整しなければならないためである。単一の調整場所を有する従来のレーザーの場合、これは、第1の軸に沿ってレーザーを調整した後、第2の軸に沿ったレーザーの調整が第1の軸に沿ってたった今行われたばかりの調整を変更するということを意味している。そのため、レーザーを第1の軸に沿って再調整することが必要になり、その結果、第2の軸の調整が変更され、従って、第2の軸の再調整が必要になる。このプロセスを何度も繰り返すことにより、ついに最終調整に到達することが可能になるのである。
各レーザーをその前端部及び後端部の双方で調整自在に装着することにより、レーザー760、762のより速い調整を実現できることが判明している。特に、レーザーの前端部調整位置を適切に選択すれば、まず、レーザービームがビームエキスパンダ770を通過する前に共通軸を通過するまで各レーザーの前端部を調整することにより、その後、ビームが同じ軸を通過し続けるように、前端部調整に影響を及ぼすことなくレーザーの後端部を調整できる。
図28においては、レーザービーム730が通過すべき共通のポイントがCPにより指示されている。ビーム730が共通ポイントCPに当たっているか否かを測定するために、調整プロセスの間、共通ポイントCPにピンホール又は象限センサSを配置することができる。レーザー760の前端部調整ポイント「A」は、ビーム分割キューブ768のミラーmから距離Xだけ離間した位置にある共通ポイントCPに配置されている。レーザー760の後端部は別個に調整可能である。最初に、ビーム730がセンサSにより感知される通りに共通ポイントCPを通過するまでレーザー760の前端部を調整することにより、その後のレーザー760の後端部の調整を、ビーム730が共通ポイントCPを通過する状態を変化させずに実行することが可能になる。
レーザー762の場合には、前端部調整ポイント「A」は図28に示すような位置にあり、「A」はミラーmから距離Xをおいた位置にある。レーザー762の後端部は別個に調整可能である。レーザー762の調整ポイント「A」の距離Xはレーザー760の調整ポイント「A」の距離Xと等しいので、最初に、ビームスプリッタ768のミラーmにより偏向されたビーム730がセンサSにより感知される通りに共通ポイントCPを通過するまで、レーザー762の前端部を調整することにより、その後のレーザー762の後端部の調整を、ビーム730が共通ポイントCPを通過する状態を変化させずに実行することが可能になる。この概念は、レーザー762の場合の、1〜3とラベル付けされた3つの異なるビーム光路を示す図29に示されている。どの光路においても、レーザー762の前端部の調整ポイント「A」が共通しているため、その後のレーザー762の後端部の調整とは関係なく、レーザービームは共通ポイントCPを通り続ける。
次に図24〜図26を参照して、レーザー760、762の装着を説明する。レーザー760、762の装着と調整を説明するに際して、各レーザー760、762の前端部調整位置を図24〜図26では文字「A」により指示し、後端部調整位置を文字「B」により指示する。更に、レーザー760は数字「1」により指示され、レーザー762は数字「2」により指示され、調整方向は「x」、「y」又は「z」により指示される。更に、レーザー機構728は第1の支持プレート778(図24に破線で示す)と、第2の支持プレート780とを含む。レーザー760は第1の装着プレート782、第2の装着プレート784及び第3の装着プレート786に結合され、それらのプレートにより支持されている。更に、レーザー762は第1の装着プレート788、第2の装着プレート790及び第3の装着プレート792に結合され、それらのプレートにより支持されている。
レーザー760の場合、レーザー760は、図24〜26に示すように、前端部調整場所を規定するロケータピンA1X及びA1Zを含む。レーザーの後端部は、後端部調整場所を規定するロケータピンB1X及びB1Zを含む。ロケータピンA1X及びB1Xは第2の装着プレート784に固定され、レーザー870の「x」方向の調整を可能にするためにプレート784がプレート782に対して移動することができるように、第1の装着プレート782に設けられた溝穴を貫通している。図25から明白であるように、プレート784は、プレート786がプレート784と共に「x」方向に移動するように、プレート786に結合されている。ロケータピンA1Z及びB1Zはプレート786に固定され、レーザーの「z」方向の調整を可能にするために支持プレート780の溝穴の中へ延出している。
レーザー762の場合には、前端部は、図24〜図26に示すように、前端部調整場所を規定するロケータピンA2X及びA2Yを含む。レーザーの後端部は、後端部調整場所を規定するロケータピンB2X及びB1Yを含む。ロケータピンA2X及びB2Xは装着プレート792に固定され、レーザー762の「x」方向の調整を可能にするためにプレート792がプレート778に対して移動することができるように、プレート778に設けられた溝穴の中へ延出している。ロケータピンA2Y及びB2Yはプレート790に固定され、レーザー762の「y」方向の調整を可能にするためにプレート790がプレート788に対して移動することができるようにプレート788の溝穴を貫通している。
レーザー760、762のそれぞれ対応するロケータピンに関する調整は、以前のレーザーシステムで使用されていた調整機構に類似する調整機構を使用して実現されることが可能である。当業者であれば、レーザー760、762と共に従来の調整機構をどのようにして実現すべきかがわかるであろう。
グラフィックスモジュール
個人化カードには単色画像が印刷される場合が多い。通常の3色プロセスを使用して印刷されることはないであろう写真、ロゴ、口座番号又はその他の個人情報をこれらの特定のグラフィックスモジュールを使用して印刷できるであろう。以前の構成は、カードをモジュールに挿入し、処理するためにカード経路を採用していた。通常、カードを挿入する目的と、処理のためにカードをカード経路に沿って転送する目的で、別個のローラアセンブリが採用される。以前は、各々のローラアセンブリを制御するために、ステッパモータなどの別個のモータが採用されていた。更に、カードの位置は処理のためにカードの後縁部から参照される。更に、プリントロールから供給されるプリントリボンは、カードを印刷するために使用されるプリントヘッドに隣接して、巻き取りロールまで送り出される。
これらの構成はその目的には適しているであろうが、カード個人化システムで使用されるグラフィックスモジュールに対してはまだ改善の余地があると考えられる。例えば、ローラ間のカードハンドオフの問題を解決し、ローラ間のカードのハンドオフの場合に全体的な一貫性を改善する必要は依然として存在している。加えて、モジュール内部におけるカードの位置及び場所を判定することに関してグラフィックスモジュールに対して改善を行うことが必要である。更に、プリントリボンが容易に計測され、効率良く使用されるようなグラフィックスモジュールを提供することが必要とされている。以下の説明は、本発明の原理に従ってグラフィックスモジュールの既存の構成に対してなされた特徴及び改善を示す。
図30〜図33は、グラフィックスモジュール600を示す。カードがグラフィックスモジュール600を使用するグラフィックスの処理を必要としない場合、カードは単純にモジュール600を通過して、次のモジュールへ送られれば良い。モジュール600は1時間に3000枚までのカードにグラフィックスを適用することが可能であるのが好ましい。
図30〜図31は、本発明のカード個人化システムで使用されるグラフィックスモジュール600の好ましい一実施形態の斜視図を示す。グラフィックスモジュール600は、端部611a、611b、上部613a及び底部613bを有するフレーム610を含む。フレームは上流側部分615a及び下流側部分615bを更に含む。カード経路630は端部611a、611bの間に配置されている。上流側部分615aにおいて、カード経路630は、カードがグラフィックスモジュール600に入ったことを感知するセンサ(図示せず)を組み込まれた光電池620を含む。図31は、モジュール600を通して組み込まれたプリントリボン690を有するグラフィックスモジュール600を示す。
図32に最も良く示されるように、入口ローラ645aは、カードを処理するためにカードをグラフィックスモジュール600内へ侵入させる目的で採用されている。カードは、印刷段階の間にカード経路630に沿ってカードを移動させるモジュール中間搬送ローラ645b(図32)へ転送される又は送り出される。入口ローラ645aは、カードを送るときに、搬送ローラ645bより速い速度で動作するのが好ましい。特に、カードは、印刷のためにカードの速度が落とされるときに、カードが処理ローラ645bにより移動されるときよりも速い速度で入口ローラ645aにより移動される。図32に示すように、入口ローラ645aとして1対のローラが採用され、搬送ローラとして別の1対のローラ645bが採用されるのが好ましい。しかし、カード経路に沿ってカードを搬送するために適切であれば、それより多い数のローラが採用されても良いことは理解されるであろう。ローラ駆動部643はローラ対645の双方のローラを駆動する。図30及び図32に示すように、入口ローラ645a、搬送ローラ645及び出口ローラ645cを駆動するローラ駆動部643が示されている。
モータ641は、ローラを回転するときに、643のようなローラ駆動部に動作結合される。入口ローラ645a、搬送ローラ645b、出口ローラ645c及び印刷ローラ646の回転及び速度を制御するために、1つのモータ641が採用されるのが好ましい。モータ641は、特に速度の変化が広範囲にわたる場合に急速な速度変化により適しているステッパモータではなく、DCモータであるのがより好ましい。1つのモータを使用することにより、複数のステッパモータは不要になり、モジュール600内部におけるローラ間のカードのハンドオフ及び転送が改善される。モータ641はカードの投入及び搬送の際には高速で動作し、その後、モジュール600が必要な個人情報の印刷を開始できるように速度を低下させる。モジュール600を通過するカードは常に少なくとも1組のローラに把持されているのが好ましい。例えば、入口ローラ645aに把持されているカードは、カードが入口ローラから解放される前に搬送ローラ645bに入るであろう。これにより、別個のモータ及び制御部を採用する異なるローラセットの間で起こりうるカード転送時のハンドオフの問題は排除される。ローラを通過するカードのハンドオフを積極的に制御することにより、モジュール600内部におけるカードの位置を確実に予測できる。
搬送ローラ645bと出口ローラ645cとの間には、カード経路630に沿ってプリントヘッド650が配置される。プリントヘッド650は、図33に最も良く示されているように、カード経路630に対して軌道651に沿って経路630に対して垂直な方向に接離するように移動自在であるのが好ましい。プリントヘッド650は準備完了位置、印刷位置及びリボン装填位置を含む3つの位置のうちの1つにあるのがより好ましい。準備完了位置は、個人特定グラフィックス情報を印刷するためにプリントヘッド650に適正なリボン690が巻き付けられており、印刷ローラ646から短い距離(カードの厚さ+遊隙)をおいたところにある位置を構成する。プリントヘッド650の印刷位置は、カードがカード経路630に沿って減速された速度で移動しており、カード経路630に近接してグラフィックス印刷のための適正な位置にあるときである。プリントヘッド650はカード経路にあって、リボン及びカードを印刷ローラ646に圧接し、それにより、印刷が行われるであろう。図30及び図33は、印刷位置にあるグラフィックスモジュール600を示す。リボン装填位置は、プリントヘッド650が軌道651の端部の上方にあり、印刷ローラから最も遠く離れているときに現れる。装填位置にあるとき、供給スプールにリボン製品を装填し且つ/又は巻き取りスプールからリボン製品を取り出すことができる。
印刷位置では、プリントリボンがプリントヘッド650に隣接して巻き付けられた状態のプリントヘッド650は処理されるべきカードに押し付けられる。プリントヘッド650は感熱式プリントヘッドであるのが好ましい。プリントリボン製品がカード上に転写され、接着できるように、リボン及びカードに対して適切な長さの時間にわたり圧力が加えられる。必要な個人特定グラフィックスがカードに入力された後、プリントヘッド650とリボン690はカードから引き離され、グラフィックスモジュール600から解放されるための位置に入る。
装填位置にあるときには、プリントヘッド650及びキャリッジ651はリリースバー653に接触して、それを押すのに十分なほど遠くまでカード経路630から離間される。リリースバー653はキャプスタン657と動作結合され、キャリッジ651により装填位置へ移動されるときにキャプスタン657を押すであろう。この構成では、キャプスタン657は、供給ロール660及び巻き取りロール670の各々が使用済みリボン製品を除去されるか又は次のリボン製品を装填されるように、各ロール660、670から離間するように移動される。プリントヘッド650が準備完了位置又は印刷位置などの装填位置以外の位置にあるとき、通常、キャプスタン657は巻き取りロール670に対して付勢されているのが好ましい。図30は、巻き取りロール670に対して付勢されたキャプスタンを示す。
キャプスタン657が巻き取りロール670に対して常時付勢位置にあるとき、特定のグラフィック画像を印刷するために必要とされるリボンの量を容易且つ正確に測定できる。キャプスタン657は巻き取りロール670の外径の周囲にあるのが好ましい。特に、キャプスタン657をロール670の外径の周囲に位置決めすることにより、カードに印刷するために使用されるリボン製品の特定の量を計測するためにキャプスタン657により要求される回転の量は、巻き取りロール670の直径に関わらず変わらない。更に、巻き取りロール670はそれに応じて使用済みプリントリボン製品を巻き取るために回転し、通常の印刷及び巻き取り状態の間はコンパクトで制御された状態の巻き取りロール670を維持する。
グラフィックスモジュール600は、プリントウェブの張力を維持するアキュムレータ655又は引っ張り部材を更に含む。アキュムレータ655は回動領域655aに関して回動自在であり、プリントヘッド650及び巻き取りロール670へ送り出される前のプリントウェブと接触する。アキュムレータ655は、プリントウェブが適切な張力を維持するようにプリントウェブに対して付勢されている。更に、アキュムレータ655は、プリントウェブの張力を維持しつつ、巻き取りロール670の回転を反転させ、プリントリボンをプリントヘッド650を通過して逆方向に送り出させることができる。例えば、印刷エラーの場合、巻き取りロールの回転を反転させることができ、アキュムレータ655は自動的にプリントウェブに対して回動し、従って、供給ロールの回転を反転させる必要はない。ウェブの張力は維持され、未使用のプリントウェブが無駄に使用されることはない。アキュムレータ655はグラフィックスモジュール600に更なるリボン節約能力を与える。特に、アキュムレータ655は、まだ未使用のプリントウェブを回復するために巻き取りロールの回転を反転させるときに、リボン節約機能を発揮する。
先の投入ホッパの場合と同様に、グラフィックスモジュールの設定を制御するのに必要なデータ情報を提供するために、先に説明した22のようなコントローラが使用される。コントローラ680はモジュール600のフレーム610に配置され、モジュール600を制御するに際して、主コントローラと通信するのが好ましい。図33に示すような電気機械ブレーカ661は、供給ロール660に加えられる抵抗トルクを制御する。電気機械ブレーカは、ウェブの張力を維持しつつ供給ロール660の自由な回転を妨げるために必要なトルクを与えるために使用されるのが好ましい。ウェブの一定の張力を維持するために、供給ロール660の直径が大きければ、より大きなトルクが要求されるのがより好ましい。これに対し、直径が小さくなれば、同じ張力を実現するために要求されるトルクは小さくなる。従って、供給ロール660におけるプリントウェブの供給が少なくなるにつれて、供給ロール660で要求される必要トルクも減少する。更に、供給ロール660のトルクを制御するブレーカ661はカード個人化システムのインタロックには結合されていないため、停電の場合にもウェブの張力は更に維持される。従って、停電が起こった場合、プリントウェブの張力を維持できる。
他の利点に加えて、本発明のグラフィックスモジュールでは、ローラ間のカード転送が改善され、リボン節約機能が向上されている。印刷ローラと共に、入口ローラ、転送ローラ及び出口ローラの全てを駆動するために1つのモータが使用される。グラフィックスモジュールで処理されるカードは常に少なくとも1組のローラにより把持されている。そのような構成は、カードの位置及び場所の監視を改善させることもできる。本発明のグラフィックスモジュールはより都合良く且つ正確に計測されることが可能である。更に、多くの動作事例の間、プリントウェブの張力を維持することができる。
出力ホッパ
出力ホッパは、処理済み、個人化済みのカードを回収するために必要とされる。通常、出力ホッパは、カード個人化システムの処理モジュールを通過し終わり、排出されるばかりになっているカードを回収するためのトレイを含む。カードはカードフィーダを使用してカード経路から排出され、出力トレイに回収される。カードフィーダは処理済みカードをカード経路から押し出し、カード回収トレイに入れる。通常、複数の回収トレイが採用されるが、そのうち少なくとも1つの回収トレイはリジェクトトレイとして使用される。
それらの構造はその目的には適しているであろうが、出力ホッパに対してはまだ改善の余地があると考えられる。回収のためにカードをカード経路から排出する際の信頼性を向上させた出力ホッパは依然として必要とされている。更に、カードがカード経路から排出される準備が整ったことを認識するときの効率を向上させることも必要である。以下の説明は、本発明の原理に従って出力ホッパの既存の構造に対してなされた特徴及び改善を示す。
図1及び図2に示すように、システム10の出力ホッパ50はカードを回収するために最後のモジュール40に隣接して、そのすぐ下流側に配置されている。2つ以上のモジュール40の間を含めて、システム内の他の場所に1つ以上の同様の出力ホッパが配置されていても良いことは理解されるであろう。そのような構成においては、カードが1つ以上のモジュールを迂回できるように、カード経路に沿ってカードを様々なポイントで回収することができる。従って、モジュール40の間を含めて、カード個人化システム10内には複数の出力ホッパが存在していることが可能である。
図34〜図41は、本発明による出力ホッパ50を示す。ホッパ50は、1時間に3000枚までの速度でカードを回収し、積み重ねることが可能であるのが好ましい。
図34は、出力ホッパ50の平面図を示す。出力ホッパは、正面部313a、背面部313b、上流側側部311a及び下流側側部311bを有するフレーム310を含む。カード回収トレイ320はフレーム310に取り外し自在に結合され、フレーム310の正面部313aから背面部313bに向かって配置されている。複数のカード回収トレイ320が採用されるのが好ましく、そのうち少なくとも1つの回収トレイ320aは不良トレイとして使用される。図34に示されるように、3つの回収トレイ、すなわち、正しく個人化されたカードを回収するための2つの回収トレイ320及び不正確に処理されたカードのための1つの不良トレイ320aが示されている。しかし、カード個人化システムごとに、必要に応じて適切な任意の数のトレイが採用されて良いことは理解されるであろう。
各回収トレイ320、320aは少なくとも1つのハンドル321、321aを含む。図34に示すように、ハンドル321は各回収トレイの正面部329aに配置され、ハンドル321aは各回収トレイの背面部329bに配置されている。しかし、任意の適切な数のハンドル又は適切な構成のハンドルを採用しても良いことは理解されるであろう。各トレイは、カードを編成されたスタックとして保持するためにカードトレイ内でカードを支持するカード保持器323を更に含む。軌道によりカードトレイ320、320aに保持されているカード保持器323は、カードトレイの長さに沿って摺動することができる。
カード経路351に沿って、リジェクト回収トレイ320aの下流側及び回収トレイ320の上流側で、磁気ストライプリーダユニット370を稼動させることもできる。磁気ストライプリーダユニット370は、出力ホッパモジュールにあるカードがカード回収トレイへ転送されるべき正しいカードであることを検証するために使用される。各々のカードはリーダユニット370を介して転送され、適切なカードトレイの正面の位置へ移動される。読み取り/検証試験に合格した場合、カードはカードトレイへ排出される。読み取り/検証試験に不合格となった処理済みカードはカード経路352に沿って送り返され、リジェクト回収トレイ320aへ排出される。リーダはカードの磁気ストライプにあるデータのトラックを読み取ることができる。本発明の原理に従った磁気ストライプリーダ370の詳細及び特徴は以下の説明において示される。
図34、図36〜図41は、モジュールを通してカードを案内し、カード回収トレイへ転送されるようにカード経路352の外へカードを案内し、磁気ストライプリーダ370によって磁気ストライプを読み取るためにカードに上向きの付勢力を加えることが可能である、軌道351、357により規定されるカード経路352の好ましい一実施形態を示す。下部カード軌道351は、固定された上部カード軌道357に対してカードを上向きに付勢するためにばねを装荷されている。下部軌道351は、更に、磁気ストライプリーダ370の中間点で分割されている。軌道351、357により規定されるカード経路352は上流側側部311aと下流側側部311bとの間に延出している。
入口ローラ353は上流側側部311aに配置され、処理済みカードをカード経路351に沿って出力ホッパ50に導入するために採用される。タブベルト355は処理済みカードを排出のためにカード経路351に沿ってそれぞれ対応するカード回収トレイまで移動させる。タブベルト355は、カードをカード経路351に沿って送り出すために処理済みカードの側縁部と接触するタブ355aを含む。
図36から図38は、カードをカード経路351から排出して、カード回収トレイ320、320aに入れるために使用されるカードフィーダ340の好ましい一実施形態を示す。処理済みカード390がカード経路351に沿って転送される間、適切なカードフィーダ340が起動され、カードストップがカード経路351を閉塞するようにプッシャアームを前方へ動かす。これにより、カードの先端が対応するカード回収トレイ320の後端部329bと整列された状態でカード390が適切なカード回収トレイの正面に位置決めされることが保証される。各カードフィーダ340は、ほぼ細長い形状のヘッド部分341を含む。カードフィーダ340は少なくともカード390と同じ長さであるのが好ましい。ヘッド部分341はカード390と接触し、カード390をカード経路351から外れて回収トレイ320に向かって押し出し、カードトレイ320に入れる(図37及び図38)。回収トレイ320は、回収トレイ320の各々の側部327a、327bに規定された少なくとも1つの保持部材322を含む。保持部材322は、回収トレイ320へ送り込まれた390のような排出カードを確実に維持する。回収トレイ320ごとに別個のカードフィーダ340があるのが好ましい。
カードをそれぞれの回収トレイへ送り込むための好ましい方法の1つは、各カードフィーダ340のヘッド部分341に傾斜面343を採用する。図37に示すように、傾斜面343はカード390と接触し、カードをカード経路351から押し出す。図38に示すように、カード390はヘッド部分341の傾斜面343との接触によって傾き、カード390は回収トレイ320の一方の側部327bにある保持部材322を通過する。カードフィーダ340がカード390を回収トレイ320のトラフ325の中へ押し込むにつれて、カード390は回収トレイ320の他方の側部327aの保持部材322を通過する。矢印Aはカードフィーダ340のカード進行及び移動の方向を表す。図36〜図38は、回収トレイ320のカードフィーダ340を示す。しかし、不良トレイ320aなどの他の回収トレイについても類似の構造を採用して良いことは理解されるであろう。図39から図41は、カード経路351から押し出され、回収トレイに送り込まれているカード390の平面図を表す。同様の特徴は既に先に説明した図39から図41に示されており、これ以上は説明しない。
図69〜図71は、カードを回収トレイ320、320aに押し込むためのカードフィーダ340’の別の実施形態を示す。この実施形態では、カードフィーダ340’のヘッド部分341’は傾斜面343ではなく、平坦な面343’を有する。ヘッド部分341’は、カードをトレイに押し込む間にある角度で傾斜するように装着されている。ヘッド部分341’は回動部382、383を介してリンクアーム380、381の端部にそれぞれ結合されている。リンクアーム380、381の反対側の端部は、図69の平面図からわかるように反時計回り方向に回転自在である駆動ホイール384に結合されている。
図69に示されるカードフィーダ340’のホームポジションにおいては、ヘッド部分341’と面343’はカード経路と平行である。図70に示すように、駆動ホイール384の回転はヘッド部分341’をトレイに向かって押し出す。同時に、ヘッド部分341’はリンクアーム380、381により傾斜されるので、面343’はカードをトレイに押し込むために角度を成して配置されることになる。駆動ホイール384が更に回転し続けると、ヘッド部分341’はトレイ320に向かって押し出され、その間、リンクアーム380、381は面343’を逆方向に傾斜させて、図71に示すように、トレイへのカードの差し込みは完了する。カードが差し込まれたならば、駆動ホイール384は回転し続けてホームポジションに戻り、次のカード差し込みサイクルの準備が完了する。
図35a〜図35dは、カードインセンサブラケット350の好ましい一実施形態を示す。カードインセンサブラケット350は、第1の端部361a、第2の端部361b及び側部361c、361dを有するほぼ平坦な本体361を含む。第1の端部361は側部フランジ363を含み、第2の端部361bは屈曲側面365を含む。各回収トレイは、図34に示すようなセンサブラケット350などのセンサブラケットを含む。各センサブラケットは、例えば、共通の装着プレート357を介してフレーム310に結合されており、処理済みカードがカード経路351に沿って各センサブラケット350の下方を通過できるように、カード経路351の上方に位置している。センサブラケットは、処理済みカードが回収トレイへ送り込まれるのを待っていることを感知するために適切なセンサ(図示せず)を組み込むことができるようにスペース369を含む。突起部367は平坦な本体361からほぼ垂直に延出している。図35b〜図35dは、それぞれ、センサブラケットの平面図、正面図及び側面図を示す。
本発明の出力ホッパは、他の処理モジュールの間でシステムの各経路においてカードを受け取り、それらを排出するように構成されても良いことは理解されるであろう。これにより、カード個人化システムの中に複数の出力モジュールが存在することが可能になり、配置される出力モジュールは他の処理モジュールの間で動作することになるであろう。
他の利点に加えて、本発明の出力ホッパはコスト効率にすぐれ、モジュールスペース内部におけるカード回収トレイの数を最大にする。本発明のカードフィーダ、カード起動及びカード回収トレイを利用してカードを排出するプロセスは、最小限のスペースの中でカードを迅速、確実に排出する方法を提供する。カードフィーダのヘッド部分にある傾斜面、下部軌道ガイドにあるタング及びカードトレイ保持部材などのカード排出機能は、カードを回収トレイへ送り出す上での信頼性を向上させる。更に、カードインセンサブラケットは、カードが回収トレイに送り込まれているときにカードを感知するためのセンサの構造を改善したものである。
磁気ストライプ読み取りヘッドユニット
図42〜図45は、磁気ストライプ読み取りヘッドユニット500を示す。磁気ストライプ読み取りヘッドユニットは、個人化済みカードにある磁気ストライプ部分から個人情報を読み取る。通常、そのような磁気ストライプ読み取りヘッドユニットはフレームに装着され、カード経路に沿って配置されている。読み取りヘッドユニットは通過するカードと接触して、磁気ストライプに格納されている情報を読み取る。通常、読み取りヘッドユニットは、カード個人化システムにおいて、カードの磁気ストライプに正しい個人情報が格納されていることを検証するために使用される。カードに磁気ストライプがないか、又は磁気ストライプの読み取りが不要である場合には、カードは単純にユニット500を通過すればよい。
それらの構造はその目的には適しているであろうが、磁気ストライプ読み取りヘッドユニットにはまだ改善の余地がある。カードの磁気ストライプとの適切な接触を維持しつつ、カードに対して十分な遊隙を与える磁気ストライプ読み取りヘッドユニットは依然として必要とされている。更に、組み立ての利便性を向上させ且つコスト効率にすぐれた部品を提供しつつ、読み取りヘッドの無用な、望ましくない動きを阻止する読み取りヘッド装着構造が必要とされている。以下の説明は、本発明の原理に従って磁気ストライプ読み取りヘッドユニットの既存の構造に対してなされた特徴及び改善を示す。
図42は、以下の説明中ではリーダユニットと呼ばれる磁気ストライプ読み取りヘッドモジュール500の好ましい一実施形態を示す。リーダユニット500は、上部521a、底部521b、側部517a、517b、正面部523a及び背面部523bを有するフレーム510を含む。側部517bは、フレーム510の側部517bからほぼ垂直に、正面部523aから外側へ延出する取り付け突起部511を有する翼状部分を規定する。側部517aは側部517bと全く同じ構造と配列を含み、対称形のフレーム510を構成していることが理解されるであろう。取り付け突起部511は、フレーム510を別の構造に装着するためにねじなどの固着部材を固定できる取り付け穴511aを含む。例えば、図34は、出力ホッパ50のフレームに装着された磁気ストライプリーダユニットを示す。リーダユニット500は、図34に示されるようなリジェクトトレイと正しく処理されたカードに対応する回収トレイとの間に(回収トレイ320、320a)装着されるのが好ましい。
正面端部523aと背面端部523bの双方に、読み取りヘッドホルダ530が装着されている。背面端部523bに示されている位置規定ピン543はホルダ530をフレーム510と整列させ、更に調整を補足する必要なく読み取りヘッドを正確に位置決めすることを可能にする。図42に示すように、位置規定ピン543は背面部523bに示されている。しかし、正面端部523aが背面端部523bと全く同じ位置規定ピン構造を含むことは理解されるであろう。肩付きねじ560は圧縮ばね(図示せず)を採用しているので、読み取りヘッドホルダ530にある2つの読み取りヘッド550(43に示す)により均一な力が加えられる。
読み取りヘッドホルダ530は共に上部531aと、底部531bとを含むのが好ましい。ねじなどの固着部材561は上部531aに向かっており、読み取りヘッドホルダ530をフレーム510に装着する。読み取りヘッドホルダ530の底部531bは、側部に少なくとも1つのカードガイド541が配置されている読み取りヘッド支え533を含む。更に、読み取りヘッドホルダ530の側部の周囲に配置されたばね535は読み取りヘッド550を矢印Aにより示されるカード進行方向に付勢している。図42及び図43は読み取りヘッド530の片側にあるばね535、支え533及びカードガイド541を示す。しかし、2つの読み取りヘッドホルダ530が共にばね535、読み取りヘッド支え533及びカードガイド541の構造を含むことは理解されるであろう。図43に最も良く示されるように、読み取りヘッド550は回動ピン565を介して読み取りヘッドホルダ530に取り外し自在に結合されている。回動ピン565は読み取りヘッドホルダ530の側部に結合し、ばね535によりカードの方向に付勢されている。
更に、図43に最も良く示されるように、フレーム510の中に回動自在に装着された軸574にカム機構572が固定されている。軸574は第1の位置(図43に示す)と、矢印Bの方向により指示される第2の位置(図示せず)との間で動作されることが可能である。図43に示すように、第1の位置では、カム572は読み取りヘッドホルダ530と接触していないので、カード上の情報の読み取りが可能である。軸574が矢印Bの方向に回転されるにつれて、カム572も回転するため、領域576a、576bは読み取りヘッドホルダ530と接触して、読み取りヘッドホルダ530をカード軌道から離間するように回動させ、その結果、読み取りヘッド550及び読み取りヘッドの部分559はカード面と接触しなくなる。500のような読み取りヘッドモジュールが磁気ストライプを持たないカードを処理する場合、読み取りヘッド550の読み取りヘッド部分559の無用な磨耗を回避する目的のために、カード軌道からヘッドを除外することは好都合である。
図43aに最も良く示されるように、読み取りヘッド550は読み取りヘッド550の側部555a、555bに切り欠き557を含む。読み取りヘッド550は切り欠き557を介して各読み取りヘッドホルダ530にあるピン565に回動自在に結合されている。読み取りヘッドユニット500は正面523の側と背面523bの側の双方を読み取ることができるのが好ましい。先に説明したように、ばね力が読み取りヘッドをカード進行方向Aに付勢し、この力は図42及び図43に示される読み取りヘッドホルダ530のばね535のようなばねにより加えられる。
カードが読み取りヘッドユニット500を通って進む間に読み取りヘッドホルダ530がフレーム510から外側へ湾曲可能なように、ホルダ530は少なくとも部分的にフレキシブルな材料から形成されているのが好ましい。しかし、読み取りヘッドホルダ530の材料は、読み取りヘッド部分559とカード上に配置されている磁気ストライプとの適切な接触を維持するためにカードの面に対するねじれを防止するのに十分な剛性を有しているのが好ましい。読み取りヘッドホルダ530は、上部531aと底部531bとの間に配置された回動領域537を含むのが更に好ましい。回動領域537は読み取りヘッドホルダ530の、その他の部分より肉薄である部分を含む。回動領域537があることにより、読み取りヘッドホルダは回動領域537で湾曲し、ヒンジとして機能することができる。回動領域537はリーダユニット500を通過するカードの隙間を許容するのに十分に湾曲することができる。読み取りヘッドホルダ530は、読み取りヘッド部分559とカード上に配置された磁気ストライプとの適切な接触を維持したまま湾曲することができるのが好ましいであろう。
図44は、読み取りヘッドホルダの別の好ましい実施形態を示す。読み取りヘッドホルダ530aは弾性プレート580を有する剛性フレーム590を含む。剛性フレーム590の尖った形状の端部590aはプレート580と接触している。尖った端部590aはプレート580に直接に当接しているのが好ましい。読み取りヘッド550aはプレート580に装着されている。プレート580は、ねじ又はボルトなどの固着部材591を介してフレーム590に装着されている。プレート580はカード進行方向及びカード進行方向に対して垂直な上下方向への読み取りヘッド550aの動きを制約する。更に、読み取り部分と通過してゆくカードの磁気ストライプとの適切な接触を維持しつつ、通過するカードに遊隙を与えるために、プレート580はカードの磁気ストライプに対して接離するように弾性的に湾曲しても良い。
読み取りヘッドホルダの別の実施形態では、図45a〜図45cは、支え592aを含むフレーム592を有する読み取りヘッドホルダ530bを示す。支え592aは、溝穴切り欠き557a(図45cにも示す)において読み取りヘッド550bに動作結合されたピン又はベローズ566を含む。読み取りヘッド550bはピン566を介して読み取りヘッドホルダ530bに回転自在に結合されている(図45b)。図45bに最も良く示されるように、読み取りヘッドホルダ530bは500aとして概略的に示されている読み取りヘッドユニットのフレームに動作結合されることが可能である。読み取りヘッドホルダ530bはフレーム500aに結合され、ばね570(図45b)を使用して付勢されている。図45cは、上部554a及び底部554bを含む読み取りヘッド530bを示す。溝穴切り欠き557aは側部556aに配置されるとして示されている。側部557bは側部557aと全く同じ溝穴切り欠きを含むことが理解されるであろう。
他の利点に加えて、読み取りヘッドユニット500は、通過してゆくカードの磁気ストライプに対して適切な接触を維持したままで、読み取りヘッドの動きを制約するための改善されたフレーム構造及び支えを提供する。更に、本発明の読み取りヘッドユニットは、組み立てるのに好都合であり、調整の必要をなくした構造を提供する。更に、読み取りヘッドユニットは、読み取りヘッドユニット全体を交換することなく容易に交換できる読み取りヘッドを提供する。この構造は、最小限のスペースを占め、部品の数が少なく、コスト効率にすぐれたユニットを提供する。
出力ホッパ50で使用するための磁気ストライプリーダ1500の別の実施形態が図72に示されている。リーダ1500はカード上の磁気ストライプを読み取るために他のモジュールでも使用されることが可能であろう。リーダ1500は、磁気ストライプが読み取りヘッドにより読み取られているときにカードの振動を減少させるか又は排除し、それにより、読み取りヘッドによる磁気ストライプからのデータ回復の信頼性を向上させるように設計されている。
それらの振動の原因の1つは上下の剛性のカードガイド手段を使用していることである。上部カードガイド手段及び下部カードガイド手段は互いに対して決して厳密に平行になることができないか、又はその面は平坦ではないので、その結果、いずれかの端部でカードとガイド手段との間に空間ができてしまう。この空間があるために、カードの端部はその端部で上下に動き、読み取りヘッドにおいても同様のカードの前方/後方への運動が起こる。これにより、データの正確なタイミングをとることが困難になり、読み取り機能の信頼性は低下する。
従来、この種の問題は上部又は下部のいずれかのカードガイド手段でコンプライアント付勢ばね部材を使用することにより排除又は緩和されていた。このコンプライアス付勢ばね部材はカードと縁部全体に沿って接触することにより、カードとガイド手段との間の空間を狭めるか又はなくす。しかし、場合によっては、コンプライアント付勢ばね部材を使用することが不可能であったり、更にカードの動きを安定させることが求められることもある。
図72に示されるリーダ1500においては、読み取りヘッド1504の下方に1対のゴムローラ1502が装着されており、1つのローラ1502はカード1506の正面にあり、1つのローラ1502はカードの後側にある。ローラ1502は固定ピン1508の適切な軸受に装着されている。更に、ローラ1510が読み取りヘッド1504に対向して装着されている。読み取りヘッド1504及びローラ1510は先に説明したホルダの1つ、例えば、ホルダ530,530a又は530bのうちの1つに装着されているのが好ましい。
ローラ1502のゴムを圧縮させるために、ローラ1502の中心はある距離をおいて離間されている。その結果、カード1506がローラ1502を通過するときに、カードに何らかの抵抗が与えられる。その結果、カードの動きに制動効果が加えられるため、読み取りヘッド1504に対するカードの急速な運動の変化は排除又は減少され、読み取りの信頼性が向上する。
同様に固定ピン装着部1514に適切な軸受を有する更に別のゴムローラ1512を任意に使用することが可能である。ローラ1512はそれが接触しているローラ1502から離間されており、ゴムは圧縮されている。別のローラ1512は読み取りヘッド1504に対するカードの動きを更に大きく制動し、円滑にする働きをする。この場合、カードの動きの変化は約25%から5%に減少することが判明しており、読み取りの信頼性はカード20枚に1回のエラーからカード10000枚に1回のエラーに向上した。
磁気ヘッド
本発明は、カードの磁気ストライプにデータを書き込み又は記録し、磁気ストライプからデータを読み取るために使用される磁気ヘッドに関連する改善を更に含む。
一実施形態では、書き込みユニット144の磁気ヘッド又は読み取りユニット146の磁気ヘッドなどの磁気ヘッド、あるいは読み取りヘッド550に、メモリを有するチップが配置されている。磁気ヘッドにチップを配置することにより、システム10は部品番号、能力、設置の日付、ヘッドを通過したカードの枚数などのヘッドに関する情報をアクセスすることが可能になる。この情報は、例えば、保守を開始するため、又は磁気ヘッドの耐用年数及び性能を追跡するために使用されることができる。この情報は、ヘッドが組み込まれたモジュール、従って、全体としてのシステムの信頼性を向上させるのに非常に有用である。この種の情報は、手動操作で入力することが必要であり、特定の各々のヘッドと相関させなければならないために、従来の手段により情報を獲得することは非常に困難であり、データを無効にする又は誤った結論に導くヘッドは容易に交換することができるであろう。
別の改善においては、磁気ヘッドは磨耗検出能力を含むことができる。記録のために一般に使用されている磁気ヘッドの場合、カードがヘッドの面と接触しながら繰り返し通過するにつれて磨耗が起こる。図54には、従来の磁気ヘッド900の横断面側面図が示されている。ヘッドが磨耗する間、ヘッドの磁気性能はわずかに好転するが、ヘッドが磨耗するにつれて、カードとの良好な接触を維持することは更に困難になる。磨耗により平坦な領域902が広がるにつれて、ヘッドとカードとの角度の上での整列のわずかな変化がヘッドの中心をカードとの密接な接触からずらすため、性能の劣化をもたらす。また、ヘッドが磁気深さmd(通常は0.02インチ未満)の底まで磨耗してしまうと、それ以上の磨耗はヘッドの突然の故障を引き起こす。
磁気ヘッドの磨耗指示器センサを含めることにより、センサにより前もって警告が与えられるため、突然の故障が起こる前に、又は定期的なサービス期間をおいてヘッドを交換することができるようになるであろう。ヘッドが新品であるときは、ヘッドの値は校正され、その後、システム10、又はヘッドが利用されているモジュールに記録されるか、あるいは先に説明したようにヘッドに設けられているメモリチップにロードされる。ヘッドが磨耗するにつれて、ヘッドの値は変化し、設定値に基づいて、設定期間中にヘッドが保守されるべきであるという通知がシステム10に対してなされるであろう。
図55及び図56に示される好ましい実施形態では、センサ904は磁気ヘッド906の接触面に配置されている。電気絶縁体912a、912bにより包囲されている導電性材料の2つの層910a、910bの間に、半導体材料908が配置されている。導電性材料910a及び910bで測定される抵抗は半導体材料908の面積によって決まるので、材料908が磨耗するにつれて、抵抗は増加する。このようにして、ヘッド906の機械的磨耗に密接に似ているヘッドの磨耗を測定することができる。
別の実施形態においては、ヘッド磨耗を監視するための容量性素子を形成するために適切な材料が使用される。更に別の実施形態では、機械サイクルの遊休時間中に書き込み又は読み取りに使用される電気巻線914のインダクタンスを使用するために、電気回路が使用される。ヘッドが磨耗するにつれて、インダクタンスはゆっくりと変化するが、磁気底部がすり切れてしまうと急速に変化する。
クリーニングモジュール
図57〜図60は、システム10内のモジュール40の1つを形成するクリーニングモジュールのクリーニング機構1000を示す。クリーニングモジュールは、クリーニング機構1000を介して、カード面から汚染物質を除去するためにカードの両面を清浄にするように設計されている。異物、塵埃及び油などの、カード面の汚染物質は個人化タスクを妨害し、その結果として個人化の品質を劣化させる可能性がある。グラフィックスモジュール600及びレーザーモジュール700により実行されるタスクは特にカード汚染の影響を受けやすいため、クリーニングモジュールはそれらのモジュールの前に配置されるのが好ましい。しかし、クリーニングモジュールはシステム10内の、投入ホッパ30の下流側のどのような場所に配置されることも可能であろう。更に、システム10は2つ以上のクリーニングモジュールを利用することができる。
従来の多くのクリーニングモジュール及びそれらのモジュールで使用されているクリーニング機構は1対のクリーニングローラを含み、カードの両面から汚染物質を除去するために、カードはそれらのローラの間を通過する。その後、クリーニングローラから汚染物質を剥ぎ取る又は除去するために各クリーニングローラと接触するストリッパテープを使用して、汚染物質はクリーニングローラから除去される。従来のクリーニングモジュール及びクリーニング機構の一例は米国特許第5,401,111号に開示されている。ストリッパテープは、通常、供給ロールから供給され、ローラから汚染物質を剥ぎ取った後、巻き取りロールに巻き取られる。従って、ストリッパテープは定期的な交換を必要とする消耗品である。
ストリッパテープの寿命を延ばすために、巻き取りロールの使用済みテープを取り出し、それを供給ロールとして使用することにより、テープを再利用する場合が多い。この場合、巻き取りロールを物理的に取り外し、それを再利用のために供給ロールスプールに差し込むためにユーザの介入が必要であるため、不都合である。
クリーニング機構1000は従来のカードクリーニング機構のこの問題及び他の欠陥を解決するように設計されている。クリーニング機構1000は、ストリッパテープ1002が巻き取りロール1004に巻き取られる前に自動的にストリッパテープを再利用するように設計されている。従って、ストリッパテープの供給ロール1006の寿命が延長されるので、クリーニング機構1000に対するユーザの介入が要求される頻度は低減される。
次に図57を参照して、クリーニング機構1000の詳細を説明する。モジュールの入口には、上流側モジュールからカードを受け取り、カードをクリーニング機構1000に送り込むための1対の入口ローラ1008a、1008bが設けられている。上部入口ガイド1010a及び下部入口ガイド1010bはカードをローラ1008a、1008bの間のニップへと案内するのを助け、クリーニングローラアセンブリ1012に至るカード経路を規定する上下のカード軌道を規定している。
図58〜図60に示す1対の出口ローラ1014a、1014bは、カードをクリーニングモジュールから次のモジュールへ送り出すために機構1000の出口側に隣接して設けられている。上部カードガイド1016及びこのガイド1016に対向して配置された下部カードガイド(図示せず)は、カードがローラアセンブリ1012を出るときにカードを案内し、モジュールの出口に至るカード経路を規定している。
図57に示すように、入口ローラ1008a、1008b及び出口ローラ1014a、1014bは、ローラ1008a、1008bに対応する駆動ベルト1020及びプーリ1022と、ローラ1014a、1014bに対応する同様の駆動ベルト及びプーリ(図示せず)とを介して電動機1018、例えば、ステッパモータにより駆動される。入口ローラ1008a、1008b及び出口ローラ1014a、1014bは、以下の説明から明らかになると思われる理由により、等しい速度で駆動されるのが好ましい。
入口ローラ1008a、1008bは、1対のクリーニングローラ1024a、1024b(図57)を含むクリーニングローラアセンブリ1012へカードを送り込む。カードは、ローラ1024aがカードの片方の面と接触し、ローラ1024bはカードの反対側の面と接触するように、クリーニングローラ1024a、1024bのニップを通過する。クリーニングローラ1024a、1024bの外面は粘着性があるので、カード面の汚染物質はクリーニングローラにより拾い上げられ、クリーニングローラに接着する。粘着性の外面を有するクリーニングローラの使用は米国特許第5,401,111号に記載されている。カードの一部に既に接触したローラの外面部分がカードの別の部分と接触するまで回転しないように、各ローラ1024a、1024bの直径はカードの長さとほぼ等しいか又はそれより大きくなるように選択されている。
更に図57を参照すると、クリーニングローラ1024a、1024bは、下部タレットプレート1026及び上部タレットプレート1028を含むタレット本体に回転するように装着されている。各々のタレットプレートは、カードがローラ1024a、1024bを通って進む間にカードの上下の縁部を案内するための軌道を規定している。互いに駆動するように係合している駆動ホイール1030a、1030bは、ローラ1024a、1024bを同期させて逆方向に回転駆動するために、ローラ1024a、1024bにそれぞれ結合されている。駆動ホイール1030a、1030bはゴムホイールであるのが好ましいが、他の種類の駆動ホイールも使用できるであろう。駆動ホイール1030a、1030bは、駆動ホイール1030bと駆動するように係合している駆動ホイール1032、例えば、ゴムホイールと、ゴムホイール1034と、ホイール1034に結合された第1のプーリ1036と、ベルト1038と、入口ローラ1008bから延出する軸1042に結合され、その軸1042により駆動される第2のプーリ1040とを含む駆動チェーンにより駆動される。その結果、クリーニングローラ1024a、1024bの回転は入口ローラ1008a、1008b及び出口ローラ1014a、1014bの回転と同期され、それと同じ回転速度を有する。従って、カードが入口ローラ1008a、1008bによりクリーニングローラ1024a、1024bに送り込まれ、クリーニングローラから出口ローラ1014a、1014bに向かう間、カードの円滑な移送が実現される。
タレットプレート1026、1028を具備するタレット本体はプレート1026、1028の中心を通る中心長手方向軸に関して回転自在であり、この軸はクリーニングローラ1024a、1024bの長手方向軸と平行に延出している。プレート1026、1028に回転自在に装着されたクリーニングローラ1024a、1024bはプレート1026、1028と共に回転する。タレット本体の回転は、駆動ホイール1030bと駆動ホイール1032との駆動結合を解除し、クリーニングローラから汚染物質を除去するためにこの後にストリッパテープ1002と係合させるためにクリーニングローラ1024a、1024bを位置決めするために使用される。タレット本体は、タレットプレート1026から下方へ延出する軸に結合された、ベルト及びプーリなどの適切な駆動機構を介して、電動機1044、例えば、ステッパモータにより回転される。タレット本体を回転させるための機構の一例は米国特許第5,401,111号に開示されている。
図58〜図60に示すように、タブ1046は上部タレットプレート1028に結合されている。センサ1048は、タレット本体のホームポジションを判定するためにタブ1046を感知する。タレット本体のホームポジションは図58に示されており、センサ1048がタブ1046を感知していることがわかる。クリーニングローラ1024a、1024bからの汚染物質の除去は、タレット本体をホームポジションから時計回り方向又は反時計回り方向のいずれかに回転させることにより起こる。まず、汚染物質がクリーニングローラ1024aから除去され、続いてタレット本体を第2のクリーニング位置まで回転させることにより、クリーニングローラ1024bから汚染物質が除去されるように、タレット本体は第1のクリーニング位置まで回転されるのが好ましい。
クリーニングローラ1024aから汚染物質を除去するために、まず、タレット本体はモータ1044により時計回り方向に図59に示す第1のクリーニング位置まで回転される。第1のクリーニング位置では、駆動ホイール1032は駆動ホイール1030bと係合しなくなるので、クリーニングローラの駆動機構の係合は解除され、クリーニングローラの駆動は阻止される。クリーニングローラ1024aがクリーニングされた後、タレット本体は図59に示される位置から反時計回り方向に約180度、第2のクリーニング位置まで回転される。第2のクリーニング位置では、クリーニングローラ1024bは第1のクリーニング位置でクリーニングローラ1024aが以前に占めていた位置を占め、第1のクリーニングローラは以前に第2のクリーニングローラが占めていた位置を占める。第1のクリーニング位置の場合と同様に、第2のクリーニング位置でも、駆動ホイール1032は駆動ホイール1030a又は1030bのいずれとも係合していないので、クリーニングローラの駆動は不可能である。クリーニングローラ1024bがクリーニングされた後、タレット本体は好ましくは反時計回り方向にホームポジションまで回転され、回転された時点で、別のカードがクリーニングのためにクリーニングローラ1024a、1024bに送り込まれることができる。
次に、図57〜図59を参照して、ストリッパテープ1002及びその動きの詳細を説明する。ストリッパテープ1002は供給ロール1006から供給され、使用済みストリッパテープは巻き取りロール1004に巻き取られる。供給ロール1006は、ストリッパテープ1002がロール1006から引っ張られたときに回転する、駆動されない回転自在のスピンドル1050に配置されている。供給ロールの回転を検出し、ロールに残っているテープの量を予測するために、スピンドル軸にエンコーダが接続されている。キャプスタンローラ1052は、供給ロール1006の回転に抗するように供給ロール1006の外面に対して付勢されている。巻き取りロール1004は、電動機1056、例えば、ステッパモータにより回転自在に駆動されるスピンドル1054に装着されている。使用済みストリッパテープ1002の一部を巻き取るべき時点になると、電動機1056が起動されてスピンドル1054を回転させ、それにより、巻き取りロール1004が回転して、一定の量の使用済みストリッパテープを巻き取りロールに巻き取る。
ストリッパテープの待機位置を示す図58を見ると、ストリッパテープが供給ロール1006から出ており、初めに固定ガイドローラ1058を通過し、次に第1の可動ローラ1060の周囲を通過し、第1の回転自在のテープ駆動ローラ1062の周囲を通過し、可動バッキングローラ1064の周囲を通過し、第2の回転自在のテープ駆動ローラ1066の周囲を通過し、最後に第2の可動ローラ1068を通過して、巻き取りロール1004まで進むことがわかる。ストリッパテープ1002の片方の面1070(図57に示される)は、クリーニングローラ1024a、1024bの面より接着度が高い物質で被覆されている。接着面1070はバッキングローラ1064とは反対の側に面するように配置され、従って、クリーニングローラ1024a、1024bに面している。接着面1070をクリーニングローラの外側の粘着面と接触させることにより、クリーニングローラから汚染物質が除去されて、クリーニングローラは新たなカードに対してクリーニング動作を実行できるようになる。
図58及び図59を参照すると、可動ローラ1060及び1068は、1対のロッド1076、1078にそれぞれ摺動自在に支持されているスライドブロック1072、1074にそれぞれ装着されている。図面には各対のうち一方のロッドしか見えていない。従って、ローラ1060はスライドブロック1072によってロッド対1076の軸に沿って図58に示す位置と、図59に示す位置との間で移動自在である。同様に、ローラ1068はスライドブロック1074によってロッド対1078の軸に沿って図58に示す位置と、図59に示す位置との間で移動自在である。ばね1079(図59を参照)はその一端部でスライドブロック1072に結合され、ばね1080(図58を参照)はその一端部でスライドブロック1074に結合されている。ばね1079、1080の反対側の端部は、プレート1083に装着された1対のプーリ1082a、1082bの周囲を通るケーブル1081により互いに結合されている。ばね1079、1080とケーブル1081は、ローラ1060が図58の位置から図59の位置へ動いた場合、ローラ1068も図58の位置から図59の位置へ動くように、ローラ1060、1068の動きを同期させる。ローラ1060、1068の動きの目的については以下に説明する。
回転自在のテープ駆動ローラ1062、1066は、ローラ1060及び1068とは異なり、位置を固定されている。しかし、ローラ1062、1066はそれぞれ対応する電動機1084a、1084bにより、それぞれのローラ駆動ハウジング1063、1067の下方に設けられた適切な駆動機構(図示せず)を介して回転自在に駆動される。ローラ1062、1066の外面は、ローラ1062、1066にストリッパテープ1002の接着面1070をつかませ、また、解放させると共に、ローラ1062、1066が適切な方向に回転されたときには、ストリッパテープを供給ロール1006から引き出す接触面を少なくする、刻み付き組織を有する。
バッキングローラ1064は、タレット本体から延出し、プレート1083にプレート1083と一体に動くように結合されたスライドブロック1085(図60に最も良く示されている)に装着されている。スライドブロック1085はロッド対1086(図58及び図59には一方のロッドのみが見えている)の軸に沿って摺動自在であり、電気駆動モータ1087(図57を参照)により適切な駆動機構(図示せず)を介してロッド対1086に沿って選択的に駆動される。従って、バッキングローラ1064は図58に示す待機位置から図59に示すクリーニング位置まで移動自在であり、クリーニング位置において、ストリッパテープ1002の接着面1070はクリーニングローラ1024aの外面と接触される。
また、バッキングローラ1064は、新たなストリッパテープ供給ロールの装填が必要なときに、図60に示す位置へ移動可能である。バッキングローラ1064が図60に示す位置へ移動するにつれて、スライドブロック1085はロッド1087の自由端部と接触し、ロッド1087の反対側の端部はキャプスタンローラ1052と関連するレバー機構1088を作動する。スライドブロック1085はロッド1087を後方へ押し、ロッド1087はレバー機構1088を介してキャプスタンローラ1052を供給ローラ1006との係合から解除して、使用済み供給ロールの除去と新たな供給ロールの装填を容易にする。更に、スライドブロック1085が図60に示す位置へ移動するにつれて、その各々の側部から突出しているアーム(図示せず)が、例えば、スライドブロック1074にあるフランジ1089及びブロック1072にある同様のフランジ(図示せず)と係合することにより、スライドブロック1072、1074と接触する(図57を参照)。スライドブロック1085のアームと、スライドブロック1072、1074との接触によって、スライドブロック1072、1074は強制的に図60に示す位置へ動かされる。ローラ1064を図60に示す装填位置まで機械的に駆動するのではなく、ローラ1064を手動操作により装填位置まで動かすことができるように、スライドブロック1085にハンドル1090を結合することが可能である。
図60の様々なローラの位置においては、図58に示す待機位置でローラにより形成されている比較的曲がりくねったテープ経路を縫ってテープが進む必要がないため、新たなストリッパテープの装填には好都合である。そのような経路を通るのではなく、テープ1002は単純にローラ1058を通過し、ローラ1060、1064、1068とローラ1062、1066との間を通過し、巻き取りロールに巻き取られるだけである。新たなテープが装填されると、ローラ1064は駆動されて図58に示す待機位置に戻り、ローラ1060、1068は自動的に待機位置に戻る。
次に、図58及び図59を参照してクリーニング機構1000のクリーニングサイクルを説明する。ストリッパテープ1002が待機位置(図58)にあるとき、カードはクリーニングローラ1024a、1024bの間を通過し、クリーニングローラはカード面から汚染物質を拾い上げる。クリーニングされたカードは、隣接する下流側モジュールがそのカードを受け取る準備を整えるまで、クリーニングモジュールの出口で待機する。次に、タレット本体が時計回り方向に回転されて、クリーニングローラ駆動機構との係合を解除され、クリーニングローラ1024aをクリーニングできる位置へ移動させる。そこで、ストリッパテープ1002がクリーニングローラ1024aの外面と接触するまで、バッキングローラ1064はクリーニングローラ1024aに向かって図59に示す位置まで送り出される。
次に、テープ駆動ローラ1066は反時計回り方向に回転して、テープをクリーニングローラ1024aの面に沿って前方へ引っ張る。この方向にテープが駆動されると、テープ駆動ローラ1066と巻き取りロール1004との間のテープの長さが増すので、可動ローラ1068はカード経路に向かって移動することができる。同時に、供給ロール1006とテープ駆動ローラ1062との間のテープの長さが減少するので、可動ローラ1060は強制的にカード経路から離間するように移動される。この方向に移動されるテープの長さは、ローラ面全体がクリーニングされるように保証するために、クリーニングローラ1024aの周囲と等しいか、又はそれより大きい。可動ローラ1060がその進行の限界に到達し、それ以上のテープが必要とされると、必要とされたテープの残り部分は供給ロール1006から剥ぎ取られる。
クリーニングローラ1024aの面がクリーニングされたならば、バッキングローラ1064はクリーニングローラ1024との係合から解除された準備位置(図58を参照)に戻る。そこで、テープ駆動ローラ1062は時計回り方向に回転して、テープを後方へ反対方向に引っ張る。この方向にテープが駆動されると、テープ駆動ローラ1062と供給ロール1006との間のテープの長さが増すので、可動ローラ1060はカード経路に向かって移動することができる。同時に、巻き取りロール1004とテープ駆動ローラ1066との間のテープの長さが減少されるので、可動ローラ1068は強制的にカード経路から離間するように移動される。この方向に移動されるテープの長さは再利用されるテープの量を確定する。この長さは選択自在であり、0(例えば、再利用なし)から前進方向へのテープ移動量に等しい長さ(例えば、100%再利用)までの範囲にわたる。後方へ移動されるテープの長さが前方へ移動されるテープの長さより短い場合、可動ローラ1068はその準備位置に到達しない。この場合、巻き取りロール1004は時計回り方向に駆動され、その結果、可動ローラ1068は準備位置に到達するまでカード経路から離間するように移動する。次に、タレット本体は半時計回り方向に180度回転されて、クリーニングローラ1024bをクリーニングのための位置に置く。その後、クリーニングローラ1024bに対してローラクリーニングサイクルの残りが繰り返される。
尚、1つのカードサイクルの間に2つのローラを共にクリーニングする必要はないことに注意すべきである。第1のローラ1024aをクリーニングし、タレットをホームポジションに戻し、その後、別のカードをクリーニングローラ1024a、1024bの間に通し、続いて第2のクリーニングローラ1024bをクリーニングすることは可能である。
ローラ
例えば、カード個人化システムではローラが使用されることが多い。通常、ローラは、カードを処理モジュールに投入すること及びカードを処理モジュールから排出することを含めて、カードを処理モジュールから処理モジュールへ搬送するために使用される。更に、ローラは、投入ホッパではカードをピックアップするために使用され、グラフィックスモジュールではカードを投入するために使用される1組のローラから特定のカードに対してグラフィックスを処理するために採用される1組のローラまでカードを送り出すために使用されるなど、処理モジュールの中でも使用される。以前、ローラは、円筒形の本体が結合されており、カードを把持するための面を形成するハブ部分を採用していた。更に、本体及びハブを貫通して使用される押さえねじがローラを回転自在に駆動される軸に装着する。
それらの構造は目的には適しているであろうが、ローラに関してはまだ改善の余地がある。押さえねじのすり減り、押さえねじが動作中にゆるむこと及び押さえねじの頭に塵埃が侵入することを防止することは依然として必要である。更に、コスト効率にすぐれた部品を維持しつつ、組み立てるのに好都合である改善された構造を提供することが必要とされている。以下の説明は、本発明の原理に従ってローラの既存の構造に対してなされた特徴及び改善を示す。
図46から図48は、ローラの好ましい一実施形態を示す。ローラ400は上部421a、底部421bを有する本体410を含む。本体は、上部421a及び底部421bを貫通し、内径411b及び外径411aを規定する開口部417を有する円筒形本体であるのが好ましい。円筒形本体410はゴムなどの順応性又は弾性の材料から形成されているのが更に好ましい。ローラ400は、円筒形本体に結合され、上部431a及び底部431bを貫通する開口部433を有するハブ430を含む。開口部433は内径437b及び外径437aを規定している。対向して配置された少なくとも2つの貫通穴435が開口部433に対して横方向に位置している。
円筒形本体410は締まりばめによりハブ430と結合されていても良い。更に、円筒形本体410はハブ430上に成形されていても良い。
図49a及び図49bに示すように、対向して配置された横方向の貫通穴435の一方にピンなどの保持部材450が嵌合され、回転自在に駆動される軸(図示せず)に結合されていても良い。軸も対応する貫通穴を含み、そのため、保持部材450は軸に嵌合し、対向して配置された他方の横方向貫通穴435に嵌合することができるであろう。保持部材は対向して配置された横方向貫通穴から外へある長さだけ延出しているのが好ましい。
図46から図48に示すように、円筒形本体410の外径411aにより規定される周囲に沿って縁部分413がある。円筒形本体は順応性のある材料から形成されているため、縁部分413はフレキシブルであるのが好ましい。縁部分413はある幅を有し、縁部分413と内径411bとの間に凹部領域415を規定している。縁部分は保持ピン450に対して保持手段を構成している(図49a及び図49b)。凹部領域は円筒形本体410の周囲に沿ったくぼみ領域に類似しているのが好ましい。図46から図48は、円筒形本体410の周囲全体に沿った凹部領域を示している。しかし、ピンを保持することに対応するために適切な大きさに規定されたどのような凹部領域が採用されても良いことは理解されるであろう。
ハブは金属部品から構成されているのが好ましい。しかし、プラスチック材料を採用しても差し支えないことは理解されるであろう。
図50から図53は、ローラの別の好ましい実施形態を示す。ローラ400aは、先に説明したハブ430及び本体410に類似するハブ430a及び本体410aを含む。対向して配置された横方向穴435の各々に2つの凹部領域415aが示されている。図51から図53に示すように、円筒形本体は先に挙げたくぼんだ凹部領域415ではなく、大きさの異なる凹部415aを採用している。ハブ430a及び本体410aの他の特徴は先の説明とほぼ同様であるので、ここでは更に詳細には説明しない。
他の利点に加えて、本発明のローラは改善された保持構造を提供する。例えば、横方向穴と凹部領域がピンなどの保持部材と協働することにより、押さえねじが不要になる。ローラはその保持部品のすり減りを防止するという利点と、より磨耗しにくい構成を提供する。更に、本発明のローラは組み立て及び解体により便利な構成を提供する。例えば、弾性の縁部分を押し下げて、ねじ回しの必要なく保持ピンを除去することができるであろう。上記の利点に加えて、本発明のローラは、コスト効率にすぐれ且つ保守しやすい構造を提供する。
巻き取りロールスピンドル
巻き取りロールはカード個人化システムの処理モジュール、例えば、先に説明したようなプリントモジュール、グラフィックスモジュール又はクリーニングモジュールで使用されることが多い。巻き取りロールは、消費された供給ロールからなどの、ウェブ製品の供給後に廃棄のために使用済みウェブ製品を回収する。通常、使用済みウェブ製品の回収中、巻き取りロール芯は芯にきつく巻き付けられているウェブ製品から大量の力を受ける。芯に巻き付けられるウェブ製品の力によって芯は圧縮されるため、廃棄の時点でウェブ製品及び芯をスピンドルから除去することが困難になる。現在の構造は巻き取りロール芯と、芯に巻き付けられた使用済みウェブ製品の双方を廃棄している。そのような構造では、使用済みウェブ製品のロールが回収されるたびに巻き取りロールを交換しなければならないので、コストがかさみ、時間も費やされることになる。更に、地域ごとの制限規定によって、芯をウェブ製品から取り外して、別個に処分することが要求される場合もある。
従って、ユーザが芯を取り外して、処分する必要なく使用済みウェブ製品を簡便に廃棄できるようにするスピンドルを提供することが必要である。更に、部品の交換を最小限に抑え、それにより、コストを低減し且つ時間効率を向上させるために再利用できる巻取りロールのスピンドルを提供することが必要である。
図61〜図62は、巻き取りロールのスピンドル1100の好ましい一実施形態を示す。スピンドル1100は上部1120aと、底部1120bとを含む。第1の対向して配置された1次ハウジング部分1130及び1135と、第2の対向して配置された2次ハウジング部分1132(図63〜図63aに示す)は、スピンドル1100の外側面1127を規定している。1次及び2次ハウジング部分1130、1132、1135は、上部1120aから底部1120bまで延出する空洞部1190(図63〜図63aに示す)を更に規定している。2次ハウジング部分1132は1次ハウジング部分1130と接触しつつ、1次ハウジング部分1130に対して移動自在である。1次ハウジング部分1130及び1135は2次ハウジング部分1132より大きく、外面1127の大半を規定しているのが好ましい。外側面1127は使用済みウェブ製品を巻き付けるためにほぼ円筒形である。第1のプレート1121はスピンドル1100の上部1120aに配置されている。同様に、第2のプレート1123はスピンドル1100の底部1120bに第1のプレート1121と対向するように配置されている。第2のプレート1123は、スピンドル1100を駆動するための駆動軸(図示せず)に結合するのに適合できる軸部分1123aを含む。
2つのプレート1121、1123は、プレートの周囲に沿った隆起部分1121aを規定し、ハウジング部分1130、1132に結合された縁部分1133、1134と協働する切り欠き面1121bを含むのが好ましい。ハウジング部分は切り欠き面1121bの中に保持され、隆起部分1121aを過ぎるほど動かないように制限されている。図62に示すように、切り欠き面1121bと隆起部分1121aは第1のプレート1121に示されている。第2のプレート1123及びハウジング部分1130、1132の底部にも同様の構造が採用されて良いことは理解されるであろう。
図62に最も良く示されるように、スピンドル1100は、空洞部1190の一部の中に配置され、空洞部1190内で上部1120aと底部1120bとの間で同軸に延出する回転部材1150を含む。回転部材1150は、第1のプレート1121に配置されたハンドル1140に動作結合されている。回転部材1150とハンドル1140はプレート1121及び1123に回転自在に結合され、第1のプレート1121、第2のプレート11234及びハウジング部分1130、1132に対して回転自在である。回転部材1150は、回転部材1150から半径方向外側へ突出する少なくとも2つのフランジ1150aを含む。ローラ1152は回転部材1150に動作結合され、1次及び2次ハウジング部分1130、1135及び1132と接触自在である。ローラ1152と回転部材1150との間で制限された転がり運動が可能になるように、ローラ1152は弾性Oリングを介して回転部材1150に結合されているのが好ましい。回転部材1150は、8の字構成のように、ローラ1152と共通して結合された同じOリング1154を含むのが更に好ましい。図62では、Oリング1154は回転部材1150とローラ1152の双方の上部及び底部に破線として示されている。
図62では、回転部材1150の上部1155aに2つの対向して配置されたフランジ1150aが配置され、回転部材1150の外側面の長さに沿って上部1155aから長手方向下向きに延出している。この他の構成及び数のフランジを採用しても差し支えないことは理解されるであろう。例えば、フランジは回転部材1150の全長に沿って長手方向下向きに延出していても良い。同様に、回転部材1150の底部1155bにも1150aのような対向して配置されたフランジが配置されていても良い。第1のプレート1121の面1121bから下方へ突出するボスは、図63、図63aに最も良く示されるように、ローラ1152、回転部材1150及びフランジ1150aの回転の範囲を制限するストッパ1121cを形成する。ストッパ1121cのようなストッパが第2のプレート1123に形成されていても良いことは理解されるであろう。ローラ1152及び回転部材1150の機能については、以下に更に詳細に説明する。
ロック機構1142はハンドル1140に動作結合されている。ロック機構1142には戻り止め1142aが動作結合されており、ロック機構1142はハンドル1140及び回転部材1150の回転を阻止するようにロック位置へ作動可能である。ロック位置にあるとき、戻り止め1142aはハンドル1140の回転を停止させ且つ回転部材の回転を停止させる。ロック機構1142の戻り止め1142aは、ハンドル1140及び回転部材1150の回転を可能にするように、ロック位置から解除自在である。
図63〜図63aは、それぞれ、第1の構成及び第2の構成にあるスピンドル1100の例を示す。第1の構成は、ウェブ製品を巻き取る前及びウェブ製品の巻き取り中の位置にあるスピンドル1100を表す。第2の構成は、ウェブ製品を除去できるような位置にあるスピンドルを表す。図63では、スピンドル1100は第1の構成の間の第1の直径1125を含む。回転部材1150は、フランジ1150aがローラ1152に当接保持されて2次ハウジング部分1132を押し、それにより、2次ハウジング部分1132が空洞部1190から押し出されて、第1の直径1125を規定するような位置にあるとして示されている。
1次ハウジング部分1130及び1135は、空洞部1190に面し、テーパ面1130aが設けられた内面を含むのが好ましい。1次ハウジング部分1130は、プレート1121、1123にある穴(図示せず)に対応する穴1130cを介してプレート1121、1123の少なくとも一方に固定されているのが更に好ましい。1次ハウジング部分1130が双方のプレート1121、1123に固定されていても良いことは理解されるであろう。一方のハウジング部分1130をプレート1121、1123に固定するために、ねじなどの適切な固着部材が採用されても良い。他方の1次ハウジング部分1135は、プレート1121の切り欠き面1121bなどの切り欠き面の中で移動自在であり、先に説明した隆起部分1121a及び縁部分1133などの隆起部分/縁部分構造により保持されている。テーパ領域1130aは外面1127に向かう方向にテーパ、すなわち、傾斜している。2次ハウジング部分1132は、1次ハウジング部分のテーパ面1130aと接触する側面1132aを含み、1次ハウジング部分1130及び1135に対して動く。側面1132aはテーパ面であるのが好ましい。図63及び図63aに示すように、2次ハウジング部分1132は内面1132cより小さい外面1132bを含む。2次ハウジング部分の横断面はほぼ台形又は楔形であるのが好ましい。
図63aにおいて、第2の構成は使用済みウェブ製品を除去するための位置にあるスピンドル1100を表す。図63aに示すように、2次ハウジング部分は空洞部1190に向かって内側へ移動しているものとして示されている。更に、移動自在の1次ハウジング部分1135は空洞部1190に向かって内側へ移動しているものとして示されている。ハウジング部分が第2の構成へ動くことにより、第2の直径1125aが規定される。図示されるように、回転部材1150は、フランジ1150aがローラから離間するように回転される位置にある、図63に示される配置に対して反時計回り方向に動く。回転部材1150の運動によって、ローラ1152は、移動する間に、回転部材1150の面及び2次ハウジング部分1132の内面1132cと当接しながら転がることができる。図63aに示すように、ローラ1152の動きによって、2次ハウジング部分1132は内側へ移動して、空洞部1190をへこませる。同様に、移動自在の1次ハウジング部分1135は第1の構成の位置から移動され、内側へ動き、空洞部1190をへこませることができる。移動されたハウジング部分は第2の直径1125aを規定する。第2の直径1125aは第1の構成で規定された直径より小さいため、この時点ではスピンドル1100の周囲にゆるく巻き付けられているウェブ製品をスピンドルから上下に滑らせることにより、ウェブ製品を容易に取り外すことができる。
ロック機構の戻り止め1142aの働きが無効にされると、ハンドル1140は結合されている回転部材1150と共に、ロック機構1142を解放し、スピンドル1100をウェブ製品の除去を可能にするための第2の構成へ作動するように回転可能とされる。図63aに示すように、回転部材1150は反時計回り方向に第2の構成へ移動される。回転部材1150及びローラ1152を元の第1の構成まで移動させるために、ローラ1152がストッパ1121cのようなストッパに接触し、空洞部1190が最大限に拡張されるまで、ハンドル1140が時計回り方向に回転される。この位置では、ロックは戻り止め位置まで動いてハンドルの位置をロックし、回転部材1150の回転を阻止する。
ウェブ製品が巻き取りロールのスピンドル1100の周囲に巻き付けられると、ローラ1152には相当な大きさの力が加えられる。スピンドル1100とその部品は、スピンドル1100に巻き付けられたウェブ製品により加えられる力に対抗できる耐久性があり、長持ちする芯を提供するように、金属材料から形成されているのが好ましい。ローラ1152を移動させるために要求される力が転がり運動と関連する摩擦に打ち勝ち、滑らないために必要な力であるように、ローラ1152は円筒形の形状であるのが更に好ましい。回転部材1150と2次ハウジング部分1132の双方に対するローラ1152の運動は転がり運動であり、スピンドルの外面に加わる圧縮力が大きい場合であっても、その運動を開始するのに最小限の力しか要求しない。ローラの円筒形の形状は、回転部材1150が先に示した1142のようなロック機構によりロックされていないときに、ウェブ製品を取り出すために直径を変化させるために、回転部材1150及びローラ1152を第1の構成から第2の構成へ容易に移動させることができるような構成を提供する。
カード個人化システムの処理モジュールに加えて、スピンドル1100は、芯に巻きつけられるべき紙、プラスチック又は他の製品などの他の製品に対して採用される他の巻き取りロールにも使用できるであろうが、製品はそれらに限定されない。他の利点に加えて、本発明のスピンドルは、ユーザが使用済みウェブ製品と共に芯を取り外して、廃棄する必要なく、使用済みウェブ製品を簡便に廃棄することを可能にする。更に、本発明のスピンドルは、部品の交換を最小限に抑えることにより、コストを低減し且つ時間効率を向上させるために再利用が可能である巻き取りロールを提供する。
エンボス加工モジュール
エンボス加工モジュール1200の各部分の詳細は図64〜図68に示されている。エンボス加工モジュール1200はカードにエンボス加工データを形成するように構成され、配置されている。エンボス加工データはアルファベット、数字、記号及びその他の文字、並びにそれらの組み合わせであることが可能である。以下、それらを総称して文字と言う。エンボス加工文字は、通常、カード所有者の名前、口座番号、カードの有効期限などのカード所有者情報に関連している。
図67は、エンボス加工モジュール1200の一部を示す。モジュール1200は、パンチ側1204及びダイ側1206から構成されるエンボス加工ホイール1202を含む。周知の構成であるパンチ側1204は、円形に配列された複数のパンチを含む。各パンチはカードに対応するエンボス加工文字を作成するために使用されるパンチ文字を含む。同様に周知の構成であるダイ側1206は円形に配列された複数のダイを含む。各々のダイは、それぞれ対応する位置にあるパンチ文字に対応するダイ文字を含む。パンチがカードと係合するように作動されると、対応するダイはカードの、パンチとは反対の側に係合するように作動され、それにより、カードに対応するエンボス加工文字を作成する。エンボス加工中、カードはパンチ側1204とダイ側1026との間に適切に位置決めされる。エンボス加工後、カードは出口経路1208を通ってモジュールを出る。ホイール1202はモータ1210により駆動される。更に、エンボス加工中にパンチ側1204とダイ側1206の個々のパンチ及びダイを作動するために、パンチアクチュエータ及びダイアクチュエータが設けられている。
以上説明したエンボス加工モジュール1200の構成と動作は従来通りである。システム10のカードスループットを向上させるための1つの方法は、カードをエンボス加工するために必要とされる時間を短縮する方法である。エンボス加工時間は、1つには、エンボス加工中にホイール1202のパンチ及びダイをどれほど速く所定の位置に置くことができるか、並びにパンチ及びダイをどれほど速くカードと係合させ、どれほど速くカードとの係合状態から解除することができるかに基づいている。従って、エンボス加工ホイール1202の回転時間と、パンチ及びダイの作動時間の短縮によって、作成速度を増すことができる。移動中のホイール1202の回転速度を増すことと、パンチ及びダイの作動速度を増すことはできるが、それらの速度を増すことにより、適正な考慮を欠くと問題を生じる可能性もある。
図64を参照すると、パンチを作動するために使用されることができるアクチュエータ1220が示されている。ダイを作動するためにも全く同じアクチュエータが設けられる。アクチュエータ1220は、それぞれ対応するパンチ及びダイを作動することが可能であるように、パンチ側1204及びダイ側1206に対して適切に位置決めされる。
アクチュエータ1220は駆動モータ1222、好ましくはサーボモータと、ハウジング1226の内部に摺動自在に配置されたプランジャ1224と、プランジャ1224を駆動するためにモータ1222の軸1230に固定された駆動カム1228とを含む。モータ1222、ハウジング1226及びプランジャ1224は、その詳細を明瞭に示すために横断面で示されている。プランジャを駆動するためにカムを使用することは、ミネソタ州ミネトンカのDataCard Corporationから入手可能であるDataCard Corporationのモデル150iエンボッサから知られている。
プランジャ1124は、プランジャが作動位置へ作動されたときにパンチ/ダイを作動する作動端部1232を含む。プランジャ1224の他端部は、カム1228が回転される間にカムの外面に乗って動くフォロア1234を含む。カム1228の外面は偏心形状であるので、カムが回転するにつれて、作動サイクルの間にプランジャ1224は押し出される。プランジャ1224は、ばね1236などの適切な機構により後退位置に戻るように付勢されている。ピン1238はフォロア1234を貫通し、ハウジング1226に結合されたブロック1243に規定されている細長い溝穴1242の中に配置された軸受1240に結合している。軸受1240は、フォロアとカムの線接触を確保し、それにより、最大限の寿命を実現するために、フォロアの軸をカム軸と整列された状態に保持するのを助ける。
カム1228は、係止ねじ1244により軸1230にクランプされるように構成されている。図65に示すように、カム1228と軸1230との間にスリーブ1246が配置されている。スリーブ1246は軸1230の代わりに磨耗を吸収するように作用する。その結果、軸を交換しなければならない頻度は減少する。その代わりに、スリーブ1246は必要に応じて交換されることが可能である。
ステンレス鋼などの金属から製造されているのが好ましいスリーブ1246は、1対の直径が一定である端部1248a、1248bと、カム1228が周囲に配置されている圧縮自在の中央部分1250とを具備する。中央部分1250は、カム1228が軸1230にクランプされる間に圧縮して、軸1230の外面と係合することが可能である1対の切り欠きフィンガ1252a、1252bを具備する。しかし、端部1248a、1248bはフィンガ1252a、1252bの圧縮による影響をほぼ受けず、ほぼ一定の直径を維持する。
アクチュエータ1220の重要な特徴は、カム1228がモータ軸1230に直接に装着され、モータ軸により駆動されることである。以前のエンボス加工機においては、カムは、通常、モータ軸とは別個の軸に装着されている。その結果、それら2本の軸を結合するために軸継手が必要とされる。2本の軸が使用される場合、軸の厳密な位置決めが実現されないか、又は軸が使用中に位置ずれしてくると、軸の過剰な磨耗や、軸の故障が起こる可能性がある。しかし、軸を互いに厳密に位置決めすることは極めて困難であり、従って、別個の軸を使用する場合に、これらの問題を完全に排除することはできない。
図64に示すように、アクチュエータ1220においては、カム1228はモータ軸1230に直接に装着されているため、2本の軸が使用される場合の位置決めの問題は排除される。スリーブ1246の各々の端部1248a、1248bは軸を取り囲み、スリーブ軸受1254a、1254bの中でハウジング1226により支持されている。更に、軸1230の反対側の端部は軸受1256により支持されている。モータハウジングの最上部に近い、軸1230の中間部分には径小部分1258が設けられている。モータハウジングに配置された軸受1260はこの部分1258を包囲している。軸受1260は軸1230を保持するための保持装置としてのみ作用するが、軸受1260は軸1230を回転可能に支持しないという点で機能しない。縮径部分1258により、軸1230が使用中にわずかに湾曲し、浮動することが許容される。しかし、スリーブ軸受1254a、1254bはカム1228の場所で軸1230の適正な向きを維持し、エンボス加工荷重を吸収する。従って、軸1230は、軸継手により結合される2本の別個の軸を支持するために使用される慣例の4つの軸受ではなく、3つの軸受1254a、1254b、1256により支持されることになる。
次に図67に戻ると、モータ1210はサーボモータであるのが好ましい。エンボス加工ホイール1202の高速移動時間を実現するために、モータを作動する目的でサーボモータ1210には大きな電流パルスが供給される。しかし、エンボス加工ホイール1202が所望の位置で停止したとき、大きな電流パルスはホイール1202を所望の位置からわずかに前後に振動させがちである。この振動は、最終的にカードにエンボス加工される文字の位置取りにわずかな誤りを生じさせる可能性がある。従って、この振動を減少させるか又は除去することにより、エンボス加工プロセスの精度を向上させることができる。
図67に示すように、モータ1210の軸1272の端部に隣接して摩擦ブレーキ1270が配置されている。摩擦ブレーキ1270は、剛性軸継手1276によりモータ軸1272に結合されたブレーキ軸1274を含む。ブレーキ1270及び軸継手1276はその詳細を示すために横断面で示されている。
ブレーキ1270は磁粉ブレーキであるのが好ましい。磁粉ブレーキは当該技術において知られており、一般に、軸1274に結合されたディスクを含み、ディスクは磁粉により包囲されている。磁粉に電流が印加されると、軸1274の回転を制動しようとする力がディスクに加えられる。電流が除去されると、制動力も除去される。実際には、一定の制動力を発生させるためにブレーキ1270に電流が絶えず印加される。しかし、制動力が必要なときにのみ電流を印加することも可能であろうと考えられる。
摩擦装置が軸1274の回転を制動することが可能であるならば、磁粉ブレーキの代わりに他の摩擦装置を使用することが可能であろうということを理解すべきである。例えば、ばね装荷摩擦装置を使用できるであろう。
ブレーキ1270は取り付けブラケット1278に固着され、取り付けブラケット1278は固着部材1282によりモジュール1200の固定構造1280に固定されている。ブレーキ1270は固着部材1286(図67には1つの固着部材のみが見えている)を介してブラケットの中央部分1284に固着されている。図68に詳細に示されているブラケット1278は、中央部分1284から外側へ延出する1対のコンプライアントアーム1288、1290を含む。
ブレーキ1270がブラケット1278に装着されると、ブレーキ1270の回転は阻止される。しかし、コンプライアントアーム1288、1290はブレーキ1270の撓みを許容し、それにより、軸1272、1274のわずかな位置ずれの原因となりそうな力に対処する。
ブレーキ1270の動作は次の通りである。ホイール1202を所望の位置まで回転させるために、モータ1210に電流が供給される。回転力は、ブレーキ1270により加えられる制動力に打ち勝つのに十分な大きさである。所望の位置に到達したならば、モータへの電流は停止される。しかし、電流の除去後にサーボモータで生み出される力は軸1272をわずかに前後に振動させようとする。しかし、ブレーキ1270により与えられる制動力は振動を引き起こそうとする力より大きい。その結果、ブレーキ1270の制動力は振動なくホイール1202を所望の位置に維持するため、エンボス加工プロセスの精度は向上する。
以上の明細書、実施形態及びデータは本発明の製造及び使用の完璧な説明を提供している。本発明の趣旨の範囲から逸脱せずに本発明の数多くの実施形態を実施することができるため、発明は次に添付される請求の範囲の中に存在している。
本出願は、2003年1月27日に、出願人である米国の会社DataCard Corporationの名の下に米国を除く全ての国を指定してPCT国際特許出願として出願されている。
本発明の原理に従ったカード個人化システムの一実施形態の正面斜視図である。 図1のカード個人化システムの背面斜視図である。 本発明の原理に従った図1のカード個人化システムに組み込まれている装着機構の一実施形態の正面斜視図である。 本発明の原理に従ってカードに個人化する方法の一実施形態のフローチャートである。 本発明の原理に従った投入ホッパの一実施形態の側面図である。 図5の投入ホッパの平面図である。 本発明の原理に従った投入ホッパのカードプッシャ/解放機構の一実施形態の側面図である。 本発明の原理に従ってピックアップされたカードを処理する方法の一実施形態の平面図である。 ピックアップされたカードを処理する図7の方法の平面図である。 本発明の原理に従ったカードトレイを解放する方法の側面図である。 図9のカードトレイを解放する方法の側面図である。 図9のカードトレイを解放する方法の側面図である。 図9のカードトレイを解放する方法の側面図である。 図9のカードトレイを解放する方法の側面図である。 カードトレイが解放位置にある場合の図9のカードトレイを解放する方法の側面図である。 本発明の原理に従って投入ホッパからカードをピックアップする方法の一実施形態のフローチャートである。 本発明の原理に従った磁気ストライプモジュールの一実施形態の正面斜視図である。 磁気ストライプモジュールの背面斜視図である。 磁気ストライプモジュールで使用される駆動アセンブリの斜視図である。 カードイジェクト機構の詳細を示す磁気ストライプモジュールの一部の斜視図である。 サービス位置に配置されている磁気ストライプモジュールの書き込みヘッドユニット及び読み取りヘッドユニットを有する上部プレートを示す図である。 レーザーモジュールの詳細を示すレーザーモジュールの内部の正面右側斜視図である。 レーザーモジュールの詳細を示すレーザーモジュールの内部の正面左側斜視図である。 通路の詳細を示すレーザーモジュールのカードストップの長手方向横断面図である。 レーザーモジュールで使用されているレーザー機構の斜視図である。 レーザーモジュールで使用されているレーザー機構の斜視図である。 レーザーモジュールで使用されているレーザー機構の斜視図である。 レーザーモジュール及びレーザーパワー源の構成の概略図である。 レーザー調整概念を示すレーザー機構の一部の概略図である。 レーザー調整概念を示すレーザー機構の一部の概略図である。 本発明の原理に従ったグラフィックスモジュールの一実施形態の背面斜視図である。 プリントリボンが組み込まれている図30のグラフィックスモジュールの背面斜視図である。 図30のグラフィックスモジュールのためのカード経路のローラ構成の一実施形態の正面斜視図である。 図30のグラフィックスモジュールのための印刷位置にあるプリントヘッドの斜視図である。 本発明の原理に従った出力ホッパの一実施形態の平面図である。 本発明の原理に従った図34の出力ホッパのためのカードインセンサブラケットの一実施形態の斜視図である。 図35aのカードインセンサブラケットの平面図である。 図35aのカードインセンサブラケットの正面図である。 図35aのカードインセンサブラケットの側面図である。 本発明の原理に従ってカードを排出するカードフィーダの一実施形態の斜視図である。 カードを排出している図36のカードフィーダの斜視図である。 カードを排出している図36のカードフィーダの斜視図である。 本発明の原理に従ってカードを排出するカードフィーダの一実施形態の平面図である。 カードを排出している図39のカードフィーダの平面図である。 カードを排出している図39のカードフィーダの平面図である。 本発明の原理に従った磁気ストライプ読み取りヘッドユニットの一実施形態の斜視図である。 図42の磁気ストライプ読み取りヘッドユニットの側面図である。 本発明の原理に従った図43の磁気ストライプ読み取りヘッドユニットの読み取りヘッドの一実施形態の横断面図である。 本発明の原理に従った読み取りヘッドホルダの一実施形態の側面図である。 読み取りヘッド及び読み取りヘッドホルダの別の実施形態を表す図である。 読み取りヘッド及び読み取りヘッドホルダの別の実施形態を表す図である。 読み取りヘッド及び読み取りヘッドホルダの別の実施形態を表す図である。 本発明の原理に従ったローラの一実施形態の斜視図である。 図46のローラの平面図である。 図46のローラの側面横断面図である。 本発明の原理に従ったロッキングピンを含むローラの一実施形態の平面図である。 図49aのローラの底面図である。 本発明の原理に従ったローラの一実施形態の斜視図である。 図50のローラの平面図である。 図50のローラの側面図である。 図50のローラの側面図である。 従来の技術の磁気ヘッドを示す図である。 抵抗磨耗センサを有する磁気ヘッドの側面図である。 図55の抵抗磨耗センサの端面図である。 本発明の原理に従ったクリーニングモジュールの内部のクリーニング機構の斜視図である。 待機動作状態にあるクリーニング機構の平面図である。 クリーニング状態にあるクリーニング機構の平面図である。 テープ交換状態にあるクリーニング機構の平面図である。 本発明の原理に従った巻き取りロール芯の一実施形態の平面側面斜視図である。 図61の巻き取りロール芯の部分断面図である。 ウェブ製品巻き取り前又は巻取り中の第1の構成の一実施形態による図61の巻き取りロール芯の断面図である。 ウェブ製品取り出しのための第2の構成の一実施形態による図61の巻き取りロール芯の断面図である。 エンボス加工モジュールで使用するための直接駆動カム機構の部分断面斜視図である。 カムがどのようにして軸に装着されるかを示すカムの横断面図である。 カムを軸に装着するために使用されるカムスリーブの斜視図である。 エンボス加工モジュールで使用するためのエンボス加工ホイールアセンブリの部分断面斜視図である。 エンボス加工モジュールで使用される装着ブラケットを示す図である。 出力ホッパのカードフィーダ機構の別の実施形態を示す図である。 出力ホッパのカードフィーダ機構の別の実施形態を示す図である。 出力ホッパのカードフィーダ機構の別の実施形態を示す図である。 出力ホッパで使用できる磁気ストライプリーダの別の実施形態の平面図である。

Claims (23)

  1. システムにカードを投入するためのカード投入部と、複数のカード処理モジュールと、処理済みカードを回収するためのカード出力部とを具備し、
    前記複数のカード処理モジュールのうちの少なくとも2つの隣接するモジュールは、一度に少なくとも1枚のカードを処理するように構成され、前記2つの隣接するモジュールは、前記2つの隣接するモジュールのうちの下流側のモジュールが前記2つの隣接するモジュールのうちの上流側のモジュールから新たなカードを受け取ることが可能になる前に、カードが下流側のモジュールから完全に送り出されるように制御されるカード個人化システム。
  2. 前記複数のカード処理モジュールの各々のモジュールは、一度に少なくとも1枚のカードを処理するように構成され、前記モジュールの各々は、1つのモジュールが新たなカードを受け取ることが可能になる前にカードがそのモジュールから完全に送り出されるように制御される請求項1記載のシステム。
  3. 各モジュールは入口光電セル及び出口光電セルを含み、前記光電セルはカードがそれぞれ対応するモジュールに入ったこと及びモジュールから出たことを検出可能である請求項2記載のシステム。
  4. カードを処理する方法において、
    カード個人化システムにカードを投入するためのカード投入部と、少なくとも第1の処理モジュール及び第2の処理モジュールを含み、第2の処理モジュールは第1の処理モジュールに隣接して、その下流側に配設され、前記第1及び第2のモジュールの各々は一度に少なくとも1枚のカードを処理するように構成されている複数のカード処理モジュールと、処理済みカードを回収するためのカード出力部とを有するカード個人化システムを提供することと、
    前記第1の処理モジュールで第1のカードを処理し、第2の処理モジュールで第2のカードを処理することと、
    前記第2の処理モジュールから第2のカードを出力し、その後、第1の処理モジュールから第2の処理モジュールへ第1のカードを送り出すことを有する方法。
  5. 前記複数のカード処理モジュールの各々のモジュールは、一度に少なくとも1枚のカードを処理するように構成され、前記モジュールの各々は、1つのモジュールが新たなカードを受け取ることが可能になる前にカードがそのモジュールから完全に送り出されるように制御される請求項4記載の方法。
  6. 各モジュールにカードが入ったこと及び各モジュールからカードが出たことを検出することを更に含む請求項5記載の方法。
  7. カード個人化システムにカードを投入するためのカード投入部と、複数のカード処理モジュールと、処理済みカードを回収するためのカード出力部とを具備し、
    前記モジュールのうちの少なくとも1つは、モジュールの外部からシステムのオペレータに見えるように配置された状態指示器を含むカード個人化システム。
  8. 各モジュールは状態指示器を含み、各状態指示器はそれぞれ対応するモジュールの外部からシステムのオペレータに見えるように配置されている請求項7記載のシステム。
  9. 前記カード投入部は、カード投入部の外部からシステムのオペレータに見えるように配置された状態指示器を含む請求項7記載のシステム。
  10. 前記カード出力部は、カード出力部の外部からシステムのオペレータに見えるように配置された状態指示器を含む請求項7記載のシステム。
  11. 各モジュールはカバーを含み、状態指示器はそれぞれ対応するカバーを通して見える請求項8記載のシステム。
  12. カード個人化システムにカードを投入するためのカード投入部と、複数のカード処理モジュールと、処理済みカードを回収するためのカード出力部と、
    前記カード投入部及び前記カード出力部のうちの少なくとも一方、又は前記カード処理モジュールの1つに配置され、押されたときにシステムの動作を制御することが可能であるボタンとを備えるカード個人化システム。
  13. 前記カード投入部及び前記カード出力部の各々にあるボタンを具備し、各ボタンは押されたときに前記システムの動作を制御することが可能である請求項12記載のシステム。
  14. オペレータステーションを更に具備し、前記オペレータステーションは、押されたときに前記システムの動作を制御することが可能であるボタンを含む請求項12記載のシステム。
  15. 前記ボタンは、前記システムを休止させ、休止した後にシステムを再始動させることが可能である請求項13記載のシステム。
  16. カード個人化システムにカードを投入するためのカード投入部と、複数のカード処理モジュールと、処理済みカードを回収するためのカード出力部と、前記カード投入部、前記カード処理モジュール及び前記カード出力部の動作と、それらのデータ転送とを制御するシステムコントローラと、
    前記コントローラから前記カード投入部、前記処理モジュール及びカード出力部の各々に至る少なくとも1つのデータ回線とを備え、各々のデータ回線が前記システムコントローラ、前記カード投入部、前記処理モジュール及び前記カード出力部との間でデータ及び制御コマンドを通信するカード個人化システム。
  17. 前記カード投入部、前記処理モジュール及び前記カード出力部は、一体となってその背面にトラフを画定し、前記トラフはデータ回線を受け入れる請求項16記載のシステム。
  18. 前記カード投入部、前記処理モジュール及び前記カード出力部は、それぞれ、その背面を通る通路を含み、前記通路の各々はそれぞれ対応するデータ回線を通すことが可能である請求項16記載のシステム。
  19. カード個人化システムにカードを投入するためのカード投入部と、第1及び第2の隣接するカード処理モジュールと、処理済カードを回収するためのカード出力部とを具備し、
    前記第1及び第2の処理モジュールは、それぞれ、装着機構を含み、第1及び第2のモジュールのうちの一方のモジュールの装着機構は、第1及び第2のモジュールのうちの他方のモジュールの装着機構の対応するロケータ穴に嵌合する複数のロケータピンを含み、
    前記第1及び第2のモジュールのうちの一方のモジュールの装着機構は、前記第1及び第2のモジュールのうちの他方のモジュールの装着機構に隣接するように位置決めされた支持ブラケットを含み、それにより、前記支持ブラケットは第1及び第2のモジュールの処理機構を装着するために第1のモジュールと第2のモジュールにより共用されているカード個人化システム。
  20. カード個人化システムにカードを投入するためのカード投入部と、複数のカード処理モジュールと、処理済みカードを回収するためのカード出力部とを具備し、前記カード処理モジュールのうちの少なくとも2つは類似するカード処理を実行し、前記2つのモジュールは互いに隣接しているカード個人化システム。
  21. 前記2つのモジュールは、類似の個人化タスクを実行する請求項20記載のシステム。
  22. 前記2つのモジュールは、異なる個人化タスクを実行する請求項20記載のシステム。
  23. 前記2つのモジュールは、磁気ストライプモジュール、エンボス加工モジュール、集積回路チッププログラミングモジュール、多色印刷モジュール、単色印刷モジュール、レーザーモジュール、グラフィックスモジュール、クリーニングモジュール、トッピングモジュール及びパンチングモジュールのいずれかである請求項20記載のシステム。
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