JP2005508909A - 松かさ抽出物とこれらの使用 - Google Patents

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Abstract

松かさ抽出物を製造する方法とそれから製造される松かさ抽出物であって、核酸ワクチンと薬物の効果を増大させるのに有用であり、そして表現型的に未熟および/または成熟の樹枝細胞および/または繊維細胞を生産するのに有用な松かさ抽出物。

Description

本発明は、概ね、松かさ抽出物の調製、松かさ抽出物それ自身およびこれらの使用、特に脊椎動物のワクチン接種または治療における補助剤としての使用、および血液細胞の分化を促進する薬剤としての使用に関する。
研究者が脊椎動物の免疫系の理解を拡大するのに従って、疾患の予防と闘病において免疫系を利用し、そして特異的に使用する方法が常に探索されている。免疫系の尋常でない多様性のために、このアプローチは、原理的には、充分なサイズのいかなる物質にも反応する可能性を提供する。それゆえ、ガン、バクテリアおよびウイルスの感染のワクチン接種および/または免疫治療方法を確立するために多数の試みが行われてきた。
このような治療またはワクチン接種の方法は、通常、治療(インビトロ治療)対象の生物を抗原物質のワクチン製剤に暴露して、免疫応答を生じさせることを使用する。特に、抗原物質(抗原)を使用して、抗原物質それ自身またはこれらの一部(エピトープ)を検出する能力があり、それによって免疫系に対して迅速に認識可能となる免疫グロブリンおよび/または細胞毒性の食作用性細胞の生産を開始する。迅速に認識可能となった抗原は、例えば、T細胞の中への取り込みと引き続いての崩壊により、あるいは抗原を含む細胞の破壊により不活性化あるいは破壊可能である。
ワクチン接種または治療の類似の方法は、リンパ球−特にリンパ球幹細胞を治療対象の生物から抽出し、抽出された細胞を抗原に暴露し、このように抗原の検出能力のある免疫グロブリンの生産を誘導し、次にリンパ球を生産する免疫グロブリンを治療(生体外治療)対象の生物の中に再導入することである。
用語「ワクチン接種」は、疾患または病気に関連する抗原に応答する免疫系の能力を作り出し、増進し、あるいは維持することにより主として疾患または病気を予防するための脊椎動物の治療を示す。用語「治療」は、疾患または病気の最初の始まりの後疾患または病気に関連する抗原に応答する免疫系の能力を作り出し、増進し、あるいは維持し、このように本来的に治療的であることを示す。ワクチン接種治療における活性構成成分は「ワクチン」と名付けられ、それに対して治療における活性構成成分は「薬物」と名付けられる。用語「ワクチン接種」および「治療」は互換的に使用され、同じことが用語「ワクチン」および「薬物」についても成り立つ。
ここ10年の最も重要な科学的な発見の一つは、ヒトTリンパ球により認識される腫瘍関連抗原(TAA)の定義であった。総説としては、例えば、Robbins and Kawakami「Human tumor antigens recognized by Tcells」,Current Opinion in Immunology 1996,8:628−636;Rosenberg SA、「A new era for cancer immunotherapy based on the genes that encode cancer antigens」,Immunity 1999,10:281−287;Van den Eynde BJおよびvan der Bruggen P,「T cell defined tumor antigens」,Current Opinion in Immunology 1997,9:684−693を参照のこと。TAAの同定と分子キャラクタリゼーションはガンワクチンを創出する手段を提供してきたと広く考えられている。
このようなワクチンの創出における現在の努力は、核酸仲介の免疫化技術、すなわち形質移入された細胞内で直接抗原コード配列の発現を生じる能力のある好適な発現(宿主)ベクターへの1つ以上の抗原コード配列(例えば、TAAコード化配列)の挿入に基づいている。用語「配列」は、これ以降、核酸がアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルまたは例えば、イノシンとヒポキサンチンのようなこれらの機能的同等物から選択される1つ以上のヌクレオチドを含む任意の分子であって、各核酸塩基がリボースおよび/またはデオキシリボースのようなペントース、他の糖またはアミノ酸を含む骨格に結合し、そしてこの個別の骨格が例えば、ホスホジエステル結合、ペプチド結合または他の適当な結合/連結の手段により相互に結合/連結しているものである、そのヌクレオチドの配列により特徴付けられる核酸を意味する。核酸の例はデオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)である。通常使用される宿主ベクターは、それぞれ、バクテリアおよびウイルスまたはバクテリアおよびウイルスのゲノムである。最近の研究は、細胞あるいはカプセル化ベクターがワクチン調製に必ずしも必要でないことを示した。「裸の」プラスミドDNAおよび/またはRNAによる免疫化、すなわちタン白、脂質、または炭水化物として任意の構造成分を欠く核酸による免疫化は、強力な細胞および抗体の応答を引き出すことができる。このように、核酸ワクチンは、遺伝子組み換えワクチンとも名付けられ、しばしば異種であるが、宿主ベクターのゲノムが免疫原(抗原)のために核酸配列コード化を集積化するワクチンである。
細胞ベースのワクチンまたは細胞可溶化液と比較して、遺伝子組み換えワクチンは多数の利点を有するが、これらがTAAのような単一の、特異抗原に対する免疫応答に焦点を絞り、そして正常組織と腫瘍細胞中に存在するこれまで未知であった抗原に対する非制御の自己免疫性攻撃性を解放する可能性を限定できるということが顕著なことである。
現状では、ワクチン接種と治療の成功は異なる病気に対して、そして同一の病気に対して治療される患者の間でも大きく変わる。更には、ワクチン接種は満足のいくほど長く続くとは限らず、数週間以内に徐々に消滅する。これらの欠点は、特に、生きているワクチンまたは不活性化されたワクチンの投与を伴う多数の他のワクチン接種方法についても当てはまる。一般に、ワクチンは適切でかつ有効な免疫応答をそれ自体で必ずしも生成する能力があるとは限らない。
ある物質は、特異抗原と同時に投与する場合、この抗原への免疫応答を増強する。このような物質(補助剤)は不活性化あるいは精製された抗原ワクチン中に日常的に包含される。普通に使用する補助剤の例は、アルミニウム塩、リポソームと免疫刺激性複合体(ISCOMS)、完全および不完全なFreundの補助剤、ムラニルジペプチドおよびサイトカイン様のインターロイキン(IL)2、IL−12およびインターフェロン(IFN)ガンマである。
けれども、ある補助剤は、特異抗原またはワクチンとの組み合わせで極めて好適であるが、他の組み合わせでうまくいかなかったり、あるいはヒトのような脊椎動物に対してそれ自身毒性であったり、劣った細胞仲介免疫性を促進したり、不安定であったり、あるいは高価でそして/または面倒であったりする。
それゆえ、脊椎動物における疾患および病気のワクチン接種および治療の改善された方法は極めて有用である。
もう一つの局面は、科学の目的に、例えば組織培養の目的に特異細胞型の産生が頻繁に必要とされるということである。研究に必要とされる細胞型の内には樹枝細胞と最近発見された繊維細胞がある。
樹枝細胞は強力な抗原提示細胞である。これらは、また、混合リンパ球反応の刺激物質として作用すること、組織中を選択的に泳動すること、抗原を取り上げ、処理し、そして提示すること、そして移植された組織の拒否を引き出すパッセンジャー細胞としての役割をすることも報告されている。総説としては、例えばHart DNJ「Dendritic cells:unique leukcocyte populations which control the primary immune response」,Blood,1997,90:3245−3287を参照のこと。明らかに、樹枝細胞の研究は、抗原の正しい認識と免疫応答の産生が望ましいいかなる分野においても潜在的な応用を提供する。このような分野は、例えば、移植医学、ワクチン接種、ガンと抗原提示に関連する他の疾患の治療法、自己免疫性疾病の予防と治療などであり、例えばDallal RM and Lotze MT,「Dendritic cells and human cancer vaccines」,Current Opinion in Immunology,2000,12:583−588を参照のこと。しかしながら、樹枝細胞とこれらの分化の理解は不充分である。それゆえ、樹枝細胞を生産する方法を有することが望ましい。
樹枝細胞の生産の現行のプロトコルは、顆粒球−マクロファージュコロニー刺激因子(GM−CSF)、幹細胞因子(SCF)、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、腫瘍成長因子ベータ(TGFβ)およびIL−4を包含する多数のサイトカイン組み合わせ物にこのような細胞を暴露することにより、末梢血液単核細胞、骨髄細胞または他のCD34細胞から分化させることに依存する。総説としては、例えばStrunk Dら、「Generation of human dendritic cells/Langerhans cells from circulating CD34 hematopoietic progenitor cells」,Blood,1996,87:1292−1302およびSoligo Dら、「Expansion of dendritic cells derived from human CD34 cells in static and continuous perfusion cultures」,British Journal of Hematology,1998,101:352−363を参照のこと。同様に、樹枝細胞がCD14血液単球から生産され、そして異なる成熟段階が記述された。総説としては、WinzlerCら、「Maturation stages of mouse dendritic cells in growth factor−dependent long−term cultures」,Journal of Experimental Medicine,1997,185:317−328およびCrawfordとChesterへの米国特許第6,194,204B1号を参照のこと。しかし、現在のプロトコルは高価で不安定なサイトカイン媒体成分に依存する。同様に、樹枝細胞の生産のための現在のプロトコルの収率は、時には不満足なほどに低いと考えられる。
繊維細胞は、明確に区別できる表現型(コラーゲン、CD34)により特徴付けられる最近記述されたタイプの細胞であり、これは、通常、ビメチン、CD13およびCD45でもある。これらは、血液から皮下移植された創傷腔の中に急速に入ると報告されている。これらは、また、結合組織瘢痕中にもしばしば存在し、創傷修復と病理学的線維性応答においても重要な役割を果たすこともある。総説としては、例えばBucala Rら、「Circulating fibrocytes define a new leukocyte subpopulation that mediates tissue repair」,Mol.Med.1994、1:71−81、およびChesney J and Bucala R,「Peripheral blood fibrocytes:novel fibroblast−like cells that present antigen and mediate tissue repair」,Biochemical Society Transactions,1997,25:520−4を参照のこと。樹枝細胞のように、繊維細胞の生産のプロトコルは、高価で、不安定なサイトカイン培地成分に依存し、そしてしばしば不満足なほど低い収率をもたらす。それゆえ、先行技術によっては未解決のままになっている疾患と病気の予防および闘病において脊椎動物の免疫系を利用および使用することに使用することができる、脊椎動物における疾患と病気の新しい治療に対する継続的な必要性が存在することは認識可能である。更に、科学的な使用に特異的な細胞型を産生する新しい方法に対する必要性が存在する。この点において、本発明はこの必要性を充たすものである。
米国特許第6,194,204B1号 米国特許第4,985,249号 中国特許要約CN 1279107 中国特許抄録CN 1122206
このように、本発明の目的は、特に核酸ワクチンと薬物の効果を改善し、増進するためのワクチン接種および/または治療用の新規な方法と物質を提供することである。本発明による提供対象の方法と物質は、広範囲のワクチン接種および治療の目的に適用可能でなければならない。本発明の目的による物質と方法は、治療される脊椎動物または健康な細胞、このような脊椎動物の組織と器官に対して低あるいは無毒性を有するものでなければならない。この物質は製造が容易で、安定で、かつ低価格でなければならない。ワクチン接種および/または治療の方法は、また、実施が容易でなければならず、そして高価な追加の装置を必要とするものであってはならない。
本発明のもう一つの目的は、樹枝細胞および/または繊維細胞様の表現型を持つ細胞を調製するための物質と方法を提供することである。この物質は製造が容易で、安定で、かつ低価格でなければならない。この方法は、少なくとも一つのこれらの細胞型の収率が高いものでなければならない。これらは、また、実施が容易でなければならず、そして高価な追加の装置を必要とするものであってはならない。
本発明者らは、松かさ抽出物がワクチンまたは薬物と組み合わせると免疫治療に優れた補助剤の性質を有することを見出した。本発明者らは、また、松かさ抽出物が未熟および/または成熟の樹枝細胞および/または繊維細胞の表現型を持つ細胞への多数の細胞型の分化を誘導することができることも見出した。本発明者らは、また、松かさ抽出物の区分が上記の目的を達成するのに特に有用であることも見出した。
本発明の目的は松かさ抽出物を製造する方法を提供することである。本発明の更なる目的は、この方法により製造される松かさ抽出物を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、ワクチンと補助剤または薬物と補助剤を有するキットを包含し;そしてワクチン接種および/または治療を脊椎動物に投与する方法を提供する、脊椎動物のワクチン接種および/または治療法の系を提供することである。
本発明のなお更なる目的は、表現型的に未熟および/または成熟の樹枝細胞および/または繊維細胞を生産する方法を提供することである。
これらの目的は、本発明の他の目的と一緒に本発明を特徴付ける新規性の種々の特徴と共に、そしてこの開示に添付され、この開示の一部を形成する特許請求の範囲において特別に指摘されている。本発明、本発明の実施の利点およびその使用により得られる特定の目的を更によく理解するためには、本発明の好ましい態様を例示する付随する例と説明事項を参照すべきである。次のこれらの詳細な説明を考慮すると本発明は更によく理解され、そして上記に述べたもの以外の目的が明らかになるであろう。
数千年の間植物は医用化合物の主要な入手源であった。植物材料から誘導される薬品成分と類似物は、臨床使用における医薬の主な部分を構成する。一つのこのような植物製品は種々のマツの木の松かさに由来するものである。
松かさ抽出物は以前から知られていたものであった。SakagamiHらは、「Antitumor,antiviral and immunopotentiating activities of pine cone extracts:potential medicinal efficacy of natural and synthetic lignin−related materials」,Anticancer Research,1991,11:2881−2888において、松かさの粗水抽出物がヒト骨髄芽球性白血病ML−1細胞のマクロファージュ様細胞への分化を誘導する潜在性を持つ物質を含むことを報告している。この分化誘導物質は、報告によれば、ポリアクリルアミドゲル上で極めて速く泳動し、そして有用な量で回収不能であるものであった。
粗製の水ベースの抽出物のほかに、Sakagamiらは松かさ抽出物の調製と分別の方法を同一の刊行物において記述している。この松かさ抽出物は、Pinus parviflora Sieb.et Zucc.松かさを反復熱水抽出し、引き続いてエタノール沈澱することにより製造される。彼らは、また、このように調製された松かさ抽出物のある区分が腹水症肉腫180細胞により移植されたマウスと腹水症Meth Aフィブロ肉腫により移植されたBALB/cマウスの生存を延ばすことができることも報告している。Sakagamiらは、また、松かさ抽出物の活性成分がリグニンであることも報告している。更には、彼らは、天然および合成のリグニンが免疫強化能を有し得ることを結論付けている。また、T細胞以外の細胞集団の活性化と引き続いてのT細胞の活性化も活性化の可能な方法であるとも言われているが、Sakagamiらは、免疫強化能が少なくとも部分的にT細胞活性化により仲介されていることも示唆している。
米国特許第4,985,249号(Sakagami,KonnoおよびNonoyama)は松かさ抽出物の抗HIV剤としての使用を開示している。中国特許要約CN 1279107(Xin Yaolu)は、フィトラッカトキシン、フィトラッカポリオース、リシン、注射用のグリシルリジン酸および松かさ酸性ポリオースを抽出し、そしてこれらを注射および遅放性カプセルに調剤することによるトウゴマ、フィトラッカ根、カンゾウ根および松かさから製造されるAIDSとガンを治療するための医薬を開示している。中国特許抄録CN 1122206(Xiyun SunおよびYinglong Wang)は、醤油の中に添加される補助物として松の実核の調製物とXiangguきのこ抽出物調製物を特徴とする、固体発酵により製造される低塩醤油を開示している。このように製造される醤油は、あるガン防止および健康回復機能を有することが報告されている。
しかし、上記の参考文献は松かさ抽出物全般の免疫強化性を開示していず、あるいは未熟および/または成熟の樹枝細胞および/または繊維細胞を生産する方法を開示していない。このような用途において松かさ抽出物の確立された有用性を有することが本発明者のメリットである。
表の分類学的な分類の正しさに対する意図した限定をするのではないが、本発明に関する限り、有用な松かさは任意の種および種々のgenus Pinus、特に表1のものであることができる。好ましい松かさは、P.taeda(タエダマツ)、P.elliottii(スラッシュマツ)、およびP.palustris(ダイオウマツ)のものである。本発明者らは、松かさ全般および好ましい種の松かさがワクチン接種および/または治療方法において有用な物質と組成物(活性構成成分)を特に含有し、樹枝細胞および/または繊維細胞の生産に有用な物質と組成物を同様に含むことを見出した。本発明者らは、また、Sakagamiらの示唆(上記)とは逆に、松かさ抽出物のリグニン区分が松かさ抽出物の満足な補助剤の性質、特に核酸ワクチン接種および/または治療方法における性質には必要ではあるが充分でないことも見出した。
Figure 2005508909
本発明の一つの局面は松かさ抽出物を製造する方法を提供することである。この方法は2つのフェーズ、これ以降方法1と方法2と名付けるものに分割可能である。
方法1は、脱脂された磨砕松かさ材料を水酸化カリウムを含有する水性溶剤により熱抽出することを必要とする。松かさ材料を抽出したならば、0.2μmよりも大きい平均粒子サイズの粒子状物質を除去する。方法1の抽出物を得るために、6.0と8.0の間になるようにpHを調整した生成水溶液(上澄み液)を得る。
方法2は方法1により得られる抽出物(上澄み液)を使用する。方法2においては、方法1の抽出物(溶液)を更なる濾過にかけて、保持液区分を得る。遠心濾過法により、30kDaより小さい粒子状物質を除去する。残存するのは、フィルターの上面の30kDaよりも大きい粒子状物質であり、この保持液区分が好ましい方法(方法2)の松かさ抽出物である。
上記の方法の目的には、松かさを細断した松かさ材料の形とすることができる。このような松かさ材料は以降の抽出が容易となるために好ましい。これは、また、容易に市販で入手でき、数バッチにわたって充分に安定で均一な組成を維持する。
本発明による上記の方法で使用する前に、松かさを洗浄することができる。洗浄は、好ましくは松かさ(または松かさ材料)を脱イオン水により洗浄することにより実施可能である。
松かさ(または松かさ材料)を水性抽出の前に脱脂する。脱脂は、好ましくは松かさをエタノールにより洗浄し、引き続いて洗浄した松かさまたはその細断物を乾燥することにより行われる。脱脂された松かさを密閉した容器中で室温で貯蔵することができる。
この脱脂された松かさを抽出段階の前に好ましくは小粒子に磨砕する。この処理によって活性構成成分の放出が容易になる。好ましくは、この粒子サイズは80−120メッシュの範囲内になければならない。
松かさの熱抽出の溶剤は水酸化カリウム(KOH)を含む水溶液である。この溶液は少なくとも0.25%w/w水酸化カリウムを含み、好ましくは0.5−2%w/w水酸化カリウムを含み、更に好ましくは1%w/w水酸化カリウムを含む。本発明者らは、これらの濃度の水酸化カリウムによって、特に有効な抽出物を得ることができることを見出した。この溶剤のpHは、好ましくは少なくとも8、更に好ましくは少なくとも10、最も好ましくは11−13の範囲内にある。
松かさ材料の抽出は、松かさに溶剤を添加し、そして好ましくは80℃(176°F)あるいはそれ以上の温度まで混合物を加熱することにより行われる。本発明者らは、溶剤が沸騰している時に急速かつ充分な抽出速度で、好都合に抽出を行うことができることを見出した。オートクレーブ処理により、すなわち121℃でこのマツ材料を抽出することが特に好ましい。この方法で、活性構成成分を特に急速、穏やかかつ完全に抽出することが可能である。
抽出後、この混合物を好ましくは室温まで冷却することが便利である。必要ならば、更なる加工の前にこの混合物を冷蔵庫中で12時間貯蔵することができる。
次に、0.20μmよりも大きな平均粒子サイズの粒子状物質をこの混合物から除去する。これはいかなる粒子分離法によっても実施可能である。本発明者らは、特に便利で、効率的な方法は、第1の段階においては、粗い粒子状物質を濾過により除去し、次に残存する望ましくない粒子状物質を遠心分離により、好ましくは4℃±2℃で除去する2段階法であることを見出した。
次に、この生成する粒子を除いた混合物を処理して、pHを6.0と8.0の間に調整する。これは、好ましくは、この混合物のpHが7.0となるまで1NHClにより滴定することにより行われる。次に、この混合物を包装単位に分配することができる。
この混合物をpHの調整後殺菌することができる。液体サイクルにより121℃で20分間オートクレーブ処理することによって殺菌することが好ましい。照射などのような他の殺菌法も適用可能である。
pH調整とオプションの殺菌を行った後この混合物(方法1のPCE)を貯蔵することができる。長期貯蔵安定性は、低温で、好ましくは4℃あるいはそれ以下で、更に好ましくは凍結状態で、最も好ましくは−20℃で貯蔵することにより最も良く保証される。しかしながら、この混合物を全く貯蔵せずに、直ちに使用することが好ましい。
上記の抽出物のpH調整とオプションの殺菌の後、Millipore Ultrafree遠心分離濃縮器(Ultrafree−15,30,000mwカットオフ)を用いて、更なる濾過にかけて、30kDaよりも小さい材料を除去する。2000×gで60分間遠心分離して、この溶液を濾過し、30kDa以上の平均分子量の保持液区分を回収することが好ましい。
次に、10mM水酸化カリウム水溶液を6.0と8.0の間のpHで用いて、30kDaよりも大きい平均分子量を含有する保持液区分を元の容積に戻す。10mM水酸化カリウム水溶液中の保持液区分をpH7.0に戻すことが特に好ましい。水酸化カリウム溶液の容積を保持液区分の所望の濃度により調整することができる。
この溶液を好ましくは0.2μmフィルターでの濾過により最終的に殺菌することができる。他の殺菌法を同様に適用してもよい。
ここで、方法2の生成する松かさ抽出物、すなわち更なる濾過と場合によっては殺菌された濃縮物が即使用の状態になる。
本発明のもう一つの局面は、ワクチン接種および/または治療用の系を提供する。治療またはワクチン接種に有資格の脊椎動物は任意の脊椎動物である。好ましい脊椎動物はヒト、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ハムスター、ウシ、ウマ、ヒツジ、マウスおよびネズミを包含する哺乳類である。これらの脊椎動物の免疫系の一般的な性質は類似していて、一つの種における実験的な発見が他の種にも妥当な確かさをもって適応可能である。
ワクチン接種および/または治療用の系は、a)ワクチンまたは薬物とb)松かさ抽出物などの補助剤を含む組成物またはキットを包含する。
本発明者らは、補助剤としての松かさ抽出物の有用性を認識したが、松かさ抽出物のメリットのある補助剤効果は、ワクチンと松かさ抽出物の同時投与に依存性がないことを更に見出した。この松かさ抽出物をワクチンまたは薬物の投与の前に、間に、同時にあるいは後に脊椎動物に投与することができる。それゆえ、ワクチン接種および/または治療のための本発明の系をワクチンと松かさ抽出物の両方を含む組成物に限定されず、場合によっては松かさ抽出物も含むワクチンと松かさ抽出物を別々のものとして含むキットとすることもできる。ワクチンおよび/または薬物と松かさ抽出物とを含む組成物は、両方の構成成分を治療対象の脊椎動物に同時投与するのに特に有用である。このキットによって、ワクチン(または薬物)と松かさ抽出物の独立の投与が可能になる。それゆえ、ワクチンの投与の前に脊椎動物への松かさ抽出物の投与を開始する場合には、このキットは特に好適である。
好ましくは、このワクチンまたは薬物は核酸のワクチンまたは薬物である。本発明者らは、松かさ抽出物が核酸ワクチン接種または治療方法における補助剤として特に有効であることを見出した。核酸ワクチンおよび/または薬物によれば、松かさ抽出物補助剤と共に使用する場合に免疫系の特に高度の活性化の免疫化を達成することができる。
本発明の更なる好ましい方法においては、松かさ抽出物は、方法1(上記)、すなわち水酸化カリウムを含有する水性溶剤により脱脂された磨砕松かさ材料を熱抽出し、次に、0.2μmよりも大きい平均粒子サイズの粒子状物質を除去し、そして生成する溶液のpHを6.0と8.0の間に最終的に調整する方法により製造される松かさ抽出物を含む。
この方法で調製される松かさ抽出物は、ワクチン接種と治療用途において特に強力な効果を有する。このような松かさ抽出物は強力な免疫活性化の性質を提供し、そしてワクチンまたは薬物から生じる免疫応答を増大させる利点を提供するので、これらの松かさ抽出物を補助剤中で核酸ワクチンまたは薬物と共に使用することが好ましい。このような松かさ抽出物を製造する好ましい方式としては、上記を参照のこと。
本発明のキットまたは組成物の特に好ましい態様は、松かさ抽出物が方法2により製造される松かさ抽出物を含むものである。このような松かさ抽出物は、実際、方法1により得られる松かさ抽出物の30kDaまたはそれ以上の分子の区分であるが、免疫系の刺激に必要とされる本質的にすべての免疫活性の構成成分を含むこと、あるいは生体外あるいはインビトロでワクチンまたは薬物の抗原への免疫応答を仲介するのに必要とされる細胞を含むことが判明した。
本発明は、また、脊椎動物をワクチン接種あるいは治療する方法であって、脊椎動物にワクチンまたは薬物を投与する方法も提供する。ワクチンまたは薬物の投与後、この脊椎動物に松かさ抽出物を投与する。
このような方法は、前述のようにワクチン接種および/または治療における松かさ投与の利点を提供する。
ワクチンと松かさ抽出物の両方の投与は種々の方法で実施可能である。これらの内には、経口および肛門投与、皮膚塗布、皮下注射、筋肉内注射および静脈内注射がある。注射器系あるいは「粒子銃」と普通名付けられている器具を用いて、注射を行うことができる。ワクチンまたは薬物の投与の方式はワクチンまたは薬物の性状により選ばれる。あるワクチンは筋肉内注射により高免疫化レベルに達するが、他のワクチンは優先的に経口投与される。
この松かさ抽出物を経口によりあるいは筋肉内注射により投与することが好ましい。両方の投与方式は、松かさ抽出物の特に目立った免疫刺激効果を提供し、補助剤の性質を補強する。
上記で詳述した理由によって、好ましい態様においては、このワクチンまたは薬物は核酸ワクチンまたは薬物を含む。
更に、ワクチンまたは薬物と共に脊椎動物に投与される松かさ抽出物は、好ましくは方法1により製造される松かさ抽出物である。
このような投与は、特に核酸ワクチンまたは薬物と組み合わせて、上述のような特別な松かさ抽出物の利点を効果的に活用するものである。
この松かさ抽出物は方法2により製造される松かさ抽出物を含むことが特に好ましい。この松かさ抽出物の利点は上述のものである。核酸ワクチンおよび/または薬物と組み合わせて、このような松かさ抽出物は、特に長時間持続性の、強力なワクチン接種および/または疾患/病気の急速あるいは迅速な緩和をもたらすことができる。
もう一つの局面によれば、本発明は、表現型的に未熟および/または成熟の樹枝細胞および/または繊維細胞を生産する方法であって、血液単核細胞、胸腺細胞、脾細胞、臍帯血細胞、骨髄細胞、CD34細胞、CD14細胞またはこれらの混合物の群から選択される細胞を有効量の松かさ抽出物に暴露することを含む方法を提供する。
本発明者らは、松かさ抽出物がこの免疫系の細胞の分化過程に目立った効果を及ぼすことを見出した。特に、本発明者らは、松かさ抽出物が表現型的に未熟および/または成熟の樹枝細胞および繊維細胞への分化を誘導することができることを確立した。本発明によって、未熟および/または成熟の樹枝細胞に分化した細胞の特に高い収率を得ることが可能になる。分化を誘導する普通の方法、例えばサイトカインの投与によってはこのような高収率を以前には確立することができなかった。
選択された細胞または選択された混合物をCD3細胞に更に暴露することにより、分化を有利に増進することができる。
好ましくは、未熟および/または成熟の樹枝細胞および/または繊維細胞の高収率を得るのに使用される松かさ抽出物を方法1により製造する。このような松かさ抽出物は、表現型的に未熟または成熟の樹枝細胞および/または線維芽細胞への所望の分化を誘導するのに特に有効である。この分化の方法をCD3細胞への暴露と有利に組み合わせて、分化の高収率を達成し、維持することができる。
松かさ抽出物を方法2により得ることが特に好ましい。このような方法は上述したような松かさ抽出物に固有な利点を活用する。
方法1による松かさ抽出物の調製
この実施例は方法1による松かさ抽出物(PCE)の製造を例示する。
International Forest Companyから市販されている細断した松かさ材料、例えばタエダマツ、スラッシュマツおよびダイオウマツを使用する。5kgのこの細断した松かさ材料を約10lの脱イオン水中で2度洗浄する。次に、10lの95%エタノール中で攪拌しながら短時間洗浄することにより、この洗浄した松かさ材料を脱脂する。この松かさ材料を一夜風乾し、直ちに使用しない場合には室温(18−25℃)で貯蔵することができる。
この洗浄し、脱脂した松かさ材料をブレンダー中でほぼ80−120メッシュの粒子サイズに磨砕する。この磨砕した材料のうち、600gを201のスピンナーフラスコに入れる。4.51の1%w/w水酸化カリウム水溶液を添加する。フラスコの開口部をチーズクロスにより包んだ木綿球により栓をする。次に、このフラスコをゆっくりと排気して121℃で1時間、液体サイクル条件下でオートクレーブ処理する。オートクレーブ処理後、このフラスコを冷却する。この内容物を直ちに更に加工しない場合には、このフラスコを冷蔵庫中4℃で貯蔵することができる。
真空を印加した吸引フラスコに取り付けたブフナー漏斗上のナイロンメッシュフィルターにより大きな粒子をオートクレーブ処理した懸濁液から濾別する。この濾液をベックマン中速遠心分離機中でJA−10ローターとそれに対応する容器を用い、4℃で8000rpmで10分間遠心分離することにより、細かい粒子を除去する。上澄み液を取り去り、更に処理する。
1N塩酸水溶液を添加することにより、この遠心分離の上澄み液(抽出物)のpHを7.0に調整する。10mlの中和した上澄み液のコントロール試料を保持する。
この中和した抽出物を500mlガラス瓶に分配する(瓶当りほぼ400ml)。直ちに使用しない場合には、この抽出物を冷蔵庫中で貯蔵する。121℃で20分間液体サイクル条件下でオートクレーブ処理することにより、この抽出物を殺菌する。冷却後、このオートクレーブ処理した抽出物(方法1による抽出物)は、即使用の状態になる。これを冷蔵庫中で貯蔵することができる。
実施例1の松かさ抽出物からの方法2による松かさ抽出物の調製
この実施例は方法2による松かさ抽出物の製造を例示する。
15mlの実施例1の松かさ抽出物を無菌の50ml円錐形のポリプロピレン遠心分離容器(ミリポアUltrafree−l5遠心分離濃縮器,Fisherカタログ番号UFV2 BTK 10)に入れ、2000×gで1時間遠心分離(Eppendorfモデル5810R遠心分離器)する(室温〜4℃)。保持液区分を流し出し、保存する。30kDaよりも小さい分子を含有する濾液を捨てる。
この保持液区分をpH7.0で10mM水酸化カリウム緩衝水溶液中に懸濁して、15mlの最終抽出物容積とする。
0.2μmフィルター(Nalgene PES膜,カタログ番号124−0020)での真空濾過によりこの懸濁保持液区分(抽出物方法2)を殺菌する。
ここで、方法2の殺菌された松かさ抽出物は即使用の状態になる。これを冷蔵庫中で保存することができる。
実施例1および2の松かさの性質
この実施例は方法1および2による松かさ抽出物の性質を例示する。
方法1および2の松かさ抽出物は褐色液体である。これらは水、水とエタノールの混合物、およびアセトンと混和性である。これらはポリサッカライドとポリフェニルプロペノイドを含む。主要成分の分子量を表2に示す。方法1の松かさ抽出物の急速タン白液体クロマトグラフィ(PFLC)スペクトルを図1に示す。方法1の松かさ抽出物のUV/VIS吸収スペクトルを図2に示す。
Figure 2005508909
末梢血液単核細胞の調製
この実施例は末梢血液単核細胞(PBMC)の調製を例示する。
末梢血液単核細胞をバッフィコートから単離する。バッフィコートは全血の献血単位を遠心分離した後に回収した白色細胞層である。このPBMCを密度勾配(Histopaque1.077,Sigma Chemical Company)上で収集する。このPBMCを密度勾配から回収し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS,Sambrook JCら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」,Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989を参照のこと)により洗浄する、pH7.4。洗浄後、Moore,GE,Gerner,RE,and Franklin,HA(1967)A.M.A.Vol.199,page519に定義されているような標準RPMI 1640培地とそれに加えて10%ウシ胎仔血清、100単位/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンおよび50μM2−メルカプトエタノールを含む増強型RPMI1640完全培地中にこの細胞を懸濁する。この最終細胞濃度を2×10細胞/mlとなるように調整する。これらのうち、CD14およびCD3細胞をそれぞれメーカーの説明書によりCD14あるいはCD3マイクロビーズ(Miltenyi Biotech,Auburn,California)で単離した。単離される細胞をチェックして、免疫蛍光染色法により定量して、95%以上のCD14およびCD3とする。
松かさ抽出物によるPBMCの暴露
この実施例は松かさ抽出物へのPBMCの暴露により誘導される形態変化を例示する。
増強型RPMI1640培地(実施例4におけるような培地定義)中の2×10細胞/mlの細胞濃度の実施例4のPBMCを96ウエルの平底ミクロ滴定プレート(Nunc)のウエルに対してウエル当り100μlの細胞懸濁液により分配する。方法1および2の松かさ抽出物(それぞれ、実施例1および2)をそれぞれ、0、6.25、12.5、25、50、100および300μg/mlの最終濃度まで各ウエルに添加する。
この細胞を5%COを含む雰囲気中37℃で8日まで培養する。図3は種々の濃度の方法の1の松かさ抽出物に暴露されたPBMCの典型的な位相差顕微鏡像を示す。明らかに、松かさ抽出物濃度にほぼ比例した細胞数の著しい増加が見られる。更に、松かさ抽出物への暴露時の円板形のPBMC形態から樹枝細胞形態へ細胞形態は変化する。この効果は高濃度(12.5−100μg/ml)および8日暴露時間で最もよく見られるが、これらの濃度で2日目に既に視認可能である。方法1の松かさ抽出物に暴露されたPBMCと方法2の松かさ抽出物に暴露されたPBMC(像は示さず)の間に目で見える差異は検出されなかった。
サイトカインと松かさ抽出物のPBMCに及ぼす影響
この実施例は、サイトカインおよび松かさ抽出物への暴露により引き起こされるPBMCへの影響を例示する。
500μlの実施例4のPBMC(細胞濃度:2×10細胞/ml)を第1の24ウエルの組織培養プレート(Nunc)のウエルに各々分配する。次に、各ウエルに500μlの増強型RPMI 1640培地(実施例4を参照)を添加するが、ここでは添加される培地試料は(添加される培地中の濃度であり、最終濃度ではない)、200μg/mlのGM−CSF、20ng/mlのIL−4、20ng/mlのTNFαまたは200μg/mlの方法1のPCEを含み、いずれも余分の物質を含まない。72時間(初期培養)後、非接着性細胞を収集し、第2の24ウエルプレートのウエルに入れる。これらのウエルの各々に500μlの増強型RPMI1640培地(実施例4を参照)を方法1の松かさ抽出物と共に200μg/mlPCEの濃度(最終濃度100μg/mlPCE)で添加する。48時間の培養(第2の培養)後、非接着性細胞を除去する。この接着性細胞をPBS(実施例4を参照)により洗浄し、位相差顕微鏡下で写真撮影した。
図4はサイトカインと方法1の松かさ抽出物に暴露されたPBMCの位相差顕微鏡像を示す。欄Aの像はサイトカインまたはPCEへの72時間の暴露後の接着性細胞を示す。欄Bの像は初期の培養後に得られる非接着性細胞の区分からの第2の培養により産生される接着性細胞を示す。この像は、試験されるサイトカインのいずれか1つにPBMCを暴露することによって、PCEへの暴露による接着性細胞のかなりの増加がなお可能であることを示す。これらは、また、樹枝細胞への分化誘導が知られているサイトカイン組み合わせ物へのPBMCの暴露の影響に松かさ抽出物へのPBMCの暴露の影響が類似していることも示す。方法1の松かさ抽出物と方法2の松かさ抽出物の影響の間に差異は観察されなかった。
慣用の方法による樹枝細胞の産生
この実施例はサイトカインへの暴露によるPBMCの樹枝細胞への分化を誘導する慣用の方法を例示する。
追加の100ng/mlのヒトGM−CSF(R&D Systems,Minneapolis,カタログ番号215−GM−005)と10ng/mlのIL−4(R&D Systems,Minneapolis,カタログ番号204−IL−005)と共に実施例4のPBMCを増強型RMPI 1640培地(実施例4におけるような培地定義)中で5日間培養する。次に、追加の10ng/mlのTNFα(R&D Systems,Minneapolis,カタログ番号210−TA−010)と共に細胞をRMPI 1640培地中で少なくとも3日間上記のように培養する。
松かさ抽出物に暴露されたPBMCによるサイトカイン生産の検出
この実施例は、方法1の松かさ抽出物への暴露により引き起こされるPBMCのサイトカイン生産の変化を例示する。
増加する濃度の実施例5に詳述した方法1の松かさ抽出物にPBMCを暴露する。次に、サイトカイン生産をELISAにより分析する。増加する投与量のPCEにより処理したPBMCの48時間の培養物からの上澄み液を用いて、ELISAを行った。次のサイトカイン、GM−CSR(カタログ#DGM00)、IL−1β(カタログ#DLB50)、IL−6(カタログ#D6050)、およびTNFα(カタログ#DTA50)を検出するELISAをメーカーの説明書(R&D Systems,Minneapolis,MN)により行った。本質的に、100μlのこの培養液の上澄み液をELISAキット中に設けられた96ウエルプレート中の適切なウエルに添加し、室温で2時間インキュベーションした。このウエルを用意された洗浄緩衝液により洗浄し、次に吸い取って乾かした。次に、このサイトカインに特異的なビオチン化抗体をこのウエルに添加し、室温で2時間インキュベーションした。このウエルを洗浄し、吸い取って乾かした。ストレプタビジン共役ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼを各ウエルに20分間添加し、次に過酸化水素中のテトラメチルベンジジンを基質として用いて検出した。30分後、酸性溶液の添加により反応を停止し、そしてプレート分光光度計(Molecular Devices,Mountainview,CA)を用いて450nmでの混合物の吸光度を測定した。
図5は、2つの異なる血液ドナーに由来するPBMCの培養液中でのサイトカインの松かさ抽出物誘導生産を示す。一つのドナーのサイトカイン生産データを黒いバーで通して示し、それに対してもう一方のドナーのデータを白いバーで示す。この図は、GM−CSF(上左図)、IL−1β(上右図)、IL−6(下左図)およびTNFα(下右図)の松かさ抽出物誘導生産を示す。この培養培地中の最終松かさ抽出物濃度をμg/mlで示す。この図は、暴露時の松かさ抽出物濃度にほぼ比例するサイトカイン生産の全般的な増加を示す。本発明者らは培地中にIL−4またはIL−bを検出することができなかった(データは示さず)。方法1の松かさ抽出物に暴露された細胞と方法2の松かさ抽出物に暴露された細胞の間のサイトカイン発現の差異は観察されなかった。
松かさ抽出物に暴露されたCD14細胞による未処置の同種異系T細胞の活性化
この実施例は方法1の松かさ抽出物に暴露したCD14が未処置の同種CD3細胞を活性化する能力を例示する。
表現型的な樹枝細胞の純粋な集合は、メーカーの説明書によれば磁気ビーズ(CD14Miltenyi Biotech,Auburn California,カタログ#502−01)による抽出による実施例のPBMCに由来する。
このように単離したCD14細胞を6ウエル組織培養プレート(Nunc)のウエルに分配し、そして方法1の松かさ抽出物と共に実施例4に定義したような増強型RPMI 1640培地に100μg/mlの最終濃度で8日間暴露する。この細胞は実施例5に述べたように表現型的な樹枝細胞に分化する。
残存する非接着性細胞を除去する。この表現型的な樹枝細胞を収集(実施例5を参照のこと)し、実施例4に定義したような新鮮な増強型RPMI 1640培地に移し、そして96ウエル丸底組織培養プレート(Nunc)のウエルに100μl容積でウエル当り表現型的な樹枝細胞を最終の種々の濃度で分配する。
メーカーの説明書によりCD3マイクロビーズ(Miltenyi Biotech)を使用することにより、未処置の同種および自系のCD3細胞を得る。
このCD3細胞を収集し、実施例4に定義したような増強型RPMI 1640培地中で100μl容積で第2の組織培養プレート上の表現型的な樹枝細胞にウエル当り10のCD3細胞の最終濃度で分配する。この混合細胞を3日間共インキュベーションした。3日後、ELISA(R&DSystems,Minneapolis,カタログ番号DIF50)によりメーカーの説明書に従いIFN−ガンマの濃度を定量する。
図6は、共インキュベーション後に定量した同種および自系のCD3細胞によるIFN−ガンマ生産を示す。三角印はCD3細胞を実施例7に述べたように得られた樹枝細胞と共に共インキュベーションした後のIFN−ガンマ濃度を示す。正方形印は上述のような表現型的な樹枝細胞(PCEの存在下で調製)と共に共インキュベーションした後のIFN−ガンマ濃度を示す。ダイアモンド印は培地に暴露しただけのPBMCとインキュベーションしたCD3細胞のIFN−ガンマ濃度を示す。実施例7に述べた方法により得られる樹枝細胞は、IFN−ガンマ生産を刺激するのに最も有効である。上述の方法により得られる表現型的な樹枝細胞は、IFN−ガンマ生産を刺激するのに培地単独よりも著しく有効であるが、実施例7の方法により得られるような樹枝細胞より有効でない。方法1および2の松かさ抽出物の使用の間に効果の顕著な差異は観察されなかった(データは示さない)。
松かさ抽出物への暴露により得られる細胞は、表現型的な樹枝細胞であるが、未熟で完全には成熟していない樹枝細胞であるように見える。
HIV DNA(gag)ワクチンモデルにおける松かさ抽出物の補助剤活性
この実施例はDNAワクチン接種法における松かさ投与の影響を例示する。
50μlのPBSまたは40μg/mlの方法1の松かさ抽出物組成物50μ1に懸濁した50μgのワクチンDNAによりBalb/cマウスの各太腿四頭筋に筋肉内注射する(共注射)。ワクチンDNAは免疫原としてHIVgag、すなわちpCIgagを発現するプラスミドベクターである。コントロールDNAはCAT、すなわちpCICATを発現するプラスミドベクターである。もう一つの治療群においては、Balb/cマウスに飲料水中の200μg/ml松かさ抽出物を実験期間の間与えた。これらのマウスも上述のようにプラスミドベクターによりワクチン接種した。
ワクチン接種の3週間後、このワクチン接種したマウスに3×10pfuのHIVgagを発現するワクシニア発現ベクターの静脈内注射をした。この注射の3日後、このマウスを殺し、その脾臓を収集し、そしてその脾細胞を通常の方法により単離する。Bradley,W.G.,Ogata,N.,Good,R.A., and N.K.Day;「Alteratio of in vivo cytokine gene expression in mice infected with a molecular clone of the defective MAIDS virus」,1994,3.Acquired Immune Deficiency Syndromes.7:1−9を参照のこと。
この脾細胞をPBS(実施例5を参照のこと)により洗浄し、低速遠心分離によりペレット化し、次に2%w/w加熱不活性化したウシ胎仔血清を含有する冷PBS中に懸濁し、氷上に15分間置く。次に、CD4またはCD8およびIFN−ガンマを認識する適切な抗体をこの細胞に添加する。細胞と抗体を氷上、暗所で30分間インキュベーションし、この細胞を標識する。次に、この細胞を氷冷PBSにより洗浄する。この洗浄した細胞を1mlの新しく調製した1%w/w水性パラホルムアルデヒド中で固定する。Becton Dickinson FACSCフローサイトメーターを用いて、この標識し、固定した細胞を抗原発現について分析する。最低10,000の事象を分析のために収集する。
図7および7aは、マウスのCD8およびCD4脾細胞によるIFN−ガンマ生産によって測定されるワクチン接種効果に及ぼす松かさ投与の影響を示す。HIVp7gのペプチド部分はT細胞、特異的にCD8T細胞が認識する刺激物質である。遺伝子組み換えp24=gag=全gagタン白は刺激物質であり、そしてCD4T細胞により認識される。p24への応答はCD4T細胞に対して最適である。このデータは、ワクチン接種の間あるいは直後の核酸ワクチンによる松かさ抽出物の経口および筋肉内の両方の投与がCD8細胞の活性化を増強することを示す(パネル「pCIGag/PCE給餌」および「pCIGag/PCE共注射」)。この増強は、松かさ抽出物補助剤(パネル「pCIGag単独」)無しで投与されるワクチン(pCIGag)またはコントロールの「ワクチン接種」DNA(パネル「pCICAT/PCE給餌」)に対して著しく強力である。再び、方法1と方法2により得られる松かさ抽出物間に著しい差異は観察されない。
それゆえ、前出は本発明の原理を例示するのみと考えられる。これらは網羅的であること、あるいは開示された形そのものに本発明を限定することは意図されていない。上記の教示に照らすと明白な改変または変更が可能である。公正に、法的に、公平にこれらに権利を与える幅によって解釈する場合、このような改変と変更すべては、添付の特許請求の範囲により決められる本発明の範囲内にある。
方法1の松かさ抽出物の急速タン白液体クロマトグラフィ(FPLC)スペクトル。 方法1の松かさ抽出物の吸収スペクトル。 種々の濃度の方法1の松かさ抽出物に暴露したPBMCの位相差顕微鏡。 サイトカインと方法1の松かさ抽出物に暴露したPBMCの位相差顕微鏡。 2つの異なる血液ドナーに由来するPBMCの培養におけるサイトカインの松かさ抽出物誘導生産。 方法1の松かさ抽出物に暴露した種々の濃度のCD14細胞と共インキュベーションした時の同種および自系のCD3細胞によるインターフェロンガンマ生産。 DNAワクチンによりワクチン接種された動物のCD8脾細胞による細胞内IFN−ガンマ生産に及ぼす松かさ抽出物の補助剤の効果。 DNAワクチンによりワクチン接種された動物のCD4脾細胞による細胞内IFN−ガンマ生産に及ぼす松かさ抽出物の補助剤の効果。

Claims (16)

  1. a)水酸化カリウムを含む水性溶剤により脱脂された磨砕松かさ材料を熱抽出する段階と;
    b)0.2μmよりも大きい平均粒子サイズの粒子状物質を除去し、上澄み液を残す段階と;
    c)前記生成する上澄み液のpHを6.0と8.0の間に調整する段階と
    を含む松かさ抽出物を製造する方法であって、
    d)前記上澄み液を濾過して、保持液区分を得る段階と;
    e)前記保持液区分を抜き出し、30kDa未満の平均分子量の粒子を除去する段階と;および
    f)水酸化カリウムを含む水性溶剤中に6.0と8.0の間のpHで前記保持液区分を懸濁する段階と
    を更に含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1の方法により製造される松かさ抽出物。
  3. a)ワクチンまたは薬物とb)補助剤とを含み、前記補助剤が松かさ抽出物を含む組成物またはキットからなるワクチン接種および/または治療のための系。
  4. 前記ワクチンまたは薬物が核酸のワクチンまたは薬物である請求項3に記載の系。
  5. 前記松かさ抽出物が
    a)水酸化カリウムを含む水性溶剤により脱脂された磨砕松かさ材料を熱抽出する段階と;
    b)0.2μmよりも大きい平均粒子サイズの粒子状物質を除去し、水溶液を残す段階と;そして
    c)前記水溶液のpHを6.0と8.0の間に調整する段階と
    を含む方法により製造される松かさ抽出物を含む請求項3に記載の系。
  6. 前記松かさ抽出物が
    e)水酸化カリウムを含む水性溶剤により脱脂された磨砕松かさ材料を熱抽出する段階と;
    f)0.2μmよりも大きい平均粒子サイズの粒子状物質を除去し、上澄み液を残す段階と;そして
    g)前記上澄み液のpHを6.0と8.0の間に調整する段階と
    を含む方法であって、
    h)前記上澄み液を濾過して、保持液区分を得る段階と;
    e)前記保持液区分を抜き出し、30kDa未満の平均分子量の粒子を除去する段階と;および
    f)水酸化カリウムを含む水性溶剤中に6.0と8.0の間のpHで前記保持液区分を懸濁する段階と
    を更に含むことを特徴とする方法により製造される松かさ抽出物を含む請求項5に記載の系。
  7. a)ワクチンまたは薬物を脊椎動物に投与する段階と;そして
    b)松かさ抽出物を脊椎動物に投与する段階と
    を含む脊椎動物をワクチン接種あるいは治療する方法。
  8. 前記ワクチンまたは薬物が核酸のワクチンまたは薬物を含む請求項7に記載の方法。
  9. 前記松かさ抽出物が
    d)水酸化カリウムを含む水性溶剤により脱脂された磨砕松かさ材料を熱抽出する段階と;
    e)0.2μmよりも大きい平均粒子サイズの粒子状物質を除去し、上澄み液を残す段階と;そして
    f)前記生成する上澄み液のpHを6.0と8.0の間に調整する段階と
    を含む方法により製造される松かさ抽出物を含む請求項7に記載の方法。
  10. 前記松かさ抽出物が請求項2に記載の松かさ抽出物を含む請求項7に記載の方法。
  11. 前記松かさ抽出物を経口により、筋肉内注射により、吸入によりあるいは粘膜質の皮膚への塗布により投与する請求項7に記載の方法。
  12. 前記脊椎動物をガンおよび/またはウイルスの感染に対してワクチン接種あるいは治療する請求項7に記載の方法。
  13. 血液単核細胞、胸腺細胞、脾細胞、臍帯血液細胞、骨髄細胞、CD34細胞、CD14細胞またはこれらの混合物の群から選択される細胞を有効量の松かさ抽出物に暴露することを含む、未熟および/または成熟の樹枝細胞および/または繊維細胞を生産する方法。
  14. 前記選択される細胞または選択される混合物をCD3細胞に暴露することを更に含む請求項13に記載の方法。
  15. 前記松かさ抽出物が
    a)水酸化カリウムを含む水性溶剤により脱脂された磨砕松かさ材料を熱抽出する段階と;
    b)0.2μmよりも大きい平均粒子サイズの粒子状物質を除去し、水溶液を残す段階と;そして
    c)前記生成する水溶液のpHを6.0と8.0の間に調整する段階と
    を含む方法により製造される抽出物を含む請求項13に記載の方法。
  16. 前記松かさ抽出物が
    i)水酸化カリウムを含む水性溶剤により脱脂された磨砕松かさ材料を熱抽出する段階と;
    j)0.2μmよりも大きい平均粒子サイズの粒子状物質を除去し、上澄み液を残す段階と;そして
    k)前記上澄み液のpHを6.0と8.0の間に調整する段階と
    を含む方法であって、
    l)前記上澄み液を濾過して、保持液区分を得る段階と;
    e)前記保持液区分を抜き出し、30kDa未満の平均分子量の粒子を除去する段階と;および
    f)水酸化カリウムを含む水性溶剤中に6.0と8.0の間のpHで前記保持液区分を懸濁する段階と
    を更に含むことを特徴とする方法により製造される松かさ抽出物を含む請求項15に記載の方法。
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