JP2594456B2 - 抗エイズウイルス剤 - Google Patents

抗エイズウイルス剤

Info

Publication number
JP2594456B2
JP2594456B2 JP63066252A JP6625288A JP2594456B2 JP 2594456 B2 JP2594456 B2 JP 2594456B2 JP 63066252 A JP63066252 A JP 63066252A JP 6625288 A JP6625288 A JP 6625288A JP 2594456 B2 JP2594456 B2 JP 2594456B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
virus
aids virus
extract
cells
effect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63066252A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01238533A (ja
Inventor
宏 坂上
Original Assignee
宏 坂上
紺野 邦夫
野々山 明範
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 宏 坂上, 紺野 邦夫, 野々山 明範 filed Critical 宏 坂上
Priority to JP63066252A priority Critical patent/JP2594456B2/ja
Priority to US07/209,926 priority patent/US4985249A/en
Priority to EP19880110142 priority patent/EP0296626B1/en
Priority to DE8888110142T priority patent/DE3861709D1/de
Publication of JPH01238533A publication Critical patent/JPH01238533A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2594456B2 publication Critical patent/JP2594456B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、植物性物質より得られる抗エイズウイルス
作用のある高分子物質に関する。
(従来の技術) HIV(Human Immunodefficiency Virus)は、ヒトのRe
tro Virusでヒトの白血球細胞に感染し免疫阻害を起こ
すことが知られている。この感染によって、後天性免疫
阻害(Acute Immunodefficiency Syndrome)に陥りその
結果、色々な外部からの感染に対する抵抗力がなくなる
ことで致死を招く。
現在、抗エイズウイルス剤として種々の化合物が提案
され、医薬品として開発されているが、効果、副作用等
の点から決定的なものは得られていない。ところで、こ
れらの抗エイズウイルス剤の中には、クレスチン及びレ
ンチナンのように植物成分から開発されたものがある。
本発明者らは、種々の植物成分の抗エイズウイルス作
用について鋭意検討を重ねた結果、松かさからアルカリ
水で抽出される抗腫瘍性物質が効果を有すること、その
うちで本発明者らがKS−6及びKS−7と名付けたものは
特に、低濃度で有効にエイズウイルスの増殖を阻害する
ことを見出した。
(発明の構成) 本発明の抗エイズウイルス剤は、五葉松(Pinus parv
iflora Sieb.et Zucc.)等の松かさのアルカリ水抽出
物、特にこの抽出物中に含まれる抗エイズウイルス性高
分子物質を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明において松かさは、黒松、赤松、五葉松等の種
々の松の松かさが使用できるが、特に五葉松のものが好
ましい。松かさは、7〜8月頃のものは油分が多く、抽
出した際、油分が層状になって分離することから9〜10
月頃のもの、特に成分が豊富に含まれていると考えられ
る10月頃の落実していないものが好ましい。
松かさからの抽出物としては、単なる熱水によっても
或る程度の効力のあるものが得られるが、特にアルカリ
水による抽出物によって好ましい結果が得られる。
本発明においてアルカリ水抽出物は、抽出液のまま使
用してもよいが、更に分別して、抽出液中に含まれる特
に効果のある成分のみを用いてもよい。本発明者らは、
この抽出物中に含まれる有効成分として使用し得るもの
は高分子物質であると推定した。また本発明者らは、特
に効果のある成分をKS−6及びKS−7と名づけた。
本発明で使用するアルカリ水抽出物は、直接松かさを
アルカリ水中に浸漬して抽出してもよいが、通常はアル
コール等で油分を除き、熱水抽出したのちのものからア
ルカリ水抽出するとよい。
アルカリ水のアルカリ成分としては、有機塩基、無機
塩基のいずれも使用できる。アルカリ水のアルカリ度は
特に限定されないが、好ましくはpH8以上、9〜13程度
がよい。
抽出液はそのまま、または必要に応じて適当な濃度と
なるように濃縮した後、適当な酸によって中和し、この
中和液をそのまま凍結乾燥等の適当な手段で濃縮・乾燥
して、適当な濃度の液体または固体として得、これを有
効成分として使用するか、この中和液を更に遠心分離な
ど適当な方法によって、沈殿と上清とに分画し、沈殿物
から再度アルカリ水抽出することによりKS−6を得、上
清をアルコールで処理して沈殿を生じさせ、この沈殿物
を処理してKS−7を得る。
(実施例) 以下、本発明を一実施例によって説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。
KS−6及びKS−7の精製法 500gの松かさを約5のメタノール、85%エタノール
で4時間、2回づつ還流させながら洗浄する。次に、5
の沸騰蒸溜水で6時間、3回の抽出を行う。残渣を5
の1%水酸化ナトリウムで室温下6時間、2回抽出を
行う。ガーゼで濾した抽出液のpHを酢酸で5に合わせ
る。10000×g、20分、4℃の遠心により先づ沈澱と上
清に分画する。沈澱を少量の1%水酸化ナトリウムに溶
かし、遠心による不溶物の除去後、充分量の水に対して
透析し、凍結乾燥したものがKS−6である。上清に等量
のエタノールを加え、生じた沈澱を充分量の水に対して
透析し、凍結乾燥したものがKS−7である。松かさ乾燥
重量当りの収率は、それぞれ約0.5%及び約1%であ
る。
分析法 中性糖の組成は、メタノール塩酸中で16時間65℃、メ
タノリシスにより得られたメチルグリコシドのトリメチ
ルシリル化誘導体のガス−リキドクロマトグラフィーに
より分析する。中性糖の定量は又、フェノール硫酸法に
より行う。
ウロン酸は、アルドノラクトンに換えてからトリメチ
ルシリル化誘導体をガス−リキドクロマトグラフィーに
より解析する。ウロン酸の定量は、カルバゾール法によ
り行う。
炭素、水素、窒素、イオウの定量は、元素分析機によ
り行う。
エンドトキシン試験 エンドトキシンの定量は、大腸菌0111:B4エンドトキ
シンを標準にして、エンドスペシー(エンドトキシン特
異的新比色定量、生化学工業(株))により行う。
T細胞への感染方法 細胞CEM Cell Lineは、ヒト白血病患者より由来した
T細胞株であり、HTLV1と2を含んでいない。使用され
たウイルス株は、HIVのN.Y.株である。
CEM株にHIVを含む細胞培養液を加え、CEMを感染す
る。培養液中に放出されたウイルスの感染価は、逆転写
酵素の活性(RT)とp24 antigen capture法によって測
定した。
(作 用) KS−6は、波長260−280nmの光に吸収をもつ茶褐色の
粉末として得られ、水、含水アルコール及び含水アセト
ンに対する溶解性は優れている。炭素43.2%、水素4.0
%、窒素2.6%を含み、イオウは検出されなかった。中
性糖は11.0%を占め、その構成の内訳は、フコース9.4
%、マンノース19.0%、ガラクトース44.7%、グルコー
ス26.9%であった。ウロン酸は1.7%しか含まれていな
かった。アルカリ性条件下におけるゲル濾過での分子量
は、1万であった。
KS−7は、波長260〜280nmの光に吸収をもつ茶褐色の
粉末として得られ、水に対する溶解性は優れているが、
含水アルコール、含水アセトン及び生理食塩水中では沈
澱を生じやすい。炭素33.55%、水素4.23%を含み、窒
素、イオウは検出されなかった。中和糖は39.5%を占
め、その構成の内訳は、アラビノース16.5%、マンノー
ス16.2%、ガラクトース39.3%、グルコース26.0%であ
った。また、KS−7は、ウロン酸58.2%を含んでいた。
エンドトキシンの混入は0.0025%前後であった。アルカ
リ性での条件下でのゲル濾過での分子量は、1〜20万で
あった。
KS−6及びKS−7の抗エイズウイルス活性 1. KS−7のウイルス持続感染細胞に対する効果 CEM細胞にHIVを低いウイルス感染比で加え長く培養す
ることによって、CEM細胞をウイルス持続感染細胞株に
変えることができる。このようにして作られた持続感染
細胞株に、松かさのアルカリ抽出物KS−7を0μg(対
照)0.7μg、7μg、70μg、350μg/ml加えて1週間
培養した。その培養液のHIVの活性をRT法によって測定
した。結果を第1図に示す。
その結果、RTの活性は7μg/mlのKS−7を加えること
によって66%抑制されることが発見された。70μg/ml以
上では、RT活性によって測定された阻止率は、85%以上
である。KS−7は70μg/mlまでCEM細胞の生存率には影
響を与えなかった。これに対して、対照はスラミン200
μg/mlで処理したもの(スラミンは、アジドチミジンと
同じ位の効果を示す)でウイルスのRT活性をわずか69%
しか抑制せず、CEM細胞の生存率を78%まで低下させ
た。
次にKS−7添加によるウイルス産生の抑制の経時変化
を調べた。第2図に示す様に、50μg/mlあるいは100μg
/mlのKS−7を添加してから5日目、7日目、10日目、1
7日目の培養液中のウイルス量を、RT活性により求め
た。KS−7投与後5〜17日間のどの段階でも、培養液中
のウイルス量は、KS−7により約90%近く抑制されてい
た。このことはKS−7はウイルスの産生を抑制している
ことを示している。
なお、第2図において矢印は、CEM細胞を1:5に希釈
し、新たにKS−7を含む培養液を補充したところ(日)
を示す。また縦軸は、培養液中に放出されたウイルスの
RT活性をlog scaleでプロットしているのに注意された
い。
2. KS−6をウイルス感染直後に処理した時の効果 次にウイルスを感染させた直後に、KS−6を加えた場
合の効果を調べた。ウイルスの感染比を高くして(TCID
50−3)、CEM細胞に感染させた。その直後にKS−6を
加え新たに3〜7日間培養し、培養液中のウイルス量を
p24 antigen capture法により求めた。
第3図に示すように、KS−6のウイルス増殖抑制効果
は、0.3μg/ml以上で観察され、1〜3μg/mlで40−50
%程度抑制し、30μg/mlの濃度では最大88%まで抑制し
た。そして、これらの濃度ではCEM細胞の生存率に殆ん
ど影響を与えなかった。
3. KS−6、KS−7によるCEM細胞の前処理の効果 最後に、ウイルスを感染させる前に、KS−6、KS−7
でCEM細胞を前処理した場合の効果を調べた。種々の濃
度のKS−6(0.3〜30μg/ml)、KS−7(3〜100μg/m
l)でCEM細胞を1日間、7日間前処理し、洗浄後HIVウ
イルスの感染比を高くして感染した。その後5日間同濃
度のKS−6、KS−7存在下で培養し、培養液中に放出さ
れたウイルス量をp24 antigen capture法により求め
た。
その結果、第4図に示されている様に、KS−6のウイ
ルス抑制効果は、0.3μg/mlで既に検出され、3μg/ml
で80%以上、10〜30μg/mlで90〜95%抑制した。これに
対してKS−7のウイルス抑制効果は、KS−6のそれより
わずかに弱く、10μg/mlで検出され、30〜100μg/mlで
最大95%抑制した。
以上により、松かさ由来抗腫瘍性物質KS−6、KS−7
は、エイズウイルスを持続的に産生している系に対して
ウイルスの増殖を強力に抑制すること、この結果はウイ
ルスを感染させた直後に加えた場合よりも、ウイルスを
感染させる前に加えた場合の方が強く現われることが判
明した。
(発明の効果) エイズウイルスは、血液のT細胞に感染し、免疫阻害
を誘起し、死に到らしめる。KS−6及びKS−7は、抗エ
イズウイルス作用を持つばかりでなく、ヒト未梢血由来
の単球や、多形核白血球を著しく活性化させることも判
っている。この様にKS−6及びKS−7は、他の植物性高
分子物質に見られない多くの免疫賦活活性を持ってい
る。従って単独でまたは他の治療法もしくは他の治療薬
(アジドチミジン、ジデオキシシチジン、スラミン等)
と組み合わせて使用することにより、より効果的なエイ
ズの治療を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ウイルス持続感染細胞ににおけるKS−7の濃
度依存的ウイルス産生抑制効果を示すグラフである。 第2図は、ウイルス持続感染細胞系におけるKS−7のウ
イルス産生抑制効果の経時変化を示すグラフである。 第3図は、ウイルス感染直後にKS−6を処理した時の効
果を示すグラフである。 第4図は、ウイルス感染前にKS−6及びKS−7を処理し
た時の効果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂上 宏 神奈川県横浜市緑区千草台33番地 千草 台団地246 (56)参考文献 特開 平1−238532(JP,A) 特開 平1−4601(JP,A) 特開 平1−6218(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】五葉松(Pinus parviflora Sieb.et Zuc
    c.)の松かさのアルカリ水抽出物に含まれる抗エイズウ
    イル作用を有する高分子物質(但し、多糖を除く)を有
    効成分として含有することを特徴とする抗エイズウイル
    ス剤。
  2. 【請求項2】有効成分が、松かさのアルカリ水抽出液を
    pH5に調整したのち遠心分離して得られる沈殿物に含ま
    れる抗エイズウイル作用のある高分子物質であることを
    特徴とする請求項第1項記載の抗エイズウイルス剤。
JP63066252A 1987-06-26 1988-03-19 抗エイズウイルス剤 Expired - Fee Related JP2594456B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63066252A JP2594456B2 (ja) 1988-03-19 1988-03-19 抗エイズウイルス剤
US07/209,926 US4985249A (en) 1987-06-26 1988-06-22 Anti-HIV agents
EP19880110142 EP0296626B1 (en) 1987-06-26 1988-06-24 Anti-hiv agents and method of producing the same
DE8888110142T DE3861709D1 (de) 1987-06-26 1988-06-24 Anti-hiv-mittel und methode zu deren erzeugung.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63066252A JP2594456B2 (ja) 1988-03-19 1988-03-19 抗エイズウイルス剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01238533A JPH01238533A (ja) 1989-09-22
JP2594456B2 true JP2594456B2 (ja) 1997-03-26

Family

ID=13310486

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63066252A Expired - Fee Related JP2594456B2 (ja) 1987-06-26 1988-03-19 抗エイズウイルス剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2594456B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7838046B2 (en) 2001-09-26 2010-11-23 Tampa Bay Research Institute Plant extracts and uses thereof
US6866875B2 (en) 2001-09-26 2005-03-15 Tampa Bay Research Institute Pine cone extracts and uses thereof

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62159423A (ja) * 1986-01-08 1987-07-15 Nec Corp イオン注入領域の寸法計測方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01238533A (ja) 1989-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5488040A (en) Use of neutral soluble glucan preparations to stimulate platelet production
US5783569A (en) Uses for underivatized, aqueous soluble β(1-3) glucan and compositions comprising same
US5089481A (en) Polysaccharides and antiviral drugs containing the same as active ingredient
Lai et al. Modification of human immunodeficiency viral replication by pine cone extracts
US20040170645A1 (en) Seaweed extract composition for retardation of cardiovascular disorders and preservation of healthy cardiovascular function
WO1996005212A1 (en) Water-soluble polyene conjugate
JPH0454124A (ja) 抗ウィルス剤
DE2659808C3 (de) Proteingebundene Polysaccharide und deren Verwendung zur Bekämpfung von Tumoren
de Godoi et al. Structural characterization and antiviral activity of pectin isolated from Inga spp.
RU2308460C2 (ru) Полисахарид из корней echinacea angustifolia, способ его получения, фармацевтическая композиция
JP2594456B2 (ja) 抗エイズウイルス剤
JP3793593B2 (ja) 抗ウィルス剤の製造方法
JPH0539305A (ja) アストラガルス・メンブラナセウスから抽出した免疫 変調性多糖類及びこれらを含有する薬剤組成物
US20050196410A1 (en) Seaweed extract composition for treatment of inflammation
JP2594440B2 (ja) 抗エイズウイルス剤
Uchida et al. Oncostatic and immunomodulatory effects of a glycoprotein fraction from water extract of abalone, Haliotis discus hannai
US4861761A (en) Aloeferon isolation, manufacturing and its applications
JP3290834B2 (ja) 抗ウィルス剤並びにその製造方法
JPH0413684A (ja) リグニン配糖体およびその用途
EP1888092B1 (fr) Medicament a base de laminarine ou d' oligolaminarines pour le traitement de la septicemie et du choc septique
US6015796A (en) Method for treating AIDS
US6020325A (en) Method for inhibiting replication of HIV
JPS6377901A (ja) 新規多糖類
KR100418682B1 (ko) 초음파 공정을 이용한 고분자 키토산의 분리 및 정제방법
RU2019186C1 (ru) Способ ингибиции вич-инфекции

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees