JP2005504087A - 4’が修飾されたヌクレオシドを使用するc型肝炎ウイルス治療のための方法および組成物 - Google Patents
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Abstract
記載の4’で二置換されたヌクレオシド、その薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを、C型肝炎を治療する有効な量だけ投与することを含む、C型肝炎ウィルスを感染させた宿主を治療するための化合物、方法および組成物を提供する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、製薬化学分野であり、より詳細には、C型肝炎ウイルス、およびRNA依存性RNAウイルスポリメラーゼによって複製を行う他のウイルスを治療するための化合物、方法、および組成物に関する。本出願は、米国特許出願第60/326,184号に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、世界的に慢性肝疾患の主因である。(Boyer,N.等のJ.Hepatol.第32巻、98〜112ページ、2000年)。HCVは、進行の遅いウイルス感染を引き起こし、肝硬変および肝細胞癌の原因の大半を占める。(Di Besceglie,A.M.およびBacon,B.R.のScientific American、10月号、80〜85ページ(1999年);Boyer,N.等のJ.Hepatol.第32巻、98〜112ページ、2000年)。HCV感染者は、世界中で推定1億7千万人である。(Boyer,N.等のJ.Hepatol.第32刊、98〜112ページ、2000年)。米国では、慢性C型肝炎ウイルス感染によって引き起こされた肝硬変が、年間8,000〜12,000件の死亡の原因となり、HCVが肝臓移植の主たる適応症である。
【0003】
HCVは、輸血後肝炎の少なくとも80%、および相当な割合の散発性急性肝炎の原因となることが知られている。また予備的な証拠から、B型肝炎ウイルス(HBV)など、他の肝炎ウイルスに関連のない「特発性」慢性肝炎、「原因不明の」肝硬変、およびおそらくは肝細胞癌の多くの事例においてもHCVが示唆される。地理学および他の疫学的要因によって変わるが、健康人のわずかな割合が、慢性的なHVCキャリアのようである。情報が未だ予備的なものである、すなわちこのような人々のどれだけが無症状性の慢性肝疾患に罹っているか明らかでないが、その数はHBVをかなり上回るであろう。(The Merck Manual、第16版(1992年)、第69章、901ページ)。
【0004】
HCVは、フラビウイルス属、ペスチウイルス属、およびC型肝炎ウイルスを含むヘパシウイルス属を含むウイルスの科、フラビウイルス科のメンバーとして分類されている(Rice,C.M.の「Flaviviridae:The viruses and their replication」、出典:Fields Virology、編集:Fields,B.N.、Knipe,D.M.、およびHowley,P.M.、ペンシルヴェニア州フィラデルフィア、Lippincott−Raven Publishers社刊、1996年、第30章、931〜959ページ)。HCVは、およそ9.4kbのプラス1本鎖RNAゲノムを含むエンベロープウイルスである。このウイルスゲノムは、5’非コード領域(UTR)、およそ3011個のアミノ酸のポリタンパク質前駆体をコードする長い翻訳領域、および短い3’UTRからなる。5’UTRは、HCVゲノムの最も高度に保存された部分であり、ポリタンパク質の翻訳を開始および制御するために重要である。HCVゲノムの翻訳は、内部リボソーム結合(internal ribosome entry)として知られているキャップ独立性の機構によって開始される。この機構には、内部リボソーム結合部位(IRES)として知られているRNA配列にリボソームが結合することが関与する。RNAのシュードノット(pseudoknot)構造は、最近、HCV IRESの必須構造要素であると決定された。ウイルスの構造タンパク質には、ヌクレオカプシドコアタンパク質(C)と2種のエンベロープ糖タンパク質E1およびE2が含まれる。またHCVは、2種のプロテイナーゼ、すなわちNS2−NS3領域にコードされている亜鉛依存的なメタロプロテイナーゼおよびNS3領域にコードされているセリンプロテイナーゼをコードする。これらのプロテイナーゼは特定の前駆体ポリタンパク質領域を成熟ペプチドへと切断する必要がある。非構造タンパク質5のカルボキシル側半分、すなわちNS5Bは、RNA依存性RNAポリメラーゼを含有する。残りの非構造タンパク質NS4AおよびNS4Bの機能と、NS5A(非構造タンパク質5のアミノ末端側半分)の機能は、依然として知られていない。
【0005】
最近の抗ウイルス研究は、ヒトにおける慢性HCV感染治療の改良された方法の開発に重点を置いている(Di Besceglie,A.M.およびBacon,B.R.のScientific American、10月号、80〜85ページ、(1999年))。最近では、2種の主たる抗ウイルス化合物、すなわちリバビリンおよびインターフェロンαがあり、ヒトの慢性HCV感染治療に使用されている。
【0006】
リビバリンおよびインターフェロンを用いたHCV感染治療
リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)は、商品名Virazole(商標)のもとで販売されている、インターフェロン非誘発性の合成広範囲抗ウイルスヌクレオシド類似体である(The Merck Index、第11版、Budavari,S.編、ニュージャージー州ローウェイ、Merck & Co.,Inc.、1304ページ、1989年)。米国特許第3,798,209号およびRE29,835がリバビリンを開示し、特許を請求している。リバビリンは、構造上はグアノシンに類似しており、フラビウイルス科を含む数種のDNAウイルスおよびRNAウイルスに対してin vitro活性を有する(Gary L.DavisのGastroenterology第118巻:S104〜S114、2000年)。
【0007】
リバビリンは、患者の40%で血清アミノトランスフェラーゼ濃度を正常値に低下させるが、血清HCV−RNA濃度は低下させない(Gary L.DavisのGastroenterology第118巻:S104〜S114、2000年)。したがって、リバビリン単独では、ウイルスRNAレベルを低下させるのに有効ではない。さらに、リバビリンはかなり毒性があり、貧血を誘発することが知られている。
【0008】
インターフェロン(IFN)は、ほぼ10年間にわたり慢性肝炎治療用に市販されてきた化合物である。IFNは、免疫細胞がウイルス感染に応じて産生する糖タンパク質である。IFNは、HCVを含む多くのウイルスのウイルス複製を阻害し、C型肝炎感染に単独の治療薬として使用した場合に、血清HCV−RNAを検出不可能な濃度に抑制する。さらに、IFNは、血清アミノトランスフェラーゼ濃度も正常にする。残念なことに、IFNの効果は一時的であり、HCVに慢性的に感染した患者の8%〜9%にしか持続性の応答が生じない(Gary L.Davis.のGastroenterology、第118巻:S104〜S114、2000年)。
【0009】
いくつかの特許が、インターフェロンを基にした療法を使用するHCV治療を開示している。たとえば、Blatt等の米国特許第5,980,884号は、コンセンサスインターフェロンを使用する、HCV罹患者の治療方法を開示している。Bazer等の米国特許第5,942,223号は、ヒツジまたはウシのインターフェロンτを使用する抗HCV療法を開示している。Alber等の米国特許第5,928,636号は、HCVを含む感染症治療のためのインターロイキン12とインターフェロンαの併用療法を開示している。Glue等の米国特許第5,908,621号は、HCV治療用ポリエチレングリコール修飾インターフェロンを開示している。Chretien等の米国特許第5,849,696号は、HCV治療のための単独またはインターフェロンと併用したチモシンを開示している。Valtuena等の米国特許第5,830,455号は、インターフェロンと遊離基捕捉剤を使用する併用HCV療法を開示している。Imakawaの米国特許第5,738,845号は、HCV治療用のヒトインターフェロンτタンパク質を開示している。インターフェロンを基礎としたHCVの他の治療は、Testa等の米国特許第5,676,942号、Blatt等の米国特許第5,372,808号、および米国特許第5,849,696で開示されている。
【0010】
インターフェロンとリバビリンの併用
シェリングプラウ社は、HCV患者への投与向けにRebetol(登録商標)カプセル(200mg)としてリバビリンを販売している。米国食品医薬局(FDA)は、シェリング社のαインターフェロン製品Intron(登録商標)AおよびPEG−Intron(商標)を併用して慢性HCV感染を治療するために、Rebetolカプセルを承認している。Rebetolカプセルは、単独療法(すなわち、IntronAまたはPEG−Intronと無関係の投与)では承認されていないが、IntronAおよびPEG−Intronは、単独療法(すなわち、リバビリンなしの投与)で承認されている。Hoffman La Roche社は、これもHCVの治療にインターフェロンと併用するコペガス(CoPegas)の名でリバビリンを販売している。他のαインターフェロン製品は、ロフェロンA(Hoffmann−La Roche)、Infergen(登録商標)(Intermune社、以前はアムジェン社の製品)であり、Wellferon(登録商標)(ウェルカム財団)は、最近になってHCV単独療法がFDAに承認されている。
【0011】
HCV感染を治療する方法を開示する追加の参照文献
Bymock等のAntiviral Chemistry & Chemotherapy、第11巻:2、79〜95ページ(2000年)に、いくつかのHCV治療が出ている。
【0012】
切断された基質の切れやすいアミド結合が、触媒セリンと相互に作用する求電子基で置換された数種の基質系NS3プロテアーゼ阻害薬が文献で特定されている。Attwood等(1998年)の「Antiviral peptide derivatives」、98/22496;Attwood等(1999年)のAntiviral Chemistry and Chemotherapy第10巻、259〜273ページ;Attwood等(1999年)の「Preparation and use of amino acid derivatives as anti−viral agents」、ドイツ特許公告DE19914474;Tung等(1998年)の「Inhibitors of serine proteases,particularly hepatitisC virus NS3 protease」、WO98/17679。報告された阻害薬は、ボロン酸またはホスホン酸など、求電子基を末端とする。Llinas−Brunet等(1999年)の「Hepatitis C inhibitor peptide analogues」、WO99/07734。2クラスの求電子剤系阻害薬、αケトアミドおよびヒドラジノ尿素について記載されている。
【0013】
文献には、いくつかの非基質系阻害薬も開示されている。たとえば、HCVプロテアーゼおよび他のセリンプロテアーゼに対する2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体の阻害作用の評価が報告されている。Sudo,K.等(1997年)のBiochemical and Biophysical Research Communications第238巻、643〜647ページ;Sudo,K.等(1998年)のAntiviral Chemistry and Chemotherapy第9巻、186ページ。逆相HPLCアッセイを利用して特定された2種の最も効力のある化合物は、アミドが炭素14個の鎖で置換されたRD3−4082およびパラフェノキシフェニル基をプロセシングするRD3−4078である。
【0014】
NS3/4A融合タンパク質およびNS5A/5B基質との逆相HPLCアッセイを利用して、チアゾリジン誘導体がマイクロモルの阻害薬として特定された。Sudo,K.等(1996年)のAntiviral Research第32巻、9〜18ページ。長鎖アルキルで置換された縮合シンナモイル部分を有する化合物RD−1−6250は、単離された酵素に対して最も効力があった。活性のある他の2種の例は、RD4 6205およびRD4 6193であった。
【0015】
他の文献では、ELISAアッセイを利用する比較的小規模なライブラリのスクリーニングと、強力な阻害薬としての3種の化合物、すなわちチアゾリジンおよび2種のベンズアニリジンの特定が報告されている。Kakiuchi N.等のJ.EBS Letters第421巻、217〜220ページ;Takeshita N.等のAnalytical Biochemistry第247巻、242〜246ページ、1997年。数件の米国特許が、HCV治療用のプロテアーゼ阻害薬を開示している。たとえば、Spruce等の米国特許第6,004,933号は、HCVエンドペプチダーゼ2を阻害する1クラスのシステインプロテアーゼ阻害薬を開示している。Zhang等の米国特許第5,990,276号は、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼの合成阻害薬を開示している。この阻害薬は、NS3プロテアーゼの基質またはNS4A補因子の基質の部分配列である。Reyes等の米国特許第5,538,865号では、HCVを治療するための制限酵素の使用が開示されている。
【0016】
ストレプトミセス種の発酵培養ブロスから単離したSch68631、すなわち1種のフェナン−トレンキノンが、SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィアッセイにおいてHCVプロテアーゼに対しマイクロモル量で活性を示した。Chu M.等のTetrahedron Letters第37巻、7229〜7232ページ、1996年。同じ著者による別の例では、菌類Penicillium griscofuluumから単離されたSch351633が、シンチレーション近接アッセイでマイクロモルの活性を示した。Chu M.等のBioorganic and Medicinal Chemistry Letters第9巻、1949〜1952ページ。高分子eglin cを基礎とした選択的阻害薬を設計することによって、HCV NS3プロテアーゼ酵素に対するナノモルの効力が得られている。ヒルから単離したEglin cは、S.griseusプロテアーゼAおよびB、αキモトリプシン、キマーゼ、サブチリシンなど、数種のセリンプロテアーゼの強力な阻害薬である。Qasim M.A.等のBiochemistry第36巻、1598〜1607ページ、1997年。
【0017】
HCVヘリカーゼ阻害薬も報告されている。Diana G.D.等の米国特許第5,633,358号;Diana G.D.等のPCT公告WO97/36554。HCVポリメラーゼ阻害薬の報告は以下の数件、すなわち、ある種のヌクレオチド類似体、グリオトキシン、および天然産物セルレニンである。Ferrari R.等のJournal of Virology第73巻、1649〜1654ページ、1999年;Lohmann V.等のVirology第249巻、108〜118ページ、1998年。
【0018】
HCVの5’非コード領域に伸展する配列に相補的なアンチセンスホスホロチオアートオリゴデオキシヌクレオチドは、in vitroでの翻訳においてもIIcpG2 IICVルシフェラーゼ細胞培養系においてもHCV遺伝子発現の効率的な阻害薬として報告されている。Alt M.等のHepatology第22巻、707〜717ページ、1995年。最近の研究は、NCRの3’末端を含むヌクレオシド326〜348およびHCV RNAのコアコード領域に位置するヌクレオシド371〜388が、アンチセンスを媒介としてウイルス翻訳を阻害するための有効な標的であることを実証している。Alt M.等のArchives of Virology第142巻、589〜599ページ、1997年。Wands等の米国特許第6,001,990号は、HCVの複製を阻害するためのオリゴヌクレオチドを開示している。PCT公告WO99/29350は、HCV−RNAに相補的かつそれとハイブリッド形成可能なアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することを含む、C型肝炎感染を治療する組成物および方法を開示している。Han等の米国特許第5,922,857号は、ペスチウイルスの相同ボックスIV区域の配列に対応する、HCVの翻訳を制御するための核酸を開示している。治療薬としてのアンチセンスオリゴヌクレオチドが最近再検討されている(Galderisi U.等のJournal of Cellular Physiology第181巻、251〜257ページ、1999年)。
【0019】
HCVのIRES依存的な翻訳の阻害薬として、他の化合物が報告されている。Ikeda N等の特開平08−268890、Kai,Y等の特開平10−101591。ヌクレアーゼ耐性リボザイムは、IRESを標的にしており、最近HCV−ポリオウイルスキメラプラークアッセイで阻害薬として報告されている。Maccjak D.J.等のHepatology第30巻、要約995ページ、1999年。HCVを治療するためのリボザイムの使用も、Barber等の米国特許第6,043,077号、Draper等の米国特許第5,869,253号および同第5,610,054号で開示されている。
【0020】
他の特許は、HCV治療のための免疫系を増強する化合物の使用を開示している。たとえば、Chretien等の米国特許第6,001,799号は、免疫系を増強する用量のチモシンまたはチモシン断片を投与することによる、インターフェロン療法無応答者でのC型肝炎の治療方法を開示している。Eder等の米国特許第5,972,347号およびBona等の同第5,969,109号は、HCV治療用抗体系治療薬を開示している。
【0021】
Gold等の米国特許第6,034,134号は、免疫持続、抗マラリア、抗ボルナウイルス、および抗C型肝炎活性を有するある種のNMDA受容体作用薬を開示している。開示されたNMDA受容作用薬は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサンのファミリーに属する。Morris−Natschke等の米国特許第6,030,960号は、HCVウイルスによって産生されたものを含めて肝炎に誘発された抗体の産生を阻害するある種のアルキルリピドの使用を開示している。Chojkier等の米国特許第5,922,757号は、HCVを含む肝疾患を治療するためのビタミンEおよび他の抗酸化剤の使用を開示している。Elsherbi等の米国特許第5,858,389号は、C型肝炎治療のためのスクアレンの使用を開示している。Smith等の米国特許第5,849,800号は、C型肝炎治療のためのアマンタジンの使用を開示している。Ozeki等の米国特許第5,846,964号は、HCV治療のための胆汁酸の使用を開示している。Blough等の米国特許第5,491,135号は、HCVなど、フラビウイルスを治療するためのN−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸の使用を開示している。
【0022】
HCV治療用に提唱されている他の化合物には、植物抽出物(Tsai等の米国特許第5,837,257号、Omer等の米国特許第5,725,859号、および米国特許第6,056,961号)、ピペリジン類(Diana等の米国特許第5,830,905号)、ベンゼンジカルボキサミド(Diana等の米国特許第5,633,388号)、ポリアデニル酸誘導体(Wang等の米国特許第5,496,546号)、2’、3’−ジデオキシイノシン(Yarchoan等の米国特許第5,026,687号)、ベンズイミダゾール類(Colacino等の米国特許第5,891,874号)が含まれる。
【0023】
HCVの治療向けに開発された他の薬品には、Rocheのペガシス(ペグインターフェロンα−2a)、InterMuneのINFERGEN(インターフェロンアルファコン−1)、ViragenのOMNIFERON(天然型インターフェロン)、Human Genome SciencesのALBUFERON、Ares−SeronoのREBIF(インターフェロンβ−1a)、BioMedicineのωインターフェロン、Amarillo Bioscienceの経口インターフェロンα、InterMuneのインターフェロンγ−1b、シェリングプラウのインターロイキン−10、InterneuronのIP−501、VertexのMerimebodib VX−497、Endo Labs Solvayのアマンタジン(シンメトレル)、RPIのHEPTAZYME、Idun Pharma.のIDN−6556、XTL.のXTL−002、ChironのHCV/MF59、NABIのCIVACIR、ICNのLEVOVIRIN、ICNのVIRAMIDINE、Sci CloneのZADAXIN(サイモシンα−1)、MaximのCEPLENE(ヒスタミン二塩酸塩)、Vertex/イライリリーのVX950/LY570310、Isis Pharmaceutical/ElanのISIS14803、Idun Pharmaceuticals,Inc.のIDN−6556、およびAKROS PharmaのJTK003が含まれる。
【0024】
Idenix Pharmaceuticals,Ltd.は、分枝ヌクレオシド、ならびにHCV、フラビウイルス、およびペスチウイルスの治療におけるその使用を国際公開第WO01/90121号およびWO01/92282号で最初に開示している。
【0025】
このIdenix社の公開特許には、生体活性のある有効量の1’,2’,もしくは3’が分枝状のβ−Dもしくはβ−Lヌクレオシドまたは薬剤として許容されるその塩もしくはプロドラッグを単独または併用で、場合によっては薬剤として許容される担体に入れて投与することを含む、ヒトおよび他の宿主動物におけるC型肝炎感染(およびフラビウイルス、ペスチウイルス)の治療方法が開示されている。
【0026】
Indenix Pharmaceuticals,Ltd.のWO01/96353は、HBV治療のための2’−デオキシ−β−L−ヌクレオシドの3’−プロドラッグを開示している。Beauchampの米国特許第4,957,924号は、様々な治療用アシクロビルエステルを開示している。
【0027】
C型肝炎ウイルスを治療するためのある種のヌクレオシド類似体の使用を開示する他の特許出願には、BioChem Pharma,Inc.(現Shire Biochem,Inc.)によって出願されたPCT/CA00/01316(WO01/32153)およびPCTCA01/00197(WO01/60315)、Merck&Co.,Inc.によって出願されたPCT/US02/01531(WO02/057425A2)およびPCT/US02/03086(WO02/057287)、およびHoffman La Rocheによって出願されたPCTEP01/09633(WO02/18404)が含まれる。
【0028】
C型肝炎ウイルスが世界的に流行病の水準に達し、感染した患者への影響が悲劇的である事実を考えると、宿主への毒性が弱い、C型肝炎を治療する新規の有効な薬剤を提供することの必要性は依然として高い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
したがって、本発明の目的は、C型肝炎ウイルスに感染した宿主を治療するための化合物、方法、および組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
C型肝炎感染を治療するための化合物、方法、および組成物を開示するが、これにはC型肝炎有効治療量の式(I)〜(VI)のβ−D−もしくはβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが含まれる。これらの化合物は、一般に、RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼの阻害剤として使用することもできる。
【0031】
第1の主実施形態では、次式Iの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0032】
【化1】
[式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一、二、もしくは三リン酸、および安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、H、直鎖、分枝、もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR5からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、(低級アシルを含む)アシル、または(これだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含む)アルキルである。]
第2の主実施形態では、次式IIの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0033】
【化2】
[式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、および安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1は、それぞれ独立に、H、直鎖、分枝、もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR5からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、(低級アシルを含む)アシル、または(これだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含む)アルキルである。]
第3の主実施形態では、次式XIII、XIV、およびXVから選択された化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0034】
【化3】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。]
第4の主実施形態では、本発明は、次式VIの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0035】
【化4】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1またはR2がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R7およびR9は、それぞれ独立に、水素、OR2、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R8およびR10は、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、R7とR9、R7とR10、R8とR9、またはR8とR10は、一緒になってパイ結合を形成していてもよく、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。]
本発明のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシドは、HCVポリメラーゼの活性を阻害することができ、一般に、RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼの阻害剤として使用できる。本明細書でより詳細に述べるスクリーニング法に従って、ヌクレオシドがin vitroでHCVポリメラーゼ活性を阻害する能力をスクリーニングすることができる。本明細書に記載のアッセイまたは別の確認のアッセイで化合物を評価することによって、活性範囲を容易に決定することができる。
【0036】
一実施形態では、本明細書でより詳細に述べる方法に従い、in vitroでウイルスプラーク数を50%まで減少させるのに要する化合物濃度(すなわち、化合物のED50)によって、抗HCV化合物の効力を測定する。好ましい実施形態では、化合物のEC50は25、15、10、5、または1マイクロモル未満である。
【0037】
もう1つの実施形態では、この活性化合物を、別のHCV薬またはRNA依存性RNAポリメラーゼ抑制剤と、併用または交代で投与することができる。併用療法では2種以上の有効投与量の薬品が一緒に投与され、交互療法の際には有効投与量の各薬品が連続的に投与される。投与量は、薬物の吸収率、不活化率、および排泄率、ならびに当分野の技術者に知られている他の要因に応じて決まる。投与量の値は、緩和すべき状態の重症度によっても変わることを留意されたい。さらに、時間の経過と共に、各個の必要度、およびこの組成物の投与を管理または監督する者による専門的判断に従い、特定の投与レジメンおよび投与スケジュールを、あるいずれかの対象向けに調製すべきであることも理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
ここで開示する発明は、ヒトまたは他の宿主動物のC型肝炎を治療するための化合物、方法、および組成物であり、それには、HCVを治療する有効量の、本明細書に記載のβ−D−もしくはβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを、場合によっては薬剤として許容される担体に含ませて投与することが含まれる。本発明の化合物は、抗ウイルス(すなわち、抗HCV)活性を有する、または代謝されるとそのような活性を示す化合物になる。代替実施形態では、この化合物は、一般に、RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼの阻害に使用することができる。
【0039】
要約すると、本発明には以下の特徴、すなわち、
(a)本明細書に記載のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、およびそのプロドラッグ、
(b)特に、HCVに感染している、あるいはHCVに感染する恐れがあると診断された個体において、HCV感染の治療または予防に使用するための本明細書に記載のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、およびそのプロドラッグ、
(c)HCV感染を治療するための医薬品の製造での、このようなβ−D−およびβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、およびそのプロドラッグの使用、
(d)β−D−またはβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグ、ならびに薬剤として許容される担体または希釈剤を含む製剤、
(e)実質上その鏡像異性体が存在しない、または実質上他の化学的実体から単離された本明細書に記載のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシド、
(f)以下でより詳細に記述する、β−D−およびβ−L−ヌクレオシドの調製方法、および
(g)実質上そのヌクレオシドの鏡像異性体が存在しない、または実質上他の化学的実体から単離された本明細書に記載のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシドの調製方法が含まれる。
【0040】
I.活性化合物、ならびにその生理学的に許容される塩およびプロドラッグ
第1の主実施形態では、式Iの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供される。
【0041】
【化5】
[式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一、二、もしくは三リン酸、および安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、H、直鎖、分枝、もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR5からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、(低級アシルを含む)アシル、または(これだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含む)アルキルである。]
好ましい副実施形態では、式Iの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供され、式中、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、Hまたはリン酸(好ましくはH)であり、
X1は、Hであり、
X2は、HまたはNH2であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NH2、またはOHである。
【0042】
第2の主実施形態では、式IIの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供される。
【0043】
【化6】
[式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一、二、三リン酸、および安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基が本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1は、それぞれ独立に、H、直鎖、分枝、もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR5からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、(低級アシルを含む)アシル、または(これだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含む)アルキルである。]
好ましい副実施形態では、式IIの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供され、式中、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、Hまたはリン酸(好ましくはH)であり、
X1は、HまたはCH3であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NH2、またはOHである。
【0044】
第3の主実施形態では、式III、IV、およびVから選択された化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供される。
【0045】
【化7】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。]
第1の好ましい副実施形態では、式III、IV、またはVの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供され、式中、
塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、水素またはリン酸であり、
R6は、アルキルであり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。
【0046】
第2の好ましい副実施形態では、式III、IV、またはVの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供され、式中、
塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1、R2、およびR3は、水素であり、
R6は、アルキルであり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。
【0047】
第3の好ましい副実施形態では、式III、IV、またはVの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供され、式中、
塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、水素またはリン酸であり、
R6は、アルキルであり、
Xは、Oである。
【0048】
さらに好ましい副実施形態では、式IVの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供される。
【0049】
【化8】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり;場合によってはアミンまたはシクロプロピル(たとえば、2−アミノ、2,6−ジアミノ、またはシクロプロピルグアノシン)で置換されており;
R1およびR2は、それぞれ独立に、H;(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニルおよびベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1またはR2がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基である。]
第4の主実施形態では、本発明は、式VIの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供される。
【0050】
【化9】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1またはR2がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R7およびR9は、それぞれ独立に、水素、OR2、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R8およびR10は、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、R7とR9、R7とR10、R8とR9、またはR8とR10は、一緒になってパイ結合を形成していてもよく、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。]
第1の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立に、OR2、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0051】
第2の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ−(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0052】
第3の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立に、OR2、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10がHであり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0053】
第4の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立に、OR2、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0054】
第5の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR1であり、(5)R8およびR10がそれぞれ独立にH、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0055】
第6の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10がHであり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0056】
第7の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立に、OR2、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0057】
第8の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0058】
第9の好ましい実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0059】
第10の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立に、OR2、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0060】
第11の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸であり、(3)R6が、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0061】
第12の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0062】
第13の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0063】
第14の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0064】
さらに好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がグアニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がシトシンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がチミンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がウラシルであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1がリン酸であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がエチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がプロピルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がブチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7が水素であり、R9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがSである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがSO2である化合物、または
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0065】
本発明のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシドは、HCVのポリメラーゼ活性を阻害する。本明細書でより詳細に述べるスクリーニング法に従って、ヌクレオシドがin vitroでHCVのポリメラーゼ活性を阻害する能力をスクリーニングすることができる。本明細書に記載のアッセイ、または別の確認のアッセイで化合物を評価することによって、活性スペクトルを容易に決定することができる。
【0066】
一実施形態では、本明細書でより詳細に述べる方法に従う、in vitroでウイルスプラーク数を50%まで減少させるのに要する化合物濃度(すなわち、化合物のEC50)によって、抗HCV化合物の効力を測定する。好ましい実施形態では、Ferrari等のJnl.of Vir.第73巻、1649〜1654ページ、1999年;Ishii等のHepatology第29巻、1227〜1235ページ、1999年;Lohmann等のJnl.of Bio.Chem.第274巻、10807〜10815ページ、1999年;またはYamashita等のJnl.of Bio.Chem.第273巻、15479〜15486ページ、1998年に記載のポリメラーゼアッセイに従って測定した場合、化合物のEC50は15または10マイクロモル未満である。
【0067】
この活性化合物は、レシピエントに投与されると直接または間接的に親化合物をもたらすことができ、あるいはそれ自体が活性を示す何らかの塩またはプロドラッグとして投与できる。限定的でない例は、薬剤として許容される塩(あるいは「生理学的に許容される塩」とも呼ぶ)、および5’位、プリン塩基、またはピリミジン塩基がアルキル化またはアシル化された化合物(「薬剤として許容されるプロドラッグ」のタイプ)である。さらに、この修飾によって、化合物の生物活性に影響を与えることもでき、その親化合物以上に活性が増大する場合もある。これは、本明細書に記載の方法または当分野の技術者に知られている他の方法に従って、塩またはプロドラッグを調製し、その抗ウイルス活性を試験することによって容易に評価できる。
【0068】
II.定義
本明細書では、用語アルキルは、別段の指定がない限り、飽和の直鎖、分枝、または環状の第1級、第2級、または第3級の、通常はC1〜C10の炭化水素を指し、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、および2,3−ジメチルブチルが含まれる。この用語には、置換アルキル基も非置換アルキル基も含まれる。アルキル基の置換を行うことのできる部分は、保護していないか、または当分野の技術者に知られているように、たとえば、参照により本明細書に組み込まれるGreeneらの「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、第2版、1991年で教示されているように、必要に応じて保護したヒドロキシル、(それぞれ独立にF、Cl、Br、およびIを含む)ハロ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキサミド、カルボキシラート、チオ、アルキルチオ、アジド、スルホン酸、サルファート、ホスホン酸、ホスファート、またはホスホナートからなる群から選択される。一実施形態では、アルキルは、たとえばCF3、CH2CF3、CCl3、またはシクロプロピルでよい。本文では、用語C(アルキルの範囲)を用いる場合は必ず、この用語は、別に詳細に述べるクラスの各メンバーをそれぞれ独立に含む。
【0069】
本明細書では、用語低級アルキルは、別段の指定がない限り、飽和の直鎖、分枝、または該当すれば環状(たとえば、シクロプロピル)のC1〜C4アルキル基を指し、置換された形も非置換の形も含まれる。この出願で別段特記しない限り、アルキルが適切な部分である場合は、低級アルキルが好ましい。同様に、アルキルまたは低級アルキルが適切な部分である場合は、非置換のアルキルまたは低級アルキルが好ましい。
【0070】
用語アルキルアミノまたはアリールアミノは、それぞれ、1個もしくは2個のアルキルまたはアリール置換基を有するアミノ基を指す。
【0071】
本明細書では、用語「保護した」は、別段の定義がない限り、その基がさらに反応しないように、または他の目的のために、酸素、窒素、またはリン原子を付加させた基を指す。有機合成分野の技術者には、幅広い種類の酸素および窒素保護基が知られている。
【0072】
本明細書では、用語アリールは、別段の指定がない限り、フェニル、ビフェニル、またはナフチルを指し、フェニルが好ましい。この用語には、置換された部分も非置換の部分も含まれる。アリール基は、保護していない、または当分野の技術者に知られているとおりに、たとえばGreene等の「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons社刊、第2版、1991年で教示されているとおりに、必要に応じて保護したアルキル、ハロ(それぞれ独立に、F、Cl、Br、またはI)、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキサミド、カルボキシレート、チオ、アルキルチオ、スルホン酸、サルファート、ホスホン酸、ホスファート、またはホスホナートからなる群から選択された1種または複数の部分で置換されていてよい。
【0073】
用語アルカリールまたはアルキルアリールは、アリール置換基を有するアルキル基を指す。用語アラルキルまたはアリールアルキルは、アルキル置換基を有するアリール基を指す。
【0074】
本明細書では、用語ハロには、クロロ、ブロモ、ヨード、およびフルオロが含まれる。
【0075】
用語プリンまたはピリミジン塩基には、それだけに限らないが、アデニン、N6−アルキルプリン、N6−アシルプリン(アシルは、C(O)(アルキル、アリール、アルキルアリール、またはアリールアルキルである)、N6−ベンジルプリン、N6−ハロプリン、N6−ビニルプリン、N6−アセチレンプリン、N6−アシルプリン、N6−ヒドロキシアルキルプリン、N6−チオアルキルプリン、N2−アルキルプリン、N2−アルキル−6−チオプリン、チミン、シトシン、5−フルオロシトシン、5−メチルシトシン;6−アザシトシンを含む6−アザピリミジン;2−および/もしくは4−メルカプトピリミジン、ウラシル;5−フルオロウラシルを含む5−ハロウラシル;C5−アルキルピリミジン、C5−ベンジルピリミジン、C5−ハロピリミジン、C5−ビニルピリミジン、C5−アセチレンピリミジン、C5−アシルピリミジン、C5−ヒドロキシアルキルプリン、C5−アミノピリミジン、C5−シアノピリミジン、C5−ニトロピリミジン、C5−アミノピリミジン、N2−アルキルプリン、N2−アルキル−6−チオプリン、5−アザシチジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、
【0076】
【化10】
が含まれ、
上式で、A、G、およびLは、それぞれ独立に、CHまたはNであり;
Dは、N、CH、C−CN、C−NO2、C−C1〜3アルキル、C−NHCONH2、C−CONQ11Q11、C−CSNQ11Q11、CCOOQ11、C−C(=NH)NH2、C−ヒドロキシ、C−C1〜3アルコキシ、C−アミノ、C−C1〜4アルキルアミノ、C−ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C−ハロゲン、C−(1,3−オキサゾール−2−イル)、C−(1,3−チアゾール−2−イル)、またはC−(イミダゾール−2−イル)であり;アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されており;
Eは、NまたはCQ5であり;
Wは、O、S、またはNRであり;
Rは、H、OH、アルキルであり;
Q6は、H、OH、SH、NH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、またはCF3であり;
Q5は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルアミノ、CF3、ハロゲン、N、CN、NO2、NHCONH2、CONQ11Q11、CSNQ11Q11、COOQ11、C(=NH)NH2、ヒドロキシ、C1〜3アルコキシ、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、ハロゲン、1,3−オキサゾール−2−イル、1,3−チアゾール−2−イル、またはイミダゾール−2−イルであり;アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されており;
Q7およびQ14は、H、CF3、OH、SH、OR、SR、C1〜4アルキル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、およびジ(C1〜4アルキル)アミノからなる群からそれぞれ独立に選択され;
Q11は、それぞれ独立に、HまたはC1〜6アルキルであり;
Q8は、H、ハロゲン、CN、カルボキシ、C1〜4アルキルオキシカルボニル、N3、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、N、CN、NO2、C1〜3アルキル、NHCONH2、CONQ11Q11、CSNQ11Q11、COOQ11、C(=NH)NH2、1,3−オキサゾール−2−イル、1,3−チアゾール−2−イル、またはイミダゾール−2−イルであり、アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシ、
【0077】
【化11】
からそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されており、
上式で、
T1およびT2は、N、CH、またはC−Q16からそれぞれ独立に選択され;
Q16、U、およびYは、H、OH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、シクロアルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、もしくはSR5、Br−ビニル、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アリール、−O−アラルキル、−O−アシル、−O−シクロアルキル、NH2、NH−アルキル、N−ジアルキル、NH−アシル、N−アリール、N−アラルキル、NH−シクロアルキル、SH、S−アルキル、S−アシル、S−アリール、S−シクロアルキル、S−アラルキル、CN、N3、COOH、CONH2、CO2−アルキル、CONH−アルキル、CON−ジアルキル、OH、CF3、CH2OH、(CH2)mOH、(CH2)mNH2、(CH2)mCOOH、(CH2)mCN、(CH2)mNO2、(CH2)mCONH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、または−NHC(=NH)NH2からそれぞれ独立に選択され;
R4およびR5は、水素、アシル(低級アシルを含む)、またはアルキル(メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含むがこれだけに限らない)からそれぞれ独立に選択され;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
Zは、S、SO、SO2、C=O、またはNQ20であり、
Q20は、Hまたはアルキルであり;
V1およびV2は、CHまたはN、
【0078】
【化12】
からそれぞれ独立に選択され、
上式で、
T3およびT4は、NまたはCQ22からそれぞれ独立に選択され;
Q22は、H、OH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、シクロアルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、もしくはSR5、Br−ビニル、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アリール、−O−アラルキル、−O−アシル、−O−シクロアルキル、NH2、NH−アルキル、N−ジアルキル、NH−アシル、N−アリール、N−アラルキル、NH−シクロアルキル、SH、S−アルキル、S−アシル、S−アリール、S−シクロアルキル、S−アラルキル、CN、N3、COOH、CONH2、CO2−アルキル、CONH−アルキル、CON−ジアルキル、OH、CF3、CH2OH、(CH2)mOH、(CH2)mNH2、(CH2)mCOOH、(CH2)mCN、(CH2)mNO2、(CH2)mCONH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、または−NHC(=NH)NH2からそれぞれ独立に選択され;
R4およびR5は、水素、アシル(低級アシルを含む)、またはアルキル(メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含むがそれだけに限らない)からそれぞれ独立に選択され;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
T6、T7、T8、T9、T10、T11、およびT12は、NまたはCHからそれぞれ独立に選択され;
U2は、H;直鎖、分枝状、もしくは環状アルキル;CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR5であり;
Y2は、O、S、NH、NR、またはCQ24Q26であり、Rは、H、OH、またはアルキルであり;
Q24およびQ26は、H、アルキル;直鎖、分枝状、もしくは環状アルキル;CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR5からそれぞれ独立に選択されている。
【0079】
プリン塩基の別の例は、グアニン、アデニン、ヒポキサンチン、2,6−ジアミノプリン、および6−クロロプリンであるがこれだけに限らない。塩基上の酸素および窒素官能基は、必要に応じてまたは所望されるように保護することができる。適切な保護基は、当分野の技術者によく知られており、それには、トリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル、およびt−ブチルジフェニルシリル、トリチル、アルキル基、およびアセチルやプロピオニルなどのアシル基、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニルが含まれる。
【0080】
用語アシルは、エステル基の非カルボニル部分が、直鎖、分枝、もしくは環状のアルキルもしくは低級アルキル、アミドで場合によって置換された、メトキシメチルを含むアルコキシアルキル、ベンジルを含むアラルキル、フェノキシメチルなどのアリールオキシアルキル;クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、C1〜C4アルキル、またはC1〜C4アルコキシで場合によって置換されたフェニルを含むアリール;メタンスルホニルを含むアルキルスルホニルやアラルキルスルホニルなどのスルホン酸エステル、一、二、もしくは三リン酸エステル、トリチルもしくはモノメトキシトリチル、置換ベンジル、トリアルキルシリル(たとえば、ジメチルt−ブチルシリル)、またはジフェニルメチルシリルから選択されたカルボン酸エステルを指す。エステルのアリール基は、フェニル基を含むことが最適である。用語「低級アシル」は、非カルボニル部分が低級アルキルであるアシルを指す。
【0081】
本明細書では、用語「ほとんど含まない」または「ほとんど存在しない」は、そのヌクレオシドの指定の鏡像異性体を少なくとも95〜98重量%、より好ましくは99〜100重量%含むヌクレオシド組成物を指す。好ましい実施形態において、本発明の方法および化合物では、化合物は互いの鏡像異性体をほとんど含まない。
【0082】
同様に、用語「単離された」は、そのヌクレオシドを少なくとも95〜98重量%、より好ましくは99〜100重量%含み、残りが他の化学種または鏡像異性体を含むヌクレオシド組成を指す。
【0083】
本明細書では、用語「それぞれ独立に」は、それぞれ独立に適用した変動要素が適用毎に無関係に変わることを示す。したがって、R”XYR”(R”は「それぞれ独立に炭素または窒素」である)のような化合物では、「両方のR”を炭素としても、両方のR”を窒素としても、一方のR”を炭素とし、他方のR”を窒素としてもよい。
【0084】
本明細書では、用語宿主は、ウイルス複製が可能な単細胞生物または多細胞生物を指し、細胞系および動物、好ましくはヒトが含まれる。あるいは宿主は、本発明の化合物によってその複製または機能が変更されるC型肝炎ウイルスのゲノムの一部を保有していてもよい。用語宿主は、具体的には、感染細胞、HCVのゲノムの全体または部分をトランスフェクトした細胞、および動物、特に(チンパンジーを含む)霊長類およびヒトを指す。本発明の大部分の動物適用例では、宿主はヒトの患者である。しかし、ある適応症では、本発明は動物への適用を含む(チンパンジーなど)。
【0085】
この明細書中では、用語「薬剤として許容される塩またはプロドラッグ」は、患者に投与されるとヌクレオシド化合物をもたらす何らかの薬剤として許容される形(エステル、リン酸エステル、エステルまたは関連した基の塩)のヌクレオシド化合物を述べるものである。薬剤として許容される塩には、薬剤として許容される無機または有機の塩基および酸から誘導されたものが含まれる。適切な塩には、製薬業界でよく知られている数多い他の酸の中でも、カリウムやナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属から誘導されたものが含まれる。薬剤として許容されるプロドラッグは、宿主の中で代謝、たとえば加水分解または酸化されて、本発明の化合物を生成する化合物を指す。プロドラッグの典型的な例には、活性化合物の官能性部分に生物学的に不安定な保護基を有する化合物が含まれる。プロドラッグには、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱水、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化されて、活性化合物を生成することのできる化合物が含まれる。本発明の化合物は、HCVに対して抗ウイルス活性を有する、または代謝されるとそのような活性を示す化合物になる。
【0086】
III.ヌクレオチドの塩またはプロドラッグ製剤
化合物が十分に塩基性または酸性であって、安定な非毒性の酸または塩基の塩を形成する場合、化合物を薬剤として許容される塩として投与することが適切である。薬剤として許容される塩の例は、生理学的に許容されるアニオンを生成する有機酸の付加塩、たとえば、トシラート、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩、およびα−グリセロリン酸塩である。硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、および炭酸塩を含む、適切な無機塩を生成してもよい。
【0087】
薬剤として許容される塩は、当技術分野でよく知られている標準の手順を利用して、たとえば、アミンなどの十分に塩基性の化合物と生理学的に許容されるアニオンをもたらす適切な酸を反応させることによって得られる。カルボン酸のアルカリ金属(たとえば、ナトリウム、カリウム、またはリチウム)塩またはアルカリ土類金属(たとえば、カルシウム)塩を作製してもよい。
【0088】
本明細書に記載のどんなヌクレオシドも、ヌクレオシドプロドラッグとして投与して、活性、生物学的利用能、安定性を高め、あるいは他の点でヌクレオシドの特性を変更することができる。数種のヌクレオシドプロドラッグリガンドが知られている。一般に、ヌクレオシドの一、二、または三リン酸のアルキル化、アシル化、または他の親油性化修飾により、ヌクレオチドの安定性が向上する。リン酸部分の1個または複数の水素を置換できる置換基の例は、アルキル、アリール、ステロイド、糖を含む炭水化物、1,2−ジアシルグリセロール、およびアルコールである。R.JonesおよびN.BischofbergerのAntiviralResearch、第27巻(1995年)、1〜17ページに多くが記載されている。それらのうちのどれでも、開示するヌクレオシドと組み合わせて使用して、所望の効果を実現することができる。
【0089】
活性ヌクレオシドは、以下の参照文献で開示されているように、5’−ホスホエーテルリピドまたは5’−エーテルリピドとして提供することもできる。これらの文献を参照として本明細書に組み込む。Kucera,L.S.、N.Iyer、E.Leake、A.Raben、Modest E.K.、D.L.W.、およびC.Piantadosiの1990年、「Novel membrane−interactive ether lipid analogs that inhibit infectious HIV−1 production and induce defective virus formation」、AIDS Res.Hum.Retro Viruses、第6巻、491〜501ページ;Piantadosi,C.、J.Marasco C.J.、S.L.Morris−Natschke、K.L.Meyer、F.Gumus、J.R.Surles、K.S.Ishaq、L.S.Kucera、N.Iyer、C.A.Wallen、S.Piantadosi、およびE.J.Modestの1991年、「Synthesis and evaluation of novel ether lipid nucleoside conjugates for anti−HIV activity」、Med.Chelem.、第34巻、1408〜1414ページ;Hosteller,K.Y.、D.D.Richman、D.A.Carson、L.M.Stuhmiller、G.M.T.van Wijk、およびH.van den Boschの1992年、「Greatly enhanced inhibition of human immunodeficiency virus type 1 replication in CEM and HT4−6C cells by 3’−deoxythymidine diphosphate dimyristoylglycerol,a lipid prodrug of 3’−deoxythymidine」、Antimicrob.Agents Chemother.、第36巻、2025〜2029ページ;Hosetler,K.Y.、L.M.Stuhmiller、H.B.Lenting、H.van den Bosch、およびD.D.Richmanの1990年、「Synthesis and antiretroviral activity of phospholipid analogs of azidothymidine and other antiviral nucleosides」、J BioL Cheni.、第265巻、61127ページ。
【0090】
好ましくはその5’−OH位において、ヌクレオシドに共有結合によって組み込むことのできる適切な親油性置換基、または親油性製剤を開示している米国特許の非限定的な例には、米国特許第5,149,794号(1992年9月22日、Yatvin等)、第5,194,654号(1993年3月16日、Hostetler等)、第5,223,263号(1993年6月29日、Hostetler等)、第5,256,641号(1993年10月26日、Yatvin等)、第5,411,947号(1995年5月2日、Hostetler等)、第5,463,092号(1995年10月31日、Hostetler等)、第5,543,389号(1996年8月6日、Yatvin等)、第5,543,390号(1996年8月6日、Yatvin等)、第5,543,391号(1996年8月6日、Yatvin等)、および第5,554,728号(1996年9月10日、Basava等)が含まれ、これらをすべて参照により本明細書に組み込む。本発明のヌクレオシドに結合させることのできる親油性置換基、または親油性製剤を開示している外国特許出願には、WO89/02733、WO90/00555、WO91/16920、WO91/18914、WO93/00910、WO94/26273、WO96/15132、EP0 350 287、EP93917054.4、およびWO91/19721が含まれる。
【0091】
IV.併用療法および交代療法
長期の抗ウイルス薬治療の後には、薬剤抵抗性のHCVの変種が出現し得ることがわかっている。薬剤抵抗性は、ウイルス複製に使用される酵素をコードする遺伝子の突然変異によって引き起こされることが最も一般的である。主薬が引き起こすものと異なる突然変異を誘発する、第2、ときには第3の抗ウイルス化合物と併用または交代で化合物を投与することによって、HCV感染の薬物効力を延長、増強、または回復させることができる。あるいは、そのような併用療法または交代療法によって、薬物の薬物動態、体内分布、または他のパラメータを変化させることができる。一般に、併用療法は、ウイルスに同時多発的なストレスを引き起こすので、交代療法よりも通常は好ましい。
【0092】
発明の背景に記載したHCV治療のいずれもが、本明細書に記載の化合物と併用し、または交替で使用することができる。非限定的な例としては、以下のものが挙げられる。
【0093】
(1)インターフェロンおよび/またはリバビリン(Battaglia,A.M.等のAnn.Pharmacother、2000年、第34巻、487〜494ページ);Berenguer,M.等のAntivir.Ther.、1998年、第3巻(別巻3)、125〜136ページ)、
(2)α−ケトアミド;ヒドラジノ尿素;およびボロン酸やホスホン酸などの求電子基を末端とする阻害薬(Llinas−Brunet等の「Hepatitis C inhibitor peptide analogues」、PCT WO99/07734)を含む基質系NS3プロテアーゼ阻害薬(Attwood等の「Antiviral peptide derivatives」、PCT WO98/22496、1998年;Attwood等のAntiviral Chemistry and Chemotherapy、1999年、第10巻、259〜273ページ;Attwood等の「Preparation and use of amino acid derivatives as anti−viral agents」、ドイツ特許公告DE19914474;Tung等の「Inhibitors of serine proteases,particularly hepatitis C virus NS3 protease」PCT WO98/17679)、
(3)アミドが14個の炭素鎖で置換されたRD3−4082、およびパラフェノキシフェニル基をプロセシングするRD3−4078を含む、2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体(Sudo K.等のBiochemical and Biophysical Research Communications、1997年、第238巻、643〜647ページ;Sudo K.等のAntiviral Chemistry and Chemotherapy、1998年、第9巻、186ページ)など、非基質系阻害薬、
(4)NS3/4A融合タンパクおよびNS5A/5B基質との逆相HPLCアッセイにおいて関連した阻害を示すチアゾリジン誘導体(Sudo K.等のAntiviral Research、1996年、第32巻、9〜18ページ)、特に、長鎖アルキルで置換された縮合シンナモイル部分を有する化合物RD−1−6250;RD4 6205、およびRD4 6193、
(5)Kakiuchi N.等のJ EBS Letters、第421巻、217〜220ページ;Takeshita N.等のAnalytical Biochemistry、1997年、第247巻、242〜246ページで特定されているチアゾリジンおよびベンズアニリジン類、
(6)SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィアッセイでHCVプロテアーゼに対する活性を有し、Streptomyces種の発酵培養ブロスから単離したフェナン−トレンキノン、すなわちSch 68631(Chu M.等のTetrahedron Letters、1996年、第37巻、7229〜7232ページ)、およびシンチレーション近接アッセイで活性を示す、菌類Penicillium griscofuluumから単離されたSch 351633(Chu M.等のBioorganic and Medicinal Chemistry Letters、第9巻、1949〜1952ページ)、
(7)ヒルから単離した高分子elgin cをベースとした選択的NS3阻害薬(Qasim M.A.等のBiochemistry、1997年、第36巻、1598〜1607ページ)、
(8)HCVヘリカーゼ阻害薬(Diana G.D.等の「Compounds,compositions and methods for treatment of hepatitis C」、米国特許第5,633,358号;Diana G.D.等の「Piperidin derivatives,pharmaceutical compositions thereof and their use in the treatment of hepatitis C」、PCT WO97/36554)、
(9)ヌクレオチド類似体、グリオトキシンなど、HCVポリメラーゼ阻害薬(Ferrari R.等のJournal of Virology、1999年、第73巻、1649〜1654ページ)、および天然産物のセルレニン(Lohmann V.等のVirology、1998年、第249巻、108〜118ページ)、
(10)HCVの5’非コード領域(NCR)に伸展する配列に相補的なアンチセンスホスホロチオナートオリゴデオキシヌクレオチド(S−ODN)(Alt M.等のHepatology、1995年、第22巻、707〜717ページ)、またはNCRの3’末端を含むヌクレオチド326〜348、およびIICV RNAのコアコード領域にあるヌクレオチド371〜388(Alt M.等のArchives of Virology、1997年、第142巻、589〜599ページ;Galderisi U.等のJournal of Cellular Physiology、1999年、第181巻、251〜257ページ)、
(11)IRES依存性翻訳阻害薬(Ikeda N等の「C型肝炎の予防・治療剤」、特開平08−268890;Kai Y.等の「ウイルス感染症の予防・治療剤」、特開平10−101591)、
(12)ヌクレアーゼ耐性リボザイム(Maccjak,D.J.等のHepatology、1999年、第30巻、要約995ページ)、および
(13)1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(Gold等の米国特許第6,034,134号)、アルキルリピド(Chojkier等の米国特許第5,922,757号)、ビタミンEおよび他の抗酸化剤(Chojkier等の米国特許第5,922,757号)、スクアレン、アマンタジン、胆汁酸(Ozeki等の米国特許第5,846,964号)、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸(Diana等の米国特許第5,830,905号)、ベンゼンジカルボキサミド(Diana等の米国特許第5,633,388号)、ポリアデニル酸誘導体(Wang等の米国特許第5,496,546号)、2’,3’−ジデオキシイノシン(Yarchoan等の米国特許第5,026,687号)、およびベンズイミダゾール(Colacino等の米国特許第5,891,874号)ならびに、
(14)Rocheのペガシス(ペグインターフェロンα−2a)、InterMuneのINFERGEN(インターフェロンアルファコン−1)、ViragenのOMNIFERON(天然型インターフェロン)、Human Genome SciencesのALBUFERON、Ares−SeronoのREBIF(インターフェロンβ−1a)、BioMedicinesのωインターフェロン、Amarillo Bioscienceの経口インターフェロンα、InterMuneのインターフェロンγ−1b、シェリングプラウのインターロイキン−10、InterneuronのIP−501、VertexのMerimebodib VX−497、Endo Labs Solvayのアマンタジン(シンメトレル)、RPIのHEPTAZYME、Idun Pharma.のIDN−6556、XTL.のXTL−002、ChironのHCV/MF59、NABIのCIVACIR、ICNのLEVOVIRIN、ICNのVIRAMIDINE、Sci CloneのZADAXIN(サイモシンα−1)、MaximのCEPLENE(ヒスタミン二塩酸塩)、Vertex/イライリリーのVX950/LY570310、Isis Pharmaceutical/ElanのISIS14803、Idun Pharmaceuticals,Inc.のIDN−6556、およびAKROS PharmaのJTK003を含む、他の種々の化合物が含まれる。
【0094】
V.薬剤組成物
HCV、またはRNA依存性RNAウイルスポリメラーゼによって複製を行う別の生物体に感染した、ヒトを含む宿主は、その患者に、薬剤として許容される担体または希釈剤の存在下で有効量の活性化合物または薬剤として許容されるそのプロドラッグもしくは塩を投与することによって治療することができる。活性な材料は、液体または固体の形で、何らかの適切な経路、たとえば、経口、非経口、静脈内、皮内、皮下、または局所投与によって投与することができる。
【0095】
HCV用化合物の好ましい投与量は、1日約1〜50mg/体重kg、好ましくは、1〜20mg/体重kg、より大まかには、レシピエントの体重キログラムあたり1日0.1〜約100mgの範囲である。薬剤として許容される塩およびプロドラッグの有効投与量範囲は、送達される親ヌクレオシドの重量を基に算出することができる。その塩またはプロドラッグがもともと活性を示す場合、塩またはプロドラッグの重量を用いて上記のように、あるいは当分野の技術者に知られている他の手段によって有効投与量を推定できる。
【0096】
この化合物は、それだけに限らないが、投与量単位あたり7〜3000mg、好ましくは70〜1400mgの活性成分を含有するものを含む何らかの適切なユニット式の剤形で投与すると好都合である。50〜1000mgの経口投与量が通常は好都合である。
【0097】
理想的には、活性化合物の最高血漿濃度が約0.2〜70μM、好ましくは約1.0〜10μMに達するように活性成分を投与すべきである。たとえば、場合によっては食塩水に溶かした、活性成分の0.1〜5%溶液を静脈内注射することによって、または活性成分の巨丸剤として投与することによって、これを実現することができる。
【0098】
薬物組成物中の活性化合物濃度は、薬物の吸収率、不活化率、および排泄率、ならびに当分野の技術者に知られている他の要因に応じて決まる。投与量の値は、緩和すべき状態の重症度によっても変わることを留意されたい。さらに、時間の経過と共に、各個の必要度、およびこの組成物の投与を管理または監督する者による専門的判断に従い、特定の投与レジメンを、あるいずれかの対象向けに調製すべきであること、ならびに本明細書に記載の濃度範囲は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲または実施を限定するものではないことも理解されたい。活性成分は、一度に投与しても、数回分に小分けして様々な時間間隔で投与してもよい。
【0099】
活性化合物の好ましい投与方式は、経口投与である。一般に、経口用組成物は、不活性希釈剤または可食担体を含む。これらをゼラチンカプセルに封入しても、圧縮して錠剤にしてもよい。治療上の経口投与では、活性化合物に賦形剤を混合し、錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形で使用することができる。製薬上適合性のある結合剤および/または補助剤を組成物の部分として含んでいてもよい。
【0100】
錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分、すなわち、微結晶性セルロース、トラガカントゴム、ゼラチンなどの結合剤;デンプンやラクトースなどの賦形剤;アルギン酸、Primogel、トウモロコシデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムやSterotesなどの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの滑化剤(glidant);スクロースやサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香料などの着香剤、あるいは性質が類似の化合物のどれを含んでもよい。投与量単位がカプセル剤である場合、上記の種類の材料に加えて脂肪油などの液体担体も含んでよい。さらに、投与量単位は、その物理的形状を変更する様々な他の材料、たとえば、糖、シェラック、または他の腸溶性薬品類のコーティングを含んでもよい。
【0101】
この化合物は、エリキシル、懸濁液、シロップ、カシェ剤、チューインガムなどの成分として投与できる。シロップは、活性化合物に加えて、甘味剤およびある種の保存剤としてのスクロース、色素、着色剤、着香剤も含んでよい。
【0102】
この化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグは、所望の作用を弱めない他の活性材料、または抗生物質、抗真菌薬、抗炎症薬、他のヌクレオシド化合物を含む他の抗ウイルス薬など、所望の作用を補う材料と混合してもよい。非経口、皮内、皮下、または局所での適用に使用する溶液または懸濁液は、以下の成分、すなわち、注射用水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、他の合成溶媒などの無菌希釈剤;ベンジルアルコールやメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸や亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩などの緩衝剤;および塩化ナトリウムやデキストロースなどの浸透圧調整剤を含んでよい。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器、または複数回分のバイアルに封入することができる。
【0103】
静脈内投与する場合、好ましい担体は、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水(PBS)である。
【0104】
好ましい実施形態では、活性化合物を、インプラント剤およびマイクロカプセル化送達系を含む徐放製剤など、化合物が体からすぐに排泄されるのを防ぐ担体と共に調製する。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸など、生体適合性の生分解性ポリマーを使用してよい。このような製剤の調製方法は、当分野の技術者に明らかであろう。これらの材料は、Alza Corporationから市販品として入手することもできる。
【0105】
(ウイルス抗原のモノクローナル抗体を有する感染細胞を標的とするリポソームを含む)リポソーム懸濁液も、薬剤として許容される担体として好ましい。これらは、たとえば、米国特許第4,522,811号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)で記載されているような、当分野の技術者に知られている方法に従って調製される。たとえば、適当な脂質(ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイルホスファチジルコリン、アラカドイルホスファチジルコリン、コレステロールなど)を無機溶媒に溶解させ、次いでこれを蒸発にかけて、容器表面に乾燥脂質薄膜を残すことによってリポソーム製剤を調製することができる。次に、活性化合物またはその一リン酸塩、二リン酸塩、および/もしくは三リン酸塩誘導体の水溶液をその容器に導入する。次いで容器を手で旋回させて、脂質材料を容器側面から遊離させ、脂質凝集物を分散させることによりリポソーム懸濁液を生成する。
【0106】
VI.活性化合物の調製方法
本発明のヌクレオシドは、当技術分野で知られている何らかの手段によって調製できる。より詳細には、このヌクレオシドの合成は、適切に変更した糖をアルキル化してからグリコシル化するか、またはグリコシル化してからそのヌクレオシドをアルキル化することによって実現できるが、適切に変更した糖をアルキル化してからグリコシル化することが好ましい。以下の非限定的な実施形態により、本発明のヌクレオシドを得る一般方法をいくつか例示する。
【0107】
4’−C−分枝ヌクレオシドの一般合成
次の構造の4’−C−分枝ヌクレオシドは、
【0108】
【化13】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R7およびR9は、それぞれ独立に、水素、OR2、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R8およびR10は、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、R7とR9、R7とR10、R8とR9、またはR8とR10は、一緒になってパイ結合を形成していてもよく、
R1およびR2は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1またはR2がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、アルキル、ハロゲン−アルキル(すなわちCF3)、アルケニル、またはアルキニル(すなわちアリル)であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。]
以下の一般法によって調製することができる。
【0109】
ペントジアルド−フラノースの修飾
この方法の鍵となる出発材料は、適切に置換したペントジアルド−フラノースである。ペントジアルド−フラノースは、購入することも、標準のエピマー化、置換、および環化技術を含む、知られている何らかの手段によって調製することもできる。
【0110】
好ましい実施形態では、このペントジアルド−フラノースは、適切に置換されたヘキソースから調製する。ヘキソースは、購入することもでき、または(たとえばアルカリ処理による)標準のエピマー化、置換、および結合技術を含む、知られている任意の手段によって調製することもできる。ヘキソースは、フラノース型にすることもでき、またはTownsendの「Chemistry of Nucleosides and Nucleotides」、Plenum Press、1994年に教示されている方法など、当技術分野で知られている任意の手段によって、好ましくは、ヘキソースを選択的に保護することにより環化して、適切なヘキサフラノースを得てもよい。
【0111】
次いで、ヘキサフラノースの4’−ヒドロキシメチレンを、適合する溶媒中で適切な酸化剤を用いて適温で酸化させて、4’−アルド−変更型の糖を得ることができる。考えられる酸化剤は、Swern試薬、Jones試薬(クロム酸と硫酸の混合物)、Collins’s試薬(ジピリジンCr(VI)オキシド、Corey’s試薬(クロロクロム酸ピリジニウム)、ジクロム酸ピリジニウム、酸性二クロム酸塩、過マンガン酸カリウム、MnO2、四酸化ルテニウム;ポリマーに担持されたクロム酸や過マンガン酸塩などの相間移動触媒;Cl2−ピリジン、H2O2−モリブデン酸アンモニウム、NaBrO2−CAN、HOAc中NaOCl、クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、酢酸パラジウム、Meerwin−Pondorf−Verley試薬(アルミニウムt−ブトキシドに別のケトンを加えたもの)、およびN−ブロモスクシンイミドであるが、室温でベンゼン/ピリジンの混合物中のH3PO4、DMSO、およびDCCを使用することが好ましい。
【0112】
次いで、Greeneらの「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、第2版、1991年で教示されているような、当分野の技術者によく知られている方法によって、ベントジアルド−フラノースを適切な保護基、好ましくはアシルもしくはシリル基で場合によって保護することができる。次いで、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で、保護されたペントジアルド−フラノースを、適切な求電子アルキル、ハロゲノ−アルキル(すなわちCF3)、アルケニル、またはアルキニル(すなわちアリル)と結合させて、4’がアルキル化された糖を得ることができる。あるいは、保護されたペントジアルド−フラノースは、ジオキサンなど、適切な極性溶媒を用い、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下、適温で、ホルムアルデヒドなど、対応するカルボニルと結合させることもでき、次いでこれを適切な還元剤で還元して、4’がアルキル化された糖を得ることができる。一実施形態では、好ましくはアセトニトリル中で、PhOC(S)Cl、DMAPを使用して還元を室温で実施した後、トルエンを還流させながらACCNおよびTMSSで処理する。
【0113】
次いで、Townsendの「Chemistry of Nucleosides and Nucleotides」、Plenum Press、1994年に教示されているような、当分野の技術者によく知られている方法によって、場合によって活性化した糖を、塩基に結合させることができる。たとえば、適温の適切な溶媒中で、四塩化スズ、四塩化チタン、トリメチルシリルトリフラートなどのルイス酸を用い、アシル化した糖を、シリル化した塩基に結合させることができる。
【0114】
その後、Greeneらの「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、第2版、1991年に教示されているような、当分野の技術者によく知られている方法によって、ヌクレオシドを脱保護することができる。
【0115】
特定の実施形態では、4’−C−分枝状リボヌクレオシドが望ましい。あるいは、デオキシリボヌクレオシドが望ましい。そのようなデオキシリボ−ヌクレオシドを得るために、Greoneらの「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、第2版、1991年に教示されているような、当分野の技術者によく知られている方法によって、生成したリボ−ヌクレオシドを場合によって保護することもでき、次いで、2’−OHを適切な還元剤で還元することができる。2’−ヒドロキシルを場合によって活性化して、還元を促進する、すなわち、Barton還元を経てもよい。
【0116】
本発明の別の実施形態では、L型鏡像異性体が望ましい。したがって、本発明の化合物に対応するL型鏡像異性体は、出発材料として対応するL−ペントジアルド−フラノースから始め、前述の同じ一般的方法に従って調製することができる。
【0117】
以下の実施例では、本発明を実例として述べる。当分野の技術者ならば、これらの実施例が限定的でないこと、ならびに本発明の意図および範囲から逸脱することなく細部の変更を行ってよいことを理解されよう。
【0118】
(実施例)
融点は、Buchi B−545装置上の開いた毛細管中で測定し、補正は行っていない。UV吸収スペクトルは、UvikonXS分光光度計(99−9089)によって記録した。1H−NMRスペクトルは、BrukerAC200、250、もしくは400分光計を用いDMSO−d6またはCDCl3中で走らせた。化学シフトは、ppmで示し、DMSO−d6またはCDCl3は、基準として2.49または7.26ppmに設定した。プロトンの割当を確認するために、重水素交換、デカップリング実験、または2D−COSYスペクトルを実施した。シグナルの多重度は、s(一重線)、d(二重線)、dd(二重線の二重線)、t(三重線)、q(四重線)、br(ブロード)、m(多重線)によって表す。J値はすべて、Hzである。FAB質量スペクトルは、JEOL JMS DX300質量分析計によって正(FAB>0)または負(FAB>0)のイオンモードで記録し、マトリックスは、グリセロールとチオグリセロール(GT)の混合物(50:50、v/v)とした。薄層クロマトグラフィーは、シリカゲル60F254(Merck、Art.5554)のアルミニウムシートを予めコートしたものの上で実施し、生成物の可視化は、UVを吸収させた後、10%のエタノール性硫酸で軽く焼き、加熱することによって実施した。カラムクロマトグラフィーは、気圧のもとでシリカゲル60(Merck、Art.9385)上で実施した。
【実施例1】
【0119】
1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース(1)の調製
題名の化合物は、発表されている手順(Leonard,N.J.、Carraway,K.L.の「5−Amino−5−deoxyribose derivatives.Synthesis and use in the preparation of“reversed”nucleosides」、J.Heterocycl.Chem.1966年、第3巻、485〜489頁)に従って調製することができる。
【0120】
50.0g(0.34モル)の乾燥D−リボースを1.0Lのアセトン、100mLの2,2−ジメトキシプロパン、含まれるメタノールの20mLが塩化水素で飽和されている200mLのメタノールに溶かした0℃の溶液を室温で終夜攪拌した。得られた溶液を、ピリジンを用いて中性にし、減圧下で蒸発させた。得られた油を400mLの水と400mLの塩化メチレンとに分配した。水層を塩化メチレン(400mL)で2回抽出した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発にかけた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:塩化メチレン中メタノール(1〜2%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な1(52.1g、75%)を黄色のシロップとして得た。1H−NMR(CDCl3):δ5.00(s,1H,H−1)、4.86(d,1H,H−2,J2−3=5.9Hz)、4.61(d,1H,H−3,J3−2=5.9Hz)、4.46(t,1H,H−4,J4−5=2.7Hz)、3.77〜3.61(m,2H,H−5およびH−5’)、3.46(s,1H,OCH3)、3.0〜2.4(br s,1H,OH−5)、1.51(s,3H CH3)、1.34(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 173(M−OCH3)+。
【実施例2】
【0121】
1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−ペントジアルド−リボフラノース(2)の調製
標題化合物は、発表されている手順(Jones,G.H.、Moffatt,J,G.の「Oxidation of carbohydrates by the sulfoxide−carbodiimide and related methods.Oxidation with dicyclohexylcarbodiimide−DMSO,diisopropylcarbodiimide−DMSO,acetic anhydride−DMSO,and phosphorus pentoxide−DMSO:in Methods in Carbohydrate Chemistry」、Whisler,R.L.およびMoffatt,J.L.編、Academic Press:米国ニューヨーク、1972年、315〜322頁)に従って調製することができる。
【0122】
化合物1を、無水ピリジンとの2回の同時蒸発にかけた。ジシクロヘキシルカルボジ−イミド(DCC、137.8g、0.67モル)を、1(68.2g、0.33モル)を無水ベンゼン(670mL)、DMSO(500mL)、およびピリジン(13.4mL)に溶かした溶液に加えた。得られる溶液を0℃に冷却したものに、無水の結晶性オルトリン酸(16.4g、0.167ミリモル)を無水DMSO(30mL)に溶かした溶液を加えた。アルゴン雰囲気中で混合物を0℃で1.5時間および室温で18時間攪拌し、酢酸エチル(1000mL)で希釈した。シュウ酸二水和物(63.1g、038モル)のDMSO(30mL)溶液を加え、反応混合物を室温で1時間攪拌し、次いで濾過して、沈殿したジシクロヘキシル尿素(DCU)を除去した。減圧下で濾液を濃縮して、体積を約600mLとし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(400mL)で中性にした。ブライン(200mL)を加え、有機層を酢酸エチル(4×1000mL)での抽出にかけた。各層を合わせ、濃縮して、体積を約2000mLとし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×700mL)およびブライン(2×700mL)で洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発にかけた。少量の粗製残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム/酢酸エチル、8:2]によって精製して、淡黄色の固体として得られている2の構造を確認した。1H−NMR(CDCl3):δ9.61(s,1H,H−5)、5.12(s,1H,H−1)、5.08(d,1H,H−2,J2−3=5.9Hz)、4.53(d,1H,H−3,J3−2=6.0Hz)、4.51(s,1H,H−4)、3.48(s,1H,OCH3),1.56(s,3H CH3),1.36(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 203(M+H)+、171(M−OCH3)+。
【実施例3】
【0123】
4−C−ヒドロキシメチル−1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース(3)の調製
標題化合物は、発表されている手順(Leland,D.L.、Kotick,M.P.の「Studies on 4−C−(hydroxymethyi)pentofuranoses.Synthesis of 9−[4−C−(hydroxymethyl)−a−L−threo−pentofuranosyl]adenine」、Carbohydr.Res.1974年、第38巻、C9〜C11頁;Jones,G.H.、Taniguchi,M.、Tegg,D.、Moffatt,J.G.の「4’−substituted nucleosides.5.Hydroxylation of nucleoside 5’−aldehydes」、J.Org.Chem.1979年、第44巻、1309〜1317頁;Gunic,E.、Girardet,J.−L.、Pietrzkowski,Z.、Esler,C.、Wang,G.の「Synthesis and cytotoxicity of 4’−C−and 5’−C−substituted Toyocamycins」、Bioorg.Med.Chem.2001年、第9巻、163〜170頁)に従って調製することができる。
【0124】
上記で得た粗製材料(2)および37%の水性ホルムアルデヒド(167mL)をジオキサン(830mL)に溶かした溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(2N、300mL)を加えた。混合物を室温で4時間攪拌し、Dowex50WX2(H+型)を加えて中性にした。樹脂を濾過し、メタノールで洗浄し、濾液を合わせ、濃縮して乾燥させ、無水エタノールとの数回の同時蒸発にかけた。無水エタノールから沈殿したギ酸ナトリウムを濾過によって除去し、濾液を濃縮して乾燥させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム中メタノール(0〜4%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な3(42.2g、1から54%)を得、これをシクロヘキサンからの再結晶にかけた。融点=94〜95(dec.)(lit.94〜96.5;97〜98:Refs:3,4)、1H−NMR(DMSO−d6):δ4.65(s,1H,H−1)、4.44〜4.37(m,3H,H−2,H−3およびOH−6)、4.27(t,1H,OH−5,J=5.6Hz,J=6.0Hz)、3.42〜3.34(m,2H,H−5およびH−6)3.29(dd,1H,H−5’,J5’−OH=5.4Hz,J5−5’=11.4Hz)、3.11(dd,1H,H−6’,J6’−OH=5.7Hz,J6−6’=10.9Hz)、3.03(s,3H,OCH3)、1.48(s,3H CH3)、1.05(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 469(2M+H)+、235(M+H)+、203(M−OCH3)+FAB<0 m/z 233(M−H)−。
【実施例4】
【0125】
6−O−モノメトキシトリチル−4−C−ヒドロキシメチル−1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース(4)の調製
標題化合物は、発表されている手順(Gunic,E.、Girardet,J.−L.、Pietrzkowski,Z.、Esler,C.、Wang,G.の「Synthesis and cytotoxicity of 4’−C−and 5’−C−substituted Toyocamycins」、Bioorg.Med.Chem.2001年、第9巻、163〜170頁)に従って調製することができる。
【0126】
3(41.0g、175ミリモル)のピリジン(700ml)溶液に、+4℃の塩化ジメトキシトリチル(60.5g、178ミリモル)を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。メタノールを加えた後、反応混合物を濃縮し(200ml)、次いで酢酸エチル(2L)で溶解させた。有機層を5%の炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで蒸発にかけて乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:酢酸エチル/ヘキサン15/85]によって精製すると、純粋な4(63.0g、68%)がシロップとして得られた。1H−NMR(CDCl3):δ7.5〜6.9(m,13H,MMTr)、4.89(s,1H,H−1)、4.72〜4.62(m,3H,H−2,H−3およびOH−5)、3.82(dd,1H,H−5,J5−OH=5.5Hz,J5〜5’=10.5Hz)、3.79(s,6H,OCH3)、3.54(dd,1H,H−5’,J5’−OH=4.9Hz,J5’−5=10.5Hz)、3.31(s,3H,OCH3)、3.24(d,1H,H−6,J6−6’=9.2Hz)、3.13(d,1H,H−6’,J6’−6=9.2Hz)、1.24(s,3H CH3)、1.15(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 303(DMTr)+。
【実施例5】
【0127】
5−O−ベンゾイル−4−C−ヒドロキシメチル−I−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボ−フラノース(5)の調製
標題化合物は、発表されている手順(Gunic,E.、Girardet,J.−L.、Pietrzkowski,Z.、Esler,C.、Wang,G.の「Synthesis and cytotoxicity of 4’−C−and 5’−C−substituted Toyocamycins」、Bioorg.Med.Chem.2001年、第9巻、163〜170頁)に従って調製することができる。
【0128】
アルゴンの存在下、4(2.51g、4.68ミリモル)の無水ピリジン(37mL)溶液に塩化ベンゾイル(1.09mL、9.36ミリモル)を加え、反応混合物を室温で13時間攪拌した。次いで、反応液を0℃に冷却し、反応を氷冷水(100mL)で停止した。水層を塩化メチレン(3×200mL)での抽出にかけた。有機層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×150mL)、水(1×150mL)で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発にかけた。残渣を80%の酢酸(70.2mL)中に溶解させ、混合物を室温で3時間攪拌し、濃縮乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム]によって精製すると、純粋な5(1.40g、88%)がシロップとして得られた。1H−NMR(CDCl3):δ8.1〜7.4(m,5H,C6H5CO)、5.08(s,1H,H−1)、4.77(dd,2H,H−2およびH−3,J=6.1Hz,J=8.2Hz)、4.51(q,2H,H−5およびH−5’,J=11.5Hz,J5−5’=23.8Hz)、3.91(t,2H,H−6およびH−6’,J=12.3Hz)、4.38(s,1H,OCH3)、2.2〜1.8(brs,1H,OH−6)、1.57(s,3H CH3)、1.38(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 677(2M+H)+、339(M+H)+、307(M−OCH3)+、105(C6H5CO)+ FAB<O m/z 121(C6H5CO2)−。
【実施例6】
【0129】
5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース(6)の調製
標題化合物は、発表されている手順(Gunic,E.、Girardet,J.−L.、Pietrzkowski,Z.、Esler,C.、Wang,G.の「Synthesis and cytotoxicity of 4’−C−and 5’−C−substituted Toyocamycins」、Bioorg.Med.Chem.2001年、第9巻、163〜170頁)に従って調製することができる。
【0130】
5(37.6g、0.111モル)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、40.7g、0.333モル)、および塩化フェノキシチオカルボニルの無水アセトニトリル(1000mL)溶液を室温で1時間攪拌し、濃縮乾燥させた。残渣を塩化メチレン(500mL)中に溶解し、0.2Mの塩酸(2×500mL)および水(500mL)で順次洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発にかけ、無水トルエンとの数回の同時蒸発にかけた。粗製材料を無水トルエン(880mL)中に溶解させ、トリス(トリメチルシリル)シラン(TMSS、42.9mL、0.139モル)、および1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ACCN、6.8g、27.8ミリモル)を加えた。反応混合物を還流させながら45分間攪拌し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:石油エーテル中ジエチルエーテル(5〜20%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な6(26.4g、74%)を淡黄色のシロップとして得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ8.0〜7.5(m,5H,C6H5CO)、4.85(s,1H,H−1)、4.63(dd,2H,H−2およびH−3,J=6.1Hz,J=11.6Hz)、4.24(d,1H,H−5,J5−5’=11.1Hz)、4.10(d,1H,H−5’,J5’−5=11.1Hz)、3.17(s,1H,OCH3)、1.38(s,3H CH3)、1.30(s,3H CH3)、1.25(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 291(M−OCH3)+、105(C6H5CO)+ FAB<0 m/z 121(C6H5CO2)−。
【実施例7】
【0131】
5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−1,2,3−O−アセチル−α,β−D−リボフラノース(7)の調製
化合物6(22.5g、70ミリモル)を80%の酢酸水溶液(250mL)中に懸濁させた。溶液を100℃で3時間加熱した。次いで体積を半分に減らし、無水エタノールおよびピリジンとの同時蒸発にかけた。油性の残渣をピリジン(280mL)中に溶解させ、次いで0℃で冷却した。無水酢酸(80mL)および4−ジメチルアミノピリジン(500mg)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(1L)で溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、1Mの塩酸、および水で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発にかけた。得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:石油エーテル中ジエチルエーテル(30〜40%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な7(16.2g、60%)を淡黄色のシロップとして得た。少量の材料をシリカゲルのクロマトグラフィー[同じ溶離液系]によって精製して、αとβの各アノマーを分離した。
【0132】
αアノマー:1H−NMR(DMSO−d6):δ8.1〜7.5(m,5H,C6H5CO)、6.34(pt,1H,H−1,J=2.4Hz,J=2,1Hz)、5.49(m,2H,H−2およびH−3)、4.33(q,2H,H−5およびH−5’,J=11.6Hz,J=18.7Hz)、2.15(s,3H,CH3CO2)、2.11(s,3H,CH3CO2)、2.07(s,3H,CH3CO2)、1.37(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 335(M−CH3CO2 −)+、275(M−CH3CO2 −+H)+、105(C6H5CO)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 121(C6H5CO2)−、59(CH3CO2)−。
【0133】
βアノマー:1H−NMR(DMSO−d6):δ8.1〜7.5(m,5H,C6H5CO)、5.99(s,1H,H−1)、5.46(d,1H,H−2,J2−3=5.3HZ)、5.30(d,1H,H−2,J2−3=5.3Hz)、4.39(d,1H,H−5,J5−5’=11.7Hz)、4.19(d,1H,H−5’,J5’−5=11.7Hz)、2.10(s,3H,CH3CO2)、2.06(s,3H,CH3CO2)、2.02(s,3H,CH3CO2)、1.30(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 335(M−CH3CO2 +)、275(M−CH3CO2 −+H)+、105(C6H5CO)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 121(C6H5CO2)−、59(CH3CO2)−。
【実施例8】
【0134】
1−(5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−2,3−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)ウラシル(8)の調製
ウラシル(422mg、3.76ミリモル)の懸濁液をヘキサメチルジシラザン(HMDS、21mL)および触媒量の硫酸アンモニウムで、還流させながら17時間かけて処理した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で蒸発にかけ、無色の油として得られた残渣を無水1,2−ジクロロエタン(7.5mL)で希釈した。得られた溶液に、7(0.99g、2.51ミリモル)の無水1,2−ジクロロエタン(14mL)溶液を加えた後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSTf、0.97mL、5.02ミリモル)を加えた。この溶液を室温のアルゴン雰囲気中で2.5時間攪拌し、次いでクロロホルム(150mL)で希釈し、同体積の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、さらに最後に水(2×100mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで減圧下で蒸発にかけた。得られる粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム中メタノール(0〜2%)の段階的勾配)によって精製して、純粋な8(1.07g、95%)を泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ11.48(s,1H,NH)、8.1〜7.5(m,6H,C6H5COおよびH−6)、5.94(d,1H,H−1’,J1’−2’=3.3Hz)、5.61(m,3H,H−5,H−2’およびH−3’)、4.47(d,1H,H−5’,J5’−5”=11.7Hz)、4.35(d,1H,H−5”,J5”−5’=11.7Hz)、2.12(s,3H,CH3CO2)、2.09(s,3H,CH3CO2)、1.38(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 893(2M+H)+、447(M+H)+、335(S)+、113(BH2)+、105(C6H5CO)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 891(2M−H)−、445(M−H)−、121(C6H5CO2)−、111(B)−、59(CH3CO2)−。
【実施例9】
【0135】
1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)ウラシル(9)の調製
標題化合物は、発表されている手順に従って8から調製することができる(Waga,T.、Nishizaki,T.、Miyakawa,I、Orhui,H.、Meguro,H.の「Synthesis of 4’−C−methylnucleosides」、Biosci.Biotechnol.Biochem.1993年、第57巻、1433〜1438頁)。
【0136】
8(610mg、1.37ミリモル)の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(27mL)溶液を室温で終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(40mL)と水(40mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×40mL)で洗浄し、減圧下で濃縮し、無水エタノールとの数回の同時蒸発にかけた。無水エタノール/メタノール混合物からの再結晶を行うと、9(215mg、61%)が無色で結晶性の固体として得られた。融点:226〜227(dec.)(lit.227:Ref.6);UV(H2O):λmax=259nm(ε=10100)、λmin=228nm(ε=2200);HPLC99.56%、1H−NMR(DMSO−d6):δ11.28(s,1H,NH)、7.89(d,1H,H−6,J6−5=8.1Hz)、5.80(d,1H,H−1’,J1’−2’=7.1Hz)、5.64(d,1H,H−5,J5−6=8.1Hz)、5.24(d,1H,OH−2’,JOH−2’=6.5Hz)、5.18(t,1H,OH−5’ JOH−5’=JOH−5”=5.2Hz)、5.01(d,1H,OH−3’,JOH−3’=5.0Hz)、4.28(dd,1H,H−2’,J=6.5Hz,J=12.2Hz)、3.90(t,1H,H−3’,J3’−2’=J3’−OH’=5.1Hz)、3.30(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.06(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 517(2M+H)+、259(M+H)+、147(S)+ FAB<0 m/z 515(2M−M)−、257(M−H)−。
【実施例10】
【0137】
1−(5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−2,3−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)4−チオ−ウラシル(10)の調製
アルゴン中でLawesson’s試薬(926mg、2.29ミリモル)を8(1.46g、3.27ミリモル)の無水1,2−ジクロロエタン(65mL)溶液に加え、反応混合物を還流させながら終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム中メタノール(1〜2%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な10(1.43g、95%)を黄色の泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ12.88(s,1H,NH)、8.1〜7.5(m,6H,C6H5COおよびH−6)、6.27(d,1H,H−1’,J1’−2’=7.51Hz)、5.91(br s,1H,H−5)5.64(m,2H,H−2’およびH−3’)、4.47(d,1H,H−5’,J5’−5”=11.7Hz)、4.36(d,1H,H−5’,J5’−5”=11.7Hz)、2.11(s,3H,CH3CO2)、2.09(s,3H,CH3CO2)、1.39(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 925(2M+H)+、463(M+H)+、335(S)+、129(BH2)+、105(C6H5CO)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 461(M−H)−、127(B)−、121(C6H5CO2)−、59(CH3CO2)−。
【実施例11】
【0138】
1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)4−チオ−ウラシル(11)の調製
10(500mg、1.08ミリモル)の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(27mL)溶液を室温で終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(40ml)と水(40mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×40mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:塩化メチレン中メタノール(5〜7%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な11(188mg、63%)を得、これを凍結乾燥させた。融点:65〜70(dec.);UV(メタノール):λmax=330nm(ε=20000)246nm(ε=4200)、λmin=275nm(ε=1500);1H−NMR(DMSO−d6):δ12.51(brs,1H,NH)、7.81(d,1H,H−6,J6−5=7.6Hz)、6.30(d,1H,H−5,J5−6=7.5Hz)、5.77,(d,1H,H−1’,J1’−2’=6.7Hz)、5.32(d,1H,OH−2’,JOH−2’=6.1Hz)、5.20(t,1H,OH−5’ JOH−5’=JOH−5”=5.2Hz)、5.03(d,1H,OH−3’,JOH−3’=5.2Hz)、4.17(dd,1H,H−2’,J=6.2Hz,J=12,0Hz)、3.89(t,1H,H−3’,J3’−2’=J3’−OH’=5.1Hz)、3.35(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.02(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 275(M+H)+、147(S)+、129(BH2)+ FAB<0 m/z 547(2M−H)−、273(M−H)− 127(B)−。
【実施例12】
【0139】
1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)シトシンの塩酸型(12)の調製
化合物11(890mg、1.93ミリモル)をステンレス鋼製ボンベに入った100℃の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(12mL)で3時間かけて処理し、次いで室温に冷却した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(40mL)と水(40mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×40mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:塩化メチレン/メタノール/水酸化ナトリウム65:30:5]によって精製した。各画分を収集し、減圧下、無水エタノール(6.3mL)中で蒸発にかけた。溶液に2Nの塩酸溶液(1.5mL)を加え、混合物を攪拌した後、減圧下で濃縮した。この手順を2回繰り返し、無水エタノールから12を沈殿させた。融点:213〜214(dec.);UV(メタノール):λmax=280nm(ε=9800)、λmin=245nm(ε=3600);1H−NMR(DMSO−d6):δ9.82(s,1H,NH2)、8.72(s,1H,NH2)、8.34(d,1H,H−6,J6−5=7.8Hz)、6.21(d,1H,H−5,J5−6=7.8Hz)、5.83(d,1H,H−1’,J1’ −2’=5.8Hz)、4.22(d,1H,OH−2;JOH−2’=6.5Hz)、5.6〜4.7(m,3H,OH−2’,OH−3’およびOH−5’)、4.28(t,1H,H−2’,J=5.6Hz)、3.99(d,1H,H−3’,J=5.3Hz),3.43(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.14(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 515(2M+H)+、258(M+H)+、147(S)+、112(BH2)+ FAB<0 m/z 256(M−H)−。
【実施例13】
【0140】
1−(5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−2,3−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チミン(13)の調製
チミン(384mg、3.04ミリモル)の懸濁液をヘキサメチルジシラザン(HMDS、17mL)および触媒量の硫酸アンモニウムで還流を行いながら一晩かけて処理した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で蒸発にかけ、無色の油として得られた残渣を無水1,2−ジクロロエタン(6mL)で希釈した。得られる溶液に、無水1,2−ジクロロメタン(14mL)中の7(1.0g、2.53ミリモル)を加えた後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSTf、0.98mL、5.06ミリモル)を加えた。この溶液を室温のアルゴン雰囲気中で5時間攪拌し、次いでクロロホルム(150mL)で希釈し、同体積の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、さらに最後に水(2×100mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで減圧下で蒸発にかけた。得られる粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム中2%メタノール]によって精製して、純粋な13(1.09g、94%)を泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ11.47(s,1H,NH)、8.1〜7.4(m,6H,C6H5COおよびH−6)、5.98(d,1H,H−1’,J=5.0Hz)、5.5〜5.7(m,2H,H−2’およびH−3’)、4.42(dd,2H,H−5’およびH−5”,J=11.6Hz,J=31.6Hz)、2.12(s,3H,CH3CO2)、2.09(s,3H,CH3CO2)、1.60(s,1H,CH3)、1.37(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 461(M+H)+、335(S)+、105(C6H5CO)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 459(M−H)−、125(B)−、121(C6H5CO2)−、59(CH3CO2)−。
【実施例14】
【0141】
1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)チミン(14)の調製
標題化合物は、発表されている手順に従って13から調製することができる(Waga,T.、Nishizaki,T.、Miyakawa,I.、Orhui,H.、Meguro,H.の「Synthesis of 4’−C−methylnucleosides」、Biosci.Biotechnol.Biochem.1993年、第57巻、1433〜1438頁)。
【0142】
13(1.09g、2.37ミリモル)の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(60mL)溶液を室温で終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(60mL)と水(60mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×60mL)で洗浄し、減圧下で濃縮し、無水エタノールとの数回の同時蒸発にかけた。メタノールからの再結晶を行うと、14(450mg、70%)が無色で結晶性の固体として得られた。融点:258〜260(dec.)(lit.264:Ref.6);UV(H2O):λmax=264.4nm(ε=8800)、λmin=232.0nm(ε=2200);1H−NMR(DMSO−d6):δ11.29(s,1H,NH)、7.75(s,1H,H−6)、5.82(d,1H,H−1’,J1’−2’=7.2Hz)、5.19(m,2H,OH−2’,OH−5’)、5.02(d,1H,OH−3’,JOH−3’=5.0Hz)、4.21(dd,1H,H−2’,J=6.4Hz,J=12.3Hz)、3.92(t,1H,H−3’,J3’−2’=J3’−OH=5.0Hz)、3.30(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.78(s,3H,CH3)、1.09(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 545(2M+H)+、365(M+G+H)+、273(M+H)+、147(S)+、127(B+2H)+、FAB<0 m/z 543(2M−H)−、271(M−H)−、125(B)−;[α]D 20−32.0(c=0.5 in H2O,lift.−26.4)。
【実施例15】
【0143】
1−(5,2,3−トリ−O−アセチル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)チミン(15)の調製
14(200mg、0.735ミリモル)の無水ピリジン(7.4ml)溶液を無水酢酸(1.2mL)で処理し、室温で3時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:塩化メチレン中メタノール(0〜5%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な15(0.400g、定量的な収量)を泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ11.45(s,1H,NH)、7.56(s,1H,H−6)、5.90(d,1H,H−1;J1’−2’=4.8Hz)、5.5〜5.4(m,2H,H−2’およびH−3’)、4.3〜4.0(m,2H,H−5’およびH−5”)、2.1〜2.0(m,9H,3 CH3CO2)、1.78(s,1H,CH3)、1.20(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 797(2M+H)+、399(M+H)+、339(M−CH3CO2)+、273(S)+、127(BH2)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 795(2M−H)−、397(M−H)−、355(M−CH3CO)−、125(B)−、59(CH3CO2)−。
【実施例16】
【0144】
1−(5,2,3−トリ−O−アセチル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−4−チオ−チミン(16)の調製
アルゴン中で15(0.167g、4.19ミリモル)の無水1,2−ジクロロエタン(11mL)溶液にLawesson’s試薬(119mg、0.29ミリモル)を加え、反応混合物を還流させながら終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム中メタノール(1〜2%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な16(0.165g、95%)を黄色の泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ12.81(s,1H,NH)、7.64(s,1H,H−6)、5.84(d,1H,H−1’,J1’−2’=4.66Hz)、5.5〜5.4(m,2H,H−2’およびH−3’)、4.11(dd,2H,H−5’およびH−5”,J=11.7Hz,J=31.3Hz)、2.0〜1,8(m,12H,3CH3CO2およびCH3)、1.33(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 829(2M+H)+、415(M+H)+、273(S)+、143(BH2)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 827(2M−H)−、413(M−H)−、141(B)−、59(CH3CO2)−。
【0145】
同様にして、適切な糖およびピリミジン塩基を使用し、以下の式IIのヌクレオシドを調製する。
【0146】
【表1】
【実施例17】
【0147】
1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−メチル−シトシン(17)の塩酸塩型の調製
化合物16(0.160g、0.386ミリモル)をステンレス鋼製ボンベに入った100℃の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(10mL)で3時間かけて処理し、次いで室温に冷却した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を 塩化メチレン(30mL)と水(30mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×30mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:塩化メチレン中20%メタノール]によって精製して、1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−メチル−シトシン(60mg、57%)を得た。この化合物をEtOH100(1.5mL)中に溶解させ、2Nの塩酸溶液(0.3mL)で処理し、混合物を攪拌した後、減圧下で濃縮した。この手順を2回繰り返し、無水エタノールから17を沈殿させた。融点:194〜200(dec.);UV(H2O):λmax=275.6nm(ε=7300)、λmin=255nm(ε=4700);HPLC100%、1H−NMR(DMSO−d6):δ9.34および9.10(2s,2H,NH2)、8.21(s,1H,H−6)、5.80(d,1H,H−1’,J1’−2’=6.0Hz)、5.3〜4.3(m,3H,OH−2’,OH−3’およびOH−5’)、4.21(t,1H,H−2’,J=5.7Hz)、3.98(d,1H,H−3’,J=5.3Hz)、3.5〜3.3(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.97(s,3H,CH3)、1.12(s,3H,CH3)。
【実施例18】
【0148】
O−6−ジフェニルカルバモイル−N2−イソブチリル−9−(2,3−ジ−O−アセチル−5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)グアニン(18)の調製
O−6−ジフェニルカルバモイル−N2−イソブチリルグアニン(1.80g、4.33ミリモル)を無水トルエン(20mL)に懸濁させた懸濁液に、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(1.92mL、7.9ミリモル)を加えた。反応混合物を還流させながら1時間かけて温めた。化合物7(1.55g、3.93ミリモル)をトルエン(10mL)に溶解させ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSTf)(915mL、4.72ミリモル)を加えた。混合物を還流させながら30分間加熱した。次いで、溶液を室温に冷却し、5%の炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて中性にした。反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈した。有機層を5%の炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)および水(2×150mL)で洗浄した。この有機層をNa2SO4上で乾燥させ、蒸発乾燥させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:石油エーテル中ジエチルエーテル(70〜90%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な18(1.62g、55%)を泡として得た。
【実施例19】
【0149】
9−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)グアニン(19)の調製
標題化合物は、発表されている手順に従って18から調製することができる(Waga,T.、Nishizaki,T.、Miyakawa,I、Orhui,H.、Meguro,H.の「Synthesis of 4’−C−methylnucleosides」、Biosci.Biotechnol.Biochem.1993年、第57巻、1433〜1438頁)。
【0150】
18(1.50g、ミリモル)の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(20mL)溶液を室温で終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(60mL)と水(60mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×60mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をRP18カラムクロマトグラフィー[溶離液:水/アセトニトリル95/5]によって精製して、純粋な19(380mg、60%)を得た。水からの再結晶を行うと、19が結晶性の固体として得られた。融点>300(dec.)、UV(H2O):λmax=252nm(ε=14500)。1H−NMR(DMSO−d6):δ10.64(s,1H,NH)、7.95(s,1H,H−8)、6.45(s1,2H,NH2)、5.68(d,1H,H−1’,J1’−2’=7.45Hz)、5.31(d,1H,OH,OH−2’,JOH−2’=6.8Hz)、5.17(t,1H,OH,OH−5’,J=5.5Hz)、5.07(d,1H,OH−3’,JOH−3’=4.5Hz)、4.65(dd,1H,H−2’,J=7.1Hz,J=12.2Hz)、4.00(t,1H,H−3’,J3’−2’=J3’−OH=4.8Hz)、3.41(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.12(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT);FAB>0 m/z 595(2M+H)+、390(M+G+M)+、298(M+H)+、152(B+2H)+、FAB<0 m/z 593(2M−H)−、296(M−H)−、150(B)−。
【実施例20】
【0151】
9−(2,3−ジ−O−アセチル−5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)アデニン(20)
7(1.10g、2.79ミリモル)の無水アセトニトリル(50ml)溶液をアデニン(452.4mg、3.35ミリモル)および塩化スズ(SnCl4、660μL、5.58ミリモル)で処理し、室温で終夜攪拌した。この溶液を減圧下で濃縮し、クロロホルム(100mL)で希釈し、NaHCO3の冷飽和水溶液(100ml)で処理した。混合物をセライトで濾過し、沈殿を熱クロロホルムで洗浄した。濾液を合わせ、水(100ml)およびブライン(100ml)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で蒸発にかけた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:ジクロロメタン中メタノール(3〜5%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な20(977mg、77%)を白色の泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ8.31〜7.49(m,7H,C6H5CO,H−2およびH−8)、7.37(1s,2H,NH2)6.27(m,2H,H−1’およびH−3’)、5.90(m,1H,H−2’)、4.60(d,1H,H−5’,J=11.7Hz)、4.35(d,1H,H−5”)、2.17(s,3H,CH3CO2)、2.06(s,3H,CH3CO2)、1.42(s,3H,CH3)。
【実施例21】
【0152】
9−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)アデニン(21)の調製
標題化合物は、発表されている手順に従って20から調製することができる(Waga,T.、Nishizaki,T.、Miyakawa,I、Orhui,H.、Meguro,H.の「Synthesis of 4’−C−methylnucleosides」、Biosci.Biotechnol.Biochem.1993年、第57巻、1433〜1438頁)。
【0153】
20(970mg、2.08ミリモル)の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(50mL)溶液を室温で終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(100ml)と水(100ml)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×100mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:酢酸エチル中メタノール(10〜30%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な21(554mg、95%)を得た。メタノール/酢酸エチルからの再結晶を行うと、21が白色の固体として得られた。融点:96〜97(dec.);1H−NMR(DMSO−d6):δ8.33(s,1H,H−2)、8.13(s,1H,H−8)、7.36(brs,2H,NH2)、5.84(d,1H,H−1’,J1’−2’=7.4Hz)、5.69(dd,1H,OH−5’,J=4.2HzおよびJ=7.8Hz)、5.33(d,1H,OH−2’,J=6.6Hz)、5.13(d,1H,OH−3’,J=4.4Hz)、4.86(m,1H,H−2’)、4.04(t,1H,H−3’)、3.58〜3.32(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.15(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 563(2M+H)+、374(M+G+H)+、282(M+H)+、136(B+2H)+、FAB<0 m/z 561(2M−H)−、280(M−H)−、134(B)−。
【0154】
同様にして、適切な糖およびプリン塩基を使用し、以下の式Iのヌクレオシドを調製する。
【0155】
【表2】
【0156】
あるいは、当該の糖とピリミジン塩基もしくはプリン塩基を使用して、以下の式IIIのヌクレオシドを調製する。
【0157】
【表3】
【0158】
あるいは、当該の糖とピリミジン塩基もしくはプリン塩基を使用して、以下の式IVのヌクレオシドを調製する。
【0159】
【表4】
【0160】
あるいは、当該の糖とピリミジン塩基もしくはプリン塩基を使用して、以下の式Vのヌクレオシドを調製する。
【0161】
【表5】
【0162】
あるいは、当該の糖とピリミジン塩基もしくはプリン塩基を使用して、以下の式VIのヌクレオシドを調製する。
【0163】
【表6】
【0164】
VII.抗C型肝炎活性
化合物群は、HCVポリメラーゼを阻害する、または複製サイクルに必要な他の酵素を阻害することによって、あるいは他の経路によって抗C型肝炎活性を示す。このような活性を評価するために、いくつかのアッセイが発表されている。培養物中のHCVウイルスの総増量を評価する一般の方法は、Miles等の米国特許第5,738,985号で開示されている。In vitroアッセイは、Ferrari等のJnl.of Vir.第73巻、1649〜1654ページ、1999年;Ishii等のHepatology第29巻、1227〜1235ページ、1999年;Lohmann等のJnl.of Bio.Chem.第274巻、10807〜10815ページ、1999年;およびYamashita等のJnl.of Bio.Chem.第273巻、15479〜15486ページ、1998年で報告されている。
【0165】
1995年9月出願の米国特許出願第60/004,383号に優先権を主張する、C.HagedornおよびA.Reinoldusが発明者として記載され、エモリー大学によって1996年9月27日に出願されたWO97/12033は、本明細書に記載の化合物の活性を評価するのに使用できるHCVポリメラーゼアッセイを記載している。別のHCVポリメラーゼアッセイは、Bartholomeusz等の「Hepatitis C virus (HCV) RNA polymerase assay using cloned HCV non−structural proteins」、Antiviral Therapy 1996年、第1巻(別巻4)18〜24ページで報告されている。
【0166】
HCV薬によるキナーゼ活性の低下を測定するスクリーニングは、Katze等の米国特許第6,030,785号、Delvecchio等の米国特許第6,010,848号、およびJubin等の米国特許第5,759,795号で開示されている。提唱されているHCV薬のプロテアーゼ阻害活性を測定するスクリーニングは、Su等の米国特許第5,861,267号、De Francesco等の米国特許第5,739,002号、およびHoughton等の米国特許第5,597,691号で開示されている。
【0167】
実施例
試験化合物を初濃度200μMでDMSO中に溶解させ、次いで培地中で連続希釈した。
【0168】
別段の記載がない限り、乳仔ハムスター腎臓(BHK−21)(ATCC CCL−10)およびウシ(BT)(ATCC CRL 1390)細胞は、加湿したCO2(5%)雰囲気中、37℃で増殖させた。BHR−21細胞は、2mMのL−グルタミン、10%のウシ胎児血清(FBS、Gibco)、および1.5g/Lの重炭酸ナトリウムおよび0.1mMの非必須アミノ酸を含有するように調整したEarle’s BSSを加えたイーグルMEM中で継代した。BT細胞は、4mMのL−グルタミンおよび10%のウマ血清(HS、Gibco)を含むダルベッコ変法イーグル培地を、1.5g/Lの重炭酸ナトリウム、4.5g/Lのグルコース、および1.0mMのピルビン酸ナトリウムを含有するように調整した培地中で継代した。ワクチン株の17D(YFV−17D)(Stamaril(登録商標)、Pasteur Merieux)およびウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)(ATCC VR−534)を使用して、75cm2ボトル中で、それぞれBHK細胞およびBT細胞を感染させた。37℃で3日間のインキュベーション期間の後、広範な細胞変性効果が認められた。培養物を3回凍結融解し、遠心分離によって細胞片を除去し、上清を等分し、−70℃で貯蔵した。YFV−17DおよびBVDVを、それぞれ、24穴プレート中で増殖させて集密的にしたBHK−21細胞およびBT細胞中で滴定した。
【実施例22】
【0169】
ヌクレオシドの活性化三リン酸へのリン酸化アッセイ
化合物の細胞代謝を決定するため、HepG2細胞をAmerican Type Culture Collection(メリーランド州ロックヴィル)から入手し、225cm2組織培養フラスコ中、非必須アミノ酸、ペニシリン−ストレプトマイシン1%を補充した最小必須培地で増殖させる。培地を3日毎に新しくし、細胞を週に1度継代する。トリプシン−EDTA30mLに10分間曝して粘着性の単層を剥離し、培養液で3回連続的に洗浄した後、集密的なHepG2細胞を、ウェルあたり細胞2.5×106個の密度で6ウェルプレートに播種し、[3H]標識活性化合物(500dpm/ピコモル)10μMに所定の時間曝する。5%CO2雰囲気中、37℃に細胞を維持する。選択された時間に、氷冷リン酸緩衝食塩水(PBS)で3回細胞を洗浄する。細胞ペレットを、60%のメタノールを用いて終夜−20℃でインキュベートしてから、氷浴で1時間、追加の冷メタノール20μLでの抽出にかけることによって、細胞内の活性化合物およびそのそれぞれの代謝産物を抽出する。次いで抽出物を合わせ、穏やかな濾過空気流中で乾燥させ、HPLC分析まで−20℃で保存する。
【実施例23】
【0170】
カニクイザルでの生物学的利用能アッセイ
試験開始前の1週間以内に、カニクイザルに、血液を収集しやすくするための長期用静脈カテーテルおよび皮下静脈アクセスポート(VAP)を外科的に移植し、血液学および血清化学評価を含む身体検査を行い、体重を記録した。投与濃度5mg/mLでの用量レベル10mg/kgで、各用量の活性化合物により、静脈内大量瞬時投与(サル3匹、IV)または経口胃管栄養法(サル3匹、PO)によって各々のサル(計6匹)に与えられるH3活性はおよそ250μCiである。投与前に各投与シリンジを秤量し、投与する処方量を重量測定によって決定する。指定の間隔(投与前およそ18〜0時間、投与後0〜4、4〜8、および8〜12時間)で、受け皿(pan catch)を介して尿サンプルを収集し、処理する。静脈カテーテルおよびVAPを介して、または静脈カテーテルでの手順が不可能なら抹消血管から、血液サンプルを同様に(投与前、投与後0.25、0.5、1、2、3、6、8、12、および24時間)で収集する。血液および尿サンプルの最高濃度(Cmax)、最高濃度に達するときの時間(Tmax)、曲線下面積(AUC)、投与濃度の半減期(T1/2)、クリアランス(CL)、定常状態の体積および分布(Vss)、および生物学的利用能(F)を分析する。
【実施例24】
【0171】
骨髄毒性アッセイ
Sommadossi J−P、Carlisle R.の「Toxicity of 3’−azido−3’−deoxythymidine and 9−(1,3−dihydroxy−2−propoxymethyl)guanine for normal human hematopoietic progenitor cells in vitro」、Antimicrobial Agents and Chemotherapy 1987年、第31巻:452〜454ページ;およびSommadossi J−P、Schinazi RF、Chu CK、Xie M−Y.の「Comparison of cytotoxicity of the(−)−and(+)−enantiomer of 2’,3’−dideoxy−3’−thiacytidine in normal human bone marrow progenitor cells」、Biochemical Pharmacology、1992年、第44巻:1921〜1925ページに以前から記載されているフィコール−ハイパック勾配遠心分離によって、健常ボランティアおよび単核個体群から収集したヒト骨髄細胞を分離する。二重層軟寒天法またはメチルセルロース法を利用して、CFU−GMおよびBFU−Eでの培養アッセイを行う。薬物を組織培養培地に希釈し、濾過する。14〜18日後、空気中CO25%の加湿雰囲気中、37℃で、倒立顕微鏡を使用して、細胞が50個を超える集落をカウントする。結果は、溶媒対照培養物に対する薬物存在下の集落形成阻害の百分率として示してある。
【実施例25】
【0172】
ミトコンドリア毒性アッセイ
HepG2細胞を上述のように12ウェルプレートに培養し、Pan−Zhou X−R、Cui L、Zhou X−J、Sommadossi J−P、Darley−Usmer VM.の「Differential effects of antiretroviral nucleoside analogs on mitochondrial function in HepG2 cells」、Antimicrob Agents Chemother、2000年、第44巻:496〜503ページで教示されているとおりに、様々な濃度の薬物に曝す。Boehringer乳酸アッセイキットを使用して、4日間薬物に曝した後の培養液の乳酸レベルを測定する。血球計数器でカウントして測定した細胞数によって乳酸レベルを正規化する。
【実施例26】
【0173】
細胞傷害性アッセイ
加湿したCO2(5%)雰囲気中、37℃で、96穴プレートの増殖培地中に5×103〜5×104/穴の率で一晩かけて細胞を播いた。次いで、連続的な希釈の薬物を含有する新しい増殖培地を加えた。4日間インキュベートした後、培養物を50%のTCA中に固定し、スルホローダミンBで染色する。550nmの光学密度を読み取った。細胞傷害性の濃度を、細胞数を50%に減少させるのに必要な濃度(CC50)として示した。予備的な結果を以下の表1にまとめた。
【0174】
【表7】
【0175】
本発明をその好ましい実施形態に関して記載してきた。当分野の技術者には、これまでの発明の詳細な説明から、本発明の変形形態および変更形態が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明のヌクレオシドの非限定的な様々な例、ならびに本文で比較例として使用した他の知られているヌクレオシド、FIAUおよびリバビリンの構造を示す図である。
【図2】本発明のペントジアルド−フラノースである1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデンβ−D−リボ−ペントジアルドフラノース(2)、および本発明の4’修飾型の糖である5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−1,2,3−O−アセチル−α,β−D−リボフラノース(7)の合成を示す非限定的な図である。
【図3】1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−ウラシル(9)、1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)4−チオ−ウラシル(11)、および1−(4−C−メチル−β−D−リボ−フラノシル)チミン(14)を含む本発明の様々な4’修飾型ピリミジンヌクレオシド、ならびに1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)シトシンの塩酸塩型(12)および1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−メチル−シトシンの塩酸塩型(17)を含む薬剤として許容される塩の合成を示す非限定的な図である。
【図4】本発明の4’修飾型プリンヌクレオシドである9−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)グアニン(19)の合成を示す非限定的な図である。
【図5】本発明の4’修飾型プリンヌクレオシドである9−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)アデニン(21)の合成を示す非限定的な図である。
【0001】
本発明は、製薬化学分野であり、より詳細には、C型肝炎ウイルス、およびRNA依存性RNAウイルスポリメラーゼによって複製を行う他のウイルスを治療するための化合物、方法、および組成物に関する。本出願は、米国特許出願第60/326,184号に対する優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、世界的に慢性肝疾患の主因である。(Boyer,N.等のJ.Hepatol.第32巻、98〜112ページ、2000年)。HCVは、進行の遅いウイルス感染を引き起こし、肝硬変および肝細胞癌の原因の大半を占める。(Di Besceglie,A.M.およびBacon,B.R.のScientific American、10月号、80〜85ページ(1999年);Boyer,N.等のJ.Hepatol.第32巻、98〜112ページ、2000年)。HCV感染者は、世界中で推定1億7千万人である。(Boyer,N.等のJ.Hepatol.第32刊、98〜112ページ、2000年)。米国では、慢性C型肝炎ウイルス感染によって引き起こされた肝硬変が、年間8,000〜12,000件の死亡の原因となり、HCVが肝臓移植の主たる適応症である。
【0003】
HCVは、輸血後肝炎の少なくとも80%、および相当な割合の散発性急性肝炎の原因となることが知られている。また予備的な証拠から、B型肝炎ウイルス(HBV)など、他の肝炎ウイルスに関連のない「特発性」慢性肝炎、「原因不明の」肝硬変、およびおそらくは肝細胞癌の多くの事例においてもHCVが示唆される。地理学および他の疫学的要因によって変わるが、健康人のわずかな割合が、慢性的なHVCキャリアのようである。情報が未だ予備的なものである、すなわちこのような人々のどれだけが無症状性の慢性肝疾患に罹っているか明らかでないが、その数はHBVをかなり上回るであろう。(The Merck Manual、第16版(1992年)、第69章、901ページ)。
【0004】
HCVは、フラビウイルス属、ペスチウイルス属、およびC型肝炎ウイルスを含むヘパシウイルス属を含むウイルスの科、フラビウイルス科のメンバーとして分類されている(Rice,C.M.の「Flaviviridae:The viruses and their replication」、出典:Fields Virology、編集:Fields,B.N.、Knipe,D.M.、およびHowley,P.M.、ペンシルヴェニア州フィラデルフィア、Lippincott−Raven Publishers社刊、1996年、第30章、931〜959ページ)。HCVは、およそ9.4kbのプラス1本鎖RNAゲノムを含むエンベロープウイルスである。このウイルスゲノムは、5’非コード領域(UTR)、およそ3011個のアミノ酸のポリタンパク質前駆体をコードする長い翻訳領域、および短い3’UTRからなる。5’UTRは、HCVゲノムの最も高度に保存された部分であり、ポリタンパク質の翻訳を開始および制御するために重要である。HCVゲノムの翻訳は、内部リボソーム結合(internal ribosome entry)として知られているキャップ独立性の機構によって開始される。この機構には、内部リボソーム結合部位(IRES)として知られているRNA配列にリボソームが結合することが関与する。RNAのシュードノット(pseudoknot)構造は、最近、HCV IRESの必須構造要素であると決定された。ウイルスの構造タンパク質には、ヌクレオカプシドコアタンパク質(C)と2種のエンベロープ糖タンパク質E1およびE2が含まれる。またHCVは、2種のプロテイナーゼ、すなわちNS2−NS3領域にコードされている亜鉛依存的なメタロプロテイナーゼおよびNS3領域にコードされているセリンプロテイナーゼをコードする。これらのプロテイナーゼは特定の前駆体ポリタンパク質領域を成熟ペプチドへと切断する必要がある。非構造タンパク質5のカルボキシル側半分、すなわちNS5Bは、RNA依存性RNAポリメラーゼを含有する。残りの非構造タンパク質NS4AおよびNS4Bの機能と、NS5A(非構造タンパク質5のアミノ末端側半分)の機能は、依然として知られていない。
【0005】
最近の抗ウイルス研究は、ヒトにおける慢性HCV感染治療の改良された方法の開発に重点を置いている(Di Besceglie,A.M.およびBacon,B.R.のScientific American、10月号、80〜85ページ、(1999年))。最近では、2種の主たる抗ウイルス化合物、すなわちリバビリンおよびインターフェロンαがあり、ヒトの慢性HCV感染治療に使用されている。
【0006】
リビバリンおよびインターフェロンを用いたHCV感染治療
リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)は、商品名Virazole(商標)のもとで販売されている、インターフェロン非誘発性の合成広範囲抗ウイルスヌクレオシド類似体である(The Merck Index、第11版、Budavari,S.編、ニュージャージー州ローウェイ、Merck & Co.,Inc.、1304ページ、1989年)。米国特許第3,798,209号およびRE29,835がリバビリンを開示し、特許を請求している。リバビリンは、構造上はグアノシンに類似しており、フラビウイルス科を含む数種のDNAウイルスおよびRNAウイルスに対してin vitro活性を有する(Gary L.DavisのGastroenterology第118巻:S104〜S114、2000年)。
【0007】
リバビリンは、患者の40%で血清アミノトランスフェラーゼ濃度を正常値に低下させるが、血清HCV−RNA濃度は低下させない(Gary L.DavisのGastroenterology第118巻:S104〜S114、2000年)。したがって、リバビリン単独では、ウイルスRNAレベルを低下させるのに有効ではない。さらに、リバビリンはかなり毒性があり、貧血を誘発することが知られている。
【0008】
インターフェロン(IFN)は、ほぼ10年間にわたり慢性肝炎治療用に市販されてきた化合物である。IFNは、免疫細胞がウイルス感染に応じて産生する糖タンパク質である。IFNは、HCVを含む多くのウイルスのウイルス複製を阻害し、C型肝炎感染に単独の治療薬として使用した場合に、血清HCV−RNAを検出不可能な濃度に抑制する。さらに、IFNは、血清アミノトランスフェラーゼ濃度も正常にする。残念なことに、IFNの効果は一時的であり、HCVに慢性的に感染した患者の8%〜9%にしか持続性の応答が生じない(Gary L.Davis.のGastroenterology、第118巻:S104〜S114、2000年)。
【0009】
いくつかの特許が、インターフェロンを基にした療法を使用するHCV治療を開示している。たとえば、Blatt等の米国特許第5,980,884号は、コンセンサスインターフェロンを使用する、HCV罹患者の治療方法を開示している。Bazer等の米国特許第5,942,223号は、ヒツジまたはウシのインターフェロンτを使用する抗HCV療法を開示している。Alber等の米国特許第5,928,636号は、HCVを含む感染症治療のためのインターロイキン12とインターフェロンαの併用療法を開示している。Glue等の米国特許第5,908,621号は、HCV治療用ポリエチレングリコール修飾インターフェロンを開示している。Chretien等の米国特許第5,849,696号は、HCV治療のための単独またはインターフェロンと併用したチモシンを開示している。Valtuena等の米国特許第5,830,455号は、インターフェロンと遊離基捕捉剤を使用する併用HCV療法を開示している。Imakawaの米国特許第5,738,845号は、HCV治療用のヒトインターフェロンτタンパク質を開示している。インターフェロンを基礎としたHCVの他の治療は、Testa等の米国特許第5,676,942号、Blatt等の米国特許第5,372,808号、および米国特許第5,849,696で開示されている。
【0010】
インターフェロンとリバビリンの併用
シェリングプラウ社は、HCV患者への投与向けにRebetol(登録商標)カプセル(200mg)としてリバビリンを販売している。米国食品医薬局(FDA)は、シェリング社のαインターフェロン製品Intron(登録商標)AおよびPEG−Intron(商標)を併用して慢性HCV感染を治療するために、Rebetolカプセルを承認している。Rebetolカプセルは、単独療法(すなわち、IntronAまたはPEG−Intronと無関係の投与)では承認されていないが、IntronAおよびPEG−Intronは、単独療法(すなわち、リバビリンなしの投与)で承認されている。Hoffman La Roche社は、これもHCVの治療にインターフェロンと併用するコペガス(CoPegas)の名でリバビリンを販売している。他のαインターフェロン製品は、ロフェロンA(Hoffmann−La Roche)、Infergen(登録商標)(Intermune社、以前はアムジェン社の製品)であり、Wellferon(登録商標)(ウェルカム財団)は、最近になってHCV単独療法がFDAに承認されている。
【0011】
HCV感染を治療する方法を開示する追加の参照文献
Bymock等のAntiviral Chemistry & Chemotherapy、第11巻:2、79〜95ページ(2000年)に、いくつかのHCV治療が出ている。
【0012】
切断された基質の切れやすいアミド結合が、触媒セリンと相互に作用する求電子基で置換された数種の基質系NS3プロテアーゼ阻害薬が文献で特定されている。Attwood等(1998年)の「Antiviral peptide derivatives」、98/22496;Attwood等(1999年)のAntiviral Chemistry and Chemotherapy第10巻、259〜273ページ;Attwood等(1999年)の「Preparation and use of amino acid derivatives as anti−viral agents」、ドイツ特許公告DE19914474;Tung等(1998年)の「Inhibitors of serine proteases,particularly hepatitisC virus NS3 protease」、WO98/17679。報告された阻害薬は、ボロン酸またはホスホン酸など、求電子基を末端とする。Llinas−Brunet等(1999年)の「Hepatitis C inhibitor peptide analogues」、WO99/07734。2クラスの求電子剤系阻害薬、αケトアミドおよびヒドラジノ尿素について記載されている。
【0013】
文献には、いくつかの非基質系阻害薬も開示されている。たとえば、HCVプロテアーゼおよび他のセリンプロテアーゼに対する2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体の阻害作用の評価が報告されている。Sudo,K.等(1997年)のBiochemical and Biophysical Research Communications第238巻、643〜647ページ;Sudo,K.等(1998年)のAntiviral Chemistry and Chemotherapy第9巻、186ページ。逆相HPLCアッセイを利用して特定された2種の最も効力のある化合物は、アミドが炭素14個の鎖で置換されたRD3−4082およびパラフェノキシフェニル基をプロセシングするRD3−4078である。
【0014】
NS3/4A融合タンパク質およびNS5A/5B基質との逆相HPLCアッセイを利用して、チアゾリジン誘導体がマイクロモルの阻害薬として特定された。Sudo,K.等(1996年)のAntiviral Research第32巻、9〜18ページ。長鎖アルキルで置換された縮合シンナモイル部分を有する化合物RD−1−6250は、単離された酵素に対して最も効力があった。活性のある他の2種の例は、RD4 6205およびRD4 6193であった。
【0015】
他の文献では、ELISAアッセイを利用する比較的小規模なライブラリのスクリーニングと、強力な阻害薬としての3種の化合物、すなわちチアゾリジンおよび2種のベンズアニリジンの特定が報告されている。Kakiuchi N.等のJ.EBS Letters第421巻、217〜220ページ;Takeshita N.等のAnalytical Biochemistry第247巻、242〜246ページ、1997年。数件の米国特許が、HCV治療用のプロテアーゼ阻害薬を開示している。たとえば、Spruce等の米国特許第6,004,933号は、HCVエンドペプチダーゼ2を阻害する1クラスのシステインプロテアーゼ阻害薬を開示している。Zhang等の米国特許第5,990,276号は、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼの合成阻害薬を開示している。この阻害薬は、NS3プロテアーゼの基質またはNS4A補因子の基質の部分配列である。Reyes等の米国特許第5,538,865号では、HCVを治療するための制限酵素の使用が開示されている。
【0016】
ストレプトミセス種の発酵培養ブロスから単離したSch68631、すなわち1種のフェナン−トレンキノンが、SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィアッセイにおいてHCVプロテアーゼに対しマイクロモル量で活性を示した。Chu M.等のTetrahedron Letters第37巻、7229〜7232ページ、1996年。同じ著者による別の例では、菌類Penicillium griscofuluumから単離されたSch351633が、シンチレーション近接アッセイでマイクロモルの活性を示した。Chu M.等のBioorganic and Medicinal Chemistry Letters第9巻、1949〜1952ページ。高分子eglin cを基礎とした選択的阻害薬を設計することによって、HCV NS3プロテアーゼ酵素に対するナノモルの効力が得られている。ヒルから単離したEglin cは、S.griseusプロテアーゼAおよびB、αキモトリプシン、キマーゼ、サブチリシンなど、数種のセリンプロテアーゼの強力な阻害薬である。Qasim M.A.等のBiochemistry第36巻、1598〜1607ページ、1997年。
【0017】
HCVヘリカーゼ阻害薬も報告されている。Diana G.D.等の米国特許第5,633,358号;Diana G.D.等のPCT公告WO97/36554。HCVポリメラーゼ阻害薬の報告は以下の数件、すなわち、ある種のヌクレオチド類似体、グリオトキシン、および天然産物セルレニンである。Ferrari R.等のJournal of Virology第73巻、1649〜1654ページ、1999年;Lohmann V.等のVirology第249巻、108〜118ページ、1998年。
【0018】
HCVの5’非コード領域に伸展する配列に相補的なアンチセンスホスホロチオアートオリゴデオキシヌクレオチドは、in vitroでの翻訳においてもIIcpG2 IICVルシフェラーゼ細胞培養系においてもHCV遺伝子発現の効率的な阻害薬として報告されている。Alt M.等のHepatology第22巻、707〜717ページ、1995年。最近の研究は、NCRの3’末端を含むヌクレオシド326〜348およびHCV RNAのコアコード領域に位置するヌクレオシド371〜388が、アンチセンスを媒介としてウイルス翻訳を阻害するための有効な標的であることを実証している。Alt M.等のArchives of Virology第142巻、589〜599ページ、1997年。Wands等の米国特許第6,001,990号は、HCVの複製を阻害するためのオリゴヌクレオチドを開示している。PCT公告WO99/29350は、HCV−RNAに相補的かつそれとハイブリッド形成可能なアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することを含む、C型肝炎感染を治療する組成物および方法を開示している。Han等の米国特許第5,922,857号は、ペスチウイルスの相同ボックスIV区域の配列に対応する、HCVの翻訳を制御するための核酸を開示している。治療薬としてのアンチセンスオリゴヌクレオチドが最近再検討されている(Galderisi U.等のJournal of Cellular Physiology第181巻、251〜257ページ、1999年)。
【0019】
HCVのIRES依存的な翻訳の阻害薬として、他の化合物が報告されている。Ikeda N等の特開平08−268890、Kai,Y等の特開平10−101591。ヌクレアーゼ耐性リボザイムは、IRESを標的にしており、最近HCV−ポリオウイルスキメラプラークアッセイで阻害薬として報告されている。Maccjak D.J.等のHepatology第30巻、要約995ページ、1999年。HCVを治療するためのリボザイムの使用も、Barber等の米国特許第6,043,077号、Draper等の米国特許第5,869,253号および同第5,610,054号で開示されている。
【0020】
他の特許は、HCV治療のための免疫系を増強する化合物の使用を開示している。たとえば、Chretien等の米国特許第6,001,799号は、免疫系を増強する用量のチモシンまたはチモシン断片を投与することによる、インターフェロン療法無応答者でのC型肝炎の治療方法を開示している。Eder等の米国特許第5,972,347号およびBona等の同第5,969,109号は、HCV治療用抗体系治療薬を開示している。
【0021】
Gold等の米国特許第6,034,134号は、免疫持続、抗マラリア、抗ボルナウイルス、および抗C型肝炎活性を有するある種のNMDA受容体作用薬を開示している。開示されたNMDA受容作用薬は、1−アミノ−アルキルシクロヘキサンのファミリーに属する。Morris−Natschke等の米国特許第6,030,960号は、HCVウイルスによって産生されたものを含めて肝炎に誘発された抗体の産生を阻害するある種のアルキルリピドの使用を開示している。Chojkier等の米国特許第5,922,757号は、HCVを含む肝疾患を治療するためのビタミンEおよび他の抗酸化剤の使用を開示している。Elsherbi等の米国特許第5,858,389号は、C型肝炎治療のためのスクアレンの使用を開示している。Smith等の米国特許第5,849,800号は、C型肝炎治療のためのアマンタジンの使用を開示している。Ozeki等の米国特許第5,846,964号は、HCV治療のための胆汁酸の使用を開示している。Blough等の米国特許第5,491,135号は、HCVなど、フラビウイルスを治療するためのN−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸の使用を開示している。
【0022】
HCV治療用に提唱されている他の化合物には、植物抽出物(Tsai等の米国特許第5,837,257号、Omer等の米国特許第5,725,859号、および米国特許第6,056,961号)、ピペリジン類(Diana等の米国特許第5,830,905号)、ベンゼンジカルボキサミド(Diana等の米国特許第5,633,388号)、ポリアデニル酸誘導体(Wang等の米国特許第5,496,546号)、2’、3’−ジデオキシイノシン(Yarchoan等の米国特許第5,026,687号)、ベンズイミダゾール類(Colacino等の米国特許第5,891,874号)が含まれる。
【0023】
HCVの治療向けに開発された他の薬品には、Rocheのペガシス(ペグインターフェロンα−2a)、InterMuneのINFERGEN(インターフェロンアルファコン−1)、ViragenのOMNIFERON(天然型インターフェロン)、Human Genome SciencesのALBUFERON、Ares−SeronoのREBIF(インターフェロンβ−1a)、BioMedicineのωインターフェロン、Amarillo Bioscienceの経口インターフェロンα、InterMuneのインターフェロンγ−1b、シェリングプラウのインターロイキン−10、InterneuronのIP−501、VertexのMerimebodib VX−497、Endo Labs Solvayのアマンタジン(シンメトレル)、RPIのHEPTAZYME、Idun Pharma.のIDN−6556、XTL.のXTL−002、ChironのHCV/MF59、NABIのCIVACIR、ICNのLEVOVIRIN、ICNのVIRAMIDINE、Sci CloneのZADAXIN(サイモシンα−1)、MaximのCEPLENE(ヒスタミン二塩酸塩)、Vertex/イライリリーのVX950/LY570310、Isis Pharmaceutical/ElanのISIS14803、Idun Pharmaceuticals,Inc.のIDN−6556、およびAKROS PharmaのJTK003が含まれる。
【0024】
Idenix Pharmaceuticals,Ltd.は、分枝ヌクレオシド、ならびにHCV、フラビウイルス、およびペスチウイルスの治療におけるその使用を国際公開第WO01/90121号およびWO01/92282号で最初に開示している。
【0025】
このIdenix社の公開特許には、生体活性のある有効量の1’,2’,もしくは3’が分枝状のβ−Dもしくはβ−Lヌクレオシドまたは薬剤として許容されるその塩もしくはプロドラッグを単独または併用で、場合によっては薬剤として許容される担体に入れて投与することを含む、ヒトおよび他の宿主動物におけるC型肝炎感染(およびフラビウイルス、ペスチウイルス)の治療方法が開示されている。
【0026】
Indenix Pharmaceuticals,Ltd.のWO01/96353は、HBV治療のための2’−デオキシ−β−L−ヌクレオシドの3’−プロドラッグを開示している。Beauchampの米国特許第4,957,924号は、様々な治療用アシクロビルエステルを開示している。
【0027】
C型肝炎ウイルスを治療するためのある種のヌクレオシド類似体の使用を開示する他の特許出願には、BioChem Pharma,Inc.(現Shire Biochem,Inc.)によって出願されたPCT/CA00/01316(WO01/32153)およびPCTCA01/00197(WO01/60315)、Merck&Co.,Inc.によって出願されたPCT/US02/01531(WO02/057425A2)およびPCT/US02/03086(WO02/057287)、およびHoffman La Rocheによって出願されたPCTEP01/09633(WO02/18404)が含まれる。
【0028】
C型肝炎ウイルスが世界的に流行病の水準に達し、感染した患者への影響が悲劇的である事実を考えると、宿主への毒性が弱い、C型肝炎を治療する新規の有効な薬剤を提供することの必要性は依然として高い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
したがって、本発明の目的は、C型肝炎ウイルスに感染した宿主を治療するための化合物、方法、および組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
C型肝炎感染を治療するための化合物、方法、および組成物を開示するが、これにはC型肝炎有効治療量の式(I)〜(VI)のβ−D−もしくはβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが含まれる。これらの化合物は、一般に、RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼの阻害剤として使用することもできる。
【0031】
第1の主実施形態では、次式Iの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0032】
【化1】
[式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一、二、もしくは三リン酸、および安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、H、直鎖、分枝、もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR5からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、(低級アシルを含む)アシル、または(これだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含む)アルキルである。]
第2の主実施形態では、次式IIの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0033】
【化2】
[式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、および安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1は、それぞれ独立に、H、直鎖、分枝、もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR5からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、(低級アシルを含む)アシル、または(これだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含む)アルキルである。]
第3の主実施形態では、次式XIII、XIV、およびXVから選択された化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0034】
【化3】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。]
第4の主実施形態では、本発明は、次式VIの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0035】
【化4】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1またはR2がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R7およびR9は、それぞれ独立に、水素、OR2、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R8およびR10は、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、R7とR9、R7とR10、R8とR9、またはR8とR10は、一緒になってパイ結合を形成していてもよく、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。]
本発明のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシドは、HCVポリメラーゼの活性を阻害することができ、一般に、RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼの阻害剤として使用できる。本明細書でより詳細に述べるスクリーニング法に従って、ヌクレオシドがin vitroでHCVポリメラーゼ活性を阻害する能力をスクリーニングすることができる。本明細書に記載のアッセイまたは別の確認のアッセイで化合物を評価することによって、活性範囲を容易に決定することができる。
【0036】
一実施形態では、本明細書でより詳細に述べる方法に従い、in vitroでウイルスプラーク数を50%まで減少させるのに要する化合物濃度(すなわち、化合物のED50)によって、抗HCV化合物の効力を測定する。好ましい実施形態では、化合物のEC50は25、15、10、5、または1マイクロモル未満である。
【0037】
もう1つの実施形態では、この活性化合物を、別のHCV薬またはRNA依存性RNAポリメラーゼ抑制剤と、併用または交代で投与することができる。併用療法では2種以上の有効投与量の薬品が一緒に投与され、交互療法の際には有効投与量の各薬品が連続的に投与される。投与量は、薬物の吸収率、不活化率、および排泄率、ならびに当分野の技術者に知られている他の要因に応じて決まる。投与量の値は、緩和すべき状態の重症度によっても変わることを留意されたい。さらに、時間の経過と共に、各個の必要度、およびこの組成物の投与を管理または監督する者による専門的判断に従い、特定の投与レジメンおよび投与スケジュールを、あるいずれかの対象向けに調製すべきであることも理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
ここで開示する発明は、ヒトまたは他の宿主動物のC型肝炎を治療するための化合物、方法、および組成物であり、それには、HCVを治療する有効量の、本明細書に記載のβ−D−もしくはβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを、場合によっては薬剤として許容される担体に含ませて投与することが含まれる。本発明の化合物は、抗ウイルス(すなわち、抗HCV)活性を有する、または代謝されるとそのような活性を示す化合物になる。代替実施形態では、この化合物は、一般に、RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼの阻害に使用することができる。
【0039】
要約すると、本発明には以下の特徴、すなわち、
(a)本明細書に記載のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、およびそのプロドラッグ、
(b)特に、HCVに感染している、あるいはHCVに感染する恐れがあると診断された個体において、HCV感染の治療または予防に使用するための本明細書に記載のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、およびそのプロドラッグ、
(c)HCV感染を治療するための医薬品の製造での、このようなβ−D−およびβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、およびそのプロドラッグの使用、
(d)β−D−またはβ−L−ヌクレオシド、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグ、ならびに薬剤として許容される担体または希釈剤を含む製剤、
(e)実質上その鏡像異性体が存在しない、または実質上他の化学的実体から単離された本明細書に記載のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシド、
(f)以下でより詳細に記述する、β−D−およびβ−L−ヌクレオシドの調製方法、および
(g)実質上そのヌクレオシドの鏡像異性体が存在しない、または実質上他の化学的実体から単離された本明細書に記載のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシドの調製方法が含まれる。
【0040】
I.活性化合物、ならびにその生理学的に許容される塩およびプロドラッグ
第1の主実施形態では、式Iの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供される。
【0041】
【化5】
[式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一、二、もしくは三リン酸、および安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、H、直鎖、分枝、もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR5からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、(低級アシルを含む)アシル、または(これだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含む)アルキルである。]
好ましい副実施形態では、式Iの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供され、式中、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、Hまたはリン酸(好ましくはH)であり、
X1は、Hであり、
X2は、HまたはNH2であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NH2、またはOHである。
【0042】
第2の主実施形態では、式IIの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供される。
【0043】
【化6】
[式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一、二、三リン酸、および安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基が本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1は、それぞれ独立に、H、直鎖、分枝、もしくは環状アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR5からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、(低級アシルを含む)アシル、または(これだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含む)アルキルである。]
好ましい副実施形態では、式IIの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供され、式中、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、Hまたはリン酸(好ましくはH)であり、
X1は、HまたはCH3であり、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、NH2、またはOHである。
【0044】
第3の主実施形態では、式III、IV、およびVから選択された化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供される。
【0045】
【化7】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。]
第1の好ましい副実施形態では、式III、IV、またはVの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供され、式中、
塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、水素またはリン酸であり、
R6は、アルキルであり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。
【0046】
第2の好ましい副実施形態では、式III、IV、またはVの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供され、式中、
塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1、R2、およびR3は、水素であり、
R6は、アルキルであり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。
【0047】
第3の好ましい副実施形態では、式III、IV、またはVの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供され、式中、
塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、水素またはリン酸であり、
R6は、アルキルであり、
Xは、Oである。
【0048】
さらに好ましい副実施形態では、式IVの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供される。
【0049】
【化8】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり;場合によってはアミンまたはシクロプロピル(たとえば、2−アミノ、2,6−ジアミノ、またはシクロプロピルグアノシン)で置換されており;
R1およびR2は、それぞれ独立に、H;(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニルおよびベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1またはR2がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基である。]
第4の主実施形態では、本発明は、式VIの化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグが提供される。
【0050】
【化9】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1またはR2がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R7およびR9は、それぞれ独立に、水素、OR2、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R8およびR10は、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、R7とR9、R7とR10、R8とR9、またはR8とR10は、一緒になってパイ結合を形成していてもよく、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。]
第1の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立に、OR2、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0051】
第2の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ−(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0052】
第3の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立に、OR2、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10がHであり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0053】
第4の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立に、OR2、アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0054】
第5の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR1であり、(5)R8およびR10がそれぞれ独立にH、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0055】
第6の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10がHであり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0056】
第7の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立に、OR2、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0057】
第8の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0058】
第9の好ましい実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0059】
第10の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1が、それぞれ独立に、Hまたは(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、(3)R6が、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9が、それぞれ独立に、OR2、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0060】
第11の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸であり、(3)R6が、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、ヒドロキシ、O−アルキル、O−アルケニル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0061】
第12の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがO、S、SO2、またはCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0062】
第13の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2であり、(5)R8およびR10が、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0063】
第14の好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基が、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、(2)R1がそれぞれ独立にHまたはリン酸であり、(3)R6がアルキルであり、(4)R7およびR9がそれぞれ独立にOR2、(低級アルキルを含む)アルキル、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、O−アルケニル、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、アミノ、低級アルキルアミノ、またはジ(低級アルキル)アミノであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0064】
さらに好ましい副実施形態では、以下のような式VIの化合物、すなわち、(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がグアニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がシトシンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がチミンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がウラシルであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1がリン酸であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がエチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がプロピルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がブチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7が水素であり、R9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがOである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがSである化合物、
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがSO2である化合物、または
(1)塩基がアデニンであり、(2)R1が水素であり、(3)R6がメチルであり、(4)R7およびR9がヒドロキシルであり、(5)R8およびR10が水素であり、(6)XがCH2である化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグを提供する。
【0065】
本発明のβ−D−およびβ−L−ヌクレオシドは、HCVのポリメラーゼ活性を阻害する。本明細書でより詳細に述べるスクリーニング法に従って、ヌクレオシドがin vitroでHCVのポリメラーゼ活性を阻害する能力をスクリーニングすることができる。本明細書に記載のアッセイ、または別の確認のアッセイで化合物を評価することによって、活性スペクトルを容易に決定することができる。
【0066】
一実施形態では、本明細書でより詳細に述べる方法に従う、in vitroでウイルスプラーク数を50%まで減少させるのに要する化合物濃度(すなわち、化合物のEC50)によって、抗HCV化合物の効力を測定する。好ましい実施形態では、Ferrari等のJnl.of Vir.第73巻、1649〜1654ページ、1999年;Ishii等のHepatology第29巻、1227〜1235ページ、1999年;Lohmann等のJnl.of Bio.Chem.第274巻、10807〜10815ページ、1999年;またはYamashita等のJnl.of Bio.Chem.第273巻、15479〜15486ページ、1998年に記載のポリメラーゼアッセイに従って測定した場合、化合物のEC50は15または10マイクロモル未満である。
【0067】
この活性化合物は、レシピエントに投与されると直接または間接的に親化合物をもたらすことができ、あるいはそれ自体が活性を示す何らかの塩またはプロドラッグとして投与できる。限定的でない例は、薬剤として許容される塩(あるいは「生理学的に許容される塩」とも呼ぶ)、および5’位、プリン塩基、またはピリミジン塩基がアルキル化またはアシル化された化合物(「薬剤として許容されるプロドラッグ」のタイプ)である。さらに、この修飾によって、化合物の生物活性に影響を与えることもでき、その親化合物以上に活性が増大する場合もある。これは、本明細書に記載の方法または当分野の技術者に知られている他の方法に従って、塩またはプロドラッグを調製し、その抗ウイルス活性を試験することによって容易に評価できる。
【0068】
II.定義
本明細書では、用語アルキルは、別段の指定がない限り、飽和の直鎖、分枝、または環状の第1級、第2級、または第3級の、通常はC1〜C10の炭化水素を指し、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、および2,3−ジメチルブチルが含まれる。この用語には、置換アルキル基も非置換アルキル基も含まれる。アルキル基の置換を行うことのできる部分は、保護していないか、または当分野の技術者に知られているように、たとえば、参照により本明細書に組み込まれるGreeneらの「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、第2版、1991年で教示されているように、必要に応じて保護したヒドロキシル、(それぞれ独立にF、Cl、Br、およびIを含む)ハロ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキサミド、カルボキシラート、チオ、アルキルチオ、アジド、スルホン酸、サルファート、ホスホン酸、ホスファート、またはホスホナートからなる群から選択される。一実施形態では、アルキルは、たとえばCF3、CH2CF3、CCl3、またはシクロプロピルでよい。本文では、用語C(アルキルの範囲)を用いる場合は必ず、この用語は、別に詳細に述べるクラスの各メンバーをそれぞれ独立に含む。
【0069】
本明細書では、用語低級アルキルは、別段の指定がない限り、飽和の直鎖、分枝、または該当すれば環状(たとえば、シクロプロピル)のC1〜C4アルキル基を指し、置換された形も非置換の形も含まれる。この出願で別段特記しない限り、アルキルが適切な部分である場合は、低級アルキルが好ましい。同様に、アルキルまたは低級アルキルが適切な部分である場合は、非置換のアルキルまたは低級アルキルが好ましい。
【0070】
用語アルキルアミノまたはアリールアミノは、それぞれ、1個もしくは2個のアルキルまたはアリール置換基を有するアミノ基を指す。
【0071】
本明細書では、用語「保護した」は、別段の定義がない限り、その基がさらに反応しないように、または他の目的のために、酸素、窒素、またはリン原子を付加させた基を指す。有機合成分野の技術者には、幅広い種類の酸素および窒素保護基が知られている。
【0072】
本明細書では、用語アリールは、別段の指定がない限り、フェニル、ビフェニル、またはナフチルを指し、フェニルが好ましい。この用語には、置換された部分も非置換の部分も含まれる。アリール基は、保護していない、または当分野の技術者に知られているとおりに、たとえばGreene等の「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons社刊、第2版、1991年で教示されているとおりに、必要に応じて保護したアルキル、ハロ(それぞれ独立に、F、Cl、Br、またはI)、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキサミド、カルボキシレート、チオ、アルキルチオ、スルホン酸、サルファート、ホスホン酸、ホスファート、またはホスホナートからなる群から選択された1種または複数の部分で置換されていてよい。
【0073】
用語アルカリールまたはアルキルアリールは、アリール置換基を有するアルキル基を指す。用語アラルキルまたはアリールアルキルは、アルキル置換基を有するアリール基を指す。
【0074】
本明細書では、用語ハロには、クロロ、ブロモ、ヨード、およびフルオロが含まれる。
【0075】
用語プリンまたはピリミジン塩基には、それだけに限らないが、アデニン、N6−アルキルプリン、N6−アシルプリン(アシルは、C(O)(アルキル、アリール、アルキルアリール、またはアリールアルキルである)、N6−ベンジルプリン、N6−ハロプリン、N6−ビニルプリン、N6−アセチレンプリン、N6−アシルプリン、N6−ヒドロキシアルキルプリン、N6−チオアルキルプリン、N2−アルキルプリン、N2−アルキル−6−チオプリン、チミン、シトシン、5−フルオロシトシン、5−メチルシトシン;6−アザシトシンを含む6−アザピリミジン;2−および/もしくは4−メルカプトピリミジン、ウラシル;5−フルオロウラシルを含む5−ハロウラシル;C5−アルキルピリミジン、C5−ベンジルピリミジン、C5−ハロピリミジン、C5−ビニルピリミジン、C5−アセチレンピリミジン、C5−アシルピリミジン、C5−ヒドロキシアルキルプリン、C5−アミノピリミジン、C5−シアノピリミジン、C5−ニトロピリミジン、C5−アミノピリミジン、N2−アルキルプリン、N2−アルキル−6−チオプリン、5−アザシチジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、
【0076】
【化10】
が含まれ、
上式で、A、G、およびLは、それぞれ独立に、CHまたはNであり;
Dは、N、CH、C−CN、C−NO2、C−C1〜3アルキル、C−NHCONH2、C−CONQ11Q11、C−CSNQ11Q11、CCOOQ11、C−C(=NH)NH2、C−ヒドロキシ、C−C1〜3アルコキシ、C−アミノ、C−C1〜4アルキルアミノ、C−ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C−ハロゲン、C−(1,3−オキサゾール−2−イル)、C−(1,3−チアゾール−2−イル)、またはC−(イミダゾール−2−イル)であり;アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されており;
Eは、NまたはCQ5であり;
Wは、O、S、またはNRであり;
Rは、H、OH、アルキルであり;
Q6は、H、OH、SH、NH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、またはCF3であり;
Q5は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルアミノ、CF3、ハロゲン、N、CN、NO2、NHCONH2、CONQ11Q11、CSNQ11Q11、COOQ11、C(=NH)NH2、ヒドロキシ、C1〜3アルコキシ、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、ハロゲン、1,3−オキサゾール−2−イル、1,3−チアゾール−2−イル、またはイミダゾール−2−イルであり;アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されており;
Q7およびQ14は、H、CF3、OH、SH、OR、SR、C1〜4アルキル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、およびジ(C1〜4アルキル)アミノからなる群からそれぞれ独立に選択され;
Q11は、それぞれ独立に、HまたはC1〜6アルキルであり;
Q8は、H、ハロゲン、CN、カルボキシ、C1〜4アルキルオキシカルボニル、N3、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、N、CN、NO2、C1〜3アルキル、NHCONH2、CONQ11Q11、CSNQ11Q11、COOQ11、C(=NH)NH2、1,3−オキサゾール−2−イル、1,3−チアゾール−2−イル、またはイミダゾール−2−イルであり、アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシ、
【0077】
【化11】
からそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されており、
上式で、
T1およびT2は、N、CH、またはC−Q16からそれぞれ独立に選択され;
Q16、U、およびYは、H、OH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、シクロアルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、もしくはSR5、Br−ビニル、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アリール、−O−アラルキル、−O−アシル、−O−シクロアルキル、NH2、NH−アルキル、N−ジアルキル、NH−アシル、N−アリール、N−アラルキル、NH−シクロアルキル、SH、S−アルキル、S−アシル、S−アリール、S−シクロアルキル、S−アラルキル、CN、N3、COOH、CONH2、CO2−アルキル、CONH−アルキル、CON−ジアルキル、OH、CF3、CH2OH、(CH2)mOH、(CH2)mNH2、(CH2)mCOOH、(CH2)mCN、(CH2)mNO2、(CH2)mCONH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、または−NHC(=NH)NH2からそれぞれ独立に選択され;
R4およびR5は、水素、アシル(低級アシルを含む)、またはアルキル(メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含むがこれだけに限らない)からそれぞれ独立に選択され;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
Zは、S、SO、SO2、C=O、またはNQ20であり、
Q20は、Hまたはアルキルであり;
V1およびV2は、CHまたはN、
【0078】
【化12】
からそれぞれ独立に選択され、
上式で、
T3およびT4は、NまたはCQ22からそれぞれ独立に選択され;
Q22は、H、OH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、シクロアルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、もしくはSR5、Br−ビニル、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アリール、−O−アラルキル、−O−アシル、−O−シクロアルキル、NH2、NH−アルキル、N−ジアルキル、NH−アシル、N−アリール、N−アラルキル、NH−シクロアルキル、SH、S−アルキル、S−アシル、S−アリール、S−シクロアルキル、S−アラルキル、CN、N3、COOH、CONH2、CO2−アルキル、CONH−アルキル、CON−ジアルキル、OH、CF3、CH2OH、(CH2)mOH、(CH2)mNH2、(CH2)mCOOH、(CH2)mCN、(CH2)mNO2、(CH2)mCONH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、または−NHC(=NH)NH2からそれぞれ独立に選択され;
R4およびR5は、水素、アシル(低級アシルを含む)、またはアルキル(メチル、エチル、プロピル、およびシクロプロピルを含むがそれだけに限らない)からそれぞれ独立に選択され;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であり;
T6、T7、T8、T9、T10、T11、およびT12は、NまたはCHからそれぞれ独立に選択され;
U2は、H;直鎖、分枝状、もしくは環状アルキル;CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR5であり;
Y2は、O、S、NH、NR、またはCQ24Q26であり、Rは、H、OH、またはアルキルであり;
Q24およびQ26は、H、アルキル;直鎖、分枝状、もしくは環状アルキル;CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR5からそれぞれ独立に選択されている。
【0079】
プリン塩基の別の例は、グアニン、アデニン、ヒポキサンチン、2,6−ジアミノプリン、および6−クロロプリンであるがこれだけに限らない。塩基上の酸素および窒素官能基は、必要に応じてまたは所望されるように保護することができる。適切な保護基は、当分野の技術者によく知られており、それには、トリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル、およびt−ブチルジフェニルシリル、トリチル、アルキル基、およびアセチルやプロピオニルなどのアシル基、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニルが含まれる。
【0080】
用語アシルは、エステル基の非カルボニル部分が、直鎖、分枝、もしくは環状のアルキルもしくは低級アルキル、アミドで場合によって置換された、メトキシメチルを含むアルコキシアルキル、ベンジルを含むアラルキル、フェノキシメチルなどのアリールオキシアルキル;クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、C1〜C4アルキル、またはC1〜C4アルコキシで場合によって置換されたフェニルを含むアリール;メタンスルホニルを含むアルキルスルホニルやアラルキルスルホニルなどのスルホン酸エステル、一、二、もしくは三リン酸エステル、トリチルもしくはモノメトキシトリチル、置換ベンジル、トリアルキルシリル(たとえば、ジメチルt−ブチルシリル)、またはジフェニルメチルシリルから選択されたカルボン酸エステルを指す。エステルのアリール基は、フェニル基を含むことが最適である。用語「低級アシル」は、非カルボニル部分が低級アルキルであるアシルを指す。
【0081】
本明細書では、用語「ほとんど含まない」または「ほとんど存在しない」は、そのヌクレオシドの指定の鏡像異性体を少なくとも95〜98重量%、より好ましくは99〜100重量%含むヌクレオシド組成物を指す。好ましい実施形態において、本発明の方法および化合物では、化合物は互いの鏡像異性体をほとんど含まない。
【0082】
同様に、用語「単離された」は、そのヌクレオシドを少なくとも95〜98重量%、より好ましくは99〜100重量%含み、残りが他の化学種または鏡像異性体を含むヌクレオシド組成を指す。
【0083】
本明細書では、用語「それぞれ独立に」は、それぞれ独立に適用した変動要素が適用毎に無関係に変わることを示す。したがって、R”XYR”(R”は「それぞれ独立に炭素または窒素」である)のような化合物では、「両方のR”を炭素としても、両方のR”を窒素としても、一方のR”を炭素とし、他方のR”を窒素としてもよい。
【0084】
本明細書では、用語宿主は、ウイルス複製が可能な単細胞生物または多細胞生物を指し、細胞系および動物、好ましくはヒトが含まれる。あるいは宿主は、本発明の化合物によってその複製または機能が変更されるC型肝炎ウイルスのゲノムの一部を保有していてもよい。用語宿主は、具体的には、感染細胞、HCVのゲノムの全体または部分をトランスフェクトした細胞、および動物、特に(チンパンジーを含む)霊長類およびヒトを指す。本発明の大部分の動物適用例では、宿主はヒトの患者である。しかし、ある適応症では、本発明は動物への適用を含む(チンパンジーなど)。
【0085】
この明細書中では、用語「薬剤として許容される塩またはプロドラッグ」は、患者に投与されるとヌクレオシド化合物をもたらす何らかの薬剤として許容される形(エステル、リン酸エステル、エステルまたは関連した基の塩)のヌクレオシド化合物を述べるものである。薬剤として許容される塩には、薬剤として許容される無機または有機の塩基および酸から誘導されたものが含まれる。適切な塩には、製薬業界でよく知られている数多い他の酸の中でも、カリウムやナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属から誘導されたものが含まれる。薬剤として許容されるプロドラッグは、宿主の中で代謝、たとえば加水分解または酸化されて、本発明の化合物を生成する化合物を指す。プロドラッグの典型的な例には、活性化合物の官能性部分に生物学的に不安定な保護基を有する化合物が含まれる。プロドラッグには、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱水、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化されて、活性化合物を生成することのできる化合物が含まれる。本発明の化合物は、HCVに対して抗ウイルス活性を有する、または代謝されるとそのような活性を示す化合物になる。
【0086】
III.ヌクレオチドの塩またはプロドラッグ製剤
化合物が十分に塩基性または酸性であって、安定な非毒性の酸または塩基の塩を形成する場合、化合物を薬剤として許容される塩として投与することが適切である。薬剤として許容される塩の例は、生理学的に許容されるアニオンを生成する有機酸の付加塩、たとえば、トシラート、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩、およびα−グリセロリン酸塩である。硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、および炭酸塩を含む、適切な無機塩を生成してもよい。
【0087】
薬剤として許容される塩は、当技術分野でよく知られている標準の手順を利用して、たとえば、アミンなどの十分に塩基性の化合物と生理学的に許容されるアニオンをもたらす適切な酸を反応させることによって得られる。カルボン酸のアルカリ金属(たとえば、ナトリウム、カリウム、またはリチウム)塩またはアルカリ土類金属(たとえば、カルシウム)塩を作製してもよい。
【0088】
本明細書に記載のどんなヌクレオシドも、ヌクレオシドプロドラッグとして投与して、活性、生物学的利用能、安定性を高め、あるいは他の点でヌクレオシドの特性を変更することができる。数種のヌクレオシドプロドラッグリガンドが知られている。一般に、ヌクレオシドの一、二、または三リン酸のアルキル化、アシル化、または他の親油性化修飾により、ヌクレオチドの安定性が向上する。リン酸部分の1個または複数の水素を置換できる置換基の例は、アルキル、アリール、ステロイド、糖を含む炭水化物、1,2−ジアシルグリセロール、およびアルコールである。R.JonesおよびN.BischofbergerのAntiviralResearch、第27巻(1995年)、1〜17ページに多くが記載されている。それらのうちのどれでも、開示するヌクレオシドと組み合わせて使用して、所望の効果を実現することができる。
【0089】
活性ヌクレオシドは、以下の参照文献で開示されているように、5’−ホスホエーテルリピドまたは5’−エーテルリピドとして提供することもできる。これらの文献を参照として本明細書に組み込む。Kucera,L.S.、N.Iyer、E.Leake、A.Raben、Modest E.K.、D.L.W.、およびC.Piantadosiの1990年、「Novel membrane−interactive ether lipid analogs that inhibit infectious HIV−1 production and induce defective virus formation」、AIDS Res.Hum.Retro Viruses、第6巻、491〜501ページ;Piantadosi,C.、J.Marasco C.J.、S.L.Morris−Natschke、K.L.Meyer、F.Gumus、J.R.Surles、K.S.Ishaq、L.S.Kucera、N.Iyer、C.A.Wallen、S.Piantadosi、およびE.J.Modestの1991年、「Synthesis and evaluation of novel ether lipid nucleoside conjugates for anti−HIV activity」、Med.Chelem.、第34巻、1408〜1414ページ;Hosteller,K.Y.、D.D.Richman、D.A.Carson、L.M.Stuhmiller、G.M.T.van Wijk、およびH.van den Boschの1992年、「Greatly enhanced inhibition of human immunodeficiency virus type 1 replication in CEM and HT4−6C cells by 3’−deoxythymidine diphosphate dimyristoylglycerol,a lipid prodrug of 3’−deoxythymidine」、Antimicrob.Agents Chemother.、第36巻、2025〜2029ページ;Hosetler,K.Y.、L.M.Stuhmiller、H.B.Lenting、H.van den Bosch、およびD.D.Richmanの1990年、「Synthesis and antiretroviral activity of phospholipid analogs of azidothymidine and other antiviral nucleosides」、J BioL Cheni.、第265巻、61127ページ。
【0090】
好ましくはその5’−OH位において、ヌクレオシドに共有結合によって組み込むことのできる適切な親油性置換基、または親油性製剤を開示している米国特許の非限定的な例には、米国特許第5,149,794号(1992年9月22日、Yatvin等)、第5,194,654号(1993年3月16日、Hostetler等)、第5,223,263号(1993年6月29日、Hostetler等)、第5,256,641号(1993年10月26日、Yatvin等)、第5,411,947号(1995年5月2日、Hostetler等)、第5,463,092号(1995年10月31日、Hostetler等)、第5,543,389号(1996年8月6日、Yatvin等)、第5,543,390号(1996年8月6日、Yatvin等)、第5,543,391号(1996年8月6日、Yatvin等)、および第5,554,728号(1996年9月10日、Basava等)が含まれ、これらをすべて参照により本明細書に組み込む。本発明のヌクレオシドに結合させることのできる親油性置換基、または親油性製剤を開示している外国特許出願には、WO89/02733、WO90/00555、WO91/16920、WO91/18914、WO93/00910、WO94/26273、WO96/15132、EP0 350 287、EP93917054.4、およびWO91/19721が含まれる。
【0091】
IV.併用療法および交代療法
長期の抗ウイルス薬治療の後には、薬剤抵抗性のHCVの変種が出現し得ることがわかっている。薬剤抵抗性は、ウイルス複製に使用される酵素をコードする遺伝子の突然変異によって引き起こされることが最も一般的である。主薬が引き起こすものと異なる突然変異を誘発する、第2、ときには第3の抗ウイルス化合物と併用または交代で化合物を投与することによって、HCV感染の薬物効力を延長、増強、または回復させることができる。あるいは、そのような併用療法または交代療法によって、薬物の薬物動態、体内分布、または他のパラメータを変化させることができる。一般に、併用療法は、ウイルスに同時多発的なストレスを引き起こすので、交代療法よりも通常は好ましい。
【0092】
発明の背景に記載したHCV治療のいずれもが、本明細書に記載の化合物と併用し、または交替で使用することができる。非限定的な例としては、以下のものが挙げられる。
【0093】
(1)インターフェロンおよび/またはリバビリン(Battaglia,A.M.等のAnn.Pharmacother、2000年、第34巻、487〜494ページ);Berenguer,M.等のAntivir.Ther.、1998年、第3巻(別巻3)、125〜136ページ)、
(2)α−ケトアミド;ヒドラジノ尿素;およびボロン酸やホスホン酸などの求電子基を末端とする阻害薬(Llinas−Brunet等の「Hepatitis C inhibitor peptide analogues」、PCT WO99/07734)を含む基質系NS3プロテアーゼ阻害薬(Attwood等の「Antiviral peptide derivatives」、PCT WO98/22496、1998年;Attwood等のAntiviral Chemistry and Chemotherapy、1999年、第10巻、259〜273ページ;Attwood等の「Preparation and use of amino acid derivatives as anti−viral agents」、ドイツ特許公告DE19914474;Tung等の「Inhibitors of serine proteases,particularly hepatitis C virus NS3 protease」PCT WO98/17679)、
(3)アミドが14個の炭素鎖で置換されたRD3−4082、およびパラフェノキシフェニル基をプロセシングするRD3−4078を含む、2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体(Sudo K.等のBiochemical and Biophysical Research Communications、1997年、第238巻、643〜647ページ;Sudo K.等のAntiviral Chemistry and Chemotherapy、1998年、第9巻、186ページ)など、非基質系阻害薬、
(4)NS3/4A融合タンパクおよびNS5A/5B基質との逆相HPLCアッセイにおいて関連した阻害を示すチアゾリジン誘導体(Sudo K.等のAntiviral Research、1996年、第32巻、9〜18ページ)、特に、長鎖アルキルで置換された縮合シンナモイル部分を有する化合物RD−1−6250;RD4 6205、およびRD4 6193、
(5)Kakiuchi N.等のJ EBS Letters、第421巻、217〜220ページ;Takeshita N.等のAnalytical Biochemistry、1997年、第247巻、242〜246ページで特定されているチアゾリジンおよびベンズアニリジン類、
(6)SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィアッセイでHCVプロテアーゼに対する活性を有し、Streptomyces種の発酵培養ブロスから単離したフェナン−トレンキノン、すなわちSch 68631(Chu M.等のTetrahedron Letters、1996年、第37巻、7229〜7232ページ)、およびシンチレーション近接アッセイで活性を示す、菌類Penicillium griscofuluumから単離されたSch 351633(Chu M.等のBioorganic and Medicinal Chemistry Letters、第9巻、1949〜1952ページ)、
(7)ヒルから単離した高分子elgin cをベースとした選択的NS3阻害薬(Qasim M.A.等のBiochemistry、1997年、第36巻、1598〜1607ページ)、
(8)HCVヘリカーゼ阻害薬(Diana G.D.等の「Compounds,compositions and methods for treatment of hepatitis C」、米国特許第5,633,358号;Diana G.D.等の「Piperidin derivatives,pharmaceutical compositions thereof and their use in the treatment of hepatitis C」、PCT WO97/36554)、
(9)ヌクレオチド類似体、グリオトキシンなど、HCVポリメラーゼ阻害薬(Ferrari R.等のJournal of Virology、1999年、第73巻、1649〜1654ページ)、および天然産物のセルレニン(Lohmann V.等のVirology、1998年、第249巻、108〜118ページ)、
(10)HCVの5’非コード領域(NCR)に伸展する配列に相補的なアンチセンスホスホロチオナートオリゴデオキシヌクレオチド(S−ODN)(Alt M.等のHepatology、1995年、第22巻、707〜717ページ)、またはNCRの3’末端を含むヌクレオチド326〜348、およびIICV RNAのコアコード領域にあるヌクレオチド371〜388(Alt M.等のArchives of Virology、1997年、第142巻、589〜599ページ;Galderisi U.等のJournal of Cellular Physiology、1999年、第181巻、251〜257ページ)、
(11)IRES依存性翻訳阻害薬(Ikeda N等の「C型肝炎の予防・治療剤」、特開平08−268890;Kai Y.等の「ウイルス感染症の予防・治療剤」、特開平10−101591)、
(12)ヌクレアーゼ耐性リボザイム(Maccjak,D.J.等のHepatology、1999年、第30巻、要約995ページ)、および
(13)1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(Gold等の米国特許第6,034,134号)、アルキルリピド(Chojkier等の米国特許第5,922,757号)、ビタミンEおよび他の抗酸化剤(Chojkier等の米国特許第5,922,757号)、スクアレン、アマンタジン、胆汁酸(Ozeki等の米国特許第5,846,964号)、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸(Diana等の米国特許第5,830,905号)、ベンゼンジカルボキサミド(Diana等の米国特許第5,633,388号)、ポリアデニル酸誘導体(Wang等の米国特許第5,496,546号)、2’,3’−ジデオキシイノシン(Yarchoan等の米国特許第5,026,687号)、およびベンズイミダゾール(Colacino等の米国特許第5,891,874号)ならびに、
(14)Rocheのペガシス(ペグインターフェロンα−2a)、InterMuneのINFERGEN(インターフェロンアルファコン−1)、ViragenのOMNIFERON(天然型インターフェロン)、Human Genome SciencesのALBUFERON、Ares−SeronoのREBIF(インターフェロンβ−1a)、BioMedicinesのωインターフェロン、Amarillo Bioscienceの経口インターフェロンα、InterMuneのインターフェロンγ−1b、シェリングプラウのインターロイキン−10、InterneuronのIP−501、VertexのMerimebodib VX−497、Endo Labs Solvayのアマンタジン(シンメトレル)、RPIのHEPTAZYME、Idun Pharma.のIDN−6556、XTL.のXTL−002、ChironのHCV/MF59、NABIのCIVACIR、ICNのLEVOVIRIN、ICNのVIRAMIDINE、Sci CloneのZADAXIN(サイモシンα−1)、MaximのCEPLENE(ヒスタミン二塩酸塩)、Vertex/イライリリーのVX950/LY570310、Isis Pharmaceutical/ElanのISIS14803、Idun Pharmaceuticals,Inc.のIDN−6556、およびAKROS PharmaのJTK003を含む、他の種々の化合物が含まれる。
【0094】
V.薬剤組成物
HCV、またはRNA依存性RNAウイルスポリメラーゼによって複製を行う別の生物体に感染した、ヒトを含む宿主は、その患者に、薬剤として許容される担体または希釈剤の存在下で有効量の活性化合物または薬剤として許容されるそのプロドラッグもしくは塩を投与することによって治療することができる。活性な材料は、液体または固体の形で、何らかの適切な経路、たとえば、経口、非経口、静脈内、皮内、皮下、または局所投与によって投与することができる。
【0095】
HCV用化合物の好ましい投与量は、1日約1〜50mg/体重kg、好ましくは、1〜20mg/体重kg、より大まかには、レシピエントの体重キログラムあたり1日0.1〜約100mgの範囲である。薬剤として許容される塩およびプロドラッグの有効投与量範囲は、送達される親ヌクレオシドの重量を基に算出することができる。その塩またはプロドラッグがもともと活性を示す場合、塩またはプロドラッグの重量を用いて上記のように、あるいは当分野の技術者に知られている他の手段によって有効投与量を推定できる。
【0096】
この化合物は、それだけに限らないが、投与量単位あたり7〜3000mg、好ましくは70〜1400mgの活性成分を含有するものを含む何らかの適切なユニット式の剤形で投与すると好都合である。50〜1000mgの経口投与量が通常は好都合である。
【0097】
理想的には、活性化合物の最高血漿濃度が約0.2〜70μM、好ましくは約1.0〜10μMに達するように活性成分を投与すべきである。たとえば、場合によっては食塩水に溶かした、活性成分の0.1〜5%溶液を静脈内注射することによって、または活性成分の巨丸剤として投与することによって、これを実現することができる。
【0098】
薬物組成物中の活性化合物濃度は、薬物の吸収率、不活化率、および排泄率、ならびに当分野の技術者に知られている他の要因に応じて決まる。投与量の値は、緩和すべき状態の重症度によっても変わることを留意されたい。さらに、時間の経過と共に、各個の必要度、およびこの組成物の投与を管理または監督する者による専門的判断に従い、特定の投与レジメンを、あるいずれかの対象向けに調製すべきであること、ならびに本明細書に記載の濃度範囲は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲または実施を限定するものではないことも理解されたい。活性成分は、一度に投与しても、数回分に小分けして様々な時間間隔で投与してもよい。
【0099】
活性化合物の好ましい投与方式は、経口投与である。一般に、経口用組成物は、不活性希釈剤または可食担体を含む。これらをゼラチンカプセルに封入しても、圧縮して錠剤にしてもよい。治療上の経口投与では、活性化合物に賦形剤を混合し、錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形で使用することができる。製薬上適合性のある結合剤および/または補助剤を組成物の部分として含んでいてもよい。
【0100】
錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分、すなわち、微結晶性セルロース、トラガカントゴム、ゼラチンなどの結合剤;デンプンやラクトースなどの賦形剤;アルギン酸、Primogel、トウモロコシデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムやSterotesなどの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの滑化剤(glidant);スクロースやサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香料などの着香剤、あるいは性質が類似の化合物のどれを含んでもよい。投与量単位がカプセル剤である場合、上記の種類の材料に加えて脂肪油などの液体担体も含んでよい。さらに、投与量単位は、その物理的形状を変更する様々な他の材料、たとえば、糖、シェラック、または他の腸溶性薬品類のコーティングを含んでもよい。
【0101】
この化合物は、エリキシル、懸濁液、シロップ、カシェ剤、チューインガムなどの成分として投与できる。シロップは、活性化合物に加えて、甘味剤およびある種の保存剤としてのスクロース、色素、着色剤、着香剤も含んでよい。
【0102】
この化合物、その薬剤として許容される塩、またはそのプロドラッグは、所望の作用を弱めない他の活性材料、または抗生物質、抗真菌薬、抗炎症薬、他のヌクレオシド化合物を含む他の抗ウイルス薬など、所望の作用を補う材料と混合してもよい。非経口、皮内、皮下、または局所での適用に使用する溶液または懸濁液は、以下の成分、すなわち、注射用水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、他の合成溶媒などの無菌希釈剤;ベンジルアルコールやメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸や亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩などの緩衝剤;および塩化ナトリウムやデキストロースなどの浸透圧調整剤を含んでよい。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器、または複数回分のバイアルに封入することができる。
【0103】
静脈内投与する場合、好ましい担体は、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水(PBS)である。
【0104】
好ましい実施形態では、活性化合物を、インプラント剤およびマイクロカプセル化送達系を含む徐放製剤など、化合物が体からすぐに排泄されるのを防ぐ担体と共に調製する。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリ乳酸など、生体適合性の生分解性ポリマーを使用してよい。このような製剤の調製方法は、当分野の技術者に明らかであろう。これらの材料は、Alza Corporationから市販品として入手することもできる。
【0105】
(ウイルス抗原のモノクローナル抗体を有する感染細胞を標的とするリポソームを含む)リポソーム懸濁液も、薬剤として許容される担体として好ましい。これらは、たとえば、米国特許第4,522,811号(これを全体として参照により本明細書に組み込む)で記載されているような、当分野の技術者に知られている方法に従って調製される。たとえば、適当な脂質(ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイルホスファチジルコリン、アラカドイルホスファチジルコリン、コレステロールなど)を無機溶媒に溶解させ、次いでこれを蒸発にかけて、容器表面に乾燥脂質薄膜を残すことによってリポソーム製剤を調製することができる。次に、活性化合物またはその一リン酸塩、二リン酸塩、および/もしくは三リン酸塩誘導体の水溶液をその容器に導入する。次いで容器を手で旋回させて、脂質材料を容器側面から遊離させ、脂質凝集物を分散させることによりリポソーム懸濁液を生成する。
【0106】
VI.活性化合物の調製方法
本発明のヌクレオシドは、当技術分野で知られている何らかの手段によって調製できる。より詳細には、このヌクレオシドの合成は、適切に変更した糖をアルキル化してからグリコシル化するか、またはグリコシル化してからそのヌクレオシドをアルキル化することによって実現できるが、適切に変更した糖をアルキル化してからグリコシル化することが好ましい。以下の非限定的な実施形態により、本発明のヌクレオシドを得る一般方法をいくつか例示する。
【0107】
4’−C−分枝ヌクレオシドの一般合成
次の構造の4’−C−分枝ヌクレオシドは、
【0108】
【化13】
[式中、塩基は、本明細書で定義するプリン塩基またはピリミジン塩基であり、
R7およびR9は、それぞれ独立に、水素、OR2、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R8およびR10は、それぞれ独立に、H、(低級アルキルを含む)アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、R7とR9、R7とR10、R8とR9、またはR8とR10は、一緒になってパイ結合を形成していてもよく、
R1およびR2は、それぞれ独立に、H、(一リン酸、二リン酸、三リン酸、または安定化リン酸プロドラッグを含む)リン酸;(低級アシルを含む)アシル;(低級アルキルを含む)アルキル;メタンスルホニル及びベンジルを含むアルキルスルホニルもしくはアリールアルキルスルホニルを含むスルホン酸エステル、ここで、フェニル基は本明細書で示すアリールの定義で記載した1個または複数の置換基で場合によって置換されている;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1またはR2がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、アルキル、ハロゲン−アルキル(すなわちCF3)、アルケニル、またはアルキニル(すなわちアリル)であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である。]
以下の一般法によって調製することができる。
【0109】
ペントジアルド−フラノースの修飾
この方法の鍵となる出発材料は、適切に置換したペントジアルド−フラノースである。ペントジアルド−フラノースは、購入することも、標準のエピマー化、置換、および環化技術を含む、知られている何らかの手段によって調製することもできる。
【0110】
好ましい実施形態では、このペントジアルド−フラノースは、適切に置換されたヘキソースから調製する。ヘキソースは、購入することもでき、または(たとえばアルカリ処理による)標準のエピマー化、置換、および結合技術を含む、知られている任意の手段によって調製することもできる。ヘキソースは、フラノース型にすることもでき、またはTownsendの「Chemistry of Nucleosides and Nucleotides」、Plenum Press、1994年に教示されている方法など、当技術分野で知られている任意の手段によって、好ましくは、ヘキソースを選択的に保護することにより環化して、適切なヘキサフラノースを得てもよい。
【0111】
次いで、ヘキサフラノースの4’−ヒドロキシメチレンを、適合する溶媒中で適切な酸化剤を用いて適温で酸化させて、4’−アルド−変更型の糖を得ることができる。考えられる酸化剤は、Swern試薬、Jones試薬(クロム酸と硫酸の混合物)、Collins’s試薬(ジピリジンCr(VI)オキシド、Corey’s試薬(クロロクロム酸ピリジニウム)、ジクロム酸ピリジニウム、酸性二クロム酸塩、過マンガン酸カリウム、MnO2、四酸化ルテニウム;ポリマーに担持されたクロム酸や過マンガン酸塩などの相間移動触媒;Cl2−ピリジン、H2O2−モリブデン酸アンモニウム、NaBrO2−CAN、HOAc中NaOCl、クロム酸銅、酸化銅、ラネーニッケル、酢酸パラジウム、Meerwin−Pondorf−Verley試薬(アルミニウムt−ブトキシドに別のケトンを加えたもの)、およびN−ブロモスクシンイミドであるが、室温でベンゼン/ピリジンの混合物中のH3PO4、DMSO、およびDCCを使用することが好ましい。
【0112】
次いで、Greeneらの「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、第2版、1991年で教示されているような、当分野の技術者によく知られている方法によって、ベントジアルド−フラノースを適切な保護基、好ましくはアシルもしくはシリル基で場合によって保護することができる。次いで、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で、保護されたペントジアルド−フラノースを、適切な求電子アルキル、ハロゲノ−アルキル(すなわちCF3)、アルケニル、またはアルキニル(すなわちアリル)と結合させて、4’がアルキル化された糖を得ることができる。あるいは、保護されたペントジアルド−フラノースは、ジオキサンなど、適切な極性溶媒を用い、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下、適温で、ホルムアルデヒドなど、対応するカルボニルと結合させることもでき、次いでこれを適切な還元剤で還元して、4’がアルキル化された糖を得ることができる。一実施形態では、好ましくはアセトニトリル中で、PhOC(S)Cl、DMAPを使用して還元を室温で実施した後、トルエンを還流させながらACCNおよびTMSSで処理する。
【0113】
次いで、Townsendの「Chemistry of Nucleosides and Nucleotides」、Plenum Press、1994年に教示されているような、当分野の技術者によく知られている方法によって、場合によって活性化した糖を、塩基に結合させることができる。たとえば、適温の適切な溶媒中で、四塩化スズ、四塩化チタン、トリメチルシリルトリフラートなどのルイス酸を用い、アシル化した糖を、シリル化した塩基に結合させることができる。
【0114】
その後、Greeneらの「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、第2版、1991年に教示されているような、当分野の技術者によく知られている方法によって、ヌクレオシドを脱保護することができる。
【0115】
特定の実施形態では、4’−C−分枝状リボヌクレオシドが望ましい。あるいは、デオキシリボヌクレオシドが望ましい。そのようなデオキシリボ−ヌクレオシドを得るために、Greoneらの「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、第2版、1991年に教示されているような、当分野の技術者によく知られている方法によって、生成したリボ−ヌクレオシドを場合によって保護することもでき、次いで、2’−OHを適切な還元剤で還元することができる。2’−ヒドロキシルを場合によって活性化して、還元を促進する、すなわち、Barton還元を経てもよい。
【0116】
本発明の別の実施形態では、L型鏡像異性体が望ましい。したがって、本発明の化合物に対応するL型鏡像異性体は、出発材料として対応するL−ペントジアルド−フラノースから始め、前述の同じ一般的方法に従って調製することができる。
【0117】
以下の実施例では、本発明を実例として述べる。当分野の技術者ならば、これらの実施例が限定的でないこと、ならびに本発明の意図および範囲から逸脱することなく細部の変更を行ってよいことを理解されよう。
【0118】
(実施例)
融点は、Buchi B−545装置上の開いた毛細管中で測定し、補正は行っていない。UV吸収スペクトルは、UvikonXS分光光度計(99−9089)によって記録した。1H−NMRスペクトルは、BrukerAC200、250、もしくは400分光計を用いDMSO−d6またはCDCl3中で走らせた。化学シフトは、ppmで示し、DMSO−d6またはCDCl3は、基準として2.49または7.26ppmに設定した。プロトンの割当を確認するために、重水素交換、デカップリング実験、または2D−COSYスペクトルを実施した。シグナルの多重度は、s(一重線)、d(二重線)、dd(二重線の二重線)、t(三重線)、q(四重線)、br(ブロード)、m(多重線)によって表す。J値はすべて、Hzである。FAB質量スペクトルは、JEOL JMS DX300質量分析計によって正(FAB>0)または負(FAB>0)のイオンモードで記録し、マトリックスは、グリセロールとチオグリセロール(GT)の混合物(50:50、v/v)とした。薄層クロマトグラフィーは、シリカゲル60F254(Merck、Art.5554)のアルミニウムシートを予めコートしたものの上で実施し、生成物の可視化は、UVを吸収させた後、10%のエタノール性硫酸で軽く焼き、加熱することによって実施した。カラムクロマトグラフィーは、気圧のもとでシリカゲル60(Merck、Art.9385)上で実施した。
【実施例1】
【0119】
1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース(1)の調製
題名の化合物は、発表されている手順(Leonard,N.J.、Carraway,K.L.の「5−Amino−5−deoxyribose derivatives.Synthesis and use in the preparation of“reversed”nucleosides」、J.Heterocycl.Chem.1966年、第3巻、485〜489頁)に従って調製することができる。
【0120】
50.0g(0.34モル)の乾燥D−リボースを1.0Lのアセトン、100mLの2,2−ジメトキシプロパン、含まれるメタノールの20mLが塩化水素で飽和されている200mLのメタノールに溶かした0℃の溶液を室温で終夜攪拌した。得られた溶液を、ピリジンを用いて中性にし、減圧下で蒸発させた。得られた油を400mLの水と400mLの塩化メチレンとに分配した。水層を塩化メチレン(400mL)で2回抽出した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発にかけた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:塩化メチレン中メタノール(1〜2%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な1(52.1g、75%)を黄色のシロップとして得た。1H−NMR(CDCl3):δ5.00(s,1H,H−1)、4.86(d,1H,H−2,J2−3=5.9Hz)、4.61(d,1H,H−3,J3−2=5.9Hz)、4.46(t,1H,H−4,J4−5=2.7Hz)、3.77〜3.61(m,2H,H−5およびH−5’)、3.46(s,1H,OCH3)、3.0〜2.4(br s,1H,OH−5)、1.51(s,3H CH3)、1.34(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 173(M−OCH3)+。
【実施例2】
【0121】
1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−ペントジアルド−リボフラノース(2)の調製
標題化合物は、発表されている手順(Jones,G.H.、Moffatt,J,G.の「Oxidation of carbohydrates by the sulfoxide−carbodiimide and related methods.Oxidation with dicyclohexylcarbodiimide−DMSO,diisopropylcarbodiimide−DMSO,acetic anhydride−DMSO,and phosphorus pentoxide−DMSO:in Methods in Carbohydrate Chemistry」、Whisler,R.L.およびMoffatt,J.L.編、Academic Press:米国ニューヨーク、1972年、315〜322頁)に従って調製することができる。
【0122】
化合物1を、無水ピリジンとの2回の同時蒸発にかけた。ジシクロヘキシルカルボジ−イミド(DCC、137.8g、0.67モル)を、1(68.2g、0.33モル)を無水ベンゼン(670mL)、DMSO(500mL)、およびピリジン(13.4mL)に溶かした溶液に加えた。得られる溶液を0℃に冷却したものに、無水の結晶性オルトリン酸(16.4g、0.167ミリモル)を無水DMSO(30mL)に溶かした溶液を加えた。アルゴン雰囲気中で混合物を0℃で1.5時間および室温で18時間攪拌し、酢酸エチル(1000mL)で希釈した。シュウ酸二水和物(63.1g、038モル)のDMSO(30mL)溶液を加え、反応混合物を室温で1時間攪拌し、次いで濾過して、沈殿したジシクロヘキシル尿素(DCU)を除去した。減圧下で濾液を濃縮して、体積を約600mLとし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(400mL)で中性にした。ブライン(200mL)を加え、有機層を酢酸エチル(4×1000mL)での抽出にかけた。各層を合わせ、濃縮して、体積を約2000mLとし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×700mL)およびブライン(2×700mL)で洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発にかけた。少量の粗製残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム/酢酸エチル、8:2]によって精製して、淡黄色の固体として得られている2の構造を確認した。1H−NMR(CDCl3):δ9.61(s,1H,H−5)、5.12(s,1H,H−1)、5.08(d,1H,H−2,J2−3=5.9Hz)、4.53(d,1H,H−3,J3−2=6.0Hz)、4.51(s,1H,H−4)、3.48(s,1H,OCH3),1.56(s,3H CH3),1.36(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 203(M+H)+、171(M−OCH3)+。
【実施例3】
【0123】
4−C−ヒドロキシメチル−1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース(3)の調製
標題化合物は、発表されている手順(Leland,D.L.、Kotick,M.P.の「Studies on 4−C−(hydroxymethyi)pentofuranoses.Synthesis of 9−[4−C−(hydroxymethyl)−a−L−threo−pentofuranosyl]adenine」、Carbohydr.Res.1974年、第38巻、C9〜C11頁;Jones,G.H.、Taniguchi,M.、Tegg,D.、Moffatt,J.G.の「4’−substituted nucleosides.5.Hydroxylation of nucleoside 5’−aldehydes」、J.Org.Chem.1979年、第44巻、1309〜1317頁;Gunic,E.、Girardet,J.−L.、Pietrzkowski,Z.、Esler,C.、Wang,G.の「Synthesis and cytotoxicity of 4’−C−and 5’−C−substituted Toyocamycins」、Bioorg.Med.Chem.2001年、第9巻、163〜170頁)に従って調製することができる。
【0124】
上記で得た粗製材料(2)および37%の水性ホルムアルデヒド(167mL)をジオキサン(830mL)に溶かした溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(2N、300mL)を加えた。混合物を室温で4時間攪拌し、Dowex50WX2(H+型)を加えて中性にした。樹脂を濾過し、メタノールで洗浄し、濾液を合わせ、濃縮して乾燥させ、無水エタノールとの数回の同時蒸発にかけた。無水エタノールから沈殿したギ酸ナトリウムを濾過によって除去し、濾液を濃縮して乾燥させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム中メタノール(0〜4%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な3(42.2g、1から54%)を得、これをシクロヘキサンからの再結晶にかけた。融点=94〜95(dec.)(lit.94〜96.5;97〜98:Refs:3,4)、1H−NMR(DMSO−d6):δ4.65(s,1H,H−1)、4.44〜4.37(m,3H,H−2,H−3およびOH−6)、4.27(t,1H,OH−5,J=5.6Hz,J=6.0Hz)、3.42〜3.34(m,2H,H−5およびH−6)3.29(dd,1H,H−5’,J5’−OH=5.4Hz,J5−5’=11.4Hz)、3.11(dd,1H,H−6’,J6’−OH=5.7Hz,J6−6’=10.9Hz)、3.03(s,3H,OCH3)、1.48(s,3H CH3)、1.05(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 469(2M+H)+、235(M+H)+、203(M−OCH3)+FAB<0 m/z 233(M−H)−。
【実施例4】
【0125】
6−O−モノメトキシトリチル−4−C−ヒドロキシメチル−1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース(4)の調製
標題化合物は、発表されている手順(Gunic,E.、Girardet,J.−L.、Pietrzkowski,Z.、Esler,C.、Wang,G.の「Synthesis and cytotoxicity of 4’−C−and 5’−C−substituted Toyocamycins」、Bioorg.Med.Chem.2001年、第9巻、163〜170頁)に従って調製することができる。
【0126】
3(41.0g、175ミリモル)のピリジン(700ml)溶液に、+4℃の塩化ジメトキシトリチル(60.5g、178ミリモル)を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。メタノールを加えた後、反応混合物を濃縮し(200ml)、次いで酢酸エチル(2L)で溶解させた。有機層を5%の炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで蒸発にかけて乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:酢酸エチル/ヘキサン15/85]によって精製すると、純粋な4(63.0g、68%)がシロップとして得られた。1H−NMR(CDCl3):δ7.5〜6.9(m,13H,MMTr)、4.89(s,1H,H−1)、4.72〜4.62(m,3H,H−2,H−3およびOH−5)、3.82(dd,1H,H−5,J5−OH=5.5Hz,J5〜5’=10.5Hz)、3.79(s,6H,OCH3)、3.54(dd,1H,H−5’,J5’−OH=4.9Hz,J5’−5=10.5Hz)、3.31(s,3H,OCH3)、3.24(d,1H,H−6,J6−6’=9.2Hz)、3.13(d,1H,H−6’,J6’−6=9.2Hz)、1.24(s,3H CH3)、1.15(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 303(DMTr)+。
【実施例5】
【0127】
5−O−ベンゾイル−4−C−ヒドロキシメチル−I−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボ−フラノース(5)の調製
標題化合物は、発表されている手順(Gunic,E.、Girardet,J.−L.、Pietrzkowski,Z.、Esler,C.、Wang,G.の「Synthesis and cytotoxicity of 4’−C−and 5’−C−substituted Toyocamycins」、Bioorg.Med.Chem.2001年、第9巻、163〜170頁)に従って調製することができる。
【0128】
アルゴンの存在下、4(2.51g、4.68ミリモル)の無水ピリジン(37mL)溶液に塩化ベンゾイル(1.09mL、9.36ミリモル)を加え、反応混合物を室温で13時間攪拌した。次いで、反応液を0℃に冷却し、反応を氷冷水(100mL)で停止した。水層を塩化メチレン(3×200mL)での抽出にかけた。有機層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×150mL)、水(1×150mL)で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発にかけた。残渣を80%の酢酸(70.2mL)中に溶解させ、混合物を室温で3時間攪拌し、濃縮乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム]によって精製すると、純粋な5(1.40g、88%)がシロップとして得られた。1H−NMR(CDCl3):δ8.1〜7.4(m,5H,C6H5CO)、5.08(s,1H,H−1)、4.77(dd,2H,H−2およびH−3,J=6.1Hz,J=8.2Hz)、4.51(q,2H,H−5およびH−5’,J=11.5Hz,J5−5’=23.8Hz)、3.91(t,2H,H−6およびH−6’,J=12.3Hz)、4.38(s,1H,OCH3)、2.2〜1.8(brs,1H,OH−6)、1.57(s,3H CH3)、1.38(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 677(2M+H)+、339(M+H)+、307(M−OCH3)+、105(C6H5CO)+ FAB<O m/z 121(C6H5CO2)−。
【実施例6】
【0129】
5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノース(6)の調製
標題化合物は、発表されている手順(Gunic,E.、Girardet,J.−L.、Pietrzkowski,Z.、Esler,C.、Wang,G.の「Synthesis and cytotoxicity of 4’−C−and 5’−C−substituted Toyocamycins」、Bioorg.Med.Chem.2001年、第9巻、163〜170頁)に従って調製することができる。
【0130】
5(37.6g、0.111モル)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、40.7g、0.333モル)、および塩化フェノキシチオカルボニルの無水アセトニトリル(1000mL)溶液を室温で1時間攪拌し、濃縮乾燥させた。残渣を塩化メチレン(500mL)中に溶解し、0.2Mの塩酸(2×500mL)および水(500mL)で順次洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発にかけ、無水トルエンとの数回の同時蒸発にかけた。粗製材料を無水トルエン(880mL)中に溶解させ、トリス(トリメチルシリル)シラン(TMSS、42.9mL、0.139モル)、および1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ACCN、6.8g、27.8ミリモル)を加えた。反応混合物を還流させながら45分間攪拌し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:石油エーテル中ジエチルエーテル(5〜20%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な6(26.4g、74%)を淡黄色のシロップとして得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ8.0〜7.5(m,5H,C6H5CO)、4.85(s,1H,H−1)、4.63(dd,2H,H−2およびH−3,J=6.1Hz,J=11.6Hz)、4.24(d,1H,H−5,J5−5’=11.1Hz)、4.10(d,1H,H−5’,J5’−5=11.1Hz)、3.17(s,1H,OCH3)、1.38(s,3H CH3)、1.30(s,3H CH3)、1.25(s,3H CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 291(M−OCH3)+、105(C6H5CO)+ FAB<0 m/z 121(C6H5CO2)−。
【実施例7】
【0131】
5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−1,2,3−O−アセチル−α,β−D−リボフラノース(7)の調製
化合物6(22.5g、70ミリモル)を80%の酢酸水溶液(250mL)中に懸濁させた。溶液を100℃で3時間加熱した。次いで体積を半分に減らし、無水エタノールおよびピリジンとの同時蒸発にかけた。油性の残渣をピリジン(280mL)中に溶解させ、次いで0℃で冷却した。無水酢酸(80mL)および4−ジメチルアミノピリジン(500mg)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(1L)で溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、1Mの塩酸、および水で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発にかけた。得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:石油エーテル中ジエチルエーテル(30〜40%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な7(16.2g、60%)を淡黄色のシロップとして得た。少量の材料をシリカゲルのクロマトグラフィー[同じ溶離液系]によって精製して、αとβの各アノマーを分離した。
【0132】
αアノマー:1H−NMR(DMSO−d6):δ8.1〜7.5(m,5H,C6H5CO)、6.34(pt,1H,H−1,J=2.4Hz,J=2,1Hz)、5.49(m,2H,H−2およびH−3)、4.33(q,2H,H−5およびH−5’,J=11.6Hz,J=18.7Hz)、2.15(s,3H,CH3CO2)、2.11(s,3H,CH3CO2)、2.07(s,3H,CH3CO2)、1.37(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 335(M−CH3CO2 −)+、275(M−CH3CO2 −+H)+、105(C6H5CO)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 121(C6H5CO2)−、59(CH3CO2)−。
【0133】
βアノマー:1H−NMR(DMSO−d6):δ8.1〜7.5(m,5H,C6H5CO)、5.99(s,1H,H−1)、5.46(d,1H,H−2,J2−3=5.3HZ)、5.30(d,1H,H−2,J2−3=5.3Hz)、4.39(d,1H,H−5,J5−5’=11.7Hz)、4.19(d,1H,H−5’,J5’−5=11.7Hz)、2.10(s,3H,CH3CO2)、2.06(s,3H,CH3CO2)、2.02(s,3H,CH3CO2)、1.30(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 335(M−CH3CO2 +)、275(M−CH3CO2 −+H)+、105(C6H5CO)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 121(C6H5CO2)−、59(CH3CO2)−。
【実施例8】
【0134】
1−(5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−2,3−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)ウラシル(8)の調製
ウラシル(422mg、3.76ミリモル)の懸濁液をヘキサメチルジシラザン(HMDS、21mL)および触媒量の硫酸アンモニウムで、還流させながら17時間かけて処理した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で蒸発にかけ、無色の油として得られた残渣を無水1,2−ジクロロエタン(7.5mL)で希釈した。得られた溶液に、7(0.99g、2.51ミリモル)の無水1,2−ジクロロエタン(14mL)溶液を加えた後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSTf、0.97mL、5.02ミリモル)を加えた。この溶液を室温のアルゴン雰囲気中で2.5時間攪拌し、次いでクロロホルム(150mL)で希釈し、同体積の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、さらに最後に水(2×100mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで減圧下で蒸発にかけた。得られる粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム中メタノール(0〜2%)の段階的勾配)によって精製して、純粋な8(1.07g、95%)を泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ11.48(s,1H,NH)、8.1〜7.5(m,6H,C6H5COおよびH−6)、5.94(d,1H,H−1’,J1’−2’=3.3Hz)、5.61(m,3H,H−5,H−2’およびH−3’)、4.47(d,1H,H−5’,J5’−5”=11.7Hz)、4.35(d,1H,H−5”,J5”−5’=11.7Hz)、2.12(s,3H,CH3CO2)、2.09(s,3H,CH3CO2)、1.38(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 893(2M+H)+、447(M+H)+、335(S)+、113(BH2)+、105(C6H5CO)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 891(2M−H)−、445(M−H)−、121(C6H5CO2)−、111(B)−、59(CH3CO2)−。
【実施例9】
【0135】
1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)ウラシル(9)の調製
標題化合物は、発表されている手順に従って8から調製することができる(Waga,T.、Nishizaki,T.、Miyakawa,I、Orhui,H.、Meguro,H.の「Synthesis of 4’−C−methylnucleosides」、Biosci.Biotechnol.Biochem.1993年、第57巻、1433〜1438頁)。
【0136】
8(610mg、1.37ミリモル)の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(27mL)溶液を室温で終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(40mL)と水(40mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×40mL)で洗浄し、減圧下で濃縮し、無水エタノールとの数回の同時蒸発にかけた。無水エタノール/メタノール混合物からの再結晶を行うと、9(215mg、61%)が無色で結晶性の固体として得られた。融点:226〜227(dec.)(lit.227:Ref.6);UV(H2O):λmax=259nm(ε=10100)、λmin=228nm(ε=2200);HPLC99.56%、1H−NMR(DMSO−d6):δ11.28(s,1H,NH)、7.89(d,1H,H−6,J6−5=8.1Hz)、5.80(d,1H,H−1’,J1’−2’=7.1Hz)、5.64(d,1H,H−5,J5−6=8.1Hz)、5.24(d,1H,OH−2’,JOH−2’=6.5Hz)、5.18(t,1H,OH−5’ JOH−5’=JOH−5”=5.2Hz)、5.01(d,1H,OH−3’,JOH−3’=5.0Hz)、4.28(dd,1H,H−2’,J=6.5Hz,J=12.2Hz)、3.90(t,1H,H−3’,J3’−2’=J3’−OH’=5.1Hz)、3.30(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.06(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 517(2M+H)+、259(M+H)+、147(S)+ FAB<0 m/z 515(2M−M)−、257(M−H)−。
【実施例10】
【0137】
1−(5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−2,3−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)4−チオ−ウラシル(10)の調製
アルゴン中でLawesson’s試薬(926mg、2.29ミリモル)を8(1.46g、3.27ミリモル)の無水1,2−ジクロロエタン(65mL)溶液に加え、反応混合物を還流させながら終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム中メタノール(1〜2%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な10(1.43g、95%)を黄色の泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ12.88(s,1H,NH)、8.1〜7.5(m,6H,C6H5COおよびH−6)、6.27(d,1H,H−1’,J1’−2’=7.51Hz)、5.91(br s,1H,H−5)5.64(m,2H,H−2’およびH−3’)、4.47(d,1H,H−5’,J5’−5”=11.7Hz)、4.36(d,1H,H−5’,J5’−5”=11.7Hz)、2.11(s,3H,CH3CO2)、2.09(s,3H,CH3CO2)、1.39(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 925(2M+H)+、463(M+H)+、335(S)+、129(BH2)+、105(C6H5CO)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 461(M−H)−、127(B)−、121(C6H5CO2)−、59(CH3CO2)−。
【実施例11】
【0138】
1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)4−チオ−ウラシル(11)の調製
10(500mg、1.08ミリモル)の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(27mL)溶液を室温で終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(40ml)と水(40mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×40mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:塩化メチレン中メタノール(5〜7%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な11(188mg、63%)を得、これを凍結乾燥させた。融点:65〜70(dec.);UV(メタノール):λmax=330nm(ε=20000)246nm(ε=4200)、λmin=275nm(ε=1500);1H−NMR(DMSO−d6):δ12.51(brs,1H,NH)、7.81(d,1H,H−6,J6−5=7.6Hz)、6.30(d,1H,H−5,J5−6=7.5Hz)、5.77,(d,1H,H−1’,J1’−2’=6.7Hz)、5.32(d,1H,OH−2’,JOH−2’=6.1Hz)、5.20(t,1H,OH−5’ JOH−5’=JOH−5”=5.2Hz)、5.03(d,1H,OH−3’,JOH−3’=5.2Hz)、4.17(dd,1H,H−2’,J=6.2Hz,J=12,0Hz)、3.89(t,1H,H−3’,J3’−2’=J3’−OH’=5.1Hz)、3.35(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.02(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 275(M+H)+、147(S)+、129(BH2)+ FAB<0 m/z 547(2M−H)−、273(M−H)− 127(B)−。
【実施例12】
【0139】
1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)シトシンの塩酸型(12)の調製
化合物11(890mg、1.93ミリモル)をステンレス鋼製ボンベに入った100℃の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(12mL)で3時間かけて処理し、次いで室温に冷却した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(40mL)と水(40mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×40mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:塩化メチレン/メタノール/水酸化ナトリウム65:30:5]によって精製した。各画分を収集し、減圧下、無水エタノール(6.3mL)中で蒸発にかけた。溶液に2Nの塩酸溶液(1.5mL)を加え、混合物を攪拌した後、減圧下で濃縮した。この手順を2回繰り返し、無水エタノールから12を沈殿させた。融点:213〜214(dec.);UV(メタノール):λmax=280nm(ε=9800)、λmin=245nm(ε=3600);1H−NMR(DMSO−d6):δ9.82(s,1H,NH2)、8.72(s,1H,NH2)、8.34(d,1H,H−6,J6−5=7.8Hz)、6.21(d,1H,H−5,J5−6=7.8Hz)、5.83(d,1H,H−1’,J1’ −2’=5.8Hz)、4.22(d,1H,OH−2;JOH−2’=6.5Hz)、5.6〜4.7(m,3H,OH−2’,OH−3’およびOH−5’)、4.28(t,1H,H−2’,J=5.6Hz)、3.99(d,1H,H−3’,J=5.3Hz),3.43(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.14(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 515(2M+H)+、258(M+H)+、147(S)+、112(BH2)+ FAB<0 m/z 256(M−H)−。
【実施例13】
【0140】
1−(5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−2,3−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チミン(13)の調製
チミン(384mg、3.04ミリモル)の懸濁液をヘキサメチルジシラザン(HMDS、17mL)および触媒量の硫酸アンモニウムで還流を行いながら一晩かけて処理した。室温に冷却した後、混合物を減圧下で蒸発にかけ、無色の油として得られた残渣を無水1,2−ジクロロエタン(6mL)で希釈した。得られる溶液に、無水1,2−ジクロロメタン(14mL)中の7(1.0g、2.53ミリモル)を加えた後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSTf、0.98mL、5.06ミリモル)を加えた。この溶液を室温のアルゴン雰囲気中で5時間攪拌し、次いでクロロホルム(150mL)で希釈し、同体積の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、さらに最後に水(2×100mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで減圧下で蒸発にかけた。得られる粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム中2%メタノール]によって精製して、純粋な13(1.09g、94%)を泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ11.47(s,1H,NH)、8.1〜7.4(m,6H,C6H5COおよびH−6)、5.98(d,1H,H−1’,J=5.0Hz)、5.5〜5.7(m,2H,H−2’およびH−3’)、4.42(dd,2H,H−5’およびH−5”,J=11.6Hz,J=31.6Hz)、2.12(s,3H,CH3CO2)、2.09(s,3H,CH3CO2)、1.60(s,1H,CH3)、1.37(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 461(M+H)+、335(S)+、105(C6H5CO)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 459(M−H)−、125(B)−、121(C6H5CO2)−、59(CH3CO2)−。
【実施例14】
【0141】
1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)チミン(14)の調製
標題化合物は、発表されている手順に従って13から調製することができる(Waga,T.、Nishizaki,T.、Miyakawa,I.、Orhui,H.、Meguro,H.の「Synthesis of 4’−C−methylnucleosides」、Biosci.Biotechnol.Biochem.1993年、第57巻、1433〜1438頁)。
【0142】
13(1.09g、2.37ミリモル)の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(60mL)溶液を室温で終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(60mL)と水(60mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×60mL)で洗浄し、減圧下で濃縮し、無水エタノールとの数回の同時蒸発にかけた。メタノールからの再結晶を行うと、14(450mg、70%)が無色で結晶性の固体として得られた。融点:258〜260(dec.)(lit.264:Ref.6);UV(H2O):λmax=264.4nm(ε=8800)、λmin=232.0nm(ε=2200);1H−NMR(DMSO−d6):δ11.29(s,1H,NH)、7.75(s,1H,H−6)、5.82(d,1H,H−1’,J1’−2’=7.2Hz)、5.19(m,2H,OH−2’,OH−5’)、5.02(d,1H,OH−3’,JOH−3’=5.0Hz)、4.21(dd,1H,H−2’,J=6.4Hz,J=12.3Hz)、3.92(t,1H,H−3’,J3’−2’=J3’−OH=5.0Hz)、3.30(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.78(s,3H,CH3)、1.09(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 545(2M+H)+、365(M+G+H)+、273(M+H)+、147(S)+、127(B+2H)+、FAB<0 m/z 543(2M−H)−、271(M−H)−、125(B)−;[α]D 20−32.0(c=0.5 in H2O,lift.−26.4)。
【実施例15】
【0143】
1−(5,2,3−トリ−O−アセチル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)チミン(15)の調製
14(200mg、0.735ミリモル)の無水ピリジン(7.4ml)溶液を無水酢酸(1.2mL)で処理し、室温で3時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:塩化メチレン中メタノール(0〜5%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な15(0.400g、定量的な収量)を泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ11.45(s,1H,NH)、7.56(s,1H,H−6)、5.90(d,1H,H−1;J1’−2’=4.8Hz)、5.5〜5.4(m,2H,H−2’およびH−3’)、4.3〜4.0(m,2H,H−5’およびH−5”)、2.1〜2.0(m,9H,3 CH3CO2)、1.78(s,1H,CH3)、1.20(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 797(2M+H)+、399(M+H)+、339(M−CH3CO2)+、273(S)+、127(BH2)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 795(2M−H)−、397(M−H)−、355(M−CH3CO)−、125(B)−、59(CH3CO2)−。
【実施例16】
【0144】
1−(5,2,3−トリ−O−アセチル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−4−チオ−チミン(16)の調製
アルゴン中で15(0.167g、4.19ミリモル)の無水1,2−ジクロロエタン(11mL)溶液にLawesson’s試薬(119mg、0.29ミリモル)を加え、反応混合物を還流させながら終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:クロロホルム中メタノール(1〜2%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な16(0.165g、95%)を黄色の泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ12.81(s,1H,NH)、7.64(s,1H,H−6)、5.84(d,1H,H−1’,J1’−2’=4.66Hz)、5.5〜5.4(m,2H,H−2’およびH−3’)、4.11(dd,2H,H−5’およびH−5”,J=11.7Hz,J=31.3Hz)、2.0〜1,8(m,12H,3CH3CO2およびCH3)、1.33(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 829(2M+H)+、415(M+H)+、273(S)+、143(BH2)+、43(CH3CO)+ FAB<0 m/z 827(2M−H)−、413(M−H)−、141(B)−、59(CH3CO2)−。
【0145】
同様にして、適切な糖およびピリミジン塩基を使用し、以下の式IIのヌクレオシドを調製する。
【0146】
【表1】
【実施例17】
【0147】
1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−メチル−シトシン(17)の塩酸塩型の調製
化合物16(0.160g、0.386ミリモル)をステンレス鋼製ボンベに入った100℃の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(10mL)で3時間かけて処理し、次いで室温に冷却した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を 塩化メチレン(30mL)と水(30mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×30mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗製材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:塩化メチレン中20%メタノール]によって精製して、1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−メチル−シトシン(60mg、57%)を得た。この化合物をEtOH100(1.5mL)中に溶解させ、2Nの塩酸溶液(0.3mL)で処理し、混合物を攪拌した後、減圧下で濃縮した。この手順を2回繰り返し、無水エタノールから17を沈殿させた。融点:194〜200(dec.);UV(H2O):λmax=275.6nm(ε=7300)、λmin=255nm(ε=4700);HPLC100%、1H−NMR(DMSO−d6):δ9.34および9.10(2s,2H,NH2)、8.21(s,1H,H−6)、5.80(d,1H,H−1’,J1’−2’=6.0Hz)、5.3〜4.3(m,3H,OH−2’,OH−3’およびOH−5’)、4.21(t,1H,H−2’,J=5.7Hz)、3.98(d,1H,H−3’,J=5.3Hz)、3.5〜3.3(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.97(s,3H,CH3)、1.12(s,3H,CH3)。
【実施例18】
【0148】
O−6−ジフェニルカルバモイル−N2−イソブチリル−9−(2,3−ジ−O−アセチル−5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)グアニン(18)の調製
O−6−ジフェニルカルバモイル−N2−イソブチリルグアニン(1.80g、4.33ミリモル)を無水トルエン(20mL)に懸濁させた懸濁液に、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(1.92mL、7.9ミリモル)を加えた。反応混合物を還流させながら1時間かけて温めた。化合物7(1.55g、3.93ミリモル)をトルエン(10mL)に溶解させ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSTf)(915mL、4.72ミリモル)を加えた。混合物を還流させながら30分間加熱した。次いで、溶液を室温に冷却し、5%の炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて中性にした。反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈した。有機層を5%の炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)および水(2×150mL)で洗浄した。この有機層をNa2SO4上で乾燥させ、蒸発乾燥させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:石油エーテル中ジエチルエーテル(70〜90%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な18(1.62g、55%)を泡として得た。
【実施例19】
【0149】
9−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)グアニン(19)の調製
標題化合物は、発表されている手順に従って18から調製することができる(Waga,T.、Nishizaki,T.、Miyakawa,I、Orhui,H.、Meguro,H.の「Synthesis of 4’−C−methylnucleosides」、Biosci.Biotechnol.Biochem.1993年、第57巻、1433〜1438頁)。
【0150】
18(1.50g、ミリモル)の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(20mL)溶液を室温で終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(60mL)と水(60mL)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×60mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をRP18カラムクロマトグラフィー[溶離液:水/アセトニトリル95/5]によって精製して、純粋な19(380mg、60%)を得た。水からの再結晶を行うと、19が結晶性の固体として得られた。融点>300(dec.)、UV(H2O):λmax=252nm(ε=14500)。1H−NMR(DMSO−d6):δ10.64(s,1H,NH)、7.95(s,1H,H−8)、6.45(s1,2H,NH2)、5.68(d,1H,H−1’,J1’−2’=7.45Hz)、5.31(d,1H,OH,OH−2’,JOH−2’=6.8Hz)、5.17(t,1H,OH,OH−5’,J=5.5Hz)、5.07(d,1H,OH−3’,JOH−3’=4.5Hz)、4.65(dd,1H,H−2’,J=7.1Hz,J=12.2Hz)、4.00(t,1H,H−3’,J3’−2’=J3’−OH=4.8Hz)、3.41(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.12(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT);FAB>0 m/z 595(2M+H)+、390(M+G+M)+、298(M+H)+、152(B+2H)+、FAB<0 m/z 593(2M−H)−、296(M−H)−、150(B)−。
【実施例20】
【0151】
9−(2,3−ジ−O−アセチル−5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)アデニン(20)
7(1.10g、2.79ミリモル)の無水アセトニトリル(50ml)溶液をアデニン(452.4mg、3.35ミリモル)および塩化スズ(SnCl4、660μL、5.58ミリモル)で処理し、室温で終夜攪拌した。この溶液を減圧下で濃縮し、クロロホルム(100mL)で希釈し、NaHCO3の冷飽和水溶液(100ml)で処理した。混合物をセライトで濾過し、沈殿を熱クロロホルムで洗浄した。濾液を合わせ、水(100ml)およびブライン(100ml)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で蒸発にかけた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:ジクロロメタン中メタノール(3〜5%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な20(977mg、77%)を白色の泡として得た。1H−NMR(DMSO−d6):δ8.31〜7.49(m,7H,C6H5CO,H−2およびH−8)、7.37(1s,2H,NH2)6.27(m,2H,H−1’およびH−3’)、5.90(m,1H,H−2’)、4.60(d,1H,H−5’,J=11.7Hz)、4.35(d,1H,H−5”)、2.17(s,3H,CH3CO2)、2.06(s,3H,CH3CO2)、1.42(s,3H,CH3)。
【実施例21】
【0152】
9−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)アデニン(21)の調製
標題化合物は、発表されている手順に従って20から調製することができる(Waga,T.、Nishizaki,T.、Miyakawa,I、Orhui,H.、Meguro,H.の「Synthesis of 4’−C−methylnucleosides」、Biosci.Biotechnol.Biochem.1993年、第57巻、1433〜1438頁)。
【0153】
20(970mg、2.08ミリモル)の(予め−10℃で飽和させた)メタノール性アンモニア(50mL)溶液を室温で終夜攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン(100ml)と水(100ml)とに分配した。水層を塩化メチレン(2×100mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:酢酸エチル中メタノール(10〜30%)の段階的勾配]によって精製して、純粋な21(554mg、95%)を得た。メタノール/酢酸エチルからの再結晶を行うと、21が白色の固体として得られた。融点:96〜97(dec.);1H−NMR(DMSO−d6):δ8.33(s,1H,H−2)、8.13(s,1H,H−8)、7.36(brs,2H,NH2)、5.84(d,1H,H−1’,J1’−2’=7.4Hz)、5.69(dd,1H,OH−5’,J=4.2HzおよびJ=7.8Hz)、5.33(d,1H,OH−2’,J=6.6Hz)、5.13(d,1H,OH−3’,J=4.4Hz)、4.86(m,1H,H−2’)、4.04(t,1H,H−3’)、3.58〜3.32(m,2H,H−5’およびH−5”)、1.15(s,3H,CH3);MS(マトリックスGT):FAB>0 m/z 563(2M+H)+、374(M+G+H)+、282(M+H)+、136(B+2H)+、FAB<0 m/z 561(2M−H)−、280(M−H)−、134(B)−。
【0154】
同様にして、適切な糖およびプリン塩基を使用し、以下の式Iのヌクレオシドを調製する。
【0155】
【表2】
【0156】
あるいは、当該の糖とピリミジン塩基もしくはプリン塩基を使用して、以下の式IIIのヌクレオシドを調製する。
【0157】
【表3】
【0158】
あるいは、当該の糖とピリミジン塩基もしくはプリン塩基を使用して、以下の式IVのヌクレオシドを調製する。
【0159】
【表4】
【0160】
あるいは、当該の糖とピリミジン塩基もしくはプリン塩基を使用して、以下の式Vのヌクレオシドを調製する。
【0161】
【表5】
【0162】
あるいは、当該の糖とピリミジン塩基もしくはプリン塩基を使用して、以下の式VIのヌクレオシドを調製する。
【0163】
【表6】
【0164】
VII.抗C型肝炎活性
化合物群は、HCVポリメラーゼを阻害する、または複製サイクルに必要な他の酵素を阻害することによって、あるいは他の経路によって抗C型肝炎活性を示す。このような活性を評価するために、いくつかのアッセイが発表されている。培養物中のHCVウイルスの総増量を評価する一般の方法は、Miles等の米国特許第5,738,985号で開示されている。In vitroアッセイは、Ferrari等のJnl.of Vir.第73巻、1649〜1654ページ、1999年;Ishii等のHepatology第29巻、1227〜1235ページ、1999年;Lohmann等のJnl.of Bio.Chem.第274巻、10807〜10815ページ、1999年;およびYamashita等のJnl.of Bio.Chem.第273巻、15479〜15486ページ、1998年で報告されている。
【0165】
1995年9月出願の米国特許出願第60/004,383号に優先権を主張する、C.HagedornおよびA.Reinoldusが発明者として記載され、エモリー大学によって1996年9月27日に出願されたWO97/12033は、本明細書に記載の化合物の活性を評価するのに使用できるHCVポリメラーゼアッセイを記載している。別のHCVポリメラーゼアッセイは、Bartholomeusz等の「Hepatitis C virus (HCV) RNA polymerase assay using cloned HCV non−structural proteins」、Antiviral Therapy 1996年、第1巻(別巻4)18〜24ページで報告されている。
【0166】
HCV薬によるキナーゼ活性の低下を測定するスクリーニングは、Katze等の米国特許第6,030,785号、Delvecchio等の米国特許第6,010,848号、およびJubin等の米国特許第5,759,795号で開示されている。提唱されているHCV薬のプロテアーゼ阻害活性を測定するスクリーニングは、Su等の米国特許第5,861,267号、De Francesco等の米国特許第5,739,002号、およびHoughton等の米国特許第5,597,691号で開示されている。
【0167】
実施例
試験化合物を初濃度200μMでDMSO中に溶解させ、次いで培地中で連続希釈した。
【0168】
別段の記載がない限り、乳仔ハムスター腎臓(BHK−21)(ATCC CCL−10)およびウシ(BT)(ATCC CRL 1390)細胞は、加湿したCO2(5%)雰囲気中、37℃で増殖させた。BHR−21細胞は、2mMのL−グルタミン、10%のウシ胎児血清(FBS、Gibco)、および1.5g/Lの重炭酸ナトリウムおよび0.1mMの非必須アミノ酸を含有するように調整したEarle’s BSSを加えたイーグルMEM中で継代した。BT細胞は、4mMのL−グルタミンおよび10%のウマ血清(HS、Gibco)を含むダルベッコ変法イーグル培地を、1.5g/Lの重炭酸ナトリウム、4.5g/Lのグルコース、および1.0mMのピルビン酸ナトリウムを含有するように調整した培地中で継代した。ワクチン株の17D(YFV−17D)(Stamaril(登録商標)、Pasteur Merieux)およびウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)(ATCC VR−534)を使用して、75cm2ボトル中で、それぞれBHK細胞およびBT細胞を感染させた。37℃で3日間のインキュベーション期間の後、広範な細胞変性効果が認められた。培養物を3回凍結融解し、遠心分離によって細胞片を除去し、上清を等分し、−70℃で貯蔵した。YFV−17DおよびBVDVを、それぞれ、24穴プレート中で増殖させて集密的にしたBHK−21細胞およびBT細胞中で滴定した。
【実施例22】
【0169】
ヌクレオシドの活性化三リン酸へのリン酸化アッセイ
化合物の細胞代謝を決定するため、HepG2細胞をAmerican Type Culture Collection(メリーランド州ロックヴィル)から入手し、225cm2組織培養フラスコ中、非必須アミノ酸、ペニシリン−ストレプトマイシン1%を補充した最小必須培地で増殖させる。培地を3日毎に新しくし、細胞を週に1度継代する。トリプシン−EDTA30mLに10分間曝して粘着性の単層を剥離し、培養液で3回連続的に洗浄した後、集密的なHepG2細胞を、ウェルあたり細胞2.5×106個の密度で6ウェルプレートに播種し、[3H]標識活性化合物(500dpm/ピコモル)10μMに所定の時間曝する。5%CO2雰囲気中、37℃に細胞を維持する。選択された時間に、氷冷リン酸緩衝食塩水(PBS)で3回細胞を洗浄する。細胞ペレットを、60%のメタノールを用いて終夜−20℃でインキュベートしてから、氷浴で1時間、追加の冷メタノール20μLでの抽出にかけることによって、細胞内の活性化合物およびそのそれぞれの代謝産物を抽出する。次いで抽出物を合わせ、穏やかな濾過空気流中で乾燥させ、HPLC分析まで−20℃で保存する。
【実施例23】
【0170】
カニクイザルでの生物学的利用能アッセイ
試験開始前の1週間以内に、カニクイザルに、血液を収集しやすくするための長期用静脈カテーテルおよび皮下静脈アクセスポート(VAP)を外科的に移植し、血液学および血清化学評価を含む身体検査を行い、体重を記録した。投与濃度5mg/mLでの用量レベル10mg/kgで、各用量の活性化合物により、静脈内大量瞬時投与(サル3匹、IV)または経口胃管栄養法(サル3匹、PO)によって各々のサル(計6匹)に与えられるH3活性はおよそ250μCiである。投与前に各投与シリンジを秤量し、投与する処方量を重量測定によって決定する。指定の間隔(投与前およそ18〜0時間、投与後0〜4、4〜8、および8〜12時間)で、受け皿(pan catch)を介して尿サンプルを収集し、処理する。静脈カテーテルおよびVAPを介して、または静脈カテーテルでの手順が不可能なら抹消血管から、血液サンプルを同様に(投与前、投与後0.25、0.5、1、2、3、6、8、12、および24時間)で収集する。血液および尿サンプルの最高濃度(Cmax)、最高濃度に達するときの時間(Tmax)、曲線下面積(AUC)、投与濃度の半減期(T1/2)、クリアランス(CL)、定常状態の体積および分布(Vss)、および生物学的利用能(F)を分析する。
【実施例24】
【0171】
骨髄毒性アッセイ
Sommadossi J−P、Carlisle R.の「Toxicity of 3’−azido−3’−deoxythymidine and 9−(1,3−dihydroxy−2−propoxymethyl)guanine for normal human hematopoietic progenitor cells in vitro」、Antimicrobial Agents and Chemotherapy 1987年、第31巻:452〜454ページ;およびSommadossi J−P、Schinazi RF、Chu CK、Xie M−Y.の「Comparison of cytotoxicity of the(−)−and(+)−enantiomer of 2’,3’−dideoxy−3’−thiacytidine in normal human bone marrow progenitor cells」、Biochemical Pharmacology、1992年、第44巻:1921〜1925ページに以前から記載されているフィコール−ハイパック勾配遠心分離によって、健常ボランティアおよび単核個体群から収集したヒト骨髄細胞を分離する。二重層軟寒天法またはメチルセルロース法を利用して、CFU−GMおよびBFU−Eでの培養アッセイを行う。薬物を組織培養培地に希釈し、濾過する。14〜18日後、空気中CO25%の加湿雰囲気中、37℃で、倒立顕微鏡を使用して、細胞が50個を超える集落をカウントする。結果は、溶媒対照培養物に対する薬物存在下の集落形成阻害の百分率として示してある。
【実施例25】
【0172】
ミトコンドリア毒性アッセイ
HepG2細胞を上述のように12ウェルプレートに培養し、Pan−Zhou X−R、Cui L、Zhou X−J、Sommadossi J−P、Darley−Usmer VM.の「Differential effects of antiretroviral nucleoside analogs on mitochondrial function in HepG2 cells」、Antimicrob Agents Chemother、2000年、第44巻:496〜503ページで教示されているとおりに、様々な濃度の薬物に曝す。Boehringer乳酸アッセイキットを使用して、4日間薬物に曝した後の培養液の乳酸レベルを測定する。血球計数器でカウントして測定した細胞数によって乳酸レベルを正規化する。
【実施例26】
【0173】
細胞傷害性アッセイ
加湿したCO2(5%)雰囲気中、37℃で、96穴プレートの増殖培地中に5×103〜5×104/穴の率で一晩かけて細胞を播いた。次いで、連続的な希釈の薬物を含有する新しい増殖培地を加えた。4日間インキュベートした後、培養物を50%のTCA中に固定し、スルホローダミンBで染色する。550nmの光学密度を読み取った。細胞傷害性の濃度を、細胞数を50%に減少させるのに必要な濃度(CC50)として示した。予備的な結果を以下の表1にまとめた。
【0174】
【表7】
【0175】
本発明をその好ましい実施形態に関して記載してきた。当分野の技術者には、これまでの発明の詳細な説明から、本発明の変形形態および変更形態が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明のヌクレオシドの非限定的な様々な例、ならびに本文で比較例として使用した他の知られているヌクレオシド、FIAUおよびリバビリンの構造を示す図である。
【図2】本発明のペントジアルド−フラノースである1−O−メチル−2,3−O−イソプロピリデンβ−D−リボ−ペントジアルドフラノース(2)、および本発明の4’修飾型の糖である5−O−ベンゾイル−4−C−メチル−1,2,3−O−アセチル−α,β−D−リボフラノース(7)の合成を示す非限定的な図である。
【図3】1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−ウラシル(9)、1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)4−チオ−ウラシル(11)、および1−(4−C−メチル−β−D−リボ−フラノシル)チミン(14)を含む本発明の様々な4’修飾型ピリミジンヌクレオシド、ならびに1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)シトシンの塩酸塩型(12)および1−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−メチル−シトシンの塩酸塩型(17)を含む薬剤として許容される塩の合成を示す非限定的な図である。
【図4】本発明の4’修飾型プリンヌクレオシドである9−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)グアニン(19)の合成を示す非限定的な図である。
【図5】本発明の4’修飾型プリンヌクレオシドである9−(4−C−メチル−β−D−リボフラノシル)アデニン(21)の合成を示す非限定的な図である。
Claims (89)
- 次式Iの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグ。 - 次式IIの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1は、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグ。 - 次式III、IV、およびVから選択された化合物
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H;一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、もしくはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。 - 次式VIの化合物
R1およびR2は、それぞれ独立に、H;一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1またはR2がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R7およびR9は、それぞれ独立に、水素、OR2、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R8およびR10は、それぞれ独立に、H、アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、R7とR9、R7とR10、R8とR9、またはR8とR10は、一緒になってπ結合を形成していてもよく、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグ。 - 前記化合物が投与量単位の形態をとる請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
- 投与量単位が前記化合物を10〜1500mg含有している請求項15に記載の化合物。
- 前記投与量単位が錠剤またはカプセル剤である請求項15または16に記載の化合物。
- 宿主のC型肝炎ウイルスを治療または予防するための薬剤組成物であって、有効量の次式Iの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、水素、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグ、ならびに薬剤として許容される担体または希釈剤を含む組成物。 - 宿主のC型肝炎ウイルスを治療または予防するための薬剤組成物であって、有効量の次式IIの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1は、それぞれ独立に、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグ、ならびに薬剤として許容される担体または希釈剤を含む組成物。 - 宿主のC型肝炎ウイルスを治療または予防するための薬剤組成物であって、有効量の次式III、IV、もしくはVから選択される化合物、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル、ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを含む組成物が提供される。 - 宿主のC型肝炎ウイルスを治療または予防するための薬剤組成物であって、有効量の次式VIの化合物
R1およびR2は、それぞれ独立に、H;一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル、ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1またはR2がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R7およびR9は、それぞれ独立に、水素、OR2、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R8およびR10は、それぞれ独立に、H、アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、R7とR9、R7とR10、R8とR9、またはR8とR10は、一緒になってπ結合を形成していてもよく、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを含む組成物。 - 宿主のC型肝炎ウイルスを治療または予防するための薬剤組成物であって、有効量の次式Iの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを含む、1種もしくは複数種の抗ウイルス効果のある他の薬品と組み合わせた組成物。 - 宿主のC型肝炎ウイルスを治療または予防するための薬剤組成物であって、有効量の次式IVの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1は、それぞれ独立に、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを含む、1種もしくは複数種の抗ウイルス効果のある他の薬品と組み合わせた組成物。 - 宿主のC型肝炎ウイルスを治療または予防するための薬剤組成物であって、有効量の次式III、IV、もしくはVから選択される化合物、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H;リン酸、一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル、ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを含む組成物が提供される。 - 宿主のC型肝炎ウイルスを治療または予防するための薬剤組成物であって、有効量の次式VIの化合物
R1およびR2は、それぞれ独立に、H;リン酸、一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル、ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1またはR2がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R7およびR9は、それぞれ独立に、水素、OR2、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R8およびR10は、それぞれ独立に、H、アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、R7とR9、R7とR10、R8とR9、またはR8とR10は、一緒になってπ結合を形成していてもよく、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを含む組成物。 - 前記化合物が投与量単位の形である請求項18から37のいずれか一項に記載の薬剤組成物。
- 前記投与量単位が前記化合物を10〜1500mg含有する請求項38に記載の薬剤組成物。
- 前記投与量単位が錠剤またはカプセル剤である請求項38または39に記載の薬剤組成物。
- 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療または予防する方法であって、抗ウイルス効果のある量の次式Iの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1およびX2は、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群からそれぞれ独立に選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]または薬剤として許容されるその塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療または予防する方法であって、抗ウイルス効果のある量の次式IIの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1は、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療または予防する方法であって、抗ウイルス効果のある量の次式III、IV、およびVから選択された化合物
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H;一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、もしくはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療または予防する方法であって、抗ウイルス効果のある量の次式VIの化合物
R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、H;一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療または予防する方法であって、抗ウイルス効果のある量の次式Iの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1およびX2は、それぞれ独立に、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを、1種もしくは複数種の抗ウイルス効果のある他の薬品と組み合わせてもしくは交替して投与することを含む方法。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療または予防する方法であって、抗ウイルス効果のある量の次式IIの化合物、
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1は、それぞれ独立に、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを、1種もしくは複数種の抗ウイルス効果のある他の薬品と組み合わせてもしくは交替して投与することを含む方法。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療または予防する方法であって、抗ウイルス効果のある量の次式III、IV、もしくはVから選択される化合物、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル、ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを、1種もしくは複数種の抗ウイルス効果のある他の薬品と組み合わせてもしくは交替して投与することを含む方法。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療または予防する方法であって、抗ウイルス効果のある量の次式VIの化合物またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグ
R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、H;一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル、ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2であり、
R7およびR9は、それぞれ独立に、水素、OR2、ヒドロキシ、(低級アルキルを含めた)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R8およびR10は、それぞれ独立に、H、アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、R7とR9、R7とR10、R8とR9、またはR8とR10は、一緒になってπ結合を形成していてもよく、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグを、1種もしくは複数種の抗ウイルス効果のある他の薬品と組み合わせてもしくは交替して投与することを含む方法。 - 前記化合物が投与量単位の形である請求項51から60のいずれか一項に記載の治療方法。
- 前記投与量単位が前記化合物を10〜1500mg含有する請求項61に記載の治療方法。
- 前記投与量単位が錠剤またはカプセル剤である請求項61または62に記載の治療方法。
- 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療および予防するための医薬の製造における次式Iの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1およびX2は、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群からそれぞれ独立に選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]、薬剤として許容されるその塩もしくはプロドラッグの使用。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療および予防するための医薬の製造における次式IIの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1は、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグの使用。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療および予防するための医薬の製造における次式III、IV、およびVから選択された化合物
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H;一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、もしくはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグの使用。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療および予防するための医薬の製造における次式VIの化合物
R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、H;一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル;ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグの使用。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療および予防するための医薬の製造における次式Iの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1およびX2は、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群からそれぞれ独立に選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]または薬剤として許容されるその塩もしくはプロドラッグの、1種または複数の抗ウイルス効果のある他の薬品との組合せまたは交替での使用。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療および予防するための医薬の製造における次式IIの化合物
Yは、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR4であり、
X1は、それぞれ独立に、H、アルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4NR5、またはSR4からなる群から選択され、
R4およびR5は、それぞれ独立に、水素、アシル、またはアルキルである]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグの、1種または複数種の抗ウイルス効果のある他の薬品との組合せまたは交替での使用。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療および予防するための医薬の製造における次式III、IV、もしくはVから選択される化合物、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化リン酸プロドラッグ;アシル;アルキル;スルホン酸エステル、ホスホリピドを含む脂質;アミノ酸;炭水化物;ペプチド;コレステロール;またはin vivoに投与されたときに、R1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHまたはリン酸である化合物をもたらすことのできる他の薬剤として許容される脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]またはその薬剤として許容される塩もしくはプロドラッグの、1種または複数種の抗ウイルス効果のある他の薬品との組合せまたは交替での使用。 - 宿主のC型肝炎ウイルス感染を治療および予防するための医薬の製造における次式VIの化合物
塩基は、プリンまたはピリミジン塩基であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、H、一リン酸、二リン酸、三リン酸、安定化されたリン酸プロドラッグ、アシル、アルキル、スルホン酸エステル、脂質、リン脂質、アミノ酸、炭水化物、ペプチド、コレステロール、またはin vivoで投与されたときにR1、R2、またはR3がそれぞれ独立にHもしくはリン酸である化合物を供給することのできる薬剤として許容される他の脱離基であり、
R6は、ヒドロキシ、アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、2−Br−エチル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、CF3、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
Xは、O、S、SO2、またはCH2であり、
R7およびR9は、それぞれ独立に、水素、OR2、ヒドロキシ、(低級アルキルを含む)アルキル、アジド、シアノ、アルケニル、アルキニル、Br−ビニル、−C(O)O(アルキル)、−C(O)O(低級アルキル)、−O(アシル)、−O(低級アシル)、−O(アルキル)、−O(低級アルキル)、−O(アルケニル)、塩素、臭素、ヨウ素、NO2、NH2、−NH(低級アルキル)、−NH(アシル)、−N(低級アルキル)2、−N(アシル)2であり、
R8およびR10は、それぞれ独立に、H、アルキル、塩素、臭素、またはヨウ素であり、
あるいは、R7とR9、R7とR10、R8とR9、またはR8とR10が一緒になって、パイ結合を形成していてよく、
Xは、O、S、SO2、またはCH2である]または薬剤として許容されるその塩もしくはプロドラッグの、抗ウイルス効果のある一種または複数の他の薬品との組合せまたは交替での使用。 - 前記プリンまたはピリミジン塩基が、次式
Dは、N、CH、C−CN、C−NO2、C−C1〜3アルキル、C−NHCONH2、C−CONQ11Q11、C−CSNQ11Q11、CCOOQ11、C−C(=NH)NH2、C−ヒドロキシ、C−C1〜3アルコキシ、C−アミノ、C−C1〜4アルキルアミノ、C−ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C−ハロゲン、C−(1,3−オキサゾール−2−イル)、C−(1,3−チアゾール−2−イル)、またはC−(イミダゾール−2−イル)であり;アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されており;
Eは、NまたはCQ5であり;
Wは、O、S、またはNRであり;
Rは、H、OH、アルキルであり;
Q6は、H、OH、SH、NH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、またはCF3であり;
Q5は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルアミノ、CF3、ハロゲン、N、CN、NO2、NHCONH2、CONQ11Q11、CSNQ11Q11、COOQ11、C(=NH)NH2、ヒドロキシ、C1〜3アルコキシ、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、ハロゲン、1,3−オキサゾール−2−イル、1,3−チアゾール−2−イル、またはイミダゾール−2−イルであり;アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されており;
Q7およびQ14は、H、CF3、OR、SH、OR、SR、C1〜4アルキル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、およびジ(C1〜4アルキル)アミノからなる群からそれぞれ独立に選択され;
Q11は、それぞれ独立に、HまたはC1〜6アルキルであり;
Q8は、H、ハロゲン、CN、カルボキシ、C1〜4アルキルオキシカルボニル、N3、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、N、CN、NO2、C1〜3アルキル、NHCONH2、CONQ11Q11、CSNQ11Q11、COOQ11、C(=NH)NH2、1,3−オキサゾール−2−イル、1,3−チアゾール−2−イル、またはイミダゾール−2−イルであり、アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシで置換されている]からなる群から選択されている請求項3、4、5、6、7、または8に記載の化合物。 - 前記プリンまたはピリミジン塩基が、次の群
Q16、U、およびYは、H、OH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、シクロアルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、もしくはSR5、Br−ビニル、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アリール、−O−アラルキル、−O−アシル、−O−シクロアルキル、NH2、NH−アルキル、N−ジアルキル、NH−アシル、N−アリール、N−アラルキル、NH−シクロアルキル、SH、S−アルキル、S−アシル、S−アリール、S−シクロアルキル、S−アラルキル、CN、N3、COOH、CONH2、CO2−アルキル、CONH−アルキル、CON−ジアルキル、OH、CF3、CH2OH、(CH2)mOH、(CH2)mNH2、(CH2)mCOOH、(CH2)mCN、(CH2)mNO2、(CH2)mCONH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、または−NHC(=NH)NH2からそれぞれ独立に選択され;
R4およびR5は、水素、アシル、またはアルキルからそれぞれ独立に選択され;
mは、0〜10であり;
Zは、S、SO、SO2、C=O、またはNQ20であり;
Q20は、Hまたはアルキルであり;
V1およびV2は、CHまたはNからそれぞれ独立に選択されている]から選択されている請求項3、4、5、6、7、または8に記載の化合物。 - 前記プリンまたはピリミジン塩基が、次の群
T3およびT4は、NまたはCQ22からそれぞれ独立に選択され;
Q22は、H、OH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、シクロアルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、もしくはSR5、Br−ビニル、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アリール、−O−アラルキル、−O−アシル、−O−シクロアルキル、NH2、NH−アルキル、N−ジアルキル、NH−アシル、N−アリール、N−アラルキル、NH−シクロアルキル、SH、S−アルキル、S−アシル、S−アリール、S−シクロアルキル、S−アラルキル、CN、N3、COOH、CONH2、CO2−アルキル、CONH−アルキル、CON−ジアルキル、OH、CF3、CH2OH、(CH2)mOH、(CH2)mNH2、(CH2)mCOOH、(CH2)mCN、(CH2)mNO2、(CH2)mCONH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、または−NHC(=NH)NH2からそれぞれ独立に選択され;
R4およびR5は、水素、アシル、またはアルキルからそれぞれ独立に選択され;
mは、0〜10であり;
T6、T7、T8、T9、T10、T11、およびT12は、NまたはCHからそれぞれ独立に選択され;
U2は、H;直鎖、分枝状、もしくは環状アルキル;CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR5であり;
Y2は、O、S、NH、NR、またはCQ24Q26であり、Rは、H、OH、またはアルキルであり;
Q24およびQ26は、H、アルキル;直鎖、分枝状、もしくは環状アルキル;CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR5からそれぞれ独立に選択されている]から選択されている請求項3、4、5、6、7、または8に記載の化合物。 - 前記プリンまたはピリミジン塩基が、次式
Dは、N、CH、C−CN、C−NO2、C−C1〜3アルキル、C−NHCONH2、C−CONQ11Q11、C−CSNQ11Q11、CCOOQ11、C−C(=NH)NH2、C−ヒドロキシ、C−C1〜3アルコキシ、C−アミノ、C−C1〜4アルキルアミノ、C−ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C−ハロゲン、C−(1,3−オキサゾール−2−イル)、C−(1,3−チアゾール−2−イル)、またはC−(イミダゾール−2−イル)であり;アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されており;
Eは、NまたはCQ5であり;
Wは、O、S、またはNRであり;
Rは、H、OH、アルキルであり;
Q6は、H、OH、SH、NH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、ハロゲン、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、またはCF3であり;
Q5は、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルアミノ、CF3、ハロゲン、N、CN、NO2、NHCONH2、CONQ11Q11、CSNQ11Q11、COOQ11、C(=NH)NH2、ヒドロキシ、C1〜3アルコキシ、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、ハロゲン、1,3−オキサゾール−2−イル、1,3−チアゾール−2−イル、またはイミダゾール−2−イルであり;アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシからそれぞれ独立に選択された1〜3個の基で置換されており;
Q7およびQ14は、H、CF3、OR、SH、OR、SR、C1〜4アルキル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、およびジ(C1〜4アルキル)アミノからなる群からそれぞれ独立に選択され;
Q11は、それぞれ独立に、HまたはC1〜6アルキルであり;
Q8は、H、ハロゲン、CN、カルボキシ、C1〜4アルキルオキシカルボニル、N3、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、N、CN、NO2、C1〜3アルキル、NHCONH2、CONQ11Q11、CSNQ11Q11、COOQ11、C(=NH)NH2、1,3−オキサゾール−2−イル、1,3−チアゾール−2−イル、またはイミダゾール−2−イルであり、アルキルは、非置換であるか、またはハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1〜3アルコキシで置換されている]からなる群から選択されている請求項43、44、53、または54に記載の治療もしくは予防方法。 - 前記プリンまたはピリミジン塩基が、
Q16、U、およびYは、H、OH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、シクロアルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、もしくはSR5、Br−ビニル、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アリール、−O−アラルキル、−O−アシル、−O−シクロアルキル、NH2、NH−アルキル、N−ジアルキル、NH−アシル、N−アリール、N−アラルキル、NH−シクロアルキル、SH、S−アルキル、S−アシル、S−アリール、S−シクロアルキル、S−アラルキル、CN、N3、COOH、CONH2、CO2−アルキル、CONH−アルキル、CON−ジアルキル、OH、CF3、CH2OH、(CH2)mOH、(CH2)mNH2、(CH2)mCOOH、(CH2)mCN、(CH2)mNO2、(CH2)mCONH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、または−NHC(=NH)NH2からそれぞれ独立に選択され;
R4およびR5は、水素、アシル、またはアルキルからそれぞれ独立に選択され;
mは、0〜10であり;
Zは、S、SO、SO2、C=O、またはNQ20であり;
Q20は、Hまたはアルキルであり;
V1およびV2は、CHまたはNからそれぞれ独立に選択されている]からなる群から選択されている請求項43、44、53、または54に記載の治療もしくは予防方法。 - 前記プリンまたはピリミジン塩基が、
T3およびT4は、NまたはCQ22からそれぞれ独立に選択され;
Q22は、H、OH、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、シクロアルキル、CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、もしくはSR5、Br−ビニル、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−アリール、−O−アラルキル、−O−アシル、−O−シクロアルキル、NH2、NH−アルキル、N−ジアルキル、NH−アシル、N−アリール、N−アラルキル、NH−シクロアルキル、SH、S−アルキル、S−アシル、S−アリール、S−シクロアルキル、S−アラルキル、CN、N3、COOH、CONH2、CO2−アルキル、CONH−アルキル、CON−ジアルキル、OH、CF3、CH2OH、(CH2)mOH、(CH2)mNH2、(CH2)mCOOH、(CH2)mCN、(CH2)mNO2、(CH2)mCONH2、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C3〜6シクロアルキルアミノ、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、(C1〜4アルキル)0〜2アミノメチル、または−NHC(=NH)NH2からそれぞれ独立に選択され;
R4およびR5は、水素、アシル、またはアルキルからそれぞれ独立に選択され;
mは、0〜10であり;
T6、T7、T8、T9、T10、T11、およびT12は、NまたはCHからそれぞれ独立に選択され;
U2は、H;直鎖、分枝状、もしくは環状アルキル;CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR5であり;
Y2は、O、S、NH、NR、またはCQ24Q26であり、Rは、H、OH、またはアルキルであり;
Q24およびQ26は、H、アルキル;直鎖、分枝状、もしくは環状アルキル;CO−アルキル、CO−アリール、CO−アルコキシアルキル、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、OR4、NR4R5、またはSR5からそれぞれ独立に選択されている]からなる群から選択されている請求項43、44、53、または54に記載の治療もしくは予防方法。
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