JP2005502740A - 粉砕及び乾燥したセルロースエーテルを酸−酸化分解することによって低粘度セルロースエーテルを製造する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、酸−酸化分解によってセルロースエーテルを解重合する方法に関する。本方法では、粉砕及び乾燥したセルロースエーテルを、先ず、ガス状酸でガス処理するかまたは酸の溶液を吹き付けし、及び酸化剤とまたは酸化剤の溶液と接触させる。そして、50〜120℃の範囲の温度下に0.01〜10時間の間解重合させ、次いで塩基を加えることによって酸を中和し、なおこの際、解重合の間の反応混合物の含水率が10重量%を超えてはならない。。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸−酸化分解によって解重合することによって、重合度がより大きい粉砕及び乾燥されたセルロースエーテル、すなわち加工処理済みのこのようなセルロースエーテルから低粘度のセルロースエーテルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
重合度が大きいセルロースエーテルの分解は従来から知られており、様々な方法で行うことができる。この際、特に、非常に低粘度の生成物を与える分解は、このような生成物が、なかでも、薬学的有効物質もしくは種の被覆材としてや、例えば乳化重合に用いられる保護コロイドとして有利に使用することができるため、大きな関心を集めている。以下、水中2.0%濃度(完全乾質基準)として20℃で測定したヘプラー粘度が50mPas以下であるセルロールエーテルを、非常に低粘度の生成物と称する。
【0003】
セルロースエーテルの分解に使用される方法には、アセタール結合の酸触媒加水分解による解裂の他に、なかでも、酸化分解並びに高エネルギー放射線または微生物/酵素による分解などがある。
【0004】
セルロースエーテルの酸化分解のための方法は、就中、米国特許(US−A)第2912431号、米国特許(US−A)第4316982号、スイス特許(CH−B)第461455号、ドイツ特許出願公開(DE−A)第2016203号、英国特許(GB−B)第953944号及びドイツ特許出願公開(DE−A)第19854770号に記載されている。
【0005】
米国特許2912431号には、次亜ハロゲン化物、過酸化物または過ヨウ化物を含水アルコールとの混合物として用いて、同時に漂白しながら40〜80℃の温度下にカルボキシメチルセルロースを分解する方法が記載されている。
【0006】
40〜75重量%の乾質分を有する含水セルロースエーテルを、オゾン/空気/酸素混合物を用いて0〜60℃で分解する方法は米国特許第4316982号に記載されている。
【0007】
スイス特許第461455号は、セルロースエーテルを最高で75重量%の含水量において0.1〜10重量%濃度の過酸化水素水溶液と混合する方法を記載している。次いで、得られた混合物を、H2 O2 が消尽されるまで、100〜250℃で酸化分解、乾燥する。
【0008】
ドイツ特許出願公開第2016203号には、最高で5重量%の含水量を有するできるだけ乾燥した状態の粉末を過酸化水素溶液と混合し、そして50〜150℃で分解することを含む、セルロースエーテルの分解方法が記載されている。
【0009】
英国特許第953944号では、水溶性でかつ非イオン性のセルロースエーテルの粘度低下を、乾燥もしくは含湿状態で、高められた温度下にH2 O2 と反応させることによって達成している。
【0010】
ドイツ特許出願公開第19854770号は、過酸化水素溶液を吹き付けることによって60〜125℃の範囲の温度で含湿セルロースエーテルを解重合する方法を開示している。
【0011】
しかし、セルロースエーテルの酸化分解は、比較的多量の酸化剤使用量またはそれ以外では非選択的な鎖解裂における不釣り合いな程に長い反応時間の故に、通常は、多数の酸化された副生成物の生成をまねき、これらは生成物の純度を下げる。
【0012】
無機または有機酸を用いた簡単でかつ官能基に対して影響のない加水分解による分解法が、例えば、米国特許(US−A)第1679943号、米国特許(US−A)第1943461号、ヨーロッパ特許出願公開(EP−A)第0497985号及びヨーロッパ特許出願公開(EP−A)第0210917号に記載されている。
【0013】
米国特許第1943461号では、予め粉砕したセルロースエーテルを、密閉した圧力釜中で0.7〜5.2barの圧力及び115〜160℃の温度で20〜60分間、それの重量の何倍もの希釈した酸またはこれらの混合物(濃度:0.5〜5重量%)によって分解する。米国特許第1679943号には、セルロースエーテルを様々な酸混合物で分解する方法が記載されており、この方法では、圧力釜も高められた温度もどちらも必要ではない。しかし、特に室温下では、反応時間がかなり長くなり、数日間要する場合もある。
【0014】
ヨーロッパ特許出願公開第0497985号では、銅価が小さいパルプをセルロースエーテルに転化し、そしてこれを洗浄、乾燥、粉砕し次いで約70℃の温度で0.5重量%濃度のHCl水溶液と混合している。得られるセルロースエーテルは、かなり低い粘度を示す(<20mPas、2.0%濃度、20℃)。
【0015】
類似の方法がヨーロッパ特許出願公開第0210917号に記載されている。この方法では、3〜8重量%の割合で水を含むセルロースエーテル粉末を、0.1〜1重量%の量のHCl水溶液を用いて40〜85℃で分解する。
【0016】
非常に低粘度の生成物を与える分解は、特に、HClをガスとして使用することによっても達成することができる。このような方法は、例えば、米国特許(US−A)第3391135号、米国特許(US−A)第4061859号及び国際公開(WO)第00/32637号に記載されている。
【0017】
米国特許第3391135号は、5重量%未満の含水量を有する高粘性セルロースエーテル粉末から30〜80℃で、10mPas未満の溶液粘度(2.0%濃度、20℃)を有するセルロースエーテルを製造するための方法を開示している。過剰のHClガスは除去し、次いでセルロースエーテルは弱塩基を混入することによって中和する。
【0018】
米国特許第4061859号では、0.01〜5重量%の含水量を有する乾燥粉末としてのセルロースエーテルを、15〜80℃の温度でハロゲン化水素で分解し、次いで重炭酸ナトリウムを混入するかまたはアンモニアガスを導入することによって中和する。次いで、分解された材料を上記解重合段階の後に二酸化硫黄ガスと接触させることによって、得られた材料を漂白する。この方法によって、初期粘度が数十万mPasに達するセルロースエーテルを非常に粘度が低い生成物に分解することができる。解重合の後に続く漂白段階は生成物の色を明るくするが、しかしこれは追加の工程を意味する。国際公開第00/32637号では、セルロースエーテルを、解重合を目的として、50〜130℃で絶えず混ぜながら酸と接触させる。
【0019】
加水分解による分解は官能基に対し影響を及ぼさずそして非常に低粘度の生成物の製造に使用することができる。しかし、生成物の色と、褐黒色の生成物の塊状物が形成することを一般的な問題として持つ。この塊状物は、特に、水の不均一な分布及び含水量の多い膠着した領域における酸の濃度の不均一な分布によって形成される。着色されていない生成物を得るためには、次いで漂白段階を設けることがしばしば必要である。この場合、酸化された生成物成分の割合をかなり増加させるような量で酸化剤を使用するか、または窒素もしくは硫黄含有化合物が導入されることにより、新しい副生成物が追加的に生ずる。
【0020】
濃縮された水性スラリー中で酸加水分解による分解と酸化分解とを組み合わせる方法がドイツ特許出願公開第19941893号に記載されている。この方法では、二相系(固体/液体)中で過剰の水を用いて作業を行う。しかし、水(スラリー媒体)とセルロースエーテルの重量部比率は、最大で10:1である。この方法を用いることによって、白色度の高いほぼ均一で塩含有量の少ないセルロースエーテルが得られるが、収率は約80〜96%に減少する。その後のスラリー媒体からの解重合されたセルロースエーテルの分離及びこの分解材料に必要な乾燥及び粉砕作業は、解重合された生成物の高い水保持能力、高い熱可塑性及び強い粘着性の故に非常に困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
それゆえ、本発明の課題は、従来技術の上記の欠点を持たない、セルロースエーテルの解重合方法を提供することであった。特に、酸化された成分をできる限り少ない量でのみ含む他、高い白色度を有する非常に低粘度のセルロースエーテル(≦50mPas)を、高粘度のセルロースエーテル(>50mPas乃至数十万mPas)から定量的な収量で製造するための可能性が探求された。更に、非常に低粘度の生成物において問題が多い乾燥及び粉砕作業も避けられるべきであった。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この課題は、酸−酸化分解によってセルロースエーテルを解重合する方法であって、粉砕及び乾燥したセルロースエーテルを、ガス状の酸でガス処理するかもしくは酸の溶液を吹き付け、及び酸化剤ともしくは酸化剤の溶液と接触させること、並びに50〜120℃の範囲の温度で0.01〜10時間解重合し、次いで塩基を添加することによって酸を中和し、この際、解重合の間の反応混合物の含水率が10重量%を超えてはならないことを特徴とする上記方法によって本発明により解決される。
【0023】
驚くべきことに、酸性試薬及び酸化性試薬を同時に使用しないことには達成できない白色度が、含水率が10重量%未満のセルロースエーテル粉末において酸による分解と酸化分解とを組み合わせることによって達成されることが見出された。少量の酸使用量での効率的な解重合の他に少量の酸化剤との組み合わせが、酸化された副成分の割合を制限しながら、解重合された生成物の白色度を高める。
【0024】
含水率が10重量%未満の加工済みセルロースエーテルを分解するため、その後の材料の乾燥及び粉砕/篩い分けは必要ではない。解重合されたセルロースエーテルが定量的な収量で得られる。それゆえ、ドイツ特許出願公開第19941893号に記載される方法に対する利点は、特に、解重合された生成物の定量的な収量、汚染排水の回避、明らかに減少した酸使用量、及び解重合されたセルロースエーテルの問題の多い乾燥及び粉砕作業の回避である。
【0025】
セルロースエーテルとしては、本発明では、熱水による凝固が可能で、それ故凝固点以上の温度の水を用いて塩を除去することができるものであれば全ての公知のセルロースエーテルを使用することができる。
【0026】
好ましいものは、アルキルセルロース、例えばメチル−、エチル−及びプロピルセルロース、並びにこれらの混合エーテル、例えばヒドロキシエチルメチル−、ヒドロキシプロピルメチル−、エチルヒドロキシエチル−及びエチルメチルセルロースである。
【0027】
使用されるセルロースエーテルの重合度及び粘度に関しては制限はない。しかし、解重合に付す高粘度出発材料としては、好ましくは、2.0%濃度の水溶液での粘度が50mPa・sより大きいセルロースエーテルが使用される。
【0028】
特に好ましくは、本発明では、a)セルロースを0.5〜10モル当量のアルカリでアルカリ化し、b)得られたアルカリセルロースをエーテル化剤を用いてエーテル化し、c)このセルロースエーテルをその凝固点以上の温度で水で洗浄しそして固形物中の含水率が25〜80重量%となるように遠心分離もしくは濾過によってその塩溶液から固形物を分離することによって、上記セルロースエーテルの塩含有率を0.5重量%未満に減少させ、そしてd)この含湿セルロースエーテルを粉砕乾燥装置を用いて50〜120℃の範囲の温度で同時に乾燥及び粉砕して、含水率を10重量%未満にまで減少させる、ことによって得られたセルロースエーテルが使用される。
【0029】
従来法に対する本発明の方法の更に別の利点は、α−セルロース含有率が低い木材パルプも原料パルプとして使用でき、それにもかかわらず高い白色度を有する生成物が生ずるという事実に基づく。すなわち、α−セルロース含有率が少なすぎる場合は(特に、低品質の木材パルプがこのような場合に該当する)、従来技術の方法では、通常、着色した生成物が得られる。この着色は、解重合されたセルロースエーテルの粘度が低いほど強くなる。確かに、従来技術の方法におけるこの問題は、α−セルロース含有率が高い(>99%)リンターパルプ(Linterszellstoffe)を使用することによって最小化することができるが、このような材料は高価であるため、製法の経済性が損なわれる。本発明では、好ましくは、α−セルロース含有率が90〜99.9%、特に好ましくは95〜98%のパルプが使用される。
【0030】
特に好ましい態様の一つでは、本発明の方法によって、水中2.0%濃度(完全乾質基準)で20℃で測定したヘプラー粘度が≦50mPa・sである非常に低粘度のセルロースエーテルが製造される。
【0031】
加水分解による分解に使用される酸としては、鉱酸及び有機酸並びにこれらの混合物が好適である。しかし、好ましいものは鉱酸である。
【0032】
鉱酸としては、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸が使用される。しかし、これらの混合物も使用することができる。
【0033】
有機系強酸としては、好ましくは、トリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸または安息香酸が使用される。また、これらの混合物も使用できる。
【0034】
酸の使用量は、セルロースエーテルの使用量を基準にして、好ましくは0.01〜2重量%の純粋な酸である。しかし、特に好ましくは、1重量%未満、特に0.5重量%未満の量の酸が使用される。好ましくは、pKaが5.0未満の酸が使用される。
【0035】
この際、ガス状の酸によるセルロースエーテルのガス処理または酸溶液の吹き付け処理は、好ましくは、20〜120℃の範囲の温度で行われる。
【0036】
酸化剤としては、好ましくは、過酸化水素もしくはそれの塩、他のパーオキソ化合物、例えばパーオキソ硫酸ナトリウム、オゾン、過ホウ酸塩(活性化剤、例えばTAEDと組み合わせてもよい)、亜塩素酸ナトリウム、ハロゲン、ハロゲン酸化物、並びに他の漂白に使用される化合物が使用される。特に好ましいものは過酸化水素(H2 O2 )及びオゾン(O3 )である。
【0037】
すなわち酸化剤として過酸化水素が使用された場合は、これは反応の間に残留物を残さずに水素及び酸素に分解する。この際、解重合されたセルロースエーテルの使用性を制限するような他の副生成物は生じない。このことは、該生成物は薬剤及び食品の分野において大規模に使用されるため特に重要である。残留物が残らないということに関してオゾンにも同様の考えが当てはまる。
【0038】
酸化剤は、セルロースエーテルを基準にして好ましくは0.01〜3重量%、特に好ましくは0.2〜1.5重量%、特に0.5〜1.0重量%の量で使用される。
【0039】
本発明による酸により触媒された加水分解的−酸化的分解は、好ましくは、50〜120℃の範囲の温度で行われる。特に好ましい温度範囲は60〜110℃である。
【0040】
本発明による酸により触媒された加水分解的−酸化的分解は、好ましくは、100〜1030mbarの範囲の圧力で行われる。特に好ましい圧力範囲は950〜1030mbarである。
【0041】
分解されたセルロースエーテルの水溶液は、一般的に、セルロースエーテル基本骨格上に酸基が生成することによって弱酸性のpH値を示す。このような溶液のpH値は、解重合の後に少なくとも一種の塩基性の塩、例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムを混合することによって、5.5〜8.0のほぼ中性のpH値に調節することができる。この際、この少なくとも一種の塩基性の塩は好ましくは粉末として加えられ、そして具体的には酸の使用量を基準にして0.1〜2.0、特に好ましくは0.5〜1.0モル当量の量で使用される。
【0042】
得られた生成物の粘度は、本質的には、酸及び酸化剤の使用量、反応時間及び反応温度を介して調節することができ、そして再現性が非常に良好である。
【0043】
以下に本発明を実施例に基づいてより詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0044】
以下の例で製造したセルロースエーテルの粘度は、特に断りがない限りは、ハーケ社製のヘプラー落球粘度計を用いて水溶液(純粋なセルロースエーテルに基づき2.0%濃度、20℃)として測定した。
【0045】
記載する酸の使用量は、セルロースエーテルの使用量を基準にした純粋なHClの重量%単位の量である。記載する酸化剤(H2 O2 )の量も、同様に、セルロースエーテルの使用量を基準にした純粋なH2 O2 の重量%単位の量である。
【実施例】
【0046】
例1
高粘度セルロースエーテルの製造
湿分が約3重量%の木材パルプ2.7kgを、水平混合シャフトを備えた反応器中で、窒素雰囲気下にジメチルグリコール11.5kg中に仕込み、そして水0.23kg及び濃苛性ソーダ溶液(49.6%濃度)1.87kgを加えた。30分後、プロピレンオキシド0.56kgを加え、この混合物を80℃に加熱し、そしてこの温度に60分間維持した。次いで、更に4.3kgの49.6%濃度苛性ソーダ溶液及び3.67kgの塩化メチルを加え、100℃に加熱し、そしてこの温度で60分間反応させた。反応の完了後、ジメチルグリコールを減圧下に留去し、そして得られた粗製生成物を沸騰水で数回洗浄し(沸騰水の合計量:100kg)、この際、その都度スラリーから生成物を分離した。スラリーから固形物を分離した後の残留含水率は約55〜65重量%であり、最後の洗浄段階の後の残留塩含有率は0.1重量%であった。こうして得られた材料は、予め80℃に加熱したPPSRタイプのポールマンミル(Pallmann-Muehle)で粉砕すると同時に乾燥して、残留含水率が約1〜3重量%の微粒状セルロースエーテル粉末を得た。OCH3 含有率は29.7%、OC3 H6 含有率は10.2%であり、そして1.9%濃度水溶液として測定して粘度は2600mPa・sであった。
例1の高粘度セルロースエーテルを解重合することにより非常に低粘度のセルロースエーテルを製造した例:
比較例2a
例1のセルロースエーテル粉末100gに、既に含まれる水の量を考慮して水溶液の形の0.25重量%HClを吹き付け、系の合計含水率を5.0重量%とした。この材料をガラス製容器に移し、そして絶えず混ぜながら110℃の油浴温度で2時間維持した。解重合の後、HClの添加量を基準にして0.7倍モル当量の炭酸ナトリウムと混ぜ合わせ、そして再び二三分混合した。
【0047】
表1に記載の特性データを有する非常に低粘度のセルロースエーテルが得られた。
例2b
例1のセルロースエーテル粉末100gに、既に含まれている水の量を考慮して、水溶液の形の0.25重量%HCl、次いで希薄H2 O2 溶液(純粋なH2 O2 0.7g)を吹き付けして、系の合計含水率を5.0重量%とした。この材料をガラス製容器に移し、そして絶えず混ぜながら110℃の油浴温度で2時間維持した。解重合の後、HClの添加量を基準にして0.7倍のモル当量の炭酸ナトリウムと混ぜ合わせ、そして再び二三分混合した。
【0048】
表1に記載の特性データを有する非常に低粘度のセルロースエーテルが得られた。
比較例3a
例1のセルロースエーテル粉末100gに、既に含まれる水の量を考慮して、水溶液の形の0.5重量%HClを吹き付けして、系の合計含水率を5.0重量%とした。この材料をガラス製容器に移し、そして絶えず混ぜながら100℃の油浴温度で3時間維持した。解重合した後、HClの添加量を基準にして0.7倍のモル当量の炭酸ナトリウムを混ぜ合わせ、そして再び二三分混合した。
【0049】
表1に記載の特性データを有する非常に低粘度のセルロースエーテルが得られた。
例3b
例1のセルロースエーテル粉末100gに、既に含まれる水の量を考慮して、水溶液の形の0.5重量%HCl、次いで希薄H2 O2 溶液(純粋なH2 O2 1.05g)を吹き付けて、系の合計含水率を5.0重量%とした。この材料をガラス製容器に移し、そして絶えず混ぜながら100℃の油浴温度で3時間維持した。解重合の後、HClの添加量を基準にして0.7倍のモル当量の炭酸ナトリウムを混ぜ合わせ、そして再び二三分混合した。
【0050】
表1に記載の特性データを有する非常に低粘度のセルロースエーテルが得られた。
【0051】
【表1】
測定方法:
1)粉末の白色度
測定はDIN5033に基づく。ドクター・ランゲ社のカラーテスターLFM1を用いて、定められた波長(ブルーフィルター(447nm)、標準光線種C)で反射率を測定することによってエナメル標準白色と対比して測定した(設定:82.7%反射率); 再現性+/−0.5。
【0052】
粒度分布がより小さな値にシフトした際の明色化効果のために、白色度に関しては同等の粒度分布を有する材料しか互いに直接比較することはできない。
2)溶液の色
ドクター・ランゲ社のUV−/VIS−分光光度計CADAS100及びセルロースエーテルの2.0重量%濃度水溶液(キュベェット厚2cm)を用いて、415nm及び578nmでの吸光率(20℃)を測定してその差を計ることによって求めた。値が大きいほど、その溶液がより黄色いことを意味する。溶液の色は粉末の粒度分布に左右されない。しかし、材料の解重合の程度が大きいほど、一層色が濃くなる。この理由から、同等の粘度を有するセルロースエーテルのみを、同じ濃度で互いに比較すべきである。
【0001】
本発明は、酸−酸化分解によって解重合することによって、重合度がより大きい粉砕及び乾燥されたセルロースエーテル、すなわち加工処理済みのこのようなセルロースエーテルから低粘度のセルロースエーテルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
重合度が大きいセルロースエーテルの分解は従来から知られており、様々な方法で行うことができる。この際、特に、非常に低粘度の生成物を与える分解は、このような生成物が、なかでも、薬学的有効物質もしくは種の被覆材としてや、例えば乳化重合に用いられる保護コロイドとして有利に使用することができるため、大きな関心を集めている。以下、水中2.0%濃度(完全乾質基準)として20℃で測定したヘプラー粘度が50mPas以下であるセルロールエーテルを、非常に低粘度の生成物と称する。
【0003】
セルロースエーテルの分解に使用される方法には、アセタール結合の酸触媒加水分解による解裂の他に、なかでも、酸化分解並びに高エネルギー放射線または微生物/酵素による分解などがある。
【0004】
セルロースエーテルの酸化分解のための方法は、就中、米国特許(US−A)第2912431号、米国特許(US−A)第4316982号、スイス特許(CH−B)第461455号、ドイツ特許出願公開(DE−A)第2016203号、英国特許(GB−B)第953944号及びドイツ特許出願公開(DE−A)第19854770号に記載されている。
【0005】
米国特許2912431号には、次亜ハロゲン化物、過酸化物または過ヨウ化物を含水アルコールとの混合物として用いて、同時に漂白しながら40〜80℃の温度下にカルボキシメチルセルロースを分解する方法が記載されている。
【0006】
40〜75重量%の乾質分を有する含水セルロースエーテルを、オゾン/空気/酸素混合物を用いて0〜60℃で分解する方法は米国特許第4316982号に記載されている。
【0007】
スイス特許第461455号は、セルロースエーテルを最高で75重量%の含水量において0.1〜10重量%濃度の過酸化水素水溶液と混合する方法を記載している。次いで、得られた混合物を、H2 O2 が消尽されるまで、100〜250℃で酸化分解、乾燥する。
【0008】
ドイツ特許出願公開第2016203号には、最高で5重量%の含水量を有するできるだけ乾燥した状態の粉末を過酸化水素溶液と混合し、そして50〜150℃で分解することを含む、セルロースエーテルの分解方法が記載されている。
【0009】
英国特許第953944号では、水溶性でかつ非イオン性のセルロースエーテルの粘度低下を、乾燥もしくは含湿状態で、高められた温度下にH2 O2 と反応させることによって達成している。
【0010】
ドイツ特許出願公開第19854770号は、過酸化水素溶液を吹き付けることによって60〜125℃の範囲の温度で含湿セルロースエーテルを解重合する方法を開示している。
【0011】
しかし、セルロースエーテルの酸化分解は、比較的多量の酸化剤使用量またはそれ以外では非選択的な鎖解裂における不釣り合いな程に長い反応時間の故に、通常は、多数の酸化された副生成物の生成をまねき、これらは生成物の純度を下げる。
【0012】
無機または有機酸を用いた簡単でかつ官能基に対して影響のない加水分解による分解法が、例えば、米国特許(US−A)第1679943号、米国特許(US−A)第1943461号、ヨーロッパ特許出願公開(EP−A)第0497985号及びヨーロッパ特許出願公開(EP−A)第0210917号に記載されている。
【0013】
米国特許第1943461号では、予め粉砕したセルロースエーテルを、密閉した圧力釜中で0.7〜5.2barの圧力及び115〜160℃の温度で20〜60分間、それの重量の何倍もの希釈した酸またはこれらの混合物(濃度:0.5〜5重量%)によって分解する。米国特許第1679943号には、セルロースエーテルを様々な酸混合物で分解する方法が記載されており、この方法では、圧力釜も高められた温度もどちらも必要ではない。しかし、特に室温下では、反応時間がかなり長くなり、数日間要する場合もある。
【0014】
ヨーロッパ特許出願公開第0497985号では、銅価が小さいパルプをセルロースエーテルに転化し、そしてこれを洗浄、乾燥、粉砕し次いで約70℃の温度で0.5重量%濃度のHCl水溶液と混合している。得られるセルロースエーテルは、かなり低い粘度を示す(<20mPas、2.0%濃度、20℃)。
【0015】
類似の方法がヨーロッパ特許出願公開第0210917号に記載されている。この方法では、3〜8重量%の割合で水を含むセルロースエーテル粉末を、0.1〜1重量%の量のHCl水溶液を用いて40〜85℃で分解する。
【0016】
非常に低粘度の生成物を与える分解は、特に、HClをガスとして使用することによっても達成することができる。このような方法は、例えば、米国特許(US−A)第3391135号、米国特許(US−A)第4061859号及び国際公開(WO)第00/32637号に記載されている。
【0017】
米国特許第3391135号は、5重量%未満の含水量を有する高粘性セルロースエーテル粉末から30〜80℃で、10mPas未満の溶液粘度(2.0%濃度、20℃)を有するセルロースエーテルを製造するための方法を開示している。過剰のHClガスは除去し、次いでセルロースエーテルは弱塩基を混入することによって中和する。
【0018】
米国特許第4061859号では、0.01〜5重量%の含水量を有する乾燥粉末としてのセルロースエーテルを、15〜80℃の温度でハロゲン化水素で分解し、次いで重炭酸ナトリウムを混入するかまたはアンモニアガスを導入することによって中和する。次いで、分解された材料を上記解重合段階の後に二酸化硫黄ガスと接触させることによって、得られた材料を漂白する。この方法によって、初期粘度が数十万mPasに達するセルロースエーテルを非常に粘度が低い生成物に分解することができる。解重合の後に続く漂白段階は生成物の色を明るくするが、しかしこれは追加の工程を意味する。国際公開第00/32637号では、セルロースエーテルを、解重合を目的として、50〜130℃で絶えず混ぜながら酸と接触させる。
【0019】
加水分解による分解は官能基に対し影響を及ぼさずそして非常に低粘度の生成物の製造に使用することができる。しかし、生成物の色と、褐黒色の生成物の塊状物が形成することを一般的な問題として持つ。この塊状物は、特に、水の不均一な分布及び含水量の多い膠着した領域における酸の濃度の不均一な分布によって形成される。着色されていない生成物を得るためには、次いで漂白段階を設けることがしばしば必要である。この場合、酸化された生成物成分の割合をかなり増加させるような量で酸化剤を使用するか、または窒素もしくは硫黄含有化合物が導入されることにより、新しい副生成物が追加的に生ずる。
【0020】
濃縮された水性スラリー中で酸加水分解による分解と酸化分解とを組み合わせる方法がドイツ特許出願公開第19941893号に記載されている。この方法では、二相系(固体/液体)中で過剰の水を用いて作業を行う。しかし、水(スラリー媒体)とセルロースエーテルの重量部比率は、最大で10:1である。この方法を用いることによって、白色度の高いほぼ均一で塩含有量の少ないセルロースエーテルが得られるが、収率は約80〜96%に減少する。その後のスラリー媒体からの解重合されたセルロースエーテルの分離及びこの分解材料に必要な乾燥及び粉砕作業は、解重合された生成物の高い水保持能力、高い熱可塑性及び強い粘着性の故に非常に困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
それゆえ、本発明の課題は、従来技術の上記の欠点を持たない、セルロースエーテルの解重合方法を提供することであった。特に、酸化された成分をできる限り少ない量でのみ含む他、高い白色度を有する非常に低粘度のセルロースエーテル(≦50mPas)を、高粘度のセルロースエーテル(>50mPas乃至数十万mPas)から定量的な収量で製造するための可能性が探求された。更に、非常に低粘度の生成物において問題が多い乾燥及び粉砕作業も避けられるべきであった。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この課題は、酸−酸化分解によってセルロースエーテルを解重合する方法であって、粉砕及び乾燥したセルロースエーテルを、ガス状の酸でガス処理するかもしくは酸の溶液を吹き付け、及び酸化剤ともしくは酸化剤の溶液と接触させること、並びに50〜120℃の範囲の温度で0.01〜10時間解重合し、次いで塩基を添加することによって酸を中和し、この際、解重合の間の反応混合物の含水率が10重量%を超えてはならないことを特徴とする上記方法によって本発明により解決される。
【0023】
驚くべきことに、酸性試薬及び酸化性試薬を同時に使用しないことには達成できない白色度が、含水率が10重量%未満のセルロースエーテル粉末において酸による分解と酸化分解とを組み合わせることによって達成されることが見出された。少量の酸使用量での効率的な解重合の他に少量の酸化剤との組み合わせが、酸化された副成分の割合を制限しながら、解重合された生成物の白色度を高める。
【0024】
含水率が10重量%未満の加工済みセルロースエーテルを分解するため、その後の材料の乾燥及び粉砕/篩い分けは必要ではない。解重合されたセルロースエーテルが定量的な収量で得られる。それゆえ、ドイツ特許出願公開第19941893号に記載される方法に対する利点は、特に、解重合された生成物の定量的な収量、汚染排水の回避、明らかに減少した酸使用量、及び解重合されたセルロースエーテルの問題の多い乾燥及び粉砕作業の回避である。
【0025】
セルロースエーテルとしては、本発明では、熱水による凝固が可能で、それ故凝固点以上の温度の水を用いて塩を除去することができるものであれば全ての公知のセルロースエーテルを使用することができる。
【0026】
好ましいものは、アルキルセルロース、例えばメチル−、エチル−及びプロピルセルロース、並びにこれらの混合エーテル、例えばヒドロキシエチルメチル−、ヒドロキシプロピルメチル−、エチルヒドロキシエチル−及びエチルメチルセルロースである。
【0027】
使用されるセルロースエーテルの重合度及び粘度に関しては制限はない。しかし、解重合に付す高粘度出発材料としては、好ましくは、2.0%濃度の水溶液での粘度が50mPa・sより大きいセルロースエーテルが使用される。
【0028】
特に好ましくは、本発明では、a)セルロースを0.5〜10モル当量のアルカリでアルカリ化し、b)得られたアルカリセルロースをエーテル化剤を用いてエーテル化し、c)このセルロースエーテルをその凝固点以上の温度で水で洗浄しそして固形物中の含水率が25〜80重量%となるように遠心分離もしくは濾過によってその塩溶液から固形物を分離することによって、上記セルロースエーテルの塩含有率を0.5重量%未満に減少させ、そしてd)この含湿セルロースエーテルを粉砕乾燥装置を用いて50〜120℃の範囲の温度で同時に乾燥及び粉砕して、含水率を10重量%未満にまで減少させる、ことによって得られたセルロースエーテルが使用される。
【0029】
従来法に対する本発明の方法の更に別の利点は、α−セルロース含有率が低い木材パルプも原料パルプとして使用でき、それにもかかわらず高い白色度を有する生成物が生ずるという事実に基づく。すなわち、α−セルロース含有率が少なすぎる場合は(特に、低品質の木材パルプがこのような場合に該当する)、従来技術の方法では、通常、着色した生成物が得られる。この着色は、解重合されたセルロースエーテルの粘度が低いほど強くなる。確かに、従来技術の方法におけるこの問題は、α−セルロース含有率が高い(>99%)リンターパルプ(Linterszellstoffe)を使用することによって最小化することができるが、このような材料は高価であるため、製法の経済性が損なわれる。本発明では、好ましくは、α−セルロース含有率が90〜99.9%、特に好ましくは95〜98%のパルプが使用される。
【0030】
特に好ましい態様の一つでは、本発明の方法によって、水中2.0%濃度(完全乾質基準)で20℃で測定したヘプラー粘度が≦50mPa・sである非常に低粘度のセルロースエーテルが製造される。
【0031】
加水分解による分解に使用される酸としては、鉱酸及び有機酸並びにこれらの混合物が好適である。しかし、好ましいものは鉱酸である。
【0032】
鉱酸としては、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸が使用される。しかし、これらの混合物も使用することができる。
【0033】
有機系強酸としては、好ましくは、トリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸または安息香酸が使用される。また、これらの混合物も使用できる。
【0034】
酸の使用量は、セルロースエーテルの使用量を基準にして、好ましくは0.01〜2重量%の純粋な酸である。しかし、特に好ましくは、1重量%未満、特に0.5重量%未満の量の酸が使用される。好ましくは、pKaが5.0未満の酸が使用される。
【0035】
この際、ガス状の酸によるセルロースエーテルのガス処理または酸溶液の吹き付け処理は、好ましくは、20〜120℃の範囲の温度で行われる。
【0036】
酸化剤としては、好ましくは、過酸化水素もしくはそれの塩、他のパーオキソ化合物、例えばパーオキソ硫酸ナトリウム、オゾン、過ホウ酸塩(活性化剤、例えばTAEDと組み合わせてもよい)、亜塩素酸ナトリウム、ハロゲン、ハロゲン酸化物、並びに他の漂白に使用される化合物が使用される。特に好ましいものは過酸化水素(H2 O2 )及びオゾン(O3 )である。
【0037】
すなわち酸化剤として過酸化水素が使用された場合は、これは反応の間に残留物を残さずに水素及び酸素に分解する。この際、解重合されたセルロースエーテルの使用性を制限するような他の副生成物は生じない。このことは、該生成物は薬剤及び食品の分野において大規模に使用されるため特に重要である。残留物が残らないということに関してオゾンにも同様の考えが当てはまる。
【0038】
酸化剤は、セルロースエーテルを基準にして好ましくは0.01〜3重量%、特に好ましくは0.2〜1.5重量%、特に0.5〜1.0重量%の量で使用される。
【0039】
本発明による酸により触媒された加水分解的−酸化的分解は、好ましくは、50〜120℃の範囲の温度で行われる。特に好ましい温度範囲は60〜110℃である。
【0040】
本発明による酸により触媒された加水分解的−酸化的分解は、好ましくは、100〜1030mbarの範囲の圧力で行われる。特に好ましい圧力範囲は950〜1030mbarである。
【0041】
分解されたセルロースエーテルの水溶液は、一般的に、セルロースエーテル基本骨格上に酸基が生成することによって弱酸性のpH値を示す。このような溶液のpH値は、解重合の後に少なくとも一種の塩基性の塩、例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムを混合することによって、5.5〜8.0のほぼ中性のpH値に調節することができる。この際、この少なくとも一種の塩基性の塩は好ましくは粉末として加えられ、そして具体的には酸の使用量を基準にして0.1〜2.0、特に好ましくは0.5〜1.0モル当量の量で使用される。
【0042】
得られた生成物の粘度は、本質的には、酸及び酸化剤の使用量、反応時間及び反応温度を介して調節することができ、そして再現性が非常に良好である。
【0043】
以下に本発明を実施例に基づいてより詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0044】
以下の例で製造したセルロースエーテルの粘度は、特に断りがない限りは、ハーケ社製のヘプラー落球粘度計を用いて水溶液(純粋なセルロースエーテルに基づき2.0%濃度、20℃)として測定した。
【0045】
記載する酸の使用量は、セルロースエーテルの使用量を基準にした純粋なHClの重量%単位の量である。記載する酸化剤(H2 O2 )の量も、同様に、セルロースエーテルの使用量を基準にした純粋なH2 O2 の重量%単位の量である。
【実施例】
【0046】
例1
高粘度セルロースエーテルの製造
湿分が約3重量%の木材パルプ2.7kgを、水平混合シャフトを備えた反応器中で、窒素雰囲気下にジメチルグリコール11.5kg中に仕込み、そして水0.23kg及び濃苛性ソーダ溶液(49.6%濃度)1.87kgを加えた。30分後、プロピレンオキシド0.56kgを加え、この混合物を80℃に加熱し、そしてこの温度に60分間維持した。次いで、更に4.3kgの49.6%濃度苛性ソーダ溶液及び3.67kgの塩化メチルを加え、100℃に加熱し、そしてこの温度で60分間反応させた。反応の完了後、ジメチルグリコールを減圧下に留去し、そして得られた粗製生成物を沸騰水で数回洗浄し(沸騰水の合計量:100kg)、この際、その都度スラリーから生成物を分離した。スラリーから固形物を分離した後の残留含水率は約55〜65重量%であり、最後の洗浄段階の後の残留塩含有率は0.1重量%であった。こうして得られた材料は、予め80℃に加熱したPPSRタイプのポールマンミル(Pallmann-Muehle)で粉砕すると同時に乾燥して、残留含水率が約1〜3重量%の微粒状セルロースエーテル粉末を得た。OCH3 含有率は29.7%、OC3 H6 含有率は10.2%であり、そして1.9%濃度水溶液として測定して粘度は2600mPa・sであった。
例1の高粘度セルロースエーテルを解重合することにより非常に低粘度のセルロースエーテルを製造した例:
比較例2a
例1のセルロースエーテル粉末100gに、既に含まれる水の量を考慮して水溶液の形の0.25重量%HClを吹き付け、系の合計含水率を5.0重量%とした。この材料をガラス製容器に移し、そして絶えず混ぜながら110℃の油浴温度で2時間維持した。解重合の後、HClの添加量を基準にして0.7倍モル当量の炭酸ナトリウムと混ぜ合わせ、そして再び二三分混合した。
【0047】
表1に記載の特性データを有する非常に低粘度のセルロースエーテルが得られた。
例2b
例1のセルロースエーテル粉末100gに、既に含まれている水の量を考慮して、水溶液の形の0.25重量%HCl、次いで希薄H2 O2 溶液(純粋なH2 O2 0.7g)を吹き付けして、系の合計含水率を5.0重量%とした。この材料をガラス製容器に移し、そして絶えず混ぜながら110℃の油浴温度で2時間維持した。解重合の後、HClの添加量を基準にして0.7倍のモル当量の炭酸ナトリウムと混ぜ合わせ、そして再び二三分混合した。
【0048】
表1に記載の特性データを有する非常に低粘度のセルロースエーテルが得られた。
比較例3a
例1のセルロースエーテル粉末100gに、既に含まれる水の量を考慮して、水溶液の形の0.5重量%HClを吹き付けして、系の合計含水率を5.0重量%とした。この材料をガラス製容器に移し、そして絶えず混ぜながら100℃の油浴温度で3時間維持した。解重合した後、HClの添加量を基準にして0.7倍のモル当量の炭酸ナトリウムを混ぜ合わせ、そして再び二三分混合した。
【0049】
表1に記載の特性データを有する非常に低粘度のセルロースエーテルが得られた。
例3b
例1のセルロースエーテル粉末100gに、既に含まれる水の量を考慮して、水溶液の形の0.5重量%HCl、次いで希薄H2 O2 溶液(純粋なH2 O2 1.05g)を吹き付けて、系の合計含水率を5.0重量%とした。この材料をガラス製容器に移し、そして絶えず混ぜながら100℃の油浴温度で3時間維持した。解重合の後、HClの添加量を基準にして0.7倍のモル当量の炭酸ナトリウムを混ぜ合わせ、そして再び二三分混合した。
【0050】
表1に記載の特性データを有する非常に低粘度のセルロースエーテルが得られた。
【0051】
【表1】
測定方法:
1)粉末の白色度
測定はDIN5033に基づく。ドクター・ランゲ社のカラーテスターLFM1を用いて、定められた波長(ブルーフィルター(447nm)、標準光線種C)で反射率を測定することによってエナメル標準白色と対比して測定した(設定:82.7%反射率); 再現性+/−0.5。
【0052】
粒度分布がより小さな値にシフトした際の明色化効果のために、白色度に関しては同等の粒度分布を有する材料しか互いに直接比較することはできない。
2)溶液の色
ドクター・ランゲ社のUV−/VIS−分光光度計CADAS100及びセルロースエーテルの2.0重量%濃度水溶液(キュベェット厚2cm)を用いて、415nm及び578nmでの吸光率(20℃)を測定してその差を計ることによって求めた。値が大きいほど、その溶液がより黄色いことを意味する。溶液の色は粉末の粒度分布に左右されない。しかし、材料の解重合の程度が大きいほど、一層色が濃くなる。この理由から、同等の粘度を有するセルロースエーテルのみを、同じ濃度で互いに比較すべきである。
Claims (17)
- 酸−酸化分解によってセルロースエーテルを解重合する方法であって、粉砕及び乾燥したセルロースエーテルを、ガス状の酸でガス処理するかまたは酸の溶液を吹き付けること、及び酸化剤とまたは酸化剤の溶液と接触させること、並びに50〜120℃の範囲の温度下に0.01〜10時間の間解重合し、次いで塩基を添加することによって酸を中和し、この際、解重合の間の反応混合物の含水率が10重量%を超えてはならないこと、を特徴とする上記方法。
- セルロースエーテルとして、メチル−、エチル−、プロピル−、ヒドロキシエチルメチル−、ヒドロキシプロピルメチル−、エチルヒドロキシエチル−またはエチルメチルセルロースを使用することを特徴とする、請求項1の方法。
- a)セルロースを0.5〜10モル当量のアルカリでアルカリ化し、
b)得られたアルカリセルロースをエーテル化剤でエーテル化し、
c)得られたセルロースエーテルを、それの凝固点を超える温度の水で洗浄し、そして固形物中の含水率が25〜80重量%となるように遠心分離または濾過によってその塩溶液から固形物を分離することによって、塩含有率を0.5重量%未満にまで減少させ、そして
d)得られた含湿セルロースエーテルを、粉砕乾燥装置を用いて50〜120℃の範囲の温度で同時に乾燥及び粉砕して、含水率を10重量%未満とする、
ことによって得られたセルロースエーテルを使用することを特徴とする、請求項1または2の方法。 - 段階a)において、α−セルロース含有率が90〜99.9%であるセルロースを使用することを特徴とする、請求項3の方法。
- 解重合されたセルロースエーテルが、水中2.0%濃度(完全乾質基準)で20℃で測定して≦50mPa・sのヘプラー粘度を有することを特徴とする、請求項1〜4の少なくとも一つの方法。
- 酸として鉱酸及び/または有機酸を使用することを特徴とする、請求項1〜5の少なくとも一つの方法。
- 鉱酸として塩酸、硫酸、硝酸及び/またはリン酸を使用することを特徴とする、請求項6の方法。
- 有機酸としてトリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸及び/または安息香酸が使用されることを特徴とする、請求項6の方法。
- 使用されるセルロースエーテルを基準にして、酸が、0.01〜2重量%の純粋な酸の量で使用されることを特徴とする、請求項1〜8の少なくとも一つの方法。
- 酸化剤として、パーオキソ化合物、オゾン、過ホウ酸塩、亜塩素酸ナトリウム、ハロゲン及び/またはハロゲン酸化物が使用されることを特徴とする、請求項1〜9の少なくとも一つの方法。
- 酸化剤として過酸化水素が使用されることを特徴とする、請求項10の方法。
- 酸化剤としてオゾンが使用されることを特徴とする、請求項10の方法。
- 酸化剤が、セルロースエーテルを基準にして0.01〜3重量%の量で使用されることを特徴とする、請求項1〜12の少なくとも一つの方法。
- 酸により触媒された加水分解的−酸化的分解が、50〜120℃の範囲の温度で行われることを特徴とする、請求項1〜13の少なくとも一つの方法。
- 酸により触媒された加水分解的−酸化的分解が、100〜1030mbarの範囲の圧力で行われることを特徴とする、請求項1〜14の少なくとも一つの方法。
- 解重合の後に、酸の使用量を基準にして0.1〜2.0モル当量の少なくとも一種の塩基性塩が加えられることを特徴とする、請求項1〜15の少なくとも一つの方法。
- 塩基性の塩として炭酸ナトリウム及び/または炭酸水素ナトリウムが使用されることを特徴とする、請求項16の方法。
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