JP2005352303A - 反射防止膜及び反射防止膜を有する光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大きな入射角度の光に対しても優れた反射防止特性を有する反射防止膜及びかかる反射防止膜を有する光学素子を提供する。
【解決手段】 基材1の表面11に形成され、複数の層からなる反射防止膜2であって、基材1及び各層の屈折率は基材1から順に小さくなっており、各層とその隣の層及び基材1とそれに接触する層21との屈折率差が0.02〜0.2であり、各層の物理層厚が15〜200 nmであり、各層のうち入射媒質側に形成された少なくとも2層は(a) 多孔質層であって、(b) 異なる空隙率を有する反射防止膜、及びかかる反射防止膜を有する光学素子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材の表面に形成される反射防止膜に関し、特に光ピックアップ装置や半導体装置に用いる大きな開口数(NA)を有するレンズに好適な反射防止膜及び係る反射防止膜を有する光学素子に関する。
光ピックアップ装置や半導体装置の対物レンズの表面には、入射光を効率よく透過させるために反射防止膜がコーティングされている。例えば単層の反射防止膜は、反射防止膜表面での反射光と、反射防止膜とレンズの境界での反射光との光路差が波長の1/2の奇数倍となってこれらの光が干渉により打ち消し合う厚さになるように設計される。一般的にはレンズの中心(光線入射角度が0°)付近で反射防止効果が最大となるような膜厚に設計する場合が多く、このように設計された反射防止膜の反射率は、入射光が反射防止膜に垂直となる領域で最小値を示す。対物レンズは、表面の中心に垂直(光線入射角度が0°)に集光すべき光が入射するように配置される。しかしながら対物レンズのレンズ面は曲面であるため、垂直入射の条件をほぼ満たすのは光軸周辺の極めて限られた範囲のみである。このためレンズ周辺部では、光線入射角度が大きいので単層反射防止膜の設計条件から大きくずれてしまい、入射光の反射率が高い。
一方、複数の層からなる反射防止膜(多層反射防止膜)は、各層の界面で生じた反射光と、各層に入射する光とが干渉によって相殺し合うように設計されている。特願平9-335909号(特許文献1)には、基材側に導電性光吸収膜が形成され、この上に高屈折率透明膜と低屈折率透明膜がこの順で交互にそれぞれ複数層形成された反射防止膜が記載されている。高屈折率透明膜及び低屈折率透明膜の好ましい厚さは、基材側から順に15〜30 nm(高屈折率層)、15〜30 nm(低屈折率層)、10〜314 nm(高屈折率層)、60〜120 nm(低屈折率層)であると記載されている。このように異なる厚さの層を有する反射防止膜は、広い波長範囲で反射光と入射光との干渉を起こす。従って対物レンズの表面に形成すると、光軸からある程度離れた位置でも反射防止効果が得られる。
しかしながら、光ピックアップ装置等の対物レンズは大きな開口数を有しており、レンズ周辺部では60°以上の光線入射角度を有するので、特許文献1のように異なる厚さの層からなっていても、周辺部では有効な反射防止効果を示すことができない。さらにレンズ等の曲面に反射防止膜を形成すると、レンズ周辺部の物理膜厚はレンズ中心部に比較して小さくなる傾向があり、レンズ中心を基準に膜厚設計すると、レンズ周辺部における反射防止膜の膜厚は設計膜厚から大きくずれてしまうという問題もある。反射防止特性は膜厚に大きく依存するため、設計膜厚からずれていると有効な反射防止効果を示すことができない。従って、レンズ周辺部においては、光線入射角度が大きい上に設計膜厚からのずれも大きく、十分な反射防止効果を得られない。
特開平9-335909号公報
従って、本発明の目的は、大きな入射角度の光に対して優れた反射防止特性を有し、かつ反射防止特性の膜厚依存性が小さい反射防止膜、及び係る反射防止膜を有する光学素子を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、複数の層からなる反射防止膜であって、各層の屈折率が基材から順に小さくなっており、入射媒質側に空隙率の異なる複数の多孔質層を有するものは、優れた反射防止特性を有することを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の反射防止膜は基材の表面に形成され、複数の層からなるもので、前記基材及び各層の屈折率は前記基材から順に小さくなっており、前記層とその隣の層及び前記基材とそれに接触する層との屈折率差が0.02〜0.2であり、各層の物理層厚が15〜200 nmであり、各層のうち入射媒質側に形成された少なくとも2層は(a) 多孔質層であって、(b) 異なる空隙率を有することを特徴とする。
前記多孔質層はシリカエアロゲル層であるのが好ましい。前記シリカエアロゲル層の空隙率は30〜90%であるのが好ましい。前記シリカエアロゲル層は疎水化処理されているのが好ましい。各層はウェット法によって形成されたものであるのが好ましい。
本発明の光学素子は、本発明の反射防止膜を有することを特徴とする。
本発明の反射防止膜は基材の表面に形成され、複数の層からなる反射防止膜であって、前記基材及び各層の屈折率は前記基材から順に徐々に小さくなっている。具体的には、隣接する層間の屈折率差、及び基材とそれに接触する層との屈折率差が0.02〜0.2であり、各層の物理層厚が15〜200 nmである。また各層のうち表面側の少なくとも2層は多孔質層であって、互いに異なる空隙率を有するものである。このような反射防止膜は、基材から入射媒質にかけて屈折率が滑らかに減少したものに近い状態であり、各層の界面において光線を反射し難い。従って反射率の膜厚依存性が小さく、物理膜厚を増減させても反射率の変化は小さい。また大きな光線入射角度の光に対しても優れた反射防止特性を有することができる。
本発明の光学素子は、レンズ表面に本発明の反射防止膜を有している。このため開口数の大きなレンズであっても周辺部における反射防止特性に優れており、光ピックアップ等の対物レンズに好適である。
[1] 反射防止膜を有する光学素子
図1は反射防止膜を有する光学素子を示す。この光学素子はレンズ1と、レンズ1の表面11に形成された反射防止膜2とからなる。図中の反射防止膜2は、実際より厚く描かれている。図1に示す反射防止膜2は6層構成であるが、本発明はこれに限定されず、2〜5層、及び7層以上の薄層を有するものを含む。
レンズ1の表面11に第一層21が形成されており、その上に第二層22、第三層23、第四層24、第五層25及び第六層26がこの順に形成されている。第一層21、第二層22及び第三層23は緻密層であり、第四層24、第五層25及び第六層26は多孔質層である。第六層26は入射媒質aに接触している。各層の厚さはレンズ1の中心110で最大であり、周辺部12にかけて徐々に小さくなっている。本明細書中、レンズ1の周辺部12は、レンズ1の有効径をRとすると、中心軸からの距離が2R/5〜R/2の部分を示す。各層の厚さの和である反射防止膜2の厚さも、中心110から周辺部12にかけて徐々に小さくなっている。
反射防止膜2の物理膜厚は基板傾斜角度θに依存する。基板傾斜角度θは、図3に示すように、レンズ1の中心110に接する面Foと、表面11上の点tに接する面Fとのなす角度を示す。基板傾斜角度θにおける反射防止膜2の物理膜厚D(θ)は、下記式(1)
D(θ)= D0・(cosθ)x ・・・(1)
(ただし、θは基板傾斜角度を示し、D0はレンズの中心における反射防止膜2の物理膜厚を示し、Xは0以上1以下の定数を示し、0°<θ90°である。)により表すことができる。物理膜厚D(θ)はθの増加に伴って小さくなる。Xは反射防止膜2の成膜条件(成膜方法、成膜材料、成膜装置等)に依存する定数である。なお光線Lが平行光の場合、レンズ表面11への入射角度は基板傾斜角度θに等しい。
図4は、基板傾斜角度θと反射防止膜2の膜厚比D(θ)/D0との関係の一例を示す。この反射防止膜2は、曲率半径約2mmのレンズ1表面に、真空蒸着法(減圧n度1×10-6 Torr、真空蒸着4分)により、フッ化マグネシウムからなる反射防止膜2を形成したものである。このグラフは、(cosθm)0.7に近似される。
図2は反射防止膜2の物理膜厚と屈折率との関係を概略的に示す。レンズ1の中心110における各層の物理層厚dはほぼ等しい。本明細書中、「物理層厚」は反射防止膜2を構成する各層の物理的な厚さを示す。各層の物理層厚dは、15〜200 nmである。屈折率はレンズ1で最大であり、入射媒質aで最小であり、第一層21から第六層26にかけて順に小さくなっている。各層の間、第一層21とレンズ1との間、及び第六層26と入射媒質aとの間の屈折率差rはほぼ等しく、それぞれ0.02〜0.2である。このため物理層厚に対する屈折率の変化は階段状であり、かつ直線に概略近似できる程度の滑らかさを有する。このようにレンズ1から入射媒質aにかけての物理層厚に対する屈折率の変化が滑らかであるので、巨視的にみるとレンズ1から入射媒質aにかけて屈折率が徐々に減少している状態になっており、各層の界面において入射光の反射が起こり難い。従って反射防止膜2が優れた反射防止効果を示すことができる。構成層の数にもよるが、中心110における反射防止膜2の物理膜厚Dは100〜1000 nm程度であるのが好ましい。
物理層厚dが15〜200 nmの範囲でなかったり、屈折率差rが0.02〜0.2の範囲でなかったりすると、各層の物理層厚dに対する屈折率の変化が滑らかでない。このため、界面における反射率が大きくなってしまう。例えば第二層22の物理層厚dが15 nm未満であると、第二層22によって得られる効果が小さ過ぎるので、第一層21の屈折率から第三層23に屈折率に急激に変化したのと変わらなくなってしまう。第二層22の物理層厚dが200 nm超であると、第二層22による干渉が可視域に生じ、反射防止効果を損なうので好ましくない。
反射防止膜2の各層のうち緻密な層は、金属酸化物等の無機材料のみからなる層でも良いし、無機微粒子とバインダからなる複合層(以下、無機微粒子−バインダ複合層と言う)でも良いし、樹脂からなる層でも良い。各層の材料は、レンズ1の屈折率より小さく入射媒質aの屈折率より大きな屈折率を有するものの中から選択することができる。ただし、隣接する層の屈折率差rは0.02〜0.2となるようにする必要がある。
例えばレンズ1がランタンクラウンガラス(LaKガラス)からなり、入射媒質aが空気の場合、レンズ1の屈折率は1.72であって、入射媒質aの屈折率は1であるので、各層の材料は1.02〜1.7の屈折率を有するものから選択される。1.02〜1.7の屈折率を有する無機材料の例としてフッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化セリウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、クライオライト、チオライト及びこれらの混合物が挙げられる。
無機微粒子−バインダ複合層の例としてフッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化セリウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、クライオライト、チオライト、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ハフニウム及び酸化亜鉛からなる群より選択された少なくとも一種の無機物の微粒子をバインダに分散させたものが挙げられる。無機微粒子−バインダ複合層の屈折率は、無機微粒子の組成及び含有率、並びにバインダーの組成に依存する。
1.02〜1.7の屈折率を有する樹脂の例として、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂及びウレタン樹脂が挙げられる。一般的に知られているフッ素樹脂にはポリテトラフルオロエチレン樹脂、パーフルオロエチレンプロピレン樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ポリビニリデンフルオライド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂がある。これらの樹脂は使用可能であるが、結晶性を有するものが多いので、透明な反射防止膜2を形成するにはあまり好ましくない。一方、非結晶性のフッ素樹脂からなる層は優れた透明性を有する。非結晶性のフッ素樹脂の具体例として、フルオロオレフィン系の共重合体、含フッ素脂肪族環構造を有する重合体、フッ素化アクリレート系の共重合体が挙げられる。フルオロオレフィン系の共重合体の例として37〜48質量%のテトラフルオロエチレンと、15〜35質量%のビニリデンフルオライドと、26〜44質量%のヘキサフルオロプロピレンとが共重合したものが挙げられる。含フッ素脂肪族環構造を有する重合体には、含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーが重合したものや、少なくとも二つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合したものがある。
多孔質層としては、シリカエアロゲル層が特に好ましい。シリカエアロゲル層の空隙率は90%以下であるのが好ましい。空隙率90%超であると、機械的強度が小さすぎる。シリカエアロゲル層の屈折率は空隙率に依存する。大きな空隙率を有するシリカエアロゲル層ほど、小さな屈折率を有する。例えば空隙率35%のシリカエアロゲル層は屈折率約1.3であり、空隙率78%のシリカエアロゲル層は屈折率約1.1である。90%以下の空隙率を有するシリカエアロゲル層の屈折率は、概ね1.05〜1.35である。シリカエアロゲル層は疎水化処理されているのが好ましい。疎水化処理されたシリカエアロゲル層は、優れた耐水性及び耐久性を有する。
反射防止膜2の層構成の一例として、第一層21が酸化アルミニウム(屈折率1.64)からなり、第二層22が酸化ケイ素(屈折率1.46)からなり、第三層23がフッ化マグネシウム(屈折率1.38)からなり、第四層〜第六層24,25,26が多孔質酸化ケイ素からなるものが挙げられる。層構成の別の例として、第一層21が酸化ジルコニウムとバインダからなり、第二層22がコロイダルシリカとバインダからなり、第三層23がフッ素含有紫外線硬化性樹脂からなり、第四層〜第六層24,25,26がシリカエアロゲルからなるものが挙げられる。
反射防止膜2の反射防止特性は物理膜厚に依存し難い。本明細書中、「反射防止特性」は反射率及び透過率を示し、「優れた反射防止特性を有する」は小さな反射率及び大きな光透過率を有することを示す。反射防止特性の膜厚依存性が小さいと、周辺部12においても優れた反射防止特性を示すことができる。また反射防止膜2を成膜する際に、物理膜厚D0を精密に制御する必要が無い。例えば反射防止膜2の物理膜厚D0を±50%ずらした場合、レンズ1の中心110における反射率の変動は2%未満であり、光透過率の変動も2%未満である。
反射防止膜2の反射防止特性は光線入射角度にも依存し難い。反射防止膜2は、基板傾斜角度θの大きい部分においても、優れた反射防止特性を示す。基板傾斜角度θ0°である中心110における反射率に対して、基板傾斜角度θ65°の位置における反射率の増加は6%未満である。
反射防止膜2は広い波長範囲の光に対して優れた反射防止特性を示す。具体的には設計波長〜±200 nmの波長の光を照射しても、反射率は設計波長の反射率+2%程度の範囲に入る。
レンズ周辺部12は大きな基板傾斜角度θを有し、かつ周辺部12に形成する反射防止膜2は中心110より小さい物理膜厚であるものの、上述のとおり反射防止膜2の反射防止特性は物理膜厚及び光線入射角度に対する小さな依存性を有するので、周辺部12においても優れた反射防止特性を有する。従って反射防止膜2を有する光学素子は、レンズ1の周辺部12においても比較的光線を反射し難い。このような光学素子は素子全体として多くの光量を透過させるものであるので、素子全体として優れた反射防止特性を有すると言える。
[2] 反射防止膜の製造方法
無機物のみからなる層は蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、熱CVD、プラズマCVD、光CVD等の化学蒸着法等によって形成することができる。無機微粒子−バインダ複合層はディッピング法、スピン法、スプレー法、ロールコティング法、スクリーン印刷法等の湿式の方法で形成することができる。樹脂層は化学蒸着法やウェット法で形成可能である。各層をウェット法で形成すると、反射防止膜2を低コストで作製可能である。
(1) 緻密層の形成
ウェット法を例にとって、無機微粒子−バインダ複合層及びフッ素樹脂層の製造方法を説明する。
(a) 無機微粒子−バインダ複合層
(a-1) 無機微粒子含有スラリーの調製
無機微粒子と、バインダ成分とを含有するスラリーを調製する。本明細書中、バインダ成分とは重合により、バインダとなるモノマー及び/又はオリゴマーを言う。
無機微粒子の平均粒径は5〜80 nm程度であるのが好ましい。平均粒径80 nm超であると、反射防止膜が透明性が悪くなりすぎる。平均粒径は5nm未満のものは作製困難である。好ましい無機微粒子の例として、上述の無機材料からなるものが挙げられる。より好ましい無機微粒子としては、コロイダルシリカからなるものが挙げられる。コロイダルシリカは表面処理されているのが好ましい。コロイダルシリカはシランカップリング材等によって表面処理することができる。
無機微粒子/バインダ成分の質量比は0.05〜0.7とするのが好ましい。無機微粒子/バインダ成分の質量比が0.7超であると、均一に塗布し難過ぎる上、形成する層が脆過ぎる。質量比0.05未満であると、所望の屈折率にし難過ぎる。
バインダ成分は、紫外線硬化性又は熱硬化性の化合物であるのが好ましく、紫外線硬化性化合物であるのがより好ましい。紫外線硬化性の化合物を用いると、非耐熱性の基材1にもバインダを含有する反射防止膜2を設けることができる。紫外線硬化性及び/又は熱硬化性の化合物の例としてラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物及びアニオン重合性化合物が挙げられる。これらの化合物を併用しても良い。バインダ成分はモノマーでも良いし、オリゴマーでも良い。
ラジカル重合性化合物としては、アクリル酸エステルが好ましい。ラジカル重合性化合物の具体例として2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシ3-フェノキシプロピルアクリレート、カルボキシポリカプロラクトンアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸及びアクリルアミド等の単官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート及びペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート等のジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート誘導体及びジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、並びにこれらが重合したオリゴマーが挙げられる。
カチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物が好ましい。具体例としてはフェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、1,2,8,9-ジエポキシリモネン、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3',4'-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート及びビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)アジペートが挙げられる。
ラジカル重合性及び/又はカチオン重合性のバインダ成分を使用する場合、無機微粒子含有スラリーにラジカル重合開始剤及び/又はカチオン重合開始剤を添加する。ラジカル重合開始剤としては紫外線照射によりラジカルを発生する化合物が用いられる。好ましいラジカル重合開始剤の例としてベンジル、ベンゾフェノンやその誘導体、チオキサントン類、ベンジルジメチルケタール類、α-ヒドロキシアルキルフェノン類、ヒドロキシケトン類、アミノアルキルフェノン類及びアシルホスフィンオキサイド類が挙げられる。ラジカル重合開始剤の添加量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部程度である。
カチオン重合開始剤としては、紫外線照射によりカチオンを発生する化合物が用いられる。カチオン重合開始剤の例としてジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。カチオン重合開始剤の添加量は、カチオン重合性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部程度である。
2種以上の無機微粒子及び/又はバインダをスラリーに配合しても良い。また物性を損なわない範囲であれば、分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤等、一般的な添加剤を使用することができる。
スラリーの濃度は形成する薄膜の厚さに影響する。溶剤の例としてメタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、2-ブチルアルコール、i-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、3-メトキシプロパノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール等のアルコキシアルコール類、ジアセトンアルコール等のケトール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi-ブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が挙げられる。溶剤の使用量は無機微粒子とバインダ成分の合計100質量部あたり、20〜10000質量部である。
(a-2) 薄層化
ディッピング法、スピン法、スプレー法、ロールコティング法、スクリーン印刷法等によって基材に無機微粒子含有スラリーの層を形成する。例えばディッピング法による場合、形成する層の厚さはスラリーの濃度、浸漬時間、引き上げ時間等によって制御することができる。
無機微粒子含有スラリー層中のバインダ成分を重合させる。バインダ成分が紫外線硬化性の場合、UV照射装置を用いて50〜3000 mJ/cm2程度でUV照射すると、バインダ成分が重合し、無機微粒子とバインダからなる薄層が形成する。層の厚さにも拠るが、照射時間は通常0.1〜60秒程度である。
無機微粒子含有スラリーの溶剤を揮発させる。溶剤を揮発させるには、スラリーを室温で保持しても良いし、30〜100℃程度に加熱しても良い。
(b) フッ素樹脂層
(b-1) フッ素含有組成物溶液の調製
フッ素樹脂層を形成するには、(a) フッ素含有オレフィン系重合体と、架橋性化合物とを含有する組成物の溶液を基材等に塗布した後で架橋させても良いし、(b) フッ素含有オレフィン系化合物及びこれと共重合する単量体等を含有する組成物の溶液を塗布した後、重合させても良い。フッ素含有組成物を用いてフッ素樹脂層を形成する方法については、特開平07-126552号、特開平11-228631号、特開平11-337706号等に詳細に記載されている。
市販のフッ素含有組成物を適当な溶剤と混合しても良い。使用可能なフッ素含有組成物の例としてオプスター(ジェイエスアール株式会社製)、サイトップ(旭硝子株式会社製)が挙げられる。好ましい溶剤としてメチルエチルケトン、メチルi-ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が挙げられる。フッ素含有オレフィン系重合体及び/又はフッ素含有オレフィン系化合物の濃度は、5〜80質量%とするのが好ましい。
(b-2) 薄層化
フッ素樹脂層を形成する方法は、フッ素含有組成物溶液を使用する以外上記(a-2)とほぼ同じであるので、相違点のみ以下に説明する。フッ素含有組成物溶液の層を形成した後、架橋反応又は重合反応させる。架橋性化合物又はフッ素含有オレフィン系化合物等が熱硬化型の場合、100〜140℃に加熱して30〜60分程度保持するのが好ましい。紫外線硬化型の場合、UV照射装置を用いて50〜3000 mJ/cm2程度でUV照射する。層の厚さにも拠るが、照射時間は通常0.1〜60秒程度である。
(c) 多層化
第一層を形成した後、無機微粒子含有スラリー又はフッ素含有組成物溶液からなる層をその上に形成する工程と、得られた薄層に紫外線照射して重合する工程とを繰り返すことにより、緻密層を積層することができる。屈折率の条件を満たすのであれば、無機微粒子−バインダ複合層上にフッ素樹脂層を積層しても良いし、フッ素樹脂層上に無機微粒子−バインダ複合層を積層しても良い。
(2) 多孔質層の形成
疎水化処理シリカエアロゲル層を積層する場合を例にとって、多孔質層の製造方法を説明する。
(a) シリカエアロゲル層の原料
(a-1) アルコキシシラン及びシルセスキオキサン
アルコキシシラン及び/又はシルセスキオキサンの加水分解重合により、シリカゾル及びシリカゲルが生成する。アルコキシシランはモノマーでも、オリゴマーでも良い。アルコキシシランモノマーはアルコキシル基を3つ以上有するものが好ましい。アルコキシル基を3つ以上有するアルコキシシランを出発原料とすることにより、優れた均一性を有する反射防止膜が得られる。アルコキシシランモノマーの具体例としてはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン及びジメチルジエトキシシランが挙げられる。アルコキシシランオリゴマーとしては、上述のモノマーの縮重合物が好ましい。アルコキシシランオリゴマーはモノマーの加水分解重合により得られる。
シルセスキオキサンを出発原料とした場合も、優れた均一性を有する反射防止膜が得られる。シルセスキオキサンは一般式RSiO1.5(ただしRは有機官能基を示す。)により表されるネットワーク状ポリシロキサンの総称である。Rとしては、例えばアルキル基(直鎖でも分岐鎖でも良く、炭素数1〜6である。)、フェニル基、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基等)が挙げられる。シルセスキオキサンはラダー型、籠型等種々の構造を有することが知られており、分子内に空孔を有するものもある。また優れた耐候性、透明性及び硬度を有しており、シリカエアロゲルの出発原料として好適である。
(a-2) 溶媒
好ましい溶媒は水とアルコールの混合物である。アルコールとしてはメタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコールが好ましく、エタノールが特に好ましい。溶媒の水/アルコール体積比は1〜2であるのが好ましい。水/アルコール比が2超であると、溶媒の揮発に時間がかかり過ぎる。水/アルコール比が1未満であると、アルコキシシラン及び/又はシルセスキオキサン(以下、単に「アルコキシシラン等」という)の加水分解が十分に起こらない。
(a-3) 触媒
アルコキシシラン等の水溶液に触媒を添加するのが好ましい。適当な触媒を添加することによりアルコキシシラン等の加水分解反応を促進することができる。触媒は酸性でも塩基性でも良い。具体的には塩酸、アンモニア、アミン、NaOH、KOHが挙げられる。好ましいアミンとしてはアルコールアミン、アルキルアミン(例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、n-ブチルアミン、n-プロピルアミン。)が挙げられる。
(b) シリカゲルの作製
水とアルコールからなる溶媒に、アルコキシシラン等を溶解する。溶媒/アルコキシシラン等のモル比は5〜40にするのが好ましい。モル比が5未満であると、アルコキシシラン等が溶解し難過ぎる。モル比が40超であると、シリカゲルの乾燥に時間がかかり過ぎる。触媒/アルコキシシラン等のモル比は1×10-3〜3×10-2にするのが好ましく、3×10-3〜1×10-2にするのがより好ましい。モル比が1×10-3未満であると、アルコキシシラン等の加水分解が十分に起こらない。モル比を3×10-2超としても、触媒効果は増大しない。
アルコキシシラン等、触媒及び溶媒を含む水溶液を撹拌(又は撹拌及び熟成)すると、湿潤ゲルが生成する。アルコキシシラン等、触媒及び溶媒を含む水溶液を15〜60℃で60〜120分撹拌し、アルコール及び塩基性触媒を添加した後、15〜30℃で20〜60時間撹拌し、40〜60℃で20〜60時間熟成するのが好ましい。熟成するには、40〜60℃の温度でゆっくり撹拌するか、静置するのが好ましい。湿潤ゲルは、直径20〜50 nm程度のシリカゲルの2次粒子が疎に三次元ネットワークを形成したものである。湿潤ゲルをアルコール及び/又はヘキサンで洗浄すると、脱水(溶媒置換)することができる。
(c) 疎水化処理
シリカゲルを疎水化処理溶液に浸漬することにより、表面を疎水化処理する。好ましい疎水化処理剤は下記式(2)〜(7)
MpSiClq ・・・(2)
M3SiNHSiM3 ・・・(3)
MpSi(OH)q ・・・(4)
M3SiOSiM3 ・・・(5)
MpSi(OM)q ・・・(6)
MpSi(OCOCH3)q ・・・(7)
(ただしpは1〜3の整数であり、qはq = 4−p を満たす1〜3の整数であり、Mは水素、アルキル基又はアリール基であり、アルキル基は置換又は無置換であって炭素数1〜18であり、アリール基は置換又は無置換であって炭素数5〜18である。)のいずれかにより表される化合物及びそれらの混合物である。
疎水化処理剤の具体例としてトリエチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、アセトキシトリメチルシラン、アセトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、2-トリメチルシロキシペント-2-エン-4-オン、n-(トリメチルシリル)アセトアミド、2-(トリメチルシリル)酢酸、n-(トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルプロピオレート、ノナメチルトリシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール、t-ブチルジメチルシラノール及びジフェニルシランジオールが挙げられる。
疎水化処理溶液の溶媒はヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物が好ましい。
疎水化処理剤の種類や濃度にもよるが、疎水化処理は10〜40℃で行うのが好ましい。10℃未満であると、疎水化処理剤がシリカと十分に反応し難過ぎる。40℃超であると、疎水化処理剤がシリカ以外と反応して副生物を生成し易過ぎる。反応中、溶液の温度及び濃度に分布が生じないように、溶液を撹拌するのが好ましい。例えば疎水化処理溶液がトリエチルクロロシランのヘキサン溶液の場合、10〜40℃で20〜40時間(例えば30時間)程度保持すると、シラノール基が十分にシリル修飾される。シラノール基の修飾率は、10〜30%程度であるのが好ましい。
疎水化反応終了後、疎水化処理シリカゲルを洗浄する。洗浄にはヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン等を使用するのが好ましい。
(d) 疎水化シリカ含有ゾルの調製
疎水化シリカ含有ゾルを調製するには、疎水化処理シリカゲルに分散媒を加えた後、機械的撹拌又は超音波照射する。超音波照射には、超音波振動子を利用した分散装置を使用することができる。照射する超音波の周波数は10〜30 kHzとするのが好ましく、超音波照射装置の出力は300〜900 Wとするのが好ましい。
超音波照射時間は5〜120分間とするのが好ましい。超音波照射する時間が長いほど、疎水化処理シリカゲルが細かく粉砕され、凝集の少ない状態になる。このためゾル中で、疎水化シリカが単分散に近い状態になる。超音波照射時間を5分間未満とすると、微粒子が十分に解離しない。超音波照射時間を120分間超としても、疎水化シリカの解離状態はほとんど変わらない。
分散媒に対する疎水化処理シリカゲルの比率は0.1〜20質量%とするのが好ましい。疎水化処理シリカゲルの分散媒に対する比率が0.1〜20質量%の範囲でないと、疎水化シリカ含有ゾルによって均一な薄層を形成し難過ぎる。
(e) 薄層化
疎水化シリカ含有ゾルを緻密層又は多孔質層上に塗布する。塗布方法の例としてスプレーコート法、スピンコート法、ディップ法、フローコート法が挙げられる。これらのうちディップ法は、ゾルの濃度が大きい場合も小さい場合も比較的良好な塗布性を示す。
単分散に近い状態の疎水化シリカを含有するゾルを用いると、小さな空隙率を有するシリカエアロゲル層を形成することができる。凝集した状態の疎水化シリカを含有するゾルを用いると、大きな空隙率を有するシリカエアロゲル層を形成することができる。すなわち、超音波照射時間はシリカエアロゲル層の空隙率に影響すると言うことができる。5〜120分間超音波照射したゾルをディップコートすると、空隙率25〜90%のシリカエアロゲル層を得ることができる。
シリカゲル含有ゾルを塗布し、塗布層を乾燥した後、80〜300℃で焼成する。焼成温度が80℃未満であると、ゲル化が十分に進行しない。300℃超であると、疎水基の脱離によってシリカが親水化し過ぎる。乾燥及び焼成によりゾルがゲル状になり、疎水化処理シリカエアロゲル層が形成する。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
図1に示す形状を有するレンズの表面に下記(1) 及び(2) に示すようにして多層反射防止膜を形成し、光透過率及び耐水性を調べた。
(1) 緻密層の形成
(i) 第一層
酸化チタン微粒子(平均粒径20 nm)1g、ペンタエリスリトールトリアクリレート15 g、重合開始剤(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォリノプロパノン-1)0.5 g、メタノール300 mL、プロピレングリコールモノエチルエーテル75 mLを混合し、酸化チタン含有スラリーを得た。図1に示す形状を有し、LaFK55からなるレンズ(波長550 nmにおける屈折率:1.697)の表面に、酸化チタン含有スラリーをディップコートした後、形成したスラリーの層にUV照射装置(フュージョンシステムズ社製)を用いて1500 mJ/cm2で紫外線照射し、第一層を形成した。第一層の屈折率は1.64であり、物理層厚は91 nmであった。
(ii) 第二層
シリコーンハードコート液(ジーイー東芝シリコーン株式会社製、商品名UVHC 8558)30 mLと、i-プロピルアルコール270 mLを混合し、得られた溶液を第一層上にディップコートし、これに紫外線照射した以外上記(i) と同様にして、第二層を形成した。第二層の屈折率は1.47であり、物理層厚は102 nmであった。
(iii) 第三層
パーフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとの共重合体30 g、重合開始剤(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォリノプロパノン-1)1.5 g、メチルi-ブチルケトン1000 mLを混合し、得られたフッ素含有共重合体溶液を第二層上にディップコートし、これに紫外線照射した以外上記(i) と同様にして、第三層を形成した。第三層の屈折率は1.39であり、物理層厚は108 nmであった。
(2) 多孔質層の形成
(i) 疎水化処理シリカゲルの作製
テトラエトキシシラン5.21 gと、エタノール4.38 gとを混合した後、塩化水素(0.01 N)0.4 gを加えて60分間撹拌した。エタノール44.35 gと、アンモニア水溶液(0.02 N)0.5 gとを添加して46時間撹拌した後、この混合液の温度を60℃にして46時間熟成した。混合液中に湿潤ゲルが生成したので、エタノール及びヘキサンで洗浄した。溶媒交換後のシリカゲルをトリエチルクロロシランのヘキサン溶液(濃度5体積%)に入れ、30時間撹拌してシリカゲルを有機修飾し、得られた疎水化処理シリカをヘキサンで洗浄した。
(ii) 疎水化シリカ含有ゾル
疎水化処理シリカゲルにヘキサンを加え、得られた混合液を3分割した。次いでそれぞれに超音波照射(20 Hz、500 W)することにより、ゲルを分散させた。超音波照射時間はそれぞれ5分間、10分間、100分間とした。便宜上、超音波照射時間5分のものをA液とし、10分間のものをB液とし、100分間のものをC液とする。
(iii) ディップコーティング
上記(1) (iii) で得られた第三層上に、C液をディップコーティングした後、室温で5分間風乾した。次にB液をディップコーティングし、室温で5分間風乾した後、A液をディップコーティングして室温で5分間風乾した。これを100℃で5分間焼成したところ、シリカエアロゲル層が形成した。
反射防止膜の構成を表1に示す。
Figure 2005352303
注1 「層No.」は、レンズ側から順にNo.1、No.2、・・・・No.6とする。
注2 「−」は、緻密層を示す。
各シリカエアロゲル層の超音波照射時間と屈折率を表2に示す。
Figure 2005352303
注1 「層No.」は、レンズ側から順にNo.1、No.2、・・・・No.6とする。
超音波照射時間が短いほど、小さな屈折率を有するシリカエアロゲル層が形成することが分かった。
(3) 光透過率及び反射率の測定
多層反射防止膜付きレンズに波長405 nmのレーザー光を照射し、光透過率を測定したところ、98.7%であった。またレンズ中心110における分光反射率を測定した。結果を図5に示す。
(4) 耐水性試験
60℃、90 RH%に設定した恒温恒湿槽に多層反射防止膜付きレンズを入れた。恒温恒湿槽中に48時間保持した後、多層反射防止膜付きレンズを取り出して波長405 nmのレーザー光を照射し、光透過率を測定したところ、98.6%であった。
本発明の反射防止膜の一例を示す断面図である。 本発明の反射防止膜の物理膜厚と屈折率との関係を示すグラフである。 図1のA部を示す拡大断面図である。 基板傾斜角度θと膜厚比D(θ)/D0との関係を示すグラフである。 反射防止膜付きレンズに照射した波長と分光反射率の関係を示すグラフである。
符号の説明
1・・・レンズ
11・・・表面
110・・・中心
12・・・周辺部
2・・・反射防止膜
21・・・第一層
22・・・第二層
23・・・第三層
24・・・第四層
25・・・第五層
26・・・第六層

Claims (6)

  1. 基材の表面に形成され、複数の層からなる反射防止膜であって、前記基材及び各層の屈折率は前記基材から順に小さくなっており、前記層とその隣の層及び前記基材とそれに接触する層との屈折率差が0.02〜0.2であり、各層の物理層厚が15〜200 nmであり、各層のうち入射媒質側に形成された少なくとも2層は(a) 多孔質層であって、(b) 異なる空隙率を有することを特徴とする反射防止膜。
  2. 請求項1に記載の反射防止膜において、前記多孔質層がシリカエアロゲル層であることを特徴とする反射防止膜。
  3. 請求項2に記載の反射防止膜において、前記シリカエアロゲル層の空隙率が30〜90%であることを特徴とする反射防止膜。
  4. 請求項2又は3に記載の反射防止膜において、前記シリカエアロゲル層が疎水化処理されていることを特徴とする反射防止膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止膜において、各層がウェット法によって形成されていることを特徴とする反射防止膜。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止膜を有することを特徴とする光学素子。
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