JP2010134424A - 偏光レンズの製造方法 - Google Patents
偏光レンズの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010134424A JP2010134424A JP2009200789A JP2009200789A JP2010134424A JP 2010134424 A JP2010134424 A JP 2010134424A JP 2009200789 A JP2009200789 A JP 2009200789A JP 2009200789 A JP2009200789 A JP 2009200789A JP 2010134424 A JP2010134424 A JP 2010134424A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polarizing
- lens
- layer
- film
- polarizing lens
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
Abstract
【課題】簡略な工程で製造可能であり、製造工程において偏光層に剥離を生じない偏光レンズの製造方法を提供すること。
【解決手段】アルコキシシラン及び/又はヘキサアルコキシジシロキサン(A)、水(B)及びアルコール類(C)を含有する混合物を40〜120℃で0.5〜24時間の条件で加熱処理を行い、配列膜コート液を調製する工程、該配列膜コート液をレンズ基材上に付着させてゾル−ゲル膜を製膜する工程、該ゾル−ゲル膜に一軸方向に研磨処理して配列層を形成する工程、前記配列層上に二色性色素を配列堆積させて偏光層を形成する工程、及び該偏光層上に保護層を形成する工程を有する偏光レンズの製造方法であって、レンズ基材に熱可塑性樹脂を用い、かつ偏光レンズの入射面側に偏光層を設ける偏光レンズの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】アルコキシシラン及び/又はヘキサアルコキシジシロキサン(A)、水(B)及びアルコール類(C)を含有する混合物を40〜120℃で0.5〜24時間の条件で加熱処理を行い、配列膜コート液を調製する工程、該配列膜コート液をレンズ基材上に付着させてゾル−ゲル膜を製膜する工程、該ゾル−ゲル膜に一軸方向に研磨処理して配列層を形成する工程、前記配列層上に二色性色素を配列堆積させて偏光層を形成する工程、及び該偏光層上に保護層を形成する工程を有する偏光レンズの製造方法であって、レンズ基材に熱可塑性樹脂を用い、かつ偏光レンズの入射面側に偏光層を設ける偏光レンズの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、偏光レンズの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、簡略な工程で製造可能であり、かつ製造工程において偏光層に剥離を生じない偏光レンズの製造方法に関するものである。
従来、偏光レンズ等の偏光素子において、基材表面の配列膜に二色性色素を配列堆積させて偏光層が形成される場合、配列膜としてシリカ(SiO2)蒸着膜が好適とされてきた。例えば、透明基材の表面上に偏光層及び保護層を有し、透明基材と偏光層との間に、配列膜として無機中間層を有する偏光素子が提案されている(特許文献1参照)。無機中間層は酸化シリコン、金属酸化物、あるいはその混合物の組み合わせからなっている。
また、真空蒸着を行わない方法として、平板とレンズとをそれぞれの軸をずらして配置し、平板を中心として偏光液をスピンコーティングして、レンズ曲面上の偏光液が剪断状に流れ、さらに偏光液を硬化させることにより、レンズ曲面上に偏光コーティングを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1のように配列膜が無機物質のみで形成されている場合、配列膜の硬さを出すことができるが、その硬さが逆に加工を困難とし、さらに無機物質による層を形成するには真空蒸着する必要があり、偏光素子を製造するにあたり工程が煩雑になり、コストが高くなるという問題があった。
また、無機物質のみの層では基材との熱膨張係数の差が大きいため、製造過程での加熱処理により熱膨張差によるクラックを発生してしまい、これが原因でレンズ等の偏光素子に曇りが生じるという問題があった。
また、無機物質のみの層では基材との熱膨張係数の差が大きいため、製造過程での加熱処理により熱膨張差によるクラックを発生してしまい、これが原因でレンズ等の偏光素子に曇りが生じるという問題があった。
また、特許文献2で開示される方法では、偏光液のスピンコーティングの前にレンズの曲面上にポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等をベースとする組成物からなる接着プライマー層を設けているが、このプライマー層は、実質的に有機物の成分からなる組成物であり、特許文献1でも指摘されているように偏光層の下地となる膜あるいは基材が有機物を主体とするものである場合、その後の製造工程において、偏光層に剥離が生じやすいという問題があった。
本発明は、このような状況下でなされたものであり、簡略な工程で高性能の偏光レンズを製造可能であり、製造工程において偏光層に剥離を生じない偏光レンズの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、アルコキシシラン及び/又はヘキサアルコキシジシロキサン、水及びアルコール類を含有する混合物を特定の条件で加熱処理して得られた配列膜コート液を用いて、偏光レンズの配列層を形成することにより上記課題を解決しうることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記の工程I〜工程Vを有する偏光レンズの製造方法であって、レンズ基材に熱可塑性樹脂を用い、かつ偏光レンズの入射面側に偏光層を設ける偏光レンズの製造方法を提供するものである。
工程I:下記一般式(1)で表わされるアルコキシシラン及び/又は下記一般式(2)で表わされるヘキサアルコキシジシロキサン(A)、水(B)及びアルコール類(C)を含有する混合物を40〜120℃で0.5〜24時間の条件で加熱処理を行い、配列膜用コート液を調製する工程
Si(OR1)a(R2)4-a (1)
(R3O)3Si−O−Si(OR4)3 (2)
(R1、R3及びR4は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜10のアルキル基であり。aは3又は4である。)
工程II:偏光レンズの入射面側となる前記レンズ基材面上に、工程Iで調製した配列膜用コート液を付着させてゾル−ゲル膜を製膜する工程
工程III:工程IIで製膜したゾル−ゲル膜に一軸方向に研磨処理を行い、一軸方向の研磨痕を有する配列層を形成する工程
工程VI:工程IIIで形成した配列層上に、二色性色素を配列堆積させて偏光層を形成する工程
工程V:工程VIで形成した偏光層上に色素を固定するための保護層を形成する工程
工程I:下記一般式(1)で表わされるアルコキシシラン及び/又は下記一般式(2)で表わされるヘキサアルコキシジシロキサン(A)、水(B)及びアルコール類(C)を含有する混合物を40〜120℃で0.5〜24時間の条件で加熱処理を行い、配列膜用コート液を調製する工程
Si(OR1)a(R2)4-a (1)
(R3O)3Si−O−Si(OR4)3 (2)
(R1、R3及びR4は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜10のアルキル基であり。aは3又は4である。)
工程II:偏光レンズの入射面側となる前記レンズ基材面上に、工程Iで調製した配列膜用コート液を付着させてゾル−ゲル膜を製膜する工程
工程III:工程IIで製膜したゾル−ゲル膜に一軸方向に研磨処理を行い、一軸方向の研磨痕を有する配列層を形成する工程
工程VI:工程IIIで形成した配列層上に、二色性色素を配列堆積させて偏光層を形成する工程
工程V:工程VIで形成した偏光層上に色素を固定するための保護層を形成する工程
本発明によれば、簡略な工程で高性能の偏光レンズが製造可能であり、製造工程において偏光層に剥離を生じない偏光レンズの製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において得られる偏光レンズの構成について、図1(E)を参照しつつ説明する。本発明の偏光レンズは、レンズ基材1上に配列層5及び偏光層6を有する。偏光層6は、二色性色素を堆積配列して形成され、通常、その上に色素を固定するための保護層7を有する。さらに、本発明における偏光レンズは、必要に応じて、図1(E)の例のように基材1上にハードコート層2や密着層3、あるいは保護層7上に撥水膜等の機能性膜8を有していてもよい。
本発明において得られる偏光レンズの構成について、図1(E)を参照しつつ説明する。本発明の偏光レンズは、レンズ基材1上に配列層5及び偏光層6を有する。偏光層6は、二色性色素を堆積配列して形成され、通常、その上に色素を固定するための保護層7を有する。さらに、本発明における偏光レンズは、必要に応じて、図1(E)の例のように基材1上にハードコート層2や密着層3、あるいは保護層7上に撥水膜等の機能性膜8を有していてもよい。
本発明における偏光レンズの製造方法は、下記工程I〜工程Vを有する。
工程I:下記一般式(1)で表わされるアルコキシシラン及び/又は下記一般式(2)で表わされるヘキサアルコキシジシロキサン(A)、水(B)及びアルコール類(C)を含有する混合物を40〜120℃で0.5〜24時間の条件で加熱処理を行い、配列膜コート液を調製する工程
Si(OR1)a(R2)4-a (1)
(R3O)3Si−O−Si(OR4)3 (2)
(式中、R1、R3及びR4は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜10のアルキル基であり。aは3又は4である。)
工程II:偏光レンズの入射面側となるレンズ基材の面上に、工程Iで調製した配列膜コート液を付着させてゾル−ゲル膜を製膜する工程
工程III:工程IIで製膜したゾル−ゲル膜に一軸方向に研磨処理を行い、一軸方向の研磨痕を有する配列層を形成する工程
工程VI:工程IIIで形成した配列層上に、二色性色素を配列堆積させて偏光層を形成する工程
工程V:工程VIで形成した偏光層上に色素を固定するための保護層を形成する工程
工程I:下記一般式(1)で表わされるアルコキシシラン及び/又は下記一般式(2)で表わされるヘキサアルコキシジシロキサン(A)、水(B)及びアルコール類(C)を含有する混合物を40〜120℃で0.5〜24時間の条件で加熱処理を行い、配列膜コート液を調製する工程
Si(OR1)a(R2)4-a (1)
(R3O)3Si−O−Si(OR4)3 (2)
(式中、R1、R3及びR4は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜10のアルキル基であり。aは3又は4である。)
工程II:偏光レンズの入射面側となるレンズ基材の面上に、工程Iで調製した配列膜コート液を付着させてゾル−ゲル膜を製膜する工程
工程III:工程IIで製膜したゾル−ゲル膜に一軸方向に研磨処理を行い、一軸方向の研磨痕を有する配列層を形成する工程
工程VI:工程IIIで形成した配列層上に、二色性色素を配列堆積させて偏光層を形成する工程
工程V:工程VIで形成した偏光層上に色素を固定するための保護層を形成する工程
工程Iにおいて、まず、下記一般式(1)で表わされるアルコキシシラン及び/又は下記一般式(2)で表わされるヘキサアルコキシジシロキサン(A)、水(B)及びアルコール類(C)を含有する混合物を調製する。該混合物の調製方法は、特に制限されず、所定量の各成分を秤取り充分に攪拌混合することにより行うことができる。なお、各成分の添加順序は特に限定されない。
(A)下記一般式(1)で表わされるアルコキシシラン及び/又は下記一般式(2)で表わされるヘキサアルコキシジシロキサンは、膜中の連続する骨格構造を形成するとともに、膜硬化性を付与し、さらに偏光層の剥離を抑制するために使用される。
Si(OR1)a(R2)4-a (1)
(R3O)3Si−O−Si(OR4)3 (2)
ここで、上記一般式(1)におけるR1、及び上記一般式(2)におけるR3〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基等が挙げられる。この中で、メチル基、及びエチル基が好ましい。
上記一般式(1)におけるR2は、炭素数1〜10のアルキル基であり、上記で例示した炭素数1〜5のアルキル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、及び2−エチルヘキシル基等が挙げられる。この中では、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。上記一般式(1)におけるaは、3又は4である。
Si(OR1)a(R2)4-a (1)
(R3O)3Si−O−Si(OR4)3 (2)
ここで、上記一般式(1)におけるR1、及び上記一般式(2)におけるR3〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基等が挙げられる。この中で、メチル基、及びエチル基が好ましい。
上記一般式(1)におけるR2は、炭素数1〜10のアルキル基であり、上記で例示した炭素数1〜5のアルキル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、及び2−エチルヘキシル基等が挙げられる。この中では、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。上記一般式(1)におけるaは、3又は4である。
一般式(1)で表わされるテトラアルコキシシラン(式中、a=4)としては、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランテトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
一般式(1)で表わされるトリアルコキシシラン(式中、a=3)としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
一般式(2)で表わされるヘキサアルコキシジシロキサンとしては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン等が挙げられる。
一般式(1)で表わされるトリアルコキシシラン(式中、a=3)としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン等が挙げられる。
一般式(2)で表わされるヘキサアルコキシジシロキサンとしては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン等が挙げられる。
これらの中で、好ましくはテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、ヘキサエトキシジシロキサン、及びヘキサメトキシジシロキサン、より好ましくは、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、さらに好ましくはテトラエトキシシランである。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。なお、本発明において、(A)成分以外のアルコキシシラン化合物として、例えば、官能基含有アルコキシシランを本発明の効果を阻害しない範囲で(A)成分と併用して使用することもできるが、製造工程における偏光層の剥離を低減する観点から、含有しないことが好ましい。官能基含有アルコキシシランとしては、具体的に、後で保護層に用いられる材料として例示されるグリシドキシ基含有トリアルコキシシラン、エポキシアルキルアルコキシシラン及びアミノ基含有アルコキシシラン等が同様に挙げられる。
本発明において、シラン化合物の中で、一般式(1)で表わされるテトラアルコキシシラン(式中、a=4)を単独あるいは他のシラン化合物より多く用いることが好ましい。
本発明において、シラン化合物の中で、一般式(1)で表わされるテトラアルコキシシラン(式中、a=4)を単独あるいは他のシラン化合物より多く用いることが好ましい。
(A)アルコキシシラン及び/又はヘキサアルコキシジシロキサンは、水の存在下、加水分解反応が進行する。系に添加される水(B)の使用量は、(A)成分のアルコキシシラン及びヘキサアルコキシジシロキサンに対して、0.5〜3モル当量の範囲が好ましく、1〜2モル当量の範囲がより好ましい。水の添加量が(A)成分に対して0.5モル当量以上であれば、加水分解反応中にアルコキシ基が残留することなく、プラスチックレンズの使用に耐えうる硬度の膜を形成することができ、3モル当量以下であれば、必要以上に(A)成分同士の重合による膜硬化が起こり、硬化してできるポリシロキサンの一分子が大きくなってしまうことから、膜が粗くなり、結果的にプラスチックレンズ用途の膜としての硬さが充分に得られないといった心配がない。
水(B)の添加方法としては、特に制限はなく、加水分解反応を促進させるために、通常添加される酸またはアルカリ触媒の水溶液として添加してもよい。
水(B)の添加方法としては、特に制限はなく、加水分解反応を促進させるために、通常添加される酸またはアルカリ触媒の水溶液として添加してもよい。
アルコール類(C)は、アルコキシシラン及び/又はヘキサアルコキシジシロキサン(A)及び、水(B)に可溶な溶媒として使用される。
アルコール類(C)としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、ジアセトンアルコール及び1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。この中で、アルコール類に対するシラン類、シロキサン類の溶解度の観点から、メタノール、エタノール、イソプロパノールが好ましい。
アルコール類(C)の使用量は、(A)成分に対して、好ましくは20〜500質量%、より好ましくは50〜400質量%の範囲である。アルコール類(C)の使用量が、(A)成分に対して20質量%以上であれば、(A)成分を充分に溶解させる力が確保でき、500質量%以下であれば、(A)成分の反応性を保つことが可能である。
なお、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、溶媒としてジメチルホルムアミドなどのアミド類、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類等を使用することもできる。
アルコール類(C)としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、ジアセトンアルコール及び1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。この中で、アルコール類に対するシラン類、シロキサン類の溶解度の観点から、メタノール、エタノール、イソプロパノールが好ましい。
アルコール類(C)の使用量は、(A)成分に対して、好ましくは20〜500質量%、より好ましくは50〜400質量%の範囲である。アルコール類(C)の使用量が、(A)成分に対して20質量%以上であれば、(A)成分を充分に溶解させる力が確保でき、500質量%以下であれば、(A)成分の反応性を保つことが可能である。
なお、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、溶媒としてジメチルホルムアミドなどのアミド類、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類等を使用することもできる。
次に、上記で調製した(A)〜(C)成分を含有する混合物を、40〜120℃で0.5〜24時間の条件で加熱処理を行い、ゾル−ゲル法によるアルコキシシラン材料中のアルコキシ基の加水分解、縮重合を経て、配列膜コート液を調製することができる。
加熱処理の温度としては、(A)成分の析出やゲル化が起こらない範囲で加水分解反応を十分に進行させるという観点から、40〜120℃の範囲であり、50〜110℃の範囲が好ましく、70〜100℃の範囲がより好ましい。また、十分な反応速度を得る観点から、できるだけ高い温度を保持して撹拌下加熱処理することが好ましく、このために、加熱処理において、(A)〜(C)成分を含有する混合物を加熱還流することが好ましい。
加熱処理の時間は、0.5〜24時間の範囲である。また、上記の加熱温度の範囲内に連続して一定時間保持されるように制御されることが好ましい。長時間高温状態に保つと先にも述べたとおり、(A)成分の析出やゲル化といった問題が起こる。これらの観点から、1〜15時間の範囲が好ましい。
上記のように加熱処理して調製した配列膜コート液を用いることにより、後の工程において形成される配列層と偏光層との密着性を向上させることが可能となり、偏光層の剥離を効果的に低減することができる。
加熱処理の温度としては、(A)成分の析出やゲル化が起こらない範囲で加水分解反応を十分に進行させるという観点から、40〜120℃の範囲であり、50〜110℃の範囲が好ましく、70〜100℃の範囲がより好ましい。また、十分な反応速度を得る観点から、できるだけ高い温度を保持して撹拌下加熱処理することが好ましく、このために、加熱処理において、(A)〜(C)成分を含有する混合物を加熱還流することが好ましい。
加熱処理の時間は、0.5〜24時間の範囲である。また、上記の加熱温度の範囲内に連続して一定時間保持されるように制御されることが好ましい。長時間高温状態に保つと先にも述べたとおり、(A)成分の析出やゲル化といった問題が起こる。これらの観点から、1〜15時間の範囲が好ましい。
上記のように加熱処理して調製した配列膜コート液を用いることにより、後の工程において形成される配列層と偏光層との密着性を向上させることが可能となり、偏光層の剥離を効果的に低減することができる。
さらに、偏光層の剥離や曇りを低減するために、上記加熱処理の後に得られた混合物に、必要に応じて、アルミニウムキレート(D)を添加して、さらに加熱処理することが好ましい。アルミニウムキレート(D)としては、例えば、アルミニウムアセチルアセトナート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、及びアルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
アルミニウムキレート(D)の使用量は、(A)成分に対して、好ましくは0.05〜5質量%の範囲、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。アルミニウムキレート(D)の使用量が、(A)成分に対して0.05質量%以上であれば、剥離や曇りを低減する効果を付与することができ、5質量%以下であれば、アルミニウム含量が高くなりすぎることによる密着性や透明性の低下といった問題がない。
加熱処理の温度としては、好ましくは40〜120℃の範囲であり、より好ましくは50〜100℃の範囲である。加熱処理の時間としては、好ましくは0.5〜24時間の範囲である。加熱処理は撹拌しながら行うことが好ましい。
配列膜コート液の固形成分量は、好ましくは0.2〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%である。コート液の固形成分量は、所望の範囲となるように上記で例示したアルコール類等の溶媒を用いて調整することができる。なお、コート液の固形成分は、後述する実施例に記載の方法によって算出することができる。
アルミニウムキレート(D)の使用量は、(A)成分に対して、好ましくは0.05〜5質量%の範囲、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。アルミニウムキレート(D)の使用量が、(A)成分に対して0.05質量%以上であれば、剥離や曇りを低減する効果を付与することができ、5質量%以下であれば、アルミニウム含量が高くなりすぎることによる密着性や透明性の低下といった問題がない。
加熱処理の温度としては、好ましくは40〜120℃の範囲であり、より好ましくは50〜100℃の範囲である。加熱処理の時間としては、好ましくは0.5〜24時間の範囲である。加熱処理は撹拌しながら行うことが好ましい。
配列膜コート液の固形成分量は、好ましくは0.2〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%である。コート液の固形成分量は、所望の範囲となるように上記で例示したアルコール類等の溶媒を用いて調整することができる。なお、コート液の固形成分は、後述する実施例に記載の方法によって算出することができる。
工程IIでは、基材上に、工程Iで調製した配列膜コート液を付着させてゾル−ゲル膜を製膜する(図1(A)参照)。本工程では従来のSiO2のような無機物質による層を形成するのに必要となる大掛かりな真空蒸着設備を利用する必要がないため、煩雑さを解消し、製造工程を簡略化することができる。
(基材)
本発明で使用するレンズ基材としては、熱可塑性樹脂から形成される材料を使用する。
熱可塑性樹脂としては、例えば、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレートと1種以上の他のモノマーとの共重合体等のポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン(商品名「PTX」、三井化学株式会社)、などが挙げられる。中でも、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートがより好ましい。
熱可塑性樹脂製レンズは、射出成形技術が容易に適用できるという利点があるが、射出成形技術を適用して得られた製品は複屈折性を示す性質があるため、偏光機能が損なわれることがある。このため、本発明の偏光レンズとしては、光の入射面側に偏光層を設けることにより、偏光性能が損なわれることなく、高性能の偏光レンズを製造することができる。眼鏡用プラスチックレンズの場合、通常、光の入射面側は凸面形状を有しているため、レンズ基材の凸面上に偏光層を設けることが好ましい。すなわち、本工程IIにおいて、凸形状であるレンズ基材の入射面上に、工程Iで調製した配列膜用コート液を付着させてゾル−ゲル膜を製膜することが好ましい。
また、偏光層を設けない面におけるレンズ基材の表面形状は、特に限定されず、平面状、凹面状、又は凸面状等の任意の形状とすることができる。
本発明で使用するレンズ基材としては、熱可塑性樹脂から形成される材料を使用する。
熱可塑性樹脂としては、例えば、メチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレートと1種以上の他のモノマーとの共重合体等のポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン(商品名「PTX」、三井化学株式会社)、などが挙げられる。中でも、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートがより好ましい。
熱可塑性樹脂製レンズは、射出成形技術が容易に適用できるという利点があるが、射出成形技術を適用して得られた製品は複屈折性を示す性質があるため、偏光機能が損なわれることがある。このため、本発明の偏光レンズとしては、光の入射面側に偏光層を設けることにより、偏光性能が損なわれることなく、高性能の偏光レンズを製造することができる。眼鏡用プラスチックレンズの場合、通常、光の入射面側は凸面形状を有しているため、レンズ基材の凸面上に偏光層を設けることが好ましい。すなわち、本工程IIにおいて、凸形状であるレンズ基材の入射面上に、工程Iで調製した配列膜用コート液を付着させてゾル−ゲル膜を製膜することが好ましい。
また、偏光層を設けない面におけるレンズ基材の表面形状は、特に限定されず、平面状、凹面状、又は凸面状等の任意の形状とすることができる。
本発明の偏光レンズは、偏光レンズの入射面側となるレンズ基材面上に配列層が形成される。
配列層は、基材上に直接積層されていてもよく、前記基材と配列層との間に、ハードコート層やプライマー層を有していてもよい。
配列層は、基材上に直接積層されていてもよく、前記基材と配列層との間に、ハードコート層やプライマー層を有していてもよい。
基材と配列層との間に必要に応じて形成されるハードコート層には、特に限定されず、公知の有機ケイ素化合物及び無機酸化物コロイド粒子よりなるコーティング組成物を使用することができる。有機ケイ素化合物及び無機酸化物コロイド粒子としては、例えば、特開2007−77327号公報明細書段落〔0071〕〜〔0074〕に記載のものが同様に挙げられる。ハードコート層用コ−ティング組成物は、従来知られている方法で調製することができる。
ハードコート層を基材上に形成する方法としては、上記コ−ティング組成物を基材に塗布する方法が挙げられる。塗布手段としてはディッピング法、スピンコーティング法、スプレー法等の通常行われる方法が適用できるが、面精度の観点からディッピング法、スピンコーティング法が特に好ましい。
また、プライマー層には、密着性を向上させる観点から、ポリウレタン等の公知の各種樹脂を用いることができる。
ハードコート層を基材上に形成する方法としては、上記コ−ティング組成物を基材に塗布する方法が挙げられる。塗布手段としてはディッピング法、スピンコーティング法、スプレー法等の通常行われる方法が適用できるが、面精度の観点からディッピング法、スピンコーティング法が特に好ましい。
また、プライマー層には、密着性を向上させる観点から、ポリウレタン等の公知の各種樹脂を用いることができる。
上記コート液を基材上に付着させる前に、基材に、酸、アルカリ、各種有機溶剤による化学的処理、プラズマ、紫外線などによる物理的処理、各種洗剤を用いる洗剤処理、サンドブラスト処理、さらには各種樹脂を用いたプライマー処理を施すことによって、基材と配列層との密着性等を向上させることができる。
上記コート液を基材上に塗工し、続いて熱処理することにより、基材上に付着させ、ゾル−ゲル膜を製膜することができる。上記コート液の塗工方法としては、特に限定はないが、スピンコート、ディップコート、フローコート、スプレーコート等の公知の方法が適用でき、中でも面精度の観点から、スピンコートが好ましい。
ゾル−ゲル膜の厚みは、好ましくは0.02〜5μm、より好ましくは0.05〜0.5μmである。この厚みが0.02μm以上であると、研磨加工の際に膜全体の剥離が生じるがことなく、配列層として機能させることができ、5μm以下であるとクラックの発生を減らすことができる。
塗工及び熱処理の条件には、特に制限はないが、例えば、塗工条件としては、塗工時間0.5〜3分の範囲が好ましい。スピンコートの場合のスピンコーターの回転数は、200〜2000rpmの範囲が好ましい。また、熱処理は、50〜120℃、0.5〜3時間で行うことが好ましい。
ゾル−ゲル膜の厚みは、好ましくは0.02〜5μm、より好ましくは0.05〜0.5μmである。この厚みが0.02μm以上であると、研磨加工の際に膜全体の剥離が生じるがことなく、配列層として機能させることができ、5μm以下であるとクラックの発生を減らすことができる。
塗工及び熱処理の条件には、特に制限はないが、例えば、塗工条件としては、塗工時間0.5〜3分の範囲が好ましい。スピンコートの場合のスピンコーターの回転数は、200〜2000rpmの範囲が好ましい。また、熱処理は、50〜120℃、0.5〜3時間で行うことが好ましい。
工程IIの後、かつ次の工程IIIの前に、工程IIで製膜したゾル−ゲル膜を弱酸または弱アルカリの水溶液に浸漬処理することが好ましい。ゾル−ゲル膜を弱酸または弱アルカリ溶液に浸漬処理することにより、ゾル−ゲル膜と色素層との密着性が上がり剥がれ難くなり、更に耐擦傷性が向上し、磨き傷によるヘイズの発生を抑えることができる。なお、ここでいう弱酸とは解離指数pKaが3.5以上の酸を指し,弱アルカリとは解離指数pKbが3.5以上のアルカリを指す。
浸漬処理に使用する弱酸または弱アルカリとしては、酢酸、シュウ酸、ギ酸,安息香酸等の弱酸、アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の弱アルカリが挙げられる。浸漬条件は、特に制限はないが、好ましくは、処理時間1〜30分、更に好ましくは3〜20分である。
浸漬処理に使用する弱酸または弱アルカリとしては、酢酸、シュウ酸、ギ酸,安息香酸等の弱酸、アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の弱アルカリが挙げられる。浸漬条件は、特に制限はないが、好ましくは、処理時間1〜30分、更に好ましくは3〜20分である。
工程IIIでは、二色性色素を配列層上に配列堆積させるために、工程IIで製膜したゾル−ゲル膜に一軸方向に研磨処理を行い、一軸方向の研磨痕を有する配列層を形成する(図1(B)参照)。研磨処理は研磨剤を用いて行うことが好ましい。
工程IIIにおいて、基材上に形成される配列層は、二色性色素を配列堆積させるために設けられる。配列層は、配列膜コート液を付着させて製膜されるゾル−ゲル膜からなる。
ここで、液晶の場合には、基板にある一方向の摩擦加工や研磨加工により、この方向と一定の方向関係で配列することが知られている。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)製造において、液晶をセル内で配列するために、基板上に取り付けた配列膜(ポリイミドなど)を一方向に擦る、いわゆるラビング工程が行われることはよく知られている。二色性色素からなる溶液を一方向研磨した基材上にコートし、この色素を配列させその二色性を利用する技術は、例えば、米国特許2400877号明細書や米国特許4865668号明細書等に開示されている。
本発明においても、液晶ディスプレイ(LCD)製造における液晶の場合と同様に、基材上に形成したゾル−ゲル膜を研磨処理することにより、二色性色素を一軸方向に配列させることができる。
工程IIIにおいて、基材上に形成される配列層は、二色性色素を配列堆積させるために設けられる。配列層は、配列膜コート液を付着させて製膜されるゾル−ゲル膜からなる。
ここで、液晶の場合には、基板にある一方向の摩擦加工や研磨加工により、この方向と一定の方向関係で配列することが知られている。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)製造において、液晶をセル内で配列するために、基板上に取り付けた配列膜(ポリイミドなど)を一方向に擦る、いわゆるラビング工程が行われることはよく知られている。二色性色素からなる溶液を一方向研磨した基材上にコートし、この色素を配列させその二色性を利用する技術は、例えば、米国特許2400877号明細書や米国特許4865668号明細書等に開示されている。
本発明においても、液晶ディスプレイ(LCD)製造における液晶の場合と同様に、基材上に形成したゾル−ゲル膜を研磨処理することにより、二色性色素を一軸方向に配列させることができる。
研磨処理に使用される研磨剤としては、特に制限ないが、例えば、研磨剤粒子を含むスラリーをウレタンフォーム等の発泡材料に浸漬させたものを用いることができる。研磨剤粒子としては、Al2O3、ZrO2、TiO2、CeO2等が挙げられる。この中で、形成したゾル−ゲル膜に対する硬度(研磨の容易さ、仕上がり)、および化学的安定性の観点から、Al2O3が好ましい。これらは1種単独でも、又は2種以上組み合わせて用いてもよい。また、研磨剤粒子を含むスラリーには、粘度改質剤、pH調整剤等が含有していてもよい。
研磨剤粒子の平均粒径としては、2μm未満であることが好ましく、0.5〜1.5μmがより好ましく、0.7〜1.4μmがさらに好ましい。
従来のSiO2蒸着のような無機物質で出来た薄膜は、硬いため、微細な研磨処理を
行い難く、例えば、眼鏡レンズ等の用途によっては、研磨痕が粗くなるという問題があった。本発明においては、無機物質で出来た薄膜のような硬さが無いので、平均粒径が2μm未満の研磨剤を使用した研磨加工が可能である。また、従来よりも更に微細な粒子の研磨剤を使用できることで、よりきめ細かな研磨加工ができ、研磨圧が高くなったり、一箇所を集中的に研磨した場合でも、磨き傷によるヘイズの発生を抑えることができ、不良品の発生を減らすことができ、偏光レンズを容易に製造することができる。
研磨条件は、特に限定されず、回転速度、研磨圧、及び研磨時間等を適宜調整することができる。
従来のSiO2蒸着のような無機物質で出来た薄膜は、硬いため、微細な研磨処理を
行い難く、例えば、眼鏡レンズ等の用途によっては、研磨痕が粗くなるという問題があった。本発明においては、無機物質で出来た薄膜のような硬さが無いので、平均粒径が2μm未満の研磨剤を使用した研磨加工が可能である。また、従来よりも更に微細な粒子の研磨剤を使用できることで、よりきめ細かな研磨加工ができ、研磨圧が高くなったり、一箇所を集中的に研磨した場合でも、磨き傷によるヘイズの発生を抑えることができ、不良品の発生を減らすことができ、偏光レンズを容易に製造することができる。
研磨条件は、特に限定されず、回転速度、研磨圧、及び研磨時間等を適宜調整することができる。
工程IVでは、工程IIIで形成した一軸方向の研磨痕を有する配列層上に、二色性色素を配列堆積させて偏光層を形成する(図1(C)参照)。
本発明における偏光層は、1種以上の二色性色素を含んでなるものである。ここで、「二色性」とは、媒質が光に対して選択吸収の異方性を有するために、透過光の色が伝播方向によって異なる性質を意味し、二色性色素は、偏光光に対して色素分子のある特定の方向で光吸収が強くなり,これと直行する方向では光吸収が小さくなる性質を有する。また、二色性色素の中には、水を溶媒とした時、ある濃度・温度範囲で液晶状態を発現するものが知られている。このような液晶状態のことをリオトロピック液晶という。この二色性色素の液晶状態を利用して特定の一方向に色素分子を配列させることができれば、より強い二色性を発現することが可能となる。
本発明に使用される二色性色素としては、特に限定されず、偏光レンズに通常使用されるものとして知られているものを用いることができる。例えば、アゾ系、アントラキノン系、メロシアニン系、スチリル系、アゾメチン系、キノン系、キノフタロン系、ペリレン系、インジゴ系、テトラジン系、スチルベン系、ベンジジン系等が挙げられる。また、米国特許2400877号明細書、特表2002−527786号公報明細書に記載されているもの等も挙げられる。
本発明における偏光層は、1種以上の二色性色素を含んでなるものである。ここで、「二色性」とは、媒質が光に対して選択吸収の異方性を有するために、透過光の色が伝播方向によって異なる性質を意味し、二色性色素は、偏光光に対して色素分子のある特定の方向で光吸収が強くなり,これと直行する方向では光吸収が小さくなる性質を有する。また、二色性色素の中には、水を溶媒とした時、ある濃度・温度範囲で液晶状態を発現するものが知られている。このような液晶状態のことをリオトロピック液晶という。この二色性色素の液晶状態を利用して特定の一方向に色素分子を配列させることができれば、より強い二色性を発現することが可能となる。
本発明に使用される二色性色素としては、特に限定されず、偏光レンズに通常使用されるものとして知られているものを用いることができる。例えば、アゾ系、アントラキノン系、メロシアニン系、スチリル系、アゾメチン系、キノン系、キノフタロン系、ペリレン系、インジゴ系、テトラジン系、スチルベン系、ベンジジン系等が挙げられる。また、米国特許2400877号明細書、特表2002−527786号公報明細書に記載されているもの等も挙げられる。
通常、偏光層形成の前に、研磨加工した配列層の表面を完全に洗浄、及び乾燥させる。次に、二色性色素を含有する水溶液あるいは懸濁液(好ましくは水溶液)を、研磨痕を有する配列層上に塗布、さらに二色性色素の非水溶化処理を行うことで偏光層を形成することができる。
二色性色素を含有する水溶液あるいは懸濁液に、さらに上記以外の色素などを、本発明の効果を損なわない限り配合することで、所望の色相を有する偏光レンズを製造することができる。さらに塗布性等を向上させる観点から、必要に応じてレオロジー改質剤、接着性促進剤、可塑剤、レベリング剤等の添加剤を配合してもよい。
塗布方法としては、特に限定はないが、スピンコート、ディップコート、フローコート、スプレーコート等の公知の方法が挙げられる。
上記非水溶化処理としては、配列層上に塗布した二色性色素を金属塩水溶液に浸漬する方法が好ましい。使用できる金属塩としては、特に限定されてないが、AlCl3、BaCl2、CdCl2、ZnCl2、FeCl2及びSnCl3等が挙げられる。この中で、安全性の観点から、AlCl3及びZnCl2が好ましい。非水溶化処理後、二色性色素の表面をさらに乾燥させてもよい。
偏光層の厚さは、特に限定されないが0.05〜0.5μmの範囲であると好ましい。
二色性色素を含有する水溶液あるいは懸濁液に、さらに上記以外の色素などを、本発明の効果を損なわない限り配合することで、所望の色相を有する偏光レンズを製造することができる。さらに塗布性等を向上させる観点から、必要に応じてレオロジー改質剤、接着性促進剤、可塑剤、レベリング剤等の添加剤を配合してもよい。
塗布方法としては、特に限定はないが、スピンコート、ディップコート、フローコート、スプレーコート等の公知の方法が挙げられる。
上記非水溶化処理としては、配列層上に塗布した二色性色素を金属塩水溶液に浸漬する方法が好ましい。使用できる金属塩としては、特に限定されてないが、AlCl3、BaCl2、CdCl2、ZnCl2、FeCl2及びSnCl3等が挙げられる。この中で、安全性の観点から、AlCl3及びZnCl2が好ましい。非水溶化処理後、二色性色素の表面をさらに乾燥させてもよい。
偏光層の厚さは、特に限定されないが0.05〜0.5μmの範囲であると好ましい。
工程Vは、工程IVで形成した偏光層上に色素を固定するための保護層を形成する工程(図1(D)参照)である。
上記保護層に用いられる材料としては、有機ケイ素化合物を用いることができ、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(γ−GPS)、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のグリシドキシ基含有トリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン等のエポキシアルキルアルコキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン等が好ましく挙げられるが、特にこれらに限定されない。これら化合物は1種単独でも、又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
色素保護層は、偏光層上に上記有機ケイ素化合物を含む液をディッピング法、スピンコーティング法、スプレー法等の公知の手段によって塗布、次いで熱硬化により製膜し形成することができる。この際に、上記有機ケイ素化合物は、偏光層に浸透し、実質的に色素保護層と偏光層とが一体化した層が形成される。色素保護層と偏光層が一体化した層の膜厚は、特に限定されないが0.05〜1μmの範囲であると好ましい。
上記保護層に用いられる材料としては、有機ケイ素化合物を用いることができ、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(γ−GPS)、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のグリシドキシ基含有トリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン等のエポキシアルキルアルコキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン等が好ましく挙げられるが、特にこれらに限定されない。これら化合物は1種単独でも、又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
色素保護層は、偏光層上に上記有機ケイ素化合物を含む液をディッピング法、スピンコーティング法、スプレー法等の公知の手段によって塗布、次いで熱硬化により製膜し形成することができる。この際に、上記有機ケイ素化合物は、偏光層に浸透し、実質的に色素保護層と偏光層とが一体化した層が形成される。色素保護層と偏光層が一体化した層の膜厚は、特に限定されないが0.05〜1μmの範囲であると好ましい。
得られた偏光レンズに対しては、耐擦傷性を向上させるハードコート膜、反射防止膜、撥水膜、UV吸収膜、赤外線吸収膜、フォトクロミック膜、静電防止膜等の機能性膜を公知の方法で形成することもできる(図1(E)参照)。
上記の方法によれば、簡略な工程によって高性能な偏光レンズを製造することができる。本発明の偏光レンズは、眼鏡レンズ、サングラス、ゴーグル、ディスプレイ機器、光伝送機器、自動車や建物の窓ガラス等の光学用途に広く用いられ、特に眼鏡用プラスチックレンズとして好ましく用いられる。眼鏡用プラスチックレンズの場合には、屈折率は、通常1.50〜1.80であり、また、アッベ数は、通常30以上である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、得られた偏光レンズの物性評価は以下のようにして行った。
(1)偏光度
偏光度(Peff)は、ISO8980−3にしたがって、平行透過率(T//)及び垂直透過率(T⊥)を求め、次式により算出することで評価した。平行透過率及び垂直透過率は、可視分光光度計と偏光子を用いて測定した。なお、偏光度は眼鏡レンズとして使用する際の光入射方向(凸面→凹面)に一致させて測定光を入射して評価した。
Peff(%)=〔(T//−T⊥)/(T//+T⊥)〕×100
(1)偏光度
偏光度(Peff)は、ISO8980−3にしたがって、平行透過率(T//)及び垂直透過率(T⊥)を求め、次式により算出することで評価した。平行透過率及び垂直透過率は、可視分光光度計と偏光子を用いて測定した。なお、偏光度は眼鏡レンズとして使用する際の光入射方向(凸面→凹面)に一致させて測定光を入射して評価した。
Peff(%)=〔(T//−T⊥)/(T//+T⊥)〕×100
(2)透明性(ヘイズ値)
株式会社村上色彩技術研究所製ヘイズメーターMH−150にて、作製した偏光レンズのヘイズ値を測定し、曇りの有無を判断した。
(評価基準)
○:ヘイズ値<2.0%
×:ヘイズ値≧2.0%
株式会社村上色彩技術研究所製ヘイズメーターMH−150にて、作製した偏光レンズのヘイズ値を測定し、曇りの有無を判断した。
(評価基準)
○:ヘイズ値<2.0%
×:ヘイズ値≧2.0%
(3)偏光層の剥離性
色素保護層の形成時に、偏光レンズの面内に偏光層(色素層)の剥離が目視で認められる場合を剥離あり(×)、認められない場合を剥離なし(○)とした。
色素保護層の形成時に、偏光レンズの面内に偏光層(色素層)の剥離が目視で認められる場合を剥離あり(×)、認められない場合を剥離なし(○)とした。
(4)偏光光透過ムラ
偏光光透過ムラは、偏光レンズの全面に凸面側から直線偏光光を照射し、レンズを回転させて偏光吸収軸をこの直線偏光と一致するよう調整し凹面側から目視で観察し、下記の基準により評価した。
(評価基準)
◎:ムラなし(ムラを見つけるのが困難である。)
○:ほとんどムラなし(詳しく見ると僅かに認められる。)
△:ややムラあり(ムラが酷くはないものの、すぐに認められる。)
×:ムラあり(レンズ面内に明るさのムラを目視ではっきり認められる。)
偏光光透過ムラは、偏光レンズの全面に凸面側から直線偏光光を照射し、レンズを回転させて偏光吸収軸をこの直線偏光と一致するよう調整し凹面側から目視で観察し、下記の基準により評価した。
(評価基準)
◎:ムラなし(ムラを見つけるのが困難である。)
○:ほとんどムラなし(詳しく見ると僅かに認められる。)
△:ややムラあり(ムラが酷くはないものの、すぐに認められる。)
×:ムラあり(レンズ面内に明るさのムラを目視ではっきり認められる。)
実施例1
(配列膜コート液の製造)
テトラエトキシシラン(TEOS)(分子量208.3、商品名「KBE−04」、信越化学工業株式会社製)85gに、エタノール40gを添加して撹拌した。次いで、0.01mol/L塩酸14.75g(TEOSの2倍モル量の水を含む)を撹拌しながら添加した。この混合液が透明になるまで5分間撹拌した。
次に、冷却管を取り付けた丸底フラスコに上記混合液を充填し、マントルヒータでフラスコを加熱し、冷却管に室温の水を通水することで1時間加熱還流処理した。この間、液は攪拌され、液温が75〜80℃に保持されていた。次いで、加熱環流処理された溶液にアルミニウムアセチルアセトナート1.4g(配列膜コート原液に対して1質量%)を添加しよく混合した。この液を50℃に保温しながら4時間撹拌した後、室温まで冷却し配列膜コート原液とした。得られた配列膜コート原液5gに、エタノール30gを加え希釈、攪拌して、配列膜コート液1(固形成分:コート液全量の2.5質量%)を得た。
ここで、固形成分とは、アルコキシシラン材料中のアルコキシ基(OR基、R:アルキル基)がすべて加水分解されシロキサン結合(Si−O−Si結合)が形成されたときの化学量論量を「固形成分」量とする。
(配列膜コート液の製造)
テトラエトキシシラン(TEOS)(分子量208.3、商品名「KBE−04」、信越化学工業株式会社製)85gに、エタノール40gを添加して撹拌した。次いで、0.01mol/L塩酸14.75g(TEOSの2倍モル量の水を含む)を撹拌しながら添加した。この混合液が透明になるまで5分間撹拌した。
次に、冷却管を取り付けた丸底フラスコに上記混合液を充填し、マントルヒータでフラスコを加熱し、冷却管に室温の水を通水することで1時間加熱還流処理した。この間、液は攪拌され、液温が75〜80℃に保持されていた。次いで、加熱環流処理された溶液にアルミニウムアセチルアセトナート1.4g(配列膜コート原液に対して1質量%)を添加しよく混合した。この液を50℃に保温しながら4時間撹拌した後、室温まで冷却し配列膜コート原液とした。得られた配列膜コート原液5gに、エタノール30gを加え希釈、攪拌して、配列膜コート液1(固形成分:コート液全量の2.5質量%)を得た。
ここで、固形成分とは、アルコキシシラン材料中のアルコキシ基(OR基、R:アルキル基)がすべて加水分解されシロキサン結合(Si−O−Si結合)が形成されたときの化学量論量を「固形成分」量とする。
(配列膜の製膜)
レンズ基材として、眼鏡用ポリカーボネートレンズ(屈折率1.59、ハードコート付き、直径70mm、ベースカーブ4)を用いて、眼鏡レンズとして使用する際の光の入射面側であるレンズ凸面上に配列膜コート液1をスピンコート(800rpmで約2mlを供給、60秒保持)、続いて85℃、1時間の熱処理を施し硬化させ、厚さ約100nmの配列膜(ゾル−ゲル膜)を製膜した。次いで、続く研磨工程の前に、配列膜を製膜した基材を10質量%酢酸水溶液に15分間浸漬した後、取り出して純水で洗浄し乾燥させた。
レンズ基材として、眼鏡用ポリカーボネートレンズ(屈折率1.59、ハードコート付き、直径70mm、ベースカーブ4)を用いて、眼鏡レンズとして使用する際の光の入射面側であるレンズ凸面上に配列膜コート液1をスピンコート(800rpmで約2mlを供給、60秒保持)、続いて85℃、1時間の熱処理を施し硬化させ、厚さ約100nmの配列膜(ゾル−ゲル膜)を製膜した。次いで、続く研磨工程の前に、配列膜を製膜した基材を10質量%酢酸水溶液に15分間浸漬した後、取り出して純水で洗浄し乾燥させた。
(研磨処理)
得られた配列膜に、研磨剤含有ウレタンフォーム(研磨剤:「POLIPLA203H」、フジミインコーポレーテッド社製、平均粒径0.85μmAl2O3粒子、ウレタンフォーム:球面レンズの凸面の曲率とほぼ同形状)を用いて、一軸研磨加工処理を回転数1000rpm、研磨圧50g/cm2の条件で10秒間施した。研磨処理を施したレンズは純水により洗浄、乾燥させた。
得られた配列膜に、研磨剤含有ウレタンフォーム(研磨剤:「POLIPLA203H」、フジミインコーポレーテッド社製、平均粒径0.85μmAl2O3粒子、ウレタンフォーム:球面レンズの凸面の曲率とほぼ同形状)を用いて、一軸研磨加工処理を回転数1000rpm、研磨圧50g/cm2の条件で10秒間施した。研磨処理を施したレンズは純水により洗浄、乾燥させた。
(偏光層の形成)
レンズを乾燥後、研磨処理面上に、二色性色素〔商品名「Varilight solution 2S」、スターリング オプティクス インク(Sterling Optics Inc)社製〕の約5質量%水溶液2〜3gを用いてスピンコートを施し、偏光層を形成した。スピンコートは、色素水溶液を回転数300rpmで供給し、8秒間保持、次に回転数400rpmで供給し45秒間保持、さらに1000rpmで供給し12秒間保持することで行った。
次いで、塩化鉄濃度が0.15M、水酸化カルシウム濃度が0.2MであるpH3.5の水溶液を調製し、この水溶液に上記で得られたレンズをおよそ30秒間浸漬し、その後引き上げ、純水にて充分に洗浄を施した。この工程により、水溶性であった色素は難溶性に変換される。
レンズを乾燥後、研磨処理面上に、二色性色素〔商品名「Varilight solution 2S」、スターリング オプティクス インク(Sterling Optics Inc)社製〕の約5質量%水溶液2〜3gを用いてスピンコートを施し、偏光層を形成した。スピンコートは、色素水溶液を回転数300rpmで供給し、8秒間保持、次に回転数400rpmで供給し45秒間保持、さらに1000rpmで供給し12秒間保持することで行った。
次いで、塩化鉄濃度が0.15M、水酸化カルシウム濃度が0.2MであるpH3.5の水溶液を調製し、この水溶液に上記で得られたレンズをおよそ30秒間浸漬し、その後引き上げ、純水にて充分に洗浄を施した。この工程により、水溶性であった色素は難溶性に変換される。
(色素保護膜の形成)
その後、レンズをγ−アミノプロピルトリエトキシシラン10質量%水溶液に15分間浸漬し、その後純水で3回洗浄し、85℃で30分間熱硬化した。さらに、冷却後、レンズを空気中にてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2質量%水溶液に30分浸漬した後、100℃の炉で30分間熱硬化、硬化後冷却して色素保護膜を形成した。
得られた偏光レンズの偏光度、透明性及び偏光層の剥離性を評価した。得られた偏光レンズは,偏光度99.6%と高い偏光度を示し、ヘイズ値は1.2%であり曇りは見られなかった。また、剥離は観察されなかった。このレンズの全面に凸面から直線偏光光を照射し、レンズを回転させて偏光吸収軸をこの直線偏光と一致するよう調整し凹面側から観察したところ、レンズ全体が入射光を均一に遮断しており、面内に明るさのムラは観察されなかった。結果を表1に示す。
その後、レンズをγ−アミノプロピルトリエトキシシラン10質量%水溶液に15分間浸漬し、その後純水で3回洗浄し、85℃で30分間熱硬化した。さらに、冷却後、レンズを空気中にてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2質量%水溶液に30分浸漬した後、100℃の炉で30分間熱硬化、硬化後冷却して色素保護膜を形成した。
得られた偏光レンズの偏光度、透明性及び偏光層の剥離性を評価した。得られた偏光レンズは,偏光度99.6%と高い偏光度を示し、ヘイズ値は1.2%であり曇りは見られなかった。また、剥離は観察されなかった。このレンズの全面に凸面から直線偏光光を照射し、レンズを回転させて偏光吸収軸をこの直線偏光と一致するよう調整し凹面側から観察したところ、レンズ全体が入射光を均一に遮断しており、面内に明るさのムラは観察されなかった。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1で用いたレンズ基材の凹面(眼鏡レンズとして使用する際の入射面と反対側の面)に配列膜を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法で配列膜を製膜、研磨処理、偏光層を形成、色素保護膜を形成し、偏光レンズを作製した。
得られた偏光レンズの偏光度、透明性及び偏光層の剥離性を評価した。得られた偏光レンズは,偏光度87.5%と低い偏光度を示し、ヘイズ値は1.3%であり曇りは見られなかった。また、剥離は観察されなかった。このレンズを実施例1と同様に偏光光を照射し観察したところ、面内で明るさのムラが観察された。結果を表1に示す。
比較例2
(配列膜コート液の製造)
丸底フラスコにテトラエトキシシラン(TEOS)(分子量208.3、商品名「KBE−04」、信越化学工業株式会社製)85gに、エタノール40g、及び0.01mol/L塩酸14.75g(TEOSの2倍モル量の水を含む)を添加して、撹拌下混合した。このとき、原料として添加した0.01mol/L塩酸に含有する水により溶液は発熱を生じ,50℃程度まで昇温したが、その後降温が始まり、10分後に35℃となり、さらに2時間かけて室温まで放冷し、配列膜コート原液を得た。得られた配列膜コート原液5gに、エタノール30gを加え希釈、攪拌して、配列膜液コート液2(固形成分:コート液全量の10質量%)を得た。
次に、配列膜コート液として配列膜コート液2を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、配列膜の製膜、研磨処理、偏光層を形成、色素保護膜を形成し、偏光レンズを作製した。得られた偏光レンズは、偏光度62%と低い偏光度を示し、ヘイズ値は6.2%であり激しい曇りが生じていた。また、剥離は多数観察された。このレンズを実施例1と同様に偏光光を照射し観察したところ、面内で明るさのムラが観察された。また、実施例1と比較すると偏光度が小さいためレンズ全面で光が遮蔽されなかった。結果を表1に示す。
実施例1で用いたレンズ基材の凹面(眼鏡レンズとして使用する際の入射面と反対側の面)に配列膜を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法で配列膜を製膜、研磨処理、偏光層を形成、色素保護膜を形成し、偏光レンズを作製した。
得られた偏光レンズの偏光度、透明性及び偏光層の剥離性を評価した。得られた偏光レンズは,偏光度87.5%と低い偏光度を示し、ヘイズ値は1.3%であり曇りは見られなかった。また、剥離は観察されなかった。このレンズを実施例1と同様に偏光光を照射し観察したところ、面内で明るさのムラが観察された。結果を表1に示す。
比較例2
(配列膜コート液の製造)
丸底フラスコにテトラエトキシシラン(TEOS)(分子量208.3、商品名「KBE−04」、信越化学工業株式会社製)85gに、エタノール40g、及び0.01mol/L塩酸14.75g(TEOSの2倍モル量の水を含む)を添加して、撹拌下混合した。このとき、原料として添加した0.01mol/L塩酸に含有する水により溶液は発熱を生じ,50℃程度まで昇温したが、その後降温が始まり、10分後に35℃となり、さらに2時間かけて室温まで放冷し、配列膜コート原液を得た。得られた配列膜コート原液5gに、エタノール30gを加え希釈、攪拌して、配列膜液コート液2(固形成分:コート液全量の10質量%)を得た。
次に、配列膜コート液として配列膜コート液2を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で、配列膜の製膜、研磨処理、偏光層を形成、色素保護膜を形成し、偏光レンズを作製した。得られた偏光レンズは、偏光度62%と低い偏光度を示し、ヘイズ値は6.2%であり激しい曇りが生じていた。また、剥離は多数観察された。このレンズを実施例1と同様に偏光光を照射し観察したところ、面内で明るさのムラが観察された。また、実施例1と比較すると偏光度が小さいためレンズ全面で光が遮蔽されなかった。結果を表1に示す。
比較例3
比較例1で用いた配列膜コート液1に変えて、配列膜コート液2を用いてレンズ基材の凹面(眼鏡レンズとして使用する際の入射面と反対側の面)に配列膜を形成したこと以外は、比較例1と同様にして、配列膜を製膜、研磨処理、偏光層を形成、色素保護膜を形成し、偏光レンズを作製した。
得られた偏光レンズは、偏光度65%と低い偏光度を示し、ヘイズ値は5.5%であり激しい曇りが生じていた。また、剥離は多数観察された。このレンズを実施例1と同様に偏光光を照射し観察したところ、剥離部に対応して面内で明るさのムラが観察された。また、実施例1と比較すると偏光度が小さいためレンズ全面で光が遮蔽されなかった。結果を表1に示す。
比較例1で用いた配列膜コート液1に変えて、配列膜コート液2を用いてレンズ基材の凹面(眼鏡レンズとして使用する際の入射面と反対側の面)に配列膜を形成したこと以外は、比較例1と同様にして、配列膜を製膜、研磨処理、偏光層を形成、色素保護膜を形成し、偏光レンズを作製した。
得られた偏光レンズは、偏光度65%と低い偏光度を示し、ヘイズ値は5.5%であり激しい曇りが生じていた。また、剥離は多数観察された。このレンズを実施例1と同様に偏光光を照射し観察したところ、剥離部に対応して面内で明るさのムラが観察された。また、実施例1と比較すると偏光度が小さいためレンズ全面で光が遮蔽されなかった。結果を表1に示す。
本発明によれば、簡略な工程で製造可能であり、製造工程において偏光層に剥離を生じない、性能に優れた偏光レンズの製造方法を提供することができる。
得られた偏光レンズは、眼鏡レンズ、サングラス、ディスプレイ機器、光伝送機器、自動車や建物の窓ガラス等の光学用途に広く適用することができ、特に眼鏡用プラスチックレンズとして好適に利用できる。
得られた偏光レンズは、眼鏡レンズ、サングラス、ディスプレイ機器、光伝送機器、自動車や建物の窓ガラス等の光学用途に広く適用することができ、特に眼鏡用プラスチックレンズとして好適に利用できる。
1;レンズ基材
2;ハードコート層
3;密着層
4;ゾル−ゲル膜
5;配列層
6;偏光層(配列した色素層)
7;色素保護膜(保護層)
8;機能性膜(撥水膜等)
2;ハードコート層
3;密着層
4;ゾル−ゲル膜
5;配列層
6;偏光層(配列した色素層)
7;色素保護膜(保護層)
8;機能性膜(撥水膜等)
Claims (6)
- 工程I〜工程Vを有する偏光レンズの製造方法であって、レンズ基材に熱可塑性樹脂を用い、かつ偏光レンズの入射面側に偏光層を設ける偏光レンズの製造方法。
工程I:下記一般式(1)で表わされるアルコキシシラン及び/又は下記一般式(2)で表わされるヘキサアルコキシジシロキサン(A)、水(B)及びアルコール類(C)を含有する混合物を40〜120℃で0.5〜24時間の条件で加熱処理を行い、配列膜用コート液を調製する工程
Si(OR1)a(R2)4-a (1)
(R3O)3Si−O−Si(OR4)3 (2)
(R1、R3及びR4は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜10のアルキル基であり。aは3又は4である。)
工程II:偏光レンズの入射面側となる前記レンズ基材面上に、工程Iで調製した配列膜用コート液を付着させてゾル−ゲル膜を製膜する工程
工程III:工程IIで製膜したゾル−ゲル膜に一軸方向に研磨処理を行い、一軸方向の研磨痕を有する配列層を形成する工程
工程VI:工程IIIで形成した配列層上に、二色性色素を配列堆積させて偏光層を形成する工程
工程V:工程VIで形成した偏光層上に色素を固定するための保護層を形成する工程 - 熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートである、請求項1に記載の偏光レンズの製造方法。
- 工程Iにおける(A)〜(C)成分を含有する混合物が、(A)成分と、(A)成分に対して、水(B)0.5〜3モル当量及びアルコール類(C)20〜500質量%とを含有する混合物である、請求項1または2に記載の偏光レンズの製造方法。
- 工程Iの加熱処理において、(A)〜(C)成分を含有する混合物を加熱還流する、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光レンズの製造方法。
- (A)成分が、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、ヘキサエトキシジシロキサン、及びヘキサメトキシジシロキサンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の偏光レンズの製造方法。
- 工程IIにおいて、前記レンズ基材の入射面が凸形状であり、該入射面上に、工程Iで調製した配列膜用コート液を付着させてゾル−ゲル膜を製膜する、請求項1〜5のいずれかに記載の偏光レンズの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009200789A JP2010134424A (ja) | 2008-11-04 | 2009-08-31 | 偏光レンズの製造方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008283295 | 2008-11-04 | ||
JP2009200789A JP2010134424A (ja) | 2008-11-04 | 2009-08-31 | 偏光レンズの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010134424A true JP2010134424A (ja) | 2010-06-17 |
Family
ID=42345738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009200789A Pending JP2010134424A (ja) | 2008-11-04 | 2009-08-31 | 偏光レンズの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010134424A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012220852A (ja) * | 2011-04-12 | 2012-11-12 | Keiwa Inc | 光学フィルム及び偏光サングラス |
DE102012202534A1 (de) | 2011-02-21 | 2012-11-15 | Hoya Corporation | Verfahren zur herstellung einer brillenglaslinse |
JP2014016626A (ja) * | 2003-07-01 | 2014-01-30 | Transitions Optical Inc | 偏光性フォトクロミックデバイスおよびその製造方法 |
JP2016066092A (ja) * | 2015-12-07 | 2016-04-28 | 恵和株式会社 | 偏光レンズ用シート、偏光サングラス及びレンズの製造方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005352303A (ja) * | 2004-06-11 | 2005-12-22 | Pentax Corp | 反射防止膜及び反射防止膜を有する光学素子 |
JP2007521507A (ja) * | 2003-07-01 | 2007-08-02 | トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド | 偏光性フォトクロミックデバイスおよびその製造方法 |
JP2007233185A (ja) * | 2006-03-02 | 2007-09-13 | Fujifilm Corp | 光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置 |
WO2007102514A1 (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-13 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | 被膜形成用塗布液、その製造方法、その被膜、及び反射防止材 |
JP2008527401A (ja) * | 2004-12-21 | 2008-07-24 | コーニング インコーポレイテッド | 偏光用品及びその作成方法 |
WO2009119823A1 (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-01 | Hoya株式会社 | 偏光素子及び偏光素子の製造方法 |
JP2010102234A (ja) * | 2008-10-27 | 2010-05-06 | Hoya Corp | 偏光素子の製造方法 |
-
2009
- 2009-08-31 JP JP2009200789A patent/JP2010134424A/ja active Pending
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007521507A (ja) * | 2003-07-01 | 2007-08-02 | トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド | 偏光性フォトクロミックデバイスおよびその製造方法 |
JP2005352303A (ja) * | 2004-06-11 | 2005-12-22 | Pentax Corp | 反射防止膜及び反射防止膜を有する光学素子 |
JP2008527401A (ja) * | 2004-12-21 | 2008-07-24 | コーニング インコーポレイテッド | 偏光用品及びその作成方法 |
JP2007233185A (ja) * | 2006-03-02 | 2007-09-13 | Fujifilm Corp | 光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置 |
WO2007102514A1 (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-13 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | 被膜形成用塗布液、その製造方法、その被膜、及び反射防止材 |
WO2009119823A1 (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-01 | Hoya株式会社 | 偏光素子及び偏光素子の製造方法 |
JP2009237361A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Hoya Corp | 偏光素子及び偏光素子の製造方法 |
JP2010102234A (ja) * | 2008-10-27 | 2010-05-06 | Hoya Corp | 偏光素子の製造方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014016626A (ja) * | 2003-07-01 | 2014-01-30 | Transitions Optical Inc | 偏光性フォトクロミックデバイスおよびその製造方法 |
DE102012202534A1 (de) | 2011-02-21 | 2012-11-15 | Hoya Corporation | Verfahren zur herstellung einer brillenglaslinse |
JP2012220852A (ja) * | 2011-04-12 | 2012-11-12 | Keiwa Inc | 光学フィルム及び偏光サングラス |
JP2016066092A (ja) * | 2015-12-07 | 2016-04-28 | 恵和株式会社 | 偏光レンズ用シート、偏光サングラス及びレンズの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2010256895A (ja) | 偏光素子の製造方法および偏光素子 | |
AU2009229792B2 (en) | Polarizing element and process for producing polarizing element | |
JP5555688B2 (ja) | 偏光レンズの製造方法 | |
CN100501532C (zh) | 液晶定向剂、液晶定向膜以及液晶显示元件 | |
JP5009475B2 (ja) | 有機ガラス基材上への耐摩耗性コーティング膜の形成方法 | |
JP4435423B2 (ja) | 抗磨耗コーティング組成物およびその製造方法、ならびにその組成物でコートされた部材 | |
WO2010113996A1 (ja) | 偏光レンズの製造方法、偏光レンズ、およびレンズの製造方法 | |
US20050238882A1 (en) | Primer-less abrasion coating for organic glass articles | |
JP2010134424A (ja) | 偏光レンズの製造方法 | |
JP2010102234A (ja) | 偏光素子の製造方法 | |
JPH08113760A (ja) | コーティング用組成物 | |
KR101980410B1 (ko) | 편광 렌즈의 제조 방법 | |
WO2011122602A1 (ja) | 二色性色素含有液および偏光素子 | |
JP2011150323A (ja) | 偏光部材の製造方法 | |
JP2011053653A (ja) | 偏光レンズ | |
JPH1026703A (ja) | 撥水処理されたレンズ | |
EP2180353B1 (en) | Process for producing polarizing element | |
JP5938282B2 (ja) | 偏光レンズの製造方法 | |
JP2011053661A (ja) | 眼鏡用偏光レンズの製造方法 | |
JPH07119386B2 (ja) | コ−ティング用組成物 | |
JP6030307B2 (ja) | 偏光レンズの製造方法 | |
JPS6039291B2 (ja) | 被覆組成物 | |
JPH0921901A (ja) | 硬化膜付き光学部材 | |
WO2021214198A1 (en) | Water based anti-abrasion coating | |
JP2013195882A (ja) | 偏光レンズの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120828 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130618 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130625 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20131022 |