JP2010113310A - 反射防止膜、その形成方法、光学素子、交換レンズ及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1.45〜1.60の屈折率を有する光学ガラス基材上に、85〜205 nmの光学膜厚を有し、アルミナを主成分とする緻密膜を形成し、その上に1.93〜2.77の屈折率を有する緻密膜及び1.33〜1.50の屈折率を有する緻密膜をそれぞれ所定の光学膜厚となるように交互に二層ずつ形成し、その上に1.05〜1.15の屈折率及び100〜230 nmの光学膜厚を有し、メソポーラスシリカナノ粒子の集合体により形成されたメソポーラスシリカ多孔質膜を形成してなる反射防止膜。
【選択図】図1
Description
反射防止膜は光学ガラス基材(単に基材という)の表面に形成される。図1は、基材1及びその表面に形成された反射防止膜2からなる光学素子の例を示す。
図1に示す例では平板を基材1としているが、本発明はこれに限定されず、レンズ、プリズム、ライトガイド又は回折素子でも良い。基材1の屈折率は、400〜700 nmの波長に対して1.45〜1.60である。基材1の屈折率がこの範囲であると、交換レンズに用いた場合、可視光の波長帯域において光学性能が良好になるとともに、コンパクト化を図ることができる。この屈折率は1.51〜1.59が好ましい。
反射防止膜2は、基材1側から順に形成された第一層21〜第六層26の膜を有する。図2に示すように、反射防止膜2は最表面に撥水性又は撥水撥油性を有する膜(単に撥水/撥油性膜という)27を有しても良い。
第一層21は、アルミナを主成分とし、400〜700 nmの波長の光に対して85〜205 nmの光学膜厚を有する緻密膜からなる。アルミナは、高密着性及び高光透過性を有し、コストパフォーマンスが良いという利点がある。しかもアルミナは水蒸気に対する遮蔽性に優れているので、第一層をアルミナを主成分とする緻密膜にすることにより、基材1表面のヤケを防止することができる。第一層21はアルミナのみからなるのが好ましい。アルミナの純度は99%以上が好ましい。第一層21の屈折率は、1.58〜1.71であるのが好ましく、1.60〜1.70であるのがより好ましい。第一層21の光学膜厚は135〜190 nmであるのが好ましい。
第二層22は、400〜700 nmの波長の光に対して1.93〜2.77の屈折率及び10〜100 nmの光学膜厚を有する緻密膜からなる。第二層22の屈折率は2.30〜2.40であるのが好ましく、光学膜厚は20〜40 nmであるのが好ましい。第二層22の緻密膜を構成する材料は、Ta2O5、TiO2、Nb2O5、ZrO2、HfO2、CeO2、SnO2、In2O3及びZnOからなる群から選ばれた少なくとも一種からなるのが好ましい。
第三層23は、400〜700 nmの波長の光に対して1.33〜1.50の屈折率及び20〜80 nmの光学膜厚を有する緻密膜からなる。第三層23の屈折率は1.34〜1.43であるのが好ましく、光学膜厚は45〜75 nmであるのが好ましい。第三層23の緻密膜を構成する材料は、MgF2及びSiO2のいずれかであるのが好ましい。
第四層24は、400〜700 nmの波長の光に対して1.93〜2.77の屈折率及び15〜105 nmの光学膜厚を有する緻密膜からなる。第四層24の屈折率は2.30〜2.40であるのが好ましく、光学膜厚は20〜40 nmであるのが好ましい。第四層24の緻密膜を構成する材料は第二層22について記載したものと同じでよい。
第五層25は、400〜700 nmの波長の光に対して1.33〜1.50の屈折率及び110〜185 nmの光学膜厚を有する緻密膜からなる。第五層25の屈折率は1.34〜1.43であるのが好ましく、光学膜厚は120〜170 nmであるのが好ましい。第五層25の緻密膜を構成する材料は第三層23について記載したものと同じでよい。
第六層26は、メソポーラスシリカナノ粒子の集合体により形成されたメソポーラスシリカ多孔質膜からなり、400〜700 nmの波長の光に対して1.05〜1.15の屈折率及び100〜230 nmの光学膜厚を有する。屈折率は1.06〜1.12が好ましく、光学膜厚は105〜155 nmが好ましい。
撥水/撥油性膜27の材質は無色で透明性が高いものである限り特に制限されず、フッ素を含有する有機化合物、フッ素を含有する有機−無機ハイブリッドポリマー、フッ化ピッチ[例えばCFn(n:1.1〜1.6)]等が挙げられる。
(1) 第一層〜第五層の形成
緻密膜からなる第一層21〜第五層25は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、熱CVD、プラズマCVD、光CVD等の化学蒸着法等により形成することができる。
メソポーラスシリカ多孔質膜からなる第六層26は、(i) 溶媒、酸性触媒、アルコキシシラン、カチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の混合溶液をエージングしてアルコキシシランを加水分解・重縮合させ、(ii) 得られたシリケートを含む酸性ゾルに塩基性触媒を添加することにより、カチオン性界面活性剤を細孔内に有し、非イオン性界面活性剤で表面が被覆されたメソポーラスシリカナノ粒子(「界面活性剤−メソポーラスシリカナノ複合粒子」と呼ぶ。)を含むゾルを調製し、(iii) このゾルを第六層26にコーティングし、(iv) 乾燥して溶媒を除去し、(v) 焼成してカチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を除去することにより得られる。
(a-1) アルコキシシラン
アルコキシシランはモノマーでもオリゴマーでも良い。アルコキシシランモノマーはアルコキシル基を3つ以上有するのが好ましい。アルコキシル基を3つ以上有するアルコキシシランを出発原料とすることにより、均一性に優れたメソポーラスシリカ多孔質層が得られる。アルコキシシランモノマーの具体例としてはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン及びジメチルジエトキシシランが挙げられる。アルコキシシランオリゴマーとしては上記モノマーの重縮合物が好ましい。アルコキシシランオリゴマーはアルコキシシランモノマーの加水分解・重縮合により得られる。アルコキシシランオリゴマーの具体例として、一般式RSiO1.5(Rは有機官能基を示す。)により表されるシルセスキオキサンが挙げられる。
(i) カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤の具体例としてはハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウム、ハロゲン化アルキルトリエチルアンモニウム、ハロゲン化ジアルキルジメチルアンモニウム、ハロゲン化アルキルメチルアンモニウム及びハロゲン化アルコキシトリメチルアンモニウムが挙げられる。ハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウムとしては、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム及び塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムが挙げられる。ハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウムとしては、例えば塩化n-ヘキサデシルトリメチルアンモニウムが挙げられる。ハロゲン化ジアルキルジメチルアンモニウムとしては、例えば塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及び塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムが挙げられる。ハロゲン化アルキルメチルアンモニウムとしては、例えば塩化ドデシルメチルアンモニウム、塩化セチルメチルアンモニウム、塩化ステアリルメチルアンモニウム及び塩化ベンジルメチルアンモニウムが挙げられる。ハロゲン化アルコキシトリメチルアンモニウムとしては、例えば塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー及びポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーとしては、例えば式:RO(C2H4O)a-(C3H6O)b-(C2H4O)cR(但し、a及びcはそれぞれ10〜120を表し、bは30〜80を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す)で表されるものが挙げられる。このブロックコポリマーの市販品として、例えばPluronic(登録商標、BASF社)が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル及びポリオキシエチレンステアリルエーテルが挙げられる。
(i) 酸性触媒
酸性触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸及びギ酸、酢酸等の有機酸が挙げられる。
塩基性触媒としては、例えばアンモニア、アミン、NaOH及びKOHが挙げられる。アミンの好ましい例としてアルコールアミン及びアルキルアミン(例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、n-ブチルアミン、n-プロピルアミン)が挙げられる。
溶媒としては純水が好適に用いられる。
(b-1) 酸性条件での加水分解・重縮合
溶媒に酸性触媒を添加して酸性溶液を調製し、酸性溶液にカチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を添加して酸性混合液を調製する。この酸性混合液にアルコキシシランを添加し、加水分解・重縮合する。その際、酸性混合液のpHは約2であるのが好ましい。アルコキシシランのシラノール基の等電点のpHは約2であるので、酸性混合液のpHを約2にすることにより、シラノール基は酸性混合液中で安定的に存在できる。溶媒/アルコキシシランのモル比は30〜300であるのが好ましい。このモル比が30未満であるとアルコキシシランの重合度が高すぎ、300超であるとアルコキシシランの重合度が低すぎる。
得られた酸性ゾルに塩基性触媒を添加して塩基性にし、さらに加水分解・重縮合させる。塩基性ゾルのpHは9〜12であるのが好ましい。塩基性触媒を添加することにより、カチオン性界面活性剤ミセルの周囲にシリケート骨格が形成され、規則的な六方配列が成長することによりシリカとカチオン性界面活性剤とが複合した粒子が形成される。この複合粒子は成長に伴って表面の有効電荷が減少するので、表面に非イオン性界面活性剤が吸着する。その結果、カチオン性界面活性剤を細孔内に有し、非イオン性界面活性剤で表面が被覆された界面活性剤−メソポーラスシリカナノ複合粒子(粒子形状は図3を参照されたい。)を含むゾルが得られる[例えば今井宏明,「化学工業」,化学工業社,2005年9月,第56巻,第9号,pp.688-693]。
界面活性剤−メソポーラスシリカナノ複合粒子を含むゾルを第五層25の表面にコーティングする。コーティング方法としては、例えばスピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、フローコート法、バーコート法、リバースコート法、フレキソ法、グラビアコート法、印刷法及びこれらを併用する方法が挙げられる。得られる多孔質層の厚さはスピンコート法における基材の回転速度、ディッピング法における引き上げ速度、塗布液の濃度等により調節できる。スピンコート法における基材の回転速度は500〜10,000 rpmであるのが好ましい。
塗布したゾルを乾燥して溶媒を揮発させる。乾燥条件は特に制限されず、基材1及び第一層〜第六層の耐熱性等に応じて適宜決めることができる。乾燥は自然乾燥でも良く、50〜200℃で15分〜1時間熱処理しても良い。
乾燥した膜を焼成してカチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を除去することにより、メソポーラスシリカ多孔質層17を形成する。焼成温度は300℃〜500℃であるのが好ましい。焼成温度は300℃未満であると焼成が不十分であり、焼成温度が500℃超であると反射防止膜2の屈折率が1.15を超える。焼成温度は350℃〜450℃であるのがより好ましい。焼成時間は1〜6時間であるのが好ましく、2〜4時間であるのがより好ましい。
撥水/撥油性膜は、フッ素含有有機化合物、フッ素含有有機−無機ハイブリッドポリマー、又はフッ化ピッチにより形成する。このうち、フッ素含有有機化合物からなる撥水/撥油性膜は、コート法等のウェット法や化学蒸着法により形成することができる。フッ素含有有機−無機ハイブリッドポリマーからなる撥水/撥油性膜は、コート法により形成することができる。フッ化ピッチからなる撥水/撥油性膜は、フッ化ピッチの溶液を塗布することにより形成できる。そこで、コート法によりフッ素含有有機化合物からなる撥水/撥油性膜(フッ素樹脂層)を形成する場合について、以下詳細に説明する。
フッ素樹脂層を形成するには、(i) フッ素含有オレフィン系ポリマーと架橋性化合物とを含有する組成物の溶液(コーティング液(i))を第六層26に塗布した後で架橋させても良いし、(ii) フッ素含有オレフィン系モノマー及びコモノマーを含有する組成物の溶液(コーティング液(ii))を第六層26に塗布した後、重合させても良い。(i)又は(ii)の方法を用いてフッ素樹脂層を形成する方法は、例えば特開平11-228631号及び特開平11-337706号に詳細に記載されている。
フッ素樹脂層を形成する方法は、コーティング液(i)又は(ii)を使用する以外上記のメソポーラスシリカ多孔質膜とほぼ同じであるので、相違点のみ以下に説明する。コーティング液(i)又は(ii)の層を形成した後、架橋反応又は重合反応させる。フッ素含有オレフィン系モノマー又は架橋性化合物が熱硬化性の場合、100〜140℃に30〜60分程度加熱するのが好ましい。紫外線硬化性の場合、50〜3,000 mJ/cm2程度でUV照射する。層の厚さにも拠るが、照射時間は通常0.1〜60秒程度である。
本発明の反射防止膜は、特に1.45〜1.60の屈折率を有する光学ガラス基材に用いるのに適しており、広い波長範囲で、かつ広い入射角度の光に対して優れた反射防止性を有し、かつ優れたヤケ防止性を有する。反射防止膜の反射率は、波長領域が400 nm〜700 nmで、0〜50°の入射角の光において1%以下であり、特に0°及び30°の入射角の光において0.5%以下である。本発明の反射防止膜を有する光学素子は、一眼レフカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置用の交換レンズとして有用である。
(1) 第一層〜第五層の形成
屈折率が1.518のBK7ガラスからなる平板(φ30 mm)の表面に、電子ビーム式の蒸着源を有する装置を用いて、真空蒸着法により、表1に示す構成の第一層〜第五層の緻密膜を形成した。
pH2の塩酸(0.01N)40 gに、塩化n-ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(関東化学株式会社製)1.21 g(0.088 mol/L)、及びブロックコポリマーHO(C2H4O)106-(C3H6O)70-(C2H4O)106H(商品名「Pluronic F127」、Sigma-Aldrich社)7.58 g(0.014 mol/L)を添加し、23℃で1時間撹拌し、テトラエトキシシラン(関東化学株式会社製)4.00 g(0.45 mol/L)を添加し、23℃で3時間撹拌した後、28質量%アンモニア水3.94 g(1.51 mol/L)を添加してpHを11とし、23℃で0.5時間撹拌した。得られた界面活性剤−メソポーラスシリカナノ複合粒子の溶液を、第五層の表面にスピンコート法により塗布し、80℃で0.5時間乾燥した後、300℃で3時間焼成した。
得られた反射防止膜の特性を表1に示す。屈折率(波長550 nmの光における屈折率)及び物理膜厚の測定には、レンズ反射率測定機(型番:USPM-RU、オリンパス株式会社製)を使用した。光学膜厚は膜の屈折率と物理膜厚との積である。
(2) 膜の屈折率と物理膜厚との積である。
反射防止膜について、自動非表面積・細孔分布測定装置「トライスター3000」(株式会社島津製作所)で窒素ガスの等温脱着曲線を求め、これをBJH法で解析してlog微分細孔容積分布による孔径分布曲線を求めた。結果を図5に示す。
反射防止膜に対して、350〜850 nmの波長域の0°、30°及び50°の入射角の光線の分光反射率を分光光度計(形式:U4000、日立製作所(株)製)を用いて測定した。結果を図6に示す。400〜700 nmの波長領域の0°、30°及び50°の入射角の光線に対する分光反射率は1%以下であり、特に0°の入射角の光に対する分光反射率は0.3%以下であった。
反射防止膜を設けた平板を、60℃の温度及び90%の相対湿度の条件で7日間処理した後、外観を目視で観察した結果、ヤケは生じていなかった。
基材として屈折率が1.585のLF5ガラスからなる平板(φ30 mm)を用い、第一層〜第五層の緻密膜を表2に示す構成となるようにした以外実施例1と同様にして、反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜の屈折率及び光学膜厚を表2に示す。
(2) 膜の屈折率と物理膜厚との積である。
メソポーラスシリカ多孔質膜上に、フッ素系表面処理剤(製品名「ノベックEGC-1720」、住友スリーエム株式会社製)をスピンコート法により塗布し、室温で24時間乾燥して撥水/撥油性膜(光学膜厚:9nm、屈折率:1.34)を形成した以外実施例1と同様にして、反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜の屈折率及び光学膜厚を表3に示す。
(2) 膜の屈折率と物理膜厚との積である。
(3) フッ素系表面処理剤(製品名「ノベックEGC-1720」、住友スリーエム株式会社製)。
メソポーラスシリカ多孔質膜上に、上記フッ素系表面処理剤をスピンコート法により塗布し、室温で24時間乾燥して撥水/撥油性膜(光学膜厚:8nm、屈折率:1.34)を形成した以外実施例2と同様にして、反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜の屈折率及び光学膜厚を表4に示す。
(2) 膜の屈折率と物理膜厚との積である。
(3) フッ素系表面処理剤(製品名「ノベックEGC-1720」、住友スリーエム株式会社製)。
基材として上記LF5ガラス平板を用いた以外特開2006-3562号の実施例1と同様にして、Al2O3、SiO2、MgF2及び三層のシリカエアロゲル多孔質層からなる反射防止膜を形成した。得られた反射防止膜の特性を表5に示す。
(2) 膜の屈折率と物理膜厚との積である。
2・・・反射防止膜
21,22,23,24,25・・・緻密膜
26・・・メソポーラスシリカ多孔質膜
27・・・撥水/撥油性膜
Claims (15)
- 400〜700 nmの波長の光に対して1.45〜1.60の屈折率を有する光学ガラス基材の表面に、前記基材側から順に形成された第一層〜第六層の膜を有する反射防止膜であって、各々400〜700 nmの波長の光に対して、(1) 前記第一層が85〜205 nmの光学膜厚を有し、アルミナを主成分とする緻密膜からなり、(2) 前記第二層が1.93〜2.77の屈折率及び10〜100 nmの光学膜厚を有する緻密膜からなり、(3) 前記第三層が1.33〜1.50の屈折率及び20〜80 nmの光学膜厚を有する緻密膜からなり、(4) 前記第四層が1.93〜2.77の屈折率及び15〜105 nmの光学膜厚を有する緻密膜からなり、(5) 前記第五層が1.33〜1.50の屈折率及び110〜185 nmの光学膜厚を有する緻密膜からなり、(6) 前記第六層が1.05〜1.15の屈折率及び100〜230 nmの光学膜厚を有し、メソポーラスシリカナノ粒子の集合体により形成されたメソポーラスシリカ多孔質膜からなることを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1に記載の反射防止膜において、前記メソポーラスシリカナノ粒子がヘキサゴナル構造を有することを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1又は2に記載の反射防止膜において、前記メソポーラスシリカ多孔質膜の窒素吸着法により求めた孔径分布曲線が二つのピークを有することを特徴とする反射防止膜。
- 請求項3に記載の反射防止膜において、前記メソポーラスシリカ多孔質膜の孔径分布曲線が、粒子内細孔径によるピークを2〜10 nmの範囲内に有し、粒子間細孔径によるピークを5〜200 nmの範囲内に有することを特徴とする反射防止膜。
- 請求項3又は4に記載の反射防止膜において、前記粒子内細孔と前記粒子間細孔との容積比が1/15〜1/1であることを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止膜において、前記第六層の空隙率が65〜90%であることを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止膜において、前記第一層の屈折率が1.58〜1.71であることを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の反射防止膜において、前記第二層及び第四層がTa2O5、TiO2、Nb2O5、ZrO2、HfO2、CeO2、SnO2、In2O3及びZnOからなる群から選ばれた少なくとも一種からなり、前記第三層及び第五層がMgF2及びSiO2のいずれかであることを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の反射防止膜において、前記第六層の上にさらに撥水性又は撥水撥油性を有する厚さ0.4〜100 nmの膜を有することを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の反射防止膜において、0〜50°の入射角の光の波長領域400 nm〜700 nmにおける反射率が1%以下であることを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止膜を形成する方法であって、(1) 蒸着法により、前記第一層〜第五層の緻密膜を前記基材の表面に形成した後、(2)(i) 溶媒、酸性触媒、アルコキシシラン、カチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含む混合溶液をエージングしてアルコキシシランを加水分解・重縮合させ、(ii) 得られたシリケートを含む酸性ゾルに塩基性触媒を添加することにより、前記非イオン性界面活性剤で被覆され、かつ前記カチオン性界面活性剤を細孔内に有するメソポーラスシリカナノ粒子の溶液を調製し、(iii) 得られた溶液を前記第五層の表面にコーティングし、(iv) 乾燥して前記溶媒を除去し、(v) 焼成して前記カチオン性界面活性剤及び前記非イオン性界面活性剤を除去することを特徴とする方法。
- 請求項11に記載の反射防止膜の形成方法において、前記カチオン性界面活性剤として塩化n-ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを用い、前記非イオン性界面活性剤として式:RO(C2H4O)a-(C3H6O)b-(C2H4O)cR(但し、a及びcはそれぞれ10〜120を表し、bは30〜80を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す)で表されるブロックコポリマーを用いることを特徴とする方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止膜を有することを特徴とする光学素子。
- 請求項13に記載の光学素子を有することを特徴とする交換レンズ。
- 請求項13に記載の光学素子を有することを特徴とする撮像装置。
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