JP7327385B2 - 透明部材及び透明部材の製造方法 - Google Patents
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Description
ところで、車載カメラは車外に取り付けられる場合が多く、そのレンズ上に雨などによって水滴がしばしば付着する。レンズに付着した水滴の度合いによっては、カメラで撮像された画像に歪みが生じ、視認性が悪化する恐れがある。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.少なくとも、基材及び当該基材上に撥水層を備えてなる透明部材であって、
前記撥水層は、水に対する接触角が連続的に変化する表面部分を有する透明部材。
撥水材料を成膜して撥水層を形成する工程を備え、
前記工程において、前記撥水層の厚さが連続的に変化するように形成する透明部材の製造方法。
10.前記工程において、前記撥水層の表面粗さが連続的に変化するように形成する第8項又は第9項に記載の透明部材の製造方法。
11.前記工程では、エッチング又はブラスト法のいずれかを用いる第8項から第10項までのいずれか一項に記載の透明部材の製造方法。
12,前記工程では、照射強度を変えながら酸素プラズマ又はオゾンのいずれかを前記撥水層の表面に照射する第8項から第11項までのいずれか一項に記載の透明部材の製造方法。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
水に対する接触角が連続的に変化する表面部分を有しているので、前記表面部分において、接触角の変化量に依らず水滴を移動させる力(駆動力)が働く。そのため、当該表面部分に水滴が付着した場合に、水滴が接触角の小さくなる方向に自然に滑落し、水滴が表面部分から除去される。したがって、このような透明部材を例えば、車載用カメラや監視用カメラなど屋外にて使用するレンズに用いた場合に、撮影した画像に歪みが生じることがなく、視認性が良好となる。また、水滴がレンズに付着しづらくなり、悪天候時でも良好な視認性を維持することができる。
この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
また、前記撥水層の厚さが、連続的に変化していることが、より簡便に水滴を除去することができる点で好ましい。
前記撥水層が、フッ化物を含有することが、水に対する接触角を調整しやすく、接触角を大きくできる点で好ましい。
前記撥水層の裏面に、反射防止層を有することが、光学性能に優れる点で好ましい。
前記表面部分の表面粗さが連続的に変化していることが、表面エネルギーを変化させて水の流れ方向を制御する点で好ましい。
車載用又は屋外用の光学部品に用いられることが、雨天などによる水滴の付着を防止し、かつ、良好な視認性が得られる点で好ましい。特に、光学部品が光学レンズであることが好ましい。
前記工程では、蒸着法、塗布法のいずれかを用いることが、より簡便に水滴を除去することができる点で好ましい。
本発明の透明部材は、少なくとも、基材又は当該基材上に層を備えてなる透明部材であって、水に対する接触角が連続的に変化する表面部分を有している。
また、接触角の変化量は、大きいほど水滴を移動させる力は大きくなり、変化量が小さいと移動させる力は小さくなるが、接触角が連続的に変化する領域においては、変化量に依らず水滴を移動させる力が働く。
本発明の透明部材を円形レンズで使用する場合には、例えば、レンズの中心から外側(半径方向)に向けての変化量ができる限り大きくなるように設定することが好ましい。最大接触角自体は、必ずしも大きくなくても構わない(すなわち、撥水表面でなくても構わない。)。また、水滴除去の目的からは接触角の変化量は一定でなくても構わない。
接触角が連続的に変化する領域について必要な幅は、1mm以上であることが好ましい。1mm未満では光学特性の急激な変化が懸念される。
本発明の透明部材を車載カメラ用レンズに用いる場合は、水滴を除去したい部分、つまりレンズの光学的な有効径領域全体で接触角が変化することが好ましく、有効径を除いたレンズ表面全面を接触角の変化する領域とすることが、レンズ表面より完全に水滴を除去することができるためより好ましい。
図1Aは、レンズの中心から外側(半径方向)に向かって接触角が連続的に小さくなるように変化している。この場合、レンズの半径方向に向けて水滴を移動して除去することができ、既存のレンズと同様で、レンズの向きの制限がなくそのまま置き換えて使用することが可能である。
図1Bは、レンズの外周のうち一端部から、当該一端部に対向する他端部へ向かって接触角が連続的に小さくなるように変化している。この場合、レンズの前記他端部へ水滴を移動して除去することができる。レンズを傾けて設置した場合、1方向に水滴を除去することができる。
図2において、横軸は、透明部材の水滴移動方向の断面を見たときの表面位置(水滴が移動する部分における水滴のスタート地点からの距離)、縦軸は、水に対する接触角を表す。
接触角は、公知の方法によって測定することができる。例えば、JIS R3257で規定される方法に準拠して測定する。測定条件は、温度25±5℃、湿度50±10%とし、具体的な操作の手順としては、水(蒸留水)を透明部材上に約1.5μL滴下して、固液界面解析装置(DropMaster500、協和界面科学株式会社製)により透明部材上の5か所を測定し、測定値の平均から平均接触角を得る。接触角測定までの時間は水を滴下してから1分で測定する。
本発明の透明部材は、少なくとも、基材又は当該基材上に層を備えてなる。すなわち、基材自体に、水に対する接触角が連続的に変化する表面部分を有するものであってもよいし、基材上に備えられた層に、水に対する接触角が連続的に変化する表面部分を有するものであってもよい。
本発明の透明部材は、前記表面部分が撥水層に含まれることが好ましく、当該撥水層が、前記基材上に備えられていることが好ましい。
また、本発明の透明部材は、基材と撥水層との間に、低屈折率層及び高屈折率層が積層されてなる反射防止層を有することが好ましい。
本発明の透明部材の好ましい構成としては、図3に示すように、基材101上に、当該基材101側から順に、反射防止層201及び撥水層104が設けられた構成である。なお、撥水層104の表面側(露出面側)が空気に接触する側となる。
基材としては、ガラス、樹脂等が挙げられる。樹脂としては、ポリカーボネート樹脂や
シクロオレフィン樹脂等が挙げられる。
撥水層は、基材上に設けられ、水に対する接触角が連続的に変化する表面部分を有する。
すなわち、水に対する接触角は、厚さに依存することから、表面部分を有する前記撥水層の厚さが連続的に変化していることが好ましい。
さらに、前記表面部分である撥水層の表面粗さが連続的に変化していることがより好ましい。
撥水層の中心の厚さは、16~50nmの範囲内であることが好ましく、撥水層の半径方向端部側の厚さは、0~15nmの範囲内であることが、撥水性能の確保が十分に確保できる点で好ましい。
前記算術平均粗さは、JIS B 0601:2001に準じて、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて測定した値である。具体的には、Buruker社製のDimension Iconを用い、測定エリアは、10μm×10μmとした。
反射防止層は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された多層構造を有することが好ましい。
本発明に係る高屈折率層は、基材の屈折率よりも高い屈折率を有する層であり、本発明に係る低屈折率層は、基材の屈折率よりも低い屈折率を有する層である。
高屈折率の波長587.56nmに対する屈折率は、1.9~2.45の範囲内、低屈折率の波長587.56nmに対する屈折率としては、1.3~1.5の範囲内であることが好ましい。
本発明の透明部材の製造方法は、撥水材料を成膜して撥水層を形成する工程を備え、前記工程において、前記撥水層の厚さが連続的に変化するように形成する。
前記撥水層を形成する工程は、撥水層の水に対する接触角が、撥水層の厚さに依存することから、撥水層の厚さが連続的に変化することが好ましい。また、撥水層の厚さを上述のように制御することに加えて、又は、撥水層の厚さを制御せずに、撥水層の表面粗さが連続的に変化するように形成してもよい。
撥水層の厚さを連続的に変化するように形成する手段としては、例えば、マスク板による撥水材料をコートする際に、けられを利用して厚さに傾斜(膜厚勾配)をつけることができる。この場合は、後述するように、真空蒸着法などを用いることが好ましい。
また、位置により開口面積の異なるマスク板を基材の手前に配置して撥水材料のコートを行い、膜厚勾配をつけることができる。この場合は、真空蒸着法やスプレー法などを用いることが好ましい。
また、均一な撥水層上にマスク材料を傾斜成膜し、エッチングすることで撥水層の厚さ
を連続的に変化するように形成することもできる。
なお、前記撥水層の厚さや表面粗さを変化させることの他に、撥水層の接触角を連続的に変化させる手段として、酸素プラズマ、オゾンなどを照射することで接触角が低下することから、照射強度を変えながら照射することで、接触角の傾斜を作り出すこともできる。
前記真空蒸着法を用いた成膜方法について、真空蒸着装置の説明とともに以下に説明する。
図4に示すように、本発明に係る真空蒸着装置1は、チャンバー2と、ドーム3と、モニターシステム5とを備えている。
各蒸発源6において成膜材料を蒸発させるときの加熱方式としては、抵抗加熱、電子ビーム加熱、高周波誘導加熱、レーザビーム加熱などがあるが、いずれの方式であっても構わない。また、チャンバー2には、図示しない真空排気系が設けられており、これによってチャンバー2内が真空引きされる。
性(例えば透過率、反射率、光学層厚など)を把握することができる。また、モニターシステム5は、水晶層厚モニターも含んでおり、基材101上に成膜される層の物理層厚を監視することもできる。このモニターシステム5は、層の監視結果に応じて、複数の蒸発源6のON/OFFの切り替え等を制御する制御部としても機能する。
マスク板12は、基材101に対して複数の蒸発源6側に位置し、かつ、基材101の一部との間に間隙Tが形成された状態で基材101とともに公転するように、上述したホルダー21によってチャンバー2内で保持されている。
図6は、基材101及びマスク板12を保持したホルダー21を、公転半径方向及び公転方向に並べてドーム3に保持したときの各基材101と、任意の基材101に対応するマスク板12とを示す平面図である。なお、マスク板12の形状を明確にするため、図6では、マスク板12にハッチングを便宜的に付している(他の図面でも同様)。同図に示すように、マスク板12の公転方向の幅は、公転半径方向において一定であり、マスク板12の平面形状は長方形となっている。
基材101に対して蒸発源6側にマスク板12が位置していると、基材101及びマスク板12の公転方向の各位置において、各蒸発源6から基材101に向かう成膜材料の一部がマスク板12にて、けられる。このとき、基材101とマスク板12との間隙Tが狭い場合(このときの間隙TをTaとする)、基材101に向かう成膜材料が、基材101とマスク板12との間で奥まで(基材101の端部まで)に入り込みにくくなる。このため、基材101上に成膜される層7の膜厚勾配は急となる(図7A参照。)。
また、このように中心部分に穴があけられたマスク板12Aを用いた場合も同様に、基材101とマスク板12との間隙Tが狭い場合には、膜厚勾配は急となり、間隙Tが広い場合には、膜厚勾配は緩やかとなる。
さらに、中心部分にあけられる穴の大きさ(開口面積)は、撥水層の形成したい膜厚勾配の領域の大きさに応じて適宜変更すればよい。具体的には、直径10mmの基材を用いた場合、中心部分に直径2~8mmの穴を形成したマスク板を用いることが好ましい。なお、前記穴の形状は真円でなくともよく、また、穴を形成する周面に凹凸等が形成されていてもよい。
本発明に係る塗布法は、基材上に撥水層の厚さが連続的に変化するように撥水材料を塗布することが好ましい。
塗布法としては、スピン塗布、ディップ塗布、スプレー法等が挙げられ、中でもスプレー法が撥水層の厚さを連続的に傾斜して形成しやすい点で好ましい。
本発明に係るスプレー法は、撥水材料をスプレーにて塗布する方法である。スプレーの照射時間で撥水層の厚さを任意に制御することができる。また、蒸着法同様、スプレー時にマスクを用いる方法でも厚さを連続的に変化させることができる。
反射防止層を形成する工程では、基材上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法によって成膜することができるが、特に、真空蒸着法で成膜することが好ましい。また、真空蒸着法において、IADを用いてもよく、これにより耐傷性が向上する。
IADを用いる場合、上述した蒸着装置内にイオン銃を設け、成膜時にイオン銃の駆動をONにして成膜すればよい。
本発明の透明部材は、車載用又は屋外用の光学部品に用いられる。
本発明の車載用光学部品としては、例えば、車載カメラに搭載されるレンズユニットなどが挙げられる。
「車載カメラ」とは、自動車の車体の外方側に設置されるカメラであって、車体の後方部に設置されて後方確認用に使用されたり、車体の前方部に設置されて前方確認用又は側方確認用や、前車との距離の確認用などとして使用される。
このような車載カメラ用のレンズユニットは、複数枚のレンズによって構成され、詳しくは、物体側に配置される物体側レンズと、像側に配置される像側レンズ群とで構成される。像側レンズ群は、複数枚のレンズとレンズ間に設けられた絞りを備えている。
このような複数のレンズのうち、物体側レンズが外気に露出される露出面となっており、この露出面を有するレンズとして、本発明の透明部材が好適に用いられる。
[実施例1]
接触角が連続的に変化する表面部分を付与する作製例として、真空蒸着法により撥水材料を蒸着して撥水層の厚さに傾斜をつける方法を採用した。
基材:ガラス基材(HOYA社製のTAF1)
真空蒸着装置:成膜装置BES-1300(株式会社シンクロン製)
撥水材料の蒸発源:抵抗加熱方式
撥水材料:SURFCLEAR 100(SC-100)タブレット形状(キヤノンオプトロン株式会社製)
上記の基材を真空蒸着装置に設置して、蒸発源と基材との間に基材の半分を覆い、かつ、基材に対して平行となるようにマスク板を配置し、マスク板でコートがけられることにより、蒸着後の基材上に撥水層の厚さが連続的に変化するように作製した。また、撥水層の安定化のために、成膜後は室温にて半日以上放置した。
基材とマスク板との間の距離は、3mmと10mmの場合について、それぞれ成膜を行い、基材上に撥水層が形成された二つの透明部材を得た。
得られた各透明部材について、7μLの水滴を付着させると、マスク板が配置されていない部分(撥水層の厚さが厚い部分)から、マスク板が配置されていた部分(撥水層の厚さが薄い部分)に向けてそれぞれ水滴が移動することを下記のとおり確認した。このとき、水滴の移動速度は、基材とマスク板との間の距離が小さい(3mm)場合の方が、基材とマスク板との間の距離が大きい(10mm)場合に比べて、速いことを確認した。また、水滴の移動距離については、基材とマスク板との間の距離が大きい(10mm)場合の方が、基材とマスク板との間の距離が小さい(3mm)場合に比べて、長いことを確認した。
また、各透明部材の撥水層の厚さを確認したところ、基材とマスク板との間の距離が3mm、10mmにおいて16nm~0nmの連続的な膜厚勾配が形成されている領域の水滴が移動する方向の長さは各々4mm、9mmであった。撥水層の厚さが16nmの領域の接触角は120°、厚さが0nmの領域の接触角は30°であった。
基材と蒸発源との間に、穴が形成されたマスク板を、当該穴が基材の中心部に位置するように設置して、上記実施例1と同様にして成膜した。なお、基材としては、凸形状レン
ズ(直径12mm)を用い、マスク板の穴の直径は6mmとし、基材とマスク板との間の距離は3mmに設定した。得られた透明部材について、水滴を付着させると、マスク板の穴部が配置されていた部分(基材の中心部分)からマスク板が配置されていた部分の径方向に向けて水滴が移動することを確認した。また、基材の大部分において、水滴が基材の外側方向に移動することを確認した。
2 チャンバー
3 ドーム
5 モニターシステム
6,6a,6b 蒸発源
7 層
12,12A マスク板
21 ホルダー
22 保持板
23 シャフト
24,25 ナット
AX 軸
101 基材
104 撥水層
201 反射防止層
Claims (12)
- 少なくとも、基材及び当該基材上に撥水層を備えてなる透明部材であって、
前記撥水層は、水に対する接触角が連続的に変化する表面部分を有する透明部材。 - 前記撥水層の厚さが、連続的に変化している請求項1に記載の透明部材。
- 前記撥水層が、フッ化物を含有する請求項1又は請求項2に記載の透明部材。
- 前記撥水層の裏面に、反射防止層を有する請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の透明部材。
- 前記表面部分の表面粗さが連続的に変化している請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の透明部材。
- 車載用又は屋外用の光学部品に用いられる請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の透明部材。
- 前記光学部品が、光学レンズである請求項6に記載の透明部材。
- 少なくとも、基材又は当該基材上に層を備えてなり、水に対する接触角が連続的に変化する表面部分を有する透明部材の製造方法であって、
撥水材料を成膜して撥水層を形成する工程を備え、
前記工程において、前記撥水層の厚さが連続的に変化するように形成する透明部材の製造方法。 - 前記工程では、蒸着法、塗布法のいずれかを用いる請求項8に記載の透明部材の製造方法。
- 前記工程において、前記撥水層の表面粗さが連続的に変化するように形成する請求項8又は請求項9に記載の透明部材の製造方法。
- 前記工程では、エッチング又はブラスト法のいずれかを用いる請求項8から請求項10までのいずれか一項に記載の透明部材の製造方法。
- 前記工程では、照射強度を変えながら酸素プラズマ又はオゾンのいずれかを前記撥水層の表面に照射する請求項8から請求項11までのいずれか一項に記載の透明部材の製造方法。
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