JP2000047005A - 反射防止物品及びその製造方法 - Google Patents
反射防止物品及びその製造方法Info
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Abstract
る表面外観の悪化を防ぐことを目的とする。 【解決手段】透明基体の少なくとも一方の面に反射防止
膜が積層された反射防止物品において、該反射防止膜
は、その表面においてオレイン酸に対する接触角が相対
的に高い表面領域の中に接触角が相対的に低い表面領域
が海島状に分布しており、該島の大きさは平均径が1〜
100μmであって、分布割合は全表面に対する表面積
比で1〜30%の範囲にある反射防止膜であることを特
徴とする反射防止物品。
Description
ー、プラズマディスプレー、フィールドエミッション型
ディスプレー、CRT等の各種ディスプレーや、ショウ
ウインドウ、眼鏡レンズ等における表面反射を減じる目
的で用いられ、より具体的にはフィルム状もしくはシー
ト状もしくはレンズ状等の成形物の形態で用いられる反
射防止物品に関する。
ドウ等においては、太陽光や室内照明光等による表面で
の反射により視認性が低下するという問題がある。こう
した表面反射を減じる方法としては、一般に屈折率の相
異なる厚みが10〜200nm程度の光干渉膜を単層も
しくは数層積層してなる反射防止膜を表面に積層する方
法が広く用いられている。
反射防止膜に於いては、主に使用者の指紋付着による表
面外観の悪化の問題がある。すなわち指紋とは指が接触
した表面上に、指先の皮膚に分泌保持された汗や皮脂液
等の一部が転写されたパターン模様である。これらの液
に含まれる水分(主に汗)については通常すぐに大気中
に揮発するため特に問題にならないが、皮脂液について
は揮発性が低いため表面に長く残存してしまう。これら
の皮脂液は表面に付着後、表面と液との界面張力のバラ
ンスに応じた最も安定な形態に変化しようとして液膜の
形態変化を引き起こすのが一般的である。たとえば接触
角が小さい時には一般に付着液は連続膜状に薄く広がる
傾向にあるが、この液膜が新たな光干渉膜として光学的
に無視できない膜厚(およそ約10nm以上の膜厚)を
有する場合には干渉色(反射色)の顕著な変化を引き起
こし、その結果として指紋模様が外観において非常に目
立つ事になる。
に、液膜はいくつかの部分に分裂しながら半球状、球状
あるいは楕円球状等の液滴形態に変化するため、前記の
場合ほど顕著な干渉色(反射色)の変化は観られない。
このような観点から、近年では反射防止膜の表面が一様
に高撥水性もしくは高撥油性になるように表面に極薄の
防汚染層を設ける方法が用いられるようになってきてい
る。
た場合でも、液滴が肉眼で明確に判別できるような大き
な径(およそ100μm以上)に成長すると、液滴のあ
る部分のみ干渉色(反射色)が無彩色化して目立つとい
う問題を有している。
は、反射防止膜表面のオレイン酸に対する接触角が一様
ではなく、相対的に接触角が高い表面領域の中に相対的
に接触角が低い表面領域が海島状に分布している事を特
徴としている。
も一方の面に反射防止膜が積層された反射防止物品にお
いて、該反射防止膜は、その表面においてオレイン酸に
対する接触角が相対的に高い表面領域の中に接触角が相
対的に低い表面領域が海島状に分布しており、該島の大
きさは平均径が1〜100μmであって、分布割合は全
表面に対する表面積比で1〜30%の範囲にある反射防
止膜であることを特徴とする反射防止物品である。
にハードコート層、反射防止膜をこの順に積層し、さら
に反射防止膜に適当な表面処理を行うことにより、上記
反射防止物品を製造する方法である。
射防止膜表面の接触角の値が一様に高くなるように形成
されているが、液滴の自由な成長が可能な事から前記の
ように肉眼で判別できるような大きなサイズの液滴に成
長してしまう場合がある。
成長サイズを適切に制御する方法として、反射防止膜の
表面の油脂成分に対する接触角の値が一様でなく、相対
的に接触角の大きい表面領域(以下高接触角領域と記
す)の中に接触角が相対的に小さい表面領域(以下低接
触角領域と記す)が島状に分布しているような表面を形
成する事が非常に有効であり、これらの低接触角領域に
成長過程の液滴がトラップされてサイズが抑制される結
果として、指紋が非常に目立ちにくくなる事を見出し
た。
ためには、高接触角領域は少なくとも皮脂成分たとえば
室温で液状の不飽和脂肪酸であるオレイン酸に対する接
触角が60度以上の撥油性を有している事が好ましく、
低接触角領域の示す接触角との差が10度以上、より好
ましくは20度以上ある事が好ましい。また高接触角領
域の中に低接触角領域が島状に分布する事が好ましく、
島の大きさは平均径が1〜100μm程度で分布割合は
全表面に対し表面積比でおよそ1〜30%程度の範囲に
ある事が好ましい。
油性の高い材料としては、例えば各種の界面活性剤やC
F3(CF2)7CH2CH2−SiCl3、CF3(CF2)
7CH2CH2−SiCH3Cl2、CF3(CF2)CH2C
H2−Si−(OCH3)3等の各種フルオロアルキルシ
ラン、フルオロアルコキシシランおよびこれらを他の高
分子材料と共重合体した硬化物等が好適に用いられる。
ては、特に限定なく幅広い材料が使用できる。例えば酸
化珪素、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸
化インジウム、酸化錫、ITO等の金属酸化物層、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ビニルトリ
クロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)
シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、 N−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、 N−β(アミノエチル)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等の各種ア
ルコキシシランを原料とした硬化物、これらを他の高分
子材料と共重合体した硬化物等、各種ポリイミド、エポ
キシ樹脂等が好適に用いられる。
表面の形成方法としては、後述の反射防止膜の製膜過程
での相分離等の性質を利用して形成する方法や、反射防
止膜を積層した後に各種の表面処理を施す方法が挙げら
れる。尚、ここで言う表面処理には後述の反射防止膜の
光学設計においてはほとんど無視できるような極薄の層
(厚さで10nm以下、好ましくは5nm以下)をコー
ティングすることをも含めることとする。又、このよう
な表面処理においては製膜した反射防止膜の表面自体を
二種の接触角領域のいずれかとして利用する場合と、表
面処理によって新たに二種の接触角表面を作り出す場合
の二つがある。
する材料からなる塗液を用い、高接触角領域に低接触角
領域が島状に分布するようなパターンにスクリーン印刷
する方法や、高接触角領域面に低接触角領域を形成する
材料液をスプレーコートもしくはスリットスプレーコー
トもしくはバブルジェット等の方法で表面に噴霧して島
状に付着させる方法や、高接触角領域を形成する材料が
低接触角領域を形成する材料をミセル状にとり囲んだエ
マルジョン液をコーティングし、塗工面上でのミセルの
自然崩壊を利用して目的の表面を得る方法や、低接触角
領域面に高接触角領域を形成する材料液をバブリングし
ながらコーティングし、塗工面上での気泡の自然崩壊に
より低接触角領域を島状に露出させる方法、比較的表面
張力の低い表面に材料液をコーティングした際の塗液の
はじき現象を利用して目的の表面を得る方法、低接触角
領域面に高接触角領域の層をコーティングした後、サン
ドブラスト処理等により高接触角領域の層の一部分を剥
ぎ取って目的の表面を得る方法、二種の材料を混合した
塗液をコーティングし両材料の相分離現象を利用し、場
合によっては更に薬液による選択的なエッチングを利用
して目的の表面を得る方法等が挙げられる。
膜を、光学設計に基づいて多様に組み合わせることによ
り構成されるが、一例としては光の波長λに対し光学膜
厚(屈折率×膜厚)がλ/4程度の光干渉膜を単層もし
くは複数層積層したような構成が好適に用いられる。こ
こで単層で用いられる光干渉膜には屈折率が透明基体よ
り低い必要があり、NaAlF6、LiF、CaF2、M
gF2、SiO2等の材料による低屈折率膜が用いられ
る。二層の光干渉膜からなる構成としては、例えば基体
側からTiO2、ZrO2、 Ta2O5、Nb2O5、 Ce
O2、SbO2、ZnS、In2O3、SnO2およびIT
O等の材料による高屈折率膜と前記の低屈折率層を順に
積層した構成等が挙げられ、三層の光干渉膜からなる構
成としては、例えば前記二層構成における高屈折率膜と
透明基体との間に、屈折率が高屈折率膜と透明基体の中
間にあるようなAl2O3、CeF3、MgO、ThO2等
の材料による中屈折率層を積層した構成等が挙げられ、
四層の光干渉膜からなる構成としては、例えば前記中屈
折率層の代わりに透明基体側から光学膜厚がλ/30〜
λ/10程度の高屈折率膜と低屈折率膜を順に積層した
構成等が挙げられる。
等の導電性材料を用いた場合には反射防止膜に電磁波遮
蔽能や帯電防止能が付与される。一般に表面が帯電する
と大気中のほこりが付着しやすくなり、付着したほこり
が汚れの核として働く事が多いので、前記のような反射
防止膜への帯電防止性の付与は非常に好ましい。
リング、CVD、イオンプレーティング等の真空プロセ
ス、もしくは各種ロールコーティング、スピンコーティ
ング等の湿式プロセスを用いて作成される事が好まし
い。
は、各種のガラス材料や、各種の熱可塑性、熱硬化性の
高分子の成形体が好ましく用いられる。この中でも特に
各種熱可塑性高分子フィルムを基体として使用した場
合、反射防止膜をロールトゥロールで連続的に積層する
ことが可能であり、高い生産性が得られるので好まし
い。
は、例えばトリアセチルセルロース(TAC)、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート
(PC)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。こ
れらのフィルムは取り扱いのしやすさからおよそ30μ
m程度から400μm程度の厚みのものが好ましく用い
られる。
合には、機械的強度の観点からハードコート性を有する
層(以下ハードコート層と記す)を積層した後に反射防
止層を積層する事が更に好ましい。ここでいうハードコ
ート性とは層の表面を、#0000のスチールウールに
100gf/cm2の加重をかけて10回(10往復)
こすった後に層の表面に肉眼で傷が認められない状態を
意味する。
多数の架橋反応部位を有する架橋性高分子樹脂からなる
架橋層が用いられ、たとえばシリコーン系の熱硬化性樹
脂や(メタ)アクリル系等の放射線硬化型樹脂が挙げら
れる。
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等の各種
アルコキシシランおよびそれらの混合物を酸性水溶液で
加水分解して部分縮合体となっているものが用いられ、
場合によっては硬化触媒として酢酸ナトリウム、各種三
級アミン等が添加される。
射により架橋が進行する樹脂を指し、その中でも官能基
を多く有する高架橋性の(メタ)アクリレートの使用が
好ましい。これらの例としてはたとえば、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリ
シクロデカンジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アク
リレートモノマーや、単位構造内に2個以上の(メタ)
アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート
オリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴ
マー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等の
(メタ)アクリレートオリゴマー、もしくはこれらの混
合物等が挙げられる。
せる場合には、光反応開始剤を適量添加する。このよう
な光反応開始剤としては、たとえばジエトキシアセトフ
ェノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニ
ル)−2−モルフォリノプロパン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノ
ン系化合物、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等
のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安
息香酸等のベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン、
2、4ージクロロチオキサンソン等のチオキサンソン系
化合物等が挙げられる。
溶剤希釈をした状態で透明基体にコーティングされる。
尚、溶剤希釈を行った放射線硬化型樹脂をコーティング
した場合には放射線の照射による層の硬化を行う前に十
分熱乾燥させ、含有する溶剤をほぼ揮発させる必要があ
る。コーティング方法としては、マイクログラビヤコー
ト、マイヤーバーコート、ダイコート等のおもにロール
フィルムに好適な連続コーティング方法や、スピンコー
ト、ナイフコート等のおもにフィルム以外の成形体に好
適な枚葉コーティング方法等が挙げられる。
ロンの範囲にある事が好ましい。これは2ミクロン以下
では、前述のようにハードコート性が不十分になり、8
ミクロンを越えると層の硬化収縮の影響でクラックを生
じ易くなったり基体のカールが大きくなったり、層の密
着性が低下したりするからである。
ート層との密着性を更に向上する必要がある場合には、
基体に適当なプライマー層を積層した後にハードコート
層を積層する事が好ましい。
ーティングにより形成したPMMA等の熱可塑性アクリ
ル樹脂やフェノキシ樹脂、各種アルコキシシラン、アル
コキシチタン、アルコキシジルコニウム等による層や、
スパッタリング、真空蒸着等の真空プロセスにより形成
した酸化珪素、酸化チタン、チタン、ITOの層が好適
に用いられる。
度に光散乱するように表面の形状を制御する事により、
反射防止性を更に向上させる事も好ましく行われる。こ
の目的には最表面に光の散乱能の高いミクロンサイズ径
の凹凸部を分散形成する事が好ましく、具体的には例え
ばハードコート層内に平均粒径(もしくは二次凝集径)
が数ミクロン前後の微粒子を適量分散させる方法、ハー
ドコート層表面をサンドブラスト処理する方法等の方法
を用いれば、ハードコート表面に簡易にこのような凹凸
が分散形成され、反射防止膜積層後にもその形状はほと
んど変わらないため、反射光を効果的に散乱させる事が
できる。又、反射防止膜上に程度な密度で凹凸が形成さ
れた場合、指先が反射防止膜表面と接した際の両者の面
密着を抑制し、指紋の転写量が抑制される効果が観られ
る場合がある。
明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものでは
ない。
成した厚みが100μmのポリカーボネートフィルム
(帝人製ピュアエースC110)を用いた。
アクリルシリコーン系ハードコート剤(信越化学製X1
2−2450)を塗液としてマイクログラビヤコーティ
ングを行い、溶剤乾燥後に強度160W/cmの高圧水
銀ランプにより積算光量500mJ/cm2の紫外線を
照射して、膜厚4.5umの硬化層を設けた。
に140nm程度になるような膜厚で基体側から高屈折
率膜、低屈折率膜の順に積層し、二層の光干渉膜による
構成の反射防止膜を形成した。
含有した酸化インジウム(ITO)を用いた。すなわち
前記組成のITOターゲットをつけたスパッタリング装
置に前記ハードコート層が形成されたフィルムをセット
した後、圧力1.3mPaまで排気を行った。引き続い
てAr/O2混合ガス(O2濃度1.4vol%)を10
0sccmで導入し、圧力が0.27mPaになるよう
に調整し、投入電力密度1W/cm2の条件でDCマグ
ネトロンスパッタリングを行い、蛍光X線測定による膜
厚が約70nmのITO膜(n=2.0)を積層した。
結晶Siのメタルターゲットを用いて圧力1.3mPa
まで排気後に、Ar/O2混合ガス(O2濃度12.0v
ol%)を100sccmで導入し、圧力が0.27P
aになるように調整し、投入電力密度1W/cm2の条
件でDCマグネトロンスパッタリングを行い、蛍光X線
測定による膜厚が約100nmのSiO2膜(n=1.
46)を積層した。
島状に分布する表面を得る目的で、反射防止膜に以下の
ような表面処理を行った。
らかじめ希塩酸により公知の方法により加水分解した液
を固形分濃度が0.02重量%になるようにエタノール
で希釈した塗液を用いてマイクログラビヤコーティング
を行い、130℃で5分間熱乾燥してメチルトリメトキ
シシラン縮合物による極薄の層1を形成した。
F3(CF2)7CH2CH2−Si(OCH3)3をあらか
じめ希塩酸により公知の方法により加水分解した液を
0.02重量%の固形分濃度にエタノールで希釈した塗
液を用いて上記層1上にマイクログラビヤコーティング
を行い、130℃で5分間熱乾燥して前記フルオロアル
キルアルコキシシラン縮合物による極薄の層2を形成し
た。
した、前記メチルトリメトキシシラン縮合物による層の
オレイン酸に対する接触角は約47度、フルオロアルキ
ルアルコキシシラン縮合物による層に対しては約70度
であった。
ン酸を綿棒に漬して処理表面に薄く塗りつけた後、20
0倍の光学顕微鏡で表面観察を行った。この結果、表面
には径がおよそ20μm以下の多数の液滴が一様に分布
しているのが観察され、これ以上の大きさの液滴は非常
に少なかった。また、オレイン酸を塗布した表面を肉眼
観察しても塗布部分は外観上あまり目立たなかった。
キルアルコシキシラン縮合物の層のコーティングにおい
て、メチルトリメトキシシラン縮合物の表面張力が比較
的低いために塗工液の濡れ性が低く、液膜のはじき現象
によって前記径程度の塗工ヌケ部分が生じ、高接触角領
域に低接触角領域が分布した表面が形成されたものと推
定される。
メチルトリメトキシシラン縮合物の層を設けず、いきな
りフルオロアルキルアルコキシシラン縮合物の層を設け
た以外は実施例と全く同様の積層体を形成した。実施例
同様にオレイン酸をこの積層体表面に塗りつけて顕微鏡
観察を行ったところ、一つの顕微鏡視野内に50μmを
超える径の液滴が数個から十個程度含まれていた。ま
た、オレイン酸の塗布部分は肉眼でも若干周囲より目立
って見えた。
した指紋の模様が目立ちにくい反射防止膜を有する各種
物品を簡易に得る事ができるようになった。
示す断面模式図である。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 透明基体の少なくとも一方の面に反射防
止膜が積層された反射防止物品において、該反射防止膜
は、その表面においてオレイン酸に対する接触角が相対
的に高い表面領域の中に接触角が相対的に低い表面領域
が海島状に分布しており、該島の大きさは平均径が1〜
100μmであって、分布割合は全表面に対する表面積
比で1〜30%の範囲にある反射防止膜であることを特
徴とする反射防止物品。 - 【請求項2】 熱可塑性高分子フィルムからなる透明基
体上にハードコート層、反射防止膜をこの順に積層し、
さらに該反射防止膜に表面処理を行うことにより、該反
射防止膜の表面においてオレイン酸に対する接触角が相
対的に高い表面領域の中に接触角が相対的に低い表面領
域が海島状に分布しており、該島の大きさは平均径が1
〜100μmであって、分布割合は全表面に対する表面
積比で1〜30%の範囲にある反射防止膜とすることを
特徴とする反射防止物品の製造方法。 - 【請求項3】 表面処理方法として、反射防止膜上に接
触角が相対的に低い表面領域を形成する材料からなる層
をコーティングにより形成した後に、接触角が相対的に
大きい表面領域を形成する材料からなる層をコーティン
グにより形成することを特徴とする請求項2記載の反射
防止物品の製造方法。 - 【請求項4】 相対的に接触角が低い表面領域を形成す
る材料として、アルコキシシランの縮合物を用い、相対
的に接触角の大きい表面領域を形成する材料として、フ
ルオロアルコキシシランの縮合物を用いることを特徴と
する請求項3記載の反射防止物品の製造方法。
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---|---|---|---|
JP21548398A JP4271748B2 (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | 反射防止物品及びその製造方法 |
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