JP2009525498A - 屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層を備える製品およびその製造方法 - Google Patents

屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層を備える製品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 少なくとも部分的にメソ細孔質である被覆層に覆われた主表面を有する基材を備える製品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 被覆層のメソ細孔質部分は光学機能を有する屈折率プロファイルを有し、その変化はメソ細孔の含有量および/またはメソ細孔の充填率によってもたらされる。屈折率プロファイルはその屈折率が所定の軸に対する距離に依存して変化するプロファイル、あるいは屈折率の変化が単調で、前記被覆層のメソ細孔質部分の下の基材の表面に垂直な軸に沿って、前記基材から離れる方向に向かって減少するプロファイルである。このような製品の製造方法は屈折率プロファイルが生成される技術に依存する。本発明は眼科用光学製品に応用可能である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、一般には、屈折率プロファイルを有するメソ細孔質ゾル−ゲル被覆層を被覆した製品、好ましくはプラスチック材料によって作成された例えば光学レンズまたは光ファイバなどに関し、詳細には、色収差の低い透明な製品およびそれらの製造方法に関する。
光学製品は、その幾何学形状、厚み、および屈折率によって特徴付けられる。多くの場合、屈折率は均一であることが多い。光学材料の屈折率プロファイル、例えば屈折率勾配は、製品の使用上に更なる自由度を付与する。実際には、屈折率プロファイルは、製品の形状とは独立して、光学的な光線経路の変更を可能にする。
屈折率プロファイルを有する被覆層を備える光学製品の製造は、特に、均一な屈折率を有する光学要素からなる光学系と同様の性能を提供しながら簡素化された光学系を提供することを目的としている。このような製造により、例えば複数の要素からなる光学系であれば、要素の数を低減した光学系の開発が可能になり、または厚みが薄く、さらに/または、簡素化された幾何学的形状を有する矯正用眼鏡またはレンズの開発が可能になる。
屈折率プロファイル、特に半径方向の屈折率勾配を有する光学製品の製造については現状技術からいくつかの方法が知られている。これらの製品は、特に屈折率に依存して選択されたモノマーの混合物の拡散/重合または膨潤を調整することによって得ることができる。これらについては欧州公開第0407294号、仏国公開第2762098号または欧州公開第0504011号などの特許出願に記載されている。
出願人は、メソ細孔質層を用いることによって、屈折率プロファイルを有する新しいカテゴリの材料を開発した。
本発明の目的の1つは、低屈折率、すなわち屈折率n≦1.50(λ=633nm、T=20〜25℃)の1または複数のメソ細孔質ゾル−ゲル層を含む被覆層を、連続または非連続の屈折率プロファイルを生成するように配置して成膜した基材を含む製品、特に光学または眼科用レンズまたは光ファイバを提供することである。
本発明の更なる目的の1つは、屈折率プロファイルの生成技術に依存して異なる、上記製品の製造方法を提供することである。
本発明は、有機材料で作成された基材、特に光学または眼科用レンズなどの透明有機基材を用いることが多い光学分野で特に有用である。しかし、例えば国際公開第03/024869号、米国特許第5,858,457号および米国公開第2003/157311号などに記載される従来の細孔形成剤の除去方法は、メソ構造膜によって被覆された基材に、一般に酸素または空気流下で、高温焼成(350〜500℃)を行い、場合によっては、数時間焼成する工程を含む。
従って、焼成工程を含む方法は、高温焼成によって損傷を受ける恐れのある有機基材の処理に適切ではないため、温和な条件下で細孔形成剤を除去する工程を主体とするメソ細孔質膜の製造方法が求められている。またメソ細孔質膜を高温に暴露すると、これらの処理の結果大きな変形が発生し、それによって構造が破壊されることがある。
焼成を含むこれらの方法の更なる欠点としては、エネルギー消費が高いことであり、それにより、これらのメソ細孔質膜の製造方法が高価なものとなる。
従って、本発明の他の目的は上述のような屈折率プロファイルを有する被覆層を製造する方法であって、いかなる基材にも適用でき、特に有機材料で作成された、感熱性の透明基材に適用できる方法を提供することである。
本発明は、第1に、少なくとも1部分がメソ細孔質であり、そのメソ細孔質部分が光学機能を有する屈折率プロファイルを有し、その変化はメソ細孔質の含有量および/またはメソ細孔の充填率によってもたらされる、被覆層に覆われた主表面を有する基材を含む製品に関する。
本発明の被覆層の屈折率プロファイルは広範囲の光学機能を有する。例えば反射防止機能を有する被覆層、製品の局所的な区域内で倍率プロファイルを付与することができる屈折率プロファイルを有する被覆層、近視矯正に対応する倍率プロファイルを付与することができる屈折率プロファイルを有する被覆層、または収差の矯正が可能な屈折率プロファイルを有する被覆層などがあるが、これらに限定されるわけではない。上記の有用なプロファイルは、特に勾配である。
本発明によると、屈折率プロファイルは、メソ細孔質層の前駆体層から細孔形成剤を除去する際に多孔性プロファイルを生成することによって得られる。
本発明の1つの好適実施態様によれば、屈折率プロファイルは半径方向のプロファイルであり、好ましくは半径方向に勾配を有する。半径方向プロファイルによって所定の軸に対する距離に依存して屈折率が変化する。
この型のプロファイルは、光学軸に垂直な軸に沿って細孔形成剤の除去を調節することによって、少なくとも局所的に得ることができる。半径方向のプロファイルを定義する際に基準とする軸は、好ましくはその製品の光学軸であるが、光学軸に平行な軸であってもよい。
半径方向のプロファイルは、分解法を用いて細孔形成剤を除去することによって得ることができる。分解法では、例えば該当面に到達するオゾン/UV量を、マスキングシステムを用いて制御可能にし、それによって、細孔形成剤の劣化度およびメソ細孔の充填率を制御する。
本発明の第2の好ましい実施態様では、屈折率の変化は単調で、被覆層のメソ細孔質部分の下の基材の表面に垂直な軸に沿って、基材から離れる方向に向かって減少する。上述の「半径方向」のプロファイルに対して、このようなプロファイルは「軸方向」のプロファイルと定義することができる。
このようなプロファイルは、細孔形成剤の含有量が可変である組成物から作成されたメソ細孔質膜の積層を基材上に成膜することによって、またはメソ細孔質膜の、またはメソ細孔質膜の積層の細孔形成剤を所定の方向に部分的に除去することによって、またはこれらの両方を組み合わせることにより得ることができ、それによって、各々の場合において、膜のメソ細孔質部分の下の基材の表面に垂直な方向を有する屈折率プロファイルを生成することができる。その際、屈折率は基材からメソ細孔質膜の方向に減少する。
本発明によれば、「軸方向」屈折率プロファイルおよび「半径方向」屈折率プロファイルの両方を積み重ねることもでき、または1方だけを有することもできる。
以下では本発明を添付図面に基づいて更に詳細に説明する。
本発明の1つの好適実施態様によれば、本発明の被覆層のメソ細孔質部分が構造化され、また本発明の被覆層の任意の非メソ細孔質部分がメソ構造化される。
本発明では、メソ細孔質材料とは、メソ細孔と称される2〜50nmの範囲の構造孔を備える固体であると定義される。このようなメソ細孔の孔径はマクロ細孔の孔径(50nmより大きい)とゼオライトタイプのマイクロ細孔の孔径(2nmより小さい)との中間である。これらの定義はIUPAC Compendium of Chemistry Terminology, 2nd Ed., A. D. McNaught and A. Wilkinson, RSC, Cambridge, UK, 1997の定義に準拠する。
メソ細孔は空洞、空洞とは空気が充填されている、あるいは部分的にだけ空洞である。メソ細孔は一般に、大きなサイズの分布をもって、構造体中にランダムに分配される。本発明では、被覆層のメソ細孔質部分とは少なくとも部分的に細孔形成剤が除去された部分を意味する。
メソ細孔質材料およびその調製については、文献、特に、Science 1983, 220, 365371またはThe Journal of Chemical Society, Faraday Transactions 1985, 81, 545−548の中に広く記載されている。
本発明の製品は、被覆層で覆われた主表面を有する基材を含み、該被覆層の少なくとも1部はメソ細孔質である。すなわち該被覆層の少なくとも局所的区域は少なくとも一定の深さまでメソ細孔質である。
本願では、構造化材料は、組織化された構造を有する材料であり、より具体的には、X線または中性子の回折図形中に少なくとも1つの回折ピークを有することを特徴とする材料であると定義される。これらの図形に観察される回折ピークは、材料の特性であり、構造化システムの空間反復期間と称される、距離の反復に関連しうる。
本願では、メソ構造化材料とは空間反復周期が2〜50nmの範囲である構造化材料であると定義される。
構造化メソ細孔(または規則化メソ細孔質)材料とは、メソ構造化材料の特定の級に属するもので、その構造中に含まれるメソ細孔が組織化された空間に配置され、その結果空間反復周期を有するメソ細孔質材料である。
任意に構造化されたメソ細孔質膜を作成するための通常の方法は、テトラアルコキシシラン、特に、テトラエトキシシラン(TEOS)などの前駆体を主体とし、シリカなどの無機材料から不完全に重合されたゾルを調製する。このようなゾルは、水、エタノールなどの一般には極性の有機溶媒、および通常は酸性媒体中の細孔形成剤を含有する。
細孔形成剤が、例えば界面活性剤のように、両親媒性剤である場合は構造化剤として機能し、一般には後述する構造化材料を生成する。
溶媒中の界面活性剤の濃度は、成膜する前は、臨界ミセル濃度よりかなり低い。次にこのゾルを基材上に成膜する。この成膜工程中に、有機溶媒が蒸発し、従って、膜中の水、界面活性剤、およびシリカの含有量が増加し、それにより、臨界ミセル濃度に到達する。溶媒媒体は非常に極性が高いので、界面活性剤分子が集合し、従って、極性頭部を溶媒方向に向けてミセルを形成する。
次に、無機格子(例えばシリカ)が展開し、そして、その高い極性により、ミセルの周りにマトリックスを形成する。その結果複合種が生成され、その複合種は無機前駆体で被覆された有機ミセルからなる。この格子は拡大し、固体構造内部にミセルを閉じ込める、または封入する。
第2段階では、蒸発が進むにつれて、ミセル形状が、任意に、変化し、そして、膜が乾燥するまでに、ミセルが自己組織化して、多少とも規則化した構造になり、例えば、六方晶系、立方晶系、または層状の格子を形成する。
その結果形成された無機マトリックスの最終配置は、用いられた両親媒性分子によって生成されたミセルの形状によって支配される。
最終材料の孔径は、シリカ格子に閉じ込められた、または封入された、細孔形成剤のサイズによって決まる。表面活性剤(界面活性剤)を用いる場合は、ミセル、すなわち界面活性剤によって生成されたコロイド状粒子の回りにシリカ格子を形成するため、固体中の孔径は相対的に大きい。本質的にミセルはその成分に比べてサイズが大きく、そのため界面活性剤を細孔形成剤として用いると、一般にメソ細孔質材料を生成する。
細孔形成剤が両親媒性剤でない場合は、反応条件中にミセルが形成されず、また構造化材料も生成されない。
細孔形成剤を含有するメソ細孔の回りに無機格子が形成されると、材料からこの細孔形成剤を、任意に除去することができ、それによってメソ細孔質材料が得られる。
本願では、その作成に用いられた細孔形成剤が、材料の少なくとも1部から、少なくとも部分的に除去されている場合、すなわち材料の少なくとも1部は少なくとも部分的に空隙メソ細孔を含む場合に、その材料がメソ細孔質であると考えることができる。
細孔形成剤の除去は、焼成(一般に約400℃の温度に加熱する)またはより温和な方法(溶媒、超臨界流体、UV/オゾンまたはプラズマ抽出法)によって行うことができる。
シリカの代わりに、例えば、特にチタニウム、ニオビウム、またはアルミニウムを主体とした金属またはメタロイド酸化物前駆体などの他の無機材料を用いることができる。
本特許出願は、上で定義したように基材から離れる方向に減少する屈折率プロファイルを有する、少なくとも部分的にメソ細孔質な被覆層で覆われた主表面を有する基材を備える製品を製造するための2方法に関する。
上記製品を製造するための第1の方法は:
a)基材を準備する工程;
b)1以上の無機前駆体剤と、1以上の細孔形成剤と、1以上の有機溶媒と、水と、任意に、前記無機前駆体剤を加水分解するための触媒とを含むメソ細孔質膜の前駆体ゾルを調製する工程;
c)前工程において調製された前記前駆体ゾルの膜を前記基材の主表面上に成膜する工程;
d)任意に、前工程において成膜された前記膜を硬化させる工程;
e)工程(c)において成膜された膜を含む前記被覆層の少なくとも1部分から前記細孔形成剤を部分的に除去し、それによって前記被覆層の前記部分に、前記被覆層の前記部分の下の前記基材の前記面に垂直であるとともに前記基材に最も近い前記被覆層の前記表面方向に向けて屈折率勾配を生成する、工程;
f)少なくとも1部分がメソ細孔質である被覆層によって覆われている主表面を有する基材を回収する工程、を少なくとも含む。
前記製品を製造する第2方法は:
a)基材を準備する工程;
b)1以上の無機前駆体剤と、1以上の細孔形成剤と、1以上の有機溶媒と、水と、任意に、前記無機前駆体剤を加水分解するための触媒とを含むメソ細孔質膜の前駆体ゾルを調製する工程;
c)前工程において調製された前記前駆体ゾルの膜を前記基材の主表面上に成膜する工程;
d)任意に、前工程において成膜された前記膜を硬化させる工程;
e)前工程の結果作成された前記膜の上に、1以上の無機前駆体剤と、1以上の細孔形成剤と、1以上の有機溶媒と、水と、任意に、前記無機前駆体剤を加水分解するための触媒とを含むメソ細孔質膜の前駆体ゾルの膜を成膜する工程;
f)任意に、前工程において成膜された前記膜を硬化させる工程;
g)任意に、工程(e)および(f)を1回以上繰り返す工程;
h)工程(c)、(e)および、存在する場合はg)において成膜された前記膜を含む被覆層の少なくとも1部分から、少なくとも部分的に前記細孔形成剤を除去する工程;
i)少なくとも1部がメソ細孔質であり、前記被覆層の前記メソ細孔質部分の下の前記基材の前記面に対して垂直である軸に沿って、前記基材から離れる方向に、減少する屈折率プロファイルを有する多層の被覆層によって覆われた主表面を有する基材を回収する工程、を含む。
各工程e)において、前記前駆体ゾル全体の質量に対する前記細孔形成剤の割合は、前工程において得られた前記膜を作成するために用いられた前駆体ゾルにおける前記細孔形成剤の割合より高い割合を示すことを特徴とする。
両方法に共通する工程をまず説明する。
本発明の製品は、その上に被覆層が成膜され、少なくともその1部はメソ細孔質であり、上記で定義したような、屈折率プロファイルを有する、基材を備える。前記被覆層は、少なくとも1部がメソ細孔質である膜または複数膜の積層を備えることができる。少なくとも1部がメソ細孔質である被覆層(または膜)は、以下、一般に単に「メソ細孔質被覆層」(または膜)と称する。
その上に膜を成膜する基材は、無機ガラス、セラミックス、ガラスセラミックス、金属または有機ガラスなどの固体、透明、または非透明材料で作成され、例えば熱可塑性プラスチック、または熱硬化性プラスチックで作成することができる。好ましくは、基材は透明材料で作成され、好ましくは透明な有機材料で作成される。
基材として用いるのに適した熱可塑性材料には、(メタ)アクリル (コ)ポリマー、特にポリメチル メタクリレート(PMMA)、チオ(メタ)アクリル (コ)ポリマー、ポリビニル ブチラル(PVB)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン(PU)、ポリチオウレタン、ポリオール アリルカーボネート (コ)ポリマー、エチレンおよびビニルアセテート 熱可塑性コポリマー、ポリエチレン テレフタレート(PET)、ポリブチレン テレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエピスルフィド、ポリエポキシド、ポリカーボネートおよびポリエステル コポリマー、エチレンおよびノルボルネン またはエチレンおよびシクロペンタジエン コポリマーなどのシクロオレフィン コポリマー、およびそれらの組み合わせが含まれる。
本書中、「(コ)ポリマー」と記載するときは、コポリマーまたはポリマーを意味する。本書中、「(メタ)アクリレート」と記載するときは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
本発明の好ましい基材としては、、アルキル(メタ)アクリレート、特にメチル(メタ)アクリレートおよびエチル(メタ)アクリレートなどのC〜Cアルキル(メタ)アクリレート、ポリエトキシル ビスフェノール ジ(メタ)アクリレートなどのポリエトキシル芳香族(メタ)アクリレート、直線または枝分かれしたアリル誘導体、脂肪族または芳香族ポリオール アリルカーボネート、チオ(メタ)アクリレート、エピスルフィド、およびポリチオールおよびポリイソシアネート前駆体混合物(ポリチオウレタンを作成するためのもの)を重合することにより得られる基材が含まれる。
ポリオール アリルカーボネート(コ)ポリマーの例としては、エチレングリコール ビス (アリルカーボネート)、ジエチレン グリコール ビス(2−メチル アリルカーボネート)、ジエチレン グリコール ビス (アリルカーボネート)、エチレン グリコール ビス (2−クロロ アリルカーボネート)、トリエチレングリコール ビス (アリルカーボネート)、1,3−プロパン ジオール ビス (アリルカーボネート)、プロピレングリコール ビス (2−エチル アリルカーボネート)、1,3−ブテン ジオール ビス (アリルカーボネート)、1,4−ブテン ジオール ビス(2−ブロモ アリルカーボネート)、ジプロピレングリコール ビス (アリルカーボネート)、 トリメチレン グリコール ビス(2−エチル アリルカーボネート)、ペンタメチレングリコール ビス (アリルカーボネート)、イソプロピレン ビスフェノールA ビス (アリルカーボネート)の(コ)ポリマーが含まれる。
特に推奨される基材は、ジエチレン グリコール ビス(アリルカーボネート)を(共)重合することによって得られる基材であり、例えば、商品名CR 39(登録商標)としてPPG Industries社から市販されている(ESSILOR社のORMA(登録商標)レンズ)。
特に推奨される基材としては、更に、例えば仏国公開2734827に記載されるチオ(メタ)アクリル モノマー、およびポリカーボネートを重合することによって得られる基材が含まれる。
いうまでもないが、上記モノマーの混合物の重合により基材を得ることができる。あるいは、それらがこれらのポリマーおよび(コ)ポリマーの混合物を含有していてもよい。
好ましくは、本発明の第1および第2の方法の全工程は、温度150℃以下、好ましくは130℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは110℃以下で行う。従って、これらの方法は有機基材に適合する。
本発明の屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層は、裸基材、すなわち被覆されていない基材(上塗りされていない)の主表面上、または別の機能被覆層が既に被覆されている基材の主表面上に形成することができる。
好ましくは、本発明の基材は眼科用レンズの基材である。眼科用光学分野では、透明の有機材料で作成された基材、例えば眼科用レンズの主表面を、1つまたはそれ以上の機能を有する被覆層で被覆して、最終レンズの光学的および/または機械的特性を改善することがよく知られている。従って、基材の主表面上に、最終製品における後続層の耐衝撃性および/または接着性を改善するためのプライマー被覆層(耐衝撃性プライマーコート)、耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層(ハードコート)、極性付与被覆層、フォトクロミック被覆層、彩色被覆層、単層または多層の反射防止被覆層、または、これらの被覆層の2以上の積層を事前に形成することもできる。
耐衝撃性を改善するプライマー被覆層は、眼科用レンズなどの透明ポリマー材料製品に従来から用いられている耐衝撃性被覆層であればいかなるものでもよい。
好ましいプライマー被覆層組成物としては、例えば、特開昭63−141001および特開昭63−87223に記載されるような熱可塑性ポリウレタンを主体とする組成物、米国特許第5,015,523号に記載されるようなポリ(メタ)アクリル プライマー被覆層組成物、欧州特許第0404111号に記載されるような熱硬化性ポリウレタンを主体とする組成物、および米国特許第5,316,791号および欧州特許第0680492号に記載されるようなポリ(メタ)アクリル ラテックスを主体とした組成物またはポリウレタン型のラテックスを主体とする組成物が含まれる。
好ましいプライマー被覆層組成物としては、ポリウレタンを主体とする組成物、ならびにラテックスを主体とする組成物、特にポリウレタン型のラテックスを主体とする組成物が含まれる。
ポリ(メタ)アクリル格子は、主に例えばエチル、ブチル、メトキシエチル、またはエトキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートからなるコポリマーの格子であり、一般には僅かな量の少なくとも1つの付加コポリマー、例えばスチレンなどを含む。
好ましいポリ(メタ)アクリル格子としては、アクリレートおよびスチレンコポリマー格子が含まれる。このようなアクリレートおよびスチレンコポリマーはZENECA RESINS社から商品名NEOCRYL(登録商標)として市販されている。
ポリウレタン型の格子も公知であり市販されている。ポリエステル成分を含有するポリウレタン型の格子を例として挙げることができる。また、これらの格子は、ZENECA RESISNS社から商品名NEOREZ(登録商標)として、およびBAXENDEN CHEMICALS社から商品名WITCOBOND(登録商標)として市販されている。
耐衝撃性プライマー被覆層は、高屈折率プライマー被覆層、すなわち1.5以上、または1.6以上の高い屈折率を有する被覆層でありうる。
プライマー被覆層組成物の屈折率は、基材の屈折率に依存して適用することができる。
特に高屈折率を有する基材の場合は、プライマー被覆層組成物に、例えば金属酸化物(TiO, Sb, SnO…)、任意に金属酸化物複合材料などの高屈折率を有する無機充填剤を添加することによってプライマー被覆層の屈折率を調整することができる。
また、これらの格子の混合物、特にポリウレタン型ラテックスおよびポリ(メタ)アクリル ラテックスの混合物をプライマー被覆層組成物中に用いることもできる。
これらのプライマー被覆層組成物は、ディップコートまたはスピンコートにより製品面に成膜し、次に最低70℃から最高100℃、好ましくは約90℃の温度で、2分から2時間の範囲、一般には約15分間の間乾燥し、硬化後の厚みが0.2〜2.5μmの範囲、好ましくは0.5〜1.5μmの範囲のプライマー被覆層を形成することができる。
耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層は、好ましくはポリ(メタ)アクリレートまたはシリコーンを主体とするハードコートである。本発明で推奨される耐摩耗性および/または耐擦傷性のハードコート被覆層としては、シラン ヒドロリザートを主体とする組成物、特に仏国公開第2702486号および米国特許第4,211,823号および米国特許第5,015,523号に記載されるようなエポキシシラン ヒドロリザートを主体とする組成物から得る被覆層が含まれる。
耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層は、屈折率が1.5以上、または1.6以上の高い屈折率を有する被覆層でありうる。
当業者にはよく知られているように、耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層組成物に、コロイド状充填剤、特に上述のプライマー被覆層の説明で記載したものなどの金属酸化物を加え、耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層の屈折率を高めることができる。
好ましい耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層組成物は、本出願人の名前で出願した仏国公開第2702486号に開示されているものである。それは、エポキシ トリアルコキシシランおよびジアルキル ジアルコキシシラン ヒドロリザート、コロイダルシリカを含有し、また、アルミニウム アセチルアセトンなどのアルミニウムを主体とする硬化触媒を触媒量含有し、残部は実質的に、従来からこれらの組成物を硬化させるために用いられてきた溶媒からなる。好ましくは、用いられるヒドロリザートは、γ−グリシドキシプロピル トリメトキシシラン(GLYMO)およびジメチル ジエトキシシラン(DMDES)ヒドロリザートである。
本発明の好ましい実施態様では、屈折率プロファイルを有するとともに反射防止被覆層として機能するメソ細孔質被覆層を、耐衝撃性プライマー被覆層、次いで耐摩耗性または耐擦傷性被覆層を順次被覆した基材上に、あるいは耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層を被服した基材上に直接、成膜する。
所望の、屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層を成膜する製品面に、これら被覆層の接着性を改善する目的で、任意に事前処理を施すこともできる。事前処理としては、コロナ放電処理、真空下のプラズマ処理、イオンビーム、または電子ビーム処理、ならびに酸または塩基を用いる処理が挙げられる。
本発明の方法の工程(b)はメソ細孔質膜の前駆体ゾルを調製する工程である。
メソ細孔質膜の前駆体ゾルは、現状技術で公知である。本発明の前駆体ゾルは1以上の無機前駆体剤またはそれらのヒドロリザートと、1以上の細孔形成剤と、1以上の有機溶媒と、水と、任意に、前記無機前駆体剤を加水分解するための触媒とを含有する。
本発明によれば、メソ細孔質膜の前駆体ゾルは、1以上の無機前駆体剤および1以上の細孔形成剤を、水と有機溶媒の混合物中、一般には水−アルコール媒体中に、溶解することによって得られる。その際、加熱を行い、各化合物の溶解を促進してもよい。すべての成分が溶解した後、ゾルを必用に応じ冷却し、攪拌する。その際、前駆体の共縮合を可能にし、また、任意に、成膜に先立ち、展開中の格子に分散された細孔形成剤を含むコロイド状粒子の形成を可能にするために十分な条件下(必要に応じ加熱下)で攪拌する。これでこのゾルを基材の主表面上に膜として成膜する準備が整う。なお、界面活性剤型の細孔形成剤の場合は、この成膜工程中にはコロイド状粒子(ミセル)の形成は起こらない。
本書中、「無機前駆体剤」と記載するときは、単独で重合した場合に無機マトリックスを生成しうる有機または無機剤を意味する。
無機前駆体剤は、好ましくは下記式を有する有機金属または有機メタロイド化合物またはそれらの混合物から選択される:
M(X) (I)
式中、Mは4価金属またはメタロイド、好ましくは、ケイ素であり、X基は、同一または異なって、好ましくは、アルコキシ、アシルオキシおよびハロゲン基から選択される加水分解基であり、好ましくはアルコキシ基である。
Mに対応する4価金属には、例えば、Snなどの金属またはZr、HfまたはTiなどの遷移金属が含まれる。Mは好ましくはケイ素であり、その場合は、化合物(I)はシリカを主体とするマトリックスまたは1以上の金属シリケートを主体とするマトリックスである。
X基の中では、−O−Rアルコキシ基は好ましくはC〜Cアルコキシ基であり、−O−C(O)Rアルコキシ基は、好ましくはRがアルキル ラジカルである基であり、好ましくはメチルまたはエチルラジカルなどのC〜Cアルキルラジカルである基であり、ハロゲンは好ましくはCl、Br、またはIである。好ましくは、X基はアルコキシ基であり、特にメトキシまたはエトキシ基であり、より好ましくはエトキシ基であり、これによって、無機前駆体剤(I)は金属またはメタロイドアルコレートになる。
無機前駆体剤を加水分解する触媒を用いる場合は、その触媒は、式(I)の化合物のX基の加水分解を触媒することによって縮合触媒として機能する。
好ましい化合物(I)は、テトラアルキル オルトシリケートである。これらの内、TEOSと称されるテトラエトキシシラン(またはテトラエチル オルトシリケート)Si(OC、TEMOSと称されるテトラメトキシシランSi(OCH、またはTPOSと称されるテトラプロポキシシランSi(OCが有利に用いられ、TEOSが好適に用いられる。
ゾル中に含まれる無機前駆体剤は、一般に前駆体ゾルの質量に対して10〜30質量%を示す。
本発明による前駆体ゾルの調製に好ましく用いられる有機溶媒または有機溶媒の混合物としては、従来から用いられているすべての溶媒であり、より好ましくは極性溶媒、特にメタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、n−ブタノールおよびそれらの混合物などのアルカノールである。他の溶媒、好ましくは水溶性溶媒、例えば1,4−ジオキサン、テトラドロフランまたはアセトニトリルを用いることができる。エタノールは最も好ましい有機溶媒である。
一般には、有機溶媒は前駆体ゾルの全質量に対して、40〜90質量%を示す。
前駆体ゾル中に含まれる水は、一般に前駆体ゾルの全質量に対して、10〜20質量%を示す。
無機前駆体剤を含有する媒体は、一般には酸性媒体であり、媒体の酸性特性は、例えば無機酸、一般にはHClまたは酢酸などの有機酸であり、好ましくはHClを加えることによって得られる。
前駆体ゾルの細孔形成剤は、両親媒性または非両親媒性の細孔形成剤でありうる。一般には有機化合物である。単独または他の細孔形成剤との混合物として用いることができる。
本発明で適切に用いられる非両親媒性の細孔形成剤としては次のものが含まれる。:
分子量が50000〜300000の範囲のポリエチレン オキシド、および分子量が50000〜300000の範囲のポリエチレン グリコールなどの合成ポリマー、
ガンマ−シクロデキストリン、乳酸、および蛋白質などの他の生体物質またはD−グルコースまたはマルトースなどの糖分。
細孔形成剤は、好ましくは、界面活性剤型の両親媒性化合物である。このような化合物の主な特性の1つは、溶媒が蒸発して溶液を濃縮した後に、溶液中にミセルを形成し、それによって、無機マトリックスを主体とするメソ構造の膜を形成する機能を有することである。従って、この化合物は構造化剤として機能する。
界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、アニオン性、または両性でありうる。これらの界面活性剤の多くは市販されている。
イオン性界面活性剤としては、ナトリウム ドデシルベンゼン スルホネート、エトキシル脂肪酸アルコール スルフェート、セチル トリメチルアンモニウム ブロミド(CTAB)、セチル トリメチルアンモニウム クロリド(CTAC)、ナトリウム ドデシルスルフェート(SDS)、およびアゾビスシアノペンタン酸が含まれる。
非イオン性界面活性剤としては、エトキシル脂肪酸アルコール、エトキシル アセチレン ジオール、親水性および疎水性の両ブロックを含むブロック コポリマーの化合物、ポリ(アルキレノキシ)アルキル−エーテルおよびソルビタン基を含む界面活性剤がある。
ブロック コポリマー型の界面活性剤としては、3ブロックが好適に用いられる。その際、ポリプロピレン オキシド ブロックなどの、3以上の炭素を含むアルキレン オキシド成分を有するポリアルキレン オキシドの疎水性ブロックは、それらの両端で、ポリエチレン オキシド ブロックなどのポリアルキレン オキシド 親水性ブロックに、または2ブロック型のコポリマーに直線または共有結合し、ここで、例えば、ポリエチレン オキシド ブロックは ポリブチレン オキシドまたはポリプロピレン オキシド ブロックに直線または共有結合している。これらの適切な例としては、Zhao and al.によってJ. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 6024−6036に記載されたもの、またはBASF社から商品名PLURONIC(登録商標)として市販されているものなどの、(EO)−(PO)−(EO) または HO(CHCHO)−(CHCH(CH)O)−(CHCHO)Hと称される、ポリオキシエチレン―ポリオキシプロピレン―ポリオキシエチレン(PEO−PPO−PEO)、または(EO)−(BO)(EO) または HO(CHCHO)−(CHCH(CHCH)O)−(CHCHO)Hと称される、ポリオキシエチレン―ポリオキシブチレン―ポリオキシエチレン(PEO−PBO−PEO)、またはBASF社から商品名TETRONIC(登録商標)として市販されている、枝分かれしたPEO−PPO ブロック コポリマー、が挙げられる。これらは、プロピレン オキシドおよびエチレン オキシドをエチレン ジアミン上に順次付加することによって生成される4官能性のコポリマーである。上述の式では、xおよびzは好ましくは5より上であり、yは好ましくは20より上である。
上記化合物の具体的な例としては、式(EO)73−(PO)28−(EO)73 のPE6800および、式(EO)27−(PO)61−(EO)27のPE10400、Tetronic 908(Poloxamine 908とも呼ばれる)、およびPluronic F68、F77、およびF108が挙げられる。また、上述のコポリマーと比べると、順番が反対である3ブロック コポリマー、例えばPPO−PEO−PPO3ブロック コポリマーも用いることができる。
ポリ(アルキレノキシ)アルキル−エーテル型の界面活性剤としては、一般式C2n+1(OCHCHOHのポリ(エチレノキス アルキルエーテル)が好ましく、特に、n≧12およびx≧8であることが好ましく、例えば、ICI社から商品名BRIJ(登録商標)として市販されている、BRIJ56(登録商標)(C1633(OCHCH10OH)、BRIJ58(登録商標)(C1633(OCHCH20OH)およびBRIJ76(登録商標)(ポリオキシエチレン(10)ステアリル エーテルまたはC1837(OCHCH10OH)などがある。
ソルビタン基を含有する界面活性剤としては、脂肪酸によってエステル化されているポリオキシエチレン ソルビタンである、ICI社から商品名TWEEN(登録商標)として市販されている界面活性剤、または、そのソルビタンヘッドが脂肪酸によってエステル化されているAldrich Chem社から商品名SPAN(登録商標)で市販されている界面活性剤を用いることができる。
好ましい細孔形成剤は、CTABおよびエチレン オキシドおよびプロピレン オキシド 2ブロックまたは3ブロック コポリマーであり、好ましくは3ブロック コポリマーである。CTABは最も好ましい細孔形成剤である。
一般に、細孔形成剤は、前駆体ゾルの全質量に対して、2〜10質量%を示す。
上述のような無機前駆体剤だけを含有するマトリックスを有する、これらのメソ細孔質膜の短所の1つは、湿度の高い環境において安定性が乏しいことである。これらの膜は時間の経過とともに水で充填され易くなり、それによって初期の特性が変化することがある。
メソ細孔質またはメソ構造化膜を光学分野で用いる場合は、その光学特性の安定性が特に重要な課題である。例えば半導体分野での用途であれば、所定の制限範囲内の誘電率の変動は半導体の機能に影響を与えることがないと考えられるが、それとは反対に、光学分野では屈折率の非常に僅かな経時変化が、例えば被覆層の色や特性の変化などにより、直ちに目に見える結果をもたらすからである。
特に光学分野での用途において、更に具体的には眼科用光学製品において、改善された安定性を長期間にわたり保有するメソ細孔質膜(または被覆層)を提供するには、水を中に入れないような疎水特性を有するマトリックスを有する膜を作成することができる。これらの膜を以下では単に「疎水性マトリックスを有する膜」と称する。
疎水基を担持しないシリカまたは他の金属やメタロイドを主体とするマトリックスを有する膜とは異なり、疎水性のマトリックスを有するこれらの膜が好ましい。
本書中、「疎水」基と記載する場合は、特に水素結合を介して水の分子と結合することのない原子の組み合わせを意味する。これらの基は一般に有機、非極性の基であり、荷電原子を持たない。従って、アルキル、フェニル、フルオロアルキル、および(ポリ)フルオロ アルコキシ[(ポリ)アルキレノキシ]アルキル基、および水素原子がこの分類に属する。
本発明によれば、2種類の方法、またはその組み合わせを用いて、膜の疎水性を得ることができる。
第1の疎水化方法は、前駆体ゾル膜を成膜する前に、1以上の疎水基を担持する1以上の疎水性前駆体剤を前駆体ゾルに導入する工程を含む。
第2の疎水化方法は、成膜工程(c)の後に、または、硬化工程(d)がある場合はその後に、1以上の疎水基を担持する1以上の疎水性反応化合物を用いて膜を処理する工程を含む。
上述したように、これらの疎水化方法の両方を組み合わせることができる。すなわち、前駆体ゾルの膜を成膜する工程の前に、1以上の疎水基を担持する1以上の疎水性前駆体剤を前駆体ゾル中に導入し、次いで成膜工程の後、または硬化工程がある場合はその後に、1以上の疎水基を担持する1以上の疎水性反応化合物を用いて膜を処理することができる。この疎水性反応化合物は、疎水性前駆体ゾルとは異なるものでなければならない。その場合、疎水性マトリックスを有する膜に第2の疎水性化合物を用いて後処理を行うのは、膜の疎水特性を改善するためである。
まず、第1の疎水化方法を記載する。この実施態様では、無機前駆体剤および疎水性前駆体剤が膜マトリックスの2つの前駆体剤であり、これらの壁が最終メソ細孔質膜のメソ細孔を囲む。
疎水性剤は好ましくは下記式(II)または(III)の化合物および化合物の混合物から選択される:
(Rn1(Rn2M または(Rn3(Rn4M−R’−M(Rn5(Rn6
(II) (III)
式中:
Mは4価金属またはメタロイドであり、好ましくはSi、Sn、Zr、Hf、またはTiであり、更に好ましくはケイ素である。
、RおよびRは、同一または異なって、飽和または不飽和で、好ましくはC〜C、より好ましくはC〜Cの炭化水素疎水基、例えばメチルまたはエチル基などのアルキル基、ビニル基、アリール基、例えばフェニル基で、任意に、1または複数の特にC〜Cのアルキル基によって置換され、あるいは上述の炭化水素基のフッ化またはペルフルオロ化類似体、例えばフルオロアルキルまたはペルフルオロアルキル基、または(ポリ)フルオロまたはペルフルオロ アルコキシ〔(ポリ)アルキレンオキシ〕アルキル基である。好ましくはR、RおよびRはメチル基である。
、RおよびRは、同一または異なって、加水分解基、好ましくは、−O−Rアルコキシ基、特に、C〜Cのアルコキシ基、または‐O‐C(O)Rアシルオキシ基から選択され、ここでRはアルキルラジカル、好ましくはC〜Cのアルキルラジカル、好ましくはメチルまたはエチルラジカル、およびCl、Br、およびIなどのハロゲンである。これらの基は好ましくはアルコキシ基であり、特に、メトキシまたはエトキシ基であり、より好ましくはエトキシ基である。
R’は2価基であり、例えば、直線または枝分かれした、任意に置換された、アルキレン基、任意に置換されたシクロアルキレン基、任意に置換されたアリーレン基、または、同じ級および/または別の級の、上述の基の組み合わせであり、特に、シクロアルキレン アルキレン、ビスシクロアルキレン、ビスシクロアルキレン アルキレン、アリーレン アルキレン、ビスフェニレンおよびビスフェニレン アルキレン基である。好ましいアルキレン基としては、直線C〜C10アルキレン基、例えば、メチレン基−CH−、エチレン基−CH−CH−、ブチレンおよびヘキシレン基、特に、1,4−ブチレンおよび1,6−ヘキシレン基、および枝分かれしたC−C10アルキレン ラジカル、例えば、1,4−(4−メチル ペンチレン)、1,6−(2,2,4−トリメチル ヘキシレン)、1,5−(5−メチル ヘキシレン)、1,6−(6−メチル ヘプチレン)、1,5−(2,2,5−トリメチル ヘキシレン)、1,7−(3,7−ジメチル オクチレン)、2,2−(ジメチルプロピレン)および1,6−(2,4,4−トリメチル ヘキシレン)ラジカルなどが含まれる。好ましいシクロアルキレン ラジカルとしては、任意に置換され、特にアルキル基を有する、シクロペンチレンおよびシクロヘキシレンラジカルが含まれる。R’は好ましくはメチレン、エチレン、またはフェニレン基である。
は1〜3の範囲の整数であり、nは1〜3の整数であり、n+n=4であり、
、n、n5、およびnは0〜3の範囲の整数であり、但し、n+nとn+nとの和はゼロではなく、n+n=n+n=3である。
好ましい疎水性前駆体剤としては、アルキル アルコキシシラン、特にアルキル トリアルコキシシラン、例えばメチル トリエトキシシラン(MTEOS, CHSi(OC)、ビニル アルコキシシラン、特にビニル トリアルコキシシラン 例えば、ビニル トリエトキシシラン、フルオロアルキル アルコキシシラン、特にフルオロアルキル トリアルコキシシラン、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル トリエトキシシラン 式 CFCHCHSi(OCH、およびアリール アルココキシシラン、特にアリール トリアルコキシシランが含まれる。ジアルキル ジアルコキシシランも用いることができ、例えばジメチル ジエトキシシランなどがある。メチル トリエトキシシラン(MTEOS)は特に好ましい疎水性前駆体剤である。
一般に、無機前駆体剤に対する疎水性前駆体剤のモル比は、特にMTEOSを前駆体ゾル中の疎水性前駆体剤として用いる場合は、10:90〜50:50の範囲、より好ましくは20:80〜45:55の範囲で変動し、好ましくは40:60に等しい。
一般に、1以上の疎水基を担持する疎水性前駆体剤は、前駆体ゾルの全質量に対して1〜50質量%を示し、また、無機前駆体剤と、前駆体ゾルに任意に添加される1以上の疎水基との両方に対する細孔形成剤の質量比は0.01〜5の範囲、好ましくは0.05〜1の範囲で変動する。
1以上の疎水基を担持する疎水性前駆体剤は、メソ細孔質膜の前駆体ゾル中に溶解する、または有機溶媒の溶液の形式で前駆体ゾル中に導入されうる。
本発明の第1の実施態様によるメソ細孔質膜の前駆体ゾルの製造方法として特に推奨される方法は、前駆体ゾル剤を2工程で結合する方法で、一般に酸性触媒の存在下で、例えば上に定義された無機前駆体剤の予備加水分解および縮合を行う(無機前駆体剤がシリカ前駆体の場合は「シリカゾル」と称するものを形成する)第1工程と、引続いて疎水性前駆体剤と混合する、その際任意に細孔形成剤を同時に混合する可能である、第2工程とで行うことができる。
このような2工程の加水分解は、有利なこととして、大量の疎水性前駆体剤の導入が可能であり、また膜内の規則化構造を保存しながら、無機前駆体剤に対する疎水性前駆体剤のモル比が50:50という高い比率を達成できる。
加水分解は酸性媒体中で、pH値を一般に4未満、より好ましくは2未満、最も一般的には1〜2の間に保ちながら水を加えることにより行われる。
第1工程の間、無機前駆体化合物の加水分解は、好ましくは幾分過剰な水の存在下で行う。式(1)の無機前駆体剤を用いる場合は、化合物M(X)加水分解成分の化学量論的な加水分解に必要な水のモル量の1〜1.5倍量の水を用いるのが一般的である。このようにして反応を進行させる(ゾルの熟成)。この手順の間、ゾルは好ましくは、約50〜70℃、一般には60℃の温度で、30分〜2時間の間維持される。縮合はより低温度でも実施可能であるが、より長い縮合時間を伴う。
更に好ましくは、疎水性前駆体剤を前駆体ゾル中に導入してから速やかに、好ましくは前駆体ゾル中に疎水性前駆体剤を導入後5分以内に、より好ましくは2分以内に前駆体ゾルを成膜して前駆体ゾル膜を形成すべきである。このように非常に短い時間に作業することにより、膜の成膜および形成前に疎水性前駆体剤の縮合反応を最小限にすることが可能となる。すなわち、前駆体剤から生じる縮合種の顕著な形成を誘発することなしに疎水性前駆体剤の単なる部分的な加水分解が誘発される。
次に本発明による第2の疎水化方法を説明する。本発明のこの実施態様では、1以上の疎水基を担持する1以上の疎水性反応化合物で膜を処理する工程は、成膜工程の後、または硬化工程がある場合はその後に行われる。
本発明の疎水性反応化合物または疎水性反応化合物の混合物で膜を処理する工程は、本発明によれば液体または気体状態で、好ましくは気体状態で、疎水性化合物または疎水性化合物の混合物と膜とを接触させて行うことが好ましい。液体状態では、有利なこととして、疎水性反応化合物が溶媒で溶解または希釈され、この溶液は、還流へと移行できる、処理される膜は予めそこに浸漬される。また、上記の膜に1または複数の疎水性反応化合物を用いて膜を処理する工程の間に、超音波で膜を処理することによって室温で作業することも可能となる、例えば処理すべき膜を被覆した基材を、疎水性反応化合物または疎水性反応化合物の混合物を含む超音波反応器中に浸漬することなどである。
シラノール基を含有するシリカを主体とするマトリックスを用いる場合は、疎水性反応化合物がシラノール基に対して反応し、この化合物で処理することにより、そのシラノール基の少なくとも1部が派生して疎水基となっているシリカマトリックスを形成する。グラフトするシラノール基の数に比べてき大きく過剰な疎水性反応化合物を用いて、反応を促進することも可能である。
第1の代替方法では、「合成後のグラフト」と称されるこの追加工程を細孔形成剤の除去工程中に行う。この代替方法は、除去工程が溶媒抽出工程である場合に特に適している。このように、細孔形成剤の抽出溶媒中に、1以上の疎水基を担持する疎水性反応剤の溶液を用い、両処理を組み合わせることができる。
第2の代替方法では、合成後グラフトの追加工程は、細孔形成剤の除去工程の後に行われる。メソ細孔質膜の処理を含むこの実施態様は、文献から公知であり、特に米国公開第2003/157311号および国際公開第99/09383号に記載されている。
第3の代替方法では、合成後グラフトの追加工程は細孔形成剤の除去工程の前に行われる。
本発明の被覆層が多層被覆層である場合は、合成後グラフト工程は、その被覆層を形成しているすべての層に共通である。
本発明に特に適している、1以上の疎水性基を担持する疎水性反応化合物は、4価金属またはメタロイド、好ましくはケイ素を主体とする化合物であり、膜残留ヒドロキシル基と反応可能である1つの官能基だけを、特にSi−Cl、Si−NH−、またはSi−OR官能基(Rはアルキル基であり、好ましくはC〜Cアルキル基)を含有する化合物である。
好ましくは、前記疎水性反応化合物は、下記式(IX)の化合物および化合物の混合物から選択される:
(R(R)M (IX)
式中:
Mは4価金属またはメタロイド、好ましくはSi、Sn、Zr、Hf、またはTi、より好ましくはケイ素であり、
基は、同一または異なって、飽和または不飽和で、好ましくはC〜C、より好ましくはC〜Cの炭化水素疎水基であり、例えば、メチルまたはエチル基などのアルキル基、ビニル基、アリール基、例えばフェニル基で、任意に、1または複数の特にC〜Cアルキル基によって置換され、あるいは上述の炭化水素基のフッ化またはペルフルオロ化類似体、例えばフルオロアルキルまたはペルフルオロアルキル基、または(ポリ)フルオロまたはペルフルオロ アルコキシ[(ポリ)アルキレンオキシ]アルキル基であり、好ましくはRはメチル基である。
―Rは加水分解基であり、好ましくは、−O−Rアルコキシ基、特に、C〜Cアルコキシ基、または−O−C(O)Rアルコキシ基から選択され、ここでRはアルキルラジカル、好ましくはC〜Cアルキルラジカルであり、好ましくはメチルまたはエチルラジカル、1または2の官能基によって、例えばアルキルまたはシラン基によって任意に置換されたアミノ基、およびCl、Br、およびIなどのハロゲン基である。この基は好ましくはアルコキシ基であり、特にメトキシまたはエトキシ、クロロまたは−NHSiMe基である。
有利に用いられる疎水性反応化合物としては、フルオロアルキル、クロロシラン、特にトリ(フルオロアルキル)クロロシランまたはフルオロアルキル ジアルキル クロロシラン、例えば、式CF−CH−CH−Si(CHClの3,3,3−トリフルオロプロピルジメチル クロロシラン、アルキル アルコキシシラン、特にトリアルキル アルコキシシラン、例えばトリメチル メトキシシラン(CHSiOCH、フルオロアルキル アルコキシシラン、特にトリ(フルオロアルキル)アルコキシシランまたはフルオロアルキル ジアルキル アルコキシシラン、アルキル クロロシラン、特にトリアルキル クロロシラン 例えばトリメチル クロロシラン、トリアルキル シラザンまたはヘキサアルキル ジシラザンが含まれる。
好ましい実施態様では、疎水性反応化合物は、トリアルキルシリル基を含有し、好ましくはトリメチルシリル基およびシラザン基、特にジシラザン基を含有する。HMDSと称される1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル ジシラザン(CHSi−NH−Si(CH、は特に好ましい疎水性反応化合物である。
本発明では、上述の疎水性反応化合物により後処理する追加工程は、好ましくは、150℃以下、好ましくは130℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは110℃以下の温度で行われる。
本発明による屈折率プロファイルを有する被覆層は、内側層(基材に最も近い層)として、厚みが1〜100nmの非メソ細孔質材料、例えばシリカなどの層を、任意に含んでもよい。この追加層は、特に平均反射率を低減し、被覆層の性能の改善する。
前駆体ゾル膜を基材の主表面上(または上述の非メソ細孔質追加層)上に成膜する工程(c)は、従来の方法、例えば浸漬成膜法、スプレイ成膜法、またはスピンコート法などのいずれを用いて行ってもよく、好ましくはスピンコート法を用いる。好ましくは、成膜工程(c)は、相対湿度(RH)の変動範囲が40〜80%の範囲である雰囲気下で行う。
成膜した前駆体ゾル膜の構造は、硬化工程の間に、任意に硬化させてもよく、硬化工程は、任意に、前駆体ゾル膜から有機溶媒の溶媒または混合物および/または過剰な水の除去を完成させる工程と、例えばシリカを主体とするマトリックスを用いる場合はそのゾル中に含まれる残留シラノール基の、一般には膜の加熱による、硬化を継続する工程とを含む。このような加熱処理によって、シリカ格子の重合度が増加する。硬化工程は好ましくは、150℃以下、好ましく130℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは110℃以下の温度で加熱することにより行われる。
複合材料を生成する、この重合工程の最後に、メソ細孔質膜の前駆体膜で被覆された基材、すなわち細孔形成剤を少なくとも部分的に除去すればメソ細孔質膜になる膜で被覆された基材が得られる。
本発明によれば、メソ細孔質膜の1前駆体膜のみ、またはメソ細孔質膜の複数の前駆体膜の積層を含む多層被覆層のいずれも基材上に成膜することができる。
膜中に含まれる細孔形成剤を除去することにより、空気充填孔を有し、初期の膜よりも屈折率が低いメソ細孔質膜を生成する。
このように、CTAB/TEOSモル比が0.10に等しくなるように、無機前駆体剤としてテトラエトキシシランを含有するゾルを用い、細孔形成剤としてCTABを用いると、屈折率が約1.48である六方晶系の3次元構造のメソ構造化膜が生成される。界面活性剤除去後の屈折率は、選択する除去方法に依存するが、上述のCTAB/TEOSモル比の場合は、一般には、1.22〜1.29の範囲であり、典型的には約1.25である。疎水性マトリックスを有するメソ細孔質膜は、同オーダーの屈折率を有しうる。
好ましくは、細孔形成剤の除去は低温、すなわち150℃以下、好ましく130℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは110℃以下の温度での作業が可能な適切な方法を用いて行う。
本発明の第1の方法は、好ましくは、メソ細孔質膜の1前駆体膜のみ、または同じ組成を有する複数の前駆体膜、のいずれかを含む被覆層で被覆された基材を用いて実施する。
工程(e)において、特に、工程(c)において成膜された前記膜を含む被覆層の少なくとも1部から細孔形成剤が除去され、それによって前記被覆層の前記部分に、前記被覆層の前記部分の下の前記基材の前記表面に垂直であるとともに前記基材に最も近い前記被覆層の前記表面方向に向けて屈折率勾配を生成する。
本願では、被覆層の少なくとも1部から細孔形成剤を除去するとは、被覆層の外面の1部(以下、被覆層の「局所的区域」と称する)に除去処理を施すことを意味する。この局所的処理は、被覆層の1つの層(膜)、または複数層被覆層の場合は被覆層の複数の層に影響を与えうる。除去処理の影響を受ける被覆層表面の局所的区域は、0.1〜200μmほどの小さいものであってよい。
本願では、細孔形成剤を部分的に除去するとは、細孔形成剤が被覆層のある一定の深さまで除去され、最終の被覆層が、細孔形成剤を除去されていない厚み、を有することになることを意味する。除去処理は被覆層の外側面の1部分または全体に影響を与えうる。
実施される部分的除去法は、除去によって影響を受けた被覆層の厚みが、除去を施された製品の全体において、実質的に同じであるような除去前面を生成する。
実際には、細孔形成剤の部分的除去は、細孔形成剤の制御された分解、例えば酸素またはアルゴンプラズマを用いるプラズマアシスト酸化、UVランプなどにより発生されるオゾンを用いるオゾン酸化、コロナ放電、または光放射光分解、によって行うことができる。
これらの方法により、室温に近い温度において、メソ細孔質被覆層の前駆体被覆層内の所望の深さまで、それぞれの種を拡散させて、細孔形成剤を劣化させ、それによって細孔形成剤の濃度勾配を生成することができる。
どの除去方法を用いる場合であっても、細孔形成剤の除去では最初に層の外側部分が影響を受けるので、同部分の屈折率は除去処理の影響を受けない内側部分の屈折率より低くなる。このように、単調で連続する細孔形成剤濃度プロファイルが当該部分の被覆層において得られ、また従って単調で連続する屈折率プロファイル、すなわち被覆層の当該部分の下の基材の表面に垂直で、基材方向に向けて屈折率勾配が得られる。SIMSアッセイ(二次イオン質量分析法)により各元素(Si,O,C…)の深度分布プロファイルを求めることにより濃度プロファイルを得ることができる。またRBS法(Rutherford後方散乱分光法)を用いることもできる。
実施する細孔形成剤除去方法に依存して、2種類の、屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層が得られる:i)被覆層の少なくとも1つの局所的区域からある一定の深さまで細孔形成剤が除去されている;従って、被覆層の少なくとも1つの局所的区域は、該被覆層の一定の深さまでメソ細孔質である;ii)被覆層全体から一定の深さまで細孔形成剤が除去されている;従って、被覆層全体は、該被覆層の一定の深さまでメソ細孔質である。
シナリオ(ii)は本発明の第1方法の最も好ましい実施態様に対応する。
こうして、工程(e)の終わりに、1部分が少なくともメソ細孔質であり、被覆層から細孔形成剤が部分的にのみ除去されたことから得られる屈折率プロファイルを有する被覆層で覆われた主表面を有する基材を回収する。
本発明の第2の方法では、任意に構造化された(一般に細孔形成剤が両親媒性である場合)メソ細孔質膜の少なくとも2つの前駆体膜の積層を作成する必要がある。実際には最終製品の屈折率プロファイルは、第2の方法では、その積層の生成のされ方に起因する。好ましくは、本発明の本実施態様で得られる被覆層は3層積層を含む。
従って、この第2の方法の工程(e)は、前の工程の結果生成された膜上に、1以上の無機前駆体剤と、1以上の細孔形成剤と、1以上の有機溶媒と、水と、任意に、無機前駆体剤を加水分解する触媒とを含有するゾルの膜を成膜する工程である。これらの成分は、上で定義されたようなものであるが、前駆体ゾルの全質量に細孔形成剤が示す割合は、前の工程で得た膜を作成するために用いる前駆体中の細孔形成剤が示す割合より高い。
第2の成膜された膜は、工程(f)および任意に工程(g)において硬化してもよく、メソ細孔質被覆剤が3層以上を含むことを所望する場合は、成膜工程(e)および硬化工程(f)の連続を、1回以上繰り返してもよい。但し、各工程(e)において、前駆体ゾルの全質量に細孔形成剤が示す割合は、前の工程で得た膜を作成するために用いる前駆体中の細孔形成剤が示す割合より高い。任意に、成膜された積層に最終硬化工程を施こし、重合を完成させてもよい。その際の温度は、150℃以下、好ましく130℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは110℃以下である。
工程(h)の間、工程(c)、(e)、および、存在する場合は(g)において成膜された膜を含む被覆層の少なくとも1部から少なくとも部分的に、細孔形成剤が除去され、1部が少なくともメソ細孔質であり、被覆層のメソ細孔質部分の下の基材の表面に垂直な軸に沿って基材から離れる方向に減少する屈折率プロファイルを有する、多層被覆層によって覆われた主表面を有する基材が作成される。
第1の方法の場合と同様に、どの除去方法を用いた場合でも、細孔形成剤の除去は、最初に多層被覆層の外側層、すなわち、基材から最も遠い層に影響を与え、最後に多層被覆層の内側層、すなわち基材に最も近い層に影響を与える。
実施する細孔形成剤除去方法に依存して、4種類の、屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層が得られる:(i)被覆層によって充填されている全体積から細孔形成剤が除去されている:従って被覆層によって充填されている全体積は、メソ細孔質である;(ii)被覆層の1以上の局所的区域の全深さに沿って細孔形成剤が除去されている:従って被覆層の1以上の局所的区域が被覆層の全深さに沿ってメソ細孔質である;(iii)被覆層の1以上の局所的区域からある一定の深さまで細孔形成剤が除去されている;(iv)被覆層全体からある一定の深さまで細孔形成剤が除去されている。
第1の方法とは異なり、被覆層において得られる屈折率プロファイルは連続プロファイルではなく不連続プロファイルである。特にシナリオ(i)および(ii)に対応する被覆層のメソ細孔質部分において、屈折率プロファイルは段階的に変化する。
実施態様(iii)および(iv)では、好ましくは被覆層の膜の内側だけ、すなわち、基材に最も近い被覆層の内部層だけが除去による影響をうけないような深さまで、または一定の厚みだけ、細孔形成剤を除去する。
しかしながら、いくつかの成膜された膜は除去工程による影響を受けないことがある。シナリオ(i)および(iv)は本発明の第2の方法の2つの好ましい実施態様である。
なお、実施態様(i)および(ii)では、細孔形成剤を増加しながら充填し膜を成膜して多層被覆層を生成するということにのみ起因して屈折率プロファイルが生成されるのに対して、実施態様(iii)および(iv)では、細孔形成剤を増加しながら充填し膜を成膜して多層被覆層を生成する一方、他方では被覆層から細孔形成剤を部分的にのみ除去することに起因して屈折率プロファイルが生成される。
本発明の第2の方法で用いられる細孔形成剤を部分的に除去する方法(上記のシナリオ(iii)および(iv)に対応する)は第1の方法で上述したものと同じである。
一方、本発明の第2の方法のシナリオ(i)および(ii)で用いられる細孔形成剤を除去する方法は、「全除去方法」と称される。本発明において、被覆層の体積部分の1部分において細孔形成剤が全部除去されているという場合は、当該体積中に初期的に含まれている細孔形成剤の全質量の、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上、低減されたことを意味する。
全除去法としては、例えば基材が適している場合は、焼成法または溶媒や超臨界流体を用いる公知の抽出法が含まれる。分解法を用いることもできる。分解法には例えば酸素またはアルゴンプラズマを用いるプラズマアシスト酸化、、UVランプなどにより発生されるオゾンを用いるオゾン酸化、コロナ放電、または光放射光分解などがある。後者の方法は、米国公開第2004/0151651号に特に記載されている。例えば、特開2000−226572に記載されるように、超臨界流体(一般にはCO)を用いてメソ構造化材料に含まれる界面活性剤の抽出を行う。
好ましくは、細孔形成剤の除去は、本発明の第2の方法のシナリオ(i)において抽出によって行う。所望の抽出度を得るために、数回の連続抽出を行ってもよい。
好ましくは、抽出には有機溶媒または有機溶媒の混合物を用いるが、形成し更に任意に硬化した被覆層で被覆した製品を、150℃以下の温度に加熱した溶媒、または溶媒の混合物、好ましくは有機溶媒に浸漬することにより用いる。還流溶媒が好ましく用いられる。沸点が150℃以下、好ましく130℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは110℃以下の溶媒が適切である。好ましい溶媒としては、アルカノール、特にエタノール(沸点=78℃)またはイソプロパノール(沸点=80〜83℃)、アルキルケトン、特にアセトン(沸点=56℃)およびクロロアルカン、例えばジクロロメタンまたはクロロフォルムなどが含まれる。非中毒性溶媒、例えばアセトンまたはエタノールなどが好適に用いられる。アセトンは、CTABまたはCTAC型の界面活性剤の、可溶化による除去に特に適している。溶媒抽出は、また、室温で、超音波を用い、任意に攪拌下で、効果的に実施することができる。
なお、有機溶媒を用いて細孔形成剤を抽出することによって、焼成の場合と同様にメソ細孔質膜の最終厚みを良好に調整することができる。
シナリオ(i)および(ii)で得られた膜は、有孔率が高い(空隙率約55%)。これらは、良好に調整された直径4nmのメソ細孔(ミセル インプリンティング)と、マトリックス壁内に位置し、先天的に非単分散の、直径数オングストロームのマイクロ孔との両方を備える。各膜の多孔質形態に関し、メソ細孔は一般に2/3の空隙率を示し、マイクロ孔は1/3の空隙率を示す。この空隙率は膜に吸着実験を行うことによって測定しうる。
図1は、少なくとも局所的に細孔形成剤を除去した後の、シリカマトリックスを主体とするメソ細孔質膜形態の概要を示す。マイクロ孔質のシリカ壁によって互いに離れている、2つのメソ細孔が図示されている。
本発明の方法によると最終被覆層のメソ細孔質部分は規則化されていてもよく、規則化されていなくてもよい。上述したように、構造剤として機能する両親媒性細孔形成剤が好適に用いられ、その結果最終被覆層のメソ細孔質部分は一般に規則構造を有する。一般には構造膜は機械的特性に優れ、その製造プロセスの再現性を調整するプロセスが容易になる。
本書中、「規則化または組織化された構造」とは、厚みが20nm以上で、区域の大きさが20nm以上、好ましくは300nm以上である成膜された層の面において、規則的な組織を有する構造を意味する。
このような規則化構造は特に、少なくとも局所的に、3d六方晶系、立方晶系、または2d六方晶系である。3d六方晶系構造は、コンパクト六方晶系積層と同様に格子状に配列された球形ミセルからなる。その空間群はP6/mmcである。立方晶(空間群Pm3n)は楕円形または円形ミセルからなる。六方晶系2d構造(空間群c2m)は円筒形ミセルからなる。
本願に付属する図2は、TEOS/MTEOS/CTAB膜の3元状態図の一部を示す。図は、これらの3成分を含有するゾルから作成された最終ゲルにおいて得られる規則化構造(相)をモル比の値によって示す。
MTEOS/TEOSモル比が1より高い閾値に到達した場合は、膜はそれ以上構造化されない。MTEOS/TEOSモル比がこの閾値よりも低い場合は、本発明によるメソ細孔質膜は、用いられたCTAB量に応じて、3d六方晶系、立方晶系、または2d六方晶系の組織化構造を有しうる。位相の限界を決定するCTAB/TEOSモル比の値はMTEOS/TEOSモル比が増加するにつれて増加する。
例えば、細孔形成剤がCTABの場合は、無機前駆体剤はTEOSであり、疎水性前駆体剤はMTEOS(成膜工程に先立って前駆体ゾル中に導入されたもの)であり、その際、MTEOS/TEOSモル比=1である場合は、結果は次のようになる:
0.210≦(CTAB/TEOS)≦0.280である場合は3d六方晶系規則化構造;
0.297≦(CTAB/TEOS)≦0.332の場合は立方晶系規則化構造;
0.350≦(CTAB/TEOS)≦0.385の場合は2d六方晶系規則化構造。
好ましくは、本発明の方法により得られるメソ細孔質膜が3d六方晶系規則化構造を有するように、両方の前駆体剤および細孔形成剤の量を準備工程において選択する。
それらの最終状態においては、本発明の両方法により成膜した被覆層は、一般に最大厚みが約1μm、より一般的には最大厚みが50〜500nmの範囲である。
本発明は非常に様々な分野において用途がある:光ファイバ、光学レンズ、特に眼科用レンズ、特に眼鏡、誘導光学機器(光学導波管)、回折回路、ブラッグミラー、マイクロエレクトロニクス用絶縁体、ろ過膜、およびクロマトグラフィー固定相などが含まれ、もちろんこれに限定されるものではない。
製品が特定の対称を有する場合、例えば、軸方向、半径方向、または球面方向屈折率プロファイルが得られる。
軸方向プロファイルの場合は屈折率が所定の方向に変化し、半径方向プロファイルの場合は屈折率が所定の軸までの距離に依存して変化し、球面方向プロファイルの場合は屈折率は所定の点までの距離に依存して変化する。
屈折率プロファイルが勾配(GRIN)の1つである特定の場合では、、軸方向勾配とは、軸方向に対して垂直な、いかなる面においても屈折率が均一であることを意味し;半径方向勾配とは、所定の半径の、勾配と同じ軸の、いかなる円筒形の面においても屈折率が均一であることを意味し;球面方向勾配とは、等屈折率の面が球形であることを意味する。軸方向または半径方向プロファイルは、特に光ファイバの場合に得られる。
本発明による屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層は、色収差のない反射防止被覆層であるため、光学製品に有利に用いることができる。本発明による被覆層の平均反射率は波長による変動が小さく、そのためこの反射防止被覆層は、厚みの低下または屈折率変動を起こし難くなっているため、この被覆層は干渉型の従来の反射防止被覆層に比べて、反射防止特性の高い製品、特に透明な製品の提供を可能にする。
本願では、「平均反射率」とは、ISO 8980−4標準に準拠して定義される。すなわち400〜700nmの可視範囲における平均反射率であり、Rと称される。
好ましくは、本発明により被覆された製品の可視範囲(400〜700nm)の平均反射率は2%未満、より好ましくは1%未満、更により好ましくは0.75%未満である。
また、界面活性剤型の細孔形成剤を含有する、または含有しないシリカメソ細孔質構造は、良好な機械的強度を有する。
本発明の製品は、好ましくは光学レンズであり、より好ましくは眼科用レンズまたは光学レンズまたは眼科用レンズのブランクである。既に記載したように、製品の基材は、1または複数の機能被覆層を含むことができ、本発明の屈折率プロファイルを有する被覆層はそれらの層の上、特に耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層の上に成膜することができる。
本発明による屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層は、その表面特性を改変することを意図して被覆層、例えば疎水性および/または疎油性層(防汚性トップコート)などで任意に被覆することができる。これらの層の厚みは一般に10nm未満、好ましくは1〜10nmの範囲、より好ましくは1〜5nmの範囲である。
これらの疎水性および/または疎油性被覆層は、現状技術では公知であり、一般に従来の熱蒸着法の手段により得られる。これらの層は、一般にフルオロシリコーンまたはフルオロシラザン、すなわち、フッ素原子含有シリコーンまたはシラザンから生成される。
疎水性および/または疎油性被覆層を形成するために特に良好に用いられるフルオロシランはフルオロポリエーテル成分を有する。これらについては、米国特許第6,277,485号に記載されている。
これらのフルオロシランは下記の一般式を有する。
Figure 2009525498
式中、Rは1価または2価ポリフルオロポリエーテル基であり、Rはアルキレンまたはアリーレン2価基、またはそれらの組み合わせであり、任意に1または複数のヘテロ原子または官能基を含有し、任意にハロゲンにより置換され、また好ましくは2〜16の炭素原子を持つ;Rは低級アルキル基(すなわち、C〜Cのアルキル基)である;Yはハロゲン原子、低級アルコキシ基(すなわち、C〜Cのアルコキシ基、好ましくはメトキシまたはエトキシ基)、または低級アシルオキシ基(すなわち−OC(O)R基、ここで、RはC〜Cのアルキル基)である;Xは0または1に等しい;yは1(Rが1価の基)または2(Rが2価の基)である。適切な化合物は、一般に平均分子量が1000以上である。好ましくは、Yは低級アルコキシ基であり、Rはペルフルオロポリエーテル基である。
他の推奨されるフルオロシランは下記の式で表される:
Figure 2009525498
式中、n=5,7,9,または11であり、Rはアルキル基、好ましくは、C〜C10のアルキル基、例えば−CH、−Cおよび−Cであり;
CF(CFCHCHSi(OC((トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロ)オクチル−トリエトキシシラン);
Figure 2009525498
式中、n=7または9、Rは、上記の定義と同じ。
疎水性および/または疎油性被覆層の作成に推奨されるフルオロシランを含有する組成物としては、他にも、米国特許第6,183,872号に記載されている組成物がある。これらは、下記の一般式で表され、分子量が5.10〜1.10の範囲であるシリコーンを主体とする基を担持する有機成分を有するフルオロポリマーを含む。
Figure 2009525498
式中、Rはペルフルオロアルキル成分である;Zはフルオロまたはトリフルオロメチル基である;a,b,c,dおよびeはそれぞれ他とは独立して、0または1以上の整数である。但し、a+b+c+d+eの合計は1未満ではなく、添え字a、b、c、dおよびeによって括弧でくくられた繰り返し単位の順はここに示されたものに限定されない。YはHまたは1〜4の炭素原子を含有するアルキル基である;Xは水素、臭素、またはヨウ素原子である;Rはヒドロキシル基、または加水分解性基である;Rは水素原子または1価の炭化水素基である。lは0、1または2に等しい;mは1、2、または3に等しい;n”は1以上の整数、好ましくは2以上の整数である。
好ましい疎水性および/または疎油性被覆層組成物は、信越化学工業(Shin−Etsu Chemical)から製品名KP 801M(登録商標)として販売されている。他の好ましい疎水性および/または疎油性被覆層組成物は、ダイキン工業(Daikin Industries)から商品名OPTOOL DSX(登録商標)として販売されている。これはペルフルオロプロピレン基を含有するフッ素系樹脂である。
また、可能である場合は、本発明による屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層が形成される基材は、後に眼科用レンズのための基材のような確定基材の上に転写することを意図して、上述の被覆層をその上で保存するような仮の基材であってもよい。
そのような仮基材は、剛性であっても可撓性であってもよいが、好ましくは可撓性である。それは除去可能な基材、すなわち確定基材の上にメソ細孔質被覆層の転写が実行された後に除去することを意図する基材である。
この仮基材は、転写を容易にする目的で、前もって離型剤の層で被覆してから用いることもできる。この層は、転写工程の最後に任意に除去することができる。
可撓性の仮基材は一般にその厚みが数ミリメータ、好ましくは0.2〜5mmの範囲、より好ましくは0.5〜2mmの範囲であり、可塑性材料、好ましくは熱可塑性材料で作成された精密要素である。
仮基材の作成に適切に用いられる熱可塑性(コ)ポリマーは、ポリスルホン、脂肪族ポリ(メタ)アクリレート、例えばメチル ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、SBM(スチレン―ブタジエン―メチル メタクリレート)、ブロック コポリマー、ポリフェニレン スルフィド(PPS)、アリーレン ポリオキシド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、例えばビスフェノールAポリカーボネート、ポリビニル クロリド、ポリアミド、例えばナイロン、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物などである。ポリカーボネートは好ましい熱可塑性材料である。
仮基材の主表面には、本発明のメソ細孔質被覆層とともに確定基材上に転写する1または複数の機能被覆層(上記に記載)の積層が含まれていてもよい。いうまでもなく、転写する被覆層は、確定基材上での所望の積層順の反対の順に仮基材上に成膜する。
本発明の方法の工程(c)の間に前駆体ゾルの膜を成膜する基材が仮基材である場合、本発明は、更に屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層(または該メソ細孔質被覆層を含む被覆層の積層)を仮基材から確定基材へ転写する方法に関する。従って、本発明の方法は下記の追加工程を含む:
Z)上記のメソ細孔質被覆層を仮基材から確定基材へ転写する工程。
仮基材上に存在する被覆層の転写は、当業者にとって公知である適切な方法に従って行う。
先に仮基材上に形成された屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層を、確定基材に転写するのではなく、確定基材に接合することも可能である。
以下の実施例は本発明を説明するものであるが、これらに限定されるものではない。ここで示す屈折率はすべて、λ=633nmおよびT=20〜25℃で示されたものである。
<実施例>
<屈折率プロファイルを有するメソ細孔質膜の合成に用いられる反応物および材料>
化学式Si(OCのTEOSを無機前駆体剤として用いた。化学式CHSi(OCのMTEOSを疎水性前駆体剤として用いた。化学式C1633(CH,BrのCTABを細孔形成剤として用いた。
有機溶媒として無水エタノール、および加水分解触媒として希塩酸(pH値を1.25にする)を用いてゾルを調製した。
実施例1、2、5および6〜9において用いられた光学製品は、エシロール社のORMA(登録商標)レンズ(屈折率=1.50)用の基材を含む。このレンズは仏国特許第2702486号に開示されている、GLYMO、DMDES、コロイド状シリカ、およびアルミニウム アセチルアセトナートを含有する耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層(屈折率=1.48および厚み=3.5μm)で被覆されている。実施例6〜9では、耐摩耗性ワニスで被覆されている基材に、本発明のメソ細孔質被覆層の成膜工程に先立ち、前段階の表面処理(アルカリエッチング)を施してある。
実施例3および4において用いられる光学製品は、「ニコン1.67」型(635nmにおいてn=1.656)の基材を含む。この基材は、屈折率1.593、厚み3.5μmの被覆層で被覆されている。
メソ細孔質層の屈折率は、632.8nmにおいて分光楕円偏光法により測定する。これらの層の厚みは、プロフィルメータを用いて測定する。
<A) 本発明の第1の方法>
本発明の第1の方法によるメソ細孔質膜の前駆体ゾルは、前駆体剤を2工程で結合する方法である。第1工程では、無機前駆体剤を含むシリカゾルを調整する。第2工程では、このゾルに疎水性前駆体剤を結合する。
1.シリカゾルの一般的な調製手順
シリカゾルの調製は、冷媒を備えるフラスコ内でエタノールおよび希塩酸からなる媒体中で60℃で1時間加熱することにより、TEOSを加水分解し次いで部分的に縮合する。シリカゾル成分のモル比は:
TEOS/(無水)エタノール/HCl−HO=1:3.8:5である。
調製されたシリカゾルは、部分的に縮合したシリカで、大容量のシラノール官能基を含むポリマーの小凝集体で構成されている。これらは、MTEOSなどの疎水性前駆体剤がゾル中に導入されると部分的に消滅する。従って、全体{シリカポリマー凝集体+MTEOS}が十分な疎水性のままであるように、親水性―疎水性バランスの体系を変化させないようにこの合成を設計した。実際、重合したMTEOSは加水分解した非縮合MTEOSと異なり疎水性である。一般には、MTEOSの存在により変化するシリカ凝集体の反応性(より具体的にはそれらのゲル化率)を保存するように設計されている。
2.本発明のMTEOS−TEOSマトリックスを主体とするメソ細孔質膜(MTEOS/TEOSモル比=40:60)の成膜および硬化のための一般的な手順
エタノール1リットル当り48.7gのCTABの原液を調製する。溶解しやくするために数秒間超音波を用いる。その結果6.7mLを回収し、その中に0.75mLの純MTEOSを添加する。上記で調製した3mLのシリカゾルを、0℃の氷浴に漬け、67μlの酸性化水(HCl pH=1.25)を添加したフラスコに移す。全体を、攪拌下でCTAB/エタノール/MTEOS混合物に加える。90秒後、調製された混合物の数滴を、上で記載したような耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層を被覆されたエシロール社のORMA(登録商標)(実施例1)または、ニコン1.67基材(実施例3)の上に成膜する。次いでこれらの基材を3000rpmで2分間(加速度約2000rpm/s)回転する。成膜はチャンバ内で行うが、チャンバには強い窒素流を通し、その雰囲気をT=20〜25℃、相対湿度RHが51%に調整してある。得られた膜は、UV可視エリプソメータの測定による厚みが260nm(実施例1)または約407nm(実施例3)であり、3d六方晶系規則化組織を有する。
このようにして得られたメソ細孔質膜が被覆された基材を、次に、110℃で12時間加熱し、硬化させる。
3.CTAB界面活性剤の部分的除去のための一般的な手順
(酸素またはアルゴンプラズマ):メソ構造化膜で被覆された基材をプラズマを発生する2電極を備えたチャンバ内に配置する。チャンバ内が真空になるとガスが導入され、プラズマが発生する(ガス流は維持しても維持しなくてもよい。チャンバ内の圧力を監視する)。プラズマ照射の後、チャンバの内容物を排出し基材を回収する。
(UV−オゾン劣化法):メソ細孔質膜で被覆された基材を、酸素からオゾンに変換するのに適切な波長(185および214nm)を発生しうるランプを備えたチャンバ内に配置する。このチャンバを空気または酸素雰囲気(調整された圧力)下に配置し、次にランプを点灯する。オゾン照射の後、チャンバの内容物を排出し基材を回収する。
4.本発明の被覆層の性能評価
<a) 実施例1および2>
そのメソ細孔質層が1.47および1.25(実施例1)によって制限される減少二次関数に従う屈折率プロファイルを有する製品の反射曲線は、相対的に色収差がない。その可視範囲における平均反射係数Rは1.19%に等しい。
上記に記載した、耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層で被覆された基材上に、屈折率が1.45、厚み20nmの、シリカ層を成膜し、次に、基材から離れる方向に1.32〜1.26の、準線形のプロファイルで減少する屈折率を有する、厚み100nmのメソ細孔質被覆層を(§2とは異なる含有率のCTABを用いて)成膜することにより、更に効果的な被覆層(実施例2)を得ることができる。このような製品の反射曲線は、色収差がない。その可視範囲(400〜700nm)の平均反射係数は、0.55%に等しく、優れている。
<b) 実施例3および4>
そのメソ細孔質層が1.479および1.248(実施例3)によって制限される減少二次関数に従う屈折率プロファイルを有する製品の反射曲線は、色収差がないものではない。その可視範囲における平均反射係数Rは1.24%に等しい。曲線の最大が500〜550nm(2.8%)に到達すると、視感度で重み付けされた平均反射係数(R、380〜780nm)は高く、550nmにおいて最大視感度を有する。
これらの結論は、メソ細孔質層が、有用性がさほど高くない平均反射係数の値を有する、線形、指数または対数関数に従う屈折率プロファイルを有するときにも適用することができる。
屈折率が1.50に等しい3.5μm厚の被覆層で被覆されたニコン1.67基材上に、屈折率が1.45、厚み20nmの、シリカ層を成膜し、次に、基材から離れる方向に1.32〜1.26の、準線形のプロファイルで減少する屈折率を有する、厚み100nmのメソ細孔質被覆層を(§2とは異なる含有率のCTABを用いて)成膜することにより、更に効果的な被覆層(実施例4)を得ることができる。。このような製品の反射スペクトラムは、ほぼ色収差がない。その、可視範囲(400〜700nm)の平均反射係数は、0.42%に等しく、優れている。視感度で重み付けされた平均反射係数(R、380〜780nm)もまた非常に低い。
実施例3および4は、本発明の屈折率プロファイルを有するメソ細孔質の被覆層を、高屈折率を有する基材、例えば、「ニコン1.67」基材などにも適切に用いることができることを実証する。
<B) 本発明の第2の方法>
<実施例5>
<a) メソ細孔質被覆層の多層前駆体被覆層の調製>
同じ材料および反応物を用いるが、前駆体ゾルCTABの含有率を変えて、少なくともCTAB(膜は基材から空気へと記載される)の部分的除去後に下記を含む3層メソ構造化被覆剤を調製する:
厚みが244nm、屈折率が1.429の膜
厚みが52nm、屈折率が1.288の膜
厚みが68nm、屈折率が1.250の膜。
<b) CTAB界面活性剤の一般的な全除去手順>
CTABは、§1において調製した被覆層によって被覆された基材を、還流アセトン中に浸漬(56℃で2時間)し、抽出により、除去する。CTABは、また、還流エタノール中に浸漬(78℃で5時間)することによって溶解する。CTABの除去の後、混合物から被覆された基材を取り出し、アセトン中で数分間すすいだ後に、FTIR分光法を行ってもよい。
<c) 本発明の被覆層の性能評価>
このような製品(実施例5)の反射曲線は色収差がない。その、可視範囲における平均反射係数RおよびRは各々0.47%および0.42%である。従って、段階的に変化する屈折率プロファイルを有するこのメソ細孔質被覆層は、少なくとも市販されている干渉積層と同程度有用である。
<実施例6〜9>
<a) メソ細孔質被覆層の作成>
実施例6〜9では、作成されたメソ細孔質被覆層は、3層被覆層であり、その屈折率プロファイルは段階的に変化する。これらは、3層が漸増量の細孔形成剤を含有し、細孔形成剤が除去されると被覆層が、基材から大気方向へ減少する屈折率プロファイルを有するようになされた3層を基材上に順に成膜することによって得られる。各被覆層は、3層被覆層によって充填されたすべての体積から細孔形成剤を除去した後(該被覆層によって充填されたすべての体積は、従って、メソ細孔質である)、HMDSにより疎水化処理を施された、TEOSマトリックスを含む。
用いられる反応物により、メソ細孔質被覆層の屈折率は、最大値約1.46(例えば、CTAB/Siモル比が0.025に等しいとき)から、CTAB/Siモル比が0.10に等しいときの、最小値約1.3135まで変化する。
<実施例6>
無水エタノール1mL当り0.0343gのCTABの溶液を調整する。超音波を用いてCTABの溶解を容易にする。§A)1で作成したような10mLのシリカゾル(一旦室温に戻す)を5mLの該CTAB溶液に加える。第1の層を、18〜20℃の範囲の温度のときに相対湿度45〜50%において、1000rpmの回転速度でスピンコートにより成膜し、硬化工程(熱処理:15分間、65℃で予備硬化)を行い、その後、次層を成膜する。第2の層(20mLのシリカゾルを60mLの無水エタノール中の0.0137 g/mL CTAB溶液に加え、更に80mLの無水エタノールを加えたもの)および、次に第3の層(10mLのシリカゾルを42mLの、無水エタノール中の0.0137g/mL CTAB溶液に加え、更に8mLの無水エタノールを加えたもの)を、第1の層で用いられた手順と同様の手順で成膜するが、スピンコートの回転速度は3000rpmを用いる。この積層に、100℃で3時間、重合最終工程を施す。
この段階で、3層のメソ構造化被覆層を得る。メソ細孔内部に局在するCTABを、次に、3層メソ構造化被覆層で被覆された基材をイソプロパノールを含む超音波反応器(超音波送出システム)、登録商標Elmasonic、内に室温で15分間漬けることによって、洗浄する。装置の「sweep」機能をオンにして超音波の均質性を確保する。この工程の最後に、、メソ細孔質被覆層で被覆されている基材を、HMDSを含む超音波反応器、登録商標Elmasonic、内に室温で15分間つけることによって、水蒸気に対する屈折率が安定するように3層が疎水性になった、メソ細孔質被覆層が得られる。装置の「sweep」機能をオンにして超音波の均質性を確保する。これらのガラスを、次に、イソプロピル アルコールで洗浄し、余分なHMDSを除去する。この被覆層の特性および合成パラメータを表1に示す。:
Figure 2009525498
<実施例7>
実施例7のメソ細孔質3層被覆層は、実施例6と同様の方法で作成する。実施例7の第1および第2の層は実施例6のそれらと同じである。第3の層は、異なる(10mLのシリカゾルを、50mLの、無水エタノール中の、0.0137g/mL CTAB溶液に加える:厚みは100nm)。この被覆層の特性および合成パラメータを表2に示す。
Figure 2009525498
<実施例8>
実施例8のメソ細孔質3層被覆層は実施例6と同様の方法で作成する。この被覆層は、第1の層(10mLのシリカゾルを、12mLの、無水エタノール中の、0.0343g/mLのCTAB溶液に加える)、第2の層(15mLのシリカゾルを、48.5mLの、無水エタノール中の、0.0137g/mLのCTAB溶液に加え、次に56mLの無水エタノールを追加する)、および第3の層(10mLのシリカゾルを、42mLの、無水エタノール中の、0.0137g/mLのCTAB溶液に加え、次に8mLの無水エタノールを追加する)を備える。この被覆層の特性および合成パラメータを表3に示す。
Figure 2009525498
<実施例9>
実施例9のメソ細孔質3層被覆層は実施例8と同じ方法で作成する。実施例9の被覆層の第1および第2の層は実施例8の被覆層の各層と同じである。第3の層は異なる(10mLのシリカゾルを、50mLの、無水エタノール中の、0.0137g/mLのCTAB溶液に加える:厚み:100nm)。この被覆層の特性および合成パラメータを表4に示す。
Figure 2009525498
<b) 作成したメソ細孔質被覆層の光学特性の測定>
実施例6〜9のメソ細孔質3層被覆層は、反射防止被覆層である。これらの実施例の各々ついて、面がメソ細孔質被覆層で被覆される最終光学製品の反射係数の、変化対波長 を図3〜6にそれぞれ示す。(各図について:上部の曲線:細孔形成剤の除去前;下部の曲線:細孔形成剤の除去およびHMDSによるグラフトの後)。表5は下記の各光学パラメータを示す:可視範囲における平均反射係数 R,視感度で重み付けをした、平均反射係数R、色相角度h、および彩度C
Figure 2009525498
実施例6〜9の各々について、反射曲線は非常に「平坦」であることを観察することができ、それは反射係数の色収差のない挙動(すなわち、軽微な波長依存性)を実証するものである。
図1は、細孔形成剤を除去した後に得られる、シリカマトリックスを主体としたメソ細孔質膜形態を示す概略図である。 図2は、TEOS/MTEOS/CTAB膜の3元状態図の一部を示すもので、これによって、細孔形成剤CTAB、無機前駆体剤TEOS、および疎水性前駆体剤MTEOSから作成された本発明の膜の構造が規則化されたものであるかそうでないかの決定が可能になる。これらの化合物の特性については以下で詳細に説明する。 図3は本発明のメソ細孔質膜で被覆された光学製品の反射係数の、変化対波長を示す。 図4は本発明のメソ細孔質膜で被覆された光学製品の反射係数の、変化対波長を示す。 図5は本発明のメソ細孔質膜で被覆された光学製品の反射係数の、変化対波長を示す。 図6は本発明のメソ細孔質膜で被覆された光学製品の反射係数の、変化対波長を示す。

Claims (34)

  1. 少なくとも部分的にメソ細孔質である被覆層に覆われた主表面を有する基材を備える製品であって、
    前記被覆層のメソ細孔質部分は光学機能を有する屈折率プロファイルを有し、その変化はメソ細孔の含有量および/またはメソ細孔の充填率によってもたらされる、製品。
  2. 前記屈折率の変化は単調で、前記被覆層の前記メソ細孔質部分の下の前記基材の表面に垂直な軸に沿って、前記基材から離れる方向に向かって減少する、請求項1に記載の製品。
  3. 前記基材は透明の無機または有機ガラスである請求項1または2に記載の製品。
  4. 屈折率プロファイルを有するメソ細孔質被覆層は、裸基材の主表面上に、あるいは耐衝撃性プライマー被覆層、耐摩耗性および/または耐擦傷性被覆層、または単層または多層の反射防止被覆層から選択される1または複数の機能被覆層で既に被覆された基材の主表面上に、成膜される請求項1から3のいずれかに記載の製品。
  5. 屈折率プロファイルを有する前記メソ細孔質被覆層の厚みは、50から500nmの範囲である請求項1から4のいずれかに記載の製品。
  6. 光学レンズまたは光ファイバー、好ましくは眼科用レンズである請求項1から5のいずれかに記載の製品。
  7. 可視光範囲の平均反射係数Rが2%未満、より好ましくは1%未満、更に好ましくは0.75%未満である請求項1から6のいずれかに記載の製品。
  8. 屈折率プロファイルを有する前記被覆層は、シラノール基を含む、シリカを主体としたマトリックスを有する請求項1から7のいずれかに記載の製品。
  9. 前記シラノール基の少なくとも1部分は疎水性反応化合物との反応により疎水基へ誘導される、請求項8に記載の製品。
  10. 前記被覆層は疎水性マトリックスを有する請求項1から7のいずれかに記載の製品。
  11. 前記屈折率プロファイルは段階的に変化する請求項1から10のいずれかに記載の製品。
  12. 屈折率プロファイルを有する前記被覆層によって充される全体積がメソ細孔質である請求項1から10のいずれかに記載の製品。
  13. 屈折率プロファイルを有する前記被覆層の少なくとも1つの局所的な区域が、前記被覆層の一定の深さまでメソ細孔質である請求項1から10のいずれかに記載の製品。
  14. 屈折率プロファイルを有する前記被覆層の全体が、該被覆層の一定の深さまでメソ細孔質である請求項1から10のいずれかに記載の製品。
  15. 屈折率を有する前記被覆層の少なくとも局所的な区域は前記被覆層の全深さに沿ってメソ細孔質である請求項1から10のいずれかに記載の製品。
  16. 請求項1から7のいずれかに記載の製品の製造方法で:
    a)基材を準備する工程;
    b)1以上の無機前駆体剤と、1以上の細孔形成剤と、1以上の有機溶媒と、水と、任意に、前記無機前駆体剤を加水分解するための触媒と、を含むメソ細孔質膜の前駆体ゾルを調製する工程;
    c)前工程において調製された前記前駆体ゾルの膜を前記基材の主表面上に成膜する工程;
    d)任意に、前工程において成膜された前記膜を硬化させる工程;
    e)工程(c)において成膜された膜を含む前記被覆層の少なくとも1部分から前記細孔形成剤を除去する工程;
    f)少なくとも1部分がメソ細孔質である被覆層によって覆われた主表面を有する基材を回収する工程、を含み、
    工程(e)において、工程(c)で成膜された前記膜を含む被覆層の少なくとも1部から細孔形成剤を除去し、それによって前記被覆層の前記部分に、前記被覆層の前記部分の下の前記基材の前記表面に垂直であるとともに前記基材に最も近い前記被覆層の前記表面方向に向けて屈折率勾配を生成することを特徴とする方法。
  17. 請求項1から7のいずれかに記載の製品の製造方法で:
    a)基材を準備する工程;
    b)1以上の無機前駆体剤と、1以上の細孔形成剤と、1以上の有機溶媒と、水と、任意に、前記無機前駆体剤を加水分解するための触媒とを含むメソ細孔質膜の前駆体ゾルを調製する工程;
    c)前工程において調製された前記前駆体ゾルの膜を前記基材の主表面上に成膜する工程;
    d)任意に、前工程において成膜された前記膜を硬化させる工程;
    e)前工程の結果作成された前記膜の上に、1以上の無機前駆体剤と、1以上の細孔形成剤と、1以上の有機溶媒と、水と、任意に、前記無機前駆体剤を加水分解するための触媒とを含むメソ細孔質膜の前駆体ゾルの膜を成膜する工程;
    f)任意に、前工程において成膜された前記膜を硬化させる工程;
    g)任意に、工程(e)および(f)を1回以上繰り返す工程;
    h)工程(c)、(e)および、存在する場合は(g)において成膜された前記膜を含む被覆層の少なくとも1部分から、少なくとも部分的に前記細孔形成剤を除去する工程;
    i)少なくとも1部がメソ細孔質であり、前記被覆層の前記メソ細孔質部分の下の前記基材の前記面に対して垂直である軸に沿って、前記基材から離れる方向に、減少する屈折率プロファイルを有する多層の被覆層によって覆われた主表面を有する基材を回収する工程、を含み、
    各工程(e)において、前記前駆体ゾル全体の質量に対する前記細孔形成剤の割合は、前工程において得られた前記膜を作成するために用いられた前駆体ゾルにおける前記細孔形成剤の割合より高い割合を示すことを特徴とする方法。
  18. 前記無機前駆体剤は下記式の化合物から選択される請求項16または17に記載の方法:
    M(X) (I)
    式中、Mは、4価金属またはメタロイドであり、好ましくはTi、Zr、Hf、Sn、およびSiであり、X基は、同一または異なって、好ましくは、アルコキシ、アシルオキシ、およびハロゲン基から選択される加水分解基であり、好ましくはアルコキシ基である。
  19. 前記細孔形成剤は、セチル トリメチルアンモニウム ブロミド、セチル トリメチルアンモニウム クロリド、エチレン オキシドおよびプロピレン オキシド 3‐ブロック コポリマー、エチレン オキシドおよびプロピレン オキシド 2‐ブロック コポリマー並びにポリ(エチレンオキシ)アルキル‐エーテルから選択され、好ましくはセチル トリメチルアンモニウム ブロミドである、請求項16から18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記前駆体ゾルの前記膜を成膜する工程に先立ち、前記前駆体ゾル中に、1以上の疎水基を担持する1以上の疎水性前駆体剤を導入する工程を含む、請求項16から19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記疎水性前駆体剤は下記式(II)または(III)の化合物および化合物の混合物から選択される請求項20に記載の方法:
    (Rn1(Rn2M または(Rn3(Rn4M−R’−M(Rn5(Rn6
    (II) (III)
    ここで:
    Mは4価金属またはメタロイドであり、好ましくはSi、Sn、Zr、Hf、またはTiであり、更に好ましくはケイ素であり、
    、RおよびRは、同一または異なって、飽和または不飽和の、好ましくはC〜C、より好ましくはC〜Cの炭化水素疎水基で、例えばメチルまたはエチル基などのアルキル基、ビニル基、アリール基、例えばフェニル基で、任意に、1または複数の特にC〜Cのアルキル基によって置換され、あるいは上述の炭化水素基のフッ化またはペルフルオロ化類似体、例えばフルオロアルキルまたはペルフルオロアルキル基、または(ポリ)フルオロまたはペルフルオロ アルコキシ〔(ポリ)アルキレンオキシ〕アルキル基であり、
    、RおよびRは、同一または異なって、加水分解基、好ましくはアルコキシ基、特にC〜Cのアルコキシ基、または‐O‐C(O)Rアシルオキシ基から選択され、ここでRはC〜Cのアルキルラジカル、好ましくはメチルまたはエチルラジカル、およびCl、Br、およびIなどのハロゲンであり、
    R’は2価基であり、例えばアルキレンまたはアリーレン基であり、
    は1〜3の範囲の整数であり、nは1〜3の整数であり、n+n=4であり、
    、n、n5、およびnは0〜3の範囲の整数であり、但し、n+nとn+nとの和はゼロではなく、n+n=n+n=3である。
  22. 前記無機前駆体剤に対する前記疎水性前駆体剤のモル比は10:90から50:50の範囲、より好ましくは20:80から45:55の範囲で変化し、好ましくは40:60に等しい、請求項20または21に記載の方法。
  23. 前記成膜工程、または存在する場合は前記硬化工程に次いで、1以上の疎水基を担持する1以上の疎水性反応化合物を用いて、前記膜を処理する工程を更に含み、但し、1以上の疎水基を担持する疎水性前駆体剤が前記前駆体ゾル中に導入されている場合は、前記疎水性反応化合物は前記疎水性前駆体剤とは異なる、請求項16から22のいずれかに記載の方法。
  24. 前記疎水性反応化合物を導入する工程は、前記細孔形成剤を除去する工程の前、後、または間に行われる、請求項23に記載の方法。
  25. 前記疎水性反応請化合物は、下記式(IX)の化合物および化合物の混合物から選択される請求項23または24に記載の方法:
    (R(R)M (IX)
    式中:
    Mは4価金属またはメタロイド、好ましくはSi、Sn、Zr、Hf、またはTi、より好ましくはケイ素であり、
    基は、同一または異なって、飽和または不飽和で、好ましくはC〜C、より好ましくはC〜Cの炭化水素疎水基であり、例えば、メチルまたはエチル基、ビニル基、アリール基であり、あるいは上述の炭化水素基のフッ化、またはペルフルオロ化類似体、または(ポリ)フルオロ、またはペルフルオロ アルコキシ〔(ポリ)アルキレノキシル〕アルキル基であり、
    は加水分解基であり、好ましくは、アルコキシ基、特に、C〜Cアルコキシ基、または―O−C(O)Rアルコキシ基から選択され、ここでRはアルキルラジカル、好ましくはC〜Cアルキルラジカルであり、好ましくはメチルまたはエチルラジカル、1または2の官能基によって、例えばアルキルまたはシラン基によって、任意に置換されたアミノ基、およびCl、Br、およびIなどのハロゲン基である。
  26. 前記疎水性反応化合物はトリアルキルクロロシラン、好ましくはトリメチルクロロシラン、トリアルキルアルコキシシラン、好ましくはトリメチルメトキシシラン、フルオロアルキル アルコキシシラン、フルオロアルキル クロロシラン、好ましくは3,3,3−トリフルオロプロピルジメチル クロロシラン、トリアルキルシラザンまたはヘキサアルキルジシラザン、好ましくはヘキサメチルジシラザン(HMDS)である請求項25に記載の方法。
  27. 前記層の超音波処理は、前記層を少なくとも1つの疎水基を担持する少なくとも1つの疎水性反応化合物で処理する工程の間に行われる請求項23から26のいずれかに記載の方法。
  28. 前記工程のすべてが150℃以下、好ましく130℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは110℃以下の温度で行われる、請求項16から27のいずれかに記載の方法。
  29. 前記細孔形成剤の部分的除去は、酸素またはアルゴンプラズマを用いるプラズマアシスト酸化、UVランプなどから発生するオゾンを用いるオゾン酸化、コロナ放電、または光放射光分解による前記細孔形成剤の制御された分解によって行われる、請求項16から28のいずれかに記載の方法。
  30. 前記細孔形成剤は、屈折率プロファイルを有する前記メソ細孔質被覆層の少なくとも1つの局所的区域からある一定の深さまで除去される請求項16から29のいずれかに記載の方法。
  31. 前記細孔形成剤は前記被覆層全体から一定の深さまで除去される請求項16から29のいずれかに記載の方法。
  32. 前記細孔形成剤は前記被覆層によって充填される全体積から除去される請求項16を除く請求項17から29のいずれかに記載の方法。
  33. 前記細孔形成剤は前記被覆層の少なくとも1つの局所的区域の全深さに沿って除去される請求項16を除く請求項17から29のいずれかに記載の方法。
  34. 前記細孔形成剤の除去は、劣化、例えば酸素またはアルゴンプラズマを用いるプラズマアシスト酸化、または例えばUVランプによって生成されるオゾンを用いるオゾン酸化、コロナ放電、光放射光分解、焼成、溶媒または超臨界流体抽出、によって行われる請求項32または33に記載の方法。
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