JP2012018286A - 3層構成の反射防止膜を有する光学部材 - Google Patents

3層構成の反射防止膜を有する光学部材 Download PDF

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Abstract

【課題】高い反射防止性能を有し、かつ安定に製造できる反射防止膜を設けた光学部材を提供すること、及び最大基板傾斜角の大きいレンズであっても反射防止性能の劣化しない光学部材を安いコストで提供する。
【解決手段】基板と、前記基板上に第1層、第2層及びシリカエアロゲルからなる第3層を順に設けてなる反射防止膜とからなり、基板の屈折率が第1層の屈折率よりも高く、かつ1.9以下であり、第3層の屈折率aが1.18≦a≦1.32の範囲であり、第1層〜第3層の各屈折率が第1層から順に低くなっており、第2層の光学膜厚Yが下記関係式:-750a+945≦Y≦-750a+1020、及び20≦Y≦120を満たすことを特徴とする光学部材、及び30°以上の最大基板傾斜角を有するレンズ基板に設けた前記第1層及び第2層の膜厚が、前記レンズ基板の中心部から周辺部に行くに従って薄くなっていることを特徴とする光学部材。
【選択図】図2

Description

本発明は一眼レフカメラ用交換レンズ等の撮像装置に好適に用いられる反射防止膜を有する光学部材に関する。
写真用カメラや放送用カメラ等に広く用いられている高性能な単焦点レンズやズームレンズは、多数枚からなるレンズ群の鏡筒構成を有している。一般的にこれらのレンズは5〜40枚程度のレンズで構成される。また、レンズの中には広角レンズのように画角の広い像を対象とするものもあり、このような広角レンズの周辺部では光の入射角度も大きくなる。また光学設計上、有効径に対して曲率半径が小さいレンズ面を有するレンズを光路中に含む場合もよくある。これらレンズ等の光学部品の表面には、互いに異なる屈折率をもった誘電体膜を組合せ、各誘電体膜の膜厚を中心波長λに対して、1/2λや1/4λであるような干渉効果を利用した多層膜による反射防止処理が施されている。
特開2009-193029号(特許文献1)は、波長領域400〜700 nmの光において、屈折率が1.60〜1.93の基板上に、光学膜厚が97.0〜181.0 nmのアルミナからなる第1層、光学膜厚が124.0〜168.5 nmでMgF2、SiO2及びAl2O3から選ばれた屈折率が1.33〜1.50の第2層、及び光学膜厚が112.5〜169.5 nmのシリカ多孔質体からなる第3層を順に設けた反射防止膜を開示しており、第1層及び第2層を真空蒸着法により形成し、第3層をゾル−ゲル法により形成すると記載している。特許文献1は、この反射防止膜は、優れた反射防止特性を有するとともに、第1層に用いたアルミナが、基板表面のヤケを防止すると記載している。
しかしながら、特許文献1に記載の反射防止膜は、実施例等から明らかなように、第3層として屈折率が1.07〜1.18のシリカ多孔質層を設けたものであり、このような低い屈折率を達成するための非常に高い気孔率を有するシリカ多孔質層は、安定に製造するのが困難である。シリカ多孔質層の屈折率を1.18より大きくした場合、特許文献1に記載の構成では最適な反射防止膜が得られない。
特開2009-210733号(特許文献2)は、波長領域400〜700 nmの光において、屈折率が1.53以上1.60未満の基板上に、光学膜厚が25.0〜250.0 nmのアルミナからなる第1層、光学膜厚が100.0〜145.0 nmでMgF2、SiO2及びAl2O3から選ばれた屈折率が1.40〜1.50の第2層、及び光学膜厚が100.0〜140.0 nmのシリカ多孔質体からなる第3層を順に設けた反射防止膜を開示しており、第1層及び第2層を真空蒸着法により形成し、第3層をゾル−ゲル法により形成すると記載している。特許文献2は、この反射防止膜は、優れた反射防止特性を有するとともに、第1層に用いたアルミナが、基板表面のヤケを防止すると記載している。
しかしながら、特許文献2に記載の反射防止膜は、屈折率が1.60以上の基板には適用した場合、最適な反射防止膜が得られないため、さらなる改良が望まれている。
特開平10-319209号(特許文献3)は、基板上に、湿式プロセス又は乾式プロセスにより第一材料の第一反射防止層を形成する段階と、湿式プロセスで第一反射防止層を覆う第二材料の第二反射防止層を形成する段階とを有する反射防止膜の製造方法を開示しておいり、前記第一反射防止層の下に付加的に湿式又は乾式プロセスで反射防止層を一層以上形成してもよいこと、前記乾式プロセスが真空蒸着、スパッタリング、CVDから選ばれること、前記湿式プロセスがゾルゲルプロセスを含むことが記載されている。このような方法により、層の総数が少なく、かつ高性能(広い反射防止波長帯域、低い反射率、広い角度特性)な反射防止膜が得られ、特に紫外域で高い効果を発揮すると記載している。
特許文献3は、SiO2からなる第一層(乾式プロセス)と、SiO2多孔質体からなる第二層(ゾル−ゲル法)とからなる2層構成の反射防止膜、及びLaF3、NdF3又はGdF3からなる第一層(乾式プロセス)と、SiO2からなる第二層(湿式又は乾式プロセス)と、SiO2多孔質体からなる第三層(ゾル−ゲル法)とからなる3層構成の反射防止膜を開示している。
しかしながら、特許文献3に記載の反射防止膜は、ヤケ防止の効果が不十分なため改良が望まれている。
さらに、引用文献1〜3に記載の反射防止膜は、最大基板傾斜角が30°以上のレンズ等を基板として使用した場合、基板傾斜角の大きい部分で反射防止性能が著しく悪化するため、超広角レンズ、有効径に対して曲率半径が小さいレンズ面を含むレンズ系、光ディスクのピックアップレンズ等に適用した場合、十分な反射防止効果が得られない。従って、このような大きな基板傾斜角を有するレンズ面に適した反射防止膜の開発が望まれている。
特開2009-193029号公報 特開2009-210733号公報 特開平10-319209号公報
従って、本発明の第一の目的は、高い反射防止性能を有し、かつ安定に製造することができるシリカエアロゲル層を最表面に有する反射防止膜を設けた光学部材を提供することである。
本発明の第二の目的は、レンズ有効径に対して曲率半径の小さい(レンズ基板の基板傾斜角が大きい)、レンズ周辺部分においても反射防止性能の劣化しない光学部材を安いコストで提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、屈折率が1.18〜1.32の範囲にあるシリカエアロゲルは製造安定性に優れていること、このようなシリカエアロゲルを最上層に有する3層構成の反射防止膜の第2層の光学膜厚を特定の範囲に設定することにより、優れた反射防止特性が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の光学部材は、基板と、前記基板上に第1層、第2層及びシリカエアロゲルからなる第3層を順に設けてなる反射防止膜とからなり、
前記第1層及び第2層が乾式プロセスで形成されたものであり、前記第3層が湿式プロセスで形成されたものであり、
波長550 nmの光において、前記基板の屈折率が前記第1層の屈折率より高く、かつ1.9以下であり、前記第3層の屈折率aが1.18≦a≦1.32の範囲であり、前記第1層〜第3層の各屈折率が第1層から順に低くなっており、
前記第2層の光学膜厚Yが下記関係式:
-750a+945≦Y≦-750a+1020、及び
20≦Y≦120
を満たすことを特徴とする。
前記第3層の屈折率aは1.2≦a≦1.32の範囲であるのが好ましい。
前記第1層の光学膜厚Xは下記関係式:
250a-230≦X≦250a-195(第3層の屈折率aが、1.18≦a≦1.26のとき。)、及び
-250a+400≦X≦-250a+435 (第3層の屈折率aが、1.26<a≦1.32のとき。)
を満たすのが好ましい。
前記第1層はAl2O3からなるのが好ましく、前記第2層はSiO2からなるのが好ましい。
前記基板が30°以上の最大基板傾斜角を有するレンズ基板である場合、前記第1層及び第2層の膜厚が、前記レンズ基板の中心部から周辺部に行くに従って薄くなっているのが好ましい。
前記レンズ基板の任意の基板傾斜角θtにおける前記第1層の光学膜厚D1(θt)及び前記第2層の光学膜厚D2(θt)は、それぞれ下記式(1)及び式(2):
D1(θt)= D10 × (cosθt)α ・・・(1)
D2(θt)= D20 × (cosθt)β ・・・(2)
(ただしD10及びD20は、それぞれ前記レンズ基板の中心部における前記第1層及び第2層の光学膜厚を示し、α及びβは、それぞれ独立に0.5〜1.0の範囲の数値である。)により表されるのが好ましい。
前記α及びβは、それぞれ独立に0.6〜0.9の範囲の数値であるのが好ましい。
前記第3層の膜厚は、前記レンズ基板の基板傾斜角によらず一定、又はレンズ基板中心部より周辺部が厚いのが好ましい。
前記第1層及び第2層が真空蒸着法により形成されたものであり、前記第3層がゾル-ゲル法により形成されたものであるのが好ましい。
前記レンズ基板がガラスからなり、前記Al2O3からなる第1層が、前記ガラスのヤケ防止効果を有するのが好ましい。
前記SiO2からなる第2層が、前記Al2O3からなる第1層と、前記シリカエアロゲルからなる第3層との密着性を改良する効果を有するのが好ましい。
前記レンズ基板の有効径Dと曲率半径Rとの比D/Rが0.1〜2の範囲にあるのが好ましい。
前記レンズ基板の最大基板傾斜角が30〜65°の範囲にあるのが好ましい。
本発明の光学部材は、製造安定性に優れた反射防止膜を有するので、安定した反射防止性能が得られ、高い歩留まりで製造できる。
本発明の光学部材は、最大基板傾斜角が30°以上のレンズ基板であっても、広い波長域で優れた反射防止性能を有するので、超広角レンズ、有効径に対して曲率半径が小さいレンズ面を含むレンズ系、光ディスクのピックアップレンズ等に好適である。
本発明の光学部材の一例を示す模式断面図である。 本発明の光学部材の他の一例を示す模式断面図である。 レンズ基板における基板傾斜角を説明するための模式断面図である。 レンズ基板における光線入射角を説明するための模式断面図である。 第3層の屈折率(a)と第2層の光学膜厚(Y)との関係を示すグラフである。 第3層の屈折率(a)と第1層の光学膜厚(X)との関係を示すグラフである。 レンズ有効径及びレンズ曲率半径を説明するための模式断面図である。 実施例1で最適化した第2層の光学膜厚(Y)を第3層の屈折率(a)に対してプロットしたグラフである。 実施例1で最適化した第1層の光学膜厚(X)を第3層の屈折率(a)に対してプロットしたグラフである。 本発明の実施例1で作製した試料5a及び5a’の分光反射率を示すグラフである。 本発明の実施例1で作製した試料5b及び5b’の分光反射率を示すグラフである。 本発明の実施例1で作製した試料2c及び2c’の分光反射率を示すグラフである。 本発明の実施例2で作製した光学部材の分光反射率を、光線入射角ごとに示すグラフである。 本発明の実施例2で作製した光学部材の各光線入射角における平均反射率を、基板傾斜角ごとに示すグラフである。 本発明の比較例1で作製した光学部材の分光反射率を、光線入射角ごとに示すグラフである。 本発明の比較例1で作製した光学部材の各光線入射角における平均反射率を、基板傾斜角ごとに示すグラフである。 本発明の比較例2で作製した光学部材の分光反射率を、光線入射角ごとに示すグラフである。 本発明の比較例2で作製した光学部材の各光線入射角における平均反射率を、基板傾斜角ごとに示すグラフである。 真空蒸着により反射防止膜を形成する装置の一例を示す模式図である。
[1] 反射防止膜
図1は、基板2と、前記基板2上に第1層3a、第2層3b及びシリカエアロゲルからなる第3層3cを順に設けてなる反射防止膜3とからなる本発明の光学部材1を示す。前記第1層3a及び第2層3bは乾式プロセスで形成され、前記第3層3cは湿式プロセスで形成された層である。波長550 nmの光における、前記基板2の屈折率は前記第1層の屈折率より高く、かつ1.9以下であり、前記第3層3cの屈折率aは1.18≦a≦1.32の範囲であり、第1層3a、第2層3b及び第3層3cの各屈折率は第1層3aから順に低くなっており、前記第2層3bの光学膜厚Yは式:-750a+945≦Y≦-750a+1020、及び式:20≦Y≦120を満たす。なお、光学膜厚とは、層の屈折率をN、物理膜厚をDとしたときにN×Dで表される。
図2は、30°以上の最大基板傾斜角を有するレンズ基板21と、前記レンズ基板21上に第1層31a、第2層31b及びシリカエアロゲルからなる第3層31cを順に設けてなる反射防止膜31とからなる本発明のもう一つの光学部材11を示す。前記第1層31a及び第2層31bは乾式プロセスで形成され、前記第3層31cは湿式プロセスで形成された層である。波長550 nmの光における、前記レンズ基板21の屈折率は前記第1層の屈折率より大きく、かつ1.9以下であり、前記第3層31cの屈折率aは1.18≦a≦1.32の範囲であり、第1層31a、第2層31b及び第3層31cの各屈折率は第1層31aから順に低くなっており、前記レンズ基板21中心部における前記第2層31bの光学膜厚Yは式:-750a+945≦Y≦-750a+1020、及び式:20≦Y≦120を満たし、前記第1層31a及び第2層31bの膜厚が、前記レンズ基板21の中心部から周辺部に行くに従って薄くなっている。
ここで基板傾斜角とは、図3に示すように、レンズの中心を通り光軸に平行な軸Cに対して、レンズ表面の任意の点における法線のなす角(θt)であり、レンズ中心部では0°であり、レンズの周辺部ほど通常大きな値となる。なお、図1〜図3は反射防止膜3,31の層構成をわかりやすくするために、各層を厚さ方向に拡大して示したものである。また、本明細書における屈折率は、特に規定のない場合は波長550 nmの光における値である。
またレンズ表面の任意の点における光線入射角(θi)は、その点における法線と光線とのなす角度であり、レンズ中心(基板傾斜角0°の点)においては、図4(a)中のθiで示す角度であり、基板傾斜角θtの部分においては、図4(b)中のθiで示す角度である。
(1) 第3層
第3層は、湿式プロセスで形成されたシリカエアロゲルからなる層である。第3層の屈折率(a)は1.18〜1.32の範囲であり、1.2〜1.32であるのが好ましく、1.2〜1.3であるのがより好ましい。第3層の光学膜厚は90〜140 nmであるのが好ましく、95〜135 nmであるのがより好ましい。基板としてレンズ状のものを用いる場合、第3層の光学膜厚は、前記レンズ基板の基板傾斜角によらず一定、又はレンズ中心部より周辺部が厚いのが好ましい。最外層にこのような低い屈折率を有する層を設けることにより、優れた反射防止効果を発揮する。シリカエアロゲルの細孔径は0.005〜0.2 μmであるのが好ましく、空隙率は25〜60%であるのが好ましい。
反射防止膜に耐水性及び耐久性を付与するために、末端が有機修飾されたシリカからなるシリカエアロゲルを用いてもよい。また、シリカエアロゲルからなる第3層の上に撥水撥油性を有するフッ素樹脂系膜を設けても良い。
(2) 第1層及び第2層
第1層及び第2層は乾式プロセスで形成された層であり、第1層の屈折率は、基板の屈折率と第2層の屈折率との間にあり、第2層の屈折率は、第1層の屈折率と第3層の屈折率との間にある。
第2層の光学膜厚Yは下記関係式:
-750a+945≦Y≦-750a+1020、及び
20≦Y≦120
(ただし、aは第3層の屈折率であり、1.18≦a≦1.32である。)を満たす値である。これらの関係式で表される領域を図5に示す。図5は、第3層の屈折率(a)に対する第2層の光学膜厚(Y)の関係を表したグラフであり、前記関係式で表される領域は太線で囲んだ領域である。第3層の屈折率と第2層の光学膜厚とがこの領域内にあるときに、本発明の光学部材は優れた反射防止性能を有する。
第1層の光学膜厚Xは下記関係式:
250a-230≦X≦250a-195(第3層の屈折率aが、1.18≦a≦1.26のとき。)、及び
-250a+400≦X≦-250a+435 (第3層の屈折率aが、1.26<a≦1.32のとき。)
を満たすのが好ましい。これらの関係式で表される領域を図6に示す。図6は、第3層の屈折率(a)に対する第1層の光学膜厚(X) の関係を表したグラフであり、前記関係式で表される領域は、太線で囲んだ領域である。第3層の屈折率と第1層の光学膜厚とがこの領域内にあるときに、本発明の光学部材は優れた反射防止性能を有する。
第1層はAl2O3からなる層であるのが好ましく、屈折率は1.60〜1.72であるのが好ましく、1.62〜1.67であるのがより好ましい。Al2O3は、高密着性を有するとともに、幅広い波長帯域で高透過性を有し、高硬度で耐摩耗性に優れ、真空蒸着装置で成膜できるため、コストパフォーマンスがいいという利点がある。またAl2O3は水蒸気に対する遮蔽性に優れるため、基板の材質が光学ガラスである場合の基板表面のヤケを防止することができる。
第2層はSiO2からなる層であるのが好ましく、屈折率は1.37〜1.48であるのが好ましい。SiO2からなる第2層は、Al2O3からなる第1層とシリカエアロゲルからなる第3層との密着性を向上させるといった効果を有する。
30°以上の最大基板傾斜角を有するレンズ状の基板を用いた場合、第1層及び第2層の光学膜厚は、前記レンズ基板の中心部から周辺部に行くに従って薄く形成する。前記レンズ基板の任意の基板傾斜角θtにおける、第1層の光学膜厚D1(θt)及び第2層の光学膜厚D2(θt)は、それぞれ下記式(1)及び式(2):
D1(θt)= D10 × (cosθt)α ・・・(1)
D2(θt)= D20 × (cosθt)β ・・・(2)
(ただしD10及びD20は、それぞれ前記レンズ基板の中心部における前記第1層及び第2層の光学膜厚を示し、α及びβは、それぞれ独立に0.5〜1.0の範囲の数値である。) により表されるのが好ましい。α及びβは、さらに好ましくは、それぞれ独立に0.6〜0.9の範囲である。
(3) 基板
基板は、波長550 nmの光において、第1層の屈折率よりも大きく、かつ1.9以下の範囲に屈折率を有する。このような範囲に屈折率を有する基板を用いた場合、可視光の波長帯域において良好な反射防止性能を有する光学部材を得ることができる。基板の材料としては、BaSF2(屈折率:1.6684)、SF5(屈折率:1.6771)、LaF2(屈折率:1.7475)、LaSF09(屈折率:1.8197)、LaSF01(屈折率:1.7897)、LaSF016(屈折率:1.7758)、LAK7(屈折率:1.654)、LAK14(屈折率:1.6995)等の光学ガラスが挙げられる。基板の形状は、平板であっても、レンズ状であっても良い。
基板がレンズ状の場合、有効径Dと曲率半径Rとの比D/Rが0.1〜2の範囲にあるのが好ましい。レンズ有効径Dは、図7に示すように、光学部材として使用したときに有効に使用できる最大径であり、曲率半径Rはレンズ曲面を球に近似したときの半径である。比D/Rが前記範囲にあるレンズ基板を用いた場合、本発明の効果がより発揮される。またレンズ基板の最大基板傾斜角が30〜65°、好ましくは30〜60°の範囲にあるときに、本発明の効果がより発揮される。
[2]製造方法
(1) 第1層及び第2層の形成方法
反射防止膜の第1層及び第2層は、乾式プロセスで形成する。乾式プロセスとしては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、熱CVD、プラズマCVD、光CVD等の化学蒸着法等が挙げられる。必要に応じてこれらの方法を組み合わせて用いても良い。特に製造コスト、加工精度の面において真空蒸着法が好ましい。
真空蒸着法としては、抵抗過熱式、電子ビーム式等が挙げられるが、以下に電子ビーム式による真空蒸着法に関して説明する。電子ビーム式真空蒸着装置130は、図19に示すように、真空チャンバ131内に、複数の基板100を内側表面に裁置する回転自在の回転ラック132と、蒸着材137を設置するためのルツボ136を有する蒸着源133と、電子ビーム照射器138と、ヒーター139と、真空ポンプ140に接続した真空ポンプ接続口135とを具備する。反射防止膜の成膜は、真空チャンバ131内を減圧しながら蒸着材137の蒸気を基板100の表面に蒸着することにより行う。基板100は表面が蒸着源133側に向くように回転ラック132に設置し、蒸着材137はルツボ136に載置する。真空ポンプ接続口135に接続された真空ポンプ140により真空チャンバ131内を減圧し、蒸着材137は電子ビーム照射器138からの電子ビームの照射で加熱し蒸発させる。均一な蒸着膜を形成するため、基板100をヒーター139により加熱しながら、回転ラック132を回転軸134により回転させる。
レンズ基板に前記真空蒸着装置で蒸着する場合、レンズ基板の設置位置、蒸着源133の位置、電子ビームの照射強さ、真空度等を調節することにより、レンズ基板の中心部から周辺部にかけての層の厚さを調節することができる。
真空蒸着法において、初期の真空度は、例えば、1.0×10-6〜1.0×10-5Torrであるのが好ましい。真空度がこの範囲外であると蒸着に時間がかかり製造効率を悪化させたり、蒸着が不十分となり成膜が完成しなかったりする。蒸着中の基板100の温度は、基板の耐熱性や蒸着速度に応じて適宜決めることができるが、例えば、60〜250℃であるのが好ましい。
(2) 第3層の形成方法
反射防止膜の第3層は、ゾル−ゲル法により形成するのが好ましい。ゾル-ゲル法によってシリカエアロゲルからなる超低屈折率膜を形成することにより、真空蒸着で汎用的に用いられる低屈折率材料のMgF2(n=1.39)より低い屈折率を得ることができ、これまでに実現が困難であった広帯域でかつ広角(広い入射角範囲)の超低反射率の反射防止膜を得ることができる。
例えば、レンズ基板に第3層として真空蒸着でMgF2層を形成した場合、第3層も第1層及び第2層と同様、レンズ周辺部に行くほど膜厚が薄くなる。このため、基板傾斜角が大きいレンズ周辺部においては、第1層〜第3層の各膜厚が全て薄くなってしまい、良好な反射防止性能が得られなくなる。
ゾル−ゲル法としては、既存の方法を適用することができるが、特に好ましくは、(i)アルコキシシランを塩基性触媒下で加水分解及び縮重合して調製したアルカリ性ゾルに、さらに酸性溶液を添加してメジアン径100 nm以下の第一の酸性ゾルを得る工程、(ii)アルコキシシランを酸性触媒下で加水分解及び縮重合してメジアン径10 nm以下の第二の酸性ゾルを得る工程、(iii)前記第一及び第二の酸性ゾルを混合する工程、(iv)得られた混合ゾルを、第1層及び第2層を形成したレンズ基板上に塗布し、乾燥する工程、(v)アルカリ処理工程、(vi)洗浄工程、及び(vii)湿度処理工程により第3層のシリカエアロゲル層を形成するのが好ましい。
(i) 第一の酸性ゾルを調製する工程
(a) アルコキシシラン
第一の酸性ゾル用のアルコキシシランはテトラアルコキシシランのモノマー又はオリゴマー(縮重合物)が好ましい。4官能のアルコキシシランを用いた場合、比較的大きな粒径を有するコロイド状シリカ粒子のゾルを得ることができる。テトラアルコキシシランは、Si(OR)4[Rは炭素数1〜5のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、又は炭素数1〜4のアシル基(アセチル等)]により表されるものが好ましい。テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等が挙げられる。中でもテトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲で、テトラアルコキシシランに少量の3官能以下のアルコキシシランを配合しても良い。
(b) 塩基性触媒の存在下での加水分解及び縮重合
アルコキシシランに有機溶媒、塩基性触媒及び水を添加することにより、加水分解及び縮重合が進行する。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、ブタノール等のアルコールが好ましく、メタノール又はエタノールがより好ましい。塩基性触媒としては、アンモニア、アミン、NaOH又はKOHが好ましい。好ましいアミンは、アルコールアミン又はアルキルアミン(メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、n-ブチルアミン、n-プロピルアミン等)である。
有機溶媒とアルコキシシランとの量比は、アルコキシシランの濃度がSiO2換算で0.1〜10質量%(シリカ濃度)となるように設定するのが好ましい。シリカ濃度が10質量%超であると、得られるゾル中のシリカ粒子の粒径は大きくなり過ぎる。一方シリカ濃度が0.1未満であると、得られるゾル中のシリカ粒子の粒径は小さくなり過ぎる。なお有機溶媒/アルコキシシランのモル比としては1〜104の範囲が好ましい。
塩基性触媒/アルコキシシランのモル比は1×10-4〜1にするのが好ましく、1×10-4〜0.8にするのがより好ましく、3×10-4〜0.5にするのが特に好ましい。塩基性触媒/アルコキシシランのモル比が1×10-4未満であると、アルコキシシランの加水分解反応が十分に起こらない。一方モル比が1を超えて塩基を添加しても触媒効果は飽和する。
水/アルコキシシランのモル比は0.1〜30が好ましい。水/アルコキシシランのモル比が30超であると、加水分解反応が速く進行し過ぎるため反応の制御が難しく、均一なシリカエアロゲル膜が得られにくくなる。一方0.1未満であると、アルコキシシランの加水分解が十分に起こらない。
塩基性触媒及び水を含有するアルコキシシランの溶液は、10〜90℃で約10〜60時間静置又はゆっくり撹拌することにより熟成するのが好ましい。熟成により加水分解及び縮重合が進行し、シリカゾルが生成する。シリカゾルは、コロイド状シリカ粒子の分散液の他、コロイド状シリカ粒子がクラスター状に凝集した分散液も含む。
(c) 酸性触媒の存在下での加水分解及び縮重合
得られたアルカリ性ゾルに酸性触媒、並びに必要に応じて水及び有機溶媒を添加し、酸性状態で加水分解及び縮重合をさらに進行させる。酸性触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、酢酸等が挙げられる。有機溶媒は上記と同じものを使用できる。第一の酸性ゾルにおいて酸性触媒/塩基性触媒のモル比は1.1〜10が好ましく、1.5〜5がより好ましく、2〜4が最も好ましい。酸性触媒/塩基性触媒のモル比が1.1未満であると、酸性触媒による重合が十分に進行しない。一方10を超えると触媒効果は飽和する。有機溶媒/アルコキシシランのモル比及び水/アルコキシシランのモル比は上記と同じで良い。酸性触媒を含有するゾルは10〜90℃で約15分〜24時間静置又はゆっくり撹拌して熟成するのが好ましい。熟成により加水分解及び縮重合が進行し、第一の酸性ゾルが生成する。
第一の酸性ゾル中のシリカ粒子のメジアン径は100 nm以下であり、好ましくは10〜50 nmである。メジアン径は動的光散乱法により測定する。
(ii) 第二の酸性ゾルを調製する工程
(a) アルコキシシラン
第二の酸性ゾル用のアルコキシシランはSi(OR1)x(R2)4-x[xは2〜4の整数である。]により表される2〜4官能のものでよい。R1は炭素数1〜5のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、又は炭素数1〜4のアシル基(アセチル等)が好ましい。R2は炭素数1〜10の有機基が好ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、デシル、フェニル、ビニル、アリル等の炭化水素基、及びγ-クロロプロピル、CF3CH2-、CF3CH2CH2-、C2F5CH2CH2-、C3F7CH2CH2CH2-、CF3OCH2CH2CH2-、C2F5OCH2CH2CH2-、C3F7OCH2CH2CH2-、(CF3)2CHOCH2CH2CH2-、C4F9CH2OCH2CH2CH2-、3-(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル、H(CF2)4CH2OCH2CH2CH2-、H(CF2)4CH2CH2CH2-、γ-グリシドキシプロピル、γ-メルカプトプロピル、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル、γ-メタクリロイルオキシプロピル等の置換炭化水素基が挙げられる。
2官能のアルコキシシランの具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジメチルジアルコキシシランが挙げられる。3官能のアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等のメチルトリアルコキシシラン、及びフェニルトリエトキシシラン等のフェニルトリアルコキシシランが挙げられる。4官能のアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等が挙げられる。アルコキシシランは3官能以上が好ましく、メチルトリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランがより好ましい。
(b) 酸性触媒の存在下での加水分解及び縮重合
アルコキシシランのモノマー又はオリゴマー(縮重合物)に有機溶媒、酸性触媒及び水を添加することにより、加水分解及び縮重合が進行する。有機溶媒及び酸性触媒は第一の酸性ゾルを調製する工程で説明したものと同じものを使用できる。酸性触媒/アルコキシシランのモル比は、1×10-4〜1が好ましく、1×10-4〜3×10-2がより好ましく、3×10-4〜1×10-2が最も好ましい。有機溶媒/アルコキシシランのモル比及び水/アルコキシシランのモル比は、第一の酸性ゾルを調製する工程で説明した比と同様で良い。
酸性触媒及び水を含有するアルコキシシランの溶液は、10〜90℃で約30分〜60時間静置又はゆっくり撹拌することにより熟成するのが好ましい。熟成により加水分解及び縮重合が進行し、第二の酸性ゾルが生成する。熟成時間が60時間を超えると、ゾル中のシリカ粒子のメジアン径が大きくなり過ぎる。
得られる第二の酸性ゾル中のコロイド状シリカ粒子は、第一の酸性ゾルに比べて小さなメジアン径を有する。第二の酸性ゾル中のコロイド状シリカ粒子のメジアン径は10 nm以下であり、好ましくは1〜5 nmである。第一の酸性ゾル中のシリカ粒子と第二の酸性ゾル中のシリカ粒子とのメジアン径比は5〜50であるのが好ましく、5〜35であるのがより好ましい。メジアン径比が5未満又は50超であると、シリカエアロゲル膜の耐擦傷性が低下する。
(iii) 混合ゾルを調製する工程
第一の酸性ゾル及び第二の酸性ゾルを混合し、1〜30℃で約1分〜6時間ゆっくり撹拌するのが好ましい。必要に応じて混合物を80℃以下で加熱しても良い。第一の酸性ゾルと第二の酸性ゾルとの固形分質量比は5〜90であるのが好ましく、5〜80であるのがより好ましい。固形分質量比が5未満又は90超であると、シリカエアロゲル膜の耐擦傷性が低下する。
(iv) 塗布及び乾燥工程
(a) 塗布
混合ゾルを第1層及び第2層を形成したレンズ基板の表面に塗布する。塗布方法としては、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、印刷法等が挙げられる。レンズのような三次元構造物に塗布する場合、スピンコート法又はディッピング法が好ましく、特にスピンコート法が好ましい。得られるゲルの物理膜厚は、例えばスピンコート法における基板回転速度の調整、混合ゾルの濃度の調整等により制御することができる。スピンコート法における基板の回転速度は1,000〜15,000 rpm程度が好ましい。
混合ゾルの濃度及び流動性を調整し塗布適性を高めるため、分散媒として前記有機溶媒を加えても良い。塗布時の混合ゾル中のシリカの濃度は0.1〜20質量%が好ましい。必要に応じて、混合ゾルを超音波処理しても良い。超音波処理によってコロイド粒子の凝集を防止できる。超音波の周波数は10〜30 kHzが好ましく、出力は300〜900 Wが好ましく、処理時間は5〜120分間が好ましい。
(b) 乾燥
塗布膜の乾燥条件は基板の耐熱性に応じて適宜選択する。縮重合反応を促進するために、水の沸点未満の温度で15分〜24時間熱処理した後、100〜200℃の温度で15分〜24時間熱処理しても良い。熱処理することによりシリカエアロゲル膜は高い耐擦傷性を発揮する。
(v) アルカリ処理工程
シリカエアロゲル膜をアルカリで処理することにより耐擦傷性がより向上する。アルカリ処理は、アルカリ溶液を塗布、又はアンモニア雰囲気中に放置することにより行うのが好ましい。アルカリ溶液の溶媒はアルカリに応じて適宜選択でき、水、アルコール等が好ましい。アルカリ溶液の濃度は、1×10-4〜20Nが好ましく、1×10-3〜15Nがより好ましい。
前記アルカリとして、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機アルカリ;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の無機アルカリ塩;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n-プロピルアミン、ジ-n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、ジ-n-ブチルアミン、n-アミルアミン、n-ヘキシルアミン、ラウリルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、メチルアニリン、エチルアニリン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピロリジン、ピリジン、イミダゾール、グアニジン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、コリン等の有機アルカリ;蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、蟻酸モノメチルアミン、酢酸ジメチルアミン、酢酸アニリン、乳酸ピリジン、グアニジノ酢酸等の有機酸アルカリ塩等を用いることができる。
アルカリ溶液の塗布によりアルカリ処理する場合、シリカエアロゲル膜1cm2当たり10〜200 mL塗布するのが好ましい。塗布はシリカエアロゲル膜を塗布する場合と同様の方法ででき、スピンコート法が好ましい。スピンコート法における基板回転速度は、1,000〜15,000 rpm程度にするのが好ましい。アルカリ溶液を塗布後の膜は、好ましくは1〜40℃、より好ましくは10〜30℃で保存する。保存時間は、0.1〜10時間が好ましく、0.2〜1時間がより好ましい。
アンモニア雰囲気中に放置してアルカリ処理する場合、1×10-1〜1×105 Paのアンモニアガス分圧中で処理するのが好ましい。処理温度は、1〜40℃が好ましく、10〜30℃がより好ましい。処理時間は、1〜170時間が好ましく、5〜80時間がより好ましい。
必要に応じて、アルカリ処理したシリカエアロゲル膜は乾燥する。乾燥は、50〜200℃の温度で15分〜24時間行うのが好ましい。
(vi) 洗浄工程
アルカリ処理後のシリカエアロゲル膜は、必要に応じて洗浄する。洗浄は、水及び/又はアルコールに浸漬する方法、シャワーする方法、又はこれらの組合せにより行うのが好ましい。浸漬しながら超音波処理してもよい。洗浄の温度は1〜40℃が好ましく、時間は0.2〜15分が好ましい。シリカエアロゲル膜1 cm2当たり0.01〜1,000 mLの水及び/又はアルコールで洗浄するのが好ましい。洗浄後のシリカエアロゲル膜は、50〜200℃の温度で15分〜24時間乾燥するのが好ましい。アルコールとしてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
(vii)湿度処理工程
塗布後、アルカリ処理後、又は洗浄後のシリカエアロゲル膜に、高湿度条件下で湿度処理を施す。湿度処理により、未反応のアルコキシシランの加水分解、及びシラノール基の縮重合反応が進行すると考えられ、シリカエアロゲル膜の機械的強度が向上するとともに、成膜後の時間経過による屈折率の変動が抑制される。
湿度処理は、温度35℃以上、相対湿度70%以上の環境に1時間以上保存することにより行う。処理の湿度が70%RH未満では前記の効果が十分に得られない。湿度は75%RH以上であるのが好ましく、80%RH以上であるのがさらに好ましく、90%RH以上であるのが最も好ましい。処理温度は、35〜90℃であるのが好ましく、40〜80℃であるのがさらに好ましく、50〜80℃であるのが最も好ましい。処理温度が35℃未満の場合、前記の効果が十分に得られず、90℃超にしても効果は飽和してしまう。処理時間は、温度条件及び湿度条件にもよるが、1時間以上行うことにより前記効果が得られる。好ましくは5〜120時間であり、さらに好ましくは5〜48時間である。処理時間が120時間超では効果は飽和する。
[3]光学部材
本発明の光学部材は、400〜700 nmの可視光帯域において、最大反射率が6 %以下の反射防止特性を有する。本発明の光学部品は、テレビカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、車載カメラ、顕微鏡、望遠鏡等の光学機器に搭載されるレンズ、プリズム、回折素子等に好適である。特に反射防止膜を最大基板傾斜角が30°以上のレンズ基板に施してなる本発明の光学部材は、レンズ周辺部においても良好な反射防止特性を有するため、超広角レンズ、光ディスクのピックアップレンズ等に好適である。
2層の真空蒸着膜及び1層の湿式プロセス膜からなる本発明の光学部材は、従来のハイブリッド型反射防止膜(6層の真空蒸着膜及び1層の湿式プロセス膜)を設けたものに較べて層数が3層と少ないため、イニシャルコスト及びランニングコストを低い押さえることができるだけでなく、広帯域及び広角で優れた反射防止性能を有する。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
550 nmの光における屈折率1.7〜1.9の基板に対し、屈折率1.64の第1層、屈折率1.47の第2層及び屈折率1.18〜1.32の第3層からなる反射防止膜を表1〜表9に示す試料1a〜1e、試料2a〜2e、試料3a〜3e、試料4a〜4e、試料5a〜5e、試料6a〜6e、試料7a〜7e、試料8a〜8e及び試料9a〜9eのように構成し、550 nmの光の入射角0°における反射率が最も小さくなるように第1層〜第3層の光学膜厚を光学シミュレーションで最適化した。第1層〜第3層の光学膜厚の最適値を表1〜表9に示す。
Figure 2012018286
Figure 2012018286
Figure 2012018286
Figure 2012018286
Figure 2012018286
Figure 2012018286
Figure 2012018286
Figure 2012018286
Figure 2012018286
図8は、最適化した第2層の光学膜厚(Y)を、第3層の屈折率(a)に対してプロットしたグラフであり、基板の屈折率ごとに各点を直線で結んだ。表1〜表9で示される構成の試料は、第2層の光学膜厚(Y)の最適値が下記関係式:
-750a+945≦Y≦-750a+1020、及び
20≦Y≦120
(ただし、aは第3層の屈折率である。)の範囲にあることがわかる。つまり、第2層の光学膜厚が前記関係式で表される領域(図8において太線で囲んだ領域)にあるときに、本発明の光学部材は優れた反射防止性能を有する。
図9は、最適化した第1層の光学膜厚(X)を、第3層の屈折率(a)に対してプロットしたグラフであり、基板の屈折率ごとに各点を直線で結んだ。表1〜表9で示される構成の試料は、第1層の光学膜厚(X)の最適値が下記関係式:
250a-230≦X≦250a-195(第3層の屈折率aが、1.18≦a≦1.26のとき。)、及び
-250a+400≦X≦-250a+435 (第3層の屈折率aが、1.26<a≦1.32のとき。)
の範囲にあることがわかる。つまり、第1層の光学膜厚が前記関係式で表される領域(図9において太線で囲んだ領域)にあるときに、本発明の光学部材は優れた反射防止性能を有する。
試料5a、5b及び2cに対して、表10に示すように、第2層の光学膜厚(Y)を前記関係式から外れる値にそれぞれ変更した比較試料5a '、5b '及び2c 'を作製した。試料5a及び5a '、試料5b及び5b '、並びに試料2c及び2c 'の光線入射角度0°における分光反射率を求め、結果をそれぞれ図10〜図12に示す。これらの結果から、第2層の光学膜厚(Y)が本発明で規定する前記関係式から外れた場合、良好な反射防止性能が得られなくなることが分かった。
Figure 2012018286
実施例2
LaSF010ガラス平板(屈折率:1.839)の表面に、Al2O3からなる第1層、SiO2からなる第2層、及びシリカエアロゲルからなる第3層を、表11に示す光学膜厚となるように形成し、試料a〜gを作製した。試料a〜gは、図2に示すような最大基板傾斜角が大きいレンズ基板に、第1層及び第2層をその膜厚がレンズ基板の中心部から周辺部に行くに従って薄くなるように形成し、第3層を一定の膜厚で形成してなる光学部材の各基板傾斜角における反射防止性能を評価するための試料であり、前記レンズ基板の基板傾斜角0°、10°、20°、30°、40°、50°及び60°の各部分に相当する反射防止膜をガラス平板上に形成したものである。
ここで、表11に示す各基板傾斜角θtにおける第1層の光学膜厚D1(θt)及び第2層の光学膜厚D2(θt)は、それぞれ下記式(1)及び式(2):
D1(θt)= D10 × (cosθt)α ・・・(1)
D2(θt)= D20 × (cosθt)β ・・・(2)
(ただしD10及びD20は、それぞれ基板傾斜角0°における第1層及び第2層の光学膜厚であり、α及びβはともに0.7である。)
で求めた値である。
以下に試料a〜gの作製方法を具体的に示す。
(1)第1層及び第2層の形成
LaSF010ガラス平板の表面に、Al2O3からなる第1層及びSiO2からなる第2層を、表11に示す光学膜厚となるように、図19に示す装置を用いて電子ビーム式の真空蒸着法により形成した。
(2)第3層の形成
(i)第一の酸性ゾルの調製
テトラエトキシシラン17.05 gとメタノール69.13 gとを混合した後、アンモニア水溶液(3 N)3.88 gを加えて室温で15時間撹拌し、アルカリ性ゾルを調製した。このアルカリ性ゾル40.01 gに、メタノール2.50 gと塩酸(12 N)1.71 gとを添加して室温で30分間撹拌し、第一の酸性ゾル(固形分:4.94質量%)を調製した。
(ii)第二の酸性ゾルの調製
室温でテトラエトキシシラン30 mlと、エタノール30 mlと、水2.4 mlとを混合した後、塩酸(1 N) 0.1 mlを加え、60℃ で90分間撹拌し、第二の酸性ゾル(固形分:14.8質量%)を調製した。
(iii)混合ゾルの調製
第一の酸性ゾルと第二の酸性ゾルとの固形分質量比が67.1となるように、第一の酸性ゾルの全量に第二の酸性ゾル0.22 gを添加し、室温で5分間攪拌して混合ゾルを調製した。
(iv)塗布及びアリカリ処理
先に形成した第1層及び第2層の上に、得られた混合ゾルをスピンコート法により塗布し、80℃で0.5時間乾燥した後、180℃で0.5時間焼成した。冷却した基板上に0.1 Nの水酸化ナトリウム水溶液をスピンコートで塗布し、120℃で0.5時間乾燥した。
得られた反射防止膜の特性を表11に示す。屈折率及び物理膜厚の測定には、レンズ反射率測定機(型番:USPM-RU、オリンパス株式会社製)を使用した。
Figure 2012018286
得られた試料a(基板傾斜角0°に相当)の分光反射率を、0°、10°、20°、30°、40°、50°及び60°の各光線入射角度について測定した結果を図13に示す。分光反射率の結果から、波長400〜700 nmの反射率の平均値を各光線入射角度について算出した。さらに、試料b〜g(基板傾斜角10°、20°、30°、40°、50°及び60°に相当)についても同様にして、分光反射率を各光線入射角度について測定し(図示せず)、波長400〜700 nmの反射率の平均値を各光線入射角度について算出した。各光線入射角度に対する前記反射率の平均値を基板傾斜角ごとにプロットした結果を図14に示す。
図14から明らかなように、最大基板傾斜角の大きいレンズ基板に、第1層及び第2層の厚さが前記レンズ基板の中心部から周辺部に行くに従って薄くなるように形成した反射防止膜を有する本発明の光学部材は、基板傾斜角の大きい(30°〜60°)の部分においても光線入射角によらず良好な反射防止性能を有しており、周辺部分の反射防止効果がレンズ中心部分に対して劣化しない広帯域・広角反射防止膜が得られることがわかる。
比較例1
実施例2に対して、反射防止膜の層数を7層に増やした光学部材を作製した。
(1) 第1層から第6層の形成
LaSF010ガラス平板(屈折率:1.839)の表面に、表12に示す構成で第1層〜第6層を図19に示す装置を用いて電子ビーム式の真空蒸着法により形成した。蒸着は初期真空度1.2×10-5Torr 及び基板温度230℃の条件で行った。
(2) 第7層の形成
第7層のシリカエアロゲル層は、膜厚を表12に示すように変更した以外実施例2の第3層と同様にして形成した。
Figure 2012018286
得られた試料a(基板傾斜角0°に相当)の分光反射率を、0°、10°、20°、30°、40°、50°及び60°の各光線入射角度について測定した結果を図15に示す。実施例2と同様にして、各光線入射角度に対する前記反射率の平均値を基板傾斜角ごとに求めプロットした結果を図16に示す。
図16から明らかなように、比較例1の試料は、層数が7層と多いにもかかわらず基板傾斜角の大きい(40°〜60°)の部分において反射防止性能が著しく悪化した。
比較例2
実施例2に対して、層数を7層に増やし、最上層(第7層)を真空蒸着法により作製した反射防止膜を有する光学部材を作製した。第7層は、他の層と同様、試料a〜gにかけて薄くなっている。
LaSF010ガラス平板(屈折率:1.839)の表面に、表13に示す構成で第1層〜第7層を図19に示す装置を用いて電子ビーム式の真空蒸着法により形成した。蒸着は初期真空度1.2×10-5Torr 及び基板温度230℃の条件で行った。
Figure 2012018286
得られた試料a(基板傾斜角0°に相当)の分光反射率を、0°、10°、20°、30°、40°、50°及び60°の各光線入射角度について測定した結果を図17に示す。実施例2と同様にして、各光線入射角度に対する前記反射率の平均値を基板傾斜角ごとに求めプロットした結果を図18に示す。
図18から明らかなように、比較例2の試料は、基板傾斜角が大きくなるに従って最表面層が薄くなっているため、基板傾斜角の大きい(30°〜60°)の部分において反射防止性能が著しく悪化した。
1,11・・・光学部材
2・・・基板
21・・・レンズ基板
3,31・・・反射防止膜
3a,31a・・・第1層
3b,31b・・・第2層
3c,31c・・・第3層
100・・・基板
130・・・電子ビーム式真空蒸着装置
131・・・真空チャンバ
132・・・回転ラック
133・・・蒸着源
134・・・回転軸
135・・・真空ポンプ接続口
136・・・ルツボ
137・・・蒸着材
138・・・電子ビーム照射器
139・・・ヒーター
140・・・真空ポンプ

Claims (15)

  1. 基板と、前記基板上に第1層、第2層及びシリカエアロゲルからなる第3層を順に設けてなる反射防止膜とからなる光学部材であって、
    前記第1層及び第2層が乾式プロセスで形成されたものであり、前記第3層が湿式プロセスで形成されたものであり、
    波長550 nmの光において、前記基板の屈折率が前記第1層の屈折率より高く、かつ1.9以下であり、前記第3層の屈折率aが1.18≦a≦1.32の範囲であり、前記第1層〜第3層の各屈折率が第1層から順に低くなっており、
    前記第2層の光学膜厚Yが下記関係式:
    -750a+945≦Y≦-750a+1020、及び
    20≦Y≦120
    を満たすことを特徴とする光学部材。
  2. 請求項1に記載の光学部材において、前記第3層の屈折率aが1.2≦a≦1.32の範囲であることを特徴とする光学部材。
  3. 請求項1又は2に記載の光学部材において、前記第1層の光学膜厚Xが下記関係式:
    250a-230≦X≦250a-195(第3層の屈折率aが、1.18≦a≦1.26のとき。)、及び
    -250a+400≦X≦-250a+435 (第3層の屈折率aが、1.26<a≦1.32のとき。)
    を満たすことを特徴とする光学部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の光学部材において、前記第1層がAl2O3からなることを特徴とする光学部材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光学部材において、前記第2層がSiO2からなることを特徴とする光学部材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光学部材において、前記基板が30°以上の最大基板傾斜角を有するレンズ基板であり、前記第1層及び第2層の膜厚が、前記レンズ基板の中心部から周辺部に行くに従って薄くなっていることを特徴とする光学部材。
  7. 請求項6に記載の光学部材において、前記レンズ基板の任意の基板傾斜角θtにおける前記第1層の光学膜厚D1(θt)及び前記第2層の光学膜厚D2(θt)が、それぞれ下記式(1)及び式(2):
    D1(θt)= D10 × (cosθt)α ・・・(1)
    D2(θt)= D20 × (cosθt)β ・・・(2)
    (ただしD10及びD20は、それぞれ前記レンズ基板の中心部における前記第1層及び第2層の光学膜厚を示し、α及びβは、それぞれ独立に0.5〜1.0の範囲の数値である。) により表されることを特徴とする光学部材。
  8. 請求項7に記載の光学部材において、前記α及びβがそれぞれ独立に0.6〜0.9の範囲の数値であることを特徴とする光学部材。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の光学部材において、前記第3層の膜厚が、前記レンズ基板の基板傾斜角によらず一定、又はレンズ基板中心部より周辺部が厚いことを特徴とする光学部材。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の光学部材において、前記第1層及び第2層が真空蒸着法により形成されたものであり、前記第3層がゾル-ゲル法により形成されたものであることを特徴とする光学部材。
  11. 請求項4〜10のいずれかに記載の光学部材において、前記レンズ基板がガラスからなり、前記Al2O3からなる第1層が、前記ガラスのヤケ防止効果を有することを特徴とする光学部材。
  12. 請求項5〜11のいずれかに記載の光学部材において、前記SiO2からなる第2層が、前記Al2O3からなる第1層と、前記シリカエアロゲルからなる第3層との密着性を改良する効果を有することを特徴とする光学部材。
  13. 請求項6〜12のいずれかに記載の光学部材において、前記レンズ基板の有効径Dと曲率半径Rとの比D/Rが0.1〜2の範囲にあることを特徴とする光学部材。
  14. 請求項6〜13のいずれかに記載の光学部材において、前記レンズ基板の最大基板傾斜角が30〜65°の範囲にあることを特徴とする光学部材。
  15. 請求項1〜5のいずれかに記載の光学部材において、前記基板は曲率半径が10〜100 mmの光学面を有するレンズ基板であり、前記第1層及び第2層の膜厚が、前記レンズ基板の光学面の中心部から周辺部に行くに従って薄くなっており、前記第3層の膜厚が、前記レンズ基板の光学面の中心部から周辺部に渡って一定、又はレンズ基板中心部より周辺部が厚いことを特徴とする光学部材。
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