JP4448340B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、多孔質反射防止膜を有する光学素子製造方法に関し、特に光ピックアップ装置、半導体装置、内視鏡等に用いる大きな開口数(NA)を有する光学素子、及び光通信に用いるボール状の光学素子に好適な製造方法に関する。

光ピックアップ装置や半導体装置の対物レンズには、大きな開口数を有するレンズが使用されている。近年、レーザーの使用波長を405 nmとし、NA0.85の対物レンズを用いた光ピックアップ装置も提案されている。NA0.85のレンズは、例えば図3に示すような形状である。対物レンズとして使用する場合、レーザー光はR1面側から照射され、R2面側に透過する。レーザー光はほぼ平行光であり、対物レンズの中心に垂直入射するように照射される。このためレンズ周辺部においては、光線入射角は非常に大きい。図3に示す例では、レンズの有効径E内における光の最大入射角度は65°である。対物レンズは照射された光を効率的に透過させるのが望ましいが、入射角度に比例して反射光量も多くなる。図3に示す形状であって、反射率1.72のガラスからなるレンズのR1面における反射率を図4に示す。光線入射角度65°の位置では、照射された光は15.5%も反射されてしまう。
反射光量を減少させて照射光を効率よく透過させるために、光ピックアップ装置や半導体装置の対物レンズの表面には反射防止膜がコーティングされている。例えば単層の反射防止膜は、反射防止膜表面での反射光と、反射防止膜とレンズの境界での反射光との光路差が波長の1/2の奇数倍となってこれらの光が干渉により打ち消し合う厚さになるように設計される。一般的にはレンズの中心(光線入射角度が0°)付近で反射防止効果が最大となるような膜厚に設計する場合が多く、このように設計された反射防止膜の反射率は、入射光が反射防止膜に垂直となる領域で最小値を示す。
単層の反射防止膜は、基材より小さく、かつ空気より大きい屈折率を有するように形成される。屈折率1.5程度のガラスからなるレンズの反射防止膜は、屈折率1.2〜1.25が理想的であると言われている。しかし、このような理想的な屈折率を有する物質は無いので、屈折率1.38のMgF2が反射防止膜材料として汎用されている。
特開平6-167601号(特許文献1参照)は、基板の成膜面をエッチングしたのち、前記成膜面にSiO2に対するNaFの体積混合比が1乃至3の範囲内の混合膜を蒸着し、ついで前記混合膜を水中に浸漬する多孔質反射防止膜の製造方法を記載している。蒸着により得られたSiO2とNaFとからなる混合膜を水に浸すことにより、NaFが水に溶解してSiO2からなる多孔質反射防止膜が得られる。この製造方法により得られる多孔質反射防止膜は、1.3程度の屈折率を有する。
しかしながら蒸着法により反射防止膜を形成すると、レンズ周辺部の光学膜厚がレンズ中心部に比較して小さくなる傾向があるので、上述のようにレンズの中心付近で反射防止効果が最大となるような膜厚に設計しても、レンズ周辺部においては反射防止膜の光学膜厚が小さく、設計膜厚からずれてしまう上、光線入射角度が大きいので、反射防止効果が十分に得られず、反射光量が非常に多くなる。従って、このような光学素子には、中心部の透過光量は多いものの、素子全体としては透過光量が十分でないという問題がある。また蒸着法により反射防止膜を形成するには真空装置が必須であり、コスト高であるという問題もある。
特開平6-167601公報
従って、本発明の目的は、低屈折率の多孔質反射防止膜を有する光学素子であって、素子全体として大きな透過光量を有する光学素子、及びかかる光学素子を低コストで製造する方法を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、(a) ケイ素アルコキシド等のケイ素化合物と、テンプレートと、酸と、水とを含有する混合物をレンズの表面にスプレーコートし、得られた混合物層を乾燥した後、焼成してテンプレートを除去することにより多孔質ケイ素酸化物からなる反射防止膜が形成すること、及び(b) この製造方法により得られる単層の酸化ケイ素多孔質反射防止膜は平均孔径10 nm以下であって、前記多孔質反射防止膜の屈折率が1.15〜1.35であり、レンズ周辺部の膜厚がレンズ中心の膜厚の(cos(基板傾斜角度))0.7倍〜(cos(sin-1(sin(基板傾斜角度/多孔質反射防止膜の屈折率))))-1倍であるため、優れた反射防止効果を示すことを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の光学素子の製造方法は、レンズ表面に酸化ケイ素からなる単層の多孔質反射防止膜を有する光学素子を製造する方法であって、前記レンズの有効径内であって基板傾斜角度50°以上の部分の投影面積が前記有効径内の投影面積の10%以上であり、前記多孔質反射防止膜の平均孔径が10 nm以下であり、前記多孔質反射防止膜の屈折率が1.15〜1.35であり、前記多孔質反射防止膜のレンズ周辺部の膜厚がレンズ中心の膜厚の(cos(基板傾斜角度)) 0.7 倍〜(cos(sin -1 (sin(基板傾斜角度/多孔質反射防止膜の屈折率)))) -1 倍であり、ケイ素アルコキシド及び/又はシルセスキオキサンと、テンプレートと、酸と、水とを含有する混合物を前記レンズの表面にスプレーコートし、得られた混合物層を乾燥した後、焼成して前記テンプレートを消失させることを特徴とする。
本発明の製造方法により得られる光学素子は、レンズ表面に酸化ケイ素からなる単層の多孔質反射防止膜を有し、多孔質反射防止膜の平均孔径が10 nm以下であり、前記多孔質反射防止膜の屈折率が1.15〜1.35であり、前記多孔質反射防止膜のレンズ周辺部の膜厚がレンズ中心の膜厚の(cos(基板傾斜角度))0.7倍〜(cos(sin-1(sin(基板傾斜角度/多孔質反射防止膜の屈折率))))-1倍である。このため(a) 基板傾斜角度50°以上の部分の投影面積が、有効径内部の投影面積の10%以上であるレンズ、及び/又は(b) 比較的小さな屈折率を有するレンズに形成されても、優れた反射防止効果を示す。このような多孔質反射防止膜を有する光学素子は、光ピックアップ装置の対物レンズ等に好適である。
多孔質反射防止膜はゾルゲル法を利用した液体コーティングにより形成される。具体的にはケイ素アルコキシド及び/又はシルセスキオキサンと、テンプレートと、酸と、水とを含有する混合物をレンズの表面にスプレーコートし、得られた混合物層を乾燥した後、焼成して前記テンプレートを消失させることにより得られる。この製造方法により光学素子を作製すると、基板傾斜角度50°以上の部分の投影面積の投影面積の10%以上のレンズ周辺部における多孔質反射防止膜の膜厚がレンズ中心に対して小さくなり過ぎない。このためレンズ周辺部においても反射光量が少なく、素子全体として十分な透過光量を有する光学素子が得られる。また蒸着装置が不要であるので、低コストである。
[1] 光学素子
図1は本発明の製造方法により得られる光学素子の一例を示す。図1に示す光学素子は、表面側に凸状の第一の面11を有するレンズ1と、第一の面11に成膜された反射防止膜2とからなる。光学素子の裏面側は、凹状の第二の面12となっている。図1に示す例では第一の面11にのみ多孔質反射防止膜2が成膜されているが、本発明はこれに限定されず、多孔質反射防止膜2はレンズ1の第一の面11と第二の面12とに成膜されていても良い。図中の反射防止膜2は、実際より厚く描かれている。
図1(b) に示すように、レンズ1の有効径E内であって基板傾斜角度θが50°以上の部分の投影面積Sは、有効径E内部の投影面積の10%以上である。このようなレンズの場合、有効径E内部における最大基板傾斜角度θmaxは通常60°〜75°である。本明細書において基板傾斜角度θは、図2に示すように第一の面11の中心110に接する面Foと、第一の面11上の点tに接する面Fとのなす角度を示す。最大基板傾斜角度θmaxが60°〜75°のレンズは、光ピックアップ装置等の対物レンズに好適である。
レンズ1の屈折率は1.45〜1.85であるのが好ましい。屈折率が1.45未満であると、高NA化するのが困難である。屈折率1.85超であると、一般に紫外域から青色域にかけて硝材自身の吸収が存在するので、特に405 nm光用途には適しない。屈折率1.45〜1.85の物質としてはBK7、LASF016等の光学ガラス、パイレックスガラス、石英、青板ガラス、白板ガラス、PMMA、PC、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
多孔質反射防止膜2は酸化ケイ素からなり、多数の微細孔を有する。多数の微細孔は互いに連結している。微細孔の平均孔径は10 nm以下であり、5nm以下であるのが好ましい。微細孔の平均孔径が10 nm超であると、多孔質反射防止膜2に入射した光が散乱しすぎるので好ましくない。
多孔質反射防止膜2の物理膜厚は50〜150 nmであるのが好ましい。物理膜厚が50 nm未満であると、十分な反射防止性能を得られない上、機械的強度が小さ過ぎる。150 nm超であると、十分な反射防止性能を得られない事に加え、塗布ムラ等の不均質化を生じ易すぎる。レンズ周辺部の物理膜厚Dは、レンズ中心の膜厚の(cos(基板傾斜角度))0.7倍〜(cos(sin-1(sin(基板傾斜角度/多孔質反射防止膜の屈折率))))-1倍である。物理膜厚Dが上述の範囲であると、レンズ中心からレンズ周辺部にかけて徐々に小さくなっている場合にも、レンズ周辺部及びレンズ中心における反射防止膜2の膜厚が小さ過ぎず、良好な反射防止効果を示すことができる。本明細書中、「レンズ周辺部」とは基板傾斜角度θが50°以上の部分を示す。レンズ周辺部における物理膜厚が一様でない場合、その最大値、最小値及び平均値のいずれを物理膜厚Dとしても良い。
多孔質反射防止膜2の屈折率は1.15〜1.35である。屈折率は多孔質反射防止膜2の空孔率に依存する。屈折率1.15未満にするには、多孔質反射防止膜2の空孔率を67%超にする必要がある。このため屈折率1.15未満であると、多孔質反射防止膜の機械的強度が小さすぎる。屈折率1.35超であると、優れた反射防止効果を得られない。
[2] 光学素子の製造方法
(1) 原料
(a) ケイ素化合物
ケイ素からなる多孔質反射防止膜は、ケイ素アルコキシド及び/又はシルセスキオキサンの加水分解重合により形成する。ケイ素アルコキシドとしてはアルコキシル基を3つ以上有するものが好ましい。アルコキシル基を3つ以上有するケイ素アルコキシドを出発原料とすることにより、優れた均一性を有する多孔質反射防止膜が得られる。好ましいケイ素アルコキシドとしてはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが挙げられる。
シルセスキオキサンを出発原料とした場合も、優れた均一性を有する多孔質反射防止膜が得られる。シルセスキオキサンは、一般式RSiO1.5(ただしRは有機官能基を示す。)により表され、ネットワーク状ポリシロキサンの総称である。Rとしては、例えばアルキル基(直鎖でも分岐鎖でも良く、炭素数1〜6である。)、フェニル基、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基等)が挙げられる。シルセスキオキサンはラダー型、籠型等種々の構造を有することが知られており、分子内に空孔を有するものもある。また優れた耐候性、透明性及び硬度を有しており、多孔質反射防止膜の出発原料として好適である。
(b) テンプレート
テンプレートはケイ素アルコキシド及び/又はシルセスキオキサンとともに溶媒に溶解し、多孔質反射防止膜の微細孔を形成する。溶液中で規則的に凝集するテンプレートを用いると、規則的なポア構造を有する多孔質反射防止膜が得られる。テンプレートとしては界面活性剤、ポリエーテル熱分解物が使用できる。界面活性剤としては、アルキルジメチルアミン、アルキルピリジウム塩、ポリオキシエチレン等を用いることができるが、テトラアルキルアンモニウム塩が好ましい。テトラアルキルアンモニウム塩は水溶液中で規則性をもって六角柱状に配列するので、その周囲にケイ素アルコキシド及び/又はシルセスキオキサンの加水分解物が配列することにより、均一な微細孔を有する多孔質反射防止膜が形成する。テトラアルキルアンモニウム塩のアルキル基は直鎖であっても分枝鎖であってもよい。アルキル基の炭素数1〜30であるのが好ましく、1〜20であるのがより好ましい。4個のアルキル基は、同じでも異なってもよい。
テトラアルキルアンモニウム塩の中でもアルキルトリメチルアンモニウム塩がより好ましい。アルキルトリメチルアンモニウム塩は、炭素数14以上の長鎖アルキル基を有するのが好ましい。一般に、長鎖アルキル基の炭素数が増大するにつれて、微細孔の孔径は増大する。テトラアルキルアンモニウム塩の対イオンとしては、塩素イオン、臭素イオンなどのハロゲンイオンが好ましい。具体的にはテトラデカニルトリメチルアンモニウムクロライド、へキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデカニルトリメチルアンモニウムクロライド、エイコサニルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ミリスチルルメチルアンモニウムブロマイドが挙げられる。
(c) 溶媒
溶媒は特に限定されず一般的なものを使用することができる。例えばエタノール、i-プロピルアルコール等のアルコール類及びアセトン、MIBK等のケトン類の他、トルエン、THFを使用することができる。
(2) 加水分解
ケイ素化合物、テンプレート及び溶媒からなる溶液を調製する。ケイ素化合物/テンプレートのモル比は0.1〜1にするのが好ましい。モル比が1超であると、得られる多孔質反射防止膜の空孔率が小さすぎる。モル比が0.1未満であると、空孔率が大きすぎて機械的強度が小さ過ぎる。ケイ素化合物/溶媒のモル比は0.01〜1にするのが好ましい。モル比が1超であると、ケイ素化合物及び/又はテンプレートが溶解し難過ぎる。モル比が0.01未満であると、乾燥に時間がかかり過ぎる。
得られた溶液に酸を添加してpH5以下にし、数分〜2時間程度撹拌する。pH5超であると、重合が急速過ぎてゲル化してしまう。酸の種類は特に限定されず、一般的なものを使用することができる。例えば塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸及び酢酸、酒石酸等の有機酸を使用することができる。酸を添加した後、室温で数分間攪拌することにより透明、かつ均一な溶液が得られる。
(3) スプレーコート
加水分解物と界面活性剤とを含む溶液をレンズ表面にスプレーコートし、レンズ表面に混合物層を形成する。混合物層をスプレーコートによって形成することにより、最大基板傾斜角度θmax0°〜80°のレンズ表面に反射防止膜を均一に形成することができる。このため多孔質反射防止膜のレンズ中央部とレンズ周辺部との膜厚比を小さくすることができる。スプレーコートは、一般的な装置及び方法によることができる。
(4) 焼成
混合物層を乾燥させた後、焼成する。乾燥及び焼成は空気中で行うことができる。例えば80〜150℃に5〜10分程度保持すると、混合物層は十分に乾燥する。焼成温度は350〜500℃にするのが好ましい。焼成温度が350℃未満であると、界面活性剤を十分に除去できない。500℃超にすると、レンズが熱的ダメージを受けてしまうおそれがある。
焼成により、ケイ素からなる骨格構造をほぼ維持したままテンプレートが消失し、微細孔が形成する。得られる微細孔の平均孔径は10 nm以下である。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
(1) 加水分解
メチルシルセスキオキサンベースのlow-k材(JSR株式会社製)5gをエタノール溶媒25 mLに加え、撹拌した。次いで界面活性剤(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、3g)を加えて常温で撹拌した。得られた溶液に塩酸水溶液(0.005 mol/L)0.5 gを加え、常温で1時間撹拌し、加水分解物溶液を得た。
(2) 反射防止膜の成膜
LAK14ガラスからなる対物レンズ1(両面非球面レンズ、屈折率n=1.72)の第一の面11に、加水分解物溶液をスプレーコートし、膜厚104 nmのシリカ膜を形成した。シリカ膜を約120℃で5分間乾燥させた後、約450℃で1時間焼成して界面活性剤を除去し、ポーラスシリカ膜とした。得られたポーラスシリカ膜の屈折率は1.25であり、空孔率は46%であり、細孔の平均孔径は5nmであった。
実施例2
BK7ガラスからなる対物レンズ1(両面非球面レンズ、屈折率n=1.53)の第一の面11に、膜厚113 nmとなるようにシリカ膜を形成した以外実施例1と同様にして、ポーラスシリカ膜を有する光学素子を作製した。ポーラスシリカ膜の空孔率は57%であり、細孔の平均孔径は5nmであった。
比較例1
LAK14ガラスからなる対物レンズ1(両面非球面レンズ、屈折率n=1.72)の第一の面11に、電子ビーム式の真空蒸着装置を用いて、MgF2(屈折率n=1.38)を膜厚132 nmとなるように蒸着した。MgF2からなる緻密膜を有する光学素子が得られた。
比較例2
各層の膜厚が表1のとおりとなるように、ZrO2(屈折率n= 2.04)からなる薄膜と、MgF2(屈折率n= 1.38)からなる薄膜とを交互に形成した以外比較例1と同様にして、緻密な多層膜を有する光学素子を作製した。
注 層No.は、レンズ側から順にNo.1、No.2、・・・・No.8とする。
比較例3
BK7ガラスからなる対物レンズ1(両面非球面レンズ、屈折率n=1.53)の第一の面11に、膜厚114 nmとなるようにMgF2(屈折率n=1.38)を蒸着した以外比較例1と同様にして、MgF2緻密膜を有する光学素子を作製した。
実施例1〜3、並びに比較例1及び2で作製した光学素子の第一の面11に、空気中で波長405 nmのレーザー光を照射し、光透過率 (%)を測定した。また比較例4としてLAK14ガラスレンズ、比較例5としてBK7ガラスレンズの光透過率 (%)を同様に測定した。結果を表2に示す。
注 −は、反射防止膜が成膜されていないことを示す。
本発明の製造方法により得られる光学素子の一例を示し、(a) は縦断面図であり、(b) は上面図である。 図1に示す光学素子の部分拡大断面図である。 光ピックアップ装置の対物レンズの一例を示す断面図である。 レンズの光線入射角度と反射率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1・・・光学素子
11・・・第一の面
12・・・第二の面
2・・・反射防止膜

Claims (1)

  1. レンズ表面に酸化ケイ素からなる単層の多孔質反射防止膜を有する光学素子を製造する方法であって、前記レンズの有効径内であって基板傾斜角度50°以上の部分の投影面積が前記有効径内の投影面積の10%以上であり、前記多孔質反射防止膜の平均孔径が10 nm以下であり、前記多孔質反射防止膜の屈折率が1.15〜1.35であり、前記多孔質反射防止膜のレンズ周辺部の膜厚がレンズ中心の膜厚の(cos(基板傾斜角度)) 0.7 倍〜(cos(sin -1 (sin(基板傾斜角度/多孔質反射防止膜の屈折率)))) -1 倍であり、ケイ素アルコキシド及び/又はシルセスキオキサンと、テンプレートと、酸と、水とを含有する混合物を前記レンズの表面にスプレーコートし、得られた混合物層を乾燥した後、焼成して前記テンプレートを消失させることを特徴とする方法。
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